説明

乳児向けシンバイオティック組成物

人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児用の、ビフィドバクテリウムブレーベと難消化性炭水化物の混合物とを含む製剤、並びに人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児の免疫障害を治療し又は予防するための、その使用が提供される。また本明細書では、ビフィドバクテリウム種を検出するための配列プライマー及びプローブ、並びにその診断キットも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児向けの、特に人工栄養保育される乳児向けの、プロバイオティック及びプレバイオティックを含む製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
乳児は、生まれたときには腸内細菌叢を持っていない。分娩中及びその後の授乳時に母親と接触する結果、腸内細菌叢が急速に発生し、増大する。腸内細菌叢は、その発生中は未成熟なままであり、その平衡状態は脆弱で、直ぐに変化し易く、したがって病原体の存在下、疾患及び障害を引き起こし易い。母乳で保育された乳児は、人工栄養保育された乳児よりも、感染症又は疾患に罹りにくいことがわかっている。そのため、母乳で保育された赤ちゃんは、人工栄養保育された乳児よりも、罹患率と持続期間との両方の観点から胃腸感染症に罹りにくく、アレルギーや湿疹、アレルギー誘発性喘息などのアトピー性疾患に罹りにくく、便秘にもなりにくい。
【0003】
一般に、母乳で保育された乳児の腸内細菌叢は、主にビフィズス菌(bifidobacteria)と乳酸菌(lactic acid bacteria)とからなる。母乳には、乳児の腸内ビフィズス菌の成長因子である、人乳オリゴ糖(HMO)が含まれている。調合乳で保育された乳児の腸内細菌叢は、より多様であり、一般に、より多くのバクテロイデス(Bacteroides)、クロストリジウム(Clostridium)、及び腸内細菌種(Enterobacteriaceae species)が含まれる。調合乳で保育された乳児は、母乳で保育された乳児のビフィズス菌の数の、約10分の1からおおよそ3分の2を有する。ビフィズス菌は、十分バランスのとれた腸内微生物叢を維持するのに重要と考えられ、このビフィズス菌には、下痢及び腸内感染の予防及び/又は治療も含めたいくつかの健康増進効果があると見なされてきた。さらにビフィズス菌は、宿主の免疫系において、ある役割を演ずることが示されている。
【0004】
乳児の腸内細菌叢は、プロバイオティックス又はプレバイオティックスの消費のように、食物の栄養の変化によって変わる可能性がある。プロバイオティックスによる手法の例として、EP−A−0,904,784は、ビフィズス菌株(Bifidobacterium strains)も含めた微生物株の混合物を投与することについて記述している。しかしこれに関連する問題とは、微生物の混合物が、何らかの健康上の利点をもたらしはするが、その活動が広範にわたるので、人工栄養保育された乳児の依然として未成熟な腸内細菌叢に、悪影響を及ぼす可能性もあることである。さらに、多くのプロバイオティックサプリメントは、その保存期間が短く、そこに含有される生きている微生物の数が少なすぎて、期待されるプロバイオティック効果が得られない。
【0005】
プレバイオティックスは、結腸内の1種又は複数の細菌の成長及び/又は活動を選択的に刺激し、それによって宿主に良い影響を及ぼす難消化性食品成分と定義される(Gibson及びRoberfroid、J.Nutr.125:1401−14121995)。哺乳瓶で保育された赤ちゃんの腸内細菌叢を改善する好ましい方法は、特定の難消化性オリゴ糖によって、即ちプレバイオティックスによって、この哺乳瓶で保育された乳児の腸内に既に存在するビフィズス菌を、選択的に刺激することである。また、オリゴ糖と多糖との混合物も、例えばWO00/08948にプレバイオティックスとして提示されている。1つの例は、ガラクト−オリゴ糖とフルクト多糖との組合せである。これらのプレバイオティックスを含有する調合乳を与えられた乳児のビフィズス菌レベルは、標準的な調合乳の場合に比べて高くなることが示された(例えば、Moro他、J.Pediatr.Gastroenterol.Nutr.34:291−295、2002参照)。
【0006】
現在までの手法は、ビフィズス菌を全体的に、即ち属レベルで増進させることであった。ビフィドバクテリウム属(genus Bifidobacterium)は、代謝、酵素活性、オリゴ−及び多糖の利用率、細胞壁の組成、宿主の免疫系との相互作用が異なる多くの様々な種からなる。したがって、乳児に対し、全てのビフィドバクテリウム種(species of Bifidobacterium)が同じ機能上の効果を及ぼすとは限らないことが予測できる。様々なビフィドバクテリウム種の例は、B.ロンガム(B.longum)、B.ブレーベ(B.breve)、B.インファンティス(B.infantis)、B.アドレセンティス(B.adolescentis)、B.ビフィダム(B.ビフィダム)、B.アニマリス(B.animalis)、及びB.デンティウム(B.dentium)である。B.アドレセンティスは、成人の細菌叢においてより広く行き渡っており、健康な乳児及び赤ちゃんの大便においてはそれほど一般的ではない。B.アニマリス/B.ラクティス(B.lactis)は、人の場合、自然に生ずるものではなく、B.デンティウムは病原菌である。健康な乳児では、ビフィズス菌叢が、主にビフィドバクテリウムインファンティス(Bifidobacterium infantis)、B.ブレーベ、及びB.ロンガムからなる。Kalliomaki他(Curr Opin Allergy Clin Immunol.2003 Feb;3(1):15−20、及びそこに引用される参考文献)は、アレルギー体質の乳児が、成人に適したビフィズス菌叢の棲み家となるのに対し、典型的な乳児のビフィズス菌叢は、健康な乳児に見られ、ある特定のビフィズス菌種の出現とアレルギー発症の機会との間には相関関係が示されることを報告した。これらの結果は、赤ちゃんの結腸でのビフィドバクテリウム属の刺激が、十分とは考えられないことを示している。目標は、母乳で保育された赤ちゃんの菌叢と同じような、哺乳瓶で保育された乳児の菌叢を、種のレベルで実現することである。
【0007】
本発明において、「母乳で保育された乳児」とは、ヒトの母乳だけで保育された乳児を指す。「人工栄養保育された、又は一部母乳で保育された乳児」とは、ヒトの母乳を与えていない乳児、又はヒトの母乳を与えるのに留まらない乳児を意味する。この定義は、1日当たり少なくとも1本の哺乳瓶の内容物、即ち1日当たり少なくとも80mlの調合乳が与えられ、存在する場合には残りの栄養素が、固体栄養素又は液体栄養素から提供され、例えば母乳などから提供される乳児、即ち一部母乳で保育された乳児を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
難消化性炭水化物の混合物を使用して、ビフィズス菌レベルを増大させることにより、ビフィズス菌集団は、より乳児に適した集団、即ちB.カテニュレイタム(B.catenulatum)、B.シュードカテニュレイタム(B.pseudocatenulatum)、及びB.アドレセンティスが低い集団に調節されるのに対し、標準的な調合乳で保育された乳児は、より成人に適した菌叢であってその大部分がB.カテニュレイタム、B.シュードカテニュレイタム、及びB.アドレセンティスであるものを示すこともわかった。また、そのようなプレバイオティックで保育された乳児のビフィズス菌集団は、依然としてある特定の微生物、即ちビフィドバクテリウムブレーベ(Bifidobactrium breve)に欠けていることもわかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の一態様では、ビフィドバクテリウムブレーベと、難消化性炭水化物プレバイオティックスの混合物とを含む製剤が提供される。そのような製剤は、乳児の胃腸管内で、種のレベルでビフィズス菌集団を調節するのに有利であり、且つ非常に適していることがわかった。さらに驚くべきことに、そのような製剤によって十分調節されるので、B.ブレーベ種以外のビフィズス菌種を添加することは必ずしも必要でないことがわかった。
【0010】
本発明の別の態様では、ビフィドバクテリウムブレーベと、難消化性炭水化物プレバイオティックスの混合物とを含む製剤であって、この難消化性炭水化物の混合物が、少なくとも2種の異なる実質的に可溶性の炭水化物成分A及びBを含有しているものが提供される。
【0011】
本発明の別の態様では、人工栄養保育される乳児又は一部母乳で保育される乳児のための製剤の使用が提供される。
【0012】
本発明の他の態様では、人工栄養保育される乳児又は一部母乳で保育される乳児の胃腸管でビフィズス菌種集団の調節を行う組成物を製造するための、製剤の使用が提供される。
【0013】
本発明の他の態様では、免疫状態の予防又は治療用の組成物を製造するための、製剤の使用が提供される。
【0014】
本発明の他の態様では、人工栄養保育される乳児又は一部母乳で保育される乳児の胃腸管で、ビフィドバクテリウムカテニュレイタム、B.シュードカテニュレイタム、及び/又はビフィドバクテリウムアドレセンティスの集団を調節するための、炭水化物混合物の使用が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の態様では、ヒト、特にヒト乳児で見出されるビフィドバクテリウム属の種を、種特異的に検出し定量的にアッセイを行う方法、並びにビフィドバクテリウム種を診断し定量するためのキットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(製剤)
1)ビフィドバクテリウムブレーベ
ビフィドバクテリウムブレーベは、本発明の本質的な要素である。この細菌は、人工栄養保育された乳児の場合に限られた量で存在することが、本出願人の検出方法によって見出された。したがって、この細菌を炭水化物混合物と共に投与することにより、母乳で保育された乳児の胃腸管に存在する場合と同等のレベルまで、ビフィドバクテリウム種集団を正常化することが可能になる。
【0017】
好ましいビフィドバクテリウムブレーベ株は、健康な、母乳で保育された乳児の大便からの、分離株から選択されたものである。典型的な場合、これらは乳酸菌の生産者から市販されているが、大便から直接分離し、同定し、特徴付けし、生成することもできる。市販されているB.ブレーベの例は、RhodiaからのB.ブレーベBb−03、森永からのB.ブレーベMV−16、及びInstitut Rosell,LallemandからのB.ブレーベであるが、B.ブレーベは、DSM 20091やLMG 11613など、カルチャーコレクションから得ることもできる。
【0018】
本発明の製剤中のB.ブレーベの量は、可溶性の難消化性炭水化物の総量を基にすることができ、これら炭水化物全体の1g当たり、細菌が好ましくは10から1011cfuであり、より好ましくは10から1010cfuである。製剤をサプリメントとして使用する場合、ビフィドバクテリウムブレーベは、1×10から1.5×1011cfu/gの量でサプリメント中に存在することが最も好ましく、3×10から5×1010cfu/gであることが好ましく、5×10から1×1010cfu/gであることがより好ましい。製剤を(完全)乳児栄養素として使用する場合、B.ブレーベは、1×10から1×1010cfu/gの量で栄養素中に存在することが最も好ましく、5×10から3×10cfu/gであることが好ましく、乳児栄養素1g当たり1×10から5×10cfuであることがより好ましい。これらの濃度は、1日量が1×10から1.5×1011cfu/gであり、好ましくは3×10から5×1010cfu/gであり、より好ましくは5×10から1×1010cfu/gになるような方法で選択される。
【0019】
2)難消化性炭水化物プレバイオティックスの混合物
難消化性炭水化物プレバイオティックスの混合物も、本発明の本質的な要素である。「難消化性」とは、炭水化物が、胃腸管内消化されないままであり、吸収されずに大腸に到達することを意味する。
【0020】
本発明では、難消化性炭水化物の混合物が、少なくとも2種の異なる、本質的に可溶性の炭水化物成分A及びBであって、胃腸管内で消化されないままであり且つ吸収されずに大腸に到達するものを含有する。本発明による炭水化物混合物は、これら2種の炭水化物成分A及びBのみからなるものでもよい。
