説明

三方ボール弁

【課題】三方ボール弁において、低開度時や高開度時のCv値を減少させることなく中間開度時のCv値を改善する。
【解決手段】弁本体2の弁室9の内壁と弁体31の外周面と第1、第2のシートリング14、15とによって囲まれた空間を弁本体2の第3の開口8に連通する連通路39とする。また、弁体31の外周面に、弁体31の第1、第2のポート10、11が中間開度時において第1、第2の開口6、7と連通路39を連通させる第1、第2のバイパス通路46、47を形成する。第1、第2のポート10、11が中間開度のとき、第1、第2の開口6、7に流入した流体19、20の一部は、第1、第2のポート10、11および第3のポート12を経由して第3の開口8に流出する。一方、残りの流体は、第1、第2のバイパス通路46、47を通って連通路39に流入し、第3の開口8に流出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルの空調設備等に用いられる三方ボール弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、三方ボール弁は、例えばビルの空調設備における湯水混合または分流等に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載されている三方ボール弁1は、図8に示すように、弁本体2内に回動自在に組み込まれたボール状の弁体3と、この弁体3を回動させる弁軸4とを備えている。
【0004】
前記弁本体2は、前記弁軸4が挿入される弁軸用孔5と、前記弁軸4の軸線の延長線と直交する方向において対向する第1、第2の開口6、7と、前記弁軸4の軸線方向において開口する第3の開口8とを有し、内部中央に弁体3を収納する弁室9が形成されている。
【0005】
前記弁体3には、外周面に開口する第1、第2、第3のポート10、11、12および嵌合部13を有している。第1、第2のポート10、11は、弁体3の外周面で弁軸4の軸線の延長線と直交する方向において回転方向に90°離間して形成されている。第3のポート12は、前記弁軸4の軸線方向で弁体3の下面中央に形成されている。嵌合部13は弁体3の上面中央に形成され、前記弁軸4の内端4aが嵌合している。なお、14、15は、弁体3と弁室9との隙間をシールする第1、第2のシートリング、16、17、18は第1、第2、第3の開口6、7、8にそれぞれ接続された配管を示す。
【0006】
このような弁体3を備えた三方ボール弁1は、弁軸4によって弁体3を90°の角度範囲内で往復回動させることにより弁体3によって独立した2つの流路を形成することができる。すなわち、弁体3を回動させて図8に示す状態にすると、第1のポート10が第1の開口6に対して全開状態になり、第2のポート11が第2の開口7に対して全閉状態に切り替わる。この状態において、第1のポート10と第3のポート12とを介して配管16と配管18を接続する流路が形成される。一方、配管17および18は弁体3によって遮断される。したがって、配管16内の流体(例えば、水)19は、第1のポート10および第3のポート12を通って第3の開口8から流出し配管18に流れる。次に、図8に示す状態から弁体3を矢印B方向に90°回動させて第1のポート10を第1の開口6に対して全閉状態にし、第2のポート11を第2の開口7に対して全開状態に切り替えると、第2のポート11と第3のポート12を介して配管17と配管18を接続する流路が形成される。一方、配管16および18は弁体3によって遮断される。したがって、配管17内の流体(例えば、温水)20は、第2のポート11および第3のポート12を通って第3の開口8から流出し配管18に流れる。また、図8に示す状態から弁体3を矢印B方向に90°以内の角度範囲内で所要角度回動させて第1、第2のポート10、11を第1、第2の開口6、7に対して中間開度にすると、第1、第2のポート10、11が第1、第2の開口6、7に対してそれぞれ半開状態になり、第1、第2、第3のポート10、11、12を介して配管16、17と配管18を接続する流路が形成される。このため、配管16、17内の流体19、20は第1、第2のポート10、11から弁体3内に流入すると混合され、第3のポート12を通って配管18に流れる。
【0007】
しかしながら、このような従来の三方ボール弁1においては、弁体3の回転角度が中間開度になると、構造上第1のポート10から流入した流体19と、第2のポート11から流入した流体20が弁体3内で衝突することにより第3のポート12から流出する流体19、20の流量(Cv値)が減少するために、差圧が大きくなり、騒音や配管の振動等が起こり易いという問題があった。
【0008】
