説明

下水処理装置及び方法

【課題】 水熱反応処理排水中からリン成分を高効率で回収する。
【解決手段】 下水X中に含まれる汚泥Y1を沈殿させることによって除去すると共にその上澄み液X1を排出する最初沈殿池21と、上記上澄み液X1を曝気処理して排出する曝気槽22と、該曝気槽22から排出された上記上澄み液X1中に含まれる汚泥Y2を沈殿させることによって除去すると共にその上澄み液を処理水X2として排出する最終沈殿池23とを備える下水処理装置であって、除去された上記汚泥Y1,Y2のうち、上記最終沈殿池23によって除去された汚泥Y2のみを水熱反応処理して水熱反応処理排水Y4として排出する水熱反応器31と、上記水熱反応処理排水Y4に対してマグネシウム塩を添加することによって上記水熱反応処理排水Y4中に含まれるリン成分をMAP粒子として回収するリン回収装置32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水を処理する場合には、一般的に、まず、下水を最初沈殿池等で一旦貯留し、下水中に含まれる汚泥を沈降させる。その後、最初沈殿池の上澄み液を曝気槽において、上澄み液中に含まれる有機成分を微生物に取り込ませることによって上澄み液から有機成分を除去する曝気処理を行う。そして、この曝気処理された曝気液を最終沈殿池等で再び貯留し、曝気液中に含まれる汚泥を沈降させ、この最終沈殿池の上澄み液を処理水として排出している。
【0003】
従来、最初沈殿池及び最終沈殿池において除去された汚泥は、焼却処理することによって処理されていた。しかしながら、近年の環境意識の高まりから、汚泥の焼却量を減らすあるいは汚泥を焼却処理せずに減容化する方法が求められている。
そして、近年、このような方法として汚泥を水熱反応処理することによって減容化する方法が提案されている。この水熱反応処理は、濃縮した汚泥を例えば200℃以上の高温高圧水で水熱反応させ、汚泥に含まれる有機成分を可溶化することによって、汚泥の固体容量を大幅に減容化する方法である。そして、最初沈殿池及び最終沈殿池において除去された汚泥を混合及び濃縮した後に水熱反応処理を行うことによって、汚泥の固体量を大幅に減容化することができるため、汚泥の焼却量を大幅に減少させることが可能となる。
【0004】
また、汚泥を水熱反応処理することによって生成される水熱反応処理排水には、多くのリン成分が含まれている。このような多くのリン成分を含む水熱反応処理排水を公共用水域に放流することは富栄養化の原因となるが、逆に水熱反応処理排水中からリン成分を回収すれば、リンの原料であるリン鉱石の全量を輸入に頼っている我が国においては貴重な資源となる。
このため、汚泥の水熱反応処理を行う下水処理装置に積極的にリン回収装置を設置する試みがなされている。
【0005】
一般的に、水熱反応処理排水中からリン成分を回収する際には、固形分のリン成分を固液分離によって回収し、可溶性のリン成分をMAP(Magnesium Ammonium Phoshate)法によって回収する。ここでMAP法とは、水熱反応処理排水にマグネシウム塩(例えば塩化マグネシウム)を供給し、pHを所定の範囲内に維持することによって、リン酸アンモニウムマグネシウム粒子(MAP粒子)を析出させ、このMAP粒子を水熱反応処理排水から除去することによって水熱反応処理排水からリン成分を回収する方法である。そして、このような方法を実施するリン回収装置を設置することによって、水熱反応処理排水中からリン成分を回収することができる。
【特許文献1】特開2002−086099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状においては、初沈汚泥と余剰汚泥とを混合して水熱反応処理した場合には、水熱反応処理排水からのリン成分の回収率が十分とは言えない。これは、MAP法においては、水熱反応処理排水における可溶性のリン成分濃度が高いほど効率的なリン成分の回収が行える。これに対し、初沈汚泥と余剰汚泥とを混合して水熱反応処理するとリン成分濃度は十分に高くないため、これがリン成分の回収率の低下の原因の1つとして考えられる。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、水熱反応処理排水中からリン成分を高効率で回収することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、下水処理装置に係る第1の手段として、下水中に含まれる汚泥を沈殿させることによって除去すると共にその上澄み液を排出する最初沈殿池と、上記上澄み液を曝気処理して排出する曝気槽と、該曝気槽から排出された曝気液中に含まれる汚泥を沈殿させることによって除去すると共にその上澄み液を処理水として排出する最終沈殿池とを備える下水処理装置であって、除去された上記汚泥のうち、上記最終沈殿池によって除去された汚泥のみを水熱反応処理して水熱反応処理排水として排出する水熱反応器と、上記水熱反応処理排水に対してマグネシウム塩を添加することによって上記水熱反応処理排水中に含まれるリン成分をMAP粒子として回収するリン回収装置とを備えるという構成を採用する。
