二重係止コネクタ
【課題】 コンタクト収容室の狭ピッチ化を可能としつつ、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現する二重係止コネクタを提供する。
【解決手段】二重係止コネクタ1において、上下2列状のコンタクト収容室13を、左右幅方向に沿って千鳥配置するとともに、ハウジング10のリテーナ装着孔14には、左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間の空間に設けられたハウジング極間壁15に形成された係止部16を備え、リテーナ30が、係止部16に係止される係止アーム35を備えている。
【解決手段】二重係止コネクタ1において、上下2列状のコンタクト収容室13を、左右幅方向に沿って千鳥配置するとともに、ハウジング10のリテーナ装着孔14には、左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間の空間に設けられたハウジング極間壁15に形成された係止部16を備え、リテーナ30が、係止部16に係止される係止アーム35を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトを係止するリテーナがコネクタハウジングの側面から挿入されるサイドリテーナ型の二重係止コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサイドリテーナ型の二重係止コネクタとして、例えば、図15及び図16に示すものが知られている(特許文献1参照)。図15は、従来例の二重係止コネクタの分解斜視図である。図16は、係止アームの係合順を示す要部拡大断面図である。
図15に示す二重係止コネクタ101は、略直方体状のハウジング110と、ハウジング110に取り付けられる複数のコンタクト120と、これらコンタクト120を二重係止するためのリテーナ130とを具備している。
【0003】
ハウジング110の内部には、ハウジング110の複数のコンタクト収容室111が上下2列状にハウジング110の左右幅方向に沿って所定ピッチで設けられている。各コンタクト収容室111は、ハウジング110の左右幅方向と直交する前後方向においてハウジング110を貫通している。そして、ハウジング110の下面には、リテーナ130を挿入するためのリテーナ挿入孔112が設けられている。リテーナ挿入孔112は、ハウジング110のほぼ全幅にわたって開口し、全てのコンタクト収容室111を前後に分断するように高さ方向に沿って穿設されている。また、リテーナ挿入孔112の両端側の最深部には、後述するリテーナ130の係止アーム132の先端部を受け入れる係合溝113が設けられている。リテーナ挿入孔112における両係合溝113寄りであって前後に対向する孔壁部には、図16に示すように、複数の係止突部114a,114b,114cが設けられている。具体的には、リテーナ挿入孔112の後側の孔壁部において最も浅い位置に位置した係止突部114aと、リテーナ挿入孔112の前側の孔壁部において係止突部114aよりも深い位置に位置した2つの係止突部114b,114cとが設けられている。
【0004】
各コンタクト120は、相手コンタクト(図示せず)を受容する略箱型のリセプタクル部121と、電線Wの芯線を圧着するワイヤバレル122と、電線Wの被覆を圧着するインシュレーションバレル123とを備えている。リセプタクル部121には、下方に延びる1対のスタビライザ部124が設けられている。
また、リテーナ130は、ハウジング110のリテーナ挿入孔112にハウジング110の側方(下方)から挿入される枠状に形成されている。リテーナ130には、ハウジング110の下列のコンタクト収容孔111と整合可能な複数のコンタクト挿通孔131が形成されている。また、リテーナ130の左右幅方向両端部には、1対の係止アーム132が対向して立設されている。各係止アーム132は、ハウジング110への挿入方向に沿ってリテーナ130から突出し、二股状でかつ閉じる方向に変形可能に形成されている。そして、各係止アーム132は、各係止突部114a,114b,114cに対して選択的に係合し、リテーナ130を3つの挿入位置においてハウジング110側へ保持させることができる。
【0005】
また、リテーナ130の上面には、仮係止用突起133及び本係止用突起135が左右に片側2対ずつ、合計4対配置されている。また、仮係止用突起133及び本係止用突起135は、図示はしないが、リテーナ130のコンタクト挿通孔131内にも同様に配置されている。仮係止突起133は、コンタクト120の挿入方向に関して手前側に、本係止突起135はコンタクト120の挿入方向に関して後方に配置されている。各仮係止突起133は、本係止突起135より幅広に形成され、コンタクト120の両スタビライザ部124間よりも広く設定されている。
【0006】
各コンタクト120は、リテーナ130が図16(A)に示す位置にあるときにハウジング110の後方から各コンタクト収容室111内に挿入される。この際、リテーナ130の一方の係止アーム132は係止突部114aに係合されている。そして、リテーナ130を押し込むと、他方の係止アーム132が図16(B)に示すように係止突部114bに係合され、リテーナ130は仮係止位置に保持される。この際に、仮係止突起133がコンタクト収容室111内に若干突出してスタビライザ部124の後側にゆるく係合し、コンタクト120は仮係止の状態になる。仮係止突起133のコンタクト挿入方向後面には傾斜面134が形成されており、未だにコンタクト収容室111内に挿入されていない新たなコンタクト120もこの傾斜面134に沿って挿入できる。
【0007】
そして、リテーナ130を仮係止位置から更に押し込むと、他方の係止アーム132が図16(C)に示すように係止突起114cに係合し、リテーナ130は本係止位置に保持される。この際に、仮係止突起133がスタビライザ部124に対して深く係合し、かつ本係止突起135がコンタクト120に設けられた係止孔(図示せず)内に突入し、コンタクト120は本係止状態となる。このとき、コンタクト120は、リテーナ130の仮係止突起133による一次係止と、本係止突起135による二次係止とにより、抜け止めがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−94230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この図15及び図16に示す従来例の二重係止コネクタにあっては、以下の問題点があった。
即ち、リテーナ130の係止アーム132がリテーナ130の左右幅方向両端部に設置されるとともに、そのリテーナ130の先端部を受け入れる係合溝113がハウジング110の左右幅方向外壁にあるリテーナ挿入孔112の前後方向両端側の最深部に設けられている。また、ハウジング110の左右幅方向外壁にあるリテーナ挿入孔112における両係合溝113寄りであって前後に対向する孔壁部に、リテーナ130の係止アーム132が係合する複数の係止突部114a,114b,114cが設けられている。
【0010】