そこで、このような問題を解決するために上記した特許文献1に記載された発明に係る三方ボール弁は、弁体内の通路に張り出す張出部を弁軸4の軸線の延長線上に形成することにより、第1、第2のポート10、11から流入する流体19、20の衝突を回避し、弁のCv値を改善するようにしている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−130499号公報(第2頁、段落「0001」〜「0005」図5、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記したように、弁体の内部に張出部を突設した三方ボール弁においては、中間開度におけるCv値を改善することができる。しかしながら、低開度時または高開度時、すなわち、第1のポート10または第2のポート11からのみ流体19または20が弁本体2内に流入する開度時においては、張出部が流体19または20の阻害要因になり、第3のポートに流出する流体の流量が減少し、弁としての流量特性を低下させるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、低開度時や高開度時のCv値を減少させることなく中間開度時のCv値を改善することができるようにした三方ボール弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するために、弁軸が挿入される弁軸用孔と、前記弁軸の軸線方向と直交する方向において対向する第1、第2の開口と、前記弁軸の軸線方向に開口する第3の開口とを有し、内部に弁室が形成された弁本体と、前記弁軸が嵌合する嵌合部と、前記弁軸の軸線方向と直交する方向において回転方向に90°離間して形成された第1、第2のポートと、前記第3の開口に対応して前記弁軸の軸線方向に形成された第3のポートとを有し、前記弁室内に第1、第2のシートリングを介して回動自在に配設されたボール状の弁体とを備え、前記弁室の内壁と前記弁体の外周面と前記第1、第2のシートリングとの間には前記第3の開口に連通する連通路が形成され、前記弁体の外周面に、前記第1、第2のポートが中間開度のときに前記第1、第2の開口から弁本体内に流入する流体の一部を前記連通路を経由して前記第3の開口に導く第1、第2のバイパス通路をそれぞれ形成したものである。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記第1のバイパス通路の通路断面積は、第1のポートの開度が0%において零で、0%から50%の範囲内では徐々に増加し、開度が50%を超えると徐々に減少して100%において零になり、前記第2のバイパス通路の通路断面積は、第2のポートの開度が0%において零で、0%から50%の範囲内では徐々に増加し、開度が50%を超えると徐々に減少して100%において零になるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、弁の中間開度のとき、弁体内では第1、第2のポートから流入した流体が互いに衝突するため、第3のポートを経て第3の開口に流出する流量は減少する。一方、弁体の外周面に形成した第1、第2のバイパス通路に流入する流体は連通路を経て第3の開口に流出するため、第3の開口を通過する流体の総流量が増加し、中間開度時における弁のCv値が改善される。
【0015】
また、第1のバイパス通路の通路断面積は、第1のポートの開度が0%において零で、0%から50%の範囲内では徐々に増加し、開度が50%を超えると徐々に減少して100%において零になり、同じく第2のバイパス通路の通路断面積は、第2のポートの開度が0%において零で、0%から50%の範囲内では徐々に増加し、開度が50%を超えると徐々に減少して100%において零になるので、全開時のCv値が増加したり減少したりすることがなく、また第1、第2のポートの全閉時の締め切り性を良好に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る三方ボール弁の一実施の形態を示す断面図、図2は弁体の第1、第2のポート側から見た外観斜視図、図3は弁体の第1、第2のバイパス通路側から見た外観斜視図、図4は弁体を示す図で、(a)は弁体の中心を通る水平断面図、(b)は(a)図のA−A線断面図、(c)は(a)図のB−B線断面図、図5は図1のV−V線断面図で、(a)は第1のポートの弁開度が100%の状態を示す断面図、(b)は第1のポートの弁開度が50%の状態を示す断面図、(c)は第1のポートの弁開度が0%の状態を示す断面図である。
【0017】
これらの図おいて、全体を符号30で示す三方ボール弁は、図8に示した従来の三方ボール弁1と、弁体31の構造が若干異なるだけで、その他の構造は同一である。すなわち、三方ボール弁30は、十字型の弁本体2と、この弁本体2の内部中央に水平方向(矢印A、B方向)に回動自在に収納された弁体31と、この弁体31を矢印A、B方向に略90°の角度範囲内で往復回動させる弁軸4等で構成されている。なお、図8と同一構成部品、部分については同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。
