説明

一連の画像における動き修正のための方法およびシステム

時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法は、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において第1および第2の画像を処理するステップと;それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを含むそれぞれ第1および第2の特徴マップを、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像から誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと;上記変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
優先権
ここにおいて、本出願の発明者であるCHRISTOPHE CHEFD’HOTELの名前で2004年8月31に出願された、「A GAUSSIAN WEIGHTED LEAST MEAN SQUARE REGISTRATION ALGORITHM FOR BREAST MR MOTION CORRECTION」と題する米国仮特許出願第60/605,759号、代理人整理番号第2004P14822US号に対して特定の参照が行われ、その優先権の恩典が請求されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般的には画像形成における動き修正に関し、また特定的には例えば医療画像形成プロセスによって取得され得るような時系列的な一連の画像において発生し得るような被験者の動きの修正に関する動き補正に関する。
【背景技術】
【0003】
医療画像形成技法は、例えば患者の癌または前癌状態の検出時を含む多くの医療処置において使用される。重要な用途は、乳癌における腫瘍または潜在腫瘍の検出にある。潜在腫瘍は、検出が困難である。潜在的に有用な情報を与える利用可能な技法の間で、例えばこのような腫瘍関連組織が典型的に、造影剤のより迅速な取り入れ(ウォッシュイン)ならびに隣接する非腫瘍組織よりも迅速なウォッシュアウト(洗い流し)を示し得ることが知られている。これらおよびその他のような特性は、造影剤のウォッシュインおよび/またはウォッシュアウトのような処置の前後で行われる患者の画像の比較による懸念組織の検出と組織特性の識別を含むある幾つかの診断に有用であり得る。磁気共鳴映像法(MRI)のような画像形成技法によって作られたこのような時系列的画像を使用して、取得されたMRボリュームの異なる部位によって示される挙動の差異を検出するために、画像間の比較が行われ得る。
【0004】
有利にはこの検出を実行するための技法は、このようなボリュームの時系列における単一ボクセルの強度を追跡するための技法を必要とする。しかしながら困難は、患者が典型的には連続的な画像取得の間で動き、それによって、取得された画像間での動き関連差異を導入し、それによって空間内の単一の点は、動き修正が実施されなければ、もはや追跡され得ないという点において発生する。本明細書で使用されるように空間内の点は、古典的な幾何学的に定義された寸法を持たない点を意味することを意図しておらず、むしろディジタル化された画像を構成するようになる要素の小さな寸法を有するディジタル化手順の結果から得られる点を意味する。
【0005】
過去におけるこの問題を解決するための従来技術のアプローチは、任意の一方の画像がその系列の画像の間で基準として選択される二つの画像間における光学的流れを計算している。例えばこれら二つの画像は、ラプラシアン・ピラミッドを計算することによって取得された画像から取得できる。光学的流れは、例えばこれら二つのラプラシアン画像の間のポイントツーポイント差の最小化問題を解くことによって計算され得る。
【発明の開示】
【0006】
例えば造影剤の迅速な取り入れ(ウォッシュイン)ならびに迅速なウォッシュアウト(洗い流し)を有する組織として検出される潜在的腫瘍の胸部MR検出において有利な仕方で動き修正または補正問題を解決することは本発明の目的である。
【0007】
本発明の一態様によれば患者の第1および第2の画像は、MRI装置のような画像形成プロセスから時系列的に取得され、この場合第2の遅い方の画像は第1の早い方の画像が取られた後の例えば患者の動きに起因する第1の早い方の画像からの差異を含む可能性がある。これらの画像は、縮小処理において処理され、その結果、元の画像と比較して低い解像度のそれぞれ第1および第2の画像を生じる。低い解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導することによって、低い解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップが誘導される。所与の初期変位フィールドに基づいてこれらの特徴マップは、見当合わせアルゴリズムにしたがって見当合わせ処理において処理される。このアルゴリズムは、歪みをモデル化するために高濃度の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各ボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える。この変位フィールドは、動き修正された第2の画像を取得するように第2の画像をワープするために利用される。
【0008】
上記の所与の初期変位フィールドのためのデフォルト条件は、例えば空集合またはゼロ変位であるか、あるいは上記の所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している可能性がある。
【0009】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法は、第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと;この変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を備える。
【0010】
本発明のもう一つの態様によれば、変位フィールドを誘導するステップは、変位フィールドを誘導するために前に誘導された変位フィールドを利用し、また変位フィールドを誘導するステップは、変位フィールドの初期誘導のために所与の初期変位フィールドを利用する。
【0011】
所与の初期変位フィールドのためのデフォルト条件は空集合であるか、あるいは例えば所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している可能性がある。
【0012】
本発明のもう一つの態様によれば、変位フィールドを誘導するステップは繰り返えされ、各繰り返しは前の繰り返しのときより高い解像度を有する第1および第2の画像に対応する第1および第2の特徴マップに対して実行される。
【0013】
本発明のもう一つの態様によれば各繰り返しは、直前のステップからの前に誘導された変位フィールドを利用する。
【0014】
本発明のもう一つの態様によれば変位フィールドを誘導するステップは、変位フィールドの初期誘導のために所与の変位フィールドを利用する。
【0015】
本発明のもう一つの態様によれば変位フィールドを誘導するステップは、前に誘導された変位フィールドを増加する解像度バージョンの解像度レベルに拡張するステップを備える。
【0016】
本発明のもう一つの態様によれば動き補正のための方法は、動き修正済みの画像を生成するように第2の画像をワープするために存在する最高の解像度で誘導された変位フィールドを利用するステップを含む。
【0017】
本発明のもう一つの態様によればそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップは、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える。
【0018】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法は、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において第1および第2の画像を処理するステップと;それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像から、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備えたそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと;この変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を備える。
