説明

交流/直流変換器用制御装置およびその実施方法

【課題】変換器制御装置を、特に様々な種類の多相回転電気機器に適するように改善し、設置が簡単でかつ安価な、多相回転電気機器に関連する制御装置を提供する。
【解決手段】多相電気機器に関連する電流変換器の制御装置に関し、この制御装置は、マイクロコントローラ20および制御モジュール26を直列に備えている。制御モジュール26は、マイクロコントローラ20から取得する通電角度と、ステータに対するロータの角度位置を表す値とを受け取る。この制御モジュール26は、いわゆる全波動作の場合に、変換器の電力スイッチに与えるコマンドを表すデータと、制御モジュール26において計算する、特定の通電角によって決まるマスク値とを出力として供給する。次いで、これらの2つの信号を、合成して、マスク値に応じて、全波動作または減波動作用になっている制御信号を電力スイッチに供給するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流/直流変換器用制御装置、およびその実施方法に関し、より詳細には、電流変換器を、多相同期回転電気機器と、充電式電池を備える電気エネルギー貯蔵部との間に配置して、多相同期回転電気機器に関連して使用する交流/直流変換器用の制御装置およびその実施方法に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、自動車産業において使用されるオルタネータ兼スタータとして知られている可逆多相機器に適用することができるものである。
【背景技術】
【0003】
本発明において、「多相」という語は、より具体的には、3相または6相の回転電気機器に関して使用するが、2相の回転電気機器、またはより多相で動作する回転電気機器に関しても使用することがある。
【0004】
公知のように、オルタネータ兼スタータは、インダクタを構成するロータと、複数のコイルまたは巻線を支持する多相ステータとを備えている。これらのコイルまたは巻線は、アーマチュアを構成し、一連のトランジスタを備える可逆交流/直流変換器と電力を遣り取りする。この変換器は、充電式電池に接続されている。ステータは、車両構造に固定され、軸によって支持されるロータの周りにある。
【0005】
自動車の電子装置が選択するモードに応じて、オルタネータ兼スタータは、オルタネータモードまたはスタータ/電動機モードで動作することができる。電動機モードにおいて、オルタネータ兼スタータは、車両を確実に始動できるか、または熱機関の始動を補助することができる。すなわち、例えばエンジン加速中などに、一次的にトルクを補助することができる。
【0006】
オルタネータ兼スタータは、具体的には、自動車のエンジンを始動および停止するシステムにおいて使用される。
【0007】
エンジンが停止していない限り、オルタネータ兼スタータは、オルタネータモードで動作する。このモードにおいては、回転電気機器の各相に対するトランジスタを備える可逆交流/直流変換器によって、整流直流電流で車両の電池または他の任意のエネルギー貯蔵部を充電することができる。このオルタネータモードでは、車両の熱機関がオルタネータベルトを介してインダクタロータの軸を回転しており、オルタネータ兼スタータは、インダクタロータの回転運動を、ステータコイルに誘導される電流に変換できる。こうして、可逆交流/直流変換器は、直流電圧を発生して、電気エネルギーを電気機器のネットワークと、電池および/またはエネルギー貯蔵部とに供給できる。
【0008】
エンジンが始動停止システムによって再始動される時、オルタネータ兼スタータは、スタータモードで動作する。前述の電流変換器が、車両の電池、および/またはエネルギー貯蔵部の電力を使用して多相電圧を生成して、オルタネータ兼スタータのステータに供給する。このスタータモードにおいて、オルタネータ兼スタータは、ロータ軸およびオルタネータベルトを介して、車両の熱機関を回転駆動できる電動機を構成する。電池に貯まっているエネルギーは、ロータを回転させる電流をステータに供給するために使用される。ロータに加わるトルク、従ってステータの相に供給される電流は、ステータに対するロータの角度θで示される角度位置の正弦関数である。
【0009】
このトルクを加えるために、制御装置は、公知のやり方で、一連の制御信号を生成して、可逆交流/直流変換器のトランジスタに伝達するようになっている。
【0010】
電流変換器の制御装置については、特許文献1(FR2,932,330)により公知である。この制御装置では、デジタルテーブルは、デジタルワードを格納する複数の記憶場所を備えており、このデジタルワードは、出力として、相数に等しい数のビットを有するバイナリ制御信号を提供して、変換器の電力スイッチの切り替えを命令する。制御装置を、ある多相機器または異なる相数を有する別の機器に迅速に適合させることができるが、そのためには、新しい多相機器のそれぞれに対して、デジタルテーブルを変更する必要がある。この種の装置は、リードオンリメモリ(ROM)で、変換器のトランジスタの制御設定を行うという欠点を有するからである
【0011】
従って、テーブルは、1種類の回転電気機器だけに対応している。大きなデジタルテーブルを備えて、回転電気機器の相数に合わせるために必要なビット数を、このテーブルの出力の中から使用することによって、可変の相数に適合させることができる。しかし、この解決手段は、異なる相順序、または通電角度、すなわち、電力スイッチが使用中である可変の期間、などの回転電気機器個別の他の変化に適合させることができない。
