説明

ロータリ耕耘機

【課題】 構成部材が少なく構造が簡単で製造費が安上がりになり、しかも支持フレームの高さ設定を容易にすることができるロータリ耕耘機を提供する。
【解決手段】 支持フレーム9には、左右一対の揺動アーム81と、接地部材7,8を支持するツールバー83とが備えられ、一方の揺動アーム81に支持フレーム9の揺動高さを示す目盛り96が前後方向に設けられ、枢支軸84の上方位置の機枠4に連動杆98の前上側が左右方向の支軸99廻りに上下揺動自在に支持され、連動杆98の後下側には、左右方向に屈曲されかつ前記一方の揺動アーム81に上側から接当される接当部101が形成され、かつ接当部101自体に又はその近辺に目盛り96と対向する指標部101aが形成され、前記指標部101aが揺動アーム81の上下揺動に連動して前記目盛り96に沿って前後に移動自在とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地部材を支持している支持フレームの揺動高さの設定を容易にできるロータリ耕耘機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラクタに3点リンク機構を介して装着されるロータリ耕耘機には、その機枠に枢支軸を介して上下揺動自在に支持フレームが後方突設され、支持フレームの後部に圃場に接地する接地部材が設けられ、機枠のトップマストと支持フレームの前後中間位置との間に支持フレームの揺動高さ調整をする伸縮調整可能な揺動高さ調整機構が設けられ、前記支持フレームが、機枠から後方に突出された左右一対の揺動アームと、左右一対の揺動アームの後部間に連結されて接地部材を支持するツールバーとを備えたものがある。
【0003】
この種の従来のロータリ耕耘機では、作業者が支持フレームの揺動高さの設定を容易にすることができるようにするために、トップマストに前面側が円弧状に形成されて目盛りが付されている表示台が固定され、該目盛りがロータリ耕耘機を持ち上げた状態でトラクタの運転席から視認可能とされている。そして、目盛り上を動く指示部材が設けられ、揺動高さ調整機構の動きを指示部材に伝える連動機構が設けられたものがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−237294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来では、支持フレームの揺動高さを示す目盛りが付された表示台をトップマストに別途設ける必要があるし、揺動高さ調整機構の動きを指示部材に伝える比較的複雑な構成の連動機構を設ける必要があり、構成部材が多く構造が複雑で製造費が高く付いた。
本発明は上記問題点に鑑み、構成部材が少なく構造が簡単で製造費が安上がりになり、しかも支持フレームの揺動高さの設定を容易にすることができるロータリ耕耘機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における上記目的を達成するために、請求項1においては、ロータリ耕耘機の機枠4に枢支軸84を介して上下揺動自在に支持フレーム9が後方突設され、支持フレーム9の後部に圃場に接地する接地部材7,8が設けられ、機枠4と支持フレーム9の前後中間位置との間に支持フレーム9の揺動高さ調整をする伸縮調整可能な揺動高さ調整機構85が設けられたロータリ耕耘機であって、
前記支持フレーム9には、機枠4から後方に突出された左右一対の揺動アーム81と、左右一対の揺動アーム81の後部間に連結されて接地部材7,8を支持するツールバー83とが備えられ、
一方の揺動アーム81に支持フレーム9の揺動高さを示す目盛り96が前後方向に設けられ、前記枢支軸84の上方位置の機枠4に連動杆98の前上側が左右方向の支軸99廻りに上下揺動自在に支持され、連動杆98の後下側には、左右方向に屈曲されかつ前記一方の揺動アーム81に上側から接当される接当部101が形成され、かつ接当部101自体に又はその近辺に目盛り96と対向する指標部101aが形成され、前記指標部101aが揺動アーム81の上下揺動に連動して前記目盛り96に沿って前後に移動自在とされている点にある。
【0007】
