説明

交通信号制御システム

【課題】系統制御を行っている道路区間を走行する車両が信号待ちすることなく一度に当該道路区間を通過するための推奨走行速度を車両に対して提供する交通信号制御システムにおいて、適切な推奨走行速度を提供する。
【解決手段】系統制御を行っている道路区間とその道路区間の手前の所定の区間における交通状況を取得し、これらの区間が渋滞しているかどうかを判断する。もし、系統制御を行っている道路区間が渋滞しているのであれば、なるべく小さい推奨走行速度を提供し、手前の所定の区間が渋滞しているのであれば、なるべく大きい推奨走行速度を提供する。また、双方の区間が渋滞している場合には、なるべく小さい推奨走行速度を提供するようにした。これにより、周囲の交通状況を加味した適切な推奨走行速度を提供することが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通管制センターの信号制御装置と路上に設置した交通信号制御機とによって構成される交通信号制御システムに関し、特に、車両の円滑な走行を支援するための情報を車両に対して無線で送信するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通信号制御システムでは、近接する5交差点程度をひと括りのサブエリアとして、同じサブエリア内の信号機は同一のサイクル長(信号表示が一巡するのに要する時間)で動作させ、当該サブエリア内の信号機が青信号を表示している時間帯にこれらの信号機の設置された全ての交差点を、できるだけ多くの車両が通過できるように、信号機間の信号表示開始時刻に適切なオフセットを持たせる系統制御を行うのが一般的である。
【0003】
例えば、図1のように道路R1上に連続して存在する交差点A乃至Dを1つのサブエリアとして、各交差点に設置される信号機1A乃至1Dを系統制御する場合、図3のようにオフセット図上に交差点間の距離に応じて信号機を配置し、下り方向(交差点Aから交差点Dに向かう方向を下り方向とする)の交通流が円滑になるように、各信号機の青信号(オフセット図上の破線で挟まれた空白部分)の開始時刻にオフセットを与えて、下り方向のスルーバンド(下り方向に進行する車両が、4つの交差点を信号待ち時間無しで通過できる時間帯幅)を確保することができる。
また、図4のように、下り方向と上り方向の双方向のスルーバンドを確保できるようなオフセットを与える場合もあるし、図示しないが、上り方向のみのスルーバンドを確保すること場合もある。
【0004】
このように、進行方向ごとの交通量や平均走行速度等に応じて、各サブエリア内の交差点間のオフセットを適宜決定することにより、交通流を円滑化することが可能となる。
このサブエリアの構成は、一般的に、交通信号制御システムの管理者が実際の道路交通の状況を見て、経験的に決めるという方法が用いられている。具体的には、例えば、幹線道路上に連続して存在する交差点の場合であれば、交差点間の距離が所定以上離れたところをサブエリアの境界とし、離隔距離が一定以内の交差点を1つのサブエリアとするような方法が用いられる。
【0005】
このように系統制御を行うエリアにおいて、車両の走行を支援する目的で、当該系統制御のための信号制御パラメータ(オフセット等)を車両に提供し、車両側において、系統制御が行われている区間を信号待ちせずに通過可能な走行速度の範囲を算出させるという発明が、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3286993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている発明によれば、系統制御によって確保されているスルーバンドの範囲を把握し、スルーバンド内で系統制御されている区間を信号待ちなしで通過可能な走行速度範囲を正確に算出することができるため、例えば、走行速度が少し足りなかったために信号待ちせざるを得なくなってしまった、といった事態を未然に回避することが可能となる。その結果、交通渋滞の発生や二酸化炭素の排出量を削減する、といった効果が期待できる。
【0008】
このように車両が適切な走行速度範囲を算出する場合、通常、当該車両は当該車両の現在位置のみを考慮して走行速度範囲を算出するので、他の車両との関係まで考慮すると、算出される走行速度範囲が本当に適切なものになるとは限らない、という問題があることに本願の発明者は気が付いた。
【0009】
また、本願の発明者は、当該車両がその走行速度範囲から選択する走行速度によって、後続する他の車両等の交通流に少なからず影響を与えるため、そういった事情も考慮して走行速度の決定がなされるべきである、という点にも着目した。
【0010】
