説明

主要心血管イベントの発生を低減させるための紅麹エキスとオメガ−3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体とを含む物質

医薬品及び治療用組成物は、紅麹エキスと、オメガ-3多価不飽和脂肪酸及び/又はその誘導体、例えば、DHA、DHAの誘導体、EPA、EPAの誘導体、又はそれらの混合物とを含む。脂肪酸又はその誘導体の、ある原料は、魚油である。該組成物は、対象におけるコレステロール及び/又はトリグリセリドレベルを低下させるために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2007年6月1日に出願された米国特許出願第11/757,340号(その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる)の一部継続出願である。本願に引用するすべての刊行物、特許、特許出願、データベース、及び他の参考文献、本明細書に引用されるすべての関連出願、並びにその中に引用されるすべての参考文献を、まるで、すべてが本明細書に再び記述されるかのように、かつ、それぞれ個々の刊行物、特許、特許出願、データベース、又は他の参考文献が、具体的かつ個々に参照によって本明細書に組み込まれることが示されるかのように、その内容全体を参照によって本明細書に組み込む。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、ヒドロキシメチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)還元酵素阻害剤活性を有する紅麹エキスと、魚油から得られるオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体或いは他の原料のオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体との組み合わせである組成物、並びに栄養補助食品及び医薬品中でのこうした組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(従来技術の説明)
スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤のグループのメンバーである)は、心血管疾患を有する又はそのリスクのある人におけるコレステロールレベルを低下させるための医薬品として使用される、抗高脂血症剤のグループである。スタチンは、コレステロール合成のメバロン酸経路の律速酵素である酵素HMG-CoA還元酵素を阻害することによって、コレステロールを低下させる。肝臓におけるこの酵素の阻害は、低密度リポタンパク質(LDL)受容体を刺激し、その結果、血流中からのLDL、いわゆる「悪玉コレステロール」のクリアランスが増大し、血中コレステロールレベルが低下する。
【0004】
スタチンは、強力なコレステロール低下剤であり、LDLコレステロールを30〜50%低下させることが報告されている(Jones, P.、Kafonek, S.、Laurora, I.らの文献、「高コレステロール血症を患う患者におけるシンバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、及びフルバスタチンに対するアトルバスタチンの用量-有効性の比較研究(Comparative dose efficacy study of atorvastatin versus simvastatin、pravastatin、lovastatin、and fluvastatin in patients with hypercholesterolemia) (CURVES研究)」 Am J Cardiol 1998; 81-(5); 582-7を参照のこと)。スタチンは、合成のもの又は発酵で得られるものに分類される。ロバスタチンは、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)の株から単離され、これは、薬物としてFDAによって認可された(1987年8月)最初のスタチンであった。ロバスタチンは、非水溶性の白色結晶性固体である。ロバスタチンは、水に溶けないことによって、胃腸液への溶解が不十分となり、したがって、吸収、分布、及び標的器官送達が不十分となる。ロバスタチンの溶解度は、3-シクロデキストリン、すなわちロバスタチンの溶解度を向上させるオリゴ糖との反応によって高められる。こうした場合における水への溶解度の向上は、治療有効性を向上させるための価値ある目標である。ロバスタチンはまた、高密度リポタンパク質(HDL)の軽微ないし中程度の増大(10〜20%)と、トリグリセリドの軽微な低下(5〜10%)をもたらすことができる。ロバスタチンの通常の日用量は、20〜80mg/日である。スタチン薬物としては、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、及びセリバスタチンが挙げられる。
【0005】
ロバスタチンに類似の化合物も、紅麹として知られる天然の発酵生成物中に発見されている。これらの化合物もまた、HMG-CoA還元酵素阻害剤である。Alternative Medicine Review(Volume 9, Number 2, 2004)中に発表された研究論文は、紅麹におけるHMG-CoA還元酵素阻害剤活性が、「モナコリン」と呼ばれる天然に存在する9つの化合物のファミリー(各々がHMG-CoA還元酵素阻害剤活性を有する)に由来することを報告している。紅麹中のさらなる活性成分としては、ステロール(ベータ-シトステロール、カンペステロール、シグマステロール(sigmasterol)、及びサポゲニン)、イソフラボン、及びモノ不飽和脂肪酸(Heber Dらの文献、「登録商標の栄養補助食品Chinese red yeast riceのコレステロール低下効果(Cholesterol lowering effects of proprietary Chinese red yeast rice dietary supplement)」、Am J Clin Nutr 1999,:69:231-236を参照のこと)が挙げられる。紅麹中のモナコリンのうちの1つ、モナコリンKは、活性な酸型に肝臓によってインビボで転換される、ラクトン型のスタチン薬物ロバスタチンであると言われている。
【0006】
紅麹は、アジア諸国では普通の食品であり、これらの国々では、平均1日摂取量は14〜55グラムである。紅麹から得られる栄養補助食品は、紅麹エキスとして知られている。紅麹エキスは、米上で酵母モナスカス・ププレウス(Monascus pupureus)を培養し、その米の発酵生成物を乾燥させ、乾燥させた生成物を溶媒、通常水性エタノール又は水で抽出することによって得られる。このようにして生成された紅麹エキスは通常、約0.2重量%のモナコリンKかつ約0.5重量%の総モナコリンを含有する。
【0007】
2000年4月4日にZhangら(Peking University)に発行された米国特許第6,046,022号は、ロバスタチン(モナコリンK)濃度の高い紅麹を作製する、並びに紅麹及び紅麹エキスを使用する、いくつかの方法を開示している。米国特許第6,046,022号の内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0008】
2003年4月1日; 2002年8月20日; 2002年12月17日; 2003年4月8日; 2003年6月10日; 2003年4月1日; 及び2002年6月25日に、それぞれYegorovaに発行された、米国特許第6,541,005号; 第6,436,406号; 第6,495,173号; 第6,544,525号; 第6,576,242号; 及び第6,541,006号、並びに、2002年6月25日にMundyらに発行された米国特許第6,410,521号は、紅麹を使用する方法を開示している。これらの特許をすべて、その内容全体を参照によって本明細書に組み込む。
【0009】
Fawzyらによる2006年9月21日に公開された米国特許出願公開第20060211763号は、天然又は合成のオメガ-3脂肪酸を含む溶媒系に溶解したスタチン薬物を開示しており、Guzmanらによる2006年2月16日に公開された米国特許出願公開第20060034815号は、1以上のスタチンのオメガ-3オイル溶液を開示している。
