説明

不燃化粧板

【課題】 寸法変化、反り、変形の少ない有機樹脂系の不燃化粧板を得る。
【解決手段】 化粧紙に、重合性不飽和基を有するオリゴマーからなる樹脂液を含浸、乾燥した後、更にアミノ−ホルムアルデヒド樹脂からなる樹脂液を含浸、乾燥してなる樹脂含浸化粧紙と、無機繊維基材に、無機充填剤と熱硬化性樹脂からなるスラリーを含浸、乾燥したプリプレグとを積層し、熱圧成形する。前者の含有率は、数1で示される算出方法で3〜45%、後者の含有率が数2で示される算出方法で70〜130%とする。重合性不飽和基を有するオリゴマーとしては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリルウレタンオリゴマーなどを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不燃化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック製の化粧板として、メラミン樹脂化粧板が知られており、不燃性を必要とする店舗、事務所などには不燃化粧板が用いられている。
不燃化粧板には無機質系、金属系、有機樹脂系のものがあり、加工性、耐衝撃性に優れる有機樹脂系のものは一般に化粧層とコア層とからなり、化粧層には化粧板用の化粧紙に熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸し、乾燥させた樹脂含浸化粧紙を用い、コア層にはガラス繊維不織布、ガラス繊維職布などの無機繊維基材にバインダー成分としての樹脂と無機充填剤からなるスラリーを含浸し、乾燥させたプレプレグを所望に厚み分だけ積層し、樹脂含浸化粧紙とともに熱圧成形することで得られる。
【0003】
【特許文献1】特開平4−234644
【特許文献2】特開平9−52315
【特許文献3】特開平8−207201
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有機樹脂系の不燃化粧板は、化粧層が親水性であることから水分の吸、放出による寸法変化が大きく、温度、湿度の環境変化により反ったり変形したりすることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は透湿を少なくし、寸法安定性を大幅に向上させることを目的に検討されたもので、以下のことを特徴とする発明である。
すなわち、請求項1記載の発明は、内側に(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーを含み、外側に(B)アミノーホルムアルデヒド樹脂を含む樹脂含有化粧紙と、無機繊維基材に無機充填剤及び熱硬化性樹脂とからなるスラリーを含むプリプレグとを積層し、熱圧成形してなることを特徴とする不燃化粧板である。
また、請求項2記載の発明は、該(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーがビニルエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板である。
更に、請求項3記載の発明は、該(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーが不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板である。
更にまた、請求項4記載の発明は、該(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーがアクリルウレタンオリゴマーであることを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の不燃化粧板は、寸法変化率が小さいため、長期に渡って使用していても反ったり歪んだりすることがない。しかも表面外観が綺麗な仕上がりとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で用いる重合性不飽和基を有するオリゴマーとは不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリルウレタンオリゴマー、アクリルオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリルウレタンオリゴマーを使用することが望ましく、更に水に不溶な樹脂が望ましい。
【0008】
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステルに、重合性モノマー或いは有機溶剤、硬化剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、及び必要に応じて硬化促進剤、着色用の顔料などを加え粘稠溶液にした公知のものである。重合性モノマーとしては、例えばスチレン系モノマー、(メタ)アクリル系モノマーなどが挙げられる。
不飽和ポリエステルは、不飽和二塩基酸及び/又はその酸無水物と必要に応じて用いられるその他の飽和酸及び/又はその酸無水物とを含む酸成分と、多価アルコールとを窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で160〜230℃程度、好ましくは210〜230℃で常法に従い脱水縮合反応させればよい。
不飽和二塩基酸及びその酸無水物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられ、単独で用いても2種以上を併用しても良い。不飽和二塩基酸及びその酸無水物は、酸成分中50〜100mol%使用されることが好ましく、特に60〜100mol%使用されることが好ましい。
必要に応じて用いられるその他の飽和酸及び/又はその酸無水物としては、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸などの飽和二塩基酸などが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。飽和酸の配合量は、酸成分中0〜50mol%、好ましくは0〜40mol%の範囲とされる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、2,3―ブタンジオール、1,5―ペンタジオール、1,6―ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ペンタエリスリトールなどの四価アルコールなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0009】
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応して得られ、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0010】
一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどが挙げられ、不飽和一塩基酸と併用される多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,12−ドデカン二酸の他ダイマー酸などが挙げられる。ニ塩基酸無水物として無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられる。三塩基酸無水物として無水トリメリット酸を使用した変性品も使用可能である。
【0011】
アクリルウレタンオリゴマーは、有機イソシアネート化合物と水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルをウレタン結合でオリゴマー化したもので、ポリイソシアネ−ト化合物としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらの変性物が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)などが挙げられ、脂環式ポリイソシアネートとしてはジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)などが挙げられる。
また、芳香族ポリイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート(TDI)、4、4′(または2、4′)−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)などが挙げられ、芳香脂肪族ポリイソシアネートとしてはα、α、α´、α´−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
芳香脂肪族、脂肪族、脂環式もしくは芳香族ポリイソシアネート化合物の変性物としては、上述の例示した化合物のイソシアネート基の一部または全部がカーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ビューレット基、イソシアヌレート基などに変性された化合物が挙げられ、ポリイソシアネ−ト化合物は二種以上併用してもよい。
【0012】
ポリイソシアネート成分のイソシアネート基との反応を促進するために、有機錫系ウレタン化触媒が使用されるが、有機錫系ウレタン化触媒としては、ウレタン化反応に一般に使用されるものであればよく、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアルキルマレート、ステアリン酸錫、オクチル酸錫等が挙げられる。
これら有機錫系ウレタン化触媒の使用量は特に制限されるものではないが、0.005〜3重量%の範囲内で用いるのが適当である。下限に満たないとウレタン反応が十分に進行せず、上限を超えるとウレタン反応時の発熱により反応制御が困難となる。
【0013】
前記のポリイソシアネートに反応させる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で、または組み合わせて使用できる。
【0014】
重合性不飽和基を有するオリゴマーは、通常粘度調整の為、有機溶剤或いは不飽和モノマーで希釈され、例えば、アセトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマー類、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】
(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーの化粧板用に供される化粧紙への含有率は数1で示される算出方法で3〜45%とするのが好ましく、含有率が下限に満たないと仕上がり外観が劣りやすくなり、上限を超えると、後述のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂をはじくことから仕上がり外観があばた状になる。
【数1】


