説明

一酸化珪素蒸着材料の製造方法およびその製造装置

【課題】一酸化珪素固体をムラ無く均一に析出させ、高い生産性を有する、一酸化珪素蒸着材料の製造方法を提供する。
【解決手段】二酸化珪素粒と溶融した金属シリコンからなる混合物を準備する工程;前記混合物中の二酸化珪素粒と溶融金属シリコンを反応させて一酸化珪素の気体を発生させる工程;前記一酸化珪素気体から一酸化珪素固体を析出板に析出させる工程、を含む一酸化珪素の製造方法であって、
(A)前記混合物の上部に設けられた析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、析出板上の析出厚みを計測する工程、ならびに
(B)前記析出板上の一酸化珪素の析出厚みが5mmになるまで、一酸化珪素を、析出速度0.1〜5kg/m・hrで析出させる工程、
を含む方法で、一酸化珪素蒸着材料を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化珪素蒸着材料の製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一酸化珪素(SiO)は、加熱すると昇華し、その気体の蒸気圧は高い。そのため、一酸化珪素を原料とした蒸着により、基板等に酸化珪素(SiO、x=1〜2)膜を容易に形成できる。特に、高分子フィルム表面に一酸化珪素を蒸着して酸化珪素(SiO、x=1〜2)を設けると、高分子フィルムのガスバリヤー性を高めることができるので、包装用フィルム等の原料として注目されている。
【0003】
従来、包装用高分子フィルムにはアルミニウムを蒸着したフィルムが主として使用されてきた。アルミニウム蒸着フィルムは、金属光沢を持ち、酸素遮断性や水蒸気遮断性などのガスバリヤー性に優れる。そのため、アルミニウム蒸着フィルムは、アルミホイルに次ぐバリヤー性フィルムとして用いられている。
【0004】
一方、酸化珪素蒸着フィルムは、ガスバリヤー性、防湿性に加えて、透明であるという特徴を有する。また、酸化珪素蒸着フィルムは、透明高分子フィルムの中では、最も優れたガスバリヤー性を有する。更に、酸化珪素蒸着フィルムは、アルミニウム蒸着フィルムと異なり、電子レンジに使用できる;包装後でも金属探知器が使用できる;リサイクル性に優れているという特徴を有する。
その他に、酸化珪素蒸着フィルムは、保香性に優れる;ボイル、高温殺菌が可能である等の特徴もある。
【0005】
酸化珪素蒸着フィルムは、一酸化珪素を減圧中で加熱して昇華させ、フィルム表面に蒸着して得られる。この際に蒸着雰囲気の酸素分圧を制御して、xの値を1〜2の範囲で所望の組成にすることができる。すなわち一酸化珪素気体は、酸化珪素(SiO、x=1〜2)膜としてフィルム表面に蒸着される。例えば、酸素分圧を高くしていくとx=2とできるが、x=2ではフィルムに蒸着されたSiO膜が硬くなりすぎてフィルムの変形に追随できなくなる。そのため、通常、xは1〜2の間に調整される。この方法はPVD法(物理蒸着法)の1種である。
【0006】
一酸化珪素(SiO)は、通常、金属シリコン(Si)固体と二酸化珪素(SiO)固体を反応させて発生する一酸化珪素気体を回収して製造される(特許文献1)。この方法は原料を固体の状態で反応させる固相反応である。この方法は、本発明において「固相法」と呼ばれる。前記固相法では、反応効率を上げるためにできるだけ固体原料同士の接触する面積を大きくする必要がある。
【0007】
前記固相法において固体原料同士の接触面積を大きくするために、金属シリコン固体および二酸化珪素固体を粉砕して混合する方法(特許文献2、3)が提案されている。原料を粉砕して反応させると、反応初期では反応効率が大きくなる。しかし、反応進行に伴い反応効率が低下する。反応初期は原料同士の接触面積が大きいが、反応が進行して原料が消費されると金属シリコン/二酸化珪素(Si/SiO)界面に隙間が生じ、原料同士の接触面積が小さくなるからである。
また、原料を粉砕して反応させる場合において、温度を金属シリコンの融点以上(1410℃)以上に上げると、シリコンの粉体が溶融、合体し、肥大化したシリコン液滴が生じる。すると、原料同士の接触面積が低下するので反応効率が低下する。
【0008】
前記固相法は、原料を粉砕して用いたとしても、反応系が溶融体等のように一体化していないため熱伝導率が小さく、原料全体に熱が伝わりにくい。また生成する一酸化珪素の気化熱が大きいため、反応系の温度が低下しやすい。従って、金属シリコンが溶融しない範囲で、反応系に効率的に熱を供給する必要がある(特許文献4)。
原料を粉砕して用いる固相法は、この他に粉砕工程による生産効率の低下や粉砕過程での不純物の混入等が問題となることもある。
【0009】