【0009】
下水処理装置に係る第2の手段として、上記第1の手段において、上記マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いるという構成を採用する。
【0010】
下水処理装置に係る第3の手段として、上記第2の手段において、上記リン回収装置における上記水熱反応処理排水のpHを7.5〜9、好ましくは8〜8.5に調整するという構成を採用する。
【0011】
下水処理装置に係る第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、上記リン回収装置においてリン成分が回収された上記水熱反応処理排水中に含まれる有機成分を嫌気性微生物によって除去する嫌気処理装置を備え、該嫌気処理装置に供給される上記水熱反応処理排水のpHを7〜8.5に調整するという構成を採用する。
【0012】
下水処理方法に係る第1の手段として、下水中に含まれる汚泥を沈殿させて除去し、上記汚泥が除去された上記下水の上澄み液を曝気処理し、該曝気処理後の曝気液中に含まれる汚泥をさらに沈殿させて除去することによって、上記下水を処理水として排出する下水処理方法であって、除去される上記汚泥のうち、上記曝気液中から除去された上記汚泥のみを水熱反応処理することによって水熱反応処理排水とし、該水熱反応処理排水に対してマグネシウム塩を添加することによって上記水熱反応処理排水中に含まれるリン成分をMAP粒子として回収するという構成を採用する。
【0013】
下水処理方法に係る第2の手段として、上記第1の手段において、上記マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いるという構成を採用する。
【0014】
下水処理方法に係る第3の手段として、上記第2の手段において、上記水熱反応処理排水に上記水酸化マグネシウムを添加した際の上記水熱反応処理排水のpHを7.5〜9、好ましくは8〜8.5とする構成を採用する。
【0015】
下水処理方法に係る第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、上記リン成分が回収された上記水熱反応処理排水中に含まれる有機成分を嫌気性微生物によって除去する工程を有し、該工程を開始する際の上記水熱反応処理排水のpHを7〜8.5に調整するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の下水処理装置及び方法によれば、下水の処理過程において除去される汚泥のうち、曝気処理後の上澄み液中から除去された汚泥のみを水熱反応処理することによって水熱反応処理排水とし、この水熱反応処理排水に対してマグネシウム塩を添加することによって水熱反応処理排水中に含まれるリン成分をMAP粒子として回収する。
上澄み液中から除去される汚泥には、曝気処理において使用された微生物が多く含まれており、この微生物の細胞には多くのリン成分が含まれている。このため、下水中から除去された汚泥と上澄み液中から除去された汚泥とを混合して水熱反応処理することによって得られる従来の水熱反応処理排水よりも、上澄み液中から除去される汚泥を水熱反応処理することによって得られる本発明の水熱反応排水の方がより可溶性のリン成分濃度が高くなる。
上述のように、水熱反応処理排水における可溶性のリン成分濃度が高いほど効率的なリン成分の回収が行える。したがって、本発明の下水処理装置及び方法によれば、従来の下水処理装置及び方法よりも水熱反応処理排水中からリン成分を高効率で回収することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る下水処理装置及び方法の一実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態の下水処理装置1の概略構成を示すシステムフロー図である。下水処理装置1は、外部から供給される下水Xを浄化すると共に下水Xの浄化の際に生成される汚泥を処理するものであり、好気性排水処理設備2と、汚泥処理設備3とを備えて構成されている。
【0019】
好気性排水処理設備2は、外部から供給される下水Xを浄化するものであり、図1に示すように、最初沈殿池21と、曝気槽22と、最終沈殿池23とを備えている。
