説明

三重効用吸収冷温水機

【課題】
三重効用吸収冷温水機において、起動から定常運転まで気液分離器の性能を確保するとともに、伝熱管への溶液の供給不足が原因で生じる空焚きを防止できるようにすること。
【解決手段】
三重効用吸収冷温水機は、下部管寄せ3、上部管寄せ2、複数本の伝熱管4、燃焼装置6、及び気液分離器8とを備えた貫流式の高温再生器1を備える。気液分離器8は、冷媒蒸気を上部から流出し、濃溶液を下部から流出するものである。三重効用吸収冷温水機は、さらに、気液分離器8から流出される濃溶液の液面を形成するフロートボックス18と、フロートボックス18内の濃溶液の液面によって高温再生器1への希溶液量を調節するフロート弁19と、下部管寄せ3とフロートボックス18の気相部とを連通するとともに高温再生器1の液面を検出するための液面検出器25を設けた連通管20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三重効用吸収冷温水機に係り、特に空気調和装置等に用いられる三重効用吸収冷温水機に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、例えば特許文献1の三重効用吸収冷温水機では、貫流式ボイラ構造の高温再生器が、上部と下部に環状の上部管寄せ(上部ヘッダー)及び下部管寄せ(下部ヘッダー)を備え、これらの管寄せ間に鉛直方向の多数の上昇管を略円筒状に配設し、上部中央部に燃焼装置を備え、希溶液を下部管寄せに導入して加熱濃縮し、上部管寄せから気液混合物を取り出すように構成されている。また、上部管寄せには気液混合物導管を介して気液分離器が接続され、気液分離器の上部には蒸気抜出導管が接続され、気液分離器の下側部には吸収液抜出導管が接続され、気液分離器の下部と下部管寄せとが吸収液循環導管で接続され、吸収液循環導管または下部管寄せに吸収液供給管が接続されるとともに、気液分離器には上部液出入り管及び下部出入り管を介して接続された鉛直管を備え、鉛直管内の液面にマグネットを内蔵したフロートを浮かべ、鉛直管の外面に高位液面検出スイッチ及び低位液面検出スイッチを備えるように構成されている。上記従来技術では、高温再生器の空焚きを防止するために、起動時には液面が高くなり高位液面検出スイッチが作動検出されないと燃焼運転に入らないようにし、また、運転中に液面が低く低位液面検出スイッチが正常に作動検出されることを確認するテスト運転モードが備えられている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−227662号公報(第12頁、図1〜6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、高温再生器の下部管寄せと気液分離器の底部を連通して高温再生器の伝熱管内の液面を鉛直管に設けた高位液面検出スイッチと低位液面検出スイッチで検出する構成とし、空焚き防止のための高位液面検出スイッチが高温再生器の上部管寄せの管板近傍の設けられている。
【0005】
起動時には、気液分離器内の液面が上昇し気液分離するための気相部分がかなり小さく限定されるとともに、高温再生器に供給される溶液の温度が外気温度程度と低く、圧力も約1/100気圧程度であるため、燃焼装置で加熱されて上昇管内で発生する冷媒蒸気の密度が定格運転時の約1/200と小さく、気液分離器内へ流入する冷媒蒸気の速度が大幅に増すことから、気液分離器内の液面を撹拌し、撹拌された液面から冷媒蒸気とともに溶液が蒸気抜出導管から中温再生器に導かれてしまう。
【0006】
また、その後の運転中は気液分離器内の液面は低下し、燃焼装置での燃焼量と溶液の循環量で液面位置がバランスしても、気液分離器内には常に溶液の液面が存在するので、運転中に高温再生器の上部管寄せから気液分離器に流入する冷媒蒸気と溶液が混合した蒸気流により、気液分離器内の液面が乱され中温再生器に導入される冷媒蒸気に溶液が随伴されやすく、冷媒に溶液が混入してしまう。冷媒に溶液が混入すると、蒸発器内の冷媒の蒸発温度が上昇して性能低下の原因となり、三重効用吸収冷温水機の運転に支障をきたすことになる。また、気液分離器内に液面を形成させつつ気液分離性能を確保するためには、起動時の液面が上昇する場合でも気相部分を十分に確保する必要があるため気液分離器が大きくなってしまい、三重効用吸収冷温水機の機器配置に自由度が限定されてしまう。
【0007】
また、上記従来技術では、部分負荷運転時に燃焼装置の燃焼・停止を繰り返す場合の運転方法について記載されていない。
【0008】
