説明

二酸化炭素の回収システム及び方法

【課題】二酸化炭素吸収液の再生を確実に行うことができる二酸化炭素の回収システムを提供する。
【解決手段】中圧タービン12から低圧タービン13へ低圧蒸気14Lを送る第1の蒸気ライン21aと、第1の蒸気ライン21aから低圧蒸気14Lを分岐する第2の蒸気ライン21bと、低圧蒸気14Lの開度を100%から0%まで調整する第1の調整弁V1と、第1の調整弁V1の調整に応じて、低圧蒸気14Lの開度を0%から100%まで調整する第2の調整弁V2と、供給される低圧蒸気14Lを用いて動力を回収する第1の補助タービン22Aと、該第1の補助タービン22Aから排出される排出蒸気23をリボイラ24の加熱源として供給する第1の蒸気送給ライン25Lと、ボイラの運転負荷変動に対応して、リボイラ24に供給する排出蒸気23の圧力をリボイラ最適圧力の許容値となるように維持しつつ第1の補助タービン22Aを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムのボイラやスチームタービンの運転負荷変動があった場合においても、二酸化炭素吸収液の再生を確実に行うことができる二酸化炭素の回収システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球の温暖化現象の原因の一つとして、CO2による温室効果が指摘され、地球環境を守る上で国際的にもその対策が急務となってきた。CO2の発生源としては化石燃料を燃焼させるあらゆる人間の活動分野に及び、その排出抑制への要求が一層強まる傾向にある。これに伴い大量の化石燃料を使用する火力発電所などの動力発生設備を対象に、ボイラの燃焼排ガスをアミン系CO2吸収液と接触させ、燃焼排ガス中のCO2を除去、回収する方法及び回収されたCO2を大気へ放出することなく貯蔵する方法が精力的に研究されている。また、前記のようなCO2吸収液を用い、燃焼排ガスからCO2を除去・回収する工程としては、吸収塔において燃焼排ガスとCO2吸収液とを接触させる工程、CO2を吸収した吸収液を再生塔において加熱し、CO2を遊離させると共に吸収液を再生して再び吸収塔に循環して再使用する二酸化炭素の回収システムが採用されている。
【0003】
この二酸化炭素の回収システムにおいては、吸収塔においてガス中に存在する二酸化炭素を吸収液に吸収させ、その後再生塔で加熱することで吸収液から二酸化炭素を分離し、分離した二酸化炭素は別途回収すると共に、再生された吸収液は再度吸収塔で循環利用するものである。
【0004】
ここで、前記再生塔にて二酸化炭素を分離・回収するためには、リボイラにて吸収液を加熱する必要があり、加熱用の所定圧力の蒸気を供給する必要がある。
従来においては、この蒸気を発電所における蒸気の一部を利用して、再生することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−193116号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「エネルギーと地球環境」 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=01-04-01-02
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、化学プラントに併設する二酸化炭素回収設備の場合においては、常に所定の蒸気を取り出すことができるものの、発電所に二酸化炭素回収設備を設置して蒸気を取出す場合には、電力需要に応じて運転負荷が変化するが、このときタービン蒸気の圧力も変動するため、二酸化炭素回収設備のリボイラに安定した圧力条件で蒸気を供給できなくなる、という問題がある。
【0008】
一方、二酸化炭素回収設備向けに用いる蒸気として、蒸気タービンの系統から抜き出すような場合、蒸気の圧力が低下し、例えば中圧タービン最終段の負荷が増大し、強度的問題を生じたり、ボイラ給水ポンプ駆動タービンの出力が不足する等の問題を生ずる。
【0009】
すなわち、電源を供給力の面からみると、一般に大別して、(1)常にほぼ一定の出力で運転を行うベース供給力、(2)電力需要の変動に対応して稼働し、主としてピーク時に必要な供給を行うピーク供給力、(3)両者の中間の役割をもつミドル供給力の三つのタイプに分類されており、ベース供給力は利用率が高くなるので、長期的な経済性及び燃料調達の安定性の両面において優れた電源を、ピーク供給力は年間の利用率が低く負荷追従性が要求されるため、資本費が安く、負荷追従性に優れた電源を、ミドル供給力は両者の中間的な特性を有する電源をそれぞれ充て効率的運用が行われている(非特許文献1参照)。
【0010】