【0010】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸及びその誘導体は、魚油から得ることができ、血清トリグリセリド(Abe Y、El-Masri Bらの文献、「高トリグリセリド血症における可溶性の細胞接着分子及び単級接着に関する潜在的重要性(Soluble cell adhesion molecules in hypertriglyceridemia and potential significance on monocyte adhesion)」Arteriosler Thromb Vasc Biology 1998:18:723-731を参照のこと)及び有害な冠動脈イベントを低減させることが知られている。魚油中の主な活性成分は、5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸(EPA)、20:5(n-3))及び4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(ドコサヘキサエン酸(DHA)、22:6(n-3))である。EPA及びDHAは、高トリグリセリド血症の患者に、4g/日の合わせた用量で7ヶ月間与えられ、トリグリセリドの47%の低下という結果が得られている(Ridker, Paulの文献、「脂質及びsCAM-炎症マーカーに対するn-3脂肪酸療法の効果、薬物療法及び臨床試験(Effects of n-3 Fatty Acid Therapy on Lipids and sCAMs - hiflammatory Markers、Pharmacotherapy and Clinical Trials)」、Lipids Online.org、2001年10月3日投稿、2001年10月4日修正を参照のこと)。
【0011】
スタチン薬物とオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体の効果は、累積的であると報告されている。既に1日10〜40mgのスタチンすなわちシンバスタチンを与えられている59人の患者に、2グラムのEPA+DHAを1日2回与えると、トリグリセリドのさらに持続性の20〜30%の有意な低下が見られた(Durington P、Bhatnagerらの文献、「心筋症を患うシンバスチン(simvastin)で治療された患者におけるオメガ-3多価不飽和脂肪酸濃縮物の1年間の投与がトリグリセリドを低下させた(An omega-3 polyunsaturated fatty acid concentration administered for one year decreased triglycerides in simvastin treated patients with CM. Heart)」2001:85(5) 544-548を参照のこと)。
【0012】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸及びその誘導体はまた、炎症を低減させる、不整脈を低減させる、突然の心臓死及び心停止のリスクを低下させることが当業者に周知である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の概要)
本発明に従ってさらに提供されるのは、(1)少なくとも1種のオメガ-3多価不飽和脂肪酸、少なくとも1種の医薬として許容し得るオメガ-3多価不飽和脂肪酸誘導体、又はそれらの混合物と、(2)紅麹エキスとを含む治療用組成物である。
【0014】
本発明は、構成成分(1)が、EPA、EPAの誘導体、DHA、DHAの誘導体、又はそれらの混合物を含むような治療用組成物をさらに提供する。この治療用組成物は、EPAの誘導体及びDHAの誘導体がグリセリドである組成物であり得る。さらに提供されるのは、構成成分(1)が、約35重量%のEPAのトリグリセリドと約25重量%のDHAのトリグリセリドとを含む混合物である組成物である。
【0015】
本発明は、構成成分(1)が、EPA:DHAの重量比が約1.4:1から約5:1の、少なくとも約60重量%のEPAとDHAの組み合わせを含む混合物であり、該組み合わせは、トリグリセリド型のEPA及びDHAにおいて少なくとも約60%であり、残りが少なくとも約80%のモノ-及びジ-グリセリドであるような治療用組成物をさらに提供する。該組み合わせが約65重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む、又は、該組み合わせが約75重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む組成物も提供される。該組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、又は、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、又は、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、又は、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方であるような組成物も提供される。本発明は、該組み合わせが約65重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む治療用組成物をさらに提供する。
【0016】
本発明によれば、紅麹エキスが少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む組成物、紅麹エキスが少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4重量%の総モナコリンを含む組成物、及び紅麹エキスが少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む組成物がさらに提供される。
【0017】
本発明は、医薬品又は治療用組成物の用量であって、約1000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と1200mgの紅麹エキスとを含む前記医薬品又は治療用組成物の用量、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と2400mgの紅麹エキスとを含む前記用量、或いは約4000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と約2400mgの紅麹エキスとを含む前記用量も提供する。
【0018】
本発明によれば、対象における血清コレステロール、トリグリセリド、又は両方を低下させる方法であって、上に挙げた治療用組成物を含む投薬量を該対象に投与することを含む方法がさらに提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施態様の詳細な説明)
本発明は、魚油に分散させた紅麹エキスを含む医薬品に関する。いくつかの実施態様では、該医薬品としては、魚油が少なくとも約60%のオメガ-3オイル又は少なくとも約70%のオメガ-3オイルを含む組成物が含まれる。いくつかの実施態様では、該医薬品としては、オメガ-3オイルが約50%のEPAと約35%のDHAとを含む組成物、又はオメガ-3オイルが約69%のEPAと約16%のDHAとを含む組成物が含まれる。いくつかの実施態様では、該医薬品としては、紅麹エキスが少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む組成物が含まれる。いくつかの実施態様では、該医薬品としては、紅麹エキスが少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4重量%の総モナコリンを含む組成物が含まれる。いくつかの実施態様では、紅麹エキスに対する魚油の重量比は、1.4と2.8の間の範囲内である。いくつかの実施態様では、該医薬品は、分散剤をさらに含む。いくつかの実施態様では、該分散剤は、3%のリシンと2%の竹を含む。いくつかの実施態様では、該医薬品は、魚油、紅麹エキス、及び分散剤が入れられたソフトゼラチンカプセルをさらに含む。いくつかの実施態様では、該医薬品は、整数個のカプセルによって送達される該医薬品の日用量を含む。いくつかの実施態様では、該医薬品の日用量は、約1000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、約1200mgの紅麹エキスとを含む、或いは、該医薬品の日用量は、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、約1200mgの紅麹エキスとを含む、或いは、該医薬品の日用量は、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、約2400mgの紅麹エキスとを含む、或いは、該医薬品の日用量は、約4000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、約2400mgの紅麹エキスとを含む。いくつかの実施態様では、該医薬品は、酸化防止剤をさらに含む。いくつかの実施態様では、該酸化防止剤は、ローズマリー、ビタミンE、アスタキサンチン、カルニチン、パルミチン酸アスコルビル、及びトコフェロールからなる群から選択される。
【0020】
本発明はさらに、対象における血清コレステロール、トリグリセリド、又は両方を低下させる方法であって、EPA及び/又はEPAの誘導体、DHA及び/又はDHAの誘導体、並びに紅麹エキスを含む1日投薬量を投与することを含む方法に関する。いくつかの実施態様では、該1日投薬量は約4000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と約2400mgの紅麹エキスとを含む、或いは該1日投薬量は約1000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と約1200mgの紅麹エキスとを含む、或いは該1日投薬量は約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と約1200mgの紅麹エキスとを含む、或いは該1日投薬量は約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と約2400mgの紅麹エキスとを含む。
