二次元パララックスバリアを用いた画像表示装置
【課題】一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像表示装置1は、水平方向にRGBの各サブ画素が繰り返し連続して配置され、垂直方向にRGBのうち同一のサブ画素が連続して配置されるディスプレイ2と、ディスプレイ2の水平方向に連続する4個のサブ画素からなる1サブ画素群における各サブ画素の光を4個の視点位置のそれぞれ到達させる開口部が複数個形成された遮光パネル3と、4枚の視差画像から生成され合成画像データをディスプレイ2に表示させる画像処理装置4とを備える。ディスプレイ2は、三角形状に配置される3つの開口部で構成される1画素開口部群を通過する各サブ画素の光により、各視点位置において各視差画像における1つの画素をそれぞれ表示させる。
【解決手段】画像表示装置1は、水平方向にRGBの各サブ画素が繰り返し連続して配置され、垂直方向にRGBのうち同一のサブ画素が連続して配置されるディスプレイ2と、ディスプレイ2の水平方向に連続する4個のサブ画素からなる1サブ画素群における各サブ画素の光を4個の視点位置のそれぞれ到達させる開口部が複数個形成された遮光パネル3と、4枚の視差画像から生成され合成画像データをディスプレイ2に表示させる画像処理装置4とを備える。ディスプレイ2は、三角形状に配置される3つの開口部で構成される1画素開口部群を通過する各サブ画素の光により、各視点位置において各視差画像における1つの画素をそれぞれ表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、肉眼のみで、表示された画像を立体的に観察者に視認させる画像表示装置として、レンチキュラ方式およびパララックスバリア方式を用いた画像表示装置がある。
【0003】
レンチキュラ方式を用いる画像表示装置では、例えば、レンチキュラレンズと、画像データ表示装置と、画像処理装置とを備える。レンチキュラレンズは、一方向に延在するシリンドリカルレンズを複数個並列に配置することにより構成されている。各シリンドリカルレンズは、集光作用を有する。画像データ表示装置は、レンチキュラレンズに対してシリンドリカルレンズによる光の集光方向と反対側に配置される。画像データ表示装置は、例えば液晶ディスプレイであり、一方向(例えば、水平方向)に画素を構成するRGBのサブ画素データをそれぞれ表示するRGBのサブ画素が繰り返し連続して配置され、一方向と直交する直交方向(例えば、垂直方向)に同一色のサブ画素が連続して配置されているものである(図2参照)。画像処理装置は、複数の単一画像ごとにレンチキュラレンズのレンズ配置方向に分割された複数の分割画像データが所定の配列方法により配列され、生成された合成画像データを画像データ表示装置に表示させるものである。
【0004】
一方、パララックスバリア方式を用いる画像表示装置では、特許文献1に示すように、パララックスバリアと、画像データ表示装置と、画像処理装置とを備える。パララックスバリアは、一方向に延在するスリットと遮光部とが交互にストライプ状に配置されることにより構成されている。画像データ表示装置は、上記レンチキュラ方式における画像データ表示装置と同様である。また、画像処理装置は、複数の単一画像ごとにパララックスバリアのスリット配置方向に分割された複数の分割画像データが所定の配列方法により配列され、生成された合成画像データを画像データ表示装置に表示させるものである。
【0005】
ここで、複数の単一画像データから合成画像データを生成する配列方法は、基本的に、各単一画像をレンズ配置方向あるいはスリット配置方向に分割することで複数の分割画像データを生成し、生成した各分割画像データを単一画像データの分割位置に応じた複数の分割画像グループに分配し、各分割画像グループをそれぞれに分配された分割画像データの順番が同一となるように生成し、この分割画像グループを単一画像データの分割位置に応じて配列することで合成画像データを生成する。
【0006】
例えば、対象物を人間の視差同一の方向から見た2つ単一画像データを画像データ表示装置に表示する場合、従来のレンチキュラ方式およびパララックスバリア方式を用いた画像表示装置では、レンズ配置方向あるいはスリット配置方向の画素(画像データ表示装置を構成する単色サブ画素ごとに表示できる3種類のサブ画素データ)単位に分割した分割画像データを交互に表示する(特許文献1の図9参照)。これにより、観察者は、レンチキュラレンズあるいはパララックスバリアを介して画像データ表示装置を視認することで、画像表示装置によって表示される画像を両眼の視差により立体的に視認することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2006−5463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来から、レンチキュラ方式あるいはパララックスバリア方式の画像表示装置において、観察者が視認する画像の画質の向上および多く単一画像(視差画像)から生成された合成画像データの表示が要望されている。観察者が視認する画像の画質を向上させるためには、シリンドリカルレンズあるいはスリットのレンズ配置方向あるいはスリット配置方向における幅を狭くすることで解決することができる。そこで、従来のレンチキュラ方式およびパララックスバリア方式を用いた画像表示装置では、レンズ配置方向あるいはスリット配置方向にサブ画素データ単位に分割した分割サブ画素データを交互に表示するものがある(特許文献1の図10参照)。
【0009】
しかしながら、上記従来のレンチキュラ方式あるいはパララックスバリア方向の画像表示装置では、合成画像データを生成するための単一画像データの数を増加すると、1つのシリンドリカルレンズあるいはスリットから観察者が視認すべき、一方向である水平方向に配置されたサブ画素が増加する。一方、合成画像データを生成するための単一画像データの数を増加しても、1つのシリンドリカルレンズあるいはスリットから観察者が視認すべき、直交方向である垂直方向に配置された単色サブ画素は同じである。つまり、合成画像データを生成するための単一画像の数を増加により、一方向における分解能は低下するが、直交方向における分解能は変化しない。例えば、16枚の視差画像を画像表示装置で表示する場合は、一方向の分解能が1/16となり、直交方向の分解能が1となる。これにより、観察者が視認する画像の画質が低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、一度に表示する単一画像データの数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる画像表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像表示装置では、一方向にRGBの各サブ画素が繰り返し連続して配置され、一方向と直交する直交方向に前記RGBのうち同一色のサブ画素が連続して配置される画像データ表示手段と、画像データ表示手段の観察者と画像データ表示手段との間に配置され、かつ画像データ表示手段の一方向に連続するK個のサブ画素からなる1サブ画素群の光を観察者側に通過せるとともに、1サブ画素群における各サブ画素の光を観察者のK個の視点位置のそれぞれ到達させる開口部が複数個形成された遮光手段と、K枚の単一画像から生成され、かつ各サブ画素群における各サブ画素にそれぞれ表示されるK個のサブ画素データからなるサブ画素データ群により構成される合成画像データを画像データ表示手段に表示させる画像処理手段と、を備える画像表示装置であって、複数個の開口部は、一方向において隣接する開口部がKサブ画素分離れたサブ画素の光および直交方向において最短距離で隣接する開口部が一方向に√Kサブ画素分離れたサブ画素の光を各視点位置にそれぞれ到達するように形成され、合成画像データは、少なくとも2つ開口部が前記直交方向に異なって位置する3つの開口部で構成される1画素開口部群を通過する各サブ画素の光により、各視点位置において各単一画像における1つの画素をそれぞれ表示させるように、サブ画素データ群を配列して構成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、上記画像表示装置において、合成画像データは、各単一画像からRGBのサブ画素データからなる複数の画素データを生成し、各画素データのうち、単一画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる複数の画素グループを生成し、各画素グループにおける各サブ画素データを、画素データごとの各サブ画素データがそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配されるように3つのサブ画素データ群に分配し、各サブ画素データ群を、それぞれに分配された各サブ画素データの順番が同一となるように生成し、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、各1画素開口部群に対応する3つのサブ画素群に表示できるように配列して構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、各単一画像の1画素は、少なくとも2つ開口部が前記直交方向に異なって位置する3つの開口部を介して、各視点位置において表示される。従って、一方向および直交方向における分解能を低下するので、単一画像の数が増加しても、表示バランスを向上するができる。これにより、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【0014】
また、本発明では、上記画像表示装置において、1画素開口部群は、一方向において隣接する2つ開口部と、2つの開口部の間で2つの開口部に対して直交方向に形成される開口部とにより構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、一画素開口部群は、3つの開口部が三角形状に配置されることとなる。従って、表示バランスをさらに向上することができる。これにより、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下をさらに抑制することができる。
【0016】
また、本発明では、上記画像表示装置において、1画素開口部群は、一方向および直交方向を除いた他方向において隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明では、上記画像表示装置において、1画素開口部群は、他方向において最短距離で連続して隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、一画素開口部群は、3つの開口部が他方向に直線状に配置されることとなる。従って、表示バランスをさらに向上することができる。これにより、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下をさらに抑制することができる。
【0019】
また、本発明では、上記画像表示装置において、開口部の直行方向における長さは、サブ画素の直行方向における長さよりも狭いことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、観察者の各視点位置において、直交方向において隣接するサブ画素の光が含まれることを抑制することができる。これにより、表示される画像のノイズを抑制することができる。
【0021】
また、本発明では、上記画像表示装置において、少なくとも開口部を覆い、かつ各サブ画素の光を各視点位置に集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、集光手段により、各サブ画素の光が各視点位置に集光するので、表示される画像の輝度を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる画像表示装置は、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施の形態では、単一画像として4つの視差画像(K=4)から生成された合成画像データを画像表示装置により表示する場合について説明する。
【0025】
[実施の形態]
図1は、この発明にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。図2は、ディスプレイの構成例を示す図である。図3は、遮光パネルの構成例を示す図である。図4は、図3のI−I断面図である。図5は、サブ画素を示す図である。図6は、視差画像を示す図である。図7は、画素グループを示す図である。図8は、分割サブ画素データ群を示す図である。図9は、合成画像データを示す図である。図10は、合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。図11は、観察者による画像表示装置の視認状態を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本発明にかかる画像表示装置1は、ディスプレイ2と、遮光パネル3と、画像処理装置4と、駆動回路5とにより構成されている。
