説明

人工衛星を使った有料道路料金収受システム及び料金収受機並びに料金収受方法

【課題】 車両の各種装備に関する新たな技術を提供する。
【解決手段】 車両のダッシュボード123へフロントガラス124に向けてカメラ125が設置されフロントガラス124の状態の撮像が行われる。得られた画像データへパターン認識を適用してフロントガラスの状況の検知が行われると共に、状況に応じてワイパーアーム127の作動及び停止或いは作動時における作動速度としてワイパー作動パターンの決定が行われる。また、2つのカメラでタイヤが撮像され、得られた画像がシステムデータセンターへ送信される。システムデータセンターでは立体画像パターン認識による劣化損傷状態検知が行われ、必要な時には車両の所有者に対して損傷の通知が行われる。更に、車両減速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段により得られた車両減速度に対応付けられた時間間隔でブレーキランプの点滅点灯を行う点滅点灯制御手段とが備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工衛星を使った有料道路料金収受システム及び料金収受機並びに料金収受方法に関し、自動車有料道路における従来の料金支払い所或いはETCシステムの設備等を使わずに有料道路走行料金を収受することを可能とする、人工衛星を使った有料道路料金収受システム及び料金収受機並びに料金収受方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の有料道路における料金収受は有料道路入口に設けられた有料道路料金支払い所で料金先払いを行うか、或いは入口に設けられた自動通行券発行機から通行券を受け取り有料道路出口に設けられた料金所で係員へ通行券を手渡して料金を計算してもらい、その走行料金を現金及びクレジットカード或いはプリペイドカード等によって、その場で支払い処理を行うことにより行われていた。
【0003】
しかし、上述の様な料金収受方法では人的稼働を必要とすると共に料金所付近では頻繁に混雑が発生するので、これを簡素化する為に最近ではETC(Electronic Toll Collection System)が併設されている。このETCシステムでは、有料道路の入口及び出口へ設置をされた道路側アンテナと車両へ装着を行った車載機との無線通信により料金収受処理に必要な情報の送受信を行い、実際の走行料金支払いは金融機関での自動支払いとすることで、有料道路出入口でほとんど止まることなく走行出来る様になっている。
【0004】
以上の様な従来の料金収受方法或いはETCシステムは、料金支払い所及びゲート等の設備とそれに伴う人的稼働が必要であり、それらの費用は有料道路走行者が支払う有料道路料金等により賄われている為、料金収受システムは簡素であるほど好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、有料道路料金収受の為の設備と人的稼動が大幅に簡素化出来る上に車の流れがスムーズとなる料金収受システムが提供されることであると共に、有料道路料金収受の為の設備等を大幅に簡素化出来る料金収受方法が提供されることである。また、この様な料金収受システム及び料金収受方法に適した車両装着型の料金収受機が提供されることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、人工衛星を使って得られた車両の位置である緯度データ及び経度データ並びに高度データに基づき車両の走行位置履歴が常に時刻データと共に累積記録されており、その記録を基に車両が有料道路の走行を行ったかどうかの判定が行われる。車両が有料道路の走行を行った場合には、その累積記録データを基に有料道路走行区間に対する走行料金収受処理が金融機関における自動支払い処理として自動的に行なわれる。具体的には、本発明の有料道路料金収受システムは、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータ等を記憶可能とされた運転免許証カードと、運転免許証カードから記憶データを読取る読取手段と、人工衛星等を使って得られた車両の位置を示す緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時計から得られた時刻データを出力する情報出力手段と、情報出力手段から出力された緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データに基づき、車両の走行位置履歴を示す走行車両位置データが記憶される走行車両位置履歴データ記憶手段と、有料道路の場所及び高度並びに料金に関するデータが予め記憶された道路データ記憶手段と、走行車両位置履歴データ記憶手段の記憶内容と道路データ記憶手段の記憶内容とに基づき、走行を行った有料道路の区間を決定し走行料金が算出される算出手段と、読取手段によって運転免許証から読み取られた運転者識別コードに基づき算出手段により算出された有料道路走行料金を、走行者が車両への車載機取り付けの時に設定しておいた金融機関口座からの自動支払いによって収受処理が行われる料金収受処理手段とを備える。
【0007】
上記有料道路料金収受システムは多数台の車両と幾つかの人工衛星とシステムデータセンター等から構成される。
