一体化されたバッテリ圧力緩和部およびターミナル隔離システム
【課題】バッテリパックからセルを同時に切断してそれによってセルを隔離するための手段を備えたバッテリの解放の特性を一体化するためのシステムが提供される。
【解決手段】与えられたバッテリ相互接続システムは、バッテリ、バッテリをバッテリパックに電気的に接続するためのコネクタプレート、およびコネクタプレートをバッテリターミナル解放部に電気的に連結するための遮断可能な電気コネクタから成る。バッテリターミナルの傷によって形成された解放部は、内部バッテリ圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に破裂し、遮断可能な電気コネクタが破壊して、コネクタプレートとバッテリターミナルとの間の電気的接続を切断する。
【解決手段】与えられたバッテリ相互接続システムは、バッテリ、バッテリをバッテリパックに電気的に接続するためのコネクタプレート、およびコネクタプレートをバッテリターミナル解放部に電気的に連結するための遮断可能な電気コネクタから成る。バッテリターミナルの傷によって形成された解放部は、内部バッテリ圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に破裂し、遮断可能な電気コネクタが破壊して、コネクタプレートとバッテリターミナルとの間の電気的接続を切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的にバッテリセルに関し、より具体的には、セル圧力が意図されたセルの作動範囲を超えた場合に、バッテリパック内におけるバッテリの隔離を提供する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリは、多くの異なった電気的および電気機械的装置に動力を供給するために、数十年間使用されてきた。初期のバッテリは使い捨てバッテリとして引用されるが、単純に劣化するまで使用され、その後廃棄されて1つ以上の新しいバッテリと交換された。新しいタイプのバッテリは再充電可能または二次電池として引用されるが、再充電してその後使用することが可能であり、したがって、使い捨てバッテリと比較して経済的、環境的および使用の容易さを提供している。
【0003】
従来の二次電池において、複数の安全機構を統合するようにデザインされているので、キャップアセンブリは比較的複雑である。そのような機構の1つは電流遮断装置またはCIDである。CIDの目的は、セル内の圧力が所定のレベルを超えた場合に、セル内の電極アセンブリとセルのターミナルの1つとの間の電気的接続を破壊することである。通常は、そのような過圧の状態は、意図されたセルの作動範囲を超えて上昇するセル温度の指標となるものであり、例えば、きわめて高い外部温度によるもの、またはバッテリもしくは充電システム内の欠陥によるものである。電極アセンブリへの電気的接続を切断することに加えて、CIDは一般的にキャップアセンブリ内に一体化された安全解放部と共に作動する用にデザインされており、それによって蓄積ガスを放出して、過圧状態からセルを退避することを可能にしている。
【0004】
従来の二次電池のキャップアセンブリ内に一般的に一体化された別の安全機構は、正の温度係数(PTC)電流制限要素である。PTC要素は、電流密度が所定のレベルを超えた場合に、その抵抗が非常に高くなるようにデザインされており、それによって短絡回路電流を制限する。
【0005】
従来の二次電池は複数の安全特性を含んでいてもよいが、これらの特性は、ハウジングが最終的にバッテリを備えて使用されルものが何であっても、協働して作動するように明確にデザインされている。一般的に、そのようなバッテリハウジングは例えばコンピュータのバッテリパックのような数個のバッテリから、例えばハイブリッドもしくは電気自動車のバッテリパックのような数百乃至数千のバッテリをどこでも収容するようにデザインされている。これらのハウジング内に収容されるバッテリは端と端とを接し、隣り合い、または他の何らかの配列において配置されてもよい。そのように、個々のバッテリに一体化された安全特性は要望どおり機能し、またはそれらは隣接したバッテリと反対の効果を備えていてもよく、例えば、隣接したバッテリ内に直接解放し、それによって初期のバッテリ欠陥の増殖を潜在的に引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要なものは協働する態様で共に作動して増大されたシステム性能を発揮するようにデザインされたバッテリおよびバッテリパックである。本発明はそのようなシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バッテリパックから同時にセルを切断するための手段を備えた、バッテリの解放特性を一体化し、それによってセルを隔離するためのシステムを提供する。与えられたバッテリ相互接続システムはバッテリ、バッテリパックにバッテリを電気的に連結するためのコネクタプレート、およびバッテリターミナル解放部を介してコネクタプレートをバッテリターミナルに電気的に連結するための遮断可能な電気相互接続器から成っており、バッテリターミナルはバッテリキャップアセンブリ内に一体化されているか、またはバッテリケース外側面に対応しているかのいずれかである。バッテリターミナルの傷によって形成された解放部は、内部バッテリ圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に破裂し、遮断可能な相互接続器が破壊し且つコネクタプレートとバッテリターミナルとの間の電気的な接続を切断する。遮断可能な電気コネクタは、コネクタプレートとターミナル解放部とを超音波溶接、または抵抗溶接によって接続してもよい。遮断可能な電気コネクタは、解放部が破裂する場合に相互接続器を破壊する位置を決定する傷領域を含んでいてもよい。遮断可能な電気コネクタは、解放部が破裂する場合に相互接続器を破壊する位置を決定する、機械的に薄くされた領域を含んでいてもよい。遮断可能な電気コネクタは電気的に非導電性のコーティングによって少なくとも部分的にカバーされていてもよい。バッテリ相互接続システムは電気的に非導電性のポッティング材料をさらに含んでいてもよく、その材料はターミナルの少なくとも一部をカバーしており、ターミナルは解放部と、解放部に連結された遮断可能な電気コネクタの少なくとも一部を含んでいる。バッテリ相互接続システムは電気的に非導電性材料に含まれた支持基板をさらに具備していてもよく、その支持基板はバッテリからコネクタプレートを離間していてもよい。支持基板はターミナルの傷と完全に重なっているか、または傷の一部のみと重なっているか、もしくは全く傷と重なっていなくてもよい。バッテリ相互接続システムは、ターミナルと支持基板との間に配置された相互接続連結層をさらに具備していてもよく、連結層は電気的に導電性の材料から成っていてもよい。遮断可能な電気相互接続器は、解放部に連結された相互接続器の第1の部分と、コネクタプレートに連結された相互接続器の第2の部分との間の位置において、相互接続器連結層に連結されていてもよい。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、解放部は第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分はバッテリ内部圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に破裂し、第2の部分はバッテリ内部圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に無傷のまま残って解放部のヒンジを形成する。遮断可能な電気コネクタは解放部のヒンジから離間した位置においてコネクタプレートに連結されており、遮断可能な電気コネクタが解放部の第1の部分を通り過ぎている。バッテリターミナルの傷は円弧形状であってもよく、円弧は解放部の第1の部分を形成し、解放部の第2の部分は傷が無く且つ第1の円弧端部と第2の円弧端部との間に配置されている。バッテリターミナルの傷は深さが変化し且つ略円形であってもよく、傷の最も深い部分は解放部の第1の部分を形成し、傷の最も浅い部分は解放部の第2の部分を形成している。
【0009】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、明細書および添付図の残りの部分を参照することによって完全に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明の動作を概略的に示した図である。
【図2】本発明と共に使用されることが可能な例示的なセルデザインの横断面を示した図である。
【図3】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図4】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図5】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図6】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図7】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図8】セルと、ターミナル解放部を形成した円弧状の傷との上面を示した図である。
【図9】図8および9のターミナル解放部の横断面を示した図であり、解放部が破裂した後の解放部のヒンジ接続を示している。
【図10】図8のセルの上面を示した図であり、支持基板、コネクタプレートおよび遮断可能な電気相互接続を含んでいる。
