説明

並列記録能力を有するマルチネットワーク神経細胞分析プラットフォーム

交互に並んでいる記録ウェルおよび増幅ウェルの列を有する、神経回路網解析プレート。各記録ウェルは、神経細胞回路網、およびニューロンからの活動電位信号を記録するための一連の電極を含む。各電極は、隣接する増幅ウェル内の増幅器に接続されている。これらの増幅器は近接していることが理想である。というのも、それにより、複数の異なる活動神経細胞回路網からの活動電位信号を並列に非多重化して記録することが可能になるからである。次いで、増幅ウェル内の各増幅器は、外部の増幅装置に接続することができる。神経回路網解析プレートは、市販されている単一の24または96ウェル・プレート内に収容してもよい。神経回路網解析プレートは、生体外で、1つまたは複数の作用物質に対する神経細胞の薬理反応および毒性反応を検出し定量化するのに使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年9月18日出願の「Multinetwork Nerve Cell Assay Platform With Parallel Recording Capability」と題する、米国特許仮出願第60/845,399号の優先権を主張し、その内容全体を参考として本明細書に援用する。
【0002】
米国政府は、DARPAからの認可番号N66001−00−C−8024(SPAWAR/ONR)に基づいて、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、神経回路網に関し、詳細には、活動電位信号を完全に並列に非多重化して記録することができる、マルチネットワークのマルチ電極分析装置に関する。
【背景技術】
【0004】
過去10年間で、薬理学的研究プラットフォームとしての初代神経細胞培養(primary neuronal cell cultures)の妥当性検証において、多くの重要な進展があった。培養下の回路網は自発的に活動し、それらの環境の物理的および化学的/薬理学的な変動に応答して、予測可能および再生可能な形で変化する活動電位(AP)のパターンを生成する。こうした回路網を、基板集積微小電極のアレイ上に成長させることにより(Grossら1977年、Gross、1994年)、各電極との密接な接触を実現することができ、高い信号対雑音比、長期安定性、および数カ月の稼働寿命が可能になる。すべてのデータ分析は、単一のニューロンではなく神経細胞グループに基づくので、こうした回路網内の多くの神経細胞を監視することにより、豊富な時空的パターン(spatio−temporal patterns)、微妙な部分群集応答(sup−populations responses)、および全体的な障害許容性が得られる。毒物学、薬理学、および薬剤開発の分野への現実的な適用例が出現している(Grossら1997年、Morefieldら2000年、Gramowskiら2000年、Keeferら2001年a、b、GrossおよびGopal、2006年)。
【0005】
このような回路網は、神経システムの正常機能を改変することができるどんな化合物にも応答し、触れる作用物質(agent)の演繹的知識(a−priory knowledge)(または「フィンガー・プリント」)[finger prints]を必要としないので、バイオセンサとして働くことも示されている(Grossら1997年、GrossおよびPancrazio、2006年)。このような回路網は、軍隊および国家防衛にとって興味深い「広帯域」バイオセンサを意味する。独立型の自動化されたセンサ端末のプロトタイプが、海軍研究試験所(DARPA Activities Detection Programの下でのNRL/UNTの共同)にはすでに存在している。複雑で自発的に活動するシステムとして、回路網はまた、パターンの生成、処理、および記憶の謎を具体化し、それらにより情報処理の最初のステップおよび方策を実施する。
【0006】
次に、2つの別々の回路網(それぞれ32個の電極)から同時に記録するための2つの回路網アレイが、選ばれた施設で日常的に使用される。しかし、この手法は、回路網の変化のパターン(dynamics)の効率的な探求および用途に必要となるものからは依然として遠い。培養間の再現性(interculture repeatability)、多剤および順次濃縮用途の統計的な評価、ならびに毒性応答の時間的進展の統計的な評価は、現在の産業上の要求および研究上の要求に対してさえ、時間がかかり、はるかに遅い。
