説明

乗物、これに使用されるハブ、自転車に乗るための学習方法、三輪車、四輪車、及び自転車を安定させる安定方法

自転車に転換可能な三輪車。三輪車は、フレームの1つの端部に回転できるように取り付けられた第一の車輪と、フレームの第二の端部に回転できるように取り付けられた横方向に並んだ一対の車輪で構成されるが、ここで、三輪車の走行中に、横方向に並んだ車輪は、地面での間隔が比較的広い最初の位置と、地面での間隔が最小となる第二の位置との間で移動が可能である。調整可能な車輪キャンバを提供できる車輪ハブには、旋回できるように取り付けられ、ハブ本体から外側に突き出している左右の車軸があり、またそれぞれが車輪を保持するように適応され、縦方向に旋回できるように取り付けられた車軸があり、さらに車軸に連結され、両方の車軸の車輪について同じ方向に連携してキャンバが調整されるように適応されているデュアル・キャンバ制御機構がある。ハブには、車輪が負のキャンバから正のキャンバに変化でき、自転車またはそれに類するものを安定させて、乗り手の練習中の安全性を向上させるための方法において有用な、十分な動きの範囲がある。この方法では、横方向に並んだ車輪に負のキャンバがある状態となる三輪車運転モードと、横方向に並んだ車輪に正のキャンバがある状態となる自転車運転モードが関連し、走行中に三輪車モードから自転車モードへと変わり、それによって、練習中の乗り手は、安定した地面との3点接触で走行し始め、走行中にバランスがとれた時点で、実際上、自転車に乗り始めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車および人力および動力式のその他の車輪付きの乗物に関連し、さらに特定すれば、安定した運転のためにバランスを必要とする自転車またはその他の車輪付きの乗物、乗り方を学習する人を助けるための装置、学習方法、自転車を安定させる安定方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
自転車の乗り方を学習する従来のプロセスは恐れを伴い、苦痛でさえもあり、このプロセスは長年にわたり変わっていない。一般に、自転車に乗った子供を押し、並んで走り、その子供が転倒しないようにバランスをとってくれることを期待しつつ手を離す親の助けを借りることになる。このプロセスにおける学習カーブは非常に急勾配である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来型の三輪車は、自転車の乗り方の学習をする準備のできていない子供たちが使用するものとして知られており、また子供用自転車用の付属品としては補助輪がよく知られている。自転車に乗るための学習プロセスをより安全かつ楽しいものにするために、また、そのプロセスを目標の一部とするために、親子双方にとってさらに肯定的な体験をしてもらえるようにする装置の必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明にはさまざまな側面があるが、本発明は特に自転車の乗り方を自分で学習する子供を補助する目的によく適している。自転車の転倒を単に防止するための従来からある補助輪とは異なり、本発明では、子供が自分でバランスをとることを徐々に学習することができ、それによって、自分のペースで学習することができるようになる。本発明の一面によれば、自転車またはその他の車輪付きの乗物のフレームにある横方向に並べられた一対の車輪には可変のキャンバがあり、地面の高さで車輪間に間隔をもたせ、安定した開始時のプラットホームが得られるように、車輪に一定の負のキャンバをもたせることが可能で、その一方、両方の車輪のキャンバを正の方向へ調整することが可能となり、乗物の走行時には地面の高さでの両車輪の間隔が狭まる。
【0005】
本発明の別の一面によれば、車輪キャンバが調整可能な車輪付きの乗物は、フレームの1つの端部に回転できるように取り付けられた少なくとも1個の車輪、およびフレームの第二の端部に回転できるように取り付けられた横方向に並んだ一対の車輪で構成されるが、ここで、この横方向に間隔をおいて並べられた車輪は、それぞれのキャンバが他方と同じ方向に調整(例えば両方の車輪が負のキャンバから正のキャンバへと変化するなど)できるように旋回できる形で取り付けられており、またここで、キャンバは乗物の走行中に調整可能である。
