一体化捩り振動ダンパを備える弾性カップリング
【課題】安価な製造で２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証する配置を実現すること。
【解決手段】それぞれ互いに可動性に配設されている受けブッシング（２）を収容する支持体（１）を含んで成り、各受けブッシング（２）は、支持体（１）に着接する少なくとも１つの弾性に変形可能なレイヤー（３）に付設されている弾性カップリングが、安価な製造で２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証する配置を実現する課題を顧慮して、エラストマー（１０）及び振動リング（５）を含んで成る加硫捩り振動ダンパ（４）を特徴とする弾性カップリングを提供する。
【解決手段】それぞれ互いに可動性に配設されている受けブッシング（２）を収容する支持体（１）を含んで成り、各受けブッシング（２）は、支持体（１）に着接する少なくとも１つの弾性に変形可能なレイヤー（３）に付設されている弾性カップリングが、安価な製造で２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証する配置を実現する課題を顧慮して、エラストマー（１０）及び振動リング（５）を含んで成る加硫捩り振動ダンパ（４）を特徴とする弾性カップリングを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、支持体を含んで成る弾性カップリングに関し、支持体はそれぞれ亙いに可動に配設されている受けブッシングを有し、ここで各受けブッシングは、支持体に着接する少なくとも１つの弾性に変形可能なレイヤーに付設されている。本発明は、支持体を備える弾性カップリングに関し、支持体はそれぞれ亙いに可動に配設される複数の受けブッシングを有し、ここで各受けブッシングは、支持体に接着された弾性変形可能なレイヤーによって付設されている。
【背景技術】
【０００２】
このような弾性カップリングは、例えば特許文献１又は特許文献２より周知である。
【０００３】
２つのシャフト間の回転モーメント伝達のために頻繁に、弾性を備えるシャフトカップリングが使用され、発生する回転振動及び衝撃を減衰させている。周知のシャフトカップリングは通常、互いに結合されるシャフト若しくはシャフト端部の取付けフランジ及び取付けフランジ間に配設される弾性カップリングから成る。
【０００４】
弾性カップリングはその外周に一定の角度離隔で受けブッシングを有し、これは弾性カップリングの取付けフランジとの結合のための手段を収容する。
【０００５】
後輪または全輪駆動車のジョイントシャフト（アーティキュレーテッドシャフト）は常に軸方向若しくは角度のアンバランスを調整しなければならない。同時に４０００Ｎｍまでの高さの高い回転モーメントが伝達されなければならない。
【０００６】
シリンダ数が少ない最新の高過給内燃機関は相当な振動を発生させる。したがって、振動が減衰され、又は除去される弾性カップリングが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】独国特許出願公開第１０２００６０１２７５８Ａ１号明細書
【特許文献２】独国特許第１０２００８００７７６１．５号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明の課題は、安価な製造により２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証する配置を実現することにある。また、本発明の課題は、捩り振動を有効に低減することができる弾性カップリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、本願の請求項１による発明は、それぞれ互いに可動に配設される受けブッシング（２）を収容する支持体（１）を含んで成り、ここで各受けブッシング（２）は、前記支持体（１）に着接する少なくとも１個の弾性の変形可能なレイヤー（３）に付設されている弾性カップリングにおいて、エラストマー（１０）及び振動リング（５）を含んで成る捩り振動ダンパ（４）を有することを特徴とする弾性カップリングを提唱する。
【００１０】
また、本願の請求項２による発明は、前記捩り振動ダンパ（４）は前記支持体（１）と結合されており、且つ振動リング（５）を有することを特徴とする請求項１に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１１】
また、本願の請求項３による発明は、前記支持体（１）は、それらの間に３個、６個、又は８個の受けブッシング（２）を収容する結合部品（６）と対応部品（７）とから成り、前記振動リング（５）は前記支持体（１）の前記結合部品（６）と結合されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１２】