最初沈殿池21は、外部から配管aを介して供給される下水Xを所定時間貯留することによって、下水X中に含まれる汚泥Y1を重力沈殿させ除去すると共に、その上澄み液X1を配管bを介して排出するものである。なお、最初沈殿池21において除去される汚泥Y1(以下、初沈汚泥Y1と称する)は、下水X中に含まれる粗物が主であり、石、砂及びトイレットペーパ等が多く含まれている。そして、この初沈汚泥Y1は最初沈殿池21の下部に接続された配管cを介して最初沈殿池21の外部に排出される。
【0020】
曝気槽22は、配管bを介して最初沈殿池21と接続されている。この曝気槽22は、配管bを介して最初沈殿池21から供給される上澄み液X1を曝気処理するものである。より詳細には、上澄み液X1に含まれる有機成分を好気性微生物に取り込ませることによって除去するものであり、好気性微生物が良好に繁殖できる環境を形成するために、適度な量の空気を配管dを介して上澄み液X1に対して供給しながら、上澄み液X1の曝気処理を行う。また、曝気槽22には、配管eが接続されており、この配管eを介して曝気処理後の上澄み液X1が曝気液として排出される。
【0021】
最終沈殿池23は、配管eを介して曝気槽22と接続されている。この最終沈殿池23は、配管eを介して供給される曝気液X1を所定時間貯留することによって、曝気液X1中にふくまれる汚泥Y2を重力沈殿させ除去すると共に、その上澄み液を処理水X2として配管fを介して排出するものである。なお、最終沈殿池23において除去される汚泥Y2(以下、余剰汚泥Y2と称する)は、曝気液X1中に含まれる好気性微生物が多く含まれている。そして、余剰汚泥Y2は、最終沈殿池23の下部に接続された配管gを介して最終沈殿池23の外部に排出される。なお、曝気槽22における菌体量低下を防止するために、余剰汚泥Y2の一部は、配管gの途中部位に接続された配管hを介して曝気槽22に返流される。
【0022】
また、本実施形態の下水処理装置1における好気性排水処理設備2は、初沈汚泥濃縮機24、余剰汚泥濃縮機25、初沈汚泥脱水機26、水熱反応処理排水脱水機27及び焼却装置28を備えている。
【0023】
初沈汚泥濃縮機24は、初沈汚泥Y1を濃縮するものであり、配管cを介して最初沈殿池21と接続されている。そして、初沈汚泥濃縮機24は、初沈汚泥Y1の固体成分比率が、例えば5%となるように初沈汚泥Y1を濃縮する。なお、初沈汚泥濃縮機24は、初沈汚泥Y1を濃縮することによって得られた水分を、配管aと接続された配管iを介して排出する。すなわち、初沈汚泥濃縮機24によって得られた水分は、配管iを介して下水Xに返流される。また、初沈汚泥濃縮機24は、濃縮後の初沈汚泥Y1を配管jを介して排出する。
余剰汚泥濃縮機25は、余剰汚泥Y2を濃縮するものであり、配管gを介して最終沈殿池23と接続されている。そして、余剰汚泥濃縮機25は、余剰汚泥Y2の固体成分比率が、例えば5%となるように余剰汚泥Y2を濃縮する。なお、余剰汚泥濃縮機25は、余剰汚泥Y2を濃縮することによって得られた水分を、配管kを介して排出する。また、余剰汚泥濃縮機25は、濃縮後の余剰汚泥Y2を配管lを介して汚泥処理設備3に排出する。
なお、初沈汚泥濃縮機24及び余剰汚泥濃縮機25としては、初沈汚泥Y1及び余剰汚泥Y2を濃縮できるものであれば使用可能である。例えばスクリュープレスやスクリューデカンタ等の濃縮機を用いることができる。
【0024】
このように本実施形態の下水処理装置1においては、石、砂及びトイレットペーパ等のリン成分が少ない物質を多く含む初沈汚泥Y1と、細胞膜やDNA等に多くのリン成分を含む好気性微生物が含まれた余剰汚泥Y2とが別々の濃縮機(初沈汚泥濃縮機24,余剰汚泥濃縮機25)によって濃縮され、濃縮された余剰汚泥Y2のみが汚泥処理設備3に供給される。すなわち、本実施形態の下水処理装置1においては、除去された汚泥(初沈汚泥Y1,余剰汚泥Y2)のうち、最終沈殿池23によって除去された余剰汚泥Y2のみが汚泥処理設備3に供給される。
【0025】
初沈汚泥脱水機26は、初沈汚泥濃縮機24において濃縮された初沈汚泥Y1を固液分離するものであり、配管jによって初沈汚泥濃縮機24と接続されている。そして、初沈汚泥脱水機26は、初沈汚泥Y1を固液分離することによって得られた水分を、配管aと接続された配管mを介して排出する。すなわち、初沈汚泥脱水機26によって分離された水分は、配管mを介して下水Xに返流される。また、初沈汚泥脱水機26は、固液分離することによって得られた固体分を初沈脱水残渣Y3として搬送路nを介して排出する。
【0026】
