説明

中継部材及び接続方法

【課題】電極数が多く、かつ、その電極の配置間隔が狭い電子デバイスを他の電子デバイスに実装する際、簡便に行うことが可能な中継部材及び接続方法を提供する。
【解決手段】中継部材は、複数の第1電極部を有する第1電子デバイスと、複数の第2電極部を有する第2電子デバイスとを電気的に接続する。中継部材は、第1電極部に接続される複数の入力電極部と、所定ピッチで周期的に配置される複数の第2電極部に接続される複数の出力電極部とを有し、複数の出力電極部は、n個のグループに分類され、複数の出力電極部は、所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置され、一のグループに属する出力電極部は、他のグループに属する出力電極部と隣接するように周期的に配置されるとともに、グループごとに異なるように設定された接続位置のうちのいずれか一つに配置された入力電極部に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ部のような第1電子デバイスと、駆動回路部のような第2電子デバイスとを有する装置において、第1電子デバイスと第2電子デバイスとを電気的に接続する中継部材及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置(LCD)に変わる情報表示装置として、帯電粒子気体中移動方式(電子粉流体(登録商標)方式)、帯電粒子液体中移動方式(電気泳動方式)、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた情報表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これらの情報表示装置のなかでも帯電粒子気体中移動方式や帯電粒子液体中移動方式や2色粒子回転方式を用いた情報表示装置では、給電を断ってもディスプレイ部の表示領域に表示させた情報が保持される表示メモリー性を有しているため、電子ペーパなどへの適用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−268650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、ディスプレイ部は、駆動回路部に実装されて製品化される。ところが、この実装工程では、ディスプレイ部の表示領域を構成する画素電極から引き出された引き出し電極をそれぞれ駆動回路部側の電極に接続するため、ディスプレイ部側の接続用電極と駆動回路部側の電極との接続箇所が増大する。これらの接続箇所の全てにおいて、電気的に確実に接続することが求められる。例えば、A4サイズ(210mm×297mm)の表示領域にXGAモノクロ規格の解像度(1024×768=786432ピクセル)で表示できる情報表示システムでは、引き出し電極を短辺側に纏めて配置する場合、接続する箇所は、1024+768=1792箇所になり、電極中心の間隔は、210mm/(1024+768)本=117μmになる。
【0005】
ディスプレイ部の基板に配置された電極中心の間隔は、上述のように微細である上に、接続するピン(接続用電極)の数が多くなり、接続する際のアライメント(位置合わせ)をガイドピンや外形突き当てなどの通常の方法で行うことが困難である。よって、ディスプレイ部と駆動回路部とを接続する際には、顕微鏡で拡大しながら、全ての電極同士を接続する必要があり、電極同士の位置合わせに時間がかかり、作業効率が極めて低いという問題があった。さらに、ディスプレイ基板および駆動回路部がともに不透明であった場合、それらの電極を重ね合わせた時点で、ディスプレイ基板および駆動回路部により電極が隠されてしまい、光学的にアライメントをすること自体が非常に困難になるという問題があった。なお、このような問題は、ディスプレイ部に限らず、微細に配置された電極を備える様々な電子デバイスに共通する問題でもある。 そこで、本発明は、ディスプレイ部のように、電気的に接続するピン数(接続用電極数)が多く、しかもそのピンの配置間隔が狭い電子デバイスを、駆動回路部のような他の電子デバイスに実装する際に、簡便に行うことが可能な中継部材及び接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の特徴に係る中継部材(中継部材200)は、複数の第1電極部(駆動側電極部330)を有する第1電子デバイス(駆動回路部300)が複数の第2電極部(ディスプレイ側電極部130)を有する第2電子デバイス(ディスプレイ部100)を制御する装置において、前記第1電子デバイスと前記第2電子デバイスとを電気的に接続する。中継部材は、前記第1電極部の各々と電気的に接続される複数の入力電極部(入力電極部211,212)と、前記複数の入力電極部に連結されるとともに、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置される前記複数の第2電極部の各々と電気的に接続される複数の出力電極部(出力電極部231,232)とを有し、前記複数の出力電極部は、n個のグループに分類されており、前記複数の出力電極部は、所定方向に沿って前記所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置されており、一のグループに属する出力電極部は、他のグループに属する出力電極部と隣接するように周期的に配置されるとともに、グループごとに異なるように設定された接続位置のうちのいずれか一つに配置された入力電極部に連結されていることを要旨とする。
【0007】
上述した中継部材は、第1電子デバイスの第1電極部の各々に接続される複数の入力電極部と、複数の入力電極部に連結するとともに、第2電子デバイスの複数の第2電極部の各々と電気的に接続される複数の出力電極部とを有する。
【0008】
複数の出力電極部は、n個のグループに分類されている。また、複数の出力電極部は、複数の第2電極部が配置される所定方向に沿って、所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置される。また、一のグループに属する出力電極部は、他のグループに属する出力電極部と隣接するように周期的に配置されている。つまり、出力電極部のピッチは、第2電子デバイスに配置される第2電極部の所定ピッチよりも狭く、かつ、第2電極部の1ピッチあたりに、出力電極部がn個配置される。