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、系統制御を実施している区間を走行する車両に対して、その走行を支援するための適切な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる交通信号制御システムは、同一のサイクル長で動作させる複数の交通信号制御機の設置された道路区間を信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報を、当該道路区間の手前の車両に対して送信する機能を備えるものであり、前記道路区間における交通状況及び前記道路区間の手前の所定区間における交通状況のうち少なくとも一方を取得する交通状況取得手段を備え、当該走行支援情報は、前記交通状況取得手段によって取得される交通状況を加味して算出される推奨走行速度を含むものである(請求項1)。
【0012】
この発明によれば、例えば、前記道路区間内のある交差点の手前に車両の待ち行列が存在するような場合には、当該待ち行列の状況を加味して推奨走行速度を算出することができるようになる。また、例えば、前記道路区間の手前の所定区間の交通量が多い場合には、当該車両に後続する交通流に与える影響を加味して推奨走行速度を算出することができるようになる。
すなわち、この発明により、当該車両の事情のみならず、その周辺の交通流全体を考慮した適切な情報を車両に提供することが可能となる。
なお、走行支援情報として提供される推奨走行速度は、ある1つの値でなくても良く、所定の幅を持っていても良い。例えば、時速40キロ〜45キロ、といった形態でも構わない。
【0013】
この場合、前記交通状況取得手段は、前記道路区間の一部又は全部において存在する車両の待ち行列長を取得する機能を備えており、取得される待ち行列長が第一の閾値よりも大きい場合には、前記道路区間のうち当該待ち行列の存在する地点よりも手前にある1又は複数の交差点を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度を推奨走行速度とすることが好ましい(請求項2)。
待ち行列長が所定の閾値よりも大きい場合、その待ち行列によって足止めされるため、待ち行列よりも以遠の交差点を考慮せずに推奨走行速度を決定すべきだからである。
【0014】
なお、前記推奨走行速度は、前記道路区間のうち当該待ち行列の存在する地点よりも手前にある1又は複数の交差点を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち、最も小さい最小走行速度又は当該最小走行速度よりも所定の値だけ大きい略最小走行速度とすることが望ましい(請求項3)。
待ち行列が所定の閾値よりも大きい場合、前記道路区間は混雑もしくは渋滞していると考えられる。こういった道路区間への流入交通量をできるだけ少なくして、混雑や渋滞を緩和する方が好ましいから、なるべく小さい走行速度を車両側に提供するべきだからである。
なお、前記所定の値は、最小走行速度よりも十分に小さな値とすることが望ましく、時速5〜10キロ程度の値にすることが好ましい。また、略最小走行速度は、ある1つの値に決める必要はなく、所定の幅を持たせても良い。そして、その所定の幅は、前記最小走行速度をその幅の範囲内に含んでいても良いし、含まなくても良い。例えば、最小走行速度が時速40キロの場合、略最小走行速度を、時速40キロ〜50キロとしても時速45〜50キロとしても良い。
【0015】
また、前記交通状況取得手段は、前記道路区間の手前の所定区間における交通量および待ち行列長のうち少なくとも一方を取得するようにしても良く、この場合、取得される交通量や待ち行列長が第二の閾値よりも大きい場合には、前記推奨走行速度を、前記道路区間を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち最も大きな最大走行速度又は当該最大走行速度よりも所定の値だけ小さい略最大走行速度を推奨走行速度とすることが望ましい(請求項4)。
【0016】
ここで、前記道路区間の手前の所定区間とは、車両に対して情報提供を行う地点よりも後方の区間(走行支援情報を受信する車両よりも後方の区間)を指す。当該車両よりも後方の交通量や待ち行列長が第二の閾値よりも大きい場合、前記道路区間よりも手前が混雑もしくは渋滞していると考えられる。従って、前記道路区間よりも手前の交通流をできるだけ早くスムーズに捌くことができるように、なるべく大きい走行速度を車両側に提供するべきだからである。
なお、前記所定の値は、最大走行速度よりも十分に小さな値とすることが望ましく、時速5〜10キロ程度の値にすることが好ましい。また、略最大走行速度は、ある1つの値に決める必要はなく、所定の幅を持たせても良い。そして、その所定の幅は、前記最大走行速度をその幅の範囲内に含んでいても良いし、含まなくても良い。例えば、最大走行速度が時速60キロの場合、略最大走行速度を、時速50キロ〜60キロとしても時速50〜55キロとしても良い。
【0017】
この場合、推奨走行速度が予め定められた最低走行速度よりも小さい場合には、当該最低走行速度もしくは当該最低走行速度よりも大きい速度を推奨走行速度とする、又は、走行支援情報に推奨走行速度を含めないようにすることが望ましい(請求項5)。
