説明

ワイヤ・ボンドの位置付けを最適化した半導体パッケージ

密接配置したボンディング・ワイヤを種々の異なるパッケージング用途に用いると、電気的性能の向上を図ることができる。一実施形態では、ワイヤ群内にある2本の隣接するボンディング・ワイヤが密接配置されているのは、2本の隣接するワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも50パーセントで、これら2本の隣接するワイヤ間において分離距離Dが満たされる場合である。一実施形態では、分離距離Dは、2本の隣接するワイヤのうちの直径が大きい方のワイヤの直径の多くとも2倍である。別の実施形態では、分離距離Dは、2本の隣接するワイヤ間のワイヤ間ピッチの多くとも3倍である。各ワイヤ群は、2本以上の密接配置ワイヤを含むことができる。密接配置ボンディング・ワイヤのワイヤ群を用いると、例えば、電力−信号−接地の三重組、信号−接地対、信号−電力対、あるいは差動信号対または三重組を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージに関し、より詳細には、ワイヤ・ボンドの位置付けを最適化した半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体のパッケージング(packaging)では、ワイヤ・ボンドを用いて、半導体ダイからパッケージ基板に電気的な接続を設けることがある。例えば、ワイヤ・ボンドを、半導体ダイのボンド・パッドからパッケージ基板上にあるボンド・ポストまでの間に電気的な接続を設ける際に用いることができる。しかしながら、半導体技術が発展するに連れて、半導体ダイとパッケージ基板との間で必要な電気接続の数が増える一方で、半導体ダイおよびパッケージのサイズは縮小し続けている。このため、ダイの周囲に沿って1列以上のパッドを有する現行のワイヤ・ボンド型半導体ダイでは、更に多くの接続が必要となると、パッドが限界になってしまう。一旦パッドが限界になると、接続数を減らさない限り、それ以上の小型化は不可能となる。例えば、一旦パッドが限界になると、余分な接地および給電用パッドを犠牲にすればよいが、そのために電気的性能を損なう虞れがある。更に、現行のワイヤ・ボンディング技術では、ワイヤは、短絡を防止するために、できるだけ離して保持されている。このため、ワイヤも長くなり、インダクタンスの増大を招くことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、ワイヤ・ボンドの位置付けを改良し、半導体ダイ・サイズの縮小、および電気的性能の向上を可能にする半導体パッケージが求められている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
添付図面を参照しながら、限定ではなく、一例として本発明について説明する。図面においては、同様の参照符号は同様の要素を示すこととする。
図における要素は、簡略化および明確化を目的に図示されており、必ずしも同じ拡縮率で描かれている訳ではないことは、当業者には認められよう。例えば、本発明の実施形態の理解を深めるのを促進するために、図における要素の一部は、他の要素に対して、その寸法が誇張されている場合もある。
【0005】
半導体技術が発展するに連れて、半導体ダイのサイズは縮小し続けており、このためボンド・パッド(したがって、半導体ダイへの電気接続部)に使用可能な空間量も減少している。本明細書に開示する一実施形態は、電気接続量を増加させるため、かつ電気的性能を向上させるために、密接配置したワイヤを使用することに関する。一実施形態では、密接配置したワイヤ・ボンドは、互いに分離距離だけ離間されたボンディング・ワイヤであり、分離距離は、ワイヤの長さの少なくとも50パーセント(または、実施形態によっては、ワイヤの長さの少なくとも70パーセントまたは少なくとも80パーセント)では、ボンディング・ワイヤの直径の2倍以下とする。状況によっては、これら密接配置したワイヤを用いると、信号対接地比(または、信号対電力−接地対比)を改善することができる。これは、半導体ダイの電気的性能の潜在性を示すために用いられる計量である。即ち、同時切換(接地および電力の跳ね返り)の観点から見た場合、この比率が低い程、電気的性能が良く、比率が高い程、電気的性能は低下する。
【0006】
一実施形態では、電気的性能を向上させるために、密接配置したワイヤを、半導体ダイの信号の一部または全部について、接地−信号−電力の三重組、信号−接地対、信号−電力対、または電力−接地対の構成で用いることができる。代わりに、密接配置したワイヤは、差動信号にも用いることができる(例えば、差動信号に対応する正信号および負信号を有する対、または接地信号も有する三重組において)。三重組または対における密接配置ワイヤにより、インピーダンスを実質的に制御し、信号−接地、信号−電力、または電力−接地ループのインダクタンスを低減することが可能になる。更に、隣接する信号間のクロス・トーク、および信号バスに伴う同時切換ノイズも低減する。また、一実施形態では、三重組または対は、2本以上のワイヤが接触してもよいように、絶縁ワイヤを含むこともできる。また、代替実施形態では、2本または3本の密接配置ワイヤよりも多いワイヤ集合の構成を用いることもできる。これらの実施形態については、以下で図1から図8を参照して更に理解されよう。
【0007】
本明細書において用いる場合、密接配置ワイヤとは、互いに密接して配置されたワイヤのことであり、分離距離Dによって規定される。即ち、2本の隣接するボンディング・ワイヤが密接配置されていると言う場合、2本の隣接するボンディング・ワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも50パーセントで、分離距離Dが満たされるものとする。一実施形態では、2本の隣接するワイヤ間の分離距離Dは、2本の隣接するワイヤの外面間で測定した最短距離を意味し、2本の隣接するボンディング・ワイヤのうちの直径が大きい方のワイヤの直径の多くとも2倍である。(尚、2本の隣接するボンディング・ワイヤの直径が同一である場合もあれば、異なる場合もあることを注記しておく。)したがって、2本の隣接するワイヤ間の距離がワイヤの長さに沿って変動しても、直径が大きい方のワイヤの直径の多くとも2倍の分離距離Dが、短い方のワイヤの長さの少なくとも50パーセントで満たされるのであれば、これらは密接配置と見なす。したがって、本明細書において用いる場合、特に指摘しない限り、図1から図8の分離距離Dは、前述の分離距離D(即ち、直径が長い方のワイヤの直径の多くとも2倍と説明されている)と同じ分離距離に対応することを注記しておく。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態によるパッケージ半導体デバイス10の三次元図を示す。パッケージ半導体デバイス10は、パッケージ基板11の上に位置する半導体デバイス12を含む。(尚、基板11は、リード・フレームまたはその他のデバイスでもよいことを注記しておく。)また、図示の実施形態では、半導体デバイス12の表面およびパッケージ基板11の表面は、異なる面内に位置する。また、パッケージ半導体デバイス10は、複数のボンディング・ワイヤ24〜26,47〜49,59〜61も含み、これらは、半導体デバイス12のボンディング・パッド28,30,32,42,44,46,54,56,58から、パッケージ基板11のボンド・ポスト18,20,22およびボンド位置36,38,50,52,62,64までの電気接続を設ける。即ち、ボンディング・ワイヤ24,25,26は、ボンド・パッド28,30,32からボンディング位置38、ボンド・ポスト18、およびボンディング位置36までの電気接続をそれぞれ設ける。ボンディング・ワイヤ47,48,49は、ボンド・パッド42,44,46からボンディング位置52、ボンド・ポスト20、およびボンディング位置50までの電気接続をそれぞれ設ける。ボンディング・ワイヤ59,60,61は、ボンド・パッド54,56,58からボンディング位置64、ボンド・ポスト22、およびボンディング位置62までの電気接続をそれぞれ設ける。
