説明

ロール体搬送装置

【課題】ロール体の受け渡しの際の位置決めをより好適に行う。
【解決手段】ロール体搬送用無人搬送車100は、ロール体の胴部が載置される載置台102と、ターレットに対する載置台102の位置を検出する第1位置検出器138、第2位置検出器140と、載置台102を非鉛直方向に動かす移動部と、載置台102を回転させる回転部と、本体168がロール体をターレットに渡すために停止しているとき、第1位置検出器138、第2位置検出器140によって検出される載置台102の位置が所定の基準位置に近づくように、移動部および回転部のうちの少なくともひとつを制御する制御部50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール体を搬送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール体は帯状またはシート状の素材をコアに巻回してなる。素材は例えばフィルムや紙である。フィルムは液晶や電池の製造に使用されたり、食品の包装に利用されるなど、多くの用途をもっている。そうしたフィルムや紙の生産過程では、まず長尺のフィルムや紙がロール状に形成される。このロール体を取り扱う多くの工場では、ロール体を生産したり加工したりする装置(以下、生産機と称す)へロール体を搬入したり生産機からロール体を搬出したりするために、軌道式または無軌道式の無人搬送台車が使用されている。この台車は例えばロール体の保管場所からロール体を受け取り、生産機のターレットに搬入する。
【0003】
台車とターレットとの間のロール体の受け渡しの際、台車をターレットに対して位置決めする必要がある。この位置決めの方式として従来では例えば特許文献1に記載されるようなアウトリガー方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−222109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アウトリガー方式では、地上にコーンを設け、AGV側にアウトリガーを設け、アウトリガーの凹部をコーンに嵌めることによって位置決めの精度を高めている。しかしながら、凹部とコーンとの嵌め合いの際に塵や埃が生じる可能性があるので、この方式はクリーン性が必要とされる環境では敬遠されがちである。また、生産機の近傍の床にコーンが設けられるので、床をフラット化することが難しい。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的はロール体の受け渡しの際の位置決めをより好適に行うことができるロール体搬送装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様はロール体搬送装置に関する。このロール体搬送装置は、ロール体の胴部が載置される載置台と、予め定められた基準位置に対する載置台の位置を検出する検出部と、載置台を非鉛直方向に動かす移動部と、載置台を回転させる回転部と、本ロール体搬送装置の本体がロール体をロール体受取装置に渡すために停止しているとき、検出部によって検出される載置台の位置が基準位置に近づくように、移動部および回転部のうちの少なくともひとつを制御する制御部と、を備える。
【0008】
この態様によると、ロール体搬送装置の本体がロール体をロール体受取装置に渡すために停止しているとき、載置台の位置を調整することができる。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ロール体の受け渡しの際の位置決めをより好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1(a)、(b)は、搬送対象のロール体を説明するための模式図である。
【図2】生産機側のターレットの斜視図である。
【図3】図3(a)〜(d)は、本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車を示す模式図である。
【図4】図3(b)の制御部の機能および構成を示すブロック図である。
【図5】載置台の位置が調整されるときの図3(b)のロール体搬送用無人搬送車およびターレットアームの一端部を示す正面図である。
【図6】図3(b)のロール体搬送用無人搬送車の本体が本体停止位置で停止しているときの載置台を示す上面図である。
【図7】図3(b)のロール体搬送用無人搬送車の本体が本体停止位置で停止しているときのロール体搬送用無人搬送車およびターレットアームを示す側面図である。
【図8】図8(a)、(b)は、図3(b)のロール体搬送用無人搬送車の本体が本体停止位置で停止しているときのロール体搬送用無人搬送車を示す正面図である。
【図9】図9(a)、(b)は、図3(b)のロール体搬送用無人搬送車が生産機からロール体を受け取る際の様子を示す模式図である。
【図10】図3(b)の載置台がクロスローラを中心として回転する際の傾斜レールおよび接点部の動きを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
図1(a)、(b)は、搬送対象のロール体2を説明するための模式図である。図1(a)はロール体2の斜視図である。ロール体2は、帯状またはシート状の素材4をコア6に巻回してなる。したがって、コア6はロール体2の巻回軸Mに沿って延びる。コア6は半径方向中央に、巻回軸Mに沿って延びる中空部8を有する。コア6は、素材4を巻回する際にそのベースとなる。