【0021】
本発明はまた、オメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体に分散させた紅麹エキスを含む組成物、及び対象を治療するためのこうした組成物の使用に関する。紅麹エキスは、少なくとも1種の、好ましくは2種以上のモナコリン化合物を含むことが好ましい。いくつかの実施態様では、モナコリン化合物は、モナコリンKを含む。いくつかの実施態様では、モナコリン化合物は、モナコリンK及び少なくとも1種の他のモナコリン化合物を含む。いくつかの実施態様では、モナコリン化合物は、紅麹中のすべてのモナコリン化合物を含む。いくつかの実施態様では、紅麹エキスは、約0.2重量%のモナコリンKかつ約0.5重量%の総モナコリンを含有する。
【0022】
本発明の組成物は、対象におけるコレステロール及びトリグリセリドレベルを低下させるための、ロバスタチンの使用に勝るいくつかの利点を提供する。例えば、紅麹エキスは水溶性であるのに対して、ロバスタチンは水溶性ではない。上述の通り、ロバスタチンは水に溶けないことによって、胃腸液への溶解が不十分となり、したがって、吸収、分布、及び標的器官送達が不十分となる。ロバスタチンの水溶性を高めることはできるが、水溶性の紅麹エキスは、ロバスタチンよりも容易に対象の系に入り込むであろうと考えられている。
【0023】
紅麹エキスが、ロバスタチンよりも低い投薬量(紅麹エキス中のモナコリンの量に基づく)で、より優れた脂質低下の結果をもたらすことも強調される。これによって、対象における望ましくない、場合によっては、有害な副作用のリスクが低下する。
【0024】
紅麹エキスは、酵母のモナスカス・プルプレウス(Monascus purpureus)株を、米を含む培地中で約2から約20日の期間、約15℃から約35℃の温度で培養し、紅麹を含有する未精製発酵生成物を提供し; 前記未精製発酵生成物を乾燥させて紅麹を得、溶媒を用いて前記紅麹を抽出してエキスを提供し; 前記エキスを乾燥させて溶媒を除去し、紅麹エキスを生成する; ことによって、前記モナスカス・プルプレウス株を用いて、白米、好ましくはうるち米を発酵させることによって調製される。溶媒は、水性エタノール又は水のいずれかが好ましい。米に他の培地を添加することもできる。例えば、糖; グリセリン、麦芽、及びジャガイモ汁からなる群から選択される追加の炭素源; 並びに濃いビート汁、又はそれらの混合物を使用してもよい。さらに、消泡剤を添加することができる。
【0025】
いくつかの実施態様では、本発明の組成物中に使用される紅麹エキスは、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含有する。いくつかの実施態様では、該紅麹エキスは、少なくとも約0.15重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.35重量%、又は少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含有する。いくつかの実施態様では、該紅麹エキスは、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.45重量%、又は少なくとも約0.5重量%の総モナコリンを含有する。いくつかの実施態様では、本発明の組成物中に使用される紅麹エキスは、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含有する。
【0026】
紅麹エキスは、米国では、市販品として容易に入手することができ、既に調製されたものを購入することができる。紅麹エキスの好ましい典型的な日用量は、1日あたり約1.2から約2.4グラムであり、これは、ヒト臨床試験で使用された投薬量である。
【0027】
(オメガ-3多価不飽和脂肪酸)
本明細書では、用語「オメガ-3多価不飽和脂肪酸」とは、共通してn-3位置(すなわち、分子のメチル末端から3個目の結合)に炭素-炭素結合を有する不飽和脂肪カルボン酸のファミリーをいう。通常、オメガ-3多価不飽和脂肪酸は、約16から約24個の炭素原子と、3から6個の炭素-炭素二重結合を含有する。オメガ-3多価不飽和脂肪酸は、天然に見いだすことができ、これらの天然のオメガ-3多価不飽和脂肪酸は、すべての炭素-炭素二重結合がcis-配置であることが多い。
【0028】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸の例としては、それだけには限らないが、7,10,13-ヘキサデカトリエン酸(時に16:3(n-3)と省略される); 9,12,15-オクタデカテトリエン酸(octadecatetrienoic acid)(α-リノレン酸(ALA)、18:3(n-3)); 6,9,12,15-オクタデカテトラエン酸(ステアリドン酸(STD)、18:4(n-3)); 11,14,17-エイコサトリエン酸(エイコサトリエン酸(ETE)、20:3(n-3)); 8,11,14,17-エイコサテトラエン酸(エイコサテトラエン酸(ETA)、20:4(n-3)); 5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸(EPA)、(20:5(n-3)); 7,10,13,16,19-ドコサペンタエン酸(ドコサペンタエン酸(DPA)、22:5(n-3)); 4,,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸(ドコサヘキサエン酸(DHA)、22:6 (n-3)); 9,12,15,18,21-テトラコサペンタエン酸(テトラコサペンタエン酸、24:5(n-3)); 及び6,9,12,15,18,21-テトラコサヘキサエン酸(テトラコサヘキサエン酸、24:6(n-3))が挙げられる。
【0029】
エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は、魚油中に天然に見いだされ、様々な食事療法用/治療用組成物中に使用されている。EPA及びDHAは、本発明において好ましいオメガ-3多価不飽和脂肪酸である。
【0030】
(オメガ-3多価不飽和脂肪酸誘導体)
本明細書では、用語「オメガ-3多価不飽和脂肪酸誘導体」とは、別の化合物と反応して、或いは修飾されて、その結果、もはや遊離のカルボン酸を含有しなくなったオメガ-3多価不飽和脂肪酸をいう。オメガ-3多価不飽和脂肪酸誘導体の例としては、オメガ-3多価不飽和脂肪酸の、塩、エステル(それだけには限らないがメチル及びエチルエステルを含めたアルキルエステルなど)、及びグリセリドが挙げられる。該オメガ-3多価不飽和脂肪酸は、リン脂質分子内の1以上の脂肪酸部分であってもよい。
【0031】
本明細書では、用語「グリセリド」は、ヒドロキシルの1個、2個、又は3個すべてがカルボン酸、例えばオメガ-3多価不飽和脂肪酸でエステル化されているグリセロール分子(すなわちOHCH2CHOHCH2OH)を意味する。したがって、「トリグリセリド」とは、グリセロール上の3個すべてのヒドロキシルが、(同じ又は異なる)カルボン酸でエステル化されているグリセリドをいう。「ジグリセリド」とは、グリセロール上のヒドロキシルの2個のみが、(同じ又は異なる)カルボン酸でエステル化されているグリセリドをいう。「モノグリセリド」とは、グリセロール上の1個のヒドロキシルのみが、カルボン酸でエステル化されているグリセリドをいう。
【0032】
オメガ-3脂肪酸は、天然にはトリグリセリド型(3個の脂肪酸が結合したグリセロール)で見いだされる。未加工の魚油中に見いだされる天然のトリグリセリド型は、その脂肪酸が、トリグリセリド分子内で非均一に分布しているので、蒸留又は結晶化などの通常の手段によって、精製されたEPA/DHA混合物に、容易にはそれが存在する通りに分離することができない。たとえ存在するにしても、3個のEPA又は3個のDHAのいずれかからなる単一トリグリセリド分子は非常に希有である。通常、トリグリセリド分子内には、DHA、EPA、及び別の脂肪酸が存在する。したがって、脂肪酸を精製してEPA、DHA、又はオメガ-3脂肪酸の全分画の割合を高めるためには、トリグリセリドを加水分解して、グリセロールから少なくともいくつかの脂肪酸を除去する必要がある。
【0033】