【0019】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法は、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において第1および第2の画像を処理するステップと;それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと;この変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を備える。
【0020】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における基準画像と浮動画像との間の動き補正のための方法は、基準画像から漸進的に低減する解像度の第1のセットの修正された画像を誘導するステップと;浮動画像から漸進的に低減する解像度の第2のセットの修正された画像を誘導するステップと;第1のセットの修正された画像から第1のセットの特徴マップを誘導するステップと;第2のセットの修正された画像から第2のセットの特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、それぞれ第1および第2のセットの特徴マップの各々の最低の解像度のメンバーと所与の初期変位フィールドから第1の変位フィールドを誘導するステップと;上記の見当合わせアルゴリズムにしたがって、それぞれ第1および第2のセットの特徴マップの各々の最低の次の解像度のメンバーと前のステップで得られた第1の変位フィールドから第2の変位フィールドを誘導するステップと;それぞれ第1および第2のセットの特徴マップの各々の、何か存在すれば、順次に高い解像度のメンバーのために前のステップを繰り返し、各場合に上記浮動画像の解像度が到達されるまで現在のステップの前のステップで得られた変位フィールドを使用し、またより高い解像度のメンバーが存在しなければ直ぐ次のステップに進むステップと;最後に得られた変位フィールドによって上記浮動画像をワープするステップと、を備える。
【0021】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における基準画像と浮動画像との間の動き補正のための方法は、(a)本明細書では、最低の解像度レベルに関してレベル0と呼ばれ、次に高い解像度レベルに関してレベル1、第2の次に高い解像度レベルに関してレベル2、そして任意の既存のより高い解像度レベルに関して同様に呼ばれるそれぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像を与えるためにそれぞれ第1および第2の複数の縦続する解像度低減処理において基準画像と浮動画像を処理するステップと;(b)解像度レベルL0、L1、L2などのそれぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像からそれぞれ複数の基準および浮動特徴マップを誘導するステップと;(c)第1の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して所与の初期変位フィールドに基づいて、局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがってレベルL0に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第1の変位フィールドを誘導するステップと;(d)拡張された第1の変位フィールドを与えるために解像度L1の変位フィールドに整合する解像度レベルに上記第1の変位フィールドを拡張するステップと;(e)第2の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように上記拡張された第1の変位フィールドに基づいて上記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL1に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第2の変位フィールドを誘導するステップと;(f)拡張された第2の変位フィールドを与えるために解像度L1の変位フィールドに整合する解像度レベルに第2の変位フィールドを拡張するステップと;(g)第2の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように上記拡張された第2の変位フィールドに基づいて上記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL2に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第3の変位フィールドを誘導するステップと;(h)L2が上記基準および浮動画像の解像度レベルであれば、第3の変位フィールドを利用することによって上記浮動画像をワープして、終了するステップと、を備える、またそうでなければ、(i)拡張された第3の変位フィールドを与えるために次に高い解像度レベルに整合する解像度レベルに第3の変位フィールドを拡張するステップと、(j)上記基準および浮動画像の解像度レベルが到達されるまで、最後の、前に得られて拡張された変位フィールドに基づいて段々に高くなる解像度レベルに対応する変位フィールドを取得するために解像度レベルの適当な修正をしながらステップ(g)から始まる一連のステップを繰り返し、上記基準および浮動画像の解像度レベルが到達されたとき、得られた最後の変位フィールドによって上記浮動画像をワープして、終了するステップと、を備える。
【0022】
本発明のもう一つの態様によれば、それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準および浮動画像を与えるステップは、それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準および浮動画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える。
【0023】
本発明のもう一つの態様によれば、第1の変位フィールドを誘導するステップは、所与の初期変位フィールドを入力するステップを備える。
【0024】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法は、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、第1および第2の特徴マップを処理することによって第1の変位フィールドを誘導するステップと;第1および第2の画像の解像度に対応するように第1の変位フィールドを拡張するステップと;第1の変位フィールドに基づいて上記見当合わせアルゴリズムにしたがって、第1および第2の画像を処理することによって第2の変位フィールドを誘導するステップと;動き修正済みの画像を得るように第2の変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を備える。
【0025】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法は、漸進的に低減された解像度を有する第1の系列の画像を第1の画像から誘導するステップと;漸進的に低減された解像度を有する第2の系列の画像を第2の画像から誘導するステップと;第1の系列の画像から第1の系列の特徴マップを誘導するステップと;第2の系列の画像から第2の系列の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える、それぞれの変位フィールドを与えるための見当合わせアルゴリズムにしたがって、同じ解像度に関する、第2の系列の特徴マップの対応する特徴マップによって第1の系列の特徴マップの特徴マップを処理することによって1系列の変位フィールドを誘導し、最低の解像度レベルにおける第1の変位フィールドを誘導するために使用される所与の変位フィールドから始め、その後に上記系列における次に高い解像度に対応する次の変位フィールドを誘導するために直前の変位フィールドを利用するステップと;上記第1および第2の画像の解像度レベルにおいて最後の変位フィールドを利用して第2の画像をワープするステップと、を備える。