車両には運転免許証へ記憶されているデータが読取られる読取手段と、車両の緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データが出力される情報出力手段と、システムデータセンターとの通信が行われる通信手段とが設けられ、その車両は正規の運転免許証カードがセットされた時にエンジンのスタートが許可されるエンジンスタート判定手段を更に備える。
【0008】
運転免許証カードは運転者識別コードと共に運転免許に関するデータを記憶可能なカードとするが、現時点ではICカードが最適である。ICカードへはその他に運転者の運転特質に関するデータが記憶され、車両には読取手段により運転免許証ICカードから運転者の運転特質に関するデータが車両における制御装置であるMPUへ読み込まれることに応じて、車両をその運転者にとって最適な状態にセッティングされる車両状態設定手段が設けられていることが好ましい。
【0009】
車両に装着される料金収受機としては、カーナビゲーション機能と一体型の型式と、カーナビゲーション機能とは別に単体で機能する型式とがある。前者のものは幾つかの人工衛星から受信を行った複数の電波信号を基に算出された緯度データ及び経度データ並びに高度データを出力する構成要素としてカーナビゲーション機能の構成要素を使うことが可能である。
【0010】
前者の料金収受機は人工衛星から受信を行った電波信号を基に算出された緯度データ及び経度データ並びに高度データが出力される車両位置情報出力手段を有し、前記車両位置情報出力手段からの車両位置情報等に基づいて車両走行進路決定が行われるカーナビゲーション機能を伴った料金収受機であり、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータ等が記憶された運転免許証カードからデータが読取られる読取手段と、読取手段により読み取られた運転者識別コードと位置情報出力手段から出力された車両位置データとしての緯度データ及び経度データ並びに高度データへ、その時々の時刻データ及び車両各作動個所における作動状況データとしての車両作動状態パラメータを伴ってシステムデータセンターへ送信が行われる送信手段とを備えている。
【0011】
一方、後者の単体で機能する型式である料金収受機は、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータを予め記憶可能な運転免許証カードから記憶データが読取られる読取手段と、人工衛星から受信を行った電波信号を基に算出された車両位置データとしての緯度データ及び経度データ並びに高度データと、時計から得られた時刻データとが出力される情報出力手段と、読取手段により読取られた運転者識別コードと共に情報出力手段からのデータを、有料道路の料金計算及び料金収受処理を行うシステムデータセンターに対して送信が行われる通信手段とを備える。
【0012】
多数台の車両から送信されて来る車両データに対して、多数台車両データ集約収集機能を持つシステムデータセンターには各車両毎に車両の走行位置履歴を示す走行車両位置データが記憶される走行車両位置履歴データ記憶手段と、全国の全道路の場所と高度及び名称並びに有料道路料金に関する料金データとが記憶される道路データ記憶手段と、車両が走行を行った有料道路の区間が決定され走行料金が算出される算出手段と、車両或いは金融機関との間で通信が行われる通信手段と、料金収受が行われる料金収受処理手段等とが設けられる。走行車両位置データ記憶手段には車両通過点の緯度データ及び経度データ並びに高度データが、運転者識別コード毎に車両データテーブルが作成されて、時刻データと共に時系列データとして累積記憶が行われる。
【0013】
車両は車両各作動個所の作動状況を示すデータが収集される車両作動状態パラメータ収集手段を備え、システムデータセンターは車両を識別する車両識別コード毎に車両作動状態パラメータ収集手段により収集された車両作動状況が累積記憶される車両作動状態記憶手段と、車両作動状態記憶手段に記憶された記憶内容に基づき車両の作動状況の適正さが診断プログラムにより判定され、メンテナンスが必要な判定結果となった時には車両識別コードで特定される車両所有者に対して通知が行われる車両診断結果通知手段とを更に備える。
【0014】
上記システムデータセンターでは、車両作動状態パラメータ収集手段によって収集が行われて累積記録されている車両作動状況データを、地形データを伴った全国全道路データベースデータ及び時刻データと合わせて分析が行われることでドライバーの運転技術診断が可能となる、ドライバー運転技術診断手段を更に備えることが好ましい。
【0015】
システムデータセンターは、好ましくは多数台の車両から送信されて来た各車両における場所を示すデータと進行方向と走行速度データとに基づいて、その時々の道路混雑状況の解析がリアルタイムで行われる道路混雑状況解析手段を更に備える。カーナビゲーション機能が装備されている車両に対して解析結果データである道路混雑状況データの送信が行われることで、車両ではその時点での最良な目的地点までの走行進行経路を求めることが可能となる。
【0016】
車両は車両室内へ設置された車載機のアンテナと人工衛星或いはシステムデータセンターのアンテナとの電波信号送受信が良好に行われる為に、ワイパーの作動が制御されるワイパー自動制御手段を備えることが好ましい。これはフロントガラスの状態が撮像手段により撮像されて得られた画像からフロントガラス状況検出手段によってフロントガラス状態検知が行われ、最適なワイパー作動が決定されて自動制御が行われるものである。
【0017】
システムデータセンターでは多数台の車両から送信されて来たワイパー作動状況を示す情報に基づいて降雨分布の把握を可能とする、降雨分布把握手段を備えることが好ましい。