【発明の要約】
【0007】
薬剤開発および毒性アセスメントに関連して、時間的および財務的に重荷となっている主要なものは、神経刺激性/神経毒性の応答についての迅速で定量的なデータを提供するための、生化学者と動物実験または人体実験との間に位置する生理分析プラットフォームの欠落である。当技術分野において欠けているものは、薬理反応および毒性反応を判定するための、(何百もの神経細胞からの活動電位を同時記録することによって提供される)複雑で感応性の高い神経生理学的な回路網の変化のパターンを使用するプラットフォームである。自動化されたロボット・システムにおいて多くの回路網を並列に使用することにより、これらの領域での研究を大幅に加速し、現在の試験手順および評価手順に必要な動物の数を劇的に低減させることになる、化合物を非常に効率的にスクリーニングする方法を開発することが、非常に望ましいはずである。1匹(通常は10〜12匹)の妊娠しているマウスの胚からの中枢神経系の組織により、1000を超える回路網の接種を可能にする細胞プールを生成することができる。このことは、組織利用において非常に効率がよいことを意味する。
【0008】
本発明は、一般に神経回路網の分野に関する。具体的には、本発明は、細胞培養および記録回路用の交互に並んでいるカラム(column)を有する、マルチネットワークのマルチウェル分析プレート(multiwell assay plates)に関する。これらの分析プレートにより、数多くの活動神経細胞回路網からの活動電位信号を同時に、並列に非多重化して記録することが可能になる。
【0009】
一般に、本発明は、非常に感度の高い神経生理学的回路網の変化のパターンを利用して、生体外で様々な薬理反応および毒性反応を検出し定量化する装置を提供する。マルチウェル・マルチ電極の分析装置は、プレート毎に最低限少なくとも2つの別々の神経回路網を有し、これらの回路網にはそれぞれ、回路網の活動パターンにおける大きな変化を統計的に説明できるようにするのに十分な、いくつかの微小電極が設けられている。回路網のサイズに応じて、この数は、10から数百の範囲にわたることがある。例として、直径3mmの平面の回路網は、32個の微小電極で効果的に監視することができる。2つ以上の複数のこうした回路網は、ロボットが扱えるように、所与のシステム内に縦列に、並列に、または直列に配置してもよい。1つまたは複数の記録端末は、好ましくは、数多くの回路網を薬剤にさらす前とさらしている間に、それら回路網から同時に記録することを可能にする、ロボット液体ハンドリング・システムの試料プラットフォーム内に含まれてもよい。
【0010】
各微小電極で集められた信号はまず、「挿入」VSLIまたは小型化された前置増幅器に送られる。前置増幅器または第1段の前置増幅回路は、電極に近いほどよい。これにより、雑音が低減し、マイクロボルトの記録に最適である。実施形態によっては、マルチネットワーク・プレートの片側または両側に前置増幅器を追加して、細胞外で各電極から記録された活動電位データを得ることができる。本発明では、VLSI演算増幅器に結合された、試験済みかつ証明済みの受動薄膜微小電極のリードを利用する。他のソリューションでは、動作することが証明されておらず、操作手順に固有のデータ喪失の原因となる、不連続なレーザ走査法を使用する。
【0011】
本発明は、単一の分析プレート内で、細胞培養ならびに記録回路および増幅回路用の交互に並んでいるウェルのカラムを利用するので、特に有利である。培養された細胞を含むプレート内のウェルの各カラムは、それぞれの記録回路を含むウェルのカラムのすぐ近くに隣接している。したがって、前置増幅器回路は、各記録電極から10〜20mmの範囲内にある。工業標準化された24または96ウェル・プレート(well plate)を使用することは、48個までの活動神経細胞回路網から並列に非多重化して記録することを可能にするので、理想的である。このことはまた、これらのプレートを得ることが容易なので、好都合である。所望のどんな数の神経細胞回路網についても、標準化されたどんなウェル・プレートも使用することができる。ガラス・プレートおよび透明なインジウム・スズ酸化物(「ITO」)導体を使用することにより、位相差顕微鏡法を用い、蛍光技術を使用して、回路網の健康状態を光学的に評価することも可能になる。