本発明の目的は、起動から定常運転まで気液分離器の性能を確保するとともに、下部管寄せと上部管寄せに接続される複数本の伝熱管への溶液の供給不足が原因で生じる空焚きを防止できる三重効用吸収冷温水機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、高温再生器、中温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、高温熱交換器、中温熱交換器、低温熱交換器、溶液循環ポンプ、溶液散布ポンプ、冷媒ポンプを溶液配管及び冷媒配管で接続して溶液・冷媒循環回路を構成し、前記高温再生器は、希溶液が流入する下部管寄せと、濃溶液及び冷媒蒸気の混合物を流出する上部管寄せと、前記下部管寄せと前記上部管寄せとを接続する複数本の伝熱管と、複数本の伝熱管の外側に燃焼ガスを流通する燃焼装置と、前記上部管寄せから流出された混合物の濃溶液と冷媒蒸気とを分離する気液分離器とを備えた貫流式の高温再生器で構成され、前記気液分離器は、冷媒蒸気を上部から流出し、濃溶液を下部から流出するものである三重効用吸収冷温水機において、前記気液分離器から流出される濃溶液の液面を形成するフロートボックスと、前記フロートボックス内の濃溶液の液面によって前記高温再生器への希溶液量を調節するフロート弁と、前記下部管寄せと前記フロートボックスの気相部とを連通するとともに前記高温再生器の液面を検出するための液面検出器を設けた連通管とを備えたものである。
【0010】
また、前記目的を達成するために、本発明は、高温再生器、中温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、高温熱交換器、中温熱交換器、低温熱交換器、溶液循環ポンプ、溶液散布ポンプ、冷媒ポンプを溶液配管及び冷媒配管で接続して溶液・冷媒循環回路を構成し、前記高温再生器は、希溶液が流入する下部管寄せと、濃溶液及び冷媒蒸気の混合物を流出する上部管寄せと、前記下部管寄せと前記上部管寄せとを接続する複数本の伝熱管と、複数本の伝熱管の外側に燃焼ガスを流通する燃焼装置と、前記上部管寄せから流出された混合物の濃溶液と冷媒蒸気とを分離する気液分離器とを備えた貫流式の高温再生器で構成され、前記気液分離器は、冷媒蒸気を上部から流出し、濃溶液を下部から流出するものである三重効用吸収冷温水機において、前記気液分離器から流出される濃溶液の液面を形成するフロートボックスと、前記フロートボックス内の濃溶液の液面によって前記高温再生器への希溶液量を調節するフロート弁と、前記上部管寄せと前記フロートボックスの気相部とを連通させるUシール配管と、前記上部管寄せと前記下部管寄せとを連通するとともに前記高温再生器の液面を検出するための液面検出器を設けた連通管とを備えたものである。
【0011】
また、本発明においてより好ましくは、次の構成としたことである。
(1)前記液面検出器は前記連通管内に形成される希溶液の液面を検出するための高位検知器と低位検知器とを高さの異なる位置に有すること。
(2)起動時に前記高位検知器が希溶液を検出すると、前記燃焼装置の燃焼を開始し、予め設定された設定時間中は燃焼量の下限値で燃焼を行うように制御するとともに、燃焼開始後に前記低位検知器が液面を検出すると、前記燃焼装置での燃焼を停止するように制御する制御装置を備えたこと。
(3)前記液面検出器は前記連通管内に溜まる希溶液の液面を検出するための高位検知器と中位検知器と低位検知器とを高さの異なる位置に設け、起動時に前記高位検知器が希溶液を検出すると、前記燃焼装置の燃焼を開始し、その後に前記液面検出器内の液面が低下して中位検知器で液面が検知されるまで前記燃焼装置を燃焼量の下限値で燃焼するように制御するとともに、燃焼開始後に前記低位検知器が液面を検出すると、前記燃焼装置での燃焼を停止するように制御する制御装置を備えたこと。
(4)蒸発器内を流れる冷水の出口温度を温度センサで検出し、温度センサで検出した温度と予め設定される第一及び第二の設定温度と比較して高温再生器の燃焼装置の燃焼量を調整する制御装置を備え、前記制御装置は、部分負荷時に冷水の出口温度が第一の設定温度に達すると前記燃焼装置を停止し、その後、検出される冷水の出口温度が第二の設定温度より高くなる状態と液面検出器の高位検知器で溶液が検出されている状態との両方が満たされると、前記燃焼装置を再度点火し燃焼を開始するように制御すること。
(5)前記高位検知器は前記伝熱管の上端近傍の高さに設けたこと。
(6)前記フロート弁は、前記吸収器下部に溜められる溶液が前記蒸発器へのオーバーフローを防止するための堰より高い位置に配置されたものであること。
(7)前記吸収器から前記高温再生器、前記中温再生器、前記低温再生器に希溶液を送る前記溶液循環ポンプを駆動する駆動電源の周波数を制御する制御装置を備え、前記制御装置は前記高温再生器の圧力もしくは温度の上昇にともない前記溶液循環ポンプを駆動する前記駆動電源の周波数を増加し、前記高温再生器の圧力もしくは温度の低下にともない前記溶液循環ポンプを駆動する前記駆動電源の周波数を減少させるように制御すること。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、起動から定常運転まで気液分離器の性能を確保するとともに、下部管寄せと上部管寄せに接続される複数本の伝熱管への溶液の供給不足が原因で生じる空焚きを防止できる三重効用吸収冷温水機を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の複数の実施例について図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
