説明

ローカストビーンガム加水分解物を含む化粧用組成物

本発明は、ローカストビーンガム加水分解物、その調整方法、ヘア化粧品におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローカストビーンガム加水分解物の調製および化粧用毛髪組成物におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ローカストビーンは、カロブ樹(Ceratonia siliqua L.)の実であり、マメ科の雌雄異株植物であり、地中海地域(北アフリカ、中近東、南ヨーロッパ)およびカナリア諸島が原産である。ローカストビーン粉末とも呼ばれる、ローカストビーンガムは、さやに含まれる、ローカストビーンの木の豆の胚乳をひくことにより得られる。ローカスビーンの種は、茶色であり、平らな卵形の形状であり、両凸で、とても固い。種は、それぞれ髄核隔(pulpy septa)によりそれぞれ分けられている。さやごとに15〜20個ある。さやは、イナゴマメ(locust beans)とも呼ばれる。それらは、長さ10〜30cm、幅1.5〜3cmで、最初は緑色、その後成熟により濃い茶色で、ぶら下がっている。
【0003】
したがって、ローカストビーンガムの製造は、一方では、種をさやから、一方では、その後の胚乳を種、内果皮、および胚のそれ以外の部分から、最適な分離を必要とする。ローカストビーンガムは、ガラクトマンナンタイプの多糖から本質的になり、その分子量は、50,000〜数百万である。ローカストビーンガムは、水とコロイドを形成し、それは、水が80〜90℃の温度に温められた場合、その最適な可溶化状態に達する。得られた溶液は、かすかに濁っており、とても高い粘性を有する。
【0004】
このガムは、食品産業では、スープ、ソース、クリーム、アイスクリームなどの増粘剤およびゲル化剤として特に知られている。医療産業でも、ガムをこれらと同じ性質のために用いる。
【0005】
その高いゲル化および粘性化力により、シャンプーのような液体化粧形態においてローカストビーンガムを用いることは、大変困難である。さらに、その高分子量により、ローカストビーンガムを髪に使用すると化粧品における美しくなくかつ望ましくない増量効果を与える。これら負の効果があるにもかかわらず、その化学的構造およびその髪への親和性により、ローカストビーンガムは、髪に対するそのコーティングおよび保護効果のような注目される性質を有する。
【0006】
髪の調子を整えることおよび基礎的なシャンプーには見つからない、例えば、保護効果、スタイリング効果、または特定の色の付加などの新しい特性を製品に提供することを可能にする、シャンプーまたはコンディショナーに添加したあらゆる種類の製品が存在する。したがって、ヘア製品における多糖誘導体の使用は知られている。それらの物理化学的特徴(粘性、溶解性、色など)は、前記ヘア組成物にそれらを組み込むことを多少簡単にすることができる。天然抽出物の長い糖鎖を有する製品は、それ自体は、化粧用組成物中に難溶であり、例えば、それらを使用可能に提供するためには、一般に化学的手段によりヒトが介在しなければならない。
【0007】
したがって、本発明者は、増量効果のような前述した背景を克服し、かつ髪に対する前記ガムのコーティングおよび保護利益を維持するために、ローカストビーンガムを修飾することを探索している。
【0008】
したがって、本発明者は、驚くべき手段で、シャンプー内に組み込むことができるという新しい物理化学的性質を有するローカストビーンガム加水分解物を調製する。
【0009】
本発明の目的は、したがって、ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して還元糖含有率が、10重量%〜60重量%、有利には、25重量%〜45重量%であるローカストビーンガム加水分解物である。
【0010】
加水分解物は、基質、本明細書ではローカストビーンガムの加水分解反応により生じる生成物である。加水分解は、水の電離により生じる水素イオン(H)および水酸化物イオン(OH)の固定(fixation)による物質(body)の分解である。したがって、水の存在は、加水分解が行われるためには必須である。基質は、純水中に溶解してもよく、または水と1以上の他の溶媒との混合物中に溶解してもよい。
【0011】
