説明

ワイパ装置

【課題】ワイパアームの剛性を下げることなく、ワイパブレードの大型化に対応することができるワイパ装置の提供。
【解決手段】ワイパアームを構成するメインアーム18における略中間部分の側壁18aから延出して、その基端部26aを折り曲げて形成した舌片部26を一体的に設け、この舌片部26に中間ウォッシャノズルを装着するようにしたので、中間ウォッシャノズルを装着するためにメインアーム18に切り欠きを設ける必要が無く、これにより、ワイパアームの剛性を低下させること無くワイパブレードの大型化に対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等のウィンドシールドを払拭するためのワイパアームを備えたワイパ装置に係り、特に、ウォッシャ液を払拭面に散布するウォッシャノズルを備えたワイパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等のウィンドシールドに付着した埃や雨滴,雪等を払拭して、運転者の視界を確保するためにワイパ装置が用いられている。このワイパ装置には、一般的に、電動モータの出力軸に連結されたリンク機構を介してリンク機構の一部を構成するピボットシャフトにワイパアームの一端側が固定して装着されている。そして、操作者によって車内のワイパスイッチ等を操作することにより、電動モータを回転駆動させ、この電動モータの回転駆動をリンク機構によって揺動運動に変換し、ワイパアームを揺動させ、ワイパアームに装着されたワイパブレードがウィンドシールド上の所定の払拭範囲を払拭するようになっている。
【0003】
また、ウィンドシールド等の払拭面を清掃するための機能部品として、ウォッシャ装置を備えており、このウォッシャ装置は、エンジンルーム内に設けられウォッシャ液を収容するウォッシャタンクと、ウォッシャタンクに装着されウォッシャ液をゴムホースに送る電動ポンプと、ゴムホースが接続されエンジンフードに装着されるウォッシャノズルとから構成されている。例えば、ウィンドシールドに付着した乾燥した埃等を除去する場合、操作者がワイパスイッチ等を操作することにより電動ポンプを駆動させ、ウォッシャノズルを介してウィンドシールド上にウォッシャ液を散布し、その後、ワイパブレードによってウィンドシールドを払拭するようにする。このように、ウォッシャ装置によるウォッシャ液のウィンドシールドへの散布によって、ウィンドシールド上の埃等を綺麗に流れ落として払拭面を清掃することができる。
【0004】
ところで、ウォッシャ装置を構成するウォッシャノズルをエンジンフードに装着せずに、ワイパアームに装着するようにした技術として、例えば、特許文献1や特許文献2に示すものが知られており、このようにワイパアームにウォッシャノズルを装着することにより、見栄えをすっきりさせたり、あるいは、ワイパブレードの払拭位置にかかわらずワイパブレードの払拭部分に向かってウォッシャ液を散布させたりできるようにしている。
【特許文献1】特開2002−370625号公報
【特許文献2】特開2002−321599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記各特許文献によれば、ワイパアームを構成する一対の側壁と上壁とを有する断面が略コ字形状に形成されたワイパリテーナの側壁の一部を切り欠くことにより、ウォッシャノズルを固定したり、ウォッシャノズルをウィンドシールドに向かって露出させたりするための取り付け部を形成していた。このため、ワイパリテーナの剛性が不足し、ワイパ装置の作動時、特にウィンドシールドとワイパブレードとが乾燥した接触状態からの作動時における摩擦抵抗力によって、ワイパリテーナが屈曲したり、ワイパリテーナのひずみにより拭きムラが発生したりする虞があった。