【図11】解放部が破裂する前の図10に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【図12】解放部が破裂し且つ電気相互接続器が破壊した後における、図10に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【図13】相互接続器の破壊を促進するための傷を備えた、遮断可能な電気相互接続器を示した図である。
【図14】ターミナル解放部を形成した傷が略円形であることを除き、図10に示されたアセンブリと類似のアセンブリの上面を示した図である。
【図15】図10および14に示されたアセンブリと類似のアセンブリの上面を示した図であり、支持基板の一部がターミナル解放部のごく一部を超えて延在し、それによって解放部ヒンジ/破裂パターンを形成している。
【図16】代替的な支持基板のデザインを伴った、図15に示されたアセンブリと類似のアセンブリの上面を示した図である。
【図17】ターミナル解放部をカバーするポッティング材料を含んだ、図11に示されたアセンブリと類似のアセンブリの横断面を示した図である。
【図18】支持基板がターミナルの傷をカバーした、図11に示されたアセンブリと類似のアセンブリの横断面を示した図である。
【図19】図18のセルの上面を示した図である。
【図20】立ち上がったターミナルを利用した、図18に示されたアセンブリと類似のアセンブリの横断面を示した図である。
【図21】電気相互接続器がターミナルの傷を備えた解放部をカバーしているアセンブリの上面を示した図である。
【図22】相互接続器の破壊を促進するための追加の相互接続器連結層を含んだアセンブリの上面を示した図である。
【図23】解放部が破裂する前の図22に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【図24】解放部が破裂し且つ電気相互接続器が破壊した後における、図22に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の文章において、“バッテリ”、“セル”および“バッテリセル”は同義的に使用され、任意の種類豊富な異なった再充電可能なセルを引用している。それは化学セルおよび、以下に限定されるものではないが、リチウムイオン(例えばリチウム鉄リン酸塩、リチウム酸化コバルト、他のリチウム酸化金属等)、リチウムイオンポリマ、ニッケル金属水素化物、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、ニッケル亜鉛、銀亜鉛、または他のバッテリタイプ/形態などを含んだ形態である。“バッテリパック”の語はここでは単一ピースまたは複数ピースのハウジング内に含まれた複数の個別のバッテリを引用するものとして使用され、個々のバッテリは電気的に相互接続されて、特別なアプリケーションのための所望の電圧または容量を達成する。複数の図に使用された同一の要素のシンボルは同一の構成部品、または等価な機能の構成部品を参照している。さらに、添付図は図示することのみを意図しており、本発明の範囲を限定するものではなく、縮尺を考慮されるべきではない。
【0012】
図1Aおよび1Bは、バッテリ101およびバッテリ支持基板103ならびにコネクタプレート105の簡略化された図を使用した、本発明の操作を概略的に示した図である。バッテリ101のバッテリターミナル107は、遮断可能な電気相互接続器109を介してコネクタプレート105に電気的に接続されている。図1Aおよび1Bは単一のセルを示しているのみであり、好適には本発明によりデザインされたバッテリパックが複数のセルを収容し、図示されたようにすべて連結されているということが理解されるだろう。そのように、バッテリ支持基板(例えば基板103)はそのようなバッテリパック内において所定の位置に複数のバッテリを堅固に保持するために好適に使用され、隣接したバッテリ/導体間の不意の接触を防止しており、その一方でコネクタプレート(例えばプレート105)は複数のバッテリを電気的に連結するために使用されている。さらに、多くのアプリケーションにおいて、類似の支持基板および導体プレートが、例えば2番目にバッテリ101の遠位端に配置された第2のバッテリターミナルと連結して使用されるということが想定される。ここに開示された相互結合システムを利用するために改良されることが可能なバッテリ組み付けシステムは、2006年2月13日に出願された米国特許出願No.11/414,050号明細書、および2007年3月20日に出願されたNo.11/731,574号明細書に記載されており、それらの内容は任意のおよび全ての目的を参照することによってここに組み込まれている。
【0013】
以下に詳細に記載されているように、バッテリ101はターミナル107を介して放出するようにデザインされている。特に、ターミナル107の領域111は過圧の状態の間に解放するようにデザインされている。相互接続器109を領域111に連結し、且つターミナル107および解放領域111の適切なデザインを通じることによって、セル101が圧力を解放する場合、図1Bに示されたように、十分な力が相互接続器109にかけられて、破壊される。相互接続器109の破壊の結果、セル101は残りのバッテリパック(図示略)から隔離される。過圧の状態がセルのバッテリパックへの接続による場合、例えば、過充電状態による場合、セルの隔離は過圧の状態の原因となる。それらの場合代替的に、過圧の状態がセルのバッテリパックへの接続によるものでない場合、例えばセルの過熱または内部短絡による場合、セルは最も起こり得る損傷を受け、したがって残りのバッテリパックからの隔離が望まれる。図1Bは解放後の残存した損傷を受けていない電極タブ113を示しているが、このタブは現実には破壊されていることが理解されるべきである。
【0014】
本発明は任意の多様な異なったセルデザインに利用されることが可能である。本発明に使用されるセルのデザインに科される初期的な制約は、過圧の状態の際に破裂することであり、より具体的には、以下に詳細に記載された方式の1つにおいて破裂することである。図2〜7はいくつかの例示的なセルデザインを示しており、各々が明確化のために相互接続器部分(例えば図2〜4の相互接続器109および図5〜7の相互接続器109ならびに503)を示している。これらは例示的なセルデザインであり、本発明は他のセルデザインを利用可能であることが理解されるべきである。
【0015】
図2に示されたセルにおいて、単一の要素201はセルターミナルおよび安全解放部の両方として作用する。ターミナル201は確実に解放するための傷203を含んでいる。他の適用可能なデザインと同様なこのセルデザインは、2009年6月12日に出願された同時係属の米国特許出願No.12/456,150号明細書内に詳細に記載されており、その内容は任意のおよび全ての目的のために参照されることによってここに組み込まれている。単一の要素301がセルターミナルおよび安全解放要素の両方として作用する類似のセルデザインは、図3に示されている。しかしながら、このデザインにおいて、CIDおよびPTCの双方の要素は除外されている。ターミナル301は確実に解放するための傷303を含んでいる。他の適用可能なデザインと同様なこのセルデザインは、2009年7月7日に出願された同時係属の米国特許出願No.12/459,721号明細書内に詳細に記載されており、その内容は任意のおよび全ての目的のために参照されることによってここに組み込まれている。代替的に、より便利なセルデザインが本発明に使用されることが可能であり、例えば、図4に示されたような便利に立ち上げられたバッテリターミナル401を採用することが可能である。セル400はターミナルの立ち上がり部の周囲に例えば傷403を含み、これによって相互結合部109を破壊する解放の状態の際に、相互結合部109が連結されたターミナル部分が所望の方向において十分に移動することを保証している。
【0016】
図2〜4に記載されたセルデザインは陽極セルターミナルに連結された相互結合器109を示しているが、本発明がこのターミナルの使用に限定されるものではないことが理解されるべきである。例えば、これまでの任意のセルデザインの陰極セルターミナルが本発明に使用されてもよく、同様に相互接続器が連結される領域が解放を促進するために、記載されたような傷を備えていてもよい。図5〜7はセル200〜400の代替の図を示しており、それぞれセル底面に傷を備えており、(例えば傷501)、制御された開放および対応した相互接続器503の破壊を容易にしている。図5〜7は、対応した開放領域と同様の複数のセルターミナルに連結された一組の制限可能な相互接続器(例えば相互接続器109および503)を図示しているが、本発明はいずれかのターミナルに連結された単一の制限可能な相互接続器、すなわち、図2〜4に示されたような、または図5〜7に示されたような制限可能な相互接続器503のみ利用する制限可能な相互接続器を使用することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態において、ターミナル/解放部の傷は円弧形状であり、例えば図8に示されているような300°の円弧である。当業者に周知の、金属面に傷をつけるための多様な方法が存在し、例えばレーザースクライブ、スタンピング等であって、したがって、ターミナル/解放部を傷つけるために使用される手段のさらなる議論は、ここでは行われない。さらに、傷を付ける工程はバッテリパックの組み立てに先立って行われることが好適であるが、傷つけ工程は組み立て後に、例えばレーザースクライブまたは類似の手段を使用して実施されてもよい。組み立て後の傷付け工程は、組み立てに先立ってバッテリを正しい位置に置き、解放部が相互接続器に対して正しい方向に破裂することを確実にする必要を排除する利点がある。
【0018】
