説明

両開き収納ボックス

【課題】第1方向の一端側及び他端側からだけでなく、第2方向からも蓋部材を開口させることができる両開き収納ボックスを提供することを課題とする。
【解決手段】両開き収納ボックス10は、収容部12を設けたボックス本体1と、収容部12の右側と左側から開閉する蓋部材2とよりなる。蓋部材2は、収容部12を覆う基部3と、基部3を覆う可動部4とを有する。基部3の前後方向の両端部とボックス本体1の前後方向の両端部との間には、それぞれボックス本体1に対して蓋部材2を右側及び左側に揺動させるリンク機構7a、7bが設けられている。可動部4は、基部3に対して前後方向にスライド可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体を左右両側から開閉させることができる両開き収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
両開き収納ボックスとしては、リンク機構を用いて左右両側から蓋部材を開閉するものがある。例えば、特許文献1の図3に開示された両開きボックスでは、ボックス本体(1)の左右両端にそれぞれロッド(36)、(37)を配置し、これらのロッドをリンク部材(32)、(35)で連結している。操作ボタンにより、一方のロッド(36)をボックス本体(1)から離間可能とすると、バネの付勢力によって他方のロッド(37)を中心にリンク部材(32)、(37)が揺動して、蓋部材(2)が開く。
【0003】
また、特許文献2の図15には、ボックス(1’)の前後の縁部(11)に、前後で左右対称の位置にブラケット(13)を設け、リンク体(3)の一端をブラケット(13)に枢支し、リンク体(3)の他端を、リッド本体(2)に枢支している。リッド本体(2)の左右の一方の側を開口させるには、操作ボタンの操作によって、ボックス(1’)の前後の一方のリンク体(3)とブラケット(13)との連結を切り離し、リンク体(3)及びリッド本体(2)をリンク体(3)の他端を中心に揺動させる。
【0004】
このような両開き収納ボックスは、例えば、車両のセンターコンソールに装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−145165
【特許文献2】特開2007−245838
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、蓋部材を左右両側から開けるだけでなく、前後方向に蓋部材をスライドさせて、ボックス本体の収容部の前側又は後側を開口させたいという要望がある。
【0007】
しかし、この場合、ボックス本体に対する蓋部材の支持が不安定になることが懸念される。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、第1方向の一端側及び他端側からだけでなく、第2方向からも蓋部材を開口させることができる両開き収納ボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の両開き収納ボックスは、収容部を設けたボックス本体と、前記収容部の第1方向の一端側と他端側から開閉する蓋部材と、よりなる両開き収納ボックスにおいて、前記蓋部材は、前記収容部を覆う基部と、該基部を覆う可動部とを有し、前記基部の前記第1方向とは異なる第2方向の両端部と前記ボックス本体の前記第2方向の両端部との間には、それぞれ前記ボックス本体に対して前記蓋部材を前記第1方向の一端側及び他端側に揺動させるリンク機構が設けられており、前記可動部は、前記基部に対して前記第2方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、リンク機構により、ボックス本体に対して蓋部材の第1方向の一端側及び他端側を揺動させることができる。また、蓋部材の可動部は、基部に対して第2方向にスライドすることができる。従って、第1方向の一端側及び他端側からだけでなく、第2方向からも蓋部材を開口させることができる。
【0011】
また、リンク機構は、基部の第2方向の両端部とボックス本体の両端部との間にそれぞれ設けられている。このため、蓋部材は、第2方向の両端部でボックス本体の両端部に支持されることになり、蓋部材がボックス本体に対して安定に支持される。
【0012】
また、本発明の両開き収納ボックスを車両のセンターコンソールに装着した場合には、可動部の上面をアームレストとして用いることができる。可動部を第2方向にスライドさせることによって、可動部を乗員の体格に適合する位置に調整することができる。
【0013】
前記可動部は、前記基部に対する前記可動部のスライドを規制又は規制解除するスライドロック機構を備えていることが好ましい。この場合には、可動部のスライドを規制したり、規制を解除することができる。
前記スライドロック機構は、前記可動部の前記第2方向の一端部側に下方に向けて突設されており、前記基部、前記ヒンジ及び前記ヒンジ支持部には、前記可動部のスライドによって前記スライドロック機構が移動可能な範囲に配置されている部分に、前記スライドロック機構を収容する凹部が形成されていることが好ましい。
【0014】
この場合には、基部、ヒンジ及びヒンジ支持部にスライドロック機構を収容する凹部を設けているため,可動部及び基部の全体厚みを薄くすることができる。このため、両開き収納ボックス全体の高さが同じで基部、ヒンジ及びヒンジ支持部に凹部を設けない場合に比べて、収容部の深さを大きくすることができ、上下方向のスペースを有効に利用することができる。
【0015】