【0021】
少なくとも2種の難消化性可溶性炭水化物成分A及びBの混合物では、炭水化物成分Aが、炭水化物成分A及びBの合計の5から95重量%の量で存在する。さらに、成分A及びBの難消化性可溶性炭水化物全体の、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%は、二糖からエイコサ糖(20個の単糖単位を有する多糖)の中から選択され、その残りは、難消化性単糖及び難消化性多糖であって、20単位よりも長いものでよい。また、可溶性の難消化性炭水化物全体の、95%を超える量、好ましくは98%を超える量は、100単位以下の鎖長を有することも好ましい。パーセンテージ及び平均について、この記述の中で述べる場合は、別の基準を指すことが明らかでない限り、又は他に特に指定しない限り、重量に基づくパーセンテージ及び平均であることを意味する。
【0022】
各成分の炭水化物は、下記の3つの点で異なると考えられる。
(i)炭水化物の単糖単位の(平均)数であり、成分Aは、その平均鎖長が、成分Bの鎖長よりも少なくとも5単糖単位だけ少ない;これは、A及びBの炭水化物が同じ構造単位を有する場合、即ち鎖長のみ異なる同族体の混合物を形成する場合、この同族体の分布は2つの最大値を持たねばならず、1つの最大値は7よりも下であり、且つ1つは7よりも上であり、これら2つの最大値は、少なくとも5単位離れていることを意味し;6単位までの炭水化物(六糖)は成分Aの一部であり、7単位から先の炭水化物(七糖)は成分Bの一部である。
(ii)炭水化物の単糖単位の構造であり、成分Aは、成分Bとは異なる構造単位から構成され;A及び/又はBが、異なる単糖単位を繰り返した組合せから構成される場合、例えばガラクトマンナン及びアラビノガラクタンの場合、2成分の単糖単位の少なくとも50%は、異なるべきである(上記の例では、どちらか又は両方が、50%未満の無水ガラクトースを有するべきである)。
(iii)両方、即ち成分A及びBは、その(平均)鎖長と構造に差があり、この実施形態が好ましい。
【0023】
成分Aは、同じ炭水化物構造の、消化しにくい単糖から六糖までの中から選択することが好ましく、成分Bは、同じ炭水化物構造の七糖以上の多糖から選択することが好ましい。よって炭水化物成分Aは、少なくとも1種の難消化性単糖又は少なくとも1種の難消化性オリゴ糖からなる。オリゴ糖の場合、これは2個から6個までが含まれる単糖単位を含むことが理解される。炭水化物成分Aは、前述の糖の2種以上により形成してもよく、またそのようにすることが好ましい。したがって、そのような種類の、即ち同じ構造の、任意の数の様々な単糖及び/又はオリゴ糖からなるものでよい。
【0024】
この好ましい実施形態によれば、炭水化物成分Bは、7個以上の単糖単位を含んだ少なくとも1種の多糖からなる。多糖の場合、六糖から始まるものが理解される(例えば七糖、八糖、九糖、十糖など)。多糖の鎖長には、特定の上限が無く、単糖単位が数百個又は何千個にもなった長さのものでよい。しかし、100個を超える(約16kD)鎖長、特に700個(約100kD)を超えるものは、本発明によればそれほど好ましくない。成分Bは、100個を超える単糖単位を有する同族体を、5%よりも多く、又は2%以下で含有しないことが好ましい。炭水化物成分Bは、そのような種類のたった1つの多糖、又は好ましくは、そのような種類の、即ち同じ構造の、長さの異なる2種以上の多糖からなるものでもよい。
【0025】
炭水化物成分Aは、炭水化物成分Aと炭水化物成分Bの合計(A+B=100重量%)の95重量%までを占める。炭水化物成分Bは、炭水化物成分Aと炭水化物成分Bの合計の、5から95重量%を占める。好ましい実施形態によれば、成分Aは、A+B=100重量%である存在する炭水化物全体の、95から60重量%を構成し、より好ましくは95から80重量%を構成し、特に95から90重量%を構成し、成分Bは、5から40重量%、より好ましくは5から20重量%、特に5から10重量%を構成する。
【0026】
本発明における可溶性炭水化物としては、L.Prosky他によるJ.Assoc.Anal.Chem 71:1017−1023、1988に記載される方法によれば、少なくとも50%が可溶性であるものが理解される。
【0027】
それによって、炭水化物成分A及びBの合計の、少なくとも80重量%の炭水化物又は糖が、プレバイオティック効果を発揮する。炭水化物成分Aに属する炭水化物の少なくとも80重量%と、炭水化物成分Bに属するものの少なくとも80重量%も、プレバイオティック効果を発揮することが好ましい。言い換えれば、炭水化物成分A及びBのうち少なくとも80重量%の炭水化物又は糖のそれぞれは、消化されないように大腸に到達する(したがって小腸で吸収されない)ことを目的とすることが好ましい。言い換えれば、胃腸管内の炭水化物成分A及びBのこれら炭水化物又は糖は、胃にも小腸にも吸収されず且つ消化もされず、したがって大腸に到達する。
【0028】
本発明による、プレバイオティックとして活性な炭水化物では、消化されずに大腸に到達する(したがって小腸に吸収されない)炭水化物が理解され、これは腸内の細菌種の1つ又はその限られた数のものの成長及び/又は活性を選択的に促し、その結果、健康を増進させる。そのような炭水化物のこのプレバイオティック効果とその特定のメカニズムは、明らかな参照がなされ且つその開示を本明細書の文中に含める「G.F.Gibson&M.B.Roberfroid、J.Nutr.1995;125:1401−1412」に、記載されている。
【0029】
それに加えて、炭水化物成分A及びBの、プレバイオティックとして活性ではない炭水化物又は糖の割合は、最大で20重量%に達する。これらの炭水化物又は糖は、実際に可溶性であるが、消化されない形で排出することができるものを指す。これらの炭水化物は、例えば大便の量をふやし、又は水の吸着を促すという点で、物理的な影響を及ぼすことができる。
【0030】
食事又は医薬品中の炭水化物成分A及びBを決定する割合の評価では、以下のステップを実施する。第1の段階では、全ての可溶性炭水化物を、水を用いて生成物から抽出する。この抽出物から、脂肪及びタンパク質を除去する。第2の段階では、可溶性炭水化物又は抽出物をそれぞれ、ヒト酵素、例えばヒトアミラーゼやヒト膵液、又は小腸線毛縁製剤を用いて消化する。難消化性炭水化物(この生体外実験で得られた生体内吸収性単糖を除く)の収量は、2種の炭水化物成分A及びBを構成する。その80%は、プレバイオティックとして活性であることが示唆される。
【0031】
したがって、本発明の製剤で使用される炭水化物混合物は、上述の意味で可溶性であり消化されない炭水化物が、本明細書で特定した基準を満たし且つ炭水化物成分A及びBを構成するものである。
【0032】
炭水化物成分Aは、例えば以下の炭水化物、即ちβ−ガラクト−オリゴ糖、α−ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖、イヌロ−オリゴ糖、フコ−オリゴ糖、マンノ−オリゴ糖、キシロ−オリゴ糖、シアリル−オリゴ糖、N−糖タンパクオリゴ糖、O−糖タンパクオリゴ糖、糖脂質オリゴ糖、セロ−オリゴ糖、キトサン−オリゴ糖、キチン−オリゴ糖、ガラクツロノ−オリゴ糖、グルクロノ−オリゴ糖、β−グルカン(例えば1,3−)オリゴ糖、アラビノキシロ−オリゴ糖、アラビノガラクト−オリゴ糖、キシログルコ−オリゴ糖、ガラクトマンノ−オリゴ糖、ラムノ−オリゴ糖、大豆オリゴ糖(スタキオース、ラフィノース、ベルバスコース)、及びラクト−N−ネオテトラオースの1種又は複数からなるものでよく、或いは炭水化物成分Bは、例えば以下の炭水化物又は糖、即ちイヌリンを含めたフルクタン(フルクトサン)、ガラクタン、フコイダン、アラビナン、キシラン、キサンタン、β−グルカン、消化しにくいポリデキストロース、消化しにくいマルトデキストリン、ガラクツロナン、N−グリカン、O−グリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、キシログルカン、アラビノガラクタン、アラビアガム、アルギネート、カラゲナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、アラビノキシラン、糖脂質グリカン、糖タンパクグリカン、プロテオグリカン、大豆多糖の1種又は複数から形成することができる。消化性炭水化物は、成分A及びBの一部では無いことに留意されたい。したがって、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、及びマルトデキストリンは、例えばガラクト−多糖やフルクト−多糖(イヌリン)などの低級同族体である場合であっても、これらの成分に含めて考えない。本発明の難消化性炭水化物は、原則としてデンプン誘導体のように、α1,4及び/又はα1,6位に結合しているグルコース単位を高い割合で含んでおらず、したがって炭水化物は消化性になる。しかし、あるデンプンタイプの多糖及びマルトデキストリンは、物理的に又は酵素によって、難消化性又は「耐性」にされ、そのようなオリゴ糖及び多糖は、十分可溶性である限り本発明に含められる。
【0033】
オリゴ糖と多糖との選択的組合せ、即ちその結果として炭水化物成分A及びBが同時に存在することにより、大腸内の健康増進微生物を活性化することができ、且つ/又は病原微生物を、前記炭水化物成分の1種のみの場合に考えられるよりも本質的に高い効率によって、抑制することができる。したがって、炭水化物の組合せを投与することにより、正常な大腸内細菌叢の非常に素早い回復を実現することが可能であり、これを維持することが可能であり、又はストレス環境での腸内細菌叢の変化を予防的に防止することが可能であり、したがって、以前使用していた炭水化物の場合よりも効率的な方法で、大腸の細菌コロニー形成に影響を及ぼすことが可能である。
【0034】
好ましい実施形態によれば、炭水化物成分A並びに炭水化物成分Bの少なくとも80重量%は、ビフィズス菌産生性であり且つ/又は乳酸菌を増進させる炭水化物からなる。そのような前記性質を有するオリゴ糖と多糖との組合せにより、オリゴ糖又は多糖のいずれかのみの場合に考えられるよりも本質的に強力な方法で、乳酸菌の成長を驚くほど促進させることができる。それによって、腸内に生来存在する乳酸菌が活性化するだけではなく、外から導入された乳酸菌の成長も、任意選択で選択的な手法であっても促進する。
【0035】
有機酸(酢酸や乳酸など)や、pH効果、コロノザイトの刺激など、細菌そのもの及びその代謝産物を介したこの間接的な動作の他に、蠕動運動や水分、大便の質、腸粘膜への機械的動作など、直接的な物理作用にも同様に、ポジティブな影響を及ぼす。
【0036】
したがって、炭水化物混合物は、栄養効果だけではなく、広範な活性も決定する。上述の生物学的効果の他に、下記の事項、即ち生来のミクロフローラの安定化、毒素やウイルス、細菌、真菌、形質転換細胞、及び寄生虫などの病原物質/生物が付着しないようにすること、毒素、ウイルス、細菌、真菌、及びその他の内在細胞を有する病原体の複合体の分解、並びにそれらの身体からの排除、及び創傷治癒の加速も、本発明の混合物によって実現することができる。
【0037】
したがってこの混合物は、例えば前述の物質及び生物が、上皮細胞又はその他の内在細胞に結合し又はその細胞に付着する結果、支障をきたした腸内細菌叢と併せて生ずる症状又は疾患の、予防及び/又は治療に適している。
【0038】
炭水化物混合物は、炭水化物成分Aが炭水化物成分Bとは異なる構造を有するときに、特に効果的であることがわかった。この異なる構造は、例えば一方でフルクタンを使用し、他方でガラクタンを使用する場合、例えば単糖組成物に関するものである可能性がある。この異なる構造は、同様に、グリコシド結合に関する可能性もある(例えば、α−ガラクトオリゴ糖対β−ガラクトオリゴ糖、又はα−グルカン(デンプン)対β−グルカン(セルロース))。モノマー組成物、並びにグリコシド結合は、化学的挙動(例えば溶解性)又は生理学的挙動(例えば消化性)に影響を与える可能性がある。
【0039】
同じ構造の炭水化物は、鎖長が異なる可能性があるが同じ単糖単位又は単糖単位の組合せからなる同族体であることが、理解される。一般に、隣の同族体は、前の同族体に存在する単糖単位の1つを加えることによって、前の同族体とは異なることになる。それにも関わらず、1つの単位、通常は末端にあるものは、例えばグルコース単位で終わる(無水)フルクトース単位の鎖を含有するある特定のフルクタンのように、異なる可能性がある。
【0040】
