説明

一体型蒸発/ストリッピング吸収モジュール

方法において、液体混合物流の一部が蒸発されて、蒸気の流れおよび液体の減損流を生成する。蒸気は、蒸気から1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインに案内され、熱が除去されて、少なくとも熱の流れ、および1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れを作り出す。前に引き出された熱が伝達されて、蒸発を推進させる。このような熱伝達は、気体状態から液体状態への作動流体の相変化に関連している。熱の除去は、液体状態から気体状態への作動流体の相変化を伴なう。液体状態では、作動流体は、重力、対流およびウィッキングの1つまたは複数によってのみ流れる。気体状態では、作動流体は、拡散および対流の1つまたは複数によってのみ流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に流体分離の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
流体分離の分野では、プロセス蒸気の吸収、および間接的な熱の生成のために、LiBrブラインなどのブラインを利用することが知られている。また、ポンプを利用して熱搬送流体を熱交換回路周りで循環させ、吸収器[absorber]によって生成された熱を蒸発器[evaporator]またはボイラに搬送し、プロセス蒸気を生成することが知られている。
【発明の概要】
【0003】
蒸発によって蒸気の流れと液体の減損流[depleted flow]とに分離可能な液体混合物の流れと共に使用する方法が、本発明の一態様を形成する。この方法は、前記液体混合物流の一部が蒸発されて、前記蒸気の流れおよび前記液体の減損流を生成する蒸発ステップと、(i)蒸気の流れが、蒸気から1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れに案内され、(ii)熱を除去して、少なくとも熱の流れ、および1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れを作り出す吸収ステップと、吸収ステップで除去された熱が伝達されて、蒸発ステップでの蒸発を推進させる熱伝達ステップとを含んでいる。蒸発を推進するための熱の伝達は、気体状態から液体状態への作動流体の相変化に関連している。吸収ステップでの熱の除去は、液体状態から気体状態への作動流体の相変化を伴なう。液体状態では、作動流体は、重力、対流およびウィッキング[wicking]の1つまたは複数によってのみ流れる。
【0004】
気体状態では、作動流体は、拡散および対流の1つまたは複数によってのみ流れる。
【0005】
装置が本発明の別の態様を形成する。この装置は、蒸発によって蒸気の流れと液体の減損流とに分離可能な液体混合物の流れと共に使用される。この装置は、使用の際に、以下の構造を有する。すなわち、
・ 前記液体混合物が受けられ、前記蒸気の流れと前記液体の減損流とに分離される第1の容積(volume)を画定する。
・ 第1の液体通路を画定し、これによって前記減損流が第1の容積から出る。
・ 蒸気通路を画定し、これによって前記蒸気の流れが第1の容積から出る。
・ 蒸気通路がつながる第2の容積を画定する。
・ 第2の容積内に少なくとも部分的に配置された熱および質量伝達装置[heat and mass transfer apparatus]を備え、熱および質量伝達装置は、(i)蒸気から1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れを受け、(ii)ブラインの流れを蒸気に案内し、(iii)第2の容積から熱を除去して、少なくとも熱の流れ、および1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れを作り出す。
・ 第2の液体通路を画定し、これによって1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れが第2の容積から出る。
・ 前記分離を行なうために、第1の容積に熱の流れを伝達する熱移動装置[heat movement apparatus]を備えている。
【0006】
この装置では、使用の際、第1の容積への熱の伝達は、気体状態から液体状態への作動流体の相変化に関連している。第2の容積からの熱の除去は、液体状態から気体状態への作動流体の相変化を伴なう。液体状態では、作動流体は、重力、対流およびウィッキングの1つまたは複数によってのみ流れる。気体状態では、作動流体は、拡散および対流の1つまたは複数によってのみ流れる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、熱移動装置および熱および質量伝達装置の一部を1つまたは複数の熱パイプによって画定することができ、前記1つまたは複数の熱パイプはそれぞれ、第2の容積内に配置された熱受け部、および第1の容積内に配置された熱送達部を有し、前記熱伝達を行なう。
【0008】
本発明の別の態様によれば、第1の容積内に配置された熱パイプのその部分が充填された蒸発カラムとして使用の際に働き、第2の容積内に配置された熱パイプのその部分が充填された吸収カラムとして使用の際に働くように、1つまたは複数の熱パイプを積み重ねることができる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、使用の際、第1の容積から出る蒸気は、第1の容積に入る液体混合物と実質的に気液平衡である可能性がある。
【0010】
本発明の別の態様によれば、使用の際、第1の容積から出る液体の減損流の温度は、第1の容積に入る液体混合物の温度より低い可能性がある。