受動導体を有するが、プレート上に集積増幅回路を有しないガラス・プレートを使用することにより、製造コストが劇的に低減し、高圧蒸気殺菌法による殺菌が可能になる。この方法は、本質的に、成熟神経細胞回路網(細胞を最初に接種した後3〜4週間で得られる)を必要とする。したがって、こうした多くのマルチアレイ・プレートは、日常的な分析および解析のための回路網を連続的に供給するために使用しなければならない。これらのプレートを、可能な限り簡略に、厳格に、また安価に作製することが不可欠である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態である、市販の96ウェル分析プレートを利用する48回路網解析プレートの上面図である。
【図2A】増幅ウェルに隣接する記録ウェルの一実施形態の上面図である。
【図2B】増幅ウェルに隣接し、2つのウェルの間を通る相互接続線を有する記録ウェルの一実施形態の上面図である。
【図2C】「挿入」VLSI前置増幅器を有する増幅ウェルの一実施形態の側面図である。
【図3A】一実施形態である、市販の24ウェル分析プレートを利用する例示的な寸法を示した16回路網解析プレートの上面図である。
【図3B】例示的な寸法を示した回路網解析プレートの一実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、生体外で薬理反応および毒性反応を検出し定量化するのに有用な神経回路網に関する。具体的には、本発明は、適合された市販の96ウェル形式の増幅回路を有する48回路網解析プレートに関する。
【0014】
本発明の一態様は、市販の24または96ウェル分析プレートを利用する神経回路網解析プレートである。回路網解析プレートは、(a)細胞培養および記録、または(b)接続および増幅のいずれかに専用の、交互に並んでいるウェルの列を備える。例示的な96ウェル・プレートでは、細胞培養専用で各電極および記録装置を含む8個のウェルの各列は、それぞれ接続装置および増幅装置を含む8個のウェルの列のすぐ近くに隣接している。各増幅ウェル内に含まれる増幅装置は、2つのVLSI増幅器を備えることが好ましい。したがって、第1段の信号増幅は、電極記録クレータ(electrode recording crater)の8〜10mm内で行われる。8個のウェルの母線は、各増幅ウェルの上部に接触し、増幅された信号を第2段の増幅のためにコネクタまで運ぶ。
【0015】
図1では、回路網解析プレート10の一実施形態が示してある。回路網解析プレート10は、標準の96ウェル分析プレート15を利用する。回路網解析プレート10は、交互に並んでいる記録ウェル20および増幅ウェル30の列を含む。増幅ウェル30は、増幅された信号をコネクタ40に運ぶ母線35に接触している。次いで、コネクタ40は、増幅された信号を第2段の増幅装置に運ぶ。
【0016】
記録ウェル20は、生存可能な神経細胞回路網を含む。神経細胞回路網自体は、熟練した細胞培養研究室で準備して、実験で使用するために最終場所に運ぶことができる。最初に、回路網は、形態評価および電気生理学的評価を含む品質管理チェックを受けなければならない。後者の評価は、識別された活動ユニットの位置、それらの信号対雑音比、および回路網の発火パターンを含む設定ファイルを提供することになる。このファイルは、運んだ後に製品を直ちに評価するため、目的地で開くことができる。オープン・ウェル内の神経細胞回路網は、浸透圧モル濃度の維持、栄養補給、培養液交換、ならびに試験化合物の添加に関与するロボット・プラットフォームによって維持されることが好ましい。神経回路網の活動は、一連の電極によって監視される。記録ウェル20内に含まれる神経細胞回路網では、32個の電極が使用されることが好ましい。
【0017】
図2Aを参照すると、記録ウェル20が、増幅ウェル30に隣接している状態が示してある。記録ウェル20内には神経細胞回路網22があり、活動電位信号を記録するための電極とともに点在している。増幅ウェル30内には、32個の金パッド27があり、接点の役割を果たしている。図2Bを参照すると、神経細胞回路網22からの各電極を増幅ウェル30内の金パッド27のそれぞれに接続する、32ラインの相互接続線25が示してある。図2Cを参照すると、増幅ウェル30が、2つのVLSI増幅器32を有している状態が示してある。増幅ウェル30の底部にある金パッド27は、VLSI増幅器32と接触しており、次いで、VLSI増幅器32は、上部接触パッド34と接触している。次いで、上部接触パッド34は、図1に示した母線35と接触している。前述の通り、図1に示すように、母線35は、増幅された信号をコネクタ40に運び、次いで、コネクタ40は、増幅された信号を任意の好ましい第2段の増幅装置に運ぶ。