請求項2においては、前記指標部101aは連動杆98の後下側に接当部101よりも下方へ突出しかつ一方の揺動アーム81の内側面に対向して設けられ、前記目盛り96が一方の揺動アーム81の内側面側に設けられているものである。
請求項3においては、前記指標部101aは接当部101自体に形成され、接当部101は前記揺動アーム81の上面の頂部に摺接移動自在とされ、前記目盛り96は揺動アーム81の接当部摺接箇所近傍に設けられているものである。
【0008】
請求項4においては、前記連動杆98は後下端を略L字状に屈曲して接当部101が形成され、連動杆98の前上端は機枠4に左右方向の支軸99を介して枢支され、接当部101には前記一方の揺動アーム81に対して左右方向に位置規制をする規制体103が設けられているものである。
請求項5においては、前記揺動高さ調整機構85は伸縮自在なネジシリンダ91を備えると共に、ネジシリンダ91を伸縮させる電動モータ93を備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1によれば、支持フレームにおける既存の揺動アームに支持フレームの揺動高さを示す目盛りを設ければよいため、支持フレームの揺動高さを示す目盛りを付した表示台を別途トップマスト等に設ける必要がなくなる。また、後下側が左右方向に屈曲された連動杆を機枠に左右方向の支軸廻りに上下揺動自在に支持すれば、連動杆の後部側で揺動高さ調整機構の動きに連動して前記目盛りに沿って前後に動く指標部を構成することができる。しかも、支持フレームの揺動高さを調整するときにはロータリ耕耘機を持ち上げた状態で行うので、運転席から揺動アームの目盛りと指標部の位置とで支持フレームの揺動高さを容易かつ正確に確認することができる。従って、構成部材が少なく構造が簡単で製造費が安上がりになり、しかも支持フレームの高さ設定を容易にすることができる。
【0010】
請求項2によれば、目盛りを読み取りやすい指標部を別途設けることができ、支持フレームの揺動高さを更に正確に読み取ることができる。
請求項3によれば、連動杆の接当部自体で指標部を構成することができ、これにより構成部材がより少なくなって構造が簡単で製造費が一層安上がりになる。この場合、接当部が揺動アームに接当する位置を外して目盛りを設ければ、目盛りの摩耗や破損を防止でき、正確な支持フレームの揺動高さを読み取れる。
【0011】
請求項4によれば、連動杆乃至接当部は棒材等で形成することができ、揺動アームの上下揺動に連動して左右方向に大きくガタ付くことなく一方の揺動アームの上面側をスムーズに前後移動するため、より容易かつ正確に支持フレームの高さ設定をすることができる。
請求項5によれば、例えば電動モータのオンオフ及び正逆転を切り替えるだけで揺動高さ調整機構を容易に伸縮調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態を示すロータリ耕耘機の側面図である。
【図2】同ロータリ耕耘機をトラクタに装着した状態の側面図である。
【図3】同ロータリ耕耘機の背面斜視図である。
【図4】第2実施形態を示す側面図である。
【図5】第3実施形態を示す背面図である。
【図6】第4実施形態を示す背面図である。
【図7】第5実施形態を示す平面図である。
【図8】第6実施形態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施形態を示し、同図において、1はトラクタ2等の牽引車輌の後部に三点リンク機構3等の装着機構を介して昇降可能に装着されるロータリ耕耘機である。
このロータリ耕耘機1は、トラクタ2に三点リンク機構3を介して取り付けられる機枠4と、土壌を耕耘する耕耘部5と、この耕耘部5を覆う耕耘カバー6と、培土器8等の接地部材が取り付けられる支持フレーム9とを備えている。
【0014】
三点リンク機構3は、上部の1本のトップリンク11と、下部の左右一対のロワーリンク12とを備え、トップリンク11及び左右各ロワーリンク12の前端側はトラクタ2側に枢着され、トップリンク11と左右各ロワーリンク12の後端側には、連結枠13が取り付けられている。
本実施形態ではサイドドライブ方式のロータリ耕耘機1が例示され、前記機枠4は、左右方向中央部のギヤケース14から左右両側にサポートアーム15を延出すると共に左側サポートアーム15の延出端に伝動ケース16の上部を取り付け、右側サポートアーム15の延出端にサイドフレーム17の上部を取り付けて門型状に主構成されている。
