説明

ワイヤレス通信管理用集中型通信施設のスイッチイン

【課題】通信を取り扱う好適な方法を提供すること。
【解決手段】ワイヤレスデバイスがワイヤレスキャリアで記録した後、記録プロセスがプロビジョニングサーバで開始する。プロビジョニングサーバは、ワイヤレスデバイスのデバイス識別子と、ワイヤレスキャリアの識別子の少なくとも一方に基づいて、データベースからデータベース情報を引き出す。この情報は、プロビジョニングサーバによって、(i)集中管理サービスを提供する中継サーバのアドレス情報、又は、(ii)事業ネットワークのアドレス情報を返送するかどうかを決定するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
コンピュータネットワーク事業は、遠隔ワイヤレスデバイスを用いた事業ネットワークへのアクセスを従業員に提供することを望んでいる。様々な地理的領域にサービスを提供するために、様々なワイヤレスネットワークキャリアがある。従来、事業ネットワークにワイヤレスデバイスによるアクセスを提供するためには、まず、事業は必要な地理的カバレージを決定しなければならなかった。次いで、事業は、それと共に、必要な地理的カバレージを提供する一またはそれ以上のワイヤレスキャリアを確認しなければならなかった。次いで、事業は、確認したキャリアの各々にアプローチして、事業ネットワークとワイヤレスキャリア間のプライベート通信ライン(しばしば、専用回線と呼ばれる)を整えなくてはならなかった。その後、これらのワイヤレスキャリヤのうちの一のワイヤレスネットワークの地理的範囲にあるワイヤレスデバイスが、ワイヤレスネットワークを用いた事業ネットワークにアクセスすることができるようになり、ワイヤレスネットワークと事業ネットワークとの間に通信ラインを構成することができた。
【0002】
このやり方の明らかな欠点は、広域の地理的領域にわたって事業ネットワークとワイヤレス通信を可能にすることを望んでいる事業が、多くの異なるワイヤレスキャリアで構成し、この構成を維持しなければならないことである。更に、接続を切られた(すなわち、カバレージ領域のいずれにおいてもオフである、あるいは接続していない)ワイヤレスデバイス用のメッセージを、事業ネットワークによって保持する必要があった。このことは、ワイヤレスデバイスがメッセージを、どのワイヤレスキャリアを用いて次のレジスタに一時記録する(ワイヤレスキャリアのカバレージ領域内で入力された結果、あるいは、オンにされた結果)のかがわからないという理由による。事業ネットワークは、送信できるまで送達不可能なメッセージを扱うあるいは効率よく扱うようには構成されておらず、このことは問題があるということがわかった。また、所定のワイヤレスデバイスのいずれもが、様々な各ワイヤレスネットワークに入るときに、通常、異なる(典型的には、IP)アドレスが割り当てられる。各ワイヤレスデバイスの現アドレスへのマッピングを維持することは、事業ネットワークの責任になる。
【0003】
これらの問題およびその他の困難に取り組むために、ワイヤレス通信用の集中管理サービスを提供する集中型通信施設が考えられた。包括的地理的カバレージを提供するために、集中型通信施設と多くの様々なワイヤレスキャリアとの間での接続が取り決められた。更に、集中管理サービスに加入している事業用に、集中型通信施設は、ワイヤレスデバイスが現在接続されているか否かにかかわらず、いずれかのワイヤレスデバイス用の事業ネットワークからのメッセージを受信するであろう。所定のワイヤレスデバイスの接続が切れている場合、集中型通信施設がメッセージを保存して、所定のワイヤレスデバイスに、このデバイスが含まれるワイヤレスキャリアの一つを用いて次のレジスタにメッセージを一次記録して、メッセージを送るであろう。更に、集中型通信施設は、適宜のマッピングテーブルを保持することによって、所定のワイヤレスキャリアがそのワイヤレスデバイスに割り当てるアドレスが何であっても、許可を受けた各ワイヤレスデバイスと事業ネットワークを通信させる。更に、従来は、ワイヤレスキャリアは、ウエブブラウザ技術を用いている。このように、所定のワイヤレスキャリアを用いてレジスタに一時記録されたワイヤレスデバイスへのメッセージが、ワイヤレスキャリアによって保存され、ワイヤレスデバイスによって、ワイヤレスキャリアから能動的に取り出されなくてはならない。逆に、Gilhuly et al.に2004年3月2日に発行された米国特許第6,701,378号に記載されている技術を用いて、集中型通信施設がワイヤレスデバイスの上にメッセージをプッシュするように構成してもよい。この特許の内容はここに引用されている。