例えば、前記道路区間を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち最も大きな最大走行速度ですら、予め定められた最低走行速度(例えば、前記道路区間における平均走行速度など)よりも小さい場合、そういった小さい走行速度を提供することによって、かえって前記道路区間後方における渋滞がひどくなる恐れもある。
そこで、当該最低走行速度もしくは当該最低走行速度よりも大きい速度を推奨走行速度とする、又は、走行支援情報に推奨走行速度を含めないようにする方が良い。
【0018】
なお、前記交通状況取得手段によって取得される前記道路区間の一部又は全部において存在する車両の待ち行列長が所定の閾値よりも大きく、かつ、前記道路区間の手前の所定区間における交通量および待ち行列長のうち少なくとも一方が所定の閾値よりも大きい場合には、前記道路区間のうち当該待ち行列の存在する地点よりも手前にある1又は複数の交差点を通過可能な走行速度のうち、最も小さい最小走行速度もしくは当該最小走行速度よりも所定の値だけ大きい略最小走行速度を推奨走行速度とすることが望ましい(請求項6)。
当該車両の前方と後方の両方が混雑もしくは渋滞しているのであれば、まずは前方の交通流が円滑になることを優先すべきであるから、前方の交通流に配慮した推奨走行速度を提供すべきだからである。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の交通信号制御システムによれば、系統制御を実施している区間を走行する車両に対して、その走行を支援するための適切な情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る交通信号制御システムの機器配置の概要を示す模式図である。
【図2】本発明に係る交通信号制御システムが制御対象とする複数の交差点の広域的な配置例を示す図である。
【図3】本発明に係る交通信号制御システムが下り方向のスルーバンドを確保するように系統制御する様子を説明するための図である。
【図4】本発明に係る交通信号制御システムが上り方向と下り方向の双方のスルーバンドを確保するように系統制御する様子を説明するための図である。
【図5】信号制御装置5の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る交通信号制御システムが推奨走行速度を算出する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る交通信号制御システムにおけるシステム構成の概要を示す模式図である。
【0022】
〔システムの全体構成と基本機能〕
図1のように、道路R1上には連続して4つの交差点A乃至Dが配置されている。
そして、この4つの交差点には、道路R1上を下り方向(交差点Aから交差点Dに向かう方向を下り方向という。)に進行する車両に対して通行権を表示する信号灯器が設置されており、さらにその信号灯器を制御する交通信号制御機1A乃至1Dが設置されている。
また、下り方向の車線には、下り方向に進行する車両との間で路車間通信を行うために、光ビーコン2A乃至2Dが設置されており、それぞれ交差点A乃至Dに流入する車線の上流側に配置されている。
なお、これらの光ビーコン2A乃至2Dは、前記路車間通信機能の他に、光ビーコンヘッドの直下を通過する車両を近赤外線式のセンサで感知する車両感知機能を備えており、道路R1の各地点における交通量や占有時間等を計測することが可能なように構成されている。
【0023】
これら交通信号制御機1A乃至1Dや光ビーコン2A乃至2Dは、通信回線等を通じて交通管制センターに設置された信号制御装置5等の中央装置との間で情報をやりとりすることができるようになっており、交通信号制御機1A乃至1Dは、信号制御装置5に対して制御履歴に関する情報等を送信する機能を備えている。また、光ビーコン2A乃至2Dは、路車間通信により車両から受信したアップリンク情報や交通量等の感知器情報を信号制御装置5宛に送信する機能を備える。このアップリンク情報には車両の車両IDが含まれており、この車両IDによって当該車両の車種等を判別することが可能である。
【0024】
信号制御装置5は、各交通信号制御機に対して、信号灯器の制御についての信号制御指令情報を送信しており、その信号制御指令情報を受信した交通信号制御機は、当該信号制御指令情報に基づいて青信号の時間配分等を決定し、信号灯器の各信号灯色を点灯等する。
通常、この信号制御指令情報には1サイクル分の信号表示についての指示が含まれており、具体的には、1サイクルのサイクル長、各方路に割り当てる青信号の時間であるスプリット、1サイクルの開始時刻と基準時刻とのズレであるオフセット、右折感応制御やジレンマ感応制御等の地点感応制御実行可否についての指示等が含まれている。この信号制御指令情報を受信した交通信号制御機は、1サイクルの開始直前の時点で到着している最新の信号制御指令情報に基づいて、当該1サイクルにおける信号制御プランを決定し、当該信号制御プランに含まれる各信号灯色の表示時間に従って各信号灯器を制御する。
【0025】