【0011】
本発明の別の態様によれば、使用の際、第1の容積内の圧力、および第1の容積に入る液体混合物の温度は、第1の容積に伝達される熱のほぼ全てが、液体混合物の蒸発につながるようなものである可能性がある。
【0012】
本発明の別の態様によれば、構造はさらに、第2の容積からつながるベントを画定することができ、使用の際、蒸気の少なくとも実質的な部分を第2の容積に吸収することができ、残りはベントを介して第2の容積から出る。
【0013】
本発明の別の態様によれば、装置はさらに、熱および質量伝達装置によって生成されるブラインの流れを受け、蒸気から前記1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れ、および製品流れを作り出す脱離装置を備えることができる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、装置はさらに、使用の際、(i)蒸気の残りを受け、(ii)希釈ブラインを作り出すために、1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの二次流れに蒸気の残りを案内する二次吸収器を備えることができる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、脱離装置はさらに、希釈ブラインを受けることができ、さらにブラインの二次流れを作り出す。
【0016】
本発明の別の態様によれば、使用の際、第1の容積および第2の容積内の圧力を、大気圧と比べて小さくすることができ、少なくとも蒸気の大部分を第2の容積内に吸収させることができ、真空ポンプは、装置から放出される蒸気の非濃縮物を少なくとも提供することができる。
【0017】
本発明の別の態様によれば、第1の容積を1つまたは複数の第1の空隙によって画定することができ、第2の容積を1つまたは複数の第2の空隙によって画定することができる。
【0018】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の第1の空隙それぞれ、および1つまたは複数の第2の空隙それぞれを、それぞれの容器によって画定することができ、配管は蒸気通路を画定することができる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の第1の空隙それぞれ、および1つまたは複数の第2の空隙それぞれを、容器内で画定することができる。
【0020】
本発明の別の態様によれば、容器の外部にある配管は蒸気通路を画定することができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、容器は1つまたは複数の第1の空隙、および1つまたは複数の第2の空隙を画定するために、隔壁[bulkhead]によって区分化することができ、隔壁内に画定された1つまたは複数の開口部は蒸気通路を画定することができる。装置は、本発明の別の態様を形成するバイオプロダクト製造設備[bioproduct production facility]の一部を形成することができる。設備は、装置に加えて、使用の際に、培養液の異化が連続して行われる機構(arrangement)を備えている。装置[apparatus]は、連続して培養液[broth]の異化の流れを引き出し、抑制剤を含有する流れおよび残りの流れを作り出すために、引き出された培養液から異化作用抑制剤を取り除き、機構に残りの流れを戻すように機構に結合されている。
【0022】
本発明の別の態様によれば、異化作用は発酵であってもよく、抑制剤はアルコールであってもよい。
【0023】
本発明の別の態様によれば、抑制剤を含有する流れは、培養液より高い濃度の抑制剤を有することができる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、使用の際、毒素の蓄積を防ぐために培養液のブリード流れを引き出すことができ、ブリード流れを一括して発酵させることができ、設備はさらに、一括発酵の製品を受け取り、(i)エタノールが実質的に取り除かれた全アルコール蒸留廃液[whole stillage]の流れ、および(ii)脱離装置に供給され分離されたエタノール内で濃縮されたブラインを作り出す、別の装置を備えることができる。
【0025】
本発明の別の態様によれば、使用の際、機構から引き出された培養液は、約28〜32℃の温度、および約4〜10%のエタノール濃度を有することができ、残りの流れは、引き出された流れより約2〜4℃低い温度を有し、引き出された流れより約2〜6%低いエタノール濃度を有することができ、第1の容積内の圧力は約30〜100トールである可能性がある。
【0026】
本発明の別の態様によれば、使用の際、機構から引き出された培養液は、約30℃の温度、および約7%のエタノール濃度を有することができ、残りの流れは約28℃の温度、および約2%のエタノール濃度を有することができ、第1の容積内の圧力は約30トールである可能性がある。
【0027】
本発明の別の態様によれば、熱パイプを共通軸と平行に配置することができ、構造は共通軸に垂直に配向された水平軸周りに旋回移動するようにすることができる。
【0028】
本発明の装置は、本発明のさらに別の態様によれば、使用の際に、培養液の異化が一括して行われる機構を備えるバイオプロダクト設備の一部を形成することができる。この設備では、装置は、培養液の流れを引き出し、抑制剤を含有する流れおよび残りの流れを作り出すために、引き出された培養液から異化作用抑制剤を取り除き、機構に残りの流れを戻すように機構に結合されている。
【0029】
