説明

不斉化触媒反応用の新規なジアザホスホラン配位子

本発明は、光学活性金属−配位子錯体触媒の存在下に、プロキラル又はキラルオレフィンを、一酸化炭素及び水素と、反応させて、光学活性アルデヒド又は光学活性アルデヒドから誘導された生成物を製造する不斉ヒドロホルミル化方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性金属−配位子錯体触媒の存在下に、プロキラル又はキラルオレフィンを、一酸化炭素及び水素と、反応させて、光学活性アルデヒド又は光学活性アルデヒドから誘導された生成物を製造する不斉ヒドロホルミル化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不斉化合成は、しばしば唯一の光学活性異性体(エナンチオマー)が治療的に活性であるので、例えば医薬工業に於いて重要なものである。このような医薬製品の例は、非ステロイド性抗炎症薬ナプロキセンである。(S)−エナンチオマーは、強力な抗関節炎薬であり、他方(R)−エナンチオマーは肝臓毒素である。従って、その鏡像よりも多くの1種の特定のエナンチオマーを選択的に製造することがしばしば望ましい。
【0003】
光学的に不活性のラセミ混合物、即ち、等量の、それらの逆(opposite)光学活性がお互いに打ち消し合うそれぞれの鏡像エナンチオマーを製造する傾向のために、所望のエナンチオマーを確実に製造するために、特別の予防措置を取らなくてはならないことが知られている。このようなラセミ混合物から所望のエナンチオマー又は鏡像立体異性体を得るために、ラセミ混合物を、その光学活性成分に分離しなくてはならない。光学分割として知られている、この分離は、実際の物理的区分け、ラセミ混合物の直接的結晶化又は当該技術分野で公知の他の方法によって実施することができる。このような光学分割手順は、しばしば、手間を要し、高価であり、そして通常、所望のエナンチオマーの収率は、ラセミ混合物供給原料基準で50%よりも低い。これらの困難性のために、増加した注目は、エナンチオマーの1種が著しく大量で得られる、不斉化合成に置かれてきた。特に、単一エナンチオマーキラル配位子の遷移金属錯体での触媒反応(不斉触媒反応)によって容易に実施される不斉化合成方法は、医薬のため及び他の部門に於ける、常に増加している工業的応用性を見出している。
【0004】
オレフィンの不斉ヒドロホルミル化は、この反応はキラル中心を確定する一炭素ホモログ化でもあるので、光学活性生成物の合成のために特に価値がある。効率的な不斉ヒドロホルミル化は、望ましくは、位置選択率(分枝鎖/直鎖比)及びエナンチオ選択率の両方を制御するための能力を与える。不斉ヒドロホルミル化に於いて製造される光学活性アルデヒドは、更に、次の反応工程により又は他の試薬とのその場での反応(in situ reaction)により、他の官能基にすることができる。
【0005】
種々の不斉ヒドロホルミル化触媒が当該技術分野で記載されている(非特許文献1参照)。例えば、非特許文献2は、キラル配位子、1−(tert−ブトキシカルボニル)−(2S,4S)−2−[(ジフェニルホスフィノ)メチル]−4−(ジベンゾホスホリル)ピロリジン、1−(tert−ブトキシカルボニル)−(2S,4S)−2−[(ジベンゾホスホリル)メチル]−4−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン及び1−(tert−ブトキシカルボニル)−(2S,4S)−4−(ジベンゾホスホリル)−2−[(ジベンゾホスホリル)メチル]ピロリジンを含有する、3種の白金(II)の錯体の合成に関する。スチレンの不斉ヒドロホルミル化が、これらの3種の配位子の白金錯体を使用して、触媒として塩化第一スズの存在下に試験されている。種々の分枝鎖/直鎖比(0.5〜3.2)及びエナンチオマー過剰値(12〜77%)が得られた。この反応をオルトギ酸トリエチルの存在下に実施したとき、4種の触媒は、すべて、ほぼ完全なエナンチオ選択率(ee>96%)及び同様の分枝鎖/直鎖比を与えた。しかしながら、白金ヒドロホルミル化触媒は、それらの低い触媒活性及び高いCO/H2、即ち合成ガス圧力の必要性のために、限定された有用性のものである。
【0006】
非特許文献3には、ロジウム触媒作用ヒドロホルミル化に於いて使用するための、混合ホスフィン−ホスファイト配位子であるビナホス(BINAPHOS)の使用が報告されている。スチレンヒドロホルミル化について、96%のように高いエナンチオ選択率が観察されたが、位置選択率(分枝鎖/直鎖比)は比較的低かった。非特許文献4には、シアン化アリルのRh触媒作用ヒドロホルミル化のためのビナホスの適用が報告されている。この方法は、中度に選択的であるに過ぎず、66%ee及び72:28の分枝鎖/直鎖比のキラルアルデヒド生成物を与えた。Wills,M.及び共同研究者は、酢酸ビニルのRh触媒作用不斉ヒドロホルミル化のための、キラルジアザホスホリジン配位子であるエスホス(ESPHOS)の使用を報告した(非特許文献5)。酢酸ビニルについて、92%ee以下のエナンチオ選択率が得られた。しかしながら、この配位子は、スチレンのヒドロホルミル化に於いては有効ではなく、ラセミ混合物を与えた。
【0007】
ユニオン・カーバイド社(Union Carbide)に付与された特許文献1には、Rh触媒作用不斉ヒドロホルミル化に於いて使用するための非常に有効なキラルビスホスファイト(bisphosphite)配位子が開示されている。2個のリン原子をブリッジ架けしている、光学活性ジオールから製造された配位子は種々のオレフィン基体(substrate)のために特に有用であった。好ましい配位子、例えばキラファイト(Chiraphite)として知られている原型配位子は、光学活性(2R,4R)−ペンタンジオール及び置換されたビフェノールから製造された。最高の位置選択率及びエナンチオ選択率(>85%ee)がビニルアレーン基体で観察された。他の基体はより低い選択率でヒドロホルミル化された。
【0008】
最近、2個の光学活性ホスファイト単位がアキラルブリッジによって結合されている、新しい種類の配位子ファミリーが紹介された(非特許文献6及び非特許文献7)。同定された最善の配位子であるケリファイト(Kelliphite)は、シアン化アリル(78%ee、b/l=18、35℃で)及び酢酸ビニル(88%ee、b/l=125、35℃で)のエナンチオ選択性及び位置選択性であると示された。
【0009】
上記のような不斉ヒドロホルミル化技術に於いてなされた進歩にもかかわらず、現存する配位子は、遂行の範囲及び予測可能性に於いて制限されている。従って、接触不斉ヒドロホルミル化のための、より広い範囲のキラル配位子、特に改良された活性及び選択率プロフィールを示し、或る範囲の基体に亘って有利なプロセス経済性をもたらす多目的配位子についての要求が存在する。このような基体には、限定無しに、スチレン及びその他のビニルアレーン、酢酸ビニル並びにシアン化アリルが含まれる。別の所望される構成は、配位子構造が、与えられた任意のオレフィン性基体のために最善の結果を得るように体系的に変えることができるモジュール設計を有することである。最後に、商業的な応用のために、不斉ヒドロホルミル化方法のための選択された配位子を、容易に入手可能な原材料から効率的に合成することができることが、有利なプロセス経済性のための必要条件である。改良された配位子を設計することを探求する際に、一般的に、公知の技術は、ロジウム触媒作用ヒドロホルミル化のために必要な活性のレベルを達成するために、ホスファイト含有配位子又は他のヘテロホスフィン配位子についての必要性を教示しており、一方、しばしば不斉ヒドロホルミル化応用に付随する、ジホスフィン配位子(即ち、それらのそれぞれに於いて、P原子が、3個の任意的に置換された炭化水素置換基を有する、2個のホスフィン基を含有する)は、通常、あまり有効ではないと考えられている。実際に、非特許文献1の第131頁には、「不斉ヒドロホルミル化に於いてジホスフィンを適用するためになされた全ての努力にもかかわらず、ロジウム−ジホスフィン系のエナンチオ選択率は、ロジウム−ジホスファイト又はロジウムホスフィン−ホスファイト系のもののように高くない」と記載されている。
【0010】
Landis,C.R.及び共同研究者は、最近、下記に示すような3,4−ジアザホスホラン環構造をベースにする新規なモノ及びジホスフィンの製造を開示した(特許文献2及び非特許文献8)。現在までに報告されたジホスフィンの具体例に於いて、置換基R2は、非置換フェニルである。現在までに報告されたモノホスフィンの具体例に於いて、置換基R2は、アルキル、非置換のアリール(例えばフェニル、2−ナフチル)、非置換のヘテロアリール(例えば2−フラニル)、o−トリル又はOH、OAc、F、カルボキシル若しくはカルボキサミド基によって置換されたフェニルであってよい。
【0011】
【化1】