還元糖は、酸化還元反応において電子供与体として作用する末端アルデヒド機能を含んでなる糖である。歴史的には、この用語は19世紀のフェーリングの発見に由来し、ある糖が2価銅イオンと反応し、1価銅イオンへと変換することで証明された。前記解析は、糖の末端機能を定量することができる。還元糖の解析は、加水分解の効率を測定することができ、および生成したオリゴマーの評価をすることができる。
【0012】
ボリュームを高める効果の最良の結果は、前記加水分解物の乾燥物重量に対して、還元糖含有量が、10重量%〜60重量%、さらに好ましくは、25重量%〜45重量%であるときにみられている。
【0013】
ローカストビーンガムは、β1−4−グリコシド結合により結合されたマンノースから独特に構成された基本的な長鎖を含んでなる特徴のあるポリガラクトマンナンから本質的に構成されている。この鎖は、α−グリコシド結合によるマンノースの鎖と結合するガラクトースの一単位から構成される枝を有する。この多糖は、天然比率でおよそ4:1のマンノースとガラクトースから構成される。したがって、加水分解はこの多糖だけでなく、ローカストビーンガム上のこの多糖に付随する化合物または化合物の痕跡に、本質的にかかることになることが想定されるだろう。
【0014】
本発明によるローカストビーンガム加水分解物は、化学的および/または物理的および/または生物学的加水分解物であってもよく、換言すれば、化学的および/または物理的および/または生物学的方法から生じてもよい。
【0015】
特定の実施形態では、本発明によるローカストビーンガム加水分解物は、酵素加水分解物であり、有利には、マンナーゼタイプの酵素により得られるものである。
【0016】
マンナーゼタイプの酵素は、加水分解酵素であり、より具体的には、オシダーゼである。したがって、多糖断片または「マンノース−マンノース」単位を含んでなる他の幾つかの分子にある「マンノース−マンノース」単位のオシド結合を加水分解することができるであろう。よって、ローカストビーンガムのマンナーゼの作用は、最初のガラクトマンナンと比較して、減少された大きさの多糖を生産するであろう。
【0017】
ローカストビーンガム加水分解物は、乾燥抽出物の形態になっていてもよく、特に、粉末またはいかなる固体、または流体、または粘性液体抽出物の形態であってもよい。
【0018】
ローカストビーンガム加水分解物の乾燥抽出物は、揮発しない物質すべての集合体という意味で用いられ、ローカストビーンガムを加水分解して生じる。
【0019】
ローカストビーンガム加水分解物の液体抽出物は、無機または有機溶液中のローカストビーンガムの加水分解由来のすべての物質の集合体の意味で用いられる。
【0020】
本発明のもうひとつの目的は、以下の工程を含むローカストビーンガム加水分解物の調製方法である:
a)ローカストビーンガムの加水分解。加水分解は水中で行われる。
b)前記加水分解物の乾燥物重量に対して、還元糖含有量が、10重量%〜60重量%、有利には、25重量%〜45重量%での、加水分解の停止。
c)の工程b)で得られた混合物の固体/液体分離により、ローカストビーンガムの加水分解物を得る。
【0021】
有利には、分離の工程c)は、濾過および/または遠心分離により行われる。
【0022】
この方法は、工程a)で、物理的および/または化学的および/または生物学的経路による加水分解によって、行われることができる。
【0023】
いくつかの手法により、ローカストビーンガムの加水分解物を生成することができる。水源は、加水分解物を得るために、必須である。例えば、化学的加水分解は、強酸により行われてもよい。
【0024】
物理的加水分解は、限界濾過により行われてもよい。
【0025】
生物学的加水分解は、酵素を用いて行われてもよい。
【0026】
生物学的加水分解は、微生物のような生物を用いておこなわれてもよい。
【0027】
これらの方法すべての最終成果は、ローカストビーンガム加水分解物の還元糖含有量により特徴づけられるローカストビーンガム加水分解物である。
【0028】
還元糖のレベルの測定は、当業者に周知な通常手法により行うことができる。例えば、2−ヒドロキシ−3,5ジニトロ安息香酸としても知られている、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)による分析によりおこなってもよい。DNSは、以下の反応に従い還元糖によって3−アミノ−5−ニトロサリチル酸に還元される:
【化1】

【0029】
糖は、一方で、様々な酸化生成物に酸化される:
糖 →酸化生成物 + n.e
【0030】
3−アミノ−5−ニトロサリチル酸は、赤い化合物である。この反応は、化学量論的ではない:そこには酸化還元平衡はない。一定の物理的化学的条件が用いられているのであれば、赤い彩色の彩度は、末端アルデヒド機能の濃度に比例する。検量線は、常に原点を通過しない。
【0031】
ローカストビーンガムの加水分解の停止は、独特の以下の選択された手法:用いていた物理的現象の停止、pHの中和による化学的現象の停止、温度の上昇またはアルコールの添加による活性していた酵素の変性、加水分解物の無効、である。
【0032】
ローカストビーンガム加水分解物は、その後、メンブレンまたはフリット上で濾過されてもよい。
【0033】
加水分解物は、粒子を含まない澄んだ上清を回収するために、さらに遠心分離をされてもよい。
【0034】
この方法は、工程c)で得られた加水分解物を濃縮する、後続の工程d)をさらに含んでいてもよい。
【0035】
これは、加水分解の間に用いられた水の蒸留の手法によって行われる。したがって、加水分解物の温度の上昇を用いて多少著しい真空下におくことにより、または当業者に周知な他の方法により行うことができる。
【0036】
この方法は、微生物保存剤を加えるおよび/またはグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エタノールまたは微生物特性を有効にする溶媒からの溶媒(複数含む)を加える工程をさらに含んでいてもよい。この工程は、濃縮前または一部濃縮の後に行うことができる。加える溶媒の量は、それらの抗菌性によって様々である。
【0037】
微生物保存剤を直接加水分解水溶液に加える場合、前記微生物保存剤は、下記の群から選択されてもよい:例えば、セトリモニウムクロリド、エタノール、カプリリルグリコール(capryl glycol)、グリセリン。この溶液または保存剤の添加は、上記工程のいずれでも行われることができる。それによって、得られた抽出物は、それらのコロイド性を失っており、水中で混和することができ、および/または水で希釈されるだろう。
【0038】
加水分解物は、乾燥抽出物のような固形の形態であってもよい。この方法は、そのとき、ローカストビーンガム加水分解物の乾燥抽出物を得るための加水分解物を乾燥する、後続の工程e)をさらに含んでなる。最初に、加水分解物は濃縮され、その後オーブンの中で、真空下で、例えば40〜90℃の温度で、または噴霧により、凍結乾燥によりまたはその他の方法により、乾燥される。それにより得られた抽出物は、コロイド性を失っており、水にとてもよく溶ける。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明によるローカストビーンガム加水分解物を調製する工程a)は、酵素加水分解により、有利には、マンナーゼタイプの酵素により行われる。
【0040】
有利には、前記好ましい実施形態の範囲内では、製造方法の工程a)は、適当な温度およびpH条件下でローカストビーンガムの水溶液と、マンナーゼタイプの酵素とを接触させることである。したがって、この酵素は、常時撹拌下で、初めに水に可溶化される。水は、事前に30℃〜70℃、優先的には40℃〜50℃で可変な温度に温めておく。酵素に対する水の割合(比率)は、水/酵素比(重量/重量)で、10/1〜1000/1、優先的には20/1〜200/1で変化する。その後、ローカストビーンガムは、水/ガム比(重量/重量)で、5/1〜20/1、優先的には7/1〜12/1で変化できる溶液に加えられる。したがって、ローカストビーンガムの酵素加水分解物を調製する方法は、工程a)の間、ローカストビーンガムとマンナーゼタイプの酵素が乾燥重量で1/2〜200/1の反応比を有している。
【0041】
その後、pHは、2〜7、および優先的には4〜5の値になるように酸(例えば、HCl、HSO、CHCOOH)または塩基(例えば、KOH、NaOH)の添加によって調製されてもよい。
【0042】
撹拌および温度は、30分〜10時間、および優先的には1時間30分から3時間、酵素加水分解の間維持される。還元糖含有量が、望ましい値に達した場合、加水分解は、停止されてもよい。この好ましい実施形態の範囲内には、工程a)で酵素加水分解を活性化する方法は、好ましくは、工程b)で、70〜100℃、有利には95〜100℃の温度で5分〜30分の様々な継続時間で上昇することにより、またはアルコールの添加により、停止される。