特に、ウィンドシールドの大型化に伴うワイパブレードの大型化に対応するために、上記問題点を解決することは避けて通ることができないものとなっている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ワイパアームの剛性を下げることなく、ワイパブレードの大型化に対応することができるワイパアームを備えたワイパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のワイパ装置は、車両の払拭面を払拭するワイパブレードと、一方に前記ワイパブレードが回動自在に連結され、他方に車体に設けられたピボットシャフトに固定されるワイパアームと、を備えたワイパ装置であって、前記ワイパアームは、一端側が前記ピボットシャフトに固定されるアームヘッドと、前記アームヘッドの他端側に回動自在に連結され、一対の側壁および上壁を有し前記払拭面に向かって開口するアーム本体と、前記アーム本体の一方の側壁から延出して一体的に設けられ、基端部を前記アーム本体の他方の側壁に向けて折り曲げて形成された舌片部と、前記舌片部に装着され、前記払拭面にウォッシャ液を散布するウォッシャノズルとを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のワイパ装置は、車両の払拭面を払拭するワイパブレードと、一方に前記ワイパブレードが回動自在に連結され、他方に車体に設けられたピボットシャフトに固定されるワイパアームと、を備えたワイパ装置であって、前記ワイパアームは、一端側が前記ピボットシャフトに固定されるアームヘッドと、前記アームヘッドの他端側に回動自在に連結され、一対の側壁および上壁を有し前記払拭面に向かって開口するアーム本体と、前記アーム本体の先端と基端との間に設けられ、前記アーム本体の一方の側壁から延出して一体的に設けられ、基端部を前記アーム本体の他方の側壁に向けて折り曲げて形成された舌片部と、前記車体から前記ワイパアームに配設されるホースと、前記舌片部に装着され、前記払拭面にウォッシャ液を散布する前記ホースを接続する一対のホース接続部を有する第1のウォッシャノズルとを備え、前記アームヘッド側の前記ホースを前記ホース接続部の一方に接続し、他方の前記ホース接続部を接続する前記ホースは、前記アーム本体の先端部に設けられる第2のウォッシャノズルに接続されることを特徴とする。
【0009】
本発明のワイパ装置は、前記ウォッシャノズルを、前記舌片部の前記払拭面と対向する対向面に装着したことを特徴とする。
【0010】
本発明のワイパ装置は、前記舌片部は、前記ウォッシャノズルに設けられた脚部が係合する係合部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ワイパアームを構成するアーム本体の側壁から延出して、その基端部を折り曲げて形成した舌片部を一体的に設け、この舌片部にウォッシャノズルを装着するようにしたので、ウォッシャノズルを装着するためにアーム本体に切り欠きを設ける必要が無く、これにより、ワイパアームの剛性を低下させること無くワイパブレードの大型化に対応することができる。
【0012】
本発明によれば、ワイパアームの先端と基端との間の舌片部に装着されるウォッシャノズルに一対のホース接続部が形成されているので、アームヘッド側のホースを一方のホース接続部に接続し、他方のホース接続部に接続されるホースがワイパアーム先端のウォッシャノズルに接続されるようにしたので、ワイパアームの先端と基端との間、及び、先端部のような複数箇所にウォッシャノズルを設ける場合であっても、ワイパアームの剛性を低下させること無くワイパブレードの大型化に対応することができる。
【0013】
本発明によれば、ウォッシャノズルを、舌片部の払拭面と対向する対向面に装着したので、ウォッシャ液をウォッシャノズルを介して確実に払拭面に散布することができるとともに、ウォッシャノズルを外部から見え難いところに配置して見栄えを良くすることができる。
【0014】
本発明によれば、舌片部は、ウォッシャノズルに設けられた脚部が係合する係合部を有するので、ウォッシャノズルを舌片部に対してワンタッチで固定することができ、組み付け作業性の向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明のワイパ装置を示す図を、図2(a),(b)は本発明のワイパ装置のワイパアーム単体を示す正面図および側面図を、図3は図2におけるワイパアーム単体をウィンドシールド側から見た斜視図をそれぞれ示している。
【0016】
図1に示すように、ワイパ装置10は、自動車等の車両(図示せず)におけるフロントウィンドシールド11を、一の長尺のワイパブレード12によって比較的広範囲の払拭範囲A(図1中破線)を払拭可能とした、所謂、パンタ式ワイパ装置であって、2本のアーム(ワイパアーム)を備えている。
【0017】