【0027】
ディスプレイ2は、画像データ表示手段である。ディスプレイ2は、ディスプレイ2を駆動する駆動電力を供給する駆動回路5を介して、画像処理装置4に接続されている。ディスプレイ2は、画像処理装置4により後述する視差画像A〜Dから生成された合成画像データ10(図9参照)を表示するものである。ディスプレイ2は、図2に示すように、RGBのサブ画素、すなわち赤色であるRサブ画素21、緑色であるGサブ画素22、青色であるBサブ画素23が複数配置されている。ディスプレイ2は、一方向、すなわち水平方向にRBGの各サブ画素、すなわちRサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23が繰り返し連続して配置されている。また、ディスプレイ2は、一方向と直交する直交方向、すなわち垂直方向に、RGBのうち同一色のサブ画素、すなわちRサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23がそれぞれ連続して配置されている。
【0028】
また、ディスプレイ2には、RGBの各サブ画素であるRサブ画素21,Gサブ画素22,Bサブ画素23から構成されるサブ画素群Tが複数配置される(同図点線で囲まれた範囲)。各サブ画素群Tは、水平方向に連続する4個(K=4)のサブ画素により構成されている。また、各サブ画素群Tは、水平方向に対して隣り合って連続して配置されている。また、各サブ画素群Tは、垂直方向において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。つまり、各行の各サブ画素群Tは、隣り合って連続して配置されており、各列のサブ画素群Tは、各行で連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。なお、垂直方向において最短距離で隣接するサブ画素群Tは、2サブ画素(√K=2)分離れて配置されている。
【0029】
遮光パネル3は、遮光手段である。遮光パネル3は、図1に示すように、観察者100とディスプレイ2との間に配置されるものである。遮光パネル3は、図3および図4に示すように、遮光本体31と、開口部32と、集光レンズ33とにより構成されている。遮光本体31は、上記ディスプレイ2を覆うことができるものである。遮光本体31は、光を遮光するものであり、複数の開口部32が形成されている。各開口部32は、ディスプレイ2の後述する各サブ画素データ群が表示されるサブ画素群Tごとに対向して形成されている。各開口部32は、図11に示すように、1サブ画素群Tの光を観察者側に通過させるものである。また、各開口部32は、1サブ画素群Tにおける4つのサブ画素の光を観察者100の4個(K=4)の視点位置100a〜100dのそれぞれに到達させるものである。
【0030】
ここで、図1に示すように、垂直方向において隣接する開口部32,32の間の間隔W1は、ディスプレイ2の垂直方向に連続して配置される単色サブ画素の間隔と同一となるように形成されている。また、水平方向において隣接する開口部32,32の間の間隔W2は、4サブ画素(K=4)分離れたディスプレイ2のサブ画素の光が観察者100の各視点位置100a〜100dにそれぞれ到達するように形成されている。さらに、垂直方向において隣接する開口部32,32が水平方向に2サブ画素(√K=2)分離れたディスプレイ2のサブ画素の光が観察者100の各視点位置100a〜100dにそれぞれ到達するように形成されている。
【0031】
また、複数個の開口部32は、図3に示すように、3つの開口部32,32,32で1画素開口部群Sを形成する。1画素開口部群Sは、1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光により、観察者100の各視点位置100a〜100dにおいて各視差画像における1画素をそれぞれ表示させるものである。各1画素開口部群Sは、少なくとも2つの開口部32,32が垂直方向に異なって位置する3つに開口部32,32,32により構成されている。実施の形態では、各1画素開口部群Sは、水平方向において隣接する2つの開口部32,32と、2つの開口部32,32の間で、2つの開口部32,32に対して垂直方向に形成される開口部32とにより構成される。ここでは、水平方向において隣接する2つの開口部32,32と、2つの開口部32,32の間で2つの開口部32,32と垂直方向において隣接する開口部32と各1画素開口部群Sが構成される。従って、各1画素開口部群Sは、3つの開口部32,32,32が三角形状(図に示すP1,P2)に配置されるので、各1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光は、観察者100の各視点位置100a〜100dにおいて三角形状に位置することとなり、各視差画像における1画素の表示バランスを向上することができる。
【0032】
なお、各1画素開口部Sは、水平方向において隣接する1画素開口部Sごとの3つの開口部32,32,32の形状が互いに垂直方向において反転するように構成されている。実施の形態では、各1画素開口部Sは、同図に示すP1およびP2のように、水平方向において隣接する1画素開口部Sごとの3つの開口部32,32,32の三角形状が垂直方向において反転するように構成されている。
【0033】
ここで、各開口部32は、その水平方向における長さがディスプレイ2の各サブ画素21,22,23の水平方向における長さよりも狭く設定されていることが好ましい。
【0034】
また、各開口部32は、それぞれ集光手段として集光レンズ33が設けられている。各集光レンズ33は、各開口部32をそれぞれ覆うものである。各集光レンズ33は、ディスプレイ2のサブ画素(Rサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23)の光を観察者100の各視点位置100a〜100dに集光、すなわち各視点位置に向かって集光するものである。各集光レンズ33は、水平方向に対して曲面が構成されるシリンドリカルレンズであり、水平方向に対して光を集光するものである。これにより、画像表示装置1により表示される画像の輝度を向上することができる。
【0035】
ここで、各集光レンズ33は、上述のように、各開口部32の水平方向における長さがディスプレイ2の各サブ画素21,22,23の水平方向における長さよりも狭く設定されているので、図5に示すように、水平方向における長さが各サブ画素21,22,23の水平方向における長さよりも狭くなる。従って、遮光パネル3からディスプレイ2側と反対側、すなわち観察者側へ各開口部32を介して通過する光に、観察者100の視点位置100a〜100dにおいて視認できるサブ画素に水平方向において隣接するサブ画素の光が含まれることを抑制することができる。これにより、画像表示装置1により表示される画像のノイズを抑制することができる。
【0036】
なお、各集光レンズ33は、シリンドリカルレンズに限定されるものではなく、水平方向および垂直方向に対して曲面が構成されるレンズ、例えば凸レンズなであっても良い。この場合は、水平方向および垂直方向に対して光を集光することができるので、画像表示装置1により表示される画像の輝度をさらに向上することができる。
【0037】
また、集光手段は、上記各開口部32にそれぞれに対応したものでなくても良い。例えば、水平方向に一列に形成される各開口部32に対して、それぞれ集光レンズを設けても良い。この場合は、各集光レンズは、シリンドリカルレンズであり、垂直方向に対して光を集光するものである。これにより、部品点数を削減することができる。また、既存の複数シリンドリカルレンズが一体となったレンズを用いることができる。
【0038】
画像処理装置4は、画像処理手段である。画像処理装置4は、図1に示すように、複数の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2に表示させるものである。画像処理装置4は、例えば、図示しない入出力部(I/O)と、処理部と、記憶部とにより構成されている。
【0039】
次に、この画像処理装置4により、複数の視差画像から合成画像データ10を生成する方法について説明する。まず、画像処理装置4は、複数の視差画像を図6に示す視差画像データA〜Dをして取得する。各視差画像は、例えば対象物を4の方向(観察者の両眼の視差を考慮した方向)から見た際の画像であり、画像処理部4は、各視差画像を複数の画素データにより構成された視差画像データA〜Dとして取得する。なお、各視差画像から複数の画素データにより構成された視差画像データを取得する方法としては、紙などの媒体に印刷などされた各視差画像をスキャナ装置で読み込んだり、デジタルカメラで撮像したりする方法がある。また、画像処理装置4を有するコンピュータのアプリケーションを用いて直接視差画像データA〜Dを生成しても良い。
【0040】
ここで、各視差画像データA〜Dを構成する1画素データは、ディスプレイ2の3種類のサブ画素(Rサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23)により表示することができるデータであり、RGBのサブ画素データ、すなわち赤色に対応したRサブ画素データと、緑色に対応したGサブ画素データと、青色に対応したBサブ画素データとにより構成されている。つまり、各視差画像データA〜Dは、ディスプレイ2のサブ画素ごとに表示できるサブ画素データからなる画素データごとにそれぞれ構成されている。従って、各視差画像からRGBのサブ画素データからなる複数の画素データを生成することとなる。実施の形態では、視差画像データA〜Dがm×nの画素データにより構成されている。従って、視差画像データAが画素データA11〜Amnに、視差画像データBが画素データB11〜Bmnに、視差画像データCが画素データC11〜Cmnに、視差画像データDが画素データD11〜Dmnにより構成されている。
【0041】
次に、画像処理装置4は、各視差画像データA〜Dの各画素データのうち、視差画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる複数の画素グループを生成する。実施の形態では、画像処理装置4は、視差画像データA〜Dの各画素データA11〜Dmnを視差画像データA〜Dにおける位置(m×n)が同一となる第11画素グループ〜第mn画素グループに分配することで、第11画素グループ〜第mn画素グループを生成する。例えば、図7に示すように、第11画素グループには、各視差画像データA〜Dの各画素データA11〜Dmnのうち、視差画像データAの1画素データA11、視差画像データBの1画素データB11、視差画像データCの1画素データC11、視差画像データDの1画素データD11が分配される。また、第12画素グループには、1画素データA12、1画素データB12、1画素データC12、1画素データD12が分配される。また、第21画素グループには、1画素データA21、1画素データB21、1画素データC21、1画素データD21が分配される。また、第22画素グループには、1画素データA22、1画素データB22、1画素データC22、1画素データD22が分配される。
【0042】
次に、画像処理装置4は、図8に示すように、各画素グループにおける各サブ画素データを、画素データごとの各サブ画素データがそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配されるように3つのサブ画素データ群に分配する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループにおける各サブ画素データを画素グループごとに、第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群に分配する。つまり、各サブ画素データ群は、4個(K=4)のサブ画素データにより構成され、生成される合成画像データ10は、サブ画素データ群により構成される。これにより、第1サブ画素データ群と、第2サブ画素データ群と、第3サブ画素データ群とにより構成されるとともに、第11画素グループ〜第mn画素グループにそれぞれ対応するからなる第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群を生成する。
【0043】
ここで、画像処理装置4は、各画素グループおける各サブ画素データを3つのサブ画素データ群に分配する際には、画素データごとの各サブ画素データをそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群を生成する際には、画素データA11〜Dmnごとの各サブ画素データ(A11Rサブ画素データ、A11Gサブ画素データ、A11Bサブ画素データ、…DmnRサブ画素データ、DmnGサブ画素データ、DmnBサブ画素データ)をそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配する。つまり、各サブ画素データ群には、1画素データを構成する3RGBのサブ画素データ(Rサブ画素データ、Gサブ画素データ,Bサブ画素データ)を2つ以上分配しない。