(実施例1)
先ず、本発明を実施するための最良の形態の実施例1について説明する。
【0014】
図1に本発明の実施の形態を示す。先ず本発明の三重効用吸収冷温水機の構成について説明する。三重効用吸収冷温水機は、一点鎖線で囲まれた高温再生器1、蒸発器7、吸収器8、凝縮器9、低温再生器10、中温再生器11、低温熱交換器15、中温熱交換器16、高温熱交換器17の熱交換器要素と、蒸発器7内の冷媒を循環させるための冷媒ポンプ12、吸収器8内の濃度の薄い希溶液を低温再生器10と中温再生器11と高温再生器1に循環させるための溶液循環ポンプ13、低温再生器10と中温再生器11と高温再生器1の溶液を吸収器8内に散布するための溶液散布ポンプ14、高温再生器1から流出する溶液量に対応して高温再生器1に流入する溶液量を調節するフロート弁19を備えたフロートボックス18とこれらを結ぶ溶液配管及び冷媒配管で構成されている。
【0015】
一点鎖線で囲まれた高温再生器1は貫流式の高温再生器1で、バーナ6を備え、上部管寄せ2と下部管寄せ3が複数本の伝熱管4(以下、単に伝熱管4という)で接続されている。気液分離器5上部と中温再生器11が配管22で接続されている。配管22は途中で分岐され、分岐された配管28がバルブ29を介して吸収器8と接続されている。気液分離器5下部とフロートボックス18が配管23で接続されている。
【0016】
希溶液は、下部管寄せ3、伝熱管4、上部管寄せ2の順で流通し、伝熱管4の外側がバーナ6で加熱されることにより濃縮されて冷媒蒸気と濃溶液となる。冷媒蒸気と濃溶液が混合した状態で気液分離器5に流入し、冷媒蒸気と濃溶液に分離される。分離された冷媒蒸気は配管22を通って中温再生器11に導かれる。分離された濃溶液は配管23を通ってフロートボックス18に導かれる。また、下部管寄せ3とフロートボックス18の気相部とを連通する連通管20が設けられている。この連通管20の途中には、高位検知器26と低位検知器27とを備えた液面検出器25が設けられている。吸収器8からの希溶液が流入する配管24が下部管寄せ3に接続されている。
【0017】
フロートボックス18内のフロート弁19は、図1に示すようにフロート19dを備え、フロートボックス18内に溜められる濃溶液の液面位置を検出し、フロートボックス18内の濃溶液の液面が低下すると高温再生器1に供給する希溶液の流量を増加し、フロートボックス18内の濃溶液の液面が上昇すると高温再生器1に供給する希溶液の流量を減少するように調節する。また、フロートボックス18内のフロート弁19は、吸収器8と蒸発器7の間に設けられる堰(図示せず)より高い位置に設けられる。吸収器8と蒸発器7の間の堰は、運転停止時に溶液を希釈して高温再生器1と中温再生器11と低温再生器10の高圧側から吸収器8の低圧側に圧力差で溶液が流れ込んでも蒸発器7にオーバーフローしない高さに設計される。つまり、運転停止中には、フロートボックス18内の液面はフロート弁19より低い位置に形成されるように構成される。また、液面検出器25の高位検知器26は、例えば高温再生器1の伝熱管4が上部管寄せ2と接続する伝熱管4の上端の高さに設けるとともに、フロートボックス18側の連通管20も高位検知器26と同等の高さ位置でフロートボックス18に接続される。
【0018】
また、三重効用吸収冷温水機は制御装置33を備えている。制御装置33には、バーナ6、高位検知器26、低位検知器27、バルブ29、蒸発器7内の管群を流れる冷水の出口温度センサ31、溶液散布ポンプ14、溶液循環ポンプ13の周波数を調節するためのインバータ32が破線で示す信号線で接続されている。本実施の形態においては、三重効用吸収冷温水機の冷媒には水、吸収剤には臭化リチウム水溶液が用いられている。以下の説明で図1と同様の部位については同一符号で示す。
【0019】
次に、かかる三重効用吸収冷温水機の冷房運転中の動作について説明する。
【0020】
バーナ6により高温再生器1の下部管寄せ3から伝熱管4に流入する希溶液が加熱され濃縮されて濃溶液と冷媒蒸気となり上部管寄せ2から配管21を通り気液分離器5に導かれる。気液分離器5で分離された冷媒蒸気は、配管22を通り中温再生器11内の希溶液を加熱濃縮し冷媒蒸気を発生させて凝縮液化し凝縮器9に流入する。中温再生器11で発生した冷媒蒸気は、低温再生器10内の希溶液を加熱濃縮し冷媒蒸気を発生させて凝縮液化し凝縮器9に流入する。低温再生器10で発生した冷媒蒸気は凝縮器9で凝縮器9内を流れる冷却水で冷却され凝縮液化し、高温再生器1と中温再生器11からの冷媒とともに蒸発器7に送られる。一方、気液分離器5で分離された濃溶液は、フロートボックス18で液面を形成した後に高温熱交換器17を通り、中温再生器11で濃縮されて中温熱交換器16を通った濃溶液と低温再生器10で濃縮された濃溶液とともに、溶液散布ポンプ14により低温熱交換器15を通り吸収器8に導かれ吸収器8内の管群に散布される。
