説明

交通データ測定システム

【課題】 交通データ調査の入力から分析までを自動化し、効率化を図ることができる交通データ測定システムを提供する。
【解決手段】 携帯電話13は、カメラ23で測定地点の画像を撮影する。さらに携帯電話13はテンキー25より入力された車種コードを携帯電話13に圧縮した後蓄積する。さらに携帯電話13は一定時間経過後、テンキー25が押された時点の時刻情報、位置情報とともにネットワーク15を経由してサーバ11に送信する。サーバ11は、携帯電話13より受信したデータを地点ごとに分類し、さらに測定時刻の間隔を分析して信頼性の判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を用いた交通データ測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交通データを測定するには、手動数取り器の表示を時間帯別車種別表(紙)に転記し、これを入力したデータを使って集計するという標準的なやり方があった(例えば、[非特許文献1]参照。)。
【非特許文献1】静岡国道事務所、“資料室 道路交通量調査”[online]、平成16年11月9日、静岡国道事務所、[平成17年5月10日検索]、インターネット〈URL:http://www.shizukoku.go.jp/dataroom/census/〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、数取り器で数えてから紙に転記するという作業が煩雑であり、なおかつ調査時から集計完了まで時間がかかるという問題点があった。また、測定場所、測定時刻に関してもそれぞれの調査員がそれぞれに調べる必要があった。さらに、調査員の勤務実態が把握できず、正確な調査が行われているかどうかについては確認手段がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、交通データ調査の入力から分析までを自動化し、効率化を図ることにある。
【0005】
前述した目的を達成するために第1の発明は、サーバと携帯端末とがネットワークに接続され、交通データを測定する交通データ測定システムであって、前記携帯端末は、テンキーと、位置情報を測定する位置測定手段と、時刻情報を測定する時刻測定手段と、前記テンキーにより車がカウントされる際の、前記位置測定手段により測定される位置情報と、前記時刻測定手段により測定される時刻情報とを採取する採取手段と、前記テンキーによりカウントされるカウント値、前記採取手段により採取される前記位置情報及び前記時刻情報を保持する保持手段とを具備することを特徴とする交通データ測定システムである。
【0006】
位置情報を測定する位置測定手段とは、携帯端末の位置する緯度及び経度を測定する手段であり、たとえばGPS(Global Positioning System)機能である。
時刻情報を測定する時刻測定手段とは、携帯端末に内蔵された時計である。
【0007】
テンキーは、車種ごとに振り分けられる。携帯端末は、テンキーが押されるごとにその車種を示す音または音声を発する。これにより操作者は車種に対応するテンキーを正しく押したかどうかを確認する。ここで、テンキーとは「0」〜「9」以外のキーも含む。
【0008】
また、携帯端末は、位置情報及び時刻情報を取得した時点で、位置情報及び時刻情報を圧縮し、圧縮された位置情報及び時刻情報を保持する。
圧縮は、位置情報及び時刻情報を有するレコード同士の差を60進数に変換して行う。
【0009】
また、第2の発明は、サーバとネットワークを介して接続された携帯端末であって、前記携帯端末は、テンキーと、位置情報を測定する位置測定手段と、
時刻情報を測定する時刻測定手段と、前記テンキーにより車がカウントされる際の、前記位置測定手段により測定される位置情報と、前記時刻測定手段により測定される時刻情報とを採取する採取手段と、前記テンキーによりカウントされるカウント値、前記採取手段により採取される前記位置情報及び前記時刻情報を保持する保持手段とを具備することを特徴とする携帯端末である。
【0010】
また第3の発明は、交通データを測定する交通データ測定システムに用いられ、ネットワークを介して携帯端末に接続され、前記携帯端末から車をカウントする際のカウント値、位置情報、時刻情報が送られるサーバであって、前記携帯端末から送られてくる時刻情報のうち、時刻情報同士の間隔を測定する手段と、前記間隔と閾値とを比較して信頼性を判定する手段とを更に具備することを特徴とするサーバである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の交通データ測定システムにより、交通データ調査の入力から分析までを自動化し、効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る交通データ測定システムについて詳細に説明する。
【0013】
図1は交通データ測定システム1の概略図である。図1に示すように交通データ測定システム1は、サーバ11がネットワーク15、基地局17を介して携帯電話13と接続される。サーバ11は、携帯電話13から送られる交通データを処理する。
