説明

ワイヤハーネスと制御装置との接続構造

【課題】部品点数を少なくすることができ、小型化が可能なワイヤハーネスと制御装置との接続構造を提供する。
【解決手段】車両に搭載された電装品を制御する制御基板31が上下のケース11,21間に収容された制御装置2の制御基板31とワイヤハーネス5とを接続する構造である。電線41、42、43の芯線部41a、42,a43aを制御基板31の回路パターン33,34,35上に載置した状態で上下のケース11,21により挟持してワイヤハーネス5と制御基板31とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された電装品を制御する制御装置と、バッテリからの電力を電装品に供給するワイヤハーネスとを接続する接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両においては、電装品としての室内ランプ、足元ランプ等の複数のランプの点灯を制御するため、これらのランプはメインECU(Electronic Control Unit)と制御基板を内蔵した電装コネクタである制御装置を介してワイヤーハーネスによって接続されている。このワイヤーハーネスは、電源線、グランド線、通信線等の複数本の電線からなり、メインECUから引き出されたワイヤーハーネスの端末のコネクタを制御装置側のコネクタと嵌合させることでメインECUと制御装置とを接続している。
【0003】
特許文献1には、このようなメインECU100と制御装置110とを接続するため、コネクタ117を用いる構造が記載されている。図9及び図10は、特許文献1に記載された構造を示している。図9に示すように、車両に搭載されている電装品に接続される複数の制御装置110と、電装品を制御するメインECU100とが複数本の電線120、121、122からなるワイヤーハーネスにより接続される。複数個の制御装置110はメインECU100に対して直列状態で接続される。
【0004】
図10は、複数個の内の一の制御装置110を示し、負荷側コネクタ部111とECU側コネクタ部113とを有し、負荷側コネクタ部111には電装品から引き出されたワイヤーハーネス端末のコネクタが嵌合して制御装置110と電装品とを接続し、ECU側コネクタ部113は、電線120、121、122の端末のコネクタ117と嵌合されてメインECU100と制御装置110とを接続する。これにより、メインECU100は、制御装置110を介して電装品と接続される。
【0005】
メインECU100から引き出された電線120、121、122は、ECU100側の入力線120a、121a、122aと、これらの入力線120a、121a、122aに接続されて制御装置110から引き出される出力線120b、121b、122bとで構成されており、出力線120b、121b、122bは他の制御装置110への入力線となっている。また、制御装置110への入力線120a、121a、122aは制御装置110に内蔵されている制御基板と接続されている。
【0006】
なお、メインECU100と制御装置110内の制御基板との接続方法として、圧接端子によって電線と制御装置内の制御基板とを接続することも従来よりなされているが、圧接端子を用いる場合には、径が大きな太い電線の接続ができず、しかも圧接用への電線の加工が困難であり、実用上問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−62594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来構造では、メインECU100と制御装置110を介して電装品とを接続するために、メインECU100と制御装置110とを接続するECU側コネクタ部113、ワイヤーハーネス端末のコネクタ117、制御装置110と電装品とを接続するコネクタ負荷側コネクタ部111を必要としている。
【0009】
このため、部品点数が多くなる問題がある。また、コネクタ117によって接続することから、接続構造がコネクタ117のサイズに規制され、制御装置110の小型化ができない問題も有している。
【0010】
そこで、本発明は、コネクタを用いることのない接続構造とすることにより、部品点数を少なくすることができ、小型化が可能なワイヤハーネスと制御装置との接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、車両に搭載された電装品を制御する制御基板が上下のケース間に収容された制御装置の前記制御基板と複数本の電線からなるワイヤハーネスとを接続するワイヤハーネスと制御装置との接続構造であって、前記電線の芯線部を前記制御基板の回路パターン上に載置した状態で前記上下のケースにより挟持してワイヤハーネスと制御基板とを接続することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、前記電線は芯線部と、この芯線部を被覆する被覆部とで形成され、前記被覆部が剥がされた芯線部が、前記回路パターン上に載置されることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又2記載の発明であって、前記上下のケースのいずれか一方には、前記電線の芯線部を制御基板の回路パターン上に押圧するリブが形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明であって、前記上下のケースのいずれか一方と前記芯線部との間に半田が配設されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つの記載の発明であって、前記上下のケースのいずれか一方には、前記ワイヤハーネスを制御基板の回路パターン上に位置決めする位置決め溝が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、電線の芯線部を制御基板の回路パターン上に載置し、電線を上下のケースで挟持することによりワイヤハーネスと制御基板とを直接に接続することができる。このため、コネクタを用いた接続が不要となり、コネクタを省略した接続が可能となる。コネクタを省略できるため、部品点数を少なくすることができ、小型化することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、被覆部を剥がすことにより芯線部を露出させ、この芯線部を制御基板の回路パターンに載置して接続することができるため、芯線部を回路パターンに接続するための部品が不要となり、部品点数の少ない接続が可能となる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、上下のケースのいずれかにリブが形成され、このリブが電線の芯線部を制御基板の回路パターン上に押圧するため、芯線部と回路パターンとを確実に接触させることができ、ワイヤハーネスと制御基板とを安定して接続することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、芯線部と上下のケースのいずれか一方の間に半田が設けられており、芯線部と回路パターンとが半田を介して接続されるため、芯線部と回路パターンとを確実に接触させることができ、ワイヤハーネスと制御基板とを安定して接続することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、上下のケースのいずれか一方に電線の位置決め溝が形成されることにより、ワイヤハーネスを制御基板の回路パターンに位置決めすることができる。これにより電線と回路パターンとの位置ずれがなく、ワイヤハーネスと制御基板とを確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態のワイヤハーネスと制御装置との接続構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の接続構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における上ケースと下ケースとの係合部分を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における接続部分を示す断面図である。
【図5】図4におけるA−A線断面図である。
【図6】芯線部に対向してリブを接続部分に設けた第2実施形態を示す断面図である。
【図7】芯線部に対向して半田を接続部分に設けた第3実施形態を示す断面図である。
【図8】芯線部に対向して針状突起を接続部分に設けた第4実施形態を示す断面図である。
【図9】コネクタを用いた従来の接続構造を示す平面図である。
【図10】従来の接続構造に用いるコネクタを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある
(第1実施形態)
図1〜図5は、本発明の第1実施形態の接続構造1を示し、図1は全体の分解斜視図、図2は接続状態の斜視図、図3は下ケース11と上ケース21との係合部分を示す断面図、図4は接続部分を示す断面図、図5は図4のA−A線断面図である。
【0023】
接続構造1は、制御装置2とワイヤハーネス5とを接続するものであり、図1及び図2に示すように、制御装置2は下ケース11と、上ケース21と、制御基板31とを備えている。
【0024】
制御装置2は電装品(図示省略)と接続されて電装品の作動を制御するメインECU(図9参照)と電装品とを接続する。制御装置2における制御基板31は、メインECUからの制御信号に基づいて電装品を駆動制御する。このため、制御基板31には、車載バッテリからの電力を電装品に分配したり、電力を遮断したり、その他の作動を行う回路パターン32が基板本体36に対して形成されている。符号33、34、35は回路パターン32の一部を構成する第1接続電極部、第2接続電極部、第3接続電極部であり、いずれも基板本体36の上面から露出するように形成されている(図4参照)。基板本体36の上面から露出することにより、これらの接続電極部33、34、35がワイヤハーネス5との電気的な接続を行うことができる。
【0025】
