説明

乗物用シート

【課題】後席乗員の側への張り出し量と、シートバック部の切欠き部を大きくすることなく、より高い位置にディスプレイ本体部を移動させることができる移動手段を備えた乗物用シートを提供する。
【解決手段】シートクッション部10と、シートバック部20と、シートバック部20の背面に設けられるディスプレイ本体部46と、ディスプレイ本体部46の位置を移動させる移動手段とを備える。移動手段は、L字状アーム部材62を有しており、ディスプレイ本体部46を、シートバック部20の背面に格納される格納位置と、格納位置から上方に移動した非格納位置に移動可能である。L字状アーム部材62は、格納位置においてL字状に折れ曲がって凸となる方向がシートバック部20の背面に向かう方向に向けられて、一方端がシートバック部20の背面に対して回転可能に支持され、他方端がディスプレイ本体部46に対して回転可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背面にディスプレイ装置を備えた乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、背面にディスプレイ装置を備えて後席の乗員がDVDの再生映像やTV放送の映像等を視聴することができる、種々の乗物用シートが開示されている。
乗物用シートの背面に設けられたディスプレイ装置は、当該ディスプレイ装置を利用する後席乗員がより快適に視聴できるように、乗物用シートの背面に格納される格納位置と、後席乗員の視点の位置に合わせて高さや傾斜角度等を調整可能な視聴位置(非格納位置)と、に移動できることが好ましい。
例えば特許文献1に記載された従来技術には、図5に示すように、直線形状のアーム部材161の一方端をシートバック部120に対して回転可能に支持し、当該アーム部材161の他方端を、ヒンジ部材145を介してディスプレイ本体部146に対して回転可能に支持した薄型テレビ取付装置が開示されている。この構造を有することで、ディスプレイ本体部146を、シートバック部120の背面に格納する格納位置(実線にて示す位置)と、当該格納位置から上方に引き上げて所望する高さに調整した種々の視聴位置(非格納位置であり、点線にて示す位置)と、に移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−154452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来技術では、ディスプレイ本体部146を移動させて所望する高さL2を得るために、アーム部材161の長さと、シートバック部120とアーム部材161との干渉個所に切欠き部120Aと、が必要となる。しかし、ディスプレイ本体部146の高さL2を確保するためにアーム部材161の長さLA1を長く設定すると、後席乗員の側に張り出す張り出し量L1が長くなり、後席乗員と干渉する可能性があるので、あまり好ましくない。また、高さL2を確保できるように格納位置からのアーム部材161の回転角度を大きくするために、シートバック部120におけるヘッドレスト部130の側の切欠き部120Aの大きさを大きくすると、シートバック部120の加工が大変であるとともに衝撃吸収に必要なパッド部材の厚さを確保できなくなる可能性があるので、あまり好ましくない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、後席乗員の側への張り出し量を大きくすることなく、またシートバック部の切欠き部を大きくすることなく、より高い位置にディスプレイ本体部を移動させることができるディスプレイ装置を備えた乗物用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る乗物用シートは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、乗員が腰を下ろすシートクッション部と、前記乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部と、前記シートバック部における前記乗員と反対の側である背面に設けられるディスプレイ本体部と、前記ディスプレイ本体部の位置を移動させる移動手段と、を備えた乗物用シートである。
前記移動手段は、略L字状のL字状アーム部材を有しており、前記ディスプレイ本体部を、前記シートバック部の背面に格納される格納位置と、前記格納位置から上方に移動した非格納位置に移動可能であり、前記L字状アーム部材は、前記ディスプレイ本体部を前記格納位置に格納した状態においてL字状に折れ曲がって凸となる方向が前記シートバック部の背面に向かう方向となるように向けられて、一方端が前記シートバック部の背面に対して回転可能に支持されており、他方端が前記ディスプレイ本体部に対して回転可能に支持されている。
