説明

人−マシンインタラクションシステム

【課題】スクリプトを実行するための人-マシンインタラクションシステムを提供する。
【解決手段】人-マシンインタラクションシステム2aは、ディスプレイデバイス22、メカニカルデバイス26、検出モジュール及び処理モジュールを含む。ディスプレイデバイスは、インタラクティブゾーン23内にインタラクティブ像を示すために用いられる。メカニカルデバイスは、インタラクティブゾーン内で移動可能である。検出モジュールは、インタラクティブゾーン内の入力アクションを受け取るために用いられる。処理モジュールは、入力アクション及びスクリプトに従って、メカニカルデバイスの動作を制御し、かつディスプレイデバイスを制御してインタラクティブ像をアップデートする。人-マシンインタラクションシステムによって、物理的及びバーチャルインタラクティブエレメントを一体化し、ユーザーに新たな操作モードを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人-マシンインタラクションシステムに関し、より詳しくは、物理的及びバーチャルインタラクティブエレメントを統合する人-マシンインタラクションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術がますます発展するにつれて、インテリジェントなおもちゃが現在急速に人気を得てきている。例えば、ユーザーと相互作用するインタラクティブ人形(例:ロボット又はメカニカル動物)は、種々の年齢群の間で最も人気があるおもちゃの一つになった。
【0003】
インタラクティブ人形は、ユーザーとコミュニケーションを取ったり、相互作用をしたりすることができる。例えば、インタラクティブ人形を抱きしめるか又は軽くたたくことによって、インタラクティブ人形は、ユーザーと直接相互作用することができる。抱きしめたり軽くたたいたりするアクションをインタラクティブ人形のセンサーが検出すると、インタラクティブ人形は、特定のアクション又は特定の音で応答するであろう。
【0004】
しかしながら、インタラクティブ人形と遊ぶことのインタラクティブな方法は通常単調であるので、ユーザーは、通常、長時間経つと退屈に感じるかも知れない。
【発明の概要】
【0005】
スクリプトを実行するための人-マシンインタラクションシステムを提供することが本発明の目的である。このシステムでは、インタラクティブ像がディスプレイ技術によって生成され、且つインタラクティブ人形と一体化される。その結果、インタラクティブ像が、種々のシナリオに合致してユーザーの要求を満たすようにデザインされる。
【0006】
物理的なメカニカルデバイスとバーチャルなインタラクティブ像を統合して、新たな操作モードを提供し、インタラクティブ効果を高めることができる人-マシンインタラクションシステムを提供することが本発明の別の目的である。
【0007】
本発明の一観点によれば、スクリプトを実行するための人-マシンインタラクションシステムが提供される。人-マシンインタラクションシステムは、ディスプレイデバイス、メカニカルデバイス、検出モジュール及び処理モジュールを含む。ディスプレイデバイスは、インタラクティブゾーン内にインタラクティブ像を示すために用いられる。メカニカルデバイスは、インタラクティブゾーン内で移動可能である。検出モジュールは、インタラクティブゾーン内の入力アクションを受け取るために用いられる。処理モジュールは、ディスプレイデバイス、検出モジュール及びメカニカルデバイスと電気的に接続されている。処理モジュールは、入力アクション及びスクリプトに従って、メカニカルデバイスの動作を制御し、かつディスプレイデバイスを制御してインタラクティブ像をアップデートする。
【0008】
本発明の上記の内容は、次の詳細な説明及び添付図面を参照した後に、当業者により容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一実施形態による人-マシンインタラクションシステムを示す概略機能ブロック図である。
【0010】
【図2】本発明の第1実施形態による人-マシンインタラクションシステムの応用例を概略的に示す。
【0011】
【図3】本発明の第二実施形態による人-マシンインタラクションシステムの応用例を概略的に示す。
【0012】
【図4】本発明の第三実施形態による人-マシンインタラクションシステムを示す概略機能ブロック図である。
【0013】
【図5】本発明の第三実施形態による人-マシンインタラクションシステムの応用例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次の実施形態を参照して、より具体的に本発明の説明を行う。この発明の好ましい実施形態の次の説明は、例示と説明の目的のためにのみここで提示されるということに注意すべきである。本発明が開示された形態そのものによって網羅されているとか、そのような形態に限定されるということは意図していない。
【0015】