【0018】
前記弁本体2は、通常鋳物製の弁ケース34と管体35との二つの部材によって形成されている。弁ケース34は、上下および左右の4方向に開放する略横向きT字状(または十字状)に形成することにより、4つの孔、すなわち上方に開口し前記弁軸4が回動自在に貫通する弁軸用孔5と、前記弁軸4の軸線と直交する方向に開口し互いに対向する第1の開口6および接続孔38と、下方に開口する第3の開口8とを有している。弁ケース34の内部中央、すなわち弁軸用孔5の直下部分は、前記弁体31を回動自在に収納する弁室9を形成している。
【0019】
前記管体35は直管からなり、上流側開口端部が前記弁ケース34の接続孔38にシール部材41を介して螺合され、下流側開口端部が第2の開口7を形成している。このため、弁ケース34の第1の開口6と管体35の第2の開口7は、弁軸4の軸線方向と直交する方向において対向している。弁本体2内への弁体31の組込みに際しては、管体35を弁ケース34から取外した状態で弁体31を第1、第2のシートリング14、15とともに組込む。そして、管体35を弁ケース34の接続口38にねじ込むことにより、第1、第2のシートリング14、15を弁体31の外周面に押し付け、これにより弁体31を回動可能に支持するとともに弁室9と弁体31との隙間をシールする。弁室9の内壁と、弁体31の外周面と第1、第2のシートリング14,15との間に形成された狭い隙間は、前記第3の開口8に連通する連通路39を形成している。
【0020】
前記弁軸4は、弁本体2の弁軸用孔5にシール部材40を介して回動自在に挿入され、内端に突設した嵌合部4aが前記弁体31の嵌合部13に挿入固定されている。弁軸4の外端は、電動アクチュエータ(図示せず)に連結されるか、またはハンドルが取付けられ手動操作されるように構成されている。
【0021】
前記弁体31は、中空のボール状(球状)に形成され、第1、第2、第3のポート10、11、12と、前記嵌合部13を有している。第1、第2のポート10、11は、弁軸4の軸線と直交し弁体31の回転中心Oを含む面内において弁体31の回転方向に90°離間して形成されている。第1、第2のポート10、11は、弁体31内に形成したL字状の通路43によって連通している。第3のポート12は、弁軸4の軸線方向で弁体31の下面中央に形成され、弁体31内において前記通路43に通路44を介して連通している。弁体31の上面中央には、前記弁軸4の嵌合部4aが嵌合する前記嵌合凹部13が形成されている。
【0022】
また、弁体31の外周面には、第1のポート10の中間開度時(図5(b))に前記第1の開口6から弁本体2内に流入する流体19の一部を前記連通路39を経由して前記第3の開口8に導く第1のバイパス通路46が形成されている。この第1のバイパス通路46は、図3〜図5に示すように、第1のポート10の側方で第2のポート11とは反対側に90°回転した位置に形成されている。また、この第1のバイパス通路46は、弁体31の外周面で弁軸4の軸線と直交し回転中心Oを含む水平面を挟んでその上下に対向するように形成された2つの半円形の凹部46a、46bで構成されている。これらの凹部46a、46bは、弁体31の外周面の一部を垂直に切断除去することにより形成され、平面視弧状の残余部46cによって仕切られている。
【0023】
このような第1のバイパス通路46は、2つの凹部46a、46bが半円形に形成されていることから、第1のポート10の開度が0%から50%の範囲内においては徐々に増加し、50%から100%の範囲内においては徐々に減少する通路断面積を有している。また、第1のバイパス通路46は、弁(第1、第2のポート10、11)の締め切り性を確保するために第1、第2のシートリング14、15の内径より小さく形成されることにより、図5(a)に示すように第1のポート10の全開時においては、第1、第2のシートリング14、15間に位置して第1、第2の開口6、7と連通路39との連通を遮断し、図5(c)に示すように第1のポート10の全閉時においては、第1のシートリング14内に位置して第1の開口6と連通路39との連通を遮断する。
【0024】
一方、図5(b)に示すように第1のポート10の中間開度時においては、第1のバイパス通路46が移動して第1のシートリング14と重なり合い、第1の開口6と連通路39が第1のバイパス通路46を介して連通する。このため、第1の開口6より弁本体2内に流入した流体19は、その一部が第1のポート10から弁体31内に流入して第3のポート12から第3の開口8に流出し、残りが第1のバイパス通路46および連通路39を経由して第3のポート8から流出する。
【0025】