【0012】
まず第1に、非常に柔軟に、かつ制御装置の回路の費用および複雑さを大幅に増加することなく、変換器のトランジスタが180°の全期間オンになる(この場合、180°の動作角と呼ぶ)いわゆる「全波」から通電角を減らした別の動作モードに移行でき、この制御装置を構成する回路を大幅に変更する必要なしに、例えば一式の電子回路基板を別の基板に置換するなどによって、それらを完全に変更する必要さえなしに、要求に応じて信号構成を変更できる必要がある。回路のインダクタンスによって平滑化されている電流は正弦波であり、所与の期間の全てを通して最大電圧を供給している必要はないので、全波制御を、系統的に常に行う必要はない。通電角をより狭い範囲、例えば180°の代わりに120°などにする試みが行われている。その目的は、トルクを最適化して電池の使用を減らすために、最適角度を見つけることである。従来技術では、これには、2つの異なるテーブルの使用を必要としている。すなわち、最大通電角180°を有するコマンド作成専用の第1のテーブルと、前もって決定されるより小さい通電角を有するコマンド作成専用の第2のテーブルの使用とを必要としている。前もって決定されている通電角と同数の通電角を考慮するためには、他のテーブルも、使用する必要がある。
【0013】
さらに、前述のように、本発明においては、「多相」という語は、2相、3相、または6相の回転電気機器、あるいは一般的にn(1より大きい数)に等しい数の相で動作する回転電気機器を、分け隔てなく指す。従って、ある種類の回転電気機器、または別の種類の回転電気機器に適合させるために、この場合、ある構成部品または別の構成部品を物理的に置換する必要もなしに、相数nに関わらず、これら種々の回転電気機器に適合できる必要性もある。相数を変更できる場合、制御される回転電気機器は、多様な相数および相順序を有しうるので、固定の相順序も、望ましくない。相の最大数は、相数より多い数のビットを備えるテーブルを設けることにより、対応することができるが、例えば回転電気機器が6相などの場合、相順序の可能な組み合わせの全てを、1つまたは複数のテーブルの中で提供することは要求が厳しすぎるように思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2,932,330号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記により、本発明の目的は、例えば自動車のオルタネータ兼スタータでの利用において、現在の変換器制御装置を、特に様々な種類の多相回転電気機器に適するように改善し、設置が簡単でかつ安価な、多相回転電気機器に関連する制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このため、第1の重要な特徴においては、交流/直流変換器の制御装置は、マイクロコントローラと制御モジュールとを直列に備え、この制御モジュールは、電気機器の相数に等しい数の制御部を備え、これらの制御部は、第1にマイクロコントローラのnビットのレジスタから取得する通電角度と、第2にステータに対するロータの角度位置を表す値とを受け取る。これらの制御部は、出力として、2つの信号を供給する。すなわち、いわゆる全波動作の場合に変換器の電力スイッチに与えるコマンドを表すデータと、制御部で計算し、特定の通電角によって決まるマスク値とを供給する。次に、制御モジュールは、これらの2つの信号を結合して、マスク値に応じて、全波動作または減波動作を行うように設計されている電力スイッチに制御信号を供給するようになっている。
【0017】
従って、本発明は、装置の電子的アーキテクチャに大きな変更を行う必要なしに、異なる仕様を有する様々な回転電気機器に適応できるアセンブリを提供できる。
【0018】
補完的な特徴において、通電角度は、回転電気機器の動作パラメータに応じて、マイクロコントローラのレジスタにおいて変更されるようになっている動的値である。
【0019】
この制御装置の利点は、コマンドの実施において考慮される通電角が固定されておらず、異なる値と同数のメモリテーブルを追加することなく、例えば速度などに応じて通電角を変更できるので、様々な要求に容易に適合することができ、簡単かつ効率的な変換器制御を低コストで提供することである。
【0020】
本発明の1つの特徴では、制御部は、角度位置を表す値と通電角度から取得する閾値とを比較するようになっている比較器を備え、この比較器は、n−2ビットの比較を行うようになっている。
【0021】
従って、この場合、比較器の規模が縮小されていることから、小型で、多相電気機器での使用時において、収容が容易な制御装置が得られる。
【0022】
本発明の1つの特徴では、比較器は、角度位置を表す値のn−2ビットと、閾値のn−2ビットとを受け取り、出力として、排他的OR論理ゲートに信号を供給する。また、この排他的OR論理ゲートは、入力として、角度位置を表す値の1ビットも受け取るが、このビットは、マスク値を供給するために比較器が受信するビットとは異なっている。一方、全波値は、角度位置を表す値の1ビットから直接取得されるが、このビットは、比較器が受信するビットとも、排他的ORゲートが受信するビットとも異なるものである。
【0023】