【0009】
尚、ボンディング・パッド28,30,32,42,44,46,54,56,58、ボンド・ポスト18,20,22、および電力バス14,16は、接続部位または接続パッドとも呼ばれる場合があることを注記しておく。更に、これらの接続部位の各々は、当技術分野では周知の金、銅、アルミニウム等のような、任意の導電性材料で形成可能である。また、ボンディング・ワイヤ24〜26,47〜49,59〜61は、当技術分野では周知の金、銅、アルミニウム等のような、任意の種類の導電性ワイヤでも可能であり、実施形態によっては、絶縁ワイヤでもよい。あるいは、ワイヤ群の中にあるワイヤ全てを絶縁しなくてもよい。例えば、一実施形態では、ワイヤ25のみを絶縁し、ワイヤ24および25を絶縁しなくてもよい。ボンディング・ワイヤ24〜26,47〜49,59〜61は、例えば、今日当技術分野において周知のワイヤ・ボンディング・プロセスおよび機器のように、任意の種類のものを用いても形成可能である。また、本明細書において用いる場合、ワイヤ群は、例えば、ワイヤ24〜26またはワイヤ47〜49またはワイヤ59〜61のような、2本以上の密接配置されたワイヤの群に対応する。尚、前述のように、各ワイヤ群は、2本以上のワイヤを含んでいればよく、2本または3本のワイヤには限定されないことを注記しておく。
【0010】
パッケージ基板11は、電力バス14および電力バス16も含み、電力バス14はボンディング位置36,50,62を含み、電力バス16は、ボンディング位置38,52,64を含む。一実施形態では、電力バス14は接地バスであり、電力バス16はVdd電力バスである。しかしながら、代替実施形態では、電力バス14がVdd電力バスであり、電力バス16が接地バスである。あるいは、ボンディング位置36,50,62,38,52,64は、バス構造上のボンディング位置ではなく、別個のボンド・ポスト(ボンド・ポスト18,20,22と同様)であってもよい。また、一実施形態では、電力バス14および電力バス16の各々は、デバイス12を包囲する環状構造であるか、あるいは区分環状構造であることを注記しておく。図示した実施形態では、パッケージ基板11上の各接続位置の群は、扇状(fan-out configuration)に離別されている。即ち、ボンディング位置62,64およびボンディング・ポスト22の群は、ボンディング位置50,52およびボンド・ポスト20の群からは、ボンディング位置50,52およびボンド・ポスト20の群と、ボンディング位置36,38およびボンド・ポスト18の群との間の距離とは異なる距離だけ離間していればよい。あるいは、接続位置の群は、等しく離間していてもよい。
【0011】
半導体デバイス12は、任意の種類の半導体デバイスまたはダイでもよい。例えば、一実施形態では、半導体デバイス12は、任意の所望の機能を実現するために任意の種類の回路を含んでもよい。あるいは、半導体ダイ12は、単一の能動または受動エレメントでもよい。あるいは、半導体ダイ12は、例えば、金属またはセラミックのような、任意の非半導体材料で作られた能動または受動エレメントでもよい。また、半導体パッケージ基板11は、当技術分野において周知の種々の異なる材料を用いて、種々の異なる方法で作られた、任意の種類の半導体パッケージでもよい。例えば、一実施形態では、図2を参照して説明するが、半導体パッケージ11は、ボール・グリッド・アレイ(BGA:Ball Grid Array)またはランド・グリッド・アレイ(LGA:Land Grid Array)パッケージ基板であってもよい。
【0012】
図示の実施形態では、ボンディング・ワイヤ24およびボンディング・ワイヤ25は、少なくともボンディング・ワイヤ24および25の短い方の距離の少なくとも50パーセントにおいて、分離距離Dだけ離間されている。前述のように、一実施形態では、分離距離Dは、ボンディング・ワイヤ24およびボンディング・ワイヤ25のうちの大きい方の直径の、多くとも2倍である。即ち、一実施形態では、ボンディング・ワイヤ24およびボンディング・ワイヤ25は、異なる実質的に所定の直径を有することができ、その場合、ワイヤ24とワイヤ25との間の分離距離D(ワイヤ24およびワイヤ25の外縁間の最短測定距離に対応する)は、大きい方の直径の多くとも2倍である。また、分離距離Dは、ワイヤの長さに沿って変動する場合もあるが、最も短いワイヤ(この例ではボンディング・ワイヤ25)の長さの少なくとも50パーセントに沿って、大きい方の直径の多くとも2倍であることを注記しておく。また、ボンディング・ワイヤ25および26は、ボンディング・ワイヤ25およびボンディング・ワイヤ26のうちの短い方の長さの少なくとも50パーセントに沿って、分離距離D(一実施形態では、ボンディング・ワイヤ25およびボンディング・ワイヤ26のうちの大きい方の直径の多くとも2倍とも規定されている)を維持することを注記しておく。ボンディング・ワイヤ24および25の一方または双方が絶縁されている実施形態では、ボンディング・ワイヤ24および25が接触してもよいように、分離距離Dを0としてもよいことを注記しておく。
【0013】
あるいは、2本の隣接するボンディング・ワイヤ間の分離距離Dを、大きい方のワイヤの直径の多くとも3倍である分離ピッチ(即ち、ワイヤ間ピッチ)として定義してもよいことを注記しておく。この実施形態では、ボンディング・ワイヤ25の直径がボンディング・ワイヤ24よりも大きいと仮定すると、ボンディング・ワイヤ24および25間の分離ピッチ(ワイヤ24の中心とワイヤ25の中心との間の距離と定義する)は、ボンディング・ワイヤ25の長さの少なくとも50パーセントにおいて、ボンディング・ワイヤ25の直径の多くとも3倍である。
【0014】
尚、ボンディング・ワイヤ24および25を一例として用いたが、ボンディング・ワイヤ24および25について行ったこの段落における説明と同じ説明が、ボンディング・ワイヤ25および26、ボンディング・ワイヤ47および48、ボンディング・ワイヤ48および49にも適用されることを注記しておく。即ち、同じ説明は、一般に、同じワイヤ群における任意の2本の隣接するワイヤ(または密接配置したワイヤ)にも適用されるのである。
【0015】
図示の実施形態では、ボンディング・パッド28,30,32は、半導体デバイス12の周縁13に対して実質的に直交する線または軸(点線34で示す)に対して一直線状となるように位置付けられている。同様に、図示の実施形態では、ボンディング位置36,38およびボンド・ポスト18は、半導体デバイス12の同じ縁13によって規定される線に対して同様に垂直である線(点線40で示す)に対して一直線上となるように位置付けられていることも注記しておく。以下で更に詳しく説明するが、代替実施形態では、ボンディング・パッド28,30,32は、互いに一直線状でなくても、半導体デバイス12の縁13に対して垂直でなくてもよいことを注記しておく。同様に、代替実施形態では、ボンディング位置36,38およびボンド・ポスト18は、互いに一直線状でなくても、半導体デバイス12の縁13によって規定される線に対して垂直でなくてもよい。例えば、一実施形態では、半導体デバイス12の隅部(または、半導体デバイス12の任意の他の位置においても)にあるボンディング・パッドは、ずれていてもよい。しかしながら、種々の実施形態では、ボンディング・パッド、ボンディング・ポスト、またはボンディング位置がこれらの実施形態においてどのように位置付けられていても、それには係わらず、2本の隣接するワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも50パーセントにおいて、ワイヤ群内にある2本の隣接するワイヤ間で分離距離Dを維持する。また、図示の実施形態では、ボンディング・パッド28,30,32の群、ボンディング・パッド42,44,46の群、およびボンディング・パッド54,56,58の群の各々は、ボンディング・パッド28,30,32の群とボンディング・パッド42,44,46の群との間の空間が、ボンディング・パッド42,44,46とボンディング・パッド54,56,58の群との間の空間と同じになるように、互いに等しく離間されていることを注記しておく。しかしながら、代わりに、これらを等しく離間せず、ボンディング・パッドの隣接する群間の間隔を異なるようにしてもよい。
