説明

不織布の自己巻付き型熱スリーブ

細長い部材を引き回して保護するための自己巻付き型不織布スリーブは、スリーブの長手方向軸に沿って延在する対向する側面を有する外面を有する細長い不織布壁を含む。側面は、外部から加えられた力がない場合に管状の空洞を提供するよう、長手方向軸の周りに自ら巻付いている。側面は、細長い部材の挿入のために空洞を露出させるよう、外部から加えられた力を受けて互いから遠ざかるように延びることができ、側面は、外部から加えられた力が除去されるとそれらの自己巻付き型構成に戻る。また、空洞内の細長い部材に強化された熱保護を提供するために、外側反射層が自己巻付き型壁の外面に取付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術との相互参照
本願は、2008年6月12日に出願された米国仮出願連続番号第61/060,894号の利益を主張する。当該仮出願はその全体がここに引用により援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
1.技術分野
この発明は一般に、細長い部材を保護するためのスリーブに関し、より特定的には、不織布の自己巻付き型熱スリーブに関する。
2.関連技術
自動車、航空機、または宇宙船といった車両のスリーブに担持されるワイヤおよびワイヤハーネスが、使用中、比較的高温を受ける領域を通って引き回され得ることは、公知である。そのため、ワイヤに対する熱損傷の可能性を減少させるために、ワイヤおよびワイヤハーネスに耐高温性のホイルテープを螺旋状に巻くことが慣例となっている。残念ながら、テープを貼ることは労力を要し、ひいては高くつく。加えて、テープの外観は、特にテープが摩耗するにつれて時間とともに見苦しくなる場合があり、それは次に、ワイヤの部分的露出をもたらす場合がある。また、稼動中、テープにより、巻かれたワイヤに容易にアクセスすることが難しくなる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
テープを貼ること以外にも、ワイヤに対する熱損傷の可能性を減少させるために、織られた、編込まれた、または編まれた布のスリーブの形をしたスリーブをワイヤの周りに設けることが公知である。これらのスリーブは典型的には、選ばれた単繊維および多繊維の糸といった耐熱材料から製造される。これらのスリーブは、ワイヤの周りに巻付けられて締付けられるか、または自己巻付き型スリーブ構成として施される。また、不織布層と外側反射層とを有する不織布スリーブを設けることが公知であり、スリーブは自己巻付き可能ではなく、二次締結装置を用いてワイヤの周りに巻付けられて締付けられるか、または管状の巻付き不能なスリーブとして供給される。巻付けられて締付けられる場合には、締結具用に、および締結具をスリーブに取付ける際に、追加のコストが発生する。管状で巻付き不能である場合には、設置の問題が生じ得る。また、スリーブをワイヤの周りに固定するために、追加の労力および/またはプロセスが通常関与する。そのため、これらのスリーブは一般に、使用中にワイヤを熱への露出から保護する上で有益であることが証明されているものの、それらは、織られ、編まれ、または編込まれているならば、製造が比較的高くつく場合があり、また、締結具をスリーブに取付け、スリーブをワイヤの周りに固定するために追加のコストが発生する。
【0004】
この発明に従って製造された不織布の自己巻付き型熱スリーブは、上述の技術のどの制限も克服し、または大いに最小限に抑える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
この発明の一局面は、細長い部材を引き回して外部の熱への露出から保護するための自己巻付き型不織布スリーブを提供する。スリーブは、細長い部材を受ける略管状の空洞を規定するよう、長手方向軸の周りに自ら巻付いている対向する側面を有する細長い不織布基材を有する。不織布基材の外面上に、最も外側の反射層が施される。基材の対向する側面は、細長い部材が空洞内に半径方向に配置されることを可能にするよう、外部から加えられた力を受けて互いから遠ざかるように延びることができる。細長い部材を空洞内に配置すると、外部の力は解除され、それにより、壁の対向する側面はそれらの自己巻付き型管状構成に戻るようになる。最も外側の反射層は、空洞の周りを円周方向に沿ってワイヤを実質的に取り囲むよう、基材によって付勢される。
【0006】
この発明の一局面によれば、スリーブの基材を形成する不織布材料は、標準的な熱可塑性ファイバと混合された低融点または2成分ファイバを有する。2成分または低融点ファイバは、熱処理を受けると、熱硬化構成を呈するようになり、それにより基材を自らカールする記憶位置へと付勢する。標準的な熱可塑性ファイバは、所望の密度および厚さを基板に要望通り与えるよう一部作用し、それにより追加の熱保護および剛性をスリーブに提供する。したがって、基材は、熱障壁として作用する、好適な厚さおよび密度の機械的に絡み合う不織布の標準的な熱可塑性ファイバおよび低融点または2成分ファイバを有しつつ、熱付勢され自らカールして管状形状となるよう、構成される。
【0007】
この発明の別の局面によれば、所望の剛性、熱硬化カールの弾性戻り付勢、手触りまたは軟らかさ、熱抵抗、ならびに基材密度および厚さをスリーブに提供するために、不織布基材の不織布の標準的な熱可塑性ファイバおよび低融点または2成分ファイバのタイプ、量、サイズおよび比率を選択することができる。
