説明

中空の解剖学的構造を凝固させかつ/または狭窄させる方法および装置

エネルギー送達プローブ(12)は、穿通枝などの血管を含むがこれに限定されない中空の解剖学的構造(HAS)を熱によって凝固させかつ/または狭窄させるのに使用される。プローブ(12)は、シャフト(16)と、1つ、または2つ、または3つ以上の電極(24、26)を含み、それらの電極のうち少なくとも1つは、近位に延びるにつれてその外周が大きくなる。一実施形態では、シャフトは、人体の組織を穿孔するように構成された尖った遠位先端部を有し、この尖った先端部は、好ましくは遠位の電極と一体に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して医療方法および装置に関する。より詳細には、下肢の表在静脈を深部静脈につなぐ穿通枝、(例えば、大伏在静脈、小伏在静脈などの)下肢の幹表在静脈、下肢の表在静脈支流、内精静脈(精索静脈瘤)、卵巣静脈、生殖腺静脈、痔脈管、卵管、動静脈奇形、動静脈瘻側枝、食道静脈瘤などの血管を含む中空の解剖学的構造(HAS)を熱的に凝固させかつ/または狭窄させるエネルギー送達プローブの構造および使用に関する。さらに、プローブは、乳癌組織または肝臓癌組織などの組織を熱的に凝固させるのに使用することができる。説明のために、穿通枝の治療に用いる本発明の装置および方法を主として述べる。
【背景技術】
【0002】
穿通枝は、下肢の深部静脈系を皮膚により近いところにある表面静脈につないでいる。通常のまたは健康な穿通枝は、通常の血液循環の一部として表面静脈から深部静脈に血液を流す。不全穿通枝は、深部静脈系から表面静脈に血液を流して、静脈瘤、浮腫、皮膚組織および軟部組織の変化、皮膚脂肪硬化症、慢性脂肪性浮腫、静脈性潰瘍などの問題を引き起こし、あるいはその一因となる。
【0003】
不全穿通枝を遮断するいくつかの手技が提案されてきた。「リントン」手技では、穿通枝を露出するためにふくらはぎの内側部分に非常に長い切開(膝から足首まで)が必要である。次いで、表在静脈系と深部静脈系の間の血流を妨げるために、個々の静脈を外科的に切開し、結紮し、切断する。デパルマによる侵襲性の低い代替方法が発展してきたが、これは、超音波を使用して個々の不全穿通枝を「リントンズ・ライン」に沿って特定するものである。次に、小さい切開を利用して、結紮および切開のために個々の穿通枝にアクセスする。より最近では、穿通枝の個々の結紮および切開は、ふくらはぎの近位部分に挿入した内視鏡を使用して行われてきた。
【0004】
上述の手技は概ね有効であるが、外科的な切開と、それに続く静脈の結紮および切断を必要とする。したがって、最良の場合でも、これらの手技は、患者にとって外傷性のものであり、かなりの手術時間を要する。しかも、それらの手技は、複雑であり、その手技を手伝うために外科医をもう1人必要とすることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの理由で、静脈瘤、浮腫、皮膚組織および軟部組織の変化、皮膚脂肪硬化症、慢性脂肪性浮腫、静脈性潰瘍、静脈性潰瘍、および他の症状の治療のために、不全穿通枝を不通にする追加のおよび改善された技術を提供することが望まれる。こうした手技は、例えば、深筋膜面で穿通枝にアクセスするために、導入シース、カニューレ、カテーテル、トロカール、または針を使用して、好ましくは侵襲性を最小限に抑えるべきである。具体的には、切開をほとんどまたはまったく必要としない方法が、局所麻酔の下で実施することができ、術後の治癒期間ならびに合併症の割合を低減し、外科医を1人しか必要としないなら、望ましいであろう。さらに、穿通枝に加えて他の組織および中空の解剖学的構造に手技を実施するのに有用な装置および方法を提供することが望ましいであろう。これらの目的のうち少なくともいくつかは、本明細書で以下に記載される本発明によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、中空の解剖学的構造(HAS)の中を通る流体の流れを阻害するまたは止めるために中空の解剖学的構造を凝固させかつ/または狭窄させる装置および方法の両方を提供する。「狭窄させる」とは、治療されるHASの管腔の一部の寸法を縮小してその中を通る流体の流れを低減するか、または完全に止めることを意味する。通常、狭窄は、内皮の削剥、細胞の熱傷に関連した浮腫と腫脹の併発、ならびに膠原組織の変性および収縮に起因し、HASの繊維性の閉塞をもたらし、その結果、流体の流れが低減されるか、または完全に止められる。他の場合では、通常は圧力および/またはエネルギーが外部からHASに加えられるときに、壁面同士の直接の癒着または結合の結果として狭窄が起きることがある。いずれの場合でも、管腔のいくらかの部分は開いたままで、流体の流れはその割合が大幅に低減された状態で可能である。したがって、狭窄は、HASの膠原組織の収縮の結果として起きることもあり、あるいはその組織および/またはその周りの組織を加熱することによって引き起こされる壁面同士の直接の癒着または結合の結果として起きることもある。このような加熱は、HASの壁面および/またはHASの周りの組織に直接エネルギーを加えた結果として起こすことができる。本発明は、電極からRFエネルギーを送ることを記述しているが、抵抗性コイルまたはキュリー点素子から発生される熱エネルギーに加えて、マイクロ波、超音波、低周波の電気エネルギー、直流、循環している加熱流体、放射光を伴う光ファイバー、およびレーザなど、他の形態のエネルギーも使用することができることが理解される。RFエネルギーの場合は、エネルギーは、通常0.1Wから300Wの出力レベルで、通常100KHzから1MHzの周波数で、1秒から5分の時間加えられるが、領域がより長い場合には、治療時間を10分以上とすることができる。
【0007】
本発明の装置および方法は、静脈瘤、静脈性潰瘍などの治療のために、不全穿通枝を狭窄させるのに特に適しているが、静脈の逆流や他の病状の治療のために伏在静脈など他の静脈の構造を治療するのにも適している。他の場合では、この装置および方法は、動脈および他の中空の解剖学的構造の治療にも適しているかもしれない。他の場合では、この装置および方法は、乳癌組織または肝臓癌組織などの組織の治療にも適しているかもしれない。
【0008】
本発明の方法は、狭窄させようとするHAS、通常は筋膜層の下にある穿通枝の隣にまたはその中に電極構造を配置するように適合された多種多様の装置で実施することができる。この装置は一般に、遠位端またはその近くに電極構造を有するシャフトを含む。電極構造は、「単極」プロトコルで使用するための共通の極性で電圧が印加される、1つまたはそれ以上の電極を備えてもよい。あるいは、電極構造は、双極プロトコルを実施するために電気的に絶縁された少なくとも2つの電極を有していてもよい。電極シャフトは、剛体でも可撓性のものでもよく、または剛性および/または可撓性が変化する領域を有してもよい。装置のシャフトは、導入シース、カニューレ、またはカテーテルと組み合わせて使用することが多く、シャフトはその管腔中を通って導入される。例えば、装置を誘導シースまたはカニューレとして働く内視鏡の作業チャンネルを通して導入することができる。あるいは、またはさらに、シャフト自体が1つまたはそれ以上の管腔を備えていてもよく、こうした管腔は、シャフトの直接のまたは「自己貫入」による導入を助けるために針またはトロカールを受けるように、または組織中を通り標的治療部位までシャフトをガイドワイヤ上で前進させるように適合されてよい。第3の代替物として、組織中を通って標的治療部位までシャフトを直接または「自己貫入」により導入することを可能にするために、シャフトは、一体のまたは固定された尖った遠位先端部を有することができる。後の2つのアプローチでは、一般にシャフトの少なくとも一部が、プッシュアビリティを可能にするために剛体であることが必要とされるが、組織中を通って標的治療部位まで前進している間に通常は可撓性のシャフト内またはその周りに、ロッドまたは他の剛体化要素を一時的に配置することも可能であるだろう。
【0009】
したがって、本発明の装置を、直接のまたは「自己貫入」による導入を含む様々な方法で標的治療部位まで導入することができ、そこでシャフトは、例えば針またはトロカールを使用してシャフトの管腔に恒久的に固定されたまたは着脱可能に配置された、尖った遠位先端部を有する。あるいは、従来技術を使用することによってあらかじめ導入された別個の導入シース、カニューレ、またはカテーテルの管腔中を通して、電極を支持するシャフトを導入することができる。第3に、従来のガイドワイヤの配置用の針を通常用いてあらかじめ導入されたガイドワイヤ上でシャフトを導入することができる。ここで説明した3つのものの組合せを含む他の導入プロトコルを使用することもできる。さらに、内視鏡の案内による装置の導入のみならず、内視鏡の導入を使用することもできる。
【0010】