成分Bの多糖の鎖長、又は多糖混合物の場合の重量平均鎖長は、少なくとも3単位であることが好ましく、成分Aのオリゴ糖の鎖長又はオリゴ糖混合物の重量平均鎖長よりも、少なくとも5単位長いことが好ましい。オリゴ糖Aの平均鎖長は、2から6単位の間であり、多糖Bの平均鎖長は7から30単位の間であることが好ましく、8から20単位の間であることがより好ましい。同じ構造のオリゴ糖と多糖が共に存在する場合、この構造の炭水化物は、重量平均鎖長が6.5よりも短い場合に成分Aと見なし、7以上の鎖長を有する個々のメンバーは成分Aに含めて考えず、一方、重量平均鎖長が6.5を超えた場合に成分Bと見なし、6以下の鎖長を有する個々のメンバーは、成分Bに含めて考えない。別の構造の糖が存在しない状態で、同じ構造のオリゴ糖と多糖が共に存在する場合、7単位の両端に2つの最大値があるべきであり、そうでない場合には、上述のように、2種の異なる炭水化物成分の要件が満たされない。
【0041】
とりわけ混合物の中心は、その炭水化物中に見ることができる。異なるサイズ及び/又は異なる「種類」又は「構造」の炭水化物の混合物を投与すると、個別の物質群A及びBのプレバイオティック効果に対して相乗効果をもたらすことができる。
【0042】
成分Aの炭水化物は、1つの物質の種類にのみ属するものでよいが、いくつかの種類(例えばA:ガラクト−オリゴ糖及びフコ−オリゴ糖)から形成することができ、一方、成分Bの炭水化物は、同様に1つの物質の種類に由来するものでよく、いくつかの物質の種類に由来するものでもよい(例えばB:イヌリン及びキシラン)。
【0043】
好ましい炭水化物混合物は、ガラクト−オリゴ糖とインリンからなる。特に効果的な混合物は、炭水化物成分Aの少なくとも60重量%、好ましくは80から100重量%がガラクト−オリゴ糖の群に属するものである。炭水化物成分Bの少なくとも60重量%、好ましくは80から100重量%がフルクト−多糖の群に属する混合物も好ましい。炭水化物混合物の生成では、現在知られており且つ食物又は食品の製造に特に使用される炭水化物及び炭水化物混合物を、使用することができる。技術的な方法で予め変性させた原材料を、使用することも可能である。それによって、混合物の調製を、対応して選択された炭水化物又はオリゴ糖と多糖又は炭水化物混合物との単なるブレンドによって、引き続き行うことができる。それによって、初期成分は、パラメータが完成された混合物に関係するように、互いに混合しなければならない。
【0044】
原材料を使用することができるので、貯蔵炭水化物(フルクタン、豆果からのガラクト−オリゴ糖、フコイダン、α−グルカン、ラミナリン、カラゲナン、マンナン、ガラクトマンナン、寒天)、天然ガム、糖タンパク質のN−グリコシド結合炭水化物、糖タンパク質のO−グリコシド結合炭水化物、糖脂質のグリカン、酵素により調製された炭水化物(ガラクト−オリゴ糖、グルコ−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖、キシロ−オリゴ糖)、細菌性炭水化物(キサンタンなど)、並びにオリゴ糖(ガラクト−オリゴ糖、グルコ−オリゴ糖(α1−2及びα1−3グルコース残基)、キシロ−オリゴ糖)、並びにセルロースやヘミセルロース(アラビナン、ガラクタン)、ペクチン、及びキチンなどの骨格炭水化物を使用することができる。これらの物質は、好ましくは食品級であるべきである(食品中の複合炭水化物(Complex Carbohydrates in Foods)、British Nutrition Foundation;Chapman&Hall、London、1990参照)。
【0045】
原材料及び生成物の、加水分解酵素(例えばグリコシダーゼ、トランスグリコシダーゼ、及びリパーゼ)、転移酵素、異性化酵素(例えば、アルドラーゼ、及びケトラーゼ)、酸化還元酵素(例えばオキシダーゼ)、及び還元酵素(例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ)、脱離酵素(例えば、多糖リアーゼ)、及びリガーゼを用いて、原材料の酵素修飾を実施することも可能である。さらに、原材料及び生成物の、技術的変性を行うことが可能であり、即ち圧力(例えば押出し)、温度(例えばカラメル化)、有機合成、有機修飾(例えば、カルボキシメチル化及びパーアセチル化)、酸及び/又はアルカリ加水分解、及び分画(例えば、サイズ及び/又は物理化学的パラメータであって、電荷や疎水性などによる)、又は変性の組合せによって行うことが可能である。
【0046】
それによって炭水化物混合物は、本質的に、以下に列挙する単糖からなり、またその単糖からなるオリゴ糖及び多糖からなる:即ち、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−マンノース、L−フコース、D−N−アセチルグルコサミン、D−N−アセチルガラクトサミン、D−キシロース、L−ラムノース、D−アラビノース、D−アロース、D−タロース、L−イドース、D−リボーズ、並びにカルボキシル基を含む単糖であって、例えばD−ガラクツロン酸やD−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、及び/又はこれらがメチル化した形のものであって、例えばN−アセチルノイラミン酸やN−グリコリルノイラミン酸、及び/又はこれらがO−アセチル化した形などである。さらに、これらのモノマー及びそれをベースにした高級単位は、−OSOH基及び/又は−OPOH基を用いて変性させることができる。
【0047】
本発明による難消化性炭水化物は、典型的な場合、1日量を0.5から30g、好ましくは2から15g、より好ましくは3から9gとして投与する。製剤の、1つの好ましい投与形態は、サプリメントである。サプリメントは、人工栄養保育され又は一部母乳で保育される未熟児、及び人口栄養保育され又は一部母乳で保育される成熟児も含め、人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児に適している。
【0048】
製剤は、乳児栄養として使用してもよい。この場合、本発明の乳児栄養はさらに、消化性炭水化物、脂質源、タンパク源、及びこれらの混合物から選択された1種又は複数の成分を含む。
【0049】
3)その他の成分
炭水化物成分A及びBの他に、その他の炭水化物も同様に存在してよい。その中には、1)上述のように消化性のある消化性炭水化物、及び2)吸収性/消化性があり、又は吸収性/消化性も無い不溶性炭水化物がある。乳児栄養サプリメントに使用される、典型的な不溶性の難消化性炭水化物は、大豆多糖であり、抵抗性デンプン、セルロース、及びヘミセルロースであり、より好ましくは、この炭水化物は大豆多糖及び抵抗性デンプンから選択される。
【0050】
乳児栄養サプリメントに使用される、典型的な可溶性及び消化性炭水化物は、マルトデキストリン、デンプン、ラクトース、マルトース、グルコース、フルクトース、及びスクロースと、その他の単糖及び二糖から選択され、より好ましくは、マルトデキストリン、ラクトース、マルトース、グルコース、フルクトース、スクロース、及びこれらの混合物から選択される。
【0051】
炭水化物成分A及びBの他に、1)及び2)の下で列挙されたこれらの炭水化物は、それ自体が任意の量で存在することができ、どの場合も、所望の最終生成物に応じて様々になる。不溶性炭水化物は、炭水化物混合物の0から10重量%を構成することが好ましい。
【0052】
乳児栄養サプリメント中に使用される、脂質源として使用される典型的な成分は、乳児用調合乳での使用に適した任意の脂質又は脂肪でよい。好ましい脂質源には、乳脂肪、サフラワー油、卵黄脂質、カノーラ油、オリーブ油、ココナツ油、パーム油、パーム核油、パームオレイン、大豆油、ヒマワリ油、魚油、及び長鎖ポリ不飽和脂肪酸を含有する微生物発酵油が含まれる。これらの油は、高級オレインヒマワリ油や高級オレインサフラワー油などの、高級オレイン形態をとることができる。脂質源は、パームオレインや中鎖トリグリセリド(MCT)、アラキドン酸やリノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、リノレン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸のような脂肪酸のエステルなど、これらの油から得られた画分の形をとってもよい。
【0053】
未熟児用調合乳の場合、脂質源は、中鎖トリグリセリドを、好ましくはこの脂質源の15重量%から35重量%の量で含有することが好ましい。
【0054】
脂質源は、n−6脂肪酸とn−3脂肪酸とのモル比が5:1から15:1、好ましくは8:1から10:1であることが好ましい。
【0055】
存在する場合、脂質は、組成物の20重量%から40重量%のレベルで存在すること、又は乳児用調合乳において0.8から1.5g/100kJとして存在することが好ましい。
【0056】
本発明の栄養製品で利用することのできるタンパク質には、ヒトの消費に適した任意のタンパク質又は窒素源が含まれる。乳児用調合乳に使用される適切なタンパク源の例には、典型的な場合、カゼイン、乳清、脱脂練乳、脱脂乳、大豆、エンドウ豆、米、トウモロコシ、加水分解タンパク質、遊離アミノ酸、タンパク質と共にコロイド懸濁液中にカルシウムを含有するタンパク源、及びこれらの混合物が含まれる。本明細書で使用するには、タンパク質が加水分解物の形をとることが好ましく、それによって、上述のような乳児でのアレルギーの危険性が低下する。商用のタンパク源は、容易に入手可能であり、当業者に知られている。
【0057】
典型的な場合、ミルクをベースにした乳児用調合乳の加水分解物には、牛乳からの100%加水分解した乳清タンパク質が存在する。その他のミルクをベースにした乳児用調合乳では、カゼイン/乳清の比が、典型的な場合は1.8:0.3〜3〜0である。
【0058】
存在する場合、タンパク源は、組成物の9重量%から19重量%のレベルで存在することが好ましい。乳児用調合乳として使用するときは、タンパク源が、0.45から1.0g/100kJの量で存在することが好ましい。
【0059】
栄養的に完全な調合乳は、日々の食事に重要であると理解される全てのビタミン及びミネラルを、栄養的に有意な量で含有することが好ましい。最低限の要件が、ある特定のビタミン及びミネラルに関して確立されている。乳児用調合乳中に任意選択で存在するミネラル、ビタミン、及びその他の栄養素の例には、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、イノシトール、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、コリン、カルシウム、リンヨウ素、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、塩化物、カリウム、ナトリウムセレン、クロム、モリブデン、タウリン、及びL−カルニチンが含まれる。ミネラルは、通常、塩の形で添加される。特定のミネラル及びその他のビタミンの、存在及び量は、目的とする乳児集団に応じて変わることになる。
【0060】
必要に応じて、乳児用調合乳は、大豆レシチンやクエン酸、モノグリセリド及びジグリセリドのエステルなど、乳化剤及び安定剤を含有することができる。これは、調合乳を液体の形で提供する場合に特に準備される。
【0061】
乳児用調合乳は、(非炭水化物)繊維やラクトフェリン、免疫グロブリン、ヌクレオチド、ヌクレオシドなど、有益な効果を発揮することができるその他の物質を、任意選択で含有することができる。
【0062】
(適用例)
本発明による製剤は、人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児、特に未熟児、成熟児として生まれた赤ちゃん、並びに固形食物への適応期間にある乳児の胃腸管において、「標準」と見なされる母乳で保育される乳児での種の分布に従って、ビフィズス菌集団を正常化するのに特に有用であることがわかった。本発明の製剤は、母乳での保育から哺乳瓶での保育に変わる乳児にも適している。
【0063】
このように、人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児の胃腸管で、ビフィドバクテリウム種を正常化する組成物を製造するために、本発明の製剤又は組成物の使用が提供される。本発明の製剤は、免疫状態の予防又は治療に特に有用であることもわかった。この免疫状態は、母乳で保育される乳児と比較した場合、これら人工栄養保育され又は一部母乳で保育された乳児の胃腸管内のビフィドバクテリウム種の組成物が、異なる結果と考えられる。典型的な場合、そのような免疫状態には、アレルギー、アトピー性皮膚炎、湿疹、喘息、アトピー、アレルギー性鼻炎、食物過敏症、おむつかぶれ、下痢、及びこれらを混合したものから選択された状態が含まれる。