このため、ピーク供給力又はミドル供給力用の発電所においては、ボイラの運転負荷変動があった場合においても、負荷変動を加味して二酸化炭素吸収液の再生を確実に行うことができる二酸化炭素の回収システムの提案が切望されている。また、発電所設置の二酸化炭素回収装置を稼働させる運転モードと、稼働させない運転モードいずれにも対応できるシステムの構築が切望されている。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑み、二酸化炭素回収の有無においても、ボイラ及びスチームタービンの運転負荷変動があった場合においても、二酸化炭素吸収液の再生と発電システムに支障を与えず、且つ発電出力の低下を極力おさえての運用を行うことができる二酸化炭素の回収システム及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンと、これらを駆動する蒸気を発生させるためのボイラと、該ボイラから排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液により吸収除去する二酸化炭素吸収塔と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生し、再生二酸化炭素吸収液とする二酸化炭素再生塔とからなる二酸化炭素回収装置と、前記中圧タービンから低圧タービンへ低圧蒸気を送る第1の蒸気ラインと、第1の蒸気ラインから低圧蒸気を分岐する第2の蒸気ラインと、第1の蒸気ラインに介装され、低圧蒸気の蒸気量の開度を100%から0%まで調整する第1の調整弁と、第2の蒸気ラインに介装され、第1の調整弁の調整に応じて、低圧蒸気の蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第2の調整弁と、第2の蒸気ラインと連結し、供給される低圧蒸気を用いて動力を回収する第1の補助タービンと、該第1の補助タービンから排出される排出蒸気を用いて、前記二酸化炭素再生塔において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生する際に用いるリボイラに加熱源として供給する第1の蒸気送給ラインと、第1の補助タービンからの抽気された低圧蒸気を低圧タービンへ供給する抽気ラインと、ボイラやタービンの運転負荷変動に対応して、前記リボイラに供給する前記排出蒸気の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、第1の調整弁と第2の調整弁とを相互に連動しつつ、二酸化炭素の回収有無のモードにて、100%から0%、0%から100%の開度へと操作して、第1の補助タービンを駆動する制御を行う制御装置とを備えたことを特徴とする二酸化炭素の回収システムにある。
【0013】
第2の発明は、高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンと、これらを駆動する蒸気を発生させるためのボイラと、該ボイラから排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液により吸収除去する二酸化炭素吸収塔と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生し、再生二酸化炭素吸収液とする二酸化炭素再生塔とからなる二酸化炭素回収装置と、前記中圧タービンから低圧タービンへ低圧蒸気を送る第1の蒸気ラインと、第1の蒸気ラインから低圧蒸気を分岐する第2の蒸気ラインと、第1の蒸気ラインから低圧蒸気を分岐する第3の蒸気ラインと、第1の蒸気ラインに介装され、低圧蒸気の蒸気量の開度を100%から0%まで調整する第1の調整弁と、第2の蒸気ラインに介装され、第1の調整弁の調整に応じて、低圧蒸気の蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第2の調整弁と、第3の蒸気ラインに介装され、第2の調整弁の調整に応じて、低圧蒸気の蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第3の調整弁と、第2の蒸気ラインと連結し、供給される低圧蒸気を用いて動力を回収する第1の補助タービンと、該第1の補助タービンから排出される排出蒸気を用いて、前記二酸化炭素再生塔において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生する際に用いるリボイラに加熱源として供給する第1の蒸気送給ラインと、第3の蒸気ラインと連結し、供給される低圧蒸気を用いて動力を回収する第2の補助タービンと、第2の補助タービンから排出された低圧蒸気を低圧タービンへ供給する抽気ラインと、ボイラやタービンの運転負荷変動に対応して、前記リボイラに供給する前記排出蒸気の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、第1の調整弁と第2の調整弁と第3の調整弁とを相互に連動しつつ操作して、第1の補助タービン及び第2の補助タービンを駆動する制御を行う制御装置とを備えたことを特徴とする二酸化炭素の回収システムにある。
【0014】