【0006】
本発明のまた別の一面は、調整可能な車輪キャンバを提供できる車輪ハブである。ハブ本体には、そこから横方向に突き出した左と右の車軸があり、少なくとも1つの車軸は旋回できるように取り付けられており、またハブには少なくとも1つの車軸に連結され、他の車軸に関連してその角度が調節されるように適応させたキャンバ制御機構がある。
【0007】
また、本発明によって、自転車またはそれに類するものの乗り方を学習する新しい方法が提供されている。この方法は、一方の端部に少なくとも1つの車輪、第二の端部に横方向に並んだ一対の車輪のあるフレーム上にあるシートを持つ車輪付きの乗物にまたがり、横方向に並んだ両方の車輪に対する一定の負のキャンバがあり、地面の高さで車輪に間隔をもたせた安定した開始時のプラットホームが提供される状態で乗り始め、そしてその後、横方向に並んだ両方の車輪のキャンバを正の方向に調整して、横方向に並んだ車輪の地面での間隔を狭めることから構成される。
【0008】
本発明の別の面は、練習中の乗り手の安全性を向上させるために、自転車またはそれに類するものを安定させる方法である。この方法は、少なくとも1つの運転モードにおいて少なくとも地面との3点による接触が提供されるように、少なくともその他に1つの車輪がそれに取り付けられたフレームの一方の端部にある第一と第二の横方向に並んだ車輪の提供、少なくとも第一の横方向に並んだ車輪に負のキャンバを持たせた三輪車運転モードの提供、および最初の横方向に並んだ車輪に正のキャンバをもたせ、第二の横方向に並んだ車輪の地面との間隔を最小限にした自転車運転モードの提供から構成される。この方法はさらに、走行中に三輪車運転モードから自転車運転モードへと切り替えられる機能から構成され、それによって、練習中の乗り手は、安定した地面との3点接触で走行し始め、走行中にバランスがとれた時点で、実際上、自転車に乗り始めることができる。
【0009】
本発明では、自転車に転換可能な三輪車も提供されている。三輪車は、フレームの1つの端部に回転できるように取り付けられた第一の車輪と、フレームの第二の端部に回転できるように取り付けられた横方向に並んだ一対の車輪で構成されるが、ここで、横方向に並んだ車輪は、地面での間隔が比較的広い最初の位置と、地面での間隔が最小となる第二の位置との間で移動が可能である。
【0010】
本発明の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことでさらに明白なものとなる。
[好ましい実施例についての説明]
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
発明の原理の理解を深める目的で、図面に描写されている実施例を参照しながら、その説明に特定の用語を使用する。それにもかかわらず、それによって発明の範囲が限定されることは一切意図されておらず、図示した装置における変更やさらなる改造、そこで説明されている以外への発明の原理の適用については、本発明の関連する技術の熟練者が通常思い浮かべうるように考慮されているものとすることが理解される。
【0012】
図1および図2は、三輪車10の形態の本発明の最初の実施例を図示したもので、一般にZ型のフレーム16の後端部に回転できるように取り付けられた一対の可変キャンバ式車輪12、12がある。開示した三輪車には、ハンドルバー22によって従来の方法で制御されるフォーク20内に取り付けられた前輪18のほか、サドル24、クランクセット26、およびクランクセットとハブ内のフリーホイルを連結する部分的に内部に入り込んだベルトドライブ28がある。これらについては下記に詳しく説明する。
【0013】
図3A〜図3Cは、異なる状態または運転モードにある三輪車を図示したもので、これには、図3Aに示すとおり両方の後輪に負のキャンバのある状態の三輪車モード、および図3Cに示すとおり、両方の後輪に正のキャンバのある状態の自転車モードなどが含まれる。キャンバ角度が垂直に対する各後輪の面の角度であることは、当業者に理解されるものである。
【0014】
車輪上部の内側への傾き、つまり乗物の中心線方向への傾きを負のキャンバと呼び、外側への傾きを正のキャンバと呼ぶ。その可変キャンバと後輪の間隔の度合いにより、開示した発明の実施例は、事実上、自転車に転換可能な三輪車といえる。