【0012】
これらのホスフィンは、容易に入手可能な物質から容易に合成することが示され、そしてそれらの電子的特性及び立体的特性を変えるために、容易に変性することができる。このようなホスフィンの遷移金属錯体は、不斉アリル性アルキル化(パラジウム錯体)及び不斉水素化(ロジウム錯体)のための触媒として有用性を有することが示された。一座ホスフィンが、例えばアリル性アルキル化反応に於ける配位子として適用された(非特許文献9、非特許文献10)。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,491,266号明細書
【特許文献2】PCT国際出願公開第03/010174号明細書
【0014】
【非特許文献1】van Leeuwen,P.W.N.M.及びClaver,C.著、「ロジウム触媒作用ヒドロホルミル化(Rhodium Catalyzed Hydroformylation)」、クルワー・アカデミック・パブリッシャーズ(Kluwer Academic Publishers)、ドルドレヒト(Dordrecht)、2000年刊
【非特許文献2】Stille,John K.等、Organometallics、1991年、第10巻、第1183−1189頁
【非特許文献3】Takaya,H.等、J.Am.Chem.Soc.、1993年、第115巻、第7033頁
【非特許文献4】Lambers−Verstappen,M.M.H.及びde Vries,J.G.、Adv.Synth.Catal.、2003年、第345巻、第478−482頁
【非特許文献5】Angew.Chem.Int.Ed.、2000年、第39巻、第4106頁
【非特許文献6】Cobley,C.J.等、J.Org.Chem.、2004年、第69巻、第4031頁
【非特許文献7】Cobley,C.J.等、Org.Lett.、2004年、印刷中
【非特許文献8】Angew.Chem.Int.Ed.、2001年、第40巻、第3432頁
【非特許文献9】Clark,T.P.;Landis,C.R.、J.Am.Chem.Soc.、2003年、第125巻、第11792頁
【非特許文献10】Landis,C.R;Clark,T.C.、Proceedings of the National Academy of Science、2004年、第101巻、第5428−5432頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
【化2】

