説明

乾燥装置

【課題】室内を乾燥させる乾燥装置において、換気扇では乾燥に時間がかかり、加熱装置を用いると消費電力が大きいという課題を有するため、単純な排気より乾燥が速く、加熱装置を使用しないので省エネとなる乾燥装置を提供する。
【解決手段】室内の高湿の空気を湿度交換素子23内に通すことで、湿度交換素子23に水を吸着させて低湿の空気を室内に返すと共に、湿度交換素子23内に吸着した水を気化して室外へと排出する本乾燥装置は、室内側及び室外側それぞれの吸気口及び吐出口に、温度検知手段及び湿度検知手段を備え、各検知手段によって得られた温度及び湿度を元に、前記湿度交換素子23に含まれる水分量を推定する前記水分量推定手段27を備え、推定した前記水分量を元に、省エネで効率良く室内を乾燥させる乾燥運転を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内を乾燥させる乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の乾燥装置では、加熱手段を用いて温風を発生させることで室内を乾燥させるものが知られている。
【0003】
また、潜熱交換についても温度はそのままで湿度だけ交換するものが知られている。
【0004】
以下、その乾燥装置と湿度交換素子について図6と図7を参照しながら説明する。
【0005】
図6に示すように、浴室乾燥暖房装置本体101は浴室に設置される。加熱手段102を用いることで空気を乾燥させ、循環ファン103で風を循環させて、室内を乾燥させている。換気運転を行う際は、換気ファンユニット104を運転させ、室内の空気を連通口105から排気ダクト106を通じて屋外へ排出する(例えば特許文献1参照)。
【0006】
図7に示すように、この潜熱交換膜107は、断熱基材108により基材両側の空間の間の熱の伝導は抑制しつつ、透湿孔109を仕切るように配された親水性有機高分子膜110により水蒸気の透過は可能となっており、温度はできるだけそのままで水蒸気を主に交換することができる(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−91267号公報
【特許文献2】特開2005−288216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来の乾燥装置においては、加熱装置を用いることで、消費電力が大きくなるという課題を有していた。また、加熱装置を用いずに室内を乾燥する際には、換気扇だけでは乾燥に時間がかかり、カビなどの発生の恐れがあるという課題を有していた。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、単純な排気より乾燥が速く、加熱装置を使用していないので省エネとなる乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、この目的を達成するために、本発明は室内の空気を吸気する室内の吸気口と室内に空気を吹き出す室内の吐出口とを連通させる室内側風路と、室外の空気を吸気する室外の吸気口と室外に空気を吹き出す室外の吐出口とを連通させる室外側風路と、前記室内側の風路と前記室外側の風路にまたがるように配置して室内の空気と室外の空気の潜熱を交換する湿度交換素子とを備えた本体と、この本体には、前記室内側風路に設けた室内送風手段と前記室内の吸気口を通る空気を遮る室内吸気風路遮蔽板と前記室内の吐出口を通る空気を遮る室内吐出風路遮蔽板を制御する室内駆動手段と、前記室外側風路に設けた室外送風手段と前記室外の吸気口を通る空気を遮る室外吸気風路遮蔽板と前記室外の吐出口を通る空気を遮る室外吐出風路遮蔽板を制御する室外駆動手段とから構成する制御手段とを備え、室内の空気に含まれる水分を湿度熱交換素子を介して室外の空気に放出して室内を乾燥する乾燥運転を行う乾燥装置であって、前記制御手段は、前記室内と室外の吸気口及び前記室内と室外の吐出口にそれぞれ備えた温度検知手段と湿度検知手段により計測した温度と相対湿度により、それぞれの絶対湿度を算出する絶対湿度算出手段と、前記それぞれの絶対湿度のうち室内の吐出口の絶対湿度と室内の吸気口の絶対湿度と室内側の絶対湿度の差を算出するとともに、室外の吐出口の絶対湿度と室外の吸気口の絶対湿度と室外側の絶対湿度の差を算出する絶対湿度比較手段と、前記室内側の湿度差と前記室外側の湿度差から前記湿度交換素子に含まれる水分量を推定する水分量推定手段とを備え、前記室外側駆動手段は、前記水分量推定手段の推定する水分量によって制御されることを特徴とした乾燥装置としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、室内の空気を吸気する室内の吸気口と室内に空気を吹き出す室内の吐出口とを連通させる室内側風路と、室外の空気を吸気する室外の吸気口と室外に空気を吹き出す室外の吐出口とを連通させる室外側風路と、前記室内側の風路と前記室外側の風路にまたがるように配置して室内の空気と室外の空気の潜熱を交換する湿度交換素子とを備えた本体と、この本体には、前記室内側風路に設けた室内送風手段と前記室内の吸気口を通る空気を遮る室内吸気風路遮蔽板と前記室内の吐出口を通る空気を遮る室内吐出風路遮蔽板を制御する室内駆動手段と、前記室外側風路に設けた室外送風手段と前記室外の吸気口を通る空気を遮る室外吸気風路遮蔽板と前記室外の吐出口を通る空気を遮る室外吐出風路遮蔽板を制御する室外駆動手段とから構成する制御手段とを備え、室内の空気に含まれる水分を湿度熱交換素子を介して室外の空気に放出して室内を乾燥する乾燥運転を行う乾燥装置であって、前記制御手段は、前記室内と室外の吸