このため、ハウジング110の強度を保つために係合溝113があるハウジング110の左右幅方向外壁の厚さを厚くすると、二重係止コネクタ101の幅方向の寸法が大きくなってしまうという問題がある。その一方、ハウジング110の左右幅方向外壁の厚さを薄くすると、ハウジング110の強度が低下してしまう問題がある。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンタクト収容室の狭ピッチ化を可能としつつ、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現する二重係止コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る二重係止コネクタは、複数のコンタクトと、各々が前記複数のコンタクトの各々を収容し、左右幅方向に沿って上下2列状に配置された複数のコンタクト収容室を有するハウジングと、前記コンタクトの各々及び/又は前記コンタクト収容室の各々に設けられた一次係止手段と、前記ハウジングに装着され、前記複数のコンタクトの二次係止手段としてのリテーナとを備え、前記ハウジングには、該ハウジングの底側面から開口して前記コンタクト収容室を前後に分断するように形成されたリテーナ装着孔を設け、前記リテーナが、前記ハウジングの底側面の開口から前記リテーナ装着孔に挿入されて前記コンタクト収容室と前記リテーナに設けられたコンタクト挿通孔が整合する仮係止位置と本係止位置とで保持される二重係止コネクタにおいて、前記上下2列状のコンタクト収容室は、前記左右幅方向に沿って千鳥配置されているとともに、前記ハウジングの前記リテーナ装着孔には、左右幅方向で隣接する前記コンタクト収容室間の空間に設けられたハウジング極間壁に形成された係止部を備え、前記リテーナが、前記係止部に係止される係止アームを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明のうち請求項2に係る二重係止コネクタは、請求項1記載の二重係止コネクタにおいて、前記係止アームが仮係止アームであり、前記係止部が仮係止部であり、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止されたときに前記リテーナが前記仮係止位置に保持されることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る二重係止コネクタは、請求項2記載の二重係止コネクタにおいて、前記仮係止アーム及び前記仮係止部が1対設けられ、前記1対の仮係止アームが前記1対の仮係止部に同時に係止されることを特徴としている。
【0013】
また、本発明のうち請求項4に係る二重係止コネクタは、請求項3記載の二重係止コネクタにおいて、前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるときに前記1対の仮係止アーム間に前記コンタクトが配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のうち請求項1に係る二重係止コネクタによれば、リテーナが、ハウジングの底側面の開口からリテーナ装着孔に挿入されて仮係止位置と本係止位置とで保持される二重係止コネクタにおいて、ハウジングのリテーナ装着孔には、左右幅方向で隣接するコンタクト収容室間の空間に設けられたハウジング極間壁に形成された係止部を備え、リテーナが、この係止部に係止される係止アームを備えているので、係止アームはリテーナ装着孔における左右幅方向で隣接するコンタクト収容室間で係止されることになり、係止アームの係止のためにハウジングの左右幅方向外壁を厚くする必要はない。このため、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現することができる。また、上下2列状のコンタクト収容室が、左右幅方向に沿って千鳥配置されているので、コンタクト収容室の狭ピッチ化が可能となる。
【0015】
また、本発明のうち請求項2に係る二重係止コネクタによれば、請求項1記載の二重係止コネクタにおいて、前記係止アームが仮係止アームであり、前記係止部が仮係止部であり、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止されたときに前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるので、仮係止アームの仮係止のためにハウジングの外壁を厚くする必要はなく、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現することができる二重係止コネクタとすることができる。
【0016】
更に、本発明のうち請求項3に係る二重係止コネクタによれば、請求項2記載の二重係止コネクタにおいて、前記仮係止アーム及び前記仮係止部が1対設けられ、前記1対の仮係止アームが前記1対の仮係止部に同時に係止されるので、仮係止時(リテーナが仮係止位置に保持される時)において、リテーナがコンタクトの軸方向の周りに回転せず、コンタクト収容室及びリテーナ挿通孔を確実に整合することができる。
【0017】
また、本発明のうち請求項4に係る二重係止コネクタによれば、請求項3記載の二重係止コネクタにおいて、前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるときに前記1対の仮係止アーム間に前記コンタクトが配置されるので、仮係止時(リテーナが仮係止位置に保持される時)において、1対の仮係止アームがそれらの間のコンタクトにより支持され、コンタクトをコンタクト収容室内に挿入した後においてリテーナが仮係止状態から脱落しない二重係止コネクタとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る二重係止コネクタの実施形態を正面斜め上方側から見た斜視図である。
【図2】図1に示す二重係止コネクタを背面斜め上方側から見た斜視図である。
【図3】図1に示す二重係止コネクタからリテーナを分離した状態を正面斜め上方側から見た斜視図である。
【図4】図1に示す二重係止コネクタからリテーナを分離した状態を背面斜め上方側から見た斜視図である。但し、図4においては、コンタクト及び電線は示されていない。
【図5】図1に示す二重係止コネクタを示し、(A)はリテーナを分離した状態を正面斜め下方側から見た斜視図、(B)はリテーナを二重係止コネクタに挿入途中の状態を正面斜め下方側から見た斜視図である。
【図6】図1に示す二重係止コネクタを示し、(A)はリテーナを分離した状態を背面斜め下方側から見た斜視図、(B)はリテーナを二重係止コネクタに挿入途中の状態を背面斜め下方側から見た斜視図である。
【図7】リテーナが仮係止位置にあるときの二重係止コネクタを示し、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は背面図である。
【図8】図7(B)の8−8線に沿う断面図である。
【図9】図7(C)の9−9線に沿う断面図である。
【図10】図8の10−10線に沿う断面図である。
【図11】リテーナが本係止位置にあるときの二重係止コネクタを示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図12】リテーナが本係止位置にあるときの図7(B)の8−8線に沿う断面図である。
【図13】図11(B)の13−13線に沿う断面図である。
【図14】図12の14−14線に沿う断面図である。
【図15】従来例の二重係止コネクタの分解斜視図である。
【図16】係止アームの係合順を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図14に示す二重係止コネクタ1は、ハウジング10と、ハウジング10に取り付けられた複数のコンタクト(図14参照)20と、リテーナ30とを備えている。
ここで、ハウジング10は、図1に示すように、略直方体状の下段ハウジング部11と、この下段ハウジング部11の上側に位置する略直方体状の上段ハウジング部12とを備えている。下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12は、絶縁性の樹脂を成形することによって一体的に形成される。下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12左右幅方向(図7(A)における左右方向)において互いに対してずれて配置されている。
【0020】
そして、下段ハウジング11及び上段ハウジング部12のそれぞれには、図2、図4、図6乃至図14に示すように、ハウジング10の左右幅方向に沿って各コンタクト20を収容するコンタクト収容室13が複数(本実施形態にあっては上下とも3つずつ)設けられて上下2列状のコンタクト収容室13とされている。上下2列状のコンタクト収容キャビティ13は、ハウジング10の左右幅方向に沿って千鳥配置されている。
