三爪チャックの内径測定具
【課題】測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、測定具本体に三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、内径を定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けているから、三爪チャックの三つの爪の内径を容易に測定することができる。
【解決手段】測定具本体1及び三爪チャックWの三つの爪Tの内径Dを測定する測定杆体2を備えてなり、測定具本体に三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を三つの爪の中心Oから放射状方向にスライド自在に配設し、各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構3を設け、内径を定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部4を設けてなる。
【解決手段】測定具本体1及び三爪チャックWの三つの爪Tの内径Dを測定する測定杆体2を備えてなり、測定具本体に三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を三つの爪の中心Oから放射状方向にスライド自在に配設し、各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構3を設け、内径を定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部4を設けてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、旋盤等の工作機械で使用する三爪チャックの三つの爪の内径を測定する際に用いられる三爪チャックの内径測定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内径測定具として、三爪チャックの三つの爪のうち、二つの爪に接触する定規本体と、定規本体の垂直2等分線上を移動するスライド定規体からなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−280803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこれら従来構造の場合、定規本体を二つの爪に接触させた状態で、スライド定規体の先端部を残りの一つの爪に接触させて内径を測定する構造のため、測定対象物の形状や大きさによっては、内径測定が厄介になることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、上記測定具本体に上記三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を該三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、該各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、該内径を該定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けてなることを特徴とする三爪チャックの内径測定具にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記操作機構として、上記測定具本体に操作軸を回転自在に配設し、該操作軸に中心歯車を配設し、上記各測定杆体に該中心歯車に噛合可能なラック歯を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記内径表示部として、上記測定杆体に内径目盛部を形成し、上記測定具本体に該内径目盛部を読取可能な指標部を形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記指標部にバーニヤ目盛部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記測定具本体は上記各測定杆体を保持可能な三個の保持板を備えてなり、該三個の保持板に該各測定杆体をスライド自在に嵌合可能なスライド溝を形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記スライド溝と上記各測定杆体との間に該各測定杆体に摩擦力を付与可能なバネ部材を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、測定具本体に上記三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、内径を該定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けているから、測定具本体を持って操作機構により三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向に同寸法分同時にスライド調節させ、各測定杆体の先端をそれぞれ三爪チャックの三つの爪の把持面に当接させ、この当接状態において、内径表示部により内径を表示することができ、従って、三爪チャックの三つの爪の内径を容易に測定することができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記操作機構として、上記測定具本体に操作軸を回転自在に配設し、操作軸に中心歯車を配設し、上記各測定杆体に中心歯車に噛合可能なラック歯を設けているから、三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向に同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を簡素な構造とすることができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記内径表示部として、上記測定杆体に内径目盛部を形成し、上記測定具本体に内径目盛部を読取可能な指標部を形成しているから、内径表示部の構造を簡素化することができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記指標部にバーニヤ目盛部を設けているから、内径目盛部を細かく読み取ることができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記測定具本体は上記各測定杆体を保持可能な三個の保持板を備えてなり、三個の保持板に各測定杆体をスライド自在に嵌合可能なスライド溝を形成してなるから、各測定杆体を円滑にスライドさせることができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記スライド溝と上記各測定杆体との間に各測定杆体に摩擦力を付与可能なバネ部材を設けてなるから、測定杆体の不測のスライドを抑制することができ、それだけ、内径の読み取りを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