制御基板31は下ケース11及び上ケース21に収容される。また、制御基板31は下ケース11及び上ケース21の間に挟持されるものであり、この実施形態では、図4に示すように下ケース11の内部に形成された仕切板12と上ケース21との間に挟持される。
【0026】
下ケース11及び上ケース21はいずれも樹脂によって形成されている。下ケース11の上面に上ケース21を被せて上下ケース11,21を相互に係合させて固定することにより、制御基板31が上下のケース11,21に挟持された状態となる。この実施形態において、下ケース11及び上ケース21の係合は、係合爪23及び係合溝13によってなされるものであり、係合爪23は上ケース21の4周辺から垂下する係合片24の先端部分に形成されている。係合溝13は係合爪23と対応するように下ケース11の4側面に形成されている。そして、係合爪23を係合溝13に係合させることにより、下ケース11及び上ケース21が固定状態となり制御基板31の挟持が行われる。
【0027】
図1及び図2において、符号25は上ケース21の上面に形成された負荷接続用コネクタであり、電装品からのコネクタが差し込まれて電装品と制御基板31との接続が行われる。
【0028】
ワイヤハーネス5は複数本の電線41、42、43で構成されている。この実施形態において、第1電線41、第2電線42、第3電線43の3本が設けられている。複数本の電線41、42、43の内、いずれかの電線が例えば電源線、他の電線が通信線、残りの電線がグランド線となる。制御基板31における接続電極部33、34、35はそれぞれが電線41、42、43に接続されるものであり、第1接続電極部33が第1電線41に接続され、第2接続電極部34が第2電線42に接続され、第3接続電極部35が第3電線43に接続される。
【0029】
電線41、42、43は被覆電線が使用されており、芯線部41a、42a、43aと、芯線部41a、42a、43aを被覆する被覆部41b、42b、43bとによって形成されている。電線41,42,43は制御基板31と接続されるものであり、制御基板31との接続に際しては、それぞれの電線41、42、43に対し、被覆部41b、42b、43bを剥がして芯線部41a、42a、43aを露出させた状態とし、露出した芯線部41a、42a、43aを対応した接続電極部33、34、35に接触させることにより行われる。
【0030】
制御基板31との接続に際しては、電線41、42、43が下ケース11上の制御基板31の上方を横切り、露出している芯線部41a、42a、43aがそれぞれ接続電極部33、34、35に臨んだ状態で行われる。このため電線41、42、43は下ケース11を横切るように配索される。この実施形態において、下ケース11における電線41、42、43が横切る2側面には位置決め溝15(15a、15b、15c)が形成されている。位置決め溝15(15a、15b、15c)は下ケース11における2側面の上縁部から横並び状となって窪むように複数(3箇所)が形成されており、対応した電線41、42、43が落とし込まれる。この実施形態においては、位置決め溝15aに第1電線41が落とし込まれ、位置決め溝15bに第2電線42が落とし込まれ、位置決め溝15cに第3電線43が落とし込まれるものである。このようにそれぞれの電線41、42、43が落とし込まれることにより、電線41、42、43が対応したそれぞれの接続電極部33、34、35上に臨むように位置決めされる。この位置決めにより、電線41、42、43と接続電極部33、34、35との位置ずれがなくなる。
【0031】
なお、位置決め溝15としては、上ケース21の下面に窪み状に形成しても良く、下ケース11及び上ケース21の双方に形成しても良い。
【0032】
次に、この実施形態の接続構造1の組み立てを説明する。電線41、42、43に対しては、被覆部41b、42b、43bの長さ方向における一部分を剥ぐことにより芯線部41a、42a、43aの全周を露出させる。被覆部41b、42b、43bの剥離は、被覆部41b、42b、43bの全周にかけて行うものであり、これにより芯線部41b、42b、43bは全周で露出した状態となる。一方、制御装置2においては、制御基板31を下ケース11に収容する。
【0033】
その後、露出している芯線部が制御基板31における対応した接続電極部33、34、35に臨むように電線41、42、43を下ケース11の対応した位置決め溝15(15a,15b,15c)に落とし込む。すなわち、芯線部41aが第1接続電極部33に臨むように第1電線41を位置決め溝15aに落とし込み、芯線部42aが第2接続電極部34に臨むように第2電線42を位置決め溝15bに落とし込み、芯線部42aが第3接続電極部35に臨むように第3電線43を位置決め溝15cに落とし込む。これにより、それぞれの電線41、42、43の芯線部41a、42a、43aを対応した接続電極部33、34、35に位置決めさせた状態で載置することができる。
【0034】