【0044】
また、画像処理装置4は、各画素グループおける各サブ画素データが分配された3つのサブ画素データ群に生成する際には、各サブ画素データ群を、それぞれに分配された各サブ画素データの順番が同一となるように生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群を生成する際には、各サブ画素データ群に分配された各サブ画素データ(A11Rサブ画素データ、A11Gサブ画素データ、A11Bサブ画素データ、…DmnRサブ画素データ、DmnGサブ画素データ、DmnBサブ画素データ)を、その順番が視差画像データA〜Dの順番となるように配列し、各サブ画素データ群を生成する。従って、各サブ画素データ群において一番目に配列されるサブ画素データは、1画素データを構成するサブ画素データとなる。
【0045】
例えば、第11画素グループにおける各サブ画素データは、第1サブ画素データ群にA11Rサブ画素データ、B11Gサブ画素データ、C11Bサブ画素データ、D11Rサブ画素データが、第2サブ画素データ群にA11Gサブ画素データ、B11Bサブ画素データ、C11Rサブ画素データ、D11Gサブ画素データが、第3サブ画素データ群にA11Bサブ画素データ、B11Rサブ画素データ、C11Gサブ画素データ、D11Bサブ画素データが分配され、第1サブ画素データ群がA11Rサブ画素データ、B11Gサブ画素データ、C11Bサブ画素データ、D11Rサブ画素データの順番で、第2サブ画素データ群がA11Gサブ画素データ、B11Bサブ画素データ、C11Rサブ画素データ、D11Gサブ画素データの順番で、第3サブ画素データ群がA11Bサブ画素データ、B11Rサブ画素データ、C11Gサブ画素データ、D11Bサブ画素デーの順番で配列されることで、第11画素サブ画素データ群が生成される。
【0046】
次に、画像処理装置4は、図9に示すように、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、上述した各1画素開口部群Sの3つ開口部32,32,32にそれぞれ対応する3つのサブ画素群Tに表示できるように配列することで合成画像データ10を生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから生成された第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群の第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群を、各1画素開口部群に対応するSの3つ開口部32,32,32にそれぞれ対応する3つのサブ画素群Tに表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。つまり、各画素サブ画素データ群の第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群は、少なくとも2つのサブ画素データ群が垂直方向に異なって配置されて合成画像データ10が生成される。実施の形態では、各画素サブ画素データ群の第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群は、水平方向において隣接して2つのサブ画素データ群が配列され、2つのサブ画素データ群の間で、2つのサブ画素データ群に対して垂直方向に1つのサブ画素データ群が配列されて合成画像データ10が生成される。
【0047】
また、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群のうち、水平方向において隣接する画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、互いの配列形状が垂直方向において反転するように配列することで、合成画像データ10を生成する。つまり、画像処理装置4は、各画素グループにそれぞれ対応する画素サブ画素データ群のうち、水平方向において隣接する画素サブ画素データ群の各サブ画素データ群を配置される三角形状の向きが垂直方向で反転する2種類の3つのサブ画素群Tによりそれぞれ表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。ここでは、画像処理装置4は、水平方向において隣接する画素サブ画素データ群のうち一方を、ディスプレイ2において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tと、この2つのサブ画素群Tとの間でこの2つのサブ画素群Tに対して垂直方向のうち一方に配置される1つのサブ画素群Tとによりそれぞれ表示できるように配列し、他方を、ディスプレイ2において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tと、この2つのサブ画素群Tとの間でこの2つのサブ画素群Tに対して垂直方向のうち他方に配置される1つのサブ画素群Tとによりそれぞれ表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから生成された第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群のうち、水平方向において隣接する第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群が、配置される三角形状の向きが垂直方向で反転する2種類の3つのサブ画素群Tにより表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。
【0048】
また、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群のうち、垂直方向において隣接する画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、同一配列形状となるように配列することで、合成画像データ10を生成する。つまり、画像処理装置4は、各画素グループにそれぞれ対応する分割サブ画素データ群のうち、垂直方向において隣接する画素サブ画素データ群の各サブ画素データ群を、同一の三角形状に配置される3つのサブ画素群Tにより表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから生成された第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群のうち、垂直方向において隣接する第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群が、同一三角形状に配置される3つのサブ画素群Tにより表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。これらにより、各画素グループ(各画素サブ画素データ群)の3つのサブ画素データ群が一方向および直交方向において隙間なく配列された合成画像データ10を生成することができる。
【0049】
画像処理装置4は、視差画像データA〜Dから生成された合成画像データ10を駆動回路5に出力する。駆動回路5は、合成画像データ10に基づいた電力をディスプレイ2に供給する。そして、このディスプレイ2は、図10に示すように、合成画像データ10を表示する。合成画像データ10の各サブ画素データは、上述した配列に基づいてディスプレイ2のサブ画素により表示される。各視差画像データA〜Dの1画素データを構成する3種類のサブ画素データは、ディスプレイ2のサブ画素のうち、視差画像における画素の表示位置に応じた位置に配置されており、三角形状(同図に示すX1,X2)に配置されている3つのサブ画素により表示される。観察者100は、遮光パネル3を介して、ディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する。つまり、観察者100は、遮光パネル3の集光レンズ33(同図二点差線)からこのディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する。
【0050】
例えば、図11に示すように、視点位置100aから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100aの観察者100は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Aにおける各画素データA11〜Amnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、実線)。視点位置100bから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100bの観察者は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Bにおける各画素データB11〜Bmnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、細かい点線)。視点位置100cから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100cの観察者100は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Cにおける各画素データC11〜Cmnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、荒い点線)。視点位置100dから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100dの観察者100は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Dにおける各画素データD11〜Dmnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、一点鎖線)。これにより、観察者100は、ディスプレイ2を視認する際の位置を移動することで、各視点位置100a〜100dにおいてディスプレイ2に表示される合成画像データ10から各視差画像データA〜Dをそれぞれ視認することができる。従って、観察者100の両眼は、ディスプレイ2に表示される合成画像データ10から異なる各視差画像データA〜Dをそれぞれ視認することができるので、この画像表示装置1によって表示される画像を両眼の視差により立体的に視認することができる。
【0051】
以上のように、本発明にかかる画像表示装置1では、各視差画像の1画素は、少なくとも2つ開口部32,32が垂直方向に異なって位置する3つの開口部32,32,32を介して、各視点位置100a〜100dにおいてそれぞれ表示される。従って、合成画像データ10を生成するための視差画像の数を増加しても、一方向および直交方向における分解能を低下させるので、一方向の分解能のみが低下することを抑制することができる。これにより、視差画像の数が増加しても、表示バランスを向上するができ、一度に表示する視差画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態では、対象物を4つの方向から見た視差画像を単一画像として用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各単一画像にそれぞれ全く異なる画像を用いても良い。この場合は、観察者100がディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する位置によって、すなわち各視点位置100a〜100dにおいて異なる画像を画像表示装置1により表示させることができる。また、各単一画像に一連の動作に基づいた画像を用いても良い。この場合は、観察者100がディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する位置を移動させることで、すなわち各視点位置100a〜100bに視点を連続的に移動することで、一連の動作に基づいた画像を画像表示装置1により表示させることができ、観察者100が動画を視認することができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、画像処理装置4が複数の視差画像から合成画像データ10を生成する機能を有するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数の視差画像から合成画像データ10を生成する機能を有する図示しない処理装置が、画像表示装置1とは、別個にあっても良い。この場合は、画像表示装置1は、この図示しない処理装置により予め生成された合成画像データ10を画像処理装置4に入力することで、ディスプレイ2に合成画像データ10を表示するようにしても良い。
【0054】