【0021】
このように、上下2列状のコンタクト収容室13を左右幅方向に沿って千鳥配置することにより、コンタクト収容室が1列の場合には必要だった隣接するコンタクト収容室間の壁の厚さを考慮しなくてよいので、コンタクト収容室13の左右幅方向の配列ピッチを狭ピッチにすることができる。これにより、コンタクト収容室13内に収容されるコンタクト20の左右幅方向の配列ピッチを狭ピッチにすることができる。
【0022】
更に、下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12の前端面(図14における左端面)には、図1、図3、図5、図6、図7、図9及び図14に示すように、各コンタクト収容室13の左右両側部から前方に延びる複数対の仕切板25が設けられている。各対の仕切板25間には、図示しない相手接続体の板状の相手接触部材を受容するようになっている。相手接触部材としては例えば燃料電池のセルがあげられる。各対の仕切板25の内側面には、図14に示すように、各コンタクト20の接触部22を受容する溝26が設けられている。
【0023】
そして、下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12には、図3乃至図6によく示すように、リテーナ30が装着されるリテーナ装着孔14が形成されている。このリテーナ装着孔14は、ハウジング10を構成する下段ハウジング部11の底側面から開口して各コンタクト収容室13を前後に分断するように形成されている。リテーナ装着孔14には、図8に示すように、左右幅方向で隣接する上列のコンタクト収容室13間の空間に1対のハウジング極間壁15が設けられている。1対のハウジング極間壁15は、上列の3つのコンタクト収容室13のうち真中のコンタクト収容室13を挟むように設けられている。各ハウジング極間壁15は、上段ハウジング部12の上壁から下方に垂下するように形成されている。そして、各ハウジング極間壁15の下端部には、内側(真中のコンタクト収容室13)に向けて突出する仮係止部(請求項1における係止部に相当)16が設けられている。1対の仮係止部16の上下方向の位置は同じ位置に設定され、上列のコンタクト収容室13の下端部よりも若干上の位置である。
【0024】
また、下段ハウジング部11の下列のコンタクト収容室13のうちの一つの下列コンタクト収容室13(本実施形態にあっては図11(B)における最も左側のコンタクト収容室13)には、図11(B)及び図13に示すように、コンタクト収容室13から左右幅方向内側(図11(B)における左側)に延びる本係止用貫通孔19が形成されている。また、図1に示すように、上段ハウジング部12の上面には、相手接続体に係止される片持ち梁状のロックアーム17が設けられている。ロックアーム17には、相手接続体に係止される係止突起18が設けられている。
【0025】
また、各コンタクト20は、図14に示すように、略箱形の基部21と、基部21から前方に延び相手接触部材が接触する接触部22と、基部21から後方に延び、電線Wを圧着接続するための電線接続部23とを備えている。各コンタクト20は、金属板を打ち抜き及び曲げ加工することによって形成される。基部21の両側壁には、コンタクト20がコンタクト収容室13内に収容されたときに、当該コンタクト20をコンタクト収容室13の両側壁に対して一次係止するための1対の一次係止突起(一次係止手段)24が設けられている。また、基部21の後端縁は、二次係止用のスタビライザ部27とされている。また、接触部22は、下側から相手接触部材を受容可能な1対の弾性接触板で構成されている。
【0026】
次に、リテーナ30は、ハウジング10の底側面の開口からリテーナ装着孔14に挿入されてハウジング10に装着される。リテーナ30は、図7乃至図10に示す仮係止位置と図11乃至図14に示す本係止位置の双方でハウジング10に保持される。リテーナ30は、ハウジング10のコンタクト収容室13内に収容されたコンタクト20の二次係止手段として機能する。
【0027】
このリテーナ30は、図3乃至図6に示すように、略直方体形状の基部31を備えている。リテーナ30は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成される。基部31には、下列のコンタクト収容室13に整合する複数のコンタクト挿通孔32が前後方向に貫通するように形成されている。また、リテーナ30は、図3に示すように、複数のコンタクト挿通孔32の下方に位置する複数の下側二次係止部33a,33b,33cと、基部31の上面から上方に突出する複数の上側二次係止部34a,34b,34cとを備えている。下側二次係止部33a,33b,33cは下列のコンタクト収容室13と同一ピッチで配置され、リテーナ30が本係止位置にあるときに図12に示すように下側のコンタクト収容室13内に収容されたコンタクト20を二次的に係止する。上側二次係止部34a,34b,34cは、上列のコンタクト収容室13と同一ピッチで配置され、リテーナ30が本係止位置にあるときに図12に示すように上列のコンタクト収容室13内に収容されたコンタクト20を二次的に係止する。下側二次係止部33a,33b,33c及び上側二次係止部34a,34b,34cは、左右幅方向に沿って千鳥配置されている。
【0028】
また、リテーナ30は、図3乃至図6、及び図8に示すように、1対の仮係止アーム(請求項1における係止アームに相当)35を備えている。これら1対の仮係止アーム35は、真中の上側二次係止部34bを挟んで対向して配置され、それぞれの仮係止アーム35が左右方向に弾性変形可能に構成されている。そして、各仮係止アーム35の先端には、ハウジング10に設けられた各仮係止部16に係止される仮係止突起36が外側に向けて突出形成されている。
【0029】
また、リテーナ30は、図4、図6、図11及び図13に示すように、本係止突起38を備えている。本係止突起38は、図4に示すように、複数のコンタクト挿通孔32のうちの一つのコンタクト挿通孔32(本実施形態にあっては図4における最も左側のコンタクト挿通孔)の下方部においてコンタクト挿通孔32の下方部において後方に延びるように設けられている(図13参照)。本係止突起38は、上下方向において弾性変形可能に構成されている。本係止突起38は、図13に示すように、ハウジング10に設けられた本係止用貫通孔19に入り込んで係止される。
【0030】
なお、リテーナ30の基部31の前面には、図3に示すように、上下方向に延びる複数の案内用突条37bが設けられ、基部31の後面には、図4に示すように、上下方向に延びる一つの案内用突条37aが設けられている。これら案内用突条37bは、図6に示すように、リテーナ30をリテーナ装着孔14に挿入するときに、リテーナ装着孔14の前面に設けられた複数の案内溝39bに嵌入してリテーナ30の挿入を案内する。一方、案内用突条37aは、図5に示すように、リテーナ30をリテーナ装着孔14に挿入するときに、リテーナ装着孔14の後面に設けられた案内溝39aに嵌入してリテーナ30の挿入を案内する。従って、リテーナ30をリテーナ装着孔14に挿入するときにリテーナ30の前後及び左右が案内用突条37a及び案内用溝39a、案内用突条37b及び案内用溝39bによって規制されるから、リテーナ30がリテーナ装着孔14に対して前後逆等の不適切に挿入されることはない。
【0031】
次に、二重係止コネクタ1の組立方法について説明する。
先ず、図3乃至図6に示すように、ハウジング10のリテーナ装着孔14にハウジング10の底面の開口からリテーナ30を挿入し、リテーナ30を図7乃至図10に示す仮係止位置に位置させる。このとき、リテーナ30の1対の仮係止アーム35に設けられた1対の仮係止突起36が、図8に示すように、ハウジング10に設けられた1対の仮係止部16に同時に係止される。そして、1対の仮係止アーム35間にコンタクト20が配置される。仮係止突起36の仮係止動作について説明すると、リテーナ30の挿入初期に仮係止突起36が先ず仮係止部16の下端に当接する。リテーナ30の挿入が進行すると、仮係止突起36が仮係止部16に沿いつつ仮係止アーム35が内方に向けて撓む。さらにリテーナ30の挿入が進行すると、仮係止突起36が元の状態に復元し、仮係止突起36が、仮係止部16に係止されるのである。このとき、本係止突起38は、図9に示すように、ハウジング10の下端面とリテーナ装着孔14とが交差する部分に当接したところでその進行が止まる。