図8は、図2および3に示されたような、セルの陽極の上面図を示しており、上述しているが、図8に対して記載された傷付け工程は他のセルデザインおよび/またはセルの陰極ターミナルに使用されることが可能である。図において、図の最上部の圧着部801が示されており、同様に絶縁ガスケット803およびターミナル/解放プレート805も同様に示されている。傷807の円弧デザインのために、セルが解放する際、ヒンジ機構が領域809において形成される。このヒンジ機構は図9に示されており、この図は解放の破裂の際またはその後の図8で示されたセルの上部の断面図を示している。図9およびそれに続いた図の目的は本発明のバッテリ相互接続システムの多様な態様を示すことであり、これらの図は図示されたバッテリの不完全な表現を含んでいることが理解されるだろう。例えば、図9は内部セル電極アセンブリ、電極アセンブリをターミナルに連結している電極タブまたは他のバッテリ機構を図示していない。
【0019】
セルの解放の際に、相互接続器の曲げよりもむしろ破壊を保証するために、相互接続器の破壊を促進する位置において、制限可能な電機相互接続器が導体プレートに取り付けられることが重要である。例えば、図8および9に示された実施形態において、相互接続器はヒンジ領域809のまっすぐ真向かいに、または概略離れた位置において導体プレートに連結されている。この態様は図10〜12に支援されており、その中で、図8および9に示されたバッテリ構造は組み付け基板1001とコネクタプレート1003とで覆われている。組み付け基板1001は支持基板として個々に参照されてもよい。本発明のこの実施形態においては必要とされていないが、組み付け基板1001の使用はバッテリパック内のバッテリを正しい位置に保持するための手段を提供するものとして好適である。さらに、電気的に非導電性金属から基板1001を二次加工することによって、コネクタプレート1003とバッテリターミナルとの間の不測の接触を回避する。支持基板1001とコネクタプレート1003との一部のみが図に示されており、その部分は本発明を図示するために十分に示されているということが理解されるべきである。典型的なバッテリパックにおいて、支持基板とコネクタプレートとは異なって形成されてもよく、それらの形状は、製造の優先、重量および材料の制約と同様に、パック内に形成されたバッテリに基づいている。
【0020】
少なくとも1つの実施形態において、基板1001およびコネクタプレート1003は位置1005に刻み目を付されており、この位置は電気相互接続器1007を遮断するための接点を形成している。図示されたように、電気相互接続器1007はヒンジ領域809(すなわちほぼ反対の位置)から離間した位置においてコネクタプレート1003に組み付けられている。結果的に、バッテリが過圧の状態に陥る場合、すなわち、通常の動作から(図11)から過圧状態(図12)へと変化する場合、相互接続器1007の破壊に起因して解放板は破裂し、ヒンジ領域809についてヒンジ接続される。
【0021】
好適に、相互接続器1007は任意の適切な導電性材料から成るワイヤボンドである。少なくとも1つの実施形態において、相互接続器1007はアルミニウムから製造されている。一般的に、抵抗溶接または超音波溶接が使用されて、相互接続器1007をコネクタプレート1003およびバッテリターミナル/解放プレートに溶接する。
【0022】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、壊れやすい相互接続器は脆弱な領域を含み、それによって破壊を生じる。例えば図13において、相互接続器1007は位置1301において傷を備え、したがってこの位置において破壊を生じる。代替的に、相互接続器1007の領域1301は薄くされていてもよく、または多様な任意の技術を使用して脆弱化されていてもよい。それは、エッチング、絞りおよび機械加工による薄化であるが、それらに限定されるものではない。相互接続器1007の領域1301を形成するために使用される技術、および相互接続器1007を製造するために使用される材料に関わらず、相互接続器および領域1301は、顕著に加熱することなく所望の電流レベルを通すことが明確に可能でなければならない。
【0023】
本発明の代替的な実施形態において、深さが変化する傷がヒンジ領域の形成または性能の強化のために使用され、それによる相互接続器破壊を保証している。傷が図10に示されたように円弧状である場合、ヒンジ領域809から最も遠い円弧の領域は最も深い傷を備えている。代替的に、傷は図14に図示されているように円形または略円形であってもよい。この実施形態においては、傷の最も浅い領域1401は位置1403に位置しており、一方で最も深い傷は位置1405に位置している。深さが変化する傷の結果、解放は領域1403に関するヒンジ接続、または傷に沿った破裂の伝播を伴った位置1405における初期的な破裂のいずれかとなり、位置1403は最後に破裂する。
【0024】
傷が解放領域のみでなく上述の解放破裂の方向も形成することに使用されているが、少なくとも一つの代替的な実施形態において、バッテリ組み付け構造、例えば支持基板は、所望の方向における解放の破壊を付勢し、それによってセルの解放の際に相互接続器の破壊を保証するために使用される。好適に、そのような実施形態において、ターミナル/解放の傷は連続した深さを有する円形であり、したがって、組み立ての際に相互接続器に対してセルの向きを考慮することなくセルが配置されることを可能にしている。図15および16は2つの形態を図示しており、支持基板部は解放の傷を越えて延在し、特に、支持基板1503の部分1501および支持基板1503の部分1601は傷1505と重複している。支持基板が重複している結果として、解放部が破裂した場合、支持基板の重複部分の下において解放部が抑制され、初期的に近位領域1507を破裂させて解放し、相互接続器1509の破壊を確実にする。
【0025】
金属の品質(例えば伸展性)および特にターミナル/解放プレートの品質のために、一旦圧力がセルから解放されると、導電プレートとバッテリとの間の電気的接続を潜在的に再構築するために、解放部がセルに向かって後退する傾向はほとんどまたは全くない。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態において、付加的な予防措置がとられ、そのような電気的接続が解放工程の終結後に再構築されないことを確実にしている。例えば、これまでに記載された任意の実施形態において、電気相互接続器は、代替的に脆くかつ電気的に非導電性の材料内に収容されていてもよい。この材料は、相互接続器がコネクタプレートとバッテリターミナルとに溶接された後に、電気相互接続器に好適に吹き付けられており、または付与されている。コーティング材料が相互接続器に付与された結果として、解放工程の停止後に電気相互接続器の破壊された2つの端部を再接続する見込みはさらに減少されている。
【0026】
代替的な実施形態において、バッテリがバッテリパック内に組み付けられ、且つ電気相互接続器が取り付けられた後において、堅く比較的脆く且つ電気的に非導電性のポッティング材料がターミナル/解放部であって且つ少なくとも相互接続器の部分よりも低く付与される。当業者には十分理解されることであろうが、様々なエポキシ、ポッティングおよび封入材料がこの装置に使用されることが可能である。図17に示されているように、ポッティング/封入材料1701は相互接続器1703の下部および傷1707を含んだターミナル/解放プレート1705の少なくとも一部をカバーしている。解放工程の終結後における破壊した相互接続器の再接続の可能性の減少に加えて、材料1701は、溶接/製造工程による相互接続器における固有のたるみを減じることによって、相互接続器の初期的な破壊を引き起こす補助を行っている。
【0027】
代替の実施形態において、図18および19に示されたように、組み付け支持基板1801の内側端は傷1803を越えて、すなわち傷1803の上に延在している。傷1803は図19においては隠れ線で示していることを記しておく。組み付け支持基板1801は変形可能な非導電性材料(例えばプラスチック)から製造される。セルが過圧の状態を受ける場合、上述のように解放部は破裂し、且つ領域809に関してヒンジ接続する。解放工程の力により、解放は基板1801の内側端1901超えて変形させる。基板1801のプラスチックの特性のために、解放は過圧状態の停止後に所定の位置において維持され、これによって相互接続器のコネクタプレートへの再接続がほとんど防止されている。
【0028】
図18および19に示された実施形態のバリエーションにおいて、傷1803は完全な円形を形成し、したがって、全体的な解放が過圧の状態の間に排除されることを可能にしている。基板1801のプラスチックの変形可能な特性により、解放工程の終了後に解放の間に排除されたターミナル/解放プレートの一部は電気的接触の再構築を防止されている。全体的な解放部が排除された場合、この実施形態において、解放の際の破壊よりもむしろ相互接続器の曲がりの可能性が存在している。解放の際にセルが隔離されることを確実にすることの1つのアプローチは、セル内に含まれた電極アセンブリ(すなわち電極ゼリーロール)にターミナルを連結する内部タブを拘束することである。結果的に、解放の際、内部タブが破壊し、それによって外部相互接続器(例えば相互接続器1805)が無傷のままであっても、セルをバッテリパックから隔離する。別のアプローチは、図20に示したようなターミナル/解放要素の立ち上がり領域を備えたセルを使用して、相互接続器が持ち上がった領域に連結される一方で傷がターミナル解放要素の下部領域あるようにすることである。このアプローチは相互接続器、すなわち相互接続器2001が比較的拘束されることを可能にしている。その後、セルが解放し、傷2003に沿って破裂した場合、解放部の立ち上がり部2005は基板2009のオーバーラップ部2007を介して排除され、それによって相互接続器2001を破壊する。
【0029】