【0016】
図1に示す実施形態では、ワイヤ群内のボンディング・ワイヤ(ボンディング・ワイヤ24〜26のような)の各々は、当該ワイヤの長さの全長または少なくとも大部分において、互いに対して一直線状となっている。即ち、ボンディング・ワイヤ26の少なくとも50パーセントは、ボンディング・ワイヤ25の直下にあり(分離距離Dだけ分離されている)、これと一直線状となっており、ボンディング・ワイヤ25の少なくとも50パーセントは、ボンディング・ワイヤの直下にあり(分離距離Dだけ分離されている)、これと一直線状となっており、トップ・ダウン図で見ると(図3を参照して説明するように)、これらのワイヤの長さの大部分に沿って1本の線に見えるようになっている。一実施形態では、図1に示すように、ボンディング・ワイヤの多くは、できるだけ長いワイヤ長において、互いに一直線状であるか、あるいは少なくとも分離距離Dだけ互いから離れている。
【0017】
本発明の一実施形態では、図1のワイヤ群の各々は、電力−信号−接地群に対応する。例えば、ボンディング・ワイヤ24〜26を含むワイヤ群を一例として用いると、ボンド・パッド30は、ボンディング・ワイヤ25を介してボンド・ポスト18に導かれる、あるいはボンド・ポスト18から導かれる半導体デバイス12の信号に対応することができ、一方ボンド・パッド28は、ボンディング・ワイヤ24を介して電力バス16から導かれる半導体デバイス12のVDD電力接続に対応することができ、ボンド・パッド32は、ボンディング・ワイヤ26を介して電力バス14から導かれる半導体デバイス12の接地接続に対応することができる。即ち、ボンド・パッド30は、信号を導通させるための信号バスとすることができ、ボンド・パッド28は、Vdd電源電圧を導通させる電力バスとすることができ、ボンド・パッド32は、接地基準電圧を導通させる電力バスとすることができる。(あるいは、ボンド・パッド32、ボンディング・ワイヤ26、および電力バス14は、VDD電力接続に対応することができ、ボンド・パッド28、ボンディング・ワイヤ24、および電力バス16は接地接続に対応することもできる。)これらの実施形態では、対応するVDD電力ボンディング・ワイヤと接地ボンディング・ワイヤとの間に信号ボンディング・ワイヤを有することによって、実質的にインピーダンスを制御することにより、信号−接地および信号−電力ループ・インダクタンスの低減を可能とし、電気的性能を向上させることが可能となる。更に、このようにして、クロス・トーク・ノイズも低減することができる。
【0018】
更に別の実施形態では、しかしながら、ボンド・パッド32は、ボンディング・ワイヤ26を介して、ボンディング位置(ボンディング位置36に配置されたボンディング・ポスト18のようなボンディング・ポストであるが、図1には示されていない)に導かれる、あるいはここから導かれる半導体デバイス12の信号に対応することができ、一方、ボンディング・パッド28または30の一方は、VDD電力接続に対応し、他方は接地接続に対応する。更に別の実施形態では、ボンド・パッド28は、ボンディング・ワイヤ24を介してボンディング位置(ボンディング位置38に配置されたボンディング・ポスト18のようなボンディング・ポストであるが、図1には示されていない)に導かれる、あるいはここから導かれる半導体デバイス12の信号に対応することができ、一方ボンド・パッド30または32の一方は、VDD電力接続に対応し、他方は接地接続に対応する。したがって、一実施形態では、半導体デバイス12の信号に対応する各ボンド・パッドは、対応するVDD電力および接地接続を有することができ、全てが密接配置したボンディング・ワイヤを介してパッケージ基板11に導かれ、実質的にインピーダンスを制御することにより、信号−接地および信号−電力ループ・インダクタンスの低減を可能とし、電気的性能を向上させる。代替実施形態では、半導体デバイス12の信号に対応するボンディング・パッドの一部のみがワイヤ群内に含まれているのであってもよい。
【0019】
また、信号と同様、VDD電力および接地接続も、ワイヤ群内では任意の順序でも設けることができ、パッケージ基板上の接続も任意の順序で設けてもよいことを注記しておく。例えば、ボンディング位置36、ボンディング・ポスト18、およびボンディング位置38をボンディング・パッド28,30,32と同じ順序とし、ボンディング・ワイヤ24がボンド・パッド32をボンディング位置36に接続し、ボンディング・ワイヤ25がボンド・パッド30をボンド・ポスト18に接続し、ボンディング・ワイヤ26がボンド・パッド28をボンディング位置38に接続するようにしてもよい。しかしながら、代替実施形態では、パッケージ基板11上のボンディング位置およびボンド・ポストを異なる順序で設け、ボンディング・ワイヤが互いに交差することや、適正な接続を得るためにしかるべく屈曲させるようにすることも可能である。例えば、ワイヤ群のうちの最も短いワイヤの少なくとも50パーセントにおいて、いずれか2本の隣接するワイヤが分離距離D未満だけ分離される限り、当該ワイヤ群内のボンディング・ワイヤを、互いに撚り合わせたり、屈曲させたり、湾曲させたり、あるいはいずれかの方法で形状をなすようにしてもよい。尚、ワイヤが交差する場合、またはこれらを撚り合わせる場合、互いに隣接するワイヤは、ワイヤの長さに沿って変化してもよいことを注記しておく。更に、ワイヤの長さの大部分または殆ど全てに沿ってワイヤが接触してもよいように、1本以上のワイヤを絶縁してもよい(したがって、分離距離は0となる)。
【0020】
尚、代替実施形態では、図1のワイヤ群の一部または全部が、2本のワイヤから成るワイヤ群であってもよいことを注記しておく。この実施形態では、ボンド・パッド28,30,32のうちの2つだけあればよく、ボンディング位置36,38およびボンド・ポスト18のうちの2つのみがあればよい。しかしながら、3本のワイヤ群を参照して前述した同じ説明は、全体的に2本のワイヤ群の場合にもあてはまる。即ち、2つのボンディング・パッドのうちの一方を半導体デバイス12の信号のための接続部とし、他方をVdd電力または接地接続部のいずれか一方とすればよい。更に、これらは、半導体デバイス12の縁13に対していずれの順序で配置してもよい。(例えば、信号ボンド・パッド、VDD電力ボンド・パッド、または接地ボンド・パッドを縁13に最も近い側にすることができる。)また、パッケージ基板11上において、ボンディング位置およびボンド・ポストは、必要に応じて、任意の順序で配置してもよく、ワイヤ群のうちの2本のワイヤが交差したり、あるいは湾曲またはくねっていてもよい。また、ワイヤのうちの1本以上を絶縁してもよい。
【0021】
更に別の代替実施形態では、ワイヤ群が3本のワイヤを有してもよく、2本は差動信号対に対応し、1本が接地接続に対応することができるし、あるいは専用の群内接地ワイヤを設けずに、差動信号対に対応する2本のワイヤのみを有してもよい。電力−信号−接地群または電力−接地−信号群の集合について前述したのと同じ説明は、これらの種類の差動信号用の三重組および対群にも当てはまる。また、代替実施形態では、ワイヤ群内に3本よりも多いワイヤを含んでもよく、この場合、必要に応じて、ボンド・パッド、ボンディング位置、ボンド・ポストを、デバイスおよびパッケージ基板上に、必要に応じて、任意の順序で位置付けてもよく、ワイヤ群内の任意の2本の隣接するワイヤも、当該2本の隣接するワイヤのうちの短い方の少なくとも50パーセントに沿って、分離距離Dだけ離間されている。
【0022】
図1に図示した実施形態では、各ボンディング・ワイヤが、密接配置されたワイヤのワイヤ群に属することを注記しておく。しかしながら、代替実施形態では、半導体デバイス12のボンディング・ワイヤの一部のみがワイヤ群に属すのであってもよい。
【0023】