本発明の他の利点、特性および特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討すればより明らかになるだろう。図面をこれ以下に簡単に説明し、図面では、同様の参照番号は全体を通して同様の構造を示すことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の例示的な実施形態によるストリッピング/吸収モジュールの概略図である。
【図2】例示的な使用における、図1のモジュールの概略図である。
【図3】図1の構造の別の例示的な使用の、図2と同様の図である。
【図4】図1の構造の別の例示的な使用を示す別の概略図である。
【図5】図1による2つのモジュールを利用するエタノール製造設備の概略図である。
【図6】図4の構造の単純化した図と組み合わせた、図5のエタノール製造設備の単純化した概略図である。
【図7】図1のモジュールの代替実施形態の概略図である。
【図8】図1のモジュールのさらに別の実施形態の概略図である。
【図9】図1のモジュールのさらに別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ストリッピング/吸収モジュール(SAM)は、概略図の形で図1に示されており、全体的に参照番号20で示されている。
【0032】
このモジュールは、容器21と、1対の隔壁22、24、複数の熱パイプ26、および1対のディストリビュータ[distributor]28、30とを備えている。
【0033】
容器21は、低い圧力、例えば30トールでの動作に適した頑丈な容器である。
【0034】
1対の隔壁は、第1の隔壁22および第2の隔壁24を備えている。第1の隔壁22は、容器の基部から上向きに延びており、容器の上部の下で終了する。第2の隔壁24は、第1の隔壁と間隔を置いた関係で配置されており、容器の上部から下向きに延び、基部の上で終了する。この構成を通して、第1の空隙32および第2の空隙34は容器の内部に画定され、隔壁22と24の間の空間によって画定された導管35によって互いに結合されている。
【0035】
容器は、複数のポート36〜44、各空隙の基部の1つの下側ポート36、38、各空隙の上部に隣接した1つの上側ポート40、42、および第2の空隙34の上部に近接した1つの最上側ポート44によって途切れている。
【0036】
複数の熱パイプ26は、第1の空隙32から第2の空隙34まで延びており、第2の空隙34から第1の空隙32まで熱を搬送するためのものである。熱パイプ26は、従来の構造のものであり、本明細書で詳細には説明しない。
【0037】
1対のディストリビュータ28、30は、第1および第2の空隙32、34の上側ポート40、42からそれぞれ延びており、熱パイプ26を濡らすようになされている。
【0038】
このことから、図示するSAMの主な機能的特徴は、以下であることを理解されたい。すなわち、
・ 第1の空隙32、
・ 第2の空隙34、
・ 第1および第2の空隙をつなぐ導管35、
・ 下側ポート36、38、
・ 上側ポート40、42、
・ 最上側ポート44、
・ 熱パイプ26、および
・ ディストリビュータ28、30。
【0039】
蒸発によって蒸気の流れと液体の減損流とに分離可能な混合液体の流れと共に使用される例示的な分離装置の概略的実施形態である図2は、このような主な機能的特徴が使用の際に動作する方法を示している。
【0040】
本明細書では、モジュール20は、二次吸収器46および脱離装置48と共に示されていることが分かるだろう。
【0041】
最初にモジュール20を参照すると、第1の空隙32は第1の容積を形成することが分かるだろう。ここでは、混合液体の流れが受けられ、前述の蒸気の流れおよび液体の減損流に部分的に蒸発される。蒸発が行われる方法は、熱パイプに関する記載において、以下に説明されている。
【0042】
第1の容積の基部の下側ポート42は、第1の液体通路を画定し、これによって前記液体の減損流が第1の容積32から出る。
【0043】
導管35は蒸気通路を画定し、これによって前記蒸気の流れが第1の容積32から出る。
【0044】
第2の空隙34は、蒸気通路35がつながる第2の容積を画定する。
【0045】
最上側ポート44はベントを画定する。
【0046】
ディストリビュータ28、30および熱パイプ26は共に、熱および質量伝達装置および熱移動装置を画定する。熱および質量伝達装置は、(i)蒸気から1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れを受け、(ii)ブラインの流れを蒸気に案内し(すなわち、ブラインは熱パイプ26上で第2の容積34内に噴霧または落下される)、(iii)第2の容積から熱を除去して、少なくとも熱の流れ、および1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れを作り出す。熱移動装置は、前記分離を行なうために、第1の容積32に熱の流れを伝達し、そのようにして、各熱パイプ26は、第2の容積内に配置された熱受け部、および第1の容積内に配置された熱送達部を有する。
【0047】
ブラインは例えば、40%から70%の間、好ましくは45%から65%の間の臭化リチウム質量濃度を有するLiBr溶液だけである可能性がある。しかし、当技術分野で知られているあらゆる吸収剤流体が適切である。
【0048】
第2の容積34の基部の下側ポート38は、第2の液体通路を画定し、これによって1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れが第2の容積34から出る。
【0049】