ワイパ装置10は、車内のワイパスイッチ等(図示せず)からの操作信号に応じて回転駆動される電動モータ13を備え、この電動モータ13は車両のフレーム(図示せず)に固定して設けられている。電動モータ13は、図示しない連動機構(リンク機構)等を介して、第1のピボットシャフト14を揺動駆動するようになっている。第1のピボットシャフト14は、車両のフレームに回動自在に設けられ、この第1のピボットシャフト14と所定の距離(例えば24mm)を置いて、第2のピボットシャフト15が、同じく車両のフレームに回動自在に設けられている。
【0018】
第1のピボットシャフト14には、第1のアームヘッド16の一端側が図示しないボルト等を介して固定され、一方、第2のピボットシャフト15には、第2のアームヘッド17の一端側が同じく図示しないボルト等を介して固定されている。これらの各アームヘッド16および17の他端側(図1中右側)には、メインアーム18およびサブアーム19(ワイパリテーナとも言う)の一端側が図1中紙面手前方向、つまり、フロントウィンドシールド11に対して近接または離間する方向に、回動自在にピン20および21(図2(a)参照)を介して連結されている。
【0019】
第1のアームヘッド16とメインアーム18との間には、コイルスプリング22(図2(b)参照)が装着され、このコイルスプリング22の張力によって、ワイパブレード12がフロントウィンドシールド11に対して所定の押圧力を持って接触するようになっている。なお、第2のアームヘッド17とサブアーム19との間には、コイルスプリングは装着されていない。
【0020】
メインアーム18およびサブアーム19の他端側(図1中右側)には、略L字形状のアームピース23が、第1の軸受24および第2の軸受25(図3参照)を介して回動自在に連結されている。アームピース23における本体部23aの先端側は、図2(b)に示すように、略U字状に折り返すように形成されており、ワイパブレード12との接続方式が、所謂、Uフック方式となっている。ただし、アームピース23とワイパブレード12との接続方式は、上記のようなUフック方式に限らず、相互をビスによって接続固定するEクリップ方式や、他の接続方式を採用しても構わない。ここで、本発明におけるワイパアームは、第1,第2のアームヘッド16,17,メインアーム18,サブアーム19およびアームピース23によって構成されており、本発明におけるアーム本体は、メインアーム18,サブアーム19およびアームピース23によって構成されている。
【0021】
メインアーム18およびサブアーム19は、図3に示すように断面が略コ字形状に形成されており、一対の側壁18a,18bおよび19a,19bをそれぞれ備え、これらの一対の側壁18a,18bおよび19a,19bは、上壁18cおよび19cによって接続されている。そして、各アーム18および19は、フロントウィンドシールド11、つまり、払拭面に向かって開口している。
【0022】
アーム本体としてのメインアーム18における先端と基端との間(本実施の形態ではメインアーム18の略中間部分)の側壁18aには、側壁18aから延出するようにして第1の舌片部(舌片部)26が一体的に形成されており、第1の舌片部26の先端側が側壁18bに向くようにして、基端部26a(図3中破線部分)が略90度の角度で折り曲げられている。これにより、第1の舌片部26には払拭面と対向する対向面26bが形成される。メインアーム18の側壁18aにおける図3中左側には、第2の舌片部27が第1の舌片部26と同様に一体的に形成されており、この第2の舌片部27は、コイルスプリング22の端部が引っ掛かってコイルスプリング22を支持する支持部となっている。
【0023】
図3に示すように、アームピース23の払拭面側における本体部23aの基端側には、先端側ウォッシャノズル(第2のウォッシャノズル)28が装着されており、この先端側ウォッシャノズル28には、3つのノズル28a,28b,28cが設けられている。先端側ウォッシャノズル28には、ゴムホース用管継手28dが一体的に形成されており、このゴムホース用管継手28dには、ウォッシャ液が流通するゴムホース29の端部が接続されている。このゴムホース29は、メインアーム18の内側を沿うようにして配設されており、メインアーム18のコイルスプリング22の内側と、側壁18aに形成された第1,第2の舌片部26,27と、メインアーム18の側壁18bに形成された第3の舌片部30とによって、メインアーム18の内側からゴムホース29が脱落することを抑制している。
