説明

不織布構造およびその製造方法

【課題】様々な製品に使用するための視覚パターンと高い耐磨耗性の極めて望ましい固有の組合せを示す不織布材料を提供すること。
【解決手段】繊維状透水性固定層およびこの固定層に交絡させられた繊維を有する繊維層を含み、パターンが形成された構造およびパターンが形成されていない構造を有する積層不織布構造が提供される。この構造を含むパーソナルケア製品およびこの構造を製造する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は全般的に、積層複合材料に関する。詳細には、本発明は、有利な積層強度と、ドレープ性、バルキー性(loftiness)、耐摩耗性、液体吸収性、柔軟性、および/または視覚的魅力などの1または複数の別の有利な特性と、を示す積層複合材料に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
不織布材料は、例えば、拭取り製品(wipe)や、ナプキン、ライナー、およびタンポンなどの女性用衛生製品を含め、様々な市販のパーソナルケア製品に広く用いられている。これら用途の多くでは、不織布材料は、使用中にその完全性を維持するように十分な強度を有するのが望ましい。例えば、特定の使用では、不織布の様々な材料層間で起こりうる層間剥離を低減するのが望ましい場合が多い。
【0003】
出願人は、このような材料は、比較的高い強度/完全性と共に他の有利な特性を有することが望ましいことも認識している。例えば、使用者に快適性を付与するために耐摩耗性および/または「ドレープ性」を備えたこのような材料を有することが望ましいであろう。本明細書で用いる語「ドレープ性」は、材料の一端を片持ち梁のように保持した時に重力によって実質的に垂直に垂れ下がる材料の性質を指す。高いドレープ性を示す材料は、例えば、使用者の皮膚などの当接面の形状に形状を合わせる性質があるため、ドレープ性の高い材料からなる製品の使用者の快適さを向上させる傾向がある。出願人は、特定の用途では、バルキー性(すなわち、低密度)および/またはパターンを備えた比較的強い不織布が望ましいことも認識している。
【0004】
したがって、出願人は、様々な物品に使用するために、高いドレープ性および低い密度の一方または両方と、高い積層強度/高い完全性との極めて望ましい固有の組合せを示す不織布材料の要望を認識している。加えて、出願人は、限定するものではないが、不織布の水流交絡法および新規のパターニング法によってこのような材料を製造する方法を含め、このような材料の固有の製造方法の要望を認識している。
【0005】
〔発明の概要〕
出願人は、高いドレープ性および/または低い密度の特性と組み合わせた比較的高い積層強度の、固有かつ所望の組合せを有する繊維状複合構造を製造することによって上記の要望に応える。
【0006】
一態様によると、本発明は、積層複合材料に向けられている。この積層複合材料は、繊維状流体透過性固定層、およびこの固定層に交絡させられた繊維を含む繊維層を含み、この複合材料は、約20gを超える積層強度および約4gsm/gを超えるドレープ性を有する。
【0007】
別の態様によると、本発明は、積層複合材料に向けられている。この積層複合材料は、繊維状流体透過性固定層、およびこの固定層に交絡させられた繊維を含む繊維層を含み、この複合材料は、約20gを超える積層強度および約0.15g/cc未満の密度を有する。
【0008】
本発明の複合材料は、様々なパーソナルケア物品に大きな利点を付与するために用いることができる。したがって、別の実施形態では、本発明は、本発明の複合材料を含むパーソナルケア物品に向けられている。
【0009】
本発明の実施形態の例を、添付の図面を参照して説明する。
【0010】
〔好適な実施形態の説明〕
特定の実施形態によると、本発明は、繊維状流体透過性固定層、およびこの固定層に交絡させられた繊維を有する繊維層を含む積層複合材料に向けられている。この積層複合材料は、従来の不織布構造よりも比較的高いドレープ性および/または低密度(高いバルキー性すなわち「バルク」)の1または複数の特性と共同する比較的高い積層強度といった固有の組合せを示す。このような固有の材料は、特定の実施形態では、有利なことに、耐摩耗性、耐久性、柔軟性、快適性、および/または吸収性も有する。特定の実施形態では、このような材料は、さらに、様々な製品における、流体の吸収性または分離性、洗浄性、および剥離性を含む様々な他の利点を提供するのに有用である。
【0011】
具体的には、出願人は、詳細を後述する「積層強度試験(Lamination Strength Test)」に従って、本発明の特定の実施形態による複合材料の積層強度を測定した。当業者には理解できるように、得られた高い積層強度値は、複合材料の固定層とこの固定層に交絡させられた繊維を有する繊維層が、加えられる力で互いに分離されるのに耐える能力が比較的大きいことを示し、低い積層強度値は、これらの2つの層が、加えられる力で分離されるのに耐える能力が比較的低いことを示す。加えて、出願人は、比較的高い積層強度が、消費者が望む積層複合材料の「耐久性」に相関する傾向にあることを認識している。特定の実施形態によると、本複合材料は、約20g以上、好ましくは約50g以上、より好ましくは約100g以上の積層強度値を示す。
【0012】
出願人はまた、当業者が理解している、詳細を後述する「ドレープ性試験」によって本構造のドレープ性を測定した。出願人は、特定の実施形態では、本構造が、上記した望ましい高い積層強度を示すだけではなく、この高い積層強度と合わせて比較的高いドレープ性も示すことが分かった。具体的には、特定の実施形態によると、本構造は、約4坪量/g(gsm/g)(grams per square meter per gram)以上、好ましくは約6坪量/g(gsm/g)、より好ましくは約8坪量/g(gsm/g)〜16坪量/g(gsm/g)であるドレープ性(坪量/MCB)を示す。
【0013】
出願人はまた、当業者が理解している、詳細を後述する「密度試験」に従って、本発明の特定の好適な実施形態の複合材料の密度を測定した。出願人は、特定の実施形態では、本構造は、上記した望ましい高い積層強度を示すだけではなく、この高い積層強度と合わせて比較的低い密度も示すことが分かった。特定の実施形態によると、本構造は、約0.15g/cc以下、より好ましくは約0.12g/cc以下、さらに好ましくは約0.12g/cc〜約0.03g/ccである密度を示す。
【0014】
特定の実施形態によると、出願人は、比較的高い積層強度と、比較的高いドレープ性および/または比較的低い密度との組合せに加えて、本発明の複合構造は、比較的高い吸収性、比較的高い引っ張り強さ、所望の厚み、およびこれらの2つ以上の組合せから選択される1または複数の特性もさらに含む。例えば、本発明の特定の実施形態では、積層複合材料は、約3g/gを超える、好ましくは約4g/gを超える、より好ましくは約5g/gを超える吸収性を有する。特定の実施形態では、複合材料は、約10N/5cm以上、好ましくは約15N/5cm以上、より好ましくは約20N/5cm以上の機械方向の引っ張り強さ(当業者が理解している、詳細を後述する「引っ張り強さ試験」によって測定)を有する。本発明の複合材料の厚みは、様々な物品に使用するために最適にすることができ、特定の物品にとって任意の適切な厚み/所望の厚みを用いることができる。特定の好適な実施形態では、本発明の複合材料は、約10mm未満、好ましくは約5mm未満、より好ましくは約2mm未満、さらに好ましくは約0.3mm〜約2mmの厚みを有する。
【0015】
図1は、ここに記載にする本発明の実施形態に一致する積層複合材料100の実施形態を示す断面図である。積層複合材料100は、繊維状流体透過性固定層110、およびこの固定層110に少なくとも一部が交絡させられた繊維120を有する繊維層122を含む。
【0016】