また、本願の請求項４による発明は、前記結合部品（６）は、前記対応部品（７）に軸方向で係合する少なくとも１個の結合フランジ（９）を有することを特徴とする請求項３に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１３】
また、本願の請求項５による発明は、前記振動リング（５）は、前記支持体（１）と前記振動リング（５）との間に収容されている少なくとも３個の転動体（１２）を介して支持されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１４】
また、本願の請求項６による発明は、前記振動リング（５）は、ねじり止め（１３）に着接可能であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１５】
また、本願の請求項７による発明は、前記振動リング（５）に係留固定手段（１５）が付設されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１６】
また、本願の請求項８による発明は、前記係留固定手段（１５）は前記支持体（１）の組立てに際して生じ、前記対応部品（７）に接続されている半径方向に突出する張出し部（１５ａ）を有することを特徴とする請求項７に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１７】
また、本願の請求項９による発明は、前記支持体（１）は、同軸方向で前記支持体（１）に配設されている多アームフランジ（１６）と結合されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１８】
更にまた、本願の請求項１０による発明は、前記多アームフランジ（１６）には同軸方向で前記多アームフランジ（１６）に配設されているセンタリングスリーブ（１７）が収容されていることを特徴とする請求項９に記載の弾性カップリングを提唱する。
【発明の効果】
【００１９】
本発明は、上記の課題を特許請求の範囲第１項の特徴によって解決する。
【００２０】
それによれば、冒頭に挙げた弾性カップリングは、エラストマー及び振動リング（フライホイールリング）を含んで成る加硫捩り振動ダンパを有することを特徴とする。
【００２１】
本発明によれば、これによって質量ダンパハブ（ダンパのハブ）を省略することができる。この場合、質量ダンパハブは弾性カップリングのいずれにしても存在する部材によって置き換え可能とされる。これによって部品コストを節約することができる。
【００２２】
更に、これによってボルト連結において捩り振動ダンパの要素がない場合でも許容差が狭くコストが大きい圧入が必要である。振動リングはこの場合、慣性質量としてエラストマーによって支持体に加硫される。その限りでは、安価な製造で２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証し、捩り振動ダンパを一体化する配置が実現可能である。
【００２３】
したがって、冒頭に挙げた課題が解決されている。
【００２４】
捩り振動ダンパは、支持体と結合され、且つ振動リングを有することができる。支持体に対して回転可動の振動リングによって有効にジョイントシャフトの振動を除去することができる。
【００２５】
支持体は、３個、６個、又は８個の受けブッシングをそれらの間に収容する結合部品と対応部品とから成り、ここで振動リングは支持体の結合部品と結合されている。この場合に有利なのは、振動リングは弾性カップリングの組立て前に結合部品と結合され、且つ較正（外径絞りのこと）されることである。具体的に振動リングは半径方向で内部へ較正できる。特に加硫による振動リングの結合部品ヘの結合は、弾性カップリングの別の部材を損傷することなく行うことができる。
【００２６】
結合部品は少なくとも１個の結合フランジ、しかし好ましくは３個の結合フランジを有することができ、これらは対応部品に軸方向で係合する。結合フランジの形成によって、振動リングは問題なく結合部品に加硫される。こうした背景の下、振動リングは加硫される。これによって支持体に対する振動リングの弾性の回転運動が確実に実現可能とされる。
【００２７】
振動リングはこの場合、エラストマーによって支持体と結合されている。
【００２８】
振動リングは、支持体と振動リングとの間に収容されるとともに茸状の拡大した端を有する少なくとも３個の転動体を介して支持され、それによって振動リングの内部ヘの半径方向の較正後に軸方向の固定が生じる。転動体は、振動リングを支持体に結合するエラストマーの凹みに収容されていることが好ましい。
【００２９】
振動リングはねじり止めに着接可能である。これによって振動リングの回転運動は制限され、明らかに減速される。
【００３０】
振動リングには係留固定手段を付設することができる。これによって振動リングの支持体からの軸方向の分離が阻止される。
【００３１】