【0004】
公開インターネット上での仮想プライベートネットワーク(VPNs)の出現で、事業ネットワークとワイヤレスキャリア間の専用回線は、多くの場合必要がなくなった。このことは、キャリア相互協定と共に、一つのワイヤレスキャリアとのみサービス協定を締結する場合でも、広域カバレージを確保することがより困難でなくする。さらに、より新しいワイヤレスキャリアは、プッシュ技術を使用して、保存しているメッセージや、送信しているメッセージの切断を操作して、事業ネットワークからの問題に取り組むワイヤレスデバイスをオフロードしたかもしれない。このような能力の高いワイヤレスキャリアとキャリア相互協定によって、前述した集中型通信施設は、望まない加算がなされて高価なものになってしまった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この潜在的な問題の改善を求めるものである。
【0006】
発明の要約
ワイヤレスデバイスが、ワイヤレスキャリアを用いてレジスタに一時記録した後、プロビジョニングサーバで一時記録プロセスが開始する。このプロビジョニングサーバは、ワイヤレスデバイスのデバイス識別子とワイヤレスキャリアの識別子のうちの少なくとも一方に基づいて、データベースからデータベース情報を取り出す。この情報は、プロビジョニングサーバによって使用されて、(i)集中管理サービスを提供する中継サーバのアドレス情報、または、(ii)事業ネットワークのアドレス情報、を返送するべきかどうかを決める。
【0007】
本発明によれば、通信操作方法が提供されており、この方法は:ワイヤレスデバイス識別子とワイヤレスキャリアネットワーク識別子のうちの少なくとも一方をワイヤレスキャリアネットワークから受信するステップと;前記デバイス識別子と前記ワイヤレスキャリアネットワーク識別子のうちの少なくとも一方に基づいて、データベースからデータベース情報を取り出すステップと;前記データベース情報の少なくとも一部に基づいて、(i)集中管理サービスを提供するサーバのアドレス情報と、(ii)事業ネットワークのアドレス情報の一方を返送するステップと;を具える。コンピュータで読み取り可能な媒体も提供されている。この媒体は、プロビジョニングサーバのプロセッサで実行されるときに、どの指令がプロビジョニングサーバに上述の方法を実行させるかといった、コンピュータで実行可能な指令を含む。
【0008】
更なる態様では、プロビジョニングサーバが提供されており:データベースと;ワイヤレスデバイス識別子とワイヤレスキャリアネットワーク識別子のうちの少なくとも一方をワイヤレスキャリアネットワークから受信し、前記デバイス識別子と前記ワイヤレスキャリアネットワーク識別子のうちの少なくとも一方に基づいて、前記データベースからデータベース情報を取り出して、前記データベース情報の少なくとも一部に基づいて、(i)中央管理サービスを提供するサーバのアドレス情報と、(ii)事業ネットワークのアドレス情報の一方を返送するように動作可能なプロセッサと、を具える。
(項目1)
通信を取り扱う方法において:
ワイヤレスキャリアネットワークからワイヤレスデバイス識別子とワイヤレスキャリアネットワーク識別子を受信するステップと;
前記受信したデバイス識別子及び/又はワイヤレスキャリアネットワーク識別子に基づいて、データベースからデータベース情報を取り出すステップと;
前記データベース情報の少なくとも一部に基づいて、(i)集中管理サービスを提供するサーバのアドレス情報と(ii)事業ネットワークのアドレス情報の一つを返送するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
(項目2)
項目1に記載の方法において、前記データベース情報が前記ワイヤレスキャリアネットワークの能力情報を具えることを特徴とする方法。
(項目3)
項目2に記載の方法において、前記能力情報が、前記ワイヤレスキャリアネットワークがメッセージを保存し送信するかどうかの表示;前記ワイヤレスキャリアネットワークがメッセージをアドレスする際にワイヤレスデバイスと事業の特徴識別子を使用するかどうかの表示;前記ワイヤレスキャリアネットワークが一又はそれ以上のその他のワイヤレスキャリアネットワークと相互作用して、事業と当該事業に関連するワイヤレスデバイス間でメッセージを通信するかどうかの表示;または前記ワイヤレスキャリアネットワークが前記ワイヤレスデバイスにメッセージをプッシュしたかどうかの表示のうちのいずれか一つ、または組み合わせを具えることを特徴とする方法。
(項目4)