第3の発明は、高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンと、これらを駆動する蒸気を発生させるためのボイラと、該ボイラから排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液により吸収除去する二酸化炭素吸収塔と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生し、再生二酸化炭素吸収液とする二酸化炭素再生塔とからなる二酸化炭素回収装置と、前記低圧タービンの入口から蒸気を抜出す第1の蒸気抜出しラインと、該第1の蒸気抜出しラインと連結し、抜出した蒸気を用いて動力を回収する第1の補助タービンと、該第1の補助タービンから排出される排出蒸気を用いて、前記二酸化炭素再生塔において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生する際に用いるリボイラに加熱源として供給する第1の蒸気送給ラインと、発電システムのボイラやスチームタービンの運転負荷変動に対応して、前記リボイラに供給する前記排出蒸気の圧力をリボイラ最適許容値となるように維持しつつ第1の補助タービンを駆動する制御を行う制御装置とを備え、中圧タービンの容量が、背圧の低下に伴う負荷の増大に対応できることを特徴とする二酸化炭素の回収システムにある。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、前記第1の蒸気抜出しラインから第1の補助タービンを迂回して、直接リボイラに蒸気を供給するバイパスラインを備えたことを特徴とする二酸化炭素の回収システムにある。
【0016】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、該第1の補助タービン又は第2の補助タービンにより、二酸化炭素の回収システムで使用するポンプ、ブロア及びコンプレッサ用のいずれかの動力を回収することを特徴とする二酸化炭素の回収システムにある。
【0017】
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの二酸化炭素の回収システムを用いて前記二酸化炭素吸収液中に吸収された二酸化炭素を回収することを特徴とする二酸化炭素の回収方法にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発電システムのボイラやスチームタービンの運転負荷変動があった場合においても、負荷変動を加味して二酸化炭素吸収液の再生のためのリボイラ用の蒸気を安定して供給することができ、吸収液の再生を確実に行うことができ、この結果、安定した二酸化炭素の回収を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、二酸化炭素の回収システムの概略図である。
【図2】図2は、実施例における蒸気配管システムの概念図である。
【図3】図3は、実施例における他の蒸気配管システムの概念図である。
【図4】図4は、実施例における他の蒸気配管システムの概念図である。
【図5】図5は、参考例における蒸気配管システムの概念図である。
【図6】図6は、二酸化炭素の回収と低圧蒸気の蒸気圧力との関係を示す図である。
【図7】図7は、発電プラントのシステム負荷に応じて、低圧タービンのヘッダ圧力の圧力曲線、入口圧力の圧力曲線、リボイラ入口圧力の圧力曲線の各々の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0021】
本発明による実施例に係る二酸化炭素の回収システムについて、図面を参照して説明する。図1は、二酸化炭素の回収システムの概略図である。図2は、本実施例における蒸気配管システムの概念図であり、タービンは同軸で同一発電機を駆動するものである。なお、タービンは多軸で異なる発電機を駆動してもよい。
図1及び図2に示すように、本実施例に係る二酸化炭素の回収システムは、高圧タービン11、中圧タービン12及び低圧タービン13と、これらを駆動する蒸気14を発生させるためのボイラ15と、該ボイラ15から排出される燃焼排ガス16中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液17により吸収除去する二酸化炭素吸収塔(吸収塔)18と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液17Aから二酸化炭素を放出して再生し、再生二酸化炭素吸収液17Bとする二酸化炭素再生塔(再生塔)19とからなる二酸化炭素回収装置20と、前記中圧タービン12から低圧タービン13へ低圧蒸気14Lを送る第1の蒸気ライン21aと、第1の蒸気ライン21aから低圧蒸気14Lを分岐する第2の蒸気ライン21bと、第1の蒸気ライン21aに介装され、低圧蒸気14Lの蒸気量の開度を100%から0%まで調整する第1の調整弁V1と、第2の蒸気ライン21bに介装され、第1の調整弁V1の調整に応じて、低圧蒸気14Lの蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第2の調整弁V2と、第2の蒸気ライン21bと連結し、供給される低圧蒸気14Lを用いて動力を回収する第1の補助タービン22Aと、該第1の補助タービン22Aから排出される排出蒸気23を用いて、前記二酸化炭素再生塔19において