トリグリセリドは、限定はされないが当業者に知られた任意の方法によって転換することができる。例えば、トリグリセリドは、エチル又はラウリルアルコールを用いるリパーゼ触媒型のエステル化又はリパーゼ触媒型の酸分解によって転換することができ、これは、グリセロールに結合した最大量のEPA及びDHAを選択的に残し、EPA及び/又はDHAをモノ-又はジ-グリセリドとして残したまま他の構成成分を除去することができる。次いで、多段減圧蒸留及び/又は尿素中での分別結晶などの当業者によく知られた方法によって、モノ-及びジ-グリセリドを様々なEPA/DHA比の分画に分けることができる。好都合なことに、精製されたEPA及びDHAエステルを、濃縮後に、酵素による再アシル化を使用してグリセロール分子に再付着させて、元々の魚油よりもEPAとDHAの合計が高濃度であり、EPA:DHAの比も異なり得るという点以外は元々の天然のトリグリセリドと同一なグリセリドを再生成することができる。いくつかの実施態様では、オメガ-3脂肪酸の少なくとも60%、好ましくは70%以上が、再アシル化プロセスでトリグリセリド型に転換される。このプロセスは、追加の触媒及び/又は酵素と、追加のEPA及びDHAを添加して、所望の規格割合を達成するまで連続的に繰り返すことができる。約60%のトリグリセリドは、再アシル化の第1の経路で作製することができ、その生成物の残部のほとんどは、モノ-及びジ-グリセリドである。
【0034】
多価不飽和脂肪酸トリグリセリドは、以下の方法を使用して調製することができる:
【0035】
(1.遊離の脂肪酸の除去)
約18%のEPA及び12%のDHAを含有する、好ましくはアンチョビー及びサーディン由来の天然のトリグリセリド分子型の未加工の魚油を、60℃に加熱し、粘度を下げる。酸化ナトリウムを加え、油中の遊離の脂肪酸と結合させる。この混合物を、分離器に移し、そこでは、遊離の脂肪酸と結合した酸化ナトリウム(セッケン)が最上部に浮遊し、これを除去する。
【0036】
次いで、油を第2の分離器に移し、そこでは、魚油と相互作用させずに微量の酸化ナトリウムを水に対する酸化ナトリウム部分として除去するのを助けるために、温水を加えることが好ましい。
【0037】
次いで、水と酸化ナトリウムとの組み合わせからの油の分割を補助するために、クエン酸を加える。次いで、酸化から保護するために、油を30℃に冷却する。
【0038】
(2.ストリッピング及び精製)
油を別のストリッピングタンクに移し、200℃に加熱する。エチルエステルに結合する不純物の除去を補助するために、エチルエステルを加えることができる。ダイオキシン、重金属、pcb、難燃材料、フランなどの不純物は蒸発し、タンクの中央に誘導され、そこでは、冷却エレメントによってこれらの不純物が冷却され、これを排出する。加えたエステルも、不純物と共に除去される。
【0039】
(3.エステル化)
油をエステル化タンクに移す。エタノール及びナトリウム金属を加える。ナトリウム金属は、トリグリセリド脂肪酸分子のグリセロール骨格から脂肪酸鎖を切り出すための触媒であり、次いで、遊離の脂肪酸をエタノールと合わせて、エチルエステルを形成させる。ナトリウム金属と結合させるために水を加えることができ、そこでは、水とナトリウム金属との組み合わせを除去することができる。
【0040】
(4.分子蒸留)
次いで、油を蒸留器に移し、蒸留器で、油を真空中で約120℃に加熱する。モノエステル及び短い炭素鎖の分子は、中央に移動し、そこでは、これらを冷却及び排出し、長い炭素鎖を濃縮物のまま残す。このプロセスは通常、鍵となる脂肪酸が第1の蒸留中に100%; 第2の蒸留中に30〜50%増大する。このプロセスは繰り返すことができるが、油が加熱を受けると、一般に、脂肪酸の酸化及び分解がもたらされる可能性があるので、好ましくは、このプロセスは1回だけ繰り返されるのが理想的である。また、蒸留の繰り返しに伴って廃油が増し、このプロセスの経済性が低下する。
【0041】
(5.再エステル化(再アシル化))
次いで、油を再エステル化タンクに移し、再エステル化タンクで、エチルエステル分子をトリグリセリド型(これは、その脂肪酸分子の天然の型である)に再転換させる。ヒトによって摂取される脂肪の98%は、この天然のトリグリセリド型である。
【0042】
このエステル化プロセスは、低真空中で約80℃で行う。グリセロールを添加し、グリセリド分子の骨格を形成させる。タンクの底から窒素を添加して、油の動きを引き起こすことができる。グリセロールに脂肪酸を結合しやすくするために、触媒としてリパーゼ酵素を加える。蒸留タンク内の真空によって、それまで脂肪酸に結合していたエタノールが除去される。使用する酵素は、細菌又は酵母から生成されたリパーゼである。最も有効な酵素は、カンジダン・アンタルクティカ(Candidan antarctica)リパーゼ及びクロモバクテリウム・ヴィスコスム(Chromobacterium Viscosum)リパーゼであろう; 効果的に使用することができる他の酵素は、シュードモナス(Psuedomonas)、ムコールミエヘイ(mucor miehei)、及びカンジダ・キリンドラケア(Candida Cylindracea)であるが、他の酵素も使用することができる。
【0043】
再エステル化プロセスには通常、24時間がかかるが、その時点で、トリグリセリドは通常、60〜65%に達し、残りのグリセリドは、ジグリセリドとモノグリセリドである。およそ3%の魚油は、エチルエステルとして残ることとなり、これは、エタノールと共に除去することができる。追加の酵素の添加及び/又は酵素プロセスの継続によって、最高99%のトリグリセリド分子濃度をもたらすことができる。経済的視点から見ると、60〜65%レベルがおそらく最適である。
【0044】
(6.脱ろう)
次いで、トリグリセリド型の油を0℃の冷却タンクに移し、飽和脂肪、具体的にはステアリン酸を結晶化させる。次いで、パルプ状物質をフィルタープレスに送り込み、そこでは、結晶を除去し、油から飽和脂肪の大部分を基本的に除去する。油中の飽和脂肪の量に応じて、このプロセス中に、約5〜10%の油が失われる。
【0045】
(7.脱色)
次いで、油を60℃の脱色タンクに移し、油に脱色土(bleaching earth)又はベントナイト土を添加する。この温度によって、油中のいかなる水も蒸発する。油中の残りのいかなる不純物(微量ミネラルなど)も、ベントナイト土に付着する。次いで、この油をベントナイト土フィルターを通して、不純物と共にベントナイト土を除去する。
【0046】
(8.脱臭)
必須のステップではないが、油を脱臭タンクに移すことが好都合である。このタンクは、120℃の低真空を含んでいる。タンクの底で蒸気を加え、色及び臭い分子(酸化された物質、過酸化物)と接触させ、再び真空システムに、及び残渣容器に移動させる。このプロセスによって、油は、味や臭いが実質的に無い無彩色になる。
【0047】
(9.混合)
次いで、油を別の貯蔵タンクに移す。所望のEPA及びDHAの濃度に応じて、様々な回分を混合して、最終産物の所望の濃度を得ることができる。
【0048】
(10.酸化防止剤の添加)
最終の油に、酸化防止剤、具体的にはローズマリー及び混合トコフェロールを添加して、酸化の進行を劇的に低下させることができる。
【0049】
(11.ドラム詰め)
次いで、油を、貯蔵のためのステンレス鋼ドラム中にドラム詰めし、酸素を除去して酸化の可能性を最小限にするために、窒素を満たす。
【0050】
本明細書では、用語「医薬として許容し得る」は、それが指す材料が、対象に害を及ぼさないことを意味する。
【0051】
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸及び/又はグリセリドを含有する誘導体の混合物を用いる。例えば、一実施態様では、該混合物は、約35重量%のEPAのトリグリセリドと約25重量%のDHAのトリグリセリドと、約10%の他のオメガ-3脂肪酸又はその誘導体を含有する。いくつかの実施態様では、該混合物は、約65重量%のEPAのトリグリセリド、約15重量%のDHAのトリグリセリド、及び約20%の他のオメガ-3脂肪酸又はその誘導体を含有し、ここでは、EPA及びDHAは、トリグリセリド型において少なくとも約60%であり、残りは、少なくとも約90%のモノ-及びジ-グリセリドである。いくつかの実施態様では、該混合物は、約75%のEPAと約15%のDHAを含有し、ここで、DHAとEPAの組み合わせの少なくとも約60%がトリグリセリド型であり、残りは、少なくとも約90%のモノ-及びジ-グリセリドである。他の実施態様では、該混合物は、少なくとも約60重量%のEPAとDHAの組み合わせを、約1.4:1から約5:1(例えば、2:1から5:1、3:1、4:1、又は4.3:1)のEPA:DHAの重量比で含有することができ、ここで、該組み合わせは、トリグリセリド型の脂肪酸において少なくとも約60%(例えば、少なくとも約80%又は少なくとも約90%又は少なくとも約98%)であり、残りは、少なくとも約80%のモノ-及びジ-グリセリドである。いくつかの実施態様では、該組み合わせは、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、残りは、モノグリセリド及び/又はジグリセリド型である。上の組成物のいくつかは、Opheimによって2008年1月16日に出願された同時係属中の米国特許出願第12/015,488号に開示されている。この特許出願を、その内容全体を参照によって本明細書に組み込む。
【0052】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体の原料としては、それだけには限らないが魚油(例えばタラ肝油)、亜麻仁油、海産物油(marine oil)、海洋油(sea oil)、オキアミ油、藻類などを含めた天然の原料が挙げられる。魚油が、好ましい原料である。