【0021】
蒸発器7内の冷媒は、蒸発器7下部に溜められ冷媒ポンプ12で蒸発器7内の管群に散布され、管群内を流れる冷水と熱交換する。このとき蒸発器7内の管群内へ、蒸発器7内の冷媒の飽和温度より高い温度の冷水が流し込まれるため、蒸発器7内の管群内を流れる冷水が蒸発器7内の管群表面を流下する冷媒を加熱して冷媒が蒸発気化する。その際の蒸発潜熱により冷房作用を発揮する。また、蒸発器7内の圧力を一定に保つために、吸収器8内の管群に高温再生器1と中温再生器11と低温再生器10で濃縮された濃溶液を散布し、蒸発器7で蒸発気化した冷媒を吸収させる。
【0022】
このとき冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱を吸収器8内の管群内を流れる冷却水で除去するとともに、蒸発器7からの冷媒蒸気を吸収して希釈された希溶液を溶液循環ポンプ13で低温熱交換器15を経由して供給する。この希溶液を分岐し、一方を低温再生器10に供給し、他方の一部を中温熱交換器16を経由させて中温再生器11に供給し、残りを高温熱交換器17を経由させてフロートボックス18内のフロート弁19を通り高温再生器1に供給する。ここで希溶液は再度バーナ6で加熱濃縮され冷媒蒸気と分離される。
【0023】
以上のように冷房サイクルが構成される。このとき、高温再生器1内の圧力は従来の再生器が2個の二重効用吸収冷温水機の約3倍以上となり、大気圧を超えて運転される。
【0024】
次に、図1により本発明に係わる高温再生器1とフロートボックス18周りの動作と効果について説明する。
【0025】
先ず起動時について説明する。起動時は、先ず溶液循環ポンプ13を運転し希溶液を循環させる。希溶液はフロート弁19により流量調節されて下部管寄せ3に流入する。ここで、運転停止中にはフロートボックス18内の液面はフロート弁19より低い位置に形成されフロート弁19は開状態となっているので、必ず希溶液は下部管寄せ3に供給することができる。下部管寄せ3に供給された希溶液は、各伝熱管4に分配されて伝熱管4内を上昇するとともに、連通管20及び液面検出器25内を上昇する。このとき、高温再生器1の気相部とフロートボックス18の気相部は気液分離器5を介して連通されているので、伝熱管4内の液面と液面検出器25内の液面を同時に上昇させることができる。液面検出器25内を上昇した希溶液は、連通管20を通りフロートボックス18に流入し、フロートボックス18内で液面を形成して溶液散布ポンプ14で吸収器8に導入される。また、伝熱管4内を上昇した希溶液は、伝熱管4の上端より高い上部管寄せ2内の高さで液面を形成する。このとき、液面検出器25内を上昇した希溶液は、液面検出器25の高位検知器26により液面が検知される。高位検知器26は、制御装置33に信号線で接続され、例えば連続して検知していることを確認することを条件にバーナ6を点火し燃焼を開始し、予め設定される設定時間中は燃焼量が下限値で燃焼されるように制御する。つまり、高位検知器26が伝熱管4の上端の高さ位置に設け、液面を高位検知器26で連続して検知することを条件に、溶液循環ポンプ13で高温再生器1に供給された希溶液は、伝熱管4を上昇して上部管寄せ2で液面を形成するとともに、連通管20及び液面検出器25を通ってフロートボックス18に導入でき、安定して希溶液が循環している状態でバーナ6による燃焼を開始するので、希溶液の供給不足による伝熱管4の空焚きを防止することができる。
【0026】
また、起動時には、溶液循環ポンプ13は、三重効用吸収冷温水機では定格時に必要な揚程が二重効用吸収冷温水機の約2倍になるとともに、溶液循環ポンプ13にいきなり定格周波数の電源を供給するとサージ圧が発生し、溶液循環ポンプ13の吐出側にある低温熱交換器15、中温熱交換器16、高温熱交換器17へ与える衝撃が大きくなり耐久性に問題が生じる。そこで、高温再生器1の気液分離器5に備えた圧力センサ30で検出した値により、制御装置33で電源を供給するインバータ32の周波数を制御し、圧力が低い起動時には周波数を低く抑えるとともに、設定される周波数までの起動時間を設けて溶液循環ポンプ13の吐出側にある低温熱交換器15、中温熱交換器16、高温熱交換器17への衝撃を緩和するように制御する。
【0027】