本発明の治療プロトコルは、管内治療、管外治療、またはそれらの組合せで行うことができる。「管内」とは、1つまたはそれ以上の治療電極を、狭窄しようとするHASの管腔中に導入することを意味する。電極は、導入され、HAS壁面の貫入箇所のすぐ隣の治療位置に残されてもよい。あるいは、特に可撓性のシャフトおよびガイドワイヤを使用するときは、HAS壁面の貫入箇所から少し距離をあけた治療位置まで電極を管腔内で前進させることができる。「管外」とは、治療しようとするHASの壁面の外側に隣接してまたはその近くに治療用電極が配置されることを意味する。より単純には、HAS壁面の外側のこのような位置に電極構造を導入することができ、治療用エネルギーを送ることによって治療が開始される。あるいは、装置シャフトに関連して、尖った先端部またはトロカールを使用することによって、電極をHAS壁面の側面にピン留めすることができる。例えば第1の電極はHASの後ろ側に通されるが、第2の電極は前方に残る場合に、こうしたアプローチの組合せを使用することもできる。
【0011】
本発明の第1の態様では、双極電極プローブは、近位端および遠位端を有するシャフトと、シャフトの遠位端の近くに配置された概ね球状または環状の第1の電極と、第1の電極から軸方向に間隔をあけて配置された第2の電極と、第1の電極と第2の電極とを電気外科的電源の反対の極に接続するための、シャフトの近位端近くの電気コネクタとを有している。概ね「球状または環状」とは、電極が、シャフトの円筒形壁面または部分から半径方向に突き出る外側の露出表面を有することを意味する。外表面は、通常は軸方向に対称であり、シャフトを軸方向に通る平面内で湾曲する。湾曲部は好ましくは滑らかであるが、必ずしも一定の半径を有するとは限らない。その半径は通常、シャフトの直径の0.5から10倍の範囲で変化する。
【0012】
好ましい実施形態では、双極電極プローブは、第1および第2の電極のみを含む。第1および第2の電極から軸方向に間隔をあけて配置される追加の電極はない。しかし、場合によっては第1または第2の電極のいずれかを、軸方向または円周方向のいずれかに配置される複数のセグメントで構成することが望ましいことがあるが、そのようなセグメントは、電源の1つの電極にいつも共通に接続され、単一の電極表面として一緒に作用することが意図されている。
【0013】
他の特定の実施形態では、第2の電極構造も概ね球状または環状の電極である。第1および第2の電極の両方が球状または環状の場合、2つの電極のうちより近位の方が、より遠位の電極より湾曲が小さい表面を有していても。場合によっては、より近位の電極は、遠位方向でより小さくなる概ね先細で湾曲した表面を有することができる。他の場合では、より遠位の電極は、遠位方向に先細になる部分を有し、それによりその電極に入射角および移行部分をもたらして、組織中を通るおよび/または中空の解剖学的構造の壁面を通るプローブの前進を容易にすることができる。
【0014】
球状または環状の電極の直径は、1mmから5mmの範囲、好ましくは1mmから3mmの範囲、通常は約2mmである。選択される特定の直径は、選択されるアクセスの方法によって決まり、その際、電極の直径が小さいほどアクセスのための必要な孔または切開が小さくなる。電極は、(内側縁部から内側縁部を軸方向に測って)約1mmから5mmの範囲の距離だけ、好ましくは約1.5mmだけ軸方向に間隔をあけて配置される。
【0015】
シャフトは、可撓性または剛体のものでよく、好ましくは近位端から遠位端まで延びる少なくとも1つの中心管腔を有する。双極電極構造は、尖った端部が通常は1mmから10mmの範囲の距離だけシャフトを越えて遠位方向に延びるように、シャフトの中心管腔または他の管腔のうち1つの中に配置される尖った遠位端を持つトロカールをさらに有していてもよい。トロカールは好ましくは着脱可能であるが、以下に記述する他の実施形態では、トロカールはシャフトに固定され、最も遠位の電極表面を形成することができる。すべての場合で、トロカールを硬いまたは可撓性のものとすることができるが、ガイドワイヤ上で導入することまたは流体を治療部位まで送ることを任意に可能にするように軸方向の管腔を有することが好ましい。
【0016】
トロカールの管腔は、トロカールが治療しようとするHASに入ったときにそのことを示す血液の「フラッシュバック」のためにも備えることができる。
【0017】
トロカールまたは他の尖った遠位先端部で直接組織中を通して導入されることが意図された実施形態では、シャフトおよび/またはトロカールは、前進を容易にするように剛体であることが好ましい。電極プローブがガイドワイヤ上で導入されることが意図される他の場合では、シャフトは、通常は可撓性である。このような可撓性のシャフトの場合、スライド式の外側シースまたはカニューレが、挿入を助けるように剛性を強化するために外側に設けられる。あるいは、可撓性のシャフト装置の場合、内側強化部材を備えることもできる。前記強化部材は、PEEKを含む高分子材料、ステンレス鋼を含む金属、編組ポリイミドを含む複合構造などを有していてもよい。
【0018】
特定の実施形態では、双極プローブは、第1の電極から遠位方向に延びる尖った遠位端を有する。この尖った遠位端は、シャフトの中心管腔内で受け入れられ通常はシャフト内に固定されているが任意に着脱可能かつ取り替え可能であるトロカールとして形成することができる。あるいは、尖った遠位先端部は、シャフトの遠位端で取り付けられた別個の構成要素として形成することができる。この尖った遠位端は、好ましくは電気的に活性であり、電極の少なくとも一部を形成し、好ましくは、直径が約0.5mmから約1mm、長さが約1.5mmから5mmの円筒形チューブとして形成される。尖った遠位電極の近位端と第1の電極の遠位端は、1mmから5mmの範囲、好ましくは約1.5mmだけ間隔をあけて配置される。場合によっては、電極の間隔は、プローブが組織の中および/または中空の解剖学的構造の壁面を通って前進するのを簡単にするために、遠位方向へ先細にして、電極に入射角および移行部分を提供することができる。シャフトは、HAS挿入時のフラッシュバックの検出、ガイドワイヤ上を任意に導入すること、および/または手技の間に生理食塩水または他の流体を送ることを可能にするために、尖った遠位端を含んで通る管腔を有することが好ましい。
【0019】
上述の実施形態すべてにおいて、通常は1つまたはそれ以上の電極の上または近くにあるプローブ上に、少なくとも1つの温度センサを配置することができる。特定の例では、少なくとも1つの温度センサは、球状または環状の電極上に配置することができる。温度センサは、治療中の温度をモニターし任意に制御することを可能にするように、外部の電源に接続するのに適している。
【0020】
本発明の第2の態様では、標的HASを狭窄させる方法は、プローブの遠位端をHASの近くに経皮的に導入すること、およびHASの標的領域を狭窄させるために標的HAS内にエネルギーを送ることを含む。プローブは、その尖った遠位端を組織中を通して直接標的領域に前進させることにより、シースを組織を通して標的領域に位置付けてシースを通してプローブを前進させることにより、または針を通してガイドワイヤを位置付け、その針を取り除き、ガイドワイヤ上で標的HASの近くにプローブを前進させることにより、導入することができる。これらのアプローチの他の組合せも可能である。
【0021】
場合によっては、プローブを導入している間にHASおよびその周りの組織などの標的位置を画像化することが好ましい。通常は、カラーデュプレックスまたは他の超音波による撮像で十分であるが、蛍光透視など他の撮像も可能である。第3の代替物としては、標的位置を、プローブが導入されている間、例えば、内視鏡の作業チャンネルを通して内視鏡で見ることができる。
【0022】
電極は、治療されるHASに対して様々な位置関係で配置することができる。例えば、エネルギーが送られている間、電極は、血管外に、通常はHASの片側に、通常は4mm以内、好ましくはHAS壁面の外側のすぐ隣に配置することができる。あるいは、一方または両方の電極を管内に配置することができ、その際、電極はエネルギーが送られるときにHASの管腔内に位置する。
【0023】
特定の実施形態では、尖った端部を有する電極は、HASを貫通するが、HASの外側表面はプローブの球状または環状の電極とかみ合う。HASを、圧力と熱を同時に加えることでHASの狭窄を引き起こすように、球状または環状の電極からの圧力によってつぶすことができる。
【0024】
他の代替のプロトコルでは、電極の片方または両方、好ましくは球状または環状の電極が、標的HASを完全に貫通し、その後、HASの壁面に対抗して後方に引き出すことができ、任意に、エネルギーを加えている間にHAS壁面に通すことができる。
【0025】
本発明の好ましい態様では、電極のうち少なくとも1つの近くで温度がモニターされて、HAS狭窄のモニターおよび/または制御が可能になる。例えば、HAS狭窄を実現するのに十分な時間、70℃から100℃の範囲の温度がモニターされるように0.1Wから300Wの高周波エネルギーを送ることができる。
【0026】
本発明の方法のさらに好ましい態様では、高周波エネルギーが送られている間、生理食塩水または他の生理的に受け入れられる流体が、治療しようとする領域に送られる。好ましくは、流体は、プローブ自体の管腔を通って送られる。
【0027】