本発明ではこの重合性不飽和基を有するオリゴマーが疎水性であるため、化粧紙の内部まで浸透し親水性のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂の透湿を防いでいると推測される。
【0016】
次に、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としては通常のメラミン樹脂化粧板を得る際に用いるもので、アミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどとホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用でき、中でも耐久性に優れるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
(B)アミノ−ホルムアルデヒド樹脂の含有率は数2で示される算出方法で70〜130%とするのが好ましく、下限に満たないと、耐摩耗性、硬度、耐汚染性などの表面物性が劣りやすく外観も損なう。上限を超えても外観が劣りやすく、含浸紙がブロッキングしやすくなる。

【数2】

【0017】
内側に(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーを含ませ、外側に(B)アミノーホルムアルデヒド樹脂を含ませるには、化粧紙に(A)重合性不飽和基を有するオリゴマー含浸或いは塗布して、乾燥した後、(B)アミノーホルムアルデヒド樹脂を含浸或いは塗布、乾燥すればよい。
【0018】
プリプレグは、無機繊維基材に、無機充填剤とバインダーとしての熱硬化性樹脂からなるスラリーを含浸、乾燥したもので、無機繊維基材としては、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維などの無機繊維からなる不織布、織布などが挙げられ、無機繊維基材の坪量は、10〜200g/mの範囲が好適であり、とりわけ、耐熱性、耐炎性に優れ、スラリーの含浸性が優れるガラス繊維を用いるのが好ましい。
【0019】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、前述のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂、或いはこれらを併用したものが挙げられる。とりわけ併用することにより、不燃性、強度、耐熱性などの物性が優れたものとなる。併用する際は、フェノール樹脂とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂の配合割合は固形分比で、1:0.1〜5とするのが望ましく、フェノール樹脂に対してアミノ−ホルムアルデヒド樹脂が少ないと強度、密着性が劣りやすくなり、多いと反りが大きくなる。
【0020】
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1〜3モルの割合で塩基性触媒下或いは酸性触媒下にて反応させて得られるもので、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられ、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザール、トリオキザールなどが挙げられる。
【0021】
また、必要に応じてパラトルエンスルフォンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類などの可塑化を促す変性剤で変性されたものも適用でき、塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アンモニアが挙げられ、酸性触媒としては、パラトルエンスルフォン酸、塩酸などが挙げられる。
【0022】
スラリー中に含まれる無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられ、平均粒子径が0.5〜200μmの範囲のものが無機性繊維不織布への含浸が可能であり、中でも、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなど結晶水を含むものは高温時に分解し、吸熱、結合水を放出するため不燃性の効果の点で最適である。
【0023】
熱硬化性樹脂と無機充填剤との配合割合は5〜20:95〜80とするのが望ましく、熱硬化性樹脂に対して無機充填剤が多くなると不燃性能が向上するものの密着性が低下し、また、無機充填剤が少くなると密着性が向上するものの不燃性能が低下する。
スラリー中の熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂とアミノ−ホルムアルデヒド樹脂を併用する際の配合割合は固形分比で、1:0.1〜5とするのが望ましく、フェノール樹脂に対してアミノ−ホルムアルデヒド樹脂が少ないと強度、密着性が劣りやすくなり、多いと反りが大きくなる。
【0024】
無機繊維基材へのスラリー固形分含有率(%)は、数3で示される算出方法で、500〜3000%の範囲が好ましい。
【数3】


