説明

乾燥装置

【課題】粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる、乾燥装置を提供する。
【解決手段】乾燥対象の粉粒体は、乾燥ホッパ4内に収容される、乾燥ホッパ4には、給気ライン7および排気ライン9が接続されている。給気ライン7の途中部には、ヒータ8が介裝されている。また、給気ライン7には、ヒータ8よりもエアの流通方向の上流側に、圧縮エア供給ライン12が分岐して接続されている。圧縮エア供給ライン12の途中部には、除湿器16,17が介裝されている。給気ライン7にエアを送り込むためのブロワ2と、圧縮エア供給ライン12にエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサ3とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂ペレットなどの粉粒体を乾燥させるための乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成形品の材料である樹脂ペレットは、成形機に供給される前に、水分を除去するための乾燥処理を受ける。
【0003】
この乾燥処理のための装置として、ホッパドライヤが知られている。ホッパドライヤは、乾燥対象の樹脂ペレットを収容するホッパと、エアが流通するエア流通ラインとを備えている。エア流通ラインからホッパに加熱乾燥エアが供給され、加熱乾燥エアがホッパ内を通過する。その際に、ホッパ内の樹脂ペレットに含まれる水分が加熱乾燥エアに奪われ、樹脂ペレットが乾燥する。
【0004】
ホッパドライヤの一例では、エア流通ラインの一端および他端がホッパに接続されて、エア流通ラインがエア循環ラインを構成している。エア流通ラインの途中部には、ブロワが介装されている。ブロワが駆動されると、エア流通ラインをブロワからホッパに向けてエアが流れる。ブロワとホッパとの間には、除湿器およびヒータが介装されている。エア流通ラインを流通するエアは、除湿器を通過する間に除湿され、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなる。加熱乾燥エアは、エア流通ラインの一端からホッパ内に供給される。樹脂ペレットから奪った水分(湿気)を含むエアは、ホッパ内からエア流通ラインに流出し、ブロワの働きにより、除湿器およびヒータを経由して、ホッパ内に再び供給される。
【0005】
また、ホッパドライヤの他の例では、エア流通ラインの一端がコンプレッサに接続され、その他端がホッパに接続されている。コンプレッサが駆動されると、外気が圧縮されてエア流通ラインに供給される。エア流通ラインには、除湿器およびヒータが介装されている。エア供給ラインを流通する圧縮エアは、除湿器を通過する間に除湿され、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、エア供給ラインからホッパ内に供給される。そして、樹脂ペレットから奪った水分(湿気)を含むエアは、ホッパ内からホッパに接続された排気ラインに流出し、大気中に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−287557号公報
【特許文献2】特開2000−18824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンプレッサを備えるワンパス型のホッパドライヤは、ブロワを備える循環型のホッパドライヤと比較して、より低湿なエアをホッパ内に供給することができ、乾燥効率に優れている。しかしながら、ワンパス型のホッパドライヤでは、エアの流通量(風量)を確保するために、大容量のコンプレッサが必要となる。そのため、イニシャルコストはもちろん、その大容量のコンプレッサが消費する電力量が大きいために、ランニングコストが高くつく。
【0008】
本発明の目的は、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる、乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明の第1の局面に係る乾燥装置は、粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、粉粒体を収容するための乾燥容器と、前記乾燥容器に接続された給気ラインと、前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、前記乾燥容器に接続され、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインと、前記排気ラインを流通するエアの温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段による検出温度に基づいて、前記ブロワの駆動を制御する制御手段とを含む。
【0010】
乾燥対象の粉粒体は、乾燥容器内に収容される、乾燥容器には、給気ラインおよび排気ラインが接続されている。給気ラインの途中部には、ヒータが介裝されている。また、給気ラインには、ヒータよりもエアの流通方向の上流側に、圧縮エア供給ラインが分岐して接続されている。圧縮エア供給ラインの途中部には、除湿器が介裝されている。
【0011】
給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサとが設けられている。
【0012】
ブロワが駆動されると、給気ラインにエアが送り込まれる。そのエアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。
【0013】
コンプレッサが駆動されると、圧縮エア供給ラインにエアが圧縮して送り込まれる。そのエアは、圧縮エア供給ラインを流通し、除湿器を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ラインから給気ラインに流れ込む。そして、給気ラインに流れ込んだ乾燥エアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。