【0026】
本発明のもう一つの態様によれば、時系列における基準画像と浮動画像との間の動き補正のための方法は、(a)本明細書では、最低の解像度レベルに関してレベル0と呼ばれ、次に高い解像度レベルに関してレベル1、第2の次に高いレベルに関してレベル2、そして任意の既存のより高い解像度レベルに関して同様に呼ばれるそれぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像とを与えるためにそれぞれ第1および第2の複数の縦続する解像度低減処理において基準画像と浮動画像とを処理するステップと;(b)上記基準および浮動画像の解像度レベルであるL2によって解像度の増加する順に、解像度レベルL0、L1、L2における上記それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像からそれぞれ複数の基準および浮動特徴マップを誘導するステップと;(c)第1の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して所与の初期変位フィールドに基づいて、局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがってレベルL0に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第1の変位フィールドを誘導するステップと;(d)拡張された第1の変位フィールドを与えるために解像度L1の変位フィールドに整合する解像度レベルに第1の変位フィールドを拡張するステップと;(e)第2の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように上記拡張された第1の変位フィールドに基づいて上記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL1に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第2の変位フィールドを誘導するステップと;(f)拡張された第2の変位フィールドを与えるために解像度L2の変位フィールドに整合する解像度レベルに第2の変位フィールドを拡張するステップと;(g)最後の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように上記拡張された第2の変位フィールドに基づいて上記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL2に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって最後の変位フィールドを誘導するステップと;(h)上記最後の変位フィールドを利用することによって浮動画像をワープするステップと、を備える。
【0027】
本発明のもう一つの態様によれば、画像の動き補正を実行するためのシステムは、プログラムと他のデータとを記憶するためのメモリ装置と;メモリ装置と通信し、また時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法を実行するために上記プログラムによって動作するプロセッサと、を備え、上記方法は、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において第1および第2の画像を処理するステップと;それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均
問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと;上記変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を備える。
【0028】
本発明のもう一つの態様によれば、コンピュータプログラム製品は、時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において第1および第2の画像を処理するステップと;それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと;変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと;上記変位フィールドによって第2の画像をワープするステップと、を備える方法によって画像の動き補正を実行するためのプログラムコードのためにコンピュータプログラム論理を媒体上に記録したコンピュータ使用可能媒体を備える。
【0029】
本発明は、図面と関連付けて上記の例示的実施形態を含む詳細な説明から更に十分に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の一実施形態によれば、患者の基準画像は、MRI装置を利用するような医療画像形成手順によって取得され、また浮動画像は典型的には、この基準画像より後の時刻に取得される。浮動画像は、例えば第1の画像が取られた後の患者の動きによる基準画像との差を含み得る。これらの画像は、元のそれぞれの画像と比較して低い解像度のそれぞれの基準画像と浮動画像という結果をもたらす縮小処理において処理される。それぞれの基準画像および浮動画像の特徴マップは、より低い解像度の基準および浮動画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導することによって低い解像度の基準および浮動画像から誘導される。所与の初期変位フィールドに基づいて特徴マップは、見当合わせ(レジストレーション)アルゴリズムにしたがって見当合わせ手順において処理される。このアルゴリズムは、歪みをモデル化するための高濃度の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を各ボクセルに関して解くステップを備える。この変位フィールドは、動き修正された第2の画像を得るように浮動画像をワープするために利用される。上記のように所与の初期変位フィールドに関する可能なデフォルト条件は、空集合であるか、あるいは例えば所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前知識を考慮している可能性がある。
【0031】
胸部MR動き修正のためのガウス重み付け最小二乗平均見当合わせアルゴリズムは、腫瘍関連組織の検出時に動き修正を与えるために適用され、また胸部MR動き修正のための柔軟な見当合わせアルゴリズムは、腫瘍関連組織の検出時に動き修正を与えるために適用される。歪みは、今後説明されるように一連の局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くことによって得られるベクトルで形成される高濃度変位フィールドとしてモデル化される。
【0032】
この見当合わせアルゴリズムは、体積測定的画像間で高濃度変位フィールドを推定するために利用される。目的は、磁気共鳴(MR)画像の時系列における動きの人為構成物を補正することである。典型的には動きの人為構成物は主として、呼吸、心臓拍動および患者の動きに起因する。本発明に関する主要な応用分野は、胸部MR研究における強度変化の研究である。胸部組織における造影剤取り入れ量の時間的変化は、病変検出時に有用な情報を与えるために使用され得る。このような変化を計算することは画像取得間における胸部組織の正確な空間的整合を必要とする。
【0033】
本明細書では、高速フィルタリング技法を使用して実現されるガウス重み付けの導入が、少なくとも二つの利点を提供すること、すなわち:
変位フィールドの平滑さを保証し、それによって特異性を避けて無条件的歪みモデルの規則性を与えるための簡単で計算的に効率的な方法を提供することと、
最小二乗平均問題が適当に公式化されることを保証することと、を提供することが認められる。
【0034】
更に本発明の原理による画像類似性の尺度は、画像強度を使用することよりむしろ画像ラプラシアンの計算に依存している。本発明は、このアプローチが造影剤取り入れに起因する強度変化に対処する際に有効であることを見出している。このアプローチの捕捉範囲と速度と強さとを改善するために、多解像度戦略が使用される。
【0035】
本発明は、例示的な例によって更に詳細に説明される。本発明の本例示的例の目的のために見当合わせされる1対の画像の強度は二つの実数値関数I1
【数9】