水熱反応処理排水脱水機27は、後に詳説する汚泥処理設備3から排出される水熱反応処理排水Y4を固液分離するものであり、配管oを介して汚泥処理設備3と接続されている。そして、水熱反応処理排水脱水機27は、水熱反応処理排水Y4を固液分離することによって得られた水分(以下、水熱反応処理脱水脱離液Y5と称する)を再び汚泥処理設備3に配管pを介して返流し、水熱反応処理排水Y4を固液分離することによって得られた固体分を水熱反応処理残渣Y6として搬送路qを介して排出する。なお、水熱反応処理脱水脱離液Y5は、水熱反応処理排水Y4を固液分離することによって得られるため、水熱反応処理排水Y4の一部分をなすものである。
【0027】
焼却装置28は、初沈汚泥脱水機26によって初沈汚泥Y1から分離された初沈脱水残渣Y3と水熱反応処理排水脱水機27によって水熱反応処理排水Y4から分離された水熱反応処理残渣Y6とを焼却処理するものであり、搬送路nを介して初沈汚泥脱水機26と接続されており、搬送路qを介して水熱反応処理排水脱水機27と接続されている。
【0028】
汚泥処理設備3は、下水Xを浄化する際に生成される汚泥を処理するものであり、水熱反応器31と、リン回収装置32と、高速嫌気処理装置33(嫌気処理装置)と、脱硫装置34と、脱窒装置35とを備えている。
【0029】
水熱反応器31は、好気性排水処理設備2の余剰汚泥濃縮機25と配管lを介して接続されており、また、好気性排水処理設備2の水熱反応処理排水脱水機27と配管oを介して接続されている。この水熱反応器31は、配管lを介して余剰汚泥濃縮機25から供給される余剰汚泥Y2を200℃以上の高温高圧水で水熱反応させ、汚泥に含まれる有機成分を可溶化して水熱反応処理排水Y4として排出するものである。ここで、本実施形態の下水処理装置1においては、除去された汚泥(初沈汚泥Y1,余剰汚泥Y2)のうち、最終沈殿池23によって除去された余剰汚泥Y2のみが汚泥処理設備3の水熱反応器31に供給される。上述のように、余剰汚泥Y2には多くのリン成分が含まれているため、初沈汚泥Y1と余剰汚泥Y2とを混合して水熱反応器において水熱反応処理することによって得られる従来の水熱反応処理排水よりも、余剰汚泥Y2のみを水熱反応器において水熱反応処理することによって得られる本実施形態の水熱反応処理排水の方がより可溶性のリン成分濃度が高くなる。
【0030】
リン回収装置32は、好気性排水処理設備2の水熱反応処理排水脱水機27と配管pを介して接続されており、配管pを介して水熱反応処理排水脱水機27から水熱反応処理脱水脱離液Y5が供給されるものである。このリン回収装置32は、水熱反応処理脱水脱離液Y5に対してマグネシウム塩を添加することによって水熱反応処理脱水脱離液Y5に含まれるリン成分をMAP粒子として回収するものである。ここで、本実施形態の下水処理装置1における水熱反応処理排水は、従来の下水処理装置における水熱反応処理排水よりも可溶性のリン成分濃度が高い。このため、当然水熱反応処理脱水脱離液Y5の可溶性のリン成分濃度も高くなる。水熱反応処理脱水脱離液Y5における可溶性のリン成分濃度が高い程、リン回収装置32におけるリン回収率が高くなるため、本実施形態の下水処理装置1によれば、従来の下水処理装置及よりも水熱反応処理排水中からリン成分を高効率で回収することが可能となる。
【0031】
なお、本実施形態の下水処理装置1においては、リン回収装置32において水熱反応処理脱水脱離液Y5に対して添加するマグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いる。
このように水熱反応処理脱水脱離液Y5に添加するマグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いることによって、マグネシウム塩として塩化マグネシウムや酸化マグネシウムを用いる場合と比較して、リン回収装置32内部における水熱反応処理脱水脱離液Y5のpHを高くすることなく安定してMAP粒子を析出させることが可能となる。一般的には、MAP粒子を安定して析出させるためには、水熱反応処理脱水脱離液Y5のpHをリン回収装置32内部において8.5以上にする必要があると考えられている。しかしながら、マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いた場合には、水熱反応処理脱水脱離液Y5のpHをリン回収装置32内部において7〜8.5とすることによって、MAP粒子を安定して析出させ水熱反応処理脱水脱離液Y5中の可溶性のリン成分を安定して回収することが可能となる。
なお、マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いた場合に水熱反応処理脱水脱離液Y5中から安定してリン成分を回収できる原理は未だ解明されていないが、水酸化マグネシウムが水熱反応処理脱水脱離液Y5中に溶け難い性質を有しているため、水熱反応処理脱水脱離液Y5中に粒子として水酸化マグネシウムが存在し、水酸化マグネシウム粒子の近傍のみが局所的にpHが高くなり、その結果、MAP粒子が安定して析出されている可能性が考えられる。また、この考えとは異なり、水熱反応処理脱水脱離液Y5中に含まれるミネラル成分が水酸化マグネシウムに対して何かしらの作用を及ぼし、その結果、MAP粒子が安定して析出されている可能性も考えられる。