【0015】
自転車の転倒を単に防止するだけの従来の補助輪とは異なり、開示した三輪車は、子供たちがバランスの取り方を自分で学習することができる。可変キャンバ式車輪は、図3Aに示すとおり、地面上で両側に広がる、つまり三輪車運転モードとなることで、停止時と低速走行時に自転車のバランスをとる助けとなる。乗り手による前方への運動量が増大し、その過程において体重が前方に移動してくると、下記に説明するとおり、後輪にかかる体重が減ってくるため、車輪は内側に移動し、バランスは次第に自転車から乗り手に移行することになる。
【0016】
三輪車では、安定性が最も重要である低速走行時(開始時と停止時)にスタンスが広くなることで、さらに高いバランスが提供され、乗り手は走行中に自転車運転モードへ移行できるようになる。
【0017】
図4および図5を参照すると、この三輪車には、後輪を内外に傾けることができ、それによってスタンス、つまり地面での間隔を広げたり狭めたりすることができる可動の後部ハブ40がある。図5は、円錐台形状(コップ状)のハブ部分48(図面内では半透明で表示)内にあるそれぞれの自在継ぎ手46を貫通し、2個の車軸44に回転できるような形で連結された中央に位置するフリーホイル42のある可動ハブの一実施例を図示したものである。
【0018】
非同軸型の車軸間での動力の伝達には、U継ぎ手の代わりに、たわみ軸やその他の手段を採用しうる。両側にある取り付けブラケット50が、フレーム内でハブを保持し、それぞれの横側のハブ部分には、その内部に十分な自由空間があり、関連した車軸の旋回運動が可能となる。車軸は、縦方向の旋回運動のみが許容されるように、例えば、車軸または車軸を取り囲むカラー56と噛み合う垂直方向のスロット54をもつスロット付き部材52を用いて、制約されることが望ましい。
【0019】
カラーの周りに、ハブにある開口部をふさぐため、または塵除けカバーとして、柔軟性のあるゴム製ブーツを供給することもできる。カラーは、一方の端部にあるカラーと、他方の端部にあるフック(このフックは、カラーの下にフレームの一部上に用意されている)に取り外しできるように取り付けられた張力をかけたバンド58により下方向にずらされている。別の方法として、単一の張力をかけたバンドをフレームの下で伸ばして、2個のカラーを相互接続することもできる。自転車の車輪12は、従来的な方法で回転できないように各車軸に取り付けられている。
【0020】
後輪車軸は、張力をかけたバンドでずらす代わりに、ばねによってずらすこともできる。例えば、スロット54の内部またはそれに隣接させて、カラーの内側部分に下向きの力がかかるように配置するなど、垂直方向に配置した圧縮バネを上記のハブ内にある各車軸に含めることもできる。
【0021】
図8に移って、三輪車には、従来型のボトムブラケットと、クランクアームの端部にペダルをもつ従来型のクランクセットを持たせることもできるが、図示した実施例では、ペダルはそれぞれ望ましいクランクアームの長さと実質的に等しい半径を持つリングに取り付けられている。穴の開いた下部ブラケット60は、従来型のクランクセットの車軸とクランクアームの機能を組み合わせたもので、またその滑車とフリーホイルを相互連結し、それによってクランクから後輪へ動力を伝達する、駆動ベルト62用のフロントドライブ滑車としての役割も果たしている。
【0022】
部分的に内部に入り込んだベルトは、ドライブトレインが乗り手から隔離された状態にし、それによって潜在的なけがが防止される。その外部の部分は、希望に応じて、従来型の自転車のチェーンガードと類似したガードで覆うこともできる。
【0023】
本発明による三輪車の一実施例は、アルミニウム製モノコック・フレーム設計で、フレームとフォークはどちらも7160アルミニウムとTIG溶接で製造されている。寸法の組み合わせの一例として、三輪車は、長さ60インチ(約152.4cm)、幅(最大時)24インチ(約61.0cm)、高さ35インチ(約88.9cm)、そして重量25ポンド(約11.34Kg)などが考えられる。それぞれの後車軸は、例えば、長さ約5インチ(約12.7cm)、直径1インチ(約2.54cm)とし、ハブの全体的な幅は約5インチ(約12.7cm)などとしうる。鋼、炭素繊維、プラスチックおよびチタンなど、その他のフレーム素材も意図されている。