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液17Aを再生する際に用いるリボイラ24に加熱源として供給する第1の蒸気送給ライン25Lと、第1の補助タービン22Aからの抽気された低圧蒸気14Lを低圧タービン13へ供給する抽気ライン26Lと、ボイラ15やタービン(高圧タービン11、中圧タービン12、低圧タービン13)の運転負荷変動に対応して、前記リボイラ24に供給する前記排出蒸気23の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、第1の調整弁V1と第2の調整弁V2とを相互に連動しつつ二酸化炭素の回収有無のモードにて、100%から0%、0%から100%の開度へと操作して、第1の補助タービン22Aを駆動する制御を行う制御装置とを備えている。
【0022】
ここで、前記二酸化炭素吸収液17は、吸収塔18で二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液(リッチ溶液)17Aと、再生塔19において二酸化炭素を放出して再生された再生二酸化炭素吸収液(リーン溶液)17Bとから構成されており、吸収塔18と再生塔19とを循環再利用するようにしている。
【0023】
図1において、ボイラ15よりの二酸化炭素(CO2)を含んだ燃焼排ガス16はボイラ燃焼排ガス送風機31により昇圧された後、燃焼排ガス冷却器32に送られ、冷却水33aにより冷却され、吸収塔18に送られ、冷却排水33bは系外に放出される。吸収塔18において、燃焼排ガス16は例えばアルカノールアミンをベースとする再生された吸収液17と交流接触し、燃焼排ガス16中のCO2は化学反応により吸収液に吸収される。CO2を除去された燃焼排ガス34は系外へ放出される。
一方、CO2を吸収した吸収液(リッチ溶液)17Aはリッチソルベントポンプ35aにより昇圧され、リッチ/リーンソルベント熱交換器36にて再生された吸収液(リーン溶液)17Bにて加熱され、再生塔19に供給される。
【0024】
再生塔19の下部において、 吸収液はリボイラ24にて供給された排出蒸気(0.33MPa)23Lにて加熱される。水蒸気を伴ったCO2は再生塔19の塔頂部よりオーバーヘッドコンデンサ38へと導かれる。
リボイラ24にて凝縮された低圧蒸気の凝縮水24aはリボイラ復水ポンプ45にて昇圧され、予熱されたボイラ給水43と混合され、ボイラ給水43を昇温する。そして、昇温されたボイラ給水43はボイラ15へ供給される。
再生塔19より放出された水蒸気を伴ったCO2は、低圧給水ポンプ44により昇圧された低圧給水43をオーバーヘッドコンデンサ38により予熱した後、オーバーヘッドクーラ39により冷され、分離器40で水を分離され、CO2は別工程へ導かれて、図示しないコンプレッサにより圧縮され、脱水されパイプライン(図示せず)で送出される。
分離器40により分離された水は凝縮水循環ポンプ41により再生塔19に供給される。吸収液(リーン溶液)17Bはリーンソルベントポンプ35bにて昇圧され、リッチ/リーンソルベント熱交換器36にてCO2を吸収したCO2吸収液(リッチ溶液)17Aにて冷却され、リーンソルベントクーラ37にてさらに冷却されて吸収塔18に供給される。
【0025】
一方、ボイラ15により発生し、加熱された高圧、高温の蒸気14は高圧タービン11を駆動した後、高圧タービン排気としてボイラ15中の再加熱器15aにより再加熱され、再加熱された中圧蒸気14Mとして中圧タービン12、続いて低圧蒸気14Lとして低圧タービン13に送られる。
そして、発電プラントにおいて、二酸化炭素回収を行わない場合には、第1の調整弁V1の開度を100%とし、第2の調整弁V2の開度を0%として、第1の蒸気ライン21aに低圧蒸気14Lを供給し、全量の低圧蒸気14Lを低圧タービン13側に供給するようにしている。
【0026】
次に、発電プラントにおいて、二酸化炭素回収を行う場合には、第1の調整弁V1の開度を100%から0%に調節すると共に、第2の調整弁V2の開度を0%から100%に調節して、第2の蒸気ライン21bに低圧蒸気14Lを切り替える操作を、図示しない制御装置により行い、低圧蒸気14Lの全量を第1の補助タービン22A側に供給するようにしている。
【0027】
そして、発電プラントが100%負荷から80%、75%、50%の負荷に変動した際においても、前記リボイラ24に供給する前記排出蒸気23の圧力は、常にリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持されており、第1の補助タービン22Aからの抽気される低圧蒸気14Lの圧力の変動が生じるだけとなる。
よって、発電システムから二酸化炭素を回収する際に、リボイラ24において必要とする多量の低圧蒸気14Lをスムーズにかつエネルギーロスを少なくして、正常に適用できることとなる。
【0028】
図6は、二酸化炭素の回収と低圧蒸気の蒸気圧力との関係を示す図である。図6に示すように、二酸化炭素の回収が全くない場合には、蒸気圧力1.0MPaの低圧蒸気14Lとして、その全量を第1の蒸気ライン21aにおいて低圧タービン13に供給される。