およびI2
【数10】

、Ω⊂R3の規則的な格子上でサンプリングされたバージョン
であることが仮定されており、ここでこれらの記号は通常の意味を有し、したがって本例ではI2は入力Ωと出力Rのマップレットを備える関数であり、ΩはR3の適当なサブセットであり、以下同様である。本発明者らはここで体積測定的画像の場合を扱っているが、引き続いて生じる展開は任意の次元に直ちに拡張することに留意すること。
【0036】
下記において本発明者らは、基準画像としてI1を指し、浮動画像としてI2を指す。本発明者らは、I1と浮動画像I2ο(id+p)(ここでidはアイデンティティ・マップであり、οはコンポジション演算子である)のワープバージョンとの間の類似性を最大にする変位フィールドp:
【数11】

(格子点において推定される)を見出すステップとして見当合わせ問題を定義する。
【0037】
画像強度は、必ずしも見当合わせの仕事を実行するための最善の特徴ではない。この見通しから、他の画像の特徴(例えば画像ラプラシアンまたは画像階調度のノルム)を表す、I1およびI2から計算される補助関数J1
【数12】

およびJ2
【数13】

を研究対象にすることが時には有用である。特に胸部MRへの応用においては
、画像ラプラシアンを計算することは、実際上極めて有効となっている。
【0038】
このアルゴリズムは反復性である。これは、「真の」動きフィールドに向かって収束する一連の変位フィールドp0、p1、・・・、pkを構築するステップを備える。最後の「動き修正済み」画像は、I2ο(id+pk)によって与えられる。この見当合わせ技法の核心を形成する変位フィールドの反復構造は、下記に説明される。
【0039】
反復手順は、粗大から微細への多解像度戦略と組み合わせて適用される。このアプローチの利点は、
局所的最小値にトラップされる危険を減らすことによって捕捉範囲が改善されることと、
より低い解像度でより少ないデータを処理することによって計算コストが減らされることである。
【0040】
この多解像度戦略は、下記のような例によって説明できる。
平均化とサブサンプリングとによって基準画像と浮動画像とに関する二つの多解像度ピラミッドを構築する。このタイプのピラミッド構造は、画像処理の標準的技法であって、詳細については例えば2.R.GonzalesとR.Woodsによるテキストブック、Digital Image Processing、2nd Edition、Prentice−Hall,2002が参照される。
1lおよびI2lを結果として得られる解像度lの画像とする。
1lおよびJ2lとラベル付けされた対応する特徴画像を計算する。
k,lを解像度lでk番目の反復の後に得られる変位フィールドとする。p0,0は最低解像度における初期変位フィールド(一般に空フィールド)を示す。以下更に説明されるように、解像度lで一定回数の反復のために見当合わせアルゴリズムを実行する。トライリニアー(tri−linear)内挿法と拡大縮小とによって次の解像度に変位フィールドを拡張する。この結果を初期変位フィールドp0,l+1として使用する。
元の解像度が到達されるまで上記の演算を実行する。
【0041】
これらのステップは、図1に概略図的形式で例示されている。図1を参照すると解像度は、「l」として示されている。この図に描かれている3レベルは、例示的実施形態によるもので、例示目的のためであり、本発明の範囲内でより多い、またはより少ない拡張ステップが考えられる。図1において、解像度レベルl=lmax=2においてそれぞれl1およびl2で示される基準画像と浮動画像は、第1の縮小処理を受け、その結果として解像度l=1のそれぞれの画像I11およびI21を与え、続いて更なる縮小処理を受け、その結果得られる画像は、それぞれ解像度レベルl=0のI10、I20となる。特徴マップJ10およびJ20は、それぞれ画像I10およびI20から誘導される。特徴マップJ10およびJ20は、所与の初期変位フィールドp0,0を使用する、本明細書に説明されたような見当合わせ処理を受ける。この初期変位フィールドは、任意のものであってよく、ゼロであってもよい。この見当合わせ処理は、初期変位フィールドと比較して改善された変位フィールドと考えられ得る変位フィールドpk,0という結果をもたらす。それから変位フィールドpk,0は、画像解像度l=1に対応する拡張あるいは膨張を受け、その結果、拡張された解像度フィールドp0,1となる。
【0042】
特徴マップJ11およびJ21は、それぞれ画像I11およびI21から誘導される。特徴マップJ11およびJ21は、p0,2に拡張される変位フィールドpk,1という結果をもたらすように前に誘導された拡張済み変位フィールドp0,1を使用する、本明細書で説明されるように見当合わせ処理を受ける。本明細書で説明されたようなI2ο(id+p)によって表される動き修正済み画像を生成するために、画像I2の最後のワープを実行するために使用される最後の歪みフィールドという結果をもたらす画像I12およびI22に対して前と同様なステップが実行される。
【0043】
このアルゴリズムの固有パラメータを下記のもの:
ピラミッドレベルのレベル数と、
各レベルにおける反復の回数と、
変位フィールドの平滑さを制御する正規化パラメータσ(このパラメータは以下に論じられる)と、に設定することだけが必要であることは留意される。
【0044】
本発明によるガウス重み付け最小二乗平均アルゴリズムの更に詳細な説明が次に述べられ、続いて本発明の原理による特徴マップ計算の説明が行われる。
【0045】
最初に、特に見当合わせ技法の核心をなす考えが説明される。下記の反復手順は、所与の解像度で実行される。下記の記号において解像度レベルlは省略されている。
【0046】
Gσ(x)を標準偏差σの等方性3次元ガウスカーネル:
【数14】