【0018】
車両には更に、タイヤ走行面等の状態をタイヤ近くへ設備をされた2つのカメラを用いる撮像手段によって撮像を行うことで、タイヤ表面の凹凸を立体的に捉えることが可能となるが、撮像された画像データに対して画像パターン認識が適用されて判定が行われることにより、タイヤの劣化損傷状態が検知をされるタイヤ劣化損傷検出手段を備えることが好ましく、タイヤの損傷及び的確なタイヤのローテーション時期或いは交換の時期が車両の所有者に対して通知されることが可能となる。
【0019】
また、車両の加速度が検出される加速度検出手段と、ブレーキペダルが作動された時にブレーキランプをその時々の車両減速度に対応付けられた点滅時間間隔で点滅点灯が行われると共に、減速度が大きくなるほど点滅間隔が短くなると云う制御が行われるブレーキランプ点滅点灯制御手段を更に備えることが好ましい。
【0020】
有料道路料金収受方法は、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータ等が記憶された運転免許証カードから記憶データが読取られるステップと、幾つかの人工衛星から受信された複数の電波信号を基に算出された車両の位置を示す緯度データ及び経度データ並びに高度データと、時計から得られた時刻データを出力するステップと、出力された緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データに基づき、車両が走行をした全ての車両位置である緯度及び経度並びに高度を示す車両走行位置履歴データが時刻データと共に記憶されるステップと、記憶された緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データと、予めシステムデータセンターでデータ化しておいた有料道路或いは一般道路にかかわらず全ての道路の場所及び高度に関するデータとに基づき有料道路を走行したことが判別されるステップと、有料道路走行区間番号データとして記憶されている有料道路の走行が行われた所の有料道路区間に応じて、車両種別毎で定められている道路走行料金が記憶されている有料道路料金データベースを基に料金算出が行われ、運転者識別コード毎に算出された有料道路走行料金の収受処理が、走行者が予め設定しておいた金融機関口座での自動支払処理によって行われるステップとを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1へ示す様に、本実施例の有料道路料金収受システムは、後述の車載機11・130が装着された車両7.GPS衛星1.通信衛星30.システムデータセンター20及び金融機関22等から構成される。
【0022】
車両7は図2へ示す様に、車両のセンターコンソールパネル12へ車載機11が装着されている。図2へ示す車載機11はGPS(Global Positioning system)を使って目的地までの車両走行進路決定が行われるカーナビゲーション機能を有するが、有料道路料金収受システムとしてはカーナビゲーション機能を特に必要とする訳ではない。カーナビゲーション機能とは別に単体で機能する型式の車載機130については後述することとして、先にカーナビゲーション機能一体型の車載機11について説明を行う。
【0023】
有料道路料金は車両種別で異なっており、現在のところ普通車・中型車・大型車・特大車・軽自動車(自動二輪車)・軽車両として料金が定められている。有料道路の料金収受の際には、その車両がどの車両種別なのかを判別される必要があるが車載機を新車購入時に車両へ取付けられる場合はカー・ディーラー等で、或いは車両とは別に車載機をカー用品店等で購入して車両へ取付けられる場合はカー用品店等で、走行者が住所と氏名及び有料道路料金自動支払いの為の金融機関口座等の設定を行う際に車両種別の届けが行われることで、料金算出時には登録された車両種別に対応して定められている走行料金で料金算出が行われる。
【0024】
車載機11は、主たる構成として図3へ示す様にCPU41.時計42.ROM43.RAM45.外部記憶装置46.表示部47.操作部49.カード機能処理部51.車両情報処理部53.GPS情報処理部55.通信機能部57.カーナビゲーション機能部58及び電源部59が設けられている。カード機能処理部51に対しては運転免許証カード50がセットされる。
【0025】
CPU41は各種演算処理及び操作処理を制御するものである。時計42は時刻データを与えるものでる。
ROM43は車両へ車載機が取付けられた時に車両識別コードとなる車両IDコードが車載機製造時に記憶されると共に、CPU41の制御プログラムが記憶されるものである。RAM45は、CPU41が行う各種処理に用いられるデータ等が記憶されるものである。
【0026】
外部記憶装置46は、車両位置データ及び車両の各部作動状況を示す車両作動状態パラメータを、時計42から得られた時刻データと共にログ情報として累積記憶が行われるものである。
【0027】
表示部47は、料金収受機能情報及びカーナビゲーションシステム機能情報或いは通信機能情報等が表示されるものであり、図情報及びメッセージ情報等として表示可能である液晶表示部及び数個のLEDランプを有している。
【0028】
操作部49は、料金収受機能の操作及び運転免許証カードデータの読み出し或いはカーナビゲーションシステム機能の操作、或いは通信機能部57の操作等を行う為のものであり車載機本体の操作スイッチである。
【0029】