【0009】
このような中継部材によれば、第1電子デバイスと第2電子デバイスとを中継部材を介して電気的に接続する際に、第2電極部の位置と出力電極部との位置とがずれても、第2電極部は、n個のグループのいずれかの出力電極部に接触する。よって、第2電極部と接触したグループを何らかの手段により検出し、そのグループの出力電極に連結された入力電極が配置された接続位置で第1デバイスの第1電極部と接続すれば、第1電子デバイスからの制御信号を第2電子デバイスの第2電極部に入力させることができる。なお、第2電極と接触したグループを検出する手段としては、例えば、図6に示す方法が考えられる。
【0010】
第1の特徴に係る中継部材を用いた接続方法は、前記第2電子デバイスに配置される前記複数の第2電極部の各々と、前記中継部材に配置される前記複数の出力電極部とを接続する工程A(ステップS1)と、前記第2電子デバイスに配置される前記複数の第2電極部に対して前記中継部材に配置される前記複数の出力電極部のどのグループが接触したかを検出する工程B(ステップS2)と、工程Bで検出されたグループに従って決定される接続位置に配置された入力電極部と、前記第1電子デバイスに配置される前記複数の第1電極部の各々とを接続する工程C(ステップS3)とを有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ディスプレイ部のように、電気的に接続するピン数(接続用電極数)が多く、しかもそのピンの配置間隔が狭い電子デバイスを、駆動回路部のような他の電子デバイスに実装する際に、簡便に行うことが可能な中継部材及び接続方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置の構成を説明する構成図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置を構成するディスプレイ部のディスプレイ側電極部および中継部材の出力電極部を拡大した拡大図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置を構成するディスプレイ部のディスプレイ側電極部と中継部材の出力電極部との接続態様を説明する模式図である。
【図4】図4は、情報表示装置において、検出用電極を構成するディスプレイ部のディスプレイ側電極部および中継部材の出力電極部を拡大した拡大図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置を構成するディスプレイ部と駆動回路部とを中継部材を用いて接続する接続方法を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置において、ディスプレイ部に接続される出力電極部の属するグループを検出する検出方法を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態の変形例に係る情報表示装置を構成するディスプレイ部のディスプレイ側電極部および中継部材の出力電極部を拡大した拡大図である。
【図8】図8(a)は、本発明の他の実施形態において、ディスプレイ側電極部を配置した基板および出力電極部を配置した基板を説明する図である。図9(b)は、本発明の他の実施形態において、ディスプレイ側電極部を配置した基板および出力電極部を配置した基板を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る情報表示装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)変形例、(3)その他の実施形態について説明する。
【0014】
なお、以下の図面の記載において、同一部分には、同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
【0015】
(1)第1実施形態
ここでは、(1−1)情報表示装置の構成、(1−2)中継部材の出力電極部の構成、(1−3)ディスプレイ側電極部と出力電極部との接続態様の説明、(1−4)検出用電極の構成、(1−5)中継部材を用いた接続方法、(1−6)作用・効果について説明する。
【0016】
(1−1)情報表示装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置1の構成を説明する構成図である。図1に示すように情報表示装置1は、所定の情報を表示するディスプレイ部100と、中継部材200と、ディスプレイ部100を制御する駆動回路部300とを備える。なお、本実施形態において、駆動回路部300は、第1電子デバイスを構成し、ディスプレイ部100は、第2電子デバイスを構成する。
【0017】
ディスプレイ部100は、所定の情報が表示される表示領域110と、表示領域110に配置された画素電極(不図示)から引き出された配線120と、配線の端部に連結されたディスプレイ側電極部130とを有する。
【0018】
図1に示す情報表示装置1では、ディスプレイ部100は、少なくとも一方が透明な2枚の電極付き基板間の気体中空間(真空中を含む)に、光学的反射率を有する帯電性粒子を含む粒子群として構成した表示媒体を少なくとも1種類以上配置、好ましくは封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像などの情報を表示する気体中粒子移動方式ディスプレイパネルである。後述するが、表示媒体および駆動方式は上記に限定されない。
【0019】
ディスプレイ部100の表示領域110には、画素電極を形成する互いに直交する行方向のライン電極(不図示)と、列方向のライン電極(不図示)とが設けられており、表示領域110の端部まで引き出されて配線120に接続されている。
【0020】