【図3】本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態例の部分平面図である。
【図6】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態例の部分平断面図である。
【図8】本発明の実施の形態例の説明平面図である。
【図9】本発明の実施の形態例の説明部分平面図である。
【図10】本発明の実施の形態例の説明部分拡大平面図である。
【図11】本発明の実施の形態例のの説明部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、1は測定具本体であって、この測定具本体1に三爪チャックWの三つの爪T・T・Tの内径Dを測定する三個の測定杆体2・2・2が設けられ、この三個の測定杆体2・2・2は測定具本体1に上記三つの爪T・T・Tにそれぞれ当接可能に設けられ、この三個の測定杆体2・2・2を三つの爪T・T・Tの中心Oから放射状方向にスライド自在に配設して構成している。
【0011】
3は操作機構であって、各測定杆体2・2・2を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能に設けている。
【0012】
4は内径表示部であって、上記三つの爪T・T・Tがなす内径Dを測定杆体2・2・2のスライド量に応じて表示するように設けられている。
【0013】
この場合、図3、図5の如く、上記操作機構3として、上記測定具本体1に操作軸5を回転自在に配設し、操作軸5に中心歯車6を配設し、上記各測定杆体2・2・2に中心歯車6に噛合可能なラック歯2a・2a・2aを設けて構成している。
【0014】
又、上記内径表示部4として、上記各測定杆体2・2・2の内の最上層の測定杆体2に内径目盛部Kを形成し、上記測定具本体1に窓穴部Fを形成すると共に内径目盛部Kを読取可能な、この場合数字の0の目盛りたる指標部Mを形成してなり、この指標部Mにバーニヤ目盛部Bを設けている。この場合、0.1mm単位を読み取り可能なバーニヤ目盛部Bとしている。
【0015】
又、この場合、図4の如く、上記測定具本体1は上板1a及び底板1bとの間に上記各測定杆体2・2・2を保持可能な三個の保持板1c・1c・1cを介装し、上板1aに上記操作軸5の軸受部Nを形成し、この三個の保持板1c・1c・1cに各測定杆体2・2・2をスライド自在に嵌合可能なスライド溝1d・1d・1dを形成し、スライド溝1d・1d・1dと上記各測定杆体2・2・2との間に各測定杆体2・2・2に摩擦力を付与可能なバネ部材S・S・Sを配設し、上板1aと底板1bとを各測定杆体2・2・2及び各保持板1c・1c・1cを位置決めピンQにより位置決め介装した状態で六個のボルト1eにより固定している。
【0016】
この実施の形態例は上記構成であるから、図8の如く、測定具本体1を持って操作機構3により三個の測定杆体2・2・2を三つの爪T・T・Tの中心Oから放射状方向に同寸法分同時にスライド調節させ、各測定杆体2・2・2の先端をそれぞれ三爪チャックWの三つの爪T・T・Tの把持面に当接させ、この当接状態において、内径表示部4により内径を表示することができ、したがって、三爪チャックWの三つの爪T・T・Tの内径Dを容易に測定することができる。
【0017】
この場合、上記操作機構3として、上記測定具本体1に操作軸5を回転自在に配設し、操作軸5に中心歯車6を配設し、上記各測定杆体2・2・2に中心歯車6に噛合可能なラック歯2a・2a・2aを設けているから、三個の測定杆体2・2・2を三つの爪T・T・Tの中心Oから放射状方向に同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構3を簡素な構造とすることができ、又、この場合、上記内径表示部4として、上記測定杆体2に内径目盛部Kを形成し、上記測定具本体1に内径目盛部Kを読取可能な指標部Mを形成しているから、内径表示部4の構造を簡素化することができ、又、この場合、上記指標部Mにバーニヤ目盛部Bを設けているから、この場合、図10においては、内径D=227.2mm、図11においては、内径D=285.5mmの如く、内径目盛部Kを細かく読み取ることができ、又、この場合、上記測定具本体1は上記各測定杆体2・2・2を保持可能な三個の保持板1c・1c・1cを備えてなり、三個の保持板1c・1c・1cに各測定杆体2・2・2をスライド自在に嵌合可能なスライド溝1d・1d・1dを形成してなるから、各測定杆体2・2・2を円滑にスライドさせることができ、又、この場合、上記スライド溝1d・1d・1dと上記各測定杆体2・2・2との間に各測定杆体2・2・2に摩擦力を付与可能なバネ部材S・S・Sを設けてなるから、測定杆体2・2・2の不測のスライドを抑制することができ、それだけ、内径の読み取りを容易に行うことができる。
【0018】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、測定具本体1、測定杆体2、操作機構3の形態や構造、内径表示部4をデジタル式表示にするなど、適宜変更して設計されるものである。
【0019】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0020】
W 三爪チャック
T 爪
D 内径
K 内径目盛部
M 指標部
B バーニヤ目盛部
S バネ部材
1 測定具本体
1c 保持板
1d スライド溝
2 測定杆体
2a ラック歯
3 操作機構
4 内径表示部
5 操作軸
6 中心歯車
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、旋盤等の工作機械で使用する三爪チャックの三つの爪の内径を測定する際に用いられる三爪チャックの内径測定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内径測定具として、三爪チャックの三つの爪のうち、二つの爪に接触する定規本体と、定規本体の垂直2等分線上を移動するスライド定規体からなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−280803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこれら従来構造の場合、定規本体を二つの爪に接触させた状態で、スライド定規体の先端部を残りの一つの爪に接触させて内径を測定する構造のため、測定対象物の形状や大きさによっては、内径測定が厄介になることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、上記測定具本体に上記三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を該三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、該各