気口及び前記室内と室外の吐出口にそれぞれ備えた温度検知手段と湿度検知手段により計測した温度と相対湿度により、それぞれの絶対湿度を算出する絶対湿度算出手段と、前記それぞれの絶対湿度のうち室内の吐出口の絶対湿度と室内の吸気口の絶対湿度と室内側の絶対湿度の差を算出するとともに、室外の吐出口の絶対湿度と室外の吸気口の絶対湿度と室外側の絶対湿度の差を算出する絶対湿度比較手段と、前記室内側の湿度差と前記室外側の湿度差から前記湿度交換素子に含まれる水分量を推定する水分量推定手段とを備え、前記室外側駆動手段は、前記水分量推定手段の推定する水分量によって制御されるものであり、制御部は、湿度交換素子により潜熱交換を行うことで、加熱装置を用いることなく室内を乾燥させる事ができ、単純な排気より乾燥が速く、省エネとなる乾燥装置を提供できるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における乾燥装置の構成を示す断面図
【図2】同実施の形態1における乾燥装置の制御手段の構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態1における乾燥装置の乾燥運転停止中の動作を示す図
【図4】同実施の形態1における乾燥装置の乾燥運転の開始と停止を示す図
【図5】同実施の形態1における乾燥装置の乾燥運転の風量制御を示す図
【図6】従来の乾燥装置の構成を示す断面図
【図7】従来の湿度交換素子の構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の請求項1記載の乾燥装置は、室内の空気を吸気する室内の吸気口と室内に空気を吹き出す室内の吐出口とを連通させる室内側風路と、室外の空気を吸気する室外の吸気口と室外に空気を吹き出す室外の吐出口とを連通させる室外側風路と、前記室内側の風路と前記室外側の風路にまたがるように配置して室内の空気と室外の空気の潜熱を交換する湿度交換素子とを備えた本体と、この本体には、前記室内側風路に設けた室内送風手段と前記室内の吸気口を通る空気を遮る室内吸気風路遮蔽板と前記室内の吐出口を通る空気を遮る室内吐出風路遮蔽板を制御する室内駆動手段と、前記室外側風路に設けた室外送風手段と前記室外の吸気口を通る空気を遮る室外吸気風路遮蔽板と前記室外の吐出口を通る空気を遮る室外吐出風路遮蔽板を制御する室外駆動手段とから構成する制御手段とを備え、室内の空気に含まれる水分を湿度熱交換素子を介して室外の空気に放出して室内を乾燥する乾燥運転を行う乾燥装置であって、前記制御手段は、前記室内と室外の吸気口及び前記室内と室外の吐出口にそれぞれ備えた温度検知手段と湿度検知手段により計測した温度と相対湿度により、それぞれの絶対湿度を算出する絶対湿度算出手段と、前記それぞれの絶対湿度のうち室内の吐出口の絶対湿度と室内の吸気口の絶対湿度と室内側の絶対湿度の差を算出するとともに、室外の吐出口の絶対湿度と室外の吸気口の絶対湿度と室外側の絶対湿度の差を算出する絶対湿度比較手段と、前記室内側の湿度差と前記室外側の湿度差から前記湿度交換素子に含まれる水分量を推定する水分量推定手段とを備え、前記室外側駆動手段は、前記水分量推定手段の推定する水分量によって制御するものである。
【0014】
これにより、前記室内側の風路において、室内の高温高湿の空気を前記湿度交換素子内に通すことで、前記湿度交換素子に水を吸着させ、湿度だけを前記室外側の風路に移動させ、吸着熱により温度が上がった高温低湿の空気を室内に返す。湿度交換素子内を室外側の風路に移動した水分は前記室外側の送風機の風により気化し、室外へ排出される。これにより、加熱装置を用いることなく室内の温度を上げながら室内を乾燥させることができ、単純な排気より乾燥が速く、省エネとなる乾燥機を提供できるという効果を奏する。という効果を奏する。
【0015】
また、請求項2記載の乾燥装置は、前記制御手段は、前記室内駆動手段により前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板の駆動を開始した場合に、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が飽和したかどうかを判別する所定の値V1以上の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段及び前記室外の吸気風路遮蔽板及び前記室外の吐出風路遮蔽板の駆動を開始して、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が乾燥していることを示す値であって前記所定の値V1より小さい所定の値V2未満の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段及び前記室外の吸気風路遮蔽板及び前記室外の吐出風路遮蔽板の駆動を停止すると共に、乾燥運転を停止するものである。
【0016】
これにより、前記湿度交換素子に水が吸着している場合のみ、前記室外側の風路へ水を発散させることで、効率よく室内を乾燥することができると共に、前記湿度交換素子から十分に水が発散して、前記湿度交換素子が乾燥した場合には、前記湿度交換素子の過乾燥となる不要な運転を避けた省エネ運転を行い、また、停止中に外気からの湿気戻りを防ぐことで、前記湿度交換素子の劣化を抑制することができるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項3記載の乾燥装置は、前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量に余裕があると判断する所定の値V3未満の場合に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段を弱運転するものである。