図21に示された代替の実施形態において、薄く平坦な相互接続器2001が使用されている。セルターミナルに連結された相互接続器の端部はセルの開放部2003をカバーしており、それは図21において隠れ線によって図示されている。過圧状態の間に、セルは領域2103を解して解放し、ターミナルと相互接続器との間の溶接部を破壊して、それによってセルをバッテリパックから離間する。代替的に、相互接続器2101とターミナルとの間の溶接部の位置は、領域2103内に位置していてもよい。この形態において、解放部が排除されたとき、相互接続器は自動的にセルから切断される。
【0030】
これまでに述べたように、解放部が破裂したときに遮断可能な電気相互接続器が破壊することを確実にするために、組み立ておよび製造工程のデザインによって可能とされた範囲に相互接続器のたるみを減少させることが重要である。図22〜24は相互接続器の動作の拘束の別の方法を示しており、それによって相互接続器の破壊を助長している。図示されたように、追加の要素、すなわち相互接続器連結層2201がセルアセンブリに追加されている。相互接続器連結層2201を含んでいるために、遮断可能な電気相互接続器はさらに拘束されること、特に位置2205における相互接続器2203のコネクタプレート1003への接続、位置2207におけるターミナル/解放プレートへの接続、および位置2209における相互接続器連結層2201への接続が可能である。例えば溶接による相互接続器の相互接続器連結層2201への連結によって、相互接続器の多くのたるみが除去される。それに加えて、図示されたように、このアプローチは解放部と拘束の最も近位の点(すなわち位置2209)との間の相互接続器の長さを減じている。
【0031】
相互接続器連結層2201は遮断可能な電気相互接続器2203を介してターミナル/解放プレートに接続することを可能とされておらず、解放部が破裂し相互接続器が破壊した場合のセルの隔離は行われないということが理解されるだろう。したがって、電気的に絶縁されたガスケットがターミナル/解放要素と相互接続器連結層との間に配置されなければならない。少なくとも一つの好適な実施形態において、絶縁ガスケット803は、図示されたように、セルと解放部との中心に向かってさらにただ延在している。代替的に、分離した絶縁ガスケットが連結層とターミナル/解放要素(図示略)との間に配置されてもよい。相互接続器連結層2201は、図示された実施形態におけるセルケーシングの反対側のターミナルと電気的に接触するようになり得ないということも理解されるだろう。したがって、追加の絶縁ガスケットがセル圧着部と連結層(図示略)との間に配置されるか、または連結層がセルケーシング(図示略)と接触しないようなサイズおよび配置とされているかのいずれかである。この形態において、相互接続連結層2201は絶縁ガスケット803の上面の一部に溶着されているか、または層2201は導電リングとして別々に製造され、その後ガスケット803の上面に接着もしくはクランプされているかのいずれかである。
【0032】
相互接続器連結層2201の使用は図10〜12に示されたアセンブリと類似の相互接続器アセンブリを示しているが、連結層は他の任意の形態に使用されて、相互接続器の連結をさらに拘束し。相互接続器の脆弱性を改良するということが理解されるだろう。
【0033】
本発明の好適な実施形態は18650形状因子を使用したセルを伴って利用されているが、本発明は他のセルデザイン、形状および形態と共に使用されることが可能であると理解されるだろう。さらに、図2〜7について記しておくと、本発明は、ターミナルがキャップアセンブリの一部またはセルケーシングに関連しているかどうかに関わらず、ポジティブおよびネガティブセルのいずれかもしくは両方としてデザインされている。
【0034】
技術を熟知している者によって理解されるように、本発明は、その特徴の精神または本質から逸脱することなく他の特別な形状において具体化されるだろう。
【符号の説明】
【0035】
101 ・・・バッテリ
103,1001 ・・・バッテリ支持基板
105,1003 ・・・コネクタプレート
107 ・・・バッテリターミナル
109,503,1007 ・・・遮断可能な電気相互接続器
113 ・・・電極タブ
200,300,400 ・・・セル
801 ・・・圧着部
803 ・・・絶縁ガスケット
805 ・・・ターミナル/解放プレート
809 ・・・ヒンジ領域
1701 ・・・ポッティング/封入材料
1801 ・・・組み付け支持基板
2201 ・・・相互接続器連結層
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的にバッテリセルに関し、より具体的には、セル圧力が意図されたセルの作動範囲を超えた場合に、バッテリパック内におけるバッテリの隔離を提供する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリは、多くの異なった電気的および電気機械的装置に動力を供給するために、数十年間使用されてきた。初期のバッテリは使い捨てバッテリとして引用されるが、単純に劣化するまで使用され、その後廃棄されて1つ以上の新しいバッテリと交換された。新しいタイプのバッテリは再充電可能または二次電池として引用されるが、再充電してその後使用することが可能であり、したがって、使い捨てバッテリと比較して経済的、環境的および使用の容易さを提供している。
【0003】
従来の二次電池において、複数の安全機構を統合するようにデザインされているので、キャップアセンブリは比較的複雑である。そのような機構の1つは電流遮断装置またはCIDである。CIDの目的は、セル内の圧力が所定のレベルを超えた場合に、セル内の電極アセンブリとセルのターミナルの1つとの間の電気的接続を破壊することである。通常は、そのような過圧の状態は、意図されたセルの作動範囲を超えて上昇するセル温度の指標となるものであり、例えば、きわめて高い外部温度によるもの、またはバッテリもしくは充電システム内の欠陥によるものである。電極アセンブリへの電気的接続を切断することに加えて、CIDは一般的にキャップアセンブリ内に一体化された安全解放部と共に作動する用にデザインされており、それによって蓄積ガスを放出して、過圧状態からセルを退避することを可能にしている。
【0004】
従来の二次電池のキャップアセンブリ内に一般的に一体化された別の安全機構は、正の温度係数(PTC)電流制限要素である。PTC要素は、電流密度が所定のレベルを超えた場合に、その抵抗が非常に高くなるようにデザインされており、それによって短絡回路電流を制限する。
【0005】
従来の二次電池は複数の安全特性を含んでいてもよいが、これらの特性は、ハウジングが最終的にバッテリを備えて使用されルものが何であっても、協働して作動するように明確にデザインされている。一般的に、そのようなバッテリハウジングは例えばコンピュータのバッテリパックのような数個のバッテリから、例えばハイブリッドもしくは電気自動車のバッテリパックのような数百乃至数千のバッテリをどこでも収容するようにデザインされている。これらのハウジング内に収容されるバッテリは端と端とを接し、隣り合い、または他の何らかの配列において配置されてもよい。そのように、個々のバッテリに一体化された安全特性は要望どおり機能し、またはそれらは隣接したバッテリと反対の効果を備えていてもよく、例えば、隣接したバッテリ内に直接解放し、それによって初期のバッテリ欠陥の増殖を潜在的に引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要なものは協働する態様で共に作動して増大されたシステム性能を発揮するようにデザインされたバッテリおよびバッテリパックである。本発明はそのようなシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バッテリパックから同時にセルを切断するための手段を備えた、バッテリの解放特性を一体化し、それによってセルを隔離するためのシステムを提供する。与えられたバッテリ相互接続システムはバッテリ、バッテリパックにバッテリを電気的に連結するためのコネクタプレート、およびバッテリターミナル解放部を介してコネクタプレートをバッテリターミナルに電気的に連結するための遮断可能な電気相互接続器から成っており、バッテリターミナルはバッテリキャップアセンブリ内に一体化されているか、またはバッテリケース外側面に対応しているかのいずれかである。バッテリターミナルの傷によって形成された解放部は、内部バッテリ圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に破裂し、遮断可能な相互接続器が破壊し且つコネクタプレートとバッテリターミナルとの間の電気的な接続を切断する。遮断可能な電気コネクタは、コネクタプレートとターミナル解放部とを超音波溶接、または抵抗溶接によって接続してもよい。遮断可能な電気コネクタは、解放部が破裂する場合に相互接続器を破壊する位置を決定する傷領域を含んでいてもよい。遮断可能な電気コネクタは、解放部が破裂する場合に相互接続器を破壊する位置を決定する、機械的に薄くされた領域を含んでいてもよい。遮断可能な電気コネクタは電気的に非導電性のコーティングによって少なくとも部分的にカバーされていてもよい。バッテリ相互接続システムは電気的に非導電性のポッティング材料をさらに含んでいてもよく、その材料はターミナルの少なくとも一部をカバーしており、ターミナルは解放部と、解放部に連結された遮断可能な電気コネクタの少なくとも一部を含んでいる。バッテリ相互接続システムは電気的に非導電性材料に含まれた支持基板をさらに具備していてもよく、その支持基板はバッテリからコネクタプレートを離間していてもよい。支持基板はターミナルの傷と完全に重なっているか、または傷の一部のみと重なっているか、もしくは全く傷と重なっていなくてもよい。バッテリ相互接続システムは、ターミナルと支持基板との間に配置された相互接続連結層をさらに具備していてもよく、連結層は電気的に導電性の材料から成っていてもよい。遮断可能な電気相互接続器は、解放部に連結された相互接続器の第1の部分と、コネクタプレートに連結された相互接続器の第2の部分との間の位置において、相互接続器連結層に連結されていてもよい。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、解放部は第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分はバッテリ内部圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に破裂し、第2の部分はバッテリ内部圧力が所定のバッテリ作動範囲を超えた場合に無傷のまま残って解放部のヒンジを形成する。遮断可能な電気コネクタは解放部のヒンジから離間した位置においてコネクタプレートに連結されており、遮断可能な電気コネクタが解放部の第1の部分を通り過ぎている。バッテリターミナルの傷は円弧形状であってもよく、円弧は解放部の第1の部分を形成し、解放部の第2の部分は傷が無く且つ第1の円弧端部と第2の円弧端部との間に配置されている。バッテリターミナルの傷は深さが変化し且つ略円形であってもよく、傷の最も深い部分は解放部の第1の部分を形成し、傷の最も浅い部分は解放部の第2の部分を形成している。