閾値は、デジタル加算器を形成する一連の論理ゲートにより、通電角度から取得されるようにすると有利である。閾値は、式:閾値=(通電角度
【数1】

に従って計算され、次いで、マスク値は、式:マスク=
【数2】

閾値)に従って取得される。
【0024】
また、制御モジュールは、制御部のそれぞれの出力部に、「AND」論理ゲートおよび逆変換器を有する結合論理部も備え、全波データとマスク値とを結合して、電力スイッチに制御信号を供給する。
【0025】
このようにして分かったことは、nビットで動作し、かつ論理的に必要な相当たり4つの比較器の代わりに、本発明においては、全ての相に対する通電角を表すn−2ビットの1つの値と、相当たり1つのn−2ビットで動作する比較器とを使用することにより、完全な制御信号を取得することができるということである。
【0026】
さらに、制御装置は、相順序計算モジュールを備え、このモジュールは、出力として、制御モジュールにロータの角度位置を表す値を供給するようになっている。相数に等しい数の加算器が、マイクロコントローラから位相オフセット値をそれぞれ受け取り、それを、ステータに対するロータの角度位置の調節値に加算する。
【0027】
本発明の別の利点は、次のようなものである。本発明より前は、電気接続を用いて、セラミックにおいてテーブルをトランジスタに接続することは、相順序の何らかの変更に適合させるために、接続の間の抵抗ブリッジをセラミック上で配線して、相順序を設定していると見なされていた。この種の操作は、構成部品のレベルで(より多くの構成部品、かつ全ての組み合わせに関して)変更をもたらすので、実用的でない。この場合、本発明では、電気接続は、変更されないままである。要求された順序に合わせて、各相の信号を復元する追加の位相シフトは、計算を用いて行われ、もはや物理操作によっては行われない。
【0028】
本発明の1つの特徴においては、制御装置は、相順序計算モジュールとマイクロコントローラとの間に配置されている角度調節モジュールを備え、この角度調節モジュールの加算器は、第1に、角度位置決定モジュールから取得する、ステータに対するロータの位置を表す測定信号と、第2に、マイクロコントローラから取得する、可変位相シフト角度とを受け取り、出力として、ステータに対するロータの角度位置の調節値を供給するようになっている。
【0029】
前述のようにして本発明は、装置の電子的アーキテクチャの大幅な変更を行う必要なしに、それが相順序、相数、それとも必要な通電角度に関するものであろうと、異なる仕様の様々な回転電気機器に適応できるアセンブリを提供するものである。
【0030】
本発明は、フラッシュメモリ内蔵マイクロコントローラ、すなわち読み出し/書き込みメモリで、電源が切られてもデータが消えず、かなりの需要を考慮でき、適切な制御アーキテクチャを下流に設けなければならない特徴を有するメモリ内蔵のマイクロコントローラを提供できる技術的範囲に入るものである。
【0031】
さらに、本発明は、交流/直流変換器を制御する方法に関し、全波基準信号と、通電角度およびステータに対するロータの角度位置の値に基づき、一連の論理ゲートおよび比較器を用いて取得するマスク値との2進数加算を用いて、制御信号を、変換器の電力スイッチに供給する方法である。
【0032】
本発明は、多相同期回転電気機器に関連する交流/直流変換器を備える自動車用のオルタネータ兼スタータに有利に適用できるものである。この回転電気機器は、ロータと、相数に等しい数の巻線で、それらの終端において相互に接続されている巻線を備えるステータとを備えている。交流/直流変換器は、この多相電気機器と充電式電池との間に配置されている。各相に関して、交流/直流変換器は、電池の正端子と負端子との間に配置されているハイサイドおよびローサイドとして知られている直列の2つの電力スイッチのブランチであって、2つの電力スイッチの間に中点を有するブランチを備え、ハイサイドおよびローサイドの電力スイッチは、この交流/直流変換器の入力部および/または出力部を構成する一方で、巻線の接続端に接続されている。前述のように、電流変換器の制御装置は、変換器の1つのブランチの電力スイッチのそれぞれに合わせた2つの制御信号を出力として供給するようになっている。
【0033】
本発明の他の特徴および利点は、一実施形態についての、次の説明を読むことにより明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】3相である回転電気機器の様々な構成部品と、本発明の一実施形態によるその制御装置との概略図である。
【図2】制御装置の概略図である。
【図3】図2の制御装置の概略図である。
【図4】所与の期間にわたって定められているロータのトルク(図4a)を得るために、回転電気機器のステータに対するロータの角度位置に応じた、いわゆる全波制御(図4b)、マスク値(図4c)、および直列の電力スイッチに対する2つの制御信号(図4dおよび図4e)の変化を示す図を上下に並べた図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明は、特に明記しない限り、本発明の範囲を限定することなく、本発明の好ましい用途に関するものである。すなわち、3相オルタネータ兼スタータ用の交流/直流変換器の制御装置の例に関するものである。
【0036】
図1は、車載の3相オルタネータ兼スタータ装置の概略を示す。
【0037】