配線120は、表示領域110に配置された画素電極(不図示)に連結されており、ディスプレイ側電極部130は、配線120の端部に連結されている。すなわち、ディスプレイ側電極部130は、表示領域110に配置された画素電極(不図示)に連結されている。ディスプレイ側電極部130は、所定の領域に集められて配置されている。
【0021】
中継部材200は、ディスプレイ部100と駆動回路部300とを電気的に接続する。具体的に、中継部材200は、駆動回路部300に接続される複数の入力電極部210と、複数の入力電極部210に連結されるとともに、ディスプレイ部100に接続される複数の出力電極部230とを有する。
【0022】
複数の入力電極部210は、駆動回路部300に設けられる複数の駆動側電極部330の各々に電気的に接続される。複数の入力電極部210は、駆動側電極部330から入力した制御信号を複数の出力電極部230に出力する。複数の出力電極部230は、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置されるディスプレイ部100のディスプレイ側電極部130の各々と電気的に接続される。複数の出力電極部230は、制御信号を複数のディスプレイ側電極部130に出力する。
【0023】
複数の出力電極部230は、複数のグループに分けられている。複数の出力電極部230には、第1グループに属する第1出力電極部231と、第2グループに属する第2出力電極部232とが含まれる。
【0024】
また、図1に示すように、中継部材200には、異なるグループに属する出力電極部230が基板面に順に配置されている。なお、出力電極部230の詳細な構成については後述する。また、配線220は、出力電極部230に含まれる。
【0025】
図1に示す情報表示装置1において、入力電極部210と駆動側電極部330とは、駆動回路部300と中継部材200とを電気的及び機械的に接続する接続部CN1を構成する。また、出力電極部230とディスプレイ側電極部130とは、ディスプレイ部100と中継部材200とを電気的及び機械的に接続する接続部CN2を構成する。
【0026】
駆動回路部300は、中継部材200の複数の入力電極部210の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部330と、ディスプレイ部100の表示領域110に所定の情報を表示させる制御信号を、中継部材200を介して、ディスプレイ部100に出力するコントローラ340とを備える。コントローラ340は、CPU、ROM、RAM、タイミング信号発生回路などを備える。CPUは、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するドライバIC310などを制御する。
【0027】
図1に示す駆動回路部300は、ディスプレイ部100を駆動する制御信号を出力するドライバIC310を有する。ドライバIC310は、記憶部350から読み出したデータに基づいて、中継部材200を介して、ディスプレイ側電極部130に所定の電圧を印加するか、または、ハイインピーダンスの状態にする。図1に示す駆動回路部300では、ディスプレイ部100を制御する制御信号は、コントローラ340から直接送信されず、ドライバIC310から送信される。
【0028】
また、駆動回路部300は、ディスプレイ部100に表示する所定の情報などのデータが格納された記憶部350と、コントローラ340の電源回路360とを有する。記憶部350は、半導体メモリー、ハードディスク等により構成されている。記憶部350は、書き換え可能なUSBメモリー等の記録媒体であってもよい。電源回路360は、情報の表示或いは消去に応じた所定の電圧を発生させる。
【0029】
図1に示す実施形態では、駆動側電極部330は、配線320を介して、ドライバIC310に接続されている。なお、配線320は、駆動側電極部330に含まれる。
【0030】
中継部材200の入力電極部210には、第1グループに属する第1入力電極部211と、第2グループに属する第2入力電極部212とが含まれる。
【0031】
ここで、入力電極部210は、グループごとに異なるように設定された接続位置に配置されている。具体的に、図1に示すように、第1入力電極部211と第2入力電極部212とが、中継部材200と駆動回路部300とを接続する際の挿入方向(図1に示すY方向)に対して、互いに異なる位置に配置されている。図1の例では、第1入力電極部211が、接続位置Aに配置されており、第2入力電極部212が、接続位置Bに配置されている。
【0032】
また、複数の出力電極部230も、複数のグループに分類されており、複数の出力電極部230には、第1グループに属する第1出力電極部231と、第2グループに属する第2出力電極部232とが含まれる。図1に示す実施形態では、異なるグループに属する出力電極部230が基板面に順に配置されている。具体的に、第1グループに属する第1出力電極部231と、第2グループに属する第2出力電極部232とが交互に配置されている。つまり、一のグループに属する出力電極部230(例えば、第1出力電極部231)は、他のグループに属する出力電極部230(例えば、第2出力電極部232)と隣接するように周期的に配置されている。
【0033】
また、図1に示すように、出力電極部230は、グループごとに異なるように設定された接続位置A又はBのうちのいずれか一つに配置された入力電極部211,212に連結されている。
【0034】
ディスプレイ側電極部130、入力電極部210、出力電極部230、及び駆動側電極部330の材質としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物を用いてもよい。或いは、これらの電極部の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属を用いてもよく、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を用いてもよく、これらの合金を用いてもよい。なお、曲げや擦過に対する強度に優れている材料を電極部材料として用いてもよい。このような材料は、例えば、上述した金属、貴金属又は合金である。このうち、安価な良導電性材料である銅を好ましく用いることができる。