【0064】
したがって本発明は、好ましくはアレルギー、アトピー性皮膚炎、湿疹、喘息、及びおむつかぶれから選択された、1つ又は複数の免疫状態を予防し又は治療するための、製剤の使用を提供する。また、(細菌性)下痢、特にウイルス性下痢を、本発明の製剤で治療することもできる。本明細書では、エネルギー吸収不良の予防及び/又は治療のための、製剤の使用も提供する。製剤は、アレルギー病変部への好酸球、好中球、及び単核細胞の浸潤を阻害し、且つ/又はTh2型免疫応答を阻害し、且つ/又はTh1媒介型免疫応答を刺激するのに有益であることが見出されたことは、有利である。このように、アレルギー病変部への好酸球、好中球、及び単核細胞の浸潤を阻害し、Th2型免疫応答を阻害し、且つ/又はTh1媒介型免疫応答を刺激する組成物を製造するために、本明細書で定義した本発明の製剤又は組成物の使用が提供される。
【0065】
また本発明は、B.ブレーベ以外のある特定のビフィドバクテリウム種の集団を調節するために、特にビフィドバクテリウムカテニュレイタム、B.シュードカテニュレイタム、及び/又はB.アドレセンティスの相対量を低下させるために、上述の炭水化物混合物の使用も提供する。
【0066】
(プローブの開発及び診断キット)
本明細書では、種特異的オリゴヌクレオチドプライム及びプローブを使用して、ビフィドバクテリウム種、特にヒトに見られるもの、即ちビフィドバクテリウムカテニュレイタム及びB.シュードカテニュレイタム、B.アドレセンティス、B.ブレーベ、B.ロンガム、B.ビフィダム、B.アンギュレイタム(B.angulatum)、B.インファンティス、及びB.デンティウムを定量する方法も提供する。
【0067】
これらのプライマー及びプローブは、FISH、PCR、DGGE、TGGE、ドットブロットハイブリダイゼーション、及びリアルタイムPCR法を介して、ビフィズス菌及びビフィズス菌種を同定するのに使用することができる。これら技法の全てには、ヌクレオチドとのハイブリダイゼーションステップを含むという共通点がある。その目的は、特に、リアルタイムPCRによってビフィズス菌の種の量を決定することである。
【0068】
以下に記述する配列のそれぞれは、プローブとして機能する限り、その5’−又は3’−末端に結合した追加の塩基を有することができる。
【0069】
これらのオリゴヌクレオチドは、化学合成のための従来の手段によって、例えば自動化DNA合成器によって調製することができる。上述の配列を含有するDNA断片は、対応するビフィドバクテリウム種からの遺伝子の酵素切断によって調製することができる。
【0070】
本発明において、5’ヌクレアーゼアッセイで使用されるビフィズス菌種に特異的なプライマー及びプローブの開発は、下記の通りであった。
【0071】
全てのビフィズス菌に関して、ビフィドバクテリウムアドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.カテニュレイタム、B.デンティウム、B.ロンガム、及びB.インファンティスに対する二重5’ヌクレアーゼアッセイを開発した。本発明者等は、通常なら系統発生分析及び細菌の特異的検出に使用される16S rDNA遺伝子の代わりに16S−23S rDNAの遺伝子間スペーサに対する5’ヌクレアーゼアッセイを開発した。遺伝子間スペーサに何を選択するかは、16S rDNAを使用する場合、汚染及び感受性の問題がリアルタイムPCRに関して記述されるという事実に大きく左右される。さらに、異なるビフィドバクテリウム種の16S rDNA配列間の大きな類似性が示されており(Leblond−Bourget他、1996)、これは、異なるビフィドバクテリウム種に特異的なプライマーとプローブとのセットの開発を、ほとんど不可能にする。驚くべきことに、これらの問題は、遺伝子間スペーサ領域を使用することによって回避することができた。
【0072】
プライマー及びプローブの開発では、異なるビフィドバクテリウム種の16S−23S遺伝子間スペーサ領域の異なる配列(B.アドレセンティス[U09511 U09512(1)、U09513(1)及びU09514(1)]、B.アンギュレイタム[U09515(1)]、B.アニマリス[AY225132(2)、L36967(1)及びU09858(1)]、B.アステロイデス(B.asteroides)[U09516(1)]、B.ブレーベ[AJ245850(3)、U09518(1)、U09519(1)、U09520(1)及びU09521(1)]、B.ビフィダム[U09517(1)、U09831(1)]、B.カテニュレイタム[U09522(1)]、B.コエリナム(B.choerinum)[L36968(1)]、B.コリネフォルメ(B.coryneforme)[U09523(1)]、B.クニクリ(B.cuniculi)[U09790(1)]、B.デンティウム[U10434(1)]、B.インディカム(B.indicum)[U09791(1)]、B.インファンティス[AJ245851(3)、U09525(1)、U09527(1)、及びU09792(1)]、B.ロンガム[AJ245849(3)、U09832(1)]、B.シュードロンガム(B.pseudolongum)[U09524(1)、U09879(1)]、B.マグナム(B.magnum)[U09878(1)]、B.サーモフィラム(B.thermophilum)[U09528(1)])を、Genbank、EMBL、及びDDBJデータベースから検索した。検索した全ての配列について、DNASIS for Windows(登録商標)V2.5(Hitachi Software Engineering Co.,Ltd.,Wembley,UK)を使用して位置合わせを行った(=受入れコード、1=Leblond−Bourget,N.,H.Philippe,I.Mangin,B.Decaris.1996.16S rRNA及び16Sから23Sの内部転写スペーサ配列分析は、種間及び種内ビフィズス菌系統発生を明らかにする。Int.J.Syst.Bacteriol.46:102−111、2=Ventura,M.,及びR.Zink.2002。「ビフィドバクテリウムラクティスの、迅速な同定、分化、及び提案された新しい分類学的分類(Rapid identification,differentiation,and proposed new taxonomic classification of Bifidobacterium lactis)」、Appl.Environ.Microbiol.68:6429−6434.、3=Brigidi,P.,B.Vitali,E.Swennen,L.Altomare,M.Rossi及びD.Matteruzzi.2000「ポリメラーゼ連鎖反応による薬用プロバイオティック製品及びヒトの便の中のビフィズス菌株の特異的検出(Specific detection of Bifidobacterium strains in a pharmaceutical probiotic product and in human feces by polymerase chain reaction)」Syst.Appl.Microbiol.23:391−399)。これら配列の保存領域全体を使用して、全てのビフィズス菌種に対するプライマー及びプローブを設計した。異なる種類の亜種の配列中の保存領域は、その他の種との類似性をほんのわずかしか示さないものであり、これを使用して、B.アドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ブレーベ、B.ビフィダム、B.カテニュレイタム(B.シュードカテニュレイタムを含む)、B.デンティウム、B.インファンティス、及びB.ロンガム(B.シュードロンガムを含むが、これら2つの種の間には、その配列に大きな類似性があるからである)のそれぞれに対するプライマー及びプローブを設計した。
【0073】
プライマー及びTaqMan(登録商標)MGBプローブを、Primer Express 1.5a(Applied Biosystems,Nieuwerkerk a/d IJssel,NL)の助けを借りて設計した。本発明者等は、以下の基準を適用した:プローブ及びプライマーは、GC含量を30〜80%であるとし、同一のヌクレオチド(特にグアニン(G)に関する)が3個よりも多く続くことを避けるものとする。プローブの融解温度(Tm)は68℃から70℃の間であるとするのに対し、プライマーの融解温度は、プローブの融解温度よりも10℃低いものとする。さらに、プローブの5’末端にはGが存在しないものとし、Gよりもシトシン(C)を多く含む鎖を選択した。プライマーの3’末端の最後の5個のヌクレオチドは、2個以下のG及び/又はC塩基を有するものとする。最後に、単位複製配列の長さは、150塩基対未満とする。設計されたプライマー及びTaqMan(登録商標)MGBプローブを表1に示し、これらの特異性について、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)を使用して試験した。
【0074】
全てのビフィズス菌の検出用に設計されたプローブは、5’レポーター色素VIC(商標)(Applied Biosystems,NL)及び3’クエンチャーNFQ−MGB(商標)(Applied Biosystems,NL)を有するオリゴヌクレオチドからなり、異なるビフィドバクテリウム種に対するプローブは、5’レポーター色素6−カルボキシ−フルオレセイン(FAM(商標))及び3’クエンチャーNFQ−MGB(商標)(Applied Biosystems,NL)を有するオリゴヌクレオチドからなる。全細菌負荷を決定するには、広域(ユニバーサル)なプローブとプライマーとのセットを使用するが、これについては、Nadkarni,M.A.,F.E.Martin,N.A.Jacques,及びN.Hunterの「広域(ユニバーサル)なプローブとプライマーとのセットを使用したリアルタイムPCRによる細菌負荷の決定(Determination of bacterial load by real−time PCR using a broad−range(universal)probe and primer set)」、Microbiology 148:257−266(2002)に記述されている。ユニバーサルプローブは、5’レポーター色素6−カルボキシ−フルオレセイン(FAM(商標))及び3’クエンチャー色素6−カルボキシ−テトラメチル−ローダミン(TAMRA(商標))を有するオリゴヌクレオチドからなる。設計されたプローブを、表1に示す。
【0075】
【表1−1】


【表1−2】

【0076】
これらの場合、適切なプライマーとプローブとのセットを見出す指針に適合するように、いくらか調節を行った(3個を超えて連続するヌクレオチド、又は150bpよりも長い単位複製配列)。
【0077】
標識された製剤は、従来の手段によって、検出可能なマーカーでオリゴヌクレオチドを標識することにより調製した。使用することができる標識マーカーには、放射性同位元素、蛍光物質、酵素、ビオチン、及びヘプテンが含まれる。
【0078】
標識された製剤とサンプルとのハイブリダイゼーションは、ドットブロットハイブリダイゼーションやノーザンハイブリダイゼーションなど、既知の技法に従って行うことができる。形成されるハイブリッドは、例えば放射性同位元素を使用するオートラジオグラフィや、酵素又はビオチンを使用する酵素標識抗体技法などの既知の手段によって、標識された製剤を検出することにより確認することができる。
【0079】
さらに、これらのオリゴヌクレオチドの中で、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26からそれぞれ選択された配列番号によって表されるDNA断片を、種の同定を行うためのPCR法でのプライマーとして使用することができる。より具体的には、同定すべき微生物細胞を溶菌させ、配列番号1、配列番号4、配列番号7、配列番号10、配列番号13、配列番号16、配列番号19、配列番号22、配列番号25からそれぞれ選択された配列番号と、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23、配列番号26からそれぞれ選択された配列番号とのDNA断片のいずれかを、プライマーとしてそこに加え、その後、DNAポリメラーゼで処理する。電気泳動などによってDNA増幅が観察される場合、これは細胞が、使用したDNA断片に対応する遺伝子部分を有することを意味し、即ち細胞は、DNA断片プライマーの開始点と同じ種のものであることが確認される。
