説明

ワイパー装置

【課題】安価に改善された拭取り/クリーニングが行われるように、洗浄液を車両の窓に噴射するための多数の噴射口を有するワイパー装置を提供する。
【解決手段】ホーム位置から折返し位置への初期運動(A)、およびこの折返し位置からホーム位置への戻し運動(B)をする、少なくとも1つのワイパーアーム(11)にワイパーブレード(1)を設けた車両の窓用のワイパー装置であって、車両の窓に洗浄液を噴射するために、ワイパーブレード(1)の長手方向両側に、その長手方向に沿って連続的に配置された多数の噴射口を有するスプレー装置を備え、車両の窓用ワイパー装置。スプレー装置は、スプレーおよび拭取り動作が始まると、ワイパーブレード(1)の少なくとも1回目の初期運動(A)の間、初期運動(A)の際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量が、初期運動(A)の後の戻し運動(B)の際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量よりも多くなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前文に記載のワイパー装置に関し、特に、洗浄液を車両の窓に噴射するための多数の噴射口を有する、いわゆる「ウェットワイパーブレード」を備えたワイパー装置に関する。このような噴射口の一部が、ワイパーブレードの一側に沿って設けられ、また別の一部が、他側に設けられ、噴射口は、例えば、ワイパーの両側の一部に設けられている。
【背景技術】
【0002】
このようなウェットワイパーブレード、およびこのようなワイパーブレードを備えるワイパー装置は、例えば特許文献1〜3などに、様々な態様で開示されている。
【0003】
特許文献4に記載されている別の公知の形態では、ワイパー装置、または噴射口を備えるワイパーのスプレー装置であって、拭き取り方向に位置する開口、すなわち先に進む側に位置する開口だけが開くように、噴射口が選択的に閉鎖されるようになっているものが開示されている。このものは、複雑な形状の例えば、ワイパーゴム/ゴム弾性ワイパーストリップを備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、可及的に少量の洗浄液を用いて、拭取り/クリーニングの質を改善させることを目的としている。
【特許文献1】ドイツ特許第10000373号
【特許文献2】欧州特許第1209050号
【特許文献3】欧州特許第1400422号
【特許文献4】ドイツ特許第10058455号
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるワイパー装置においては、スプレー装置が作動すると、ウインドシールド洗浄システムまたはそのポンプが、少なくともワイパーブレードの1回目の運動、すなわちホーム位置(待期位置)から、その方向が逆転する位置までのワイパーブレードの初期運動により、先に進むワイパーブレード側に配置された噴射口から、この側面に沿って噴射される洗浄液の量が、1回目の運動の後の戻し運動Bで先に進むワイパーブレード側の噴射口から噴射される洗浄液の量よりも多い。
【0006】
本明細書において、「初期運動」とは、ホーム位置から折返し位置への方向のワイパーブレードの運動であり、「戻し運動」とは、折返し位置からホーム位置への方向のワイパーブレードの運動である。
【0007】
さらに、本発明によるワイパー装置では、ワイパーブレードは、少なくとも1つのワイパーリップで車両のウインドシールドに支持されている、少なくとも1つの公知の拭取りゴムすなわち拭取りブレードを有する。この拭取りブレードは、車両のウインドシールドの面に亘って延在する拭取りブレード面を画定しており、ワイパーブレードと同じ長さを有する。
【0008】
ワイパーブレードの長手方向の一側へ噴射される噴射液流は、本発明では、拭取りブレードの長手方向側が位置するワイパー面と同じ側の車両のウインドスクリーンに衝当する液流である。したがって、ワイパーブレードの長手方向の一側における噴射口は、このような噴射液流のための噴射口である。
【0009】
ワイパーブレードの長手方向の一側用の噴射口は、これらの噴射口から噴射されるスプレー液流が、例えばワイパーブレードの各側が設けられているワイパーブレード面の同じ側の車両のウインドスクリーンに衝当するように、ワイパーブレードの長手方向の一側に、このワイパーブレードに沿って、配置され、かつ配向されている。
【0010】
ワイパー装置のレイアウト、または車両のウインドシールドの汚れ方やその程度によって、ワイパーブレードの1回目から5回目の初期運動の間、またはワイパーブレードの各初期運動の際に、初期運動の際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられた噴射口から噴射される洗浄液の量が、この初期運動の後の戻し運動の際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量よりも多い、有効な洗浄を行うのが有利である。
【0011】
初期運動の際に先に進むワイパーブレードの長手方向側への比較的多量の洗浄液の噴射は、後述する様々な方法で行うことができる。
【0012】
ワイパーブレード、すなわちウインドシールド洗浄システムの作動中に、初期運動および戻し運動により、ワイパーブレードの長手方向の両側に液流が噴射されるように、ワイパーブレードの長手方向の両側に洗浄液を供給すると、経済的に洗浄液を使用して、良好なクリーニング効果が得られる。
【0013】