【0024】
図9は、本発明の原理を組み込んだ三輪車の別の実施例を示すものである。重量応答式の調整の代わりに、もしくはそれに加えて、車輪キャンバが速度またはその他のパラメータの関数として調整されるような実施例など、その他の実施例も意図されている。例えば、スピードセンサーに適切な制御回路およびアクチュエータへの出力を供給させて、各後車軸の角度を調整させることもできる。
【0025】
別の方法として、三輪車には、例えば、制御ケーブルによって、車輪を安定した負のキャンバ位置に保持するハブ内にある留め金またはトリガー機構に連結したリリースレバーなどの、手動式キャンバ調整機構を持たせることもできる。乗り手は、リリースレバーを使用して、後車軸を留め金から外すことができ、それによって、下方向にずれた車軸は水平方向よりも下の角度に移動し、それによって車輪を正のキャンバに移行させることができる。類似した機械式シフト機構を、ケーブル駆動の変速装置の原理に従い動作させることもできる。
【0026】
図示した三輪車は、主に2つの範疇の利用者に利点がもたらされるよう設計されたものである。まず、これによって、それほど挑戦的でなく、あまり怖がらせることのない設計ソリューションが提供されている。また、この設計ソリューションによって、自転車の乗り方の学習に伴う恐怖が取り去られる。子供は、より自信感をもち、学習過程においてより自主性をもつことができ、これによって、その体験の楽しさが増すことになる。
【0027】
また、この三輪車は、使いやすく、特別の訓練や指導を受けることなく使用することができる。第二に、この三輪車は、親にとっても多くの面で利点がある。親は、けがが起こる確率が減少することから、子供たちの自転車の乗り方の学習により安心感をもつことができる。また親は、子供を押し出した後で事故が発生した場合にありがちな、子供たちからの信頼を失うというリスクがなくなる。
【0028】
また、子供は、ドライブトレインが露出しておらず、また使いやすい操作であるため、より安全であるが、これにより親は、子供に自分で学習させることができ、その安全性を絶えず監視する必要がなくなる。または、親にとって、三輪車のメンテナンスがしやすく、部品の交換がしやすいという利点もある。
【0029】
本発明は、従来の補助輪のような練習の年齢層には限定されない。これは、かなり年長になってからも使用できる。保護されたドライブトレインによって耐久力が向上し、よって必要とされるメンテナンスや交換部品の量が減少する。本発明による三輪車はまた、自転車の乗り方を学習するプロセスを楽しいものにする。これにより、学習の年齢層を過ぎても三輪車を使用する楽しみが加わり、子供による将来的な自転車の利用が助長される。レクリエーションと交通手段に使えるこの将来的な利用法は、どちらも環境にやさしく、環境面での責任を助長させることができる。
【0030】
発明について図面および上記の説明により詳細に図示・説明したが、これは、性質を限定するものではなく、例証するものであるとみなされ、好ましい実施例のみが図示・説明され、この発明の精神の範囲内でのすべての変更や改造は、保護されることが望ましいと理解されるものとする。例えば、本発明は、タンデム型やリカンベント型の三輪車や自転車にも実施できる。オートバイにあるようなエンジン動力も、ある一定の用途において、人力に変わるものとして、またはそれに追加するものとして、意図されている。
【0031】
さらに、本発明の原理はまた、本発明に従い、前輪と後輪の両方のキャンバを同一方向に調整可能で、実際上、二輪の動作ができるように改造した、自転車のような四輪のサリーや馬車など、4つ以上の車輪を持つ乗物の一定の用途にも有用である場合もある。
【0032】
前輪や後輪のショックアブソーバやサスペンション、サスペンション・シート・ポスト、従来型のスポーク式車輪、車輪用フェンダー、および後方へのかなりの曲線があるアップハンドルやドロップハンドルなどをもつマウンテンバイクやその他の乗物への本発明の適用の場合などのように、本発明によるハブや車輪セットのフォーク取り付けも意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による三輪車の一実施例の側面図である。