【0024】
第1の舌片部26には、図4(a),(b)に示すような、中間ウォッシャノズル(ウォッシャノズル,第1のウォッシャノズル)31を装着するための接続孔(係合部)26c,26cが設けられ、また、第1の舌片部26に中間ウォッシャノズル31を装着した際、中間ウォッシャノズル31の中央管路31bを逃げる逃げ部としての凹所26dが設けられている。
【0025】
図4(a),(b)は本発明のワイパ装置のウォッシャノズルを示す正面図および側面図を、図5は図4(a),(b)のウォッシャノズルをメインアームに取り付けた状態を示す中央断面図をそれぞれ示している。図4(a),(b)に示すように、中間ウォッシャノズル31は、本体部31aと、ウォッシャ液が流通する中央管路31bと、ウォッシャ液を中央管路31bに分岐させるホース接続部としての主管路31cとから構成され、これらはプラスチック等の樹脂材により一体的に形成されている。主管路31cの第1のアームヘッド16側には、第1のアームヘッド16側からコイルスプリング22の内側と、側壁18aに形成された第2の舌片部27と、メインアーム18の内側を沿うようにして配設されるアームヘッド側ゴムホース29aが接続され、主管路31cのアームピース23側には、第3の舌片部30を介してゴムホース用管継手28dまで延びる管継手側ゴムホース29bが接続されるようになっている(図3参照)。本体部31aには、ウォッシャ液のフロントウィンドシールド11に対する散布角度を自由に調整することができる可変ノズル32が設けられ、さらに本体部31aには、第1の舌片部26の接続孔26c,26cに係合する脚部としての係合爪33,33が一体的に形成されている。ここで、本体部31aの係合爪33,33を、それぞれ第1の舌片部26の接続孔26c,26cに挿入して嵌め合わせることにより、図5に示すように、本体部31aと第1の舌片部26の対向面26bとが密着するようにして、第1の舌片部26に中間ウォッシャノズル31をワンタッチで装着することができる。
【0026】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態の動作について、図6も参照して以下詳細に説明する。図6は本発明のワイパ装置のワイパアームからウォッシャ液を散布している状態を示す斜視図である。
【0027】
図1に示すように、操作者が車内に設けられたワイパスイッチ(図示せず)を操作すると、ワイパスイッチの操作信号が図示しない制御装置に送出され、これに伴い電動モータ13に駆動電流が供給される。電動モータ13が回転駆動されると、図示しない連動機構を介して第1のピボットシャフト14が揺動運動する。第1のピボットシャフト14が揺動運動すると、第1のアームヘッド16を介してメインアーム18およびアームピース23が揺動運動する。このとき、アームピース23を介してサブアーム19が連動し、サブアーム19は第2のピボットシャフト15を回動中心として第2のアームヘッド17を介して揺動運動する。このようなメインアーム18とサブアーム19との揺動運動によって、アームピース23はフロントウィンドシールド11上で回転するようにして動作し、よって、アームピース23の本体部23aに装着されるワイパブレード12が払拭範囲Aを払拭することができる。
【0028】
操作者がワイパスイッチを操作してウォッシャ装置を動作させると、エンジンルーム内に設置されたウォッシャタンク(図示せず)から電動ポンプ(図示せず)を介してゴムホース29へウォッシャ液が送られる。すると、アームヘッド側ゴムホース29aに送られたウォッシャ液が、中間ウォッシャノズル31を介して管継手側ゴムホース29bを通って先端側ウォッシャノズル28に送られ、中間ウォッシャノズル31の可変ノズル32および先端側ウォッシャノズル28のノズル28a,28b,28cから図6に示すように噴射され、払拭面となるフロントウィンドシールド11の表面に散布される。このようにして、ワイパブレード12の払拭位置にかかわらず、ワイパブレード12の払拭部分に向かってウォッシャ液を散布することができる。なお、ウォッシャ液としては、凍結を防ぐためのメタノールを主剤とし、洗浄剤や防錆剤を添加したものを用いている。