【0032】
次いで、リテーナ30が仮係止位置にあるときに、電線Wを接続した各コンタクト20をハウジング10の後側から各コンタクト収容室13内に挿入する。この際に、図8乃至図10に示すように、ハウジング10の下列のコンタクト収容室13とリテーナ30のコンタクト挿通孔32とが整合し、各コンタクト20はスムーズに下列のコンタクト収容室13内に挿入される。また、上列のコンタクト収容室13については、リテーナ30の上側二次係止部34a,34b,34cが各上列のコンタクト収容室13を塞ぐ位置にはなく、各コンタクト20はスムーズに上列のコンタクト収容室13内に挿入される。すると、各コンタクト20に設けた1対の一次係止突起24が当該コンタクト収容室13の両側壁に対して弱く圧入され、各コンタクト20がハウジング10に一次係止される。
【0033】
最後に、リテーナ30を押し込んで図11乃至図14に示す本係止位置に位置させる。この際に、本係止突起38が、図13に示すように、本係止用貫通孔19に嵌入されて係止される。本係止突起38の本係止動作について説明すると、リテーナ30を仮係止位置から押し込むと、本係止突起38がハウジング10の下端面とリテーナ装着孔14とが交差する部分に沿いつつ下方に撓む。さらにリテーナ30の挿入が進行すると、本係止突起38が当該部分を乗り越えて本係止突起38が元の状態に復元し、係止用貫通孔19に嵌入されて係止されるのである。
【0034】
リテーナ30が本係止位置に位置すると、リテーナ30の下側二次係止部33a,33b,33c及び上側二次係止部34a,34b,34cは、図12乃至図14に示すように、各コンタクト収容キャビティ室13の一部を塞ぐ位置に位置する。これにより、図12乃至図14に示すように、リテーナ30の下側二次係止部33a,33b,33c及び上側二次係止部34a,34b,34cのそれぞれは、上下2列のコンタクト収容室13内に収容された各コンタクト20のスタビライザ部27の後側を二次的に係止する。これにより、二重係止コネクタ1が完成する。
【0035】
本実施形態に係る二重係止コネクタ1によれば、ハウジング10のリテーナ装着孔14には、左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間の空間に設けられたハウジング極間壁15に形成された仮係止部16を備え、リテーナ30が、この仮係止部16に係止される仮係止アーム35を備えている。このため、仮係止アーム35はリテーナ装着孔14における左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間で係止されることになり、仮係止アーム35の仮係止のためにハウジング10の左右幅方向外壁を厚くする必要はない。従って、二重係止コネクタ1の左右幅方向寸法の小型化を実現することができる。また、上下2列状のコンタクト収容室13が、左右幅方向に沿って千鳥配置されているので、コンタクト収容室13の狭ピッチ化が可能となる。
【0036】
なお、リテーナ30の本係止突起38は、複数のコンタクト挿通孔32のうちの一つのコンタクト挿通孔32の下方部において後方に延びるように設けられている。一方、本係止突起38が係止されるハウジング10の本係止用貫通孔19は、下段ハウジング部11の下列コンタクト収容室13のうちの一つの下列コンタクト収容室13から左側(左右幅方向内側)に延びている。このため、本係止突起38及び本係止用貫通孔19が二重係止コネクタ1の左右幅方向寸法の小型化の実現に対して阻害要因となることはない。
【0037】
また、仮係止アーム35及び仮係止部16が1対設けられ、1対の仮係止アーム35が1対の仮係止部16に同時に係止される。このため、仮係止時(リテーナ30が仮係止位置に保持される時)において、リテーナ30が転ばず、すなわちコンタクト20の軸方向の周りに回転せず、コンタクト収容室13及びコンタクト挿通孔32を確実に整合することができる。
【0038】
更に、リテーナ30が仮係止位置に保持されるときに1対の仮係止アーム35間にコンタクト20が配置される。このため、仮係止時において、1対の仮係止アーム35がそれらの間のコンタクト20により支持されて内方への撓みを防止されるので、コンタクト20をコンタクト収容室13内に挿入した後においてリテーナ30が仮係止状態から脱落しない。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、請求項1に規定した「係止アーム」は、仮係止機能のみを有する仮係止アーム35とする場合のみならず、本係止機能をも合わせもったものとしてもよい。この場合、リテーナ30に本係止突起38を、ハウジング10に本係止用貫通孔19を設けずに、たとえば、図12に示す本係止位置の状態において、仮係止アーム35の仮係止部36をハウジング10に設けた本係止部に係止させるようにする。このようにすると、仮係止機能と本係止機能をもった係止アーム35がリテーナ装着孔14における左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間で係止されることになり、係止アームの仮係止および本係止のためにハウジングの左右幅方向外壁を厚くする必要はない。このため、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現することができる。
【0040】
また、一次係止手段として一次係止突起24を各コンタクト20に設けてあるが、各コンタクト収容室13側に各コンタクトを係止する手段、たとえばハウジングランスを設けてもよく、あるいは各コンタクト20と各コンタクト収容室13の双方に設けてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 二重係止コネクタ
10 ハウジング
13 コンタクト収容室
15 ハウジング極間壁
16 仮係止部(係止部)
20 コンタクト
24 一次係止突起(一次係止手段)
30 リテーナ
32 コンタクト挿通孔
35 仮係止アーム(係止アーム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトを係止するリテーナがコネクタハウジングの側面から挿入されるサイドリテーナ型の二重係止コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサイドリテーナ型の二重係止コネクタとして、例えば、図15及び図16に示すものが知られている(特許文献1参照)。図15は、従来例の二重係止コネクタの分解斜視図である。図16は、係止アームの係合順を示す要部拡大断面図である。
図15に示す二重係止コネクタ101は、略直方体状のハウジング110と、ハウジング110に取り付けられる複数のコンタクト120と、これらコンタクト120を二重係止するためのリテーナ130とを具備している。
【0003】
ハウジング110の内部には、ハウジング110の複数のコンタクト収容室111が上下2列状にハウジング110の左右幅方向に沿って所定ピッチで設けられている。各コンタクト収容室111は、ハウジング110の左右幅方向と直交する前後方向においてハウジング110を貫通している。そして、ハウジング110の下面には、リテーナ130を挿入するためのリテーナ挿入孔112が設けられている。リテーナ挿入孔112は、ハウジング110のほぼ全幅にわたって開口し、全てのコンタクト収容室111を前後に分断するように高さ方向に沿って穿設されている。また、リテーナ挿入孔112の両端側の最深部には、後述するリテーナ130の係止アーム132の先端部を受け入れる係合溝113が設けられている。リテーナ挿入孔112における両係合溝113寄りであって前後に対向する孔壁部には、図16に示すように、複数の係止突部114a,114b,114cが設けられている。具体的には、リテーナ挿入孔112の後側の孔壁部において最も浅い位置に位置した係止突部114aと、リテーナ挿入孔112の前側の孔壁部において係止突部114aよりも深い位置に位置した2つの係止突部114b,114cとが設けられている。