【0018】
これにより、前記湿度交換素子に吸着した水分量が多い場合は、前記湿度交換素子に吸着可能な水分量が飽和していると判断して、室内側の風路を流れる空気の風量を減少することで、無駄な消費電力を削減することができるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項4記載の乾燥装置は、前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量に余裕があると判断する所定の値V3未満の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段を強運転するものである。
【0020】
これにより、前記湿度交換素子に吸着した水分量が多い場合は、前記湿度交換素子に吸着可能な水分量が飽和していると判断して、室外側の風路を流れる空気の風量を増加することで、効率よく乾燥することができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項5記載の乾燥装置は、前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量が多量であると判断する所定の値V4以上の場合に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段を強運転するものである。
【0022】
これにより、前記湿度交換素子に吸着した水分量が少ない場合は、前記湿度交換素子に吸着可能な水分量に余裕があり、前記湿度交換素子が過乾燥状態であると判断して、室外側の風路を流れる空気の風量を減少することで、無駄な消費電力を削減することができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項6記載の乾燥装置は、前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量が多量であると判断する所定の値V4以上の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段を弱運転するものである。
【0024】
これにより、前記湿度交換素子に吸着した水分量が少ない場合は、前記湿度交換素子に吸着可能な水分量に余裕があり、前記湿度交換素子が過乾燥状態であると判断して、室内側の風路を流れる空気の風量を増加することで、効率よく乾燥することができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項7記載の乾燥装置は、前記制御手段は、乾燥運転の停止中は、所定の時間T毎に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板を駆動し、室内の吸気口に備えた前記湿度検知手段により、室内の相対湿度を検知し、相対湿度が高湿であると判断する所定の値H1以上に上昇した場合に乾燥運転を開始するものである。
【0026】
これにより、十分に循環のなされていない状態で室内を乾燥運転した場合であっても、室内の滞留した空気を循環させることで、室内の吸気口に備えた前記湿度検知手段による湿度検知精度を向上させると共に、室内の相対湿度が上昇して室内が乾燥運転を必要としている場合のみ、乾燥運転を実施することで、不要な乾燥運転を避けて省エネ運転を行うという効果を奏する。
【0027】
また、請求項8記載の乾燥装置は、前記制御手段は、乾燥運転を開始した場合に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板の駆動を開始して、前記湿度交換素子を用いて室内の空気と室外の空気の潜熱を交換し、室内の吸気口に備えた前記湿度検知手段により、室内の相対湿度を検知し、相対湿度が低湿であると判断する所定の値H2未満に下降した場合に前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板の駆動を停止するものである。
【0028】
これにより、室内の相対湿度が上昇して室内が乾燥運転を必要としている場合のみ、前記室内側の風路を流れる空気から前記湿度交換素子に水を吸着させることで、室内の騒音を軽減して使用者の使用感を向上させると共に、室内が乾燥運転を不要としている場合に、不要な運転を避けた省エネ運転を行うという効果を奏する。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態の基本となる機構部分の構成について説明する。
【0031】
図1は本発明の実施の形態における乾燥装置の構成を示す断面図である。
【0032】
まず、室内の天井1に取り付けられた本体2には、室内の空気を吸い込む室内の吸気口3として、例えばダクトを備えている。室内の吸気口3の内側には、室内の吸気温度検知手段4として、例えば温度センサが、また、室内の吸気湿度検知手段5として、例えば湿度センサを備えている。前記室内の吸気温度検知手段4は、前記室内の吸気口3から吸い込む空気の温度を計測し、室内の吸気湿度検知手段5も同様に、前記室内の吸気口3から吸い込む空気の湿度を計測する。前記室内の吸気口3は、室内から吸い込む空気を遮蔽するために、室内の吸気遮蔽板6として、例えば電動式シャッターを備えている。
【0033】
前記本体2には、室内の吐出口7を備えており、室内の吐出温度検知手段8、室内の吐出湿度検知手段9、室内の吐出遮蔽板10は、前記室内の吸気口3同様に備えている。
【0034】