このサイクルやスプリット等は、通常、各交差点付近の交通状況に応じて決定される。この交通状況は、光ビーコン2A乃至2Dや道路R1等に設置されるその他の車両感知器(図示せず)等で計測され、信号制御装置5が収集する感知器情報(交通量や占有時間等を含む情報)に基づいて判断される。
例えば、所定期間における交通量(例えば5分間の交通量)や平均走行速度によって各道路における飽和度等の交通需要を把握し、その交通需要に応じて互いに交差する各道路に割り当てる青時間の長さ等を決定する。
なお、1サイクルとは、信号機の表示が一巡する期間のことを指し、通常は主道路側に対して青信号の表示を開始した時から、再び主道路側に対して青信号の表示を開始する直前までの期間をいう。
【0026】
交通信号制御システムでは、既述の通り、近接する5交差点程度をひと括りのサブエリアとして、同じサブエリア内の信号機は同一のサイクル長(信号表示が一巡するのに要する時間)で動作させ、当該サブエリア内の信号機が青信号を表示している時間帯にこれらの信号機の設置された全ての交差点を、できるだけ多くの車両が通過できるように、信号機間の信号表示開始時刻に適切なオフセットを持たせる系統制御を行うのが一般的である。
この実施形態では、交差点A乃至Dの4つの交差点に設置された交通信号制御機1A乃至1Dが同一のサブエリアに属し、系統制御されているものとする。
【0027】
図3及び図4は、系統制御を行う場合に各交差点に設置した交通信号制御機に与えるオフセットと、当該オフセットによって確保されるスルーバンドの一例を示す図である。
図3はもっぱら下り方向のスルーバンドを確保する場合のオフセット図であり、図4は上り方向と下り方向の双方のスルーバンドを確保する場合のオフセット図である。どちらの方向にどの程度のスルーバンドを確保したいか、については、交通量の割合等に応じて決定しても良いし、交通信号制御システムの運用管理者が政策的に決定しても良い。例えば、主に工場への通勤等で使用される道路であれば、朝方の時間帯は工場に向かう方向のスルーバンドを確保するように、夕方から夜にかけての時間帯は工場から遠ざかる方向のスルーバンドを確保するように制御する、といった方法を用いることができる。
なお、以降の説明では、簡単のため、図3のように下り方向のスルーバンドを確保した交通信号制御が行われているものとして説明する。
【0028】
ここで、信号制御装置5は、系統制御されている交差点A乃至Dの4つの交差点を信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報を作成し、道路R1を下り方向に走行する車両に対して提供する機能を備えている。なお、車両に対して情報を送信するのは路上に設置された路上通信装置であり、この実施形態では、例えば光ビーコン2Aである。信号制御装置5は、適宜算出した走行支援情報を光ビーコン2Aに対して送信する。
この場合、走行支援情報を作成するのは、信号制御装置5以外の他の装置であっても良く、当該他の装置が必要な情報を信号制御装置5等から適宜取得して作成するようにしても良い。従って、走行支援情報を作成する機能を前記他の装置に持たせる場合には、以下に記載する信号制御装置5の動作を当該他の装置にさせれば良い。
なお、走行支援情報には、他にも道路区間の車線数、道路の距離・曲率・勾配といった道路線形に関する情報等も含めることができる。
【0029】
また、光ビーコン2Aのみならず、光ビーコン2B等からも走行支援情報を送信することができる。光ビーコン2Bからは、光ビーコン2Aと同様の方法で、交差点B乃至Dの3つの交差点を信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報を作成して送信する。
交差点Aを通過するまでの所要時間や走行速度等により、交差点Aの通過後の時点では、下流側の交差点B乃至Dの3つの交差点を信号待ちせずに一度に通過するための推奨走行速度は変化している。したがって、光ビーコン2Bの地点において、改めてその時点での推奨走行速度を送信することで、常に適切な情報に基づいて車両を運転することが可能となる。
この場合、信号制御装置5は、光ビーコン2Bに対して、交差点B乃至Dの3つの交差点を信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報を作成して送信しておけば良い。
【0030】
また、同様に、光ビーコン2Cからは交差点C乃至Dの2つの交差点を信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報を、光ビーコン2Dからは交差点Dを信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報をそれぞれ送信する。
このように、各交差点の流入前の地点で、最新の交通状況や信号制御状況に応じた適切な走行支援情報を作成して提供することで、車両が常にその時点における最新の情報を受信することができるようになるため、交差点Aの手前で1回だけ情報を受信する場合に比べて、車両の走行がより一層強力に支援される。