【0008】
この発明の別の局面によれば、最も外側の反射層は、基材の外面への接着用の接着剤を有する金属化フィルムまたは金属ホイル層として提供可能である。
【0009】
この発明の別の局面によれば、最も外側の反射層は、基材を円周方向に封入するために、基材の周りに円周方向に完全に延在するよう提供可能であり、それにより、封入されたワイヤに完全な円周方向の熱保護を提供しつつ、使用中、スリーブを閉鎖構成に保つ。
【0010】
この発明のさらに別の局面によれば、スリーブは、連続する反射ホイル層で基材を円周方向に封入するために、スリーブの長さに沿って延在する継目上に貼られるホイルテープを有することが可能であり、封入されたワイヤに完全な円周方向の熱保護を提供し、また、使用中、スリーブを円周方向に閉鎖された構成に保つ。
【0011】
この発明のこれらのおよび他の局面、特徴、ならびに利点は、以下の現在好ましい実施例および最良の態様の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付図面を考慮すると、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】細長い部材を内部に担持して保護する、この発明の一局面に従って構成された不織布の自己巻付き型熱スリーブの斜視図である。
【図2】図1のスリーブの拡大された端面図である。
【図3】この発明の別の局面に従って構成されたスリーブの拡大された端面図である。
【図4】この発明の別の局面に従って構成されたスリーブの拡大された端面図である。
【図5】この発明の別の局面に従って構成されたスリーブの拡大された端面図である。
【図6】この発明のさらに別の局面に従って構成されたスリーブの拡大された端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在好ましい実施例の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、図1は、この発明の一局面に従って構成された、以下にスリーブ10と呼ばれる不織布の自己巻付き型熱スリーブを示す。スリーブ10は、工学的に作り出された不織布材料から構成された、以下に壁12と呼ばれる内側の不織布基材層と、壁12の外面15(図2)上に施された最も外側の反射層14とを有する。壁12は自己巻付き型管状構成へと熱硬化され、その弛緩した自己巻付き型構成において、封入された管状内部空洞16を提供する。空洞16は、スリーブ10の長手方向軸18に沿って容易にアクセス可能であり、そのため、たとえばワイヤ19またはワイヤハーネスといった細長い部材を稼動中などに容易に空洞16内に半径方向に配置し、逆に空洞16から取外すことができる。壁12は、長さ、直径および壁厚を含む、任意の好適なサイズを有して構成可能であり、また、不織布の壁12を形成するために使用された成分の比率に依存して、所望の密度を有して提供可能である。反射層14は、フィルム/ホイル積層物として、たとえば1/3ミルのホイル−積層接着剤−1/2ミルの金属化PETフィルムとして提供可能である。そのため、ホイルは反射性を提供し、PETフィルムは使用中の耐久性を提供する。その他の場合、たとえば単一の金属ホイル層を含む、他の反射性材料が使用可能である。反射層14は、たとえば図2に概して17で表わされる、熱シールまたは中間感圧性接着剤を含む任意の好適な接着剤でといった任意の好適な態様で、壁12に取付可能である。反射層14はワイヤ19に強化された熱保護を提供し、また、使用中、スリーブ10を、ワイヤ19の周りでのその巻付けられた管状構成に保つことを容易にすることができる。
【0014】
スリーブ10は、任意の所望の長さおよびさまざまな仕上がり壁厚(t)を有して構成可能である。壁12を形成する不織布材料は、好ましくは、概して23で表わされる標準的な熱可塑性ファイバと混合された、概して21で表わされる低融点(単一の均質の材料)または2成分ファイバを有する。しかしながら、壁12を形成する不織布材料が低融点または2成分ファイバ21のみで構成され得ることが考えられる。低融点(標準的な熱可塑性ファイバ23よりも低い温度で溶融する)または2成分ファイバ21は、熱硬化プロセスで熱処理されると、熱硬化構成を呈するようになり、それにより壁12を自らカールする管状の記憶形状へと付勢する。2成分ファイバ21は、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)といった標準的な熱可塑性材料のコアと、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン、または低融点ポリエステルの外側シースとを有して提供可能である。標準的な熱可塑性ファイバ23は、たとえばPETといった任意の熱可塑性ファイバとして提供可能であり、所望の密度および厚さ(t)を要望通り壁12に提供するよう一部作用し、それにより追加の熱保護および剛性をスリーブ10に提供し、一方、熱硬化可能ファイバ21と比べて比較的安価である。したがって、基材12は、用途に依存して、好ましくは標準的な熱可塑性ファイバ23と組合された、好適な厚さおよび密度の低融点または2成分ファイバ21を有しつつ、少なくとも最初におよび使用前に、自らカールするよう付勢されて管状形状となるよう、構成されている。不織布材料の構成は、ファイバを機械的に絡み合せること(たとえば、ニードルパンチング)、ファイバを化学的に結合すること(たとえば、ファイバを糊で接着すること)、またはファイバを熱で結合すること(たとえば、加熱および冷却を介してファイバを少なくとも部分的に溶融すること)のうちのいずれかの機構を利用して、処理可能である。