【0014】
携帯端末としての携帯電話13は位置測定手段及び時刻測定手段を有する端末である。携帯電話13は、車のカウントを行い、カウントされたデータを基地局17、ネットワーク15を介してサーバ11に送る。ネットワーク15は、パケット通信網、LAN、インターネット等である。
【0015】
次に、図2、図3、図4を参照し、携帯電話13の構成について説明を行う。図2は携帯電話13を表から見た外観図、図3は携帯電話13を裏から見た外観図である。
【0016】
図2、図3に示すように、携帯電話13は、本体19に開閉部20が開閉可能に設けられ、本体19の表面には操作部23が設けられ、本体19の裏面にはスピーカ33が設けられる。開閉部20の表面には表示部21が設けられ、開閉部20の裏面にはカメラ31が設けられ、開閉部20の側面に音声入出力ジャック29が設けられる。音声入出力ジャック29にヘッドホン27のプラグ28が挿入される。
【0017】
表示部21は液晶パネルである。
操作部23はテンキー25を有する。テンキー25−1、25−2、25−3等はそれぞれ数字の1、2、3等を入力するキーである。また操作部23は、数字のキー以外にも機能選択を行うためのキーを備えるが、ここでは、「0」〜「9」以外のキーについてもテンキー25に含むこととする。テンキー25は本体19に設置されたもの以外に、外部にテンキーを備え、本体19に接続してもよい。
【0018】
カメラ31は対象物を撮影する。スピーカ33は着信音等の音を出力する。
【0019】
図4は、携帯電話13の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、携帯電話13では、制御部41、通信部43、記憶部45、表示部21、操作部23、カメラ31、音声インターフェイス49等がバス47を介して互いに接続される。
【0020】
制御部41はCPU(Central Processing Unit)等を有する。通信部43は、アンテナを経由して無線信号の送受信を行う。
記憶部45はROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。記憶部45は交通データ測定システム1の実行プログラム、測定データ、測定位置の画像データや、演算処理を行うためのデータを保持する。
音声インターフェイス49には、ヘッドホン27、スピーカ33が接続される。
【0021】
携帯電話13は、GPS機能を有する。即ち制御部41は、人工衛星からの信号を用いて携帯電話13の位置情報(緯度情報、経度情報)を取得する。また、携帯電話13は時計機能を有する。即ち、制御部41は、時刻情報を取得する。
【0022】
携帯電話13は操作部23から入力したデータおよび時刻情報、位置情報を、通信部43を介して無線信号として基地局17に送信する。また、携帯電話13はテンキー25が押されると、テンキー毎に異なる音声を出力する。
【0023】
次に図5を参照しながら、サーバ11の構成について説明を行う。図5は、サーバ11の構成を示すブロック図である。
【0024】
図5に示すように、サーバ11では、制御部51、記憶部52、メディア入出力部53、通信制御部54、入力部55、表示部56、印刷部57等がバス58を介して互いに接続される。
【0025】
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有する。
CPUは、記録部、ROM等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、演算処理、動作制御を行い、システム全体を制御する。ROMは、不揮発性メモリであり、プログラム、データ等を恒久的に保持し、RAMは、揮発性メモリであり、プログラム、データ等を一時的に保持する。
【0026】
記録部52は、データを記憶する装置であり、磁気ディスク、メモリ、光ディスク装置等を有する。記録部52には、制御部51が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(Operating System)等が格納される。
【0027】
メディア入出力部53は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等のドライブ装置を有し、外部媒体からの入力データを制御部51に受け渡したり、出力データを外部媒体に保管したりする。
通信制御部54は、サーバ11とネットワーク15間の通信を媒介する通信インターフェイスであり、通信制御装置、通信ポート等を有する。
【0028】
入力部55は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部55を介して、サーバ11に対して、操作指示、動作指示、データ入力、維持管理等を行うことができる。
【0029】
表示部56は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)の表示装置等を有する。
【0030】
印刷部57はデータを出力するレーザープリンタ装置等を有する。