図1は、本発明の第一実施形態による人-マシンインタラクションシステムを示す概略機能ブロック図である。図2は、本発明の第1実施形態による人-マシンインタラクションシステムの応用例を概略的に示す。図1及び2に示すように、人-マシンインタラクションシステム2aは、処理モジュール20、ディスプレイデバイス22、検出モジュール24、メカニカルデバイス26及び駆動機構28を備える。
【0016】
処理モジュール20は、ディスプレイデバイス22、検出モジュール24、メカニカルデバイス26及び駆動機構28と電気的に接続されている。人-マシンインタラクションシステム2aは、所定のインタラクティブゾーン23を有する。ユーザーの手がインタラクティブゾーン23内に配置されている場合、ユーザーは、検出モジュール24を通じてメカニカルデバイス26と相互作用可能である。さらに、人-マシンインタラクションシステム2aは、スクリプトを実行するように構成されている。例えば、スクリプトは、ゲームのプログラムコード、インタラクティブ電子ブック又は他のアプリケーションプログラムを含む。
【0017】
この実施形態では、ディスプレイデバイス22は、フラットパネルディスプレイである。ディスプレイデバイス22は、処理モジュール20と電気的に接続されている。ディスプレイデバイス22の表示面は、インタラクティブゾーン23のボーダーに隣接し、インタラクティブゾーン23上に二次元インタラクティブ像36を表示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイデバイス22は、別の位置に配置された投影機であり、インタラクティブゾーン23上にインタラクティブ像を投影する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイデバイス22は、インタラクティブゾーン23の範囲内に立体映像効果を生じさせることができるディスプレイデバイスである。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイデバイス22は、立体像を直接表示することができるホログラフィックディスプレイデバイスである。
【0018】
メカニカルデバイス26は、インタラクティブゾーン23内で移動可能である。つまり、メカニカルデバイス26は、特定の位置に固定されているというよりもむしろインタラクティブゾーン23内で移動可能である。メカニカルデバイス26は、駆動機構28によって駆動されて、インタラクティブゾーン23内で移動する。駆動機構28は、処理モジュール20と電気的に接続されている。さらに、駆動機構28は、伸縮可能なプッシュロッド281及びシャフト282を備える。シャフト282は、インタラクティブゾーン23の縁に回転可能に固定されている。伸縮可能なプッシュロッド281の第一端は、シャフト282と接続されている。伸縮可能なプッシュロッド281の第二端は、メカニカルデバイス26と結合されている。シャフト282の回転アクション及び伸縮可能なプッシュロッド281の直線移動アクションに応答して、メカニカルデバイス26は、インタラクティブゾーン23の特定の位置へ移動可能である。
【0019】
さらに、メカニカルデバイス26の形状は、実際的要求に従って変更可能である。メカニカルデバイス26の形状に従って、メカニカルコンポーネントを変更する。例えば、図2に示すように、メカニカルデバイス26は、ロボットである。ロボットは、種々のアクションをシミュレートするためのいくつかのメカニカルコンポーネントを有する。いくつかの実施形態では、メカニカルデバイス26は、別の形状(例:動物又は自動車)を有する。さらに、メカニカルデバイス26は、駆動機構28の内蔵回路を通じて処理モジュール20と電気的に接続されており、処理モジュール20からコマンドを受け取る。
【0020】
検出モジュール24は、インタラクティブゾーン23内でユーザーの入力アクションを受け取るように構成されている。処理モジュール20は、入力アクション及びスクリプトに従って、メカニカルデバイス26の動作を制御し、かつディスプレイデバイス22上に示されたインタラクティブ像36をアップデートする。この実施形態では、検出モジュール24は、ディスプレイデバイス22上に設置されたタッチパネル241である。タッチパネル241上でのユーザーの入力アクション、例えばディスプレイデバイス22上に示されたインタラクティブ像36をクリック及びドラッグするアクションに応答して、対応するタッチング信号がタッチパネル241によって受け取られ、次に処理モジュール20へ送信される。
【0021】
次に、タッチング信号は、処理モジュール20によって解析される。タッチング信号及びスクリプトに従って、人-マシンインタラクションシステム2aの次のアクションが処理モジュール20によって決定される。例えば、処理モジュール20は、駆動機構28を制御してインタラクティブゾーン23内でメカニカルデバイス26を移動させたり、メカニカルデバイス26の移動を直接制御したり、又はディスプレイデバイス22を制御してインタラクティブ像36をアップデートすることができる。
【0022】