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、該内径を該定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けてなることを特徴とする三爪チャックの内径測定具にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記操作機構として、上記測定具本体に操作軸を回転自在に配設し、該操作軸に中心歯車を配設し、上記各測定杆体に該中心歯車に噛合可能なラック歯を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記内径表示部として、上記測定杆体に内径目盛部を形成し、上記測定具本体に該内径目盛部を読取可能な指標部を形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記指標部にバーニヤ目盛部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記測定具本体は上記各測定杆体を保持可能な三個の保持板を備えてなり、該三個の保持板に該各測定杆体をスライド自在に嵌合可能なスライド溝を形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記スライド溝と上記各測定杆体との間に該各測定杆体に摩擦力を付与可能なバネ部材を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、測定具本体に上記三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、内径を該定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けているから、測定具本体を持って操作機構により三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向に同寸法分同時にスライド調節させ、各測定杆体の先端をそれぞれ三爪チャックの三つの爪の把持面に当接させ、この当接状態において、内径表示部により内径を表示することができ、従って、三爪チャックの三つの爪の内径を容易に測定することができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記操作機構として、上記測定具本体に操作軸を回転自在に配設し、操作軸に中心歯車を配設し、上記各測定杆体に中心歯車に噛合可能なラック歯を設けているから、三個の測定杆体を三つの爪の中心から放射状方向に同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を簡素な構造とすることができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記内径表示部として、上記測定杆体に内径目盛部を形成し、上記測定具本体に内径目盛部を読取可能な指標部を形成しているから、内径表示部の構造を簡素化することができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記指標部にバーニヤ目盛部を設けているから、内径目盛部を細かく読み取ることができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記測定具本体は上記各測定杆体を保持可能な三個の保持板を備えてなり、三個の保持板に各測定杆体をスライド自在に嵌合可能なスライド溝を形成してなるから、各測定杆体を円滑にスライドさせることができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記スライド溝と上記各測定杆体との間に各測定杆体に摩擦力を付与可能なバネ部材を設けてなるから、測定杆体の不測のスライドを抑制することができ、それだけ、内径の読み取りを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
【図3】本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態例の部分平面図である。
【図6】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態例の部分平断面図である。
【図8】本発明の実施の形態例の説明平面図である。
【図9】本発明の実施の形態例の説明部分平面図である。
【図10】本発明の実施の形態例の説明部分拡大平面図である。
【図11】本発明の実施の形態例のの説明部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、1は測定具本体であって、この測定具本体1に三爪チャックWの三つの爪T・T・Tの内径Dを測定する三個の測定杆体2・2・2が設けられ、この三個の測定杆体2・2・2は測定具本体1に上記三つの爪T・T・Tにそれぞれ当接可能に設けられ、この三個の測定杆体2・2・2を三つの爪T・T・Tの中心Oから放射状方向にスライド自在に配設して構成している。
【0011】
3は操作機構であって、各測定杆体2・2・2を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能に設けている。
【0012】
4は内径表示部であって、上記三つの爪T・T・Tがなす内径Dを測定杆体2・2・2のスライド量に応じて表示するように設けられている。
【0013】
この場合、図3、図5の如く、上記操作機構3として、上記測定具本体1に操作軸5を回転自在に配設し、操作軸5に中心歯車6を配設し、上記各測定杆体2・2・2に中心歯車6に噛合可能なラック歯2a・2a・2aを設けて構成している。
【0014】
又、上記内径表示部4として、上記各測定杆体2・2・2の内の最上層の測定杆体2に内径目盛部Kを形成し、上記測定具本体1に窓穴部Fを形成すると共に内径目盛部Kを読取可能な、この場合数字の0の目盛りたる指標部Mを形成してなり、この指標部Mにバーニヤ目盛部Bを設けている。この場合、0.1mm単位を読み取り可能なバーニヤ目盛部Bとしている。
【0015】
又、この場合、図4の如く、上記測定具本体1は上板1a及び底板1bとの間に上記各測定杆体2・2・2を保持可能な三個の保持板1c・1c・1cを介装し、上板1aに上記操作軸5の軸受部Nを形成し、この三個の保持板1c・1c・1cに各測定杆体2・2・2をスライド自在に嵌合可能なスライド溝1d・1d・1dを形成し、スライド溝1d・1d・1dと上記各測定杆体2・2・2との間に各測定杆体2・2・2に摩擦力を付与可能なバネ部材S・S・Sを配設し、上板1aと底板1bとを各測定杆体2・2・2及び各保持板1c・1c・1cを位置決めピンQにより位置決め介装した状態で六個のボルト1eにより固定している。
【0016】
この実施の形態例は上記構成であるから、図8の如く、測定具本体1を持って操作機構3により三個の測定杆体2・2・2を三つの爪T・T・Tの中心Oから放射状方向に同寸法分同時にスライド調節させ、各測定杆体2・2・2の先端をそれぞれ三爪チャックWの三つの爪T・T・Tの把持面に当接させ、この当接状態において、内径表示部4により内径を表示することができ、したがって、三爪チャックWの三つの爪T・T・Tの内径Dを容易に測定することができる。