【0035】
図1に示す実施形態では、第1駆動側電極部331は、ドライバIC310に電気的に接続される。ドライバIC310は、第1グループに属する第1入力電極部211、又は、第2グループに属する第2出力電極部232にディスプレイ部100を駆動する制御信号を出力する。
【0036】
コントローラ340は、中継部材200を介して、ディスプレイ側電極部130と駆動側電極部330とが電気的に接続された状態で、異なるタイミングで制御信号を出力する。
【0037】
なお、第1実施形態では、複数の入力電極部210、複数の出力電極部230の各々が2つのグループに分類されるケースについて例示しているに過ぎない。複数の入力電極部210、複数の出力電極部230の各々は、n個のグループに分類されてもよい(但し、nは整数)。
【0038】
(1−2)中継部材の出力電極部の構成
図2は、情報表示装置1の中継部材200における出力電極部230を拡大した拡大図である。第1出力電極部231と第2出力電極部232は、所属するグループが異なることを分かり易くするために符号により区別しているが、同じ構成を有する。
【0039】
各出力電極部230は、入力電極部210に連結される配線220の端部に連結されており、配線220の端部に取り付けられた矩形状の電極パッド230Aを有する。なお、ディスプレイ側電極部130は、配線120の端部に取り付けられた矩形状の電極パッド130Aを有する。
【0040】
ここで、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)のピッチは、“Pdp”で表される。ピッチPdpは、互いに隣接するディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)の中心の間隔である。電極パッド130Aの幅は、“Wdp”で表される。ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)間のギャップは、“Wdg”で表される。ギャップWdgは、互いに隣接する電極パッド130A間に設けられる間隙である。なお、“Pdp”は、“Pdp”=“Wdp”+“Wdg”の関係で表される。
【0041】
また、出力電極部230(電極パッド230A)のピッチは、“Pp”で表される。ピッチPpは、互いに隣接する出力電極部230(電極パッド230A)の中心の間隔である。電極パッド230Aの幅は、“Wp”で表される。出力電極部230(電極パッド230A)間のギャップは、“Wg”で表される。ギャップWgは、互いに隣接する電極パッド230A間に設けられる間隙である。なお、“Pp”は、“Pp”=“Wp”+“Wg”の関係で表される。
【0042】
さらに、同一グループに属する出力電極部230(電極パッド230A)のうち、互いに隣接する出力電極部230(電極パッド230A)間のギャップは、“Wng”で表される。なお、図2に示すように、出力電極部230が2つのグループに分類される場合には、“Wng”は、“Wp”+2דWg”で表される。
【0043】
第1に、ピッチPdpは、Ppの略n倍(nは、グループ数)である。言い換えると、Ppは、ピッチPdpの略1/nである。つまり、複数の出力電極部230は、所定方向に沿ってピッチPdpの略1/nのピッチPpで周期的に配置されている。なお、“略”とは、ピッチ“Pdp”及び電極パッド130Aの数によって定まるずれ幅を含むことを意味する。
【0044】
第2に、幅Wp及びギャップWgは、Wp>Wgの関係(以下、条件A)を満たすことが好ましい。また、幅Wdp及びギャップWgは、Wdp>Wgの関係(以下、条件B)を満たすことが好ましい。これによって、ディスプレイ部100と中継部材200との位置関係がずれたとしても、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)は、いずれかのグループに属する出力電極部230(電極パッド230A)に必ず接続される。
【0045】
第3に、幅Wdp及びギャップWngは、Wdp<Wngの関係(以下、条件C)を満たすことが好ましい。これによって、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)は、同一グループに属する出力電極部230(電極パッド230A)のうち、互いに隣接する出力電極部230(電極パッド230A)に接続されることがない。
【0046】
なお、条件A〜条件Cが満たされなくても、ディスプレイ側電極部130(電極パッド130A)がいずれかのグループに属する出力電極部230(電極パッド230A)に接続されることもあることに留意すべきである。
【0047】
(1−3)ディスプレイ側電極部と出力電極部との接続態様の説明
出力電極部230と、ディスプレイ側電極部130との接続状態について説明する。図3(a)〜(c)は、情報表示装置1のディスプレイ部100と中継部材200との接続態様を説明する模式図である。
【0048】
出力電極部230とディスプレイ側電極部130との接続状態は、図3(a)〜(c)に示すケースで説明することができる。情報表示装置1では、出力電極部230とディスプレイ側電極部130のうち何れか一方が他方に重ね合わされて互いに電気的に接続されている。ここでは、説明のため、両者の接続状態が分かるようにディスプレイ部100の基板を透視した状態で表している。すなわち、図3に示す状態は、紙面の垂直方向下側に中継部材200が配置されており、中継部材200に対して紙面の垂直方向上側にディスプレイ部100が重ね合わされた状態である。
【0049】
なお、図3(a)〜(c)では、説明のため、ディスプレイ側電極部130及びディスプレイ側電極部130に連結される配線120を電極11,12と表し、出力電極部230の電極パッド230Aと配線220とをグループAに属する電極A1,A2と表し、グループBに属する電極B1,B2と表す。
【0050】