図2は、図1のパッケージ半導体デバイス10の断面図である。図2において、3本のワイヤから成る同じワイヤ群におけるボンディング・ワイヤ59〜61が全て一直線状で、任意の2本の隣接するワイヤのうちの短い方の少なくとも50パーセントに沿って、分離距離Dだけ離間されていることがわかる。即ち、図2の実施形態では、ボンディング・ワイヤ59〜61は、全て、パッケージ基板11の上面83に対して実質的に垂直な面内にある。また、図2に図示した実施形態は、半導体デバイス12、ボンディング・ワイヤ59〜61、およびパッケージ基板11の上面の上に位置する封入層88も示す。尚、封入層88は、当技術分野では周知の任意の種類の封入材でもよく、一般には絶縁材である。また、封入層88はオプションであり、全くなくてもよいことも注記しておく。あるいは、封入層は単に空気とすることもでき、その場合、パッケージ半導体デバイス10は、パッケージ基板11、デバイス12、およびボンディング・ワイヤ59〜61を内蔵する壁および蓋を含むことができ、空気が収納部内の空き空間を充填することになる。
【0024】
図2に示す実施形態は、複数の相互接続部70,72,74と、上面83とは逆側の底面81上に複数のはんだランド76,78,80と、はんだランドの上に位置する複数のはんだボール82,84,86とを有するパッケージ基板11を示す。相互接続部70,72,74は、信号および電力を、電力バスと上面83上のボンディング・パッドとの間で、底面81を介して(即ち、対応するはんだボールに)導く。したがって、はんだボール82,84,86は、パッケージ基板11およびボンディング・ワイヤ59〜61を介して、半導体デバイス12への電気接続を設ける。尚、パッケージ基板11は、単一相互接続層であるように図示されているが、しかしながら、代替実施形態では、パッケージ基板11は、当技術分野では周知のような、層間相互接続部および層内相互接続部の双方を有する任意の数の相互接続層(即ち、金属層)でも含んでもよいことを注記しておく。したがって、図2の実施形態は、ボール・グリッド・アレイ(BGA)に適用する場合の、密接配置ワイヤの使用の一例を示す。あるいは、はんだボール82,84,85は、ランド・グリッド・アレイ(LGA)に適用するような場合はなくてもよい。また、代替実施形態では、半導体デバイス12は、パッケージ基板11内部にある陥凹空洞内にあってもよいことを注記しておく。一実施形態では、半導体デバイス12を陥凹空洞内に設け、ボンド・パッド54,56,58がボンディング位置62,64およびボンド・ポスト22と実質的に同一面上となるようにしたり、あるいはボンディング位置62,64およびボンド・ポスト22よりも低くなるようにすることさえも可能である。
【0025】
図3は、密接配置ワイヤを用いた一実施形態のトップ・ダウン図を示す。図3は、パッケージ基板90の一部と、パッケージ90の上にある半導体デバイス120とを含む。半導体デバイス12と同様、半導体デバイス120は、任意の種類の半導体デバイスまたはダイでもよく、任意の種類の能動または受動エレメントでもよい。また、パッケージ基板90は、任意の種類のパッケージ基板でもよく、種々の異なる種類のパッケージング技術を用いることができる。半導体デバイス120は、半導体デバイス120の上面の上に、複数のボンド・パッド98,100,102,106,108,110,122,124,126,150,152,136,138,140,160,162,164,174,176を含む。パッケージ基板は、パッケージ基板90の上面の上に、複数のボンド・パッド92,94,96,112,114,116,128,130,132,142,144,146,154,156,166,168,170,178,180を含む。尚、代替実施形態では、必要に応じて、ボンド・ポストの一部を、代わりに、例えば、給電リングまたは区分給電リングのような、電力バス上のボンディング位置としてもよいことを注記しておく。また、図3は、ボンド・パッドをボンド・ポストに電気的に結合する、ワイヤ群104,118,134,148,158,172,182も含む。ワイヤ群の各々は、多数のワイヤ(2本以上)を有するが、ワイヤの長さの大部分では1本のワイヤとして現れている。何故なら、これらは、パッケージ基板90の上面に対してほぼ垂直な面を規定するように、互いに重ね合わされて位置付けられているからである。また、各ワイヤ群における任意の2本の隣接するワイヤも短い方のワイヤの長さの少なくとも50パーセントでは、互いから分離距離Dの位置にある。(ここでも、一実施形態では、分離距離Dは、2本の隣接するワイヤのうちの直径が大きい方のワイヤの直径の多くとも2倍である。)
【0026】
図3は、異なるワイヤ群に対して可能な構成の例を多数示す。例えば、ボンド・パッド98,100,102は、3本のボンディング・ワイヤを含むワイヤ群104を介して、それぞれ、ボンド・ポスト96,94,92に電気的に結合されている。尚、ボンド・パッド98,100,102は、半導体デバイス120の隅部に配置されており、図1における隅部のパッドとは異なり、これらのパッドは、対応するボンド・ポストと同様、ずれた構成になっている。しかしながら、ボンド・パッドおよびポストがずれていても、3本のワイヤの各々は互いに一直線状になっており、図3のトップ・ダウン図では、これらは1本の線に見えるようになっている。図示の実施形態では、ワイヤ群104内にあるワイヤの各々は、パッケージ基板90の上面に対してほぼ垂直な面内にある。更に、図3の図からは見取ることができないが、隣接するワイヤの各々は、短い方のワイヤの長さの少なくとも50パーセントでは、互いから分離距離D以内にある。側面からみた場合、ボンド・パッド102をボンド・ポスト92に接続する第1ボンディング・ワイヤが見える。次いで、その上の分離距離Dのところには、第1ボンディング・ワイヤの長さの少なくとも50パーセントで、ボンド・パッド100をボンド・ポスト94に接続する第2ボンディング・ワイヤがある。次いで、それよりも上に分離距離Dのところに、第2ボンディング・ワイヤの長さの少なくとも50パーセントで、ボンド・パッド98をボンド・ポスト96に接続する第3ボンディング・ワイヤがある。
【0027】
更に図3を参照すると、ボンド・パッド106,108,110は、それぞれ、ボンド・ポスト116,114,112に、3本のボンディング・ワイヤを含むワイヤ群118を介して、電気的に結合されている。この例では、ボンド・パッドおよびボンド・ポストの各々は、同一直線上にあり、半導体デバイス120の外縁によって規定される線に対して垂直となっている。しかしながら、ボンド・パッド106,108,110はボンド・ポスト112,114,116とは同一直線上にないことを注記しておく。したがって、一実施形態では、これらは互いに同一直線上になくてもよいが、3本のボンディング・ワイヤは、前述のように、最も短いワイヤの長さの少なくとも50パーセントでは、互いに少なくとも分離距離D以内にある。尚、ワイヤは、ボンド・ポストまたはボンド・パッドに近づくに連れて、これらに適正に接続するために、互いからより離れてもよい。ボンド・パッド122,124,126は、同様に3本のワイヤを含むワイヤ群134を介して、それぞれ、ボンド・ポスト132,130,128に電気的に結合されている。ワイヤ群118について行った説明と同じ説明が、ワイヤ群134にも当てはまる。
【0028】
図3に示すように、半導体デバイス120は、デバイスの周囲に位置しないボンド・パッドも含んでもよい。例えば、ボンド・パッド136,138,140は、周囲には位置しておらず、例えば、デバイスの中央領域内に配置され得る。ボンド・パッド136,138,140は、ワイヤ群148を介して、それぞれ、ボンド・ポスト146,144,142に電気的に接続されている。尚、ワイヤ群148も3本のワイヤを含むが、これらのワイヤも、その長さの大部分では互いに同一直線上にあり、これらが全てパッケージ基板90の上面に対してほぼ垂直な平面を規定するようにしているので、1本のワイヤのように見えることを注記しておく。また、これらのワイヤも、前述の分離距離Dの間隔を保っている。中央ボンド・パッドは、例えば、電力−信号−接地(任意の順序でも構わない)、電力−接地−電力、または接地−電力−接地(例えば、半導体デバイス120のために中核電力分配を供給するように)に対応することができる。また、中央ボンド・パッドは、接地接続部を有する差動信号対にも対応することができる。あるいは、中央ボンド・パッドを、メモリに電気接続を設けるための中央ボンド・パッド・アレイの一部としてもよい。