バス58は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0031】
サーバ11は、携帯電話13から送信されたデータを受信し、記録部52に保持する。さらにサーバ11は、記録部52に書き込まれたデータを分類し、分類したデータの信頼性を判定する。
【0032】
次に、図6〜図13を参照しながら、交通データ測定システム1における、サーバ11および携帯電話13の動作について説明を行う。
図6はデータ収集時におけるサーバ11及び携帯電話13の動作を示すフローチャートである。図7はデータ分析時におけるサーバ11の動作を示すフローチャートである。
図8〜図10は、携帯電話13で保持されるデータを示す。
図11は、圧縮時に参照される60進10進テーブル110、図12は携帯電話13の記憶部45に保存する際のデータの圧縮方法を示す図である。図13はサーバ11で保持されるデータを示す。
【0033】
測定者は、交通データの測定を行う場合、携帯電話13で、本実施の形態を実行するためのプログラムを立ち上げる。このプログラムを起動することにより、後述するように携帯電話13をカウンタとして利用することができる。
図6に示されるように、測定者は測定地点において画像の撮影を行い、保存する。即ち、カメラ31が、測定地点の画像を撮影する。そして制御部41は、撮影した画像を時刻情報、位置情報とともに記憶部45に書き込む(ステップ601)。
【0034】
即ち、制御部41は、前述した位置測定機能と時刻測定機能を用いて、カメラ31で撮像が行われた時刻情報と位置情報を取得できるので、時刻情報と位置情報を画像情報とともに記憶部45に書き込む。このとき、制御部41は時刻情報と位置情報を圧縮して記憶部45に書き込む(図11、図12を用いて後述する。)。
【0035】
測定者は、交通データ測定を開始し、通行する車種に応じたテンキーを押す。
即ち、携帯電話13が交通データ測定を開始すると、テンキー25が押される。制御部41は、車種別にテンキーが押されると、音声テーブル90より、車種に対応する音声を読み込んで、音声をスピーカ33またはヘッドホン27より出力する(ステップ602)。
【0036】
図9に示すように、音声テーブル90は、車種コード83、音声情報91から成る。
車種コード83は、車種に応じたテンキーの種類を示す。例えば車種コード83が「1=大型貨物」、「2=大型乗用」「3=小型乗用」等を示すとすると、「大型貨物」が通行するときに「1」のテンキー25−1、「大型乗用」が通行するときに「2」のテンキー25−2、「小型乗用」が通行するときに「3」のテンキー25−3が押される。
【0037】
音声情報91は、車種コード83と対応するテンキー25が押されたときに、携帯電話13のスピーカ33またはヘッドホン27より出力される音声のデータである。たとえば、携帯電話13は「1」のテンキー25−1が押されたときに、「大型貨物」という音声を出力する。これにより操作者は「大型貨物」に対応する正しいテンキー25−1を押したことを確認する。
【0038】
次に制御部41は、車種別にテンキー25が押されたものを、時刻情報81、位置情報85とともに車種データ80として記憶部45に書き込む(ステップ603)。このとき、制御部41は、車種データ80を圧縮して記憶部45に書き込む。
【0039】
図8に示すように、車種データ80は時刻情報81、車種コード83、位置情報85から成る。時刻情報81は車種に対応するテンキーが押された時点の時刻を示す。
【0040】
車種コード83は図9の車種コード83と同様のものである。測定者が通行する車種毎に異なるテンキーを押すと、携帯電話13は入力されたテンキー25の数値を車種コード83として記憶部45に格納する。
【0041】
位置情報85は車種に対応するテンキーが押された時点の携帯電話13の位置、即ち測定地点を示す。測定者は、測定地点を移動して測定することもできる。従って、同じ測定者の測定データに異なる位置情報をもったレコードが存在することがある。
【0042】
携帯電話13は、測定開始時刻あるいは前回のサーバ11への送信時刻から10分経過していなければステップ602からの処理を繰り返す。
【0043】
測定開始時刻あるいは前回のサーバ11への送信時刻から10分経過していた場合、制御部41は蓄積されたデータを測定データ100としてサーバ11に送信する(ステップ604)。制御部41は、さらに所定時間(例えば5秒)間隔で位置情報85をサーバ11に送信することができる。
【0044】
図10に示すように、測定データ100は、ID101、時刻情報81、車種コード83、位置情報85、画像情報103から成る。ID101は測定者のユーザIDを示す。時刻情報81は図8の時刻情報と同様のものを示す。車種コード83は図8の車種コード83と同様のものを示す。位置情報85は図8の位置情報85と同様のものを示す。画像情報103は測定データを蓄積した10分間に撮影した画像データを示す。
【0045】