システムは、ステータ4およびロータ6を有するオルタネータ兼スタータ2と、可逆交流/直流変換器8と、この変換器用の制御装置10と、ステータに対するロータの角度位置θ決定モジュール12と、電池14とを備えている。
【0038】
この変換器は、半導体整流器のブリッジを形成する電力スイッチ16を備えている。この場合、3相オルタネータ兼スタータなので、変換器は、MOSFETトランジスタにより形成される2つの直列の電力スイッチからなる3つのブランチを備えており、ブランチのそれぞれは、電池の「−」極と「+」極との間に配置されている。これらのトランジスタは、以下では、各ブランチ、従って各相の「ハイサイド」および「ローサイド」と呼ぶことにする。この種の構造は、当業者には公知であるので、さらに説明する必要はないと思う。ブランチの出力の中点18が、ステータのコイルを形成する巻線にそれぞれ接続されているのに対して、ブランチの両端は、車両の電池または他の任意の電気エネルギー貯蔵部の「+」および「−」出力端子に接続されている。
【0039】
オルタネータモードにおいて、オルタネータ兼スタータは、ステータの3つの巻線を通して、3相交流を変換器に供給する。変換器は、ブランチの中点に入る3相交流を、電池の方向に合った直流に変換して、電池を充電する。
【0040】
スタータモードにおいては、可逆変換器から3相電気エネルギーを供給されるのは、オルタネータ兼スタータであり、この場合、可逆変換器は、車両の電池から直流を取得して、3相電流発電モードで動作する。
【0041】
動作モードに応じて、変換器の出力部に供給する電流に生じさせる位相のオフセットを考慮に入れるため、または電流の位相を円滑にするために、電力スイッチは、両方のモードにおいて、制御装置が生成する6つの制御信号SC1〜SC6の適切なシーケンスによって制御される。
【0042】
スタータモードにおいては、半導体構成部品を劣化させるいかなる危険も避けるために、また何にも増して、オルタネータ兼スタータが熱機関を始動させるか、またはそのトルクを補助するようになっている最適なトルクを供給するとともに、電池からできるだけ少ない電流しか引き出さないように、これらの信号を、ステータに対するロータの角度位置θを有して、同期して生成することが重要である。
【0043】
その結果として、整流器ブリッジを正しく動作させるために、ロータの角度位置θを非常に正確に決定することが必要である。このため、ロータ角度位置決定モジュールは、測定した角度位置の瞬間変動を表す信号θ(t)を生成し、この信号を制御装置の入力部に伝達する。この場合、回転電気機器のステータに対して固定しているホール効果センサを使用している。これらのセンサは、センサが検出する回転磁界を表す一連の第1の信号を供給できる。この方法、またはロータの角度位置を高い精度で決定できる他の任意の公知の方法を、同等によく使用できることは理解されると思う。
【0044】
ロータ角度位置決定モジュールは、この角度位置を表す信号θ(t)をその出力部に供給する。この信号は、アナログでもよいが、モジュールがアナログ/デジタル変換回路(図示せず)を備えている場合、デジタルが好ましい。
【0045】
この信号は、制御装置の入力部に伝達され、この制御装置が、可逆交流/直流変換器の切り替え素子の制御信号SC1〜SC6を生成する。
【0046】
図2は、本発明による制御装置の概略を示す。この制御装置は、入力として、この信号θ(t)と、製造業者が記録しているか、または動的に更新されるパラメータとを考慮し、出力として、変換器の電力スイッチの制御信号を提供する。
【0047】
制御装置は、マイクロコントローラ20と、角度調節モジュール22と、相順序計算モジュール24と、制御モジュール26とを連続して備えている。
【0048】
公知のやり方で、マイクロコントローラは、プロセッサと、メモリと、入出力インタフェースとを有する集積回路で構成されている。本発明の装置および方法において、マイクロコントローラは、第1に、クライアントが必要とする種類の回転電気機器、およびアプリケーションに関する入力データを受け取り、第2に、このデータに応じて、マイクロコントローラの様々なレジスタを構成するようになっている。従って、マイクロコントローラは、出力ポートのnビットのレジスタにデータを書き込み、この出力ポートは、通信回線で接続されたデジタル装置を介して外部回路が自由に使えるようにデータを保持する。
【0049】
こうして、マイクロコントローラ20は、回転電気機器の相数に等しいレジスタ数である3つの角度オフセットレジスタ28a〜28cと、必要な通電角を表し、製造業者によって設定されているか、または例えば車両速度などに応じて動的に調節される通電レジスタ30を提供する。通電角が、電力スイッチが電力を供給することになっている位相期間に相当することを思い起こされたい。さらに、マイクロコントローラは、例えば回転電気機器の速度などに応じて決まり、角度決定モジュールが提供するロータの角度位置の信号を、回転電気機器の特定の特徴に適合できる可変位相シフト角32を提供する。
【0050】
角度調節モジュール22は、マイクロコントローラ20と相順序計算モジュール24との間に配置されている加算器34を備えている。加算器は、入力として、マイクロコントローラから取得する可変位相シフト角32と、角度位置決定モジュール12から取得するステータに対するロータの位置を表す信号θ(t)とを受け取る。加算器が出力するデータは、ステータに対するロータの角度位置の調節値35であり、この調節値を使用して、最適な状態で熱機関を再始動することができる。加算器34が出力するこのデータにより、相順序計算モジュール24を制御する。