【0080】
したがって、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26から選択された配列番号と、これに相補的な配列とを含むオリゴヌクレオチドが提供される。
【0081】
また本明細書では、ビフィドバクテリウム属の種に特有の核酸標的配列を検出するための、オリゴヌクレオチドプローブも提供され、前記プローブは、
1)配列番号3又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムアドレセンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
2)配列番号6又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムアンギュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
3)配列番号9又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムビフダムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
4)配列番号12又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムブレーベDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
5)配列番号15又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムカテニュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
6)配列番号18又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムデンティウムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
7)配列番号21又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムインファンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
8)配列番号24又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムロンガムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
9)配列番号27又はこれに相補的な配列によって表される、全てのビフィズス菌DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド
から選択される。
【0082】
さらに本明細書では、ヒト、特にヒト乳児に見られるビフィドバクテリウム属の種を、種特異的に検出する方法が提供され、この方法は、
(A)サンプルとオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズ溶液中で接触させるステップであって、前記プローブが、
1)配列番号3又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムアドレセンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
2)配列番号6又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムアンギュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
3)配列番号9又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムビフィダムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
4)配列番号12又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムブレーベDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
5)配列番号15又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムカテニュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
6)配列番号18又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムデンティウムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
7)配列番号21又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムインファンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
8)配列番号24又はこれに相補的な配列によって表される、ビフィドバクテリウムロンガムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
9)配列番号27又はこれに相補的な配列によって表される、全てのビフィズス菌DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド
からなる群から選択されるものであるステップと、
(B)前記属の前記種が前記サンプル中に存在するか否か検出されるように、前記プローブが前記サンプル中の核酸とハイブリダイズするか否かを決定するステップと
を含む。
【0083】
本発明は、ヒト、特にヒト乳児に見られるビフィドバクテリウム属の種を、種特異的に検出する方法であって、
a)配列番号1、配列番号4、配列番号7、配列番号10、配列番号13、配列番号16、配列番号19、配列番号22、配列番号25から選択された配列番号のオリゴヌクレオチドプライマーを、それぞれ配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23、配列番号26から選択された配列番号のオリゴヌクレオチドプライマーと共に含むプライマーのセットを使用して、核酸配列増幅手順を実施するステップと、
b)上述のオリゴヌクレオチドプローブが核酸標的配列とハイブリダイズするか否かを決定するステップと
を含む方法も包含する。
【0084】
本発明の方法は、診断キットの製造に有利である。したがって本明細書では、少なくとも上述のDNAプローブ、並びに変性液やハイブリダイゼーション液、洗浄液、固体担体、ハイブリダイゼーション容器、及び標識検出手段などのハイブリダイゼーション分析に必要な1種又は複数の他の手段を含み、ハイブリダイゼーション分析を用いてビフィドバクテリウムアドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.カテニュレイタム、B.デンティウム、B.インファンティス、及びB.ロンガムから選択されたビフィドバクテリウム種をサンプル中で検出するための、診断キットが提供される。
【0085】
また本明細書では、上述のDNAプライマー、並びにPCR分析に必要な1種又は複数の手段であって、例えばポリメラーゼや重合液、オイルオーバーレイ、反応容器、及び増幅DNAを検出する手段などのセットを含み、PCR分析を用いて上述のビフィドバクテリウム種をサンプル中で検出するための、診断キットも提供する。
【実施例】
【0086】
(実施例1)
ビフィズス菌用に開発されたプローブ及びプライマーの確認
種々のビフィドバクテリウム種の相対量に関するアッセイを、確認するのに使用される細菌株を、表2に列挙する。
【0087】
【表2】

【0088】
ATCC:米国微生物系統保存機関(American Type Culture Collection);DSM:ドイツ微生物培養細胞コレクションセンター(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen)、ドイツ;LMG:微生物学研究室(Laboratory for Microbiology)、ヘント大学(University of Gent)、ベルギー;NCIMB:英国菌株保存機関(National Collections of Industrial and Marine Bacteria)、英国。
【0089】
全てのビフィズス菌株を、37℃のMann Rogosa Sharp(MRS)ブロス(Oxoid、Basingstoke、英国)培地中で24時間、嫌気性条件下で培養した。オーバーナイト培養物を、さら処理するまで−20℃で保存した。
【0090】
5mlの凍結させたオーバーナイト培養物を氷水中で解凍することにより、DNAを細菌培養物から抽出した。その後、培養物を、4000rpmで20分間、4℃で遠心分離して(Sorvall RT7、Du Pont、Stevenage、英国)、細菌細胞をペレット化した。ペレットを、1mlのTES(50mM Tris−HCl[pH8.0]、5mM EDTA、50mM NaCl)で洗浄し、その後、4000rpmで10分間、4℃で遠心分離した。上澄みを除去し、ペレットを、THMS(30mM Tris−HCl[pH8.0]、3mM MgCl、25%(w/v)スクロース)1ml中に再懸濁した。この懸濁液を、2mlのエッペンドルフチューブに移した後、200μlのリゾチーム(0.1g/ml;Sigma Aldrich Chemie、Steinheim、DE)及び40μlのムタノリシン(1mg/ml;Sigma Aldrich Chemie、DE)を添加し、37℃で30分間インキュベートした。引き続き、溶液を、10000rpmで5分間、4℃で遠心分離した(Sigma 1−15、Sigma Laborzentrifugen GmbH、Osterode am Harz、DE)。上澄みを除去し、ペレットを、100μlのTHMS中に再懸濁し、そこに、400μlのTES(0.5%のSDSを含む)及びプロテイナーゼK(20mg/ml;Boehringer Mannheim GmbH、Mannheim、DE)7.5μlを添加した。この混合物を撹拌し、65℃で30分間インキュベートした。引き続き、標準フェノール/クロロホルム抽出を行い、その後、2.5μlのRNase A(1mg/ml;Roche Diagnostics、Mannheim、DE)で、37℃で30分間処理した。引き続き、2体積の氷冷エタノール(96%)及び3Mの酢酸ナトリウム(pH5.2)0.1体積を添加した後に、少なくとも30分間、−20℃で保存することによって、DNAを沈殿させた。沈殿した溶液を、13000rpmで20分間、4℃で遠心分離し、その上澄みを、500μlの70%エタノールで洗浄し、その後、13000rpmで5分間、4℃で遠心分離した。上澄みを廃棄し、ペレットを室温で空気乾燥した。DNAを、100μlの滅菌milli−Q(登録商標)中に再懸濁し、−20℃で保存した。
【0091】
第1に、各二重5’ヌクレアーゼアッセイの特異性について、種々の株(表2参照)の25μl増幅を行うことによって試験した。これらの25μl PCR反応を、2.5μlのDNAテンプレート、12.5μlのTaqMan(登録商標)Universal Mater Mix(Applied Biosystems)、各プライマー900nM、及び各プローブ200nMを使用して実施し、その後、TaqMan(登録商標)Universal Temperature Profile、即ち50℃で2分、95℃で10分経た後に、95℃で15秒、60℃で1分間の45サイクルからなるプロフィルを、ABI Prism 7700(Applied Biosystems、Nieuwerkerk a/d IJssel、NL)上で実行した。そのために開発された5’ヌクレアーゼのアッセイの全ては、ビフィドバクテリウム種に特異的であり、ビフィズス菌の総量を決定するための5’ヌクレアーゼアッセイは、プロピオン酸菌(Propionibacterium)又は乳酸杆菌などの株以外の、試験をした全てのビフィドバクテリウム種を検出した。B.カテニュレイタムに関する5’ヌクレアーゼアッセイも、B.シュードカテニュレイタムを検出することに留意すべきである。さらに、DNAse及びRNAseで処理したサンプルについて試験をし、汚染されたRNAがアッセイ中に検出されないことを確かめた。