前記収容部は、第1収容空間及び第2収容空間に区画されており、前記第1及び第2収容空間のうちの前記第1収容空間は、前記可動部を前記第2方向にスライドさせて前記収容部の一部が開口したときに前記可動部から開口した前記収容部の一部に配置されていることが好ましい。
【0016】
この場合には、可動部を第2方向にスライドさせることで、第1収容空間が開口する。また、基部を第1方向の一端側及び他端側に開閉させることで、第1及び第2収容空間の全体が開口する。このように、収容空間を第1及び第2収容空間で使い分けることができる。
【0017】
前記第1収容空間は、前記収容部に着脱可能に配設されたトレイの内部に形成される空間であり、該トレイは、前記収容部の側壁に係止されていることが好ましい。
【0018】
この場合には、トレイを収容部に配設することで、収容空間を第1及び第2収容空間に区画することができる。トレイを収容部から取り外すことで、収容空間の区画をなくして収容空間全体を1つの空間とすることができる。
【0019】
また、トレイは、収容部の側壁に係止されているため、基部の第1方向の開閉時及び可動部の第2方向のスライド時に、トレイは定位置に維持されることになる。ゆえに、トレイの中の小物が転動したり乱れたりするおそれはない。
【0020】
前記基部には、前記第1収容空間に連通する連通穴が形成されていることが好ましい。可動部を第2方向にスライドさせたときに、連通穴を通じて収納部の一部を開口させることができる。
【0021】
前記可動部は、前記基部の上面及び側面を覆い、前記可動部の内側の側面及前記基部の側面は、いずれも前記第2方向に平行であり、前記可動部の内側の側面及び前記基部の側面のいずれか一方には、前記第2方向に延びるレールが設けられ、前記可動部の内側の側面及び前記基部の側面の他方には、前記レールにスライド自在に係合する係合部が設けられていることが好ましい。
【0022】
この場合には、可動部を第2方向にスライドさせることができる。また、レールは、可動部の内側面及び基部の側面の一方に設けられているため,可動部をスライドさせたり基部を開けたりしたときでもレールが外観視されず、見栄えがよい。
【0023】
前記リンク機構は、前記第1方向に延びるヒンジを設けており、該ヒンジの前記第1方向の一端部は、前記ボックス本体に回動自在に支持され且つ前記基部に係脱可能に支持されており、該ヒンジの前記第1方向の他端側は、前記基部に回動自在に支持され且つ前記ボックス本体に係脱可能に支持されていることが好ましい。
【0024】
この場合、ヒンジの第1方向の一端部を基部から脱離させると、ヒンジはボックス本体に固定された状態で、基部の一端部が揺動可能となり、蓋部材の第1方向の一端側を開けることができる。ヒンジの第1方向の他端部をボックス本体から脱離させると、ヒンジ及び基部の第1方向の他端部がボックス本体に対して揺動可能となり、蓋部材の第1方向の他端部を開けることができる。従って、蓋部材の第1方向の一端側及び他端側を開閉することができる。
【0025】
さらに、前記蓋部材の前記第1方向の一端側及び他端側が開くように前記リンク機構を作動させる操作部を設けており、前記基部の該一端側を開かせる該操作部は、前記蓋部材又は前記ボックス本体の前記第1方向の一端側に配置され、前記基部の該他端側を開かせる該操作部は、前記蓋部材又は前記ボックス本体の前記第1方向の他端側に配置されていることが好ましい。
【0026】
この場合には、蓋部材の第1方向の一端側を作動させる操作部と他端側を作動させる操作部が、蓋部材の一端側及び他端側のうち操作させたい側に配置されているため、操作ミスを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の両開き収納ボックスによれば、基部を第1方向の一端側及び他端側から開閉するリンク機構を備えているとともに、基部の上には第2方向にスライド可能な可動部を備えている。このため、第1方向の一端側及び他端側からだけでなく、第2方向からも蓋部材を開口させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る両開き収納ボックスの閉止状態を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る、蓋部材の左側が開いた状態を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A矢視断面図である。
【図4】実施形態に係る、両開き収納ボックスの分解斜視図である。
【図5】実施形態に係る、右操作部、左操作部、ストッパー機構、リンク機構を示す平面図である。
【図6】実施形態に係る、前方側のリンク機構の右側部分を示す平面図である。
【図7】実施形態に係る、前方側のリンク機構の左側部分を示す平面図である。
【図8】実施形態に係る、右開保持機構の作動説明図である。
【図9】図1のB−B矢視断面図である。
【図10】実施形態に係る、蓋部材の右側が開いた状態を示す斜視図である。
【図11】実施形態に係る、右操作部を作動させた時の、右操作部、左操作部、リンク機構及びストッパー機構を示す平面図である。
【図12】実施形態に係る、左操作部を作動させた時の、右操作部、左操作部、リンク機構及びストッパー機構を示す平面図である。
【図13】実施形態に係る、可動部を後方側にスライドさせたときの両開き収納ボックスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態について図面を用いて具体的に説明する。図1及びそれ以後の図面において、前、後、右、左、上、下は、車両の運転席に着座した乗員からみた方向である。図1、図2に示すように、本実施形態に係る両開き収納ボックス10は、車両のセンターコンソール11に装着される。両開き収納ボックス10は、ボックス本体1と、ボックス本体1の上部に配置された蓋部材2とを有する。