次に、上ケース21を下ケース11に被せて係合爪23を係合溝13に係合させることにより上ケース21及び下ケース11を相互に固定する(図2参照)。この固定により下ケース11及び上ケース21が電線41、42、43を挟持した状態となり、図4及び図5に示すように、それぞれの芯線部41a、42a、43aと制御基板31の接続電極部33、34,35とが接触状態となる。なお、図4及び図5においては、第1電線41の芯線部41aと接続電極部33との接触状態を示すが、他の電線42,43及び接続電極部34,35においても同様である。このように芯線部41a、42a、43aが接続電極部33,34,35と接触することにより、電線41、42、43と制御基板31とを電気的に接続することができる。
【0035】
このような実施形態によれば、電線41,42、43の芯線部41a、42、a43aを制御基板31の回路パターンにおける接続電極部33、34、35上に載置し、この載置状態で電線41、42、43を下ケース11および上ケース21で挟持するため、電線41、42、43と制御基板31とを直接に接続することができる。このため、コネクタを用いた接続が不要となり、コネクタを省略した接続が可能となる。そしてコネクタを省略できるため、部品点数を少なくすることができ、制御装置自体を小型化することができる。
【0036】
また、この実施形態では、電線41、42、43の芯線部41a、42a、43aが露出しているため、芯線部41a、42a、43aを制御基板31の接続電極部33、34、35に載置させるだけで接続電極部33、34、35と電気的に接続することができる。このため、芯線部41a、42a、43aを接続電極部33、34、35に接続するための部品が不要となり、部品点数の少ない接続が可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態における断面図を示す。
【0038】
この実施形態では、上ケース21にリブ51を設けるものであり、リブ51は、上ケース21の下面から制御基板31の方向に突出している。リブ51は制御基板31の回路パターン32における各接続電極部33、34、35に対応するように複数が上ケース21の下面に形成されるものである。すなわち図6においては、第1接続電極部33に対応したリブ51だけを示しているが、第2接続電極部34,第3接続電極部35との対応位置に対しても同様にリブ51が形成されるものである。
【0039】
それぞれの接続電極部33、34、35に対応するように上ケース21にリブ51を設けることにより、上ケース21と下ケース11とを相互に固定して電線41、42、43を上下のケース21、11で挟持すると、リブ51は電線41、42、43のそれぞれの芯線部41a、42a、43aを回路パターン32の接続電極部33、34、35に押圧する。このため芯線部41a、42a、43aと回路パターン32の接続電極部33,34,35とを確実に接触させることができ、電線41、42、43と制御基板31とを安定して接続することができる。
【0040】
なお、リブ51としては、下ケース11における接続電極部33、34、35との対応位置に形成しても良く、上ケース21及び下ケース11の両ケースにおける接続電極部33、34、35との対応位置に形成しても良い。
【0041】
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態における断面図を示す。
【0042】
この実施形態では、制御基板31の回路パターン32に半田53を設けるものである。半田53は回路パターン32における接続電極部33、34、35に対応するように設けられるものである。図7においては、第1接続電極部33に対応するように設けられているが、第2接続電極部34及び第3接続電極部35に対応するように設けられるものである。
【0043】
このように接続電極部33、34、35に対応して半田53を設けることにより、それぞれの接続電極部33、34、35における半田53が電線41、42、43のそれぞれの芯線部41a、42a、43aに接触する。すなわち、それぞれの接続電極部33,34、35及び対応した電線41、42,43の芯線部41a、42a、43aは半田53を介して接続された状態となる。このような構造では、電線41、42、43,の芯線部41a、42、a43aと回路パターン32の接続電極部33、34、35とが半田53を介して接続されるため、芯線部41a、42a、43aと接続電極部33、34、35とを確実に接触させることができ、電線41、42、43と制御基板31とを安定して接続することができる。
【0044】
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態の断面図である。
【0045】
この実施形態では、制御基板31の回路パターン32に複数の針状突起55を設けるものである。針状突起55は回路パターン32における接続電極部33、34、35に対応するように設けられるものであり、図8においては、第1接続電極部33に対応するように設けられているが、第2接続電極部34及び第3接続電極部35に対応するように設けられるものである。針状突起55は細い針状体の複数をそれぞれの接続電極部33、34、35に植設することにより形成することができ、これにより針状突起55は接続電極部33、34、35から上ケース21に向かって立ち上がった状態となっている。