【0014】
図1(b)は実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車の載置台102に載置されたロール体2を示す側面図である。ロール体2はその外周面2aすなわち胴部が載置台102に接することによって載置台102に載置される。載置台102は、搬送中にロール体2が転がらないように断面がV字状とされる。
【0015】
図2は、生産機側のターレット20の斜視図である。ターレット20はロール体2を空中に、すなわち工場の床26とは非接触に支持する。ターレット20は、工場の床26に立設されたフレーム22と、フレーム22によって水平面に平行な第1回転軸Jの周りに回転自在に支持されるターレットアーム24と、を含む。
【0016】
ターレットアーム24の一端部24aには、ターレットアーム24の第1回転軸J方向に進退可能な一対のチャック(図2では不図示)が設けられる。ターレットアーム24の他端部24bにも同様の一対のチャックが設けられる。
【0017】
ターレットアーム24に設けられた一対のチャックは、ロール体搬送用無人搬送車との間でロール体2の受け渡しを行うための受け渡し停止位置を含む複数の停止位置の間で移動する。受け渡し停止位置は、例えばターレットアーム24が水平面と略平行となるときの一対のチャックの位置(以下、水平受け渡し停止位置と称す)である。ターレット20は、不図示のモータを使用してターレットアーム24を回転させることで、一対のチャックの停止位置間の移動を実現する。
【0018】
なお、ロール体搬送用無人搬送車からロール体の供給を受けるための停止位置と、ロール体搬送用無人搬送車にロール体を渡すための停止位置と、は異なっていてもよい。
また、水平受け渡し停止位置以外にも、受け渡し停止位置を、例えばターレットアームが水平面と45度程度の角度をなすときの一対のチャックの位置に設定してもよい。
【0019】
本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車は工場内を無軌道で移動するAGV(Automatic Guided Vehicle)であり、ロール体2を胴部で支持し、ターレット20へロール体2を搬入したり、ターレット20からロール体2を搬出したりする。ロール体2の搬入の観点から見ると、ターレット20はロール体搬送用無人搬送車からロール体2を受け取るロール体受取装置である。
【0020】
ロール体2の搬送には、ロール体2の胴部を支持して搬送する胴受け搬送とロール体2のコア6を支持して搬送するコア受け搬送とがあるが、本実施の形態では特に胴受け搬送の場合を説明する。胴受け搬送であるが故に、本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車はロール体2の胴部を受けるための載置台102を有する。この載置台102の大きさはロール体2の胴部を支持するのに十分である必要がある。
【0021】
本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車では、載置台102は2つの支持部によって2箇所で支持され、この2つの支持部が動くことにより載置台102が動く。一方の支持部の動きは載置台102を介して他方の支持部の動きに影響を与えうるので、本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車はそれを考慮した構成を有する。これに対してコア受け搬送では、コアを受けるための2本のアームは基本的に独立に制御しうる。したがって、本実施の形態における載置台、支持部の制御技術と、コア受け搬送におけるアームの制御技術とは異なることは当業者には理解される。
【0022】
ロール体搬送用無人搬送車からターレット20にロール体2を供給する際、ロール体2を積んだロール体搬送用無人搬送車は目標のターレット20に向けて工場内を走行する。ターレット20の近くに来ると、ロール体搬送用無人搬送車の本体は所定の本体停止位置で停止する。ロール体搬送用無人搬送車100は本体を停止させたままロール体2を、一対のチャックの水平受け渡し停止位置に対応する位置に向けて移動させる。
【0023】
水平受け渡し停止位置に対応する位置は、例えば水平受け渡し停止位置に停止している一対のチャックの間の空間(以下、ロール体2の目標位置と称す)である。一方のチャックと他方のチャックと結ぶ線をチャック中心線Cと称する。ロール体搬送用無人搬送車からターレット20へロール体2をスムーズに受け渡すためには、チャック駆動前にロール体2の巻回軸Mとチャック中心線Cとを揃えることが望ましい。
【0024】
本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車は、その本体がロール体2をターレット20に渡すために停止しているとき、載置台102の位置を水平面内で調整する手段および載置台102を回転させる手段を使用して、載置台102の位置を調整する。これにより、ロール体搬送用無人搬送車の本体の実際の停止位置が本体停止位置からずれた場合でも、本体を動かさずにそのずれを補償することができる。これにより、ロール体2をロール体搬送用無人搬送車からターレット20へ渡す際の、ロール体2の巻回軸Mとチャック中心線Cとの位置合わせをより高精度に行える。