また、上記実施の形態では、ディスプレイ2においてRサブ画素21,Gサブ画素22,Bサブ画素23が繰り返し連続して配置されている一方向を水平方向としたが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ2においてRサブ画素21,Gサブ画素22,Bサブ画素23が繰り返し連続して配置されている一方向を垂直方向とし、同一単色サブ画素が連続して配置されている方向を水平方向としても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、4つの視差画像から合成画像データ10を生成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合成画像データ10を生成するための視差画像データの数が4つを超えても良い。図12および図13は、他の合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。図12および図13に示すように、16の視差画像から画素データにより構成される視差画像データA〜Pを生成し、視差画像データA〜Pから合成画像データを生成し、合成画像データをディスプレイ2に表示しても良い。合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した場合、一方向である水平方向に連続するサブ画素により構成されるサブ画素群の幅は、水平方向に長くなる。従って、各視差画像データA〜P1画素データを表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素、すなわち各画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素群は、合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した場合、水平方向に対する間隔のみが広くなり、表示バランスが低下する虞がある。
【0056】
16の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2で表示する場合、各サブ画素群Tは、水平方向に連続する16個(K=16)のサブ画素により構成される。また、各サブ画素群Tは、水平方向に対して隣り合って連続して配置されている。また、各サブ画素群Tは、垂直方向において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。つまり、各行の各サブ画素群Tは、隣り合って連続して配置されており、各列のサブ画素群Tは、各行で連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。なお、垂直方向において最短距離で隣接するサブ画素群Tは、4サブ画素(√K=4)分離れて配置されている。
【0057】
16の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2で表示する場合、画像処理装置4は、各視差画像データA〜Pの各画素データのうち、視差画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、視差画像に対応する表示位置に応じて配列することで合成画像データ10を生成する。このとき、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、ディスプレイ2において一方向である水平方向に連続して配置される上記2つのサブ画素群T(16のサブ画素から構成される)と、この2つのサブ画素群Tとの間で、2つのサブ画素群Tに対して他の画素グループの3つのサブ画素データ群のいずれかを表示するサブ画素群Tを挟んで、直交方向である垂直方向に配置される1つのサブ画素群Tとによりそれぞれ表示できるように配列することで合成画像データ10を生成する。つまり、1画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する2つのサブ画素群Tと1つの単色サブ画素群Tとの間に、直交方向である垂直方向に隣接する画素グループの3つのサブ画素データ群のいずれかを表示するサブ画素群Tを配置する。例えば、図12に示すように、第11画素グループの第1サブ画素データ群(A11Rサブ画素データ、…P11Rサブ画素データ)および第2サブ画素データ群(A11Gサブ画素データ、…P11Gサブ画素データ)を表示する2つのサブ画素群Tと、第3サブ画素データ群(A11Bサブ画素データ、…P11Bサブ画素データ)を表示する1つのサブ画素群Tとの間に、第21画素グループの第1サブ画素データ群(A21Gサブ画素データ、…P21Gサブ画素データ)および第2サブ画素データ群(A21Bサブ画素データ、…P11Bサブ画素データ)を表示する2つのサブ画素群Tを配置する。
【0058】
ここで、遮光パネル3の各1画素開口部群Sは、水平方向に隣接する2つ開口部32,32と、2つの開口部32,32の間で2つの開口部32,32と垂直方向において開口部32の1つ分離れた開口部32とにより構成される。
【0059】
以上のように、各画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する三角形状(同図に示すY11〜Y43)に配置されている3つのサブ画素群Tのうち、2つのサブ画素群Tに対して他の画素グループの3つのサブ画素データ群のいずれかを表示するサブ画素群Tを挟んで配置されるサブ画素群Tを1つのサブ画素群Tとして用いる。従って、各画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素群Tの垂直方向における間隔を広げることができる。つまり、1画素データを表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素は、水平方向に対する間隔を広げることができる。従って、遮光パネル3の各1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光は、観察者100の16の各視点位置においてバランスの良い三角形状に位置する。これにより、合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した際における表示バランスの低下を抑制することができ、一度に表示する視差画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【0060】
また、16の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2で表示する場合、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、ディスプレイ2において一方向および直交方向を除いた他方向に連続して隣接する上記3つのサブ画素群T(16のサブ画素から構成される)によりそれぞれ表示できるように配列することで合成画像データ10を生成しても良い。例えば、画素グループの3つのサブ画素データ群をそれぞれ表示する3つのサブ画素群Tを水平方向において最短距離で垂直方向に連続して隣接する3つのサブ画素群Tとする。例えば、図13に示すように、第11画素グループの第1サブ画素データ群(A11Rサブ画素データ、…P11Rサブ画素データ)を表示するサブ画素群T、第2サブ画素データ群(A11Gサブ画素データ、…P11Gサブ画素データ)を表示するサブ画素群T、第3サブ画素データ群(A11Bサブ画素データ、…P11Bサブ画素データ)を表示するサブ画素群Tを水平方向において最短距離で垂直方向に連続して隣接する3つのサブ画素群Tとする。
【0061】
ここで、遮光パネル3の各1画素開口部群Sは、他方向において最短距離で垂直方向に連続して隣接する3つ開口部32,32,32により構成される。
【0062】
以上のように、各画素グループの3つのサブ画素データ群を他方向に直線形状(同図に示すZ11〜Y25)に配置されている3つのサブ画素群Tで表示する。つまり、1画素データを構成する3つのサブ画素を他方向に直線状に表示することができる。従って、遮光パネル3の各1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光は、観察者100の16の各視点位置においてバランスの良い直線状に位置する。これにより、合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した際における表示バランスの低下を抑制することができ、一度に表示する視差画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる画像表示装置は、複数の単一画像を観察者の観察位置ごとに表示する画像表示装置に有用であり、特に、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。
【図2】ディスプレイの構成例を示す図である。
【図3】遮光パネルの構成例を示す図である。
【図4】図3のI−I断面図である。
【図5】サブ画素を示す図である。
【図6】視差画像を示す図である。
【図7】画素グループを示す図である。
【図8】分割サブ画素データ群を示す図である。
【図9】合成画像データを示す図である。
【図10】合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。
【図11】観察者による画像表示装置の視認状態を示す図である。
【図12】他の合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。
【図13】他の合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像表示装置
2 ディスプレイ(画像データ表示手段)
21 Rサブ画素
22 Gサブ画素
23 Bサブ画素
3 遮光パネル(遮光手段)
31 遮光本体
32 開口部
33 集光レンズ(集光手段)
4 画像処理装置(画像処理手段、配列手段)
5 駆動回路
10 合成画像データ
100 観察者
100a〜100d 観察位置
A〜D 視差画像
A11〜Dnn 画像データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、肉眼のみで、表示された画像を立体的に観察者に視認させる画像表示装置として、レンチキュラ方式およびパララックスバリア方式を用いた画像表示装置がある。
【0003】
レンチキュラ方式を用いる画像表示装置では、例えば、レンチキュラレンズと、画像データ表示装置と、画像処理装置とを備える。レンチキュラレンズは、一方向に延在するシリンドリカルレンズを複数個並列に配置することにより構成されている。各シリンドリカルレンズは、集光作用を有する。画像データ表示装置は、レンチキュラレンズに対してシリンドリカルレンズによる光の集光方向と反対側に配置される。画像データ表示装置は、例えば液晶ディスプレイであり、一方向(例えば、水平方向)に画素を構成するRGBのサブ画素データをそれぞれ表示するRGBのサブ画素が繰り返し連続して配置され、一方向と直交する直交方向(例えば、垂直方向)に同一色のサブ画素が連続して配置されているものである(図2参照)。画像処理装置は、複数の単一画像ごとにレンチキュラレンズのレンズ配置方向に分割された複数の分割画像データが所定の配列方法により配列され、生成された合成画像データを画像データ表示装置に表示させるものである。
【0004】
一方、パララックスバリア方式を用いる画像表示装置では、特許文献1に示すように、パララックスバリアと、画像データ表示装置と、画像処理装置とを備える。パララックスバリアは、一方向に延在するスリットと遮光部とが交互にストライプ状に配置されることにより構成されている。画像データ表示装置は、上記レンチキュラ方式における画像データ表示装置と同様である。また、画像処理装置は、複数の単一画像ごとにパララックスバリアのスリット配置方向に分割された複数の分割画像データが所定の配列方法により配列され、生成された合成画像データを画像データ表示装置に表示させるものである。
【0005】
ここで、複数の単一画像データから合成画像データを生成する配列方法は、基本的に、各単一画像をレンズ配置方向あるいはスリット配置方向に分割することで複数の分割画像データを生成し、生成した各分割画像データを単一画像データの分割位置に応じた複数の分割画像グループに分配し、各分割画像グループをそれぞれに分配された分割画像データの順番が同一となるように生成し、この分割画像グループを単一画像データの分割位置に応じて配列することで合成画像データを生成する。
【0006】