【0018】
図2に示したVLSI増幅器32は、16チャネルのVLSI増幅器であり、直径が6mmで高さが10mmの円筒形のウェルにはめ込むことができることが好ましい。
【0019】
図3Aには、構成部品間の例示的な寸法とともに、回路網解析プレート100の一代替実施形態が示してある。回路網解析プレート100は、16個の回路網プラットフォームを有する標準の24ウェル分析プレート105を利用する。回路網解析プレート100は、交互に並んでいる記録ウェル120および増幅ウェル130の列を含む。増幅ウェル130は、母線またはバス・ライン135に接触しており、これらのラインは、128チャネルであり、電力を有することが好ましい。バス・ライン135は、増幅された信号をコネクタ140に運ぶ。図3Aに示す、バス・ライン135に重ね合わされた矢印は、各信号がコネクタ140に向けて通る方向を示す。記録ウェル120は、生存可能な神経細胞回路網を含む。回路網記録領域125は、記録ウェル120の中心にあることが好ましい。1組の32枚の薄膜導体150は、回路網記録領域125内の各電極を増幅ウェル130に接続する。増幅ウェル130は、2つのアナログ前置増幅器155をそれぞれ含むように示してある。
【0020】
図3Aは、標準の24ウェル分析プレート105を利用する、回路網解析プレートの一実施形態の側面図を示している。特に記録ウェル120に関して、例示的な寸法が示してある。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態は、複数の記録列で構成されている複数の記録ウェルを備える神経回路網解析プレートである。各記録ウェルは、神経細胞回路網、およびこの神経細胞回路網からの信号を記録するための複数の電極を含む。神経回路網解析プレートはまた、複数の増幅列で構成されている複数の増幅ウェルを備える。各増幅ウェルは、各記録ウェルからの記録信号を増幅するための、1つまたは複数の増幅器を含む。これら複数の記録列および複数の増幅列は、各記録ウェルが、対応する増幅ウェルに隣接するように交互に並んでいる。神経回路網解析プレートはまた、複数の相互接続線を備える。各相互接続線は、記録ウェルの各電極を対応する増幅ウェルの各増幅器と接続する。
【0022】
さらなる好ましい実施形態では、神経回路網解析プレート内の複数の記録ウェルは、6つの記録列で構成される48個の記録ウェルを備えることができ、複数の増幅ウェルは、6つの増幅列で構成される48個の増幅ウェルを備えることができる。別法として、神経回路網解析プレートは、8個のウェルそれぞれが12列を有する標準の96ウェル・プレートの各ウェルを利用する。神経回路網解析プレートはまた、4つの記録列で構成されている16個の記録ウェル、および2つの増幅列で構成されている8個の増幅ウェルを備えることができる。この神経回路網解析プレートは、4個のウェルそれぞれが6列を有する標準の24ウェル・プレートの各ウェルを利用してもよい。さらなる好ましい実施形態では、神経回路網解析プレートは、増幅ウェル内の各増幅器と接触している複数の母線をさらに備える。母線はコネクタに接続することができ、コネクタは2次増幅装置に接続することができる。神経回路網解析プレートはまた、プレートと相互作用して、ウェル内の浸透圧モル濃度を維持し、神経細胞回路網を維持するために記録ウェル内の培養液に栄養を補給し、その培養液を交換し、任意の試験化合物を添加することができるロボット液体ハンドリング・システムをさらに備えることができる。
【0023】
さらなる好ましい実施形態は、1つまたは複数の作用物質にさらされている活動神経細胞回路網からの活動電位信号を並列に非多重化して記録するための方法である。この方法は、まず神経回路網解析プレートの一実施形態を準備するステップ、次いでこの神経回路網解析プレートの記録ウェルを作用物質にさらすステップ、および最後に神経回路網解析プレートの増幅ウェルで増幅された信号を記録するステップを含む。別法として、2次増幅装置を使用する場合、最終ステップは、この2次増幅装置で増幅された信号を記録するステップを含むことができる。作用物質は、薬剤または任意の試験化合物とすることができる。