【0030】
図2に示すように、ボックス本体1は、略直方体形状をなし、内部には直方体形状の収容部12が形成されている。収容部12の前部には、トレイ14が配設されている。トレイ14を収容部12に配設することで、収容部12は、トレイ14の内部に形成される小収容空間12aと、トレイ14の配設部分以外の部分に形成される大収容空間12bとに区画される。
【0031】
トレイ14は、収容部12の側壁に形成された段部12cに着脱可能に係止されている。段部12cは、収容部12の側壁に前後方向に延びている。図3に示すように、段部12cの前部12dにトレイ14を係止すると、トレイ14は安定に保持される。トレイ14を後方側に押すと、段部12cの後部12eにスライドする。
【0032】
図4,図5に示すように、ボックス本体1は、収容部12よりも前方側及び後方側に、ヒンジ支持部15が突設されている。ヒンジ支持部15は、左右方向に延びており、その右端部にはボス部15aが収容部12側に向けて突設されている。ヒンジ支持部15の左端部には係合穴15bが形成されている。
【0033】
ボックス本体1の収容部12よりも前方に設けられたヒンジ支持部15は、収容部12よりも後方に設けられたヒンジ支持部15とは異なって、支持本体16と本体カバー17とから構成されている。本体カバー17は、支持本体16に嵌合されて一体をなしている。図3に示すように、支持本体16は、その底部でボックス本体1にネジ16fで締結固定されている。
【0034】
図4に示すように、ボックス本体1の収容部12よりも後方に設けられたヒンジ支持部15は、ボックス本体1と一体に成形された部分である。
【0035】
図3に示すように、蓋部材2は、収容部12を覆う基部3と、基部3を覆う可動部4とから構成されている。基部3は、前後方向に長い長方形状をなす。可動部4は、平面形状が基部3とほぼ同じであり、表面部材41と、裏面部材42とから構成されている。表面部材41と裏面部材42とが互いに嵌合されることにより、一体の可動部4を形成している。可動部4は、外部に表出してアームレストとなり得る位置に配置される。
【0036】
図4に示すように、基部3は、本体部31と、本体部31を覆うカバー32とから構成されている。カバー32の裏面から突設された突部32iを、本体部31に突設されたボス孔31iに嵌合されることにより、カバー32は本体部31に一体に固定されている。本体部31とカバー32との間には、後述する部品を収容する空間が形成されている。また、本体部31及びカバー32には、これらの前部の同一平面位置に、連通穴31h、32hが形成されている。連通穴31h、32hは、トレイ14と同じ平面形状をもち、トレイ14に連通する。連通穴31h、32hは、人の手が十分に挿入できる程度の大きさをもち、例えば、左右方向の幅が15cm、前後方向の幅が10cm程度である。
【0037】
図4,図5に示すように、基部3の本体部31には、右操作部5aと左操作部5bが設けられている。右操作部5a、左操作部5bは、それぞれ本体部31の右側、左側に配置されている。右操作部5aと左操作部5bは、左右対称構造をもつため、右操作部5aを代表して説明する。
【0038】
右操作部5aは、基部3の右側に配置されており、操作ボタン51と、操作ボタン51の前後に配置された伝達部材52,53とを有する。操作ボタン51は、基部3の比較的前側に配置されている。操作ボタン51は、基部3の本体部31の右側の側面に形成された開口31cに進退可能に収容されている。操作ボタン51の内側には、バネ56が収容されており、操作ボタン51を左右方向外側に押し出す方向に付勢している。
【0039】
操作ボタン51の上壁には、長穴51a、51bが形成されている。長穴51a、51bは、左右方向内側に対して前後方向外側に傾斜している。長穴51a、51bには、伝達部材52,53の底部に突設された係合突部52a、53aが移動可能に係合している。長穴51a、51bは、操作ボタン51が左右方向内側に押し込まれると前後方向外側へ伝達部材52、53を互いに引き離す方向に伝達部材52、53の移動をガイドする。伝達部材52、53の先端には、軸部52b、53bが設けられている。軸部52b、53bは、基部3の本体部31の前面及び後面に形成された孔部31a、31bから突出している。
【0040】
基部3の本体部31の内部には、右操作部5aと左操作部5bとが同時に作動することを規制するストッパー機構50が設けられている。ストッパー機構50は、規制部材54と、スプリング55とから構成されている。規制部材54は、長尺板形状をなし、ガイド穴54a、54bと、収容孔54hとを有する。ガイド穴54aは、規制部材54の右端部に形成されている。右操作部5aの後方側の伝達部材53には、その前後方向の略中央部に係合部53cが突設されている。この係合部53cはガイド穴54aに移動可能に係合されている。また、ガイド穴54bは、規制部材54の左端部に形成されている。左操作部5bの後方側の伝達部材53の前後方向の略中央部には、係合部53cが突設されている。この係合部53cはガイド穴54bに移動可能に係合されている。
【0041】