本発明の他の態様では、穿通枝を狭窄させる方法は、少なくとも1つの電極を穿通枝の隣またはその中に導入すること、および穿通枝の管腔を狭窄させるために電極を通じてエネルギーを送ることを含む。
【0028】
本発明のさらに他の態様では、電極プローブは、近位端および遠位端を有するシャフトと、シャフトの遠位端の近くに配置された概ね球状または環状の第1の電極と、第1の電極から軸方向に間隔をあけて配置された第2の電極とを有する。
【0029】
本発明の他の態様は、中空の解剖学的構造を治療するのに用いる、近位端および遠位端を備えたプローブである。好ましくは、プローブは、その遠位端近くに配置された少なくとも1つのエネルギー放出素子を有し、その素子は近位に延びるにつれてその周囲の長さが増大する。プローブは、その遠位端に、組織に対して圧迫されるときに人体の組織を穿刺するように構成される、尖った先端部を有することもできる。
【0030】
本発明の他の態様は、中空の解剖学的構造を治療するのに用いる、近位端および遠位端を有するシャフトを有するエネルギー放出プローブである。好ましくは、シャフトの遠位端の近くに配置された少なくとも1つのエネルギー放出素子がある。その素子は、それが近位に延びるにつれて外側に先細になる外面を有してもよく、または素子の一部が円筒形でもよい。好ましくは、プローブは、組織に対して圧迫されるときに人体の組織を穿刺するように構成される、尖った先端部をもその遠位端に有する。
【0031】
本発明の他の態様では、エネルギー放出プローブで人体の組織を治療する方法は、プローブの尖った遠位端で人体の組織を穿刺することと、プローブのシャフトを遠位方向に組織中に前進させることとを有する。好ましくは、この方法は、素子の組織内への挿入を容易にする先細の縁部を有するエネルギー放出素子を人体の組織内に挿入することをさらに有する。
【0032】
図17〜23は、一定の縮尺で描かれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1を参照すると、本発明の原理にしたがって構成された第1の典型的なシステム10は、双極電極プローブ12および高周波(RF)電気外科的電源14を有する。双極電極プローブ12は、遠位端18と、Y字形のコネクタハブ22が取り付けられた近位端20と、を有する可撓性のシャフト16を有する。シャフト16の遠位端18の近くに第1の電極24および第2の電極26が取り付けられている。シャフト16は、その全長にわたって(近位端から遠位先端部まで)延びる中心管腔を有し、その管腔は、通常はルアーコネクタ(不図示)を介して、輸液流体、通常は生理食塩水の供給源に接続される端部にルアーまたは他のコネクタハブ32を有する可撓性のライン30を通して接続することができる。電極24および26は、ケーブル34およびコネクタ36を介して高周波電気外科的電源14に接続することができる。双極構造の場合、2つの電極を電源14の反対の極に接続することができるように、電極24および26の関係は絶縁されている。
【0034】
任意選択で、通常は剛体の金属または他のカニューレの形式である外側シース38が、可撓性のシャフト16の外側を覆ってスライド可能に受けられる。シースは、所望の場合には、可撓性のシャフト16に外部剛性をもたらす。シースは、その近位端の近くに、その操作を容易にするためにハンドルまたはグリップ40を含むことができる。さらに、シース38は、組織への改善された貫入を可能にするためにその遠位端をとがらせることができる。
【0035】
外側シース38は、それがなければ可撓性であるシャフト16に選択的な剛性をもたらすことを可能にする。通常はアクセスの際、シース38は前進位置に配置されて、可撓性が必要とされずそれが不都合にさえなるおそれのある皮下操作およびガイドワイヤ上をまたはカニューレを通って前進中、制御が可能な剛体構造を提供する。シャフト16の遠位端18を所望の治療位置に配置した後、外側シース38を部分的または完全に後退させて可撓性のシャフト16の遠位側長さを露出して、HAS内にさらに前進させることを可能にする、または治療中、すなわち外部圧迫を利用して装置の先端部をHAS壁面に接触するように操作する間に単に剛体構造を取り出すことができる。
【0036】
第1および第2の電極24、26は、上記で定義したように、概ね球状または環状の電極として図示した。可撓性の本体16は、通常はポリマーまたはその他の電気的な絶縁体で形成され、やはり上記で論じたように、電極同士を絶縁し所望の軸方向の間隔を提供する役割を果たす。電極は球状または環状として図示されるが、以下で論ずるように、様々な他の特定の構造を様々な状況の下で使用することができる。
【0037】
次に図2および3を参照すると、上記で定義したように、第1の特定の電極の構造は、通常は非常に平坦な表面をもつ環状であるリングの形の第1の電極44と、概ね球状または環状の第2の電極46とを有する。第1および第2の電極は、ポリマーのシャフトまたは本体48の遠位端に様々な方法で配置される。以下で論ずる図4はもちろん図1〜3の可撓性シャフトの実施形態の場合も、それらをシャフトの中心管腔を通して取り付けることができる。好ましくは、球状または環状の電極を含むいくつかの実施形態では、こうした要素の中心に形成された開口部は、シャフトの長手方向の軸のほぼ中心に合せされる。他のいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0038】
トロカールまたは針50が、本体48の中心管腔内に受け入れられている。トロカール50は、例えば以下で説明するような手技でHASにアクセスするために固い組織に直接導入することができるように、尖った遠位端または先端部52を有する。電極44および46は、それらの間に配置されたスペーサ54によって間隔をあけて配置され、近位の電極44の下の長さ全体にわたって絶縁するポリマーチューブ(図示せず)によって絶縁される。トロカールは、好ましくは着脱可能であり、取り外すと図3に示す構造が残る。通常は熱電対またはサーミスタ56である少なくとも1つの温度センサが、どちらかの電極の上または近くに設けられる。図示では第1の電極44の近位端にある。温度センサは、ワイヤ58を介して電源に接続される。第1および第2の電極は、絶縁されたワイヤ60と62を介して電源に接続される。他の実施形態では、電極は、装置の全長にわたって通っていてもよく、したがって別個の接続ワイヤが必要なくなる。
【0039】
通常は、プローブの本体すなわちシャフト48およびトロカール50のうち少なくとも一方は、トロカール50の尖った先端部が組織中を前進するのを容易にするために剛体である。トロカールはほとんどの場合、ステンレス鋼または他の金属から構成されるので、通常、少なくともトロカールは剛体である。プローブ本体48も剛体であるか、または補強材によって強化されていることが多い。
【0040】
トロカール50は、内部管腔および穴または開口部64をその遠位端に有しており、通常は手技の際、HASに入れたとき、任意にガイドワイヤ上で導入したとき、および/または生理食塩水または他の生理的に受け入れられる流体を治療領域に送出したときのフラッシュバックの検出を可能とする。
【0041】
図1の電気外科的プローブ12の特定の実施形態の構造を、図4により詳細に示す。可撓性の本体すなわちシャフト16は、その切欠き部分で示した管腔70を有する。管腔70は、第2の電極26に接続されたチューブ72を保持する。第2の電極26と第1の電極24の間には絶縁領域74が設けられ、ワイヤ78が、第2の電極に接続されて、プローブを通って電気コネクタ36まで近位方向へ延びる。第2のワイヤ(図示せず)が、第1の電極24に接続されて、やはりコネクタ36まで近位方向へ延びる。同様に、温度センサ用のワイヤが、熱電対、サーミスタ、または他の熱センサ80に接続され、可撓性の本体16中を通ってコネクタ36まで延びる。内側シャフト72は、好ましくは、編組ポリイミドなど構造上補強された材料で形成され、外側シャフトは、熱可塑性ポリエステルエラストマー、ポリイミド、ナイロン、PEEK、ポリエーテルブロック共重合ポリアミドポリマーなどのポリマー押出し成形品で形成することができる。接続チューブ30は、ポリ塩化ビニル(PVC)または他の適切なポリマーで形成することができ、両自由端にルアーフィッティング32を有する。チューブ30は、ルアー31によってハブ22に接続することができる。
【0042】
次に図5を参照すると、対の球状または環状の電極を採用した本発明のいくつかの実施形態の典型的な寸法を示す。これらの球状または環状の電極は、通常、カテーテル本体の軸を横断する平面での直径Dが1mm〜3mmの範囲である。可撓性のプローブ本体は、直径dが電極のそれより小さく、通常は0.5mm〜2.5mmの範囲である。球状の電極の内側縁部間の距離lは、1mm〜5mmの範囲である。図5Aに示すように、遠位側電極は、遠位方向に先細とされており、それによりその電極に入射角βをもたらして、組織および/またはHASの壁面中でのプローブを前進させる機能を改善することができる。球状または環状の電極の入射角βは、0°〜90°、通常は0°〜60°の範囲である。
【0043】