携帯電話13は、10分間、時刻情報81、車種コード83、位置情報85を蓄積する。携帯電話13は、蓄積したデータを画像情報103とともに10分後にサーバ11に送信する。サーバ11は携帯電話13から受信したデータを記録部52に書き込む。尚、サーバ11に送信する時間間隔は10分に限らない。また、画像情報103の送信は同一測定地点において一度だけ行うこととしてもよい。
【0046】
サーバ11の制御部51は、携帯電話13からのデータを受信する(ステップ605)。サーバ11、携帯電話13は、測定時間が終了するまでステップ602からステップ605までの処理を繰り返す。
【0047】
以上の過程を経て、携帯電話13は撮影した画像情報、時刻情報、位置情報、車種毎に押されたテンキーのデータ、即ち車種コードを圧縮して記憶部45に書き込む。また携帯電話13は、10分間蓄積されたデータをサーバ11に送信する。サーバ11は携帯電話からのデータを受信する。
また携帯電話13は、車種毎にテンキーが押される都度、押されたテンキーに応じた音声を出力する。
【0048】
このように、携帯電話13で入力されたデータは直ちに正確にサーバ11上に送信され蓄積される。これにより、データを再度手入力する手間が省け、さらに実際にデータを分析するまでの時間も大幅に短縮される。また押されたテンキーに応じて音声を出力するため、入力ミスを防止することができる。
【0049】
次に、図11、図12を参照しながら、時刻情報81、位置情報85等の圧縮方法について説明を行う。
【0050】
携帯電話13の制御部41は、時刻情報81、位置情報85の数値について、10進データ112を60進データ111に変換する。この際、図11に示す60進10進対応テーブル110を参照する。例えば、10進データ112における「10」は、60進データ111においては「a」であり、10進データ112における「30」は、60進データ111においては「u」である。
【0051】
図12において、測定データ100は、図10の測定データ100と同様のものを示す。圧縮後データ120は、測定データ100を圧縮したものである。
【0052】
測定データ100において、「ID」121は測定者のユーザID、「count」123は送信回数、「eof」125は送信終了フラグを示す。
これらは、1送信単位でレコードの先頭に付加されるヘッダデータである。
また、実際の測定データはレコード201〜レコード205に示される。1つのレコードには時刻情報81、車種コード83、緯度87、経度89を含む。画像情報103を含む場合もある。
【0053】
制御部41は、これらのレコードを60進10進対応テーブル110を用いて変換してから、記憶部45に書き込む。
ヘッダデータは、データ121a、データ123a、データ125aに示されるように、60進変換され、さらに「ID=」や「eof=」等の文字を省いて書き込まれる。
【0054】
レコード201は1件目の測定データを示す。測定データ100におけるレコード201の中で、時刻情報81の「20050610110146」は「2005年6月11日11時1分46秒」を示すものであるが、「2005」は「xp」、「6」は「6」、「10」は「a」、「11」は「b」、「1」は「1」、「46」は「K」に変換される。従って、圧縮後データ120においてデータ201aで示すように、記憶部45には「xp6ab1K」と書き込まれる。
【0055】
さらに携帯電話13の制御部41は、2件目以降の測定データに関しては、前レコードとの差数を記憶部45に書き込む。
【0056】
例えば、測定データ100における2件目のレコード202のうち、時刻情報81の「20050610110209」は、レコード201の時刻情報81の「20050610110146」と比較される。制御部41は両者の差、23(秒)を60進変換し、「n」を記憶部45に書き込む。車種コード83については、1桁で示される値であるため、テンキーのデータをそのまま圧縮せずに書き込んでもよい。位置情報については、緯度87、経度89ともに前レコードと同じ値であるため、NULLデータで示す。
【0057】
また、制御部41は3件目のレコード203については、レコード202と同様、時刻情報81の差数を60進変換して記憶部45に書き込む。
その結果、記憶部45には、2件目のレコード202は圧縮後データ120のレコード202aに示す「n,2,,,」、3件目のレコード203は圧縮後データ120のレコード203aに示す「N,1,,,」が保持される。
【0058】
制御部41は、測定位置の移動があった場合にも同様にデータの圧縮を行う。例えば、測定データ100の4件目のレコード204の緯度87については、前レコード203との緯度の差数「−100」を60進変換し、レコード204aに「−1E」を書き込む。
【0059】
測定中に画像データを取得した場合にも、制御部41は同様にデータを圧縮する。例えば、測定データ100の5件目のレコード205において、画像情報103の「20040610101510」は画像ファイル名等を示すが、これを60進変換し、レコード205aに「xo6aafa」を書き込む。
【0060】
以上のようにして、携帯電話13の制御部41は、時刻情報や位置情報等の数値を60進変換し、さらに、データの重複を避けるために差数やNULLデータを用いてデータを圧縮する。