流体透過性固定層110は、流体が透過可能な任意の適当な繊維材料を含むことができる。流体透過性とは、水(および類似物)などの液体または気体が、流体透過性固定層110の断面を通過できる、すなわち、流体透過性固定層110の外面112から流体透過性固定層110を通って流体透過性固定層110の内面114からでることを意味する。特定の好適な実施形態では、流体が流体透過性固定層110を介して移動しやすくするために、流体透過性固定層110は、互いにつながった細孔116のネットワークを含む。特定の好適な実施形態では、この固定層は、約25%以上の孔面積率を有する。好ましくは、流体透過性固定層110は、通常は、この内部を水や気体などの高圧流体が通過することによって生じうる分解および機械的劣化に耐える。
【0017】
特定の実施形態では、流体透過性固定層110は、比較的薄く、例えば、約2000μm未満、より好ましくは約3μm〜約2000μmの厚みを有する。流体透過性固定層110は、任意の適当な坪量とすることができる。特定の好適な実施形態では、この固定層は、約5gsm〜約20gsm、より好ましくは約5gsm〜約15gsmの坪量を有する。さらに、流体透過性固定層110は、少なくとも約5N/5cmの引っ張り強さを有するように機械的に一体化されているのが好ましい。加えて、流体透過性固定層は好ましくは、この固定層に組み込まれる材料のドレープ性に有利であると出願人が認識している比較的柔軟性(すなわち、硬くない)を有するように選択するのが望ましい。
【0018】
好適な実施形態では、流体透過性固定層110は、スルーエアボンド材料(through-air bonded material)などのスパンボンド(spun-bond)材料またはサーモボンド(thermobonded)材料などを含め、結合された繊維材料などのポリマー材料を含む、またはポリマー材料から実質的になる。「スルーエアボンド」は、カーディングなどの様々な手段によって配向され、加熱された気流の中に通されて互いに結合された繊維を意味する。「スパンボンド」は、押し出される繊維の直径を有するスピナレット(spinneret)の通常は円形の複数の毛細管から繊維として溶融熱可塑性ポリマーを押し出して溶融紡糸され、次いで延伸によって迅速に細くされ、次いで冷却された繊維を意味する。スパンボンド繊維は、通常は連続した繊維である。適したスパンボンド材料は、直径が約3μm〜約20μmで、長さが約200mmを超える繊維から形成される。固定層の繊維は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンのような材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれらの組合せから形成される異相構造繊維を含むことができる。続いて、スパンボンド繊維は、圧縮して強度を増大させ、厚みを薄くすることができる。好適な実施形態では、流体透過性固定層110は、スパンボンド材料を含む、またはスパンボンド材料から実質的になる。
【0019】
流体透過性固定層110の外面112は、通常は耐摩耗性表面である。「耐摩耗性」は、通常は、例えば、外面112を擦る手や他の体の表面などの弾性物によって外面112が劣化しないことを意味する。
【0020】
積層複合材料100は、少なくとも一部が流体透過性固定層110に交絡させられた繊維120を含む。このような繊維は、繊維層122に結合するのが好ましい。流体透過性固定層110に交絡させられた繊維は、交絡などによって互いに、そして流体透過性固定層110に結合された複数の繊維またはフィラメントを含むのが好ましい。したがって、流体透過性固定層110は、事実上、積層複合材料100の「骨格」として機能する。
【0021】
繊維の流体透過性固定層110への交絡により、通常は、繊維層122と流体透過性固定層110との間の接触面124で結合が生じる。接触面124は、図1に実質的に線として示しているが、接触面124は、通常は、付随する厚みを有する。接触面124の本質は、流体透過性固定層110に捩られた、結ばれた、縛られた、または他の方法で交絡させられた繊維である。
【0022】
特定の好適な実施形態では、固定層110、およびこの固定層110に交絡させられた繊維層122の繊維は、繊維および/または固定層110の溶融によって形成された結合、および/または化学接着剤を用いて形成された結合を実質的に含まない。ここで用いる句「繊維および/または固定層110の溶融により形成された結合、および/または化学接着剤を用いて形成された結合を実質的に含まない」は、溶融または化学接着剤によって、固定層110に結合された繊維層122の繊維の10wt%未満が結合されている材料を意味する。好ましくは、この材料は、溶融または化学接着剤によって固定層110に結合されている繊維層122の繊維を5%未満含み、より好ましくは一切含まない。出願人は、いずれの動作理論に縛られる、または限定されることを望むものではないが、繊維層122の繊維と流体透過性固定層110の結合を、溶融結合または化学接着剤ではなく、物理的な交絡に限定することにより、得られる積層複合材料100がより優れたドレープ性を有する傾向にあると考える。
【0023】
繊維層122に使用するために、多種多様な繊維を選択することができる。適当な繊維の例として、セルロース、ポリエステル、レーヨン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、またはポリアミドに由来する繊維、または他の合成繊維、および2つ以上のこれらの組合せなどを挙げることができる。特定の好適な繊維の例として、唯1種類のセルロース、ポリエステル、レーヨン、またはポリオレフィン、または2種類以上のこれらの組合せを挙げることができる。市販の適切な繊維の例として、ドイツ国のケルハイム(Kelheim)の所在のケルハイム・ファイバー社(Kelheim Fibers)が販売する「Galaxy」レーヨン繊維、またはオーストリアのレンジング(Lenzing)に所在のレンジングAG(Lenzing AG)が販売するテンセルリオセル繊維(Tencel lyocell fibers)を挙げることができる。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、繊維は、例えば、木材パルプなどのセルロースなど含む。本発明の一実施形態では、繊維層122は、約0%〜約100%のパルプ、より好ましくは約5%〜約50%のパルプを含む。
【0025】
本発明の特定の好適な実施形態では、木材パルプは、水素結合能力が弱められている。水素結合能力が弱められた木材パルプは、パルプの液体懸濁液を、15℃〜約60℃で、約2wt%〜約25wt%のアルカリ金属塩濃度を有する水溶性アルカリ金属塩溶液で、約5分〜約60分の間処理するステップを含む工程によって形成されることができる。苛性処理に適した試薬は、限定するものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、および水酸化ルビジウム(rubidium hydroxide)、水酸化リチウム、および水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムなどの水酸化アルカリ金属を挙げることができる。水酸化ナトリウムは、本発明に従った超吸収性セルロース繊維を形成するのに適したセルロース繊維を生成するための苛性処理に使用するのに特に好ましい試薬である。木材パルプは、水溶液の質量に対して約4wt%〜約30wt%、より好ましくは約6%〜約20%、最も好ましくは約12wt%〜約16wt%の水酸化ナトリウム(または任意の他の適当な苛性化物質)を含有する水溶液で処理するのが好ましい。苛性処理は、漂白、精製、および乾燥の最中または後で行うことができる。好ましくは、苛性処理は、漂白および/または乾燥工程の最中に行われる。このように製造したパルプは、「苛性抽出パルプ」または「マーセル化パルプ」とも呼ばれることもある。本発明に使用するのに適した市販の苛性抽出パルプの例として、例えば、ジョージア州ジェサップ(Jesup)に所在のレーヨニアー・パフォーマンス・ファイバーズ・デビジョン社(Rayonier Performance Fibers Division)が販売するポロザニア‐J‐HP(Porosanier-J-HP)、フロリダ州ペリー(Perry)に所在のバックアイ・テクノロジーズ社(Buckeye Technologies)が販売するバックアイのHPZ(Buckeye's HPZ)、およびワシントン州フェデラル・ウェイ(Federal Way)に所在のウェアーハウザー社(Weyerhaeuser company)が販売するトラッセル(TRUCELL)を挙げることができる。