次に図6を参照すると、本発明の原理にしたがって構成された双極電極プローブ90の第3の実施形態が示されている。プローブ本体92の近位部分は、上述の実施形態と同様である。プローブ本体92は、剛体でも可撓性でもよく、前述の実施形態と同様に、その中を通る管腔を有する。管腔内では、尖った先端部96を有するトロカール94が、管腔内で着脱可能に受け入れられる。第1の球状または環状の電極98は、プローブ本体92と一体またはプローブ本体の遠位端に取り付けられている。トロカール94は、第2の電極としての役割を果たし、100によって残りの構成要素と絶縁されている。スリーブ100は、装置の全長にわたって延びて、絶縁を提供することができる。第1の電極98もまた、スリーブ100の全長にわたってプローブ本体92内を延び、近位のハブ(図示せず)に戻る電気接続を提供する。熱電対104または他の温度センサを、プローブの長さにわたるワイヤ(図示せず)を通って接続することができる。図6の装置により、マルチアームハブ(図示せず)を通して生理食塩水または他の生理的に受け入れられる流体を導入することができる。トロカール94内および/またはスリーブ100の外面と電極98の内面の間の環状の空間を延びる管腔を通して流体を送ることができる。
【0044】
図6のプローブの遠位端の通常の寸法を図7に示す。トロカール94の露出部分の長さl1は1mm〜10mmの範囲であり、直径dは0.5mm〜1mmの範囲である。トロカール94の露出部分の最も近位側の端部は、球状または環状の電極108から、1mm〜5mmの範囲の距離l2だけ間隔をあけて配置される。球状または環状の電極の直径Dは、ほぼ上述と同じであり、通常は1mm〜3mmの範囲である。図7Aに示すように、概ね球状または環状の電極は、遠位方向に先細とされており、それによりその電極に入射角βをもたらして、組織を通るおよび/またはHASの壁面を通るプローブを前進させる機能を改善することができる。入射角βは、ほぼ上述と同じであり、0°〜90°、通常は0°〜60°の範囲である。任意に、図7Bに示すように、電極同士の間を遠位方向に先細とし、それによりその電極に入射角βおよび移行部分95をもたらして、組織を通るおよび/またはHASの壁面を通るプローブを前進させる機能を改善することができる。入射角βは、ほぼ上述と同じであり、0°〜90°、通常は0°〜60°の範囲である。
【0045】
次に図8A〜8Dを参照すると、穿通枝Pまたは他のHASの狭窄を行う本発明のプローブの使用が示される。剛体の双極電極プローブ12に関してその使用を説明するが、その方法は一般に本明細書で説明した他の実施形態に適用する。穿通枝は、各図に全体的に示すように、深部静脈系DVを表在静脈システムSVにつなぐ。穿通枝Pまたは他のHASへのアクセスは、従来の針および図示のようなカニューレアセンブリ110で実現することができる。あるいは、露出されたトロカール先端部52または96(図2または6)によって直接のアクセスを実現することができる。図8A〜8Dに示すように、カニューレ110は皮膚を通って標的部位まで導入され、図8Bに示すように針がカニューレから取り除かれる。この時点で、穿通枝Pまたは他のHASの内部へのアクセスが提供される。図8Cに示すように、カニューレを通して穿通枝Pまたは他のHAS内の部位までプローブ12を導入することができる。次いで、所望の程度のHASの狭窄が実現されるまで、電極24および26を通してエネルギーを印加することができる。典型的ないくつかの実施形態では、双極RFエネルギーは組織および/またはHASを加熱し、プローブ上の熱電対で温度がモニターされ、高周波発生装置で所望の温度を維持するように出力を調節する。所望の治療時間の後、治療が終わり、プローブおよびカニューレが取り除かれ、図8Dに示すように狭窄された領域CONが穿通枝PV内に残される。
【0046】
図8A〜8Dに示された治療プロトコルは、本明細書では一般に管内、すなわちHAS内と称される。剛体の双極電極プローブ12に関してその使用を説明するが、その方法は一般に本明細書で説明した他の実施形態に適用する。また、高周波プローブ12を使用して、図9A〜9Cに示すような管外治療を行うこともできる。前記でおおよそ説明したように、穿通枝Pまたは他のHASに必ずしも貫入する必要がないことを除いては、アセンブリ110でのアクセスを実現することができる。あるいは、露出されたトロカール先端部52または96(図2または6)によって直接のアクセスを実現することができる。図示のように、双極電極プローブ12は、カニューレ110を通して導入され、電極24および26は、静脈または他のHASの外側に隣接して配置される。電極に電圧が印加され、静脈または他のHASの壁面を狭窄させるのに十分に組織が加熱され、貫入することなく、図9Cに示すような狭窄をもたらす。
【0047】
次に図10A〜10Eを参照すると、穿通枝Pまたは他のHASを狭窄させる双極電極プローブ12を使用する第3のプロトコルが示されている。先端部を反対側へ通す針およびカニューレ110が、先端が反対側を通り抜けるように導入されて、穿通枝Pまたは他のHASを完全に貫通する。図10Bに全体的に示すように、針が取り除かれ、双極電気プローブ12がカニューレを通して導入される。図示のように、プローブ12は剛体であるが、可撓性のシャフトを有することも可能である。カニューレ内を通してプローブを通すことに関してその使用を説明するが、この方法は代替方法として、図2のようにその中心管腔に針またはトロカールを有するプローブ、または図6のように尖った遠位側電極がプローブに強固に固定されたプローブで、静脈に「直接」貫入することによって行うことができる。次いでプローブ12上の電極は、図10Cに示すように、プローブが引かれて静脈または他のHASの反対側と接触したときに電圧が印加される。図10Dに示すように、プローブ12が引き続きHASを通って引かれるときに、静脈または他のHASは、加熱され、つぶされる。任意に、カニューレは、この時点までに完全に取り出される。プローブ12が引き抜かれると、図10Eに示すように、穿通枝Pまたは他のHASは狭窄される。
【0048】
図11Aおよび11Bを参照すると、穿通枝Pまたは他のHASを治療する、図6の双極電極プローブ90の第4のプロトコルが示されている。プローブ90は、尖った先端部96が静脈または他のHASの外側に接触するまで、超音波による案内の下で組織を通して直接導入される。次いで、外科医は、尖った先端部96を前進させて静脈または他のHAS中を通して、図11Bに示すように、球状または環状の電極98が静脈または他のHASに接触してそれをつぶす。次に電極94および98に電圧を印加して、静脈または他のHASの壁面を加熱し狭窄させる。すべての前述の実施形態のように、電流、組織の加熱、およびHAS狭窄を強化するために、この領域に生理食塩水または他の生理的に受け入れられる流体を任意に注入することができる。中空の解剖学的構造へアクセスしたことを、システムの管腔中を通るフラッシュバックを観察することによって確認することができる。
【0049】
ここまで、剛体のプローブおよび剛体ではないプローブを、導入シース、カニューレ、またはカテーテルを通して導入するためのいくつかの装置およびプロトコルを説明してきた。しかし、図12A〜12Dに示すように、剛体または剛体ではないプローブの外部に「直接」電極構造を導入することも可能である。直接のアクセスは、中心管腔に針またはトロカール122を有するプローブ120、または尖った遠位側電極が図6のようにプローブに剛直に固定されたプローブ120を使用することによって達成される。針またはトロカール122は、穿通枝Pまたは他のHASに到達するまで組織中を通って直接貫入することを可能にする尖った遠位先端部124を有する。次いでこの尖った先端部124を使用して、図12Bに示すようにHASに貫入する。次に、図12Cに示すように、針またはトロカール122を、プローブ120内に引っ込め、電極126を通して高周波エネルギーを送ることができる。図12Dに示すように、エネルギーは、穿通枝Pまたは他のHASのCONを引き起こす。治療が完了した後で、プローブ120を引き抜くことができる。図12A〜12Dに示したプロトコルは、単一の極性および/または電極装置を使用することによって実行することもできる。さらに、図示したプロトコルは、管外の手技を行う際に使用することもできる。
【0050】
次に図13A〜13Cを参照すると、尖った遠位先端部142および単一の電極144を有する剛体のプローブ140を導入して、図13Aに示すように穿通枝Pまたは他のHASに直接アクセスすることができ、図13Bに示すように静脈を貫通し刺し通すことができる。十分な手動の力をプローブ140上に維持して、図13Bに示すように、エネルギーが送られている間に穿通枝Pまたは他のHASをつぶす。その結果、図13Cに示すように、手技が終了するとき、穿通枝Pまたは他のHAS内に狭窄されたCONができる。剛体の単一の極性および/または電極プローブ140に関してその使用を説明するが、その方法は一般に本明細書で説明した他の実施形態に適用する。
【0051】