【0006】
この第1の発明によれば、L字状に折れ曲がって凸となる方向がシートバック部の背面の方向を向いたL字状アーム部材を用いる。これにより、ディスプレイ本体部を格納位置から非格納位置に移動させた場合において、後席乗員の側への張り出し量を大きくすることなく、且つシートバック部におけるヘッドレスト部の側への切欠き部も大きくする必要もなく、所望するディスプレイ本体部の高さを確保することができる。
【0007】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る乗物用シートであって、前記L字状アーム部材は、シート側アーム部材とディスプレイ側アーム部材にて略L字状に構成されており、前記シート側アーム部材は、一方端が前記シートバック部に対して回転可能に支持され、前記ディスプレイ側アーム部材は、他方端が前記ディスプレイ本体部に対して回転可能に支持され、前記シート側アーム部材の他方端と前記ディスプレイ側アーム部材の一方端は、相対的に回転可能となるように接続されてL字状に折れ曲がる角度が可変となるように構成されている。
そして、前記ディスプレイ本体部を前記格納位置に格納した状態では前記シート側アーム部材と前記ディスプレイ側アーム部材とが略直線状となり、前記ディスプレイ本体部を前記格納位置から上方の前記非格納位置に移動させるように前記L字状アーム部材を前記シートバック部に対して回転させていくと、前記シート側アーム部材に対して前記ディスプレイ側アーム部材が前記格納位置から遠ざかる方向に徐々に折れ曲がっていく折れ曲がり機構を有している。
【0008】
この第2の発明によれば、第1の発明と同様、後席乗員の側への張り出し量を大きくすることなく、且つシートバック部におけるヘッドレスト部の側への切欠き部も大きくする必要がなく、所望するディスプレイ本体部の高さを確保することができる。
更に、格納位置にディスプレイ本体部を格納した際、L字状アーム部材がL字型に折れ曲がっておらず、直線状となるので、L字状アーム部材とディスプレイ本体部を、よりコンパクトに格納することができる。これにより、ディスプレイ装置を格納するためのシートバック部の切欠き形状を、より小さく、且つシンプルな形状にすることができる。
【0009】
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る乗物用シートであって、前記折れ曲がり機構は、前記L字状アーム部材における前記シートバック部に対する回転方向に沿うように前記シートバック部に取り付けられた固定ギア部材と、前記固定ギア部材に噛み合いながら前記固定ギア部材上を回転しながら移動するとともに前記ディスプレイ側アーム部材に接続された可動ギア部材と、を有している。
【0010】
この第3の発明によれば、ディスプレイ本体部を格納位置から徐々に上方に移動させていくと、徐々にL字状の折れ曲がり角度が大きくなっていく折れ曲がり機構を、シンプルな構造で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)は本発明の乗物用シート1に搭載されるディスプレイ本体部46が格納位置に格納されている状態を示す乗物用シート1の側面図と背面図であり、(B)はディスプレイ本体部46を上方の非格納位置(視聴位置)に移動させた状態を示す乗物用シート1の側面図と背面図である。
【図2】ディスプレイ装置40を構成するディスプレイ本体部46と移動手段60を説明する図である。
【図3】(A)はディスプレイ本体部46を格納位置に格納した状態におけるシート側アーム部材43、ディスプレイ側アーム部材44、可動ギア部材52Aの状態を説明する図であり、(B)はディスプレイ本体部46を上方の非格納位置に移動した状態におけるシート側アーム部材43、ディスプレイ側アーム部材44、可動ギア部材52Aの状態を説明する図である。
【図4】折れ曲がり角度が固定されたL字状アーム部材61を用いた場合において、ディスプレイ本体部46を格納位置と非格納位置(視聴位置)に移動させた様子を説明する図である。
【図5】従来の、ディスプレイ本体部146を移動させる直線状のアーム部材161を備えたディスプレイ装置140を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。以下、前席と後席を有する車両における前席の乗物用シートを例として説明する。
なお「格納位置」は、ディスプレイ本体部46がシートバック部20の背面に格納されるただ1つの位置であるが、「視聴位置」は、個々のユーザが所望する任意の位置であるため、ただ1つの位置に決まるものではない。このため、「格納位置」からディスプレイ本体部46を引き出して任意の高さに調整したそれぞれの位置を「非格納位置」と記載している。