一酸化珪素を効率よく生産する方法として、金属シリコンを融点(1410℃)以上に加熱して溶融させ、そこに二酸化珪素固体を接触させて反応させる方法が提案されている(特許文献5)。具体的に本方法は、以下の工程からなる。1)金属シリコン固体と二酸化珪素固体を加熱し、溶融したシリコン中に固体の二酸化珪素塊が存在する混合体を得る。2)混合体をさらに加熱し、溶融した金属シリコンと固体の二酸化珪素を反応させ、気体の一酸化珪素を生成させる。3)生成した気体を冷却して固体の一酸化珪素を得る。本発明においては本方法を「固液法」と呼ぶ。固液法では、金属シリコン固体と二酸化珪素固体が加熱され、金属シリコンが溶融されると同時に反応が盛んになり、一酸化珪素が大量に発生し始める。
【0010】
固液法は、金属シリコンが液体であるため、固相法に比べ反応系が均一であり、原料全体に熱が伝わりやすい。そのため一酸化珪素気体生成に伴う気化熱によって、反応系から熱が奪われたとしても、失われた熱を外部の熱源(ヒーター等)から補いやすい。また、原料の消費によってSi/SiO界面に隙間が生じることもない。よって、反応初期から後期まで、一酸化珪素気体の生成速度がほぼ一定に保たれ、安定的に一酸化珪素の製造が行える。
固液法は、金属シリコンの融点以上の温度で行われ、反応温度を高温にすれば一酸化珪素の生成速度を向上させられる。このため固液法は固相法に比べ一酸化珪素気体生成速度を10倍〜100倍にできる。また、固相法は原料の二酸化珪素を微粉末とすることが好ましいが、固液法では、数ミリの粒状物とすればよいので、原料の調製が容易である。
【特許文献1】特開2002−194535号公報
【特許文献2】特開2002−97567号公報
【特許文献3】再公表2003−25246号
【特許文献4】特開2005−225690号公報
【特許文献5】特開2005−225691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のとおり、固液法は固相法よりも10倍〜100倍の生成速度を達成できるため、短時間で一酸化珪素を生産できる優れた製造方法である。しかし、析出により得られる一酸化珪素固体(「一酸化珪素塊」ともいう)の析出ムラが大きく、均一な厚みの塊が得られないという問題があった。
【0012】
一酸化珪素は蒸着原料として用いる際に、蒸着装置に配置し易いように、一定の形状に加工される必要がある。通常は、一酸化珪素塊は裁断されて一定形状にされる。しかし、一酸化珪素塊の厚みにムラがあると、裁断工程の歩留が悪くなる。また、析出ムラが大きいまま厚く析出させた一酸化珪素塊は、残留応力が大きくなる。このため析出した一酸化珪素塊を冷却すると、一酸化珪素塊が割れてしまうという問題がある。
【0013】
以上から、本発明は、一酸化珪素固体をムラ無く均一に析出させ、かつ高い生産性を有する一酸化珪素蒸着材料の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、鋭意検討した結果、次のことを見出した。固相法よりも一酸化珪素生成速度を1桁以上大きくできる固液法では、反応初期から一酸化珪素生成速度が大きくなりがちである。よって一酸化珪素気体の密度が非常に高くなる。気体密度が高くなると一酸化珪素分子の平均自由行程が短くなる。そのため、反応容器の壁近傍に存在する一酸化珪素分子は、壁に衝突する回数が増加し、局所的に核が発生しやすくなる。局所的に一酸化珪素の核が形成されると、新たな核発生よりむしろ、既に形成された核の成長が優先される。気体密度の高いところでは、この現象がより顕著になる。そのため析出ムラが大きくなる。
【0015】
反応装置における一酸化珪素発生源(反応部)に近い部分は一酸化珪素気体の濃度が相対的に高くなる。すなわち析出板においても、一酸化珪素発生源に近い部位は、高い濃度の一酸化珪素気体にさらされるため上記ムラの発生が著しくなる。当該部分では一酸化珪素の固体が析出しやすいので、析出板の中に一酸化珪素が突起状に大きく析出する部分が生じる。
【0016】
また、次のようなことでも析出ムラはより顕著になる。例えば、一酸化珪素気体の流れに対し、平行に析出板が設置された場合について説明する。析出板に一酸化珪素が突起状に析出した部分が形成されると、析出板における、当該突起よりも一酸化珪素気体の流れに対して下流に位置する領域は、気体と接触しにくくなる。すなわち、析出板に、当該突起の一酸化珪素気体の流れに対して陰となる領域が形成される。この陰となる領域は一酸化珪素の析出厚みが他の領域よりも薄くなる。逆に厚く析出した突起状部分は、より厚くなってさらに大きな突起状になる(陰影効果)。つまり、突起が初期段階で形成されると、その突起はさらに優先的に成長して肥大化される。