【0061】
このように携帯電話13は、取得した時刻情報及び位置情報のデータを保存する際に圧縮して保存するため、携帯電話13の記憶部45の使用量が膨大になるのを抑え、サーバ11に対するデータ送信時の負荷や所要時間を抑えることができる。
【0062】
図7において、サーバ11の制御部51は、データが1日(24時間)蓄積された時点で、複数の携帯電話13から受信したデータをユーザIDごとに分類する(ステップ701)。尚、データを数日間蓄積した後、ユーザIDごとに分類してもよい。
【0063】
制御部51は、分類されたデータの測定時刻、即ち、テンキーが押された時刻の間隔を全て計算する(ステップ702)。
【0064】
蓄積データ内に、測定時刻の間隔が閾値を超える部分があれば、制御部51は該当の時間帯のデータを取り出し、記録部52に書き出す。(ステップ703)。
【0065】
図13は、ある測定地点における24時間蓄積された測定データ100を示す。時刻情報81、車種コード83、位置情報85、緯度87、経度89は図8における時刻情報81、車種コード83、位置情報85、緯度87、経度89と同様のものを示す。
【0066】
例えば、閾値を30分と設定したとする。A[131]に示す2つの時刻情報81を比較して、測定時刻の間隔が30分を超えていた場合、制御部51は、該当時間帯、該当測定地点におけるデータについては信頼性が低いと判定する。即ち、30分間車が通行していない場合、測定者が離席等して、交通データを測定していない可能性があるので、この近辺のデータは信頼性が低いものとする。
図13の場合、「7:48:35」から「8:32:56」まで30分以上経過しているので、この近辺のデータを信頼性が低いものとする。
【0067】
制御部51は、信頼性が低いと判定したデータを含む時間帯、例えば「7時台」および「8時台」等のデータを記録部52に書き出す。あるいは、閾値を超えた2つの時刻情報81の前後1時間等をとって「6:48:35〜9:32:56」等のデータを保持してもよい。
閾値については、道路の種類、測定時間帯等によって設定の基準を変えられるような仕組を加えてもよい。
【0068】
以上の過程を経て、サーバ11は携帯電話13から受信したデータを、時刻情報、位置情報をもとにして分類する。さらにサーバ11は、測定時刻の間隔の閾値が一定値を超えたデータを記録しておく。
【0069】
このようにサーバ11は蓄積されたデータを測定時間終了後直ちに分析することができるので、即時に調査員の勤務実態を把握したり、データの信頼性を判定したりすることができる。例えば閾値を30分とした場合、調査員が30分以上離席をしてテンキーの押下を行わなければ、そのデータは信頼性の低いデータとして判定し、分析時に除外することができる。
【0070】
以上説明したように、本発明の交通データ測定システム1により、交通データ調査の入力から分析までを自動化し、効率化を図ることができる。
【0071】
また本実施例では、測定者が携帯電話13を持って複数の測定地点間を移動する場合について説明を行ったが、測定者が一つの測定地点に静止した状態で測定を行ってもよい。この場合には、位置情報や画像情報の取得、及び送信については測定開始時にのみ行うこともできる。
【0072】
サーバ11は、さらに複数地点における測定データ100を用いたり、複数時間帯における測定データ100を用いたりすることによって、単なる交通量だけでなく車頭間隔、さばき台数、旅行時間等各種分析を行うことができる。
【0073】
さらに、交通データ測定システム1を用いて、バードウォッチングにおける野鳥の計測等を行うことも可能である。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る交通データ測定システム、携帯端末、サーバ等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】交通データ測定システム1の全体の構成を示す図
【図2】携帯電話13の表からの外観を示す図
【図3】携帯電話13の裏からの外観を示す図
【図4】携帯電話13の構成を示すブロック図
【図5】サーバ11の構成を示すブロック図
【図6】データ入力時における携帯電話13とサーバ11の動作を示すフローチャート
【図7】データ分析時におけるサーバ11の動作を示すフローチャート
【図8】車種データ90の一態様を示す図
【図9】音声テーブル110の一態様を示す図
【図10】測定データ100の一態様を示す図
【図11】データ圧縮時における60進数変換を示すテーブル
【図12】データ圧縮の一例を示す図
【図13】測定データ100を24時間サーバで蓄積したものの一態様を示す図
【符号の説明】
【0076】
1………交通データ測定システム
11………サーバ
13………携帯電話
15………ネットワーク
17………基地局
19………本体
25………テンキー
27………ヘッドホン
31………カメラ
33………スピーカ
100………測定データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと携帯端末とがネットワークに接続され、交通データを測定する交通データ測定システムであって、
