説明

二次電池の端子

【課題】集電端子と締結端子をそれぞれ形成することで、集電効率および締結力を向上させることが可能な二次電池の端子を提供する。
【解決手段】二次電池のケース内の電極組立体に電気的に接続される集電端子と、集電端子に電気的および機構的に結合される第1固定副材と、第1固定副材に機構的に結合される締結端子と、締結端子に機構的に結合される第2固定副材と、を含んで形成される二次電池の端子が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の端子に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(Rechargeable battery)は、充電が実用的ではない一次電池とは異なり、充電および放電が実用的に可能な電池である。二次電池は、一つのバッテリセルがパックの形で包装された低容量電池の場合、携帯電話およびカムコーダのような携帯可能な小型電池機器に使用されており、バッテリセルが数十個連結された大容量電池の場合、スクータや、ハイブリッド自動車、電気自動車などのモータ駆動用電源として広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的とするところは、集電端子と締結端子をそれぞれ形成することで、集電効率および締結力を向上させることが可能な、新規かつ改良された二次電池の端子を提供することにある。
【0004】
また、本発明の他の目的とするところは、締結端子が下部固定副材にスライディング方式で結合されることで、バスバおよびボルトが締結端子に結合されるとき、締結端子が回転されないようにすることが可能な、新規かつ改良された二次電池の端子を提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の目的とするところは、集電端子を介した電流が相対的に断面積の大きい下部固定副材を介してバスバに伝達されるようにすることで、広い電流の通路を提供し、これによって端子の電気抵抗を減少させることが可能な、新規かつ改良された二次電池の端子を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的とするところは、締結端子および上部固定副材を同種材質の金属で具備し、締結端子と上部固定副材における互いの溶接を容易にし、溶接の強度を向上させることが可能な、新規かつ改良された二次電池の端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、二次電池のケース内の電極組立体に電気的に接続される集電端子と、上記集電端子に電気的および機構的に結合される第1固定副材と、上記第1固定副材に機構的に結合される締結端子と、上記締結端子に機構的に結合される第2固定副材と、を含んで形成される二次電池の端子が提供される。
【0008】
また、上記第2固定副材は、上記第1固定副材と重なって位置されてもよい。
【0009】
また、上記集電端子は、第1固定副材にリベット打ちされてもよい。
【0010】
また、上記第1固定副材は、上記集電端子の領域を貫通する第1貫通ホールを有し、上記第2固定副材は、上記集電端子の領域を貫通する第2貫通ホールを有してもよい。
【0011】
また、上記第1固定副材は、上記第1貫通ホールを有する第1平坦領域と、上記第1貫通ホールを中心にして上記第1平坦領域の両側から延長される第1延長領域と、上記第1延長領域から延長されると共に、互いに対応しながら上記第1貫通ホールを中心に互いに向かう第2延長領域と、を含み、上記第1平坦領域、上記第1延長領域、および上記第2延長領域が共に第1チャンネルを定義してもよい。
【0012】
また、上記締結端子は、上記第1チャンネルに結合される本体と、上記本体から延長されるボルト部とで形成されてもよい。
【0013】
また、上記第2固定副材は、上記第2貫通ホールを有する第2平坦領域と、上記第2貫通ホールを中心にして上記第2平坦領域の両側から延長される第3延長領域と、を含み、上記第2平坦領域および上記第3延長領域が共に第2チャンネルを定義されてもよい。
【0014】
また、上記本体は、上記第2チャンネルに接続され、上記本体が上記第1チャンネルおよび上記第2チャンネルに結合されるとき、上記第1チャンネルおよび上記第2チャンネルによって形成される空間に囲まれて固定されてもよい。
【0015】
また、上記第3延長領域は、上記本体が上記第1チャンネルと上記第2チャンネルに結合されるとき、上記第1平坦領域の対応する両側面に近接してもよい。
【0016】
また、上記第1延長領域と上記第3延長領域とは、上記本体が上記第1チャンネルおよび上記第2チャンネルに結合されるとき、上記本体の4側面に結合されてもよい。
【0017】