【0024】
さらなる好ましい実施形態は、生体外で、1つまたは複数の作用物質に対する神経細胞の薬理反応および毒性反応を検出し定量化するための方法である。この方法は、まず神経回路網解析プレートの一実施形態を準備するステップ、次いでこの神経回路網解析プレートの記録ウェルを作用物質にさらすステップ、および最後に神経回路網解析プレートの増幅ウェルで増幅された信号を記録するステップを含む。別法として、2次増幅装置を使用する場合、最終ステップは、この2次増幅装置で増幅された信号を記録するステップを含むことができる。また、最終ステップは、記録された信号の解析を含むことができ、これによりユーザは、1つまたは複数の作用物質に対する神経細胞の薬理反応および毒性反応を定量化することができるようになる。様々な作用物質に対する神経細胞回路網の薬理反応および毒性反応をよりよく理解するために、記録された活動電位信号をどのように解析し比較すべきかが、当業者であれば理解されよう。作用物質は、薬剤または任意の試験化合物とすることができる。
引用文献
以下の米国特許文献および公報を参考として本明細書に援用する。
他の文献
Gramowski, Schiffmann and Gross,
"Quantification of acute neurotoxic effects of trimethyltin using neuronal
networks cultured on microelectrode arrays," NeuroToxicology, 21:331-42,
2000.
Gross and Gopal, Emerging histiotypic
properties of cultured neuronal networks. In: M. Taketani and M. Baudry
(eds) Advances in Network Electrophysiology using Multi-Electrode Arrays.
Springer, pp 193-214. 2006.
Gross and Pancrazio Neuronal Network
Biosensors. In: Smart Biosensor Technology (G. K. Knopf and A. S. Bassi,
eds), Taylor and Francis Publishers, CRC Press.pp 177-201, 2006.
Gross, Rieske, Kreutzberg and Meyer,
"A new fixed-array multimicroelectrode system designed for longterm
monitoring of extracellular single unit neuronal activity in vitro,"
Neurosci. Lett., 6:101-05, 1977.
Gross, "Internal dynamics of
randomized mammalian neuronal networks in culture," In:Enabling
Technologies for Cultured Neural Networks, Stenger and McKenna (Eds.), Academic
Press, NY, pp. 277-317, 1994.
Gross, Harsch, Rhoades and Gopel,
"Odor, drug, and toxin analysis with neuronal networks in vitro:
extracellular array recording of network responses," Biosensors and
Bioelectronics, 12:373-93, 1997.
Keefer, Gramowski and Gross, "NMDA
receptor dependent periodic oscillations in cultured spinal cord
networks," J. Neurophysiol, 86:3030-3042, 2001a.