【図2】図1の三輪車を後方上部からみた図である。
【図3A】三輪車の背面図で、乗り手にとって安定した開始プラットホームを提供するために望ましい負のキャンバのある状態の後輪を示している。
【図3B】三輪車の背面図で、後輪にキャンバのない状態を示している。
【図3C】三輪車の背面図で、自転車運転モードを効果的に作り出す正のキャンバのある状態の後輪を示している。
【図4】三輪車の後方左からみた図で、フレームの後端部とその内部で移動するハブを示している。
【図5】移動するハブの詳細図である。
【図6】移動するハブの詳細図である。
【図7】移動するハブの詳細図である。
【図8】三輪車の一部の断面図で、ベルトドライブを示している。
【図9】本発明の原理を組み込んだ三輪車の別の実施例の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪キャンバが乗物の走行中に調整可能な車輪付きの乗物であって、
フレームと、
前記フレームの一方の端部に回転できるように取り付けられた少なくとも1個の車輪と、
前記フレームの第二の端部に回転できるように取り付けられ、それぞれのキャンバが他方と同じ方向に調整可能なように旋回できる形で取り付けられている横方向に並んだ一対の車輪と、を備えていることを特徴とする乗物。
【請求項2】
前記少なくとも1個の車輪が前輪であり、上記横方向に並んだ一対の車輪が後輪である請求項1に記載の乗物。
【請求項3】
前記少なくとも1個の車輪が後輪であり、上記横方向に並んだ一対の車輪が前輪である請求項1に記載の乗物。
【請求項4】
前記横方向に並んだ一対の車輪が前記フレームの各端部に回転できるように取り付けられた請求項1に記載の乗物。
【請求項5】
前記後輪のキャンバが、正のキャンバと負のキャンバとの間で調整可能に構成されている請求項2に記載の乗物。
【請求項6】
前記後輪が、正のキャンバが最大となった状態で、その後輪の下部が互いにほぼ接触するほど十分に接近した間隔となる請求項5に記載の乗物。
【請求項7】
車輪キャンバ調整機構付きの車輪付きの乗物であって、
フレームと、
前記フレームの一方の端部に回転できるように取り付けられた少なくとも1個の車輪と、
前記フレームの第二の端部に取り付けられたハブと、
前記ハブに設けられ、当該ハブから横側方向に突き出し、第一および第二の縦方向に旋回するように取り付けられ、且つそれぞれ水平方向に対して上および下の角度を含めた縦方向の動きの範囲を有する車軸と、
前記それぞれの車軸に取り付けられた車輪と、
前記それぞれの車軸の角度を調整し、それにより車輪キャンバを走行中に同じ方向に調整する手段と、を備えていることを特徴とする乗物。
【請求項8】
車輪付きの乗物の車輪キャンバを調整可能とするためのハブであって、
ハブ本体と、
前記ハブ本体から外側に突き出され、それぞれ車輪を保持するための左と右の車軸と、を備え、
前記左と右の車軸のうち少なくとも1つの車軸が、縦方向に旋回できるように取り付けられており、
前記少なくとも1つの車軸に、他の車軸に関連してその角度を調整するキャンバ制御機構が連結されていることを特徴とするハブ。
【請求項9】
前記左と右の車軸が、いずれも前記ハブ本体に旋回できるように取り付けられており、前記キャンバ制御機構は、前記両車軸に連結され、当該両車軸の車輪について同じ方向に連携してキャンバが調整されるように構成されたデュアル・コントロール機構である請求項8に記載のハブ。
【請求項10】
前記キャンバ制御機構が、前記左と右の車軸のそれぞれ周りに設けられた左と右のカラーを有している請求項9に記載のハブ。
【請求項11】
前記ハブ本体の中央に設けられた車軸と、この中央の車軸を前記左と右の車軸にそれぞれ連結する左と右のU継ぎ手を有する請求項10に記載のハブ。
【請求項12】
乗物の走行中に前記キャンバ制御機構でキャンバを調節可能に構成されている請求項11に記載のハブ。
【請求項13】
前記中央の車軸に取り付けられたドライブ・スプロケットで構成され、柔軟性のある駆動部材を経由して、クランクセットからの動力を伝達する請求項12に記載のハブ。
【請求項14】
前記車輪キャンバが、正のキャンバと負のキャンバとの間で調整可能とされている請求項13に記載のハブ。