【0043】
本発明のもう一つの目的は、活性成分として本発明によるローカストビーンガム加水分解物を含んでなる化粧用組成物にも関する。
【0044】
したがって、本発明の化粧用組成物は、活性成分として、ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して10重量%〜60重量%の還元糖含有量を有する、優先的には、ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して25重量%〜45重量%の還元糖含有量を有するローカストビーンガム加水分解物を含んでなる。
【0045】
有利な様式では、本発明の化粧用組成物は、活性材料として、本発明のローカストビーンガム加水分解物、酵素、優先的には、マンナーゼタイプの酵素により得られたもの、を含んでなる。
【0046】
本発明のローカストビーンガム加水分解物は、本発明の化粧用組成物中で乾燥抽出物または液体抽出物の形態であってもよい。
【0047】
優先的には、本発明による化粧用組成物は、本発明によるローカストビーンガム加水分解物の乾燥抽出物の量が前記化粧用組成物100gに対して0.1g〜2.0g、優先的には、0.1〜1.0g、および特に好ましい様式では、化粧用組成物100gに対して約0.5グラムを含んでなる。
【0048】
本発明による化粧料組成物は、有利には、局所適用のために化粧業界で用いられる通常のすべての形態であってよい。したがって、優先的には、例えば、シャンプー、ゲル、ローション、フォーム、スプレー、分散体、美容液、マスク、ボディローション、ボリューム付けバーム、またはクリームの形態であってよい。
【0049】
優先的な様式では、本発明による化粧用組成物は、ヘア組成物である。
【0050】
ヘア組成物は、髪の洗浄、カラーリング、ケアまたはスタイリングを目的とした水溶性および/または有機組成物の意味で用いられる。有利には、それは髪のスタイルを固定し、および/または髪の整髪状態に有益な効果を提供し、および/または髪に光沢を提供し、および/またはヘアスタイルを維持するまたは形作ることを可能にする。
【0051】
本発明に適合する組成物は、髪、まつげ、スカルプおよび髪に関するその他のようなケラチン状素材の洗浄またはトリートメントのために用いられてもよい。
【0052】
本発明による化粧用組成物は、通常の化粧用に混合しても反応を起こさない賦形剤をさらに含んでなる。
【0053】
本発明のヘア組成物と混合しても反応を起こさない通常の賦形剤は、前記形態で局所適用するための化粧用組成物を得るために当業者に知られているいかなる賦形剤であってもよい。
【0054】
本発明による化粧用組成物は、特に、乳化する、洗浄する、泡立てるタイプなどの界面活性剤のような添加剤および形態補助剤、錯化剤、増粘剤、ゲル化剤、安定化剤、抗菌性保存剤および抗酸化剤などの保存剤、調整剤、酸性化剤、アルカリ化剤、軟化剤、溶剤、着色料、香料を含む。
【0055】
本発明のヘア組成物は、カラーリングまたは光沢剤のような髪の調整のために有用な他の化合物を含んでいてもよい。
【0056】
本発明のもう一つの目的は、本発明によるローカストビーンガムカス分解物の化粧剤としての使用である。
【0057】
したがって、ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して還元糖含有量が、10重量%〜60重量%、優先的には、前記加水分解物の乾燥物重量に対して還元糖含有量が25重量%〜45重量%であることを特徴とするローカスト加水分解物は、化粧剤として用いられる。
【0058】
有利な様式では、化粧剤として用いられる本発明のローカストビーンガム加水分解物は、酵素加水分解物、優先的にはマンナーゼタイプの酵素により得られたものである。
【0059】
さらに、本発明のローカストビーンガム加水分解物は、乾燥抽出物または液体抽出物の形態で化粧剤として用いられてもよい。
【0060】
有利には、本発明のローカストビーンガム加水分解物は、化粧用組成物中で、優先的にはヘア組成物中で、化粧剤として用いられる。
【0061】