係留固定手段は支持体の組立てに際して生じ（生成され）、対応部品に接続されている半径方向に突出する張出し部を有することができる。支持体の組立てに際して、すなわち対応部品と結合部品の軸方向の接合に際して、係留固定手段が生じ、半径方向に突出する張出し部によってその効果を発揮する。
【００３２】
支持体は、同軸方向で支持体に配設されている多アームフランジと結合することができる。好ましくは３アームフランジにシャフト端部を接続することができる。
【００３３】
多アームフランジには、同軸方向で多アームフランジに配設されているセンタリングスリーブが収容できる。これによってシャフトジャーナルが収容可能であり、且つ明らかにセンタリング可能となる。センタリングスリーブでは、シャフトジャーナルを包囲することができる弾性のレイヤーが収容されることが好ましい。
【００３４】
ここに記載された弾性カップリングは、内燃機関では高い回転モーメント及び振動が発生するという点で自動車での使用が好ましい。
【００３５】
そこで、本発明の開示を有利な方法で形成し、且つ発展させるさまざまな可能性がある。
【００３６】
そのために一方では従属クレームを、他方では図面を用いた本発明による弾性カップリングの好ましい実施例の以下の説明を参照されたい。
【００３７】
図面を用いた好ましい実施例の説明と関連して、開示の一般に好ましい形態及び発展形態も説明する。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】３つの別個に示された転動体が間に挿入可能である加硫振動リングを備えた結合部品を示す透視図である。
【図２】その支持体に６個の受けブッシングが収容されている弾性カップリングを示す透視分解図である。
【図３】図２による結合された弾性カップリングを示す透視断面図である。
【図４】図２による結合された弾性カップリングを示す透視図である。
【図５】図４による弾性カップリングの上面図を示す図である。
【図６】３つの別個に示された転動体が間に挿入されている加硫振動リングを備えた結合部品を示す図である。
【図７】その支持体に３個の受けブッシングが収容されている弾性カップリングの一部を示す透視分解図である。
【図８】その支持体に３個の受けブッシングが収容されている弾性カップリングを示し、その弾性カップリングが３アームフランジを有する透視分解図である。
【図９】図８による結合された弾性カップリングを示す透視断面図である。
【図１０】図８による結合された弾性カップリングを示す透視図である。
【図１１】図１０による弾性カップリングを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【００３９】
図４及び図１０は、それぞれ互いに可動に配設されている受けブッシング２を収容する支持体１を含んで成る弾性カップリング（ジョイントシャフトカップリング）をそれぞれ示し、ここで各受けブッシング２は、支持体１に着接する（接着される）少なくとも１つの弾性の変形可能な（弾性変形可能な）レイヤー３に付設されている。弾性カップリングは捩り振動ダンパ（ジョイントシャフト質量ダンパ）４を有する。受けブッシング２もそれぞれ支持体１に対して可動とされている。
【００４０】
弾性カップリングは、エラストマー１０及び振動リング５を含んで成る加硫捩り振動ダンパ４を有する。捩り振動ダンパ４は支持体１と結合されており、振動リング５及びエラストマー１０を有する。捩り振動ダンパ４は支持体１に連結されており、すなわち支持体１の外周側に配置された振動リング５と、支持体１および振動リング５間に配置されるとともに両者１，５に加硫接着されたエラストマー１０とを有する。エラストマー１０は円周上３箇所に等間隔で配置されている。
【００４１】
図２は、図４による弾性カップリングの分解図を示す。支持体１は、６個の受けブッシング２をそれらの間に収容する結合部品６と対応部品７とから成り、ここで振動リング５は支持体１の結合部品６と結合されている。結合部品６と対応部品７は１２個のリベット８によって互いに結合されている。
【００４２】
図１は、図２による結合部品６を示す。結合部品６は、対応部品７に軸方向で係合する３個の結合フランジ９を有する。結合フランジ９は１２０度シフトして配設されている。結合部品６には振動リング５が加硫されている。振動リング５はエラストマー１０によって結合部品６と結合されている。エラストマー１０には軸方向に延出する凹み１１が形成されており、ここに転動体１２が挿入可能とされている。
【００４３】
振動リング５は、支持体１と振動リング５との間に収容されている３個の転動体１２を介して支持されている。転動体１２は茸状（ポペット状）の拡大した端部を有し、それによって振動リング５の内部ヘの半径方向の較正後に軸方向の固定が生じる。
【００４４】
振動リング５は、ねじり止め１３に着接可能である。ねじり止め１３は半径方向に延出するあご部を含んで成り、ここに半径方向に延出する係合体１４が着接することができる。ねじり止め１３は、結合部品６に対する振動リング５の相対回転を所定角度までに規制するものである。
【００４５】