【0004】
各コンタクト120は、相手コンタクト(図示せず)を受容する略箱型のリセプタクル部121と、電線Wの芯線を圧着するワイヤバレル122と、電線Wの被覆を圧着するインシュレーションバレル123とを備えている。リセプタクル部121には、下方に延びる1対のスタビライザ部124が設けられている。
また、リテーナ130は、ハウジング110のリテーナ挿入孔112にハウジング110の側方(下方)から挿入される枠状に形成されている。リテーナ130には、ハウジング110の下列のコンタクト収容孔111と整合可能な複数のコンタクト挿通孔131が形成されている。また、リテーナ130の左右幅方向両端部には、1対の係止アーム132が対向して立設されている。各係止アーム132は、ハウジング110への挿入方向に沿ってリテーナ130から突出し、二股状でかつ閉じる方向に変形可能に形成されている。そして、各係止アーム132は、各係止突部114a,114b,114cに対して選択的に係合し、リテーナ130を3つの挿入位置においてハウジング110側へ保持させることができる。
【0005】
また、リテーナ130の上面には、仮係止用突起133及び本係止用突起135が左右に片側2対ずつ、合計4対配置されている。また、仮係止用突起133及び本係止用突起135は、図示はしないが、リテーナ130のコンタクト挿通孔131内にも同様に配置されている。仮係止突起133は、コンタクト120の挿入方向に関して手前側に、本係止突起135はコンタクト120の挿入方向に関して後方に配置されている。各仮係止突起133は、本係止突起135より幅広に形成され、コンタクト120の両スタビライザ部124間よりも広く設定されている。
【0006】
各コンタクト120は、リテーナ130が図16(A)に示す位置にあるときにハウジング110の後方から各コンタクト収容室111内に挿入される。この際、リテーナ130の一方の係止アーム132は係止突部114aに係合されている。そして、リテーナ130を押し込むと、他方の係止アーム132が図16(B)に示すように係止突部114bに係合され、リテーナ130は仮係止位置に保持される。この際に、仮係止突起133がコンタクト収容室111内に若干突出してスタビライザ部124の後側にゆるく係合し、コンタクト120は仮係止の状態になる。仮係止突起133のコンタクト挿入方向後面には傾斜面134が形成されており、未だにコンタクト収容室111内に挿入されていない新たなコンタクト120もこの傾斜面134に沿って挿入できる。
【0007】
そして、リテーナ130を仮係止位置から更に押し込むと、他方の係止アーム132が図16(C)に示すように係止突起114cに係合し、リテーナ130は本係止位置に保持される。この際に、仮係止突起133がスタビライザ部124に対して深く係合し、かつ本係止突起135がコンタクト120に設けられた係止孔(図示せず)内に突入し、コンタクト120は本係止状態となる。このとき、コンタクト120は、リテーナ130の仮係止突起133による一次係止と、本係止突起135による二次係止とにより、抜け止めがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−94230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この図15及び図16に示す従来例の二重係止コネクタにあっては、以下の問題点があった。
即ち、リテーナ130の係止アーム132がリテーナ130の左右幅方向両端部に設置されるとともに、そのリテーナ130の先端部を受け入れる係合溝113がハウジング110の左右幅方向外壁にあるリテーナ挿入孔112の前後方向両端側の最深部に設けられている。また、ハウジング110の左右幅方向外壁にあるリテーナ挿入孔112における両係合溝113寄りであって前後に対向する孔壁部に、リテーナ130の係止アーム132が係合する複数の係止突部114a,114b,114cが設けられている。
【0010】
このため、ハウジング110の強度を保つために係合溝113があるハウジング110の左右幅方向外壁の厚さを厚くすると、二重係止コネクタ101の幅方向の寸法が大きくなってしまうという問題がある。その一方、ハウジング110の左右幅方向外壁の厚さを薄くすると、ハウジング110の強度が低下してしまう問題がある。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンタクト収容室の狭ピッチ化を可能としつつ、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現する二重係止コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る二重係止コネクタは、複数のコンタクトと、各々が前記複数のコンタクトの各々を収容し、左右幅方向に沿って上下2列状に配置された複数のコンタクト収容室を有するハウジングと、前記コンタクトの各々及び/又は前記コンタクト収容室の各々に設けられた一次係止手段と、前記ハウジングに装着され、前記複数のコンタクトの二次係止手段としてのリテーナとを備え、前記ハウジングには、該ハウジングの底側面から開口して前記コンタクト収容室を前後に分断するように形成されたリテーナ装着孔を設け、前記リテーナが、前記ハウジングの底側面の開口から前記リテーナ装着孔に挿入されて前記コンタクト収容室と前記リテーナに設けられたコンタクト挿通孔が整合する仮係止位置と本係止位置とで保持される二重係止コネクタにおいて、前記上下2列状のコンタクト収容室は、前記左右幅方向に沿って千鳥配置されているとともに、前記ハウジングの前記リテーナ装着孔には、左右幅方向で隣接する前記コンタクト収容室間の空間に設けられたハウジング極間壁に形成された係止部を備え、前記リテーナが、前記係止部に係止される係止アームを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明のうち請求項2に係る二重係止コネクタは、請求項1記載の二重係止コネクタにおいて、前記係止アームが仮係止アームであり、前記係止部が仮係止部であり、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止されたときに前記リテーナが前記仮係止位置に保持されることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る二重係止コネクタは、請求項2記載の二重係止コネクタにおいて、前記仮係止アーム及び前記仮係止部が1対設けられ、前記1対の仮係止アームが前記1対の仮係止部に同時に係止されることを特徴としている。
【0013】
また、本発明のうち請求項4に係る二重係止コネクタは、請求項3記載の二重係止コネクタにおいて、前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるときに前記1対の仮係止アーム間に前記コンタクトが配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のうち請求項1に係る二重係止コネクタによれば、リテーナが、ハウジングの底側面の開口からリテーナ装着孔に挿入されて仮係止位置と本係止位置とで保持される二重係止コネクタにおいて、ハウジングのリテーナ装着孔には、左右幅方向で隣接するコンタクト収容室間の空間に設けられたハウジング極間壁に形成された係止部を備え、リテーナが、この係止部に係止される係止アームを備えているので、係止アームはリテーナ装着孔における左右幅方向で隣接するコンタクト収容室間で係止されることになり、係止アームの係止のためにハウジングの左右幅方向外壁を厚くする必要はない。このため、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現することができる。また、上下2列状のコンタクト収容室が、左右幅方向に沿って千鳥配置されているので、コンタクト収容室の狭ピッチ化が可能となる。