さらに、起動時には、高温再生器1に供給される希溶液の温度が外気温度程度、高温再生器1内の圧力が約1/100気圧となっていることから、バーナ6による燃焼開始直後は、伝熱管4内で発生する冷媒蒸気の密度が定格運転時の約1/200と小さく、気液分離器5内へ流入する気液二相状態の冷媒蒸気と濃溶液の速度が大幅に増すことになるが、従来技術の特開2003−227662号公報記載の高温再生器(図示せず)のように気液分離器5内に濃溶液の液面が形成されていると、濃溶液の液面が撹拌され濃溶液が冷媒蒸気に随伴されて冷媒側に混入し、蒸発器7内の冷媒の蒸発温度が上昇することにより性能が低下する問題が懸念される。しかし、図1に示すように実施例1の形態では、気液分離器5内に濃溶液を溜めない構成としているので、気液分離器5全体を気液分離に利用できるので気液分離器5の性能を十分に発揮することができ、濃溶液が冷媒蒸気に随伴して冷媒側に混入することを最小限に抑えることができる。また、液面検出器25の高位検知器26で液面を連続して検知してから開始されるバーナ6の燃焼を、予め設定される設定時間中は燃焼量を下限値で燃焼させることにより、希溶液が加熱されて発生する冷媒蒸気量を少なく抑えることができるとともに、例えば予め設定される設定時間を10分とすると、この間に高温再生器1の上部管寄せ2に形成された液面が徐々に低下して伝熱管4内に液面が形成される。これにより、高温再生器1内に形成され冷媒蒸気と濃溶液により撹拌される液面の面積を減少させることができるので、撹拌により冷媒蒸気に随伴される濃溶液量を減少させることができる。その後、バーナ6の燃焼量を冷房負荷に応じて増加させても、高温再生器1内に形成される冷媒蒸気と濃溶液により撹拌される液面の面積を伝熱管4のみにすることができるので、撹拌により冷媒蒸気に随伴される濃溶液量を最小限に抑えることができる。
【0028】
したがって、本実施例1によれば、起動時には、高温再生器1の伝熱管4の空焚き防止と冷媒側への濃溶液の混入防止を同時に行うことができ安全性の向上を図ることができる。
【0029】
次に、起動から安定までについて説明する。起動後バーナ6による燃焼が開始され伝熱管4内には希溶液が沸騰し多くのボイドが発生することにより、液面検出器25内の液面は徐々に低下し、予め設定される設定時間後は、制御装置33で制御するバーナ6の燃焼量とフロート弁19で流量調節される希溶液の流量のバランスしたところで液面検出器25内の液面が安定する。バーナ6の燃焼量は、制御装置33で冷水の出口に設けた出口温度センサ31で検出した温度と予め設定される第一の設定値と比較し、第一の設定値より高く温度差が大きければ燃焼量を多く、第一の設定値より高く温度差が小さければ燃焼量を少なくなるように制御装置33で制御する。また、バーナ6による燃焼後は高温再生器1内の圧力が徐々に上昇するため、溶液循環ポンプ13のインバータ32の周波数を起動時の低く抑えたままだと、希溶液の循環量が減少してしまう。そこで、制御装置33により、圧力センサ30で検出した圧力が上昇した場合には、溶液循環ポンプ13のインバータ32の周波数が増加するように制御し、逆に圧力センサ30で検出した圧力が低下した場合には、溶液循環ポンプ13のインバータ32の周波数が減少するように制御する。
【0030】
図1に示す本実施例1の三重効用吸収冷温水機が、起動から停止するまで運転されている状態において、例えば、溶液循環ポンプ13の故障、溶液循環ポンプ13を制御するための圧力センサ30やインバータ32や制御装置33のポンプ制御機能の故障、溶液配管のつまり等が発生した場合には、高温再生器1への希溶液の供給不足が生じるため、高温再生器1の伝熱管4が空焚きとなり、高温再生器1の破損や破裂の可能性がある。しかし、本実施例によれば、上記原因により希溶液の高温再生器1への不足が生じた場合には、高温再生器1の伝熱管4内の液面は液面検出器25内の液面と連動しているので液面が減少しても、所謂空焚きとなる液面より裕度分高い位置に液面検出器25の低位検知器27を設け、低位検知器27で連続して液面を検知すると制御装置33でバーナ6への燃料を遮断し燃焼を停止させるように制御することにより、伝熱管4の空焚きを防止することができる。このとき、液面検出器25の低位検知器27を設置する高さは、バーナ6の燃焼量や高温再生器1への希溶液の供給量が変化したときの伝熱管4の壁温度がこれまでの実績や経験則から求められた安全な温度範囲内であることを確認できる高さに設定する。
【0031】
また、例えば、液面検出器25の低位検知器27で液面を検知したときには、制御装置33でバーナ6の燃焼停止と同時に、溶液循環ポンプ13と溶液散布ポンプを停止し、配管28のバルブ29を開ける。つまり、高温再生器1への供給不足が生じ低位検知器27で、空焚き防止のためにバーナ6の燃焼を停止したときに、溶液循環ポンプ13と溶液散布ポンプ14が運転されていると、溶液循環ポンプ13側に希溶液の循環不良が生じているので、吸収器8から流出する希溶液より吸収器8へ流入する濃溶液の割合が多くなって、吸収器8下部に溜まる溶液が増加して許容量を超え蒸発器7へオーバーフローしてしまう。さらに、その後も溶液循環ポンプ13と溶液散布ポンプ14が運転されていると、溶液散布ポンプ14吸込側の濃溶液が不足する状態となることから、キャビテーション等による溶液散布ポンプ14が破損する危険性がある。また、配管28のバルブ29を開けることにより、高温再生器1と吸収器8との圧力差を低減することで、吸収器8から蒸発器7への溶液のオーバーフローを防止することができる。これにより、サイクルの性能低下や運転不能といった不具合を防止できる。