【0092】
第2に、B.アドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ブレーベ、B.ビフィダム、B.カテニュレイタム、B.デンティウム、B.インファンティス、及びB.ロンガムからの個体培養混合物を調製して、この混合物全体が確実に約100%になるようにした。この場合、テンプレートとしての役割を果たす種々のビフィドバクテリウム種同士の競合は、除外することができる。これは確かに、図1からわかるように、混合物中の各ビフィドバクテリウム種について決定された量、並びに混合物中のビフィドバクテリウム種の総量を示すケースである。
【0093】
異なる種類の5’ヌクレアーゼアッセイに関する再現性及び反復性に関するCV値を決定し、これらを表3に見ることができる。
【0094】
【表3】

【0095】
5’ヌクレアーゼアッセイが、「従来の」PCRよりも感受性を有する回数。
再現性は、個体培養物(100%)10個について試験を行い、得られた結果に基づいてCV(%)を計算することによって決定する。
反復性は、個体培養物(100%)4個についてそれぞれ3回試験を行い、得られた結果に基づいてCV(%)を計算することによって決定する。
【0096】
開発された5’ヌクレアーゼアッセイを、従来の定性種特異的PCR(Matsuki,T.,K.Watanabe,R.Tanaka,M.Fukuda,及びH.Oyaizu.1999.16S rRNA−遺伝子−標的種特異的プライマーで試験をしたヒト腸管微生物叢におけるビフィドバクテリウム種の分布(Distribution of bifidobacterial species in human intestinal microflora examined with 16S rRNA−gene−targeted species−specific primers).Appl.Environ.Microbiol.65:4506−4512)によって記述されるプライマーを使用する)と比較して、種々のアッセイの感受性を決定すると共に、偽陽性結果であるか又は偽陰性結果であるかチェックした。表3は、従来の種特異的PCRに対し、5’ヌクレアーゼアッセイが異なる感受性であることを示す。表4は、二重5’ヌクレアーゼアッセイで使用される、最終の最適なプライマー及びプローブ濃度を示す。
【0097】
【表4】

【0098】
(実施例2)
臨床試験
この研究は、2つの介入群に関する二重盲検プラセボ対照多施設治験であった。生後28日から90日の、完全に調合乳で保育した乳児を、ドイツの4カ所の病院から採用した。乳児を、その出生時体重が2600gから4500gの間にある場合には研究に組み入れ、少なくとも4週間完全に調合乳で保育し、その後、介入期間を開始した。先天性異常のある乳児、或いは牛乳アレルギーが確認され又は疑われる乳児、多子出産によって生まれた乳児、この研究の開始前に抗生物質を2週間未満与えた乳児、及びこの研究の開始前に任意のプロバイオティック又はプレバイオティック調合乳で1カ月未満保育された乳児は、この研究から除外した。登録後、乳児を無作為に、2つの治療群の一方に、即ち0.8g/100mlのガラクト−オリゴ糖及びフルクト−多糖が補われた乳児用調合乳を与えた群(GFSF群)と、標準的な乳児用調合乳を与えた群(SF群)との一方に割り当てた。この調合乳の多量養素組成を、表5に示す。
【0099】
【表5】

【0100】
母乳で保育した乳児の群は、参照群(BF群)として組み入れた。研究期間の開始後3日以内、4週間後、及び研究期間の終了時(6週間)に、便のサンプルを収集した。この研究は、4つの病院の医学倫理委員会により承認済みであった。説明承諾書は、研究開始前に両親から得た。
【0101】
便のサンプルを氷水中で解凍することによって、核酸を便から単離し、その後、PBS(0.37M NaCl、2.7mM KCl、8.1mM NaHPO[pH7.4])中に10×(w/v)希釈し、ストマッカー(IUL Instruments,Barcelona,スペイン)を使用して10分間均質化した。均質化した便を、実際のDNA単離前に、−20℃で保存した。抽出は、均質化した便のサンプル1mlを氷水中で解凍することによって開始し、その後、1100rpmで1分間遠心分離して、細片及び大きい粒子を除去した。上澄みを新しい試験管に移し、10000rpmで5分間遠心分離した。引き続き、ペレットを、1mlのTN150(10mM Tris−HCl[pH8.0]、10mM EDTA)に再懸濁し、0.3gのジルコニウムビーズ(直径0.1mm、BioSpec Products、Bartlesville、US)が入っている滅菌した試験管内に移した。これらの懸濁液に、TE緩衝フェノール(pH±7.5)150μlを添加し、サンプルを、5000rpmで3分間、ミニビーズビーター(BioSpec Products、Bartlesville、US)に入れた。ビーズによる叩出しの後、サンプルを即座に氷上で冷却し、その後、150μlのクロロホルムを添加した。サンプルを短時間撹拌し、10000rpmで5分間遠心分離し、上相を、清浄な2mlのエッペンドルフ管に移し、フェノール/クロロホルム抽出を開始した。フェノール−クロロホルム抽出の後、1mlの氷冷エタノール(96%)及び50μlの3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)を添加した後に、サンプルを−20℃で少なくとも30分間置くことにより、DNAの沈殿を行った。引き続いてこのサンプルを、13000rpmで20分間遠心分離し、500μlの70%エタノールで洗浄した。13000rpmで5分間遠心分離した後、上澄みを廃棄し、ペレットを室温で空気乾燥した。DNAを、100μlの滅菌milli−Q(登録商標)に再懸濁し、−20℃で保存した。
【0102】
便のサンプル中の、種々のビフィドバクテリウム種の相対的な定量を行うため、二重5’ヌクレアーゼアッセイを使用する。それぞれの種の相対量は、Liu他、2002に従って計算する。簡単に言うと、各増幅曲線の効率は、式E=(閾値/閾値−(Ct,A−Ct,B)−1によって別々に計算した。計算された効率の助けを借りて、DNAの初期量(R)を、R=閾値/(1+E)Ctによって計算する。次いでビフィドバクテリウム種のDNAの初期量を、全てのビフィドバクテリウム種のDNAの初期量で割ることができる。その後、得られた比を、100%に設定された個体培養の比の助けを借りて正規化する。
【0103】
ビフィズス菌の総量も、初めに述べたようにFISHの助けを借りて決定した(Langendijk,F.Schut,G.J.Jansen,G.C.Raangs,G.R.Kamphuis,M.H.Wilkinson及びG.W.Welling「属特異的16S rRNA標的プローブによるビフィドバクテリウム種の定量蛍光in situハイブリダイゼーション、及びその便サンプルへの適用(Quantitative fluorescence in situ hybridisation of Bifidobacterium spp.with genus−specific 16S rRNA−targeted probes and its application in fecal samples)」Appl.Environ.Microbiol.61(8):3069−75(1995))。
【0104】
全細菌のパーセンテージとしてのビフィドバクテリウム属のパーセンテージは、BF、SF、及びGFSF群でそれぞれ75、47、及び68%であり、これは、難消化性炭水化物の混合物で保育されたGFSF群が、SF群の場合よりも、BF群の場合と同様により多くのビフィズス菌性叢を有することを実証している。
【0105】
表6に、研究開始時並びに研究終了時での、種々の群におけるそれぞれの種の蔓延率を示す。表7には、ビフィズス菌の総量に対するビフィドバクテリア種のパーセンテージを示す。
【0106】
【表6】

【0107】
【表7】

【0108】
多種類のビフィドバクテリウム種が、3つの異なる群に存在する。さらに、標準調合乳を与えた乳児とは対照的に、母乳で保育された乳児とGFSFを与えた乳児とに、B.アドレセンティスの蔓延率及び量の著しい低下が見られる。保育から6週間後、B.アドレセンティスの蔓延率及びパーセンテージは、GFSF又は母乳で保育した赤ちゃんの場合よりも、SFで保育した赤ちゃんの場合のほうが非常に高い。GFSF乳児の便サンプルの分析は、母乳で保育した乳児と同様の多種類のビフィズス菌叢を示しており、1種のみ又は2〜3種の刺激は観察されない。B.アドレセンティスに対する影響の他、母乳で保育した乳児及びGFSFを与えた乳児のプロフィルは、標準調合乳を与えた乳児のプロフィルよりも少ないB.カテニュレイタム(+B.シュードカテニュレイタム)であることも示した。B.インファンティス及びB.ロンガムは、母乳で保育された乳児、並びに標準調合乳(SF)又はプレバイオティックス(GFSF)が補われた標準調合乳を与えた乳児において、大部分を占めるようである。また、B.ブレーベは、3つの群全てで優勢であるが、母乳を与えた群では、全ビフィズス菌の%としてのB.ブレーベが、SF(4.9%)群及びGFSF(5.4%)群の場合よりも高かった。
【0109】
(実施例3)
アレルギーに関する動物実験
特定の病原体を持たないオスBALB/cマウスを、Charles River(Maastricht、オランダ)から得た。食品及び水を随意に与え、そのマウスが6〜9週齢になったときに使用した。全ての実験は、ユトレヒト大学(オランダ)の動物倫理委員会により承認済みであった。
【0110】
卵白アルブミン(グレードV)及び塩化アセチル−β−メチルコリン(メタコリン)を、Sigma Chemical Co.(St.Louis、MO、USA)から購入した。水酸化アルミニウム(AlumImject)は、Pierce(Rockford、IL、USA)から購入した。
【0111】
マウスを、第0日と第7日目に、2回の腹腔内注射により、100μlの生理食塩水中2.25mgの水酸化アルミニウムに吸着させた10μgの卵白アルブミンで、又は生理食塩水単独で感作した。マウスに対し、第35日、38日、及び41日目に、プレキシグラス曝露チャンバ内で卵白アルブミンエアロゾルの吸入を20分間行った。エアロゾルは、Pari LC Starネブライザ(Pari respiratory Equipment、Richmond、VA、USA)を使用して、生理食塩水に溶かした卵白溶液(10mg/ml)を噴霧することによって生成した。
【0112】
マウスを、1×10e9(CFU)のビフィドバクテリウムブレーベと、ガラクトオリゴ糖及びフルクト多糖の混合物(9:1)25mgとで、胃管栄養法(0.2mlの生理食塩水)により経口的に、第28日目から実験終了時(即ち第42日目)まで毎日処理した。対照として、0.2mlの生理食塩水を、胃管栄養法によって投与した。
【0113】
吸入された噴霧化メタコリンに対する気道応答性を、全身プレチスモグラフィ(BUXCO、EMKA、Paris、フランス)を使用して、意識のある抑制されていないマウスに最終エアロゾル曝露を行った後24時間で決定した。気道応答は、呼吸抵抗指数(PenH)として表した。
【0114】
統計分析:メタコリンに対する気道応答曲線を、一般線形モデル又は反復測定によって統計的に分析し、その後、群同士の事後比較を行った。細胞計数を、Mann−Whitney U検定を使用して統計的に分析した(Siegel,S.,Castellan Jr.N J,1998「行動科学に関するノンパラメトリック統計(Nonparametric statistics for the behavioural sciences)」第2版、McGraw Hill Book Company、New York、USA)。全てのその他の分析は、ステューデントt検定を使用して行った(Abramowitz,M.,Stegum,I.A.,1972、「数学関数の手引き(Handbook of mathematical functions)Dover publications,Inc.New York,USA」。確率の値がp<0.05であるときに、統計的に有意であると見なした。
【0115】
気道応答性亢進に関する結果:気道応答性亢進に関する測定値は、対照に比べ、B.ブレーベ+ガラクロオリゴ糖及びフルクト多糖の混合物を与えたマウスのほうが、統計的に低下した気道応答性亢進を示すことを示しており、これは喘息反応が低下したことを示すものである。