熱パイプの使用により、第1の容積内への熱の伝達は、気体状態から液体状態への作動流体、この場合、水の相変化に関連しており、第2の容積からの熱の除去は、液体状態から気体状態への作動流体の蒸発を伴ない、液体状態の作動流体は、重力またはウィッキングの1つまたは複数によってのみ流れ、このような気体状態の作動流体は拡散および対流の1つまたは複数によってのみ流れることが分かるだろう。応用例によって、水以外の作動流体を使用することができ、使用されるが、アンモニアおよび商業用冷却剤流体は2つの例であるに過ぎない。作動流体の選択は、当業者にとっては通常のことであり、したがって本明細書には記載しない。
【0050】
第1の容積32内に配置された熱パイプのその部分が充填された蒸発カラムとして使用の際に働き、第2の容積34内に配置された熱パイプのその部分が充填された吸収カラムとして使用の際に働くように、熱パイプ26は積み重ねられている。
【0051】
したがって、
・ 第1の容積32から出る蒸気は、第1の容積32に入る混合液体と実質的に気液平衡であり、
・ 蒸気の少なくとも実質的な部分は、第2の容積34内に吸収され、残りはベント44を介して第2の容積からでる。
【0052】
二次吸収器46は、(i)蒸気の残り、すなわちSAM内に吸収されないその部分を受け、(ii)1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの二次流れに蒸気の残りを案内する。これにより、希釈ブラインが作り出され、また非吸収気体の気体流および任意の非吸収吸収体が作り出され、吸収体は矢印50に沿って二次吸収器から出される。
【0053】
脱離装置48、すなわちボイラまたは蒸留装置は、熱および質量伝達装置によって生成されるブラインの流れ、および二次吸収器46によって作り出される希釈ブラインを受け、
・ 蒸気から少なくとも1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れ52、ブラインの二次流れ54、および
・ 製品流れ56を作り出す。
【0054】
図3は、第1の容積および第2の容積内の圧力が大気圧と比べて小さくされる環境での使用のための、図2の構造の変更形態を示している。この応用例では、濃縮された蒸気の少なくとも大部分が第2の容積内に吸収され、真空ポンプ58が、装置から放出される蒸気内に非濃縮物およびあらゆる非吸収濃縮物を提供する。
【0055】
次に図4を参照すると、りんごジュースを濃縮するために有用に使用することができる工場を、概略的な形で示していることが分かるだろう。この工場は通常、SAM20、二次吸収器46および真空ポンプ58を備えているが、(この応用例の目的は、混合液体を分画することではなく、単にジュースを濃縮することであるので)脱離装置48が蒸留デバイスではなく、2段階脱離装置を有するという点で、図3の構造と同様である。2段階脱離装置は、有利にはプロセスの様々な部分の間に熱を通過させるためのいくつかのエコノマイザ60、1対のボイラ62、および様々なポンプ64を備えている。このシステムの動作に関して予測が行われ、その値は以下の表1に記載されている通りである。
【0056】
【表1】

【0057】
流れ12を介して(125psig流れの形での)予測エネルギー入力は、557Btu/lbの蒸発した水である。これは、単純な蒸発効率(約1000Btu/lb)とは対照的であることが望ましい。同時に、設備は、概略図を検討すれば当業者には明らかであるように、建設および作動させるのが比較的安価であることが予測される。
【0058】
次に図5を参照すると、エタノール製造設備が概略的な形で示されており、以下のものを備えると考えられる。
・ コーン製粉設備66、調理/液化設備68、および糖化設備70。これらは、コーンを取り入れ、そこから発酵に適した原料を生成するという点において、全て実質的に従来のものである。
・ 水、酵素および酵母の流れを作り出すための、酵母調整設備72。
・ 原料、水などが供給され、発酵が連続的に起こり、そこから抽気流れ135が引き出される連続撹拌槽型反応炉(CSTR)76。
・ 連続して発酵培養液の流れを引き出す、好ましくは引き出された培養液からアルコールを取り除いて、濃縮アルコール(ブライン)流れ104および残りの流れ131を作り出し、残りの流れ131をCSTR76に戻すように、CSTRに結合されたSAMデバイス20。
・ 抽気流れ135を一括で受けて発酵させるバッチ・タンク78。
・ バッチ・タンク78から製品を受け、(i)エタノールがそこから実質的に取り除かれた全アルコール蒸留廃液の流れ、および(ii)エタノール中で濃縮されたブラインを作り出すために結合された第2のSAMデバイス20。
・ 蒸留廃液プロセッサ79。
・ SAMデバイス20によって取り上げられなかった吸収体の残りを吸収するための二次吸収器46。
・ 非濃縮物を流れ142を介して大気に排出する前に、特にバッチ・タンク78および二次吸収器46から微量アルコールを抽出し、これを調理設備68に再び迂回させるためのベント・スクラバ74。
・ 3段階脱離装置を作り出し、ブラインを再生成し、濃縮エタノール流れを作り出し、リサイクル水流れを作り出すように構成された、3つの脱離装置84、82、80。
・ リサイクル水流れを濃縮し、これをコーン製粉設備68に戻すための、濃縮装置90および受け装置92。
・ 整流装置/脱水設備86。
・様々な要素間に流れを通過させるためのエコノマイザ60およびポンプ64。
・ エタノール製品貯蔵設備88。
【0059】
様々な流れのための予測作動状態が、表2に示されている。
【0060】
【表2】

【0061】
当業者は、これらの流れおよび概略図を検討して、デバイスの動作が簡単に分かるだろう。したがって、簡潔にするために、詳細な項目別の説明は必要なく、ここでは説明しない。
【0062】
しかし、表2は少なくとも以下のことが注目すべき点である。