次に図14A〜14Dを参照して、導入シース、カニューレ、またはカテーテル中を通して導入される可撓性の機器の使用を説明する。着脱可能な針162を有する従来の針およびカニューレアセンブリ160を超音波の案内の下で穿通枝Pまたは他のHASに導入することができる。図14Bに示すように、針162を使用してカニューレ160を穿通枝Pまたは他のHAS中に導入して、針を引き抜くことができる。いくつかの実施形態では針を中空とすることができることを企図する。次いで、1対の電極172をその遠位端に有する可撓性のプローブ170を、カニューレ160を通して導入することができる。図14Cに示すように、先端部が可撓性で無外傷性であるプローブ170は、それ自身を、穿通枝Pまたは他のHAS管腔の内部と位置合わせする。可撓性のプローブの長さにより、挿入後の管腔内の遠位方向への前進が可能になる。次に、電極172を通してエネルギーが送られて、図14Dに示すように静脈または他のHASのCONを狭窄させる。次いで、プローブ170をカニューレ160内に引き込み、アセンブリを引き抜く。
【0052】
管内での手技は、従来の方式で針(図示せず)上で導入することができる導入シース、カニューレ、またはカテーテル180を通して導入されたガイドワイヤGW上で行うこともできる。任意に、ガイドワイヤGWを直接針の中を通して導入することができる。双極電極プローブに関してその使用を説明するが、その方法は一般に本明細書に記載されるように他の実施形態に適用する。次に図15A〜15Fを参照すると、図15Bに示すように、遠位端182が穿通枝Pまたは他のHASの管腔に入るように、針180が導入される。次いで、ガイドワイヤGWが、針180を通して導入され、図15Cに示すように針が引き抜かれ、図15Dに示すようにガイドワイヤGWが組織中を通って所定の位置に残される。次に、図15Eに示すように、可撓性のプローブを剛体のスライド式外側シース186に組み合わせたものがガイドワイヤGW上から導入される。スライド式外側シースを部分的または完全に引き込ませて可撓性のプローブの遠位側長さを露出させ、HAS内にさらに前進させることを可能にするか、または単に治療中に剛体構造を取り出すことができる(図示せず)。図15Fに示すように、電極188を介して高周波エネルギーを送り、穿通枝Pまたは他のHASを狭窄させる。次いで、シースおよびプローブ186を引き抜くことができる。図示のように、プローブ186は、可撓性のシャフトを有するが、それは剛体とすることもできる。
【0053】
この時点で、すべてのアクセスプロトコルにおいて、針、カニューレ、トロカール、または他の貫入機器を使用することにより組織に貫入することが必要とされてきた。こうした貫入では一般に、穿通枝または他のHASを適切に探し当てて治療を開始するために超音波のまたは他の画像ガイダンスが必要とされる。このようなアプローチの代わりに、図16Aおよび16Bに示すように、覆っている組織を通してプローブ200を導入して、その遠位先端部202を図16Aに示すように筋膜層Fに接触させることができる。最初に、破線で示すように、プローブ200は、穿通枝Pまたは他のHASが通る孔Dから離れた筋膜領域にほぼ確実に接触する。プローブ先端部202を筋膜層上で適切に動かすまたは「突く」ことにより、図16Aに示すように、最終的にプローブは、孔と出合いそれを通過する。プローブの遠位端が孔の中を通ったら、電極204は、図16Bに示すように穿通枝Pまたは他のHASの管外の壁面に隣接して配置される。プローブ200の円錐状の回転など、追加の操作により、穿通枝Pまたは他のHASをプローブ200の電極部分の周りに巻き付くことを可能にすることもできる。他の形の操作には、穿通枝Pまたは他のHASを筋膜層の下から押し上げるためのレバーとしてプローブ200を使用することを含んでもよい。次いで、高周波エネルギーを送ってHASを狭窄させることができる。前述したすべてのプロトコルのように、次いで治療が完了した後、プローブ200を引き抜くことができる。図示のように、プローブ200は、剛体のシャフトを有するが、可撓性でも、可撓性のプローブを外側が剛体のスライド式シースに組み合わせたものでもよい。さらに、双極電極プローブに関してその使用を説明するが、その方法は一般に本明細書に記載されるように他の実施形態に適用する。
【0054】
図17〜18に示す他の電極の構成300は、本明細書で開示される電極プローブ12、120、140などの実施形態においても、どの適切な電極プローブにおいても、本明細書で開示されるシステム10のどの実施形態においても使用することができる。電極の構成300を採用する電極プローブを、本明細書で開示されるプロトコルのどの実施形態を実施する際にも、例えば、本明細書で開示されるどの治療方法を実施する際にも、および/または図8A〜8D、9A〜9C、10A〜10E、11A〜11B、12A〜12D、13A〜13C、および/または14A〜14Dに示されたプロトコルのうち1つまたは複数のどのプロトコルを実施する際にも使用することができる。図17〜18の電極の構成300は、特に記述がない限り、本明細書で開示される電極設計または構成のいずれかと概ね類似のものとすることができる。
【0055】
電極の構成300は、電気的絶縁スペーサ306によって分離された近位の電極302および遠位の電極304を有する。電気的に絶縁性の層308が、近位の電極302から近位へと延びる。トロカールまたは針350が、電極302、304が上に取り付けられたプローブの管腔内に着脱可能に受け入れられる。遠位側電極304は、患者の組織中に電極304およびプローブを挿入するのを容易にするため、遠位先細部分320を有する。一実施形態では、先細部分320は、電極の遠位に位置し電極の中心軸に対して直角の平面を基準としてテーパ角が70°の円錐台を有するが、いくつかの他の実施形態では、テーパ角は45°と85°の間でよい。先細部分320の近位側は、遠位の電極304の湾曲した電極表面322である。一実施形態では、湾曲電極表面322の半径は、(図17〜18に示す断面において)約0.063インチであるが、他のいくつかの実施形態では、この半径は0.040インチと0.080インチの間でよい。一実施形態では、近位の電極302も湾曲した電極表面330をなす。この湾曲電極表面330の半径は、様々な実施形態では、(図17〜18に示す断面において)約0.063インチ、または0.040インチと0.080インチの間とすることができる。
【0056】
一実施形態では、電極の構成300は、以下の寸法を有していてよい。すなわち、遠位の電極304の露出した部分の軸方向長さ(すなわち、電極の構成300の長手方向軸に対して平行の方向に沿って測った長さ)=0.070インチ、遠位の電極304および近位の電極302の最大直径=0.077インチ、遠位の電極304の内側管腔直径=0.0370インチ、近位の電極302の露出した部分の軸方向長さ=0.035インチである。
【0057】
図19〜20に示す他の電極の構成400は、本明細書で開示される電極プローブ12、120、140などの実施形態においても、どの適切な電極プローブにおいても、本明細書で開示されるシステム10のどの実施形態においても使用することができる。電極の構成400を採用する電極プローブは、本明細書で開示されるプロトコルのどの実施形態を実施する際にも、例えば、図8A〜8D、9A〜9C、10A〜10E、11A〜11B、12A〜12D、13A〜13C、および/または14A〜14Dに示されたプロトコルのうち1つまたは複数のどのプロトコルを実施する際にも使用することができる。図19〜20の電極の構成400は、特に記述がない限り、本明細書で開示される電極設計または構成のいずれかと概ね類似のものとすることができる。
【0058】
電極の構成400は、電気的絶縁スペーサ406によって分離された近位の電極402および遠位の電極404を有する。電気的に絶縁性の層408が、近位の電極402から近位へと延びる。トロカールまたは針450が、電極402、404が上に取り付けられたプローブの管腔内に着脱可能に受け入れられる。各電極402、404は、患者の組織中に電極402、404およびプローブを挿入するのを容易にするため、互いに類似した湾曲した先細の外面422、424を有する。電極402、404の各外面422、424は、その直径がその遠位端より近位端での方が大きいという点で、先細にされている。
【0059】
一実施形態では、近位の電極402の外面422の直径は、露出した軸方向長さ0.035インチにわたって、近位端での0.075インチから遠位端での直径0.068インチまで先細になり、外面422の遠位端と近位端との間での最大直径は0.077インチである。これらの寸法は、他の実施形態では必要に応じて変えることができる。一実施形態では、遠位の電極404の外面424の直径は、露出した軸方向長さ0.047インチにわたって、近位端での0.0552インチから遠位端での0.045インチまで先細になり、外面424の遠位端と近位端との間での最大直径は、0.0565インチである。これらの寸法は、他の実施形態では必要に応じて変えることができる。
【0060】