例えば、対象物を人間の視差同一の方向から見た2つ単一画像データを画像データ表示装置に表示する場合、従来のレンチキュラ方式およびパララックスバリア方式を用いた画像表示装置では、レンズ配置方向あるいはスリット配置方向の画素(画像データ表示装置を構成する単色サブ画素ごとに表示できる3種類のサブ画素データ)単位に分割した分割画像データを交互に表示する(特許文献1の図9参照)。これにより、観察者は、レンチキュラレンズあるいはパララックスバリアを介して画像データ表示装置を視認することで、画像表示装置によって表示される画像を両眼の視差により立体的に視認することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2006−5463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来から、レンチキュラ方式あるいはパララックスバリア方式の画像表示装置において、観察者が視認する画像の画質の向上および多く単一画像(視差画像)から生成された合成画像データの表示が要望されている。観察者が視認する画像の画質を向上させるためには、シリンドリカルレンズあるいはスリットのレンズ配置方向あるいはスリット配置方向における幅を狭くすることで解決することができる。そこで、従来のレンチキュラ方式およびパララックスバリア方式を用いた画像表示装置では、レンズ配置方向あるいはスリット配置方向にサブ画素データ単位に分割した分割サブ画素データを交互に表示するものがある(特許文献1の図10参照)。
【0009】
しかしながら、上記従来のレンチキュラ方式あるいはパララックスバリア方向の画像表示装置では、合成画像データを生成するための単一画像データの数を増加すると、1つのシリンドリカルレンズあるいはスリットから観察者が視認すべき、一方向である水平方向に配置されたサブ画素が増加する。一方、合成画像データを生成するための単一画像データの数を増加しても、1つのシリンドリカルレンズあるいはスリットから観察者が視認すべき、直交方向である垂直方向に配置された単色サブ画素は同じである。つまり、合成画像データを生成するための単一画像の数を増加により、一方向における分解能は低下するが、直交方向における分解能は変化しない。例えば、16枚の視差画像を画像表示装置で表示する場合は、一方向の分解能が1/16となり、直交方向の分解能が1となる。これにより、観察者が視認する画像の画質が低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、一度に表示する単一画像データの数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる画像表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像表示装置では、一方向にRGBの各サブ画素が繰り返し連続して配置され、一方向と直交する直交方向に前記RGBのうち同一色のサブ画素が連続して配置される画像データ表示手段と、画像データ表示手段の観察者と画像データ表示手段との間に配置され、かつ画像データ表示手段の一方向に連続するK個のサブ画素からなる1サブ画素群の光を観察者側に通過せるとともに、1サブ画素群における各サブ画素の光を観察者のK個の視点位置のそれぞれ到達させる開口部が複数個形成された遮光手段と、K枚の単一画像から生成され、かつ各サブ画素群における各サブ画素にそれぞれ表示されるK個のサブ画素データからなるサブ画素データ群により構成される合成画像データを画像データ表示手段に表示させる画像処理手段と、を備える画像表示装置であって、複数個の開口部は、一方向において隣接する開口部がKサブ画素分離れたサブ画素の光および直交方向において最短距離で隣接する開口部が一方向に√Kサブ画素分離れたサブ画素の光を各視点位置にそれぞれ到達するように形成され、合成画像データは、少なくとも2つ開口部が前記直交方向に異なって位置する3つの開口部で構成される1画素開口部群を通過する各サブ画素の光により、各視点位置において各単一画像における1つの画素をそれぞれ表示させるように、サブ画素データ群を配列して構成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、上記画像表示装置において、合成画像データは、各単一画像からRGBのサブ画素データからなる複数の画素データを生成し、各画素データのうち、単一画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる複数の画素グループを生成し、各画素グループにおける各サブ画素データを、画素データごとの各サブ画素データがそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配されるように3つのサブ画素データ群に分配し、各サブ画素データ群を、それぞれに分配された各サブ画素データの順番が同一となるように生成し、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、各1画素開口部群に対応する3つのサブ画素群に表示できるように配列して構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、各単一画像の1画素は、少なくとも2つ開口部が前記直交方向に異なって位置する3つの開口部を介して、各視点位置において表示される。従って、一方向および直交方向における分解能を低下するので、単一画像の数が増加しても、表示バランスを向上するができる。これにより、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【0014】
また、本発明では、上記画像表示装置において、1画素開口部群は、一方向において隣接する2つ開口部と、2つの開口部の間で2つの開口部に対して直交方向に形成される開口部とにより構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、一画素開口部群は、3つの開口部が三角形状に配置されることとなる。従って、表示バランスをさらに向上することができる。これにより、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下をさらに抑制することができる。
【0016】
また、本発明では、上記画像表示装置において、1画素開口部群は、一方向および直交方向を除いた他方向において隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明では、上記画像表示装置において、1画素開口部群は、他方向において最短距離で連続して隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、一画素開口部群は、3つの開口部が他方向に直線状に配置されることとなる。従って、表示バランスをさらに向上することができる。これにより、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下をさらに抑制することができる。
【0019】
また、本発明では、上記画像表示装置において、開口部の直行方向における長さは、サブ画素の直行方向における長さよりも狭いことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、観察者の各視点位置において、直交方向において隣接するサブ画素の光が含まれることを抑制することができる。これにより、表示される画像のノイズを抑制することができる。
【0021】
また、本発明では、上記画像表示装置において、少なくとも開口部を覆い、かつ各サブ画素の光を各視点位置に集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、集光手段により、各サブ画素の光が各視点位置に集光するので、表示される画像の輝度を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる画像表示装置は、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施の形態では、単一画像として4つの視差画像(K=4)から生成された合成画像データを画像表示装置により表示する場合について説明する。
【0025】
[実施の形態]
図1は、この発明にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。図2は、ディスプレイの構成例を示す図である。図3は、遮光パネルの構成例を示す図である。図4は、図3のI−I断面図である。図5は、サブ画素を示す図である。図6は、視差画像を示す図である。図7は、画素グループを示す図である。図8は、分割サブ画素データ群を示す図である。図9は、合成画像データを示す図である。図10は、合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。図11は、観察者による画像表示装置の視認状態を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本発明にかかる画像表示装置1は、ディスプレイ2と、遮光パネル3と、画像処理装置4と、駆動回路5とにより構成されている。
【0027】
ディスプレイ2は、画像データ表示手段である。ディスプレイ2は、ディスプレイ2を駆動する駆動電力を供給する駆動回路5を介して、画像処理装置4に接続されている。ディスプレイ2は、画像処理装置4により後述する視差画像A〜Dから生成された合成画像データ10(図9参照)を表示するものである。ディスプレイ2は、図2に示すように、RGBのサブ画素、すなわち赤色であるRサブ画素21、緑色であるGサブ画素22、青色であるBサブ画素23が複数配置されている。ディスプレイ2は、一方向、すなわち水平方向にRBGの各サブ画素、すなわちRサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23が繰り返し連続して配置されている。また、ディスプレイ2は、一方向と直交する直交方向、すなわち垂直方向に、RGBのうち同一色のサブ画素、すなわちRサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23がそれぞれ連続して配置されている。
【0028】
また、ディスプレイ2には、RGBの各サブ画素であるRサブ画素21,Gサブ画素22,Bサブ画素23から構成されるサブ画素群Tが複数配置される(同図点線で囲まれた範囲)。各サブ画素群Tは、水平方向に連続する4個(K=4)のサブ画素により構成されている。また、各サブ画素群Tは、水平方向に対して隣り合って連続して配置されている。また、各サブ画素群Tは、垂直方向において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。つまり、各行の各サブ画素群Tは、隣り合って連続して配置されており、各列のサブ画素群Tは、各行で連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。なお、垂直方向において最短距離で隣接するサブ画素群Tは、2サブ画素(√K=2)分離れて配置されている。
【0029】
遮光パネル3は、遮光手段である。遮光パネル3は、図1に示すように、観察者100とディスプレイ2との間に配置されるものである。遮光パネル3は、図3および図4に示すように、遮光本体31と、開口部32と、集光レンズ33とにより構成されている。遮光本体31は、上記ディスプレイ2を覆うことができるものである。遮光本体31は、光を遮光するものであり、複数の開口部32が形成されている。各開口部32は、ディスプレイ2の後述する各サブ画素データ群が表示されるサブ画素群Tごとに対向して形成されている。各開口部32は、図11に示すように、1サブ画素群Tの光を観察者側に通過させるものである。また、各開口部32は、1サブ画素群Tにおける4つのサブ画素の光を観察者100の4個(K=4)の視点位置100a〜100dのそれぞれに到達させるものである。
【0030】
ここで、図1に示すように、垂直方向において隣接する開口部32,32の間の間隔W1は、ディスプレイ2の垂直方向に連続して配置される単色サブ画素の間隔と同一となるように形成されている。また、水平方向において隣接する開口部32,32の間の間隔W2は、4サブ画素(K=4)分離れたディスプレイ2のサブ画素の光が観察者100の各視点位置100a〜100dにそれぞれ到達するように形成されている。さらに、垂直方向において隣接する開口部32,32が水平方向に2サブ画素(√K=2)分離れたディスプレイ2のサブ画素の光が観察者100の各視点位置100a〜100dにそれぞれ到達するように形成されている。
【0031】
また、複数個の開口部32は、図3に示すように、3つの開口部32,32,32で1画素開口部群Sを形成する。1画素開口部群Sは、1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光により、観察者100の各視点位置100a〜100dにおいて各視差画像における1画素をそれぞれ表示させるものである。各1画素開口部群Sは、少なくとも2つの開口部32,32が垂直方向に異なって位置する3つに開口部32,32,32により構成されている。実施の形態では、各1画素開口部群Sは、水平方向において隣接する2つの開口部32,32と、2つの開口部32,32の間で、2つの開口部32,32に対して垂直方向に形成される開口部32とにより構成される。ここでは、水平方向において隣接する2つの開口部32,32と、2つの開口部32,32の間で2つの開口部32,32と垂直方向において隣接する開口部32と各1画素開口部群Sが構成される。従って、各1画素開口部群Sは、3つの開口部32,32,32が三角形状(図に示すP1,P2)に配置されるので、各1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光は、観察者100の各視点位置100a〜100dにおいて三角形状に位置することとなり、各視差画像における1画素の表示バランスを向上することができる。