さらに、弁体31の外周面には、前記第2のポート11の中間開度時(図5(b))に第2の開口7から弁本体2内に流入する流体20の一部を前記連通路39を経由して前記第3の開口8に導く第2のバイパス通路47が形成されている。この第2のバイパス通路47は、図3〜図5に示すように第2のポート11の側方で第1のポート10とは反対側に90°回転した位置に形成されている。また、この第2のバイパス通路47は、第1のバイパス通路46と同一形状に形成することにより、弁体31の外周面で弁軸4の軸線と直交し回転中心Oを含む水平面を挟んでその上下に対向するように形成された2つの半円形の凹部47a、47bで構成されている。これらの凹部47a、47bは、弁体31の外周面の一部を垂直に切断除去することに形成され、平面視弧状の残余部47cによって仕切られている。
【0026】
このような第2のバイパス通路47は、2つの凹部47a、47bが半円形に形成されていることから、第2のポート11の開度が0%から50%の範囲内においては徐々に増加し、50%から100%の範囲内においては徐々に減少する通路断面積を有している。また、第2のバイパス通路47は、弁の締め切り性を確保するために第1、第2のシートリング14、15の内径より小さく形成することにより、図5(a)に示すように第2のポート11が全閉状態においては、第2のシートリング15内に位置して第2の開口7と連通路39との連通を遮断し、図5(c)に示すように第2のポート11が全開状態においては、第1、第2のシートリング14、15間に位置して第1、第2の開口6、7と連通路39との連通を遮断する。
【0027】
一方、図5(b)に示すように第2のポート11の中間開度時においては、第2のバイパス通路47が移動して第2のシートリング15と重なり合い、第2の開口7と連通路39が第2のバイパス通路47を介して連通する。このため、第2の開口7から弁本体2内に流入した流体20は、その一部が第2のポート11から弁体31内に流入して第3のポート12から第3の開口8に流出し、残りが第2のバイパス通路47および連通路39を経由して第3の開口8に流出する。
【0028】
このように、本発明においては、弁体31の外周面に第1、第2のバイパス通路46、47を形成しているので、図5(b)に示す第1、第2のポート10、11の中間開度時における弁のCv値を改善することができる。すなわち、第1、第2のポート10、11が中間開度のとき、第1、第2の開口6、7から流入した流体19および20は、第1、第2のポート10、11から弁体31内に流入すると、弁体31内で互いに衝突するため、第3のポート12を経て第3の開口8に流出する流量は減少する。一方、流体19、20の一部は、第1、第2のバイパス通路46,47に流入すると、連通路39を経て第3の開口8に流出するため、第3の開口8を通過する流体19、20の総流量が増加し、中間開度時における弁のCv値を増大させる。
【0029】
また、第1のポート10の全閉状態においては、第1のバイパス通路46が第1のシートリング14内に位置し、第1の開口6と連通路39を完全に遮断しているので、流体19が第1のポート10を通って第3の開口8から漏洩することがなく、第1のポート10の良好な締め切り性を確保することができる。
【0030】
また、第2のポート11の全閉状態においても、同様に第2のバイパス通路47が第2のシートリング15内に位置し、第2の開口7と連通路39を完全に遮断しているので、流体20が第2のポート11を通って第3の開口8から漏洩することがなく、第2のポート11の締め切り性を確保することができる。
【0031】
図6は三方ボール弁のCv特性図である。
図6において、横軸は第1のポート10の弁開度(0%〜100%)、縦軸はCv値、実線50は図8に示した従来の三方ボール弁1のCv特性、実線51は本発明による三方ボール弁30のCv特性を示す。この図から明らかなように、従来の三方ボール弁1では中間開度時のCv値が全開時のCv値に対して40%程度減少しているが、本発明による三方ボール弁30ではCv値の減少を20%程度に抑えることができた。これは第1、第2のバイパス通路46、47の付加により中間開度時の総通路面積を増大させたことによる結果である。
【0032】
また、第1、第2のバイパス通路46、47は、第1、第2のポート10、11の弁開度が0%および100%のときに通路断面積が零になるように形成されているので、全開時においては第1、第2のポート10、11のCv値を従来の三方ボール弁1と同等にすることができ、全閉時においては第1、第2のポート10、11から流体が漏洩せず良好な締め切り性を確保することができる。
【0033】
図7(a)、(b)はそれぞれ弁体の他の実施の形態を示す断面図である。