本発明の特に好適な実施形態では、先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられた噴射口のみから洗浄液が噴射されるように、ワイパーブレードの運動方向、少なくとも1つのワイパーアームの運動方向に基づいて、洗浄液の噴射を制御するための手段が設けられている。また本発明によると、経済的に洗浄液が使用される。さらに、通常であれば、ウインドシールドに沿って運動するワイパーブレードの後側に噴射される洗浄液によって生じる視界不良が妨げられ、走行上の安全性が向上する。
【0014】
以下、図面を参照しながら、様々な実施形態をあげて、本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、ウインドシールドワイパーにおけるスポイラーを備えるフラットワイパーブレード1を示している。フラットワイパーブレード1は、この実施形態では、2種類の合成材料から形成された、スポイラーを形成するワイパーブレード本体2と、このワイパーブレード本体2内に設けられた、ばね鋼からなるばねレール3と、ワイパーリップ5で車両の窓6に支持され、ゴム弾性材料から形成されたワイパーブレード4とからなっている。
【0016】
ワイパーブレード1は、例えば、アダプター(図1には不図示)によって、ワイパー装置(不図示)のワイパーアーム(不図示)に通常の要領で保持されている。
【0017】
ワイパーブレード本体2内に、2つのスプレー用通路、すなわち流路7、8が形成されている。各流路7、8は、ワイパーストリップ4の両側のワイパーブレード1の両側に沿って、1つずつ設けられている。流路7、8は、少なくとも部分的にホース型をなす適当な継手によって、洗浄液の供給源に連結されている。ワイパーシステムが動作して、スプレーが行われる際の圧力により、これらの流路は、その供給源からの洗浄液、すなわち必要な添加物が加えられた水で満たされる。
【0018】
ワイパー装置が作動すると、ワイパーブレード1は、振子運動するワイパーアームによる、開始位置すなわちホーム位置またはこの近傍から、折返し位置の方向への図1の矢印Aに従う初期運動、および折返し位置から、ホーム位置の方向への図1の矢印Bに従う戻し運動によって移動する。
【0019】
この実施形態では、流路7を有する図1のワイパーブレードの長手方向右側は、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側であり、流路8を有する図1のワイパーブレードの長手方向左側は、初期運動Aの後の戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側である。
【0020】
各流路7、8は、ワイパーブレード1の長手方向の側面に沿って配置された多数の並列した噴射口を備えている。具体的には、流路7は、液流9を噴射するための洗浄液の噴射口を備えており、流路8は、液流10を噴射するための洗浄液の噴射口を備えている。これら各液流は、車両の窓に向かって所定の角度で噴射される。
【0021】
特に、ワイパーブレード1を用いた車両の窓6に沿う初期のワイパー動作の後、すなわち、ワイパーブレード1がホーム位置から折返し位置へ、そして折返し位置からホーム位置へ移動して、スプレー装置が作動した後、洗浄液を用いた可能な限り安価で最適な拭取り/クリーニング効果を得るために、流路7、8および噴射口を備えるこのスプレー装置は、スプレー動作が始まると、ワイパーの初期運動Aの際に反対側よりも先に進むワイパーブレード側に沿う噴射口、すなわち、流路7の噴射口から噴射される洗浄液の量が、初期運動Aの後の戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの反対側に配置された噴射口、すなわち、流路8の噴射口から噴射される洗浄液の量よりも多くなるように構成されている。
【0022】
このために、例えば、流路7の噴射口の総断面積は、流路8の噴射口の総断面積よりも大きい。このことは、流路7の噴射口の数を増やすか、または流路7の噴射口の断面積を大きくすることにより達成することができる。さらに、少なくとも初期運動Aの際に、流路8よりも高い圧力で、流路7に洗浄液を供給するという選択も存在する。上記した方法の様々の組合せも可能である。
【0023】
初期運動Aと戻し運動Bの両方の際に、ワイパーブレードの長手方向の両側の開口から、同時に洗浄液が噴射されると、良好なクリーニング効果が得られる。
【0024】
しかし、ワイパーブレード1/ワイパーアームの運動により、液流9および10の噴射を動的に制御するようにした実施形態が好ましい。この制御によると、初期運動Aの際には、流路7の噴射口のみから洗浄液が噴射されて、液流9が生成され、戻し運動Bの際には、流路8の噴射口のみから洗浄液が噴射されて、液流10が生成され、さらに、少なくとも1回目の初期運動Aの際に噴射される洗浄液の量が、戻し運動Bの際に噴射される洗浄液の量よりも多い。このような制御は、例えば、ワイパーアームで作動する弁の構成によって行うことができる。
【0025】
洗浄液を移送するために、可逆方向に回転する制御可能なポンプを用いるなどの別の方法も可能である。
【0026】
図1に示す実施形態の流路7は、角度α1および角度α2の異なる角度で液流9を車両の窓6に噴射する、少なくとも2種類の噴射口を有する。2種類の噴射口は、ワイパーブレードの長手方向に交互に異なる配置、または他の配置で設けられている。
【0027】
図2〜図7は、本発明によるワイパー装置の様々な実施形態の簡易イメージを示している。
【0028】
図2は、ワイパーブレード1aとワイパーアーム11からなるワイパー装置を示している。ワイパーアーム11は、その一端でワイパーブレード1aを保持し、他端は、振子運動すなわちワイパー運動のための可逆駆動装置を備えるシャフト12に取り付けられている。