【0053】
好ましくは少なくとも70%のオメガ-3オイルを含有する、オメガ-3オイルが豊富であるオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体という高品質の原料を使用することが好ましい。該オイルはまた、EPA及びDHAが豊富であり得る。好ましくは、少なくとも75%のオメガオイルがEPA+DHAであり、より好ましくは85%以上がEPA+DHAである。オメガ-3オイルの日用量は、約1から約4グラムのオメガ-3オイルである。ある可能な原料は、Nordic Naturals社のProOmega栄養補助食品(これは、その50.8%がEPAであり、35.1%がDHAであり、14.1%が他のオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体である、70%オメガ-3オイルである)などのオメガ-3のバランス配合品である。
【0054】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体の、ある好ましい原料は、Nordic Naturals社によって販売されているPro-EPA栄養補助食品である。これは、EPA 69.1%、DHA 16.3%、及び他のオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体14.6%を含む。オメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体の、さらに別の好ましい原料は、EPA 56.9%、DHA 14.7%、GLA(オメガ-6ガンマ-リノレン酸、すなわち、6,9,12-オクタデカトリエン酸(18:3(n-6)又はその誘導体))17.2%、及び他のオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体11.2%を含む、Nordic Naturals社のPro-EFA Xtraである。Pro-EFA Xtra配合品は、オメガ-6多価不飽和脂肪酸又はその誘導体、GLAを添加しており、強力な抗炎症混合物となっている。
【0055】
紅麹エキスは、水溶性であり、オメガ-3オイルに溶けない。いくつかの実施態様では、紅麹エキスを懸濁させておくために、分散剤が使用される。いくつかの実施態様では、分散剤は、ヒマワリオイルから作製されたリシンを伴う約70%シリカ竹(silica bamboo)である。本発明の混合物を作製するための適切な方法は、24重量の紅麹エキスを、36重量の魚油(適切な量のオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体を含有する)、1.2重量の竹(2%)、及び1.8重量のリシン(3%)と、勢いよく混合することである。次いで、得られた混合物を、オメガ-3オイル対紅麹エキスの所望の比に希釈することができる。いくつかの実施態様では、次いで、オメガ-3/紅麹エキスを調剤のためのソフトゼラチンカプセルに入れる。カプセルは通常、整数個のカプセルが該混合物の1日投薬量を含むようなサイズのものである。
【0056】
いくつかの実施態様では、オメガ-3/紅麹混合物の投薬量は、魚油及び/又はオメガ-3多価不飽和脂肪酸又はその誘導体を安定化させるためのローズマリー、ビタミンE、アスタキサンチン、カルニチン、パルミチン酸アスコルビル、トコフェロール、又は当技術分野で公知の他の酸化防止剤などの酸化防止剤をさらに含む。
【0057】
(紅麹エキスとロバスタチンとの比較)
紅麹エキスは、モナコリンK、すなわちラクトン型のスタチン薬剤Mevacor(登録商標)(ロバスタチン)を含有する。紅麹エキスは、1.2g及び2.4gの1日投薬量での臨床試験で試験されている。臨床試験で使用された紅麹エキスのモナコリンK含有量は、紅麹エキスの0.20%であった。したがって、モナコリンK用量は、2.4から4.8mg/日であった。2.4mg/日のモナコリンKでは、総コレステロール、LDLコレステロール、及びトリグリセリドは、それぞれ23%、31%、及び34%低下した。4.8mg/日では、低下は、それぞれ17%、23%、及び16%であった(Thorne Research社による研究論文、Alternative Medicine Review. Volume 9, Number 1 2004を参照のこと)。
【0058】
ロバスタチンは、5から80mg/日の範囲の用量で、コレステロール低下効果を有することが示されている(Bates, Mらの文献、「血清コレステロールを低下させることにおける低投薬量ロバスタチンの有効性。56人の患者での経験。(Effectiveness of low dosage lovastatin in lowering serum cholesterol. Experience with 56 patients.)」Archives of Internal Medicine 1990:150: 1947-1950を参照のこと)。血清コレステロールを低下させることにおける低用量ロバスタチンの有効性を示すために、研究が実施された(Heber Dらの文献、「登録商標の栄養補助食品Chinese red yeast riceのコレステロール低下効果(Cholesterol lowering effects of proprietary Chinese red yeast rice dietary supplement)」、Ann J Clin Vutr 1999, 69:231-236を参照のこと)。56人の患者に、20mg/日のロバスタチンが24週間与えられた。総コレステロールは、26%低下し、トリグリセリドは12%低下した。
【0059】
Mevacor(登録商標)(ロバスタチン)は、その添付文書で、10、20、及び40mg/日の投薬量での広範な臨床試験を報告した。総コレステロールは、16〜24%の範囲で低下し、LDLは、21〜32%低下し、トリグリセリドは、10から6%低下した(低い投薬量ほど大きな低下が認められた)。
【0060】
2.4mg/日の投薬量のモナコリンKの紅麹エキスが、10〜40mg/日のMevacorよりも優れた脂質低下の結果をもたらしたことに注目するべきである。したがって、紅麹での脂質低下効果が、紅麹のモナコリンK成分単独に起因するとは考えにくく、恐らく、他のモナコリン、ステロール(ベータ-シトステロール、カンペステロール、シグマステロール、及びサポゲニン)、イソフラボン、及びモノ不飽和脂肪酸紅麹エキスに完全に又は部分的に起因し得る(Durington P、Bhatnagerらの文献、「シンバスチン(simvastin)で治療された心筋症を患う患者におけるオメガ-3多価不飽和脂肪酸濃縮物の1年間の投与がトリグリセリドを低下させた(An omega-3 polyunsaturated fatty acid concentration administered for one year decreased triglycerides in simvastin treated patients with CM.)」Heart 2001:85(5) 544-548を参照のこと)。これは、HMG-CoA還元酵素阻害剤を含有する、より低い投薬量の紅麹エキスが、副作用の低減に貢献することからも、特に好都合である。
【0061】
紅麹エキスは、米国では、栄養補助食品として購入することができる。好ましい原料としては、DRACO Natural Products社(539 Parrott St., San Jose, CA 95112)紅麹エキス10:1、及び、Thorne Research Product社、Choleastが挙げられる。購入される紅麹は、好ましくは、約0.2重量%以上のモナコリンKかつ約0.5重量%以上の総モナコリンを含有するべきである。
【0062】
本発明の組成物は、上に列挙した成分に加えて、他の成分を含有することができる。これらとしては、それだけには限らないが、着香剤、充填剤、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80及びラウリル硫酸ナトリウム)、例えば染料及び顔料を含めた着色剤、甘味料、酸化防止剤、並びに追加の成分が挙げられる。
【0063】
(着香剤)