【0116】
図2では、B.Breve+GOS/FOSの混合物の組合せを与えたマウスと、代わりに生理食塩水を与えたマウスの対照群とに関し、その気道応答性亢進を、メタコリン濃度に対する相対PenH(呼吸抵抗指数)としてプロットする。プロットされた相対PenHの値は、卵白アルブミンで感作されていないマウスに関して得られたブランク値を差し引き、メタコリンが最高濃度であるときに、対照群に関して得られた値に正規化した後に得られた。
【0117】
下記の全ての実施例の組成物はさらに、当技術分野で知られているように、且つ国際的指針に従って、ミネラル、微量の元素、及びビタミン、コリン、タウリン、カルニチン、及び/又はミオイノシトール、或いはこれらの混合物を含有することができる。さらに、有機酸、香料、及び/又は着色剤を含んでも含まなくてもよい。
【0118】
(実施例4)
最終製品100ml当たり(粉末13.1g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
8エネルギー%タンパク質 1.4g(カゼイン乳清混合物)
45エネルギー%消化性炭水化物 7.5g
47エネルギー%脂肪 3.5g
GOS(90%ガラクト−オリゴ糖、Borculo Domo NL)/ポリフルクトース(10%イヌリン、Raftilin HP、Orafti BE) 0.4g
B.ブレーベ:1.3×10cfu
【0119】
(実施例5)
最終製品100ml当たり(粉末14g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質 1.8g(カゼイン乳清混合物)
46エネルギー%消化性炭水化物 8.0g
44エネルギー%脂肪 3.4g
GOS/ポリフルクトース(実施例4参照) 0.4g
B.ブレーベ 1.4×10cfu
【0120】
(実施例6)
最終製品100ml当たり(粉末16.1g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質 1.9g(カゼイン乳清混合物)
51エネルギー%消化性炭水化物 9.9g
39エネルギー%脂肪 3.3g
FOS(Raftilin、Orafti)/ガラクトマンナン 9/1 0.4g
B.ブレーベ 1.6×10cfu
【0121】
(実施例7)
最終製品100ml当たり(粉末13g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質当量 1.6g(加水分解した乳清タンパク質)
42エネルギー%消化性炭水化物 7.1g
48エネルギー%脂肪 3.6g
シアリルオリゴ糖、消化性マルトデキストリン 9/1 0.4g
B.ブレーベ 6.5×10cfu/g
【0122】
(実施例8)
最終製品100ml当たり(粉末15g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質当量 1.8g(加水分解した乳清タンパク質)
42エネルギー%消化性炭水化物 8.6g
44エネルギー%脂肪 3.6g
フコ−オリゴ糖(藻類フコイダンから)、ガラクトマンナン 8/2 0.4g
B.ブレーベ 7.5×10cfu
【0123】
(実施例9)
最終製品100ml当たり(粉末15.1g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質当量 1.8g(加水分解した乳清タンパク質)
42エネルギー%消化性炭水化物 8.6g
44エネルギー%脂肪 3.6g
マンノ−オリゴ糖、アラビノガラクタン 9/1 0.4g
B.ブレーベ 1.5×10cfu
【0124】
(実施例10)
最終製品100ml当たり(粉末15.2g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質 1.7g(加水分解した乳清タンパク質)
48エネルギー%消化性炭水化物 8.4g
42エネルギー%脂肪 3.3g
GOS/ガラクトルオン酸オリゴ−糖//ポリフルクトース 7/2/1 1.0g
B.ブレーベ 7.5×10cfu
【0125】
(実施例11)
最終製品100ml当たり(粉末15.8g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
11エネルギー%タンパク質 1.9g(加水分解した乳清タンパク質)
48エネルギー%消化性炭水化物 8.7g
41エネルギー%脂肪 3.3g
キシロオリゴ糖/ガラクタン 9/1 0.8g
B.ブレーベ 8×10cfu
【0126】
(実施例12)
最終製品100ml当たり(粉末15g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
10エネルギー%タンパク質 1.7g(カゼイン乳清混合物)
48エネルギー%消化性炭水化物 8.1g
42エネルギー%脂肪 3.1g
GOS/ポリフルクトース 9/1 0.8g
ガラクトマンナン 0.42
B.ブレーベ 1.5×10cfu
【0127】
(実施例13)
最終製品100ml当たり(粉末15.9g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
13エネルギー%タンパク質 2.2g(カゼイン乳清混合物)
49エネルギー%消化性炭水化物 8.6g
37エネルギー%脂肪 3.0g
GOS/ポリフルクトース 9/1 0.8g
ガラクトマンナン 0.4g
B.ブレーベ 1.6×10cfu
【0128】
(実施例14)
最終製品100ml当たり(粉末13.5g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
9エネルギー%タンパク質当量 1.5g(加水分解した乳清タンパク質)
42エネルギー%消化性炭水化物 6.9g
49エネルギー%脂肪 3.6g
GOS/ポリフルクトース/シアリルラクトース 7/2/1 0.8g
B.ブレーベ 1.4×10cfu
【0129】
(実施例15)
最終製品100ml当たり(粉末13.7g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
9エネルギー%タンパク質当量 1.4g(遊離アミノ酸)
44エネルギー%消化性炭水化物 7.1g
47エネルギー%脂肪 3.4g
GOS/ポリフルクトース 6/4 0.8g
B.ブレーベ 1.4×10cfu
【0130】
(実施例16)
最終製品100ml当たり(粉末13.5g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
11エネルギー%タンパク質 1.8g(大豆タンパク質)
40エネルギー%消化性炭水化物 6.7g
49エネルギー%脂肪 3.6g
GOS/ガラクト−オリゴ糖/ポリフルクトース 8/1/1 0.8g
B.ブレーベ 1.4×10cfu
【0131】
(実施例17)
最終製品100ml当たり(粉末15.1g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
12エネルギー%タンパク質 2.2g(大豆タンパク質)
43エネルギー%消化性炭水化物 7.7g
45エネルギー%脂肪 3.6g
FOS/ガラクタン 9/1 0.8g
B.ブレーベ 1.5×10cfu
【0132】
(実施例18)
100ml当たり(粉末16.5g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
13エネルギー%タンパク質 2.0g(加水分解した乳清)
57エネルギー%消化性炭水化物 8.6g
30エネルギー%脂肪 2.0g
GOS/ポリフルクトース 9/1 1.0
大豆多糖 0.5
B.ブレーベ 1.5×10cfu
【0133】
(実施例19)
100ml当たり、下記の成分を含有する乳製品
14エネルギー%タンパク質 2.5g(牛乳タンパク質)
43エネルギー%消化性炭水化物 7.5g
43エネルギー%脂肪 3.4g
GOS/ポリフルクトース 7/3 1.5g
B.ブレーベ 3×10cfu
【0134】
(実施例20)
100ml当たり(粉末15.4g当たり)、下記の成分を含有する乳児用調合乳
11エネルギー%タンパク質 2.0g(加水分解したコラーゲン及び大豆タンパク質)
46エネルギー%消化性炭水化物 8.6g
43エネルギー%脂肪 3.6g
GOS/ポリフルクトース 3/1 0.4g
B.ブレーベ 6×10cfu
【0135】
(実施例21)
サプリメント:3gの粉末を100mlの乳に添加したもので、下記の成分を含有する
28エネルギー%タンパク質 0.7g(カゼイン乳清混合物)
72エネルギー%消化性炭水化物 2.0g
GOS/ポリフルクトース 65/35 0.3g
B.ブレーベ 3×10cfu
【0136】
(実施例22)
1g当たり、下記の成分を含有するサプリメントであって、0.4〜0.8gを100mlの乳に添加したもの
0.26g ガラクトマンナン
0.44g 消化性炭水化物
0.3g GOS/ポリフルクトース 85/15
1.0×10cfu B.ブレーベ
【0137】
(実施例23)
100ml当たり下記の成分を含有するサプリメント
100エネルギー% 消化性炭水化物 2.2g
ミネラル:K、Na、Cl
浸透圧モル濃度 261mOsm/l
GOS/ポリフルクトース 55/45 0.4g
B.ブレーベ 1×10cfu
【0138】
(実施例24)
100g当たり下記の成分を含有する乳児用調合乳(85gを240mlの乳に添加した)
4エネルギー%タンパク質 4.7g(牛乳タンパク質)
53エネルギー%消化性炭水化物 68g
43エネルギー%脂肪 24.6g
GOS/ポリフルクトース 9/1 0.8g
B.ブレーベ 1.2×10cfu
【0139】
(実施例25)
100ml当たりの乳児栄養素(経管栄養)
9エネルギー%タンパク質 3.4g(カゼイン)
50エネルギー%炭水化物 18.8g
41エネルギー%脂肪 8g
GOS/ポリフルクトース 7/3 0.4g
B.ブレーベ 5×10cfu
【0140】
(実施例26)
製品100ml当たり、下記の成分を含有する乳児栄養素
11エネルギー%タンパク質 2.8g(カゼイン)
49エネルギー%炭水化物 12.3g
40エネルギー%脂肪 4.4g
GOS/ポリフルクトース 85/15 0.8g
B.ブレーベ 5×10cfu
【0141】
(実施例27)
乾燥製品100g当たり、下記の成分を含有する、米粉からなる乳児栄養素(スプーン4〜7杯分を、200mlの温めた乳児用調合乳、フォローアップミルク、幼児向けミルク、又は牛乳に添加した)
7.4g タンパク質(植物性)
83g 炭水化物
0.5g 脂肪
3g 1.5gのGOS/ポリフルクトース 9/1を含む食物繊維
1×1010cfu B.ブレーベ
【0142】
(実施例28)
乾燥製品100g当たり、下記の成分を含有する、予備調理されたフレーク(小麦、ライ麦、米、大麦、トウモロコシ、オート麦、ソバ)からなる乳児栄養素(スプーン5〜7杯分を、250mlの温めた調合乳、フォローアップミルク、幼児向けミルク、又は牛乳に添加した)
9.5g タンパク質(植物性)
74g 炭水化物
2.0g 脂肪
3g 1.5gのGOS/ポリフルクトース 8/2を含む食物繊維
2×1010cfu B.ブレーベ
【0143】
(実施例29)
100ml当たり下記の成分を含有する、均質化した野菜又は果物からなる乳児栄養素
GOS/ポリフルクトース 75/25 2.0g
B.ブレーベ 2×10cfu
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフィドバクテリウムブレーベ(Bifidobacterium breve)と、少なくとも2種の難消化性可溶性炭水化物成分A及びBの混合物とを含み、前記炭水化物成分Aは、炭水化物成分A及びBの合計の5〜95重量%の量で存在し、前記難消化性可溶性炭水化物全体の少なくとも50%は、二糖からエイコサ糖までの中から選択され、成分A及びBは、
(i)炭水化物の単糖単位の(平均)数が異なっており、成分Aの平均鎖長が成分Bの平均鎖長よりも少なくとも5単糖単位少ないものであり、又は
(ii)炭水化物の単糖単位の構造が異なっており、又は
(iii)上記(i)と(ii)の両方である製剤。
【請求項2】