【0031】
なお、信号制御装置5は図5のような構成であり、CPU501は、信号制御装置5の備える機能を実現するためのコンピュータプログラムをハードディスク512から読み出してメモリ511にコピーし、当該プログラムの命令を随時メモリ511から読み出して実行することで、通信インタフェース521等を介して送受信される通信データの作成や通信データ等のハードディスク512への保存等を行う。また、後述の信号制御や走行支援情報に関する演算処理等を実施する機能を備えている。
なお、図5ではCPUが1つだけの例を示しているが、複数のCPUによって構成しても良いし、実現すべき機能のうちの一部を実行可能な専用のハードウェアを備える構成でも良い。
また、信号制御装置5は、パーソナルコンピュータやワークステーションのようなコンピュータ装置1台で構成しても良いし、コンピュータ装置を複数用いて、それら複数のコンピュータ装置で構成しても良い。
【0032】
〔走行支援情報作成の基本手順〕
図6は、交通信号制御機1A乃至1Dが下り方向のスルーバンドを確保するように系統制御される場合に、走行支援情報に含める推奨走行速度を作成する方法の一例を説明するための図である。
図6において、左下のZ点から右上に向けて2本の実線XとYが記載されているが、この左下のZ点は光ビーコン2Aの設置地点であり、光ビーコン2Aの路車間通信領域に、ある時間に到着した車両が受け取る走行支援情報に含める推奨走行速度の算出方法を説明する(なお、直線XとYの傾きは速度に該当し、傾きが小さいほど速度は大きい)。
この実線Xは、交差点A乃至Dを信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち、最も大きな速度で走行した場合の走行線である。一方、実線Yは、交差点A乃至Dを信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち、最も小さな速度で走行した場合の走行線である。これらの直線は、左下のZ点を通り、スルーバンド内を通過する直線を時計方向及び反時計方向に回転させた場合に、各交差点の赤信号表示時間帯と交叉しない範囲内で、傾きが最も小さな直線を直線X、最も大きな直線を直線Y、として求めることができる。
【0033】
図6の場合、Z点を通りスルーバンド内を通過する走行線を反時計方向に回転させると、当該直線は、信号機1Dの赤信号表示時間帯の開始点に最初に接触する。従って、直線を信号機1Dの赤信号表示時間帯に近づけて交叉しないぎりぎりの位置まで回転させることにより直線Yが得られる。なお、交叉しないギリギリの位置は、例えば、信号機1Dの赤信号表示時間帯の開始直前(例えば3秒前)を直線Yが通る位置、といった決め方をすることができる。
同様に、Z点を通りスルーバンド内を通過する走行線を時計方向に回転させると、当該直線は、信号機1Cの赤信号表示時間帯の終了点に最初に接触する。従って、直線を信号機1Cの赤信号表示時間帯の終了点近づけて交叉しないぎりぎりの位置まで回転させることにより直線Xが得られる。なお、交叉しないギリギリの位置は、例えば、信号機1Cの赤信号表示時間帯の終了直後(例えば3秒後)を直線Xが通る位置、といった決め方をすることができる。
【0034】
なお、例えば各交差点間の道路区間毎に、例えば法定速度や制限速度がある場合には、その速度を超えない範囲で直線を回転させるようにしても良い。また、予め道路毎に取りうる走行速度の範囲を決めておき、その走行速度の範囲内に対応した傾きの範囲内で直線を回転させるようにしても構わない。
この場合、例えば交差点Aから交差点Bに至るまでの道路区間の制限速度が時速40キロで、交差点Bから交差点Dに至るまでの制限速度が時速50キロの場合、交差点A乃至交差点Dの全区間について、時速40キロを超えない範囲で直線を回転させるようにしても良いし、道路区間毎に直線の傾きのとりうる範囲を可変にしても良い。
道路区間毎に直線の傾きのとりうる範囲を可変にした場合、直線XやYが折れ線となることもあるが、その方が正確できめの細かい演算をすることが可能となり有利である。
【0035】
同様に、光ビーコン2B乃至2Dについても上記の方法を用いて直線XやYを算出し、交差点Dまでの一連の交差点を信号待ちせずに一度に通過することが可能な走行速度範囲を求めることができる。
【0036】
従来までの特許文献1においては、路上通信装置側から各交差点までの距離やオフセット等の情報を車両側に与え、当該情報を受信した車両が同様の方法で直線XとYを求め、その直線XとYによって確定する走行速度の範囲を推奨走行速度としてドライバに提供する、という発明が開示されている。
従来までであれば、車両は自車両の位置に応じて、前方の複数の交差点を一度に通過可能な走行速度範囲を算出することしかできないが、本発明では、さらに周辺の交通状況を取得して、その交通状況に応じて適切な推奨走行速度を求め、当該推奨走行速度を走行支援情報に含めて車両に提供する。以下にその詳細を説明する。
【0037】