【0032】
次に、バーナ6の燃焼量が下限値で対応できるよりも低い部分負荷時の運転について説明する。部分負荷時において、冷水の出口温度センサ31で検出される温度と予め設定される第一の設定値との温度差が小さく、制御装置33でバーナ6の燃焼量が下限値で運転されている場合、冷水の出口温度センサ31で検出される温度が第一の設定値に達したときには、高温再生器1のバーナ6の燃焼、停止の繰り返し運転を行うように制御装置33で制御する。このように部分負荷で運転されている場合、制御装置33によりバーナ6の燃焼が停止したときには、溶液循環ポンプ13と溶液散布ポンプ14は運転されているので、高温再生器1の伝熱管4内のボイドが無くなり、液面検出器25内の液面が伝熱管4の上端の高さに設けた高位検出器26まで液面が上昇する。このとき、制御装置33で部分負荷時にバーナ6が停止しているときには、制御装置33で冷水の出口温度センサ31で検知した温度が第一の設定値より高く第二の設定値以上となった状態と、液面検出器25の高位検知器26が連続して希溶液を検知している状態の両方を満たしたときに、バーナ6の燃焼を開始するように制御する。これにより、部分負荷時においても、再度高温再生器1のバーナ6が燃焼を開始する場合に、伝熱管4内の希溶液の液面を伝熱管4の上端より高くすることができるので、希溶液の供給不足による空焚きを防止することができ、スムーズにバーナ6の燃焼・停止を繰り返すことができる。
【0033】
以上のように構成し制御することにより、起動時と安定時と部分負荷時の運転において、高温再生器1の伝熱管4の空焚きを防止し安全性を向上させるとともに、高温再生器1の気液分離器5内に濃溶液を溜めることなく運転することが可能となるので、冷媒側に濃溶液の混入を最小限に抑えることができる。
【0034】
本実施例によれば、下記に示す効果を得ることができる。
(1)気液分離器出口部に液面を形成するフロートボックスを設け、気液分離器内に溶液を溜めない構成としたので、気液分離器全体を冷媒蒸気と溶液の分離に利用することができる。つまり、冷媒蒸気と溶液との分離を効率よく行うことができ、冷媒中への溶液の混入を防止することができる。さらに、気液分離器内に溶液を溜めるための容積を必要としないので気液分離器を小形化することができる。
(2)気液分離器出口部のフロートボックスの気相部と高温再生器の下部管寄せを連通させる連通管に液面検出器を設けることにより、起動時から定常運転まで、さらには部分負荷時の燃焼装置の燃焼・停止の繰り返し運転においても、溶液の供給不足で生じる高温再生器の伝熱管の空焚きを防止することができ、三重効用吸収冷温水機の安全性を確保し効率よく運転することができる。
(実施例2)
次に、図2により本発明を実施するための最良の形態の実施例2について説明する。図2に示す実施例2の形態は、図1に示す実施例1の形態に対して、液面検出器25の高位検知器26と低位検知器27の間に中位検知器36を設け、制御装置33と信号線で接続した構成としている。つまり、中位検知器36は伝熱管4の上端より低い位置に設けられる。ここで、起動時に、図1の実施例1の形態では、バーナ6の燃焼開始後に予め設定される設定時間の間燃焼量が下限値で燃焼を行うとしたが、図2の実施例2の形態では、バーナ6での燃焼開始後液面検出器25に設けた中位検知器36で液面を検知するまで燃焼量を下限値で行うように制御する。これにより、バーナ6による燃焼開始後にボイドの発生により低下する高温再生器1内の液面を上部管寄せ2から、より確実に伝熱管4内にすることができ、希溶液が加熱されて発生する冷媒蒸気と濃溶液で撹拌される液面の面積を減少され、冷媒蒸気に随伴される濃溶液量を最小限に抑えることができる。
(実施例3)
次に、図3により本発明を実施するための最良の形態の実施例3について説明する。図3の実施例3の形態の基本構成要素は、図1の実施例1の形態と同様である。
【0035】
図1の実施例1の形態と異なる点は、上部管寄せ2とフロートボックス18の気相部をUシール配管35で接続し、高位検知器26と低位検知器27を備えた液面検出器25を、上部管寄せ2と下部管寄せ3を連通する連通管34の途中に設けたことである。
【0036】