【0015】
ギヤケース14の上部にはトップマスト18が上方突出状に設けられ、このトップマスト18は前後二股状に形成され、該トップマスト18の前上部には前記連結枠13の上部の上係合部が下側から係合する(又はトップリンク11の後端側が直接枢支連結される)上連結ピン19が設けられている。
左右の各サポートアーム15にはそれぞれ連結ブラケット20が設けられ、各連結ブラケット20の前部には前記連結枠13の下部の下連結部が後方側から連結される(又はロワーリンク12の後端側が直接枢支連結される)下連結ピン21が設けられている。
【0016】
耕耘部5は、伝動ケース16とサイドフレーム17との下部間に左右方向の軸芯廻りに回転自在に支架された爪軸22と、この爪軸22に取り付けられた多数の耕耘爪23とから構成されている。
トラクタ2のPTO軸24からジョイント軸25を介してギヤケース14のPIC軸26に伝達された動力は、ギヤケース14内のベベルギヤ伝動機構に入力されると共に該ベベルギヤ伝動機構から左側サポートアーム15内の伝動軸、伝動ケース16内のチェーン伝動機構を経て爪軸22に伝達され、爪軸22が矢示A方向に回転駆動されることにより、耕耘部5が回転駆動されるように構成されている。
【0017】
耕耘カバー6は、耕耘部5の上方を覆う上部カバー27と、耕耘の後方を覆う後部カバー28とを備えている。後部カバー28は上端側が上部カバー27の後端側に回動支軸29を介して左右方向の軸芯廻りに回動自在に枢支されていて、前記回動支軸29の軸芯廻りに上下揺動自在とされている。
前記後部カバー28は、本実施形態では、上端側が前記回動支軸29を介して枢支されたカバー本体と、このカバー本体の下端側に着脱自在に取り付けられた整地カバーとを有する。
【0018】
また、後部カバー28は下端側が接地して耕耘部5で耕耘された圃場を整地する。
左右の各サポートアーム15には前ブラケット31が設けられ、後部カバー28の背面には前記左右の前ブラケット31に対応して左右一対の後ブラケット32が設けられ、左右同じ側にある前ブラケット31と後ブラケット32とにわたって、後部カバー28を下方(接地方向)に付勢する弾下装置33L,33Rが設けられている。
【0019】
前記支持フレーム9は、前後方向に長い左右一対の揺動アーム81と、これら左右揺動アーム81同士を連結する中間連結部材82と、左右方向に沿って配置されていて左右の揺動アーム81の後端側に固定されたツールバー83とから主構成されている。
左右の各揺動アーム81は、前側の外筒体81aと該外筒体81aに後端側から挿入された内筒体81bとから長さ調整自在に構成され、前記中間連結部材82は前記外筒体81a同士を連結している。
【0020】
各揺動アーム81の外筒体81aの前端側は、機枠4のサポートアーム15に設けられた前記連結ブラケット20の後部に左右方向の枢支軸84廻りに上下揺動自在に枢支連結されており、支持フレーム9は前記枢支軸84を介して上下揺動自在とされている。
前記ツールバー83の左右方向中央側に培土器(接地部材)8が左右方向の軸芯廻りに回動自在で且つ揺動高さ調整自在に取り付けられる。
【0021】
支持フレーム9を枢支軸84廻りに上げ下げすることにより、培土器8の揺動高さ調整がなされる。
培土器8は回動支軸80廻りに上げ下げ自在とされていて、培土器操作装置88によって、接地する作用姿勢と上方に退避する退避姿勢とに姿勢変更自在になっている。
前記トップマスト18と支持フレーム9の中間連結部材82とにわたって、支持フレーム9を上げ下げすることによりツールバー83の高さを調整する伸縮調整可能な揺動高さ調整機構85が設けられている。
【0022】
前記トップマスト18は左右方向で対向配置された左右一対の前後二股状のプレート18aを相互に連結することにより構成され、支持フレーム9の中間連結部材82には左右一対のブラケット板86が設けられている。
前記揺動高さ調整機構85は伸縮自在なネジシリンダ91を備えると共に、ネジシリンダ91を伸縮させる電動モータ93とを備えている。揺動高さ調整機構85(ネジシリンダ91)の前部側が枢支部79でトップマスト18の後部上端部に上下乃至上下揺動自在に枢支され、電動モータ93をオンオフ及び正逆転を切り替えるための図示省略の操作スイッチがトップマスト18の前部又はトラクタ2の運転席側に配置されている。