であるとする。
各ボクセルは、インデックスjによってラベル付けされている。その座標は、ベクトルxj∈R3によって与えられる。本発明者らは、pjk∈R3をアルゴリズムのk番目の反復の後に点xjで回収された変位ベクトルと呼ぶ。1セットの変位ベクトルpjkが与えられれば、反復kにおける浮動特徴マップの修正済みバージョンはJ2,kと表される。
【数15】

各ボクセルjにおいて、非線形最小二乗平均問題:
【数16】

のsjk解によって更新ルールpjk+1=pjk+sjkを定義することが提案されている。ガウス重み付けは、変位を推定するために使用される近隣サイズの制御を(暗に)可能にする。副産物としてこれは、歪みフィールドの全体的平滑さも保証する。
【0047】
実際に前述の問題の線形化バージョンは、下記の基準:
【数17】


【数18】


【数19】

として定義される)を最小化することによって解決される。
【0048】
E(sjk)の第1の変動を計算することによって最適性の必要条件:
【数20】

は、sjkに関して閉じた形式の解:
【数21】

を与える。
【0049】
マトリックス
【数22】

は対称であって、6個の係数によって特徴付けられ得ることに
留意すること。ベクトル
【数23】

は、3個の係数によって定義される。
【0050】
一旦これらの係数が計算されると、変位更新を推定することは、ガウスカーネルによってマトリックスとベクトル係数との畳み込みを実行することと、各格子点における3×3対称線形問題を解くことと、になる。
【0051】
畳み込みは、刊行物、R.Dericheの「Fast algorithms for low−level vision」、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,1(12),1990,78−88に提案されているような第2次再帰フィルタを使用して近似される。これらのフィルタは、ガウス平滑化ならびにその誘導体を近似するために必要とされる計算的努力を軽減する。このアプローチによって演算は、フィルタのサイズとは独立に1出力点ごとに一定回数の乗算と加算とによって実行される。
【0052】
3×3線形問題のために閉じた形式の解が使用される。
【数24】

が対称マトリックス

【数25】

によって与えられれば、その逆数は
【数26】

となる。ここで
【数27】

【0053】
前述の全ての計算において、格子点以外で値が必要とされるときにはトライリニアー内挿方式が使用されている。
【0054】
次に特徴マップ計算の説明が続けられる。胸部MRにおいて造影剤取り入れは、被観測組織の強度値を大きく、また局所的に変化させ得る。見当合わせのために強度に依存するよりむしろ、元のデータのラプラシアンとして関数J1およびJ2の値が取られる。この考えは、造影剤取り入れ量によって影響されることの少ない画像のエッジ情報(ラプラシアン特徴付けエッジのゼロ交差点)に集中することである。このアプローチは、実際に極めて有効であることが分かった。ここでデカルト座標系を使用してボクセルを識別するために整数のトリプレット(i1,i2,i3)が使用され、ラプラシアンのために下記の有限差分方式が適用される。
【数28】