図３は、図４による弾性カップリングの透視断面を示す。振動リング５には係留固定手段１５が付設されており、これは半径方向に延出し、加硫捩り振動ダンパ４を備えた支持体１の追加の組立て後に生じる（生成されている）。係留固定手段１５は、対応部品７に接続されている半径方向に突出する３個の張出し部１５ａを含んで成る。係留固定手段１５は、結合部品６に対する振動リング５の軸方向相対変位を所定距離までに規制し、振動リング５を実質軸方向に抜け止めするものである。
【００４６】
図５は、図４による弾性カップリングの上面図を示す。
【００４７】
図１０は、支持体１が同軸方向で支持体１に配設されている３アームフランジ１６と結合されていることを示す。３アームフランジ１６には、同軸方向で３アームフランジ１６に配設されているセンタリングスリーブ１７が収容されている。センタリングスリーブ１７内部には弾性のレイヤー１８が配設されている。
【００４８】
図７及び図８は、図１０による弾性カップリングの分解図を示す。支持体１は結合部品６と対応部品７とから成り、これらは３個の受けブッシング２をそれらの間に収容し、ここで振動リング５は支持体１の結合部品６と結合されている。結合部品６、対応部品７、及び３アームフランジ１６はリベット８によって結合されている。
【００４９】
図６は、図７による結合部品６を示す。結合部品６はエラストマー１０によって振動リング５と結合されている。結合部品６には振動リング５が加硫されている。エラストマー１０には軸方向に延出する凹み１１が形成されており、これには転動体１２が挿入可能である。転動体１２は茸状に拡大した端部を有し、それによって振動リング５の内部ヘの半径方向の較正後に軸方向の固定が生じる。
【００５０】
振動リング５は、支持体１と振動リング５との間に収容されている３つの転動体１２を介して支持されている。
【００５１】
図９は、図１０による弾性カップリングの透視断面図を示す。図１１は図１０による弾性カップリングの上面図を示す。
【００５２】
本発明による開示のさらなる有利な形態及び発展形態に関して、一方では明細書の総説の部、及び他方では添付の特許請求の範囲を参照されたい。最後に特に力説すべきは、あらかじめ選択された実施例は本発明による開示の説明のために役立つが、この実施例に限定するものではないことである。
【符号の説明】
【００５３】
１ 支持体
２ 受けブッシング
３ 弾性の変形可能なレイヤー
４ 捩り振動ダンパ
５ 振動リング
６ 結合部品
７ 対応部品
８ リベット
９ 結合フランジ
１０ エラストマー
１１ 凹み
１２ 転動体
１３ ねじり止め
１４ 係合体
１５ 係留固定手段
１５ａ 張出し部
１６ 多アームフランジ
１７ センタリングスリーブ
１８ 弾性のレイヤー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、支持体を含んで成る弾性カップリングに関し、支持体はそれぞれ亙いに可動に配設されている受けブッシングを有し、ここで各受けブッシングは、支持体に着接する少なくとも１つの弾性に変形可能なレイヤーに付設されている。本発明は、支持体を備える弾性カップリングに関し、支持体はそれぞれ亙いに可動に配設される複数の受けブッシングを有し、ここで各受けブッシングは、支持体に接着された弾性変形可能なレイヤーによって付設されている。
【背景技術】
【０００２】
このような弾性カップリングは、例えば特許文献１又は特許文献２より周知である。
【０００３】
２つのシャフト間の回転モーメント伝達のために頻繁に、弾性を備えるシャフトカップリングが使用され、発生する回転振動及び衝撃を減衰させている。周知のシャフトカップリングは通常、互いに結合されるシャフト若しくはシャフト端部の取付けフランジ及び取付けフランジ間に配設される弾性カップリングから成る。
【０００４】
弾性カップリングはその外周に一定の角度離隔で受けブッシングを有し、これは弾性カップリングの取付けフランジとの結合のための手段を収容する。
【０００５】
後輪または全輪駆動車のジョイントシャフト（アーティキュレーテッドシャフト）は常に軸方向若しくは角度のアンバランスを調整しなければならない。同時に４０００Ｎｍまでの高さの高い回転モーメントが伝達されなければならない。
【０００６】
シリンダ数が少ない最新の高過給内燃機関は相当な振動を発生させる。したがって、振動が減衰され、又は除去される弾性カップリングが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】独国特許出願公開第１０２００６０１２７５８Ａ１号明細書
【特許文献２】独国特許第１０２００８００７７６１．５号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明の課題は、安価な製造により２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証する配置を実現することにある。また、本発明の課題は、捩り振動を有効に低減することができる弾性カップリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、本願の請求項１による発明は、それぞれ互いに可動に配設される受けブッシング（２）を収容する支持体（１）を含んで成り、ここで各受けブッシング（２）は、前記支持体（１）に着接する少なくとも１個の弾性の変形可能なレイヤー（３）に付設されている弾性カップリングにおいて、エラストマー（１０）及び振動リング（５）を含んで成る捩り振動ダンパ（４）を有することを特徴とする弾性カップリングを提唱する。