【0014】
乾燥容器内のエアは、排気ラインに流出する。この排気ラインを流通するエアの温度を検出する温度検出手段が設けられている。この温度検出手段による検出温度に基づいて、ブロワの駆動が制御される。
【0015】
たとえば、温度検出手段による検出温度が所定の切替温度以下であるときには、ブロワが駆動される。これにより、乾燥容器内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥容器内の粉粒体の温度が速やかに上昇し、これに伴って、温度検出手段による検出温度が上昇する。粉粒体の温度が上昇することにより、粉粒体に含まれる水分が気化する。粉粒体が乾燥容器内に収容された直後は、粉粒体が冷えているので、温度検出手段による検出温度が切替温度以下となる。
【0016】
その後、温度検出手段による検出温度が切替温度を超えると、たとえば、ブロワの駆動が停止される。コンプレッサは、ブロワの駆動が停止される前から駆動されていてもよいし、ブロワの駆動の停止とほぼ同時にその駆動が開始されてもよい。コンプレッサの駆動により、乾燥容器内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥容器内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥容器内の粉粒体に含まれる水分の気化が促進される。その結果、粉粒体の乾燥が効率よく進む。このとき、乾燥容器内の粉粒体がすでに温められているので、大流量の加熱乾燥エアを必要としない。したがって、コンプレッサは、比較的小容量のものでよい。これにより、イニシャルコストを低減することができ、また、コンプレッサの消費電力量が小さいので、ランニングコストも低減することができる。
【0017】
よって、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる。
【0018】
温度検出手段による検出温度が切替温度を超えたときに、ブロワの駆動が停止されなくてもよい。たとえば、ブロワに備えられるブロワモータを駆動するインバータが設けられて、温度検出手段による検出温度が切替温度を超えた後は、その検出温度の上昇に伴って、ブロワによる送風量が低下するように、ブロワモータの駆動(インバータ)が制御されてもよい。
【0019】
本発明の第2の局面に係る乾燥装置は、粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、粉粒体を収容するための乾燥容器と、前記乾燥容器に接続された給気ラインと、前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、前記乾燥容器に接続され、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインと、粉粒体が前記乾燥容器に収容されてからの所定期間は、前記ブロワを駆動させ、前記所定期間の経過後は、前記ブロワの駆動を停止させる制御手段とを含む。
【0020】
乾燥対象の粉粒体は、乾燥容器内に収容される、乾燥容器には、給気ラインおよび排気ラインが接続されている。給気ラインの途中部には、ヒータが介裝されている。また、給気ラインには、ヒータよりもエアの流通方向の上流側に、圧縮エア供給ラインが分岐して接続されている。圧縮エア供給ラインの途中部には、除湿器が介裝されている。
【0021】
給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサとが設けられている。
【0022】
ブロワが駆動されると、給気ラインにエアが送り込まれる。そのエアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。
【0023】
コンプレッサが駆動されると、圧縮エア供給ラインにエアが圧縮して送り込まれる。そのエアは、圧縮エア供給ラインを流通し、除湿器を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ラインから給気ラインに流れ込む。そして、給気ラインに流れ込んだ乾燥エアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。
【0024】
粉粒体が乾燥容器内に収容された直後は、粉粒体が冷えている。そこで、粉粒体が乾燥容器に収容されてからの所定期間は、ブロワが駆動される。これにより、乾燥容器内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥容器内の粉粒体の温度が速やかに上昇する。粉粒体の温度が上昇することにより、粉粒体に含まれる水分が気化する。
【0025】
粉粒体が乾燥容器内に収容されてから所定期間が経過すると、ブロワの駆動が停止される。コンプレッサは、ブロワの駆動が停止される前から駆動されていてもよいし、ブロワの駆動の停止とほぼ同時にその駆動が開始されてもよい。コンプレッサの駆動により、乾燥容器内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥容器内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥容器内の粉粒体に含まれる水分の気化が促進される。その結果、粉粒体の乾燥が効率よく進む。このとき、乾燥容器内の粉粒体がすでに温められているので、大流量の加熱乾燥エアを必要としない。したがって、コンプレッサは、比較的小容量のものでよい。これにより、イニシャルコストを低減することができ、また、コンプレッサの消費電力量が小さいので、ランニングコストも低減することができる。
【0026】
よって、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる。
【0027】