【0051】
この相順序計算モジュール24は、3つの加算器36を備えている。すなわち、この場合、3相オルタネータ兼スタータである多相電気機器の相数と等しい数である3つの加算器を備えている。これらの加算器は、入力として、角度調節モジュール22から取得する調節値35と、マイクロコントローラ20から取得する角度位相シフトレジスタ28a〜28cとを受け取る。従って、相順序計算モジュール24は、各加算器の出力部に、所与の相に関して、位相シフトおよびオフセットを備える角度位置の再計算値37を提供する。
【0052】
例えば3相回転電気機器に対して、60°、120°または240°などのある角度を加えるか、それとも別の角度を加えるかに応じて、相の順序を変更することができ、最初の開始相に対するデータを収容しているのが、あるブランチか、それとも別のブランチかを確実にすることができる。
【0053】
制御モジュール26は、相順序計算モジュールの加算器36の出力部に配置されている。この制御モジュール26は、それぞれが1つの相に対応する3つの計算部38と、それぞれが1つの計算部の出力部に配置されている3つの結合論理部40とを備えている。
【0054】
各計算部38は、入力として、マイクロコントローラ20のレジスタから取得する通電角度30と、相順序計算モジュール24の加算器から取得する角度位置の再計算値37とを受け取る。以下に説明するように、制御モジュールの各計算部(相当たり1つ)は、この入力データをいわゆる全波制御を表すデータ42およびマスク値44に変換する。これら2種類のデータは、続いて結合され、最終的にトランジスタ用の制御信号SC1〜SC6が取得されるようになっている。
【0055】
図3は、1つの計算部38を示し、この計算部38は、比較器46と、デジタル加算器48を形成する一連の論理ゲートと、排他的ORゲート(XOR)50とを備えている。
【0056】
この計算部は、まず角度位置の再計算値37を受け取る。角度位置の値37は、37b0…37bn-1と符号を付してあるnビットで符号化されている。最初のn−2ビットの37b0…37bn-3は、比較器46に向けられる。角度位置の値37のビット37bn-2は、第1に、比較器46の結果も受け取る論理ゲート50の入力部に宛てられ、第2に、閾値45を求めるためにデジタル加算器48に宛てられる。最後に、角度位置の値37の最上位ビット37bn-1は、逆変換増幅器に直接向けられ、この逆変換増幅器は、全波制御信号42を提供する。こうして、全波制御信号42は、角度位置の値37の最上位ビット37bn-1の補数として直接取得される。
【0057】
比較器46は、入力として、n−2ビットからなる位置のデジタル値と、同様にn−2ビットで符号化されている閾値45とを受け取る。閾値45は、第1に、90°および270°の周期値の周りに作成される信号の対称性を考慮に入れることができる周期的な間隔90°Cで位相期間を符号化するロータの角度位置のビット37bn-2に基づき、第2に、対応する90°Cの間隔の通電角度30を、30b0…30bn-3と符号を付してあるn−2ビットで符号化するレジスタに基づき、デジタル加算器48によって取得される。
【0058】
通電角度は、n−2ビットで符号化されている。この符号化値は、必要な場合にモードを強いるために、補助制御ビットを追加して別に処理される最終値は例外として、90°の変動範囲に相当することは理解しうると思う。マイクロコントローラが、nビットの標準サイズのレジスタを有するので、通電レジスタの残りの2ビットは、そのために使用することができる。
【0059】
この構成においては、ロータの角度位置の下位のn−2ビットを操作する。所与の位置ビットにおいて、ロータの角度位置の値37と閾値45との比較を行い、この比較結果を、ビット37bn-2に示される対称性の値とともに使用して、マスク値44を取得するようになっている。
【0060】
閾値45は、簡易化デジタル加算器48によって取得され、このデジタル加算器48は、第1の一連の排他的ORゲート52と、一連のANDゲート54と、第2の一連の排他的ORゲート56と、NORゲート58とを備えている。
【0061】
論理ゲート58は、通電角度の最下位ビット30b0および角度位置の値のビット37bn-2を受け取り、出力として、一連のANDゲート54に反転バイナリ信号を供給する。
【0062】
第1の一連の論理ゲート52は、それぞれ通電角度のビット30bおよび反転ビット37bn-2を受け取り、出力として、第2の一連の排他的ORゲート56にバイナリデジタル信号を供給する。さらに、これらの排他的ORゲート56はそれぞれ、一連のANDゲート54からそれぞれの出力信号を受け取る。
【0063】
図2に示すように、結合論理部40は、2つの出力信号42および44に基づき、制御モジュールの出力部に、スイッチ、従って、回転電気機器の各相用のハイサイド・トランジスタおよびローサイド・トランジスタ用の、制御信号SCを供給する。図の場合の3相の回転電気機器では、こうして、6つの制御信号を供給する。
【0064】