【００１０】
また、本願の請求項２による発明は、前記捩り振動ダンパ（４）は前記支持体（１）と結合されており、且つ振動リング（５）を有することを特徴とする請求項１に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１１】
また、本願の請求項３による発明は、前記支持体（１）は、それらの間に３個、６個、又は８個の受けブッシング（２）を収容する結合部品（６）と対応部品（７）とから成り、前記振動リング（５）は前記支持体（１）の前記結合部品（６）と結合されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１２】
また、本願の請求項４による発明は、前記結合部品（６）は、前記対応部品（７）に軸方向で係合する少なくとも１個の結合フランジ（９）を有することを特徴とする請求項３に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１３】
また、本願の請求項５による発明は、前記振動リング（５）は、前記支持体（１）と前記振動リング（５）との間に収容されている少なくとも３個の転動体（１２）を介して支持されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１４】
また、本願の請求項６による発明は、前記振動リング（５）は、ねじり止め（１３）に着接可能であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１５】
また、本願の請求項７による発明は、前記振動リング（５）に係留固定手段（１５）が付設されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１６】
また、本願の請求項８による発明は、前記係留固定手段（１５）は前記支持体（１）の組立てに際して生じ、前記対応部品（７）に接続されている半径方向に突出する張出し部（１５ａ）を有することを特徴とする請求項７に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１７】
また、本願の請求項９による発明は、前記支持体（１）は、同軸方向で前記支持体（１）に配設されている多アームフランジ（１６）と結合されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載の弾性カップリングを提唱する。
【００１８】
更にまた、本願の請求項１０による発明は、前記多アームフランジ（１６）には同軸方向で前記多アームフランジ（１６）に配設されているセンタリングスリーブ（１７）が収容されていることを特徴とする請求項９に記載の弾性カップリングを提唱する。
【発明の効果】
【００１９】
本発明は、上記の課題を特許請求の範囲第１項の特徴によって解決する。
【００２０】
それによれば、冒頭に挙げた弾性カップリングは、エラストマー及び振動リング（フライホイールリング）を含んで成る加硫捩り振動ダンパを有することを特徴とする。
【００２１】
本発明によれば、これによって質量ダンパハブ（ダンパのハブ）を省略することができる。この場合、質量ダンパハブは弾性カップリングのいずれにしても存在する部材によって置き換え可能とされる。これによって部品コストを節約することができる。
【００２２】
更に、これによってボルト連結において捩り振動ダンパの要素がない場合でも許容差が狭くコストが大きい圧入が必要である。振動リングはこの場合、慣性質量としてエラストマーによって支持体に加硫される。その限りでは、安価な製造で２つのシャフト端部の運転に適した結合を保証し、捩り振動ダンパを一体化する配置が実現可能である。
【００２３】
したがって、冒頭に挙げた課題が解決されている。
【００２４】
捩り振動ダンパは、支持体と結合され、且つ振動リングを有することができる。支持体に対して回転可動の振動リングによって有効にジョイントシャフトの振動を除去することができる。
【００２５】
支持体は、３個、６個、又は８個の受けブッシングをそれらの間に収容する結合部品と対応部品とから成り、ここで振動リングは支持体の結合部品と結合されている。この場合に有利なのは、振動リングは弾性カップリングの組立て前に結合部品と結合され、且つ較正（外径絞りのこと）されることである。具体的に振動リングは半径方向で内部へ較正できる。特に加硫による振動リングの結合部品ヘの結合は、弾性カップリングの別の部材を損傷することなく行うことができる。
【００２６】