項目1ないし3のいずれかに記載の方法が更に:
集中管理サービスを提供する前記サーバの負荷を表示する負荷情報を受信するステップと;
前記データベース内のデータベース情報として前記負荷情報を保存するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
(項目5)
項目1ないし4のいずれかに記載の方法が更に、前記デバイスの識別子を伴うデバイス能力情報を受信するステップを具え、前記アドレス情報を返送するステップが前記デバイス能力情報の一部に基づくことを特徴とする方法。
(項目6)
項目1ないし5のいずれかに記載の方法において、前記データベース情報が前記デバイス識別子と関連するサービス情報品質を具えることを特徴とする方法。
(項目7)
項目1ないし6のいずれかに記載の方法において、前記識別子を受信するステップが、前記デバイスからのレジストレーションメッセージを受信するステップを具えることを特徴とする方法。
(項目8)
項目1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記アドレス情報を返送するステップが、前記デバイス識別子に対応するデバイスにアドレスした応答メッセージにおけるこのような情報を返送するステップを具えることを特徴とする方法。
(項目9)
項目8に記載の方法において、前記応答メッセージが、前記デバイスからの将来のセットアップメッセージを指示する表示を具えることを特徴とする方法。
(項目10)
項目9に記載の方法において、前記表示がタイムアウトインターバルを表示することを特徴とする方法。
(項目11)
項目1ないし10のいずれかに記載の方法において、前記返送するステップが、前記ワイヤレスキャリアネットワークを返送するステップであることを特徴とする方法。
(項目12)
プロビジョニングサーバにおいて:
データベースと;
ワイヤレスキャリアネットワークからワイヤレスデバイス識別子とワイヤレスキャリアネットワーク識別子とを受信し;
前記受信したデバイス識別子及び/又はワイヤレスキャリアネットワーク識別子に基づいて、前記データベースからデータベース情報を取り出し;
前記データベース情報の少なくとも一部に基づいて、(i)集中管理サービスを提供するサーバのアドレス情報と、(ii)事業ネットワークのアドレス情報の一方を返送する;
ように動作可能なプロセッサと;
を具えることを特徴とするプロビジョニングサーバ。
(項目13)
項目12に記載のサーバにおいて、前記データベース情報が、前記ワイヤレスキャリアネットワークの能力情報を具えることを特徴とするサーバ。
(項目14)
項目12又は13に記載のサーバにおいて、前記プロセッサが更に:
集中管理サービスを提供するサーバ上の負荷を表示する負荷情報を受信し;
前記負荷情報をデータベース情報として前記データベースに保存する;
ように動作可能であることを特徴とするサーバ。
(項目15)
項目12ないし14のいずれかに記載のサーバにおいて、前記データベース情報が更に、デバイス能力情報を具えることを特徴とするサーバ。
(項目16)
項目12ないし15のいずれかに記載のサーバにおいて、前記データベース情報が更に、前記デバイス識別に関連するサービス情報品質を具えることを特徴とするサーバ。
(項目17)
項目12ないし16のいずれかに記載のサーバにおいて、前記プロセッサがまた、タイムアウトインターバルを返送するように動作可能であることを特徴とするサーバ。
(項目18)
項目12ないし17のいずれかに記載のプロビジョニングサーバのプロセッサによって実行可能なコンピュータ指令を含むコンピュータで読み取り可能な媒体であって、前記プロビジョニングサーバを項目1ないし11に記載のいずれかの方法によって動作させることを特徴とする媒体。
(項目19)
機械で読み取り可能な媒体に担持させたコンピュータプログラムコードであって、当該コンピュータプログラムコードが項目12ないし17のいずれかに記載のプロビジョニングサーバのプロセッサによって実行可能であり、項目1ないし11に記載のいずれかの方法によって前記プロビジョニングサーバを動作させることを特徴とするプログラムコード。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、公知のネットワーク構造を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の教示を実施するネットワーク構造を示す概略図である。
【図3】図3は、図2に示すネットワークの一部を示す概略図である。