【0016】
本発明は、オレフィンが、触媒として、式(1)のビス(ジアザホスホラン)配位子又は逆エナンチオマーの遷移金属錯体の存在下に、ヒドロホルミル化、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシル化及びヒドロエステル化からなる群から選択された不斉化反応を受ける、合成的に有用な方法であって、(a)ブリッジが、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロシクリル並びに置換及び非置換のフェロセニル基からなる群から選択された結合基であり、(b)それぞれの存在において、Wは、独立に、置換及び非置換のアリール及びヘテロアリール、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル並びに置換及び非置換のアルキルからなる群から選択され、(c)それぞれの存在において、Tは、独立に、−C(O)OR3、−C(O)NR45、−C(O)N(R4)OR5、OR3、NR45、置換及び非置換のオキサゾール、置換及び非置換のオキサゾリン、置換及び非置換のオキサゾリジン並びに置換及び非置換のアルキルからなる群から選択され、(d)R1及びR2は、独立に、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル並びに置換及び非置換のアリールからなる群から選択され又はR1とR2とが一緒に結合して、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルを形成することができ、(e)R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、−H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のアラルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のヘテロシクリルアルキルからなる群から選択され又は、R4とR5とが一緒に結合して、非芳香族ヘテロシクリルを形成することができ、そして(f)それぞれの存在において、点線は、単炭素−炭素結合又は二重炭素−炭素結合がC(R1)とC(R2)との間に存在するように、任意的な追加の結合を表す方法の発見に基づいている。
【0017】
本発明の主な応用は、ヒドロホルミル化反応にある。以下に詳述するような合成的に有用なヒドロホルミル化反応に鑑みて、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシル化及びヒドロエステル化を含む、オレフィンの関連する反応に於ける前記の遷移金属錯体の有用性は、当業者に容易に認められるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一つの面に於いて、式(1)に従った化合物の遷移金属錯体によって触媒作用される方法に於いて、遷移金属は、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、コバルト、白金、ニッケル、鉄及びオスミウムからなる群から選択される。好ましくは、この遷移金属はロジウムである。このような方法を実施する際に、錯体を、予備形成しそして使用する前に単離し、次いで反応容器内で、反応を受ける基体と一緒にされる溶液中で予備形成する又は反応の間にその場で(in situ)発生させる。ロジウム錯体の場合に、錯体を、次いで反応容器内で、反応を受ける基体と一緒にされる溶液中で予備形成することが好ましい。所望により、本発明に従ったプロセスの運転のために、配位子(1)及び/又は対応する遷移金属錯体の固定化を達成するための認められた方法を適用できることが、当業者によって容易に認められるであろう。Landis及びClark、2004年の非特許文献10には、一つのこのような方法が記載されている。
【0019】
本発明の別の面に於いて、好ましい不斉化反応はヒドロホルミル化又はヒドロシアノ化である。更に好ましくは、この反応は、オレフィンの不斉ヒドロホルミル化であり、そして錯体はロジウム錯体である。このような不斉化反応は、プロキラルオレフィンのエナンチオ選択的ヒドロホルミル化又はエナンチオマー的に富化されたキラルオレフィンのジアステレオ選択的ヒドロホルミル化を伴うであろう。何れの場合に於いても、要求される生成物のエナンチオ選択的過剰は、少なくとも60%であり、そして好ましくは少なくとも80%又はそれ以上である。このようなヒドロホルミル化反応に於いて、オレフィンは、典型的には、常にではないが、プロキラルα−オレフィン、即ちモノ置換された末端オレフィンである。プロキラルα−オレフィンRCH=CH2のヒドロホルミル化は、2種の位置異性体的アルデヒド、即ち分岐したキラルアルデヒドRCH(CHO)CH3及び線状アキラルアルデヒドRCH2CH2CHOの生成になり得る。本発明の方法に於いて、分岐したアルデヒドが主生成物であり、分岐:線状アルデヒド生成物の比は少なくとも3:1であり、そして好ましくは少なくとも8:1又はそれ以上であることが望ましい。このα−オレフィンは、これらに限定はしないが、スチレン、酢酸ビニル及びシアン化アリルからなる群から選択することができる。
【0020】
ヒドロホルミル化プロセスである、本発明の更に別の面に於いて、アルデヒド生成物を、誘導化(derivatization)に付すことができる。このような目的のために、合成応用に依存して、誘導化反応は酸化、還元、アミノ化、オレフィン化、縮合、エステル化、アルキル化、アリール化又はアシル化反応を含む。
【0021】
本発明の更に別の面に於いて、式(1)に係る化合物の遷移金属錯体によって触媒作用される方法に於いて、化合物(1)の好ましい構成は、以下のように特徴付けることができる。
【0022】
(i)化合物(1)に於けるP−ブリッジ−Pは、式(2)〜(7)からなる群から選択され、これらのそれぞれは、任意的に置換されていてよく、(3)に於けるnは、0〜5の範囲内であり、(6)に於けるXは、O又はN−アルキルである。更に好ましくは、P−ブリッジ−Pは(2)又は(3)(式中、nは1である)であり、そして最も好ましくは、P−ブリッジ−Pは(2)である。主鎖構造(2)〜(7)に関して、不斉化合成応用に於いて類似の性質を有する配位子を得るために、代替主鎖構造の置換が可能であろうことが、当業者によって容易に認められるであろう。
【0023】
【化3】

【0024】
(ii)化合物(1)中の各W−T基は同一である。更に好ましくは、このような配位子に於いて、化合物(1)中のWは、置換又は非置換のアリール又はヘテロアリールであり、Wの各Tは、ジアザホスホラン環に結合している位置に対してオルトである。最も好ましくはWは1,2−フェニレンであってよい。
【0025】
(iii)化合物(1)のTは、−C(O)NR45である。更に好ましくは、基NR45は、キラルアミンH−NR45(式中、典型的にはR4はHである)から誘導される。最も好ましくは、このキラルアミンは1−アリールエチルアミン又はα−アミノ酸のアルキルエステルであり、そして(R)−1−フェニルエチルアミン、(S)−1−フェニルエチルアミン、(R)−1−(1−ナフチルエチルアミン)、(S)−1−(1−ナフチルエチルアミン)、(S)−アラニンのメチル及びエチルエステル、(R)−アラニンのメチル及びエチルエステルからなる群から選択することができる。そして
【0026】
(iv)化合物(1)の各ジアザホスホラン環は、部分式(8)によって表される三環(tricycle)又は部分式(9)によって表される二環(bicycle)の中に取り込まれている。
【0027】
【化4】

【0028】
本発明に従った方法の操作のために、特に好ましい化合物(1)は、式(10)又はその反対のエナンチオマーによって更に具体的に表される。
【0029】
【化5】

【0030】
本発明を、以下の実施例によって更に示す。
【0031】
例1及び例2は(1)のテトラカルボン酸変体の合成を記載する。
【0032】
例3〜13は、殆どの場合にジアステレオマーの混合物(これは、次いで、構成ジアステレオ異性体に分離される)として製造される、(1)のカルボキサミド変体の合成を記載する。
【0033】
例14は、例15の中の対照実験に於いて使用するための、(1)のモノホスフィン同等物の合成を記載する。
【0034】
例15は、タイプ(1)の配位子を使用する、3種の基体(スチレン、シアン化アリル及び酢酸ビニル)のロジウム触媒作用ヒドロホルミル化反応を記載し、(1)のモノホスフィン同等物と、公知のホスファイトベースの配位子、キラファイト、ケリファイト及びビナホスとの直接比較を含む。表Iに、ジホスフィンについて予想外に、本発明の配位子(1)が、3種の基体の全てのために有効であり、固定された時間後の基体転化%によって証明されるように、位置制御及びエナンチオ制御の良好なレベル並びに一般的により高い活性をもたらすことが示されている。表IIに、タイプ(1)の1種の特別の配位子で、反応温度及び圧力を変化させることの効果が示されている。特に、酢酸ビニルの場合に、エナンチオ選択率は、広い温度範囲に亘って驚くほど一定のままである。
【0035】
例16は、タイプ(1)の配位子のX線キャラクタリゼーションを記載する。
【0036】
一般的考慮事項
全ての合成は、窒素下で、標準的シュレンク(Schlenk)技術を使用して実施した。アミドのフラッシュクロマトグラフィーは、空気に開放して実施した。THFは、Na/ベンゾフェノン上で蒸留した。二塩化フタロイルは、真空蒸留によって精製した。1,2−ビス(ホスフィノ)ベンゼンは、ストレム社(Strem)から購入した。全ての他の化学薬品は、アルドリッチ社(Aldrich)から購入した。以下の実施例に於いて、適用可能である場合、それぞれの生成物の構造を、対応する実験説明の前に示す。
【0037】
【化6】