有用な着香剤としては、それだけには限らないが、揮発性油、合成フレーバーオイル、着香性の芳香物質、オイル、液体、含油樹脂、植物、葉、花、果実、茎、及びそれらの組み合わせから得られるエキスを含めた天然及び合成の着香原料が挙げられる。有用な着香剤としては、例えば、クエン酸オイル、例えば、レモン、オレンジ、ブドウ、ライム、及びグレープフルーツ、果実エッセンス(例えば、リンゴ、セイヨウナシ、モモ、バナナ、ブドウ、ベリー、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズを含めて)、並びに他の果実フレーバーが挙げられる。他の有用な着香剤としては、例えば、アルデヒド及びエステル(例えば、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド))、シトラール、すなわちアルファ-シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちベータ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC-8(柑橘類果実)、アルデヒドC-9(柑橘類果実)、アルデヒドC-12(柑橘類果実)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、2,6-ジメチルオクタナール(緑色の果実)、2-ドデデナール(dodedenal)(柑橘類、ミカン)、及びそれらの混合物、チョコレート、ココア、アーモンド、カシュー、マカダミアナッツ、ココナツ、ミント、トウガラシ、コショウ、シナモン、バニラ、トゥーティフルーティ(tooty fruity)、マンゴー、及び緑茶が挙げられる。2種以上の着香剤の混合物も用いることができる。着香剤が使用される場合、用いられる量は、使用される特定の着香剤に依存することとなる。しかし、一般に、着香剤は、組成物の重量に対して約5%から約50%を占めることができる。
【0064】
(着色剤)
有用な着色剤としては、例えば染料、レーキ、及びある種の天然の及び生成された着色料を含めた、例えば、食品、医薬品、及び化粧品用(FD&C)着色剤が挙げられる。有用なレーキとしては、水酸化アルミニウム及び他の適切な担体に吸収させた染料が挙げられる。着色剤の混合物も用いることができる。着色剤が用いられる場合、使用される量は、使用される特定の着色剤に依存することとなる。しかし、一般に、着色剤は、組成物の重量に対して約0.5%から約5%を占めることができる。
【0065】
(甘味剤)
該組成物に、天然及び/又は人工の甘味剤を加えることもできる。甘味料の例としては、スクロース、グルコース、転化糖、フルクトース、及びそれらの混合物などの糖、サッカリン及びその様々な塩(例えばサッカリンのナトリウム及びカルシウム塩)、シクラミン酸及びその様々な塩、ジペプチド甘味料(例えばアスパルテーム)、ジヒドロカルコン、並びに例えばソルビトール、ソルビトールシロップ、マンニトール、及びキシリトールを含めた糖アルコール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。使用することができる天然の甘味料としては、それだけには限らないが、羅漢(luo han)、ステビア、又はそれらの混合物が挙げられる。羅漢甘味料は、主に中国に見られる羅漢果(luo han guo)の実(シライティア・グロスヴェノリイ(siraitia grosvenorii))から得られる。羅漢甘味料は、重さあたりスクロースよりも約300倍甘い。羅漢は、例えばBarrington Nutritionals社(Harrison, New York)から、市販品として入手できる。ステビアは、南アメリカのハーブ、ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)から得られる。ステビアは、スクロースよりも最大で約300倍甘い可能性がある。羅漢及びステビアは、このような甘みを有するので、組成物中に使用する必要があるのは、ほんの少量である。甘味剤が用いられる場合、使用される量は、使用される特定の甘味剤に依存することとなる。しかし、一般に、甘味剤は、組成物の重量に対して約0.0005%から約30%を占めることができる。非常に強い甘味を有する甘味料、例えば羅漢及びステビアなどが使用される場合、重量で約0.0005%から約0.1%(例えば約0.005%から約0.015%又は約0.002%から約0.003%)などの少量を使用することができる。
【0066】
(追加の材料)
本発明の組成物は、追加の材料をさらに含有することができる。こうした追加の材料の例としては、それだけには限らないが、ビタミン、ミネラル、及び/又はハーブが挙げられる。
【0067】
本明細書では、用語「ビタミン」とは、食事に必要とされる微量有機物質をいう。本発明の目的では、用語ビタミンとしては、限定はされないが、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKが挙げられる。用語ビタミンには、ビタミンの補酵素も含まれる。補酵素は、ビタミンの特定の化学形態である。補酵素としては、チアミンピロリン酸(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMM)、フラビンアデニンジヌクレオチブ(dinucleotive)(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(AND)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素A(CoA)、補酵素Q10(CoQ10)、ピリドキサールリン酸、ビオシチン、テトラヒドロ葉酸、補酵素B12、リポイルリシン、11-cis-レチナール、及び1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロールが挙げられる。用語ビタミンには、コリン、カミチン(camitine)、並びにアルファ、ベータ、及びガンマ・カロテンも含まれる。
【0068】
本明細書では、用語「ミネラル」とは、ヒトの食事に必要とされる無機物質、金属などをいう。したがって、用語「ミネラル」としては、本明細書では、限定はされないが、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロムなど、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの元素を含有する化合物も、用語「ミネラル」に含まれる。
【0069】
本明細書では、用語「ハーブ」とは、特に医療に又は調味料として使用される、様々な、多くの場合芳香性の植物のうちのいずれかと定義される有機物質をいう。したがって、用語「ハーブ」としては、本明細書では、それだけには限らないが、クロスグリ、チョウセンニンジン(ginsing)、イチョウ(ginko bilboa)、桂皮、など、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0070】
使用することができる他の成分としては、酸化防止剤、グルコサミン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
本発明の組成物は、こうした治療を必要としている対象を治療する際の治療目的及び/又は栄養目的のために適している。本明細書では、用語「対象」としては、それだけには限らないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、又はモルモットなどの非ヒト動物; 及びヒトが挙げられる。
【0072】
本発明の組成物の、有効である量は、治療される状態に応じて変動することとなり、標準の臨床技術によって決定することができる。さらに、最適な投薬量範囲を明らかにするのを助けるために、インビトロ又はインビボアッセイを任意に用いることができる。用いられることとなる厳密な用量も、本発明の組成物の構成成分の相対量、投与経路、及び、治療される状態の重症度に依存することとなり、専門家の判断及び各対象の状況に従って決定されるべきである。しかし、本発明の組成物の適切な有効な投薬量は通常、1日あたり少なくとも約2グラムであり、通常、カプセルあたり少なくとも約1グラムの該組成物を含有するカプセルの形で投与される。典型的な用量は、少なくとも約500mgのEPAとDHA(又はその誘導体)の組み合わせを提供するのに十分なオメガ-3酸又はその誘導体を含有するべきである。
【0073】
本発明の組成物が対象に投与される形は、重要ではない。通常、該組成物は、液体として又はカプセルに入れて投与される。通常、該組成物は、個別用量の形で投与される。本明細書では、用語「用量」には、紅麹エキスとオメガ-3化合物とが一緒に(例えば両方の構成成分を含有するカプセルの形で)投与される場合と、紅麹エキスとオメガ-3化合物とが別々に(しかし、通常、基本的には同時に)投与される場合との両方が含まれる。いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、日用量の形で投与される。しかし、治療される状態の重度によっては、その必要はなく、用量の投与の間隔は、1日よりも長くてもよい。さらに、用語「投与する」には、第三者が対象に用量を投与する場合と、対象自身が用量を投与する場合との両方が含まれる。
【実施例】
【0074】
一実施態様では、コレステロール及びトリグリセリドを低下させるために、1日投薬量が摂取され、該投薬量は、1日あたり1.2グラムの紅麹エキスと1700mgのNordic Naturals(登録商標)ProOmega(登録商標)魚油サプリメント(これは、EPA及びDHA 85.9%であるオメガ-3オイル70%を含有するので、1700mgだと、1000mg/日のEPA及びDHAが提供されることになる)を含む。ここでは、魚油と紅麹エキスの重量比は、1700/1200(1.4:1)である。この混合物を作製するために、1700重量の魚油に、1200重量の紅麹エキスを加える。58重量(2%)の70%シリカ竹と87重量(3%)のリシンを加えて十分に混合し、安定な懸濁液を作製する。3045グラムの混合物が整数個のカプセルによって投薬されるように、この混合物をゼラチンカプセルに詰める。