本発明の第3の局面に係る乾燥装置は、粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、粉粒体を収容するための乾燥容器と、前記乾燥容器に接続された給気ラインと、前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、一端が前記乾燥容器に接続され、他端が前記ブロワに接続されて、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインと、前記排気ラインに分岐して接続され、先端が開放された開放ラインとを含む。
【0028】
乾燥対象の粉粒体は、乾燥容器内に収容される、乾燥容器には、給気ラインが接続されている。給気ラインの途中部には、ヒータが介裝されている。また、給気ラインには、ヒータよりもエアの流通方向の上流側に、圧縮エア供給ラインが分岐して接続されている。圧縮エア供給ラインの途中部には、除湿器が介裝されている。
【0029】
乾燥容器にはさらに、排気ラインの一端が接続されている。排気ラインの他端は、ブロワに接続されている。また、排気ラインには、開放ラインが分岐して接続されている。開放ラインの先端は、開放されている。
【0030】
給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサとが設けられている。
【0031】
ブロワが駆動されると、給気ラインにエアが送り込まれる。そのエアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。これにより、乾燥容器内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥容器内の粉粒体の温度が速やかに上昇し、粉粒体に含まれる水分が気化する。この水分を含んだエアは、乾燥容器内から排気ラインに排気される。
【0032】
コンプレッサが駆動されると、圧縮エア供給ラインにエアが圧縮して送り込まれる。そのエアは、圧縮エア供給ラインを流通し、除湿器を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ラインから給気ラインに流れ込む。そして、給気ラインに流れ込んだ乾燥エアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。これにより、乾燥容器内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥容器内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥容器内の粉粒体に含まれる水分が気化する。この水分を含んだエアは、乾燥容器内から排気ラインに排気される。
【0033】
ブロワが駆動されているときには、乾燥容器内から排気ラインに排気されるエアは、排気ラインを流通し、ブロワに積極的に吸引されて、ブロワから給気ラインに再び送り込まれる。一方、ブロワの駆動が停止されて、コンプレッサが駆動されているときには、排気ラインを流通するエアは、排気ラインから開放ラインに流出し、開放ラインを流通して、開放ラインから放出される。
【0034】
そのため、粉粒体に揮発性物質(揮発性有機化合物)が含まれている場合には、ブロワの駆動を停止して、コンプレッサを駆動させることにより、粉粒体から揮発した揮発性物質が乾燥装置内に溜まることを防止できる。
【0035】
たとえば、粉粒体が乾燥容器内に収容されてからの所定期間は、ブロワの駆動が停止されて、コンプレッサが駆動され、乾燥容器内に加熱乾燥エアが供給されるとよい。これにより、粉粒体から揮発性物質が揮発し、その揮発した揮発性物質が乾燥装置内から排出される。
【0036】
そして、粉粒体からの揮発性物質の揮発が終了した頃に、ブロワが駆動されるとよい。これにより、揮発性物質を多くは含まないエアが給気ライン、乾燥容器および排気ラインからなる循環路を循環しながら、ヒータによって加熱され、高温のエアが乾燥容器内を通過する。その結果、乾燥容器内の粉粒体の温度が速やかに上昇し、粉粒体に含まれる水分が気化する。
【0037】
その後、コンプレッサが駆動されて、ブロワの駆動が停止されるとよい。このとき、乾燥容器内の粉粒体がすでに温められているので、大流量の加熱乾燥エアを必要としない。したがって、コンプレッサは、比較的小容量のものでよい。これにより、イニシャルコストを低減することができ、また、コンプレッサの消費電力量が小さいので、ランニングコストも低減することができる。
【0038】
よって、粉粒体から揮発する揮発性物質が乾燥装置内に溜まることを防止できながら、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる。
【0039】
本発明の第4の局面に係る乾燥装置は、粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、粉粒体を収容するための乾燥容器と、前記乾燥容器に接続された給気ラインと、前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、一端が前記乾燥容器に接続され、他端が開放されて、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインとを含む。
【0040】
乾燥対象の粉粒体は、乾燥容器内に収容される、乾燥容器には、給気ラインが接続されている。給気ラインの途中部には、ヒータが介裝されている。また、給気ラインには、ヒータよりもエアの流通方向の上流側に、圧縮エア供給ラインが分岐して接続されている。圧縮エア供給ラインの途中部には、除湿器が介裝されている。
【0041】
乾燥容器にはさらに、排気ラインの一端が接続されている。排気ラインの他端は、開放されている。
【0042】
給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサとが設けられている。
【0043】