【図4】図4は、図2に示すシステムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のその他の特徴及び利点は、図面を参照して以下の記載から明らかになる。
【0011】
図面には本発明の実施例を示す。
【0012】
詳細な説明
図1を参照すると、事業10は、中央事業サーバ16に接続された複数の通信デバイス14(好適に構成されたパーソナルコンピュータ−PCsなど)で構成したスター型(Hub and spoke)事業ネットワーク12を有する。事業サーバ16は、公共インターネット22に接続されている。ワイヤレスキャリアで動作する複数のワイヤレスキャリアネットワーク24a、24cも、中継サーバ26と共に、公共インターネットに接続している。ワイヤレスキャリアネットワーク24bなどの、追加のワイヤレスキャリアネットワークは、ライン25などの専用回線によってアクセスされる。ワイヤレス通信デバイス30が、ワイヤレスキャリアネットワークの一つまたはその他に接続されていても良い。各ワイヤレスデバイス30は、事業10と関連している。ワイヤレスデバイスは、事業ネットワーク12のPC14にワイヤレスデバイスを直接接続することによって、事業10と関連しており、このPCにおいて関連プロセスを稼動させることができる。この結果、ワイヤレスデバイスのデバイス識別子を事業ネットワークへアップロードし、ネットワーク12からワイヤレスデバイスへ事業識別子をダウンロードすることになる。PINで表すことができるデバイス識別子は、各ワイヤレスデバイスの特徴である(すなわち、各ワイヤレスデバイス内に一つのPINが埋め込まれている)。事業識別子は、ユーザID、すなわち、UIDとして表すことができ、通常はこれも変化しない。各ワイヤレスデバイスの別の特徴はホームアドレスである。
【0013】
ワイヤレス集中管理サービスを提供するために、中継サーバ26は、複数のワイヤレスキャリアネットワークとの間に設置された通信路を有する。特に、中継サーバ26は、VPNを介して公共インターネット22に接続される各ワイヤレスキャリアネットワーク24a、24cとの間に設置された通信路を有する。更に、プライベートラインを介してのみアクセス可能な各ワイヤレスキャリアネットワークは、中継サーバ26へのプライベートラインを有するであろう。従って、例えば、ワイヤレスキャリアネットワーク24bは、専用回線25を介しての中継サーバ26との間に設置された通信路を有する。
【0014】
事業10は、事業サーバ16と公共インターネット22間を接続するワイヤレス通信管理サーバ20を設けることによって、ワイヤレス通信用の集中管理サービスの利益を得ることができる。管理サーバ20は、事業識別子(UID)と現在の事業アドレスとを中継サーバ26に提供する。中継サーバ内のデータベースはデバイス識別子を伴い、事業識別子と現在の事業アドレス(すなわち、事業10のネットワーク12のワイヤレス通信サーバ20のアドレス)が一緒にある。
【0015】
上述の設定によって、中継サーバ26を伴うワイヤレス通信管理サーバ20は、以下のようなワイヤレス通信の中央管理を提供する。ワイヤレスデバイス30は、中継サーバ26との間に設置された通信路を有するワイヤレスキャリアネットワーク24a、24b、24cの一つを用いてレジスタに一時的に記録する(従来の用法で)と、デバイス30にワイヤレスネットワークキャリアアドレス(通常は、IPである)が提供されるであろう。このデバイスは、ホームアドレスに、デバイス識別子(PIN)と事業識別子(UID)を伴うレジスタメッセージを送る。このホームアドレスは、中継サーバに送られ、あるいは、典型的には、中継サーバにメッセージを転送するレジストレーションサーバに送られる。中継サーバ26によって受信されたこのメッセージは、ワイヤレスキャリアネットワークの表示を含むであろう。ワイヤレスキャリアネットワークの識別子は、メッセージのソースアドレス(すなわち、ワイヤレスキャリアネットワークアドレス)中に必然的に含めることができ、あるいは、メッセージ中に明確に含めることができる。このメッセージを受信すると、中継サーバが、PINを用いてワイヤレスネットワークキャリアアドレスを対応させ、自身のアドレスを持つワイヤレスデバイスにメッセージを返送する。ワイヤレスデバイス30によって送られた次のメッセージは、中継サーバにアドレスされる。これらの続いて生じるメッセージは、UIDを含んでいても良い。UID(メッセージ中にあって受信された、あるいは中継サーバでPINと対応した)を使用して、中継サーバは、適宜の事業アドレスを見て、このメッセージをワイヤレス通信サーバ20を介してネットワーク12に送信する。