カード機能処理部51は、ICカード化された運転免許証カード50から運転者を認識する運転者識別コードが読取られると共に運転免許に関するデータが車載機へ読み取られるる他に、車両における制御装置であるMPUで記憶されている運転者の運転特質に関するデータ及び車両状態セッティングデータ等、運転免許証カード50の記憶部へ記憶されている保存データの更新を行うものである。
【0030】
車両情報処理部53は、車両7の各作動個所の作動状況の収集を行う為のものである。収集される情報としては、走行速度.加速度.走行距離.エンジン回転数.瞬間走行燃費.エンジンスタートストップ回数.外気及び室内温度.乗車人数等の数値情報の他、燃料量.ブレーキオイル.パワーステアリングオイル.冷却水.トランスミッションオイル.ウォッシャー液.バッテリ液.電球切れ.ヒューズ切れ等をセンサーで読み取られた状況、ドア.ウィンドウ.ボンネット.トランク.燃料補給口等の開閉、ドアロックON/OFF、ワイパーON/OFF及び作動パターン、各個所ランプON/OFF、フットペダル作動レベル、ギア位置、ハンドル回転位置、ウインカーON/OFF、シートベルト着脱、ハンドルポジション、シートポジション等の作動状態或いはタイヤの画像データ等がある。
【0031】
GPS情報処理部55は、幾つかのGPS衛星1から複数の電波信号の受信が行われ、その受信された電波信号データを基に演算が行われることで車両の位置である緯度データ及び経度データ並びに高度データが求められて出力されるものである。また、GPS衛星1から受信された電波信号により時計42の時刻補正が行われる。
【0032】
通信機能部57は車両外部との通信が行われる為のものであり、本発明においては特に車両の走行位置履歴データが時刻データと共にシステムデータセンター20への送信が行われる機能を果たす。通信機能部57でのシステムデータセンター20との通信は、IP電話等での通信料金が固定料金制として通信インフラが整えられた時には、エンジン作動時は常にシステムデータセンター20と通信接続状態ということが経済的に可能となり、車両位置データ及び車両各個所作動状態パラメータとして刻々とシステムデータセンター20へデータ送信が行われることも現実的となる。通信は車両7における車載機11と地上基地局のアンテナ31を介して行われる。ここでのアンテナとは実際には市街地等における幾つかのビル屋上等へ設置をされたアンテナのことを示すが、都市部から離れた地点での通信を考えると通信衛星30等上空基地局を介して行われることが好ましい。
【0033】
カーナビゲーション機能部58はGPS情報処理部55からの出力データを受けて表示部47へ車両の現在位置が表示されると共に、目的地点までの走行進行経路の決定が行われるものである。
【0034】
電源部59は上記車載機11の各構成に対して電気の供給が行われる為のもので、車両のバッテリーが電源として用いられている。従って正規の運転免許証が車載機へセットされた状態で、エンジン・キーがOFF位置からON位置へ作動された時に車載機に対して通電が行われる。
【0035】
次にシステムデータセンター20について説明する。システムデータセンター20には図4へ示す様に主たる構成として主制御部61.記憶装置63.通信処理部65及び料金収受処理部67が設けられる。
【0036】
主制御部61は、システムデータセンター20の動作を制御するものでありCPUとROM及びRAMを有する。
記憶装置63には、後述の図5ないし図15へ示すデータテーブル70.80.90.100.110及び設定データ701.703.120.122.130等のデータが記憶される記憶媒体が設備されている。
【0037】
通信処理部65は、前記アンテナ31により車載機11或いは後述の車載機130が装着された車両7と、直接或いは通信衛星30等を介して通信が行われる一方、金融機関22に対してはドライバーIDコード毎即ち各運転者毎にまとめた料金収受処理のデータの送信が行われる為のものである。
【0038】
料金収受処理部67は走行車両位置履歴データの分析を行い、有料道路走行区間個所が決定され料金が算出されると共に、金融機関22との間で走行料金の料金収受処理が行われるものである。
【0039】
次に、図5ないし図15に示すデータテーブルについて説明する。
図5へ示す車両データテーブル70はシステムデータセンター20における記憶装置63で各車両毎に作成されるデータテーブルで、車両走行位置履歴データと車両作動状態データを時刻データと共に記憶される為のものであり、車両を特定する為の車両IDコードが記憶される車両ID記憶エリア71と、運転者を識別する為のドライバーIDコードが記憶されるドライバーID記憶エリア72と、時刻データ(年月日時分秒)が記憶される時刻データ記憶エリア73と、車両の走行位置履歴データ即ち車両通過点の緯度データ及び経度データ並びに高度データがそれぞれ記憶される車両通過点緯度データ記憶エリア75と、車両通過点経度データ記憶エリア77と、車両通過点高度データ記憶エリア78と、車両各作動個所作動状態パラメータが記憶される車両作動状態データ記憶エリア79とを備えている。車両IDコード71から車両作動状態データ79までで1つのレコードが構成され、この車両データテーブル70は各車両毎、即ち車両IDコード毎に作成される。
【0040】
図6へ示す車両作動状態番号設定一覧表701は、上記図5で示した車両データテーブル70における車両作動状態データ記憶エリア79へ記憶される車両作動状態パラメータの、車両に数在る各作動個所の作動個所番号と、それぞれの作動個所が取り得る作動状態が作動状態番号として対応付けられて設定が行われた、車両作動状態番号設定一覧表701である。各作動個所それぞれが取り得る状態が作動状態番号として対応付けられて設定されている。