【0013】
●[乗物用シート1へのディスプレイ装置40の搭載位置とディスプレイ本体部46の移動状態(図1)]
図1(A)、(B)は、本発明の乗物用シート1の側面図及び背面図を示している。
本実施の形態にて説明する乗物用シート1は、乗員が腰を下ろすシートクッション部10と、当該乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部20と、当該乗員が頭を凭せ掛けるヘッドレスト部30と、後席の乗員が視聴に利用するためのディスプレイ装置40と、を備えている。なお、ヘッドレスト部30は省略してもよい。
また図示省略するが、ディスプレイ装置40には制御手段が接続されており、当該制御手段は、DVD再生装置からの映像情報や、TVチューナの映像情報等、種々の映像情報、画像情報を、ディスプレイ装置40に出力する。
【0014】
図5に示すように従来のディスプレイ装置140は、一方端がシートバック部120に対して回転可能に支持されて他方端がディスプレイ本体部146に対して回転可能に支持された直線状のアーム部材161を有している。そして直線状のアーム部材161は、ディスプレイ本体部146を格納位置(実線の位置)と、当該格納位置から上方に相当する種々の非格納位置(点線の位置)に移動させる。
本発明は、図5に示す従来のディスプレイ装置140に対して、アーム部材161の長手方向の長さLA1、及びシートバック部120におけるヘッドレスト部30の側の切欠き部120Aの切欠きサイズを、より小さくしながら、後席乗員の側に張り出す張り出し量L1をより短くするとともに、ディスプレイ本体部における格納位置からの高さL2をより高くすることができるディスプレイ装置を備えた乗物用シート1である。
【0015】
●[ディスプレイ装置40の構造(図2、図3)]
次に図2、図3を用いて、ディスプレイ装置40の構造について説明する。
図2に示すように、ディスプレイ装置40は、ディスプレイ本体部46と、移動手段60にて構成されている。移動手段60は、ディスプレイ本体部46を、シートバック部20の背面に格納する格納位置と、格納位置から上方に相当する任意の非格納位置に移動させる。
また図2は、移動手段60を構成する各部品の斜視図の例を示しており、図3(A)及び(B)は各部品を組み付けた移動手段60を用いてディスプレイ本体部46を格納位置と非格納位置(この場合、非格納位置における上端位置)に移動させた状態の例を示している。
【0016】
図2に示すように、移動手段60は、ベース部材42、シート側アーム部材43、ディスプレイ側アーム部材44、ヒンジ部材45、47、シャフト部材50、固定ギア部材51、可動ギア部材52Aが取り付けられたシャフト部材52、ワッシャ48、ナット49等にて構成されている。
図2、図3(A)及び(B)に示すように、ベース部材42は、シートバック部20の背面に固定される。そしてベース部材42には、シャフト部材50が挿通されたヒンジ部材47が固定され、シャフト部材50はヒンジ部材47にて回転可能に支持されている。またシャフト部材50の中央部50Aを覆うように、固定ギア部材51がベース部材42のギア固定部42Aに固定されている。
シャフト部材50の両端部のそれぞれには、ワッシャ48、シート側アーム部材43の一方端に形成された孔部43Aが嵌め込まれ、ナット49が取り付けられる。
固定ギア部材51は、シート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44にて構成されるL字状アーム部材62の回転方向(シートバック部20に対する回転方向であって、この場合は上下方向)に沿って取り付けられている。そして固定ギア部材51の外周部のギア歯51Aに、シャフト部材52に固定された可動ギア部材52Aの外周部のギア歯52Bが噛み合うように可動ギア部材52Aが配置されている。そして、シャフト部材52の両端部のそれぞれには、ディスプレイ側アーム部材44の一方端に形成された孔部44Aと、シート側アーム部材43の他方端に形成された孔部43Bが嵌め込まれ、ナット49が取り付けられる。
ディスプレイ側アーム部材44の他方端に形成された凸部44Bには、ワッシャ48とヒンジ部材45の孔部45が嵌め込まれ、ナット49が取り付けられる。
そしてヒンジ部材45の取り付け面45Bには、ディスプレイ本体部46が取り付けられる。
【0017】
以上の構成にて、シート側アーム部材43の一方端はシートバック部20の背面に対して回転可能に支持され、ディスプレイ側アーム部材44の他方端はディスプレイ本体部46に対して回転可能に支持されている。
またシート側アーム部材43の他方端とディスプレイ側アーム部材44の一方端は相対的に回転可能となるように接続されている。