【0029】
また、図3は、ワイヤ群158を介して、それぞれ、ボンド・ポスト156および154に電気的に結合されているボンド・パッド150および152も含む。尚、ワイヤ群158は、2本のワイヤのみを含み、これらは、例えば、信号−電力対、信号−接地対、電力−接地対、または差動信号対に対応することができることを注記しておく。この場合も、ワイヤは、ワイヤ長の大部分において同一直線上にある。また、一実施形態では、ボンド・パッド150および152ならびにボンド・パッド154および156と同様、ボンド・パッドおよびボンド・ポストの各々は、これら自体同一直線上にあり、更に互いに同一直線上にあり、ワイヤ群158が半導体デバイス120の外縁に対して実質的に垂直となっていることも注記しておく。(あるいは、2本のワイヤのみを有するワイヤ群は、半導体デバイス120の外縁に対して実質的に垂直でなくてもよく、これらのワイヤは、デバイス120の周囲から離れて位置してもよいパッド、あるいは、ワイヤ群104および118と同様、デバイス120の縁に対してずれて配されてもよいパッドに結合することもできる。)。また、図3は、ワイヤ群172を介して、それぞれ、ボンド・ポスト170,168,166に電気的に結合されているボンド・パッド160,162,164も含む。ワイヤ群172は、全て半導体デバイス120の外縁に実質的に垂直な3本のワイヤを含む。一例では、ワイヤ群172内の3本のワイヤは、電力−信号−接地(任意の順序でも構わない)、または接地接続部を有する差動対に対応することができる。
【0030】
また、図3は、ボンド・パッド174および176も含む。これらも半導体デバイス120の周囲には位置していない。これらを、例えば、半導体デバイス120の中央部に配置することもできる。一実施形態では、これらは、半導体デバイス120の中核(図示せず)に電力および接地を供給する。あるいは、これらは差動信号対に対応してもよい。ボンド・パッド174および176は、2本のワイヤのみを含むワイヤ群182を介して、ボンド・ポスト180および178にそれぞれ電気的に結合されている。尚、ボンド・ポスト178および180は、2つのボンド・ポストだけがあればよいので、互いにより離間してもよいことを注記しておく。
【0031】
したがって、図3は、種々の方法でワイヤ群を位置付ける種々の異なる実施形態を示す。尚、一実施形態では、半導体デバイス120の周囲または非周囲部分に沿った各信号は、(例えば、電力または接地接続のような)別の接続部を含んでもよく、そうすると、2本のワイヤから成るワイヤ群が各信号位置から延出する結果となることを注記しておく。あるいは、各信号は、(例えば、電力および接地接続部のような)他の2つの接続部を含んでもよく、3本のワイヤから成るワイヤ群が各信号位置から延出する結果となる。前述のように、これら追加の電力および接地接続部を含むことができるために、電気的性能を改善することができる。また、ワイヤ群内において密接配置されたボンディング・ワイヤを用いることによって、接続数が増加し、ループ・インダクタンスの低減が可能となる。尚、図3のワイヤ群を、全て、(図2の断面図に示すように)同一直線上かつ同一平面上にあるように図示したが、しかしながら、先に説明したように、代替実施形態では、2本の隣接するワイヤのうちの短い方のワイヤの少なくとも50パーセントで分離距離Dを維持できる限りにおいて、任意の構成のワイヤをワイヤ群内で用いることができる。
【0032】
図4から図8を参照すると分かるように、先に図1から図3を参照して説明した密接配置ワイヤのワイヤ群は、BGAおよびLGAの用途以外の種々の異なるパッケージングの用途に用いることもできるし、これらの用途に加えて、種々の異なるパッケージングの用途に用いることもできる。これらの例を、図4から図8を参照しながら提示する。尚、これらの図に示されるボンディング・ワイヤは、任意の2本の隣接するワイヤ間においても分離距離Dが、当該2本の隣接するワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも50パーセントで維持されるように、ワイヤ群内で密接配置されたワイヤであることを注記しておく。図4から図8に示すパッケージング技術については、その詳細の多くを本明細書では説明しないこととする。何故なら、これまでの説明を鑑みれば、本明細書に記載した密接配置ワイヤをいかにして種々の異なる用途で使用できるかは、当業者には明白なはずであるからである。更に、簡略化のために、図4から図8の各々は、パッケージ内で実際には見られるそれぞれの詳細を含まない場合もある。例えば、はんだマスクおよび追加の層を図示しない場合があるが、密接配置ボンディング・ワイヤを使いつつなおも、変更や追加を適宜行えることは言うまでもない。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態による、パッケージ半導体デバイス200の一部を示す。(即ち、端部のみを示すことを注記しておく。)一実施形態では、パッケージ半導体デバイス200は、キャビティ・ダウン・テープ・ボール・グリッド・アレイ(TBGA:Taped Ball Grid Array)である。パッケージ半導体デバイス200は、内部に空洞204を有する(例えば、銅製熱拡散部のような)熱拡散部202を含む。空洞204は、熱拡散部202に取り付けられた半導体デバイス206を含む。また、熱拡散部は、底面203上に、空洞を包囲する接着絶縁層208と、層208の上に位置するテープ層210とを含む。(尚、本明細書で用いる場合、「上に位置する」とは図においてどちらの側が上を向いているかには関係なく、上面または底面のいずれかに接する層を示すために用いられることを注記しておく。)また、パッケージ半導体デバイス200は、導電性パッド212のような、複数の導電性パッドと、テープ層210上に位置するボンド・ポスト218のような、複数のボンド・ポストとを含む。尚、一実施形態では、ボンド・ポストは、はんだボールおよびワイヤ・ボンド双方を、導電性パッドおよびボンド・ポスト216のように、導電性パッドに隣接して配置し、これらに接続できるようにしてもよいことを注記しておく。また、導電性パッドは、金、ニッケル−金、銅、アルミニウム、または銀のような任意の種類の導電性材料でもよいことも注記しておく。尚、パッケージ半導体デバイス200は、導電性パッドの上に、はんだボール214のような、複数のはんだボールも含んでもよいことを注記しておく。図示の実施形態では、熱拡散部202の底面203と比較すると、デバイス206の露出(即ち底)面207は窪んで中が空洞204となっており、この中にワイヤ・ボンド接続部を受け入れる。しかしながら、代替実施形態では、デバイス206の底面207および熱拡散部202の底面203は実質的に同一平面上にあってもよく、あるいはデバイス206の底面207が空洞204を超えて突出していてもよいことを注記しておく。
【0034】