「載置台の位置」は、載置台の重心の空間座標と、載置台の向きと、を含んでもよい。本願明細書において、載置台の向きは、ロール体2が載置される載置面を略平面と見たときのその載置面の法線の向きであってもよい。
【0025】
図3(a)〜(d)は、本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車100を示す模式図である。ロール体搬送用無人搬送車100は、載置台102と、載置台支持手段と、第1位置検出器138と、第2位置検出器140と、第1支持部124と、第2支持部と、第1y方向駆動部150と、第2y方向駆動部160と、x方向移載スライド162と、本体168と、を備える。
本体168は、リフタ164と、台車部166と、制御部50と、を含む。
【0026】
以下、互いに直交するx方向、y方向、z方向を導入して説明する。z方向を、鉛直方向すなわち載置台102にロール体2が載置された場合にそのロール体2にかかる重力の方向とする。x方向、y方向は非鉛直方向すなわち鉛直方向と交差する方向であり、特に水平面内で互いに直交する方向である。載置台102は平面視で略矩形であり、載置台102の長手方向をx方向、短手方向をy方向とする。
【0027】
図3(a)はロール体搬送用無人搬送車100の上面図である。
載置台支持手段は、第1ガイドピン114と、第2ガイドピン116と、第3ガイドピン118と、第4ガイドピン120と、第1ロードセル122と、第2ロードセル130と、第3ロードセル132と、台フレーム104と、傾斜レール126と、ポール保持部134と、を含む。
【0028】
第1ガイドピン114、第2ガイドピン116、第3ガイドピン118、第4ガイドピン120はそれぞれ台フレーム104に固定され、載置台102の四隅に設けられた第1ガイド孔106、第2ガイド孔108、第3ガイド孔110、第4ガイド孔112に遊嵌される。台フレーム104は、少なくともロール体搬送用無人搬送車100の本体168が移動している間は本体168に対して固定される。載置台102は、このようにガイドピンがガイド孔に遊嵌されることによってロール体搬送用無人搬送車100に対して水平面内で位置決めされる。
【0029】
第1ロードセル122、第2ロードセル130、第3ロードセル132はそれぞれ、第3ガイドピン118と第4ガイドピン120との間、第1ガイドピン114と第4ガイドピン120との間、第2ガイドピン116と第3ガイドピン118との間に設けられる。各ロードセルは台フレーム104に固定され、載置台102をz方向において支持する。
【0030】
傾斜レール126およびポール保持部134は台フレーム104の下面に固定される。傾斜レール126はy方向に延在するレールである。ポール保持部134は下向きに開口したカップ状の部材である。
【0031】
図3(b)はロール体搬送用無人搬送車100の側面図である。
第1位置検出器138および第2位置検出器140はそれぞれ、台フレーム104のx方向の一端および他端に取り付けられる。載置台102に載置されたロール体2との関係で言えば、第1位置検出器138はロール体2の巻回軸M方向における一端側(以下、右側と称す)に設けられ、第2位置検出器140は他端側(以下、左側と称す)に設けられる。
【0032】
第1投光部90、第2投光部92はそれぞれ地上すなわち工場の床26に対して固定され、第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2を発する。ロール体搬送用無人搬送車100の本体168が本体停止位置にあるとき、第1位置検出器138、第2位置検出器140はそれぞれ第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2を受ける。第1位置検出器138はその受光面における第1レーザ光LB1の受光位置に基づき、第1レーザ光LB1に対する載置台102の右端の位置を検出する。第2位置検出器140はその受光面における第2レーザ光LB2の受光位置に基づき、第2レーザ光LB2に対する載置台102の左端の位置を検出する。第1位置検出器138、第2位置検出器140は合わせて、工場の床26に対する載置台102の位置を検出する検出部を構成する。ターレット20は工場の床26に設けられているので、検出部はターレット20に対する載置台102の位置を検出できる。第1位置検出器138および第2位置検出器140は位置の検出結果を制御部50に送信する。
【0033】
第1支持部124および第2支持部は、互いに異なる位置で台フレーム104を支持することで、載置台102を支持する。第1支持部124は、回転ピン146と、クロスローラ148と、を含む。
回転ピン146は、一端が台フレーム104側の部材に、他端がクロスローラ148側の部材に取り付けられたピンである。回転ピン146は、載置台102が水平面に対して傾斜する場合すなわちz方向と直交する第2回転軸Kを中心として載置台102が回転する場合のその回転の中心となる。
クロスローラ148は、回転ピン146をz方向に沿った第3回転軸Pの周りに回転可能に支持する。クロスローラ148は、第3回転軸Pの周りに載置台102が回転する場合のその回転の中心となる。