スプリング55は、コイル状に巻回されて巻芯方向に弾性力を発揮するバネ部55a、55bと、バネ部55a、55bを連結する連結部55cとからなる。スプリング55は、規制部材54の中央部に形成された収容孔54hの中に収容されている。収容孔54hには、その両端部から内側に向けて、スプリング55のバネ部55a、55bの端部を保持するバネ座54d、54eが突出している。規制部材54よりも下方には、基部3の本体部31に突設された保持壁34が位置している。保持壁34は、スプリング55のバネ部55a、55bを保持するバネ保持部34a、34bと、スプリング55の連結部55cを保持する連結部保持部34cとを有する。
【0042】
基部3の前部とボックス本体1の前部との間、及び基部3の後部とボックス本体1の後部との間には、リンク機構7a、7bが設けられている。
【0043】
基部3の前部とボックス本体1の前部との間に設けられたリンク機構7aは、左右方向に延びるヒンジ71を設けている。図6は、リンク機構7aの右側部分の要部拡大平面図であり、図7は、リンク機構7aの左側部分の要部拡大平面図である。図6,図7に示すように、ヒンジ71の右端部には支持穴71aが形成されており、ヒンジ71の左端部には回動穴71bが形成されている。図6に示すように、支持穴71aには、ボックス本体1のヒンジ支持部15のボス部15aが回動自在に嵌合されている。ボス部15aの中の小孔15cには、右操作部5aの伝達部材52の軸部52bが進退可能に嵌入されている。図7に示すように、回動穴71bには、左操作部5bの伝達部材52の軸部52bが回動自在に挿通されている。軸部52bは、ヒンジ71の回動穴71bを突き抜けて、ヒンジ支持部15の係合穴15bに進退可能に且つ回動可能に係合されている。
【0044】
図5に示すように、基部3の後部とボックス本体1の後部との間に設けられたリンク機構7bは、基部3の前部とボックス本体1の前部との間に設けられたリンク機構7aと、互いに前後対称構造をとる。
【0045】
図4に示すように、基部3の後部に設けられたリンク機構7bのヒンジ71は、1部品として成形された部品であり、ヒンジ支持部15はボックス本体1に一体に成形されたものである。これに対して、基部3の前部に設けられたリンク機構7aのヒンジ71は、ヒンジ本体部72とヒンジカバー73とからなる。ヒンジ本体部72とヒンジカバー73は、それらの周縁部で嵌合されることにより一体化されている。
【0046】
図4、図8に示すように、ヒンジ本体部72とヒンジカバー73との間には、基部3の右側が開いたときに開いた状態を保持する右開保持機構77が設けられている。右開保持機構77は、長孔74と、突起部33と、バネ76とからなる。長孔74は、ヒンジ本体部72の左端部側に、回動穴71bを中心とする扇状に形成されている。長孔74には、基部3の本体部31の前面から突出した突起部33が移動可能に係合している。突起部33は、基部3が閉状態のときには、長孔74の下端に位置し、基部3の右側が全開状態のときには長孔74の上端に位置する。また、ヒンジ本体部72の長孔74よりも左右方向中央側には、係止突部75が突設されている。長孔74に係合している突起部33の先端と、係止突部75とには、バネ76が自由状態から引き延ばされた状態で係止されている。
【0047】
また、図3,図4に示すように、ボックス本体1の収容部12よりも前方に設けられたヒンジ支持部15は、収容部12よりも後方に設けられたヒンジ支持部15とは異なって、支持本体部16と支持カバー17とから構成されている。支持本体部16と支持カバー17は、それらの周縁部で互いに嵌合されることにより一体化されている。そして支持本体部16に形成されたネジ孔16eに、ボックス本体1の前部に形成された孔1eを突き抜けたネジ16fが螺合することで、ボックス本体1に一体に固定されている。
【0048】
支持本体部16と支持カバー17との間には、基部3の左側が開いたときに基部3の開いた状態を保持する左開保持機構19が設けられている。左開保持機構19は、長孔15dと、突起部78と、バネ18とから構成されている。長孔15dは、支持本体16の右端部側にボス部15aを中心とする扇状に形成されている。長孔15dには、ヒンジ71のヒンジ本体部72から突出した突起部78が移動可能に係合している。突起部78は、基部3が閉状態のときには、長孔15dの下端に位置し、基部3の左側が全開状態のときには長孔15dの上端に位置する。また、ヒンジ支持部15の長孔15dよりも左右方向内側には、係止突部15eが突設されている。長孔74に係合している突起部78と係止突部15eとには、バネ18が自由状態よりも引き延ばされた状態で係止されている。
【0049】
図4、図9に示すように、基部3の側面の後部には、スライド部材35がネジで固定されている。スライド部材35は、前後方向に延びる長尺状である。スライド部材35の幅方向(上下方向)の両端部は、屈曲されてフランジ部35aを形成している。スライド部材35は、可動部4に固定されたレール47にスライド自在に係合している。可動部4は、基部3の上面及び左側、右側及び後ろ側の側面を覆う。可動部4の内側の左右側面は、基部3の外側の左右側面と対向している。可動部4の内側の左右側面には、レール47が固定されている。レール47は、可動部4の前端部から後端部までに渡って前後方向に延びている。レール47の幅方向(上下方向)の両端部は屈曲されてフランジ部47aを形成している。このレール47のフランジ部47aは、スライド部材35のフランジ部35aと前後方向にスライド自在に係合している。
【0050】