一実施形態では、近位の電極402の外面422の半径は、図19〜20に示す断面において0.063インチであり、遠位の電極404の外面424の半径は、図19〜20に示す断面において0.113インチである。
【0061】
一実施形態では、電気的絶縁スペーサ406は、近位の電極402と遠位の電極404の間で滑らかな漸次の変化をもたらすように先細になっている。
【0062】
一実施形態では、遠位の電極404の内側管腔の直径は、0.0370インチである。
【0063】
一実施形態では、近位の電極402の外面422の露出した表面積は、遠位の電極404の外面424の露出した表面積とほぼ等しい。
【0064】
図21〜22に示す他の電極の構成500は、本明細書で開示される電極プローブ12、120、140などの実施形態においても、どの適切な電極プローブにおいても、本明細書で開示されるシステム10のどの実施形態においても使用することができる。電極の構成500を採用する電極プローブを、本明細書で開示されるプロトコルのどの実施形態を実施する際にも、例えば、図8A〜8D、9A〜9C、10A〜10E、11A〜11B、12A〜12D、13A〜13C、および/または14A〜14Dに示されたプロトコルのうち1つまたは複数のどのプロトコルを実施する際にも使用することができる。図21〜22の電極の構成500は、特に記述がない限り、本明細書で開示される電極設計または構成のいずれかと概ね類似のものとすることができる。
【0065】
電極の構成500は、電気的絶縁スペーサ506によって分離された近位の電極502および遠位の電極504を有する。電気的に絶縁性の層508が、近位の電極502から近位へと延びる。トロカールまたは針550が、電極502、504が上に取り付けられたプローブの管腔内に着脱可能に受け入れられる。
【0066】
各電極502、504は、患者の組織中に電極502、504およびプローブを挿入するのを容易にするため、互いに類似した先細の外面522、524を有する。電極502、504の各外面は、その直径がその遠位端より近位端での方が大きいという点で、先細にされている。
【0067】
外面522、524は、それぞれが電極の遠位に位置し電極の中心軸に対して直角の平面を基準としてテーパ角が84°の円錐台または錐台を形成するという点で「フラットテーパ」である。他の実施形態では、このテーパ角は、70°と88°の間で変えることができる。
【0068】
一実施形態では、近位の電極502の外面522の直径は、露出した軸方向長さ0.035インチにわたって、近位端での0.075インチから遠位端での0.068インチまで先細になる。これらの寸法は、他の実施形態では必要に応じて変えることができる。一実施形態では、遠位の電極504の外面524の直径は、露出した軸方向長さ0.047インチにわたって、近位端での0.0552インチから遠位端での0.045インチまで先細になる。これらの寸法は、他の実施形態では必要に応じて変えることができる。
【0069】
一実施形態では、電気的絶縁スペーサ506は、近位の電極502と遠位の電極504の間で滑らかな漸次の変化をもたらすように先細になっている。
【0070】
一実施形態では、遠位の電極504の内側管腔の直径は、0.0370インチである。
【0071】
一実施形態では、近位の電極502の外面522の露出した表面積は、遠位の電極504の外面524の露出した表面積とほぼ等しい。
【0072】
図23に示す他の電極の構成600は、本明細書で開示される電極プローブ12、120、140などどの実施形態においても、どの適切な電極プローブにおいても、本明細書で開示されるシステム10のどの実施形態においても使用することができる。電極の構成600を採用する電極プローブを、本明細書で開示されるプロトコルのどの実施形態を実施する際にも、例えば、図8A〜8D、9A〜9C、10A〜10E、11A〜11B、12A〜12D、13A〜13C、および/または14A〜14Dに示されたプロトコルのうち1つまたは複数のどのプロトコルを実施する際にも使用することができる。図23の電極の構成600は、特に記述がない限り、本明細書で開示される電極設計または構成のいずれかとほぼ同じものとすることができる。
【0073】
電極の構成600は、電気的絶縁スペーサ606によって分離された近位の電極602および遠位の電極604を有する。電気的に絶縁性の層608が、近位の電極602から近位へと延びる。
【0074】
遠位の電極604は、遠位の電極604の遠位端から遠位に延びる鋭利な挿入先端部660と一体に形成される。挿入先端部660は適切に先細で尖っており、電極602、604およびプローブを患者の組織中を通すのを容易にする。挿入先端部の外面662を電気的に絶縁して、遠位の電極604の機能を所望の領域に隔離することができる。
【0075】
各電極602、604は、好ましくは、互いに類似した湾曲した先細の外面622、624を有し、患者の組織中に電極602、604およびプローブを挿入するのをさらに容易にする。電極602、604の各外面は、各外面622、624の直径が遠位端より近位端での方が大きいという点で、先細にされている。
【0076】
図示の実施形態では、電極602、604およびその外面622、624の形状および寸法は、図19〜20に示す構成400の電極402、404(およびその外面422、424)のものと似ている。しかし、他の実施形態では、電極602、604およびその外面622、624は、他の適切な形状および寸法とすることができる。例えば、図21〜22に示す構成500の電極502、504(およびその外面522、524)の形状および寸法をその代わりとして採用することができる。
【0077】
一実施形態では、電気的絶縁スペーサ606は、近位の電極602と遠位の電極604の間で滑らかな漸次の変化をもたらすように先細になっている。
【0078】
一実施形態では、遠位の電極604の内側管腔の直径は、0.0370インチである。
【0079】
一実施形態では、近位の電極602の外面622の露出した表面積は、遠位の電極604の外面624の露出した表面積とほぼ等しい。
【0080】
図24に示す抵抗素子先端部700は、本明細書で開示される電極プローブ12、120、140などの実施形態においても、電極の代わりに(またはそれに加えて)使用することができる。先端部700は、プローブの遠位部分704の上に取り付けられた抵抗素子ヒータ702を有する。加熱素子702を備えた遠位部分704は、先細または円筒形あるいは遠位部分が先細で近位部分が円筒形でよい。使用の際、ヒータ702は、電流を流すことによって加熱され、ホットヒータ702を使用して静脈の内側管腔を加熱し静脈を閉じることができる。したがって、電極を介して加えられるRFパワーの代わりに抵抗素子先端部700を介して熱エネルギーが加えられることを除き、抵抗素子の先端部700を採用したプローブを、本明細書で開示されるプロトコルの実施形態のいずれかを実施する際、例えば、図8A〜8D、9A〜9C、10A〜10E、11A〜11B、12A〜12D、13A〜13C、および/または14A〜14Dに示されたプロトコルのうちいずれか1つまたは複数のプロトコルを実施する際に使用することができる。
【0081】
抵抗素子ヒータ702は、抵抗加熱材料またはワイヤの単純なコイル、あるいは軸方向に隣接する、別々に動作可能な一連のコイルを有することができる。こうした別々のコイルを、連続して、または一部重複する連続したグループで、または固定されたサブセットで動作させて、治療長さを変えかつ/またはヒータの熱要求を最小にすることができる。各コイルは、こうした別々の動作および制御に役立つように別個の温度センサを有することができる。他の実施形態では、ヒータ702の構造および/または動作は、2004年9月27日に出願された「抵抗素子システム(RESISTIVE ELEMENT SYSTEM)」という名称の米国特許仮出願第60/613,415号に開示された抵抗素子またはヒータ、および/またはその動作モードの様々な実施形態のいずれかと類似のものとすることができる。上記の仮出願の開示全体を参照により本明細書に組み込み、本明細書の一部とする。
【0082】
トロカールまたは針750は、ヒータ702が取り付けられたプローブの管腔内に着脱可能に受け入れられる(あるいは、固定して受け入れられる)。
【0083】
上記は本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、様々な代替物、修正形態、および等価物を使用することができる。したがって、上記の説明を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものとしてとらえるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】プローブおよび高周波電気外科的電源を含む、本発明の原理にしたがって構成されたシステムを示す。
【図2】本発明の原理にしたがって構成されたプローブの第1の例示的な遠位先端部を示す。
【図3】導入トロカールを取り除いて示した、図2のプローブの先端部を示す。
【図4】可撓性のシャフトを備えた、本発明の原理にしたがって構成された第2の例示的なプローブを示す。