Keefer, Gramowski, Stenger, Pancrazio and
Gross, "Characterization of acute neurotoxic effects of trimethylolpropane
phosphate via neuronal network biosensors," Biosensors and Bioelectronics
16: 513-52, 2001b.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録列で構成される複数の記録ウェルであって、各記録ウェルは、神経細胞回路網、および前記神経細胞回路網からの信号を記録するための複数の電極を含む、複数の記録ウェルと、
複数の増幅列で構成される複数の増幅ウェルであって、各増幅ウェルは、前記記録ウェルからの記録信号を増幅するための1つまたは複数の増幅器を含み、前記複数の記録列および前記複数の増幅列は、各記録ウェルが対応する増幅ウェルに隣接するように交互に並んでいる、複数の増幅ウェルと、
各相互接続線が、記録ウェルの前記電極を対応する増幅ウェルの前記増幅器と接続する、複数の相互接続線とを備える神経回路網解析プレート。
【請求項2】
前記複数の記録ウェルは、6つの記録列で構成される48個の記録ウェルを備え、前記複数の増幅ウェルは、6つの増幅列で構成される48個の増幅ウェルを備える、請求項1に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項3】
前記神経回路網解析プレートは、8個のウェルそれぞれが12列を有する標準の96ウェル・プレートの各ウェルを利用する、請求項2に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項4】
前記複数の記録ウェルは、4つの記録列で構成される16個の記録ウェルを備え、前記複数の増幅ウェルは、2つの増幅列で構成される8個の増幅ウェルを備える、請求項1に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項5】
前記神経回路網解析プレートは、4個のウェルそれぞれが6つの列を有する標準の24ウェル・プレートの各ウェルを利用する、請求項4に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項6】
前記増幅ウェル内の前記増幅器と接触している複数の母線をさらに備える、請求項1に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項7】
前記母線はコネクタに接続され、前記コネクタは2次増幅装置に接続される、請求項6に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項8】
ロボット液体ハンドリング・システムをさらに備える、請求項1に記載の神経回路網解析プレート。
【請求項9】
1つまたは複数の作用物質にさらされている活動神経細胞回路網からの活動電位信号を、並列に非多重化して記録するための方法であって、
請求項1の神経回路網解析プレートを準備するステップと、
前記神経回路網解析プレートの記録ウェルを、前記1つまたは複数の作用物質にさらすステップと、
前記神経回路網解析プレートの増幅ウェルによって増幅された信号を記録するステップとを含む方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の作用物質は、1つまたは複数の薬剤である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の作用物質にさらされている活動神経細胞回路網からの活動電位信号を、並列に非多重化して記録するための方法であって、
請求項7の神経回路網解析プレートを準備するステップと、
前記神経回路網解析プレートの記録ウェルを、前記1つまたは複数の作用物質にさらすステップと、
2次増幅装置によって増幅された信号を記録するステップとを含む方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数の作用物質は、1つまたは複数の薬剤である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
生体外で、1つまたは複数の作用物質に対する神経細胞の薬理反応および毒性反応を検出し定量化するための方法であって、
請求項1の神経回路網解析プレートを準備するステップと、
前記神経回路網解析プレートの記録ウェルを、前記1つまたは複数の作用物質にさらすステップと、
前記神経回路網解析プレートの増幅ウェルによって増幅された信号を記録するステップとを含む方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の作用物質は、1つまたは複数の薬剤である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記記録された信号を解析して、前記1つまたは複数の作用物質に対する前記神経細胞の前記薬理反応および毒性反応を定量化するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
生体外で、1つまたは複数の作用物質に対する神経細胞の薬理反応および毒性反応を検出し定量化するための方法であって、
請求項5の神経回路網解析プレートを準備するステップと、
前記神経回路網解析プレートの記録ウェルを、前記1つまたは複数の作用物質にさらすステップと、
2次増幅装置によって増幅された信号を記録するステップとを含む方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数の作用物質は、1つまたは複数の薬剤である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記記録された信号を解析して、前記1つまたは複数の作用物質に対する前記神経細胞の前記薬理反応および毒性反応を定量化するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−518885(P2010−518885A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528265(P2009−528265)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/019780
【国際公開番号】WO2008/100287
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(310010508)
【Fターム(参考)】