【0034】
第1y方向駆動部150は、制御部50からの制御信号に基づいて、本体168に対してy方向に第1支持部124を直線的に動かす。第1y方向駆動部150は、LMガイド(Linear Motion Guide)等のリニアガイドとモータとを適宜組み合わせて構成される。第2y方向駆動部160も同様に本体168に対してy方向に第2支持部を動かす。第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160はいずれもx方向移載スライド162の上面に固定される。
【0035】
第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160が同じ変位で対応する支持部を動かすとき、載置台102はy方向に直線的に動かされる。第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160が異なる変位で対応する支持部を動かすとき、載置台102の動きは、第3回転軸Pを中心とした回転成分と、場合によってはy方向に沿った直線運動成分と、を有する。
【0036】
第2支持部は、傾斜調整部152と、ポール136と、円弧逃げスライド158と、を含む。第2支持部は、第3回転軸Pを中心として載置台102が回転する場合に第2支持部と傾斜レール126との接触位置がx方向に移動することを可能とするために、x方向に遊びを有する。
【0037】
傾斜調整部152は傾斜レール126と接する接点部128を有する。傾斜調整部152は、制御部50からの制御信号に基づいて、傾斜レール126に対して接点部128を摺動させる。傾斜調整部152はリニアガイドやモータやボールネジなどから構成される。
【0038】
ポール136の一端は円弧逃げスライド158に取り付けられ、他端はポール保持部134の内側に挿入される。第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160が異なる変位で対応する支持部を動かすとき、ポール136はポール保持部134をy方向に押し、これにより載置台102が第3回転軸Pを中心として回転する。またこのとき、ポール保持部134はx方向に移動し、その移動に伴ってポール136もx方向に移動する。その結果、円弧逃げスライド158も追従してx方向に動く。
円弧逃げスライド158は、ポール136のx方向の動きに伴って傾斜調整部152の接点部128をx方向に移動可能なようにリニアガイドなどから構成される。
【0039】
x方向移載スライド162は、制御部50からの制御信号に基づいて、本体168に対してx方向に第1支持部124および第2支持部を動かすことで、載置台102を動かす。x方向移載スライド162はリフタ164の上面に固定される。
【0040】
リフタ164はパンタ式の電動リフタであり、x方向移載スライド162を昇降させることで、載置台102をz方向に動かすまたは昇降させる。
台車部166は従動車輪170および駆動車輪172を含み、リフタ164を搭載する。台車部166はロール体搬送用無人搬送車100を工場内で移動させる。
【0041】
図3(c)は傾斜レール126に対する接点部128の摺動の様子を図3(b)のBの矢印で示される向きから見た模式図である。傾斜レール126の下面は傾斜レール126が延在する方向に沿って傾斜している。円弧逃げスライド158、ポール136およびポール保持部134によって、傾斜レール126の円弧逃げスライド158に対するy方向の移動は規制されているので、接点部128が傾斜調整部152によって傾斜レール126が延在する方向に動かされる場合、接点部128は傾斜レール126上を滑る。すると、傾斜レール126の傾斜によって台フレーム104が、したがって載置台102が第2回転軸Kを中心として回転する、または水平面に対して傾斜する。
【0042】
図3(d)は図3(a)のA−A線断面図である。図3(d)では載置台102および載置台支持手段が示され、他の部材は図示が省略される。第3ガイドピン118は第4ガイド孔112に遊嵌されている。第4ガイドピン120についても同様である。第1ロードセル122は載置台102をz方向において支持している。
【0043】
図4は、制御部50の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0044】
ロール体搬送用無人搬送車100がターレット20との間でロール体2の受け渡しを行う際、本体168はロール体2の目標位置の鉛直下方の本体停止位置で停止する。制御部50は、本体168が本体停止位置で停止しているとき、検出部によって検出される載置台102の位置が所定の基準位置に近づくように、第1y方向駆動部150、第2y方向駆動部160、x方向移載スライド162および傾斜調整部152のうちの少なくともひとつを制御する。制御部50は、インタフェース部52と、本体停止部54と、上昇前載置台調整部56と、載置台昇降部58と、荷重制御部68と、を含む。
【0045】
インタフェース部52は、ロール体搬送用無人搬送車100の各部材と信号の送受信を行う。
本体停止部54は本体168が本体停止位置で停止するように台車部166を制御する。不図示のセンサによって本体168が本体停止位置にきたことが検出されると、本体停止部54は台車部166を停止させるための制御信号を台車部166にインタフェース部52を介して送信する。