本発明のもう一つの目的は、本発明によるヘア組成物の髪にボリュームを高める効果を与えるための使用である。
【0062】
本発明のもう一つの目的は、本発明によるヘア組成物の髪を保護すると同時に髪をコートするための、有利には、薄い髪および/またはボリュームのない髪に適用するための、使用である。
【0063】
本発明によるヘア組成物は、髪の根元から先までのボリュームを作り出すことを目的としている。その後のその髪は、長く持続するボリュームのために、完全に格好がよい。髪のテクスチャーはそれによって改良される。
【0064】
下記の実施例は、本発明を説明するが、その範囲に制限されるものではない。
【実施例】
【0065】
例1:マンナーゼタイプの酵素によるローカストビーンガムの酵素加水分解の条件
水1000リットルを撹拌と同時に45℃の温度にまでリアクター中で温める。マンナーゼ10kgを加える。希釈後、ローカストビーン粉末100kgを加える。pHを4.5に調整する。
【0066】
温度と撹拌は3時間維持し、その後温度を95℃に10分間上昇する。冷却後、フィルター上で固体/液体分離を行う。集められた溶液は、濃縮し、その後乾燥する。それによって加水分解されたローカストビーンガム80kgを得て、それの還元糖含有量は、約35%(重量/重量)であった。
【0067】
例2:マンナーゼタイプの酵素によるローカストビーンガムの酵素加水分解の条件
水100リットルを撹拌と同時に50℃の温度までリアクター中で温める。マンナーゼ0.5kgを加え、その後ローカストビーンガム20kgを加える。pHを4に調整する。加水分解は2時間維持し、その後温度を95℃に15分間上昇する。冷却後、溶液を濾過し、その後濾液に同量のプロピレングリコールを加える。還元糖の分析は、乾燥重量に対して約20%(重量/重量)を示した。
【0068】
例3:ヘア化粧品でのローカストビーンガム加水分解物の有効性の検討
未処理コントロールと比較した髪の束のボリュームにおける、例1で記載された方法により得られた加水分解されたローカストビーンガム1%水溶液の活性を評価することができるヘア化粧品での有効性の検討。このために、事前に束を標準的な手法で洗った後、また標準的な手法により乾燥した。これらの束はその後加水分解されたローカストビーンガム水溶液または水の中に、3分間浸した。前記束は、その後18時間、「鳥かご」型に作られた型上で乾燥した。髪のボリュームにおける活性を、画像解析により測定する。このために、束を光源と反対に置き、180°回転させる。この回転の間に、移動での束のボリュームをスクリーンに映し、その外観を測定した。外観面積が大きくなるほど、試験する製品のボリュームを高める効果も大きくなる。結果の解析は、加水分解されたローカストビーンガムにより処理した群に好意的である2つの群との間に、+11%という束のボリュームでの顕著な差異を示し、したがって、ボリュームを高めるシャンプーでのその使用を正当化する。
【0069】
例4:組成物:ボリュームを高めるシャンプー
ローカストビーンガム加水分解物乾燥抽出物 0.3〜1.0g
硫酸アンモニウムドデシル 1.5g
ドデシル硫酸ナトリウム 10.0g
ココアンホジ酢酸 10.0g
セテアレス−60ミリスチルグリコール 0.75g
EDTA2ナトリウム 0.2g
ヒドロキシプロピルグアール 0.25g
カプリリルグリコール 1.0g
セトリモニウムクロリド 2.0g
クエン酸1水和物 pH=5とするための十分量
着色料 十分量
香料 十分量
精製水 100gとするための十分量
【0070】
例5:組成物:ボリュームを高めるすすぎを含まない噴霧可能なゲル
ローカストビーンガム加水分解物乾燥抽出物 0.1〜0.7g
キサンタンガム 0.3g
ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー 1.0g
ジメチコンコポリオール 0.3g
ひまし油 0.3g
変性エチルアルコール 6.0g
EDTA2ナトリウム 0.2g
香料 十分量
保存料 十分量
水酸化ナトリウム pH=5.5〜6.5とするための十分量
精製水 100gとするための十分量
【0071】
例6:組成物:ボリュームを高めるフォーム
ローカストビーンガムカス分解物乾燥抽出物 0.1〜0.7g
ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー 1.0g
セトリモニウムクロリド 1.0g