【0023】
前記電動モータ93は揺動高さ調整機構85に着脱自在に取り付けられる他に、左側の弾下装置33L及び培土操作装置88にも着脱自在に装着されて、後部カバー28及び培土器8を上げ下げする動力に兼用できるようになっている。
ロータリ耕耘機1には、電動モータ93を使用しないときに該電動モータ93を保持しておくための保持部材89が設けられている。保持部材89はボルト等の締結具90によりトップマスト18に取り付けられている。
【0024】
前記左右揺動アーム81のうちの一方(左側)の揺動アーム81の外筒体81aの上面側に支持フレーム9の揺動高さを示す目盛り96が前後方向に設けられている。この支持フレーム9の揺動高さを示す目盛り96は例えば目盛りを表示したラベルを揺動アーム81の上面側に貼り付けることにより又は刻印することにより形成され、目盛り96は一方の揺動アーム81の上面頂部を含む上面全体に設けられている。
【0025】
トップマスト18の後部に前記締結具90を兼用して連動杆98が後下方に突出状に取り付けられている。連動杆98は支持ブラケット97と該支持ブラケット97に固設した棒材100とを有し、連動杆98の前上側が前記枢支軸84の上方で締結具90の左右方向の軸部である支軸99廻りに上下揺動自在に支持されて後下方に突出されている。連動杆98の支軸99は枢支軸84から上方に大きく離間した揺動高さ調整機構85の枢支部79の近傍に配置されており、揺動高さ調整機構85の伸縮動作に対応して連動杆98が支軸99廻りに上下揺動するように構成されている。
【0026】
連動杆98の後下側には棒材100が左右方向外方にL字状に屈曲されかつ前記一方の揺動アーム81に上側から接当される接当部101が形成され、該接当部101自体が指標部101aとされ、接当部101乃至指標部101aが揺動アーム81の枢支軸84廻りの上下揺動に連動して前記目盛り96上(揺動アーム81の上面の頂部上)を前後に摺接自在とされている。連動杆98の接当部101に左右一対のリング状の規制体103が一方の揺動アーム81を左右から挟むように外嵌装着され、一対の規制体103は接当部101を一方の揺動アーム81に対して左右方向に位置規制している。
【0027】
上記実施形態によれば、支持フレーム9の揺動高さを設定する場合、三点リンク機構3を介してロータリ耕耘機1及び培土器8を持ち上げ、トラクタ2の運転席側から操作スイッチを操作して電動モータ93を駆動することにより、揺動高さ調整機構85(ネジシリンダ91)を伸長させると、支持フレーム9が枢支軸84廻りに図1の矢印a1方向に下降揺動して低くなるように調整される。このとき、支持フレーム9のa1方向への揺動により、連動杆98が支軸99廻りに矢印a2方向に揺動するので、連動杆98の接当部101が目盛り96上を前方向に動く。
【0028】
また、揺動高さ調整機構85(ネジシリンダ91)を縮小させると、支持フレーム9が枢支軸84廻りに図1の矢印b1方向に上昇揺動して高くなるように調整される。このとき、支持フレーム9のb1方向への揺動により、連動杆98が支軸99廻りに矢印b2方向に揺動するので、連動杆98の接当部101が目盛り96上を後方向に動く。
従って、三点リンク機構3によりロータリ耕耘機1を持ち上げた状態で、作業者はトラクタ2の運転席側から連動杆98の接当部101(指標部101a)及び目盛り96を見ながら、支持フレーム9の揺動高さの設定を簡単確実になすことができる。
【0029】
そして、本実施形態の場合、支持フレーム9における既存の揺動アーム81の上面側に支持フレーム9の揺動高さを示す目盛り96を設ければよいため、支持フレーム9の揺動高さを示す目盛りを付した表示台を別途トップマスト等に設ける必要がなくなる。また、後下側が左右方向にL字状に屈曲された連動杆98をトップマスト18に支軸99廻りに上下揺動自在に支持すれば、連動杆98の後部側で揺動高さ調整機構85の動きに連動して目盛り96上を前後に動く接当部101及び指標部101aを構成することができ、しかも、揺動アーム81の上側の目盛り96と指標部101の位置で支持フレーム9の揺動高さを容易かつ正確に知ることができる。従って、構成部材が少なく構造が簡単で製造費が安上がりになり、しかも作業者が支持フレーム9の揺動高さの設定を容易になすことができる。