たとえば、粉粒体が乾燥容器内に収容されてからの所定期間は、ブロワが駆動されるとよい。ブロワが駆動されると、給気ラインにエアが送り込まれる。そのエアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。これにより、乾燥容器内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥容器内の粉粒体の温度が速やかに上昇し、粉粒体に含まれる水分が気化する。この水分を含んだエアは、乾燥容器内から排気ラインに排気される。このとき、コンプレッサの駆動が停止されていれば、コンプレッサによる電力消費はない。
【0044】
その後、ブロワの駆動が停止されるとよい。コンプレッサは、ブロワの駆動が停止される前から駆動されていてもよいし、ブロワの駆動の停止とほぼ同時にその駆動が開始されてもよい。コンプレッサの駆動により、圧縮エア供給ラインにエアが圧縮して送り込まれる。そのエアは、圧縮エア供給ラインを流通し、除湿器を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ラインから給気ラインに流れ込む。そして、給気ラインに流れ込んだ乾燥エアは、給気ラインを流通し、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、給気ラインから乾燥容器内に供給される。これにより、乾燥容器内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥容器内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥容器内の粉粒体に含まれる水分が気化する。このとき、乾燥容器内の粉粒体がすでに温められているので、大流量の加熱乾燥エアを必要としない。したがって、コンプレッサは、比較的小容量のものでよい。これにより、イニシャルコストを低減することができ、また、コンプレッサの消費電力量が小さいので、ランニングコストも低減することができる。水分を含んだエアは、乾燥容器内から排気ラインに排気される。
【0045】
そして、排気ラインを流通するエアは、排気ラインから放出される。
【0046】
そのため、粉粒体に揮発性物質が含まれている場合に、粉粒体から揮発した揮発性物質が乾燥装置内に溜まることを防止できる。
【0047】
よって、粉粒体から揮発する揮発性物質が乾燥装置内に溜まることを防止できながら、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、粉粒体の乾燥効率の向上およびコスト(イニシャルコストおよびランニングコスト)の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置の構成図である。
【図2】図2は、乾燥装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、粉粒体の乾燥処理時に実行される制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、粉粒体の乾燥処理時に実行される制御の他の例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、粉粒体に揮発性物質が含まれる場合に実行される制御の内容を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態に係る乾燥装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0051】
図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置の構成図である。
【0052】
乾燥装置1は、ブロワ2およびコンプレッサ3を送風源とするハイブリッドタイプのホッパドライヤである。乾燥装置1は、乾燥対象の粉粒体(たとえば、樹脂成形品の材料である樹脂ペレット)を収容する乾燥ホッパ4を備えている。
【0053】
乾燥ホッパ4の下部は、下方に先細りとなる円錐状をなしている。乾燥ホッパ4の下端には、排出口5が形成されている。そして、乾燥ホッパ4には、その排出口5を開閉するゲートシャッタ6が設けられている。ゲートシャッタ6が閉じられた状態で、乾燥ホッパ4内に粉粒体を貯留することができる。ゲートシャッタ6が開かれると、乾燥ホッパ4内の粉粒体が排出口5から排出される。排出口5から排出される粉粒体は、たとえば、成形機に送られる。
【0054】
ブロワ2から乾燥ホッパ4に向けて、給気ライン7が延びている。給気ライン7は、乾燥ホッパ4の側壁を貫通し、その先端は、乾燥ホッパ4内の下部に配置されている。給気ライン7の途中部には、ヒータ8が介裝されている。
【0055】
また、乾燥ホッパ4からブロワ2に向けて、排気ライン9が延びている。具体的には、乾燥ホッパ4の上蓋には、排気ライン9の一端が接続され、排気ライン9の他端は、ブロワ2に接続されている。排気ライン9の途中部には、フィルタ10が介裝されている。また、排気ライン9には、ブロワ2とフィルタ10との間において、開放ライン11が分岐して接続されている。開放ライン11の先端は、開放されている。
【0056】
コンプレッサ3からは、圧縮エア供給ライン12が延びている。圧縮エア供給ライン12は、途中部で2本の分岐ライン13,14に分岐し、その先端側で再び1本に合流している。圧縮エア供給ライン12の先端は、給気ライン7におけるブロワ2とヒータ8との間に接続されている。また、圧縮エア供給ライン12には、コンプレッサ3と分岐ライン13,14との間に、フィルタ15が介裝されている。
【0057】
分岐ライン13,14には、それぞれPSA(Pressure Swing
Adsorption)式の除湿器16,17が介裝されている。また、分岐ライン13,14には、除湿器16,17よりもコンプレッサ3側に、それぞれ第1コンプレッサバルブ18および第2コンプレッサバルブ19が介裝されている。