【0026】
本発明の別の好適な実施形態では、水素結合能力が弱められたパルプを架橋させる。「架橋繊維」は、主として繊維内で化学架橋結合を有するセルロース繊維を指す。すなわち、この架橋結合は、別個の繊維のセルロース分子間ではなく、主として1つの繊維のセルロース分子間での結合である。
【0027】
架橋繊維は、特に、(1)架橋剤および触媒を含む水溶液中で繊維を架橋することによって個々の架橋繊維を製造する、1966年3月22日発行のエフ・エッチ・ステイガー(F. H. Steiger)に付与された米国特許第3,241,553号に開示されている工程、または(2)架橋剤を含む水溶液中に膨張繊維を浸漬して、機械操作によって繊維を脱水および離解(defiberizing)し、繊維が実質的に個々の状態で高温で繊維を乾燥させて架橋することによって個々の架橋繊維を製造する、1965年12月21日にエル・ジェイ・ベルナルダン(L. J. Bernardin)に付与された米国特許第3,224,926号に開示されている工程などの様々な工程で形成することができる。本発明に使用するのに適した市販の架橋パルプは、例えば、ワシントン州フェデラル・ウェイ(Federal Way)に所在のウェアーハウザー社(Weyerhaeuser Corporation)が販売するコロンバス・モディファイド・ファイバー(Columbus Modified Fiber)グレード:CHB416を含む。
【0028】
特定の実施形態では、積層複合材料100は、織られた、編まれた、房状にされた、またはステッチボンディング(stitch-bonding)された繊維を実質的に含まないのが好ましい。すなわち、積層複合材料は、ヤーンからではなく、繊維から直接製造された繊維材料を含むのが好ましい。
【0029】
繊維に加えて、繊維層122は、吸収物品に使用する不織布の製造の分野で周知の様々な別の材料を含むことができる。例えば、繊維層122は、ポリマーまたは他の化学繊維仕上げ剤、または粒子材料、例えば、流体吸収性を向上させるために用いられる繊維中に分散させることができる超吸収剤、または特定の外観を促進する色素または他の光反射剤を含むことができる。繊維層122は、複合材の剛性を向上させるかまたは複合材のドレープ性を低下させることになりうる化学結合剤を実質的に含まないのが好ましい。
【0030】
繊維層122は、その全厚みにわたり繊維の組成を同種または異種とすることができる。特定の好適な実施形態では、繊維層122は、例えば、セルロース繊維および合成繊維を含む異種混合物を含む。特定の他の好適な実施形態では、繊維層122は、例えば、実質的にセルロース繊維からなるか、または実質的に合成繊維からなる、同種層である。
【0031】
本発明の特定の好適な実施形態では、繊維層122の繊維の50wt%以上が、直径に対する長さの比が約300を超える繊維から形成されている。このような繊維は、ステープルファイバーまたは連続フィラメントとすることができるが、好ましくは、繊維はステープルファイバーである。このような繊維は、例えば、木材パルプまたは綿などのセルロース繊維;ポリエステル、レーヨン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコールなどの合成繊維、多成分(コアシース)繊維、および2つ以上のこれらの組合せとすることができる。このような繊維は、詳細を後述する方法を含め、適当な方法で互いに結合させることができる。
【0032】
本発明の繊維層は、任意の適当な坪量とすることができる。特定の好適な実施形態では、繊維層122は、約20gsm〜約200gsm、好ましくは約20gsm〜約150gsmの坪量を有することができる。
【0033】
代替の実施形態では、図2に示すように、繊維層122は、それ自体が複数の層すなわち階層を含むことができる。図2は、最上の繊維層210および下側の繊維層220を示している。一実施形態では、最上の繊維層210は、オレフィンまたはポリエステルなどの1または複数の合成繊維または異相構造繊維を含む、またはこれらから実質的になり、下側の繊維層220は、セルロース繊維を含む、またはセルロース繊維から実質的になる。さらに、図2は、2層のみからなる繊維層122を示しているが、様々な組成を有する層を追加してすることも企図される。
【0034】
加えて、図1および図2は、積層複合材料100の末端に1つの流体透過性固定層110を示しているが、積層複合材料100の反対の末端に第2の流体透過性固定層110を含み、それによって1または複数の繊維層が2つの流体透過性固定層の間に全体として挟まれた「サンドイッチ」構造を作り出すことも本発明の範囲内である。このような構造では、2つの別個の耐摩耗性表面が存在する。
【0035】
所望の特性に基づいて積層複合材料の特性を調整することができる。例えば、低い密度および高いドレープ性を得るために、通常は、主としてポリエステル、レーヨン、およびこれらの混合物などを選択することができる。高い吸収能力と低コストを実現したい場合は、主として木材パルプを選択することができる。このような特性の全てのバランスをとるためには、繊維層122は、それ自体が、このような材料からなる別個の層を含むことができる。
【0036】
本発明の特定の実施形態では、積層複合材料は、可視パターンを備えている。図3は、ここに開示する本発明の実施形態に一致する積層複合材料の平面図である。積層複合材料100は、基材310の低い部分によって取り囲まれた個々別々の隆起部300を含む。図4は、積層複合材料100の様々な構造を示す、図3の線3‐3’に沿って見た断面図である。隆起部300と低部310は、互いに異なって見える。例えば、矯正していない平均的な視力の観察者が、12インチ(304.8mm)の距離から積層複合材料100を見ると、隆起部と低部310との差すなわちコントラストを容易に識別できるはずである。本発明の一実施形態では、隆起部300は、高さ320が、約0.1mm〜約5mm、より好ましくは約0.5mm〜約2mmであり、長さすなわち幅が、少なくとも約0.5mm、より好ましくは少なくとも約1mm、最も好ましくは少なくとも約3mmであるのが好ましい。
【0037】
本発明の一実施形態では、隆起部300は、交絡されず結合されていない、すなわち、隆起部300における流体透過性固定層110と繊維層122との間の接触面330に有意な結合が存在しない。本発明のこの実施形態では、流体透過性固定層110と繊維層122との間の有意な結合は、例えば、接触面340に沿って低部310内でのみ存在する。したがって、交絡部360の断面と非交絡部350の断面(図4ではこれらの境界が一点鎖線で示されている)が、積層複合材料100内に存在する。
【0038】
図4は、交絡部360の連続した断面(基材)、およびこの交絡部の連続した断面の中に実質的に位置された非交絡部350の複数の別個の断面を有する積層複合材料100を示している。この構造は、積層複合材料100に十分な引っ張り強さを付与するために望ましい場合が多い。しかし、隆起部と低部の他の構造も企図される。例えば、隆起部は、低部360によって取り囲まれる、または実質的にその中に配置される別個の非交絡部350として配置するのではなく、積層複合材料100の全幅すなわち全長に亘って配置することができる。さらに、交絡部と非交絡部のセンスは、例えば、交絡部を非交絡部内に実質的に位置するなど、図3に示す材料とは「反対」にすることができる。