図3は、本発明の第二実施形態による人-マシンインタラクションシステムの応用例を概略的に示す。人-マシンインタラクションシステム2bでは、駆動機構28は、トラック283及び伸縮可能なプッシュロッド281を備える。伸縮可能なプッシュロッド281は、トラック283上に設置され、トラック283に沿って移動可能である。さらに、伸縮可能なプッシュロッド281は、トラック283に垂直な方向に伸縮させることができる。伸縮可能なプッシュロッド281の第一端は、トラック283と接続されている。伸縮可能なプッシュロッド281の第二端は、メカニカルデバイス26と結合されている。これによって、メカニカルデバイス26は、駆動機構28によってインタラクティブゾーン23の特定の位置へ移動可能である。
【0023】
例えば、人-マシンインタラクションシステム2bは、球技又はヒッティングゲームを実行するために利用可能である。この実施形態では、メカニカルデバイス26は、バットを握るロボットである。人-マシンインタラクションシステム2bの動作の間、ユーザーの指は、ディスプレイデバイス22を覆うタッチパネル241に接触可能であり、インタラクティブ像36上でのユーザーのジェスチャーは、インタラクティブ像36のモーションを制御するために行われる。ユーザーのジェスチャーがタッチパネル241によって検出された後、タッチパネル241は、タッチング信号を処理モジュール20へ発行する。次に、タッチング信号は、処理モジュール20によって解析される。処理モジュール20は、ユーザーのジェスチャー及びスクリプトに従って、メカニカルデバイス26の動作を制御し、かつディスプレイデバイス22を制御してインタラクティブ像36をアップデートする。
【0024】
図4は、本発明の第三実施形態による人-マシンインタラクションシステムを示す概略機能ブロック図である。図5は、本発明の第三実施形態による人-マシンインタラクションシステムの応用例を概略的に示す。図4及び5に示すように、人-マシンインタラクションシステム2cは、処理モジュール20、ディスプレイデバイス22、検出モジュール24、メカニカルデバイス26、第一無線伝送ユニット30及び第二無線伝送ユニット32を備える。
【0025】
第1無線伝送ユニット30と第二無線伝送ユニット32は、互いに通信して、無線伝送技術によってデータを送受信する。この実施形態では、第1無線伝送ユニット30は、ディスプレイデバイス22上に配置され、処理モジュール20と電気的に接続されているが、これに限定されない。第二無線伝送ユニット32は、メカニカルデバイス26上に配置される。
【0026】
検出モジュール24は、タッチパネル241、カメラ242及びタッチ検出ユニット243を備える。タッチパネル241の機能は、上記の実施形態のものに類似しており、ここでは冗長に説明を行わない。カメラ242は、メカニカルデバイス26及びユーザーのジェスチャーを撮影するために用いられ、これによってデジタル像を取得する。デジタル像は、処理モジュール20へ送信される。その結果、デジタル像に含まれるユーザーのジェスチャーは、処理ユニット20によって解析される。
【0027】
タッチ検出ユニット243は、メカニカルデバイス26上に配置され、第二無線伝送ユニット32と電気的に接続されている。さらに、タッチ検出ユニット243は、ユーザーのタッチングアクションを検出するために用いられる。タッチ検出ユニット243上でのタッチングアクションに応答して、タッチ検出ユニット243は、検出信号を発行する。検出信号は、第1無線伝送ユニット30及び第二無線伝送ユニット32を通じて処理モジュール20へ送信される。
【0028】
メカニカルデバイス26は、可動ユニット29を備える。この実施形態では、可動ユニット29は、二足歩行システムである。別の実施形態では、可動ユニット29は、車輪移動システム又はキャタピラー歩行システムである。さらに、タッチ検出ユニット243及び第二無線伝送ユニット32は、メカニカルデバイス26上に配置される。メカニカルデバイス26は、タッチ検出ユニット243及び可動ユニット29と電気的に接続されている。
【0029】
処理モジュール20は、ディスプレイデバイス22、タッチパネル241、カメラ242及び第1無線伝送ユニット30と電気的に接続されている。処理モジュール20は、スクリプト、ユーザーのジェスチャー及びユーザーのタッチングアクションに従って、メカニカルデバイス26の動作を制御し、かつディスプレイデバイス22を制御してインタラクティブ像36をアップデートするであろう。言い換えると、可動ユニット29は、第1無線伝送ユニット30及び第二無線伝送ユニット32を通じて処理モジュール20によって制御され、これによって、メカニカルデバイス26がインタラクティブゾーン内で移動する。
【0030】
上記説明から、人-マシンインタラクションシステムが物理的なメカニカルデバイスとバーチャルなインタラクティブ像を統合するので、新たな操作モードが提供可能になり、インタラクティブ効果が高められる。
【0031】
本発明は、現在最も実用的で最も好ましい実施形態であると考えられるものの観点で説明を行ったが、本発明は、開示された実施形態に限定される必要がないことは理解されるべきである。反対に、本発明は、付属の請求項の精神と範囲内に含まれる種々の修正及び類似の構成をカバーすることを意図している。付属の請求項は、全てのこのような修正と類似の構成を包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリプトを実行するための人-マシンインタラクションシステムであって、