【0029】
ワイパーブレード1aは、例えば、ワイパーブレード1に従って形成されるが、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側における噴射口、従って液流9の数が、初期運動Aの後の戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側よりも多くなるように、ワイパーブレードの長手方向両側に液流9または10を生成するための噴射口を有している。
【0030】
さらに、噴射口の配置は、液流10のための1つの噴射口が、ワイパーブレード1aの長手方向に対して直交する方向において、液流9のための噴射口の反対側に配置されているが、液流10のための連続した2つの噴射口の間に、液流9のための別の噴射口を設けることもできる。この場合、スプレー動作が始まると、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの側面から噴射される洗浄液の量は、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの側面から噴射される洗浄液の量よりも多い。
【0031】
図3は、ワイパーアーム11とワイパーブレード1bからなるワイパー装置を示している。このワイパー装置でも、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口の数は、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口の数よりも多い。しかし、この実施形態では、液流10のための噴射口と液流9のための噴射口が、同一個所において互いに反対側ではなく、交互に食い違い状に配置されているという点で、図2の実施形態と異なっている。
【0032】
液流9のための多数の噴射口と、これらの噴射口がずれて配置されていることとにより、洗浄液は、車両の窓6にきわめて均一な供給がされることとなる。
【0033】
図4は、ワイパーアーム11とワイパーブレード1cからなるワイパー装置を示している。ワイパーブレード1cは、液流10のための各噴射口が、液流9のための噴射口の反対側に配置されているが、液流9のための噴射口の断面積が、液流10のための噴射口の断面積よりも相当大きいという点で、ワイパーブレード1aとは異なっている。この実施形態では、スプレー動作が始まると、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口から噴射される洗浄液の量が、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口から噴射される洗浄液の量よりも多い。
【0034】
図5は、ワイパーアーム11とワイパーブレード1dからなるワイパー装置を示している。この実施形態では、液流9に用いられる流路7は、少なくとも初期運動Aの際に、液流10に用いられる流路8の圧力P2よりも高い圧力P1で、洗浄液が供給されるため、たとえ噴射口の断面積が等しくても、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側の車両の窓6に噴射される洗浄液の量が、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口から噴射される洗浄液の量よりも多い。
【0035】
図6は、ワイパーブレード1eとワイパーアーム11を備えるワイパー装置のさらに別の実施形態を示している。図6は、液流9のみを示している。この実施形態では、液流9が、いわゆる広がる扇状流を生成して、洗浄液が、このワイパーブレードの長手方向側に沿って、車両の窓6にきわめて均一に噴射されるように、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に各噴射口が形成されている。
【0036】
図7は、ワイパーアーム11とワイパーブレード1fからなるワイパー装置の別の実施形態を示している。この図面でも、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射されるスプレー、すなわち液流9のみを示している。一致する噴射口の構造および向きによって、液流9が、いわゆる点状に生成されて互いに向き合い、少なくとも2つの液流9が、車両の窓6に達する前に互いに衝突して、ある種の液滴の霧を生成するため、洗浄液が車両の窓6に可能な限り均一に供給される。
【0037】
図6および図7において示す実施形態は、初期運動Aの際に、先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口から噴射される洗浄液の量が、戻し運動Bの際に、先に進むワイパーブレードの長手方向側の噴射口から噴射される洗浄液の量よりも多いという点で、他の実施形態と同様である。
【0038】
上記した図1の説明では、2つの流路7、8が設けられていると仮定した。基本的には、洗浄液を移送する唯1つの共用流路を介して、液流9、10を生成する噴射口に洗浄液を供給することもできるし、また、3つ以上の流路、例えば、初期運動Aの際に先に進む各ワイパーブレードの長手方向側に噴射口を備えた2つのこのような流路を設けることもできる。
【0039】
以上本発明を、例示的な実施形態を参照して説明してきた。しかし、本発明の基となるアイデアから逸脱することなく、様々な他の変形形態および変更形態、特に上記した例示的な実施形態の組合せも可能である。
【0040】