なお、ここではZ点を中心に直線を回転させて走行速度の範囲の上下限を求める、という方法を説明したが、直線を回転するという方法はあくまでも概念的なものにすぎず、数学的に同等の結果を得られる方法であれば、どのような方法を用いても構わない。
例えば、各交差点A乃至Dにおいて信号機の赤信号表示時間帯と交叉しない上限速度と下限速度をそれぞれ算出した上で、それらのうち最も小さい上限速度と最も大きい下限速度によって確定する範囲を走行速度の範囲とする方法でも構わない。
【0038】
〔系統制御している道路区間が渋滞している場合の作成手順〕
交通状況を取得する方法としては、例えば、交通量や占有時間を測定可能な車両感知器を道路R1に離散的に(例えば150mおきに)設置しておき、各車両感知器の計測結果から交通量や車両の待ち行列長の推定値を算出する方法や、道路R1の交通流を撮影するカメラの画像を処理する画像処理装置を設置しておき、道路R1の交通量や車両の待ち行列長を取得する方法等を採用することができる。
また、近年普及しつつあるプローブ情報を用いて交通量等を取得する方法でも良い。プローブ情報とは、各車両の走行軌跡情報(通過地点の通過時刻を離散的に時系列に並べた情報)であり、ある程度の距離を走行した時点、あるいはある程度時間が経過した時点で路上装置に送信されるものである。道路R1を走行した複数の車両からプローブ情報を収集して分析することで、道路R1の交通状況を推定することができる。
【0039】
このような方法により、交差点AからBに向かう区間(リンク1)、交差点BからCに向かう区間(リンク2)、交差点CからDに向かう区間(リンク3)のそれぞれにおける交通量等を取得し、当該道路が混雑もしくは渋滞しているかどうかを判定する。
具体的には、区間毎に予め設定した所定の閾値(全区間で共通の値としても良いし、時間帯等に応じてきめ細かく設定しても良い)と交通量等を比較し、当該所定の閾値を超えていれば渋滞と判断し、超えていなければ非渋滞と判断する。
【0040】
このような方法で渋滞判定をした結果、例えば、リンク1およびリンク2が非渋滞、リンク3が渋滞と判断された場合には、交差点A乃至Cの3つの交差点を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度範囲を前述の方法を用いて算出する。
仮に、求められた走行速度範囲の最大走行速度Vmax(直線Xによって決まる走行速度)が時速50キロ、最小走行速度Vmin(直線Yによって決まる走行速度)が時速30キロであった場合には、当該走行速度範囲「時速30キロ〜50キロ」をそのまま光ビーコン2Aに送信し、光ビーコン2Aを通じて車両に提供する。この場合、当該範囲の丁度中央値にあたる「時速40キロ」を推奨走行速度として提供しても良い。
このように、系統制御されている道路区間のうち、非渋滞の区間を特定してから、その非渋滞の区間を通過可能な推奨走行速度を提供することで、信号待ち以外の要因で走行を阻まれる区間を除外して適切な情報を提供することが可能となる。
【0041】
本発明では、さらに提供する推奨走行速度を工夫して、次の内容の情報を送信するようにしても良い。
交通状況を取得した結果、交差点CからDに至る区間リンク3は渋滞しているから、交通信号制御システムとしては、このリンク3の渋滞を解消することが肝要である。従って、このリンク3に流入する車両の台数をなるべく少なくし、早くリンク3の渋滞を緩和することが交通流全体の円滑化にとって望ましい。
そこで、光ビーコン2Aから車両に対して送信する推奨走行速度として、前述のようにして算出される走行速度範囲「時速30キロ〜50キロ」のうち、なるべく小さい走行速度を提供するようにする。例えば、「時速30キロ」(最小値)、「時速35キロ」(最小値に少しマージンを持たせた略最小値)、「時速30キロ〜35キロ」(最小値〜略最小値の範囲)や「時速35キロ〜40キロ」(略最小値〜略最小値よりも少し大きい値の範囲)といったように、信号待ちせずに一度に通過することが可能な範囲のうち、小さい走行速度の範囲に限定して車両に提供する方法が有効である。なお、前記マージンは、例えば求められる走行速度よりも十分に小さい値(例えば1/5〜1/10といった程度の値)にすることが望ましい。
渋滞しているリンク3に流入する車両に対して、なるべくリンク3への到着が遅くなるような走行速度を提供することで、リンク3の渋滞を緩和しつつ、車両のスムーズな走行を支援することが可能となり、大変有益である。
【0042】
この場合、前記なるべく小さい走行速度は、例えば、信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度範囲(時速30キロ〜50キロ)を求めた後、当該速度範囲を2等分したうちの小さい方の範囲(時速30キロ〜40キロ)やその中央値(時速35キロ)、当該速度範囲を3等分したうちの最も小さい方の範囲(時速30キロ〜37キロ)やその中央値(時速34キロ)等のような決め方をすることもできる。
なお、情報フォーマットの簡単化等を目的として、5キロ単位や10キロ単位に丸めた情報にしても良い。
【0043】