【0038】
例1rel−2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1R,3R)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス−安息香酸の合成
2,2'−(アジノジメチリジン)ビス−安息香酸(1.38g、4.66ミリモル)を、80mLのTHF中に0℃で懸濁させた。1,2−ビス(ホスフィノ)ベンゼン(0.30mL、2.32ミリモル)を、この攪拌したスラリーに添加し、続いて二塩化フタロイル(1.00mL、6.94ミリモル)を添加した。この反応物を0℃で1時間攪拌し、その後、これを氷浴から取り出し、そして室温で一夜攪拌した。22時間攪拌した後、白色固体を濾過し、そして20mLのTHFで洗浄した。この生成物を真空下で乾燥した。収率=白色固体21%。
【0039】
1H NMR(d−DMSO):δ6.25(d,2H,J=7.4Hz),6.77(t,2H J=7.6Hz),6.93(t,2H,J=7.7Hz),7.11(d,2H,J=7.8Hz),7.29(ブロード,4H),7.4−7.5(m,4H),7.57(t,2H,J=7.6Hz),7.68(s,2H),7.74(t,2H,J=8.3Hz),7.85(m,4H,フタロイル),7.97(m,2H,フタロイル),8.05(d,2H,J=7.4Hz),8.11(m,2H,フタロイル),12.6(ブロード,4H,COOH);13C NMR(d−DMSO):57.0(s,PCHN),60.6(t,JC-P=20Hz,PCHN),125−145ppmでのピークは帰属されなかった、154.9(s,CO),155.2(s,CO),167.3(s,CO),167.5(s,CO);31P NMR(d−DMSO):δ−7.9(ブロード).EMM C54354122[M−H]-計算値:993.1727,実測値:993.1751.
【0040】
【化7】

【0041】
例2rel−2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1R,3R)−テトラヒドロ−5,8−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−a)ピリダジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス−安息香酸の合成
2,2'−(アジノジメチリジン)ビス−安息香酸(0.92g、3.10ミリモル)を、75mLのTHF中に懸濁させた。ビス(ホスフィノ)ベンゼン(0.20mL、1.55ミリモル)を、この攪拌したスラリーに添加し、続いて二塩化スクシニル(0.51mL、4.63ミリモル)を添加した。20時間攪拌した後、固体をカニューレによって濾過し、そして20mLのTHFで洗浄した。この生成物を真空下で乾燥した。収率=白色固体33%。
【0042】
1H NMR(d−DMSO):δ2.2−2.5(m,6H,CH2CH2),2.75−2.95(m,2H,CH2CH2),6.49(m,2H),6.82−6.92(m,4H),7.0−7.3(m,10H),7.40(m,2H),7.47(t,2H,J=7.5Hz),7.63(t,2H,J=7.6Hz),8.01(d,2H,J=8.0Hz),12.5(ブロード,4H,COOH);13C NMR(d−DMSO):δ25.4(s,CH2),50.7(ブロード,PCHN),54.0(t,JC-P=20Hz,PCHN),120−140ppmでのピークは帰属されなかった、161.1(s,CO),163.3(s,CO),163.5(s,CO),163.9(s,CO);31P NMR(d−DMSO):δ5.9(ブロード).
【0043】
アミド合成のための一般的手順
テトラカルボン酸ジアザホスホラン(0.34ミリモル)を、5当量のPyBOPと一緒にし、そして窒素下に置いた。脱気した塩化メチレン(100mL)を添加し、続いて5当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミン及び5当量のアミン[(αS)−α−メチル−ベンゼンメタンアミン又は(αS)−α−メチル−1−ナフタレンメタンアミン又はL−アラニンのメチルエステル]を添加した。一夜攪拌した後、溶液を大気開放し、そしてそれぞれ50mLの飽和NaHCO3、2M HCl、飽和NaHCO3及びH2Oで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空中で除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。ジアステレオ異性体の完全な分離を、ゾルバックス(Zorbax)Rx−Silカラム(4.6×250mm)を有するLCによって行った。
【0044】
【化8】

【0045】
例3TPC485−1(N,N'、N'',N'''−(1,2−フェニレンビス(((1R,3R)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル)ビス(2,1−フェニレンカルボニル)))テトラキス−L−アラニン−テトラメチルエステル)
収率=21%。
【0046】
1H NMR(C66):δ1.30(d,6H,J=7.2Hz,CHCH3),1.49(d,6H,J=7.3Hz,CHCH3),3.39(s,6H,CO2CH3),3.69(s,6H,CO2CH3),4.68(五重項,2H,J=7.3Hz,CHCH3),5.27(五重項,2H,J=7.3Hz,CHCH3),6.5−7.2(m,14H),7.52(t,2H,J=7.2Hz),7.63(m,4H),7.78(d,2H,J=7.3Hz),7.9−8.1(m,10H),8.85(d,2H,J=8.1Hz,NHCHCH3),9.73(d,2H,J=8.1Hz);13C NMR(C66):δ18.1(s,CHCH3),18.8(s,CHCH3),48.7(s,CHCH3),48.9(s,CHCH3),52.2(s,CO2CH3),52.8(s,CO2CH3),58.1(ブロード,PCHN),60.2(t,JC-P=16Hz,PCHN),125−140でのピークは帰属されなかった、156.8(s,CONN),157.3(s,CONN),169.0(s,2CONH),174.1(s,CO2CH3),174.8(s,CO2CH3);31P NMR(C66):δ4.5(ブロード).EMM C70648162Na[M+Na]+計算値:1357.381,実測値:1357.382.
【0047】
【化9】

【0048】
例4TPC485−2(N,N'、N'',N'''−(1,2−フェニレンビス(((1S,3S)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル)ビス(2,1−フェニレンカルボニル)))テトラキス−L−アラニン−テトラメチルエステル)
収率=21%。
【0049】
1H NMR((CD3)CO):δ1.31(d,6H,J=7.3Hz,CHCH3),1.53(d,6H,J=7.3Hz,CHCH3),3.66(s,6H,CO2CH3),3.74(s,6H,CO2CH3),4.30(ブロード,2H,CHCH3),4.75(五重項,2H,J=7.4Hz,CHCH3),6.34(ブロード,2H),6.70(ブロード,2H),6.84(ブロード,2H),6.9−7.2(m,4H),7.3−7.8(m,16H),7.84(m,4H,フタロイル),8.05(m,2H,フタロイル),8.19(m,2H,フタロイル),9.26(ブロード,2H,NHCHCH3);13C NMR((CD3)CO):δ17.5(s,CHCH3),18.1(s,CHCH3),49.4(s,CHCH3),49.6(s,CHCH3),52.5(s,CO2CH3),52.6(s,CO2CH3),59.4(s,PCHN),62.1(t,JC-P=18Hz,PCHN),125−145でのピークは帰属されなかった、156.5(s,CONN),157.4(s,CONN),168.6(s,CONH),168.8(s,CONH),173.4(s,CO2CH3),173.7(s,CO2CH3);31P NMR((CD3)CO):δ−7.6(ブロード).EMM C70648162Na[M+Na]+計算値:1357.381,実測値:1357.376.
【0050】
【化10】