各結合論理部は、それぞれの計算部の中の1つの計算部の出力部に配置されていて、2つのAND論理ゲート41hおよび42hを備え、これらのAND論理ゲートは、それぞれ、第1にマスク値44から生成された信号と、第2に全波制御データ、もしくはその反転から生成された信号との2つの入力信号に基づいて、制御信号SCを供給する。第1の論理ゲート41hが、全波コマンドデータ42およびマスク値44を受け取るのに対して、第2の論理ゲート42hは、マスク値および反転全波制御データを受け取る。
【0065】
これは、ステータに対するロータのオフセット角度に応じて、かつそれが何であれ通電角度に応じて、すなわち180°に等しいか、それとも特定の値に設定されているか、それとも例えば車両速度などによる動的変数か、などの通電角度に応じて生成される、スイッチ制御信号になる。
【0066】
図4dおよび図4eは、制御装置が供給する制御信号(同じ変換器ブランチのハイサイド・トランジスタ、およびローサイド・トランジスタ用のそれぞれSC1およびSC2)を示す。
【0067】
SC1は、全波制御データ42とマスク値44の論理和から導出されるのに対して、信号SC2は、マスク値44と反転全波制御データ42から導出されるのが分かると思う。
【0068】
マスク値が値「0」を取るとき、すなわち、電力スイッチがオンになるのが望ましくない領域のとき、制御信号SC1もSC2も値「0」を取る。
【0069】
マスク値が値「1」を取る場合、全波制御データも「1」のときに、制御信号SC1は値「1」を取るのに対して、全波制御データが「0」で、従ってその反転値が「1」のとき、SC2は値「1」を取る。
【0070】
図4a〜図4cは、カーブC180(全波動作)およびC120(通電角120°の動作)に対応する、全波制御データ42(図4b)と、マスク値(図4c)とを示す。
【0071】
全波制御データ42がこの形態に設定され、常にこの形態を取るのに対して、マスク値44は、製造業者が決定するパラメータに従って変化し、このパラメータの動的変化をリアルタイムに考慮することができる。
【0072】
図4aは、全波動作を表す第1のカーブC180を示しており、連続する半期間の全部の間、電流が供給されるので、指標「180」を付してある。また、この図4aは、ハイサイドおよびローサイドのスイッチ素子が交番の180°の中の120°だけ導電する、いわゆる「全波」とは異なる減波動作モードの一例を示すカーブC120も示す。正の交番が、例えばハイサイドスイッチなどの、ブランチの電力スイッチ素子の1つが供給する電流を示す(図4dに示す)のに対して、負の交番は、ローサイドスイッチが供給する電流を示す(図4eに示す)。
【0073】
以下に、スタータモード、すなわち車両の電池をオルタネータ兼スタータに関連する電流変換器に電力を供給するために使用する動作モードにおける、車両のオルタネータ兼スタータ使用の範囲内において、変換器がオルタネータ兼スタータ用の位相シフト電流を出力部に生成するのを、制御信号を用いてこの変換器を制御する、本発明による制御装置の実施方法を説明する。
【0074】
これらの相のそれぞれに関して、トランジスタのそれぞれに対して2つの制御信号の対を生成する。この値の対は、当該の例(3相電流)では120°位相シフトされている。
【0075】
ロータの位置についての最初のデータを受け取る。ロータの位置はステータに対して停止しており、この値は、回転電気機器の動的パラメータによって決まる位相シフト値を考慮して調節される。こうして、車両の再始動を最適化するために、ステータに対するロータのタイミングは、回転電気機器自体の特徴に応じて調節される。
【0076】
次いで、この調節値は、制御されるオルタネータ兼スタータの相の順序を再編成するために考慮される。エンジンの再始動の最初の相を制御するのが、例えば信号SC1およびSC2などであるというように、装置から出力する制御信号は、変換器の必要なブランチに確実に対応していなければならない。
【0077】
ステータに対するロータの角度位置が、オフセットまたは位相シフトで、前もって調節されていようと、調節されていなかろうと、全ての場合において、オルタネータ兼スタータを、もはや常に全波モードではなく、可能な減波動作で動作させるために、計算によって、変換器のトランジスタの切り替え時点に相当する閾値を定め、これらの閾値に制御信号を適合させるために、本発明においては、通電角度を有するロータの角度位置データを使用する。
【0078】
以上の記述を読むことにより、本発明が、設定した目的を上手く達成していることがはっきり分かると思う。これについて、ここに完全に要約する必要はない。回転電気機器のデジタル位置、すなわちステータに対するロータの角度位置に基づいて、相当たりの始動位置は、マイクロコントローラが提供するレジスタの中に収容されている角度値をデジタル的に加算することによって作成される。この固定の角度位置は、回転電気機器の相の制御順序を定めることと、それによって1つのセラミック基準値を維持することによって、メカトロニクスを簡単化することの両方を可能にする一方で、ロータとステータとの間の最初のタイミングを調整する。こうして取得される各位相の位置は、変換器のブランチの導電時間を決定する位相に依存する閾値、すなわち各相の電力スイッチの状態と比べられる。
【0079】
本発明の目的は、マイクロコントローラが提供する1つの通電レジスタと、このデータを90°および270°の周期値の周りで対称である閾値への変換を担当する物理装置とを使用して、スイッチの状態を定めるための動的閾値を取得できる一方で、マイクロコントローラがこれらの閾値を計算することを不要にして、マイクロコントローラに負担をかけ過ぎることや、4つの比較器を備えることを避けることができる装置を提供することである。