図3,図4に示すように、可動部4の前端部には、スライドロック機構6が下側に向けて突設されている。スライドロック機構6は、固定部材61と、操作部材62と、ロック部材63と、バネ64、66とを有する。固定部材61は、その両端部に設けられた固定部61aで、可動部4の前端部にネジで固定されている。固定部材61は、ロック部材63及びバネ64を収容する収容部61bを設けている。収容部61bは、箱形状をなし、底部が開口している。収容部61bの左右側面にはスリット61cが形成されている。スリット61cには、ロック部材63に挿通されたピン65が係入している。ピン65は、上下方向に延びるスリット61cの中を移動可能である。このため、ロック部材63はバネ収容部61bの内部で上下移動可能である。収容部61bの上壁内面とロック部材63の上面との間には、バネ64が配設されている。バネ64は、ロック部材63を下方向に付勢している。
【0051】
収容部61bの前方には、操作部材62が配設されている。操作部材62の後部には、後面から前方側に窪むバネ室62aが形成されている。収容部61bの前面と操作部材62のバネ室62aとの間には、バネ66が収容されている。バネ66は、操作部材62を前方側に押出す方向に付勢している。バネ室62aの左右両側面には、三角形状のリンク穴62bが形成されている。
【0052】
また、操作部材62の外周側面には、前後方向にスリット62cが形成されている。スリット62cには、固定部材61の固定部61aの内側面に形成された突起部61dを前後方向に移動可能に係合している。
【0053】
ロック部材63の下端部は、収容部61bから突出している。基部3の本体部31には、ロック部材63の下端部を係止する第1規制部31d及び第2規制部31eが設けられている。
【0054】
可動部4が全閉の位置にあるときには、スライドロック機構6は、前側のヒンジ支持部15、ヒンジ71、及び基部3の上部に位置する。可動部4が全閉位置から最大限移動したときには、スライドロック機構6は、基部3の連通孔31h、32hよりも後方側に位置する。このようなスライドロック機構6の移動可能範囲での移動を妨げないように、前方側のヒンジ支持部15の上部、前方側のヒンジ71の上部、基部3のカバー32の前端部から連通孔32hよりも後方側の部分までの間は、凹部15k、71k、32kが形成されている。凹部15k、71k、32kの形状は、スライドロック機構6の外形をなす固定部材61の形状とほぼ対応している。
【0055】
基部3の本体部31の後部には、コンストンバネ81と、ダンパ82とが設けられている。コンストンバネ81の内端は、軸部81aに係止されている。軸部81aには、軸ピン83が挿通されている。軸ピン83の両端部が基部3の本体部31から突設された一対の保持部31fに係止されることによって、コンストンバネ81が基部3に取り付けられている。軸部81aの周囲にコンストンバネ81が巻回されている。コンストンバネ81の外端に形成された係止孔81bは、可動部4の後ろ側に形成された突出部4aに係止されている。このコンストンバネ81によって、可動部4は、基部3に対して常に前方側に付勢されている。
【0056】
ダンパ82は、基部3の本体部31から突設されたリブ状の台座31gにネジで固定されている。ダンパ82は、オイル室内で回転可能に軸支されたギア82aを有する。オイルの粘性抵抗によりギア82aの回転速度を低下させる。ギヤ82aは、可動部4の内面に前後方向に延びるラック4bに噛合している。可動部4が前後方向にスライドすると、ギヤ82aが回転される。ギヤ82aは、オイルの粘性抵抗によって回転速度が抑えられる。これにより、可動部4は、ダンパ82から移動抵抗を受けながら移動速度を抑えて緩やかにスライドする。
【0057】
基部3の本体部31はカバー32により被覆される。カバー32には、本体部31に設けた第1、第2規制部31d、31eに対応する位置に、それぞれ穴32d、32eが形成されている。また、カバー32には、本体部31に設けたコンストンバネ81及びダンパ82の移動可能範囲に対向する位置に、1つの比較的大きな穴32fが形成されている。
【0058】
本実施形態に係る両開き収納ボックスの作動について説明する。まず、図9,図10、図11に示すように、蓋部材2の右側を開くに当たっては、右操作部5aの操作ボタン51を押し込む。図11に示すように、操作ボタン51に形成された長穴51a、51bには、伝達部材52、53の係合突部52a、53aが係合している。係合突部52a、53aは、長穴51a、51bの左右方向内端(初期位置)から左右方向外端(開時位置)に移動する。これによって、伝達部材52,53は、前後方向内側に移動される。
【0059】
伝達部材52,53の先端に設けられた軸部52b、53bは、前後方向内側に引き込まれて、支持穴71aに嵌合されているボス部15aの孔から抜け出る。したがって、支持穴71aをもつヒンジ71はボス部15aをもつヒンジ支持部15と一体になり、基部3の右側が揺動可能になる。一方、左操作部5bの軸部52b、53bは、ヒンジ71の回動穴71b及びヒンジ支持部15の係合穴15bに嵌合されている。このため、基部3の左側及びヒンジ71の左側は、ヒンジ支持部15に保持された状態を維持する。図9、図10に示すように、この状態で、蓋部材2の右側を上方に押し上げると、ヒンジ71は、ヒンジ支持部15に固定されて、蓋部材2の右側のみが上方に揺動する。
【0060】
図8に示すように、蓋部材2の右側を上方に最大限持ち上げると、基部3よりも前方側のヒンジ71に設けられた右開保持機構77によって、蓋部材2が開状態に維持される。即ち、基部3から突出した突起部33は、ヒンジ71のヒンジ本体部72に形成された長孔74に移動可能に嵌合されている。突起部33は、長孔74の下端(初期位置)から上端(右全開時位置)まで移動する。長孔74の上端と係止突部75との間の距離L1は、長孔74の下端と係止突部75との間の距離L2よりも短い(L1<L2)。よって、長孔74に係合された突起部33と、係止突部75とに係止されているバネ76の付勢力によって、突起部33は、長孔74の上端に保持される。