【0015】
また、本発明のうち請求項2に係る二重係止コネクタによれば、請求項1記載の二重係止コネクタにおいて、前記係止アームが仮係止アームであり、前記係止部が仮係止部であり、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止されたときに前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるので、仮係止アームの仮係止のためにハウジングの外壁を厚くする必要はなく、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現することができる二重係止コネクタとすることができる。
【0016】
更に、本発明のうち請求項3に係る二重係止コネクタによれば、請求項2記載の二重係止コネクタにおいて、前記仮係止アーム及び前記仮係止部が1対設けられ、前記1対の仮係止アームが前記1対の仮係止部に同時に係止されるので、仮係止時(リテーナが仮係止位置に保持される時)において、リテーナがコンタクトの軸方向の周りに回転せず、コンタクト収容室及びリテーナ挿通孔を確実に整合することができる。
【0017】
また、本発明のうち請求項4に係る二重係止コネクタによれば、請求項3記載の二重係止コネクタにおいて、前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるときに前記1対の仮係止アーム間に前記コンタクトが配置されるので、仮係止時(リテーナが仮係止位置に保持される時)において、1対の仮係止アームがそれらの間のコンタクトにより支持され、コンタクトをコンタクト収容室内に挿入した後においてリテーナが仮係止状態から脱落しない二重係止コネクタとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る二重係止コネクタの実施形態を正面斜め上方側から見た斜視図である。
【図2】図1に示す二重係止コネクタを背面斜め上方側から見た斜視図である。
【図3】図1に示す二重係止コネクタからリテーナを分離した状態を正面斜め上方側から見た斜視図である。
【図4】図1に示す二重係止コネクタからリテーナを分離した状態を背面斜め上方側から見た斜視図である。但し、図4においては、コンタクト及び電線は示されていない。
【図5】図1に示す二重係止コネクタを示し、(A)はリテーナを分離した状態を正面斜め下方側から見た斜視図、(B)はリテーナを二重係止コネクタに挿入途中の状態を正面斜め下方側から見た斜視図である。
【図6】図1に示す二重係止コネクタを示し、(A)はリテーナを分離した状態を背面斜め下方側から見た斜視図、(B)はリテーナを二重係止コネクタに挿入途中の状態を背面斜め下方側から見た斜視図である。
【図7】リテーナが仮係止位置にあるときの二重係止コネクタを示し、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は背面図である。
【図8】図7(B)の8−8線に沿う断面図である。
【図9】図7(C)の9−9線に沿う断面図である。
【図10】図8の10−10線に沿う断面図である。
【図11】リテーナが本係止位置にあるときの二重係止コネクタを示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図12】リテーナが本係止位置にあるときの図7(B)の8−8線に沿う断面図である。
【図13】図11(B)の13−13線に沿う断面図である。
【図14】図12の14−14線に沿う断面図である。
【図15】従来例の二重係止コネクタの分解斜視図である。
【図16】係止アームの係合順を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図14に示す二重係止コネクタ1は、ハウジング10と、ハウジング10に取り付けられた複数のコンタクト(図14参照)20と、リテーナ30とを備えている。
ここで、ハウジング10は、図1に示すように、略直方体状の下段ハウジング部11と、この下段ハウジング部11の上側に位置する略直方体状の上段ハウジング部12とを備えている。下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12は、絶縁性の樹脂を成形することによって一体的に形成される。下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12左右幅方向(図7(A)における左右方向)において互いに対してずれて配置されている。
【0020】
そして、下段ハウジング11及び上段ハウジング部12のそれぞれには、図2、図4、図6乃至図14に示すように、ハウジング10の左右幅方向に沿って各コンタクト20を収容するコンタクト収容室13が複数(本実施形態にあっては上下とも3つずつ)設けられて上下2列状のコンタクト収容室13とされている。上下2列状のコンタクト収容キャビティ13は、ハウジング10の左右幅方向に沿って千鳥配置されている。
【0021】
このように、上下2列状のコンタクト収容室13を左右幅方向に沿って千鳥配置することにより、コンタクト収容室が1列の場合には必要だった隣接するコンタクト収容室間の壁の厚さを考慮しなくてよいので、コンタクト収容室13の左右幅方向の配列ピッチを狭ピッチにすることができる。これにより、コンタクト収容室13内に収容されるコンタクト20の左右幅方向の配列ピッチを狭ピッチにすることができる。
【0022】
更に、下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12の前端面(図14における左端面)には、図1、図3、図5、図6、図7、図9及び図14に示すように、各コンタクト収容室13の左右両側部から前方に延びる複数対の仕切板25が設けられている。各対の仕切板25間には、図示しない相手接続体の板状の相手接触部材を受容するようになっている。相手接触部材としては例えば燃料電池のセルがあげられる。各対の仕切板25の内側面には、図14に示すように、各コンタクト20の接触部22を受容する溝26が設けられている。
【0023】
そして、下段ハウジング部11及び上段ハウジング部12には、図3乃至図6によく示すように、リテーナ30が装着されるリテーナ装着孔14が形成されている。このリテーナ装着孔14は、ハウジング10を構成する下段ハウジング部11の底側面から開口して各コンタクト収容室13を前後に分断するように形成されている。リテーナ装着孔14には、図8に示すように、左右幅方向で隣接する上列のコンタクト収容室13間の空間に1対のハウジング極間壁15が設けられている。1対のハウジング極間壁15は、上列の3つのコンタクト収容室13のうち真中のコンタクト収容室13を挟むように設けられている。各ハウジング極間壁15は、上段ハウジング部12の上壁から下方に垂下するように形成されている。そして、各ハウジング極間壁15の下端部には、内側(真中のコンタクト収容室13)に向けて突出する仮係止部(請求項1における係止部に相当)16が設けられている。1対の仮係止部16の上下方向の位置は同じ位置に設定され、上列のコンタクト収容室13の下端部よりも若干上の位置である。
【0024】
また、下段ハウジング部11の下列のコンタクト収容室13のうちの一つの下列コンタクト収容室13(本実施形態にあっては図11(B)における最も左側のコンタクト収容室13)には、図11(B)及び図13に示すように、コンタクト収容室13から左右幅方向内側(図11(B)における左側)に延びる本係止用貫通孔19が形成されている。また、図1に示すように、上段ハウジング部12の上面には、相手接続体に係止される片持ち梁状のロックアーム17が設けられている。ロックアーム17には、相手接続体に係止される係止突起18が設けられている。