図3(a)は、出力電極部230とディスプレイ側電極部130とが正常に接続された場合を示した図である。すなわち、この場合のずれd0は、0≦d0<Wgであり、電極11,12と電極A1,B1とが合致している。図3(b)は、図3に示すD方向にディスプレイ部100と中継部材200が距離d1(Wg≦d1<Wp)ずれた状態で接続されたケースを表す。この場合、電極11は、電極A1と電極B1に接続される。同様に、電極12は、電極A2と電極B2に接続される。図3(c)は、図3に示すD方向にディスプレイ部100と中継部材200とが距離d2(Wp≦d2<(Pp+Wg))ずれた状態で接続されたケースを表す。この場合、電極11は、電極B1に接続される。同様に、電極12は、電極B2に接続される。
【0051】
出力電極部230は、上述の構成を備えるため、中継部材200とディスプレイ部100とを接続する際に、ディスプレイ側電極部130と出力電極部230とが厳密に重なって正常に接続されなくても、出力電極部230とディスプレイ側電極部130とが接続されて電気的に導通する。
【0052】
なお、ディスプレイ部100の配線120は、電極パッド130Aに接しても、導通しないように、表面に絶縁材などを用いた絶縁処理が施されている。中継部材200の配線220も、電極パッド230Aに接しても導通しないように、表面に絶縁材などを用いた絶縁処理が施されている。さらに、駆動回路部300の配線320も、中継部材200の使用されなかった接続位置の入力電極部に接しても導通しないように、表面に絶縁材などを用いた絶縁処理が施されている。
【0053】
(1−4)検出用電極の構成
ディスプレイ部100及び中継部材200には、ディスプレイ側電極部130に接続された出力電極部230のグループを検出する検出用の電極を有する。
【0054】
図1に示すように、ディスプレイ部100は、短絡されたショート配線521と、ショート配線521の端部に連結されたディスプレイ側電極部530とを有する。また、中継部材200は、ディスプレイ側電極部530の各々と電気的に接続される複数の出力電極部430を備える。出力電極部430は、複数のグループに分けられている。複数の出力電極部430には、第1グループに属する第1出力電極部431(DA1,DA2)と、第2グループに属する第2出力電極部432(DB1,DB2)とが含まれる。
【0055】
第1出力電極部431(DA1,DA2)は、配線420を介して、入力電極部210A1,210A2に接続され、第2出力電極部432(DB1,DB2)は、配線420を介して、入力電極部210B1,210B2に連結されている。
【0056】
また、図4は、中継部材200におけるグループ検出用の出力電極部430(電極パッド430A)を拡大した拡大図である。図4に示すように、入力電極部210A1,210A2と、入力電極部210B1,210B2とは、別途設けられた検出装置700の検出回路770に接続される。なお、入力電極部210A1,210A2と、入力電極部210B1,210B2とは、検出回路770に接続しやすいように、電極間隔を広げて配置してもよいし、電極パットの面積を他の電極パットに比べて、大きくするようにしてもよい。
【0057】
ディスプレイ側電極部530のピッチ(間隔)は、ディスプレイ側電極部130のピッチ(間隔)と同じPdpである。また、出力電極部430(第1出力電極部431、第2出力電極部432)は、矩形状の電極パッド430Aを有し、電極パッド430Aの幅Wpと、隣接する電極パッド430A間のギャップWgと、配線420のピッチ(間隔)Ppとの間には、Pp=Wp+WgかつWp>Wgの関係が成り立つ。出力電極部430が図4に示す構成となっている場合には、出力電極部430に対応するディスプレイ側電極部530の間隔Pdpは、Pdp=2Pp(但し、Pp=Wp+Wg)である。
【0058】
図4では、説明のため、ディスプレイ側電極部530に連結されるショート配線521を配線Sと表し、グループAに属する第1出力電極部431を電極DA1、DA2、グループBに属する第2出力電極部432を電極DB1,DB2と表す。検出回路770は、配線Sによりショートしている電極を検出することにより、グループA,Bどちらの出力電極部430がディスプレイ側電極部130に接続されているかを検出する。
【0059】
(1−5)中継部材を用いた接続方法
図5は、中継部材200を用いて、ディスプレイ部100と駆動回路部300とを電気的に接続する接続方法を説明する図である。なお、かかる接続方法は、ディスプレイ部100と駆動回路部300とを電気的に接続して、情報表示装置1を製造する製造工程に適用できる。
【0060】
ステップS1において、ディスプレイ部100に配置されるディスプレイ側電極部130と、中継部材200に配置される複数の出力電極部230とを接続する。具体的に、ディスプレイ側電極部130と、複数の出力電極部230とを、図3(a)〜図3(b)のいずれの接続状態となるように位置合わせを行う。
【0061】
ここで、この位置合わせは、ディスプレイ側電極部130の位置を、いずれかのグループに属する複数の出力電極部230の位置に合わせればよいので、ガイドピンや外形突き当てなどの簡易な方法で行うことができる。また、ディスプレイ部の基板および駆動回路部がともに不透明であっても、電極位置を直接観察することなく実行することができる。なお、この位置合わせが行われた後、例えば、ACFなどの接続部材を用いて、ディスプレイ側電極部130と複数の出力電極部230とを電気的に接続する接続処理を行う。
【0062】
ステップS2において、ディスプレイ部100に配置される複数のディスプレイ側電極部130に対して、中継部材200に配置される複数の出力電極部230のどのグループが接触したかを検出する。なお、検出方法の詳細については、後述する(図6参照)。
【0063】
ステップS3において、ステップS2で検出されたグループに従って決定される接続位置に配置された入力電極部210と、駆動回路部300に配置される複数の駆動側電極部330の各々とを接続する。具体的に、複数の駆動側電極部330の各々と、ステップS2で検出されたグループに対応する接続位置A,Bに配置される複数の入力電極部210の各々と接続を行う。例えば、ACF(Anisotropic Condactive Film)などを用いて、複数の駆動側電極部330の各々と、中継部材200に配置される複数の入力電極部210とを電気的に接続する接続処理を行う。