結合部品は少なくとも１個の結合フランジ、しかし好ましくは３個の結合フランジを有することができ、これらは対応部品に軸方向で係合する。結合フランジの形成によって、振動リングは問題なく結合部品に加硫される。こうした背景の下、振動リングは加硫される。これによって支持体に対する振動リングの弾性の回転運動が確実に実現可能とされる。
【００２７】
振動リングはこの場合、エラストマーによって支持体と結合されている。
【００２８】
振動リングは、支持体と振動リングとの間に収容されるとともに茸状の拡大した端を有する少なくとも３個の転動体を介して支持され、それによって振動リングの内部ヘの半径方向の較正後に軸方向の固定が生じる。転動体は、振動リングを支持体に結合するエラストマーの凹みに収容されていることが好ましい。
【００２９】
振動リングはねじり止めに着接可能である。これによって振動リングの回転運動は制限され、明らかに減速される。
【００３０】
振動リングには係留固定手段を付設することができる。これによって振動リングの支持体からの軸方向の分離が阻止される。
【００３１】
係留固定手段は支持体の組立てに際して生じ（生成され）、対応部品に接続されている半径方向に突出する張出し部を有することができる。支持体の組立てに際して、すなわち対応部品と結合部品の軸方向の接合に際して、係留固定手段が生じ、半径方向に突出する張出し部によってその効果を発揮する。
【００３２】
支持体は、同軸方向で支持体に配設されている多アームフランジと結合することができる。好ましくは３アームフランジにシャフト端部を接続することができる。
【００３３】
多アームフランジには、同軸方向で多アームフランジに配設されているセンタリングスリーブが収容できる。これによってシャフトジャーナルが収容可能であり、且つ明らかにセンタリング可能となる。センタリングスリーブでは、シャフトジャーナルを包囲することができる弾性のレイヤーが収容されることが好ましい。
【００３４】
ここに記載された弾性カップリングは、内燃機関では高い回転モーメント及び振動が発生するという点で自動車での使用が好ましい。
【００３５】
そこで、本発明の開示を有利な方法で形成し、且つ発展させるさまざまな可能性がある。
【００３６】
そのために一方では従属クレームを、他方では図面を用いた本発明による弾性カップリングの好ましい実施例の以下の説明を参照されたい。
【００３７】
図面を用いた好ましい実施例の説明と関連して、開示の一般に好ましい形態及び発展形態も説明する。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】３つの別個に示された転動体が間に挿入可能である加硫振動リングを備えた結合部品を示す透視図である。
【図２】その支持体に６個の受けブッシングが収容されている弾性カップリングを示す透視分解図である。
【図３】図２による結合された弾性カップリングを示す透視断面図である。
【図４】図２による結合された弾性カップリングを示す透視図である。
【図５】図４による弾性カップリングの上面図を示す図である。
【図６】３つの別個に示された転動体が間に挿入されている加硫振動リングを備えた結合部品を示す図である。
【図７】その支持体に３個の受けブッシングが収容されている弾性カップリングの一部を示す透視分解図である。
【図８】その支持体に３個の受けブッシングが収容されている弾性カップリングを示し、その弾性カップリングが３アームフランジを有する透視分解図である。
【図９】図８による結合された弾性カップリングを示す透視断面図である。
【図１０】図８による結合された弾性カップリングを示す透視図である。
【図１１】図１０による弾性カップリングを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【００３９】
図４及び図１０は、それぞれ互いに可動に配設されている受けブッシング２を収容する支持体１を含んで成る弾性カップリング（ジョイントシャフトカップリング）をそれぞれ示し、ここで各受けブッシング２は、支持体１に着接する（接着される）少なくとも１つの弾性の変形可能な（弾性変形可能な）レイヤー３に付設されている。弾性カップリングは捩り振動ダンパ（ジョイントシャフト質量ダンパ）４を有する。受けブッシング２もそれぞれ支持体１に対して可動とされている。
【００４０】
弾性カップリングは、エラストマー１０及び振動リング５を含んで成る加硫捩り振動ダンパ４を有する。捩り振動ダンパ４は支持体１と結合されており、振動リング５及びエラストマー１０を有する。捩り振動ダンパ４は支持体１に連結されており、すなわち支持体１の外周側に配置された振動リング５と、支持体１および振動リング５間に配置されるとともに両者１，５に加硫接着されたエラストマー１０とを有する。エラストマー１０は円周上３箇所に等間隔で配置されている。
【００４１】
図２は、図４による弾性カップリングの分解図を示す。支持体１は、６個の受けブッシング２をそれらの間に収容する結合部品６と対応部品７とから成り、ここで振動リング５は支持体１の結合部品６と結合されている。結合部品６と対応部品７は１２個のリベット８によって互いに結合されている。