【0075】
いくつかの実施態様では、1日用量が摂取され、該用量は、1日あたり1.2グラムの紅麹エキスと3400mgの魚油(ProOmega(登録商標)魚油サプリメントなど)を含む。ここでは、紅麹エキスに対する魚油の重量比は、2.8であり、2000mg/日のEPA及びDHAが提供されることになる。
【0076】
いくつかの実施態様では、1日用量が摂取され、該用量は、1日あたり2.4グラムの紅麹エキスと3400mgの魚油を含む。ここでは、紅麹エキスに対する魚油の重量比は、1.4である。
【0077】
いくつかの実施態様では、1日用量が摂取され、該用量は、1日あたり2.4グラムと6800mgの魚油を含む。ここでは、紅麹エキスに対する魚油の重量比は、2.8である。
【0078】
本発明を、本発明のある種の解釈に関してかなり詳細に述べてきたが、他の解釈も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲は、本明細書に示した解釈に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)少なくとも1種のオメガ-3多価不飽和脂肪酸、少なくとも1種の医薬として許容し得るオメガ-3多価不飽和脂肪酸誘導体、又はそれらの混合物と、(2)紅麹エキスとを含む、治療用組成物。
【請求項2】
構成成分(1)が、EPA、EPAの誘導体、DHA、DHAの誘導体、又はそれらの混合物を含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項3】
構成成分(1)が、EPAの誘導体及びDHAの誘導体を含む、請求項2記載の治療用組成物。
【請求項4】
前記EPAの誘導体及びDHAの誘導体が、アルキルエステル、グリセリド、及びリン脂質からなる群から選択される、請求項3記載の治療用組成物。
【請求項5】
前記EPAの誘導体及びDHAの誘導体が、グリセリドである、請求項4記載の治療用組成物。
【請求項6】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項7】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4%の総モナコリンを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項8】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項9】
構成成分(1)が、約35重量%のEPAのトリグリセリドと約25重量%のDHAのトリグリセリドとを含む混合物である、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項10】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項9記載の治療用組成物。
【請求項11】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4%の総モナコリンを含む、請求項9記載の治療用組成物。
【請求項12】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項9記載の治療用組成物。
【請求項13】
構成成分(1)が、EPA:DHAの重量比が約1.4:1から約5:1の、少なくとも約60重量%のEPAとDHAの組み合わせを含む混合物であり、該組み合わせがトリグリセリド型のEPA及びDHAにおいて少なくとも約60%であり、かつ残りが少なくとも約80%のモノ-及びジ-グリセリドである、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項14】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項15】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項16】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項17】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項18】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項19】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4%の総モナコリンを含む、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項20】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項21】
前記組み合わせが、約65重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項22】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、請求項21記載の治療用組成物。
【請求項23】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、請求項21記載の治療用組成物。
【請求項24】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、請求項21記載の治療用組成物。
【請求項25】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方である、請求項24記載の治療用組成物。
【請求項26】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項21記載の治療用組成物。
【請求項27】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%モナコリンKかつ少なくとも約0.4重量%の総モナコリンを含む、請求項21記載の治療用組成物。
【請求項28】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項21記載の治療用組成物。
【請求項29】
前記組み合わせが、約75重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む、請求項13記載の治療用組成物。
【請求項30】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、請求項29記載の治療用組成物。
【請求項31】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、請求項29記載の治療用組成物。
【請求項32】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、請求項29記載の治療用組成物。
【請求項33】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方である、請求項32記載の治療用組成物。
【請求項34】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項29記載の治療用組成物。
【請求項35】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4重量%の総モナコリンを含む、請求項29記載の治療用組成物。
【請求項36】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項29記載の治療用組成物。
【請求項37】
構成成分(1)と紅麹エキスの重量比が、約1.4:1から2.8:1の範囲内である、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項38】
分散剤をさらに含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項39】
前記分散剤が、リシンと竹を含む、請求項38記載の治療用組成物。
【請求項40】
構成成分(1)、紅麹エキス、及び分散剤が入れられたソフトゼラチンカプセルをさらに含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項41】
前記治療用組成物の日用量が、整数個のカプセルによって送達される、請求項40記載の治療用組成物。
【請求項42】
前記治療用組成物の日用量が、約1000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、1200mgの紅麹エキスとを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項43】
前記治療用組成物の日用量が、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、1200mgの紅麹エキスとを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項44】