【0080】
本発明の装置は、電気期間の間、制御を確実に規則的にでき、形態が完全に対称であるとともに、ロータ−ステータのタイミングを維持し、比較器を追加することなく、ソフトウェアの動作を簡略化する。
【0081】
有利なことに、制御モジュールの計算部において、位置の下位のn−2ビットだけの比較を行うので、比較器の規模を縮小する効果がある。
【0082】
有利なことに、論理ゲートによって制御部に形成されるデジタル加算器は、2進法で通電角度および角度位置の値のビットの1つのビットを処理するので、制御部の簡易化した実施形態が提供される。
【0083】
通電角のレジスタは動的であると有利である。すなわち、例えば車両速度などのマイクロコントローラが受け取るデータに適合させるために、必要な通電角度に相当するn−2ビットを有するワードを、多相回転電気機器の使用中に変更することができる。
【0084】
図示していない変形形態において、回転電気機器のデジタル位置に追加される角度値に対して、レジスタを動的に変更するか、または回転電気機器を較正することができる。
【0085】
前述のように、本発明は、3相オルタネータ兼スタータに関連する可逆交流/直流変換器の制御に関する好ましい装置および方法に限定されない。
【0086】
本発明の範囲から逸脱することなく、前述の制御装置にモジュールを追加することができるし、また制御装置からモジュールを取り除くこともできることが理解されると思う。一例として、様々なユニットから導出される値は、この場合は純粋に論理的なものであり、デッドタイムおよび相間の移行を制御できるモジュールについては、本明細書に記載いていないが、設けられてもよい。
【0087】
本発明による制御装置の構成部品が取り付けられている電子基板の構成を変更することなく、本発明は、n相までの様々な回転電気機器に適合することができるので、本発明の範囲から逸脱することなく、本装置は、エンジン(スタータ)モードおよび/またはオルタネータモード(電流源)において、例えば2相、3相、6相等の任意の多相回転機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
4:ステータ
6:ロータ
8:(可逆)交流/直流変換器
10:(可逆)交流/直流変換器用制御装置
12:角度位置決定モジュール
14:電池
16:電力スイッチ
18:中点
20:マイクロコントローラ
22:角度調節モジュール
24:相順序計算モジュール
26:制御モジュール
28:角度オフセットレジスタ
30:通電レジスタ
32:可変位相シフト角
35:調節値
36:加算器
37:角度位置の再計算値
38:計算部、制御部
40:結合論理部
41h、42h:AND論理ゲート
42:全波制御データ
44:マスク値
45:閾値
46:比較器
48:デジタル加算器
50:排他的ORゲート
52:第1の排他的ORゲート
54:ANDゲート
56:第2の排他的ORゲート
58:NORゲート
SC:制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流/直流変換器(8)用の制御装置(10)であって、前記交流/直流変換器(8)は、第1の、ステータ(4)およびロータ(6)を備える多相同期回転電気機器と、第2の、直流電気エネルギー貯蔵部(14)との間に配置されており、
前記制御装置は、前記変換器の電力スイッチ(16)に制御信号(SC)を供給するようになっており、
前記制御装置は、各電力スイッチの動作期間に相当する通電角度(30)を表す少なくとも1つのレジスタを提供するマイクロコントローラ(20)と、レジスタから相間の角度を提供される制御モジュール(26)とを直列に備え、前記制御モジュール(26)は、前記回転電気機器の相数に等しい数の制御部(38)を有し、前記制御部(38)は、前記通電角度および前記ステータに対する前記ロータの角度位置を表す値(37)をそれぞれ受け取り、いわゆる全波動作(42)の場合に前記電力スイッチに与えるコマンドを表すデータと、前記制御部(38)で計算し、特定の通電角によって決まるマスク値(44)とを出力として供給し、
前記データおよび前記マスク値を、合成して、前記電力スイッチに前記制御信号を提供するようになっており、前記マスク値に応じて、前記制御信号を全波動作または減波動作に合わせるようになっていることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記通電角度は、動的値であり、前記回転電気機器の動作パラメータに応じて、前記マイクロコントローラ(20)の前記レジスタで変更するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部(38)は、前記角度位置を表す値を、前記マイクロコントローラ(20)からnビットを有するレジスタの中で最初に供給される前記通電角度(30)から取得される閾値(45)と比較する比較器(46)を備え、前記比較器が行う比較は、n−2ビットについて行うようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記比較器(46)は、前記角度位置を表す値(37)のn−2ビットおよび前記閾値(45)のn−2ビットを受け取り、出力として排他的OR論理ゲート(50)に信号を提供し、前記排他的OR論理ゲートは、前記比較器が受け取るビットとは異なる前記角度位置を表す1ビット(37)も入力として受け取り、前記マスク値(44)を提供するのに対して、前記全波値(42)は、前記比較器が受け取るビットとも、前記排他的ORゲートが受け取るビットとも異なる、前記角度位置を表す値(37)の1ビットから直接取得されるようになっていることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