また、上記第2固定副材は、上記第2貫通ホールを有する第2平坦領域と、上記第2貫通ホールを中心にして上記第2平坦領域の両側から延長される第3延長領域と、を含み、上記第2平坦領域および上記第3延長領域は、共に第2チャンネルを定義されてもよい。
【0018】
また、上記締結端子は、上記第2チャンネルに結合される本体と、上記本体から延長されるボルト部と、を含んで形成されてもよい。
【0019】
また、上記ボルト部は、上記第2平坦領域に溶接されてもよい。
【0020】
また、上記締結端子は、第2固定副材に溶接されてもよい。
【0021】
また、上記第2固定副材は、上記締結端子を上記第1固定副材に固定させてもよい。
【0022】
また、上記集電端子は、上記第1固定副材を介して上記電極組立体からバスバに電流が流れるようにしてもよい。
【0023】
また、上記第1固定副材は、上記集電端子および上記第1固定副材の接触領域より大きい上記バスバと、上記第1固定副材の接触領域とを介して、上記電流を上記バスバに流れるようにしてもよい。
【0024】
また、上記締結端子および上記第2固定副材は、同じ材質で形成されてもよい。
【0025】
また、上記第1固定副材および上記第2固定副材は、互いに異なる高さで形成されてもよい。
【0026】
また、上記第1固定副材の高さは、上記第2固定副材の高さより高くてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、集電端子と締結端子がそれぞれ形成されることで、集電効率および締結力が向上される。
【0028】
また、本発明によれば、締結端子が下部固定副材にスライディング方式で結合されることで、バスバおよびボルトが締結端子に結合されるとき、締結端子が回転されなくなる。
【0029】
また、本発明によれば、集電端子を介した電流が相対的に断面積の大きい下部固定副材を介してバスバに伝達されることで、さらに広い電流の通路を提供し、これによって端子の電気抵抗を減少させることができる。
【0030】
また、本発明によれば、締結端子および上部固定副材が同種材質の金属で具備されることによって、締結端子と上部固定副材の互いにおける溶接を容易とし、溶接の強度を優秀とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図2】図1のI−I’線に沿って切り取った二次電池を示す断面図である。
【図3】図2に示したAの拡大断面図である。
【図4a】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。
【図4b】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。
【図4c】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。
【図4d】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。
【図4e】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。
【図4f】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る二次電池とバスバの結合方法を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る二次電池の端子とバスバの結合状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
本発明の実施形態に係る二次電池は、多様な形状で製造することができる。本発明の実施形態に係る二次電池の形状としては、例えば、円状や角状が挙げられ、正極板と負極板との間に絶縁体であるセパレータ(separator)を介在して形成された電極組立体と、電解液とを共にケースに受容し、ケースにキャッププレートを設置して構成される。なお、電極組立体には、正極端子および負極端子が接続され、正極端子および負極端子は、キャッププレートを介して外部に露出および突出される。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図2は、図1のI−I’線に沿って切り取られた二次電池を示す断面図である。図3は、図2に示したAの拡大断面図である。
【0035】
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る二次電池は100は、電極組立体110と、第1端子120と、第2端子139と、ケース140と、キャップ組立体150と、を含む。
【0036】
電極組立体110は、例えば、薄い板状または膜状に形成された第1電極板111と、セパレータ113と、第2電極板112との積層体を巻き取るか重ねて形成される。ここで、第1電極板111は負極として動作してもよく、第2電極板112は正極として動作してもよい。もちろん、その反対であってもよい。