【００４２】
図１は、図２による結合部品６を示す。結合部品６は、対応部品７に軸方向で係合する３個の結合フランジ９を有する。結合フランジ９は１２０度シフトして配設されている。結合部品６には振動リング５が加硫されている。振動リング５はエラストマー１０によって結合部品６と結合されている。エラストマー１０には軸方向に延出する凹み１１が形成されており、ここに転動体１２が挿入可能とされている。
【００４３】
振動リング５は、支持体１と振動リング５との間に収容されている３個の転動体１２を介して支持されている。転動体１２は茸状（ポペット状）の拡大した端部を有し、それによって振動リング５の内部ヘの半径方向の較正後に軸方向の固定が生じる。
【００４４】
振動リング５は、ねじり止め１３に着接可能である。ねじり止め１３は半径方向に延出するあご部を含んで成り、ここに半径方向に延出する係合体１４が着接することができる。ねじり止め１３は、結合部品６に対する振動リング５の相対回転を所定角度までに規制するものである。
【００４５】
図３は、図４による弾性カップリングの透視断面を示す。振動リング５には係留固定手段１５が付設されており、これは半径方向に延出し、加硫捩り振動ダンパ４を備えた支持体１の追加の組立て後に生じる（生成されている）。係留固定手段１５は、対応部品７に接続されている半径方向に突出する３個の張出し部１５ａを含んで成る。係留固定手段１５は、結合部品６に対する振動リング５の軸方向相対変位を所定距離までに規制し、振動リング５を実質軸方向に抜け止めするものである。
【００４６】
図５は、図４による弾性カップリングの上面図を示す。
【００４７】
図１０は、支持体１が同軸方向で支持体１に配設されている３アームフランジ１６と結合されていることを示す。３アームフランジ１６には、同軸方向で３アームフランジ１６に配設されているセンタリングスリーブ１７が収容されている。センタリングスリーブ１７内部には弾性のレイヤー１８が配設されている。
【００４８】
図７及び図８は、図１０による弾性カップリングの分解図を示す。支持体１は結合部品６と対応部品７とから成り、これらは３個の受けブッシング２をそれらの間に収容し、ここで振動リング５は支持体１の結合部品６と結合されている。結合部品６、対応部品７、及び３アームフランジ１６はリベット８によって結合されている。
【００４９】
図６は、図７による結合部品６を示す。結合部品６はエラストマー１０によって振動リング５と結合されている。結合部品６には振動リング５が加硫されている。エラストマー１０には軸方向に延出する凹み１１が形成されており、これには転動体１２が挿入可能である。転動体１２は茸状に拡大した端部を有し、それによって振動リング５の内部ヘの半径方向の較正後に軸方向の固定が生じる。
【００５０】
振動リング５は、支持体１と振動リング５との間に収容されている３つの転動体１２を介して支持されている。
【００５１】
図９は、図１０による弾性カップリングの透視断面図を示す。図１１は図１０による弾性カップリングの上面図を示す。
【００５２】
本発明による開示のさらなる有利な形態及び発展形態に関して、一方では明細書の総説の部、及び他方では添付の特許請求の範囲を参照されたい。最後に特に力説すべきは、あらかじめ選択された実施例は本発明による開示の説明のために役立つが、この実施例に限定するものではないことである。
【符号の説明】
【００５３】
１ 支持体
２ 受けブッシング
３ 弾性の変形可能なレイヤー
４ 捩り振動ダンパ
５ 振動リング
６ 結合部品
７ 対応部品
８ リベット
９ 結合フランジ
１０ エラストマー
１１ 凹み
１２ 転動体
１３ ねじり止め
１４ 係合体
１５ 係留固定手段
１５ａ 張出し部
１６ 多アームフランジ
１７ センタリングスリーブ
１８ 弾性のレイヤー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
それぞれ互いに可動に配設される受けブッシング（２）を収容する支持体（１）を含んで成り、ここで各受けブッシング（２）は、前記支持体（１）に着接する少なくとも１個の弾性の変形可能なレイヤー（３）に付設されている弾性カップリングにおいて、エラストマー（１０）及び振動リング（５）を含んで成る捩り振動ダンパ（４）を有することを特徴とする弾性カップリング。
【請求項２】
前記捩り振動ダンパ（４）は前記支持体（１）と結合されており、且つ振動リング（５）を有することを特徴とする請求項１に記載の弾性カップリング。
【請求項３】
前記支持体（１）は、それらの間に３個、６個、又は８個の受けブッシング（２）を収容する結合部品（６）と対応部品（７）とから成り、前記振動リング（５）は前記支持体（１）の前記結合部品（６）と結合されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の弾性カップリング。
【請求項４】