前記室内の吸気口3を通り、前記室内の吐出口7へと通じる室内側の風路11には、室内側の送風機12として、例えばファンモータを備えている。
【0035】
同様に、室外の吸気口13は、室外の吸気温度検知手段14、室外の吸気湿度検知手段15、室外の吸気遮蔽板16を備え、また、室外の吐出口17は、室外の吐出温度検知手段18、室外の吐出湿度検知手段19、室外の吐出遮蔽板20、を備え、前記室外の吸気口13を通り、前記室外の吐出口17へと通じる室外側の風路21には、室外側の送風機22を備えている。
【0036】
前記室内側の風路11と前記室外側の風路21にまたがるように設置し、室内の空気と室外の空気の潜熱交換を行う湿度交換素子23を備えている。前記湿度交換素子23は、吸湿性が高く、素材内部の水分拡散に優れ、かつ、熱伝導率の低い素材、例えば、セラミックをベースとした無機材料、具体的には、コージェライトやシリカゲル、アルミナ、ゼオライト等を用いた素子であって、室内側の空気と、室外側の空気が通過する空間を下部と上部に隣接して設け、それぞれに空気が通過する孔を複数備え、それぞれの空間が前記素材によって仕切られ、互いに連通していないことを特徴とするものである。
【0037】
前記湿度交換素子23の面に対して風を均一に当てるために、前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22と前記湿度交換素子23は一定の距離が必要となる。水の吸着と放出の割合を等しくするためにその距離はどちらも同じ距離であることが望ましい。そこで、前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22を前記本体2内の対角に配置することで、前記室内側の風路11と前記室外側の風路21の前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22それぞれと前記湿度交換素子23へ空気を押し込む構成となり、湿度交換素子23へ流れ込む空気は対向流となり、水の吸着と放出の割合が等しくなる。
【0038】
また、前記本体2内のうち、前記室内側の風路11または前記室外側の風路21の外側に制御手段24として、例えばマイクロコンピュータを備える。
【0039】
次に、本発明の実施の形態における乾燥装置の制御手段の構成について述べる。
【0040】
図2は本発明の実施の形態における乾燥装置の制御手段の構成を示すブロック図である。
【0041】
前記制御手段24には、絶対湿度算出手段25と、絶対湿度比較手段26と、水分量推定手段27とを備える。
【0042】
前記絶対湿度算出手段25は、温度検知手段と湿度検知手段により計測した温度と相対湿度により、それぞれの絶対湿度を算出する。
【0043】
また、絶対湿度比較手段26は、前記それぞれの絶対湿度のうち室内の吐出口の絶対湿度と室内の吸気口の絶対湿度と室内側の絶対湿度の差を算出するとともに、室外の吐出口の絶対湿度と室外の吸気口の絶対湿度と室外側の絶対湿度の差を算出する。
【0044】
また、水分量推定手段27は、前記室内側の湿度差と前記室外側の湿度差から前記湿度交換素子23に含まれる水分量を推定する。
【0045】
前記制御手段24は、前記水分量推定手段27により推定された前記湿度交換素子23に含まれる水分量を元に、前記室内側の送風機12と前記室内の吸気遮蔽板6と前記室内の吐出遮蔽板10とを制御する室内駆動手段28と、前記室外側の送風機22と前記室外の吸気遮蔽板16と前記室外の吐出遮蔽板20とを制御する室外駆動手段29とを備える。
【0046】
前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22は、前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29の駆動指令により、風量を少なくとも2段階(最も風量が多い状態の強、最も風量が少ない状態の弱)に切り替える。前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29は、前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22の交流の整流子モータへの電源の通電比率(duty)を調整するものである。
【0047】
前記それぞれの遮蔽版は、前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29の各駆動指令により、前記室内の吸気遮蔽板6と前記室内の吐出遮蔽板10と前記室外の吸気遮蔽板16と前記室外の吐出遮蔽板20とを開閉する。
【0048】
上記構成により、前記室内側の風路11において、室内の高温高湿の空気を前記湿度交換素子23内に通すことで、前記湿度交換素子23に水を吸着させ、水は前記湿度交換素子23内部を拡散し、低湿の空気を室内に返す。前記湿度交換素子23内を前記室外側の風路21に移動した水分は前記室外側の送風機22の風により気化し、室外へ吐出される。この原理によって、加熱装置を用いることなく室内の温度を上げながら室内を乾燥させることができる。また、水分を気化させる室外側の前記湿度交換素子23が乾燥していた方が、室内側の水分が浸透しやすく水を吸着させる効率が上がる。
【0049】
次に、本発明の実施の形態における乾燥装置の乾燥運転停止中の動作について述べる。
【0050】
図3は本発明の実施の形態における乾燥装置の乾燥運転停止中の動作を示す図である。
【0051】
図1の本発明の実施の形態における乾燥装置の構成を示す断面図によると、前記室内の吸気口3付近には、前記室内の吸気湿度検知手段5が備えられているが、電源投入直後は前記室内の吸気口3付近の空気は、前記室内の吸気遮蔽板6によって室内と遮蔽されていたため、相対湿度が必ずしも室内と同様ではない可能性がある。