【0016】
所定のワイヤレスデバイス30用の事業ネットワークからのメッセージは、ネットワーク12によって中継サーバへアドレスされ、ワイヤレスデバイスのデバイス識別子(PIN)を含んでいる。このメッセージは、ワイヤレス通信管理サーバ20を介して中継サーバに送られる。中継サーバが所定のワイヤレスキャリアネットワークアドレスとデバイス識別子との対応を保持していれば、メッセージがそのワイヤレスキャリアネットワークアドレスに送信される。一方で、対応がない場合は、これは、意図する受信者のワイヤレスデバイスが、包含されているワイヤレスキャリアネットワークのいずれにも現在接続されていない(すなわち、レジスタに一時的に記録されていない)ことを示す。このような状況において、中継サーバは、包含されているワイヤレスキャリアネットワークの一つと受信者のワイヤレスデバイスとの関連に気がつくまで、メッセージを単純に保存する。
【0017】
以上から、中継サーバによって、事業ネットワークは全てのワイヤレスデバイスに対するメッセージを中継サーバに単純に送ることができることが明らかである。更に、中継サーバによって、接続が切れているワイヤレスデバイスのために、このデバイスがワイヤレスキャリアネットワークの一つに再度接続されるまでメッセージを保存することができる(すなわち、保存と送信サービス)。更に、中継サーバによって、複数のワイヤレスキャリアネットワークを介した接続、すなわち広域の地理的カバレージが可能であり、一方で、事業10は、集中サービスを伴う単一の施設を運営すればよいだけである。
【0018】
しかしながら、ワイヤレスキャリアネットワーク24cは、集中サービスによって提供される一またはそれ以上のサービスを提供できるようにアップグレードされる。例えば、公共インターネットに接続して、以下のうちの一又はそれ以上を行うように構成することができる:メッセージの保存と送信、メッセージをワイヤレスデバイスと事業間でアドレスするときのPINsとUIDsの使用、事業とその事業に関連するワイヤレスデバイス間でメッセージを通信するための一またはそれ以上のその他のワイヤレスキャリアネットワークの相互操作、および、メッセージのワイヤレスデバイスへのプッシュ。
【0019】
顧客へより安価なサービスを行うために、図1のネットワーク構成を図2に示すように変形することができる。図2を参照すると、同じ一部には同じ符号が付されている。プロビジョニングサーバ50は、中継サーバ26と同様に、公共インターネット22に接続されている。オプションの中央管理サービスを提供するために、プロビジョニングサーバ50(中継サーバ26より)は、複数のワイヤレスキャリアネットワークとの間に設置された通信路を有している。特に、プロビジョニングサーバ50は、VPNを介して公共インターネット22上の各ワイヤレスキャリアネットワーク24a、24cとの間に設置された通信路を有していても良い。更に、プライベートラインにのみアクセス可能な各ワイヤレスキャリアネットワークでは、プロビジョニングサーバ50へのプライベートラインを有するであろう。従って、例えば、ワイヤレスキャリアネットワーク24bは、専用回線25の上のプロビジョニングサーバ50との間に設置された通信路を有していても良い。中継サーバ26は、例えば、公共インターネット22の上のVPNを介してプロビジョニングサーバ50との間に設置された通信路を有している。更に、各ワイヤレスデバイスのホームアドレスが、レジストレーションサーバを指している場合は、レジストレーションサーバは、プロビジョニングサーバへそれを転送するように構成されるであろう。代替的に、レジストレーションサーバ自体をプロビジョニングサーバとして稼動させることもできる。ホームアドレスが中継サーバを直接指している場合は、プロビジョニングサーバを中継サーバに代えて、ホームアドレスがプロビジョニングサーバを指すようにする。
【0020】
この設定と、事業10に設けられているワイヤレス通信管理サーバ20によって、事業は、事業識別子と、現在の事業アドレスと、事業に現在関連しているワイヤレスデバイスのデバイス識別子を提供することによって、集中管理サービスの利益を受けることができる。図3に示すように、事業識別子(UID)と、事業ネットワーク12、および特に、事業ネットワークのワイヤレス通信管理サーバ20の現在のアドレスは、中継サーバ26のデータベース28とプロビジョニングサーバのデータベース48内にある。各デバイス識別子はプロビジョニングサーバ50のデータベース48内にある。