前記人-マシンインタラクションシステムは、
インタラクティブゾーン内にインタラクティブ像を示すためのディスプレイデバイスと、
前記インタラクティブゾーン内で移動可能であるメカニカルデバイスと、
前記インタラクティブゾーン内の入力アクションを受け取るための検出モジュールと、
前記ディスプレイデバイス、前記検出モジュール及び前記メカニカルデバイスと電気的に接続されている処理モジュールとを備え、
前記処理モジュールは、前記入力アクション及び前記スクリプトに従って、前記メカニカルデバイスの動作を制御し、かつ前記ディスプレイデバイスを制御して前記インタラクティブ像をアップデートする、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、前記検出モジュールは、前記ディスプレイデバイス上に配置されたタッチパネルを備える、システム。
【請求項3】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、
前記処理モジュールは、前記検出モジュールによって検出されるユーザーのジェスチャー及び前記スクリプトに従って、前記メカニカルデバイスの動作を制御し、かつ前記ディスプレイデバイスを制御して前記インタラクティブ像をアップデートする、システム。
【請求項4】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、
前記検出モジュールは、カメラを備える、システム。
【請求項5】
請求項4に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、
前記処理モジュールは、前記検出モジュールによって検出されるユーザーのジェスチャー及び前記スクリプトに従って、前記メカニカルデバイスの動作を制御し、かつ前記ディスプレイデバイスを制御して前記インタラクティブ像をアップデートする、システム。
【請求項6】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、
前記検出モジュールは、タッチ検出ユニットを備え、前記タッチ検出ユニットは、ユーザーのタッチングアクションを検出するために前記メカニカルデバイス上に配置され、
前記処理モジュールは、前記タッチングアクション及び前記スクリプトに従って、前記メカニカルデバイスの動作を制御する、システム。
【請求項7】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、
前記処理モジュールと電気的に接続されている駆動機構をさらに備え、前記駆動機構は、伸縮可能なプッシュロッドを備え、前記伸縮可能なプッシュロッドの端は、前記メカニカルデバイスと接続されており、
前記処理モジュールは、前記入力アクション及び前記スクリプトに従って、前記駆動機構を制御して、前記メカニカルデバイスを前記インタラクティブゾーンの特定の位置へ移動させる、システム。
【請求項8】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、前記ディスプレイデバイスの表示面は、前記インタラクティブゾーンのボーダーに隣接し、前記インタラクティブゾーン上に二次元又は立体的に前記インタラクティブ像を示す、システム。
【請求項9】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、前記メカニカルデバイスは、可動ユニットをさらに備え、前記可動ユニットは、前記処理モジュールの制御下で動かされる、システム。
【請求項10】
請求項9に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、
前記処理モジュールと電気的に接続されている第一無線伝送ユニットと、
前記メカニカルデバイス上に配置され且つ前記可動ユニットに電気的に接続されている第二無線伝送ユニットをさらに備え、
前記可動ユニットは、前記第一無線伝送ユニット及び前記第二無線伝送ユニットを通じて前記処理モジュールによって制御される、システム。
【請求項11】
請求項1に記載の人-マシンインタラクションシステムであって、前記スクリプトは、ゲームのプログラムコード、インタラクティブ電子ブック又は他のアプリケーションプログラムを含む、システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−22670(P2012−22670A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90864(P2011−90864)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(511074512)華寳通訊股▲ふん▼有限公司 (2)
【氏名又は名称原語表記】COMPAL COMMUNICATION, INC.
【住所又は居所原語表記】8F, No. 385, Yang Guang St., Neihu 114, Taipei, Taiwan, R.O.C.
【Fターム(参考)】