【0052】
そこで、本発明の実施の形態における乾燥装置に電源を投入すると、前記制御手段24は、前記室内駆動手段28を用いて、室内側のアクチュエータである、前記室内側の送風機12と前記室内の吸気遮蔽板6と前記室内の吐出遮蔽板10とを駆動し、前記室内の吸気遮蔽板6と前記室内の吐出遮蔽板10とが開放されることで、前記室内側の風路11と室内とが接続されると共に、前記室内側の送風機12が送風を開始する。この状態を、検知中とする。
【0053】
その結果、前記室内の吸気口3から室内の空気を吸い込み、前記室内側の風路11で前記室内側の送風機12及び前記湿度交換素子23を介して、前記室内の吐出口7から室内へ空気を吐出する。
【0054】
このことにより、室内空気を前記室内側の風路11へと取り込み、前記室内の吸気湿度検知手段5付近の相対湿度を室内と同等とするように駆動する。この駆動時間は、前記室内側の風路11の体積と前記室内側の送風機12の能力にもよるが、概ね数十秒〜1分程度の動作を必要とする。この動作により、前記室内の吸気湿度検知手段5は、普段は前記室内の吸気遮蔽板6により室内と遮蔽されているにも関わらず、必要な時に室内の相対温度を精度良く計測することが可能となる。
【0055】
前記室内の吸気湿度検知手段5により計測された相対湿度が、高湿であると判断する所定の値H1である、例えば85%未満であった場合、前記制御手段24は、所定の時間Tである待機中となり、例えば10分間とする。待機中は、前記室内駆動手段28による駆動を行わない。
【0056】
所定の時間T経過後、前記制御手段24は、前記室内駆動手段28及び前記室内の吸気湿度検知手段5を用いて、室内の相対湿度を計測し、同様に所定の値H1未満であった場合は待機中となる。
【0057】
このとき、室内の相対湿度が所定の値H1以上であった場合、前記制御手段24は、乾燥運転を開始する。
【0058】
なお、乾燥運転が開始されるまでの停止中及び待機中においては、前記室外駆動手段29は動作を行わない。
【0059】
次に、本発明の実施の形態における乾燥装置の乾燥運転の開始と停止について述べる。
【0060】
図4は本発明の実施の形態における乾燥装置の乾燥運転の開始と停止を示す図である。
【0061】
前記制御手段24が、乾燥運転を開始すると、前記室内駆動手段28を用いて、室内側のアクチュエータである、前記室内側の送風機12と前記室内の吸気遮蔽板6と前記室内の吐出遮蔽板10とを駆動する。乾燥運転開始時点において、前記室外駆動手段29は駆動を行わないため、前記室外側の送風機22と前記室外の吸気遮蔽板16と前記室外の吐出遮蔽板20とは停止している。
【0062】
室内の空気は、所定の値H1である85%以上であるため、前記室内の吸気口3から吸い込まれた高湿の室内の空気は、前記室内側の送風機12を介して、前記湿度交換素子23へと移動する。前記湿度交換素子23は、高湿の室内の空気から吸湿した後に、前記室内の吐出口7から低湿の空気を室内へと吐出する。
【0063】
前記室内の吸気口3から吸い込まれた、室内の吸気空気の温度が25℃、室内の吸気空気の相対湿度が87%であった場合、前記絶対湿度算出手段25によって算出された室内の吸気空気の絶対湿度が20g/m3であった。また、前記室内の吐出口7から吐出された室内の吐出空気の温度が25℃、室内の吐出空気の相対湿度が43%であった場合、前記絶対湿度算出手段25によって算出された室内の吐出空気の絶対湿度が10g/m3であった。
【0064】
前記絶対湿度比較手段26は、前記室内の吸気空気の絶対湿度と室内の吐出空気の絶対湿度の差である10g/m3に相当する水分量が、前記湿度交換素子23に吸湿されたことが推定できる。
【0065】
なお、前記室外側の風路21においても同様に、室外の吸気空気の絶対湿度と室外の吐出空気の絶対湿度の差より前記湿度交換素子23から放湿される水分量が推定できるが、現在、前記室外駆動手段29が駆動を行っていないため、放湿される水分量はない。
【0066】
前記水分量推定手段27は、吸湿される水分量と放湿される水分量の差から、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vを推定する。つまり、放湿される水分量より吸湿される水分量が大きければ、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vは増加する傾向であり、逆に放湿される水分量より吸湿される水分量が小さければ、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vは減少する傾向であることが推定でき、この増加傾向と減少傾向の傾き及び、それぞれの傾向の継続時間をそれぞれ積分することで、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vを推定する。しかし、具体的な水分量、例えば水分の質量や容積は、前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29の駆動能力や、室内側の風路11及び室外側の風路21の構造や、前記湿度交換素子23の湿度交換能力などによって異なる。ここでは各水分量の増加又は減少傾向の積分値と、事前に高温高湿槽を用いてある温湿度状況下にある前記湿度交換素子23に含まれる水分量の相関をデータテーブルとして前記水分量推定手段27が持っているとする。
【0067】