【0017】
この場合、上記操作機構3として、上記測定具本体1に操作軸5を回転自在に配設し、操作軸5に中心歯車6を配設し、上記各測定杆体2・2・2に中心歯車6に噛合可能なラック歯2a・2a・2aを設けているから、三個の測定杆体2・2・2を三つの爪T・T・Tの中心Oから放射状方向に同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構3を簡素な構造とすることができ、又、この場合、上記内径表示部4として、上記測定杆体2に内径目盛部Kを形成し、上記測定具本体1に内径目盛部Kを読取可能な指標部Mを形成しているから、内径表示部4の構造を簡素化することができ、又、この場合、上記指標部Mにバーニヤ目盛部Bを設けているから、この場合、図10においては、内径D=227.2mm、図11においては、内径D=285.5mmの如く、内径目盛部Kを細かく読み取ることができ、又、この場合、上記測定具本体1は上記各測定杆体2・2・2を保持可能な三個の保持板1c・1c・1cを備えてなり、三個の保持板1c・1c・1cに各測定杆体2・2・2をスライド自在に嵌合可能なスライド溝1d・1d・1dを形成してなるから、各測定杆体2・2・2を円滑にスライドさせることができ、又、この場合、上記スライド溝1d・1d・1dと上記各測定杆体2・2・2との間に各測定杆体2・2・2に摩擦力を付与可能なバネ部材S・S・Sを設けてなるから、測定杆体2・2・2の不測のスライドを抑制することができ、それだけ、内径の読み取りを容易に行うことができる。
【0018】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、測定具本体1、測定杆体2、操作機構3の形態や構造、内径表示部4をデジタル式表示にするなど、適宜変更して設計されるものである。
【0019】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0020】
W 三爪チャック
T 爪
D 内径
K 内径目盛部
M 指標部
B バーニヤ目盛部
S バネ部材
1 測定具本体
1c 保持板
1d スライド溝
2 測定杆体
2a ラック歯
3 操作機構
4 内径表示部
5 操作軸
6 中心歯車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、上記測定具本体に上記三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を該三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、該各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、該内径を該定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けてなることを特徴とする三爪チャックの内径測定具。
【請求項2】
上記操作機構として、上記測定具本体に操作軸を回転自在に配設し、該操作軸に中心歯車を配設し、上記各測定杆体に該中心歯車に噛合可能なラック歯を設けてなることを特徴とする請求項1記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項3】
上記内径表示部として、上記測定杆体に内径目盛部を形成し、上記測定具本体に該内径目盛部を読取可能な指標部を形成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項4】
上記指標部にバーニヤ目盛部を設けてなることを特徴とする請求項3記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項5】
上記測定具本体は上記各測定杆体を保持可能な三個の保持板を備えてなり、該三個の保持板に該各測定杆体をスライド自在に嵌合可能なスライド溝を形成してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項6】
上記スライド溝と上記各測定杆体との間に該各測定杆体に摩擦力を付与可能なバネ部材を設けてなることを特徴とする請求項5記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項1】
測定具本体及び三爪チャックの三つの爪の内径を測定する測定杆体を備えてなり、上記測定具本体に上記三つの爪にそれぞれ当接可能な三個の測定杆体を該三つの爪の中心から放射状方向にスライド自在に配設し、該各測定杆体を放射状方向に互いに同寸法分同時にスライド調節可能な操作機構を設け、該内径を該定規杆体のスライド量に応じて表示可能な内径表示部を設けてなることを特徴とする三爪チャックの内径測定具。
【請求項2】
上記操作機構として、上記測定具本体に操作軸を回転自在に配設し、該操作軸に中心歯車を配設し、上記各測定杆体に該中心歯車に噛合可能なラック歯を設けてなることを特徴とする請求項1記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項3】
上記内径表示部として、上記測定杆体に内径目盛部を形成し、上記測定具本体に該内径目盛部を読取可能な指標部を形成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項4】
上記指標部にバーニヤ目盛部を設けてなることを特徴とする請求項3記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項5】
上記測定具本体は上記各測定杆体を保持可能な三個の保持板を備えてなり、該三個の保持板に該各測定杆体をスライド自在に嵌合可能なスライド溝を形成してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の三爪チャックの内径測定具。
【請求項6】
上記スライド溝と上記各測定杆体との間に該各測定杆体に摩擦力を付与可能なバネ部材を設けてなることを特徴とする請求項5記載の三爪チャックの内径測定具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−217118(P2010−217118A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66915(P2009−66915)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(309005216)有限会社長谷川金型工業 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(309005216)有限会社長谷川金型工業 (1)
【Fターム(参考)】
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