【0029】
以上のように構成した本発明の実施の形態によれば、ワイパアームを構成するメインアーム18の側壁18aから延出して、その基端部26aを折り曲げて形成した舌片部26を一体的に設け、この舌片部26に中間ウォッシャノズル31を装着するようにしたので、中間ウォッシャノズル31を装着するためにメインアーム18に切り欠きを設ける必要が無く、これにより、ワイパアームの剛性を低下させること無くワイパブレード12の大型化に対応することができる。
【0030】
また、ワイパブレード12を大型化したとしても、切り欠きを設けないことと、第1の舌片部26の基端部26aが折り曲げられていることとが相俟って、ワイパアームの剛性をより高剛性にすることができるので、フロントウィンドシールド11とワイパブレード12とが乾燥した接触状態から作動したとしても、その摩擦抵抗力によってワイパアームが屈曲変形するようなことを防止できる。したがって、ワイパアームにはひずみが生じ難くなるので、拭きムラが生じることも防止できる。
【0031】
さらに、中間ウォッシャノズル31を、第1の舌片部26のフロントウィンドシールド11と対向する対向面26bに装着したので、ウォッシャ液を中間ウォッシャノズル31を介してフロントウィンドシールド11の表面により近い位置で確実に散布することができるとともに、中間ウォッシャノズル31を外部から見え難いところに配置して見栄えを良くすることができる。
【0032】
また、第1の舌片部26は、中間ウォッシャノズル31に設けられた係合爪33が係合する接続孔26cを有するので、中間ウォッシャノズル31を第1の舌片部26に対してワンタッチで固定することができ、組み付け作業性の向上が図れる。
【0033】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態においては、本発明におけるワイパ装置を、一のワイパブレードを備えたパンタ式のワイパ装置に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、一対の(2つの)ワイパブレードを備えたタンデム式やオーバーラップ式等の他種のワイパ装置にも適用することができる。この場合、対となる2つのワイパアームの各々に、本発明におけるワイパ装置を適用すれば良い。
【0034】
また、上記実施の形態においては、第1の舌片部26の接続孔26cに、中間ウォッシャノズル31を係合爪33を係合させてワンタッチで装着するようにしたものを示したが、本発明はこれに限らず、ウォッシャノズルの脚部を舌片部の係合部に係合させた後にネジによって装着したり、接着剤や両面テープ等の接着手段を用いてウォッシャノズルの脚部を舌片部の係合部に係合させて装着したりしても良い。
【0035】
さらに、上記実施の形態においては、本発明におけるアーム本体を、メインアーム18とサブアーム19,アームピース23とによって構成したものを示したが、本発明はこれに限らず、アーム(アームリテーナ)とアームピースとを一体に形成したワイパアームや、サブアームがないアームを有するワイパ装置にも適用することができる。
【0036】
また、上記実施の形態においては、舌片部としての第1の舌片部26を、その先端側が側壁18bに向くようにして、基端部26aが略90度の角度で折り曲げられたものを示したが、本発明はこれに限らず、ワイパアームとウィンドシールドとの間に寸法的に余裕があれば、例えば、ウォッシャノズルのメンテナンス性を考慮する等して、その折り曲げ角度を自由に設定しても良いものである。
【0037】
さらに、上記実施の形態においては、本発明におけるワイパ装置を、フロントウィンドシールド11を払拭するワイパ装置10に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、リヤウィンドシールドを払拭するワイパ装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のワイパ装置を示す図である。
【図2】(a),(b)は本発明のワイパ装置のワイパアーム単体を示す正面図および側面図である。
【図3】図2におけるワイパアーム単体をウィンドシールド側から見た斜視図である。
【図4】(a),(b)は本発明のワイパ装置のウォッシャノズルを示す正面図および側面図である。