【0051】
例5TPC486−1(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1R,3R)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−フェニルエチル)ベンズアミド)
収率=12%。
【0052】
1H NMR(d−THF):δ1.44(d,6H,J=6.3Hz,CH3),1.65(d,6H,J=6.8Hz,CH3),5.19(ブロード、五重項,2H,J=7.1Hz,CHCH3),5.49(ブロード、五重項,2H,J=7.3Hz,CHCH3),6.30(d,2H,J=7.5Hz),6.62(t,2H,J=7.0Hz),6.9−7.7(m,40H),7.71(m,4H,フタロイル),7.93(d,2H,J=7.0Hz,NHCHCH3),8.10(m,2H,フタロイル),8.21(m,2H,フタロイル),9.62(d,2H,J=7.3Hz,NHCHCH3);13C NMR(d−THF):δ22.7(s,CH3),23.4(s,CH3),49.8(s,CHCH3),49.9(s,CHCH3),59.4(s,PCHN),61.0(d,JC-P=16Hz,PCHN),125−150ppmでのピークは帰属されなかった、156.8(s,CONN),157.3(s,CONN),167.9(s,CONH),168.2(s,CONH);31P NMR(d−THF):δ−5.4(ブロード)。EMM C8672882Na[M+Na]+計算値:1429.485,実測値:1429.471.
【0053】
【化11】

【0054】
例6TPC486−2(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1S,3S)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−フェニルエチル)ベンズアミド)
収率=16%。
【0055】
1H NMR(d−THF):δ1.23(d,6H,J=7.0Hz,CH3),1.61(d,6H,J=6.8Hz,CH3),5.15(m,2H,NHCHCH3),5.46(m,2H,NHCHCH3),5.80(d,2H,J=7.8Hz),6.03(t,2H,J=7.4Hz),6.50(s,2H,PCHN),6.76(t,2H,J=7.5Hz),7.0−8.0(m,42H),8.07(m,2H),8.25(m,2H),9.70(d,2H,J=7.9Hz,NHCHCH3);13C NMR(d−THF):δ22.4(s,CH3),23.8(s,CH3),49.6(s,CHCH3),50.7(s,CHCH3),59.4(ブロード s,PCHN),62.5(d,JC-P=18Hz,PCHN),125−150でのピークは帰属されなかった、156.3(s,CONN),157.4(s,CONN),167.9(s,CONH),168.1(s,CONH);31P NMR(d−THF):δ−7.7(ブロード)。EMM C8672882Na[M+Na]+計算値:1429.485,実測値:1429.475.
【0056】
図1は、熱楕円体の40%確率を有するTPC−486−2配位子についての分子構造及びラベル付け図式を示す。明瞭性のために、水素原子を除去した。X線結晶学による、TPC486−2の更なるキャラクタリゼーションを、例15に記載する。
【0057】
【化12】

【0058】
例7TPC662−1(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1R,3R)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル)ベンズアミド)
収率=33%。
【0059】
1H NMR((CD32O):(ピークは、カップリング定数を決定するためには広すぎた)δ1.60(6H,CH3),1.77(6H,CH3),5.95(2H,CHCH3),6.27(2H,CHCH3),6.42(2H),6.70(2H),6.9−8.6(50H),9.68(2H,NHCHCH3);13C NMR((CD32O):δ22.9(s,2CH3),46.2(s,CHCH3),46.5(s,CHCH3),59.7(ブロード,PCHN),61.2(t,JC-P=15.9Hz,PCHN),120−145ppmでのピークは帰属されなかった、157.2(s,CONN),157.3(s,CONN),168.4(s,CONH),168.5(s,CONH);31P NMR((CD32O):δ−4.1(ブロード)。EMM C10280882Na[M+Na]+計算値:1629.547,実測値:1629.537.
【0060】
【化13】

【0061】
例8TPC662−2(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1S,3S)−5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−b)フタラジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル)ベンズアミド)
収率=30%。
【0062】
1H NMR((CD32O):(ピークは、カップリング定数を決定するためには広すぎた)δ1.30(6H,CH3),1.64(6H,CH3),5.71(2H),5.85(2H),5.98(2H,CHCH3),6.15(2H),6.22(2H,CHCH3),6.46(s,2H,PCHN),7.0−8.5(56H),9.46(2H,NHCHCH3);13C NMR((CD32O):δ21.3(s,CH3),23.5(s,CH3),45.7(s,CHCH3),46.6(s,CHCH3),60.2(ブロード,PCHN),62.4(t,JC-P=17.4Hz,PCHN),120−145ppmでのピークは帰属されなかった、156.3(s,CONN),157.2(s,CONN),168.4(s,CONH),168.6(s,CONH);31P NMR((CD32O):δ−10.5(ブロード)。EMM C10280882Na[M+Na]+計算値:1629.547,実測値:1629.540.
【0063】
【化14】

【0064】
例9TPC636−1(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1R,3R)−テトラヒドロ−5,8−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−a)ピリダジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル)ベンズアミド)
収率=15%。
【0065】
1H NMR((CD32O):δ1.59(d,6H,J=6.8Hz,CH3),1.75(d,6H,J=6.8Hz,CH3),2.3−3.0(m,8H,CH2CH2),5.91(dq,2H,J=7.5,6.8Hz,CHCH3),6.26(dq,2H,J=7.1,6.8Hz,CHCH3),6.45(d,2H,J=7.6Hz),6.61(s,2H,PCHN),6.67(d,2H,J=7.3Hz),6.80(t,2H,J=7.3Hz),6.88(t,2H,J=7.5Hz),7.02(t,2H,J=8.8Hz),7.1−7.9(m,34H),7.95(d,2H,J=8.1Hz),8.10(d,2H,J=7.9Hz),8.40(d,2H,J=8.3Hz,NHCHCH3),8.47(d,2H,J=8.3Hz),9.50(d,2H,J=8.3Hz,NHCHCH3);13C{1H}NMR((CD32O):δ22.8(s,CH3),22.9(s,CH3),46.1(s,CH2CH2),46.2(s,CH2CH2),56.6(s,PCHN),57.7(d,JC-P=13Hz,PCHN,120−140ppmでのピークは帰属されなかった、166.6(s,CO),168.4(s,CO),168.6(s,CO),168.7(s,CO);31P NMR((CD32O):δ11.8.EMM C9480882Na[M+Na]+計算値:1533.547,実測値:1533.538.
【0066】
【化15】