【0055】
ラプラシアン演算子を推定するために使用される中心差分方式がボクセルの異方性を考慮していることに留意すること。係数λは、第3の軸に沿ったボクセル間隔(スライス間の距離)と第1の2本の軸に沿ったボクセル間隔(本明細書では同じであると仮定されている)との間の比率に対応する。
【0056】
1からJ1の計算に同じ方程式が適用される。
【0057】
明らかになるように本発明は、プログラムされたディジタルコンピュータの使用と応用によって実現されるように意図されている。図2は、双方向データ通信のために入力装置と、出力装置と、プログラムおよびその他のデータを記憶するためのメモリ装置と、に接続されたディジタルプロセッサを基本的概略形式で示している。入力装置は、本発明による処理のために適当な一つまたは複数の画像を与えるための装置のような幅広い言葉で表される。例えば入力は、CATSCAN、X線装置、MRIまたは他の装置に組み込まれた装置のような画像形成装置から、または記憶された画像からのものである可能性があり、あるいは直接接続による他のコンピュータまたは装置との通信によるもの、または例えばワールドワイドウェブまたはインターネットまたは他の任意の適当なこのようなデータ源を経由したような、変調された赤外線ビーム、無線、地上回線、ファクシミリまたは衛星との通信によるものである可能性がある。出力装置は、陰極線受像管、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイなどのような任意の適当な装置を使用するコンピュータタイプの表示装置を含むことができ、あるいは画像を表現するための装置を含むことも含まないこともあり、また好都合であり得るように更なる処理、観察または評価のために画像を記憶するためのメモリ装置を、または図2のメモリ装置の一部を含む可能性もあり、あるいはこれは、入力装置に関連して前に述べられたようなものを含む接続または連結を利用することもできる。プロセッサは、本発明のステップを実現するために本発明にしたがってセットアップされたプログラムによって動作する。このようなプログラムされたコンピュータは、画像データの取得と伝送のために通信を経由して直ちに地上回線、無線、インターネットなどにインタフェースすることができる。
【0058】
本発明は、ソフトウエアメモリ装置に少なくとも部分的に直ちに実現可能であって、ソフトウエア製品としてこの形式にパッケージされ得る。これは、本発明の方法を利用して画像の動き補正を実行するためのプログラムコードのために媒体上にコンピュータプログラム論理を記録したコンピュータ利用可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品の形式であり得る。
【0059】
本発明は、人体胸部の潜在的腫瘍のMRI検出時の時系列的画像における動き補正に関する例証的例示的実施形態を使用して例によって説明されてきたが、本発明はまた一般に、PET−CT見当合わせの例のような、しかしこれに限定されない他の分野において空間的整列を必要とする問題の解にも適用可能である。
【0060】
例示的実施形態による説明が限定することを意図していないことと、本明細書で明示的に説明されていない種々の変更と代用が特許請求の範囲にその範囲が記載された本発明の精神から逸脱せずに実施可能であることとは、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の原理による1時系列の画像からの動き修正を流れ図形式で示す図である。
【図2】本発明の実現のためのプログラム可能ディジタルコンピュータの応用を概略形式で示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
前記第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、前記第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと、
前記変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項2】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、前記変位フィールドを誘導するために前に誘導された変位フィールドを利用する、請求項1に記載の動き補正のための方法。
【請求項3】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、前記変位フィールドの初期誘導のために所与の初期変位フィールドを利用する、請求項2に記載の動き補正のための方法。
【請求項4】
前記所与の初期変位フィールドのためのデフォルト条件は、空集合である、請求項3に記載の動き補正のための方法。
【請求項5】
前記所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している、請求項3に記載の動き補正のための方法。
【請求項6】
変位フィールドを誘導するステップを繰り返すステップを備え、各繰り返しは前の繰り返しのときより高い解像度を有する前記第1および第2の画像に対応する第1および第2の特徴マップに対して実行される、請求項2に記載の動き補正のための方法。
【請求項7】
各繰り返しは、直前のステップからの前に誘導された変位フィールドを利用する、請求項2に記載の動き補正のための方法。
【請求項8】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、前記変位フィールドの初期誘導のために所与の変位フィールドを利用する、請求項7に記載の動き補正のための方法。
【請求項9】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、前記前に誘導された変位フィールドを前記増加する解像度バージョンの解像度レベルに拡張するステップを備える、請求項7に記載の動き補正のための方法。
【請求項10】
動き修正済みの画像を生成するように前記第2の画像をワープするために存在する最高の解像度で誘導された変位フィールドを利用するステップを含む、請求項7に記載の動き補正のための方法。
【請求項11】
それぞれ第1および第2の特徴マップを誘導する前記ステップは、前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える、請求項7に記載の動き補正のための方法。
【請求項12】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、
それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において前記第1および第2の画像を処理するステップと、
前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを含むそれぞれ第1および第2の特徴マップを前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像から誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、前記第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと、
前記変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項13】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において前記第1および第2の画像を処理するステップと、
前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、前記第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと、
前記変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項14】
それぞれ第1および第2の特徴マップを誘導する前記ステップは、前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える、請求項13に記載の動き補正のための方法。
【請求項15】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、初期変位フィールドを利用する、請求項13に記載の動き補正のための方法。
【請求項16】
前記初期変位フィールドのためのデフォルト条件は、空集合である、請求項15に記載の動き補正のための方法。
【請求項17】
前記初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している、請求項15に記載の動き補正のための方法。
【請求項18】
見当合わせアルゴリズムにしたがって前記第1および第2の特徴マップを処理する前記ステップは、前記第2の画像の変位フィールドに整合する解像度レベルに前記変位フィールドを拡張するステップを備える、請求項13に記載の動き補正のための方法。
【請求項19】
時系列における基準画像と浮動画像との間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
前記基準画像から漸進的に低減する解像度の第1のセットの修正された画像を誘導するステップと、
前記浮動画像から漸進的に低減する解像度の第2のセットの修正された画像を誘導するステップと、
前記第1のセットの修正された画像から第1のセットの特徴マップを誘導するステップと、
前記第2のセットの修正された画像から第2のセットの特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、それぞれ前記第1および第2のセットの特徴マップの各々の最低解像度メンバーと所与の初期変位フィールドから第1の変位フィールドを誘導するステップと、
前記見当合わせアルゴリズムにしたがって、それぞれ前記第1および第2のセットの特徴マップの各々の最低の次の解像度メンバーと前のステップで得られた前記第1の変位フィールドから第2の変位フィールドを誘導するステップと、
それぞれ前記第1および第2のセットの特徴マップの各々の、何か存在すれば、順次に高くなる解像度メンバーのために前のステップを繰り返し、各場合に前記浮動画像の解像度が到達されるまで現在のステップの前のステップで得られた変位フィールドを使用し、またより高い解像度のメンバーが存在しなければ直ぐ次のステップに進むステップと、
最後に得られた変位フィールドによって前記浮動画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項20】
特徴マップを誘導する前記ステップは、それぞれの画像における画像データのラプラシアンを誘導するステップを備える、請求項19に記載の動き補正のための方法。
【請求項21】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、拡張が必要とされれば、次に高い解像度レベルの変位フィールドに整合する解像度に前記変位フィールドを拡張するステップを備える、請求項19に記載の動き補正のための方法。
【請求項22】
前記所与の初期変位フィールドのためのデフォルト条件は、空集合である、請求項19に記載の動き補正のための方法。
【請求項23】