また、二酸化炭素の回収を行う場合には、常にリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持され、その回収率に応じて、抽気ライン26Lからの抽気された低圧蒸気14Lが低圧タービン13に供給される。
【0029】
図7は、発電プラントのシステム負荷(100%、75%、50%)に応じて、低圧タービンのヘッダ圧力の圧力曲線(I)、入口圧力の圧力曲線(II)、リボイラ入口圧力の圧力曲線(III)の各々の変化を示す図である。
図7に示すように、リボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持されているので、リボイラ入口圧力曲線(III)においては、変化はない。
これに対し、システム負荷が大きくなるにつれて、低圧タービンヘッダ圧力の圧力曲線(I)は、低下する。
このように、低圧タービン13の入口圧力が低下することは、すなわち、中圧タービン12の背圧が低下する。
【0030】
図5は、参考例における蒸気配管システムの概念図である。
図5に示すように、既存の発電プラント設備において、二酸化炭素を回収する際に、二酸化炭素回収設備を設けて、そのリボイラ24用の蒸気を発電プラントから得るような場合には、例えば中圧タービン12から低圧タービン13へ供給される低圧蒸気14Lの一部を抽気することが提案されるが、100%負荷の場合には、十分な蒸気圧力を得ることができるものの、50%負荷の場合には、圧力変動が大きくなり、例えば図5に示すように、第1の蒸気ライン21aに、減圧弁V5を設置して、その圧力変動に対応することも提案できるが、この場合には、減圧弁V5による圧力損失によって、約5%の発電ロスが発生することとなる。なお、符号21dは、圧力が低下した場合に第1の補助タービン22Aを迂回するバイパスラインである。
【0031】
図4は、実施例における他の蒸気配管システムの概念図である。図4に示すように、この圧力変動を解消するためには、中圧タービン12の容量を多くして、その圧力変動を許容すると共に強度が大きなものを用いる必要がある。よって、容量が大きい(断面積が1.0/0.6倍)中圧タービン12を設けることで、50%負荷の場合の圧力変動に対応することができる。
断面積を変更するのは、図7に示すように、低圧タービンヘッダ圧力(=中圧タービン背圧)が100%負荷の場合には、1.0MPaであったものが、50%負荷の場合には、0.6MPaとなるので、背圧の低下に伴う負荷の増大に対応できるように、(100%の際の背圧/50%の際の背圧)の割合を係数としている。
なお、このような中圧タービン12の仕様を変更するのは、既存設備では対応できないものの、新規プラントの場合には対応が可能となる。
【0032】
このように、50%負荷の場合には、低圧タービンヘッダ圧力が激減するので、本発明においては、そのような圧力変動を解消するので、図4に示すような中圧タービン12の容量を大きなものに変更する対策を講じる必要がない、しかも中圧タービン12の容量を既存のまま変更することなく、第1の調整弁V1と第2の調整弁V2との切り替えにより、第1の補助タービン22Aに全量低圧蒸気14Lを供給すると共に、リボイラ24に供給する前記排出蒸気23の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、その余剰の蒸気のみを低圧タービン13に抽気蒸気として供給することで、常に適正な運転が可能となる。
【0033】
このように低圧蒸気14Lの全量を用いて第1の補助タービン22Aで動力を回収する。その後該第1の補助タービン22Aから排出される排出蒸気23を用いて、前記二酸化炭素再生塔19において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液17Aを再生する際に用いるリボイラ24に加熱源として第1の蒸気送給ライン25Lを介して供給する。
【0034】
よって、第1の補助タービン22Aでは、発電システムのボイラ15やスチームタービン(高圧タービン11、中圧タービン12、低圧タービン13)の運転負荷変動に対応して、前記リボイラ24に供給する前記排出蒸気23の圧力をリボイラ最適許容値(例えば0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持しつつ、発電機51を備えた第1の補助タービン22Aの駆動制御を図示しない制御装置により行うようにしている。なお、前記リボイラ最適許容値は一例であり、吸収液組成や再生塔設備等の諸条件により適宜変動する。
【0035】
低圧タービン13からの排気は復水器42にて凝縮され、凝縮水はボイラ給水43としてボイラ給水ポンプ44によりオーバーヘッドコンデンサ38に送られる。
【0036】
なお、CO2を吸収する二酸化炭素吸収液17としては、例えばアミン系吸収液を例示することができ、具体的にはアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミンなど、更にはヒンダードアミン類が例示され、これらの各単独水溶液、あるいはこれらの二以上の混合水溶液をあげることができるが、通常モノエタノールアミン水溶液が好んで用いられる。