【0009】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、明細書および添付図の残りの部分を参照することによって完全に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明の動作を概略的に示した図である。
【図2】本発明と共に使用されることが可能な例示的なセルデザインの横断面を示した図である。
【図3】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図4】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図5】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図6】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図7】本発明と共に使用されることが可能な例示的な代替のセルデザインの横断面を示した図である。
【図8】セルと、ターミナル解放部を形成した円弧状の傷との上面を示した図である。
【図9】図8および9のターミナル解放部の横断面を示した図であり、解放部が破裂した後の解放部のヒンジ接続を示している。
【図10】図8のセルの上面を示した図であり、支持基板、コネクタプレートおよび遮断可能な電気相互接続を含んでいる。
【図11】解放部が破裂する前の図10に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【図12】解放部が破裂し且つ電気相互接続器が破壊した後における、図10に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【図13】相互接続器の破壊を促進するための傷を備えた、遮断可能な電気相互接続器を示した図である。
【図14】ターミナル解放部を形成した傷が略円形であることを除き、図10に示されたアセンブリと類似のアセンブリの上面を示した図である。
【図15】図10および14に示されたアセンブリと類似のアセンブリの上面を示した図であり、支持基板の一部がターミナル解放部のごく一部を超えて延在し、それによって解放部ヒンジ/破裂パターンを形成している。
【図16】代替的な支持基板のデザインを伴った、図15に示されたアセンブリと類似のアセンブリの上面を示した図である。
【図17】ターミナル解放部をカバーするポッティング材料を含んだ、図11に示されたアセンブリと類似のアセンブリの横断面を示した図である。
【図18】支持基板がターミナルの傷をカバーした、図11に示されたアセンブリと類似のアセンブリの横断面を示した図である。
【図19】図18のセルの上面を示した図である。
【図20】立ち上がったターミナルを利用した、図18に示されたアセンブリと類似のアセンブリの横断面を示した図である。
【図21】電気相互接続器がターミナルの傷を備えた解放部をカバーしているアセンブリの上面を示した図である。
【図22】相互接続器の破壊を促進するための追加の相互接続器連結層を含んだアセンブリの上面を示した図である。
【図23】解放部が破裂する前の図22に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【図24】解放部が破裂し且つ電気相互接続器が破壊した後における、図22に示されたアセンブリの横断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の文章において、“バッテリ”、“セル”および“バッテリセル”は同義的に使用され、任意の種類豊富な異なった再充電可能なセルを引用している。それは化学セルおよび、以下に限定されるものではないが、リチウムイオン(例えばリチウム鉄リン酸塩、リチウム酸化コバルト、他のリチウム酸化金属等)、リチウムイオンポリマ、ニッケル金属水素化物、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、ニッケル亜鉛、銀亜鉛、または他のバッテリタイプ/形態などを含んだ形態である。“バッテリパック”の語はここでは単一ピースまたは複数ピースのハウジング内に含まれた複数の個別のバッテリを引用するものとして使用され、個々のバッテリは電気的に相互接続されて、特別なアプリケーションのための所望の電圧または容量を達成する。複数の図に使用された同一の要素のシンボルは同一の構成部品、または等価な機能の構成部品を参照している。さらに、添付図は図示することのみを意図しており、本発明の範囲を限定するものではなく、縮尺を考慮されるべきではない。
【0012】
図1Aおよび1Bは、バッテリ101およびバッテリ支持基板103ならびにコネクタプレート105の簡略化された図を使用した、本発明の操作を概略的に示した図である。バッテリ101のバッテリターミナル107は、遮断可能な電気相互接続器109を介してコネクタプレート105に電気的に接続されている。図1Aおよび1Bは単一のセルを示しているのみであり、好適には本発明によりデザインされたバッテリパックが複数のセルを収容し、図示されたようにすべて連結されているということが理解されるだろう。そのように、バッテリ支持基板(例えば基板103)はそのようなバッテリパック内において所定の位置に複数のバッテリを堅固に保持するために好適に使用され、隣接したバッテリ/導体間の不意の接触を防止しており、その一方でコネクタプレート(例えばプレート105)は複数のバッテリを電気的に連結するために使用されている。さらに、多くのアプリケーションにおいて、類似の支持基板および導体プレートが、例えば2番目にバッテリ101の遠位端に配置された第2のバッテリターミナルと連結して使用されるということが想定される。ここに開示された相互結合システムを利用するために改良されることが可能なバッテリ組み付けシステムは、2006年2月13日に出願された米国特許出願No.11/414,050号明細書、および2007年3月20日に出願されたNo.11/731,574号明細書に記載されており、それらの内容は任意のおよび全ての目的を参照することによってここに組み込まれている。
【0013】
以下に詳細に記載されているように、バッテリ101はターミナル107を介して放出するようにデザインされている。特に、ターミナル107の領域111は過圧の状態の間に解放するようにデザインされている。相互接続器109を領域111に連結し、且つターミナル107および解放領域111の適切なデザインを通じることによって、セル101が圧力を解放する場合、図1Bに示されたように、十分な力が相互接続器109にかけられて、破壊される。相互接続器109の破壊の結果、セル101は残りのバッテリパック(図示略)から隔離される。過圧の状態がセルのバッテリパックへの接続による場合、例えば、過充電状態による場合、セルの隔離は過圧の状態の原因となる。それらの場合代替的に、過圧の状態がセルのバッテリパックへの接続によるものでない場合、例えばセルの過熱または内部短絡による場合、セルは最も起こり得る損傷を受け、したがって残りのバッテリパックからの隔離が望まれる。図1Bは解放後の残存した損傷を受けていない電極タブ113を示しているが、このタブは現実には破壊されていることが理解されるべきである。
【0014】
本発明は任意の多様な異なったセルデザインに利用されることが可能である。本発明に使用されるセルのデザインに科される初期的な制約は、過圧の状態の際に破裂することであり、より具体的には、以下に詳細に記載された方式の1つにおいて破裂することである。図2〜7はいくつかの例示的なセルデザインを示しており、各々が明確化のために相互接続器部分(例えば図2〜4の相互接続器109および図5〜7の相互接続器109ならびに503)を示している。これらは例示的なセルデザインであり、本発明は他のセルデザインを利用可能であることが理解されるべきである。
【0015】