ただし、一般にSiO固体は、その結晶構造が未だ明確でなく、結晶性も高くないので、結晶質であるか非晶質であるかも不明確である。結晶質と非晶質の中間状態である可能性もある。よって、ここでいう「核」とは結晶核、「非晶質の微小な固体」、または前記の中間状態を意味する。
【0017】
陰影効果は、析出板が一酸化珪素と異種な物質であるため、析出が不均質な核成長から始まることに起因する。従って、陰影効果は析出初期に生じやすい。陰影効果は、析出板の材質や、表面粗さに影響されるものの、析出初期の段階の析出速度にも大きく影響される。つまり本発明者らは、析出初期の析出速度を小さくすることにより、前記析出ムラを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち上記課題は、以下の本発明の製造方法により解決される。
[1]二酸化珪素粒と溶融した金属シリコンからなる混合物を準備する工程;前記混合物中の二酸化珪素粒と溶融金属シリコンを反応させて一酸化珪素の気体を発生させる工程;前記一酸化珪素気体から一酸化珪素固体を析出板に析出させる工程、を含む一酸化珪素の製造方法であって、
(A)前記混合物の上部に設けられた析出板に、一酸化珪素を連続して析出させながら、析出板上の析出厚みを計測する工程、ならびに
(B)前記析出板上の一酸化珪素の析出厚みが5mmになるまで、一酸化珪素を、析出速度0.1〜5kg/m・hrで析出させる工程、
を含む一酸化珪素蒸着材料の製造方法。
[2]前記(A)工程が、前記析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、当該一酸化珪素の質量を計測する工程、ならびに前記質量から一酸化珪素の析出速度および析出板上の析出厚みを算出する工程、を含む[1]に記載の製造方法。
[3]一酸化珪素の析出に用いる析出板が、複数の板状部材を組み合わせてなる角錐台の側面である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記一酸化珪素を析出させる工程が、前記角錐台を回転させながら行う工程である[3]に記載の製造方法。
[5]前記角錐台は、角錐台の上面の中心と底面の中心を結んだ直線を軸に回転させる、[4]に記載の製造方法。
[6]前記(A)工程が、析出板と前記混合物の間隔を変更しつつ、当該析出板に一酸化珪素を連続して析出させる工程を含む[1]〜[5]いずれかに記載の製造方法。
[7]前記金属シリコンと前記二酸化珪素粒のモル比(Si:SiO)が、1:1.1〜2である[1]〜[6]いずれかに記載の製造方法。
[8]二酸化珪素粒と金属シリコン粒を加熱して金属シリコンを溶融する溶融容器;前記容器を加熱する加熱手段;前記容器の上部に設けられた析出板;前記析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、一酸化珪素の析出量を計測する計測手段;および前記溶融容器と析出板の雰囲気を減圧にする手段、を含む一酸化珪素蒸着材料製造装置。
[9]前記計測手段から得た結果に基づき一酸化珪素の析出速度と析出量を計算する演算器;前記析出速度と析出量に基づいて溶融容器の加熱を自動制御する制御手段、をさらに含む[8]に記載の一酸化珪素蒸着材料製造装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、固液法において均一な厚さの一酸化珪素塊が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
1.本発明の製造方法
本発明の製造方法は、
二酸化珪素粒と溶融した金属シリコンからなる混合物を準備する工程;前記混合物中の二酸化珪素粒と溶融金属シリコンを反応させて一酸化珪素の気体を発生させる工程;前記一酸化珪素気体から一酸化珪素固体を析出板に析出させる工程、を含む一酸化珪素の製造方法であって、
(A)前記混合物の上部に設けられた析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、析出板上の析出厚みを計測する工程、ならびに
(B)前記析出板上の一酸化珪素の析出厚みが5mmになるまで、一酸化珪素を、析出速度0.1〜5kg/m・hrで析出させる工程、
を含むことを特徴とする。
【0021】
(1)原料
本発明で使用する金属シリコン粒は溶融させて用いる。そのためどのような形状やサイズであってもよい。ただし取り扱い性から、金属シリコンは1mm〜10mm程度の粒状あるいは10mm〜200mm程度の塊状であることが好ましい。また、金属シリコンは、粒度の異なるものを混合して用いてもよい。
【0022】