前記室内駆動手段28が駆動を開始すると、前記湿度交換素子23は吸湿を行う一方で、前記室外駆動手段29は動作を行わないため、前記湿度交換素子23に含まれる水分量は増加するが、前記絶対湿度算出手段25、前記絶対湿度比較手段26、前記水分量推定手段27より、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vを推定する。
【0068】
前記室外駆動手段29が駆動を開始して、前記湿度交換素子23からの放湿を行うための閾値である所定の値V1について説明する。前記室外駆動手段29が駆動を開始するのは、前記水分量推定手段27が、前記湿度交換素子23へ吸湿を継続した後に飽和した状態を検知した時である。所定の値V1は、前記湿度交換素子23が飽和したかどうかを判別する閾値である。これを求めるために、前記湿度交換素子23に高湿度の送風を行い、前記湿度交換素子23の質量を継続して計測する実験を事前に行う。一定の温湿度であれば、前記湿度交換素子23に吸湿可能な水分量は一定であるため、これを繰り返すことで、一定の温湿度で前記湿度交換素子23が飽和する際の水分量Vmaxが求められる。前記湿度交換素子23が飽和へ近付くにつれて、単位時間当たりに吸湿する水分量は減少していくため、所定の値V1は水分量Vmaxよりも少ない。所定の値V1は、事前の実験環境との風路や送風機などの違いを誤差として考慮し、例えばVmaxの90%と設定する。
【0069】
前記室外駆動手段29によって前記湿度交換素子23に含まれる水分が、前記室外の吐出口17から吐出されることにより、室内の空気に含まれる水分量が減少する。その結果、室内の相対湿度が減少することで、前記室内の吸気湿度検知手段5により計測される室内の相対湿度も低下する。室内の相対湿度が低湿であると判断する所定の値H2である40%未満となった場合に、前記室内駆動手段28は駆動を停止する。
【0070】
前記室内駆動手段28が駆動を停止したことで、前記湿度交換素子23からは前記室外駆動手段29による放湿のみが実施されることになり、前記湿度交換素子23に含まれる水分量は急激に減少する。
【0071】
前記室外駆動手段29は駆動を停止して、湿度交換素子23乾燥運転を終了するための閾値である所定の値V2について説明する。前記室外駆動手段29が駆動を停止するのは、前記水分量推定手段27が、前記湿度交換素子23からの放湿を継続した後に過乾燥となった状態を検知したときである。所定の値V2は、前記湿度交換素子23に低湿度の送風を行い、前記湿度交換素子23の質量を継続して計測する実験を事前に行う。一定の温湿度であれば、前記湿度交換素子23から放湿可能な水分量は一定であるため、これを繰り返すことで、一定の温湿度で前記湿度交換素子23が過乾燥となる際の水分量Vminが求められる。前記湿度交換素子23が過乾燥へ近付くにつれて、単位時間当たりに放湿する水分量は減少していくため、所定の値V2は水分量Vminよりも多い。所定の値V2は、事前の実験環境との風路や送風機などの違いを誤差として考慮し、例えばVminの110%と設定する。すなわち、所定の値V2は、前記湿度交換素子23が乾燥していることを示す値であって、過乾燥状態での水分量Vminから勘案して設定したものである。
【0072】
次に、本発明の実施の形態における乾燥装置の乾燥運転の風量制御について述べる。
【0073】
図5は本発明の実施の形態における乾燥装置の乾燥運転の風量制御を示す図である。
【0074】
前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22は、前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29の駆動指令により、風量を少なくとも2段階(最も強い状態の強、最も弱い状態の弱)に切り替えることが可能であるが、前記水分量推定手段27により推定される、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vの状態によって、前記室内側の送風機12と前記室外側の送風機22の風量を切り替える風量制御を行うことが望ましい。
【0075】
前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29による風量制御は、所定の値V3及びV4を閾値として制御を行う。所定の値V3及びV4は、所定の値V2以上かつ所定の値V1未満の値であり、所定の値V4はV3より大きい。
【0076】
ここで、前記室内駆動手段28により前記湿度交換素子23に吸湿した水分量を吸湿量、また、前記室外駆動手段29により前記湿度交換素子23から放湿した水分量を放湿量とする。更に、前記湿度交換素子23の吸湿量>放湿量の状態が継続することで、水分量Vが増加することを増加傾向とし、前記湿度交換素子23の吸湿量<放湿量の状態が継続することで、水分量Vが減少することを減少傾向とする。
【0077】
所定の値V3は、水分量Vが減少傾向にある前記湿度交換素子23が、過乾燥状態であり、前記湿度交換素子に吸着可能な水分量に余裕があると判断したことで、水分量Vを増加傾向へと切り替える時の閾値である。
【0078】
また、所定の値V4は、水分量Vが増加傾向にある前記湿度交換素子23が、飽和状態であり、前記湿度交換素子に吸着可能な水分量が多量であると判断したことで、水分量Vを減少傾向へと切り替える時の閾値である。
【0079】
所定の値V3と所定の値V4の具体的な値は、前記室内駆動手段28及び前記室外駆動手段29の駆動能力や、室内側の風路11及び室外側の風路21の構造や、前記湿度交換素子23の湿度交換能力などによって異なるが、目安として、増加傾向と減少傾向の切り替えによる動作音が、使用者にとって唸りとなることで騒音に感じない程度に間隔を空けることが望ましい。更に、それぞれの値は、過乾燥または飽和状態に近づくことで、前記湿度交換素子23の吸湿または放湿能力が、大幅に低下しない程度に所定の値V1及び所定の値V2から離して設定する事が望ましい。