【0067】
例10TPC636−2(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1S,3S)−テトラヒドロ−5,8−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−a)ピリダジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−(1−ナフタレニル)エチル)ベンズアミド)
収率=15%。
【0068】
1H NMR(CD32O:δ1.24(d,6H,J=7.5Hz,CH3),1.66(d,6H,J=6.7Hz,CH3),2.3−2.55(m,6H,CH2CH2),2.75−2.95(m,2H,CH2CH2),5.76(t,2H,J=7.6Hz),5.92(dq,2H,J=7.6,7.2Hz,CHCH3),5.98−6.10(m,6H),6.20(dq,2H,J=7.5,6.9Hz,CHCH3),6.86(d,2H,J=7.2Hz),6.98(m,2H),7.10(m,2H),7.2−7.7(m,26H),7.8−8.1(m,12H),8.40(d,2H,J=8.3Hz,NHCHCH3),9.31(d,2H,J=7.8Hz,NHCHCH3);13C{1H}NMR((CD32O):δ21.4(s,CH3),23.3(s,CH3),45.6(s,CHCH3),46.7(s,CHCH3),57.2(t,JC-P=6Hz,PCHN),59.4(t,JC-P=17Hz,PCHN),120−145ppmでのピークは帰属されなかった、166.5(s,CO),168.2(s,2CO),168.6(s,CO);31P NMR((CD32O):δ4.2(ブロード)。EMM C9480882Na[M+Na]+計算値:1533.547,実測値:1533.540.
【0069】
【化16】

【0070】
例11TPC673−1(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1R,3R)−テトラヒドロ−5,8−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−a)ピリダジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−フェニルエチル)ベンズアミド)
収率=21%。
【0071】
1H NMR(d−THF):δ1.37(d,6H,J=6.7Hz,CH3),1.56(d,6H,J=6.7Hz,CH3),2.2−2.7(m,6H,CH2CH2),2.65−3.0(m,2H,CH2CH2),5.06(dq,2H,J=7.5,6.9Hz,CHCH3),5.41(dq,2H,J=7.7,6.9Hz,CHCH3),6.39(d,2H,J=7.3Hz),6.5−6.9(m,10H),7.06−7.36(m,26H),7.51(m,2H),7.60(d,4H,J=7.4Hz),7.97(d,2H,J=8.3Hz,NHCHCH3),9.23(d,2H,J=7.8Hz,NHCHCH3);13C NMR(d−THF):δ23.2(s,CH3),23.7(s,CH3),29.6(s,CH2),30.6(s,CH2),50.0(s,CHCH3),50.3(s,CHCH3),56.9(ブロード,PCHN),57.6(t(ブロード),PCHN),125−150ppmでのピークは帰属されなかった、166.7(s,CO),168.2(s,CO),168.4(s,CO),168.5(s,CO);31P NMR(d−THF):δ11.0(ブロード)。EMM C7872882Na[M+Na]+計算値:1333.485,実測値:1333.480.
【0072】
【化17】

【0073】
例12TPC673−2(2,2'、2'',2'''−(1,2−フェニレンビス((1S,3S)−テトラヒドロ−5,8−ジオキソ−1H−(1,2,4)ジアザホスホロ(1,2−a)ピリダジン−2,1,3(3H)−トリイル))テトラキス(N−((1S)−1−フェニルエチル)ベンズアミド)
収率=16%。
【0074】
1H NMR(d−THF):δ1.14(d,6H,J=7.1Hz,CH3),1.56(d,6H,J=7.1Hz,CH3),2.3−2.9(m,8H,CH2CH2),5.04(dq,2H,J=8.0,7.1Hz,CHCH3),5.39(dq,2H,J=7.2,7.0Hz,CHCH3),6.0−6.2(m,6H),6.61(t,2H,J=7.5Hz),6.8−7.3(m,30H),7.36(d,2H,J=8.0Hz,NHCHCH3),7.5−7.7(m,6H),9.28(d,2H,J=7.6Hz,NHCHCH3);13C{1H}NMR(d−THF):δ22.4(s,CH3),23.6(s,CH3),30.0(s,CH2),30.2(s,CH2),49.7(s,CHCH3),50.8(s,CHCH3),56.8(s,PCHN),59.4(t,JC-P=17Hz,PCHN),125−150でのピークは帰属されなかった、166.8(s,CO),168.1(s,CO),168.2(s,2CO);31P NMR(d−THF):δ5.8(ブロード)。EMM C7872882Na[M+Na]+計算値:1333.485,実測値:1333.480.
【0075】
【化18】

【0076】
例13テトラカルボン酸中間体(RCN2222)を経由するビス(3,4−ジアザホスフィノ)エタン(RCN2224)の合成
ビスホスフィノエタン(0.21mL、2.25ミリモル、1当量)及び塩化スクシニル(0.76mL、6.7ミリモル、3当量)を、それぞれ、2,2’−(アジノジメチリジン)ビス−安息香酸(1.334g、4.5ミリモル、2当量)のTHF(35mL)溶液に添加し、これは褐色溶液及び殆ど即時の固体の沈殿になった。16時間攪拌した後、上澄み液を固体から濾別した。この固体を、THF(2×30mL)で洗浄し、そして真空下で乾燥して、ビス(安息香酸ジアザホスホラノ)エタン、RCN2222を、灰白色固体(2種のジアステレオ異性体の1:1混合物、1.28g、1.39ミリモル、62%収率)として得、これを、更に精製することなく直接使用した。RCN2222のサンプル(253mg、0.275ミリモル、1当量)及びPyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;647mg、1.24ミリモル、4.5当量)を、CH2Cl2(30mL)中に懸濁させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.23mL、1.32ミリモル、4.8当量)及び(S)−メチルベンジルアミン(0.2mL、1.55ミリモル、5.6当量)のそれぞれの添加の後、全ての反応成分の即時の溶解が起こった。16時間攪拌した後、この溶液をCH2Cl2(50mL)で希釈し、そして3M HCl(75mL)、飽和NaHCO3(75mL)及びH2O(75mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去した。この粗製生成物を、カラムクロマトグラフィー(4:1EtOAc:ヘキサン→12:3:2EtOAc:ヘキサン:MeOH)によって精製して、少量のRCN2224の1種のジアステレオ異性体を白色固体(23mg、1.7×10-2ミリモル、収率6%)並びにジアステレオ異性体の種々の混合物及びPyBOPオキシドからなる幾つかの画分を得た。RCN2224についての1H NMR(CDCl3):δ6.8−7.5(多重項,36H),δ6.3(s,2H,CH),δ6.2(s,2H,CH),δ5.1(七重項,4H,CH),δ3.0(多重項,2H),δ2.6(多重項,6H),δ1.5(d,6H,CH3),δ1.3(d,6H,CH3),δ0.9(ブロード,2H),δ0.7(ブロード,2H)。
【0077】
例14TPC−300及びTPC−356
以下に示す、これらの配位子を、文献の手順(Clark,T.P.;Landis,C.R.、J.Am.Chem.Soc.、2003年、第125巻、第11792頁)に従って合成した。
【0078】
【化19】