図2に示されたセルにおいて、単一の要素201はセルターミナルおよび安全解放部の両方として作用する。ターミナル201は確実に解放するための傷203を含んでいる。他の適用可能なデザインと同様なこのセルデザインは、2009年6月12日に出願された同時係属の米国特許出願No.12/456,150号明細書内に詳細に記載されており、その内容は任意のおよび全ての目的のために参照されることによってここに組み込まれている。単一の要素301がセルターミナルおよび安全解放要素の両方として作用する類似のセルデザインは、図3に示されている。しかしながら、このデザインにおいて、CIDおよびPTCの双方の要素は除外されている。ターミナル301は確実に解放するための傷303を含んでいる。他の適用可能なデザインと同様なこのセルデザインは、2009年7月7日に出願された同時係属の米国特許出願No.12/459,721号明細書内に詳細に記載されており、その内容は任意のおよび全ての目的のために参照されることによってここに組み込まれている。代替的に、より便利なセルデザインが本発明に使用されることが可能であり、例えば、図4に示されたような便利に立ち上げられたバッテリターミナル401を採用することが可能である。セル400はターミナルの立ち上がり部の周囲に例えば傷403を含み、これによって相互結合部109を破壊する解放の状態の際に、相互結合部109が連結されたターミナル部分が所望の方向において十分に移動することを保証している。
【0016】
図2〜4に記載されたセルデザインは陽極セルターミナルに連結された相互結合器109を示しているが、本発明がこのターミナルの使用に限定されるものではないことが理解されるべきである。例えば、これまでの任意のセルデザインの陰極セルターミナルが本発明に使用されてもよく、同様に相互接続器が連結される領域が解放を促進するために、記載されたような傷を備えていてもよい。図5〜7はセル200〜400の代替の図を示しており、それぞれセル底面に傷を備えており、(例えば傷501)、制御された開放および対応した相互接続器503の破壊を容易にしている。図5〜7は、対応した開放領域と同様の複数のセルターミナルに連結された一組の制限可能な相互接続器(例えば相互接続器109および503)を図示しているが、本発明はいずれかのターミナルに連結された単一の制限可能な相互接続器、すなわち、図2〜4に示されたような、または図5〜7に示されたような制限可能な相互接続器503のみ利用する制限可能な相互接続器を使用することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態において、ターミナル/解放部の傷は円弧形状であり、例えば図8に示されているような300°の円弧である。当業者に周知の、金属面に傷をつけるための多様な方法が存在し、例えばレーザースクライブ、スタンピング等であって、したがって、ターミナル/解放部を傷つけるために使用される手段のさらなる議論は、ここでは行われない。さらに、傷を付ける工程はバッテリパックの組み立てに先立って行われることが好適であるが、傷つけ工程は組み立て後に、例えばレーザースクライブまたは類似の手段を使用して実施されてもよい。組み立て後の傷付け工程は、組み立てに先立ってバッテリを正しい位置に置き、解放部が相互接続器に対して正しい方向に破裂することを確実にする必要を排除する利点がある。
【0018】
図8は、図2および3に示されたような、セルの陽極の上面図を示しており、上述しているが、図8に対して記載された傷付け工程は他のセルデザインおよび/またはセルの陰極ターミナルに使用されることが可能である。図において、図の最上部の圧着部801が示されており、同様に絶縁ガスケット803およびターミナル/解放プレート805も同様に示されている。傷807の円弧デザインのために、セルが解放する際、ヒンジ機構が領域809において形成される。このヒンジ機構は図9に示されており、この図は解放の破裂の際またはその後の図8で示されたセルの上部の断面図を示している。図9およびそれに続いた図の目的は本発明のバッテリ相互接続システムの多様な態様を示すことであり、これらの図は図示されたバッテリの不完全な表現を含んでいることが理解されるだろう。例えば、図9は内部セル電極アセンブリ、電極アセンブリをターミナルに連結している電極タブまたは他のバッテリ機構を図示していない。
【0019】
セルの解放の際に、相互接続器の曲げよりもむしろ破壊を保証するために、相互接続器の破壊を促進する位置において、制限可能な電機相互接続器が導体プレートに取り付けられることが重要である。例えば、図8および9に示された実施形態において、相互接続器はヒンジ領域809のまっすぐ真向かいに、または概略離れた位置において導体プレートに連結されている。この態様は図10〜12に支援されており、その中で、図8および9に示されたバッテリ構造は組み付け基板1001とコネクタプレート1003とで覆われている。組み付け基板1001は支持基板として個々に参照されてもよい。本発明のこの実施形態においては必要とされていないが、組み付け基板1001の使用はバッテリパック内のバッテリを正しい位置に保持するための手段を提供するものとして好適である。さらに、電気的に非導電性金属から基板1001を二次加工することによって、コネクタプレート1003とバッテリターミナルとの間の不測の接触を回避する。支持基板1001とコネクタプレート1003との一部のみが図に示されており、その部分は本発明を図示するために十分に示されているということが理解されるべきである。典型的なバッテリパックにおいて、支持基板とコネクタプレートとは異なって形成されてもよく、それらの形状は、製造の優先、重量および材料の制約と同様に、パック内に形成されたバッテリに基づいている。
【0020】
少なくとも1つの実施形態において、基板1001およびコネクタプレート1003は位置1005に刻み目を付されており、この位置は電気相互接続器1007を遮断するための接点を形成している。図示されたように、電気相互接続器1007はヒンジ領域809(すなわちほぼ反対の位置)から離間した位置においてコネクタプレート1003に組み付けられている。結果的に、バッテリが過圧の状態に陥る場合、すなわち、通常の動作から(図11)から過圧状態(図12)へと変化する場合、相互接続器1007の破壊に起因して解放板は破裂し、ヒンジ領域809についてヒンジ接続される。
【0021】
好適に、相互接続器1007は任意の適切な導電性材料から成るワイヤボンドである。少なくとも1つの実施形態において、相互接続器1007はアルミニウムから製造されている。一般的に、抵抗溶接または超音波溶接が使用されて、相互接続器1007をコネクタプレート1003およびバッテリターミナル/解放プレートに溶接する。
【0022】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、壊れやすい相互接続器は脆弱な領域を含み、それによって破壊を生じる。例えば図13において、相互接続器1007は位置1301において傷を備え、したがってこの位置において破壊を生じる。代替的に、相互接続器1007の領域1301は薄くされていてもよく、または多様な任意の技術を使用して脆弱化されていてもよい。それは、エッチング、絞りおよび機械加工による薄化であるが、それらに限定されるものではない。相互接続器1007の領域1301を形成するために使用される技術、および相互接続器1007を製造するために使用される材料に関わらず、相互接続器および領域1301は、顕著に加熱することなく所望の電流レベルを通すことが明確に可能でなければならない。
【0023】
本発明の代替的な実施形態において、深さが変化する傷がヒンジ領域の形成または性能の強化のために使用され、それによる相互接続器破壊を保証している。傷が図10に示されたように円弧状である場合、ヒンジ領域809から最も遠い円弧の領域は最も深い傷を備えている。代替的に、傷は図14に図示されているように円形または略円形であってもよい。この実施形態においては、傷の最も浅い領域1401は位置1403に位置しており、一方で最も深い傷は位置1405に位置している。深さが変化する傷の結果、解放は領域1403に関するヒンジ接続、または傷に沿った破裂の伝播を伴った位置1405における初期的な破裂のいずれかとなり、位置1403は最後に破裂する。
【0024】
傷が解放領域のみでなく上述の解放破裂の方向も形成することに使用されているが、少なくとも一つの代替的な実施形態において、バッテリ組み付け構造、例えば支持基板は、所望の方向における解放の破壊を付勢し、それによってセルの解放の際に相互接続器の破壊を保証するために使用される。好適に、そのような実施形態において、ターミナル/解放の傷は連続した深さを有する円形であり、したがって、組み立ての際に相互接続器に対してセルの向きを考慮することなくセルが配置されることを可能にしている。図15および16は2つの形態を図示しており、支持基板部は解放の傷を越えて延在し、特に、支持基板1503の部分1501および支持基板1503の部分1601は傷1505と重複している。支持基板が重複している結果として、解放部が破裂した場合、支持基板の重複部分の下において解放部が抑制され、初期的に近位領域1507を破裂させて解放し、相互接続器1509の破壊を確実にする。
【0025】
金属の品質(例えば伸展性)および特にターミナル/解放プレートの品質のために、一旦圧力がセルから解放されると、導電プレートとバッテリとの間の電気的接続を潜在的に再構築するために、解放部がセルに向かって後退する傾向はほとんどまたは全くない。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態において、付加的な予防措置がとられ、そのような電気的接続が解放工程の終結後に再構築されないことを確実にしている。例えば、これまでに記載された任意の実施形態において、電気相互接続器は、代替的に脆くかつ電気的に非導電性の材料内に収容されていてもよい。この材料は、相互接続器がコネクタプレートとバッテリターミナルとに溶接された後に、電気相互接続器に好適に吹き付けられており、または付与されている。コーティング材料が相互接続器に付与された結果として、解放工程の停止後に電気相互接続器の破壊された2つの端部を再接続する見込みはさらに減少されている。
【0026】