【0046】
図5は、載置台102の位置が調整されるときのロール体搬送用無人搬送車100およびターレットアーム24の一端部24aを示す正面図である。図5では、ターレットアーム24の一端部24aに設けられた一対のチャック28a、28bは水平受け渡し停止位置に停止しており、ロール体搬送用無人搬送車100の本体168はその水平受け渡し停止位置の鉛直下方の本体停止位置に停止している。図5では、載置台102および載置台支持手段をまとめて載置台部103と表記し、第1y方向駆動部150、第2y方向駆動部160およびx方向移載スライド162をまとめて駆動部161と表記する。第2支持部は符号125で示される。
【0047】
ターレットアーム24は、2本のアームすなわち一方のアーム24cおよび他方のアーム24dを含む。一対のチャック28a、28bのそれぞれは、ロール体2の中空部8と着脱可能に構成される。一方のチャック28aは他方のチャック28bと対向する。一方のチャック28aと他方のチャック28bと結ぶチャック中心線Cは第1回転軸Jと略平行である。
【0048】
一方のチャック28aは一方のアーム24cに、チャック中心線Cに沿って進退可能に取り付けられる。一方のアーム24cに取り付けられた不図示のチャック駆動部によって、一方のチャック28aはチャック中心線Cに沿って動かされる。一方のチャック28aは、ロール体2を支持するときはロール体2の中空部8の一端にチャック中心線Cに沿って進入し、ロール体2を離すときはチャック中心線Cに沿って退出する。他方のチャック28bについても同様である。
【0049】
第1投光部90、第2投光部92はそれぞれ、工場の床26に立設された第1ポール94、第2ポール96の上端に取り付けられる。第1ポール94、第2ポール96はいずれも工場のなかでも比較的床精度の良い場所に取り付けられる。第1投光部90および第1ポール94は、第1レーザ光LB1がチャック中心線Cと平行となるように配置される。第2投光部92および第2ポール96は、第2レーザ光LB2がチャック中心線Cと平行となるように配置される。第1レーザ光LB1および第2レーザ光LB2はいずれもチャック中心線Cを含む鉛直面内にあってもよいし、そうでなくてもよい。
【0050】
図4に戻り、上昇前載置台調整部56は、本体168が本体停止位置で停止すると、第1位置検出器138および第2位置検出器140から送信される情報をインタフェース部52を介して取得する。このように取得される情報は、ターレット20に対する載置台102の位置の検出結果を含む。上昇前載置台調整部56は、検出される載置台102の位置が基準位置に近づくように、第1y方向駆動部150、第2y方向駆動部160、x方向移載スライド162、傾斜調整部152を制御する。上昇前載置台調整部56は、第1y方向駆動部150、第2y方向駆動部160、x方向移載スライド162、傾斜調整部152のそれぞれに、例えば変位量を示す制御信号を、インタフェース部52を介して送信する。
【0051】
載置台102の位置が基準位置に十分近づいた場合、理想的には、水平受け渡し停止位置に停止している一対のチャック28a、28bのチャック中心線Cを含む鉛直面(以下、チャック鉛直面と称す)に、載置台102に載置されたロール体2の巻回軸Mが含まれ、さらに巻回軸Mとチャック中心線Cとは略平行となる。言い換えると、載置台102の位置が基準位置に十分近づいた場合、そこから載置台102を鉛直上向きに上昇させると、理想的にはある高さでロール体2の巻回軸Mはチャック中心線Cと揃う。
【0052】
上昇前載置台調整部56は、第1回転調整部60と、平行移動調整部62と、第2回転調整部64と、を含む。
図6は、ロール体搬送用無人搬送車100の本体168が本体停止位置で停止しているときの載置台102を示す上面図である。図6において破線は第1回転調整部60による調整の前の状態を示し、実線は調整の後の状態を示す。
【0053】
第1回転調整部60による調整の前、載置台102に載置されたロール体2の巻回軸Mは、水平面内でチャック中心線Cに対して角度θ1で傾いている。第1回転調整部60は、載置台102の位置の検出結果からこの角度θ1を演算等により取得する。第1回転調整部60は、載置台102が第3回転軸Pを中心として角度θ1だけ回転されるような、第2支持部125のy方向変位量を演算する。この演算の際、第1y方向駆動部150は第1支持部124を動かさないと仮定される。すなわち、第1回転調整部60は、第1支持部124を固定した状態での第2支持部125のy方向変位量を演算する。第1回転調整部60は、演算されたy方向変位量を示す制御信号を第2y方向駆動部160にインタフェース部52を介して送信する
【0054】
第2y方向駆動部160は、そのような制御信号が示すy方向変位量だけ第2支持部125をy方向に移動させる。この際、第1y方向駆動部150は第1支持部124を移動させない。すなわち、駆動部161は第1支持部124および第2支持部125を互いに独立に動かす。その結果、載置台102は第3回転軸Pの周りに角度θ1だけ回転し、ロール体2の巻回軸Mとチャック中心線Cとが略平行となる。
【0055】
なお、第1回転調整部60は、第2支持部125を固定した状態での第1支持部124のy方向変位量を演算してもよいし、第1支持部124のy方向変位量および第2支持部125のy方向変位量の両方を演算してもよい。