【0058】
乾燥ホッパ4の上方には、供給ホッパ20が設けられている。供給ホッパ20の下部は、下方に先細りとなる円錐状をなす部分とその下端から下方に延びる円筒状をなす部分とを有しており、全体として漏斗状をなしている。そして、円筒状をなす部分は、乾燥ホッパ4の上蓋に挿通されて、その下端は、乾燥ホッパ4内の上部に配置されている。
【0059】
供給ホッパ20には、吸気ライン21が接続されている。吸気ライン21の途中部には、エアオペレートバルブ22が介裝されている。エアオペレートバルブ22には、オペレートエア供給ライン23が接続されている。オペレートエア供給ライン23は、圧縮エア供給ライン12におけるコンプレッサ3とフィルタ15との間から分岐して、エアオペレートバルブ22に向けて延びている。オペレートエア供給ライン23の途中部には、第3コンプレッサバルブ24が介裝されている。
【0060】
また、供給ホッパ20には、原料タンク(図示せず)から延びる原料供給管25が接続されている。
【0061】
図2は、乾燥装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0062】
乾燥装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御部31を備えている。
【0063】
また、乾燥装置1には、給気ライン7から乾燥ホッパ4内に供給されるエアの温度を検出する給気温度センサ32と、乾燥ホッパ4内から排気ライン9に排気されるエアの温度を検出する排気温度センサ33と、乾燥ホッパ4内に貯留されている粉粒体のレベルが相対的に上方の第1レベルに達したことを検出する第1レベルセンサ34および乾燥ホッパ4内に貯留されている粉粒体のレベルが相対的に下方の第2レベルに達したことを検出する第2レベルセンサ35とが備えられている。給気温度センサ32、排気温度センサ33、第1レベルセンサ34および第2レベルセンサ35の検出信号は、制御部31に入力されるようになっている。
【0064】
制御部31には、制御対象として、コンプレッサ3、ゲートシャッタ6、ヒータ8、第1コンプレッサバルブ18、第2コンプレッサバルブ19、第3コンプレッサバルブ24およびブロワ2の駆動源であるブロワモータ36が接続されている。
【0065】
乾燥装置1では、制御部31により、コンプレッサ3および第3コンプレッサバルブ24が制御されて、乾燥ホッパ4内に乾燥対象の粉粒体が供給される。具体的には、コンプレッサ3が駆動されている状態で、第3コンプレッサバルブ24が開かれる。第3コンプレッサバルブ24が開かれると、オペレートエア供給ライン23を通してエアオペレートバルブ22にエアが供給される。これにより、エアオペレートバルブ22が開かれて、供給ホッパ20内のエアが吸気ライン21に吸い出される。そして、気力により、原料タンク内に貯留されている粉粒体が原料供給管25に吸い出され、原料供給管25を通して、供給ホッパ20内に粉粒体が供給される。供給ホッパ20内に供給された粉粒体は、自重により、乾燥ホッパ4内に流入する。乾燥ホッパ4内に貯留された粉粒体のレベルが第1レベルセンサ34によって検出される第1レベルまたは第2レベルセンサ35によって検出される第2レベルに達すると、コンプレッサ3の駆動が停止されるとともに、第3コンプレッサバルブ24が閉じられる。
【0066】
図3は、粉粒体の乾燥処理時に実行される制御の一例を示すフローチャートである。
【0067】
乾燥ホッパ4内に収容された粉粒体から水分を除去するための乾燥処理時には、制御部31により、図3に示される制御が実行される。
【0068】
具体的には、まず、第1レベルセンサ34の検出信号が参照されて、乾燥ホッパ4内の粉粒体のレベルが第1レベルであるか否かが調べられる(ステップS1)。
【0069】
乾燥ホッパ4内の粉粒体のレベルが第1レベルである場合には(ステップS1のYES)、第1コンプレッサバルブ18および第2コンプレッサバルブ19の両方が開かれる(ステップS2)。
【0070】
乾燥ホッパ4内の粉粒体のレベルが第1レベルでない場合、つまり乾燥ホッパ4内の粉粒体のレベルが第2レベルである場合には(ステップS1のNO)、第1コンプレッサバルブ18が開かれ、第2コンプレッサバルブ19が閉じられたままにされる(ステップS3)。
【0071】
その後、コンプレッサ3が駆動(オン)される(ステップS4)。
【0072】
また、ブロワモータ36が駆動(オン)される(ステップS5)。これにより、ブロワ2から給気ライン7にエアが送り出され、大流量のエアが給気ライン7を乾燥ホッパ4に向けて流れる。
【0073】
また、ヒータ8がオンされる(ステップS6)。給気ライン7を流れるエアは、ヒータを通過する間に加熱されて、加熱エアとなり、給気ライン7から乾燥ホッパ4内に供給される。これにより、乾燥ホッパ4内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥ホッパ4内の粉粒体の温度が速やかに上昇し、粉粒体に含まれる水分が気化する。この水分を含んだエアは、乾燥ホッパ4内から排気ライン9に排気される。そして、排気ライン9を流れるエアは、ブロワ2に吸引されて、ブロワ2から給気ライン7に再び送り込まれる。
【0074】
なお、ヒータ8は、給気温度センサ32によって検出されるエアの温度が予め定める温度となるように、その発熱(ヒータ8への通電)が制御される。
【0075】
乾燥処理の開始後、排気温度センサ33の検出信号が一定周期で取得されて、乾燥ホッパ4内から排気ライン9に排気されるエアの温度(排気温度)が予め定める切替温度に達したか否かが繰り返し調べられる(ステップS7)。
【0076】
排気温度が切替温度以上になると(ステップS7のYES)、ブロワモータ36の駆動が停止(オフ)される(ステップS8)。
【0077】