【図5】本発明の原理による第1のプローブ先端部の構造の寸法を示す概略図である。
【図5A】本発明の原理による第1のプローブ先端部の構造の寸法を示す概略図である。
【図6】本発明の原理にしたがって構成された第3の例示的なプローブを示す。
【図7】寸法を示す記号を付けた、図6のプローブ先端部の代替実施形態の概略図である。
【図7A】寸法を示す記号を付けた、図6のプローブ先端部の代替実施形態の概略図である。
【図7B】寸法を示す記号を付けた、図6のプローブ先端部の代替実施形態の概略図である。
【図8A】本発明の方法による手技を実施している際の図1に示すプローブの使用を示す。
【図8B】本発明の方法による手技を実施している際の図1に示すプローブの使用を示す。
【図8C】本発明の方法による手技を実施している際の図1に示すプローブの使用を示す。
【図8D】本発明の方法による手技を実施している際の図1に示すプローブの使用を示す。
【図9A】本発明の原理にしたがって第2の例示的な手技を実施している際の図1のプローブを示す。
【図9B】本発明の原理にしたがって第2の例示的な手技を実施している際の図1のプローブを示す。
【図9C】本発明の原理にしたがって第2の例示的な手技を実施している際の図1のプローブを示す。
【図10A】本発明の原理による第3の例示的な手技を実行するための、図1のプローブの使用を示す。
【図10B】本発明の原理による第3の例示的な手技を実行するための、図1のプローブの使用を示す。
【図10C】本発明の原理による第3の例示的な手技を実行するための、図1のプローブの使用を示す。
【図10D】本発明の原理による第3の例示的な手技を実行するための、図1のプローブの使用を示す。
【図10E】本発明の原理による第3の例示的な手技を実行するための、図1のプローブの使用を示す。
【図11A】本発明による第4の例示的な手技を実行するための、図6のプローブの使用を示す。
【図11B】本発明による第4の例示的な手技を実行するための、図6のプローブの使用を示す。
【図12A】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、HASの管内治療用の、間隔をあけて配置された1対の電極を有する剛体のプローブを備えたトロカールの使用を示す。
【図12B】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、HASの管内治療用の、間隔をあけて配置された1対の電極を有する剛体のプローブを備えたトロカールの使用を示す。
【図12C】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、HASの管内治療用の、間隔をあけて配置された1対の電極を有する剛体のプローブを備えたトロカールの使用を示す。
【図12D】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、HASの管内治療用の、間隔をあけて配置された1対の電極を有する剛体のプローブを備えたトロカールの使用を示す。
【図13A】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASを貫通し刺し通す、単一の電極を有する剛体のプローブの使用を示す。
【図13B】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASを貫通し刺し通す、単一の電極を有する剛体のプローブの使用を示す。
【図13C】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASを貫通し刺し通す、単一の電極を有する剛体のプローブの使用を示す。
【図14A】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASの管内治療を行う、経皮シースを通して導入された可撓性のプローブの使用を示す。
【図14B】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASの管内治療を行う、経皮シースを通して導入された可撓性のプローブの使用を示す。
【図14C】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASの管内治療を行う、経皮シースを通して導入された可撓性のプローブの使用を示す。
【図14D】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるためにHASの管内治療を行う、経皮シースを通して導入された可撓性のプローブの使用を示す。
【図15A】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、ガイドワイヤの配置およびガイドワイヤ上でのスライド式外側シースを備えた2つの電極付きプローブの導入のための小径の針の使用を示す。
【図15B】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、ガイドワイヤの配置およびガイドワイヤ上でのスライド式外側シースを備えた2つの電極付きプローブの導入のための小径の針の使用を示す。
【図15C】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、ガイドワイヤの配置およびガイドワイヤ上でのスライド式外側シースを備えた2つの電極付きプローブの導入のための小径の針の使用を示す。
【図15D】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、ガイドワイヤの配置およびガイドワイヤ上でのスライド式外側シースを備えた2つの電極付きプローブの導入のための小径の針の使用を示す。
【図15E】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、ガイドワイヤの配置およびガイドワイヤ上でのスライド式外側シースを備えた2つの電極付きプローブの導入のための小径の針の使用を示す。
【図15F】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるための、ガイドワイヤの配置およびガイドワイヤ上でのスライド式外側シースを備えた2つの電極付きプローブの導入のための小径の針の使用を示す。
【図16A】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるために、2つの電極付きプローブを筋膜層に導入し、筋膜層の孔を検出しプローブをその孔のHASのすぐ横の位置に導入するまでプローブを動かす特定の方法を示す。
【図16B】本発明の原理にしたがってHASを狭窄させるために、2つの電極付きプローブを筋膜層に導入し、筋膜層の孔を検出しプローブをその孔のHASのすぐ横の位置に導入するまでプローブを動かす特定の方法を示す。
【図17】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した電極の構成を示す。
【図18】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した電極の構成を示す。
【図19】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した他の電極の構成を示す。
【図20】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した他の電極の構成を示す。
【図21】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した他の電極の構成を示す。
【図22】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した他の電極の構成を示す。
【図23】本明細書で開示される電極プローブの様々な実施形態で使用するのに適した他の電極の構成を示す。
【図24】本明細書で開示される様々なプローブのうちいずれかの電極の代わりにまたはそれに追加して使用できる抵抗ヒータの先端部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端の近くに配置された、概ね球状または環状の第1の電極と、
前記第1の電極から軸方向に間隔をあけて配置された第2の電極と、
前記第1および第2の電極を電気外科的電源の反対の極に接続するための、前記シャフトの前記近位端の近くの電気コネクタと
を備える、双極電極プローブ。
【請求項2】
前記第1および第2の電極から軸方向に間隔をあけて配置された追加の電極を含まない、請求項1に記載の双極電極プローブ。
【請求項3】
前記第2の電極は、概ね球状または環状の電極である、請求項1に記載の双極電極プローブ。
【請求項4】
各概ね球状または環状の電極は、横断面で1mm〜5mmの範囲の直径を有する、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極電極プローブ。
【請求項5】
前記電極同士は、1mm〜5mmの範囲の距離だけ間隔をあけて配置される、請求項4に記載の双極電極プローブ。