【0061】
次に、図2,図12に示すように、蓋部材2の左側を開くに当たっては、左操作部5bの操作ボタン51を押し込む。図12に示すように、伝達部材52、53の係合突部52a、53aは、操作ボタン51に形成された長穴51a、51bの左右方向内端(初期位置)から左右方向外端に相対移動される。これによって、伝達部材52,53は、前後方向内側に移動される。伝達部材52,53の先端に設けられた軸部52b、53bは、ヒンジ支持部15の係合穴15bから抜け出るが、ヒンジ71の回動穴71bに挿通された状態を維持している。したがって、軸部52b、53bを中心にして、ヒンジ71は、基部3と一体に保持され、ヒンジ支持部15に対して相対変位可能となる。
【0062】
一方、ヒンジ支持部15の右側端部に形成されたボス部15aは、ヒンジ71の支持穴71aに嵌合されており、支持穴71aに嵌合されたボス部15aの内部には、右操作部5aの軸部52b、53bが嵌入されている。このため、基部3の右側及びヒンジ71の右側は、ヒンジ支持部15に保持される。この状態で、蓋部材2の左側を上方に押し上げると、ヒンジ71及び蓋部材2は一体となって、ヒンジ71及び蓋部材2の左側が、右操作部5aの軸部52b、53bを中心として、上方に揺動する。
【0063】
図2、図4に示すように、蓋部材2の左側を上方に最大限持ち上げると、基部3よりも前方側のヒンジ支持部15に設けられた左開保持機構19によって、蓋部材2が開状態に維持される。即ち、基部3から突出した突起部78は、ヒンジ支持部15の支持本体16に形成された長孔15dに移動可能に嵌合されている。突起部78は、長孔15dの下端(初期位置)から上端(左全開時位置)まで移動する。長孔15dの上端と係止突部15eとの間の距離L3は、長孔15dの下端と係止突部15eとの間の距離L4よりも短い(L3<L4)。よって、長孔15dに係合された突起部78と、係止突部15eとに係止されているバネ18の付勢力によって、突起部78は、長孔15dの上端に保持される。
【0064】
次に、ストッパー機構50の作動について説明する。図5に示すように、右操作部5a及び左操作部5bを操作していない初期の段階では、右操作部5a及び左操作部5bの伝達部材53の係合部53cは、ガイド穴54b、54cの中央部に位置する。ガイド穴54b、54cは、この係合部53cの初期位置に対して左右方向外側に向かって前方側に傾斜した傾斜部54fと、係合部53cの初期位置に対して左右方向内側に延びる規制部54gとをもつ。
【0065】
図11に示すように、右操作部5aの操作ボタン51を押すことにより、伝達部材53の係合部53cが、初期位置から引き込み方向、即ち前方方向に移動する。係合部53cは、ガイド穴54bの傾斜部54fを前方側に移動する。これに伴い、係合部53cに対して規制部材54が左方向に移動する。そして、左操作部5bの伝達部材53に対して、規制部材54が左側に移動して、伝達部材53の係合部53cが、規制部材54の左側のガイド穴54cの規制部54gに相対移動する。規制部54gは、伝達部材53の移動方向に対して直交する方向に延びているため,左側のガイド穴54cの規制部54gに係合部53cが移動することで、左操作部5bの伝達部材53の移動が規制される。伝達部材53の移動が規制されると、左操作部5bの操作ボタン51に係合している前方側の伝達部材52の移動も規制される。このとき、収容孔54hの右端部に設けられたバネ座54dと保持壁34の中央に設けられた連結部保持部34cとの間の間隔が短くなり、スプリング55の右側のバネ部55aが圧縮される。
【0066】
右操作部5aの操作ボタン51の押し込み力を解除すると、バネ56の付勢力によって操作ボタン51が初期位置に戻る。操作ボタン51の長穴51a、51bに係合突部52a、53aがガイドされて、伝達部材52,53も初期位置に戻る。また、規制部材54も、圧縮されたスプリング55の弾発力によって、初期位置に戻る。
【0067】
図12に示すように、左操作部5bの操作ボタン51を押した場合にも、右操作部5aを作動させたときと同様の原理によって、右操作部5aと対称方向、即ち右側に規制部材54が移動する。これにより、規制部材54の右側に形成したガイド穴54aの規制部54gに、右操作部5aの伝達部材53の係合部53cが嵌合して、伝達部材52,53の作動が規制される。
【0068】
次に、可動部4の作動を説明する。図13に示すように、可動部4を基部3の全体を覆う初期位置から後方側にスライドさせるに当たっては、スライドロック機構6の操作部材62を押し込む。図3,図4に示すように、ロック部材63に挿通されているピン65が、操作部材62のバネ室62aの側面に形成されたリンク穴62bにガイドされて、スリット61cの中を上方に移動する。ロック部材63は、基部3の前部に形成された第1規制部31dから抜け出る。これにより、スライドロック機構6を設けた可動部4は、基部3に対してスライド可能となる。可動部4を後方側に押すことで、可動部4のレール47が、基部3のスライド部材35に対して後方側にスライドする。可動部4は、基部3に対して後方側にスライドされて、基部3に形成された連通穴31h、32h及びトレイ14が開口する。可動部4を後方側にスライドさせると、可動部4に先端が固定されたコンストンバネ81が引き出される。