図7(a)は、弁体31の外周面に形成される第1のバイパス通路(第2のバイパス通路も同様)51を深さが一定な円形の凹部で構成した例を示す。図7(b)は、弁体31の外周面に形成される第1のバイパス通路(第2のバイパス通路も同様)52を凹球面状(または円錐状)の凹部で構成した例を示す。このようなバイパス通路51、52においても上記した実施の形態と同様な効果が得られることは明らかであろう。
【0034】
なお、上記した実施の形態は、いずれも第1、第2のバイパス通路46、47、51、52の通路断面積が弁開度0〜50%の範囲内においては曲線的に増加し、50〜100%の範囲内においては同じく曲線的に減少する形状として例を示したが、本発明はこれに何ら特定されるものではなく、直線的に増加、減少する形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る三方ボール弁の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】弁体の第1、第2のポート側から見た外観斜視図である。
【図3】弁体の第1、第2のバイパス通路側から見た外観斜視図である。
【図4】(a)は弁体の中心を通る水平断面図、(b)は(a)図のA−A線断面図、(c)は(a)図のB−B線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図で、(a)は第1のポートの弁開度が100%の状態を示す断面図、(b)は第1のポートの弁開度が50%の状態を示す断面図、(c)は第1のポートの弁開度が0%の状態を示す断面図である。
【図6】三方ボール弁のCv特性図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ弁体の他の実施の形態を示す断面図である。
【図8】三方ボール弁の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…三方ボール弁、2…弁本体、3…弁体、4…弁軸、5…弁軸用孔、6…第1の開口、7…第2の開口、8…第3の開口、9…弁室、10…第1のポート、11…第2のポート、12…第3のポート、14…第1のシートリング、15…第2のシートリング、31…弁体、19、20…流体、46…第1のバイパス通路、47…第2のバイパス通路、51、52…バイパス通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁軸が挿入される弁軸用孔と、前記弁軸の軸線方向と直交する方向において対向する第1、第2の開口と、前記弁軸の軸線方向に開口する第3の開口とを有し、内部に弁室が形成された弁本体と、
前記弁軸が嵌合する嵌合部と、前記弁軸の軸線方向と直交する方向において回転方向に90°離間して形成された第1、第2のポートと、前記第3の開口に対応して前記弁軸の軸線方向に形成された第3のポートとを有し、前記弁室内に第1、第2のシートリングを介して回動自在に配設されたボール状の弁体とを備え、
前記弁室の内壁と前記弁体の外周面と前記第1、第2のシートリングとの間には前記第3の開口に連通する連通路が形成され、
前記弁体の外周面に、前記第1、第2のポートが中間開度のときに前記第1、第2の開口から弁本体内に流入する流体の一部を前記連通路を経由して前記第3の開口に導く第1、第2のバイパス通路をそれぞれ形成したことを特徴とする三方ボール弁。
【請求項2】
請求項1記載の三方ボール弁において、
前記第1のバイパス通路の通路断面積は、第1のポートの開度が0%において零で、0%から50%の範囲内では徐々に増加し、開度が50%を超えると徐々に減少して100%において零になり、
前記第2のバイパス通路の通路断面積は、第2のポートの開度が0%において零で、0%から50%の範囲内では徐々に増加し、開度が50%を超えると徐々に減少して100%において零になることを特徴とする三方ボール弁。
【請求項3】
請求項1または2記載の三方ボール弁において、
前記第1、第2のバイパス通路のいずれか一方は、弁体の外周面に対向して配設された一対の凹部からなり、これらの凹部間には表面が弁本体の外周面と同一の曲率からなる平面視弧状の残余部が設けられていることを特徴とする三方ボール弁。
【請求項4】
請求項1または2記載の三方ボール弁において、
前記第1、第2のバイパス通路のいずれか一方は、深さが一定な凹部であることを特徴とする三方ボール弁。
【請求項5】
請求項1または2記載の三方ボール弁において、
前記第1、第2のバイパス通路のいずれか一方は、凹球面状の凹部であることを特徴とする三方ボール弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−168063(P2009−168063A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4279(P2008−4279)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】