コンプレッサ3が駆動されると、圧縮エア供給ライン12にエアが圧縮して送り込まれる。第1コンプレッサバルブ18および第2コンプレッサバルブ19の両方が開かれている場合には、圧縮エア供給ライン12に送り込まれたエアは、分岐ライン13,14に分かれて流れる。そして、分岐ライン13,14を流れるエアは、それぞれ除湿器16,17を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ライン12で合流する。一方、第1コンプレッサバルブ18が開かれ、第2コンプレッサバルブ19が閉じられている場合には、圧縮エア供給ライン12に送り込まれたエアは、分岐ライン13を流れ、除湿器16を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ライン12をさらに流れる。
【0078】
なお、第1コンプレッサバルブ18および第2コンプレッサバルブ19の両方が開かれる場合には、第1コンプレッサバルブ18が開かれ、第2コンプレッサバルブ19が閉じられる場合と比較して、コンプレッサ3の送風能力が約2倍に上げられることにより、圧縮エア供給ライン12に約2倍の流量のエアが流れる。
【0079】
ブロワ2による送風流量およびコンプレッサ3による送風流量は、乾燥装置1の乾燥能力に応じて設定されるとよい。たとえば、乾燥装置1の乾燥能力が3kg/時である場合、ブロワ2およびコンプレッサ3の送風能力ならびに給気ライン7および圧縮エア供給ライン12の配管径などの設計により、ブロワ2による送風流量が200リットル/分に設定され、第1コンプレッサバルブ18および第2コンプレッサバルブ19の両方が開かれた状態でのコンプレッサ3による送風能力が70〜200リットル/分に設定され、第1コンプレッサバルブ18のみが開かれた状態でのコンプレッサ3による送風能力が20〜70リットル/分に設定される。
【0080】
そして、圧縮エア供給ライン12を流れる乾燥エアは、圧縮エア供給ライン12から給気ライン7に流れ込む。そして、給気ライン7を流れるエアは、ヒータ8を通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、給気ライン7から乾燥ホッパ4内に供給される。これにより、乾燥ホッパ4内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥ホッパ4内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥ホッパ4内の粉粒体に含まれる水分の気化が促進される。水分を含んだエアは、乾燥ホッパ4内から排気ライン9に排気される。このとき、ブロワ2(ブロワモータ36)の駆動が停止されているので、排気ライン9を流れるエアは、排気ライン9から開放ライン11に流れ込み、開放ライン11の先端から放出される。
【0081】
その後、乾燥処理が終了か否かが判断される(ステップS9)。乾燥処理が終了か否かは、たとえば、乾燥処理の開始から一定時間が経過したか否かによって判断されてもよいし、排気ライン9を流れるエアの湿度が検出されて、その湿度が予め定める湿度以下に低下したか否かによって判断されてもよい。また、排気温度センサ33によって検出されるエアの温度が予め定める終了温度以上に上昇したか否かによって判断されてもよい。
【0082】
乾燥処理が終了であると判断されると(ステップS9のYES)、ヒータ8がオフされるとともに(ステップ10)、コンプレッサ3の駆動が停止(オフ)される(ステップS11)。
【0083】
以上のように、乾燥対象の粉粒体は、乾燥ホッパ4内に収容される、乾燥ホッパ4には、給気ライン7および排気ライン9が接続されている。給気ライン7の途中部には、ヒータ8が介裝されている。また、給気ライン7には、ヒータ8よりもエアの流通方向の上流側に、圧縮エア供給ライン12が分岐して接続されている。圧縮エア供給ライン12の途中部には、除湿器16,17が介裝されている。
【0084】
給気ライン7にエアを送り込むためのブロワ2と、圧縮エア供給ライン12にエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサ3とが設けられている。
【0085】
ブロワ2が駆動されると、給気ライン7にエアが送り込まれる。そのエアは、給気ライン7を流通し、ヒータ8を通過する間に加熱されて、加熱エアとなり、給気ライン7から乾燥ホッパ4内に供給される。
【0086】
コンプレッサ3が駆動されると、圧縮エア供給ライン12にエアが圧縮して送り込まれる。そのエアは、圧縮エア供給ライン12を流通し、除湿器16,17を通過する間に除湿されて、乾燥エアとなり、圧縮エア供給ライン12から給気ライン7に流れ込む。そして、給気ライン7に流れ込んだ乾燥エアは、給気ライン7を流通し、ヒータ8を通過する間に加熱されて、加熱乾燥エアとなり、給気ライン7から乾燥ホッパ4内に供給される。
【0087】
乾燥ホッパ4内のエアは、排気ライン9に流出する。この排気ライン9を流通するエアの温度を検出する排気温度センサ33が設けられている。この排気温度センサ33による検出温度に基づいて、ブロワ2およびコンプレッサ3の駆動が制御される。
【0088】
排気温度センサ33による検出温度が所定の切替温度以下であるときには、ブロワ2およびコンプレッサ3が駆動される。これにより、乾燥ホッパ4内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥ホッパ4内の粉粒体の温度が速やかに上昇し、これに伴って、排気温度センサ33による検出温度が上昇する。粉粒体の温度が上昇することにより、粉粒体に含まれる水分が気化する。粉粒体が乾燥ホッパ4内に収容された直後は、粉粒体が冷えているので、排気温度センサ33による検出温度が切替温度以下となる。
【0089】