【0039】
特定の好適な実施形態では、本発明の積層複合材料は、スパンレース構造である。すなわち、積層複合材料は、好ましくは、ここに記載する工程である水流交絡すなわち「スパンレース」法から得られる材料である。出願人は、本発明の構造が、従来の繊維不織布構造、特に従来のスパンレース材料に比べて、優れた耐摩耗性、および驚くほど良好な積層強度および/またはドレープ性、および/または密度を示すことが分かった。このような新規の驚くべき特性の組合せは、限定するものではないが、女性用衛生製品および拭取り製品などのパーソナルケア製品を含む様々な用途において、本構造に大きな利点を付与している。
【0040】
本発明の一実施形態では、積層複合材料は、生理用ナプキンまたはパンティーライナーなどの生理用パッドの構成材料として用いられる。例えば、積層複合材料は、パンティーライナーまたは生理用ナプキンなどの上部シートまたは一体化された上部シート/吸収コア層とすることができる。
【0041】
特定の好適な実施形態では、積層複合材料では、流体透過性固定層110が、使用者の体に向けられることができ、したがってこの流体透過性固定層110が、生理用パッドの体に面する表面の一部となる。特定の好適な実施形態では、積層複合材料は、生理用ナプキンまたはパンティーライナーの一体化された上部シート/吸収コア層として機能する。本発明の積層複合材料を含むこのような一体化された上部シート/吸収コア層は、この一体化された上部カバーが、使用者の快適性の向上に寄与する、耐摩耗性、柔軟性、吸収性、およびドレープ性を改善するという点で有利である。
【0042】
本発明の一実施形態では、繊維不織布材料は、例えば、「乳児用拭取り製品」、パーソナルクレンジングに有用なパーソナルケア/美容用拭取り製品または拭取り製品(ウエットまたはドライ)、または無生物表面のクレンジング用拭取り製品などの拭取り製品の構成材料として用いられる。本発明の積層複合材料は、単層拭取り製品として、または多層拭取り製品の1または複数の層として用いることができる。好ましくは、積層複合材料の耐摩耗性表面は、使用者の皮膚に接触するように拭取り製品の外面に位置される。本発明の積層複合材料を含む拭取り製品の材料は、柔軟性、圧縮性、および吸収性はもちろん、優れた耐摩耗性(したがって耐久性)を有する点で有利である。
【0043】
〔本発明の方法〕
本発明の積層複合材料は、出願人が見出した任意の様々な新規の方法によって製造することができる。例えば、特定の実施形態によると、本構造は、積層構造に流体の流れを接触させることを含む方法によって製造することができる。このような積層構造は、繊維および流体透過性固定層を含む。この流体透過性固定層は、繊維の層を流体の流れから少なくとも部分的に遮蔽するように位置されている。
【0044】
図5は、本発明による水流交絡ステップを行う方法の一実施形態を例示している。水流交絡ステップは、可動コンベア(不図示)に支持されたスクリーン590(例えば、金属またはプラスチックスクリーン)上に配置された繊維の層520を用意することを含む。語「層」は、長さおよび幅205に比べて厚みの寸法がかなり小さい繊維の集合体を指す。例えば、層520は、幅の約10%未満、例えば、幅の約2%未満の厚みを有することができる。好適な実施形態では、繊維の薄い層200は、実質的に平面であり、厚みが約20mm未満、好ましくは約5mm未満である。繊維の薄い層は、上記し図1および図2に示した繊維層122に関連して説明したような組成および特性を有する。
【0045】
層520の繊維は、互いに結合していなくても良い。「結合していない」は、薄い層520の繊維が、互いに弱く結合し、約5N/5cm未満の低い引っ張り強さを有することを意味する。代替の実施形態では、層520の繊維は、スパンレーシングの前に、例えば、弱く互いに結合している。
【0046】
流体透過性固定層110は、繊維の層520の上に位置している。それによって、繊維の層520および流体透過性固定層110は、交絡させられるターゲットウェブ550を形成する。運転中は、ターゲットウェブ550を、好ましくは流体、より好ましくは水である流体508を放出する一連のジェット530の範囲内で機械方向(a machine direction)に移動させる。繊維の層520は、安定したターゲットウェブを形成するのに適した任意の方向および任意の圧力でターゲットウェブ550に当てることができることを企図する。好ましくは、流体の流れ508を、例えば、約500psi〜約5000psi(約3.4MPa〜約34.5MPa)の圧力で、実質的に垂直方向に繊維の層に当たるように配向する。ここで用いる語「実質的に垂直」は、約20度〜約0度、好ましくは約10度〜約0度、より好ましくは約5度〜約0度、最も好ましくは約0度である。
【0047】
ターゲットウェブ550は、このターゲットウェブを交絡させるのに適した任意の速度で、流体の流れ508に接触させる前、最中、および/または後で機械方向に移動させることができる。特定の実施形態では、安定化したウェブ210を、少なくとも約3.05m/分(約10fpm(feet per minute))、例えば、約15.24m/分〜約76.20m/分(約50fpm〜約250fpm)の速度で機械方向に移動させる。
【0048】
交絡ステップが終了すると、流体透過性固定層が繊維の層に交絡し、図1および図2に示す例に描かれているように、上記したように本発明の積層複合材料が形成される。
【0049】
図6は、流体の流れ508が、ジェット530に対して移動するマスク600を通過する点を除き、図5に示した水流交絡に類似したターゲットウェブの水流交絡を示している。マスク508は、様々な時点で、マスク600の様々な部分を流体の流れ508に整合させるために、一連のガイドまたはローラー660の周りを回転することができる。
【0050】
マスク600は、流体の流れ508に対して空間的に異なる透過性を有する。具体的には、図6および図7(マスク600の斜視図)に示すように、空間的に異なる透過性は、高透過性部分620と低透過性部分630のパターンを含むことによって作り出されている。高透過性部分620は、例えば、オープンスペース(実質的に流体の全てが高透過性部分620を通過することができる)とすることができる。あるいは、高透過性部分620は、マスク600に機械的な支持を十分に付与するが、流体の流れ508を有意に妨げない図7に示すスクリーン650などの支持スクリーンを含むことができる。一実施形態では、高透過性部分620は、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約65%のオープン領域を有する。
【0051】
対照的に、マスク600の低透過性部分630は、通常は、マスクに接触する流体の流れ508の殆ど、好ましくは全てがターゲットウェブ550に接触するのを妨げる。
【0052】
初めの時点で、ジェット530が、マスクの高透過性部分620の上に位置すると、ジェット530の下側のターゲットウェブ550の部分が、流体の流れ508に接触して交絡させられる。対照的に、第2の時点で、ジェット530が、マスクの低透過性部分630の上に位置すると、ジェット530の下側のターゲットウェブ550の部分が、流体の流れ508に接触しないため(または、代替として最小限に接触する)、相対的に交絡されないままである。
【0053】
マスクが完全に1回転する時間間隔(すなわち、完全なパターンサイクル)で、マスク600における高透過性部分620と低透過性部分630のパターンが、所定長さのターゲットウェブ550に移され、パターンが形成された積層複合材料が形成される。図8に、長さ800のパターンが形成された積層複合材料810の例が示されている。次いで、この工程を繰り返して、一連の同一長さの積層複合材料が形成され、後に互いに分割することができる(例えば、切断によって)。
【0054】