【0079】
2,2’−[(1S,3S)−2,3,5,10−テトラヒドロ−5,10−ジオキソ−2−フェニル−1H−[1,2,4]ジアザホスホロ[1,2−b]フタラジン−1,3−ジイル]ビス[N−[(1S)−1−フェニルエチル]ベンズアミド]
【0080】
【化20】

【0081】
2,2’−[(1R,3R)−2,3,5,10−テトラヒドロ−5,10−ジオキソ−2−フェニル−1H−[1,2,4]ジアザホスホロ[1,2−b]フタラジン−1,3−ジイル]ビス[N−[(1S)−1−フェニルエチル]ベンズアミド]
【0082】
例15不斉ヒドロホルミル化方法
ヒドロホルミル化溶液を、配位子及びRh(CO)2(acac)貯蔵溶液をトルエンに添加し、続いて溶媒及び次いでオレフィン溶液を添加することによって製造した。それぞれの反応器セル内の溶液の全体積は4.5mLであった。配位子溶液(THF中、二座配位子について0.03M及び単座配位子について0.06M)及びRh(CO)2(acac)(トルエン中0.05M)は、ドライボックス内で室温で製造した。シアン化アリル溶液は、15.32gのシアン化アリル、3.25gのデカン(GC内部標準物質として)及び6.31gのトルエン(1:0.1:0.3モル比)を混合することによって製造した。スチレン溶液は、14.22gのスチレン及び6.98gのドデカン(1:0.3モル比)を混合することによって製造した。酢酸ビニル溶液は、13.43gの酢酸ビニル及び7.97gのドデカン(1:0.3モル比)を混合することによって製造した。スチレン/シアン化アリル/酢酸ビニル/ドデカン溶液は、11.71gのスチレン、7.54gのシアン化アリル、9.68gの酢酸ビニル及び5.75gのドデカン(1:1:1:0.3モル比)を混合することによって製造した。
【0083】
ヒドロホルミル化反応は、不活性雰囲気グローブボックス内に収容したアルゴナウト・エンデバー(Argonaut Endeavor)(登録商標)反応器システム内で実施した。この反応器システムは、個別の温度及び圧力調節を有する、8個の平行な機械的攪拌式圧力反応器からなっている。触媒溶液を装入して、反応器を、所望の圧力の合成ガス(H2:CO1:1)で加圧し、次いで800rpmで攪拌しながら所望の温度まで加熱した。3時間後に、システムを排気し、そして冷却することによって、運転を停止した。反応器を開いて、それぞれの反応混合物の50μLを取り出し、そして1.6mLのトルエンで希釈し、そしてこの溶液をガスクロマトグラフィーによって分析した。スチレン及び酢酸ビニル生成物の分析のために、スペルコのベータ・デックス(Supelco's Beta Dex)225カラムを使用した。5分間100℃、次いで160℃まで4℃/分の温度プログラム;保持時間:酢酸ビニルについて2.40分間、酢酸1−メチル−2−オキソ−エチルエステル(分岐位置異性体)のエナンチオマーについて6.76分間(S)及び8.56分間、酢酸3−オキソ−プロピルエステル(線状位置異性体)について11.50分間、2−フェニル−プロピオンアルデヒド(分岐位置異性体)のエナンチオマーについて12.11分間(S)及び12.34分間(R)並びに3−フェニル−プロピオンアルデヒド(線状位置異性体)について16.08分間。シアン化アリル生成物分析のために、アステック・キラルデックス(Astec Chiraldex)A−TAカラムを使用した。7分間90℃、次いで180℃まで5℃/分の温度プログラム;保持時間:シアン化アリルについて5.55分間、3−メチル−4−オキソ−ブチロニトリル(分岐位置異性体)のエナンチオマーについて14.79分間(S)及び15.28分間(R)並びに5−オキソ−ペンタンニトリル(線状位置異性体)について19.46分間。ヒドロホルミル化反応の結果を、表I及び表IIに要約する。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
例16TPC−486−2のX線構造
配位子TPC−486−2の結晶(例6に従って製造した)を、グラファイト単色結晶、MoKα放射線源(λ=0.71073Å)、CCD(電荷結合素子)面積検出器を取り付けたブルッカー・スマート・プラットホーム(Bruker SMART PLATFORM)回折計で研究した。結晶を、冷窒素流中に、データ収集の間、浸漬させた(−100℃)。空間群は、消滅則に基づいてP21(#4)であると決定された。構造物をSHELXTL6.1(Sheldrick,G.M.(2000年)、SHELXTL6.1。結晶学ソフトウエアパッケージ。ブルッカーAXS社(Bruker AXS, Inc.)、米国ウィスコンシン州メディソン(Madison))で解析し、確認した。不斉単位は、結晶化の分子及び2個のTHF分子からなっている。後者の分子は、無秩序にされ、適切にモデル化できなかった。従って、結晶学ソフトウエアのPLATON(Spek,A.L.(1990年)、PLATON、Acta Cryst.、A46、C−34)パッケージの一部である、プログラムSQUEEZE(P.van der Sluis及びA.L.Spek(1990年)、SQUEEZE、Acta Cryst.、A46、194−201)を使用して、溶媒無秩序面積を計算し、そして全体強度データへのその寄与を除去する。この分子は、分離された2個の無秩序及び分離されなかった幾つかを有している。P1とC51との間のフェニル環(C2−C16)は、依存的にリファインされたそれらのサイト占拠因子(site occupation factor)を有する2個の部分にリファインされる。C61上の末端フェニル環は、また、C61上のメチル基と共に、無秩序にされ、そして2個の部分にリファインされた。これは、また、依存的にリファインされたそれらのサイト占拠因子を有する2個の部分にリファインされた。前の無秩序は、外側芳香族環C4−9内に最も観察される配位子のレスト(rest)内の面内運動を誘導すると思われる。同様の運動は、環C26−31内で観察される。無秩序は、全ての4個の末端フェニル環内でも観察されるが、C61上のもののみは、その分離を可能にするために十分に大きい。中央のフェニル環C45−50は、また、結合C45−50を貫通する軸の周りの回転運動のために、僅かに無秩序にされる。この運動は、平面熱楕円体(plane thermal ellipsoids)の外の大きさであると見ることができる。リファインの最終サイクルに於いて、I>2σ(I)での7896観察反射を、898パラメーターをリファインするために使用し、そして得られるR1、wR2及びS(適合の良好性)は、それぞれ、5.69%、11.63%及び0.803であった。空間基P21は、全ての反転又は反射結晶学的対称の不存在を示すキラルである。従って、唯一のエナンチオマーがデータ結晶中に存在し、これは、0.01(8)にリファインされるフラック(Flack)xパラメーターの値から推定される。ゼロの値は、構造の成功した確認のために、正しいエナンチオマーが使用されたことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】熱楕円体の40%確率を有するTPC−486−2配位子についての分子構造及びラベル付け図式を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンを、触媒として、式(1):
【化1】