【0037】
第1電極板111は、例えば銅やニッケルのような金属ホイルで形成された第1電極集電体に、例えば黒鉛や炭素などの第1電極活物質を塗布することで形成され、第1活物質が塗布されない領域である第1電極無地部111aを含む。第1電極無地部111aは、第1電極板111と第1電極板の外部との間における電流の流れの通路となる。一方、本発明の実施形態において第1電極板111の材質は、上記に限られない。
【0038】
第2電極板112は、例えばアルミニウムのような金属ホイルで形成された第2電極集電体に、例えば遷移金属酸化物などの第2電極活物質を塗布することで形成され、第2活物質が塗布されない領域である第2電極無地部112aを含む。第2電極無地部112aは、第2電極板112と第2電極板の外部との間における電流の流れの通路となる。一方、本発明の実施形態において第2電極板112の材質は、上記に限られない。
【0039】
上記のような第1電極板111および第2電極板112は、極性が異なるようにして配置されてもよい。
【0040】
セパレータ113は、第1電極板111と第2電極板112との間に位置され、ショートを防止すると共にリチウムイオンの移動を可能にする役割を果たす。ここで、セパレータ113としては、例えば、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルムが挙げられる。一方、本発明の実施形態においてセパレータ113の材質は、上記に限られない。
【0041】
上記のような電極組立体110の両側の端部には、第1電極板111および第2電極板112それぞれに電気的に接続される、第1端子120と第2端子130とが結合される。
【0042】
このような電極組立体110は、実質的に電解液と共にケース140に収納される。電解液は、例えば、EC(ethylene carbonate)、PC(propylen carbonate)、DEC(dietyl carbonate)、EMC(ethyl methyl carbonate)またはDMC(dimethyl carbonate)のような有機溶媒に、LiPF6、LiBF4のようなリチウム塩が混ぜ合わされて形成されてもよい。また、電解液は、例えば、液体、固体またはゲル状であってもよい。
【0043】
第1端子120は、例えば主に金属またはその等価物で形成され、第1電極板111と電気的に接続される。第1端子120は、第1集電板121と、第1集電端子122と、第1下部固定副材(または第1固定副材)123と、第1締結端子124および第1上部固定副材(または第2固定副材)125と、を含む。
【0044】
第1集電板121は、電極組立体110の一側端部に突出された第1電極無地部111aと接触される。実質的に、第1集電板121は、第1電極無地部111aに溶接される。第1集電板121は、大略‘┌’の形に形成され、上部には端子ホール121aが形成される。端子ホール121aには、第1集電端子122が差し込まれて結合される。このような第1集電板121は、例えば、銅または銅合金で製造される。なお、このような材質で第1集電板121を限ることはない。
【0045】
第1集電端子122は、後述するキャッププレート151を貫通して上部に一定の長さで突出および延長され、また、キャッププレートの下部から第1集電板121と電気的に接続される。第1集電端子122は、キャッププレート151の上部に一定の長さで突出および延長されると共に、キャッププレート151の下部には、第1集電端子122がキャッププレート151から抜けないよう、側部方向に延長されたフランジ122aが形成されている。第1集電端子122のうちフランジ122aの下部に形成された領域は、第1集電板121の第1端子ホール121dに差し込まれて溶接される。また、第1集電端子122のうちフランジ122aの上部に形成された領域は、第1上部固定副材125に固定される。すなわち、第1集電端子122の上端は、後述する第1下部固定副材123に結合された後、リベット打ちされる。ここで、第1集電端子122は、キャッププレート151と電気的に絶縁される。このような第1集電端子122は、例えば、銅または銅合金およびその等価物のうちから選択されたいずれか一つで製造されてもよい。なお、このような材質で第1集電端子122を限ることはない。
【0046】