【0064】
また、中継部材200において、入力電極部210を配置する基板と、出力電極部230を配置する基板とは、透明な部材によって構成されていることが好ましい。このような構成にすれば、中継部材200の出力電極部230とディスプレイ部100のディスプレイ側電極部130との位置合わせをする際に、互いの電極位置が視認し易くなる。同様に、中継部材200の入力電極部210と駆動回路部300の駆動側電極部330とを接続する際も、互いの電極位置が視認し易くなり、ガイドピンや外形突き当て等がなくても接続ができる。
【0065】
次に、図6を参照して、上述したステップS2の処理について説明する。具体的に、ディスプレイ部100に対して、どのグループに属する出力電極部230が接触したかを検出する処理について説明する。
【0066】
ステップS20において、検出回路770は、電極DA1,DA2が導通しているか否かを検出する。導通している場合には、グループAに属する出力電極部231がディスプレイ部100に接続していることを検出する(ステップS21)。
【0067】
一方、ステップS20において、電極DA1,DA2に導通していないことが検出された場合には、ステップS22において、さらに、電極DB1,DB2に導通しているか検出する。導通している場合には、グループBに属する出力電極部232がディスプレイ部100に接続していることを検出する(ステップS23)。
【0068】
以上のように、検出装置700によって、ディスプレイ側電極部130がどのグループに属する出力電極部230(第1出力電極部231又は第2出力電極部232)に接続されているか検出すれば、この後、駆動回路部700の駆動側電極部330と、検出されたグループに属する出力電極部230に連結される入力電極部210(第1入力電極部211又は第2入力電極部211)とを接続する(ステップS3)ことができる。
【0069】
(1−5)作用・効果
以上説明したように、情報表示装置1は、情報を表示するディスプレイ部100と、ディスプレイ部100を駆動する駆動回路部300と、ディスプレイ部100と駆動回路部300とを電気的に接続する中継部材200とを有する。ディスプレイ部100は、表示領域110に配置された画素電極(表示用電極)に連結された複数のディスプレイ側電極部130を有し、複数のディスプレイ側電極部130の各々は、ピッチPdpで周期的に配置されている。
【0070】
中継部材200は、駆動回路部300の駆動側電極部330に接続される入力電極部210と、入力電極部210に連結されるとともに、ディスプレイ部100のディスプレイ側電極部130と電気的に接続される複数の出力電極部230とを有する。
【0071】
駆動回路部300は、中継部材200の入力電極部210の各々と電気的に接続される複数の駆動側電極部330と、中継部材200を介して、表示領域110に情報を表示させる制御信号をディスプレイ部100に出力するコントローラ340とを有する。
【0072】
また、中継部材200では、複数の出力電極部230が、n個のグループに分類され、複数の出力電極部230に連結される複数の入力電極部210も、n個のグループに分類される。また、複数の出力電極部230は、ピッチPdpの略1/nのピッチPpで周期的に配置されている。一のグループに属する出力電極部230は、他のグループに属する出力電極部230と隣接するように周期的に配置されている。つまり、出力電極部230のピッチは、ディスプレイ側電極部130のピッチPdpよりも狭く、かつ、ディスプレイ側電極部130の1ピッチあたりに、出力電極部230がn個配置される。
【0073】
かかる中継部材200によれば、ディスプレイ側電極部130と中継部材200とを接続する際に、ディスプレイ部100の位置と中継部材200との位置とがずれても、言い換えれば、精密なアライメントを取らなくても、ディスプレイ側電極部130は、n個のグループのいずれかの出力電極部230に接触する。すなわち、ディスプレイ部100と、中継部材200との電気的な接続を容易にできる。
【0074】
また、入力電極部210は、グループごとに異なるように設定された接続位置A,Bに配置されている。このような構成においてディスプレイ部100のディスプレイ側電極部130と接触した出力電極部230が属するグループを、例えば、図4に示す検出装置700等を用いて検出する。また、検出されたグループに属する出力電極部230に連結された入力電極部210が配置された接続位置A,Bにおいて、駆動回路部300の駆動側電極部330の位置を調整しながら、入力電極部210と駆動側電極部330とを接続する。
【0075】
なお、中継部材200において、出力電極部230を配置する基板を、透明な部材によって構成すれば、中継部材200の入力電極部210の位置と駆動回路部300の駆動側電極部330の位置とが視認し易くなるので、一層接続が容易に行える。
【0076】
このように、かかる中継部材200によれば、ディスプレイ部100と駆動回路部300との間を電気的に接続する際のアライメント(位置合わせ)を容易に可能になる。すなわち、かかる中継部材200によれば、ディスプレイ部100を駆動回路部300に実装する際の作業を簡便に行うことが可能になる。
【0077】
図1に示す実施形態に係る中継部材200では、第1グループに属する第1出力電極部231と、第2グループに属する第2出力電極部232とが基板面に交互に配置されている。また、各出力電極部230(第1出力電極部231及び第2出力電極部232)は、電極パッド230Aの幅Wpと、隣接する電極パッド230A間のギャップWgは、Wp>Wgを満たす。図1に示す構成では、ディスプレイ側電極部130の間隔Pdpは、Pdp=2Ppである。
【0078】
例えば、A4サイズ(210×297mm)の表示領域にXGAモノクロ規格の解像度(1024×768=786432ピクセル)で表示できるように構成し、A4サイズの短辺部分に縦横ライン電極から引き出されたディスプレイ側電極部130を配置する場合、210mmの範囲に、(1024+768=1792)本のディスプレイ側電極部130が配置される。従って、接続する箇所は、1024+768=1792箇所になり、配線220の間隔Ppは、数百μm〜百数十μmになる。