【0041】
例として、車両における作動個所数を200個所と設定し、それぞれに対してその作動個所が取り得る作動状態数を32と設定されている。作動個所としての200個所の内、ここでは30までを10進数での数値を表すデータ領域とし、後の31から200までは作動状態を2進数5ビットとして0から31まで計32の状態がそれぞれ表される様に設定されている。作動個所数及び作動状態数は必要に応じて設定が行われる。
【0042】
この例では、作動個所番号1のデータは車速を示すデータで10進数の数値データであり、作動個所32のデータはワイパー作動状態を示すデータで2進数の数値で表されるが「停止0」・「作動パターン1」・「作動パターン2」・「作動パターン3」…・・「作動パターン31」の計32の状態を、それぞれ「00000」「00001」「00010」「00011」…・・「11111」と表すこととして予め決めておく。刻々と変化をする車両各個所の状態が、決められた時間間隔をサンプリング周期とした車両各作動個所の作動状態として数値化されて収集が行われる。
【0043】
図7へ示す車両作動状態設定データ一覧表703は、具体的な車両作動状態設定データを示す一覧表で、作動個所番号と作動状態番号が対応付けられて車両作動状態を数値として表す為の設定が行われた一覧表の例である。
【0044】
図8は、図5で示す車両データテーブル70における車両作動状態データ記憶エリア79へ記憶される車両作動状態パラメータ705としての具体例である。データ形式としてはカンマ区切りのテキストデータである。
【0045】
図9へ示す全国全道路データベース80は、車両が走行を行った緯度と経度及び高度から車両がどこの道路の走行を行ったのか決定される際に参照されるデータベースであり、有料道路或いは一般道路にかかわらず全国全ての自動車道路に対してその道路特性と位置情報が記憶されている。具体的には、全国道路地図上における道路として位置する地点の緯度.経度.高度.道路属性.有料道路区間番号或いは一般道路路線名.住所を地点名として収集を行い、それらのデータがそれぞれ記憶されることで作成されている。
【0046】
全国全道路データベース80は、緯度が記憶される緯度データ記憶エリア81と、経度が記憶される経度データ記憶エリア82と、高度が記憶される高度データ記憶エリア83と、都市間高速道路.自動車専用道路等の有料道路種別或いは国道.都道府県道等の一般道路種別が、予め設定された数字記号に置き換えられた道路属性数字記号841データとして記憶される道路属性記憶エリア84と、有料道路におけるどの区間であるかを示す有料道路区間番号851が記憶される有料道路区間番号データ記憶エリア85と、一般道路路線名861が記憶される一般道路路線名データ記憶エリア86と、その地点の場所の特定を行う為にその地点の住所がデータとして記憶される地点名データ記憶エリア87とを備えている。
【0047】
ここでの高度データ記憶エリア83へ記憶される高度データの収集は、緯度データ及び経度データの収集を行う時、即ち全国全道路データベース80の作成時に行われることとするが、本有料道路料金収受システムが運用された後に、多数台の車両7がシステムデータセンター20へ送信をして来る車両データテーブル70のデータの中には、車両通過点緯度データ及び車両通過点経度データの他に高度データが在り、システムとして運用を行いながら多数台の車両7が送信をして来る各道路の各地点における高度データと、予め作成された全国全道路データベース80の高度データ記憶エリア83で記憶されている高度データとの照合に従ってデータ補正が行われデータ整備が為されて行くこととする。運用に従ってのデータ補正によるデータ整備は緯度データ及び経度データでも同様に考え、料金収受システムとして的確な全国全道路データベース80への整備が行われる。
【0048】
なお、高度データの利点としては高架式の有料道路が多い中で一般道路の上を並走して有料道路が設置されている場所では、緯度データ及び経度データだけではどちらの道路を走行しているのか判別は不可能であるが、そこへ高度データが追加されることで判断が可能となる。
【0049】
基本概念として車両位置を二次元として捉えるのではなく、高度を伴った三次元としての位置で捉える。山岳地.海岸沿い.登り坂中間位置.立体交差道路における螺旋状ランプ中間位置等、車両の位置を全て三次元としての位置とする。
【0050】
高度データを得る為には、車載機におけるGPS情報処理部55により補足されるGPS衛星1の数が緯度データ及び経度データが得られる為に必要な衛星の数より多く必要となることから、GPS情報処理部55は高い電波信号補足性能を備えると共に、受信された電波信号データからの緯度データ及び経度データ並びに高度データが得られる為の高い演算算出性能を備える。
【0051】
図9へ示す例の様に道路属性数字記号841として、それぞれの道路種別に対して有料道路ヘは「頭へ数字の1」、一方一般道路ヘは「頭へ数字の2」と決め、それに続けて連番の付与が行われた記号数字を対応付ける設定が行われ、有料道路及び一般道路にそれぞれ在る道路種別が道路属性数字記号841として表される。
【0052】
ここで有料道路が全てユニークな番号として表される、有料道路区間番号851について説明を行う。図13へ示す様に、有料道路それぞれの路線に対して路線番号として4桁の数字で表され、その後へハイフン「−」を置いて、その有料道路路線内におけるそれぞれの区間に対して一連の通し番号の付与が行われた路線内区間番号とを合わせることによって、9桁の数字「○○○○−○○○○」の表記で日本全国の有料道路における、インターチェンジと次のインターチェンジとしての特定の一区間は全てユニークな番号として表される。