【0046】
このように接続電極部33、34、35に対して針状突起55を設けることにより、針状突起55が電線41、42、43のそれぞれの芯線部41a、42a、43aに刺さり、針状突起55が刺さった状態で芯線部41a、42a、43aと接続電極部33、34、35とが接触する。このような接続構造では、芯線部41a、42a、43aと接続電極部33、34、35との接触による電気的な接続に加えて、芯線部41a、42a、43aに刺さった針状突起55を介して芯線部41a、42a、43aと接続電極部33、34、35とが導通して接続される。また、針状突起55の刺さり込みにより芯線部41a、42a、43aが接続電極部33、34、35からずれることが防止される。これらにより芯線部41a、42a、43aと接続電極部33、34、35とを確実に電気的に接続することができ、電線41、42、43と制御基板31とを安定して接続することができる。
【0047】
特に、この実施形態では、針状突起55が刺さることから、被覆部41b、42b、43bから芯線部41a、42a、43aが露出していない電線41、42、43を用いることができる。すなわち、上ケース21及び下ケース11によって電線を挟持することにより、針状突起55が被覆部41b、42b、43bを貫通して芯線部41a、42a、43aに到達して芯線部41a、42a、43aに刺さって接触することができ、これにより電線の芯線部41a、42a、43aと制御基板31の接続電極部33、34、35とを接続することができる。
【0048】
なお、細かな凸部は芯線部41a、42a、43aと摩擦を生じるため、芯線部41a、42a、43aの位置ずれを防止することができ、これにより、電線41、42,43と接続電極部33、34、35との接触を確保することができ、安定して接続を行うことができる。
【0049】
本発明は以上実施形態に限定されることなく種々変更が可能である。例えば、電線は1本、2本や4本以上を用いることができ、回路パターンの接続電極部を電線の数に合わせて増減することにより対応が可能である。また、電線としては、被覆部41b、42b、43bを全周にわたって剥がすことなく、部分的に剥がして芯線部41a、42a、43aを円周方向に部分的に露出させたものを用いても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 接続構造
2 制御装置
5、ワイヤハーネス
11 下ケース
15,15a、15b、15c 位置決め溝
21 上ケース
31 制御基板
33,34,35 接続電極部
41,42,43 電線
51 リブ
53 半田

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された電装品を制御する制御基板が上下のケース間に収容された制御装置の前記制御基板と複数本の電線からなるワイヤハーネスとを接続するワイヤハーネスと制御装置との接続構造であって、
前記ワイヤハーネスの電線の芯線部を前記制御基板の回路パターン上に載置した状態で前記上下のケースにより挟持して複数本の電線からなるワイヤーハーネスと制御基板とを接続することを特徴とするワイヤハーネスと制御装置との接続構造。
【請求項2】
請求項1記載のワイヤーハーネスと制御装置との接続構造であって、
前記電線は芯線部と、この芯線部を被覆する被覆部とで形成され、前記被覆部が剥がされた芯線部が、前記回路パターン上に載置されることを特徴とするワイヤハーネスと制御装置との接続構造。
【請求項3】
請求項1又2記載のワイヤーハーネスと制御装置との接続構造であって、
前記上下のケースのいずれか一方には、前記電線の芯線部を制御基板の回路パターン上に押圧するリブが形成されていることを特徴とするワイヤハーネスと制御装置との接続構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のワイヤーハーネスと制御装置との接続構造であって、
前記上下のケースのいずれか一方と前記芯線部との間に半田が配設されていることを特徴とするワイヤハーネスと制御装置との接続構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つの記載のワイヤーハーネスと制御装置との接続構造であって、
前記上下のケースのいずれか一方には、前記電線を制御基板の回路パターン上に位置決めする位置決め溝が設けられていることを特徴とするワイヤハーネスと制御装置との接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−135092(P2012−135092A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283596(P2010−283596)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】