【0032】
なお、各1画素開口部Sは、水平方向において隣接する1画素開口部Sごとの3つの開口部32,32,32の形状が互いに垂直方向において反転するように構成されている。実施の形態では、各1画素開口部Sは、同図に示すP1およびP2のように、水平方向において隣接する1画素開口部Sごとの3つの開口部32,32,32の三角形状が垂直方向において反転するように構成されている。
【0033】
ここで、各開口部32は、その水平方向における長さがディスプレイ2の各サブ画素21,22,23の水平方向における長さよりも狭く設定されていることが好ましい。
【0034】
また、各開口部32は、それぞれ集光手段として集光レンズ33が設けられている。各集光レンズ33は、各開口部32をそれぞれ覆うものである。各集光レンズ33は、ディスプレイ2のサブ画素(Rサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23)の光を観察者100の各視点位置100a〜100dに集光、すなわち各視点位置に向かって集光するものである。各集光レンズ33は、水平方向に対して曲面が構成されるシリンドリカルレンズであり、水平方向に対して光を集光するものである。これにより、画像表示装置1により表示される画像の輝度を向上することができる。
【0035】
ここで、各集光レンズ33は、上述のように、各開口部32の水平方向における長さがディスプレイ2の各サブ画素21,22,23の水平方向における長さよりも狭く設定されているので、図5に示すように、水平方向における長さが各サブ画素21,22,23の水平方向における長さよりも狭くなる。従って、遮光パネル3からディスプレイ2側と反対側、すなわち観察者側へ各開口部32を介して通過する光に、観察者100の視点位置100a〜100dにおいて視認できるサブ画素に水平方向において隣接するサブ画素の光が含まれることを抑制することができる。これにより、画像表示装置1により表示される画像のノイズを抑制することができる。
【0036】
なお、各集光レンズ33は、シリンドリカルレンズに限定されるものではなく、水平方向および垂直方向に対して曲面が構成されるレンズ、例えば凸レンズなであっても良い。この場合は、水平方向および垂直方向に対して光を集光することができるので、画像表示装置1により表示される画像の輝度をさらに向上することができる。
【0037】
また、集光手段は、上記各開口部32にそれぞれに対応したものでなくても良い。例えば、水平方向に一列に形成される各開口部32に対して、それぞれ集光レンズを設けても良い。この場合は、各集光レンズは、シリンドリカルレンズであり、垂直方向に対して光を集光するものである。これにより、部品点数を削減することができる。また、既存の複数シリンドリカルレンズが一体となったレンズを用いることができる。
【0038】
画像処理装置4は、画像処理手段である。画像処理装置4は、図1に示すように、複数の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2に表示させるものである。画像処理装置4は、例えば、図示しない入出力部(I/O)と、処理部と、記憶部とにより構成されている。
【0039】
次に、この画像処理装置4により、複数の視差画像から合成画像データ10を生成する方法について説明する。まず、画像処理装置4は、複数の視差画像を図6に示す視差画像データA〜Dをして取得する。各視差画像は、例えば対象物を4の方向(観察者の両眼の視差を考慮した方向)から見た際の画像であり、画像処理部4は、各視差画像を複数の画素データにより構成された視差画像データA〜Dとして取得する。なお、各視差画像から複数の画素データにより構成された視差画像データを取得する方法としては、紙などの媒体に印刷などされた各視差画像をスキャナ装置で読み込んだり、デジタルカメラで撮像したりする方法がある。また、画像処理装置4を有するコンピュータのアプリケーションを用いて直接視差画像データA〜Dを生成しても良い。
【0040】
ここで、各視差画像データA〜Dを構成する1画素データは、ディスプレイ2の3種類のサブ画素(Rサブ画素21、Gサブ画素22、Bサブ画素23)により表示することができるデータであり、RGBのサブ画素データ、すなわち赤色に対応したRサブ画素データと、緑色に対応したGサブ画素データと、青色に対応したBサブ画素データとにより構成されている。つまり、各視差画像データA〜Dは、ディスプレイ2のサブ画素ごとに表示できるサブ画素データからなる画素データごとにそれぞれ構成されている。従って、各視差画像からRGBのサブ画素データからなる複数の画素データを生成することとなる。実施の形態では、視差画像データA〜Dがm×nの画素データにより構成されている。従って、視差画像データAが画素データA11〜Amnに、視差画像データBが画素データB11〜Bmnに、視差画像データCが画素データC11〜Cmnに、視差画像データDが画素データD11〜Dmnにより構成されている。
【0041】
次に、画像処理装置4は、各視差画像データA〜Dの各画素データのうち、視差画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる複数の画素グループを生成する。実施の形態では、画像処理装置4は、視差画像データA〜Dの各画素データA11〜Dmnを視差画像データA〜Dにおける位置(m×n)が同一となる第11画素グループ〜第mn画素グループに分配することで、第11画素グループ〜第mn画素グループを生成する。例えば、図7に示すように、第11画素グループには、各視差画像データA〜Dの各画素データA11〜Dmnのうち、視差画像データAの1画素データA11、視差画像データBの1画素データB11、視差画像データCの1画素データC11、視差画像データDの1画素データD11が分配される。また、第12画素グループには、1画素データA12、1画素データB12、1画素データC12、1画素データD12が分配される。また、第21画素グループには、1画素データA21、1画素データB21、1画素データC21、1画素データD21が分配される。また、第22画素グループには、1画素データA22、1画素データB22、1画素データC22、1画素データD22が分配される。
【0042】
次に、画像処理装置4は、図8に示すように、各画素グループにおける各サブ画素データを、画素データごとの各サブ画素データがそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配されるように3つのサブ画素データ群に分配する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループにおける各サブ画素データを画素グループごとに、第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群に分配する。つまり、各サブ画素データ群は、4個(K=4)のサブ画素データにより構成され、生成される合成画像データ10は、サブ画素データ群により構成される。これにより、第1サブ画素データ群と、第2サブ画素データ群と、第3サブ画素データ群とにより構成されるとともに、第11画素グループ〜第mn画素グループにそれぞれ対応するからなる第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群を生成する。
【0043】
ここで、画像処理装置4は、各画素グループおける各サブ画素データを3つのサブ画素データ群に分配する際には、画素データごとの各サブ画素データをそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群を生成する際には、画素データA11〜Dmnごとの各サブ画素データ(A11Rサブ画素データ、A11Gサブ画素データ、A11Bサブ画素データ、…DmnRサブ画素データ、DmnGサブ画素データ、DmnBサブ画素データ)をそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配する。つまり、各サブ画素データ群には、1画素データを構成する3RGBのサブ画素データ(Rサブ画素データ、Gサブ画素データ,Bサブ画素データ)を2つ以上分配しない。
【0044】
また、画像処理装置4は、各画素グループおける各サブ画素データが分配された3つのサブ画素データ群に生成する際には、各サブ画素データ群を、それぞれに分配された各サブ画素データの順番が同一となるように生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群を生成する際には、各サブ画素データ群に分配された各サブ画素データ(A11Rサブ画素データ、A11Gサブ画素データ、A11Bサブ画素データ、…DmnRサブ画素データ、DmnGサブ画素データ、DmnBサブ画素データ)を、その順番が視差画像データA〜Dの順番となるように配列し、各サブ画素データ群を生成する。従って、各サブ画素データ群において一番目に配列されるサブ画素データは、1画素データを構成するサブ画素データとなる。
【0045】
例えば、第11画素グループにおける各サブ画素データは、第1サブ画素データ群にA11Rサブ画素データ、B11Gサブ画素データ、C11Bサブ画素データ、D11Rサブ画素データが、第2サブ画素データ群にA11Gサブ画素データ、B11Bサブ画素データ、C11Rサブ画素データ、D11Gサブ画素データが、第3サブ画素データ群にA11Bサブ画素データ、B11Rサブ画素データ、C11Gサブ画素データ、D11Bサブ画素データが分配され、第1サブ画素データ群がA11Rサブ画素データ、B11Gサブ画素データ、C11Bサブ画素データ、D11Rサブ画素データの順番で、第2サブ画素データ群がA11Gサブ画素データ、B11Bサブ画素データ、C11Rサブ画素データ、D11Gサブ画素データの順番で、第3サブ画素データ群がA11Bサブ画素データ、B11Rサブ画素データ、C11Gサブ画素データ、D11Bサブ画素デーの順番で配列されることで、第11画素サブ画素データ群が生成される。
【0046】
次に、画像処理装置4は、図9に示すように、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、上述した各1画素開口部群Sの3つ開口部32,32,32にそれぞれ対応する3つのサブ画素群Tに表示できるように配列することで合成画像データ10を生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから生成された第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群の第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群を、各1画素開口部群に対応するSの3つ開口部32,32,32にそれぞれ対応する3つのサブ画素群Tに表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。つまり、各画素サブ画素データ群の第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群は、少なくとも2つのサブ画素データ群が垂直方向に異なって配置されて合成画像データ10が生成される。実施の形態では、各画素サブ画素データ群の第1サブ画素データ群、第2サブ画素データ群、第3サブ画素データ群は、水平方向において隣接して2つのサブ画素データ群が配列され、2つのサブ画素データ群の間で、2つのサブ画素データ群に対して垂直方向に1つのサブ画素データ群が配列されて合成画像データ10が生成される。
【0047】