【0053】
例えば路線名として、東名「0001」.名神「0002」.中央「0003」等その他全ての有料道路の路線に対して「○○○○」として4桁の数字で路線番号が与えられる。そしてその路線におけるインターチェンジと次のインターチェンジとの間の一区間に対して、路線内区間番号として「○○○○」を考えるが、頭の一桁目へ「0」としたものを「下り区間番号」と決め、「1」としたものを「上り区間番号」と設定が行われる。ここでの図13は東名高速道路における下り有料道路区間番号一覧表120を示している。それに対して図14として、東名高速道路における上り有料道路区間番号一覧表122を示す。
【0054】
具体的には例えば、下りとして東名の「大井松田〜御殿場」間なら「0001−0007」と表され、名神の「小牧〜小牧東」間なら「0002−0001」と表される、一方上りとして東名の「御殿場〜大井松田」間なら「0001−1025」と表されることとなる。なおジャンクションを挟んで路線名が替わる所では、次のインターチェンジまでを相互にその路線内の有料道路区間番号としてデータ化されており、その区間はどちらの路線からでも索引可能となる様にしておく。
【0055】
一方、一般道路の場合は一般道路路線名861として、○○号線等の「路線番号数字」或いは〇〇道等の「道路名称」を一般道路路線名データとしてデータ化が行われる。
図10へ示す有料道路走行区間番号データ記憶テーブル90は、車両全走行位置履歴データの内の有料道路の走行が行われた所のデータで作成されるデータ記憶テーブルであり、一度の有料道路走行経路即ち有料道路走行時における入口インターチェンジから出口インターチェンジまでの区間経路履歴が有料道路区間番号データで示される。有料道路走行区間番号データ記憶テーブル90は、車両IDコードが記憶される車両ID記憶エリア91.ドライバーIDコードが記憶されるドライバーID記憶エリア92.時刻データ(年月日時分秒)が記憶される時刻データ記憶エリア93.道路の属性即ち都市間高速道路・自動車専用道路・都市高速道路・一般有料道路等の道路属性数字記号841が記憶される道路属性記憶エリア94.上り或いは下り有料道路区間番号が記憶される有料道路区間番号データ記憶エリア95.車両通過場所を表す地点名として住所がデータとして記憶される地点名データ記憶エリア97及び車両作動状態パラメータが記憶される車両作動状態データ記憶エリア98で構成されている。データとしては有料道路入口における区間から走行順に区間を辿り、出口における区間までの「〇〇〇〇−〇〇〇〇」で表される有料道路区間番号データが、有料道路区間番号記憶エリア95へ車両IDコード91毎に記憶される。
【0056】
図11へ示す一般道路走行車両位置データ記憶テーブル100は、車両7が有料道路以外即ち一般道路の走行を行った所の走行車両位置データが記憶されるデータ記憶テーブルであり、車両IDコードが記憶される車両ID記憶エリア101.ドライバーIDコードが記憶されるドライバーID記憶エリア102.時刻データ(年月日時分秒)が記憶される時刻データ記憶エリア103.道路の属性即ち国道・都道府県道・市町村道等の道路属性数字記号が記憶される道路属性記憶エリア105.一般道路路線名861として例えば国道なら〇〇号線として路線の番号数字、或いは〇〇道等の道路名称が記憶される一般道路路線名記憶エリア107.車両通過場所を表す地点名として住所がデータとして記憶される地点名データ記憶エリア108及び車両作動状態パラメータが記憶される車両作動状態データ記憶エリア109が備えられている。
【0057】
図12へ示す料金収受データテーブル110は、車両7が有料道路の走行を行った時の料金収受の為のデータが記憶されるものであり、車両IDコードが記憶される車両ID記憶エリア111.ドライバーIDコードが記憶されるドライバーID記憶エリア112.有料道路の走行が行われた時の入口における時刻データ(年月日時分秒)が記憶される有料道路入口時刻データ記憶エリア113及び出口における時刻データ(年月日時分秒)が記憶される有料道路出口時刻データ記憶エリア114、最初の有料道路走行区間の入口側のインターチェンジである入口インターチェンジ番号が記憶される入口インターチェンジ番号データ記憶エリア115及び最後の有料道路走行区間における出口側のインターチェンジである出口インターチェンジ番号が記憶される出口インターチェンジ番号データ記憶エリア117、入口から出口までの走行料金算出を行い求められた走行料金データが記憶される料金データ記憶エリア119が備えられている。データとしては、車両が入口から出口まで走行を行ったことに対応して車両IDコード毎に記憶される。有料道路の途中で運転者が替わった場合等にはドライバーIDコードが複数となることが考えられるが、その場合には入口インターチェンジでのドライバーIDコードである運転免許証で設定が行われた金融機関口座に対して料金収受が行われる。
【0058】
図13へ示す有料道路区間番号下りテーブル120は、各有料道路路線に対する路線番号が4桁の数字で表され、その路線における各区間一つ一つに対して一連の番号付与が行われた有料道路区間番号下り一覧表であり、東名高速道路下りの例である。
【0059】
図14へ示す有料道路区間番号上りテーブル122は、各有料道路路線に対する路線番号が4桁の数字で表され、その路線における各区間一つ一つに対して上りを示す一連の番号付与が行われた有料道路区間番号上り一覧表であり、東名高速道路上りの例である。