第1下部固定副材(または第1固定副材)123は、第1平坦部(または第1平坦領域)123a、第1垂直切曲部(または第1延長領域)123bおよび第1水平切曲部(または第2延長領域)123cを含む。ここで、第1平坦部123a、第1垂直切曲部123bおよび第1水平切曲部123cが、第1チャンネルを定義する。第1平坦部123aは、第1集電端子122が貫通されて結合されるよう、第1通空(または第1貫通空)を有する。第1切曲部123bは、第1平坦部123aの両側から大略上部垂直方向に切曲および延長されて形成される。また、第1水平切曲部123cは、第1垂直切曲部123bの端部から大略内側水平方向に切曲および延長されて形成される。したがって、第1下部固定副材123は、第1平坦部123a、第1垂直切曲部123bおよび第1水平切曲部123cが大略‘U’字の形で形成され、内側に所定の空間(すなわち、第1チャンネル)を形成する。もちろん、上述したように、第1集電端子122は、例えば、第1平坦部123aの第1通空に結合された後、上端がリベット打ちされる。したがって、第1集電端子122と第1下部固定副材123は、電気的および機械的に強く相互結合される。一方、このような第1下部固定副材123は、例えば、ステンレススチール、銅、銅合金およびその等価物のうちから選択されたいずれか一つであってもよく、ここでその材質を限ることはない。さらに、第1下部固定副材123とキャッププレート151とは、互いに絶縁されている。
【0047】
第1締結端子124は、本体124aと、ボルト部124bと、を含む。本体124aは、第1下部固定副材123の第1平坦部123a、第1垂直切曲部123bおよび第1水平切曲部123cによって形成された空間に、例えばスライディング方式で結合される。このような本体124aは、実質的に大略六面体の形を有する。したがって、本体124aは、第1集電端子122および第1下部固定副材123に電気的および機械的に結合される。しかし、第1下部固定副材123は、第1垂直切曲部123bおよび第1水平切曲部123cが互いに対向される二つの方向にだけ形成されているため、本体124aもまた実質的に互いに対向される二つの方向だけが第1下部固定副材123によって拘束される。ボルト部124bは、本体124aから上部方向に一定の長さで突出および延長されており、表面に多数のねじ山が形成されている。一方、このような第1締結端子124は、例えば、ステンレススチール、銅、銅合金およびその等価物のうちから選択されたいずれか一つであってもよく、ここでその材質を限ることはない。
【0048】
第1上部固定副材(または第2固定副材)125は、第1平坦部(または第2平坦領域)125aおよび第1垂直切曲部(または第3延長領域)125bを含む。ここで、第1平坦部125aおよび第1垂直切曲部125bが第2チャンネルを定義する。第1平坦部125aには、第1締結端子124のボルト部124bが貫通されて結合されるよう、第1貫通ホール(または第2貫通ホール)が形成されている。第1垂直切曲部125bは、第1平坦部125aの両側端から大略下部垂直方向に切曲されている。したがって、第1平坦部125aおよび第1垂直切曲部125bは、大略‘∩’字の形で形成され、内側に所定の空間(すなわち、第2チャンネル)を形成する。さらに、第1垂直切曲部125bは、第1締結端子124の本体124aおよび第1下部固定副材123のうち第1平坦部123aに密着されている。すなわち、第1上部固定副材125の第1垂直切曲部125bと第1下部固定副材123の第1垂直切曲部123bとは、互いに重ならない。言い換えると、第1上部固定副材125の第1垂直切曲部125bが4つの辺のうち対向する2つの辺に形成され、第1下部固定副材123の第1垂直切曲部123bが残りの対向する2つの辺に形成される。このようにして、第1下部固定副材123および第1上部固定副材125によって第1締結端子124が完璧に拘束される。一方、このような第1締結端子124は、例えば、ステンレススチール、銅、銅合金およびその等価物のうちから選択されたいずれか一つであってもよく、ここでその材質を限ることはない。また、第1上部固定副材125の第1平坦部123aと第1締結端子124のボルト部124bは、互いに溶接されることもある。図面のうち、溶接部は図面符号126で示されている。さらに、溶接は同じ材質の第1締結端子124と第1上部固定副材125の間に行われるため、溶接が容易であるだけでなく溶接の品質および強度も優れている。
【0049】
第2端子130もまた、例えば主に金属またはその等価物で形成され、第2電極板112と電気的に接続される。第2端子130は、第2集電板131と、第2集電端子132と、第2下部固定副材133と、第2締結端子134と、第2上部固定副材135と、を含む。ここで、第2端子130の形態は第1端子120の形態と同一であってもよい。したがって、その形態に対する説明は省略する。ただし、第2集電板131および第2集電端子132は、例えば主にアルミニウム、アルミニウム合金およびその等価物のうちから選択されたいずれか一つであってもよいが、このような材質で本発明を限ることはない。また、第2下部固定副材133、第2締結端子134および第2上部固定副材135は、例えば主にステンレススチール、アルミニウム、アルミニウム合金およびその等価物のうちから選択されたいずれか一つであってもよく、ここでその材質を限ることはない。