【0037】
本実施例に係る二酸化炭素の回収システムについて、図1及び図2の二酸化炭素の回収システムを用いて、実際の負荷に対応して制御する一例の工程について、説明する。
1) 先ず、図示しない制御装置に、現在の発電設備において、二酸化炭素を回収するか否かの情報が入力される。
2) 二酸化炭素を回収しない運転モードの場合には、第1の調整弁V1の開度を100%とし、第2の調整弁V2の開度を0%として、第1の蒸気ライン21aに低圧蒸気14Lを供給して、全量を低圧タービン13に供給するようにしている。
3) その後、発電を継続し、二酸化炭素を回収する運転モードの場合には、制御装置から、第1の調整弁V1の開度を100%から0%に調整する指令と共に、第2の調整弁V2の開度を0%から100%に調整する指令が送られ、第2の蒸気ライン21bに低圧蒸気14Lを供給して、全量を第1の補助タービン22Aに供給し、常にリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持する運転を行い、再生塔19での吸収液の再生を確実としている。
4) 次に、発電プラントが100%負荷から80%、75%、50%の負荷に変動する情報が入力された場合には、運転負荷情報が入力される。
5) 次に、この負荷情報に基づき、図示しない制御装置により第1の補助タービン22Aに供給される低圧タービン13の入口に供給される蒸気14Lの圧力情報が入力されリボイラ24に供給する排出蒸気23Lの圧力をリボイラ最適圧力の許容値(例えば0.33MPa程度)となるように維持しつつ第1の補助タービン22Aを駆動する制御を制御装置により行い、安定した吸収液の再生が可能となる。
【0038】
このように、本実施例によれば、発電プラントが100%負荷から80%、75%、50%の負荷に変動した際においても、前記リボイラ24に供給する前記排出蒸気23の圧力は、常にリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持されており、第1の補助タービン22Aからの抽気される低圧蒸気14の圧力の変動が生じるだけとなり、発電システムからCO2を回収する際に、中圧タービン12を既存の容量のものを用いることができるとともに、リボイラ24において必要とする多量の低圧蒸気14Lをスムーズにかつエネルギーロスを少なくして、正常に適用できることとなる。
【0039】
このように、本発明によれば、発電システムの蒸気システム構成を変更することなく、二酸化炭素回収設備を組み込むことができると共に、低圧タービン入口蒸気を第1の補助タービン22Aにて動力回収することで、発電システムの出力を低減できる。
また、ボイラ15及びスチームタービン(高圧タービン11、中圧タービン12、低圧タービン13)の負荷変動(100%〜50%)があった場合においても、第1の補助タービン22Aからの排出蒸気23の出口圧力を一定に保つように制御することで、プラントの全負荷帯において、二酸化炭素回収設備のリボイラ24に対する最適圧力の許容値(例えば0.33MPa±0.05MPa程度)とすることで、常に安定した吸収液の再生が可能となる。
【0040】
図3は、実施例における他の蒸気配管システムの概念図である。図3においては、補助タービンを2台(22A、22B)設けるようにしている。
図3の二酸化炭素の回収システムは、図1に示す二酸化炭素の回収システムにおいて、さらに、第1の蒸気ライン21aから低圧蒸気14Lを分岐する第3の蒸気ライン21cと、第3の蒸気ライン21cに介装され、第2の調整弁V2の調整に応じて、低圧蒸気14Lの蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第3の調整弁V3と、第2の蒸気ライン21bと連結し、供給される低圧蒸気14Lを用いて動力を回収する第1の補助タービン22Aと、該第1の補助タービン22Aから排出される排出蒸気23を用いて、前記二酸化炭素再生塔19において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液17Aを再生する際に用いるリボイラ24に加熱源として供給する第1の蒸気送給ライン25Lと、第3の蒸気ライン21cと連結し、供給される低圧蒸気14Lを用いて動力を回収する第2の補助タービン22Bと、第2の補助タービン22Bから排出された低圧蒸気14Lを低圧タービン13へ供給する抽気ライン26Lとを備え、ボイラ15やタービン(高圧タービン11、中圧タービン12、低圧タービン13)の運転負荷変動に対応して、前記リボイラ24に供給する前記排出蒸気23の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、第1の調整弁V1と第2の調整弁V2と第3の調整弁V3とを相互に連動しつつ操作して、第1の補助タービン22A及び第2の補助タービン22Bを駆動する制御を行う制御装置とを備えたものである。