起動時には、溶液循環ポンプ13で下部管寄せ3に供給された希溶液は、各伝熱管4に分配されて伝熱管4内を上昇するとともに、連通管34及び液面検出器25内を上昇する。このとき、伝熱管4と連通管34は上部管寄せ2を介して連通されているので、伝熱管4内の液面と液面検出器25内の液面を同時に上昇させることができる。伝熱管4内と液面検出器25内を上昇した希溶液は、上部管寄せ2まで上昇しUシール配管35を通りフロートボックス18に流入し、フロートボックス18内で液面を形成して溶液散布ポンプ14で吸収器8に導入される。フロートボックス18側に接続されるUシール配管35は、上部管寄せ2より低い位置に接続される。また、Uシール配管35はバーナ6の燃焼時に冷媒蒸気と濃溶液が上部管寄せ2からフロートボックス18に吹き抜けないようにUシール高さが設計される。このとき、液面検出器25内を上昇した希溶液は、液面検出器25の高位検知器26により液面が検知される。高位検知器26は、制御装置33に信号線で接続され、例えば連続して検知していることを確認することによりバーナ6を点火し燃焼を開始し、予め設定される設定時間中は燃焼量が下限値で燃焼するように制御する。つまり、高位検知器26が伝熱管4の上端の高さ位置に設け、液面を高位検知器26で連続して検知することにより、溶液循環ポンプ13で高温再生器1に供給された希溶液は、伝熱管4を上昇して上部管寄せ2で液面を形成するとともに、Uシール配管35を通ってフロートボックス18に導入でき、安定して希溶液が循環している状態でバーナ6による燃焼を開始することができる。これにより、図1の実施例1の形態と同様の動作と効果を得ることができる。
【0037】
さらには、起動時と同様に安定時と部分負荷時の運転においても、図1の実施例1の形態と同様の動作を行うことができるので、高温再生器1の伝熱管4の空焚きを防止し安全性を向上させるとともに、高温再生器1の気液分離器5内に濃溶液を溜めることなく運転することが可能となるので、冷媒側に濃溶液の混入を最小限に抑えることができる。
(実施例4)
次に、図4により本発明を実施するための最良の形態の実施例4について説明する。
【0038】
図4に示す実施例4の形態は、図3に示す実施例3の形態に対して、液面検出器25の高位検知器26と低位検知器27の間に中位検知器36を設け、制御装置33と信号線で接続した構成としている。つまり、中位検知器36は伝熱管4の上端より低い位置に設けられる。ここで、起動時に、図4の実施例4の形態では、バーナ6での燃焼開始後液面検出器25に設けた中位検知器36で液面を検知するまで燃焼量を下限値で行うように制御する。これにより、バーナ6による燃焼開始後にボイドの発生により低下する高温再生器1内の液面を上部管寄せ2から、より確実に伝熱管4内にすることができ、希溶液が加熱されて発生する冷媒蒸気と濃溶液で撹拌される液面の面積を減少され、冷媒蒸気に随伴される濃溶液量を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係る三重効用吸収冷温水機のサイクルフローを示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る三重効用吸収冷温水機のサイクルフローを示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る三重効用吸収冷温水機のサイクルフローを示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る三重効用吸収冷温水機のサイクルフローを示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 高温再生器
2 上部管寄せ
3 下部管寄せ
4 伝熱管
5 気液分離器
6 バーナ
7 蒸発器
8 吸収器
9 凝縮器
10 低温再生器
11 中温再生器
12 冷媒ポンプ
13 溶液循環ポンプ
14 溶液散布ポンプ
15 低温熱交換器
16 中温熱交換器
17 高温熱交換器
18 フロートボックス
19 フロート弁
20 連通管1
25 液面検出器
26 高位検知器
27 低位検知器
29 バルブ
30 圧力センサ
31 冷水出口温度センサ
32 インバータ
33 制御装置
34 連通管2
35 Uシール配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温再生器、中温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、高温熱交換器、中温熱交換器、低温熱交換器、溶液循環ポンプ、溶液散布ポンプ、冷媒ポンプを溶液配管及び冷媒配管で接続して溶液・冷媒循環回路を構成し、
前記高温再生器は、希溶液が流入する下部管寄せと、濃溶液及び冷媒蒸気の混合物を流出する上部管寄せと、前記下部管寄せと前記上部管寄せとを接続する複数本の伝熱管と、複数本の伝熱管の外側に燃焼ガスを流通する燃焼装置と、前記上部管寄せから流出された混合物の濃溶液と冷媒蒸気とを分離する気液分離器とを備えた貫流式の高温再生器で構成され、
前記気液分離器は、冷媒蒸気を上部から流出し、濃溶液を下部から流出するものである三重効用吸収冷温水機において、
前記気液分離器から流出される濃溶液の液面を形成するフロートボックスと、前記フロートボックス内の濃溶液の液面によって前記高温再生器への希溶液量を調節するフロート弁と、前記下部管寄せと前記フロートボックスの気相部とを連通するとともに前記高温再生器の液面を検出するための液面検出器を設けた連通管とを備えた