【0032】
そして、リン回収装置32は、リン成分を回収した水熱反応処理脱水脱離液Y5を配管rを介して排出する。ここで、水熱反応処理脱水脱離液Y5に添加するマグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いた場合には、pHを高くすることなく安定してMAP粒子を析出させることが可能となるため、配管rを介して排出される水熱反応処理脱水脱離液Y5のpHを従来よりも低く、中性に近づけることができる。したがって、リン回収装置32から排出された水熱反応処理脱水脱離液Y5の後処理が容易となる。
本実施形態の下水処理装置1においては、リン回収装置32の後段に、水熱反応処理脱水脱離液Y5中の有機成分を嫌気性微生物によって除去するための高速嫌気処理装置33が設置されている。高速嫌気処理装置33に水熱反応処理脱水脱離液Y5を供給するためには、水熱反応処理脱水脱離液Y5が中性があることが好ましいが、従来の下水処理装置においては、リン回収装置32から排出される水熱反応処理脱水脱離液Y5が中性から大きくずれたアルカリ性であるため、例えば、水熱反応処理脱水脱離液を大量の希釈水によって希釈する必要があった。一方、本実施形態の下水処理装置1においては、リン回収装置32から排出される水熱反応処理脱水脱離液Y5が中性近傍であるため、中性から若干ずれている場合であっても、従来よりも大幅に少ない希釈水によって希釈すれば十分に高速嫌気処理装置33に水熱反応処理脱水脱離液Y5を供給することができる。したがって、下水処理装置のランニングコストを低減させることが可能となる。なお、本実施形態の下水処理装置1においては、余剰汚泥濃縮機25において得られた水分を希釈水の一部として利用しており、これによってさらに下水処理装置のランニングコストが低減されている。
【0033】
高速嫌気処理装置33は、配管rを介してリン回収装置32と接続されており、上述のように、嫌気性微生物によって水熱反応処理脱水脱離液Y5に含まれる有機成分を除去するものであり、より詳細には、嫌気性微生物によって水熱反応処理脱水脱離液Y5中に含まれる有機成分を分解することによって、水熱反応処理脱水脱離液Y5中に含まれる有機成分を除去する。そして、高速嫌気処理装置33は、水熱反応処理脱水脱離液Y5中に含まれる有機成分を嫌気性微生物によって分解することによって得られたバイオガスGを配管sを介して排出する。また、高速嫌気処理装置3は、有機成分が除去された水熱反応処理脱水脱離液Y5を配管tを介して排出する。
【0034】
脱硫装置34は、配管sを介して高速嫌気処理装置33と接続されている。この脱硫装置34は、配管sを介して高速嫌気処理装置33から供給されるバイオガスG中に含まれる硫黄成分を除去して配管uを介して排出するものである。なお、脱硫装置34から配管uを介して排出されるバイオガスGにはメタンガスが80%以上含まれており、バイオガスGを例えばコジェネレーション設備等に供給することによって、発電用のガスとして用いることが可能である。
【0035】
脱窒装置35は、配管tを介して高速嫌気処理装置33と接続されている。この脱窒装置35は、配管tを介して高速嫌気処理装置33から供給される水熱反応処理脱水脱離液Y5中に含まれる窒素成分を除去して、処理済液Y7として配管vを介して排出するものである。なお、配管vは、配管aと接続されている。すなわち、処理済液Y7は下水Xに配管vを介して返流される。
【0036】
次に、このような構成を有する本実施形態の下水処理装置1の動作(下水処理方法)について説明する。
【0037】
外部から下水Xが配管aを介して下水処理装置1に供給されると、下水Xは、好気性排水処理設備2において浄化される。
具体的には、下水Xは配管aを介して最初沈殿池21に供給され、最初沈殿池21において所定時間貯留されることによって、石、砂及びトイレットペーパ等のリン成分をあまり含まない物質を多く含んだ初沈汚泥Y1が除去される。
そして、初沈汚泥Y1が除去された下水Xである上澄み液X1が配管bを介して曝気槽22に供給される。上澄み液X1は、曝気槽22において曝気処理されることによって有機成分が除去された後、曝気液X1として配管eを介して最終沈殿池23に供給される。ここで、曝気液X1には、曝気槽22において用いられた好気性微生物が多く含まれている。
曝気液X1は、最終沈殿池23において、再び所定時間貯留されることによって、リン成分を多く含む好気性微生物が含まれた余剰汚泥Y2が除去される。
その後、余剰汚泥Y2が除去された曝気液X1は、処理水X2として配管fを介して下水処理装置1の外部に排水される。