・ 整流装置86に供給される製品流れが、浸透気化法または分子ふるい技術によって従来の処理に適した濃度であること。
・ 計算により、高圧脱離装置84に対する高品質の必要熱量、すなわち燃料生成熱は、(整流装置86まで)生成された4,717btu/ガロンのエタノールであり、整流までの必要熱量は18,000btu/ガロンにまで到達する可能性がある。
・ CSTR76から引き出された培養液は約30℃の温度であり、残りの培養液は28℃の温度であり、培養液が決して生酵母に害を与える約30℃より上の温度に上昇しない(または、過冷却される)という点においてこの構成は有利である。
【0063】
この場合も、当業者には明らかなように、設備は建設するのが比較的安価であることが予測される。
【0064】
理論に縛られることを意図することなく、有利なエネルギーおよび建設費用要件は、一部には以下に起因すると考えられる。すなわち、
・ 第1の容積32内の圧力、および第1の容積32に入る混合液体の温度は、第1の容積32に伝達される熱のほぼ全てが混合液体の蒸発につながるようになされていること。
・ 残りの培養液は、引き出された培養液よりも温度が低く、それによってCSTRへの低温負荷が少なくなること。
・ 多重効用脱離の利用。
・ (極めて冷たい冷却水が豊富に利用可能でない、すなわち一般的な場合と同様の領域では、機械的手段によって行わなければならない)蒸発に関連する比較的穏やかな冷却負荷。
【0065】
図6は、本発明によるSAMを利用して、蒸留廃液処理の有利な方法にさらなる詳細に関する、図5の構造の単純変更形態を示している。
【0066】
簡潔に言えば、CSTR76は、原料96を受け、SAM装置20に供給される強いビール98を作り出す。弱いビール100は、このSAMからCSTR76まで再び通過する。抽気流れ104はバッチ・タンク78まで通過する。バッチ・タンク78からの強いビール102は、その独自のSAM20に供給される。バッチ・タンク78からの全アルコール蒸留廃液108は、遠心分離110されて、湿潤ケーキ112および薄い蒸留廃液114を作り出し、後者はさらに別のSAM20に送られて、ケーキ112と共に、DDGS乾燥機118内で乾燥されるシロップ116を作り出す。各SAMによって作り出される希釈ブライン120は、再生成のために蒸留器94に供給される。蒸留器94は合流している希釈ブライン全てを示しているが、蒸留装置94は2つの列を有することができ、それによりエタノールのない状態で、エタノールおよびブライン流れ中で別々のブライン流れを比較的高い濃度に保持することができる。
【0067】
上記予測例に関する予測した有用性は、実験的に検証された。
【0068】
実験結果
それぞれ7.0インチの長さおよび0.25インチの直径の20本の熱パイプを互いの上に水平に取り付けて、約10.0インチの高さの配列を形成した。このアセンブリを、アクリルの透明シートの間に挟んだ。2つの別々の横並びのチャンバ(蒸発チャンバおよび吸収チャンバ)をシートの間に形成し、熱パイプを両方のチャンバの間に通過させた。0.5インチ内径のホースを使用して、蒸発チャンバの上部を吸収チャンバの底部に接続した。各チャンバの上部には、原液ディストリビュータを設けた。各チャンバの上部には、大気への通気孔を付けた2リットル・フラスコを設け、流量制御弁を介してそのチャンバの液体ディストリビュータに結合させた。各チャンバの底部には、液体出口ポートを設け、収集フラスコに結合させた。吸収チャンバの上部のベントを、水およびエタノール蒸気から2本の保護線で保護した状態で、標準的実験室真空ポンプに結合させた。
【0069】
第1の保護手段は、冷たいLiBr濃溶液で部分的に充填されたフラスコからなる二次吸収器であった。真空ポンプへ行く途中の気体を、フラスコ内の溶液を通して泡立たせて、吸収性成分を取り除いた。保護の第2段階は、液体窒素冷却トラップであった。
【0070】
2つの工程を行なった。各工程では、測定した量のブラインを泡立て、タンクおよび吸収器結合フラスコに提供し、測定した量のビールを蒸発器結合フラスコに提供し、流量制御弁を開き、液体がユニットを通過したときに温度および圧力測定を行なった。供給フラスコの一方または両方が空になったときに読取りを終了した。
【0071】
【表3】

【0072】
泡立て装置
開始重量 1303g
終了重量 1304g
冷却トラップ
開始重量 0
終了重量 0
ビール
開始重量 83gエタノール+952g水=1035g(8%EtOH)
終了重量 70gエタノール+931g水=1000g(7%EtOH)
ブライン
開始重量 701g水+1052gLiBr=1753g(60%LiBr)
終了重量 13gエタノール+713gHO+1052LiBr=1778(59%LiBr)
【0073】
この試験により、SAMがエタノール水混合物からエタノールを優先的に取り除き、エタノール水混合物を同時に冷却することができることが確認された。また、二次吸収器は残留水およびエタノール蒸気を真空列から取り除く有用な方法であることが示された。この工程でのデバイスに対する熱伝達率は、33BTU/時間/ft/°Fとして計算された。
【0074】
【表4】

【0075】
泡立て装置
開始重量 1303g
終了重量 1304g
冷却トラップ
開始重量 0
終了重量 16.5gエタノール+16.5g水=33g(50%EtOH)
ビール
開始重量 481gエタノール+1236g水=1717(28%EtOH)
終了重量 307gエタノール+1154g水=1462g(21%EtOH)
ブライン
開始重量 1239g水+1859LiBr=3098g(60%LiBr)
終了重量 115gEtOH+1293gHO+1859gLiBr=3267(43%LiBr)
【0076】