【0050】
また、第2下部固定副材133は、キャッププレート151と電気的に接続されてもよく、したがって後述するキャッププレート151およびケース140は、第2端子130のような極性(例えば正極)を有してもよい。
【0051】
このようにして、本発明の一実施形態では、集電端子122、132と締結端子124、134とが別途に形成される。すなわち、本発明の実施形態に係る二次電池は、電極組立体から電気を集める集電端子122、132と、機構的にバスバが結合される締結端子124、134とが別途に具備される。したがって、本発明の実施形態に係る二次電池では、二次電池の集電効果と締結力が共に向上される。なお、集電端子122、132と締結端子124、134とが別途に形成されるにもかかわらず、集電端子122、132と締結端子124、134の中心軸は同じである。したがって、端子120、130の幅を相対的に小さく維持することができる。
【0052】
さらに、本発明の一実施形態に係る二次電池は、大略‘U’字の形で形成された下部固定副材123、133と、大略‘∩’字の形で形成された上部固定副材125、135とによって締結端子124、134が完璧に拘束されることで、締結端子124、134にバスバを結合した後ナットを締めるとき、締結端子124、134が全く回転しなくなる。したがって、締結端子124、134にナットを強いトルクで締めてもよく、したがってバスバと締結端子の間における締結力が向上される。
【0053】
なお、本発明の一実施形態に係る二次電池では、集電端子122、132を介した電流が相対的に断面積の大きい下部固定副材123、133を介してバスバに伝達されることで、電流の通路が広くなり、したがって端子120、130の電気抵抗が減少する。
【0054】
一方、ケース140は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金またはニッケルがめっきされたスチルのような導電性金属で形成され、電極組立体110、第1端子120および第2端子130が挿入および安着できる開口部が形成された大略六面体の形状で形成される。図2では、ケース140とキャップ組立体150が結合された状態で示されているため開口部が示されていないが、キャップ組立体150の周縁部分が実質的に開放された部分である。一方、ケース140の内面は絶縁処理され、電極組立体110、第1端子120、第2端子130およびキャップ組立体150と絶縁されてもよい。
【0055】
キャップ組立体150は、ケース140に結合される。キャップ組立体150は、具体的にキャッププレート151と、シールガスケット152と、栓153と、安全ベント154と、上部絶縁副材155と、下部絶縁副材145と、を含む。もちろん、シールガスケット152、上部絶縁副材155および下部絶縁副材156は、第1端子120および第2端子130の構成要素としてみなすこともできる。
【0056】
キャッププレート151は、ケース140の開口を密封し、ケース140と同じ材質で形成されてもよい。例えば、キャッププレート151は、レーザ溶接方式でケース140に結合されてもよい。ここで、キャッププレート151は、上述したように第2端子130と同じ極性を有してもよいため、キャッププレート151およびケース140は同じ極性を有してもよい。
【0057】
シールガスケット152は、絶縁性材質で第1種電端子122および第2集電端子132それぞれとキャッププレート151の間に形成され、第1集電端子122および第2集電端子132それぞれとキャッププレート151の間を密封する。このようなシールガスケット152は、外部の水分が二次電池100の内部に浸透しないようにするか、二次電池100の内部に受容された電解液が外部に流出されないようにする。
【0058】
栓153は、キャッププレート151の電解液注入口151aを密封し、安全ベント154は、キャッププレート151のベントホール151bに設置され、設定された圧力で開放されるようにノッチ154aが形成されてもよい。
【0059】
上部絶縁副材155は、第1下部固定副材123および第2下部固定副材133ぞれぞれとキャッププレート151の間に形成される。また、上部絶縁副材155は、キャッププレート151と密着される。なお、上部絶縁副材155は、シールガスケット152にも密着されてもよい。このような上部絶縁副材155は、第1下部固定副材123および第2下部固定副材133それぞれとキャッププレート151を絶縁させる。
【0060】
下部絶縁副材156は、第1集電板121および第2集電板131それぞれとキャッププレート151の間に形成され、不必要な電気的ショートの発生を防止する。すなわち、下部絶縁副材156は、第1集電板121とキャッププレート151の間の短絡(ショート)、そして第2集電板131とキャッププレート151の間の短絡を防止する。さらに、このような下部絶縁副材156は、第1集電端子122と第2集電端子132それぞれとキャッププレートの間にも形成されることで、第1集電端子122と第2集電端子132それぞれとキャッププレート151との間の不必要なショートも防止する。