(式中、(a)ブリッジは、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロシクリル並びに置換及び非置換のフェロセニル基からなる群から選択された結合基であり、(b)それぞれの存在において、Wは、独立に、置換及び非置換のアリール及びヘテロアリール、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル並びに置換及び非置換のアルキルからなる群から選択され、(c)それぞれの存在において、Tは、独立に、−C(O)OR3、−C(O)NR45、−C(O)N(R4)OR5、OR3、NR45、置換及び非置換のオキサゾール、置換及び非置換のオキサゾリン、置換及び非置換のオキサゾリジン並びに置換及び非置換のアルキルからなる群から選択され、(d)R1及びR2は、独立に、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル並びに置換及び非置換のアリールからなる群から選択され又はR1とR2とが一緒に結合して、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル又は置換若しくは非置換のシクロアルケニルを形成することができ、(e)R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、−H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のアラルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のヘテロシクリルアルキルからなる群から選択され又はR4とR5とが一緒に結合して、非芳香族ヘテロシクリルを形成することができ、そして(f)、それぞれの存在において、点線は、単炭素−炭素結合又は二重炭素−炭素結合がC(R1)とC(R2)との間に存在するように、任意の追加の結合を表す)
のビス(ジアザホスホラン)配位子又は逆エナンチオマーの遷移金属錯体の存在下に実施される、ヒドロホルミル化、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシル化及びヒドロエステル化からなる群から選択された不斉化反応に付す方法。
【請求項2】
遷移金属がロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、コバルト、白金、ニッケル、鉄及びオスミウムからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
遷移金属がロジウムである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
不斉化反応がヒドロホルミル化又はヒドロシアノ化である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
反応がオレフィンの不斉ヒドロホルミル化であり、そして錯体がロジウム錯体である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プロキラルオレフィンのエナンチオ選択的ヒドロホルミル化を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
エナンチオマー的に富化されたキラルオレフィンのジアステレオ選択的ヒドロホルミル化を含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
オレフィンがα−オレフィンである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
反応で製造された分岐アルデヒドが少なくとも60%のエナンチオマー過剰(ee)を有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
分岐アルデヒドが少なくとも80%のeeを有する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
分岐:線状アルデヒド生成物の比が少なくとも3:1である請求項8に記載の方法。
【請求項12】
分岐:線状アルデヒド生成物の比が少なくとも8:1である請求項9に記載の方法。
【請求項13】
α−オレフィンがスチレン、酢酸ビニル及びシアン化アリルからなる群から選択される請求項8に記載の方法。
【請求項14】
アルデヒド生成物を誘導化することを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項15】
誘導化反応が酸化、還元、アミノ化、オレフィン化、縮合、エステル化、アルキル化、アリール化又はアシル化反応を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
錯体を、予備形成しそして使用前に単離し、次いで反応容器内で反応を受ける基体と一緒にされる溶液中で予備形成するか又は反応の間にその場で発生させる請求項1に記載の方法。
【請求項17】
次に反応容器内で反応を受ける基体と一緒にされる溶液中で、錯体を予備形成する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
化合物(1)に於けるP−ブリッジ−Pが、式(2)〜(7):
【化2】

(各式は任意的に置換されていてよく、式(3)のnは0〜5の範囲内であり、式(6)のXはO又はN−アルキルである)
からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
P−ブリッジ−Pが式(2)のものである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
P−ブリッジ−Pが式(3)のものであり、そしてnが1である請求項18に記載の方法。
【請求項21】
化合物(1)の各W−T基が同一である請求項1に記載の方法。
【請求項22】
化合物(1)のWが置換又は非置換のアリール又はヘテロアリールである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Wの各Tがジアザホスホラン環に結合している位置に対してオルトである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
Wが1,2−フェニレンである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
化合物(1)のTが−C(O)NR45である請求項21に記載の方法。
【請求項26】
NR45がキラルアミンH−NR45から誘導される請求項21に記載の方法。
【請求項27】
4がHである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
キラルアミンが1−アリールエチルアミン又はα−アミノ酸のアルキルエステルである請求項26に記載の方法。
【請求項29】
キラルアミンが(R)−1−フェニルエチルアミン、(S)−1−フェニルエチルアミン、(R)−1−(1−ナフチルエチルアミン)、(S)−1−(1−ナフチルエチルアミン)、(S)−アラニンのメチル及びエチルエステル、(R)−アラニンのメチル及びエチルエステルからなる群から選択される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
化合物(1)の各ジアザホスホラン環が部分式(8):
【化3】

によって表される三環の中に取り込まれている請求項1に記載の方法。
【請求項31】
化合物(1)の各ジアザホスホラン環が部分式(9):
【化4】

によって表される二環の中に取り込まれている請求項1に記載の方法。
【請求項32】
化合物(1)が、式(10):
【化5】

又は逆エナンチオマーによって更に特別に表される請求項30又は31に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−511636(P2008−511636A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530187(P2007−530187)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/030519
【国際公開番号】WO2006/026489
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(590000020)ザ ダウ ケミカル カンパニー (24)
【氏名又は名称原語表記】THE DOW CHEMICAL COMPANY
【出願人】(506097988)ウィスコンシン アルムニ リサーチ ファンデイション (14)
【Fターム(参考)】