【0079】
情報表示装置1では、中継部材200の入力電極部210と、出力電極部230とを、少なくとも2つのグループに分け、上記関係を満たすように構成することにより、例えば、出力電極部230とディスプレイ側電極部130との接続状態が図3(a)〜(c)に示す何れかのケースになり、ディスプレイ側電極部130と出力電極部230とが厳密に重なって正常に接続されなくても、言い換えれば、精密なアライメントを取らなくても、接続できる。
【0080】
実施形態では、図3に示したように、位置ずれがd0,d1,d2の範囲であれば、ディスプレイ部100に正しく表示される。また、電極11が電極A2,B2に接触するような位置ずれが起きた場合には、電極11から順に配列される電極のうち最後の電極Nに通電されないことになるが、表示領域110の全域に表示の不具合が発生することはない。
【0081】
ディスプレイ側電極部130を余分に形成する(例えば、1ライン分多く形成する)ことにより、電極11が電極A2,B2に接触するような位置ずれが起きたとしても、最後の電極にも通電されるため、表示領域110に正しく表示させることができる。
【0082】
また、ディスプレイ側電極部130と入力電極部210と出力電極部230と駆動側電極部330の材質としては、上述したように、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物を用いてもよい。或いは、これらの電極部の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属を用いてもよく、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を用いてもよく、これらの合金を用いてもよい。抜き挿し方式の接続部CNを構成する場合には、曲げや擦過に対する強度に優れている材料を電極部材料として用いることが好ましい。このような材料は、例えば、上述した金属、貴金属又は合金である。
【0083】
導電性材料から電極パットとしての導電膜を形成する方法としては、次の方法が挙げられる。例えば、上述した導電性材料を基板面にスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法などにより薄膜状に形成することができる。また、金属材料については、金属箔(例えば、圧延銅箔)を形成し、基板面にラミネートする方法を用いてもよい。更に、導電性材料を含む導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合し、基板面に塗布する方法などを用いることができる。導電性材料は、パターン形成が可能であるため、成形性もよく、好適に使用できる。
【0084】
導電膜を金属材料で形成する場合には、上述した形成方法のなかでも、金属材料を圧延した薄膜が好ましい。圧延した薄膜は、蒸着により形成された薄膜やスパッタリングにより形成された薄膜に比べて、曲げや擦過に対する強度を高めることができる。導電膜を配置する基板と、導電膜との密着性を高めるために、アンカー材を設けてもよい。
【0085】
電極パッドとしての導電膜の厚さは、導電性が確保できればよく、一例として、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。
【0086】
(2)変形例
図7は、変形例に係る情報表示装置3の中継部材600における出力電極部630(電極パッド630A)を拡大した拡大図である。変形例として示す情報表示装置3では、ディスプレイ側電極部930(電極パッド930A)のピッチ(間隔)Pdpの1/nと、出力電極部630のピッチ(間隔)Ppとが異なっている。すなわち、Pdp/n≠Ppである。
【0087】
図7では、出力電極部630は、矩形状の電極パッド630Aを有し、電極パッド630Aの幅Wpと、隣接する電極パッド630A間のギャップWgとは、Wp>Wgの関係が成り立つ。更に、図7に示す構成では、ディスプレイ側電極部930のピッチ(間隔)Pdpは、Pdp/n<Pp (n=2)の関係にあるので、Pdp<2Ppである。また、ディスプレイ側電極部930がピッチPdpでm本配置された幅WDp、同じグループに属する出力電極部630がm本ずつ配置されたとき、同じグループに属する出力電極部の最も離れた位置にある出力電極部間の距離WDrとするとき、WDp−WDr<Pp+wgである。
【0088】
この場合、ディスプレイ側電極部930と出力電極部630との接続状態は、図3(a)〜(c)の全てが繰り返し含まれるパターンになるため、ディスプレイ部100に所定の情報を表示することができる。
【0089】
(3)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0090】
例えば、図8(a)に示すように、中継部材200は、出力電極部230を配置した基板280の端部285aが、基板280の表面からせり上がる段差状に形成されていることが好ましい。また、ディスプレイ側電極部130を配置した基板140の端部145aと、出力電極部230を配置した基板280の端部285aとが、挿抜方向(図8に示すX方向)に凹凸する形状に形成されていることが好ましい。このような構成によれば、ディスプレイ部100と中継部材200とを接続する際、ディスプレイ側電極部130を配置した基板140の端部145aが、出力電極部230を配置した基板280の端部285aに突き当てられることで、ディスプレイ側電極部130の位置と、出力電極部230の位置とを容易に合わせることができる。
【0091】
基板140,280の端部145a,285aの形状は、図8(a)に示す山部と谷部とに直線部分を有するジグザグ形状や、山部と谷部とに直線部分を有さない鋭角的なジグザグ形状などが例示される。また、図8(b)に示すように、ディスプレイ側電極部130を配置する基板140の端部145bと、出力電極部230を配置する基板280の端部145bとが、曲線的な波型形状に形成されていてもよい。
【0092】