【0061】
図4a〜図4fは、本発明の一実施形態に係る二次電池の端子の製造方法を示す順次説明図である。以下では、第1端子および第2端子の構造が同じであるため、第1端子を基準に説明する。
【0062】
図4aに示すように、第1集電端子122がキャッププレート151に結合される。もちろん、この際第1集電端子122は、シールガスケット152によってキャッププレート151と電気的に絶縁される。ここで、キャッププレート151の表面には突起151bが形成されており、突起151bは後述する上部絶縁副材155に結合される。
【0063】
図4bに示すように、第1集電端子122に上部絶縁副材155が結合される。言い換えると、上部絶縁副材155に貫通ホール155dが形成されているが、貫通ホール155dに第1集電端子122が貫通されて結合される。
【0064】
もちろん、上部絶縁副材155はキャッププレート151に安着され、また突起151bにも結合される。したがって、上部絶縁副材155は第1集電端子122を中心に回転しない。さらに、第1集電端子122は、依然として上部絶縁副材155を貫通して上部に一定の長さで延長された形態を有する。
【0065】
図4cに示すように、大略‘U’字の形で形成された第1下部固定副材123が第1集電端子122に結合される。言い換えると、第1下部固定副材123のうち第1平坦部123aに貫通ホール123dが形成されているが、貫通ホール123dに第1集電端子122が貫通されて結合される。この際、第1下部固定副材123の第1平坦部123aは、上部絶縁副材155に密着される。したがって、第1下部固定副材123とキャッププレート151とは電気的に絶縁される。
【0066】
さらに、第1集電端子122の上端は、例えばリベット打ちツールによってリベット打ちされる。したがって、第1集電端子122の上端は、第1下部固定副材123のうち第1平坦部123aに電気的にだけでなく、機械的にも完全に固定される。
【0067】
ここで、第1下部固定副材123は、第1平坦部123aの両側に大略上部垂直方向に切曲された第1垂直切曲部123bと、第1垂直切曲部123bから大略内側水平方向に切曲された第1水平切曲部123cと、を含む。したがって、第1下部固定副材123は、第1平坦部123a、第1垂直切曲部123bおよび第1水平切曲部123cが大略‘U’字の形を有し、内部に所定の空間(第1チャンネル)を形成する。なお、空間は、前後方向または左右方向に開放されている。したがって、後述する第1締結端子124は、例えばスライディング方式で第1下部固定副材123に結合されてもよい。
【0068】
図4dに示すように、第1締結端子124が第1下部固定副材123に、例えばスライディング方式で結合される。すなわち、第1下部固定副材123の第1平坦部123a、第1垂直切曲部123bおよび第1水平切曲部123cによって形成された所定の空間に第1締結端子124が側部方向でスライディング方式で結合される。ここで、第1締結端子124は、本体124aと、ボルト部124bと、を含み、実質的に本体124aが第1下部固定副材123に結合される。さらに、ボルト部124bは、第1下部固定副材123の上部方向に一定の長さで突出された形を有する。
【0069】
図4eに示すように、大略‘∩’字の形で形成された第1上部固定副材125が第1締結端子124に結合される。すなわち、第1上部固定副材125のうち第1平坦部125aに形成された貫通ホール125dに第1締結端子124のボルト部124bが結合される。さらに、第1上部固定副材125は、第1平坦部125aから大略下部垂直方向に切曲された第1垂直積極部125bを含み、このような第1垂直切曲部125bが第1締結端子124の本体124aを大略塞ぐ。なお、第1上部固定副材125の第1垂直切曲部125bは、第1下部固定副材123のうち第1平坦部123aの側面も塞ぐ。このようにして、第1締結端子124のうち、特に本体124aは、第1下部固定副材123および第2上部固定副材125によって完璧に拘束され、外力によって回転されない。
【0070】
図4fに示すように、溶接ツールによって第1締結端子124のボルト部124bと第1上部固定副材125の第1平坦部125aが互いに溶接されて固定される。すなわち、第1締結端子124のボルト部124bと第1上部固定副材125の第1平坦部125aの間に溶接領域126が形成される。ここで、第1締結端子124と第1上部固定副材125は、実質的に同じ金属材質であるため、溶接が容易で、また溶接の強度も優秀である。さらに、第1締結端子124の本体124aは、既に第1下部固定副材123および第2上部固定副材125によって完璧に拘束された状態であるため、図4fに示した溶接工程は省略されるか、または最小領域だけにおける溶接も可能である。さらに、図4fでは溶接領域126が大略円形のリングの形で示されているが、このような溶接領域126はいくつかのポイントで形成されてもよい。すなわち、溶接領域は126は、第1締結端子124と第1上部固定副材125とを単に固定させる程度であれば充分であり、非常に大きい強度を要するものではない。