4級化ポリビニルピロリドン−アクリルアミド 3.0g
グリセリン 0.5g
パンテノール 0.2g
セテラアレス−20 0.2g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
香料 十分量
クエン酸1水和物 pH=5〜6とするための十分量
精製水 100gとするための十分量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、ローカストビーンガム加水分解物を含んでなる化粧用組成物であって、
ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して還元糖含有量が10重量%〜60重量%である、化粧用組成物。
【請求項2】
ローカストビーンガム加水分解物が、ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して25重量%〜45重量%の還元糖含有量を含んでなる請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項3】
ローカストビーンガム加水分解物が、酵素加水分解物である、請求項1または2に記載の化粧用組成物。
【請求項4】
マンナーゼタイプの酵素により得られた酵素加水分解物である、請求項3に記載の化粧用組成物。
【請求項5】
ローカストビーンガム加水分解物が、乾燥抽出物または液体抽出物の形態のものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項6】
ローカストビーンガムの量が化粧用組成物100gに対して約0.1g〜2.0gである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項7】
シャンプー、ゲル、ロ−ション、フォーム、スプレー、分散体、美容液、マスク、ボディローション、ボリューム付けバームまたはクリームの形態である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘア組成物。
【請求項9】
ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して還元糖含有量が10重量%〜60重量%であるローカストビーンガム加水分解物の化粧剤としての、使用。
【請求項10】
ローカストビーンガム加水分解物の乾燥物重量に対して還元糖含有量が25重量%〜45重量%である、請求項9に記載のローカストビーンガム加水分解物の化粧剤としての使用。
【請求項11】
ローカストビーンガム加水分解物が酵素加水分解物である、請求項9または10に記載のローカストビーンガム加水分解物の化粧剤としての使用。
【請求項12】
酵素加水分解物が、マンナーゼタイプの酵素により得られた酵素加水分解物である、請求項11に記載のローカストビーンガム加水分解物の化粧剤としての使用。
【請求項13】
ローカストビーンガム加水分解物が、乾燥抽出物または液体抽出物の形態の加水分解物である、請求項9〜12のいずれか一項に記載のローカストビーンガム加水分解物の化粧剤としての使用。
【請求項14】
化粧料組成物での、好ましくはヘア組成物での、請求項9〜13のいずれか一項に記載のローカストビーンガム加水分解物の化粧剤としての使用。
【請求項15】
髪にボリュームを高める効果を与えるための、請求項8に記載のヘア組成物の使用。
【請求項16】
髪を保護すると同時に髪をコートするための、有利には、薄い髪および/またはボリュームのない髪に適用するための、請求項8に記載のヘア組成物の使用。

【公表番号】特表2012−513449(P2012−513449A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542824(P2011−542824)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067831
【国際公開番号】WO2010/072801
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(500166231)ピエール、ファブレ、デルモ‐コスメティーク (30)
【氏名又は名称原語表記】PIERRE FABRE DERMO−COSMETIQUE
【Fターム(参考)】