【0056】
図7は、ロール体搬送用無人搬送車100の本体168が本体停止位置で停止しているときのロール体搬送用無人搬送車100およびターレットアーム24を示す側面図である。平行移動調整部62による調整の前、チャック中心線Cと巻回軸Mとはチャック中心線Cおよび鉛直方向の両方に直交する水平方向HRに沿って距離ΔLだけずれている。言い換えると、チャック鉛直面CVと巻回軸Mを含む鉛直面MVとは距離ΔLだけ離れている。平行移動調整部62は、載置台102の位置の検出結果からこの距離ΔLを演算等により取得する。平行移動調整部62は、取得された距離ΔLをy方向変位量として示す制御信号を第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160にインタフェース部52を介して送信する。
【0057】
第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160はそれぞれ、そのような制御信号が示すy方向変位量だけ第1支持部124、第2支持部125をy方向に移動させる。その結果、載置台部103は水平方向HRに距離ΔLだけ平行移動され、ロール体2の巻回軸Mがチャック鉛直面CVに含まれるようになる。
【0058】
図8(a)、(b)は、ロール体搬送用無人搬送車100の本体168が本体停止位置で停止しているときのロール体搬送用無人搬送車100を示す正面図である。図8(a)は第2回転調整部64による調整の前の状態を示し、図8(b)は調整の後の状態を示す。
【0059】
工場の床26が水平面に対して角度θ2で傾いている場合、第2回転調整部64による調整の前の巻回軸Mは、鉛直面内でチャック中心線Cに対して角度θ2で傾いている。第2回転調整部64は、載置台102の位置の検出結果からこの角度θ2を演算等により取得する。第2回転調整部64は、載置台102が第2回転軸Kを中心として角度θ2だけ回転されるような、第2支持部125のz方向変位量を演算する。第2回転調整部64は、演算されたz方向変位量を示す制御信号を傾斜調整部152にインタフェース部52を介して送信する
【0060】
傾斜調整部152は、そのような制御信号が示すz方向変位量だけ第2支持部125をz方向に移動させる。具体的には傾斜調整部152は接点部128を傾斜レール126上で摺動させることで必要なz方向変位を得る。その結果、載置台部103は第2回転軸Kの周りに角度θ2だけ回転し、ロール体2の巻回軸Mとチャック中心線Cとが略平行となる。
【0061】
なお、巻回軸Mがチャック中心線Cに対して傾いており、かつ水平方向HRにずれている場合には、第1回転調整部60および第2回転調整部64のうちの少なくともひとつを使用して巻回軸Mとチャック中心線Cとを略平行とし、続いて平行移動調整部62を使用して巻回軸Mをチャック鉛直面CV内に移動させてもよい。
【0062】
あるいはまた、上昇前載置台調整部56は、第1位置検出器138の受光面上の所定の位置に第1レーザ光LB1が当たるように、第1支持部124を固定しつつ第2支持部125を動かしてもよい。さらに上昇前載置台調整部56は、第2位置検出器140の受光面上の所定の位置に第2レーザ光LB2が当たるように、第2支持部125を固定しつつ第1支持部124を動かしてもよい。
【0063】
図4に戻り、載置台昇降部58は、上昇前載置台調整部56による載置台102の位置の調整の後、載置台102を上昇させるようリフタ164を制御する。載置台昇降部58は、リフタ164に上昇量を示す制御信号を、インタフェース部52を介して送信する。載置台102の下降についても同様である。
【0064】
制御信号によって示される上昇量だけリフタ164が上昇すると、制御部50は、チャックの挿入を許可する制御信号を一対のチャック28a、28bのチャック駆動部(不図示)にインタフェース部52を介して送信する。チャック駆動部はその制御信号を受信すると、一対のチャック28a、28bをコア6の中空部8に挿入する。
【0065】
ロール体搬送用無人搬送車100がターレット20からロール体2を受け取る際、ロードセルによる荷重制御が行われる。制御部50の不図示の保持部は、受け取るロール体2の重量を保持する。荷重制御部68は、ロール体2の受け取りの際、ロードセルからの信号から演算される荷重と保持部によって保持される重量とを比較する。荷重制御部68は、前者が後者に到達するまでリフタ164を制御したり荷重が均等となるように傾斜調整部152、第1y方向駆動部150、第2y方向駆動部160、x方向移載スライド162を制御する。
【0066】
以上のように構成されたロール体搬送用無人搬送車100の動作について説明する。
ロール体搬送用無人搬送車100は、それとの間でロール体2の受け渡しが行われるターレット20のところまで移動してくると一端停止する。ロール体搬送用無人搬送車100は、本体168が停止したままの状態で、第1位置検出器138および第2位置検出器140からの位置検出信号に基づいて載置台102の位置を必要なだけ調整する。
ロール体搬送用無人搬送車100は、その後リフタ164によって載置台102を鉛直上向きに上昇させてロール体2の受け渡しを行う。
【0067】