その後、排気温度センサ33による検出温度が切替温度を超えると、コンプレッサ3の駆動が続けられたまま、ブロワ2の駆動が停止される。これにより、乾燥ホッパ4内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥ホッパ4内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥ホッパ4内の粉粒体に含まれる水分の気化が促進される。その結果、粉粒体の乾燥が効率よく進む。このとき、乾燥ホッパ4内の粉粒体がすでに温められているので、大流量の加熱乾燥エアを必要としない。したがって、コンプレッサ3は、比較的小容量のものでよい。これにより、イニシャルコストを低減することができ、また、コンプレッサ3の消費電力量が小さいので、ランニングコストも低減することができる。
【0090】
よって、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる。
【0091】
図4は、粉粒体の乾燥処理時に実行される制御の他の例を示すフローチャートである。
【0092】
図3に示される制御では、排気温度センサ33による検出温度が所定の切替温度以下であるときには(ステップS7のNO)、ブロワ2およびコンプレッサ3が駆動され(ステップS4,S5)排気温度センサ33による検出温度が切替温度を超えると(ステップS7のYES)、コンプレッサ3の駆動が継続されたまま、ブロワ2の駆動が停止される(ステップS8)。
【0093】
これに対し、図4に示される制御では、ブロワモータ36の駆動が開始され(ステップS25)、その駆動開始から所定時間が経過すると(ステップS27のYES)、ブロワ2の駆動が停止される(ステップS28)。
【0094】
この制御によっても、図3に示される制御の場合と同様な効果を奏することができる。
【0095】
すなわち、粉粒体が乾燥ホッパ4内に収容された直後は、粉粒体が冷えている。そこで、粉粒体が乾燥ホッパ4に収容されてからの所定時間は、ブロワ2およびコンプレッサ3が駆動される。これにより、乾燥ホッパ4内に加熱エアが大流量で供給され、乾燥ホッパ4内の粉粒体の温度が速やかに上昇する。粉粒体の温度が上昇することにより、粉粒体に含まれる水分が気化する。
【0096】
粉粒体が乾燥ホッパ4内に収容されてから所定期間が経過すると、コンプレッサ3の駆動が継続されたまま、ブロワ2の駆動が停止される。これにより、乾燥ホッパ4内に加熱乾燥エアが供給されて、乾燥ホッパ4内の水分(湿気)を含むエアが加熱乾燥エアに置換され、乾燥ホッパ4内の粉粒体に含まれる水分の気化が促進される。その結果、粉粒体の乾燥が効率よく進む。このとき、乾燥ホッパ4内の粉粒体がすでに温められているので、大流量の加熱乾燥エアを必要としない。したがって、コンプレッサ3は、比較的小容量のものでよい。これにより、イニシャルコストを低減することができ、また、コンプレッサ3の消費電力量が小さいので、ランニングコストも低減することができる。
【0097】
よって、粉粒体の乾燥効率の向上およびコストの低減を図ることができる。
【0098】
なお、図4に示されるステップS21,S22,S23,S24,S26,S29,S30,S31は、それぞれ図3に示されるステップS1,S2,S3,S4,S6,S9,S10,S11と同じであるから、それらの内容についての説明を省略する。
【0099】
図5は、粉粒体に揮発性物質が含まれる場合に実行される制御の内容を示すフローチャートである。
【0100】
乾燥対象の粉粒体に揮発性物質(揮発性有機化合物)が含まれる場合には、図3に示される制御または図4に示される制御に先立ち、制御部31により、図5に示される制御が実行される。
【0101】
図5に示される制御では、コンプレッサ3が駆動される(ステップS41)。
【0102】
また、ヒータ8がオンされる(ステップS42)。
【0103】
これにより、乾燥ホッパ4内に加熱乾燥エアが供給され、乾燥ホッパ4内の粉粒体の温度が上昇して、粉粒体に含まれる揮発性物質が揮発する。揮発性物質を含んだエアは、乾燥ホッパ4内から排気ライン9に排気される。このとき、ブロワ2(ブロワモータ36)の駆動が停止されているので、排気ライン9を流れるエアは、排気ライン9から開放ライン11に流れ込み、開放ライン11の先端から放出される。
【0104】
そして、コンプレッサ3の駆動開始から所定時間が経過すると(ステップS43のYES)、この図5に示される制御が終了する。
【0105】
その後、図3に示される制御または図4に示される制御が実行されるので、コンプレッサ3およびヒータ8はオンのままでよい。
【0106】
この制御が実行されることにより、図3,4に示される制御でブロワ2が駆動されたときに、揮発性物質を多く含むエアが乾燥装置1内を循環することを防止できる。
【0107】
なお、ブロワ2と乾燥ホッパ4との間の給気ライン7に圧縮エア供給ライン12が接続されているとしたが、排気ライン9における開放ライン11よりもエアの流通方向の下流側が給気ライン7の一部であるとして、その部分(開放ライン11とブロワ2との間の部分)に圧縮エア供給ライン12が分岐して接続されてもよい。
【0108】
図6は、本発明の他の実施形態に係る乾燥装置の構成図である。
【0109】
図6において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
【0110】
図6に示される乾燥装置61では、排気ライン9の一端が乾燥ホッパ4に接続され、その他端は、ブロワ2に接続されず、開放ライン11に接続されている。
【0111】
この乾燥装置61では、排気ライン9を流れるエアは、排気ライン9から開放ライン11を通して放出される。
【0112】
そのため、粉粒体に揮発性物質が含まれている場合に、粉粒体から揮発した揮発性物質が乾燥装置内に溜まることを防止できる。よって、図3,4に示される処理に先立って、図5に示される処理を実行する必要がない。その結果、図5に示される処理のためのプログラムが不要となり、乾燥装置61のコストの低減を図ることができる。
【0113】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
【0114】