上限を超えると固形分の脱落が多くなり取り扱いにくく、また下限に満たないと層間剥離しやすくなる。
【0025】
プリプレグの少なくとも片面には樹脂含浸化粧紙が配される。他方の面は樹脂含浸化粧紙を配しても配さなくてもよいが、配した方がより寸法変化の小さいものとなる。また、他方の面には樹脂含浸化粧紙に代えて、アルミ箔、銅箔などの金属箔、プラスチックフィルムなどを配しても寸法変化は小さいものとなる。
【0026】
樹脂含浸化粧紙とプリプレグは積層された後、温度120〜150℃、圧力50〜100kg/cmで熱圧成形されると本発明の不燃化粧板が得られる。熱圧成形は平板プレス、連続プレスなどのプレス機を用いればよい。
【0027】
以下、実施例、比較例を挙げて詳細に説明する。
実施例1
(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーからなる樹脂液
ビニルエステル樹脂 100重量部
(商品名リポキシ RA4400、昭和高分子株式会社製)
アセトン 50重量部
(B)アミノ−ホルムアルデヒド樹脂からなる樹脂液
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂 100重量部
硬化剤 5重量部
白色の120g/mの化粧紙に(A)液を数1で示す算出方法で20%となるように含浸した。
次に、(B)液を数2で示す算出方法で120%となるように含浸し、樹脂含浸化粧紙を得た。
プリプレグ
50g/mのガラス繊維不織布に、フェノール樹脂5部に対して、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂4部、水酸化アルミニウムを91部配合したスラリーを、数3に示すスラリー含有率が1600%となるように含浸してプリプレグを得た。
不燃化粧板
下から順に、樹脂含浸化粧紙を1枚、プリプレグを4枚、樹脂含浸化粧紙を1枚積層して、フラット仕上げプレートを用いて130℃、70kg/cm、90分間の条件で熱圧成形して実施例1の不燃化粧板を得た。
【0028】
実施例2(重合性不飽和基を有するオリゴマーが不飽和ポリエステル樹脂の場合)
実施例1において、(A)液のビニルエステル樹脂に代えて不飽和ポリエステル樹脂(商品名 OT−100、大日本インキ)を用いた以外は同様に実施した。
【0029】
実施例3(重合性不飽和基を有するオリゴマーがアクリルウレタンオリゴマーの場合)
実施例1において、(A)液のビニルエステル樹脂に代えて下記のアクリルウレタンオリゴマーを用いた以外は同様に実施した。
ヘキサメチレンジイソシアネート3量体(商品名 コロネートHX、日本ポリウレタン)を100重量部と、2エチルヘキシルメタクリレートを50重量部、グリセリンを6重量部を酢酸エチルを700重量部に溶解し、触媒としてジブチルスズラウレートを0.06重量部を添加し、液温が70℃を越えないようウレタン反応を進めた。反応液は赤外吸収分析にて2266cm−1のイソシアネート基に基づく吸収帯が完全に消失したことを確認して反応完了とし、アクリルウレタンオリゴマーを得た。
【0030】
実施例4
実施例1において、(A)液の含有率を3%とした以外は同様に実施した。
【0031】
実施例5
実施例1において、(A)液の含有率を45%とした以外は同様に実施した。
【0032】
実施例6
実施例1において、(B)液の含有率を70%とした以外は同様に実施した。
【0033】
実施例7
実施例1において、(B)液の含有率を130%とした以外は同様に実施した。
【0034】
実施例8
実施例1において、(A)液の含有率を1%とした以外は同様に実施した。
【0035】
実施例9
実施例1において、(A)液の含有率を50%とした以外は同様に実施した。
【0036】
実施例10
実施例1において、(B)液の含有率を60%とした以外は同様に実施した。
【0037】
実施例11
実施例1において、(B)液の含有率を130%とした以外は同様に実施した。
【0038】
比較例1
実施例1において、A液の含有させなかった以外は同様に実施した。

【0039】
評価結果を表1に示す。
【表1】

【0040】
評価結果は以下の通りとした。
寸法変化率:JIS K6902に規定される熱硬化性樹脂化粧板試験方法に準じて試験を行った。評価は縦方向と横方向の平均値が0.200%未満は○、0.200%以上は×とした。
外観:JIS K6902に準拠する環境で評価を行い、表面荒れ、くもり、艶ムラなどが存在する場合を×、表面地合の悪さが若干目立つ場合は△、良好な場合を○とした。
不燃性: 不燃性:ISO5660準拠したコーンカロリーメーターによる20分試験の発熱性試験・評価方法において総発熱量が8MJ/m以下であり、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない場合を○とした。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーを含み、外側に(B)アミノーホルムアルデヒド樹脂を含む樹脂含有化粧紙と、無機繊維基材に無機充填剤及び熱硬化性樹脂とからなるスラリーを含むプリプレグとを積層し、熱圧成形してなることを特徴とする不燃化粧板。
【請求項2】
該(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーがビニルエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板。
【請求項3】
該(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーが不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板。
【請求項4】
該(A)重合性不飽和基を有するオリゴマーがアクリルウレタンオリゴマーであることを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板。

【公開番号】特開2006−95743(P2006−95743A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282002(P2004−282002)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】