【0060】
ここで有料道路におけるインターチェンジが全てユニークな番号として表される、有料道路インターチェンジ番号について説明する。
例として図15へ示す、有料道路インターチェンジ番号テーブル130は、東名高速道路のインターチェンジ番号が示されている一覧表である。各有料道路路線名に対する路線番号が4桁の数字で表され、間にハイフン「−」を置いて、区間番号と区別される為にインターチェンジ「IC」の内「C」を取り連番の付与が行われた「○○○○−C○○○」として、有料道路において特定される全てのインターチェンジはそれぞれユニークな番号として表される。例えば東名の「御殿場インター」なら「0001−C008」、名神の「小牧インター」なら「0002−C001」と表される。
【0061】
図16は、図3へ示す車載機11の動作を説明する為のフロー図である。次に図16を参照して車両7における車載機11の動作を説明する。
車載機11は、エンジンキーをセットしOFF位置からON位置へ作動された時に電気が供給され作動が開始される、テップS110において運転免許証カード50がカード機能処理部51へセットされているかどうかが判定される。運転免許証カード50がセットされているとステップS120へ進み、運転免許証カード50からドライバーIDコードと共に運転免許に関するデータ等のカード記憶データが読み取られる。次にステップS130へ進み、セットされて読み取られたカードが正規の運転免許証カードであるかどうかが判定される。正規の運転免許証カードでなければステップS190へ進み、表示部47へエラーメッセージが表示されて動作を終了する。
【0062】
ステップS130において正規の運転免許証カードであると判定された場合にはステップS140へ進み、エンジンのスタートが許可されエンジン始動が行われる。
次にステップS150においてエンジンが始動したかどうかが判定され、エンジンが始動されるとステップS155において車両データとして、決められた時間間隔をサンプリング周期として収集が行われた車両の位置データと車両各作動個所の作動状態データが、時刻データと共にログファイルとして外部記憶装置46へ記憶されると共に、これらのデータはステップS160で車両IDコード及びドライバーIDコードを付加の後、通信機能部57を介してシステムデータセンター20への送信が行われる。車両IDコードは車戴機のROM43に予め記憶されていて必要な時に読み出され、ドライバーIDコードは車載機へセットされたデータ記憶可能である運転免許証カード50から読み出される。
【0063】
なお、車両位置データ及び車両作動状態パラメータが外部記憶装置46ヘ記憶される為のデータ収集を行う時間間隔としては、0.05・0.1・0.3・0.5・1秒等の内の何れかとして定められるが、この様なサンプリング周期としては車両における作動各個所の作動状況を知る為に必要で且つ最大の時間間隔とする。考え方としては車両各作動個所の作動状態を知る為のそれぞれに適したサンプリング周期が個々に設定されるとしてもよい。従ってシステムデータセンター20は、多数台の車両7から送られて来るデータ量に対応出来るだけの設備規模が備えられる。
【0064】
システムデータセンター20では、時刻データと共に多数台の車両から送信されて来る車両位置データと車両作動状態データとを、一つの車両IDに対して一つの車両データテーブル70が作成されて、それぞれにデータが累積記憶される。従ってシステムデータセンター20では車両ID毎に作成された車両データテーブル70へ、刻々と変化をした車両の位置データと車両の作動状況を示す車両作動状態データとが、時系列データとして累積記憶される。
【0065】
車両からシステムデータセンター20へのデータ送信時間間隔は、前述の常時接続のインフラが整って実用的となった時には、後述するリアルタイムな道路混雑状況データ等として用いられることを考えた時に必要となるだけのデータ送信最大時間間隔が即ちシステムデータセンター20へのデータ送信時間間隔となる。それまでは必要最大な時間間隔がシステムデータセンター20への随時車両データ送信間隔とされが、タイヤ画像データ等のファイルサイズが大きなデータは別途時間間隔が大きく取られることとする。システムデータセンター20への車両データの送信についても、考え方としては車両各作動個所に適したデータ送信時間間隔が個々に設定されるとしてもよい。
【0066】
動作フローへ戻って、次にステップS170においてエンジンが停止されたかどうかが判定され、エンジンが停止されていなければステップS155へ戻り車両作動状態データの収集記憶と、ステップS160における記憶車両データ送信の動作が続けられる。ステップS170でエンジンが停止されたことが判定された場合にはステップS180へ進み、ハード的にもカード抜き取り可能となりカードが抜き取られ動作を終了する。
【0067】
図17及び図18は、システムデータセンター20において行われる車両から送信されて来たデータである車両データテーブル70のデータ処理方法を説明する為のフロー図である。はじめに図17を参照して有料道路区間番号と地点名或いは一般道路路線名と地点名が決定される動作を説明する。
【0068】
最初にステップS210では車両データテーブル70からデータが読み出される。車両データテーブル70は各車戴機毎、即ち各車両ID毎に1テーブルづつ作成されており、データの読み出しは1レコード毎に連続して読み出される。
【0069】