【0030】
また、電動モータ93の操作スイッチをトップマスト18の前部又はトラクタ2の運転席側に配置しておくと、揺動アーム81の上側の目盛り96と指標部101の位置で支持フレーム9の揺動高さを正確に確認しながら、トラクタ2の運転席側でのスイッチ操作だけで揺動高さ調整機構85を容易に伸縮調整することができる。
図4は第2実施形態を示し、前記培土器8に代えてツールバー83の左右両側にゲージ輪(接地部材)7が揺動高さ調整自在に且つ着脱自在に取り付けられている。また、電動モータ93が揺動高さ調整機構85を伸縮させる専用のモータとされ、電動モータ93を保持しておくための保持部材89が省略されている。そして、専用の締結具90で連動杆98の前上側をトップマスト18に支軸99廻りに上下揺動自在に支持している。その他の点は前記第1実施形態の場合と同様の構成である。
【0031】
図5は第3実施形態を示し、連動杆98の後下側に、左右方向外方にL字状に屈曲されかつ一方の揺動アーム81の上面の頂部に上側から接当される接当部101が形成され、目盛り96が一方の揺動アーム81の内側面側に設けられている。また、指標部101aは連動杆98の後下側に接当部101よりも下方へ突出しかつ一方の揺動アーム81の内側面に対向して設けられ、これにより、指標部101aは、接当部101の近辺に目盛り96に対向するように形成されている。その他の点は前記第1実施形態の場合と同様の構成である。
【0032】
この実施形態の場合、トラクタ2の運転席は、ロータリ耕耘機1の左右一対の揺動アーム81の中間位置に対応してその前方に配置されているため、支持フレーム9の揺動高さを調整するときにロータリ耕耘機1を持ち上げた状態にすれば、運転席から揺動アーム81の内側面側にある目盛り96と指標部101aとを容易に見ることができて、支持フレーム9の揺動高さを容易かつ正確に確認することができる。しかも、目盛り96を読み取りやすい指標部101aを接当部101とは別に設けることができ、支持フレーム9の揺動高さを更に正確に読み取ることができる。また、接当部101が揺動アーム81に接当する位置を外して目盛り96を設けているため、目盛り96の摩耗や破損を防止でき、正確な支持フレーム9の揺動高さを読み取れる。
【0033】
図6は第4実施形態を示し、目盛り96が一方の揺動アーム81の内側面側の上部に設けられ、指標部101aは連動杆98の後下側に接当部101よりも下方へL字状に突出しかつ一方の揺動アーム81の内側面に対向して設けられ、これにより、指標部101aは、接当部101の近辺に目盛り96に対向するように形成されている。
図7は第5実施形態を示し、連動杆98の後下側の接当部101が揺動アーム81の枢支軸84廻りの上下揺動に連動して揺動アーム81の上面の頂部上を前後に摺接自在とされ、目盛り96は揺動アーム81の上面頂部を除く頂部近傍である接当部摺接箇所近傍に設けられている。指標部101aは接当部101自体に形成されていて、接当部101の一部が指標部101aとされている。
【0034】
図8は第6実施形態を示し、連動杆98の接当部101に揺動アーム81上を転動するローラ105が設けられ、接当部101は揺動アーム81の枢支軸84廻りの上下揺動に連動して揺動アーム81の上面の頂部上をローラ106を介して前後に移動自在とされている。目盛り96は一方の揺動アーム81の上面頂部を除く頂部近傍に設けられている。指標部101aは接当部101の左右方向内端側に外側方に向けて下降傾斜するように形成されていて、目盛り96に対向されている。
【0035】
なお、前記実施の形態では、左右揺動アーム81のうちの左側の揺動アーム81の上面側に支持フレーム9の高さを示す目盛り96が前後方向に設けられているが、これに代え、右側の揺動アーム81の上面側に支持フレーム9の高さを示す目盛り96を前後方向に設けるようにしてもよい。
また、揺動高さ調整機構85はシリンダ以外のネジ式伸縮構造によって構成するようにしてもよい。また、揺動高さ調整機構85を電動モータ93に代えて操作ハンドルで手動により伸縮させるようにしてもよい。
【0036】