前記携帯端末は、
テンキーと、
位置情報を測定する位置測定手段と、
時刻情報を測定する時刻測定手段と、
前記テンキーにより車がカウントされる際の、前記位置測定手段により測定される位置情報と、前記時刻測定手段により測定される時刻情報とを採取する採取手段と、
前記テンキーによりカウントされるカウント値、前記採取手段により採取される前記位置情報及び前記時刻情報を保持する保持手段とを具備することを特徴とする交通データ測定システム。
【請求項2】
前記テンキーは、車種ごとに振り分けられることを特徴とする請求項1記載の交通データ測定システム。
【請求項3】
前記テンキーが押された際に、テンキーごとに異なる音または音声を発する手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の交通データ測定システム。
【請求項4】
前記位置情報及び前記時刻情報を取得した時点で、前記位置情報及び前記時刻情報を圧縮する手段を、更に具備し、
前記保持手段は、圧縮された前記位置情報及び前記時刻情報を保持することを特徴とする請求項1記載の交通データ測定システム。
【請求項5】
前記圧縮は、前記位置情報及び前記時刻情報を有するレコード同士の差を60進数に変換して圧縮することを特徴とする請求項4記載の交通データ測定システム。
【請求項6】
前記保持手段により保持されたカウント値、位置情報、時刻情報を前記サーバに送信する送信手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の交通データ測定システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記携帯端末から送られてくる時刻情報のうち、時刻情報同士の間隔を測定する手段と、
前記間隔と閾値とを比較して信頼性を判定する手段と、
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の交通データ測定システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、携帯電話であることを特徴とする請求項1記載の交通データ測定システム。
【請求項9】
サーバとネットワークを介して接続された携帯端末であって、
前記携帯端末は、
テンキーと、
位置情報を測定する位置測定手段と、
時刻情報を測定する時刻測定手段と、
前記テンキーにより車がカウントされる際の、前記位置測定手段により測定される位置情報と、前記時刻測定手段により測定される時刻情報とを採取する採取手段と、
前記テンキーによりカウントされるカウント値、前記採取手段により採取される前記位置情報及び前記時刻情報を保持する保持手段とを具備することを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記テンキーは、車種ごとに振り分けられることを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項11】
前記テンキーが押された際に、テンキーごとに異なる音または音声を発する手段を具備することを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項12】
前記位置情報及び前記時刻情報を取得した時点で、前記位置情報及び前記時刻情報を圧縮する手段を、更に具備し、
前記保持手段は、圧縮された前記位置情報及び前記時刻情報を保持することを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項13】
前記圧縮は、前記位置情報及び前記時刻情報を有するレコード同士の差を60進数に変換して圧縮することを特徴とする請求項12記載の携帯端末。
【請求項14】
前記保持手段により保持されたカウント値、位置情報、時刻情報を前記サーバに送信する送信手段を更に具備することを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項15】
前記携帯端末は、携帯電話であることを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項16】
交通データを測定する交通データ測定システムに用いられ、ネットワークを介して携帯端末に接続され、前記携帯端末から車をカウントする際のカウント値、位置情報、時刻情報が送られるサーバであって、
前記携帯端末から送られてくる時刻情報のうち、時刻情報同士の間隔を測定する手段と、
前記間隔と閾値とを比較して信頼性を判定する手段とを更に具備することを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−18314(P2007−18314A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199883(P2005−199883)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(591115475)株式会社三菱総合研究所 (12)
【Fターム(参考)】