更に、サービス品質(QOS:quality of service)の表示が、各デバイス識別子と関連しており、プロビジョニングサーバ50のデータベース48に保存されている。QOS表示は集中管理サービスの管理者によって提供され、各QOS表示は各ワイヤレスデバイスに与えられるサービスレベルを(申し込まれたサービスプランによって)表示する。更に、プロビジョニングサーバ内のデータベース48にも、設置された通信を有する各ワイヤレスキャリアネットワークの能力に関する情報がおかれている。各ワイヤレスキャリアネットワークについて、この能力情報は、(i)ワイヤレスキャリアネットワークがメッセージを保存して送ることができるかどうか、(ii)ワイヤレスキャリアネットワークに事業デバイスとワイヤレスデバイス間でメッセージをアドレスするときにPINsとUIDsを使用することができるかどうか、(iii)ワイヤレスキャリアネットワークが一またはそれ以上のその他のワイヤレスキャリアネットワークと相互作用して、事業とその事業に関連するワイヤレスデバイスとの間でメッセージを通信することができるかどうか、及び、(iv)ワイヤレスキャリアネットワークがメッセージをワイヤレスデバイスにプッシュすることができるかどうか、の表示を含む。動作中に、中継サーバ26は、中継サーバの能力が現在どの程度使用されているかを表示する負荷情報をプロビジョニングサーバ50に定期的に送る。この負荷情報は、プロビジョニングサーバによってデータベース48の中に保存される。
【0021】
プロビジョニングサーバ50は、プログラム制御の下で稼動するプロセッサを具える。このプログラムと、データベース48の情報は、コンピュータで読み出し可能な媒体52からロードされる。この媒体は、例えば、コンピュータで読み出し可能なディスク、メモリチップあるいは公共インターネット上のVPN上でダウンロードされたファイルであっても良い。
【0022】
上述したとおり、プロビジョニングサーバ50との間に設置された通信路を有するワイヤレスキャリアネットワーク24a、24b、24cの一つを用いて、ワイヤレスデバイス30がレジスタに一時的に記録した後、デバイス30は、そのホームアドレスにデバイス識別子付のレジストレーションメッセージを送信する。しかし、ここでは、このメッセージは、プロビジョニングサーバ50で受信される。この結果、図4を参照すると、デバイス30から送られてきたワイヤレスキャリアネットワークの識別子を含むレジストレーション(セットアップ)メッセージ110は、プロビジョニングサーバ50に送られている。通常レジストレーションメッセージを伴うので、メッセージは、デバイス識別子のみならず、ワイヤレスデバイス30自体の能力に関する情報も含んでいる。
【0023】
プロビジョニングサーバ50は、ワイヤレスデバイス30が事業ネットワークと通信する(ワイヤレス通信管理サーバ20を介して)のに中継サーバ26で提供される集中管理サービスを用いるべきか、あるいは、事業ネットワーク12と直接通信する(ワイヤレス通信管理サーバ20を介して)べきかの決定を行う。この決定は、以下の基準の一またはそれ以上に基づいて行われる:(i)ワイヤレスデバイス30がレジスタに一時的に記録しているワイヤレスキャリアネットワークの能力(データベース48のワイヤレスキャリアネットワーク能力情報によって表される);(ii)中継サーバ上の現在の負荷(この点に関して中継サーバから受信された最後の情報と、データベース48に保存されている情報に基づく);(iii)ワイヤレスデバイスの能力(メッセージ110に表示されている);および(iv)ワイヤレスデバイスに与えられるQOS(データベース48に保存されている)。
【0024】
例として、決定アルゴリズムは、中継サーバ上の付加に関する一連のスレッシュホールドを提供し、より高い各負荷スレッシュホールドと関連して、中継サーバ26を使用する権利を得るために申し込まなくてはならない、より高いQOSサービスレベルを提供することができる。中継サーバを使用する権利を与えられた通信を行うには、決定アルゴリズムの二次動作が、ワイヤレスキャリアネットワーク能力情報がワイヤレスキャリアネットワークが中継サーバ26の能力と同様のサービスを提供することを表示しており、ワイヤレスデバイスがこのようなサービスを得るためにワイヤレスキャリアネットワークとインターフェースを取ることができる場合には、ワイヤレスデバイスは中継サーバを使用する権利が与えられない旨を提供することができる。
【0025】
決定アルゴリズムの結果、ワイヤレスデバイス30が中継サーバ26を使用する権利を与えられている場合、プロビジョニングサーバは、メッセージ112を、中継サーバ26のアドレスと、タイムアウトインターバルを有するワイヤレスデバイスにアドレスする。