図9(a)、(b)は、ロール体搬送用無人搬送車100が生産機174からロール体176を受け取る際の様子を示す模式図である。図9(a)は生産機174およびロール体搬送用無人搬送車100の上面図であり、図9(b)は側面図である。
この場合、生産機174においてロール体搬送用無人搬送車100が侵入できる切る欠き量Lが十分でなく、ロール体搬送用無人搬送車100が最大限侵入してもロール体搬送用無人搬送車100の本体168の中心R1のy方向位置は生産機174に取り付けられたロール体176の中心R2のy方向位置に届かない。
【0068】
ロール体搬送用無人搬送車100は生産機174に最大限侵入して停止すると、第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160を含む駆動部178を使用して、載置台102を支持する支持部180をy方向生産機側に動かす。このようにして載置台102の中心と生産機174に取り付けられたロール体176の中心R2とが位置合わせされる。その後、駆動部178に含まれるリフタ164によって載置台102を上昇させて生産機174からロール体176を受け取る。
【0069】
図10は、載置台102がクロスローラ148を中心として回転する際の傾斜レール126および接点部128の動きを説明するための説明図である。第1支持部124および第2支持部が異なる変位でy方向に動かされるときにクロスローラ148を中心とした載置台102の回転が生じる。この回転の際接点部128は第2支持部のy方向の移動に合わせてy方向に移動する。ここで第2支持部がx方向の遊びを有さない場合、接点部128は図10の破線の円で示される位置182に移動され回転後の傾斜レール126から外れうる。しかしながら本実施の形態では第2支持部がx方向の遊びを有するので、載置台102の回転に伴って接点部128のあるべき位置がx方向にずれてもそのずれを吸収することができる。すなわち、載置台102の回転に追従して接点部128がx方向にも動かされる。その結果、回転の前後で傾斜レール126と接点部128との位置関係は実質的に保たれる。
【0070】
ロール体搬送用無人搬送車100からターレット20にロール体2を供給する際、ロール体搬送用無人搬送車100の本体168の停止位置が本体停止位置からずれることにより、載置台102の位置が所望の位置からずれることがある。そのような場合でも、本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車100によると、本体168を停止させたままで、載置台102のターレット20に対する位置を望むとおりとなるよう調整できる。これにより、ロール体2を上昇させる前に、ロール体2の巻回軸Mとチャック中心線Cとを略平行にすることができ、かつ、巻回軸Mがチャック鉛直面CVに含まれるようにすることができる。したがって、リフタ164でロール体2を持ち上げたときに巻回軸Mとチャック中心線Cとをより確実に揃えることができる。その結果、ロール体2の供給がよりスムーズに行われ、供給の失敗が発生する確率を低減できる。
【0071】
特にAGVは無軌道で移動するので、軌道に沿って移動するものと比べて停止位置がばらつきやすい。したがって、本実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車100は、無軌道でロール体2を搬送するAGVとしてより好適である。
【0072】
さらに、本体168が本体停止位置に精度良く停止したとしても、ターレット20周辺の床精度が悪いために、ターレット20に対する載置台102の位置をさらに微調整する必要があることがある。従来のアウトリガー方式ではターレット20周辺の床に設けられたコーンを基準に載置台を位置決めするので、コーンの摩耗などにより精度が悪化する虞がある。しかしながら本実施の形態では、第1投光部90、第2投光部92をターレット20周辺に限らず、工場の中でも比較的床精度の良い場所に設けることができる。ロール体搬送用無人搬送車100はそのような投光部からのレーザ光を検出する位置検出器を使用して調整を行うので、ターレット20周辺の床精度が悪い場合でもターレット20に対する載置台102の位置の精度を高く保つことができる。
【0073】
なお、載置台の位置を本体を動かすことで微調整することも考えられるが、場合によっては重たいロール体を積載したそれ自体も重たいAGVを微小な距離だけ正確に動かすのは困難であり、実現するにしてもより高価な本体駆動機構等が必要となる。これに対してロール体搬送用無人搬送車100は、載置台102の位置の調整をより容易に、より低コストで実現する。
【0074】
また、特にロール体2をターレット20から受け取るとき、ターレット20のチャックの停止位置が受け渡し停止位置からずれることがある。ロール体搬送用無人搬送車100では、第1y方向駆動部150、第2y方向駆動部160、x方向移載スライド162および傾斜調整部152の制御と荷重制御とを連動させることによって、リフタ164の駆動中にチャックの停止位置のずれを補償するよう載置台102の位置、向きを調整できる。これにより、よりスムーズで受け取りミスの少ないロール体2の受け取りが実現される。
【0075】
また、従来のアウトリガー方式と比べて、ロール体搬送用無人搬送車100を使用する工場ではコーンを設ける必要がないので床をよりフラット化することができる。
【0076】