ことを特徴とする三重効用吸収式冷温水機。
【請求項2】
高温再生器、中温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、高温熱交換器、中温熱交換器、低温熱交換器、溶液循環ポンプ、溶液散布ポンプ、冷媒ポンプを溶液配管及び冷媒配管で接続して溶液・冷媒循環回路を構成し、
前記高温再生器は、希溶液が流入する下部管寄せと、濃溶液及び冷媒蒸気の混合物を流出する上部管寄せと、前記下部管寄せと前記上部管寄せとを接続する複数本の伝熱管と、複数本の伝熱管の外側に燃焼ガスを流通する燃焼装置と、前記上部管寄せから流出された混合物の濃溶液と冷媒蒸気とを分離する気液分離器とを備えた貫流式の高温再生器で構成され、
前記気液分離器は、冷媒蒸気を上部から流出し、濃溶液を下部から流出するものである三重効用吸収冷温水機において、
前記気液分離器から流出される濃溶液の液面を形成するフロートボックスと、前記フロートボックス内の濃溶液の液面によって前記高温再生器への希溶液量を調節するフロート弁と、前記上部管寄せと前記フロートボックスの気相部とを連通させるUシール配管と、前記上部管寄せと前記下部管寄せとを連通するとともに前記高温再生器の液面を検出するための液面検出器を設けた連通管とを備えた
ことを特徴とする三重効用吸収冷温水機。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記液面検出器は前記連通管内に形成される希溶液の液面を検出するための高位検知器と低位検知器とを高さの異なる位置に有する
ことを特徴とする三重効用吸収冷温水機。
【請求項4】
請求項3において、
起動時に前記高位検知器が希溶液を検出すると、前記燃焼装置の燃焼を開始し、予め設定された設定時間中は燃焼量の下限値で燃焼を行うように制御するとともに、燃焼開始後に前記低位検知器が液面を検出すると、前記燃焼装置での燃焼を停止するように制御する制御装置を備えた
ことを特徴とする三重効用吸収式冷温水機。
【請求項5】
請求項1または2において、
前記液面検出器は前記連通管内に溜まる希溶液の液面を検出するための高位検知器と中位検知器と低位検知器とを高さの異なる位置に設け、
起動時に前記高位検知器が希溶液を検出すると、前記燃焼装置の燃焼を開始し、その後に前記液面検出器内の液面が低下して中位検知器で液面が検知されるまで前記燃焼装置を燃焼量の下限値で燃焼するように制御するとともに、燃焼開始後に前記低位検知器が液面を検出すると、前記燃焼装置での燃焼を停止するように制御する制御装置を備えた
ことを特徴とする三重効用吸収式冷温水機。
【請求項6】
請求項3〜5の何れかにおいて、
蒸発器内を流れる冷水の出口温度を温度センサで検出し、温度センサで検出した温度と予め設定される第一及び第二の設定温度と比較して高温再生器の燃焼装置の燃焼量を調整する制御装置を備え、
前記制御装置は、部分負荷時に冷水の出口温度が第一の設定温度に達すると前記燃焼装置を停止し、その後、検出される冷水の出口温度が第二の設定温度より高くなる状態と液面検出器の高位検知器で溶液が検出されている状態との両方が満たされると、前記燃焼装置を再度点火し燃焼を開始するように制御する
ことを特徴とする三重効用吸収冷温水機。
【請求項7】
請求項3〜6の何れかにおいて、
前記高位検知器は前記伝熱管の上端近傍の高さに設けた
ことを特徴とする三重効用吸収冷温水機。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかにおいて、
前記フロート弁は、前記吸収器下部に溜められる溶液が前記蒸発器へのオーバーフローを防止するための堰より高い位置に配置されたものである
ことを特徴とする三重効用吸収冷温水機。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかにおいて、
前記吸収器から前記高温再生器、前記中温再生器、前記低温再生器に希溶液を送る前記溶液循環ポンプを駆動する駆動電源の周波数を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は前記高温再生器の圧力もしくは温度の上昇にともない前記溶液循環ポンプを駆動する前記駆動電源の周波数を増加し、前記高温再生器の圧力もしくは温度の低下にともない前記溶液循環ポンプを駆動する前記駆動電源の周波数を減少させるように制御する
ことを特徴とする三重効用吸収冷温水機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−17323(P2006−17323A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192741(P2004−192741)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】