代替的な実施形態において、バッテリがバッテリパック内に組み付けられ、且つ電気相互接続器が取り付けられた後において、堅く比較的脆く且つ電気的に非導電性のポッティング材料がターミナル/解放部であって且つ少なくとも相互接続器の部分よりも低く付与される。当業者には十分理解されることであろうが、様々なエポキシ、ポッティングおよび封入材料がこの装置に使用されることが可能である。図17に示されているように、ポッティング/封入材料1701は相互接続器1703の下部および傷1707を含んだターミナル/解放プレート1705の少なくとも一部をカバーしている。解放工程の終結後における破壊した相互接続器の再接続の可能性の減少に加えて、材料1701は、溶接/製造工程による相互接続器における固有のたるみを減じることによって、相互接続器の初期的な破壊を引き起こす補助を行っている。
【0027】
代替の実施形態において、図18および19に示されたように、組み付け支持基板1801の内側端は傷1803を越えて、すなわち傷1803の上に延在している。傷1803は図19においては隠れ線で示していることを記しておく。組み付け支持基板1801は変形可能な非導電性材料(例えばプラスチック)から製造される。セルが過圧の状態を受ける場合、上述のように解放部は破裂し、且つ領域809に関してヒンジ接続する。解放工程の力により、解放は基板1801の内側端1901超えて変形させる。基板1801のプラスチックの特性のために、解放は過圧状態の停止後に所定の位置において維持され、これによって相互接続器のコネクタプレートへの再接続がほとんど防止されている。
【0028】
図18および19に示された実施形態のバリエーションにおいて、傷1803は完全な円形を形成し、したがって、全体的な解放が過圧の状態の間に排除されることを可能にしている。基板1801のプラスチックの変形可能な特性により、解放工程の終了後に解放の間に排除されたターミナル/解放プレートの一部は電気的接触の再構築を防止されている。全体的な解放部が排除された場合、この実施形態において、解放の際の破壊よりもむしろ相互接続器の曲がりの可能性が存在している。解放の際にセルが隔離されることを確実にすることの1つのアプローチは、セル内に含まれた電極アセンブリ(すなわち電極ゼリーロール)にターミナルを連結する内部タブを拘束することである。結果的に、解放の際、内部タブが破壊し、それによって外部相互接続器(例えば相互接続器1805)が無傷のままであっても、セルをバッテリパックから隔離する。別のアプローチは、図20に示したようなターミナル/解放要素の立ち上がり領域を備えたセルを使用して、相互接続器が持ち上がった領域に連結される一方で傷がターミナル解放要素の下部領域あるようにすることである。このアプローチは相互接続器、すなわち相互接続器2001が比較的拘束されることを可能にしている。その後、セルが解放し、傷2003に沿って破裂した場合、解放部の立ち上がり部2005は基板2009のオーバーラップ部2007を介して排除され、それによって相互接続器2001を破壊する。
【0029】
図21に示された代替の実施形態において、薄く平坦な相互接続器2001が使用されている。セルターミナルに連結された相互接続器の端部はセルの開放部2003をカバーしており、それは図21において隠れ線によって図示されている。過圧状態の間に、セルは領域2103を解して解放し、ターミナルと相互接続器との間の溶接部を破壊して、それによってセルをバッテリパックから離間する。代替的に、相互接続器2101とターミナルとの間の溶接部の位置は、領域2103内に位置していてもよい。この形態において、解放部が排除されたとき、相互接続器は自動的にセルから切断される。
【0030】
これまでに述べたように、解放部が破裂したときに遮断可能な電気相互接続器が破壊することを確実にするために、組み立ておよび製造工程のデザインによって可能とされた範囲に相互接続器のたるみを減少させることが重要である。図22〜24は相互接続器の動作の拘束の別の方法を示しており、それによって相互接続器の破壊を助長している。図示されたように、追加の要素、すなわち相互接続器連結層2201がセルアセンブリに追加されている。相互接続器連結層2201を含んでいるために、遮断可能な電気相互接続器はさらに拘束されること、特に位置2205における相互接続器2203のコネクタプレート1003への接続、位置2207におけるターミナル/解放プレートへの接続、および位置2209における相互接続器連結層2201への接続が可能である。例えば溶接による相互接続器の相互接続器連結層2201への連結によって、相互接続器の多くのたるみが除去される。それに加えて、図示されたように、このアプローチは解放部と拘束の最も近位の点(すなわち位置2209)との間の相互接続器の長さを減じている。
【0031】
相互接続器連結層2201は遮断可能な電気相互接続器2203を介してターミナル/解放プレートに接続することを可能とされておらず、解放部が破裂し相互接続器が破壊した場合のセルの隔離は行われないということが理解されるだろう。したがって、電気的に絶縁されたガスケットがターミナル/解放要素と相互接続器連結層との間に配置されなければならない。少なくとも一つの好適な実施形態において、絶縁ガスケット803は、図示されたように、セルと解放部との中心に向かってさらにただ延在している。代替的に、分離した絶縁ガスケットが連結層とターミナル/解放要素(図示略)との間に配置されてもよい。相互接続器連結層2201は、図示された実施形態におけるセルケーシングの反対側のターミナルと電気的に接触するようになり得ないということも理解されるだろう。したがって、追加の絶縁ガスケットがセル圧着部と連結層(図示略)との間に配置されるか、または連結層がセルケーシング(図示略)と接触しないようなサイズおよび配置とされているかのいずれかである。この形態において、相互接続連結層2201は絶縁ガスケット803の上面の一部に溶着されているか、または層2201は導電リングとして別々に製造され、その後ガスケット803の上面に接着もしくはクランプされているかのいずれかである。
【0032】
相互接続器連結層2201の使用は図10〜12に示されたアセンブリと類似の相互接続器アセンブリを示しているが、連結層は他の任意の形態に使用されて、相互接続器の連結をさらに拘束し。相互接続器の脆弱性を改良するということが理解されるだろう。
【0033】
本発明の好適な実施形態は18650形状因子を使用したセルを伴って利用されているが、本発明は他のセルデザイン、形状および形態と共に使用されることが可能であると理解されるだろう。さらに、図2〜7について記しておくと、本発明は、ターミナルがキャップアセンブリの一部またはセルケーシングに関連しているかどうかに関わらず、ポジティブおよびネガティブセルのいずれかもしくは両方としてデザインされている。
【0034】
技術を熟知している者によって理解されるように、本発明は、その特徴の精神または本質から逸脱することなく他の特別な形状において具体化されるだろう。
【符号の説明】
【0035】
101 ・・・バッテリ
103,1001 ・・・バッテリ支持基板
105,1003 ・・・コネクタプレート
107 ・・・バッテリターミナル
109,503,1007 ・・・遮断可能な電気相互接続器
113 ・・・電極タブ
200,300,400 ・・・セル
801 ・・・圧着部
803 ・・・絶縁ガスケット
805 ・・・ターミナル/解放プレート
809 ・・・ヒンジ領域
1701 ・・・ポッティング/封入材料
1801 ・・・組み付け支持基板
2201 ・・・相互接続器連結層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ相互接続システムであって、
ターミナルを具備したバッテリであって、前記ターミナルの一部は解放部を具備し、該解放部は前記ターミナルの面上の傷によって形成され、前記バッテリの内部圧力が所定の作動範囲を超えた場合に前記解放部は破裂するようにされたバッテリと、
バッテリパックに前記バッテリを電気的に連結するためのコネクタプレートと、
遮断可能な電気相互接続器であって、該遮断可能な電気相互接続器は前記コネクタプレートを前記ターミナルへと電気的に連結し、前記遮断可能な電気相互接続器は前記ターミナルの前記解放部および前記コネクタプレートに連結されており、前記解放部が破裂した場合に、前記遮断可能な電気相互接続器は破壊して、前記コネクタプレートと前記ターミナルとの間の電気的接続を切断するようにされた遮断可能な電気相互接続器と、
を具備していることを特徴とするバッテリ相互接続システム。
【請求項2】
前記傷は略円形の形状であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項3】
前記解放部は第1の部分を含み、該第1の部分は前記バッテリの内部圧力が所定の作動範囲を超えた場合に破裂するようにされており、
前記解放部は第2の部分を含み、該第2の部分は前記バッテリの内部圧力が所定の作動範囲を超えた場合に損傷しないままであるようにされており、
前記第2の部分は解放部のヒンジを形成し、前記遮断可能な電気相互接続器は前記解放部のヒンジから離間した位置において前記コネクタプレートに連結されて、前記遮断可能な電気相互接続器が前記解放部の前記第1の部分を通り越すようにされていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項4】
前記ターミナルの前記部分の前記傷は円弧形状であり、該円弧は前記解放部の前記第1の部分を形成し、前記解放部の前記第2の部分には傷が無く、第1の円弧端部と第2の円弧端部との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項5】
前記ターミナルの前記部分の前記傷は変化した深さを有し且つ略円形の形状であり、前記変化した深さの傷の最も深い部分は前記解放部の前記第1の部分を形成し、前記変化した深さの傷の最も浅い部分は前記解放部の前記第2の部分を形成していることを特徴とする請求項3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項6】