本発明で使用する二酸化珪素粒は反応において、溶融した金属シリコンと接触できればよい。従って、その形状やサイズは制限されないが、平均粒径が0.5mm〜100mmの粒であることが好ましい。平均粒径が100mmを越えると、溶融シリコンと接する面積が小さくなり、一酸化珪素の生成速度が低下する。平均粒径が0.5mm未満では、原料粒を微細に粉砕する工程に時間を要する。以上から、二酸化珪素粒の平均粒径は2mm〜10mmであることがより好ましい。
平均粒径は、公知の方法で測定できるが、例えば、ふるいや沈降等による分級法、顕微鏡を使った画像処理法等により測定される。また、平均粒子径とは、質量累積粒度分布の50%径である。
【0023】
本発明は、溶融した金属シリコン中に、固体の二酸化珪素粒が分散した混合物を調製し、その混合物において金属シリコンと二酸化珪素粒を接触させ反応を行う。従って、金属シリコン粒と二酸化珪素粒の仕込み比は、溶融金属シリコンと二酸化珪素が接することができる量であればよい。しかしながら未反応物を残さず歩留まりよく反応を進行させるためには、化学量論量に近い比率とすることが好ましい。
本発明においては、溶融した金属シリコン中に固体の二酸化珪素粒が分散した混合物を調製すると同時に、反応が起こり、一酸化珪素が発生することがある。
【0024】
一酸化珪素の生成反応式は、
Si + SiO → 2SiO↑
で示される。従って、金属シリコン粒と二酸化珪素粒の仕込み比は、およそ1:1(モル比)とすることが好ましい。
【0025】
また、金属シリコン粒と二酸化珪素粒の仕込み比は、以下に述べるように反応における安全性にも考慮して決定されることが好ましい。
金属シリコンは液体から凝固する際、10%程度体積膨張することが知られている(比重が2.5から2.3へ変化する)。すると、何らかのトラブルで、多量の溶融金属シリコンを反応器に残したまま反応を停止し、溶融容器の温度を下げなければならない事態になった場合に問題が生じる。冷却された金属シリコンが体積膨張を起こして、溶融容器を破損するおそれがあるからである。
【0026】
また、上記状況において、金属シリコンが完全に固体になる前に、破損した溶融容器から流出すると、反応装置内の水冷系部分を融かしてしまう可能性もある。その場合、水蒸気爆発を起こす危険もある。
【0027】
このような事態を回避するためには、金属シリコン粒:二酸化珪素粒のモル比を、1:1.1〜2の範囲とすることが好ましい。仕込み比を上記範囲とすると、二酸化珪素粒が過剰となる。従って、反応開始から反応終了において、溶融容器内には、溶融して液状になった金属シリコン液体の液体内および液面上に常に二酸化珪素粒が存在する。このような状態であれば、金属シリコン液体が凝固して体積膨張しても、内包されている二酸化珪素粒は脆く破壊されやすいので、体積膨張に起因して発生した応力を吸収できる。従って、溶融容器が破裂することを避けられる。
【0028】
また金属シリコン液体は原料容器界面と液面から凝固が開始され、最終的に液体内部で凝固が完了する。すると体積膨張により発生した応力の逃げ場がなくなり、容器が破損される。しかし、金属シリコン液面上に二酸化珪素が存在すると、断熱材の役割を果たすので液面付近は冷却されにくくなる。従って、液面近傍で凝固が最後に完了するため、応力が外部に逃げやすくなり、容器が破壊されることを避けられる。
【0029】
(2)溶融容器
溶融容器とは、金属シリコンを溶融して二酸化珪素と反応させる容器である。反応容器あるいは原料容器と呼ぶことがある。溶融容器は、金属シリコンまたは二酸化珪素と反応しない材質であることが好ましい。好ましい溶融容器の材質の例にはカーボンが含まれる。
【0030】
(3)反応温度
反応温度は、シリコンの融点(1410℃)以上であれば特に限定されないが、好ましくは、1420℃〜1900℃である。本発明においては、反応温度をこの範囲で適宜調整して、一酸化珪素の生成速度を制御することが好ましい。加熱方法は、前記温度に加熱できる方法であれば限定されない。加熱方法の例には、抵抗加熱法や誘導加熱法、またはこれらを複合して用いる方法が含まれる。
【0031】
(4)析出板
析出板とは、生成する一酸化珪素気体を析出させ、固体化するのに用いる部材である。析出板において、一酸化珪素を析出させる面を析出面という。本発明の析出板には、石英ガラス、セラミックス、金属等の材料が使用できる。中でもコストの点からステンレスが好ましく、SUS304がより好ましい。析出板の形状は、通常、平板である。
【0032】
析出板は、二酸化珪素と溶融金属シリコンからなる混合物の上部に設けられることが好ましい。析出板は、鉛直に、すなわち析出板の析出面が一酸化珪素気体の流れ方向に平行になるように、析出板は設置されることが好ましい。さらに、析出板は鉛直方向に対して傾斜させて設けることがより好ましい。この場合、析出板の混合物から遠い部分が、上昇してくる一酸化珪素気体と接触しやすいように傾けることが好ましい。このように析出板を傾斜させると、析出板に上昇してくる一酸化珪素気体の流れに対して陰ができにくくなる。そのため析出厚みを析出板の鉛直方向に均一にすることができる。