【0025】
また、各コンタクト20は、図14に示すように、略箱形の基部21と、基部21から前方に延び相手接触部材が接触する接触部22と、基部21から後方に延び、電線Wを圧着接続するための電線接続部23とを備えている。各コンタクト20は、金属板を打ち抜き及び曲げ加工することによって形成される。基部21の両側壁には、コンタクト20がコンタクト収容室13内に収容されたときに、当該コンタクト20をコンタクト収容室13の両側壁に対して一次係止するための1対の一次係止突起(一次係止手段)24が設けられている。また、基部21の後端縁は、二次係止用のスタビライザ部27とされている。また、接触部22は、下側から相手接触部材を受容可能な1対の弾性接触板で構成されている。
【0026】
次に、リテーナ30は、ハウジング10の底側面の開口からリテーナ装着孔14に挿入されてハウジング10に装着される。リテーナ30は、図7乃至図10に示す仮係止位置と図11乃至図14に示す本係止位置の双方でハウジング10に保持される。リテーナ30は、ハウジング10のコンタクト収容室13内に収容されたコンタクト20の二次係止手段として機能する。
【0027】
このリテーナ30は、図3乃至図6に示すように、略直方体形状の基部31を備えている。リテーナ30は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成される。基部31には、下列のコンタクト収容室13に整合する複数のコンタクト挿通孔32が前後方向に貫通するように形成されている。また、リテーナ30は、図3に示すように、複数のコンタクト挿通孔32の下方に位置する複数の下側二次係止部33a,33b,33cと、基部31の上面から上方に突出する複数の上側二次係止部34a,34b,34cとを備えている。下側二次係止部33a,33b,33cは下列のコンタクト収容室13と同一ピッチで配置され、リテーナ30が本係止位置にあるときに図12に示すように下側のコンタクト収容室13内に収容されたコンタクト20を二次的に係止する。上側二次係止部34a,34b,34cは、上列のコンタクト収容室13と同一ピッチで配置され、リテーナ30が本係止位置にあるときに図12に示すように上列のコンタクト収容室13内に収容されたコンタクト20を二次的に係止する。下側二次係止部33a,33b,33c及び上側二次係止部34a,34b,34cは、左右幅方向に沿って千鳥配置されている。
【0028】
また、リテーナ30は、図3乃至図6、及び図8に示すように、1対の仮係止アーム(請求項1における係止アームに相当)35を備えている。これら1対の仮係止アーム35は、真中の上側二次係止部34bを挟んで対向して配置され、それぞれの仮係止アーム35が左右方向に弾性変形可能に構成されている。そして、各仮係止アーム35の先端には、ハウジング10に設けられた各仮係止部16に係止される仮係止突起36が外側に向けて突出形成されている。
【0029】
また、リテーナ30は、図4、図6、図11及び図13に示すように、本係止突起38を備えている。本係止突起38は、図4に示すように、複数のコンタクト挿通孔32のうちの一つのコンタクト挿通孔32(本実施形態にあっては図4における最も左側のコンタクト挿通孔)の下方部においてコンタクト挿通孔32の下方部において後方に延びるように設けられている(図13参照)。本係止突起38は、上下方向において弾性変形可能に構成されている。本係止突起38は、図13に示すように、ハウジング10に設けられた本係止用貫通孔19に入り込んで係止される。
【0030】
なお、リテーナ30の基部31の前面には、図3に示すように、上下方向に延びる複数の案内用突条37bが設けられ、基部31の後面には、図4に示すように、上下方向に延びる一つの案内用突条37aが設けられている。これら案内用突条37bは、図6に示すように、リテーナ30をリテーナ装着孔14に挿入するときに、リテーナ装着孔14の前面に設けられた複数の案内溝39bに嵌入してリテーナ30の挿入を案内する。一方、案内用突条37aは、図5に示すように、リテーナ30をリテーナ装着孔14に挿入するときに、リテーナ装着孔14の後面に設けられた案内溝39aに嵌入してリテーナ30の挿入を案内する。従って、リテーナ30をリテーナ装着孔14に挿入するときにリテーナ30の前後及び左右が案内用突条37a及び案内用溝39a、案内用突条37b及び案内用溝39bによって規制されるから、リテーナ30がリテーナ装着孔14に対して前後逆等の不適切に挿入されることはない。
【0031】
次に、二重係止コネクタ1の組立方法について説明する。
先ず、図3乃至図6に示すように、ハウジング10のリテーナ装着孔14にハウジング10の底面の開口からリテーナ30を挿入し、リテーナ30を図7乃至図10に示す仮係止位置に位置させる。このとき、リテーナ30の1対の仮係止アーム35に設けられた1対の仮係止突起36が、図8に示すように、ハウジング10に設けられた1対の仮係止部16に同時に係止される。そして、1対の仮係止アーム35間にコンタクト20が配置される。仮係止突起36の仮係止動作について説明すると、リテーナ30の挿入初期に仮係止突起36が先ず仮係止部16の下端に当接する。リテーナ30の挿入が進行すると、仮係止突起36が仮係止部16に沿いつつ仮係止アーム35が内方に向けて撓む。さらにリテーナ30の挿入が進行すると、仮係止突起36が元の状態に復元し、仮係止突起36が、仮係止部16に係止されるのである。このとき、本係止突起38は、図9に示すように、ハウジング10の下端面とリテーナ装着孔14とが交差する部分に当接したところでその進行が止まる。
【0032】
次いで、リテーナ30が仮係止位置にあるときに、電線Wを接続した各コンタクト20をハウジング10の後側から各コンタクト収容室13内に挿入する。この際に、図8乃至図10に示すように、ハウジング10の下列のコンタクト収容室13とリテーナ30のコンタクト挿通孔32とが整合し、各コンタクト20はスムーズに下列のコンタクト収容室13内に挿入される。また、上列のコンタクト収容室13については、リテーナ30の上側二次係止部34a,34b,34cが各上列のコンタクト収容室13を塞ぐ位置にはなく、各コンタクト20はスムーズに上列のコンタクト収容室13内に挿入される。すると、各コンタクト20に設けた1対の一次係止突起24が当該コンタクト収容室13の両側壁に対して弱く圧入され、各コンタクト20がハウジング10に一次係止される。
【0033】
最後に、リテーナ30を押し込んで図11乃至図14に示す本係止位置に位置させる。この際に、本係止突起38が、図13に示すように、本係止用貫通孔19に嵌入されて係止される。本係止突起38の本係止動作について説明すると、リテーナ30を仮係止位置から押し込むと、本係止突起38がハウジング10の下端面とリテーナ装着孔14とが交差する部分に沿いつつ下方に撓む。さらにリテーナ30の挿入が進行すると、本係止突起38が当該部分を乗り越えて本係止突起38が元の状態に復元し、係止用貫通孔19に嵌入されて係止されるのである。
【0034】
リテーナ30が本係止位置に位置すると、リテーナ30の下側二次係止部33a,33b,33c及び上側二次係止部34a,34b,34cは、図12乃至図14に示すように、各コンタクト収容キャビティ室13の一部を塞ぐ位置に位置する。これにより、図12乃至図14に示すように、リテーナ30の下側二次係止部33a,33b,33c及び上側二次係止部34a,34b,34cのそれぞれは、上下2列のコンタクト収容室13内に収容された各コンタクト20のスタビライザ部27の後側を二次的に係止する。これにより、二重係止コネクタ1が完成する。
【0035】