図8では、均一で平坦な背景に対して、交絡されていない隆起した花のパターンが示されていることに留意されたい。マスク800の低透過性部分630が完全には開口していない場合(例えば、図7に示すようにスクリーンを含む場合)、スクリーンの一部の遮断部分を、例えば、積層複合材料に引っ張り強さを付与する交絡部分の大部分860に分布した細い線や格子などの背景構造の隆起した小部分850として、事実上、積層複合材料に移すことができることに留意されたい。
【0055】
パターンが繰り返された積層複合材料の長さ800(すなわち、平坦な表面に配置された場合のマスクの長さ)は、変更可能であり、例えば、約50cm〜約10mとすることができる。長さ80の境界は、図8に想像線で示している。
【0056】
マスク800は、当分野で公知の様々な方法で形成することができる。例えば、マスク800は、金属プレートを選択的にエッチングして形成することができる。このプレートは、アルミニウム、ステンレス鋼、または銅の可撓性シートから、またはプラスチックまたはゴム(補強されることもある)を含むポリマー材料から形成することができ、例えば、約0.05mm〜約0.5mmの厚みを有することができる。
【0057】
図6〜図8は、可視パターンが形成された積層複合材料を作るための1つの工程を示しているが、他の工程も企図される。例えば、ジェットに対して移動するマスクを用いるのではなく、ジェットを特定の位置で選択的に遮断して、交絡された低部に隣接するか、またはこの低部が散在された非交絡隆起部の線またはストライプを形成することができる。
【0058】
本発明のさらに別の実施形態では、形状形成面(topographic forming surface)を用いて可視パターンを形成する。本発明のこの実施形態では、流体の流れを、形状形成面に支持されたターゲットウェブに接触させる。形状支持部材は、通常は、開口構造はもちろん、ピークと谷の構造を含み、例えば、参照して開示内容の全てを本明細書に組み入れる米国特許第5,827,597号および同第5,674,587号(共にジェームスらに付与)に開示されている形状支持部材と同様にすることができる。ピークと谷の構造は、特に、機械ドリル加工、レーザードリル加工、レーザーアブレーション、ラスタースキャン、およびレーザー変調などの任意の適当な技術で形成することができる。
【0059】
本発明の方法の実施形態では、繊維の層および流体透過性固定層を含む積層構造は、形状支持部材の上に位置される。流体の流れを、積層構造に配向して、積層構造を形状支持部材の形状に成型して、繊維の層を流体透過性固定層に交絡させる。
【0060】
図9に示す好適な一実施形態では、流体透過性固定層900を、形状支持部材910に直接接触するように位置し、繊維の層920を、流体透過性固定層の上に位置する。したがって、繊維の層920は、流体透過性固定層を流体から少なくとも部分的に遮蔽する。繊維の層920は、繊維層122に関連して説明したような様々な材料を含むことができる。
【0061】
別の好適な実施形態では、繊維の層は、木材パルプ、好ましくは上記したようなマーセル化パルプまたは架橋パルプなどのセルロースを含む。さらに別の好適な実施形態では、繊維の層920は、流体透過性固定層900の上に直接位置された合成繊維の層930、および長繊維の層930の上に直接位置されたセルロース繊維の層940(例えば、パルプ)などの少なくとも2つの異なる層を含む。この実施形態では、流体の流れ508を、セルロース繊維の層940、長繊維の層930、流体透過性固定層900、そして形状支持部材910の順番で衝当させる。本発明のこの実施形態では、合成繊維の層930および流体透過性固定層900は、比較的短いセルロース繊維が形状支持部材910に形成された排出開口960に向かって流れるのを防止する障壁として機能する。したがって、この工程を困難にする短いセルロース繊維が排出開口960に詰まる可能性が殆どない。
【0062】
〔例〕
以下に示す例は、本発明の実例であり、いかようにも限定することを意図するものではない。
【0063】
<例1>
以下に示す各例では、ターゲットウェブを、回転円柱ドラム上の80メッシュ金属スクリーン成形面の上に配置した。ターゲットウェブは、繊維材料の層と流体透過性固定層からなっている。使用した流体透過性固定層は、BBAファイバーウェブ社(BBA Fiberweb)が販売する12gsmのスパンボンドポリプロピレンの層とした。繊維材料は、様々な坪量のレーヨン繊維70%とポリエステル繊維30%の混合物とした。ドラムを回転させて、繊維の層を、30.48m/分(100fpm)の線速度で移動させた。加圧水流がターゲットウェブに対して垂直に衝当するように、ジェットを配向した。ジェットは、25.4mm(1インチ)当たり30個のジェットの密度で離間された一列のジェットに配置した。直径が0.127mm(0.005インチ)の多数の各ジェットから水を4.14MPa(600psi)で放出する初めの安定化処理を全ての繊維層で行って、スパンボンドポリプロピレンに交絡させる前に繊維に緩く結合させた。ドラムを完全に6回転させて、繊維の層の所与の点を、ジェットの列に6回通過させた。ジェットから放出する水の圧力は変更することができる。
【0064】
各サンプルの積層強度を、(積層強度値(LSV)を得るために)以下のように行われる積層強度試験を用いて測定した。
【0065】
測定する1インチ×1インチ(25.4mm×25.4mm)の材料のサンプル(固定層およびこの固定層に交絡させられた繊維を有する繊維層を含む)をカットした。両面接着テープ(スコッチ両面コーティングテープ(Scotch double-coated tape)、型番:666)を用いて、サンプルを、2つのステンレス鋼キューブ(約1インチ×1インチ(25.4mm×25.4mm)の表面積を有する)の表面に平坦に取り付け、サンプルを2つのキューブ表面の間に挟んだ。取り付けたサンプルを、少なくとも6秒間、5psi(約34.5kPa)以上の圧力でキューブの間で圧迫した。次いで、キューブを、クロスヘッドを利用して50.8mm/分(2インチ/分)のクロスヘッド速度で引き離して、この時の力を、インストロン力測定器(Instron force-measurement gauge)で測定した。積層強度値は、サンプルに対して記録されたピーク荷重(インストロン出力グラフィックディスプレイ(Instron output graphics display)における第1のピークに関連する)に等しい。
【0066】
本発明によるドレープ性(坪量/MCB)を決定するために、様々な繊維不織布構造に対して以下に示すドレープ性試験を行った。修正円形曲げ剛性(MCB:Modified Circular Bend Stiffness)を、ASTM D 4032‐82 円形曲げ法(CIRCULAR BEND PEOCEDURE)の後にモデル化する試験によって決定する。この円形曲げ法は、相当修正されており、以下のように行う。円形曲げ法は、試験片の一方の面が凹状になり、他方の面が凸状になる材料の同時多方向変形である。円形曲げ法は、曲げ抵抗に関連した値の力を加えると同時に全ての方向における剛性を平均する。円形曲げ法に必要な装置は、以下の部品を有する修正円形曲げ剛性テスター(modified Circular Bend Stiffness Tester)である。
1.直径18.75mmのオリフィスを有する102.0mm×102.0mm×6.35mmの平滑磨き鋼板台。このオリフィスのラップの縁は、4.75mmの深さに対して45度の角度をなすべきである。
2.全長が72.2mm、直径が6.25mm、2.97mmの半径のボールノーズ、ならびに0.33mmのベース直径、および半径が0.5mm未満の尖端を有する、ボールノーズから0.88mm延出した針先端部を有する、プランジャー。このプランジャーは、オリフィスと同心的に取り付けられ、全ての面で等しいクリアランスを有する。針先端部は、試験の際に試験片が横に移動するのを単に防止することに留意されたい。したがって、針先端部が試験片に著しい悪影響を及ぼす場合は(例えば、膨張構造を破裂させるなど)、針先端部を使用すべきではない。プランジャーの底部は、オリフィスプレート上部の十分に上方にセットすべきである。ボールノーズの下方へのストロークは、この位置から、オリフィスプレートの正に底部までである。