ボンディング・ワイヤ222および220は、同じワイヤ群内にあり、半導体デバイス206からボンド・パッド218、ボンド・ポスト、およびボンド・パッド216への電気接続を設ける。尚、ボンディング・ワイヤ222および220は、したがって、ボンディング・ワイヤ222の長さの少なくとも50パーセントにおいて分離距離Dを維持することを注記しておく。また、ボンド・ポスト216と対応する導電性パッドおよびはんだボールとの間の信号は、当技術分野では周知のように、テープ層210の上に位置するトレース(図示せず)によって供給できることも注記しておく。尚、代替実施形態では、はんだボールがなくてもよいことを注記しておく。また、代替実施形態では、熱拡散部202を、複数の相互接続層を有するパッケージ基板と交換し(その場合、層208および210はもはや存在しない)、デバイス206からの信号を、キャビティ・ダウンBGAまたはキャビティ・ダウンLGAに適用する場合におけるような、導電性パッドまたははんだボールに導くようにしてもよいことを注記しておく。尚、パッケージ基板、あるいは熱拡散部202、層208および210、導電性パッド212、導電性パッドおよびボンド・ポスト216、ボンド・ポスト218、はんだボール214、ならびに空洞204は、当技術分野では周知の従来からのプロセスおよび材料を用いて形成可能であることを注記しておく。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態によるパッケージ半導体デバイス201の一部を示す。(即ち、端部のみを示すことを注記しておく。)パッケージ半導体デバイス201は、一実施形態では、キャビティ・ダウンTBGAの別の例である。パッケージ半導体デバイス201は、(例えば、銅製熱拡散部のような)空洞205を有する熱拡散部230を含み、空洞205は、熱拡散部230に取り付けられた半導体デバイス242を含む。また、熱拡散部230は、底面231上の接着絶縁層244、周辺の空洞205、および接着絶縁層244の上に位置する導電性相互接続層248も含む。また、パッケージ半導体デバイス201は、導電性相互接続層248の上に位置するテープ層250と、テープ層250の上に位置する、導電性パッド230のような複数の導電性パッドおよびボンド・ポスト238および236のような複数のボンド・ポストとを含む。信号は、導電性パッドからボンド・ポストに、相互接続層248を介して導くことができる。即ち、テープ層250は、導電性ビア240のような複数の導電性ビアを含み、導電性パッドから相互接続層248に、相互接続層248からボンド・ポスト238および236に信号を導くことができる。
【0036】
尚、一実施形態では、ボンド・ポストを導電性パッドに隣接して配置し、はんだボールおよびワイヤ・ボンド双方を、導電性パッドおよびボンド・ポスト234のように、それらに接続できるようにしてもよいことを注記しておく。また、導電性パッドは、銅、アルミニウム、金、またははんだのような任意の種類の導電性材料でもよいことも注記しておく。パッケージ半導体デバイス201は、はんだボール232のような複数のはんだボールも、導電性パッドの上に含んでもよいことを注記しておく。また、図示の実施形態では、デバイス242の露出(即ち、底)面241は、実質的にテープ層250と同一平面上にある。しかしながら、代替実施形態では、デバイス242の露出面241を空洞205内にまで窪ませたり、あるいは空洞205から突出させてもよいことを注記しておく。同一ワイヤ群内のボンディング・ワイヤ224,226,228は、半導体デバイス242からボンド・ポストおよびボンド・パッド234、ボンド・ポスト236、ならびにボンド・ポスト238までの電気接続をそれぞれ設ける。尚、ボンディング・ワイヤ224,226,228は、したがって、2本の隣接するワイヤのうちの短い方のワイヤの長さの少なくとも50パーセントでは、分離距離Dを維持することを注記しておく。代替実施形態では、はんだボールはなくてもよいことを注記しておく。熱拡散部230、層244,248,250、導電性ビア240、導電性パッド230、導電性パッドおよびボンド・ポスト234、ボンド・ポスト238、はんだボール232、ならびに空洞205は、当技術分野では周知の、従来のプロセスおよび材料を用いて形成可能であることを注記しておく。
【0037】
尚、図5の代替実施形態では、熱拡散部230を、複数の相互接続層を有するパッケージ基板と交換し、その場合、層244,248,250はもはやなく、デバイス242から、キャビティ・ダウンBGAまたはキャビティ・ダウンLGAに適用する場合におけるような、導電性パッドまたははんだボールに信号を導くようにしてもよいことを注記しておく。この実施形態では、デバイス242の表面は、パッケージ基板230の底面と実質的に同一平面上にあってもよい。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態によるパッケージ半導体デバイス252の一部を示す。パッケージ半導体デバイス252は、クアッド・フラット・ノーリード(QFN:Quad Flat No-lead)パッケージの一例を示す。パッケージ半導体デバイス252は、リード・フレーム258の第1部分260の上に位置する半導体デバイス256を含む。また、リード・フレーム258は第2部分262も含み、一実施形態では、部分260が接地接続部に対応し、第2部分262は信号またはVDD電力接続部のいずれかに対応することができるようになっている。図示の実施形態では、ボンディング・ワイヤ264および266は、同一ワイヤ群内における密接配置ワイヤ(分離距離Dを有する)であり、デバイス256とリード・フレーム258の部分260および262との間に電気的接続を設ける。また、成形材254が、デバイス256およびリード・フレーム258の上、ならびにリード・フレーム258の部分260および262間にあってもよい。尚、リード・フレーム258および成形材254は、従来のプロセスおよび材料を用いて、当技術分野では周知のように形成可能であることを注記しておく。また、パッケージ半導体デバイス252を修正して、クアッド・フラット・パック(QFP:Quad Flat Pack)または小輪郭パッケージ(SOP:Small Outline Package)としてもよく、これらの全ては、ワイヤ群内に密接配置ワイヤを用いることができ、電気的性能の向上および間隔の改善が達成されることを注記しておく。
【0039】
図7は、中央ボンド・パッド接続部を用いた、本発明の一実施形態によるパッケージ半導体デバイス300を示す。先に説明したように、ボンド・パッドは、デバイスの周囲に加えて、あるいはその代わりに、デバイスの中央部に配置してもよい。したがって、パッケージ半導体デバイス300は、ボンド・パッド307および308のようなボンド・パッドを備えた露出部分を有する半導体デバイス302を含む。パッケージ基板306が、デバイス302の上面の上に位置し、露出部分を露出させる。当技術分野では周知のように、デバイス302の底面303およびパッケージ306の上に、封入材304を設けてもよい。また、パッケージ基板306は、導電性パッド321のような導電性パッドと、ボンド・パッド314および313のような複数のボンド・パッドとを、半導体基板306の上面305上に含むこともできる。また、パッケージ基板306は、導電性パッドの上に位置する、はんだボール320のような、はんだボールも含むことができる。ボンディング・ワイヤ311および310は、密接配置ワイヤの第1ワイヤ群内にあり、ボンド・ポスト307および308からボンド・パッド313および314にそれぞれ電気接続を設ける。ボンディング・ワイヤ316,317,318も、デバイス302からパッケージ基板306に電気接続を設け、密接配置ワイヤの第2ワイヤ群の一部としてもよい。パッケージ基板306は、1つ以上の相互接続層または金属層を含み、ボンド・パッドからはんだボールに信号を導くこともできる。また、パッケージ半導体基板は、デバイス302の露出表面部分、パッケージ基板306の上面305の一部、およびボンディング・ワイヤ310,311,316,317,318の上に位置する第2封入材301も含むことができる。一実施形態では、デバイス302は、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM:Static Random Access Memory)またはダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、あるいは中央ボンド・パッドを有するその他の任意の種類のメモリまたはデバイスを含むこともできる。尚、パッケージ基板306、デバイス302、封入材301および304、ならびにはんだボール320は、当技術分野では周知の、従来のプロセスおよび材料を用いて形成可能であることを注記しておく。
【0040】