【0038】
最初沈殿池21において下水Xから除去された初沈汚泥Y1は、配管cを介して初沈汚泥濃縮機24に供給される。ここで、初沈汚泥Y1は、固体成分比率が例えば5%となるように濃縮され、その後、配管jを介して初沈汚泥脱水機26に供給される。なお、初沈汚泥Y1を濃縮することによって得られる水分は、配管iを介して下水Xに返流される。例えば、下水Xの流量が100000m/dであった場合には、配管iを介して下水Xに返流される水分の流量は、2250m/d程度となる。
【0039】
初沈汚泥脱水機26に供給された初沈汚泥Y1は、固液分離されることによって脱水される。そして、初沈汚泥Y1が初沈汚泥脱水機26において脱水されることによって得られた水分は配管mを介して下水Xに返流される。例えば、下水Xの流量が100000m/dであった場合には、配管mを介して下水Xに返流される水分の流量は、150m/dとなる。また、初沈汚泥Y1が脱水されることによって得られた固体分は、初沈脱水残渣Y3として搬送路nを介して焼却装置28に供給される。例えば、100000m/dであった場合には、搬送路nを介して焼却装置28に供給される初沈脱水残渣Y3の量は、30t/d程度となる。
ここで、本実施形態の下水処理装置1においては、初沈汚泥Y1が余剰汚泥Y2と混合されない状態において脱水される。水熱反応処理を用いず、汚泥を焼却処理によってのみ処理している従来の下水処理装置においては、初沈汚泥Y1と余剰汚泥Y2とを混合した後に脱水を行っていたため、汚泥を脱水することによって得られる脱水残渣に含まれる水分の含有率を80%以下にすることが困難であった。これは、余剰汚泥Y2に余剰汚泥Y2に含まれる微生物に取り込まれている水分を脱水機によって分離することが困難なためである。これに対し、本実施形態の下水処理装置1においては、初沈汚泥脱水機26において初沈汚泥Y1のみを脱水するため、初沈脱水残渣Y3の水分含有率を70%以下にすることができる。
【0040】
一方、最終沈殿池23において上澄み液X1から除去された余剰汚泥Y2は、配管gを介して余剰汚泥濃縮機25に供給される。なお、余剰汚泥Y2の一部は、曝気槽22における菌体量の低下防止のため配管hを介して曝気槽22に返流される。余剰汚泥Y2は、余剰汚泥濃縮機25によって、固体成分比率が例えば5%となるように濃縮され、その後配管lを介して汚泥処理設備3に供給される。なお、余剰汚泥Y2を濃縮することによって得えられる水分は、配管kを介して排出され、汚泥処理設備3で使用される希釈水の一部として利用することができる。
【0041】
汚泥処理設備3に供給された余剰汚泥Y2は、配管lを介して水熱反応器31に供給される。そして、水熱反応器31に供給された余剰汚泥Y1は、水熱反応器31において水熱反応処理されることによって水熱反応処理排水Y4とされ、配管oを介して排出される。具体的には、余剰汚泥Y1は、200℃以上の高温高圧水で水熱反応されることによって、有機成分が可溶化される。ここで、余剰汚泥Y1が、上述のように、リン成分を多く含んだ好気性微生物が含まれており、水熱反応処理によって好気性微生物の細胞膜等が破壊されるため、水熱反応処理排水Y4は、リン成分を多く含んだものとなる。このように、本実施形態の下水処理装置1においては、余剰汚泥Y2のみを水熱反応処理するため、初沈汚泥と余剰汚泥とを混合したものを水熱反応処理する従来の下水処理よりも可溶性のリン成分濃度の高い水熱反応処理排水Y4を生成することができる。
【0042】
配管oを介して排出される水熱反応処理排水Y4は、一旦配管oを介して好気性排水処理設備1の水熱反応処理排水脱水機27に供給される。ここで、水熱反応処理排水Y4は、固液分離されるこによって脱水される。そして、水熱反応処理排水Y4が脱水されることによって得られた水分は、水熱反応処理脱水脱離液Y5として配管pを介して再び汚泥処理設備3に供給される。例えば、下水Xの流量が100000m/dであった場合には、配管pを介して汚泥処理設備3に供給される水熱反応処理脱水脱離液Y5の流量は、110m/d程度となる。また、水熱反応処理排水Y4が脱水されることによって得られた固体分は、水熱反応処理残渣Y6として搬送路qを介して焼却装置28に供給される。例えば、下水Xの流量が100000m/dであった場合には、搬送路qを介して焼却装置28に供給される水熱反応処理残渣Y6の量は、6t/dとなる。
なお、水熱反応器31において、余剰汚泥Y2に含まれる好気性微生物の細胞が破壊されているため、脱水を容易に行うことができる。このため、水熱反応処理排水脱水機27において水熱反応処理排水Y4を脱水することによって、水熱反応処理残渣Y6の水分含有量を50%程度にすることができる。
【0043】