例えば、異なった角度で車両の窓に洗浄液が噴射されるように、戻し運動の際に、先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射口を配置すること、または液流の角度がワイパーブレードの長手方向の各側で概ね異なるように、噴射口を配置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ワイパーブレードおよび車両のウインドシールドなどの車両の窓の断面図である。
【図2】ワイパーブレードとワイパーアームからなるワイパー装置の実施形態の簡易模式図である。
【図3】ワイパーブレードとワイパーアームからなるワイパー装置の別の実施形態の簡易模式図である。
【図4】ワイパーブレードとワイパーアームからなるワイパー装置のさらに別の実施形態の簡易模式図である。
【図5】ワイパーブレードとワイパーアームからなるワイパー装置のさらに別の実施形態の簡易模式図である。
【図6】ワイパーブレードとワイパーアームからなるワイパー装置のさらに別の実施形態の簡易模式図である。
【図7】ワイパーブレードとワイパーアームからなるワイパー装置のさらに別の実施形態の簡易模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1、1a〜1f ワイパーブレード
2 ワイパーブレード本体
3 ばねレール
4 ワイパーブレード
5 ワイパーリップ
6 窓
7、8 流路
9、10 液流
11 ワイパーアーム
12 シャフト
A、B ワイパーブレードの運動方向
P1、P2 圧力
α1、α2 噴射角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーム位置から折返し位置への初期運動Aおよび前記折返し位置から前記ホーム位置への戻し運動Bをする、少なくとも1つのワイパーアーム11に設けられたワイパーブレード1、1a−1fと、車両の窓6に洗浄液を噴射するために、ワイパーブレードの長手方向の両側に、その長手方向に沿って連続的に配置された多数の噴射口を有するスプレー装置を備える、車両の窓用ワイパー装置において、
前記スプレー装置は、スプレーおよび拭取り動作が始まると、少なくとも前記ワイパーブレード1、1a−1fの1回目の初期運動Aの間、前記初期運動Aの際に先に進む前記ワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量が、前記初期運動Aの後の戻し運動Bの際に先に進む前記ワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量よりも多くなるように構成されていることを特徴とする車両の窓用、ワイパー装置。
【請求項2】
スプレー装置は、スプレーおよび拭取り動作が始まると、ワイパーブレード1、1a−1fの1回目から5回目までの初期運動Aの間、前記初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量が、この初期運動Aの後の戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量よりも多くなるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項3】
スプレー装置は、スプレーおよび拭取り動作が始まると、ワイパーブレード1、1a−1fの各初期運動Aの間、前記初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量が、この初期運動Aの後の戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に噴射される洗浄液の量よりも多くなるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項4】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の数が、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の数よりも多いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項5】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の総断面積が、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の総断面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項6】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている少なくとも一部の噴射口の断面積は、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の断面積よりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のワイパー装置。
【請求項7】
戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口よりも高い圧力で、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口に洗浄液を供給するための手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項8】
作動時に、ワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口のみから洗浄液が噴射されるように、ワイパーブレード1、1a−1f、すなわち少なくとも1つのワイパーアーム11の運動方向に基づいて、洗浄液の噴射を制御するための手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項9】