簡易化デジタル加算器(48)を形成する一連の論理ゲートにより、前記閾値(45)を前記通電角度(30)から取得するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記閾値(45)は、次の式に従って計算することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
閾値=((通電角度
【数1】

上式で、
閾値:閾値(45)
通電角度:通電角度(30)
n-2:角度位置(37)を表す値のビット
【数3】

:排他的論理OR
+:論理AND
【請求項7】
前記マスク値は、次の式に従って取得することを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
マスク=
【数2】

閾値)
上式で、
閾値:閾値(45)
マスク:マスク値(44)
0…bn-3:角度位置(37)を表す値のビット
【数3】

:排他的論理OR
【数4】

:論理比較
【請求項8】
前記制御モジュール(26)は、前記制御部(38)のそれぞれの出力部に結合論理部(40)をさらに備え、前記結合論理部(40)は、前記全波データ(42)および前記マスク値(44)を結合するための「AND」論理ゲートおよび逆変換器を備え、前記電力スイッチに前記制御信号(SC)を供給するようになっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ロータ(37)の角度位置を表す値を出力として前記制御モジュール(26)に提供できる相順序計算モジュール(24)をさらに備えており、前記相順序計算モジュール(24)では、相数に等しい数の加算器(36)が、前記マイクロコントローラ(20)から位相オフセット値(28)をそれぞれ受け取り、前記ステータに対する前記ロータの角度位置の調節値(35)に加えるようになっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記相順序計算モジュール(24)と前記マイクロコントローラ(20)との間に配置される角度調節モジュール(22)を備え、前記角度調節モジュール(22)では、加算器(34)が、第1に、角度位置決定モジュール(12)から取得する前記ステータに対する前記ロータの位置を表す測定信号(θ(t))を受け取り、第2に、前記マイクロコントローラ(20)から取得する可変位相シフト角(32)を受け取り、前記ステータに対する前記ロータの角度位置の前記調節値(35)を出力として提供するようになっていることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
交流/直流変換器(8)の制御方法であって、通電角度(30)およびステータに対するロータの角度位置の値(37)に基づき、一連の論理ゲートおよび比較器を用いて取得した全波基準信号(42)およびマスク値(44)を2進法加算した制御信号(SC)を、前記変換器の電力スイッチ(16)に提供するようになっていることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
自動車用のオルタネータ兼スタータであって、相数に等しい数の、それらの終端で互いに接続されている複数の巻線を備えるステータ(4)およびロータ(6)を備えている多相同期回転電気機器に関連する交流/直流変換器を備え、前記交流/直流変換器は、前記多相同期回転電気機器と、正および負として知られている端子を備える直流電気エネルギー貯蔵部(14)との間に配置され、前記交流/直流変換器は、各相に関して、2つの端子の中点(18)を有する前記正および負の端子間に配置されるハイサイドおよびローサイドとして知られている直列の2つの電力スイッチ(16)のブランチを備え、ハイサイドおよびローサイドの電力スイッチは、前記交流/直流変換器の入力部および/または出力部を構成し、前記巻線の前記接続終端に接続されており、
前記変換器(8)の1つのブランチの前記電力スイッチ用にそれぞれなっている2つの制御信号(SC)を出力として供給するようになっている請求項1〜10のいずれか1項に記載の前記電流変換器制御装置(10)を備えていることを特徴とするオルタネータ兼スタータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−249514(P2012−249514A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−119186(P2012−119186)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【出願人】(508075579)ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール (49)
【Fターム(参考)】