また、連動杆98の支持ブラケット97をトップマスト18に固設し、棒材100の上前端部を支持ブラケット97に支軸99廻りに上下揺動自在に連結するようにしてもよい。
また、サポートアーム15又は連結ブラケット20から上方へステーを立設して連動杆98の前上端を枢支したりして、連動杆98をトップマスト18以外の機枠4に支持するようにしてもよい。
【0037】
また、前記第3実施形態から第6実施形態の場合、第1実施形態の場合と同様に接当部101に揺動アーム81に対して左右方向に位置規制する規制体103を1又は複数個設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 ロータリ耕耘機
4 機枠
7 ゲージ輪
8 培土器
9 支持フレーム
81 揺動アーム
83 ツールバー
84 枢支軸
85 揺動高さ調整機構
91 ネジシリンダ
93 電動モータ
96 目盛り
98 連動杆
99 支軸
101 接当部
101a 指標部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ耕耘機の機枠(4)に枢支軸(84)を介して上下揺動自在に支持フレーム(9)が後方突設され、支持フレーム(9)の後部に圃場に接地する接地部材(7,8)が設けられ、機枠(4)と支持フレーム(9)の前後中間位置との間に支持フレーム(9)の揺動高さ調整をする伸縮調整可能な揺動高さ調整機構(85)が設けられたロータリ耕耘機であって、
前記支持フレーム(9)には、機枠(4)から後方に突出された左右一対の揺動アーム(81)と、左右一対の揺動アーム(81)の後部間に連結されて接地部材(7,8)を支持するツールバー(83)とが備えられ、
一方の揺動アーム(81)に支持フレーム(9)の揺動高さを示す目盛り(96)が前後方向に設けられ、前記枢支軸(84)の上方位置の機枠(4)に連動杆(98)の前上側が左右方向の支軸(99)廻りに上下揺動自在に支持され、連動杆(98)の後下側には、左右方向に屈曲されかつ前記一方の揺動アーム(81)に上側から接当される接当部(101)が形成され、かつ接当部(101)自体に又はその近辺に目盛り(96)と対向する指標部(101a)が形成され、前記指標部(101a)が揺動アーム(81)の上下揺動に連動して前記目盛り(96)に沿って前後に移動自在とされていることを特徴とするロータリ耕耘機。
【請求項2】
前記指標部(101a)は連動杆(98)の後下側に接当部(101)よりも下方へ突出しかつ一方の揺動アーム(81)の内側面に対向して設けられ、前記目盛り(96)が一方の揺動アーム(81)の内側面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘機。
【請求項3】
前記指標部(101a)は接当部(101)自体に形成され、接当部(101)は前記揺動アーム(81)の上面の頂部に摺接移動自在とされ、前記目盛り(96)は揺動アーム(81)の接当部摺接箇所近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘機。
【請求項4】
前記連動杆(98)は後下端を略L字状に屈曲して接当部(101)が形成され、連動杆(98)の前上端は機枠(4)に左右方向の支軸(99)を介して枢支され、接当部(101)には前記一方の揺動アーム(81)に対して左右方向に位置規制をする規制体(103)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ耕耘機。
【請求項5】
前記揺動高さ調整機構(85)は伸縮自在なネジシリンダ(91)を備えると共に、ネジシリンダ(91)を伸縮させる電動モータ(93)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ耕耘機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−249590(P2012−249590A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125443(P2011−125443)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】