また、従来のアウトリガー方式ではアウトリガーがコーンと接触する際に相応の発塵が有り、クリーンな環境での使用にはあまり適していなかった。これに対してロール体搬送用無人搬送車100ではそのような発塵はないのでクリーン性が必要とされる環境での使用により適している。
【0077】
また、ロール体搬送用無人搬送車100は、本体168の停止後、第1y方向駆動部150および第2y方向駆動部160によって載置台102をy方向に動かすことができる。これにより、例えば上記図9(a)、(b)のような状況、すなわち生産機の切り欠き量が十分でない場合でも、生産機との間のロール体の受け渡しが可能となる。言い換えると、生産機側に要求される切り欠き量が低減され、生産機の設計の自由度が向上する。
【0078】
また、ロール体搬送用無人搬送車100は、本体168の停止後、載置台102を第2回転軸Kを中心として回転させることができる。これにより、本体168の停止後、例えば床が傾いていることによって載置台102が傾いている場合でも、載置台102を水平に戻すことができる。
【0079】
また、ロール体搬送用無人搬送車100では、第2支持部はx方向に遊びを有する。したがって、載置台102がクロスローラ148を中心として回転した場合でも傾斜レール126と接点部128との位置関係を維持することができる。
【0080】
以上、実施の形態に係るロール体搬送用無人搬送車100の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0081】
実施の形態では、第1位置検出器138および第2位置検出器140によってターレット20に対する載置台102の位置を検出する場合について説明したが、この検出器としては他にカメラとマークを使用してもよい。
【0082】
実施の形態では、第2支持部はx方向に遊びを有する場合について説明したが、これに限られず、例えば遊びを設ける代わりに傾斜レールの幅を大きくとってもよい。
実施の形態では、3つのロードセルを用いる場合について説明したが、ロードセルを四隅に設けるとより確実にロールを受け渡すことができる。
【0083】
実施の形態では、基準位置から載置台102を鉛直上向きに上昇させるとある高さでロール体2の巻回軸Mがチャック中心線Cと揃う場合について説明したが、これに限られない。基準位置とターレットアームの受け渡し停止位置との位置関係を予め測定しておき、載置台102を基準位置に合わせた後でこの位置関係に基づいて載置台を移動させることで、基準位置を任意の位置に設定することができる。
【符号の説明】
【0084】
2 ロール体、 50 制御部、 100 ロール体搬送用無人搬送車、 102 載置台、 124 第1支持部、 126 傾斜レール、 138 第1位置検出器、 140 第2位置検出器、 150 第1y方向駆動部、 152 傾斜調整部、 158 円弧逃げスライド、 160 第2y方向駆動部、 162 x方向移載スライド、 164 リフタ、 166 台車部、 168 本体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール体の胴部が載置される載置台と、
予め定められた基準位置に対する前記載置台の位置を検出する検出部と、
前記載置台を非鉛直方向に動かす移動部と、
前記載置台を回転させる回転部と、
本ロール体搬送装置の本体がロール体をロール体受取装置に渡すために停止しているとき、前記検出部によって検出される前記載置台の位置が前記基準位置に近づくように、前記移動部および前記回転部のうちの少なくともひとつを制御する制御部と、を備えることを特徴とするロール体搬送装置。
【請求項2】
ロール体は巻回軸に沿った中空部を有し、
前記ロール体受取装置はロール体の中空部と着脱可能に構成されたチャック部を有し、
前記載置台の基準位置は、その載置台に載置されたロール体の巻回軸と前記チャック部が中空部に進入する方向とが略平行となる位置であることを特徴とする請求項1に記載のロール体搬送装置。
【請求項3】
前記移動部および前記回転部は、
前記載置台に載置されたロール体の一端側に設けられ、前記載置台を支持する第1支持部と、
前記載置台に載置されたロール体の他端側に設けられ、前記載置台を支持する第2支持部と、を含み、
前記制御部は、前記第1支持部および前記第2支持部が互いに独立に動かされるように、前記移動部および前記回転部のうちの少なくともひとつを制御することを特徴とする請求項1または2に記載のロール体搬送装置。
【請求項4】
前記第1支持部および前記第2支持部は、一方が固定されている状態で他方が動かされることを特徴とする請求項3に記載のロール体搬送装置。
【請求項5】
前記検出部は、本ロール体搬送装置が走行する床に対して固定された投光装置から発せられる光を受光する受光装置であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロール体搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−52983(P2013−52983A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193301(P2011−193301)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】