前記炭水化物成分Aが、前記炭水化物成分Bとは異なる構造を有する、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記炭水化物成分A及びBの、単糖単位の(平均)数が異なっており、成分Aは、同じ炭水化物構造の不消化性単糖から六糖までの中から選択され、成分Bは、同じ炭水化物構造の不消化性七糖及びそれ以上の多糖から選択される、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
前記炭水化物成分Aが95〜60重量%を構成し、前記炭水化物Bが5〜40重量%を構成し、A+B=100重量%になる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項5】
炭水化物成分Aの少なくとも60重量%、好ましくは80〜100重量%が、ガラクト−オリゴ糖の群に属する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
炭水化物成分Bの少なくとも60重量%、好ましくは80〜100重量%が、イヌリンを含むフルクト−多糖の群に属する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
難消化性可溶性炭水化物1g当たり、ビフィドバクテリウムブレーベを10〜1011cfu、好ましくは10〜1010cfu含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
プロバイオティックビフィドバクテリウムブレーベが、サプリメントを基にして計算したときに1×10〜1.5×1011cfu/g、好ましくは3×10〜5×1010cfu/g、より好ましくは5×10〜1×1010cfu/gの量でサプリメント中に存在する、サプリメントとして使用される請求項1から7までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
ビフィドバクテリウムブレーベが、乳児用サプリメントに対して1×10〜1×1010cfu/g、好ましくは5×10〜3×10cfu/g、より好ましくは1×10〜5×10cfu/gの量でサプリメント中に存在する、乳児栄養食として使用される請求項1から7までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の製剤を含み、消化性炭水化物、脂質源、タンパク源、又はこれらの混合物をさらに含む、乳児栄養サプリメント。
【請求項11】
請求項1から7まで及び9のいずれか一項に記載の製剤を含み、消化性炭水化物、脂質源、及びタンパク源をさらに含む、乳児栄養食。
【請求項12】
人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児の胃腸管内のビフィドバクテリウム種組成物を、母乳で保育される乳児における組成物にまで正常化する組成物を製造するための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の製剤の使用。
【請求項13】
1つ又は複数の免疫障害を予防し又は治療する組成物を製造するための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の製剤の使用。
【請求項14】
前記免疫障害が、アレルギー、アトピー、アレルギー性鼻炎、食物過敏症、アトピー性皮膚炎、湿疹、及び喘息から選択される、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記免疫障害が、下痢及びウイルス性下痢から選択される、請求項13又は14に記載の使用。
【請求項16】
エネルギー吸収不良を予防し且つ/又は治療する組成物を製造するための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の製剤の使用。
【請求項17】
アレルギー病変部での好酸球、好中球、及び単核細胞の浸潤を阻害し、Th2型免疫応答を阻害し、且つ/又はTh1媒介免疫応答を刺激する組成物を製造するための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の製剤の使用。
【請求項18】
人工栄養保育され又は一部母乳で保育される乳児の胃腸管内の、ビフィドバクテリウムカテニュレイタム(Bifidobacterium catenlatum)、B.シュードカテニュレイタム(B.pseudocatenulatum)、及び/又はB.アドレセンティス(B.adolescentis)の相対量を低下させるための、少なくとも2種の難消化性可溶性炭水化物成分A及びBの混合物の使用であって、前記炭水化物成分Aが、炭水化物成分A及びBの合計の5〜95重量%の量で存在し、前記難消化性可溶性炭水化物全体の少なくとも50%が、二糖からエイコサ糖までの中から選択され、成分A及びBは、炭水化物の単糖単位の(平均)数が異なっており、又は炭水化物の単糖単位の構造が異なっており、又はその両方である混合物の使用。
【請求項19】
配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、及びこれらに相補的な配列から選択された配列番号を含む、オリゴヌクレオチド。
【請求項20】
ビフィドバクテリウム属の種に特有の核酸標的配列を検出するための、オリゴヌクレオチドプローブであって、
1)配列番号3又はこれに相補的な配列によって表される、B.アドレセンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
2)配列番号6又はこれに相補的な配列によって表される、B.アンギュレイタム(B.angulatum)DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
3)配列番号9又はこれに相補的な配列によって表される、B.ビフィダム(B.bifidum)DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
4)配列番号12又はこれに相補的な配列によって表される、B.ブレーベDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
5)配列番号15又はこれに相補的な配列によって表される、B.カテニュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
6)配列番号18又はこれに相補的な配列によって表される、B.デンティウム(B.dentium)DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
7)配列番号21又はこれに相補的な配列によって表される、B.インファンティス(B.infantis)DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
8)配列番号24又はこれに相補的な配列によって表される、B.ロンガム(B.longum)DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
9)配列番号27又はこれに相補的な配列によって表される、全てのビフィズス菌DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド
から選択される、オリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項21】
ヒト、特にヒト乳児に見られるビフィドバクテリウム属の種を、種特異的に検出する方法であって、
(A)サンプルとオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズ溶液中で接触させるステップであって、前記プローブが、
1)配列番号3又はこれに相補的な配列によって表される、B.アドレセンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
2)配列番号6又はこれに相補的な配列によって表される、B.アンギュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
3)配列番号9又はこれに相補的な配列によって表される、B.ビフィダムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
4)配列番号12又はこれに相補的な配列によって表される、B.ブレーベDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
5)配列番号15又はこれに相補的な配列によって表される、B.カテニュレイタムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
6)配列番号18又はこれに相補的な配列によって表される、B.デンティウムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
7)配列番号21又はこれに相補的な配列によって表される、B.インファンティスDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
8)配列番号24又はこれに相補的な配列によって表される、B.ロンガムDNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド、
9)配列番号27又はこれに相補的な配列によって表される、全てのビフィズス菌DNAに特異的にハイブリダイズする標識オリゴヌクレオチド
からなる群から選択されるものであるステップと、
(B)前記属の前記種が前記サンプル中に存在するか否かが検出されるように、前記プローブが前記サンプル中の核酸とハイブリダイズするか否かを決定するステップと
を含む方法。
【請求項22】
前記請求項21に記載の、ヒト、特にヒトの便に見られるビフィドバクテリウム属の検出された種を、種特異的に定量する方法であって、前記定量方法が、リアルタイムPCRである方法。
【請求項23】
ヒト、特にヒト乳児に見られるビフィドバクテリウム属の種を、種特異的に検出する方法であって、
a)請求項19に記載のオリゴヌクレオチドプライマー、好ましくは配列番号1、配列番号4、配列番号7、配列番号10、配列番号13、配列番号16、配列番号19、配列番号22、配列番号25から選択された配列番号のオリゴヌクレオチドプライマーを、それぞれ配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11、配列番号14、配列番号17、配列番号20、配列番号23、配列番号26から選択された配列番号のオリゴヌクレオチドプライマーと共に含むプライマーのセットを使用して、核酸配列増幅手順を実施するステップと、
b)上述のオリゴヌクレオチドプローブが核酸標的配列とハイブリダイズするか否かを決定するステップと
を含む方法。
【請求項24】
少なくとも請求項20に記載のDNAプローブ、並びに変性液やハイブリダイゼーション液、洗浄液、固体担体、ハイブリダイゼーション容器、及び標識検出手段などのハイブリダイゼーション分析に必要な1種又は複数の他の手段を含み、ハイブリダイゼーション分析を用いてビフィドバクテリウムアドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.カテニュレイタム、B.デンティウム、B.インファンティス、及びB.ロンガムから選択されたビフィドバクテリウム種をサンプル中で検出するための、診断キット。
【請求項25】
請求項19に記載のDNAプライマー、並びにPCR分析に必要な1種又は複数の別の手段であって、例えばポリメラーゼや重合液、オイルオーバーレイ、反応容器、及び増幅DNAを検出する手段などのセットを含み、PCR分析を用いてビフィドバクテリウムアドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.カテニュレイタム、B.デンティウム、B.インファンティス、及びB.ロンガムから選択されたビフィドバクテリウム種をサンプル中で検出するための、診断キット。

【公表番号】特表2007−508838(P2007−508838A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536468(P2006−536468)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000748
【国際公開番号】WO2005/039319
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(502290912)ナムローゼ フェンノートシャップ ニュートリシア (4)
【Fターム(参考)】