前記所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している、請求項19に記載の動き補正のための方法。
【請求項24】
時系列における基準画像と浮動画像との間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
(a)本明細書では、最低の解像度レベルに関してレベル0と呼ばれ、次に高い解像度レベルに関してレベル1、第2の次に高い解像度レベルに関してレベル2、そして任意の既存のより高い解像度レベルに関して同様に呼ばれるそれぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像とを与えるためにそれぞれ第1および第2の複数の縦続する解像度低減処理において前記基準画像と浮動画像を処理するステップと、
(b)解像度レベルL0、L1、L2などの前記それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像からそれぞれ複数の基準および浮動特徴マップを誘導するステップと、
(c)第1の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して所与の初期変位フィールドに基づいて、局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがってレベルL0に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第1の変位フィールドを誘導するステップと、
(d)拡張された第1の変位フィールドを与えるために解像度L1の変位フィールドに整合する解像度レベルに前記第1の変位フィールドを拡張するステップと、
(e)第2の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように前記拡張された第1の変位フィールドに基づいて、前記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL1に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第2の変位フィールドを誘導するステップと、
(f)拡張された第2の変位フィールドを与えるために解像度L1の変位フィールドに整合する解像度レベルに前記第2の変位フィールドを拡張するステップと、
(g)前記第2の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように前記拡張された第2の変位フィールドに基づいて、前記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL2に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第3の変位フィールドを誘導するステップと、
(h)L2が前記基準および浮動画像の解像度レベルであれば、前記第3の変位フィールドを利用することによって前記浮動画像をワープして、終了するステップと、を備える、またそうでなければ、
(i)拡張された第3の変位フィールドを与えるために次に高い解像度レベルに整合する解像度レベルに前記第3の変位フィールドを拡張するステップと、
(j)前記基準および浮動画像の解像度レベルが到達されるまで、最後の、前に得られて拡張された変位フィールドに基づいて段々高くなるレベルに対応する変位フィールドを取得するために解像度レベルの適当な修正をしながらステップ(g)から始まる一連のステップを繰り返し、前記基準および浮動画像の解像度レベルが到達されたとき、得られた最後の変位フィールドによって前記浮動画像をワープして、終了するステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項25】
それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準および浮動画像を与える前記ステップは、前記それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準および浮動画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える、請求項24に記載の動き補正のための方法。
【請求項26】
第1の変位フィールドを誘導する前記ステップは、所与の初期変位フィールドを入力するステップを備える、請求項24に記載の動き補正のための方法。
【請求項27】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、前記第1および第2の特徴マップを処理することによって第1の変位フィールドを誘導するステップと、
前記第1および第2の画像の解像度に対応する前記第1の変位フィールドを拡張するステップと、
前記第1の変位フィールドに基づいて、前記見当合わせアルゴリズムにしたがって前記第1および第2の画像を処理することによって第2の変位フィールドを誘導するステップと、
動き修正済み画像を得るように前記第2の変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項28】
第1の変位フィールドを誘導する前記ステップは、所与の初期変位フィールドを入力するステップを備える、請求項27に記載の動き補正のための方法。
【請求項29】
前記所与の初期変位フィールドのためのデフォルト条件は、空集合である、請求項28に記載の動き補正のための方法。
【請求項30】
前記所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している、請求項28に記載の動き補正のための方法。
【請求項31】
それぞれ第1および第2の特徴マップを誘導する前記ステップは、前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える、請求項27に記載の動き補正のための方法。
【請求項32】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
漸進的に低減された解像度を有する第1の系列の画像を前記第1の画像から誘導するステップと、
漸進的に低減された解像度を有する第2の系列の画像を前記第2の画像から誘導するステップと、
前記第1の系列の画像から第1の系列の特徴マップを誘導するステップと、
前記第2の系列の画像から第2の系列の特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える、それぞれの変位フィールドを与えるための見当合わせアルゴリズムにしたがって、同じ解像度に関する、前記第2の系列の特徴マップの対応する特徴マップによって前記第1の系列の特徴マップの特徴マップを処理することによって1系列の変位フィールドを誘導し、最低の解像度レベルにおける第1の変位フィールドを誘導するために使用される所与の変位フィールドから始め、その後に前記系列における次に高い解像度に対応する次の変位フィールドを誘導するために直前の変位フィールドを利用するステップと、
前記第1および第2の画像の解像度レベルにおいて誘導された最後の変位フィールドを利用して前記第2の画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項33】
前記所与のフィールドと次に高い解像度に対応する前記最後のフィールドとを除いて前記各解像度のフィールドを拡張するステップを備える、請求項32に記載の動き補正のための方法。
【請求項34】
時系列における基準画像と浮動画像との間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
(a)本明細書では、最低の解像度レベルに関してレベル0と呼ばれ、次に高い解像度レベルに関してレベル1、第2の次に高い解像度レベルに関してレベル2、そして任意の既存のより高い解像度レベルに関して同様に呼ばれるそれぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像を与えるためにそれぞれ第1および第2の複数の縦続する解像度低減処理において前記基準画像と浮動画像とを処理するステップと、
(b)前記基準および浮動画像の解像度レベルであるL2によって増加する解像度の順に、解像度レベルL0、L1、L2における前記それぞれ複数の順次に低減された解像度の基準画像と浮動画像からそれぞれ複数の基準および浮動特徴マップを誘導するステップと、
(c)第1の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して所与の初期変位フィールドに基づいて、局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがってレベルL0に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第1の変位フィールドを誘導するステップと、
(d)拡張された第1の変位フィールドを与えるために解像度L1の変位フィールドに整合する解像度レベルに前記第1の変位フィールドを拡張するステップと、
(e)第2の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように前記拡張された第1の変位フィールドに基づいて、前記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL1に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって第2の変位フィールドを誘導するステップと、
(f)拡張された第2の変位フィールドを与えるために解像度L2の変位フィールドに整合する解像度レベルに前記第2の変位フィールドを拡張するステップと、
(g)最後の変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように前記拡張された第2の変位フィールドに基づいて、前記見当合わせアルゴリズムにしたがって解像度レベルL2に対応する基準特徴マップと浮動特徴マップとを処理することによって最後の変位フィールドを誘導するステップと、
(h)前記最後の変位フィールドを利用することによって前記浮動画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項35】
前記所与の初期変位フィールドのためのデフォルト条件は、空集合である、請求項34に記載の動き補正のための方法。
【請求項36】
前記所与の初期変位フィールドは、患者の動きについての事前の知識を考慮している、請求項34に記載の動き補正のための方法。
【請求項37】
特徴マップを誘導する前記ステップは、前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像における画像データのそれぞれのラプラシアンを誘導するステップを備える、請求項34に記載の動き補正のための方法。
【請求項38】
第1の変位フィールドを誘導するステップ(c)は、
その座標がベクトルxj∈R3によって与えられるインデックスjによって各ボクセルにラベル付けするステップと、
前記アルゴリズムのk番目の繰り返しの後に点xjにおいて回収される変位ベクトルとしてpjk∈R3を定義するステップと、
1セットの変位ベクトルpjkが与えられたとして、J2,k
【数1】