上述のように、下水Xの流量を100000m/dとした場合には、30t/dで水分含有率70%の初沈脱水残渣Y3と6t/dで水分含有率50%の水熱反応処理残渣Y6とが燃焼装置28に供給されるため、合計して36t/dで水分含有率67%程度の脱水残渣が燃焼装置28に供給されることになる。
例えば、初沈汚泥Y1と余剰汚泥Y2とを混合して水熱反応処理した場合には、脱水残渣の水分含有量を65%以下にまで脱水することができる。しかしながら、初沈汚泥Y1と余剰汚泥Y2との両方を水熱反応処理した場合には、水熱反応処理によって、有機成分が可溶化されるため、脱水残渣のカロリが低下してしまい、脱水残渣を燃焼させる際に助燃料を脱水残渣に供給する必要が生じる場合がある。また、上述のように初沈汚泥Y1と余剰汚泥Y2との両方に対する水熱反応処理を行わなかった場合には、脱水残渣の水分含有量が80%以上となるため、この場合にも脱水残渣を燃焼させる際に助燃料を脱水残渣に供給する必要が生じる。これに対し、本実施形態の脱水残渣は、水分の含有率が67%程度であり、かつ、初沈脱水残渣Y6のカロリが高い状態であるため、自燃可能な脱水残渣となる。このような自燃可能な脱水残渣は、良質なバイオマス燃料として利用することができる。したがって、本実施形態の下水処理装置1においては、脱水残渣を処理する装置として燃焼装置28を設置したが、燃焼装置28の代わりにバイオマス燃料を用いる発電装置等を設置し、脱水残渣を再利用することもできる。
また、本実施形態の下水処理装置1においては、破壊されていない細胞を含んだ状態で汚泥の脱水を行うことがないため、容易に脱水を行うことができる。したがって、従来、汚泥の脱水の際に用いられていた高価な高分子ポリマ(凝集剤)を使用する必要がなくなり下水処理装置のランニングコストを低下させることが可能となる。
【0044】
さて、配管pを介して再び汚泥処理設備3に供給される水熱反応処理脱水脱離液Y5は、配管pを介してリン回収装置32に供給される。そして、リン回収装置32において、水熱反応処理脱水脱離液Y5にマグネシウム塩として水酸化マグネシウムが添加され、これによってMAP粒子が析出される。そして、このMAP粒子がリン回収装置32によって回収されることによって、水熱反応処理脱水脱離液Y5からリン成分が除去される。
ここで、本実施形態の下水処理装置1においては、余剰汚泥Y1が水熱反応処理されるため、その結果生成された水熱反応処理排水Y4における可溶性のリン成分濃度が高くなっている。このため、水熱反応処理脱水脱離液Y5から高効率でリン成分を回収することが可能となる。また、本実施形態の下水処理装置1においては、マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いているため、リン回収装置32における水熱反応処理脱水脱離液Y5のpHを高くすることなくMAP粒子を安定して析出させることができる。
【0045】
リン回収装置32によってリン成分が除去された水熱反応処理脱水脱離液Y5は、配管rを介して高速嫌気処理装置33に供給される。なお、水熱反応処理脱水脱離液Y5は、配管rを介して高速嫌気処理装置33に供給される際に、必要に応じて希釈水によって希釈される。
水熱反応処理脱水脱離液Y5は、高速嫌気処理装置33において、有機成分が除去される。具体的には、嫌気性微生物によって、水熱反応処理脱水脱離液Y5中に含まれる有機成分を2日程度かけて分解することによって、水熱反応処理脱水脱離液Y5中の有機成分が除去される。
そして、高速嫌気処理装置33によって有機成分が除去された水熱反応処理脱水脱離液Y5は、配管tを介して脱窒装置35に供給され、脱窒装置35によって窒素成分が除去された後に、配管vを介して下水Xに処理済液Y7として返流される。例えば、下水Xの流量を100000m/dとした場合には、処理済液Y7の流量は、450m/dとなる。
また、水熱反応処理脱水脱離液Y5を嫌気性微生物によって分解した際に生成されるバイオガスGは、高速嫌気処理装置33から配管sを介して脱硫装置34に供給され、脱硫装置34によって硫黄成分が除去された後に、配管uを介して排気される。なお、配管uを介して排気されるバイオガスGは、例えばコジェネレーション設備等の発電用のガスとして用いることが可能である。
【0046】
(実施例)
上記実施形態の下水処理装置1を実際に複数回(A〜D)稼動した場合における、リン回収装置32での可溶性のリン成分の回収率を表1に示す。なお、今回の実施例においては、マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用い、リン回収装置32内部のpHを7.5〜9の範囲とした。
【0047】
【表1】

【0048】