【0015】
所望の剛性、熱硬化カールの弾性戻り付勢、手触り(軟らかさ)、熱抵抗、ならびに基材密度および全体厚さ(t)をスリーブ10に提供するために、不織布基材12の低融点または2成分ファイバ21および不織布の標準的な熱可塑性ファイバ23のタイプ、量、サイズおよび比率を変更し、ひいては選択することができる。そのため、用途に依存して、スリーブ10は、比較的小さい外径を有しつつ、好適な内径の内面25を依然として提供するよう構成可能であり、予め定められた横方向断面積のワイヤを含むのに十分な体積を空洞16に提供する。スリーブが極度の熱および/または破片にさらされる、より厳しい用途の場合、壁12の厚さ(t)を増加させることができる。加えて、壁厚(t)の増加は典型的には、より一層の剛性をスリーブ10に提供する。このため、増加した数および直径のワイヤを含むのに十分な剛性および強度をスリーブ10に依然として提供しつつ、より大きな空洞16を構成することが可能である。
【0016】
壁12は、軸18に沿って延在し、かつ軸18に略平行な、対向する端24、26で終わる対向する側面20、22を有する。壁12が、外部から加わる力がほぼないその自己巻付き型管状構成にある場合、側面20、22は、空洞16を完全に封入するよう、少なくとも若干、互いに重複し、それにより、空洞16に含まれるワイヤ19に強化された保護を提供することが可能である。側面20、22は、空洞16を少なくとも部分的に開放して露出させるよう、外部から加えられた力を受けて互いから遠ざかるように容易に延びることができる。したがって、ワイヤ19は、組立中に空洞16内に容易に配置され、または、稼動中に空洞16から取外されることが可能である。外部から加えられた力を解除すると、側面20、22は自動的にそれらの本来の重複した自己巻付き位置に戻る。
【0017】
図2に示すように、反射層14は、壁12と同じ幅を有して提供可能であり、側面20、22を越えて延びることなく、壁12の幅全体を実質的にカバーするよう、壁12と整列して取付可能である。したがって、壁12の外周は、反射層14によってカバーされ、または実質的にカバーされ得る。また、反射層14は、壁12と同じ長さを有して提供可能であり、このため、壁12の外面15全体をカバーし、または実質的にカバーすることが可能であり、それにより、壁外面15の外部環境への露出区域を残さないかまたは実質的に残さない。
【0018】
図2に最良に示すように、スリーブ12によって提供される熱保護をさらに強化するために、たとえばホイルテープ28の反射層といった補助閉鎖部材または機構を、壁12の対向する側面20、22間で軸18に沿って延在し、かつ軸18に略平行な継目29を横断するよう、接着することができる。ホイルテープ28は、下に位置する壁12とワイヤ19とが、反射層14および反射テープ28によって提供される反射面によって円周方向に完全に封入され、密封されることを確実にする。加えて、ホイルテープ28は、壁12の対向する側面20、22に隣接して接着されることにより、使用中、スリーブ10をその円周方向に閉鎖された構成に保つよう作用し、このため、対向する側面20、22が意図せずに互いから遠ざかるよう円周方向に開いてしまうことを防止する。そのため、壁12のファイバ21がそれらの自らカールする付勢をゆるめるようになるのに十分大きな熱を有する用途でも、ホイルテープ28は壁12をその管状の閉鎖構成に保つ。
【0019】
図3には、この発明の別の局面に従って構成されたスリーブが概して110で示されており、ここで、上で使用された同じ参照番号を100だけずらしたものが、上述と同様の形状構成を示している。スリーブ110は、対向する側面120、122を有する壁112を有しており、側面120、122は、スリーブ10と同様に互いに重複する代わりに、細長い部材の周りに巻付けられると突合せ型の継目または接合部を形成するように互いに実質的に当接するよう構成されている。外側の反射層114は壁112と同じ幅を有して設けられており、壁12の側面120、122と整列し、かつ略同一平面に取付けられて、側面120、122間に延在する壁112の幅全体を完全にカバーし、または実質的にカバーしている。そのため、上述のスリーブ10と同様に、壁112の外面115全体は、反射層114によってカバーされ、または実質的にカバーされている。
【0020】
スリーブ110はまた、突合せ型の接合部で形成された軸方向に延在する継目119上に接着された反射ホイルテープ128を有する。テープ128は、下に位置する壁112と空洞116内の細長い部材またはワイヤとが、反射層114および反射テープ128によって提供される反射面によって円周方向に完全に封入されることを確実にする。したがって、空洞116は、汚染の起こり得る侵入から密閉され、また、外部の熱放射から完全に遮蔽されている。また、スリーブ10と同様に、反射テープ128も、壁112がその最初の熱硬化付勢をゆるめた場合でも、使用中、スリーブ110をその円周方向に閉鎖された構成に保つ。
【0021】