によって繰り返しkにおける前記浮動特徴マップの修正済みバージョンを示すステップと、
各ボクセルjにおいてsjkによる更新ルールpjk+1=pjk+sjkを非線形最小二乗平均問題の解:
【数2】

(zik(s)=J1(xi)−J2,k(xi+s)であり、Gσ(x)は標準偏差σの等方性3次元ガウシアン・カーネル:
【数3】

である)として定義するステップと、
下記の基準:
【数4】


【数5】


【数6】

として定義される)を最小化することによって前記非線形最小二乗
平均問題の線形化バージョンを解くステップと、
最適性の必要条件:
【数7】

が閉じた形式の解sjk
【数8】

を与えるようにE(sjk)の第1の変動を計算するステップと、を含む、請求項34に記載の動き補正のための方法。
【請求項39】
プログラムと他のデータとを記憶するためのメモリ装置と、
前記メモリ装置と通信し、また時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法を実行するために前記プログラムによって動作するプロセッサと、を備えた、画像の動き補正を実行するためのシステムであって、前記方法は、
それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において前記第1および第2の画像を処理するステップと、
前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、前記第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと、
前記変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える、画像の動き補正を実行するためのシステム。
【請求項40】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法によって画像の動き補正を実行するためのプログラムコードのためにコンピュータプログラム論理を媒体上に記録したコンピュータ使用可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記方法は、
それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像を与えるために縮小処理において前記第1および第2の画像を処理するステップと、
前記それぞれ低減された解像度の第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導するステップと、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムにしたがって、前記第1および第2の特徴マップを処理することによって変位フィールドを誘導するステップと、
前記変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項41】
時系列における第1および第2の画像間の動き補正のための方法であって、前記方法は、
変位フィールドを形成するそれぞれのベクトルを誘導するように各画素またはボクセルに関して局所的ガウス重み付け最小二乗平均問題を解くステップを備える見当合わせアルゴリズムを含む処理にしたがって前記第1および第2の画像を処理することによって変位フィールドを誘導するステップと、
前記変位フィールドによって前記第2の画像をワープするステップと、を備える動き補正のための方法。
【請求項42】
処理にしたがって前記第1および第2の画像を処理する前記ステップは、前記第1および第2の画像からそれぞれ第1および第2の特徴マップを誘導して、前記特徴マップにそれぞれ前記見当合わせアルゴリズムを適用するステップを含む、請求項41に記載の動き補正のための方法。
【請求項43】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、前記変位フィールドを誘導するために前に誘導された変位フィールドを利用する、請求項41に記載の動き補正のための方法。
【請求項44】
変位フィールドを誘導する前記ステップは、前記変位フィールドの初期誘導のために所与の初期変位フィールドを利用する、請求項41に記載の動き補正のための方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−511395(P2008−511395A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529972(P2007−529972)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/029386
【国際公開番号】WO2006/026177
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】