なお、図3(A)及び(B)に示すように組み付けられた状態では、可動ギア部材52Aは、固定ギア部材51のギア歯51Aに噛み合いながら固定ギア部材51上を回転しながら移動可能である。
また可動ギア部材52Aが取り付けられているシャフト部材52の両端部は、嵌め込まれたディスプレイ側アーム部材44が回転しないように支持するための形状として多角形状に形成された非回転嵌合部52Cと、嵌め込まれたシート側アーム部材43を回転可能に支持するために円柱状に形成された回転嵌合部52Dとを有している。従って、非回転嵌合部52Cが嵌合する孔部44Aの形状は、非回転嵌合部52Cの形状に対応する多角形状であり、回転嵌合部52Dが嵌合する孔部43Bは円形状である。
なお、非回転嵌合部52C及び孔部44Aは、ディスプレイ側アーム部材44を回転しないように支持できれば、多角形状でなくてもよく、例えば楕円形状や半円形状等であってもよい。
【0018】
●[折れ曲がり機構と折れ曲がり動作(図3)]
そして図3(A)に示すように、格納位置にディスプレイ本体部46を格納した状態において、シート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44がほぼ直線状(シート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44とのなす角度θ1が、ほぼ180度)となるように可動ギア部材52Aの回転位置を調整して組み付けられている。
そして図3(B)に示すように、格納位置に格納されたディスプレイ本体部46を上方に引き上げて非格納位置にディスプレイ本体部46を移動させていくと、可動ギア部材52Aが回転しながら上方に移動していく。すると、非回転嵌合部52Cによって可動ギア部材52Aに対して回転しないように嵌合されているディスプレイ側アーム部材44は、可動ギア部材52Aの回転角度に応じて、徐々に格納位置から遠ざかる方向に折れ曲がっていき、ディスプレイ本体部46の高さL2がより高くなる。
また、固定ギア部材51の径と歯数、及び可動ギア部材52Aの径と歯数を調整することで、折れ曲がり角度θ2を調整することが可能であり、高さL2を調整することができる。
このように、固定ギア部材51、可動ギア部材52A、シート側アーム部材43、ディスプレイ側アーム部材44にて折れ曲がり機構が構成されている。
【0019】
●[その他の例(図4)]
以上に説明したディスプレイ装置40は、折れ曲がり角度が可変となるようにシート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44にて構成したL字状アーム部材62を有しているが、図4の例に示すように、折れ曲がり角度が固定のL字状アーム部材61にて移動手段を構成しても良い。この場合、L字状アーム部材61がシート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44に分割されておらず、固定ギア部材51と可動ギア部材52Aも必要なく、部品点数を削減してよりシンプルな構造とすることができる。
これにより、後席乗員への張り出し量L1を大きくすることなく、高さL2をより高くすることができる。
【0020】
しかし図4に示す例では、ディスプレイ本体部46を格納位置(実線にて示す位置)に格納した状態において、L字状に折れ曲がって凸となる方向(折れ曲がり角部61Aが向かう方向)がシートバック部20Aの背面に向かう方向に向けられているので、シートバック部20Aに対して食い込み量L3だけ余計に食い込む。このため、シートバック部20Aの背面の切欠き部を、この食い込み量L3に合わせた形状にする必要がある。
これに対して図3に示す例では、格納位置ではシート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44が直線状となり、食い込み量L3は発生しないので、ディスプレイ本体部46と移動手段60を非常にコンパクトに格納することができる。この場合、シートバック部20Aの背面の切欠き部を平面状にするだけでよいので、シートバック部の加工も比較的容易であり、シートバック部の切欠き量も比較的少量で済む。
【0021】
以上、本実施の形態にて説明したディスプレイ装置40を備えた乗物用シート1では、L字状アーム部材61、62を用いてディスプレイ本体部46を移動させることで、後席乗員の側への張り出し量L1を大きくすることなく、ディスプレイ本体部46の高さL2を確保することができる。また、自動的にL字状に折れ曲がる折れ曲がり機構を備えたL字状アーム部材62は、シートバック部20におけるヘッドレスト部30の側の切欠き部120A(図5参照)を大きく切欠くことなく、ディスプレイ本体部46の高さL2を確保し、ディスプレイ本体部46を、より上方に移動させることができる。