【図5】図4(a),(b)のウォッシャノズルをメインアームに取り付けた状態を示す中央断面図である。
【図6】本発明のワイパ装置のワイパアームからウォッシャ液を散布している状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
10 ワイパ装置
11 フロントウィンドシールド
12 ワイパブレード
13 電動モータ
14 第1のピボットシャフト(ピボットシャフト)
15 第2のピボットシャフト(ピボットシャフト)
16 第1のアームヘッド
17 第2のアームヘッド
18 メインアーム(ワイパアーム,アーム本体)
18a,19a 側壁
18b,19b 側壁
18c,19c 上壁
19 サブアーム(ワイパアーム,アーム本体)
20,21 ピン
22 コイルスプリング
23 アームピース(アーム本体)
23a 本体部
24 第1の軸受
25 第2の軸受
26 第1の舌片部(舌片部)
26a 基端部
26b 対向面
26c 接続孔(係合部)
26d 凹所
27 第2の舌片部
28 先端側ウォッシャノズル(第2のウォッシャノズル)
28a,28b,28c ノズル
28d ゴムホース用管継手
29 ゴムホース
29a アームヘッド側ゴムホース
29b 管継手側ゴムホース
30 第3の舌片部
31 中間ウォッシャノズル(ウォッシャノズル,第1のウォッシャノズル)
31a 本体部
31b 中央管路
31c 主管路(ホース接続部)
32 可変ノズル
33 係合爪(脚部)
A 払拭範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の払拭面を払拭するワイパブレードと、一方に前記ワイパブレードが回動自在に連結され、他方に車体に設けられたピボットシャフトに固定されるワイパアームと、を備えたワイパ装置であって、
前記ワイパアームは、
一端側が前記ピボットシャフトに固定されるアームヘッドと、
前記アームヘッドの他端側に回動自在に連結され、一対の側壁および上壁を有し前記払拭面に向かって開口するアーム本体と、
前記アーム本体の一方の側壁から延出して一体的に設けられ、基端部を前記アーム本体の他方の側壁に向けて折り曲げて形成された舌片部と、
前記舌片部に装着され、前記払拭面にウォッシャ液を散布するウォッシャノズルとを備えたことを特徴とするワイパ装置。
【請求項2】
車両の払拭面を払拭するワイパブレードと、
一方に前記ワイパブレードが回動自在に連結され、他方に車体に設けられたピボットシャフトに固定されるワイパアームと、を備えたワイパ装置であって、
前記ワイパアームは、
一端側が前記ピボットシャフトに固定されるアームヘッドと、
前記アームヘッドの他端側に回動自在に連結され、一対の側壁および上壁を有し前記払拭面に向かって開口するアーム本体と、
前記アーム本体の先端と基端との間に設けられ、前記アーム本体の一方の側壁から延出して一体的に設けられ、基端部を前記アーム本体の他方の側壁に向けて折り曲げて形成された舌片部と、
前記車体から前記ワイパアームに配設されるホースと、
前記舌片部に装着され、前記払拭面にウォッシャ液を散布する前記ホースを接続する一対のホース接続部を有する第1のウォッシャノズルとを備え、
前記アームヘッド側の前記ホースを前記ホース接続部の一方に接続し、他方の前記ホース接続部を接続する前記ホースは、前記アーム本体の先端部に設けられる第2のウォッシャノズルに接続されることを特徴とするワイパ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のワイパ装置において、前記ウォッシャノズルを、前記舌片部の前記払拭面と対向する対向面に装着したことを特徴とするワイパ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパ装置において、前記舌片部は、前記ウォッシャノズルに設けられた脚部が係合する係合部を有することを特徴とするワイパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−196724(P2007−196724A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14387(P2006−14387)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】