図4には、この発明の別の局面に従って構成されたスリーブが概して210で示されており、ここで、上で使用された同じ参照番号を200だけずらしたものが、上述と同様の形状構成を示している。スリーブ210は、対向する側面220、222を有する壁212を有しており、側面220、222は、壁112について上述したのと同様に、細長い部材またはワイヤの周りに巻付けられると、互いに実質的に当接するよう構成されている。外側の反射層214は、壁212の側面220、220間に延在する幅よりも大きい幅を有して設けられる。反射層214の一方の側面30は、壁212の一方の側面220と実質的に整列し、それと実質的に同一平面となるようにて取付けられており、一方、反射層214の対向する側面32は、壁212の他方の側面222を越えて円周方向に延在している。したがって、側面220、222間に延在する壁212の幅全体を完全にカバーし、かつ壁212の軸方向に延在する継目229を封鎖するように、側面222を越えて円周方向に延在する反射層214の部分を、反射層の外面34に取付け、または接着することができる。所望すれば、たとえば組立中に結合のために接着面を露出させることが望ましくなるまで、側面222を越えて延在する反射層214の感圧型接着部分をカバーするために、一片の剥離紙を設けることが可能である。もちろん、たとえばフックおよびループの締結具といった、任意の好適な接着または取付機構も、この発明の範囲内にあると考えられる。
【0022】
図5には、この発明の別の局面に従って構成されたスリーブが概して310で示されており、ここで、上で使用された同じ参照番号を300だけずらしたものが、上述と同様の形状構成を示している。スリーブ310は、対向する側面320、322を有する壁312を有しており、側面320、322は、壁112について上述したのと同様に、細長い部材またはワイヤの周りに巻付けられると、互いに実質的に当接するよう構成されている。外側の反射層314は、壁312と実質的に同じ幅を有して設けられているが、図3のスリーブ110とは異なり、反射層314の幅は、壁312の幅に対して整列されずに(ずらして)取付けられている。そのため、反射層314の一方の側面330は、壁の側面320に整列されておらず(ずらされており)、反射層の側面330は壁312の側面320を取り囲むように内側を向いて接着されるようになっており、それにより、壁312の露出した外面を残している。一方、反射層314の別の側面332は、壁312の他方の側面322を越えて、それとずれた関係で円周方向に延在している。したがって、反射層314の対向する側面330、332が互いに当接し、または実質的に当接して、壁312の幅全体を完全にまたは実質的にカバーするように、側面322を越えて延在する反射層314の部分を、組立中、壁312の露出した外面に接着することができる。また、完全に組立てられると、反射層314は壁312をその円周方向に閉鎖された構成に保つ。所望すれば、外側の反射層314の幅が、壁312の幅より若干大きくてもよく、それにより、組立の際、外側の反射層314のそれ自体への若干の重複が提供される、ということが認識されるべきである。
【0023】
図6には、この発明の別の局面に従って構成されたスリーブが概して410で示されており、ここで、上で使用された同じ参照番号を400だけずらしたものが、上述と同様の形状構成を示している。スリーブ410は、対向する側面420、422を有する壁412を有しており、側面420、422は、細長い部材またはワイヤの周りに「たばこ」型の態様で巻付けられると、互いに実質的に重複するよう構成されている。外側の反射層414は、壁412の側面420、422間に延在する幅よりも大きい幅を有して設けられる。反射層414の一方の側面430は、壁412の一方の側面420と整列し、または実質的に整列して、それと同一平面となるよう、または実質的に同一平面となるように取付けられており、一方、反射層414の対向する側面432は、フラップ部分を提供するよう、壁412の他方の側面422を越えて円周方向に延在している。したがって、側面420、422間に延在する壁412の円周方向の幅全体を完全にカバーするように、側面422を越えて延在する反射層414のフラップ部分を、たとえば反射層414の外面434に接着させることなどによって取付けることができる。所望すれば、組立中に結合のために接着面を露出させることが望ましくなるまで、側面422を越えて延在する反射層414の接着部分をカバーするために、一片の剥離紙を設けることが可能である。
【0024】
同じ機能を達成するこの発明の他の実施例が、最終的に許可される特許請求の範囲内でここに援用される、ということが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い部材を引き回して保護するための自己巻付き型不織布スリーブであって、
前記スリーブの長手方向軸に沿って延在する対向する側面を有する外面を有する細長い不織布壁を含み、前記側面は、外部から加えられた力がない場合に、管状の空洞を提供するよう、前記長手方向軸の周りに自ら巻付いており、前記側面は、細長い部材の挿入のために前記空洞を露出させるよう、外部から加えられた力を受けて互いから遠ざかるように延びることができ、前記側面は、外部から加えられた力が除去されるとそれらの自己巻付き型構成に戻り、前記自己巻付き型不織布スリーブはさらに、
前記壁の前記外面に取付けられた外側反射層を含む、自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項2】
前記外側反射層は、前記壁の外周の周りに完全に延在している、請求項1に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項3】