また、このような系統制御している道路区間が渋滞しているか否かに応じて推奨走行速度を求めて光ビーコン2Aから車両に対して提供する方法を、光ビーコン2Bや光ビーコン2Cにおいても同じように適用し、車両の前方における交通状況を加味した推奨走行速度を求めて、それぞれの地点で車両に提供する。
これにより、交通状況が刻々と変動する場合にも、常に最新の交通状況に応じた適切な情報が車両に対して提供されるため、大変有利である。
【0044】
なお、情報提供を行う地点(例えば光ビーコン2Aの設置された地点)を含む道路自体が渋滞している場合、情報提供を受ける車両は渋滞車列内にいると考えられるため、当該車両にとって有益な推奨走行速度を提供する意義が乏しい。従って、走行支援情報の提供を停止しても構わない。もし光ビーコン2Aよりも下流側における交通流が円滑なのであれば、光ビーコン2B以降で走行支援情報を受信できれば十分だからである。
【0045】
〔系統制御している道路区間よりも手前が渋滞している場合の作成手順〕
以上が系統制御している道路区間が渋滞している場合の走行支援情報の作成手順であるが、次に、系統制御している道路区間よりも手前が渋滞している場合の作成手順を説明する。
既述と同様の方法により、例えば、光ビーコン2Aの設置されている地点よりも上流側、すなわち系統制御されている交差点A乃至Dよりも手前の区間における交通量等の交通状況を取得する。なお、この場合の手前の区間の決め方としては、予め設定された数百メートルの区間といった方法でも良いし、交差点Aよりも手前にある交差点が3つ程度含まれる区間といった方法でも良い。
【0046】
そして、当該区間における交通量や車両の待ち行列長が所定の閾値を超える場合、既述の方法と同様に、当該区間が混雑もしくは渋滞している、と判定する。
もし、系統制御している道路区間よりも手前が渋滞している、と判定された場合には、信号待ちせずに一度に通過することが可能な走行速度範囲「時速30キロ〜50キロ」のうち、なるべく大きい走行速度を提供するようにする。例えば、「時速50キロ」(最大値)、「時速45キロ」(最大値に少しマージンを持たせた略最大値)、「時速45キロ〜50キロ」(略最大値〜最大値の範囲)や「時速40キロ〜45キロ」(略最大値よりも少し小さい値〜略最大値の範囲)といったように、信号待ちせずに一度に通過することが可能な範囲のうち、大きい走行速度の範囲に限定して車両に提供する。なお、前記マージンは、例えば求められる走行速度よりも十分に小さい値(例えば1/5〜1/10といった程度の値)にすることが望ましい。
系統制御している道路区間よりも手前で発生している渋滞を解消すべく、その渋滞している区間よりも下流側の車両の流出を促進することを狙った情報提供方法であり、なるべく大きい走行速度を車両に提供することで、系統制御している道路区間よりも手前における渋滞を緩和しつつ、車両のスムーズな走行を支援することが可能となる。
なお、この場合、提供される推奨走行速度は法定速度もしくは制限速度以下の範囲内とするようにすることが強く望まれる。従って、推奨走行速度の範囲のうち、法定速度もしくは制限速度を超える部分があれば、その部分を除いた情報とすることが望ましい。
【0047】
この場合、前記なるべく大きい走行速度は、例えば、信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度範囲(時速30キロ〜50キロ)を求めた後、当該速度範囲を2等分したうちの大きい方の範囲(時速40キロ〜50キロ)やその中央値(時速45キロ)、当該速度範囲を3等分したうちの最も大きい範囲(時速43キロ〜50キロ)やその中央値(時速46キロ)等のような決め方をすることもできる。
なお、情報フォーマットの簡単化等を目的として、5キロ単位や10キロ単位に丸めた情報にしても良い。
【0048】
なお、このようにして求められる推奨走行速度が、予め定めた最低走行速度(例えば、前記道路区間における平均走行速度など)よりも小さい場合、例えば最低走行速度が時速40キロと定められている道路区間において、算出される推奨走行速度の範囲が時速20キロ〜25キロ等であった場合、そのような小さい走行速度を推奨走行速度として提供することで、かえって前記道路区間の手前の渋滞をひどくする恐れがある。
そこで、算出された推奨走行速度に代えて予め定めた前記最低走行速度もしくはそれよりも大きな速度を推奨走行速度とする方が良い。また、そもそもそういった場合には推奨走行速度の提供そのものを行わないようにしても良い。
道路区間手前が渋滞(混雑)しているのであれば、そういった道路状況に応じた推奨走行速度とすることで、交通流全体にとって適切で柔軟な情報提供を行うことが可能となる。
【0049】
なお、ここでは交差点Aの手前の光ビーコン2Aについて、その手前が渋滞(混雑)している場合について説明したが、同様の情報提供を光ビーコン2Bについても行うことが可能である。この場合、混雑しているかどうかの判断を行う道路区間は、交差点Bよりも手前の区間であり、サブエリアの一部(交差点A乃至Bの区間)を含む道路区間を対象に混雑しているかどうかを判断することが望ましい。