3.力測定ゲージ、具体的にはインストロン逆圧縮ロードセル。このロードセルは、約0.0g〜約2000.0gの荷重範囲を有する。
4.アクチュエータ、具体的には逆圧縮ロードセルを有するインストロン(型番:1122)。インストロン1122は、マサチューセッツ州カントン(Canton)に所在のインストロン・エンジニアリング・コーポレーション(Instron Engineering Corporation)で製造されている。
【0067】
この試験手順を行うためには、後述するように、各物品についてそれぞれ3つのサンプルが必要である。試験する不織布構造の位置は、操作者が選択する。3つの各サンプルの対応する位置から、37.5mm×37.5mmの試験片にカットする。サンプルをカットする前に、全ての剥離紙や包装材料を除去し、衣服に取り付けるための接着剤などの全ての露出した接着剤をタルクなどの非接着粉末で覆う。タルクは、BWやMCB測定に影響を及ぼさないはずである。
【0068】
試験片は、試験者が折ったり曲げたりすべきものではなく、試験への取り扱いは、曲げ抵抗性に悪影響を与えないように、最小限にして縁を保持するようにしなければならない。
【0069】
円形曲げ法(CIRCULAR BEND PROCEDURE)の手順は次の通りである。試験片を、21℃±1℃の室温、50%±2.0%の相対湿度で2時間放置することによって条件付ける。各カット試験片の重量は、グラム単位で測定し、因子0.0014で除す。これが、1平方メートル当たりのグラム単位である坪量(gsm)である。各試験片の坪量について得た値を平均して平均坪量(BW)を算出する。この平均坪量(BW)は、上記の式に用いることができる。
【0070】
試験片の層に面している本体がプランジャーに面し、試験片の障壁層がオリフィスプラットホームに面するように、試験片をプランジャーの下方のオリフィスプラットホームの中心に配置する。プランジャーの速度は、フルストローク長で、50.0cm/分に設定した。必要に応じて、ゼロ表示をチェックし調節する。プランジャーを作動させる。試験の際に試験片に触れないようにすべきである。最大の力をグラム単位で読み取って(reading to the nearest gram)記録する。3つの全ての試験片を試験するまで上記ステップを繰り返す。次に、記録した3つの試験値を平均して、平均MCB剛性を得る。この平均MCB値を、上記の式に用いることができる。坪量を、上で決定した平均MCBで除してドレープ性を計算する。
【0071】
厚みを測定するために、本発明による様々な繊維の薄い層および繊維状不織布構造に対して以下の密度試験を行った。
【0072】
幅5cmの材料のストリップにカットした。機械方向の引っ張り強さを測定するために、機械方向が長手方向になるようにストリップを配置した。交差機械方向(cross-machine direction)における引っ張り強さを測定するために、交差機械方向が長手方向になるようにストリップを配置した。この試験は、2500mmのフットサイズに対して482.7Pa(0.07psi)の圧力を加えて、エンベコゲージ(Emveco gauge)を用いて行った。このデジタル表示は、正確に0.0025cmであった。5回の測定値の平均を厚みとして記録した。ゲージのフットを上昇させて、ゲージのフットが製品サンプルの目的の位置に対してほぼ中心にくるように、製品サンプルをアンビルに配置した。フットを下降させる時は、フットが製品サンプルの上に落下したり、過度の力が加わったりしないように気をつけなければならない。フットを、2.54mm/秒(0.1インチ/秒)の速度で下げた。482.7Pa(0.07psig)の荷重をサンプルに加えて、約10秒の間、測定値を安定させる。厚みの測定値を読み取った。この手順を、少なくとも3つの製品サンプルに対して繰り返し、平均厚みを計算した。次いで、サンプルの質量を容積(上記したように、長さ×幅×平均厚み)で除して密度を計算した。
【0073】
例1A
スパンボンド材料層を、繊維層の下側に配置した(すなわち、繊維層を、ジェットと流体透過性固定層との間に位置した)。ジェット圧力を10.34MPa(1500psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、積層強度(LSV)が25g、厚みが0.77mm、坪量が85gsm、密度が0.11g/cc、ドレープ性が7.9gsm/gであった。
【0074】
例1B
スパンボンド材料層を、繊維層の下側に配置した。ジェット圧力を10.34MPa(1500psi)とした。ウェブを、ジェットに8回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が65g、厚みが0.73mm、坪量が88gsm、密度が0.12g/cc、ドレープ性が8.6gsm/gであった。
【0075】
例1C
スパンボンド材料層を、繊維層の上に配置した。ジェット圧力を10.34MPa(1500psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が32g、厚みが0.90mm、坪量が90gsm、密度が0.10g/cc、ドレープ性が9.1gsm/gであった。
【0076】
例1D
スパンボンド材料層を、繊維層の上に配置した。ジェット圧力を10.34MPa(1500psi)とした。ウェブを、ジェットに8回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が106g、厚みが0.85mm、坪量が83gsm、密度が0.10g/cc、ドレープ性が11.8gsm/gであった。
【0077】
例1E
スパンボンド材料層を、繊維層の底部に配置した。ジェット圧力を13.79MPa(2000psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が47g、厚みが0.79mm、坪量が86gsm、密度が0.11g/cc、ドレープ性が8.5gsm/gであった。
【0078】
例1F
スパンボンド材料層は、繊維層の底部に配置した。ジェット圧力は13.79MPa(2000psi)とした。ウェブを、ジェットに8回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が281g、厚みが0.78mm、坪量が89gsm、密度が0.12g/cc、ドレープ性が10.3gsm/gであった。
【0079】
例1G
スパンボンド材料層は、繊維層の上部に配置した。ジェット圧力は13.79MPa(2000psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が205g、厚みが0.86mm、坪量が83gsm、密度が0.10g/cc、ドレープ性が12.5gsm/gであった。
【0080】
例1H
スパンボンド材料層を、繊維層の上部に配置した。ジェット圧力は13.79MPa(2000psi)とした。ウェブを、ジェットに8回通した。得られた積層複合材料は、積層強度が341g、厚みが0.92mm、坪量が83gsm、密度が0.10g/cc、ドレープ性が11.8gsm/gであった。
【0081】
<例2>
以下に示す各例では、ターゲットウェブを、回転円柱ドラム上の80メッシュ金属スクリーン成形面の上に配置した。ターゲットウェブは、2つの別個の流体透過性固定層の間の繊維材料の層からなっている。使用した流体透過性固定層は、BBAファイバーウェブ社(BBA Fiberweb)が販売する12gsmのスパンボンドポリプロピレンの層とした。繊維材料は、様々な坪量のレーヨン繊維70%とポリエステル繊維30%の混合物またはパルプのいずれかとした。ドラムを回転させて、繊維の層を30.48m/分(100fpm)の線速度で移動させた。加圧水流がターゲットウェブに対して垂直に衝当するように、ジェットを配向した。ジェットは、25.4mm(1インチ)当たり30個のジェットの密度で離間された列に配置した。直径が0.005インチ(0.127mm)の多数の各ジェットから水を4.14MPa(600psi)で放出する初めの安定化処理を、パルプ層を除く合成繊維の全ての繊維層で行って、スパンボンドポリプロピレンに交絡させる前に繊維に緩く結合させた(表2に、予備結合として記載)。ドラムを様々な回数で完全に回転させた。ジェットから放出する水の圧力は変更することができる。