この試験によりまた、SAMがエタノール水混合物からエタノールを優先的に取り除き、エタノール水混合物を同時に冷却することができることが確認された。この工程でのデバイスに対する熱伝達率は、70BTU/時間/ft/°Fとして計算された。試験装置内の液体分与システムが熱パイプ表面領域の多くを濡れないままにしたので、この性能は比較的望ましいと考えられる。伝達率を、典型的には150BTU/時間/ft/°Fを超える、商業用システムに対する公表値と一致するようにするために、より完全な液体分与を期待することができる。
【0077】
図1は概略的にSAMを示しているが、当業者には変更を加えることができることが明らかであろう。
【0078】
図7は、このような1つの可能性、すなわち熱パイプ26が共通軸X−Xと平行に配置され、構造が共通軸と垂直に配向された水平軸Y−Y周りで旋回移動するようになされている構成を示している。この構成を使用して、パイプの熱送達部分から液体の間隙を周期的に迅速に処理することができることが企図されている。
【0079】
図8は、第1の容積32が、1つまたは複数の第1の空隙32Aによって画定され、第2の容積34が、1つまたは複数の第2の空隙34Aによって画定され、1つまたは複数の第1の空隙32Aのそれぞれ、および1つまたは複数の第2の空隙34Aそれぞれが、各容器130によって画定され、配管132が蒸気通路36を画定する別の可能性を示している。本実施形態は、少ない建設費用と、熱伝達効率に関するいくつかの有用性を有すること(より短い熱パイプが通常はよりよいこと)が企図されている。別個の容器により、吸収および蒸発動作間の実質的な圧力差、および同等のより大きな温度差を作り出すことが可能になる。より大きな温度差により、熱パイプを通したより高い熱伝達につながり、これは資本コストに関する利点、すなわちより少ない熱パイプおよびより小さい容器を有することができる。
【0080】
しかし、小さい圧力差を、例えば蒸気通路内へのポンプまたはファンの介在によって、図1に概略的に示すタイプのSAMデバイス内でさらに作り出すことができることを理解されたい。
【0081】
図9は、さらに別の可能性のあるSAM構造を示しており、容器21は水平に配向された円筒容器によって画定され、(矢印Aによって示される)蒸気通路35は外部配管(図示せず)によって画定され、第1の容積32および第2の容積34は垂直分岐壁面140によって互いに分離されている。壁面は、容器21の管状壁面から内部に延びる上側頭部142および下側頭部144によって画定されている。ゴム148のシートは、頭部142と144の間に広がり、上側ウェブ156と下側ウェブ152によって互いに固定された鋼板146と150の間に挟まれている。ゴム・シート148は、熱パイプ26を実質的に気密な関係でそこから通過させることが可能なように孔が穿孔されており、鋼板146、150は、熱パイプの自由な通過を可能にするように、より大きな直径の対応する孔を有する。理論に縛られることを意図することなく、この構成は比較的低い建設費用および保守に関する容易性の観点から有利であると考えられ、保守では、オペレータは単に、容器の一端部を取り除き、熱パイプ・アセンブリ全体を水平方向に摺動させる必要があるだけである。必要に応じて、建設をさらに容易にするために、様々な軸受またはローラ(図示せず)を利用することも可能である。さらに、単一の分岐壁面が示されているが、容器を2つの壁面によって分割することができ、それぞれ図8に示すものと同様の機能性を有する構造を作り出すように、そこから形成された熱パイプを有する。このような2壁面実施形態(図示せず)では、熱パイプを角度付けすることができ、それによって落下流れはチャンバ内で前後に移動することができる。
【0082】
さらに、特定の動作状態が図4および5に関する説明で描かれているが、様々な変更形態が可能であることを理解されたい。
【0083】
例えば、酵母の生存能力が連続発酵で維持されるエタノール製造設備の内容では、少なくとも以下の範囲に有用性があることが企図されている。すなわち、
・ 発酵機構から引き出された培養液は、約28〜32℃の温度、および約4〜10%のエタノール濃度を有することができる。
・ 残りの培養液は、引き出された培養液より約2〜4℃低い温度を有し、引き出された培養液より約2〜4%低いエタノール濃度を有することができる。
・ 第1の容積内の圧力は約30〜100トールである可能性がある。
【0084】
なお、図5の構造はエタノール製造に有用であることが示されているが、当業者は、他の分離、特にこれに限らないがブタノールおよびメタノールを処理するために構造を簡単に変更することができることが容易に分かるだろう。実際、図5の一般的構造は、吸収により除去を可能にする異化抑制剤を有するあらゆる異化反応に有用である可能性がある。さらに、記載では連続製造を参照しているが、これは厳密に必要ではないことを理解されたい。一括エタノール動作では、培養液をバッチ・タンクから引き出すことができ、発酵が進行中に、SAMデバイスを通過させて、エタノールを引き出す。バッチからエタノールを取外すことにより、酵母から応力を取り除き、サイクル時間を短くし、産出量を増やすことができる。なお、エタノールおよびLiBrブラインの内容では、熱力学は、エタノールが優先的に、すなわちバルクより高い濃度で引き出されるが、これは実用には厳密に必要ではない。例えば、水および別の成分が引き出されている水溶液システムの内容では、水が他の成分に優先して引き出され、補給水が流れを均衡させるために加えられることが認められる場合があった。さらにこれに関して、本明細書および添付の請求項では、「液体混合物」は別の材料が一緒に混合された液体を意味しており、他の材料は、アルコールなどの液体であってもよいが、特にりんごジュース濃縮装置の例から明らかなようにこれに限る必要はないことを理解されたい。