【0033】
さらに、析出板を複数用意し、これらを組み合わせて角錐台としてもよい。角錐台とは、角錐をその底面に平行な面で切断して得られる、底面を含む立体である。当該角錐台は底面と上面が開放されていることが好ましい。すなわち、角錐台側面が析出板となることが好ましい。析出板をこのように設けると上昇してくる一酸化珪素気体を取り込みやすく、かつ、不要な気体を逃がしやすい。角錐台は、底面が溶融容器に近くなるように配置することが好ましい。この場合、角錐台の側面の内壁に一酸化珪素が析出する。当該側面は上昇してくる一酸化珪素気体の流れに対して傾いているので、析出厚みを析出面の鉛直方向に均一にすることができる。
【0034】
前記角錐台の析出板の高さや径のサイズは、溶融容器に仕込んだ金属シリコンと二酸化珪素の量によって決定することが好ましい。具体的には、原料とした金属シリコンと二酸化珪素から生成する一酸化珪素の総量を見積もり、所望の析出厚で除すことにより、析出板の必要な面積が求まる。この面積を元に、析出板の大きさ、形状を設計すればよい。
【0035】
析出板を角錐台の側面とした場合、角錐台を回転させながら一酸化珪素を析出させると、析出面の水平方向に対する析出厚みをより均一にできるので好ましい。角錐台は、角錐台の上面の中心部と底面の中心部を結んだ直線を軸として回転させることが好ましい。
【0036】
析出板は温度制御されていることが好ましい。好ましい温度範囲は400℃〜1000℃である。特に析出板が、鉛直に設けられている場合、保温材やヒーター等を用いて析出板の鉛直方向の温度を均一にすることが好ましい。
【0037】
析出板に析出した一酸化珪素は、その析出厚みが計測される。計測の方法は特に限定されない。計測方法の例には、厚みを光学的に測定する方法、析出板に質量センサーを配置して、析出した一酸化珪素の質量を計測し、その質量から厚みを算出する方法が含まれる。
【0038】
本発明において析出板に析出した一酸化珪素の厚みを計測するには、後者の方法を用いることが好ましい。具体的には、析出板にはロードセル等の質量センサーが配置され、析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、その析出した一酸化珪素の質量が計測されることが好ましい。すなわち析出板に析出した一酸化珪素の質量をリアルタイムでモニターできることが好ましい。
【0039】
質量センサー等により測定した析出量から、一酸化珪素の析出速度および析出板上の析出厚みが算出できる。析出厚みとは、生成した一酸化珪素の質量からその体積を見積もり、その体積を析出板の面積で除した値である。
析出速度とは、生成した一酸化珪素の質量を、生成時間および析出板の面積で除した値である。析出量の測定および析出厚みの算出は、これらの値が目的値に達した以降は終了してもよい。
【0040】
本発明では、析出板上の一酸化珪素の析出厚みが5mmになるまで、一酸化珪素を、析出速度0.1〜5kg/m・hrで析出させなければならない。前記析出厚みが5mm未満であると、それ以降の析出において陰影効果によって析出する一酸化珪素の厚みが不均一になり、最終的に得られる一酸化珪素固体にムラが発生し、不均一な塊となってしまう。析出速度は、前記析出速度をモニターして、溶融金属シリコンと二酸化珪素粒からなる混合物(「溶融体」ともいう)の温度を加減し、一酸化珪素の気体発生速度を調整することにより制御できる。また、前記混合物の上部にダンパを設けて調整してもよい。
本発明では、一酸化珪素の析出初期には、一酸化珪素気体の生成速度を大きくしないことが必須である。生成速度を大きくすると、既に述べた陰影効果により析出する一酸化珪素の厚みが不均一になるからである。
【0041】
一酸化珪素析出速度が0.1kg/m・h未満では、5mm厚まで一酸化珪素を形成するのに時間がかかり過ぎて効率的ではない。一方、析出した一酸化珪素の厚みが5mm未満である場合に、5kg/m・hrを越える析出速度にすると、既に述べた陰影効果により析出する一酸化珪素の厚みが不均一になる。
【0042】
一酸化珪素析出速度は、ある時間における一酸化珪素析出量を計測し、計測値を測定時間および析出板の面積で除して求められる。そのため、測定する時間の間隔により一酸化珪素析出速度は変動することがある。本発明においては、一酸化珪素の析出厚みが5mmになるまでは、いかなる時間の間隔で測定しても、一酸化珪素の析出速度は5kg/m・hrを越えないことが必要である。
【0043】