【0069】
図13、図4に示すように、連通穴31h、32h及びトレイ14が全開したときに、可動部4のレール47の前端部が、基部3のスライド部材35の前端部まで移動して停止する。可動部4は、スライド部材35の長さ分だけ移動できる。スライド部材35の長さが、可動部4の基部3に対する最大移動可能位置である。操作部材62の押し込み力を解除すると、操作部材62は、後部のバネ66によって前方に戻る。ロック部材63は上方のバネ64によって下方に移動される。ロック部材63は、基部3の第2規制部31eに嵌合する。これにより、可動部4のスライドが規制される。
【0070】
可動部4を後方側の最大スライド位置(図13)から前方側の初期位置(図1)に戻すときには、操作部材62を押し込むと、ロック部材63が第2規制部31eから抜け出る。すると、コンストンバネ81の巻き戻り力によって、可動部4が前方側にスライドする。可動部4が初期位置に戻ったときに、操作部材62の押し込み力を解除すると、ロック部材63が下方に移動して第1規制部31dに嵌合する。
【0071】
本実施形態においては、リンク機構7a、7bにより、ボックス本体1に対して蓋部材2の右側及び左側を揺動させることができる。また、蓋部材2の可動部4は、基部3に対して前後方向にスライドすることができる。従って、ボックス本体1の収容部12を、右側及び左側からだけでなく、前後方向からも開口させることができる。
【0072】
また、リンク機構7a、7bは、基部3の前部及び後部とボックス本体1の両端部との間にそれぞれ設けられている。このため、蓋部材2は、前後方向の両端部でボックス本体1の両端部に支持されることになり、蓋部材2がボックス本体1に対して安定に支持される。
【0073】
また、両開き収納ボックス10を車両のセンターコンソール11に装着している。両開き収納ボックス10は、可動部4の上面をアームレストとして用いることができる。可動部4を前後方向にスライドさせることによって、可動部4を乗員の体格に適合する位置に調整することができる。
【0074】
可動部4は、可動部4のスライドを、トレイ14が全閉する位置と全開する位置とで規制又は規制の解除をするスライドロック機構6を備えている。このため、2つの位置で可動部4が安定に固定される。また、基部3のカバー32、前方側のヒンジ71及びヒンジ支持部15には、スライドロック機構6を収容する凹部32k、71k、15kが形成されている。このため,可動部4及び基部3の全体厚みを薄くすることができる。それゆえ、両開き収納ボックス10全体の高さが同じで基部3に凹部31jを設けない場合に比べて、収容部12の深さを大きくすることができ、上下方向のスペースを有効に利用することができる。
【0075】
また、収容部12の前部には、トレイ14が配設されている。可動部4が後方側にスライドしたときには、トレイ14が開口する。基部3と可動部4とから構成されている蓋部材2の右側又は左側をあけると、収容部12の全体が開口する。このように、蓋部材2を右側又は左側から開口させる場合と、前後方向で開口させる場合とで、収容部12とトレイ14とで使い分けることができる。また、トレイ14は、収容部12の段部12cの後部12eに移動させることで、可動部4を後方側にスライドさせたときに、収容部12のトレイ14以外の広い収容空間が開口する。また、トレイ14を取り除くことで、収容部12全体を1空間として利用することができる。
【0076】
また、トレイ14は、比較的薄く、携帯電話、携帯デジタル音楽プレーヤーなどの小型機器を収容するのに適している。これらの小型機器は、収容部12の中の大収容空間12bの中に収容するよりも、薄くて狭いトレイ14の中の小収容空間12aに収容することで、取り出しやすく、また操作もしやすい。また、トレイ14は、揺動する蓋部材2ではなく、車両に固定されているボックス本体1に配設されている。このため、蓋部材2の基部3の中にトレイ14を配設するのとは異なって、収容物がトレイ14の中で転動したり乱れたりするおそれはない。
【0077】
蓋部材2の右側を作動させる右操作部5aと左側を作動させる左操作部5bが、蓋部材2の右側及び左側に配置されている。蓋部材2の右側を開けるときには、右操作部5aの操作ボタン51を押し、左を開けるときには左操作部5bの操作ボタン51を押す。このため、蓋部材2の右側と左側とを開口させるための操作のミスを防ぐことができる。
【0078】
本実施形態に係る両開き収納ボックス10は、収容部12よりも前方側及び後方側に設けたリンク機構7a、7bにより左側又は右側のいずれにも蓋部材2を開閉させている。リンク機構7a、7bは、ヒンジ71と、ボックス本体1に固定されたヒンジ支持部14を備えたものであればよく、例えば、本願明細書の背景技術で挙げた特許文献1,2に示された方式のリンク機構でもよい。
【0079】
本実施形態においては、可動部4が、基部3を全閉する位置に対して後方側にスライド可能に支持されているが、基部3を全閉する位置よりも前方側にスライド可能に支持されていてもよい。また、可動部4は、基部3を全閉する位置に対して前方側及び後方側の双方にスライド可能に支持されていてもよい。
【0080】