図8は、多重デバイス・パッケージ340の一実施形態を示す。パッケージ340は、パッケージ基板346と、デバイス342,344,350とを含み、デバイス342および344はパッケージ基板346の上に位置し、デバイス350はデバイス344の上に位置する。尚、一実施形態では、デバイス342,344,350の各々は、半導体デバイスまたはその他の任意の種類の能動デバイスとすればよく、あるいは受動デバイスであってもよいことを注記しておく。したがって、デバイスの任意の組み合わせであっても、パッケージ340内に配することができる。パッケージ340は、複数のワイヤ群を含み、その各々は3本の密接配置ワイヤを有するように示されている(図8では、各ワイヤは単一線として図示されている)。ワイヤ群358は、デバイス342からパッケージ基板346に電気接続を設け、ワイヤ群356は、デバイス342の一部からデバイス342の他の部分に電気接続を設け、ワイヤ群354は、デバイス342からデバイス344に電気接続を設け、ワイヤ群352は、デバイス350とデバイス344との間に電気接続を設け、ワイヤ群362は、パッケージ基板346の一部からパッケージ基板346の他の部分に電気接続を設ける。尚、図示しないが、デバイス350とパッケージ基板346との間にもワイヤ群が電気接続を設けてもよいことを注記しておく。また、パッケージ340は、デバイス342,344,350、およびワイヤ群358,356,354,352,362を封入する封入材360も含むことができる。また、パッケージ基板は、パッケージ基板346の底面(デバイス342,344,350を有する表面の反対側)の上に位置する導電性パッド349のような導電性パッドと、導電性パッドの上に位置するはんだボール348のようなはんだボールも含むことができる。しがたって、本明細書において説明しているような密接配置ワイヤを有するワイヤ群を、種々の方法で用いて、デバイスからデバイスへ、デバイスからパッケージ基板へ、同じデバイス内で、あるいは同じパッケージ基板内でのいずれかにおける種々の異なる電気接続を設けることができる。また、これらを、ダイのような能動デバイスから受動デバイスへ、あるいは積層デバイス間に電気接続を設けるためにも用いることができる。
【0041】
したがって、ワイヤ群内における密接配置ワイヤが、種々の異なる用途において用いられ、インピーダンスの制御を一層改善し、信号−接地、信号−電力、および信号−接地ループ・インダクタンスの低減を可能にすることにより、電気的特性の改良が得られることを、今や認めることができよう。更に、隣接する信号間のクロス・トークや、信号バスに伴う同時切換ノイズも低減することができる。前述のように、ワイヤ群内の密接配置ワイヤは、2本の隣接するワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも50パーセントに沿って、2本の隣接するワイヤ間に分離距離Dを有するボンディング・ワイヤである。各ワイヤ群は、信号、Vdd電力、中核電力、接地、差動信号等のような、異なる種類の接続に対応するワイヤを内蔵することができる。更に、ボンディング・ワイヤおよび対応する接続部位(ボンド・パッド、ボンド・ポスト、およびボンド位置)を、種々の異なる方法で配置しつつ、適切な分離距離Dを維持し、電気的性能の向上を達成することができる。
【0042】
更に、前述の説明では、密接配置ワイヤを、短い方のワイヤの長さの少なくとも50パーセントでは大きい方のワイヤの直径の多くとも2倍の分離距離Dを満たすワイヤであるとしたが、代替実施形態は異なる密接配置ワイヤを定義してもよい。例えば、代替実施形態の1つでは、密接配置ワイヤに対する分離距離Dは、2本の隣接するボンディング・ワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも60パーセントで満たされ、あるいは、2本の隣接するボンディング・ワイヤのうちの短い方の長さの少なくとも70または80パーセントで満たされる。更に別の実施形態では、2本の隣接するワイヤが密接配置と見なされるのは、直径が大きい方のワイヤの直径の多くとも2倍の分離距離Dが、2本の隣接するボンディング・ワイヤの対向する両端における接続部位(接続パッド、ボンド・パッド、ボンド・ポスト等のような)間の距離の少なくとも50パーセントで満たされる。例えば、図4を参照すると、ボンディング・ワイヤ220および222は、ボンディング・ワイヤ220およびボンディング・ワイヤ222のうちの大きい方の直径の多くとも2倍の分離距離Dが、デバイス206の接続部位と導電性パッド218との間の距離の少なくとも50パーセントで満たされる場合に、密接配置と見なすことができる。あるいは、この実施形態では、密接配置ワイヤに対する分離距離Dは、デバイス間の距離の少なくとも60パーセント、あるいは接続部位間の距離の少なくとも70または80パーセントで満たされる。
【0043】
尚、(先に図1を参照して端的に説明したように)分離距離は、代わりに分離ピッチに関して表現してもよく、密接配置ワイヤは、短い方のワイヤの長さの少なくとも50パーセント(あるいは、ワイヤの端部に結合されている2つのデバイス間の距離の少なくとも50パーセント)で、大きい方の直径の多くとも3倍の分離ピッチ(2本の隣接するワイヤの中心間で測定した最短距離、即ち、ワイヤ間ピッチ)を満たすワイヤを示すようにしてもよいことを注記しておく。あるいは、分離ピッチは、短い方のワイヤの長さの少なくとも60、70、または80パーセント(あるいは、接続部位間の距離の少なくとも60、70、または80パーセント)で満たせればよい。したがって、密接配置ワイヤについて与えられるこれらの代替定義も、図1から図8を参照して前述した実施形態の各々においても用いることができる。
【0044】
前述の明細書では、本発明を特定的な実施形態を参照しながら説明した。しかしながら、特許請求の範囲に明記されている本発明の範囲から逸脱することなく、種々の修正や変更が可能であることを、当業者は認めよう。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるものであり、このような修正の全ては、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0045】
以上の説明では、利点、その他の便益、および問題に対する解決手段について、具体的な実施形態に関して記載した。しかしながら、効果、利点、問題に対する解法、およびいずれの効果、利点、または解法を生じさせることができる、または一層顕著にすることができるいずれの要素(複数の要素)も、いずれのまたは全ての請求項の重要な、必要な、または本質的な特徴または要素として解釈しないこととする。本明細書において用いる場合、「備える」、「備えている」、またはそのいずれの変形も、非排他的包含を含むことを意図しており、要素の一覧から成るプロセス、方法、物品、または装置が、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、あるいはかかるプロセス、方法、物品、または装置に固有のその他の要素を含み得るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態によるパッケージ半導体デバイスの三次元図。
【図2】本発明の一実施形態による図1のパッケージ半導体デバイスの断面図。
【図3】本発明の別の実施形態によるパッケージ半導体デバイスのトップ・ダウン図。
【図4】本発明の代替実施形態による、キャビティ・ダウン・テープ・ボール・グリッド・アレイ(TPGA)パッケージ半導体デバイスの断面図。
【図5】本発明の代替実施形態による、キャビティ・ダウン・テープ・ボール・グリッド・アレイ(TPGA)パッケージ半導体デバイスの断面図。
【図6】本発明の一実施形態によるリード・フレームを用いた、パッケージ半導体デバイスの断面図。
【図7】本発明の一実施形態による中央ボンド・パッドを用いたパッケージ半導体デバイスの断面図。
【図8】本発明の一実施形態による多重デバイス・パッケージの断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体パッケージであって、
表面と、複数の周縁とを有する第1デバイスであって、前記表面上において、前記複数の周縁のうちの所定の1つに対して実質的に直交する軸に沿って位置付けられた複数の接続パッドを有する、第1デバイスと、