【0026】
メッセージ112が中継サーバのアドレスを含んでいると仮定すると、ワイヤレスデバイス30は、メッセージ114などの将来のメッセージを中継サーバにアドレスして、中継サーバは、デバイスのPINをデバイスの現在のワイヤレスネットワークキャリアアドレスに対応させて、上述したように、ワイヤレスデバイスと事業ネットワーク12との間の通信を操作する。
【0027】
タイムアウトインターバルは、タイマをトリガするワイヤレスデバイスに指示を行う。タイマがタイムアウトすると、ワイヤレスデバイスが指示を受けて、プロビジョニングサーバによってメッセージ116をそのホームアドレスに送ることによって、再びレジスタに一時的に記録する。ワイヤレスデバイスをこのように動作させるように構成する方法は、当業者には理解されるであろうから、ここで更に述べることはしない。従って、プロビジョニングサーバは、再び、ワイヤレスデバイス30が、事業ネットワーク12のワイヤレス通信管理サーバ20と通信するのに中継サーバ26で提供される集中管理サービスを使用するべきかどうか、あるいは、事業ネットワーク12と直接通信する(ワイヤレス通信管理サーバ20を介して)べきかどうかを決定する。中継サーバの負荷が増えるなどして状況が変わった結果、この決定アルゴリズムが、ワイヤレスデバイスが中継サーバを使用する権利が与えられていないことを表示することがある。プロビジョニングサーバは、次いで、ワイヤレス通信管理サーバ20のアドレスを含むメッセージ118をワイヤレスデバイスに返送する。この結果、ワイヤレスデバイスが指示を受けて、例えばメッセージ120などの将来のメッセージを、事業ネットワーク12に(ワイヤレス通信管理サーバ20を介して)直接アドレスする。従って、ワイヤレス通信管理サーバ20とワイヤレスデバイス30間の将来の通信は、中継サーバ26の介在無しに直接的に行われる。メッセージ118もタイムアウトインターバルを具えており、ワイヤレスデバイスが再度指示を受けて、時間インターバルの後、(例えば、メッセージ122を介して)再度レジスタに一時的に記録する。
【0028】
プロビジョニングサーバ50と、中継サーバ26と、事業ネットワーク12(すなわち、ワイヤレス通信管理サーバ20)の各々のアドレスは、provisioner.central.com、relay.central.com、及び、enterprise.central.comといったネットワークアドレスであっても良い。この場合、このようなネットワークアドレスに送られるメッセージは、公開インターネット上のディレクトリネームサーバ(DNS)によって、インターネットプロトコル(IP)アドレス(例えば、123.456.789)に翻訳される。代替的に、これらのアドレスはIPアドレスであっても良い。しかしながら、この場合、これらのアドレスは、時間がたつにつれて、アップデートする必要があるかもしれない。例えば、ワイヤレス通信管理サーバ20のIPアドレスが変わったような場合、このアップデートは、ワイヤレス通信管理サーバ20からプロビジョニングサーバ50へ通信する必要がある。これは、現在のアドレスを、中継サーバ26に送っているネットワーク12によって行うことができる。中継サーバは、このアドレスをプロビジョニングサーバに送る。プロビジョニングサーバは、従って、アップデートしたメッセージを、ワイヤレス通信管理サーバ20と現在直接通信しているあらゆるワイヤレスデバイスに送る責任がある。
【0029】
プロビジョニングサーバと中継サーバは、同じ位置にあっても良く、あるいは、適宜のソフトウエア制御を有する単一のサーバに双方を実装することができる。更に、例示としての実施例を、単一のプロビジョニングサーバと、単一の中継サーバを用いて説明したが、それぞれのサーバは、実際には、サーバファームであっても良い。
【0030】
その他の変形が、当業者には明らかであり、従って、本発明は請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−45107(P2011−45107A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211445(P2010−211445)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【分割の表示】特願2007−530561(P2007−530561)の分割
【原出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】