戻し運動Bの際に、先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている各噴射口は、ワイパーブレードの長手方向軸に対して直交する方向において、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の反対側に位置していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項10】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に、ワイパーブレードの長手方向反対側に設けられている各噴射口の反対側に位置する噴射口の他に、別の噴射口が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載のワイパー装置。
【請求項11】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の少なくとも一部は、ワイパーブレードの長手方向の反対側に設けられている噴射口に対して、交互の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項12】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の少なくとも一部、好ましくはいくつかが、広がる扇状流の形態の液流を噴射するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項13】
初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口の少なくとも一部が、互いに衝突するように向いている液流、好ましくは点状の液流を噴射するように形成され、かつ配向されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項14】
噴射口の少なくとも大部分が、ワイパーブレードの長手方向の両側、またはその近傍に沿って配置されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項15】
噴射口は、角度α1、α2、またはこの角度よりも低い角度で、車両の窓6に衝当する液流9、10を生成するように形成され、かつ配向されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項16】
ワイパーブレードの長手方向の一側に設けられている噴射口、好ましくは初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口は、液流9、10が、向きが異なる角度、すなわち車両の窓に異なる角度で衝当する少なくとも2種類のグループからなっていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項17】
ワイパーブレード1、1a〜1fは、少なくとも2つの流路7、8、すなわち、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口のための少なくとも1つの流路7、8と、戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている別の噴射口のための少なくとも1つの流路7、8とを有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項18】
ワイパーブレードは、初期運動Aの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている噴射口、および戻し運動Bの際に先に進むワイパーブレードの長手方向側に設けられている別の噴射口のための少なくとも1つの共用流路を有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項19】
車両の窓は、自動車のウインドシールドまたはリヤウインドウであることを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項20】
ワイパーブレード1、1a〜1fは、フラットワイパーブレードとして形成されていることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項21】
少なくとも1つの流路7、8および関連する噴射口は、ゴム弾性材料から形成された少なくとも1つのワイパーリップ5を形成する少なくとも1つのワイパーレール4が設けられているワイパーブレード本体2内に形成されていることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載のワイパー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−546596(P2008−546596A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518722(P2008−518722)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006310
【国際公開番号】WO2007/000346
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(590003744)ヴァレオ システム デシュヤージュ (74)
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【Fターム(参考)】