複数のワイヤであって、該複数のワイヤの各々は、前記複数の接続パッドのうちの所定の1つに電気的に接続されている第1端部を有し、該複数のワイヤの各々は直径を有する、複数のワイヤと、
複数の接続パッドを備えた表面を有する第2デバイスであって、該複数のパッドの各々は、前記複数のワイヤのうちの最も短いワイヤの長さの少なくとも50パーセントに沿って、前記複数のワイヤのうちの最も大きい直径の2倍以下の分離距離を、前記複数のワイヤの隣接するワイヤから維持することにより、実質的に前記軸に沿って前記複数のワイヤのうちの所定の1つの第2端部に接続されている、第2デバイスと、
を備える半導体パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記第1デバイスの前記表面は第1平面内に位置し、前記第2デバイスの前記表面は、前記第1平面とは異なる第2平面内に位置する、半導体パッケージ。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記第1デバイスの前記表面および前記第2デバイスの前記表面が同一平面内に位置する、半導体パッケージ。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、更に、
前記複数の周縁の前記所定の1つに隣接し、第1電力信号を導通させる第1電力パスである、前記複数の接続パッドのうちの第1接続パッドと、
前記軸に実質的に沿い、前記第1デバイスの内部側で前記第1接続パッドに隣接し、信号を導通させる信号バスである、前記複数の接続パッドのうちの第2接続パッドと、
前記軸に実質的に沿い、前記第2接続パッドに隣接する、前記複数の接続パッドのうちの第3接続パッドと、
を備え、前記第2接続パッドが前記第1接続パッドおよび前記第3接続パッドを分離し、該第3接続パッドが、第2電力信号を導通させる第2電力バスであり、前記第1電力信号と前記第2電力信号との間に前記信号を位置付けることにより、前記第1電力信号、前記第2電力信号、および前記信号に対するループ・インダクタンスの低減を達成する、半導体パッケージ。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、更に、
前記軸に実質的に沿い、前記複数の周辺の前記所定の1つに隣接し、第1電力信号を導通させる第1電力バスである、前記複数の接続パッドのうちの第1接続パッドと、
前記軸に実質的に沿い、前記第1デバイスの内部側で前記第1接続パッドに隣接し、第2電力信号を導通させる第2電力バスである、前記複数の接続パッドのうちの第2接続パッドと、
前記第2接続パッドに隣接する、前記複数の接続パッドのうちの第3接続パッドと、
を備え、前記第2接続パッドが前記第1接続パッドおよび前記第3接続パッドを、実質的に前記軸に沿って分離し、前記第3接続パッドが信号を導通させる信号バスであり、これにより、前記第1電力信号および前記第2電力信号に隣接して前記信号を位置付けて、前記第1電力信号、前記第2電力信号、および前記信号に対するループ・インダクタンスの低減を達成する、半導体パッケージ。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、更に、
前記軸に実質的に沿い、前記複数の周縁の前記所定の1つに隣接し、電力信号を導通させる電力バスである、前記複数の接続パッドのうちの第1接続パッドと、
前記軸に実質的に沿い、前記第1デバイスの内部側で前記第1接続パッドに隣接し、信号を導通させる信号バスである、前記複数の接続パッドのうちの第2接続パッドと、
を備える半導体パッケージ。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、更に、
前記軸に実質的に沿い、前記複数の周縁の前記所定の1つに隣接する、前記複数の接続パッドのうちの第1接続パッドであって、信号を導通させる信号バスである第1接続パッドと、
前記軸に実質的に沿い、前記第1デバイスの内部側で前記第1接続パッドに隣接する、前記複数の接続パッドのうちの第2接続パッドであって、電力信号を導通させる電力バスである第2接続パッドと、
を備える半導体パッケージ。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、更に、
前記軸に実質的に沿い、前記複数の周縁の前記所定の1つに隣接する、前記複数の接続パッドのうちの第1接続パッドであって、第1電力信号を導通させる第1電力バスである第1接続パッドと、
前記軸に実質的に沿い、前記第1デバイスの内部側で前記第1接続パッドに隣接する、前記複数の接続パッドのうちの第2接続パッドであって、第2電力信号を導通させる第2電力バスである第2接続パッドと、
を備える半導体パッケージ。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記第1デバイスは、更に、
前記第1デバイスの非周辺部側に、前記複数の周縁から離れて位置する第2の複数の接続パッドを含み、該第2の複数の接続パッドは、第1電力バスである第1接続パッドと、第2電力バスである第2接続パッドとを有する、半導体パッケージ。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記第1デバイスは、更に、
前記第1デバイスの非周辺部側に、前記複数の周縁から離れて位置する第2の複数の接続パッドを含み、該第2の複数の接続パッドは、少なくとも3つの接続パッドを有し、該3つの接続パッドの各々は信号バスまたは電力バスのいずれかである、半導体パッケージ。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記第1デバイスは、更に、前記表面上に位置し、かつ当該第1デバイスの隅部の近くにおいて前記第1デバイスから延出する第2の軸に沿った、追加の複数の接続パッドを含み、該追加の複数の接続パッドの各々は、それぞれの導電性ワイヤによって、前記第2デバイスに電気的に接続されており、前記追加の複数の接続パッドの全ては、前記第2の軸に実質的に沿っており、それぞれの導電性ワイヤは、その最大の直径の2倍以下だけ、隣接する導電性ワイヤから離別している、半導体パッケージ。
【請求項12】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記複数のワイヤの全てが、実質的に同じサイズのワイヤ直径を有する、半導体パッケージ。
【請求項13】
請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、前記第1デバイスは、積層半導体構造を形成するために、前記第2デバイスの一部の上に位置付けられている、半導体パッケージ。
【請求項14】
半導体パッケージであって、
表面の第1部分であって、前記表面上に位置付けられ、かつ所定の軸に沿って位置付けられた複数の接続パッドを有する第1部分と、
複数のワイヤであって、該複数のワイヤの各々は、前記複数の接続パッドのうちの所定の1つに電気的に接続されている第1端部を有し、該複数のワイヤの各々は直径を有する、複数のワイヤと、
複数の接続パッドを有する、前記表面の第2部分であって、該複数のパッドの各々は、前記複数のワイヤのうちの所定の1つの第2端部に接続されており、前記複数のワイヤは、実質的に前記軸に沿って位置付けられており、当該複数のワイヤのうちの最も短いワイヤの長さの少なくとも50パーセントに沿って、当該複数のワイヤのうちの隣接するワイヤから、前記複数のワイヤのうちの最も大きい直径の2倍以下の分離距離を維持している、第2部分と、
を備える半導体パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−501537(P2007−501537A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533571(P2006−533571)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/017864
【国際公開番号】WO2004/112094
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】