【0082】
比較例2A
繊維層はパルプからなる。ジェット圧力を4.14MPa(600psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が1gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が1g、厚みが1.65mm、坪量が204gsm、密度が0.124g/cc、ドレープ性が1.47gsm/gであった。
【0083】
比較例2B
繊維層は、マーセル化パルプからなる。ジェット圧力を4.14MPa(600psi)とした。ウェブを、ジェットに7回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が2gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が1g、厚みが1.69mm、坪量が197gsm、密度が0.117g/cc、ドレープ性が1.35gsm/gであった。
【0084】
例2C
繊維層は、マーセル化パルプからなる。ジェット圧力を8.27MPa(1200psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が41gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が6g、厚みが1.42mm、坪量が195gsm、密度が0.137g/cc、ドレープ性が1.40gsm/gであった。
【0085】
例2D
繊維層は、マーセル化パルプからなる。ジェット圧力を8.27MPa(1200psi)とした。ウェブを、ジェットに8回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が100gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が31g、厚みが1.58mm、坪量が207gsm、密度が0.131g/cc、ドレープ性が1.25gsm/gであった。
【0086】
例2E
繊維層は、マーセル化パルプからなる。ジェット圧力を8.27MPa(1200psi)とした。ウェブを、ジェットに16回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が225gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が109g、厚みが1.32mm、坪量が192gsm、密度が0.145g/cc、ドレープ性が1.39gsm/gであった。
【0087】
例2F
繊維層は、合成繊維の混合物からなる。ジェット圧力を10.34MPa(1500psi)とした。ウェブを、ジェットに4回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が23gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が11g、厚みが0.95mm、坪量が98gsm、密度が0.103g/cc、ドレープ性が4.90gsm/gであった。
【0088】
例2G
繊維層は、合成繊維の混合物からなる。ジェット圧力を10.34MPa(1500psi)とした。ウェブを、ジェットに8回通した。得られた積層複合材料は、上部境界(ジェットに最も近い)での積層強度が35gで底部境界(ジェットから最も遠い)での積層強度が24g、厚みが0.89mm、坪量が97gsm、密度が0.109g/cc、密度が0.109g/cc、ドレープ性が5.39gsm/gであった。
【0089】
<例3>
以下の各例では、米国特許第5,827,597号に記載されているパターンに類似した「トリコット」パターンのピークと谷の構造、および隆起した花のパターンも含む形状形成面(アセタールスリーブ)の上に配置した。使用した流体透過性固定層は、BBAファイバーウェブ社(BBA Fiberweb)が販売する10gsmのスパンボンド織物の層である。ドラムを回転させて、繊維の層を30.48m/分(100fpm)の線速度で移動させた。ジェットを、繊維の層に対して垂直に配向し、25.4mm(1インチ)当たり30個のジェットの密度で離間された列に配置した。ドラムを完全に6回転させて、繊維の層における所与の点を、ジェットの列を6回通過させた。
【0090】
例3A
繊維の層920は、総坪量が60gsmである、ポリエステル繊維30%とレーヨン繊維70%の混合物の予備結合層である。得られた積層複合材料は、優れた積層強度、耐摩耗性、および明確なイメージを有していた。
【0091】
例3B
90gsmのマーセル化パルプ(ポロサニアー(Porosanier)、レオニアー社(Rayonier Corporation)が販売)の層を予備結合合成繊維の層の上に配置する点を除き、例2Aの実験を繰り返した。積層強度およびイメージの明確さが優れていた。
【0092】
表1は、上記の例で作製して試験した材料、その密度、積層強度、およびドレープ性を示している。このような値は、本発明の材料に関連した高いドレープ性または低い密度の一方または両方と高い積層強度との有利で驚くべきユニークな組合せを明確に例示している。また、表1は、繊維層の上に流体透過性固定層を配置することによって、積層強度が改善され、高いドレープ性が維持されていることを示していることに留意されたい。
【0093】
他は同様の試験条件であるが、流体透過性固定層を繊維層の上に配置した場合、流体透過性固定層と繊維層との間の積層強度が著しく高いことに留意されたい。このような高い積層強度は、ドレープ性または密度を犠牲にすることなく実現可能である。
【0094】
さらに、表2は、驚くべきことに、高いドレープ性と低い密度の両方を同時に有し、かつ層間剥離に抵抗性のある、強い耐磨耗性「サンドイッチ構造」材料を形成することが可能であることを例示している。また、驚くべきことに、特に高い坪量に対して、比較的低いジェット圧力で、このような積層強度の高い材料を作製することが可能であることに留意されたい。
【表1】

【表2】

【0095】
〔実施の態様〕
(1)積層複合材料において、
繊維状流体透過性固定層と、
前記固定層に交絡させられた繊維を含む繊維層と、
を含み、
前記複合材料は、約20gを超える積層強度値(LSV)、および約4gsm/gを超えるドレープ性を有する、複合材料。
(2)実施態様1記載の複合材料において、
前記材料は、約50gを超えるLSVを有する、複合材料。
(3)実施態様1記載の複合材料において、
前記材料は、約100gを超えるLSVを有する、複合材料。
(4)実施態様1記載の複合材料において、
前記材料は、約8gsm/gを超えるドレープ性を有する、複合材料。
(5)実施態様1記載の複合材料において、
前記材料は、約16gsm/gを超えるドレープ性を有する、複合材料。
【0096】
(6)実施態様1記載の複合材料において、
前記材料は、約0.15g/cc未満の密度を有する、複合材料。
(7)実施態様1記載の複合材料において、
前記固定層は、スパンボンド材料、スルーエアボンド材料(through-air bonded material)、およびこれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される、複合材料。
(8)実施態様7記載の複合材料において、
前記固定層は、1または複数のポリオレフィン繊維を含むスパンボンド材料を含む、複合材料。
(9)実施態様1記載の複合材料において、