【請求項15】
前記左と右の車軸が、それによって保持される車輪に対して、使用中に車輪の上部が互いにほぼ接触する最大の負のキャンバに該当する第一の位置と、使用中に車輪の下部が互いにほぼ接触する最大の正のキャンバに該当する第二の位置との間で縦方向に旋回するような大きさである請求項14に記載のハブ。
【請求項16】
前記ハブ本体が、自転車のフレームの後方の端部にはまるように構成されている請求項15に記載のハブ。
【請求項17】
前記キャンバ制御機構が、前記左と右の車軸を下方向にずらす手段を有している請求項16に記載のハブ。
【請求項18】
自転車に乗るための、またはそれに類するものの学習方法であって、
第一の端部に少なくとも1つの車輪があり、第二の端部に横方向に並んだ一対の車輪のあるフレーム上のシートのある車輪付きの乗物にまたがるステップと、
地面の高さで間隔をもたせ、安定した開始時のプラットホームが提供される横方向に並んだ両方の車輪が一定の負のキャンバのある状態で乗り始めるステップと、
横方向に並んだ両方の車輪のキャンバを正の方向に調整して、横方向に並んだ車輪の地面での間隔を狭めた状態で乗るステップと、を備えることを特徴とする学習方法。
【請求項19】
前記キャンバが、使用中に負のキャンバから正のキャンバに調整される請求項18に記載の学習方法。
【請求項20】
自転車に転換可能な三輪車であって、
フレームと、
前記フレームの一方の端部に回転できるように取り付けられた第一の車輪と、
前記フレームの第二の端部に回転できるように取り付けられた横方向に並んだ一対の車輪と、を備え、
前記横方向に並んだ一対の車輪は、地面での間隔が比較的広い最初の位置と、地面での間隔が最小となる第二の位置との間で移動が可能となるように構成されていることを特徴とする三輪車。
【請求項21】
自転車に転換可能な四輪車であって、
フレームと、
前記フレームの一方の端部に回転できるように取り付けられた横方向に並んだ一対の車輪と、
前記フレームの第二の端部に回転できるように取り付けられた横方向に並んだ一対の車輪と、を備え、
前記横方向に並んだ一対の車輪は、比較的広い地面での横方向の間隔のある最初の位置と、地面での横方向の間隔が最小の第二の位置との間で移動が可能となるように構成されていることを特徴とする四輪車。
【請求項22】
練習中の乗り手の安全性を向上させるために、自転車またはそれに類するものを安定させる安定方法であって、
前記自転車またはそれに類するものは、少なくとも1つの運転モードにおいて少なくとも地面との3点による接触が提供されるように、それに取り付けられたフレームの一方の端部にある横方向に並んだ第一と第二の車輪を備え、
前記横方向に並んだ第一と第二の車輪に負のキャンバをもたせた三輪車運転モードと、前記横方向に並んだ第一と第二の車輪に正のキャンバをもたせ、当該横方向に並んだ第一と第二の車輪の地面での間隔を最小限にした自転車運転モードと、
走行中に前記三輪車運転モードから前記自転車運転モードへと切り替えられる機能部と、を備え、練習中の乗り手に、走行し始めは地面との3点接触状態で安定して走行させ、バランスがとれた時点で走行させることを特徴とする安定方法。
【請求項23】
前記横方向に並んだ両車輪は、前記三輪車運転モードでは負のキャンバを有し、前記自転車運転モードでは正のキャンバを有している請求項22に記載の安定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−540216(P2008−540216A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509995(P2008−509995)
【出願日】平成18年3月4日(2006.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/007848
【国際公開番号】WO2006/121495
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(598063203)パーデュー・リサーチ・ファウンデーション (59)
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】