【0071】
図5は、本発明の一実施形態に係る二次電池とバスバの結合方法を示す説明図である。
【0072】
図5に示すように、多数の二次電池100は、導電性バスバ210によって直列または/および並列で接続されてもよい。ここで、バスバ210は両側に貫通ホール210dが形成されており、このような貫通ホール210dに二次電池100に具備された第1締結端子124および第2締結端子134が結合される。さらに、バスバ210を貫通した第1締結端子124および第2締結端子134には、ナット211が強いトルクで結合される。
【0073】
したがって、バスバ210は、第1締結端子124および第2締結端子134にナット211で結合されると共に、第1下部固定副材123および第2下部固定副材133に強く密着される。
【0074】
このようにして、バスバが締結端子にナットを介して強く結合されることで、バスバと締結端子の間における締結力が向上される。なお、集電端子、下部固定副材およびバスバを介して相対的に大きい電流の通路が形成されることで、端子の電気抵抗が小さくなる。
【0075】
図6は、本発明の一実施形態に係る二次電池の端子とバスバの結合状態を示す断面図である。
【0076】
図6に示したように、バスバ210は締結端子124に結合される。すなわち、バスバ210の貫通ホール210dに締結端子124のボルト部124bが結合される。また、バスバ210の上部領域に対応されるボルト部124bにはナット211が結合されることで、バスバ210は下部固定副材123に強く密着される。したがって、集電端子123とバスバ210との間に相対的に断面積が大きい下部固定副材123が介在されることで、電流の通路が増加するし、また接触電気抵抗が減少する。なお、下部固定副材123の高さが上部固定副材125の高さより高いことで、バスバ210は下部固定副材123にだけ強く密着され、不必要に電流の通路が分散されないようにする。
【0077】
また、ナット211は、相対的に強いトルクでボルト部124bに締められてもよい。すなわち、ナット211に強いトルクが適用されても、集電端子122にはどのような悪影響も及ばないためである。言い換えると、ナット211に強いトルクが加えられる場合、強いトルクは全て締結端子124に伝達されるだけであり、このように締結端子124に加えられた強いトルクが集電端子122にまで伝達されない。したがって、従来に比べナット211を強いトルクで締めてもよく、これによってバスバ210と端子120、130の間における組立強度が向上され、したがって振動および衝撃に対する耐性が向上される。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
100 二次電池
110 電極組立体
120 第1端子
121 第1集電板
122 第1集電端子
123 第1下部固定副材
124 第1締結端子
125 第1上部固定副材
130 第2端子
131 第2集電板
132 第2集電端子
133 第2下部固定副材
134 第2締結端子
135 第2上部固定副材
140 ケース
150 キャップ組立体
151 キャッププレート
152 シールガスケット
153 栓
154 安全ベント
155 上部絶縁副材
156 下部絶縁副材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池のケース内の電極組立体に電気的に接続される集電端子と、
前記集電端子に電気的および機構的に結合される第1固定副材と、
前記第1固定副材に機構的に結合される締結端子と、
前記締結端子に機構的に結合される第2固定副材と、
を含んで形成されることを特徴とする、二次電池の端子。
【請求項2】
前記第2固定副材は、前記第1固定副材と重なって位置されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項3】
前記集電端子は、第1固定副材にリベット打ちされることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項4】
前記第1固定副材は、前記集電端子の領域を貫通する第1貫通ホールを有し、
前記第2固定副材は、前記集電端子の領域を貫通する第2貫通ホールを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池の端子。
【請求項5】