本実施形態においては、可動部4の内面にレール47を設け、基部3の後部側にスライド長さ分の長さをもつレール状のスライド部35を設けている。このため、可動部4がスライドしたときでも、レール47やスライド部35が外観視されず、見栄えがよい。もっとも、レール47を基部3の側面に設け、可動部4のスライド分の長さをもつスライド部35を可動部4に設けてもよい。また、レール状のスライド部35に換えて、レール47上を回転自在に転動する回転輪を設けてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1:ボックス本体、2:蓋部材、3:基部、4:可動部、5a:右操作部、5b:左操作部、6:スライドロック機構,7a、7b:リンク機構、10:両開き収納ボックス、11:センターコンソール、12:収容部、12a:小収容空間、12b:大収容空間、12c:段部、14:トレイ、15:ヒンジ支持部、15a;ボス部、15b:係合穴、15d:長孔、15e係止突部、15k、32k、71k:凹部、16:支持本体部、17;支持カバー、18:バネ、19:左開保持機構、31:本体部、31c:開口、31d:第1規制部、31e:第2規制部、31h、32h:連通穴、32:カバー、33:突起部、31a、31b:孔部、34:保持壁、35:スライド部材、47:レール、50:ストッパー機構、51:操作ボタン、51a、51b:長穴、52,53:伝達部材、52a、53a:係合突部、52b、53b:軸部、53c:係合部、54:規制部材、54a、54b:ガイド穴、54h:収容孔、55:スプリング、61:固定部材、61a:固定部、61b:収容部、61c:スリット、62:操作部材、62a:バネ室、62b:リンク穴、63:ロック部材、64,66:バネ、71:ヒンジ、71a:支持穴、71b:回動穴、77:右開保持機構、81:コンストンバネ、82:ダンパ、83:軸ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部を設けたボックス本体と、前記収容部の第1方向の一端側と他端側から開閉する蓋部材と、よりなる両開き収納ボックスにおいて、
前記蓋部材は、前記収容部を覆う基部と、該基部を覆う可動部とを有し、
前記基部の前記第1方向とは異なる第2方向の両端部と前記ボックス本体の前記第2方向の両端部との間には、それぞれ前記ボックス本体に対して前記蓋部材を前記第1方向の一端側及び他端側に揺動させるリンク機構が設けられており、
前記可動部は、前記基部に対して前記第2方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする両開き収納ボックス。
【請求項2】
前記可動部は、前記基部に対する前記可動部のスライドを規制又は規制解除するスライドロック機構を備えている請求項1記載の両開き収納ボックス。
【請求項3】
前記スライドロック機構は、前記可動部の前記第2方向の一端部側に下方に向けて突設されており、
前記基部、前記ヒンジ及び前記ヒンジ支持部には、前記可動部のスライドによって前記スライドロック機構が移動可能な範囲に配置されている部分に、前記スライドロック機構を収容する凹部が形成されている請求項2記載の両開き収納ボックス。
【請求項4】
前記収容部は、第1収容空間及び第2収容空間に区画されており、
前記第1及び第2収容空間のうちの前記第1収容空間は、前記可動部を前記第2方向にスライドさせて前記収容部の一部が開口したときに前記可動部から開口した前記収容部の一部に配置されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の両開き収納ボックス。
【請求項5】
前記第1収容空間は、前記収容部に着脱可能に配設されたトレイの内部に形成される空間であり、該トレイは、前記収容部の側壁に係止されている請求項4に記載の両開き収納ボックス。
【請求項6】
前記基部には、前記第1収容空間に連通する連通穴が形成されている請求項3又は請求項5に記載の両開き収納ボックス。
【請求項7】
前記可動部は、前記基部の上面及び側面を覆い、
前記可動部の内側の側面及前記基部の側面は、いずれも前記第2方向に平行であり、
前記可動部の内側の側面及び前記基部の側面のいずれか一方には、前記第2方向に延びるレールが設けられ、
前記可動部の内側の側面及び前記基部の側面の他方には、前記レールにスライド自在に係合する係合部が設けられている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の両開き収納ボックス。
【請求項8】
前記リンク機構は、前記第1方向に延びるヒンジを設けており、
該ヒンジの前記第1方向の一端部は、前記ボックス本体に回動自在に支持され且つ前記基部に係脱可能に支持されており、該ヒンジの前記第1方向の他端側は、前記基部に回動自在に支持され且つ前記ボックス本体に係脱可能に支持されている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の両開き収納ボックス。
【請求項9】
さらに、前記蓋部材の前記第1方向の一端側及び他端側が開くように前記リンク機構を作動させる操作部を設けており、
前記基部の該一端側を開かせる該操作部は、前記蓋部材又は前記ボックス本体の前記第1方向の一端側に配置され、
前記基部の該他端側を開かせる該操作部は、前記蓋部材又は前記ボックス本体の前記第1方向の他端側に配置されている請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の両開き収納ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−235123(P2010−235123A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82030(P2009−82030)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】