本実施形態に係る二重係止コネクタ1によれば、ハウジング10のリテーナ装着孔14には、左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間の空間に設けられたハウジング極間壁15に形成された仮係止部16を備え、リテーナ30が、この仮係止部16に係止される仮係止アーム35を備えている。このため、仮係止アーム35はリテーナ装着孔14における左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間で係止されることになり、仮係止アーム35の仮係止のためにハウジング10の左右幅方向外壁を厚くする必要はない。従って、二重係止コネクタ1の左右幅方向寸法の小型化を実現することができる。また、上下2列状のコンタクト収容室13が、左右幅方向に沿って千鳥配置されているので、コンタクト収容室13の狭ピッチ化が可能となる。
【0036】
なお、リテーナ30の本係止突起38は、複数のコンタクト挿通孔32のうちの一つのコンタクト挿通孔32の下方部において後方に延びるように設けられている。一方、本係止突起38が係止されるハウジング10の本係止用貫通孔19は、下段ハウジング部11の下列コンタクト収容室13のうちの一つの下列コンタクト収容室13から左側(左右幅方向内側)に延びている。このため、本係止突起38及び本係止用貫通孔19が二重係止コネクタ1の左右幅方向寸法の小型化の実現に対して阻害要因となることはない。
【0037】
また、仮係止アーム35及び仮係止部16が1対設けられ、1対の仮係止アーム35が1対の仮係止部16に同時に係止される。このため、仮係止時(リテーナ30が仮係止位置に保持される時)において、リテーナ30が転ばず、すなわちコンタクト20の軸方向の周りに回転せず、コンタクト収容室13及びコンタクト挿通孔32を確実に整合することができる。
【0038】
更に、リテーナ30が仮係止位置に保持されるときに1対の仮係止アーム35間にコンタクト20が配置される。このため、仮係止時において、1対の仮係止アーム35がそれらの間のコンタクト20により支持されて内方への撓みを防止されるので、コンタクト20をコンタクト収容室13内に挿入した後においてリテーナ30が仮係止状態から脱落しない。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、請求項1に規定した「係止アーム」は、仮係止機能のみを有する仮係止アーム35とする場合のみならず、本係止機能をも合わせもったものとしてもよい。この場合、リテーナ30に本係止突起38を、ハウジング10に本係止用貫通孔19を設けずに、たとえば、図12に示す本係止位置の状態において、仮係止アーム35の仮係止部36をハウジング10に設けた本係止部に係止させるようにする。このようにすると、仮係止機能と本係止機能をもった係止アーム35がリテーナ装着孔14における左右幅方向で隣接するコンタクト収容室13間で係止されることになり、係止アームの仮係止および本係止のためにハウジングの左右幅方向外壁を厚くする必要はない。このため、コネクタの左右幅方向寸法の小型化を実現することができる。
【0040】
また、一次係止手段として一次係止突起24を各コンタクト20に設けてあるが、各コンタクト収容室13側に各コンタクトを係止する手段、たとえばハウジングランスを設けてもよく、あるいは各コンタクト20と各コンタクト収容室13の双方に設けてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 二重係止コネクタ
10 ハウジング
13 コンタクト収容室
15 ハウジング極間壁
16 仮係止部(係止部)
20 コンタクト
24 一次係止突起(一次係止手段)
30 リテーナ
32 コンタクト挿通孔
35 仮係止アーム(係止アーム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンタクトと、各々が前記複数のコンタクトの各々を収容し、左右幅方向に沿って上下2列状に配置された複数のコンタクト収容室を有するハウジングと、前記コンタクトの各々及び/又は前記コンタクト収容室の各々に設けられた一次係止手段と、前記ハウジングに装着され、前記複数のコンタクトの二次係止手段としてのリテーナとを備え、前記ハウジングには、該ハウジングの底側面から開口して前記コンタクト収容室を前後に分断するように形成されたリテーナ装着孔を設け、前記リテーナが、前記ハウジングの底側面の開口から前記リテーナ装着孔に挿入されて前記コンタクト収容室と前記リテーナに設けられたコンタクト挿通孔が整合する仮係止位置と本係止位置とで保持される二重係止コネクタにおいて、
前記上下2列状のコンタクト収容室は、前記左右幅方向に沿って千鳥配置されているとともに、前記ハウジングの前記リテーナ装着孔には、左右幅方向で隣接する前記コンタクト収容室間の空間に設けられたハウジング極間壁に形成された係止部を備え、
前記リテーナが、前記係止部に係止される係止アームを備えていることを特徴とする二重係止コネクタ。
【請求項2】
前記係止アームが仮係止アームであり、前記係止部が仮係止部であり、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止されたときに前記リテーナが前記仮係止位置に保持されることを特徴とする請求項1記載の二重係止コネクタ。
【請求項3】
前記仮係止アーム及び前記仮係止部が1対設けられ、前記1対の仮係止アームが前記1対の仮係止部に同時に係止されることを特徴とする請求項2記載の二重係止コネクタ。
【請求項4】
前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるときに前記1対の仮係止アーム間に前記コンタクトが配置されることを特徴とする請求項3記載の二重係止コネクタ。
【請求項1】
複数のコンタクトと、各々が前記複数のコンタクトの各々を収容し、左右幅方向に沿って上下2列状に配置された複数のコンタクト収容室を有するハウジングと、前記コンタクトの各々及び/又は前記コンタクト収容室の各々に設けられた一次係止手段と、前記ハウジングに装着され、前記複数のコンタクトの二次係止手段としてのリテーナとを備え、前記ハウジングには、該ハウジングの底側面から開口して前記コンタクト収容室を前後に分断するように形成されたリテーナ装着孔を設け、前記リテーナが、前記ハウジングの底側面の開口から前記リテーナ装着孔に挿入されて前記コンタクト収容室と前記リテーナに設けられたコンタクト挿通孔が整合する仮係止位置と本係止位置とで保持される二重係止コネクタにおいて、
前記上下2列状のコンタクト収容室は、前記左右幅方向に沿って千鳥配置されているとともに、前記ハウジングの前記リテーナ装着孔には、左右幅方向で隣接する前記コンタクト収容室間の空間に設けられたハウジング極間壁に形成された係止部を備え、
前記リテーナが、前記係止部に係止される係止アームを備えていることを特徴とする二重係止コネクタ。
【請求項2】
前記係止アームが仮係止アームであり、前記係止部が仮係止部であり、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止されたときに前記リテーナが前記仮係止位置に保持されることを特徴とする請求項1記載の二重係止コネクタ。
【請求項3】
前記仮係止アーム及び前記仮係止部が1対設けられ、前記1対の仮係止アームが前記1対の仮係止部に同時に係止されることを特徴とする請求項2記載の二重係止コネクタ。
【請求項4】
前記リテーナが前記仮係止位置に保持されるときに前記1対の仮係止アーム間に前記コンタクトが配置されることを特徴とする請求項3記載の二重係止コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−262853(P2010−262853A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113612(P2009−113612)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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