前記第1固定副材は、
前記第1貫通ホールを有する第1平坦領域と、
前記第1貫通ホールを中心にして前記第1平坦領域の両側から延長される第1延長領域と、
前記第1延長領域から延長されると共に、互いに対応しながら前記第1貫通ホールを中心に互いに向かう第2延長領域と、
を含み、
前記第1平坦領域、前記第1延長領域、および前記第2延長領域が共に第1チャンネルを定義することを特徴とする、請求項4に記載の二次電池の端子。
【請求項6】
前記締結端子は、
前記第1チャンネルに結合される本体と、
前記本体から延長されるボルト部と、
で形成されることを特徴とする、請求項5に記載の二次電池の端子。
【請求項7】
前記第2固定副材は、
前記第2貫通ホールを有する第2平坦領域と、
前記第2貫通ホールを中心にして前記第2平坦領域の両側から延長される第3延長領域と、
を含み、
前記第2平坦領域および前記第3延長領域が共に第2チャンネルを定義することを特徴とする、請求項6に記載の二次電池の端子。
【請求項8】
前記本体は、前記第2チャンネルに接続され、
前記本体が前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルに結合されるとき、
前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルによって形成される空間に囲まれて固定されることを特徴とする、請求項7に記載の二次電池の端子。
【請求項9】
前記第3延長領域は、
前記本体が前記第1チャンネルと前記第2チャンネルに結合されるとき、
前記第1平坦領域の対応する両側面に近接することを特徴とする、請求項8に記載の二次電池の端子。
【請求項10】
前記第1延長領域と前記第3延長領域とは、
前記本体が前記第1チャンネルおよび前記第2チャンネルに結合されるとき、
前記本体の4側面に結合されることを特徴とする、請求項8に記載の二次電池の端子。
【請求項11】
前記第2固定副材は、
前記第2貫通ホールを有する第2平坦領域と、
前記第2貫通ホールを中心にして前記第2平坦領域の両側から延長される第3延長領域と、
を含み、
前記第2平坦領域および前記第3延長領域は、共に第2チャンネルを定義することを特徴とする、請求項4に記載の二次電池の端子。
【請求項12】
前記締結端子は、
前記第2チャンネルに結合される本体と、
前記本体から延長されるボルト部と、
を含んで形成されることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池の端子。
【請求項13】
前記ボルト部は、前記第2平坦領域に溶接されることを特徴とする、請求項12に記載の二次電池の端子。
【請求項14】
前記締結端子は、第2固定副材に溶接されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項15】
前記第2固定副材は、前記締結端子を前記第1固定副材に固定させることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項16】
前記集電端子は、前記第1固定副材を介して前記電極組立体からバスバに電流が流れるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項17】
前記第1固定副材は、前記集電端子および前記第1固定副材の接触領域より大きい前記バスバと、前記第1固定副材の接触領域とを介して、前記電流を前記バスバに流れるようにすることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池の端子。
【請求項18】
前記締結端子および前記第2固定副材は、同じ材質で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項19】
前記第1固定副材および前記第2固定副材は、互いに異なる高さで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池の端子。
【請求項20】
前記第1固定副材の高さは、前記第2固定副材の高さより高いことを特徴とする、請求項19に記載の二次電池の端子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−94481(P2012−94481A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89272(P2011−89272)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(509139597)エス・ビー リモーティブ 株式会社 (130)
【氏名又は名称原語表記】SB Limotive Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】