【0080】
次に、乾燥運転開始直後の状態をステップ1(ST1)とし、以降、各ステップをST2〜7として表す。
【0081】
乾燥運転開始後、前記室内駆動手段28による前記室内側の送風機12の送風により、前記湿度交換素子23に室内の空気に含まれる水分が吸湿されることで、前記水分量推定手段27により推定される、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vが増加する。このとき、前記室外駆動手段29は駆動していないため、前記湿度交換素子23に含まれる水分が放湿されず、水分量Vは増加を続ける。(ST1)。
【0082】
水分量Vが所定の値V1以上になると、前記室内駆動手段28は、前記室内側の送風機12の風量を弱で駆動し、また、前記室外駆動手段29は前記室外側の送風機22の風量を強で駆動する。その結果、増加傾向にあった水分量Vが減少傾向に転じ、水分量Vが減少する。(ST2)。
【0083】
水分量Vが、所定の値V3未満になると、再び前記室外駆動手段29は前記室外側の送風機22の風量を弱で駆動し、また、前記室内駆動手段28は、前記室内側の送風機12の風量を強で駆動する。その結果、減少傾向にあった水分量Vが増加傾向に転じ、水分量Vが増加する。(ST3)。
【0084】
水分量Vが、所定の値V4以上になると、再び前記室内駆動手段28は、前記室内側の送風機12の風量を弱で駆動し、また、前記室外駆動手段29は前記室外側の送風機22の風量を強で駆動する。その結果、増加傾向にあった水分量Vが減少傾向に転じ、水分量Vが減少する。(ST4)。
【0085】
以降、水分量Vが、前記所定の値V3未満になったときと、前記所定の値V4以上になったときで、ステップ3〜4と同様の動作を繰り返す。(ST3〜ST5)。
【0086】
前記室内の吸気湿度検知手段5により計測される室内の相対湿度が所定の値H2未満となった場合に、前記室内駆動手段28は駆動を停止し、また、前記室外駆動手段29は前記室外側の送風機22の風量を強で駆動する。その結果、増加傾向にあった水分量Vが減少傾向に転じる。(ST6)。
【0087】
前記水分量推定手段27により推定される、前記湿度交換素子23に含まれる水分量Vが、前記所定の値V2となった場合、乾燥装置は乾燥運転を停止する。(ST7)。
【0088】
前記制御手段24は、前記所定の時間T毎に、前記室内駆動手段28及び前記室内の吸気湿度検知手段5を用いて、室内の相対湿度を計測し、室内の相対湿度が所定の値H1以上であった場合、前記制御手段24は、乾燥運転を開始して、ステップ1へと移行する。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、室内の空気を吸気する室内の吸気口と室内に空気を吹き出す室内の吐出口とを連通させる室内側風路と、室外の空気を吸気する室外の吸気口と室外に空気を吹き出す室外の吐出口とを連通させる室外側風路と、前記室内側の風路と前記室外側の風路にまたがるように配置して室内の空気と室外の空気の潜熱を交換する湿度交換素子とを備えた本体と、この本体には、前記室内側風路に設けた室内送風手段と前記室内の吸気口を通る空気を遮る室内吸気風路遮蔽板と前記室内の吐出口を通る空気を遮る室内吐出風路遮蔽板を制御する室内駆動手段と、前記室外側風路に設けた室外送風手段と前記室外の吸気口を通る空気を遮る室外吸気風路遮蔽板と前記室外の吐出口を通る空気を遮る室外吐出風路遮蔽板を制御する室外駆動手段とから構成する制御手段とを備え、室内の空気に含まれる水分を湿度熱交換素子を介して室外の空気に放出して室内を乾燥する乾燥運転を行う乾燥装置であって、前記制御手段は、前記室内と室外の吸気口及び前記室内と室外の吐出口にそれぞれ備えた温度検知手段と湿度検知手段により計測した温度と相対湿度により、それぞれの絶対湿度を算出する絶対湿度算出手段と、前記それぞれの絶対湿度のうち室内の吐出口の絶対湿度と室内の吸気口の絶対湿度と室内側の絶対湿度の差を算出するとともに、室外の吐出口の絶対湿度と室外の吸気口の絶対湿度と室外側の絶対湿度の差を算出する絶対湿度比較手段と、前記室内側の湿度差と前記室外側の湿度差から前記湿度交換素子に含まれる水分量を推定する水分量推定手段とを備え、前記室外側駆動手段は、前記水分量推定手段の推定する水分量によって制御を行うものである。
【0090】
これにより、本発明は区切られた室内空間での使用を目的として提供しているが、分離された高湿な空間と低湿な空間において、高湿な空間を乾燥させる用途で用いるものにおいても同様な効果は期待でき、極めて有用である。
【符号の説明】
【0091】
1 天井
2 本体
3 室内の吸気口
4 室内の吸気温度検知手段
5 室内の吸気湿度検知手段
6 室内の吸気遮蔽板
7 室内の吐出口
8 室内の吐出温度検知手段
9 室内の吐出湿度検知手段
10 室内の吐出遮蔽板
11 室内側の風路
12 室内側の送風機
13 室外の吸気口
14 室外の吸気温度検知手段
15 室外の吸気湿度検知手段
16 室外の吸気遮蔽板
17 室外の吐出口
18 室外の吐出温度検知手段
19 室外の吐出湿度検知手段
20 室外の吐出遮蔽板
21 室外側の風路
22 室外側の送風機
23 湿度交換素子
24 制御手段
25 絶対湿度算出手段
26 絶対湿度比較手段
27 水分量推定手段
28 室内駆動手段