【0085】
さらに、二次吸収器はSAMデバイスと直列に示されているが、これは必ずしもそうである必要はないことを理解されたい。二次吸収器を並列に展開させる、またはいくつかの場合で共に省くことができる。
【0086】
加えて、ディストリビュータは穿孔パイプとして概略的に示されているが、充填されたカラムで使用されているような噴霧装置または分与トレイを使用することができることを理解されたい。選択された特定の形のディストリビュータは、特に反応炉の幾何形状で変わり、当業者にとっては通常のことである。
【0087】
上記のこと全てに関するさらに別の変更形態は、当業者によってすぐに分かるだろう。したがって、本発明は意図して構成された添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発によって蒸気の流れと液体の減損流とに分離可能な液体混合物の流れと共に使用する方法であって、
前記液体混合物流が蒸発されて、前記蒸気の流れおよび前記液体の減損流を生成する蒸発ステップと、
(i)蒸気の流れが、蒸気から1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れに案内され、(ii)熱を除去して、少なくとも熱の流れ、および1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れを作り出す吸収ステップと、
吸収ステップで除去された熱が伝達されて、蒸発ステップでの蒸発を推進させる熱伝達ステップとを含み、
前記蒸発を推進するための熱の伝達は、気体状態から液体状態への作動流体の相変化に関連しており、
前記吸収ステップでの熱の除去は、前記液体状態から前記気体状態への前記作動流体の前記相変化を伴ない、
前記液体状態では、前記作動流体は、重力、対流およびウィッキングの1つまたは複数によってのみ流れ、
前記気体状態では、前記作動流体は、拡散および対流の1つまたは複数によってのみ流れる方法。
【請求項2】
蒸発によって蒸気の流れと液体の減損流とに分離可能な液体混合物の流れと共に使用される装置であって、使用の際に、
前記液体混合物が受けられ、前記蒸気の流れと前記液体の減損流とに分離される第1の容積を画定し、
第1の液体通路を画定し、これによって前記減損流が第1の容積から出て、
蒸気通路を画定し、これによって前記蒸気の流れが第1の容積から出て、
蒸気通路がつながる第2の容積を画定し、
前記第2の容積内に少なくとも部分的に配置された熱および質量伝達装置を備え、前記熱および質量伝達装置は、(i)前記蒸気から1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの流れを受け、(ii)前記ブラインの流れを蒸気に案内し、(iii)前記第2の容積から熱を除去して、少なくとも熱の流れ、および1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れを作り出し、
第2の液体通路を画定し、これによって前記1つまたは複数の成分内で濃縮されたブラインの流れが前記第2の容積から出て、
前記分離を行なうために、前記第1の容積に熱の流れを伝達する熱移動装置を備えている構造を備え、
前記第1の容積への熱の伝達は、気体状態から液体状態への作動流体の相変化に関連しており、前記第2の容積からの熱の除去は、前記液体状態から前記気体状態への前記作動流体の相変化を伴ない、前記液体状態では、前記作動流体は、重力、対流およびウィッキングの1つまたは複数によってのみ流れ、前記気体状態では、前記作動流体は、拡散および対流の1つまたは複数によってのみ流れる装置。
【請求項3】
前記熱移動装置および前記熱および質量伝達装置の一部が、1つまたは複数の熱パイプによって画定されており、前記1つまたは複数の熱パイプはそれぞれ、前記第2の容積内に配置された熱受け部、および前記第1の容積内に配置された熱送達部を有し、前記熱伝達を行なう、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の容積内に配置された前記熱パイプのその部分が充填された蒸発カラムとして使用の際に働き、前記第2の容積内に配置された前記熱パイプのその部分が充填された吸収カラムとして使用の際に働くように、前記1つまたは複数の熱パイプが積み重ねられている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
使用の際、前記第1の容積から出る前記蒸気は、前記第1の容積に入る前記液体混合物と実質的に気液平衡である、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
使用の際、前記第1の容積から出る液体の前記減損流の温度は、前記第1の容積に入る前記液体混合物の前記温度より低い、請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
使用の際、前記第1の容積内の圧力、および前記第1の容積に入る前記液体混合物の前記温度は、前記第1の容積に伝達される熱のほぼ全てが、前記液体混合物の蒸発につながるようになされている、請求項2から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記構造はさらに、前記第2の容積からつながるベントを画定し、
使用の際、前記蒸気の少なくとも実質的な部分が前記第2の容積に吸収され、残りは前記ベントを介して前記第2の容積から出る、請求項2から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記熱および質量伝達装置によって生成される前記ブラインの流れを受け、