また、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群のうち、水平方向において隣接する画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、互いの配列形状が垂直方向において反転するように配列することで、合成画像データ10を生成する。つまり、画像処理装置4は、各画素グループにそれぞれ対応する画素サブ画素データ群のうち、水平方向において隣接する画素サブ画素データ群の各サブ画素データ群を配置される三角形状の向きが垂直方向で反転する2種類の3つのサブ画素群Tによりそれぞれ表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。ここでは、画像処理装置4は、水平方向において隣接する画素サブ画素データ群のうち一方を、ディスプレイ2において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tと、この2つのサブ画素群Tとの間でこの2つのサブ画素群Tに対して垂直方向のうち一方に配置される1つのサブ画素群Tとによりそれぞれ表示できるように配列し、他方を、ディスプレイ2において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tと、この2つのサブ画素群Tとの間でこの2つのサブ画素群Tに対して垂直方向のうち他方に配置される1つのサブ画素群Tとによりそれぞれ表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから生成された第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群のうち、水平方向において隣接する第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群が、配置される三角形状の向きが垂直方向で反転する2種類の3つのサブ画素群Tにより表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。
【0048】
また、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群のうち、垂直方向において隣接する画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、同一配列形状となるように配列することで、合成画像データ10を生成する。つまり、画像処理装置4は、各画素グループにそれぞれ対応する分割サブ画素データ群のうち、垂直方向において隣接する画素サブ画素データ群の各サブ画素データ群を、同一の三角形状に配置される3つのサブ画素群Tにより表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。実施の形態では、第11画素グループ〜第mn画素グループから生成された第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群のうち、垂直方向において隣接する第11画素サブ画素データ群〜第mn画素サブ画素データ群が、同一三角形状に配置される3つのサブ画素群Tにより表示できるように配列することで、合成画像データ10を生成する。これらにより、各画素グループ(各画素サブ画素データ群)の3つのサブ画素データ群が一方向および直交方向において隙間なく配列された合成画像データ10を生成することができる。
【0049】
画像処理装置4は、視差画像データA〜Dから生成された合成画像データ10を駆動回路5に出力する。駆動回路5は、合成画像データ10に基づいた電力をディスプレイ2に供給する。そして、このディスプレイ2は、図10に示すように、合成画像データ10を表示する。合成画像データ10の各サブ画素データは、上述した配列に基づいてディスプレイ2のサブ画素により表示される。各視差画像データA〜Dの1画素データを構成する3種類のサブ画素データは、ディスプレイ2のサブ画素のうち、視差画像における画素の表示位置に応じた位置に配置されており、三角形状(同図に示すX1,X2)に配置されている3つのサブ画素により表示される。観察者100は、遮光パネル3を介して、ディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する。つまり、観察者100は、遮光パネル3の集光レンズ33(同図二点差線)からこのディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する。
【0050】
例えば、図11に示すように、視点位置100aから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100aの観察者100は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Aにおける各画素データA11〜Amnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、実線)。視点位置100bから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100bの観察者は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Bにおける各画素データB11〜Bmnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、細かい点線)。視点位置100cから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100cの観察者100は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Cにおける各画素データC11〜Cmnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、荒い点線)。視点位置100dから遮光パネル3の集光レンズ33からディスプレイ2に表示される合成画像データ10を視認すると、視点位置100dの観察者100は、視差画像データA〜Dのうち視差画像Dにおける各画素データD11〜Dmnを構成する3つのサブ画素データのみを視認することができる(同図では、一点鎖線)。これにより、観察者100は、ディスプレイ2を視認する際の位置を移動することで、各視点位置100a〜100dにおいてディスプレイ2に表示される合成画像データ10から各視差画像データA〜Dをそれぞれ視認することができる。従って、観察者100の両眼は、ディスプレイ2に表示される合成画像データ10から異なる各視差画像データA〜Dをそれぞれ視認することができるので、この画像表示装置1によって表示される画像を両眼の視差により立体的に視認することができる。
【0051】
以上のように、本発明にかかる画像表示装置1では、各視差画像の1画素は、少なくとも2つ開口部32,32が垂直方向に異なって位置する3つの開口部32,32,32を介して、各視点位置100a〜100dにおいてそれぞれ表示される。従って、合成画像データ10を生成するための視差画像の数を増加しても、一方向および直交方向における分解能を低下させるので、一方向の分解能のみが低下することを抑制することができる。これにより、視差画像の数が増加しても、表示バランスを向上するができ、一度に表示する視差画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態では、対象物を4つの方向から見た視差画像を単一画像として用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各単一画像にそれぞれ全く異なる画像を用いても良い。この場合は、観察者100がディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する位置によって、すなわち各視点位置100a〜100dにおいて異なる画像を画像表示装置1により表示させることができる。また、各単一画像に一連の動作に基づいた画像を用いても良い。この場合は、観察者100がディスプレイ2に表示された合成画像データ10を視認する位置を移動させることで、すなわち各視点位置100a〜100bに視点を連続的に移動することで、一連の動作に基づいた画像を画像表示装置1により表示させることができ、観察者100が動画を視認することができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、画像処理装置4が複数の視差画像から合成画像データ10を生成する機能を有するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数の視差画像から合成画像データ10を生成する機能を有する図示しない処理装置が、画像表示装置1とは、別個にあっても良い。この場合は、画像表示装置1は、この図示しない処理装置により予め生成された合成画像データ10を画像処理装置4に入力することで、ディスプレイ2に合成画像データ10を表示するようにしても良い。
【0054】
また、上記実施の形態では、ディスプレイ2においてRサブ画素21,Gサブ画素22,Bサブ画素23が繰り返し連続して配置されている一方向を水平方向としたが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ2においてRサブ画素21,Gサブ画素22,Bサブ画素23が繰り返し連続して配置されている一方向を垂直方向とし、同一単色サブ画素が連続して配置されている方向を水平方向としても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、4つの視差画像から合成画像データ10を生成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合成画像データ10を生成するための視差画像データの数が4つを超えても良い。図12および図13は、他の合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。図12および図13に示すように、16の視差画像から画素データにより構成される視差画像データA〜Pを生成し、視差画像データA〜Pから合成画像データを生成し、合成画像データをディスプレイ2に表示しても良い。合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した場合、一方向である水平方向に連続するサブ画素により構成されるサブ画素群の幅は、水平方向に長くなる。従って、各視差画像データA〜P1画素データを表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素、すなわち各画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素群は、合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した場合、水平方向に対する間隔のみが広くなり、表示バランスが低下する虞がある。
【0056】
16の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2で表示する場合、各サブ画素群Tは、水平方向に連続する16個(K=16)のサブ画素により構成される。また、各サブ画素群Tは、水平方向に対して隣り合って連続して配置されている。また、各サブ画素群Tは、垂直方向において水平方向に連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。つまり、各行の各サブ画素群Tは、隣り合って連続して配置されており、各列のサブ画素群Tは、各行で連続して配置される2つのサブ画素群Tの間に配置されている。なお、垂直方向において最短距離で隣接するサブ画素群Tは、4サブ画素(√K=4)分離れて配置されている。
【0057】
16の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2で表示する場合、画像処理装置4は、各視差画像データA〜Pの各画素データのうち、視差画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、視差画像に対応する表示位置に応じて配列することで合成画像データ10を生成する。このとき、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、ディスプレイ2において一方向である水平方向に連続して配置される上記2つのサブ画素群T(16のサブ画素から構成される)と、この2つのサブ画素群Tとの間で、2つのサブ画素群Tに対して他の画素グループの3つのサブ画素データ群のいずれかを表示するサブ画素群Tを挟んで、直交方向である垂直方向に配置される1つのサブ画素群Tとによりそれぞれ表示できるように配列することで合成画像データ10を生成する。つまり、1画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する2つのサブ画素群Tと1つの単色サブ画素群Tとの間に、直交方向である垂直方向に隣接する画素グループの3つのサブ画素データ群のいずれかを表示するサブ画素群Tを配置する。例えば、図12に示すように、第11画素グループの第1サブ画素データ群(A11Rサブ画素データ、…P11Rサブ画素データ)および第2サブ画素データ群(A11Gサブ画素データ、…P11Gサブ画素データ)を表示する2つのサブ画素群Tと、第3サブ画素データ群(A11Bサブ画素データ、…P11Bサブ画素データ)を表示する1つのサブ画素群Tとの間に、第21画素グループの第1サブ画素データ群(A21Gサブ画素データ、…P21Gサブ画素データ)および第2サブ画素データ群(A21Bサブ画素データ、…P11Bサブ画素データ)を表示する2つのサブ画素群Tを配置する。
【0058】
ここで、遮光パネル3の各1画素開口部群Sは、水平方向に隣接する2つ開口部32,32と、2つの開口部32,32の間で2つの開口部32,32と垂直方向において開口部32の1つ分離れた開口部32とにより構成される。