前記不織布壁は、前記対向する側面間に延在する巻付いていない幅を有し、前記外側反射層は、前記不織布壁の前記幅と実質的に同じ幅を有する、請求項1に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項4】
前記反射層は前記スリーブの長手方向軸に沿って延在する対向する側面を有しており、前記反射層の前記対向する側面は、前記壁の前記対向する側面に関して円周方向にずれている、請求項3に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項5】
前記壁の前記対向する側面は、外部から加えられた力がない場合に互いに実質的に当接する、請求項4に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項6】
前記反射層の前記対向する側面は、前記壁の前記対向する側面と実質的に整列されている、請求項3に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項7】
前記壁の前記対向する側面は、外部から加えられた力がない場合に、前記対向する側面間に延在する継目を提供するよう、互いに重複している、請求項6に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項8】
前記反射層に取付けられ、前記継目の上に位置する閉鎖部材をさらに含む、請求項7に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項9】
前記閉鎖部材は反射テープである、請求項8に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項10】
前記壁の前記対向する側面は、外部から加えられた力がない場合に、前記対向する側面間に延在する継目を提供するよう、互いに実質的に当接する、請求項6に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項11】
前記反射層に取付けられ、前記継目の上に位置する閉鎖部材をさらに含む、請求項10に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項12】
前記閉鎖部材は反射テープである、請求項11に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項13】
前記不織布壁は、前記対向する側面間に延在する巻付いていない幅を有し、前記外側反射層は、前記不織布壁の前記幅よりも大きい幅を有する、請求項1に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項14】
前記反射層は前記スリーブの長手方向軸に沿って延在する対向する側面を有しており、前記反射層の前記対向する側面のうちの一方は、前記壁の前記対向する側面のうちの一方に隣接して取付けられている、請求項13に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項15】
前記壁の前記対向する側面は、外部から加えられた力がない場合に、前記対向する側面間に延在する継目を提供するよう、互いに実質的に当接する、請求項14に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項16】
前記反射層の対向する側面は互いに重複している、請求項14に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項17】
前記反射層の前記対向する側面のうち、半径方向に最も外側の側面が、前記反射層の外面に取付けられている、請求項16に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項18】
前記反射層の前記対向する側面のうち、前記半径方向に最も外側の側面が、感圧性接着剤によって前記反射層の前記外面に取付けられている、請求項17に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。
【請求項19】
前記細長い不織布壁は第1のポリマー材料と第2のポリマー材料とで構成されており、前記第1のポリマー材料は前記第2のポリマー材料とは異なる溶融温度を有する、請求項1に記載の自己巻付き型不織布スリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−524824(P2011−524824A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513677(P2011−513677)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/046984
【国際公開番号】WO2009/152293
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(503170721)フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド (32)
【氏名又は名称原語表記】Federal−Mogul Powertrain, Inc.
【住所又は居所原語表記】26555 Northwestern Highway, Southfield, Michigan 48034, U.S.A.
【Fターム(参考)】