【請求項6】
前記電極のうち少なくとも1つは、露出された電極の表面に電気エネルギーを伝導する近位の延長部分を有する、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極電極プローブ。
【請求項7】
前記シャフトは、前記近位端から前記遠位端まで延びる中心管腔を有する、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極電極プローブ。
【請求項8】
尖った端部が前記シャフトを越えて遠位方向に延びるように、前記中心管腔内に配置された前記尖った遠位端を持っているトロカールをさらに有する、請求項7に記載の双極電極プローブ。
【請求項9】
前記トロカールは軸方向の管腔を有する、請求項8に記載の双極電極プローブ。
【請求項10】
前記トロカールは、前記中心管腔内に着脱可能に受け入れられる、請求項8に記載の双極電極プローブ。
【請求項11】
前記シャフトおよび前記トロカールの少なくとも一方が剛体である、請求項8に記載の双極電極プローブ。
【請求項12】
前記シャフトは可撓性を有する、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極電極プローブ。
【請求項13】
前記可撓性のシャフトの長さの一部を覆ってスライド可能に配置された、剛体のカニューレをさらに有する、請求項12に記載の双極電極プローブ。
【請求項14】
前記第2の電極は尖った遠位端を有し、前記第1の電極から遠位方向に延びる、請求項1または2に記載の双極プローブ。
【請求項15】
概ね球状または環状の前記第1の電極の横断面での直径が、1mm〜5mmの範囲である、請求項14に記載の双極プローブ。
【請求項16】
前記第2の電極は、直径が0.5mm〜1mm、長さが1mm〜10mmの円筒形チューブである、請求項15に記載の双極プローブ。
【請求項17】
前記第1および第2の電極は、1mm〜5mmの範囲の距離だけ互いに間隔をあけて配置される、請求項16に記載の双極プローブ。
【請求項18】
前記電極およびシャフトを通る軸方向の管腔を有する、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極プローブ。
【請求項19】
前記シャフトが剛体である、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極プローブ。
【請求項20】
前記第1のまたは第2の電極の近くに温度センサをさらに備える、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の双極プローブ。
【請求項21】
近位端および遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの遠位端の近くに配置された、概ね球状のまたは環状の第1の電極と、
前記第1の電極から軸方向に間隔をあけて配置された第2の電極と
を有する電極プローブ。
【請求項22】
前記第1および第2の電極は、単極動作用に前記プローブ内で電気的に結合される、請求項21に記載の電極プローブ。
【請求項23】
中空の解剖学的構造の治療で使用するためのエネルギー放出プローブであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端の近くに配置され、近位方向に延びるにつれて外周が大きくなる少なくとも1つのエネルギー放出素子と、
先端部が人体の組織に対して圧迫されると前記組織を穿刺するように構成された、前記シャフトの遠位端の尖った先端部と
を有するエネルギー放出プローブ。
【請求項24】
前記エネルギー放出素子はRF電極を有する、請求項23に記載のプローブ。
【請求項25】
前記RF電極は第1のRF電極を有し、前記プローブは前記第1のRF電極の近位側に位置する第2のRF電極を有する、請求項24に記載のプローブ。
【請求項26】
前記第2のRF電極の最大直径は前記第1のRF電極と異なる、請求項25に記載のプローブ。
【請求項27】
前記第2のRF電極の最大直径は前記第1のRF素子より大きい、請求項25に記載のプローブ。
【請求項28】
前記エネルギー放出素子は加熱コイルである、請求項23に記載のプローブ。
【請求項29】
前記エネルギー放出素子は円錐台形である、請求項23に記載のプローブ。
【請求項30】
前記エネルギー放出素子のテーパ角が、70°〜88°である、請求項29に記載のプローブ。
【請求項31】
前記エネルギー放出素子のテーパ角が約84°である、請求項29に記載のプローブ。
【請求項32】
前記エネルギー放出素子は、45°と85°の間の角度で先細とされている、請求項29に記載のプローブ。
【請求項33】
前記エネルギー放出素子は、約70°〜88°で先細とされている、請求項23に記載のプローブ。
【請求項34】
前記尖った先端部は針である、請求項23に記載のプローブ。
【請求項35】
前記針は中空である、請求項34に記載のプローブ。
【請求項36】
前記針は前記プローブのシャフト内に配置される、請求項34に記載のプローブ。
【請求項37】
前記針は前記シャフトから着脱可能である、請求項34に記載のプローブ。
【請求項38】
前記針が前記シャフト内にあるときに、前記エネルギー放出素子が前記針を取り囲む、請求項36に記載のプローブ。
【請求項39】
前記エネルギー放出素子は、前記シャフトの長手方向軸上でほぼ心合せされた中央開口部を形成する、請求項23に記載のプローブ。
【請求項40】
前記エネルギー放出素子は前記先端部と一体に形成される、請求項23に記載のプローブ。
【請求項41】
中空の解剖学的構造の治療で使用するためのエネルギー放出プローブであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端の近くに配置され、近位方向に延びるにつれて外面が先細になる少なくとも1つのエネルギー放出素子と、
先端部が人体の組織に対して圧迫されると前記組織を穿刺するように構成された、前記シャフトの遠位端の尖った先端部と
を有するエネルギー放出プローブ。
【請求項42】
前記エネルギー放出素子はRF電極を有する、請求項41に記載のプローブ。
【請求項43】
前記RF電極は第1のRF電極を有し、前記プローブは前記第1のRF電極の近位側に配置された第2のRF電極をさらに有する、請求項42に記載のプローブ。
【請求項44】
前記第2のRF電極の最大直径は前記第1のRF電極と異なる、請求項43に記載のプローブ。
【請求項45】
前記第2のRF電極の最大直径は前記第1のRF素子より大きい、請求項43に記載のプローブ。
【請求項46】
前記エネルギー放出素子は加熱コイルである、請求項41に記載のプローブ。
【請求項47】
前記エネルギー放出素子は円錐台形である、請求項41に記載のプローブ。
【請求項48】
前記エネルギー放出素子のテーパ角が70°〜88°である、請求項47に記載のプローブ。
【請求項49】
前記エネルギー放出素子のテーパ角が約84°である、請求項47に記載のプローブ。
【請求項50】
前記エネルギー放出素子は、45°と85°の間の角度で先細とされている、請求項47に記載のプローブ。
【請求項51】
前記エネルギー放出素子は、70°と88°の間で先細とされている、請求項41に記載のプローブ。
【請求項52】
前記尖った先端部は針である、請求項41に記載のプローブ。
【請求項53】
前記針は中空である、請求項52に記載のプローブ。
【請求項54】
前記針は前記プローブのシャフト内に配置される、請求項52に記載のプローブ。
【請求項55】
前記針は前記シャフトから着脱可能である、請求項52に記載のプローブ。
【請求項56】
前記針が前記シャフト内にあるときに、前記エネルギー放出素子が前記針を取り囲む、請求項54に記載のプローブ。
【請求項57】
前記エネルギー放出素子は、前記シャフトの長手方向軸上でほぼ心合せされた中央開口部を形成する、請求項41に記載のプローブ。
【請求項58】
前記エネルギー放出素子は前記先端部と一体に形成される、請求項41に記載のプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15E】
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【図15F】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−508951(P2008−508951A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525036(P2007−525036)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/027924
【国際公開番号】WO2006/017754
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(506164992)ビーナス メディカル テクノロジーズ、 インク. (5)
【Fターム(参考)】