29 室外駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の空気を吸気する室内の吸気口と室内に空気を吹き出す室内の吐出口とを連通させる室内側風路と、室外の空気を吸気する室外の吸気口と室外に空気を吹き出す室外の吐出口とを連通させる室外側風路と、前記室内側の風路と前記室外側の風路にまたがるように配置して室内の空気と室外の空気の潜熱を交換する湿度交換素子とを備えた本体と、この本体には、前記室内側風路に設けた室内送風手段と前記室内の吸気口を通る空気を遮る室内吸気風路遮蔽板と前記室内の吐出口を通る空気を遮る室内吐出風路遮蔽板を制御する室内駆動手段と、前記室外側風路に設けた室外送風手段と前記室外の吸気口を通る空気を遮る室外吸気風路遮蔽板と前記室外の吐出口を通る空気を遮る室外吐出風路遮蔽板を制御する室外駆動手段とから構成する制御手段とを備え、室内の空気に含まれる水分を湿度熱交換素子を介して室外の空気に放出して室内を乾燥する乾燥運転を行う乾燥装置であって、前記制御手段は、前記室内と室外の吸気口及び前記室内と室外の吐出口にそれぞれ備えた温度検知手段と湿度検知手段により計測した温度と相対湿度により、それぞれの絶対湿度を算出する絶対湿度算出手段と、前記それぞれの絶対湿度のうち室内の吐出口の絶対湿度と室内の吸気口の絶対湿度と室内側の絶対湿度の差を算出するとともに、室外の吐出口の絶対湿度と室外の吸気口の絶対湿度と室外側の絶対湿度の差を算出する絶対湿度比較手段と、前記室内側の湿度差と前記室外側の湿度差から前記湿度交換素子に含まれる水分量を推定する水分量推定手段とを備え、前記室外側駆動手段は、前記水分量推定手段の推定する水分量によって制御されることを特徴とした乾燥装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記室内駆動手段により前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板の駆動を開始した場合に、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が飽和したかどうかを判別する所定の値V1以上の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段及び前記室外の吸気風路遮蔽板及び前記室外の吐出風路遮蔽板の駆動を開始して、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が乾燥していることを示す値であって前記所定の値V1より小さい所定の値V2未満の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段及び前記室外の吸気風路遮蔽板及び前記室外の吐出風路遮蔽板の駆動を停止すると共に、乾燥運転を停止することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量に余裕があると判断する所定の値V3未満の場合に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段を弱運転することを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量に余裕があると判断する値V3未満の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段を強運転することを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量が多量であると判断する所定の値V4以上の場合に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段を強運転することを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記水分量推定手段により推定された前記湿度交換素子に含まれる水分量が前記所定の値V1未満かつ前記所定の値V2以上の値であって吸着可能な水分量が多量であると判断する所定の値V4以上の場合に、前記室外駆動手段により前記室外送風手段を弱運転することを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記制御手段は、乾燥運転の停止中は、所定の時間T毎に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板を駆動し、室内の吸気口に備えた前記湿度検知手段により、室内の相対湿度を検知し、相対湿度が高湿であると判断する所定の値H1以上に上昇した場合に乾燥運転を開始することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記制御手段は、乾燥運転を開始した場合に、前記室内駆動手段により前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板の駆動を開始して、前記湿度交換素子を用いて室内の空気と室外の空気の潜熱を交換し、室内の吸気口に備えた前記湿度検知手段により、室内の相対湿度を検知し、相対湿度が低湿であると判断する所定の値H2未満に下降した場合に前記室内送風手段及び前記室内の吸気風路遮蔽板及び前記室内の吐出風路遮蔽板の駆動を停止することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−19584(P2013−19584A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152525(P2011−152525)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】