前記蒸気から前記1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされた前記ブラインの流れ、および
製品流れを作り出す脱離装置をさらに備えた、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
使用の際、(i)前記蒸気の残りを受け、(ii)希釈ブラインを作り出すために、前記1つまたは複数の成分を発熱吸収するようになされたブラインの二次流れに前記蒸気の残りを案内する二次吸収器をさらに備えている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記脱離装置はさらに、前記希釈ブラインを受けることができ、さらに前記ブラインの二次流れを作り出す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
使用の際、前記第1の容積および第2の容積内の圧力が、大気圧と比べて小さくされ、
前記少なくとも蒸気の大部分が前記第2の容積内に吸収され、
真空ポンプが、前記装置から放出される前記蒸気の非濃縮物を少なくとも提供する、請求項2から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の容積が1つまたは複数の第1の空隙によって画定され、前記第2の容積が1つまたは複数の第2の空隙によって画定される、請求項2から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の第1の空隙それぞれ、および前記1つまたは複数の第2の空隙それぞれが、それぞれの容器によって画定され、
配管は前記蒸気通路を画定する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数の第1の空隙それぞれ、および前記1つまたは複数の第2の空隙それぞれが、容器内で画定される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記容器の外部にある配管は蒸気通路を画定する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
(i)前記容器は前記1つまたは複数の第1の空隙および1つまたは複数の第2の空隙を画定するために、隔壁によって区分化され、(ii)前記隔壁内に画定された1つまたは複数の開口部は前記蒸気通路を画定する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
使用の際に、培養液の異化が連続して行われる機構と、
連続して前記培養液の異化の流れを引き出し、
抑制剤を含有する流れおよび残りの流れを作り出すために、前記引き出された培養液から異化作用抑制剤を取り除き、
前記機構に前記残りの流れを戻すように前記機構に結合された、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置と
を備えたバイオプロダクト製造設備。
【請求項19】
前記異化作用は発酵であり、前記抑制剤はアルコールである、請求項18に記載の設備。
【請求項20】
前記抑制剤を含有する流れは、前記培養液より高い濃度の抑制剤を有する、請求項19に記載の設備。
【請求項21】
使用の際、毒素の蓄積を防ぐために前記培養液のブリード流れが引き出され、前記ブリード流れが一括して発酵される設備であって、
一括発酵の製品を受け取り、(i)エタノールが実質的に取り除かれた全アルコール蒸留廃液の流れ、および(ii)前記脱離装置に供給され分離されたエタノール内で濃縮されたブラインを作り出す、請求項2から10のいずれか一項に記載の装置をさらに備えた、請求項20に記載の設備。
【請求項22】
使用の際、前記機構から引き出された前記培養液は、約28〜32℃の温度、および約4〜10%のエタノール濃度を有し、前記残りの流れは、前記引き出された流れより約2〜4℃低い温度を有し、前記引き出された流れより約2〜6%低いエタノール濃度を有し、前記第1の容積内の前記圧力は約30〜100トールである、請求項19から21のいずれか一項に記載の設備。
【請求項23】
使用の際、前記機構から引き出された前記培養液は、約30℃の温度、および約7%のエタノール濃度を有し、前記残りの流れは約28℃の温度、および約2%のエタノール濃度を有し、前記第1の容積内の前記圧力は約30トールである、請求項22に記載の設備。
【請求項24】
前記熱パイプは共通軸と平行に配置されており、前記構造は前記共通軸に垂直に配向された水平軸周りに旋回移動するようになされている、請求項3に記載の装置。
【請求項25】
使用の際に、培養液の異化が一括して行われる機構と、
前記培養液の流れを引き出し、
抑制剤を含有する流れおよび残りの流れを作り出すために、前記引き出された培養液から異化作用抑制剤を取り除き、
前記機構に残りの流れを戻すように前記機構に結合された、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置と
を備えたバイオプロダクト設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−523949(P2012−523949A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505011(P2012−505011)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000604
【国際公開番号】WO2010/121374
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511248205)ドライスティル、ホウルディングス、インク (1)
【Fターム(参考)】