たとえば、図3に示される制御では、排気温度センサ33による検出温度が切替温度を超えたときに、ブロワ2の駆動が停止されるとした。しかしながら、ブロワモータ36を駆動するインバータが設けられて、排気温度センサ33による検出温度が切替温度を超えた後は、その検出温度の上昇に伴って、ブロワ2による送風量が低下するように、ブロワモータ36の駆動(インバータ)が制御されてもよい。
【0115】
また、ブロワ2の駆動中は、コンプレッサ3の駆動が停止されてもよい。これにより、コンプレッサ3による電力消費を抑えることができ、ランニングコストのさらなる低減を図ることができる。
【0116】
また、本発明は、ホッパドライヤに限らず、バッチ式箱型乾燥装置に適用することもできる。
【0117】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 乾燥装置
2 ブロワ
3 コンプレッサ
4 乾燥ホッパ(乾燥容器)
7 給気ライン
8 ヒータ
9 排気ライン
11 開放ライン
12 圧縮エア供給ライン
16 除湿器
17 除湿器
31 制御部(制御手段)
33 排気温度センサ(温度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、
粉粒体を収容するための乾燥容器と、
前記乾燥容器に接続された給気ラインと、
前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、
前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、
前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、
前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、
前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、
前記乾燥容器に接続され、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインと、
前記排気ラインを流通するエアの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段による検出温度に基づいて、前記ブロワの駆動を制御する制御手段とを含む、乾燥装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が所定の切替温度以下であるときには、前記ブロワを駆動させ、前記温度検出手段による検出温度が前記切替温度を超えているときには、前記ブロワの駆動を停止させる、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、
粉粒体を収容するための乾燥容器と、
前記乾燥容器に接続された給気ラインと、
前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、
前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、
前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、
前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、
前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、
前記乾燥容器に接続され、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインと、
粉粒体が前記乾燥容器に収容されてからの所定期間は、前記ブロワを駆動させ、前記所定期間の経過後は、前記ブロワの駆動を停止させる制御手段とを含む、乾燥装置。
【請求項4】
粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、
粉粒体を収容するための乾燥容器と、
前記乾燥容器に接続された給気ラインと、
前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、
前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、
前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、
前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、
前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、
一端が前記乾燥容器に接続され、他端が前記ブロワに接続されて、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインと、
前記排気ラインに分岐して接続され、先端が開放された開放ラインとを含む、乾燥装置。
【請求項5】
粉粒体を乾燥させるための乾燥装置であって、
粉粒体を収容するための乾燥容器と、
前記乾燥容器に接続された給気ラインと、
前記給気ラインの途中部に介裝されたヒータと、
前記給気ラインにエアを送り込むためのブロワと、
前記給気ラインにおける前記ヒータよりもエアの流通方向の上流側に分岐して接続された圧縮エア供給ラインと、
前記圧縮エア供給ラインの途中部に介裝された除湿器と、
前記圧縮エア供給ラインにエアを圧縮して送り込むためのコンプレッサと、
一端が前記乾燥容器に接続され、他端が開放されて、前記乾燥容器から排気されるエアが流通する排気ラインとを含む、乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−88066(P2013−88066A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230201(P2011−230201)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】