この表1に示すように、リン回収装置32に供給される水熱反応処理脱水脱離液Y5(原水)中の可溶性のリン成分濃度は、317mg/l〜444mg/lと高い状態とされており、この結果、リン回収装置32から排出される水熱反応処理脱水脱離液Y5(処理水)中の可溶性のリン成分は、ND(未検出)〜3mg/lとなり、高効率で可溶性のリン成分が回収されていることが分かった。
【0049】
以上、図面を参照しながら本発明に係る下水処理装置及び方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態である下水処理装置の概略構成を示したシステムフロー図である。
【符号の説明】
【0051】
1……下水処理装置
2……好気性排水処理設備
21……最初沈殿池(最初沈殿池)
22……曝気槽
23……最終沈殿池(最終沈殿池)
3……汚泥処理設備
31……水熱反応器
32……リン回収装置
33……高速嫌気処理装置(嫌気処理装置)
X……下水
X1……上澄み液
X2……処理水
Y1……初沈汚泥(汚泥)
Y2……余剰汚泥(汚泥)
Y3……初沈汚泥残渣
Y4……水熱反応処理排水
Y5……水熱反応処理脱水脱離液(水熱反応処理排水)
Y6……水熱反応処理残渣
Y7……処理済液


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水中に含まれる汚泥を沈殿させることによって除去すると共にその上澄み液を排出する最初沈殿池と、前記上澄み液を曝気処理して排出する曝気槽と、該曝気槽から排出された前記曝気液中に含まれる汚泥を沈殿させることによって除去すると共にその上澄み液を処理水として排出する最終沈殿池とを備える下水処理装置であって、
除去された前記汚泥のうち、前記最終沈殿池によって除去された汚泥のみを水熱反応処理して水熱反応処理排水として排出する水熱反応器と、
前記水熱反応処理排水に対してマグネシウム塩を添加することによって前記水熱反応処理排水中に含まれるリン成分をMAP粒子として回収するリン回収装置と
を備えることを特徴とする下水処理装置。
【請求項2】
前記マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いることを特徴とする請求項1記載の下水処理装置。
【請求項3】
前記リン回収装置における前記水熱反応処理排水のpHを7.5〜9、好ましくは8〜8.5に調整することを特徴とする請求項2記載の下水処理装置。
【請求項4】
前記リン回収装置においてリン成分が回収された前記水熱反応処理排水中に含まれる有機成分を嫌気性微生物によって除去する嫌気処理装置を備え、該嫌気処理装置に供給される前記水熱反応処理排水のpHを7〜8.5に調整することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の下水処理装置。
【請求項5】
下水中に含まれる汚泥を沈殿させて除去し、前記汚泥が除去された前記下水の上澄み液を曝気処理し、該曝気処理後の曝気液中に含まれる汚泥をさらに沈殿させて除去することによって、前記下水を処理水として排出する下水処理方法であって、
除去される前記汚泥のうち、前記曝気液中から除去された前記汚泥のみを水熱反応処理することによって水熱反応処理排水とし、該水熱反応処理排水に対してマグネシウム塩を添加することによって前記水熱反応処理排水中に含まれるリン成分をMAP粒子として回収することを特徴とする下水処理方法。
【請求項6】
前記マグネシウム塩として水酸化マグネシウムを用いることを特徴とする請求項5記載の下水処理方法。
【請求項7】
前記水熱反応処理排水に前記水酸化マグネシウムを添加した際の前記水熱反応処理排水のpHを7.5〜9、好ましくは8〜8.5とすることを特徴とする請求項6記載の下水処理方法。
【請求項8】
前記リン成分が回収された前記水熱反応処理排水中に含まれる有機成分を嫌気性微生物によって除去する工程を有し、該工程を開始する際の前記水熱反応処理排水のpHを7〜8.5に調整することを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載の下水処理方法。




【図1】
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【公開番号】特開2006−150316(P2006−150316A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348678(P2004−348678)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年6月21日 社団法人日本下水道協会発行の「第41回 下水道研究発表会講演集」に発表
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】