なお、上述の例では、ディスプレイ側電極部130を配置した基板140の端部145aと、出力電極部230を配置した基板280の端部285aとが、挿抜方向に凹凸する形状に形成されている場合を例に挙げた。しかし、駆動側電極部330を配置する基板(不図示)と、入力電極部210を配置する基板(不図示)も同様に形成してもよいことは無論である。
【0093】
実施形態では、ディスプレイ部100(ディスプレイ部500,900も同様)は、気体中粒子移動方式ディスプレイパネルであると説明した。しかし、ディスプレイ部100は、例えば、電気泳動方式(液体中粒子移動方式)ディスプレイパネル、コレステリック液晶方式ディスプレイパネル、エレクトロクロミック方式ディスプレイパネルとすることができる。また、給電を断った状態で表示された情報を所定期間保持できる表示メモリー性、いわゆるバイステイブル性を有するMEMS方式ディスプレイパネル、銀の電解による析出を用いる方式のディスプレイパネル、溶解反応を利用したディスプレイパネルとすることができる。ディスプレイ部100は、これら表示メモリー性を有するものが好ましいが、表示メモリー性の無い、従来の液晶ディスプレイ(LCD)にも適用できる。
【0094】
実施形態では、情報表示装置1は、記憶部350を備えると説明した。この他に、例えば、無線通信及び/又は有線通信を可能とする通信デバイスを備え、ディスプレイ部100の表示領域110に表示する情報に関するデータを、ネットワークを介して取得することもできる。
【0095】
実施形態では、中継部材200の入力電極部210には、グループAに属する第1入力電極部211とグループBに属する第2入力電極部212とが含まれ、出力電極部230には、グループAに属する第1出力電極部231(電極A1,A2)とグループBに属する第2出力電極部232(電極B1,B2)とが含まれると説明した。しかし、2つのグループに限定されない。3つであってもよい。
【0096】
また、実施形態では、出力電極部がピッチ(間隔)Ppで配置されており、ディスプレイ側電極部がピッチ(間隔)Pdpで配置されており、Pdp=2Ppである場合について説明した。しかし、ディスプレイ側電極部のピッチ(間隔)は、出力電極部の間隔の整数倍であればよく、2倍に限定されない。すなわち、例えば、Pdp=3Pp、Pdp=4Ppという関係になるような配置になっていてもよい。
【0097】
また、実施形態では、中継部材200は、ディスプレイ部100と駆動回路部300とを電気的に接続するように構成されていた。しかし、本発明に係る中継部材は、ディスプレイ部のように、電気的に接続するピン数(電極数)が多く、しかもそのピン(電極)の配置間隔が狭い電子デバイスと、駆動回路部のような他の電子デバイスとを電気的に接続する様々なケースに適用可能である。
【0098】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0099】
A1,A2…電極、B1,B2…電極、1,3…情報表示装置、11,12…電極、100…ディスプレイ部、110…表示領域、120…配線、130…ディスプレイ側電極部、130A…電極パッド、140,280…基板、200…中継部材、210…入力電極部、210A1,210A2…入力電極部、210B1,210B2…入力電極部、211…第1入力電極部、211…第2入力電極部、211,212…入力電極部、212…第2入力電極部、220…配線、230…出力電極部、230A…電極パッド、231…第1出力電極部、232…第2出力電極部、300…駆動回路部、310…ドライバIC、320…配線、330…駆動側電極部、331…第1駆動側電極部、340…コントローラ、350…記憶部、360…電源回路、420…配線、430…出力電極部、430A…電極パッド、431…第1出力電極部、432…第2出力電極部、500,900…ディスプレイ部、521…ショート配線、530…ディスプレイ側電極部、600…中継部材、630…出力電極部、630A…電極パッド、700…検出装置、700…駆動回路部、770…検出回路、930…ディスプレイ側電極部、930A…電極パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1電極部を有する第1電子デバイスと、複数の第2電極部を有する第2電子デバイスとを有し、前記第1電子デバイスが前記第2電子デバイスを制御する装置において、前記第1電子デバイスと前記第2電子デバイスとを電気的に接続する中継部材であって、
前記第1電極部の各々と電気的に接続される複数の入力電極部と、
前記複数の入力電極部に連結されるとともに、所定方向に沿って所定ピッチで周期的に配置される前記複数の第2電極部の各々と電気的に接続される複数の出力電極部とを有し、
前記複数の出力電極部は、n個のグループに分類されており、
前記複数の出力電極部は、所定方向に沿って前記所定ピッチの略1/nのピッチで周期的に配置されており、
一のグループに属する出力電極部は、他のグループに属する出力電極部と隣接するように周期的に配置されるとともに、グループごとに異なるように設定された接続位置のうちのいずれか一つに配置された入力電極部に連結されている
ことを特徴とする中継部材。
【請求項2】
請求項1に記載の中継部材を用いた接続方法であって、
前記第2電子デバイスに配置される前記複数の第2電極部の各々と、前記中継部材に配置される前記複数の出力電極部とを接続する工程Aと、
前記第2電子デバイスに配置される前記複数の第2電極部に対して前記中継部材に配置される前記複数の出力電極部のどのグループが接触したかを検出する工程Bと、
工程Bで検出されたグループに従って決定される接続位置に配置された入力電極部と、前記第1電子デバイスに配置される前記複数の第1電極部の各々とを接続する工程Cとを有する
ことを特徴とする接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89513(P2013−89513A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230210(P2011−230210)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】