析出した一酸化珪素の厚みが5mmを超えた後は、析出面が平坦であれば、一酸化珪素析出速度を5kg/m・hrをより大きくしてもよい。析出板と析出する物質が同一であるため、陰影効果が生じにくく、厚みが均一な一酸化珪素塊が得られるからである。一酸化珪素析出速度を上げることができると、生産効率が向上するので好ましい。一酸化珪素析出速度は、20kg/m・hrまで上げてよい。ただし20kg/m・hrを越えると、初期段階の析出速度を小さくしても、断面組織構造の不均一や内部に気孔が発生することがある。
【0044】
また析出板は、溶融金属シリコンと二酸化珪素粒からなる混合物との間隔を変えられるようにして、位置を調整しながら一酸化珪素を析出させることが好ましい。例えば、析出板をワイヤー等で上部から吊るし、鉛直方向に移動できるようにして、前記混合物と析出板管の距離を調整する。すると一酸化珪素を、析出板の鉛直方向に均一に析出させられる。
【0045】
この他に、溶融容器と前記析出板の間に、一酸化珪素気体を誘導するため、あるいは溶融容器の径と角錐台底面径のバランスを調整するための誘導管やノズルを設けてもよい。
【0046】
本発明により得られた一酸化珪素塊の厚みは均一である。均一な厚みの一酸化珪素塊は、蒸着原料として有用である。また均一な厚みの一酸化珪素塊は残留内部応力が小さいため、析出した一酸化珪素塊を冷却する際に割れてしまうという問題を回避できる。
【0047】
2.本発明の製造装置
本発明の製造装置は、二酸化珪素粒と金属シリコン粒を加熱して金属シリコンを溶融する溶融容器;前記容器を加熱する加熱手段;前記容器の上部に設けられた析出板;前記析出板に一酸化珪素を連続的に析出させながら、一酸化珪素の析出量を計測する計測手段;および前記溶融容器と析出板の雰囲気を減圧にする手段、を含む。
【0048】
「容器を加熱する加熱手段」の例には、二酸化珪素粒およびシリコン粒原料を1420℃より高い温度に加熱できるヒーターが含まれる。
【0049】
「析出板」には、連続的に析出した一酸化珪素の析出量をリアルタイムで計測する計測手段が設置される。計測手段の例にはロードセル等が含まれる。
析出板には、析出板を回転できる装置を備えてもよい。例えば、析出板にモーター等を接続することにより、析出板を回転できる。
また、析出板には鉛直方向に移動できる装置を備えてもよい。例えば、析出板にワイヤー等をつなぎ、ワイヤーを引っ張ることにより析出板を鉛直方向に移動できる。
【0050】
「溶融容器と析出板の雰囲気を減圧する手段」の例には、真空ポンプが含まれる。真空ポンプは、溶融容器と析出板をチャンバーに格納し、当該チャンバーに設置することが好ましい。真空ポンプは、チャンバー内を少なくとも一酸化珪素の蒸気圧以下に減圧できる能力を持つものが好ましい。
【0051】
また本発明の製造装置は、上記の装置に、前記計測手段から得た結果に基づき一酸化珪素の析出速度と析出量を計算する演算器;前記析出速度と析出量に基づいて溶融容器の加熱を自動制御する制御手段、をさらに有していてもよい。
【0052】
「一酸化珪素の析出速度と析出量を計算する演算器」とは、析出した一酸化珪素の質量から析出速度、時間当たりの析出量等を計算する装置をいう。
「前記析出速度と析出量に基づいて溶融容器の加熱を自動制御する制御手段」とは、以下の制御を行う手段をいう。1)演算器で計算して得た析出速度から、適正な一酸化珪素生成量および、反応温度を計算する。2)それに基づき、溶融容器に配置した加熱手段に指令を与える。
上記の演算器、制御手段を備えることにより、所望の一酸化珪素の析出速度を入力すると、反応温度を自動的に適正な範囲に調整することが可能となる。さらに、析出速度を析出初期と後期で変更する場合には、それぞれの析出速度、速度の変更条件(一酸化珪素の析出厚み)を入力する。すると析出量と析出板の面積から析出厚み、析出速度が算出されるので、析出厚みを常にモニターしながら、反応温度を調整して、析出速度を制御することができる。
【実施例】
【0053】
(実施例1〜4:初期析出速度と析出板上の一酸化珪素の析出状態との関係)
反応室用チャンバーを準備した。カーボン製の溶融容器と析出板がチャンバーに格納され、チャンバーには真空ポンプが備えられた。析出板は板状(1.4m×0.2m)とした。析出板には温度制御装置を備えた。析出板は溶融容器の上方に設置された。
【0054】
上記のように組み立てられた反応装置の溶融容器に、平均粒径10〜50mmの金属シリコン粒17kg、粒径3〜7mmの二酸化珪素粒(ケイ石粒)55kg(モル比(Si:SiO)1:1.51)を装入した。溶融容器および析出板の全体をアルゴンで置換した後、真空ポンプで減圧にした。1Pa以下になるまで減圧した後、溶融容器を抵抗加熱ヒーターで加熱し、一旦1680℃にして金属シリコンを溶融させ、溶融金属シリコンと二酸化珪素を反応させた。