また、光ビーコン2Cや2Dについても同様の情報提供を行うことが可能である。
【0050】
なお、系統制御している道路区間とその手前の道路区間の双方が渋滞している場合(情報提供を行う地点の前方と後方の双方が渋滞している場合)には、下流側の渋滞の解消を優先すべきであるから、系統制御している道路区間が渋滞している場合と同様に、なるべく小さい走行速度の範囲に限定することが望ましい。
【0051】
以上の実施形態では、推奨走行速度の演算を信号制御装置5で行い、随時光ビーコンに送信してから、当該光ビーコンを通じて車両に提供する構成を説明したが、信号制御装置5で実施する処理を道路R1近傍に設置した交通信号制御機1Aで実施しても良いし、交通信号制御機1Aと光ビーコン等の間に設置された情報中継装置(図示せず)等で実施しても良い。また、光ビーコン等の路車間通信用に設置された路上通信装置にさせるようにしても良い。なお、路車間通信を行う路上通信装置は光ビーコンでなくても良く、例えば、電波ビーコンやDSRC、WiMAX、WAVE等の通信方式に対応した無線装置を用いても良い。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
1A乃至1D 交通信号制御機
2A乃至2D 光ビーコン
5 信号制御装置
501 CPU
511 メモリ
512 ハードディスク
521 通信インタフェース
R1 道路
X 最大推奨走行速度の走行線
Y 最小推奨走行速度の走行線
Z 光ビーコン2Aの通過点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のサイクル長で動作させる複数の交通信号制御機の設置された道路区間を信号待ちせずに一度に通過するための走行支援情報を、当該道路区間の手前の車両に対して送信する機能を備える交通信号制御システムであって、
前記道路区間における交通状況及び前記道路区間の手前の所定区間における交通状況のうち少なくとも一方を取得する交通状況取得手段を備え、
当該走行支援情報は、前記交通状況取得手段によって取得される交通状況を加味して算出される推奨走行速度を含むこと
を特徴とする交通信号制御システム。
【請求項2】
前記交通状況取得手段は、前記道路区間の一部又は全部において存在する車両の待ち行列長を取得する機能を備えており、
取得される待ち行列長が第一の閾値よりも大きい場合には、前記道路区間のうち当該待ち行列の存在する地点よりも手前にある1又は複数の交差点を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度を推奨走行速度とすること
を特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。
【請求項3】
前記推奨走行速度は、前記道路区間のうち待ち行列の存在する地点よりも手前にある1又は複数の交差点を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち、最も小さい最小走行速度又は当該最小走行速度よりも所定の値だけ大きい略最小走行速度である請求項2に記載の交通信号制御システム。
【請求項4】
前記交通状況取得手段は、前記道路区間の手前の所定区間における交通量および待ち行列長のうち少なくとも一方を取得する機能を備えており、
取得される交通量や待ち行列長が第二の閾値よりも大きい場合には、前記推奨走行速度を、前記道路区間を信号待ちせずに一度に通過可能な走行速度のうち最も大きな最大走行速度又は当該最大走行速度よりも所定の値だけ小さい略最大走行速度を推奨走行速度とすること
を特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。
【請求項5】
前記推奨走行速度が予め定められた最低走行速度よりも小さい場合には、当該最低走行速度を推奨走行速度とする、又は、走行支援情報に推奨走行速度を含めないようにすること
を特徴とする請求項4に記載の交通信号制御システム。
【請求項6】
前記交通状況取得手段によって取得される前記道路区間の一部又は全部において存在する車両の待ち行列長が第一の閾値よりも大きく、かつ、前記道路区間の手前の所定区間における交通量および待ち行列長のうち少なくとも一方が第二の閾値よりも大きい場合には、前記道路区間のうち当該待ち行列の存在する地点よりも手前にある1又は複数の交差点を通過可能な走行速度のうち、最も小さい最小走行速度又は当該最小走行速度よりも所定の値だけ大きい略最小走行速度を推奨走行速度とすること
を特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−81640(P2011−81640A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233948(P2009−233948)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】