前記治療用組成物の日用量が、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、2400mgの紅麹エキスとを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項45】
前記治療用組成物の日用量が、約4000mgのEPA加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、2400mgの紅麹エキスとを含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項46】
酸化防止剤をさらに含む、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項47】
前記酸化防止剤が、ローズマリー、ビタミンE、アスタキサンチン、カルニチン、パルミチン酸アスコルビル、及びトコフェロールからなる群から選択される、請求項46記載の治療用組成物。
【請求項48】
対象における血清コレステロール、トリグリセリド、又は両方を低下させる方法であって、(1)少なくとも1種のオメガ-3多価不飽和脂肪酸、少なくとも1種の医薬として許容し得るオメガ-3多価不飽和脂肪酸誘導体、又はそれらの混合物と、(2)紅麹エキスとを含む投薬量を該対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項49】
構成成分(1)が、EPA、EPAの誘導体、DHA、DHAの誘導体、又はそれらの混合物を含む、請求項48記載の方法。
【請求項50】
構成成分(1)が、EPAの誘導体及びDHAの誘導体を含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記EPAの誘導体及びDHAの誘導体が、アルキルエステル、グリセリド、及びリン脂質からなる群から選択される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記EPAの誘導体及びDHAの誘導体が、グリセリドである、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項48記載の方法。
【請求項54】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4%の総モナコリンを含む、請求項48記載の方法。
【請求項55】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項48記載の方法。
【請求項56】
構成成分(1)が、約35重量%のEPAのトリグリセリドと約25重量%のDHAのトリグリセリドとを含む混合物である、請求項48記載の方法。
【請求項57】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4%の総モナコリンを含む、請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項56記載の方法。
【請求項60】
構成成分(1)が、EPA:DHAの重量比が約1.4:1から約5:1の、少なくとも約60重量%のEPAとDHAの組み合わせを含む混合物であり、該組み合わせがトリグリセリド型の脂肪酸において少なくとも約60%であり、かつ残りが少なくとも約80%のモノ-及びジ-グリセリドである、請求項48記載の方法。
【請求項61】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、請求項60記載の方法。
【請求項64】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方である、請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項60記載の方法。
【請求項66】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4%の総モナコリンを含む、請求項60記載の方法。
【請求項67】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項60記載の方法。
【請求項68】
前記組み合わせが、約65重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む、請求項60記載の方法。
【請求項69】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、請求項68記載の方法。
【請求項71】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、請求項68記載の方法。
【請求項72】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方である、請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項68記載の方法。
【請求項74】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4重量%の総モナコリンを含む、請求項68記載の方法。
【請求項75】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項68記載の方法。
【請求項76】
前記組み合わせが、約75重量%のEPAのトリグリセリドと約15重量%のDHAのトリグリセリドとを含む、請求項60記載の方法。
【請求項77】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約80%である、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約90%である、請求項76記載の方法。
【請求項79】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%である、請求項76記載の方法。
【請求項80】
前記組み合わせが、トリグリセリド型において少なくとも約98%であり、かつ残部が、モノグリセリド、ジグリセリド、又は両方である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.1重量%のモナコリンKを含む、請求項76記載の方法。
【請求項82】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.2重量%のモナコリンKかつ少なくとも約0.4重量%の総モナコリンを含む、請求項76記載の方法。
【請求項83】
前記紅麹エキスが、少なくとも約0.4重量%のモナコリンKを含む、請求項76記載の方法。
【請求項84】
構成成分(1)と紅麹エキスの重量比が、約1.4:1から2.8:1の範囲内である、請求項48記載の方法。
【請求項85】
分散剤をさらに含む、請求項48記載の方法。
【請求項86】
前記分散剤が、リシンと竹を含む、請求項85記載の方法。
【請求項87】
構成成分(1)、紅麹エキス、及び分散剤が入れられたソフトゼラチンカプセルをさらに含む、請求項48記載の方法。
【請求項88】
前記治療用組成物の日用量が、整数個のカプセルによって送達される、請求項87記載の方法。
【請求項89】
前記治療用組成物の日用量が、約1000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、1200mgの紅麹エキスとを含む、請求項48記載の方法。
【請求項90】
前記治療用組成物の日用量が、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、1200mgの紅麹エキスとを含む、請求項48記載の方法。
【請求項91】
前記治療用組成物の日用量が、約2000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、2400mgの紅麹エキスとを含む、請求項48記載の方法。
【請求項92】
前記治療用組成物の日用量が、約4000mgのEPA及び/又はEPAの誘導体加えてDHA及び/又はDHAの誘導体と、2400mgの紅麹エキスとを含む、請求項48記載の方法。
【請求項93】
酸化防止剤をさらに含む、請求項48記載の方法。
【請求項94】
前記酸化防止剤が、ローズマリー、ビタミンE、アスタキサンチン、カルニチン、パルミチン酸アスコルビル、及びトコフェロールからなる群から選択される、請求項93記載の方法。

【公表番号】特表2013−512913(P2013−512913A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542172(P2012−542172)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/058637
【国際公開番号】WO2011/068923
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512144483)
【Fターム(参考)】