【0059】
以上のように、各画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する三角形状(同図に示すY11〜Y43)に配置されている3つのサブ画素群Tのうち、2つのサブ画素群Tに対して他の画素グループの3つのサブ画素データ群のいずれかを表示するサブ画素群Tを挟んで配置されるサブ画素群Tを1つのサブ画素群Tとして用いる。従って、各画素グループの3つのサブ画素データ群を表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素群Tの垂直方向における間隔を広げることができる。つまり、1画素データを表示する三角形状に配置されている3つのサブ画素は、水平方向に対する間隔を広げることができる。従って、遮光パネル3の各1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光は、観察者100の16の各視点位置においてバランスの良い三角形状に位置する。これにより、合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した際における表示バランスの低下を抑制することができ、一度に表示する視差画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【0060】
また、16の視差画像から生成された合成画像データ10をディスプレイ2で表示する場合、画像処理装置4は、画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、ディスプレイ2において一方向および直交方向を除いた他方向に連続して隣接する上記3つのサブ画素群T(16のサブ画素から構成される)によりそれぞれ表示できるように配列することで合成画像データ10を生成しても良い。例えば、画素グループの3つのサブ画素データ群をそれぞれ表示する3つのサブ画素群Tを水平方向において最短距離で垂直方向に連続して隣接する3つのサブ画素群Tとする。例えば、図13に示すように、第11画素グループの第1サブ画素データ群(A11Rサブ画素データ、…P11Rサブ画素データ)を表示するサブ画素群T、第2サブ画素データ群(A11Gサブ画素データ、…P11Gサブ画素データ)を表示するサブ画素群T、第3サブ画素データ群(A11Bサブ画素データ、…P11Bサブ画素データ)を表示するサブ画素群Tを水平方向において最短距離で垂直方向に連続して隣接する3つのサブ画素群Tとする。
【0061】
ここで、遮光パネル3の各1画素開口部群Sは、他方向において最短距離で垂直方向に連続して隣接する3つ開口部32,32,32により構成される。
【0062】
以上のように、各画素グループの3つのサブ画素データ群を他方向に直線形状(同図に示すZ11〜Y25)に配置されている3つのサブ画素群Tで表示する。つまり、1画素データを構成する3つのサブ画素を他方向に直線状に表示することができる。従って、遮光パネル3の各1画素開口部群Sを通過するサブ画素群Tの各サブ画素の光は、観察者100の16の各視点位置においてバランスの良い直線状に位置する。これにより、合成画像データを生成するための視差画像の数が増加した際における表示バランスの低下を抑制することができ、一度に表示する視差画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる画像表示装置は、複数の単一画像を観察者の観察位置ごとに表示する画像表示装置に有用であり、特に、一度に表示する単一画像の数が増加しても、観察者が視認する画像の画質の低下を抑制するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明にかかる画像表示装置の構成例を示す図である。
【図2】ディスプレイの構成例を示す図である。
【図3】遮光パネルの構成例を示す図である。
【図4】図3のI−I断面図である。
【図5】サブ画素を示す図である。
【図6】視差画像を示す図である。
【図7】画素グループを示す図である。
【図8】分割サブ画素データ群を示す図である。
【図9】合成画像データを示す図である。
【図10】合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。
【図11】観察者による画像表示装置の視認状態を示す図である。
【図12】他の合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。
【図13】他の合成画像データが表示されたディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像表示装置
2 ディスプレイ(画像データ表示手段)
21 Rサブ画素
22 Gサブ画素
23 Bサブ画素
3 遮光パネル(遮光手段)
31 遮光本体
32 開口部
33 集光レンズ(集光手段)
4 画像処理装置(画像処理手段、配列手段)
5 駆動回路
10 合成画像データ
100 観察者
100a〜100d 観察位置
A〜D 視差画像
A11〜Dnn 画像データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向にRGBの各サブ画素が繰り返し連続して配置され、当該一方向と直交する直交方向に前記RGBのうち同一色のサブ画素が連続して配置される画像データ表示手段と、
前記画像データ表示手段の観察者と当該画像データ表示手段との間に配置され、かつ前記画像データ表示手段の前記一方向に連続するK個のサブ画素からなる1サブ画素群の光を前記観察者側に通過させるとともに、当該1サブ画素群における各サブ画素の光を前記観察者のK個の視点位置のそれぞれ到達させる開口部が複数個形成された遮光手段と、
K枚の単一画像から生成され、かつ前記各サブ画素群における各サブ画素にそれぞれ表示されるK個のサブ画素データからなるサブ画素データ群により構成される合成画像データを画像データ表示手段に表示させる画像処理手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記複数個の開口部は、前記一方向において隣接する前記開口部がKサブ画素分離れた前記サブ画素の光および当該直交方向において最短距離で隣接する当該開口部が当該開口部における一方向に√Kサブ画素分離れたサブ画素の光を前記各視点位置にそれぞれ到達するように形成され、
前記合成画像データは、少なくとも2つ開口部が前記直交方向に異なって位置する3つの開口部で構成される1画素開口部群を通過する各サブ画素の光により、前記各視点位置において前記各単一画像における1つの画素をそれぞれ表示させるように、前記サブ画素データ群を配列して構成されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記1画素開口部群は、前記一方向において隣接する2つ開口部と、当該2つの開口部の間で当該2つの開口部に対して前記直交方向に形成される開口部とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記1画素開口部群は、前記一方向および前記直交方向を除いた他方向において隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記1画素開口部群は、前記他方向において最短距離で連続して隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記開口部の前記直行方向における長さは、前記サブ画素の当該直行方向における長さよりも狭いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記合成画像データは、
各単一画像からRGBのサブ画素データからなる複数の画素データを生成し、
前記各画素データのうち、前記単一画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる複数の画素グループを生成し、
前記各画素グループにおける各サブ画素データを、前記画素データごとの各サブ画素データがそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配されるように3つのサブ画素データ群に分配し、
前記各サブ画素データ群を、それぞれに分配された各サブ画素データの順番が同一となるように生成し、
前記画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、前記各1画素開口部群に対応する3つのサブ画素群に表示できるように配列して構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項7】
少なくとも前記開口部を覆い、かつ前記各サブ画素の光を前記各視点位置に集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項1】
一方向にRGBの各サブ画素が繰り返し連続して配置され、当該一方向と直交する直交方向に前記RGBのうち同一色のサブ画素が連続して配置される画像データ表示手段と、
前記画像データ表示手段の観察者と当該画像データ表示手段との間に配置され、かつ前記画像データ表示手段の前記一方向に連続するK個のサブ画素からなる1サブ画素群の光を前記観察者側に通過させるとともに、当該1サブ画素群における各サブ画素の光を前記観察者のK個の視点位置のそれぞれ到達させる開口部が複数個形成された遮光手段と、
K枚の単一画像から生成され、かつ前記各サブ画素群における各サブ画素にそれぞれ表示されるK個のサブ画素データからなるサブ画素データ群により構成される合成画像データを画像データ表示手段に表示させる画像処理手段と、
を備える画像表示装置であって、
前記複数個の開口部は、前記一方向において隣接する前記開口部がKサブ画素分離れた前記サブ画素の光および当該直交方向において最短距離で隣接する当該開口部が当該開口部における一方向に√Kサブ画素分離れたサブ画素の光を前記各視点位置にそれぞれ到達するように形成され、
前記合成画像データは、少なくとも2つ開口部が前記直交方向に異なって位置する3つの開口部で構成される1画素開口部群を通過する各サブ画素の光により、前記各視点位置において前記各単一画像における1つの画素をそれぞれ表示させるように、前記サブ画素データ群を配列して構成されることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記1画素開口部群は、前記一方向において隣接する2つ開口部と、当該2つの開口部の間で当該2つの開口部に対して前記直交方向に形成される開口部とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記1画素開口部群は、前記一方向および前記直交方向を除いた他方向において隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記1画素開口部群は、前記他方向において最短距離で連続して隣接する3つの開口部により構成されることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記開口部の前記直行方向における長さは、前記サブ画素の当該直行方向における長さよりも狭いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記合成画像データは、
各単一画像からRGBのサブ画素データからなる複数の画素データを生成し、
前記各画素データのうち、前記単一画像に対応する表示位置が同一の画素データからなる複数の画素グループを生成し、
前記各画素グループにおける各サブ画素データを、前記画素データごとの各サブ画素データがそれぞれ異なるサブ画素データ群に分配されるように3つのサブ画素データ群に分配し、
前記各サブ画素データ群を、それぞれに分配された各サブ画素データの順番が同一となるように生成し、
前記画素グループごとの3つのサブ画素データ群を、前記各1画素開口部群に対応する3つのサブ画素群に表示できるように配列して構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項7】
少なくとも前記開口部を覆い、かつ前記各サブ画素の光を前記各視点位置に集光する集光手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−304571(P2008−304571A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149782(P2007−149782)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(592254526)学校法人五島育英会 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(592254526)学校法人五島育英会 (28)
【Fターム(参考)】
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