【0041】
第1の補助タービン22Aでは、リボイラ24に供給する最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、その余剰の低圧蒸気14Lを第2の補助タービン22Bを用いて、エネルギー回収するようにしている。
【0042】
[試験例]
以下、本発明の効果を示す試験例について、説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
発電能力900MWの石炭焚き火力発電設備に、図1のプロセスを適用した本発明の方法を適用したプロセスの送電量低減率を「表1」に示す。
なお、二酸化炭素を回収しない場合の主機タービン発電出力を基準とした。
基準例1は、100%負荷の場合であり、主機タービン発電出力は912MWである。
また、基準例2は、負荷変動があった(50%負荷)の場合であり、主機タービン発電出力は約半分の454MWである。
比較として、第1の蒸気ライン21aに低圧蒸気14Lを供給し、抜出した低圧蒸気14Lを用いて第1の補助タービン22Aにより動力を回収し、該第1の補助タービン22Aから排出される排出蒸気23をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように第1の補助タービン22Aの運転を制御している。この際、発電システム負荷100%及び50%について、送電出力の減少を確認した。この結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
表1(100%負荷)に示すように、試験例1の場合には、送電出力の減少が比較例1の21.1%に較べて低く、19.0%の減少であった。
表1(50%負荷)に示すように、試験例2の場合には、送電出力の減少が比較例2の25.7%に較べて低く、20.8%の減少であった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明に係る二酸化炭素の回収システム及び方法によれば、ボイラ及びスチームタービンの運転負荷変動があった場合においても、負荷変動を加味して二酸化炭素吸収液の再生のためのリボイラ用の蒸気を安定して供給することができ、発電設備における燃焼排ガス中の二酸化炭素の処理をおこなった吸収液の再生を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0046】
11 高圧タービン
12 中圧タービン
13 低圧タービン
14 蒸気
14L 低圧蒸気
14M 中圧蒸気
15 ボイラ
16 燃焼排ガス
17 二酸化炭素吸収液
17A 二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液(リッチ溶液)
17B 再生二酸化炭素吸収液(リーン溶液)
18 二酸化炭素吸収塔(吸収塔)
19 二酸化炭素再生塔(再生塔)
20 二酸化炭素回収装置
21a 第1の蒸気ライン
21b 第2の蒸気ライン
22A 第1の補助タービン
22B 第2の補助タービン
23 排出蒸気
24 リボイラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンと、
これらを駆動する蒸気を発生させるためのボイラと、
該ボイラから排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液により吸収除去する二酸化炭素吸収塔と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生し、再生二酸化炭素吸収液とする二酸化炭素再生塔とからなる二酸化炭素回収装置と、
前記中圧タービンから低圧タービンへ低圧蒸気を送る第1の蒸気ラインと、
第1の蒸気ラインから低圧蒸気を分岐する第2の蒸気ラインと、
第1の蒸気ラインに介装され、低圧蒸気の蒸気量の開度を100%から0%まで調整する第1の調整弁と、
第2の蒸気ラインに介装され、第1の調整弁の調整に応じて、低圧蒸気の蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第2の調整弁と、
第2の蒸気ラインと連結し、供給される低圧蒸気を用いて動力を回収する第1の補助タービンと、
該第1の補助タービンから排出される排出蒸気を用いて、前記二酸化炭素再生塔において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生する際に用いるリボイラに加熱源として供給する第1の蒸気送給ラインと、
第1の補助タービンからの抽気された低圧蒸気を低圧タービンへ供給する抽気ラインと、
ボイラやタービンの運転負荷変動に対応して、前記リボイラに供給する前記排出蒸気の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、第1の調整弁と第2の調整弁とを相互に連動しつつ、二酸化炭素の回収有無のモードにて、100%から0%、0%から100%の開度へと操作して、第1の補助タービンを駆動する制御を行う制御装置とを備えたことを特徴とする二酸化炭素の回収システム。