前記遮断可能な電気相互接続器は傷を備えた領域を含み、前記遮断可能な電気相互接続器の前記傷を備えた領域は、前記解放部が破裂する場合に前記遮断可能な電気相互接続器が破壊する位置を形成していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項7】
前記遮断可能な電気相互接続器は機械加工により薄くされた領域を含み、該機械加工により薄くされた領域は、前記解放部が破裂する場合に前記遮断可能な電気相互接続器が破壊する位置を形成していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項8】
前記遮断可能な電気相互接続器の少なくとも一部をカバーした、電気的に非導電性コーティングをさらに具備していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項9】
電気的に非導電性のポッティング材料をさらに具備し、該電気的に非導電性のポッティング材料は前記解放部を含んだ前記ターミナルの前記一部をカバーし、前記電気的に非導電性のポッティング材料は前記ターミナルの前記解放部に連結された前記遮断可能な電気相互接続器の少なくとも一部をカバーしていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項10】
支持基板をさらに具備し、該支持基板の一部は前記ターミナルと重なっており、前記支持基板は電気的に非導電性の材料を具備し、前記コネクタプレートは前記支持基板によって前記バッテリから離間されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項11】
前記ターミナルと重なった前記支持基板の前記一部は、前記ターミナルの前記面の前記傷の一部とも重なっていることを特徴とする請求項10に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項12】
前記ターミナルと重なった前記支持基板の前記一部は、前記ターミナルの前記面の前記傷と完全に重なっていることを特徴とする請求項10に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項13】
前記ターミナルと前記支持基板との間に配置された相互接続器連結層をさらに具備し、該相互接続器連結層は電気的に導電性の材料に含まれており、前記遮断可能な相互接続器は、該遮断可能な相互接続器の第1の端部と第2の端部との間の位置において前記相互接続器連結層に連結されており、前記第1の端部は前記解放部に連結されており、前記第2の端部は前記コネクタプレートに連結されていることを特徴とする請求項10に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項14】
前記ターミナルはバッテリキャップアセンブリ内に一体化されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項15】
前記ターミナルはバッテリケーシングの外装面に一致していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項1】
バッテリ相互接続システムであって、
ターミナルを具備したバッテリであって、前記ターミナルの一部は解放部を具備し、該解放部は前記ターミナルの面上の傷によって形成され、前記バッテリの内部圧力が所定の作動範囲を超えた場合に前記解放部は破裂するようにされたバッテリと、
バッテリパックに前記バッテリを電気的に連結するためのコネクタプレートと、
遮断可能な電気相互接続器であって、該遮断可能な電気相互接続器は前記コネクタプレートを前記ターミナルへと電気的に連結し、前記遮断可能な電気相互接続器は前記ターミナルの前記解放部および前記コネクタプレートに連結されており、前記解放部が破裂した場合に、前記遮断可能な電気相互接続器は破壊して、前記コネクタプレートと前記ターミナルとの間の電気的接続を切断するようにされた遮断可能な電気相互接続器と、
を具備していることを特徴とするバッテリ相互接続システム。
【請求項2】
前記傷は略円形の形状であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項3】
前記解放部は第1の部分を含み、該第1の部分は前記バッテリの内部圧力が所定の作動範囲を超えた場合に破裂するようにされており、
前記解放部は第2の部分を含み、該第2の部分は前記バッテリの内部圧力が所定の作動範囲を超えた場合に損傷しないままであるようにされており、
前記第2の部分は解放部のヒンジを形成し、前記遮断可能な電気相互接続器は前記解放部のヒンジから離間した位置において前記コネクタプレートに連結されて、前記遮断可能な電気相互接続器が前記解放部の前記第1の部分を通り越すようにされていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項4】
前記ターミナルの前記部分の前記傷は円弧形状であり、該円弧は前記解放部の前記第1の部分を形成し、前記解放部の前記第2の部分には傷が無く、第1の円弧端部と第2の円弧端部との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項5】
前記ターミナルの前記部分の前記傷は変化した深さを有し且つ略円形の形状であり、前記変化した深さの傷の最も深い部分は前記解放部の前記第1の部分を形成し、前記変化した深さの傷の最も浅い部分は前記解放部の前記第2の部分を形成していることを特徴とする請求項3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項6】
前記遮断可能な電気相互接続器は傷を備えた領域を含み、前記遮断可能な電気相互接続器の前記傷を備えた領域は、前記解放部が破裂する場合に前記遮断可能な電気相互接続器が破壊する位置を形成していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項7】
前記遮断可能な電気相互接続器は機械加工により薄くされた領域を含み、該機械加工により薄くされた領域は、前記解放部が破裂する場合に前記遮断可能な電気相互接続器が破壊する位置を形成していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項8】
前記遮断可能な電気相互接続器の少なくとも一部をカバーした、電気的に非導電性コーティングをさらに具備していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項9】
電気的に非導電性のポッティング材料をさらに具備し、該電気的に非導電性のポッティング材料は前記解放部を含んだ前記ターミナルの前記一部をカバーし、前記電気的に非導電性のポッティング材料は前記ターミナルの前記解放部に連結された前記遮断可能な電気相互接続器の少なくとも一部をカバーしていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項10】
支持基板をさらに具備し、該支持基板の一部は前記ターミナルと重なっており、前記支持基板は電気的に非導電性の材料を具備し、前記コネクタプレートは前記支持基板によって前記バッテリから離間されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項11】
前記ターミナルと重なった前記支持基板の前記一部は、前記ターミナルの前記面の前記傷の一部とも重なっていることを特徴とする請求項10に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項12】
前記ターミナルと重なった前記支持基板の前記一部は、前記ターミナルの前記面の前記傷と完全に重なっていることを特徴とする請求項10に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項13】
前記ターミナルと前記支持基板との間に配置された相互接続器連結層をさらに具備し、該相互接続器連結層は電気的に導電性の材料に含まれており、前記遮断可能な相互接続器は、該遮断可能な相互接続器の第1の端部と第2の端部との間の位置において前記相互接続器連結層に連結されており、前記第1の端部は前記解放部に連結されており、前記第2の端部は前記コネクタプレートに連結されていることを特徴とする請求項10に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項14】
前記ターミナルはバッテリキャップアセンブリ内に一体化されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【請求項15】
前記ターミナルはバッテリケーシングの外装面に一致していることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバッテリ相互接続システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−287567(P2010−287567A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110231(P2010−110231)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(509316442)テスラ・モーターズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(509316442)テスラ・モーターズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]