また、ディスプレイ本体部46を格納位置に格納した場合に直線状となるL字状アーム部材62を用いることで、格納スペースをより小さくすることが可能であり、シートバック部の背面の格納用の切欠き形状を、シンプル且つより小さくすることができるので便利である。
また、ヒンジ部材45にてディスプレイ本体部46の傾斜角度を任意の角度に調整できるので、便利である。
【0022】
本発明の乗物用シート1は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、シート側アーム部材43とディスプレイ側アーム部材44との折れ曲がり角度は図3(B)の例に限定されず、適切な折れ曲がり角度θ2となるように固定ギア部材51と可動ギア部材52Aが選定される。
また、本実施の形態にて説明した乗物用シートは、例えば車両用のシートに限定されず、種々の乗物のシートに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0023】
1 乗物用シート
10 シートクッション部
20 シートバック部
40 ディスプレイ装置
42 ベース部材
43 シート側アーム部材
43A、43B 孔部
44 ディスプレイ側アーム部材
44A 孔部
44B 凸部
45、47 ヒンジ部材
46 ディスプレイ本体部
48 ワッシャ
49 ナット
50、52 シャフト部材
51 固定ギア部材
51A ギア歯
52A 可動ギア部材
52B ギア歯
52C 非回転嵌合部
52D 回転嵌合部
60 移動手段
61、62 L字状アーム部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が腰を下ろすシートクッション部と、
前記乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部と、
前記シートバック部における前記乗員と反対の側である背面に設けられるディスプレイ本体部と、
前記ディスプレイ本体部の位置を移動させる移動手段と、を備えた乗物用シートにおいて、
前記移動手段は、略L字状のL字状アーム部材を有しており、前記ディスプレイ本体部を、前記シートバック部の背面に格納される格納位置と、前記格納位置から上方に移動した非格納位置に移動可能であり、
前記L字状アーム部材は、前記ディスプレイ本体部を前記格納位置に格納した状態においてL字状に折れ曲がって凸となる方向が前記シートバック部の背面に向かう方向となるように向けられて、一方端が前記シートバック部の背面に対して回転可能に支持されており、他方端が前記ディスプレイ本体部に対して回転可能に支持されている、
乗物用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記L字状アーム部材は、シート側アーム部材とディスプレイ側アーム部材にて略L字状に構成されており、
前記シート側アーム部材は、一方端が前記シートバック部に対して回転可能に支持され、
前記ディスプレイ側アーム部材は、他方端が前記ディスプレイ本体部に対して回転可能に支持され、
前記シート側アーム部材の他方端と前記ディスプレイ側アーム部材の一方端は、相対的に回転可能となるように接続されてL字状に折れ曲がる角度が可変となるように構成されており、
前記ディスプレイ本体部を前記格納位置に格納した状態では前記シート側アーム部材と前記ディスプレイ側アーム部材とが略直線状となり、前記ディスプレイ本体部を前記格納位置から上方の前記非格納位置に移動させるように前記L字状アーム部材を前記シートバック部に対して回転させていくと、前記シート側アーム部材に対して前記ディスプレイ側アーム部材が前記格納位置から遠ざかる方向に徐々に折れ曲がっていく折れ曲がり機構を有している、
乗物用シート。
【請求項3】
請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記折れ曲がり機構は、
前記L字状アーム部材における前記シートバック部に対する回転方向に沿うように前記シートバック部に取り付けられた固定ギア部材と、
前記固定ギア部材に噛み合いながら前記固定ギア部材上を回転しながら移動するとともに前記ディスプレイ側アーム部材に接続された可動ギア部材と、を有している、
乗物用シート。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−167(P2013−167A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131277(P2011−131277)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】