反応は、溶融容器の温度を調整して、生成する一酸化珪素気体の発生量を制御しながら行った。その結果、一酸化珪素析出速度を表1に示す値に調整しながら、析出板に一酸化珪素塊を得ることができた。析出板の温度は、900℃(±50℃)とした。
【0055】
析出速度は、析出板に設けたロードセルで析出量をリアルタイムに測定し、その値から算出した。また、測定した析出量の累積値から析出厚み(析出板上の一酸化珪素の析出厚み)を計算した。ロードセルによる質量測定は、析出厚みが5mm相当になるところまで行った。
【0056】
反応装置から析出板を取り出し、目視および顕微鏡にて、一酸化珪素の析出状態を観察した。その結果を表1に示す。
【0057】
(比較例1〜3)
実施例1と同様にして、一酸化珪素の製造を行った。ただし、一酸化珪素析出速度を、表2に示すとおりとした。
得られた一酸化珪素塊を実施例1と同様にして観察し、評価した。
【0058】
実施例1〜4、比較例1から、析出初期の一酸化珪素析出速度が小さいと、得られる一酸化珪素塊の厚みが均一であることが明らかである。また、このようにして得た一酸化珪素塊は、緻密に析出していることが確認できた。そのため、質量測定から計算される析出厚みと実測の析出厚みがほぼ一致した。一方、比較例2と3から析出初期の一酸化珪素の析出速度が大きいと、一酸化珪素塊に1mm以上の突起が生じ、顕著な析出ムラが発生することが確認された。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
(実施例5)
実施例1と同様の反応装置を準備した。カーボン製の溶融容器に、粒径10〜50mmの金属シリコン粒17kgと、粒径3〜7mmの二酸化珪素粒(ケイ石粒)55kg(モル比(Si:SiO)1:1.51)を装入した。溶融容器および析出板(1.4m×0.2m)の全体をアルゴン置換した後、真空ポンプで減圧にした。1Pa以下になるまで減圧した後、溶融容器を抵抗加熱ヒーターで加熱し、一旦1680℃にしてシリコンを溶融させ、溶融金属シリコンと二酸化珪素を反応させた。
反応は、溶融容器の温度を調整して、生成する一酸化珪素気体の発生量を制御しながら行った。析出厚みが5mmになるまでは、一酸化珪素析出速度が5kg/m・hrになるようにヒーター温度を制御した。その後は、析出速度が25kg/m・hrとなるようにした。
【0062】
累積析出量から求めた析出厚みが20mmになるところで、反応を終了した。反応装置から析出板を取り出し観察した。析出板には析出厚さで19mmの一酸化珪素が析出していた。上部と下部での厚さの違いは約2mmであり、大きな析出ムラは見られなかった。
【0063】
(実施例6)
実施例1と同様の反応装置を準備した。ただし、溶融容器から上方に向かうノズルを設置した。
カーボン製の溶融容器に、粒径10〜50mmのシリコン粒17kg、粒径3〜7mmの二酸化珪素粒(ケイ石粒)55kgを装入した。
【0064】
SUS316製の析出板を8枚組み合わせて、高さが1.45m;下部8角形(底面)の対角線長さが0.4m;上部8角形(上面)の対角線長さが0.2mの角錐台を調製した。角錐台は上面と底面が開放された形状であった。当該角錐状の析出板をワイヤーで吊り下げ、溶融容器の上部に、底面が水平になるように設置した。このとき、溶融容器から上方に延びているノズル先端部が角錐台の内部に一部突き出るようにした。このノズル先端部の突き出し部分(ノズル先端部と角錐台最下部の差)は100mmとした。
【0065】
溶融容器および二酸化珪素析出板の全体をアルゴン置換した後、真空ポンプで減圧にした。1Pa以下になるまで減圧した後、溶融容器を抵抗加熱ヒーターで加熱し、一酸化珪素が析出し始め、その厚みが5mmになるまで、析出速度を2kg/m・hrに調整した。析出速度は、それ以降は20kg/m・hrとなるようにした。
【0066】
反応中、溶融容器内からの輻射熱と一酸化珪素の凝縮熱で析出板の温度が上昇してしまうのを避けるため、析出板の位置を徐々に上方に移動させて、一酸化珪素を析出させた。反応は、累積析出量から計算される析出厚みが、30mmになったところで終了した。一酸化珪素が析出している間、析出板の温度は500℃(±100℃)になるようにした。
【0067】
反応終了後、析出板には平均厚さで30mmの一酸化珪素が析出していた。上部と下部での厚さの違いは、約1mmで、大きな析出ムラは見られなかった。
【0068】
(実施例7)