【請求項2】
高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンと、
これらを駆動する蒸気を発生させるためのボイラと、
該ボイラから排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液により吸収除去する二酸化炭素吸収塔と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生し、再生二酸化炭素吸収液とする二酸化炭素再生塔とからなる二酸化炭素回収装置と、
前記中圧タービンから低圧タービンへ低圧蒸気を送る第1の蒸気ラインと、
第1の蒸気ラインから低圧蒸気を分岐する第2の蒸気ラインと、
第1の蒸気ラインから低圧蒸気を分岐する第3の蒸気ラインと、
第1の蒸気ラインに介装され、低圧蒸気の蒸気量の開度を100%から0%まで調整する第1の調整弁と、
第2の蒸気ラインに介装され、第1の調整弁の調整に応じて、低圧蒸気の蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第2の調整弁と、
第3の蒸気ラインに介装され、第2の調整弁の調整に応じて、低圧蒸気の蒸気量の開度を0%から100%まで調整する第3の調整弁と、
第2の蒸気ラインと連結し、供給される低圧蒸気を用いて動力を回収する第1の補助タービンと、
該第1の補助タービンから排出される排出蒸気を用いて、前記二酸化炭素再生塔において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生する際に用いるリボイラに加熱源として供給する第1の蒸気送給ラインと、
第3の蒸気ラインと連結し、供給される低圧蒸気を用いて動力を回収する第2の補助タービンと、
第2の補助タービンから排出された低圧蒸気を低圧タービンへ供給する抽気ラインと、
ボイラやタービンの運転負荷変動に対応して、前記リボイラに供給する前記排出蒸気の圧力をリボイラ最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように維持し、第1の調整弁と第2の調整弁と第3の調整弁とを相互に連動しつつ操作して、第1の補助タービン及び第2の補助タービンを駆動する制御を行う制御装置とを備えたことを特徴とする二酸化炭素の回収システム。
【請求項3】
高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンと、
これらを駆動する蒸気を発生させるためのボイラと、
該ボイラから排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収液により吸収除去する二酸化炭素吸収塔と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生し、再生二酸化炭素吸収液とする二酸化炭素再生塔とからなる二酸化炭素回収装置と、
前記低圧タービンの入口から蒸気を抜出す第1の蒸気抜出しラインと、
該第1の蒸気抜出しラインと連結し、抜出した蒸気を用いて動力を回収する第1の補助タービンと、
該第1の補助タービンから排出される排出蒸気を用いて、前記二酸化炭素再生塔において二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液を再生する際に用いるリボイラに加熱源として供給する第1の蒸気送給ラインと、
発電システムのボイラやスチームタービンの運転負荷変動に対応して、前記リボイラに供給する前記排出蒸気の圧力をリボイラ最適許容値となるように維持しつつ第1の補助タービンを駆動する制御を行う制御装置とを備え、
中圧タービンの容量が、背圧の低下に伴う負荷の増大に対応できることを特徴とする二酸化炭素の回収システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1の蒸気抜出しラインから第1の補助タービンを迂回して、直接リボイラに蒸気を供給するバイパスラインを備えたことを特徴とする二酸化炭素の回収システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
該第1の補助タービン又は第2の補助タービンにより、二酸化炭素の回収システムで使用するポンプ、ブロア及びコンプレッサ用のいずれかの動力を回収することを特徴とする二酸化炭素の回収システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つの二酸化炭素の回収システムを用いて前記二酸化炭素吸収液中に吸収された二酸化炭素を回収することを特徴とする二酸化炭素の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−136294(P2011−136294A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298373(P2009−298373)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】