前記固定層に交絡させられた繊維を有する前記繊維層の少なくとも一部の繊維が、セルロース繊維を含む、複合材料。
(10)実施態様9記載の複合材料において、
前記セルロース繊維は、木材パルプを含む、複合材料。
【0097】
(11)実施態様10記載の複合材料において、
前記木材パルプは、マーセル化パルプを含む、複合材料。
(12)実施態様10記載の複合材料において、
前記木材パルプは、架橋パルプを含む、複合材料。
(13)実施態様1記載の複合材料において、
交絡部分の断面および非交絡部分の断面を含み、前記交絡部分と前記非交絡部分が互いに眼で見て明らかに異なっている、複合材料。
(14)実施態様1記載の複合材料において、
交絡部分の連続的な断面、および前記交絡部分の連続的な断面内に実質的に位置された非交絡部分の複数の別個の断面、
を含む、複合材料。
(15)積層複合材料において、
繊維状流体透過性固定層と、
前記固定層に交絡させられた繊維を含む繊維層と、
を含み、
前記複合材料は、約20gを超えるLSV、および約0.15g/cc未満の密度を有する、複合材料。
【0098】
(16)実施態様15記載の複合材料において、
前記材料は、約50gを超えるLSVを有する、複合材料。
(17)実施態様15記載の複合材料において、
前記材料は、約100gを超えるLSVを有する、複合材料。
(18)実施態様15記載の複合材料において、
前記材料は、約0.12g/cc未満の密度を有する、複合材料。
(19)実施態様15記載の複合材料において、
前記固定層は、スパンボンド材料、スルーエアボンド材料(through-air bonded material)、およびこれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される、複合材料。
(20)実施態様19記載の複合材料において、
前記固定層は、1または複数のポリオレフィン繊維を含むスパンボンド材料を含む、複合材料。
【0099】
(21)実施態様15記載の複合材料において、
前記固定層に交絡させられた繊維を有する前記繊維層の少なくとも一部の繊維は、セルロース繊維を含む、複合材料。
(22)実施態様21記載の複合材料において、
前記セルロース繊維は、木材パルプを含む、複合材料。
(23)実施態様22記載の複合材料において、
前記木材パルプは、マーセル化パルプを含む、複合材料。
(24)実施態様22記載の複合材料において、
前記木材パルプは、架橋パルプを含む、複合材料。
(25)実施態様15記載の複合材料において、
交絡部分の断面、および非交絡部分の断面を含み、前記交絡部分と前記非交絡部分は、互いに眼で見て明らかに異なっている、複合材料。
【0100】
(26)実施態様15記載の複合材料において、
交絡部分の連続的な断面、および前記交絡部分の連続的な断面内に実質的に位置された非交絡部分の複数の別個の断面を含む、複合材料。
(27)実施態様1記載の材料を含む、パーソナルケア製品。
(28)実施態様27記載のパーソナルケア製品において、
前記製品は、生理用パッドまたは拭取り製品を含む、パーソナルケア製品。
(29)実施態様28記載のパーソナルケア製品において、
前記製品は、実施態様1記載の材料を含む上部シートを含む生理用パッドである、パーソナルケア製品。
(30)実施態様29記載のパーソナルケア製品において、
前記固定層は、前記生理用パッドの体に面する表面を含む、パーソナルケア製品。
【0101】
(31)実施態様15記載の材料を含むパーソナルケア製品。
(32)実施態様31記載のパーソナルケア製品において、
前記製品は、生理用パッドまたは拭取り製品を含む、パーソナルケア製品。
(33)実施態様32記載のパーソナルケア製品において、
前記製品は、実施態様1記載の材料を含む上部シートを含む生理用パッドである、パーソナルケア製品。
(34)実施態様33記載のパーソナルケア製品において、
前記固定層は、前記生理用パッドの体に面する表面を含む、パーソナルケア製品。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】ここに開示する本発明の積層複合材料の一実施形態の断面図である。
【図2】ここに開示する本発明の積層複合材料の別の実施形態の断面図である。
【図3】追加の構造を示す、ここに開示する本発明の積層複合材料の別の実施形態の平面図である。
【図4】図3の線3‐3’に沿って見た積層複合材料の断面図である。
【図5】ここに開示する本発明の実施形態に一致する工程に従った積層複合材料の形成を示す断面図である。
【図6】ここに開示する本発明の実施形態に一致する別の工程に従った積層複合材料の形成を示す断面図である。
【図7】ここに開示する本発明の実施形態に一致する積層複合材料を形成するために用いることができるマスクの斜視図である。
【図8】ここに開示する本発明の実施形態に一致する所定の長さのパターンが形成された積層複合材料810の平面図である。
【図9】ここに開示する本発明の実施形態に従った積層複合材料のパターニングを示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層複合材料において、
繊維状流体透過性固定層と、
前記固定層に交絡させられた繊維を含む繊維層と、
を含み、
前記複合材料は、約20gを超えるLSV、および約4gsm/gを超えるドレープ性を有する、複合材料。
【請求項2】
請求項1記載の複合材料において、
前記材料は、約50gを超えるLSVを有する、複合材料。
【請求項3】
請求項1記載の複合材料において、
前記材料は、約100gを超えるLSVを有する、複合材料。
【請求項4】
請求項1記載の複合材料において、
前記材料は、約8gsm/gを超えるドレープ性を有する、複合材料。
【請求項5】
請求項1記載の複合材料において、
前記材料は、約16gsm/gを超えるドレープ性を有する、複合材料。
【請求項6】
請求項1記載の複合材料において、
前記材料は、約0.15g/cc未満の密度を有する、複合材料。
【請求項7】
請求項1記載の複合材料において、
前記固定層は、スパンボンド材料、スルーエアボンド材料、およびこれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される、複合材料。
【請求項8】
請求項7記載の複合材料において、
前記固定層は、1または複数のポリオレフィン繊維を含むスパンボンド材料を含む、複合材料。
【請求項9】
請求項1記載の複合材料において、
前記固定層に交絡させられた繊維を有する前記繊維層の少なくとも一部の繊維が、セルロース繊維を含む、複合材料。
【請求項10】
請求項9記載の複合材料において、
前記セルロース繊維は、木材パルプを含む、複合材料。
【請求項11】
請求項10記載の複合材料において、
前記木材パルプは、マーセル化パルプを含む、複合材料。
【請求項12】
請求項10記載の複合材料において、
前記木材パルプは、架橋パルプを含む、複合材料。
【請求項13】
請求項1記載の複合材料において、
交絡部分の断面および非交絡部分の断面を含み、前記交絡部分と前記非交絡部分が互いに眼で見て明らかに異なっている、複合材料。
【請求項14】
請求項1記載の複合材料において、
交絡部分の連続的な断面、および前記交絡部分の連続的な断面内に実質的に位置された非交絡部分の複数の別個の断面、
を含む、複合材料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2009−542929(P2009−542929A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518113(P2009−518113)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/011708
【国際公開番号】WO2008/005107
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】