実施例6と同様にして、反応を行った。ただし、前記角錐台を1rpmで回転させながら一酸化珪素を析出させた。累積析出量から算出される析出厚みが30mmになるところで反応を終了した。取り出した析出板には、平均厚さで30mmの一酸化珪素が析出していた。上部と下部での厚さの違いは、約1mmであった。角錐台の水平方向(周方向)での厚さの違いも1mm以下であり、大きな析出ムラは見られなかった。
【0069】
(比較例4)
実施例6と同様にして、反応を行った。ただし、原料溶融容器を加熱するヒーターの温度を1710℃で一定にして、一酸化珪素を析出させた。本反応における析出速度は、析出量から算出される析出厚みが5mmとなる前に、11kg/m・hrとなった。また前記厚みが5mmを超えた以降は、本反応の析出速度は、最大で25kg/m・hrとなった。
【0070】
反応は、累積析出量から算出される析出厚みが30mm相当になるところで終了した。取り出した析出板には、所々に5〜10mm程度の突起が生成していた。上部と下部の平面部での厚さの違いは約7mmであり、大きな析出ムラとが観察された。
【0071】
(比較例5)
実施例6と同様にして、反応を行った。但し、溶融容器を抵抗加熱ヒーターで加熱し、一酸化珪素が析出し始め、その厚みが4mmになるまで、析出速度を2kg/m・hrに調整した。それ以降は、析出速度が20kg/m・hrとなるようにした。
反応は、累積析出量から算出される析出厚みが30mm相当になるところで終了した。取り出した析出板には、所々に4〜8mm程度の突起が生成していた。上部と下部の平面部での厚さの違いは約6mmであり、大きな析出ムラが観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化珪素粒と溶融した金属シリコンからなる混合物を準備する工程;前記混合物中の二酸化珪素粒と溶融金属シリコンを反応させて一酸化珪素の気体を発生させる工程;前記一酸化珪素気体から一酸化珪素固体を析出板に析出させる工程、を含む一酸化珪素の製造方法であって、
(A)前記混合物の上部に設けられた析出板に、一酸化珪素を連続して析出させながら、析出板上の析出厚みを計測する工程、ならびに
(B)前記析出板上の一酸化珪素の析出厚みが5mmになるまで、一酸化珪素を、析出速度0.1〜5kg/m・hrで析出させる工程、
を含む一酸化珪素蒸着材料の製造方法。
【請求項2】
前記(A)工程が、前記析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、当該一酸化珪素の質量を計測する工程、ならびに前記質量から一酸化珪素の析出速度および析出板上の析出厚みを算出する工程、を含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
一酸化珪素の析出に用いる析出板が、複数の板状部材を組み合わせてなる角錐台の側面である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記一酸化珪素を析出させる工程が、前記角錐台を回転させながら行う工程である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記角錐台は、角錐台の上面の中心と底面の中心を結んだ直線を軸に回転させる、請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
前記(A)工程が、析出板と前記混合物の間隔を変更しつつ、当該析出板に一酸化珪素を連続して析出させる工程を含む請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記金属シリコンと前記二酸化珪素粒のモル比(Si:SiO)が、1:1.1〜2である請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
二酸化珪素粒と金属シリコン粒を加熱して金属シリコンを溶融する溶融容器;前記容器を加熱する加熱手段;前記容器の上部に設けられた析出板;前記析出板に一酸化珪素を連続して析出させながら、一酸化珪素の析出量を計測する計測手段;および前記溶融容器と析出板の雰囲気を減圧にする手段、を含む一酸化珪素蒸着材料製造装置。
【請求項9】
前記計測手段から得た結果に基づき一酸化珪素の析出速度と析出量を計算する演算器;前記析出速度と析出量に基づいて溶融容器の加熱を自動制御する制御手段、をさらに含む請求項8記載の一酸化珪素蒸着材料製造装置。

【公開番号】特開2008−255465(P2008−255465A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257975(P2007−257975)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(306032316)新日鉄マテリアルズ株式会社 (196)
【Fターム(参考)】