前記結合部品（６）は、前記対応部品（７）に軸方向で係合する少なくとも１個の結合フランジ（９）を有することを特徴とする請求項３に記載の弾性カップリング。
【請求項５】
前記振動リング（５）は、前記支持体（１）と前記振動リング（５）との間に収容されている少なくとも３個の転動体（１２）を介して支持されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項６】
前記振動リング（５）は、ねじり止め（１３）に着接可能であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項７】
前記振動リング（５）に係留固定手段（１５）が付設されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項８】
前記係留固定手段（１５）は前記支持体（１）の組立てに際して生じ、前記対応部品（７）に接続されている半径方向に突出する張出し部（１５ａ）を有することを特徴とする請求項７に記載の弾性カップリング。
【請求項９】
前記支持体（１）は、同軸方向で前記支持体（１）に配設されている多アームフランジ（１６）と結合されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項１０】
前記多アームフランジ（１６）には同軸方向で前記多アームフランジ（１６）に配設されているセンタリングスリーブ（１７）が収容されていることを特徴とする請求項９に記載の弾性カップリング。
【請求項１】
それぞれ互いに可動に配設される受けブッシング（２）を収容する支持体（１）を含んで成り、ここで各受けブッシング（２）は、前記支持体（１）に着接する少なくとも１個の弾性の変形可能なレイヤー（３）に付設されている弾性カップリングにおいて、エラストマー（１０）及び振動リング（５）を含んで成る捩り振動ダンパ（４）を有することを特徴とする弾性カップリング。
【請求項２】
前記捩り振動ダンパ（４）は前記支持体（１）と結合されており、且つ振動リング（５）を有することを特徴とする請求項１に記載の弾性カップリング。
【請求項３】
前記支持体（１）は、それらの間に３個、６個、又は８個の受けブッシング（２）を収容する結合部品（６）と対応部品（７）とから成り、前記振動リング（５）は前記支持体（１）の前記結合部品（６）と結合されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の弾性カップリング。
【請求項４】
前記結合部品（６）は、前記対応部品（７）に軸方向で係合する少なくとも１個の結合フランジ（９）を有することを特徴とする請求項３に記載の弾性カップリング。
【請求項５】
前記振動リング（５）は、前記支持体（１）と前記振動リング（５）との間に収容されている少なくとも３個の転動体（１２）を介して支持されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項６】
前記振動リング（５）は、ねじり止め（１３）に着接可能であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項７】
前記振動リング（５）に係留固定手段（１５）が付設されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項８】
前記係留固定手段（１５）は前記支持体（１）の組立てに際して生じ、前記対応部品（７）に接続されている半径方向に突出する張出し部（１５ａ）を有することを特徴とする請求項７に記載の弾性カップリング。
【請求項９】
前記支持体（１）は、同軸方向で前記支持体（１）に配設されている多アームフランジ（１６）と結合されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載の弾性カップリング。
【請求項１０】
前記多アームフランジ（１６）には同軸方向で前記多アームフランジ（１６）に配設されているセンタリングスリーブ（１７）が収容されていることを特徴とする請求項９に記載の弾性カップリング。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１１−２４７４１６（Ｐ２０１１−２４７４１６Ａ）
【公開日】平成２３年１２月８日（２０１１．１２．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１１２１９１（Ｐ２０１１−１１２１９１）
【出願日】平成２３年５月１９日（２０１１．５．１９）
【出願人】（０００００４３８５）ＮＯＫ株式会社 (1,527)
【公開日】平成２３年１２月８日（２０１１．１２．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月１９日（２０１１．５．１９）
【出願人】（０００００４３８５）ＮＯＫ株式会社 (1,527)
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