次にステップS220において、緯度データ及び経度データ或いは高度データに基づき図9で示す全国全道路データベース80が索引されて道路属性における道路種別の決定が行われ、その道路種別により有料道路であるか一般道路であるかが判定される。有料道路の場合にはステップS230へ進み、読み出されたデータについて図9で示す全国全道路データーベース80の索引が行われて〇〇〇〇−〇〇〇〇で示される有料道路区間番号及び地点名が決定され、ステップS240において図10へ示す有料道路走行区間番号データ記憶テーブル90の車両ID記憶エリア91.ドライバーID記憶エリア92.時刻データ記憶エリア93.道路属性記憶エリア94.有料道路区間番号データ記憶エリア95.地点名データ記憶エリア97及び車両作動状態データ記憶エリア98へ、それぞれ各データが記憶される。
【0070】
一方道路属性により一般道路であるとステップS220で判定された場合にはステップS250へ進み、読み出されたデータについて図9で示す全国全道路データーベース80の索引が行われてステップS210で読み出されたデータについて道路属性により国道.県道等の道路種別が決定されると共に、一般道路路線名としての路線番号或いは道路名称及び地点名が決定され、ステップS260において図11で示す一般道路走行車両位置データ記憶テーブル100の車両ID記憶エリア101.ドライバーID記憶エリア102.時刻データ記憶エリア103.道路属性記憶エリア105.一般道路路線名データ記憶エリア107.地点名データ記憶エリア108及び車両作動状態データ記憶エリア109へそれぞれ各データが記憶される。
【0071】
次にステップS270では、一つの車両IDにおける車両データテーブル70のデータが終了したかどうかが判定される。データが終了していなければステップS210へ戻り上述の動作を繰り返すが、データ終了の時にはステップS280へ進み、有料道路走行車両位置データとして有料道路走行区間番号データ記憶テーブル90へまとめられると共に、一般道路走行車両位置データとして一般道路走行車両位置データ記憶テーブル100へまとめられて記憶されることで、全走行車両位置が決定され動作を終了する。
【0072】
この様にして、図10で示す有料道路走行区間番号データ記憶テーブル90及び図11で示す一般道路走行車両位置データ記憶テーブル100へは各車両における走行車両位置履歴データとして、各車両毎の車両走行データが記憶される。
【0073】
次に図18を参照してシステムデータセンター20で行われる料金算出処理及び料金収受処理を説明する。
はじめにステップS310において、図10で示す有料道路走行区間番号データ記憶テーブル90から有料道路区間番号データが、一つの車両IDコード91内のドライバーIDコード92毎に読み出される。次に、一つのドライバーIDコード92のデータが全て読み出されたところでステップS320において一つの車両ID全てのデータが読み出されたかどうかの判定が行われる。データが残っている場合には次のドライバーIDコード92のデータ読み出し動作に移り、ドライバーIDコード92毎にデータが読み出されると共に一つの車両IDのデータ全てが読み出されたかどうかが判定される。データ終了時はステップS330において有料道路走行車両位置の解析が行われる、即ち車両が走行を行った有料道路の最初の有料道路区間番号としての区間における入口側に当たる入口インターチェンジ番号と最後の有料道路区間番号としての区間における出口側に当たる出口インターチェンジ番号を、上りと下りを考えて路線番号を基に図15へ示す有料道路インターチェンジ番号テーブル130の索引が行われ、有料道路走行時における入口インターチェンジである入口インターチェンジ番号と出口インターチェンジとしての出口インターチェンジ番号が決定される。
【0074】
次にステップS340において車両種別毎で定められている有料道路走行料金に基づいて入口インターチェンジから出口インターチェンジまでである走行料金が算出される。次にステップS350では、図12へ示す料金収受データテーブル110の車両ID記憶エリア111.ドライバID記憶エリア112.有料道路入口時刻データ記憶エリア113.有料道路出口時刻データ記憶エリア114.入口インターチェンジ番号データ記憶エリア115.出口インターチェンジ番号データ記憶エリア117及び決定された走行料金を料金データ記憶エリア119へそれぞれ各データが、車両IDにおけるドライバーID毎に記憶される。なお、料金収受にあたっての料金の請求は入口インターチェンジでのドライバーIDである運転免許証で設定しておいた金融機関口座に対して行なわれる。
【0075】
次に、ステップS360では金融機関22に対して、料金収受の為に必要なデータの送信が行われ料金収受処理が為されるが、システムデータセンター20は金融機関に対して図12で示す料金収受データテーブル110のデータを、通信処理部65を介して入口インターチェンジにおけるドライバーIDコード毎、即ち入口インターチェンジにおいて車戴機へセットされていた運転免許証所有者毎にまとめられて料金算出が行われ金融機関22へ送信される。金融機関22では運転免許証所有者が支払いの為に車載機取り付けの時に設定しておいた口座から料金の自動収受処理が行われ、領収書が運転免許証所有者指定の住所宛へ発送される。
【0076】
なお、上述の料金収受データテーブル110からのデータ読出し及び料金算出処理は特定期間毎に行われる。例えば、毎月20日に過去1ヶ月分のデータが読み出されると、それまで1ヶ月間の有料道路走行料金の料金算出処理を行うことが出来る。上記実施例では運転免許証所有者に対して課金が行われているが、商用車等の場合は車両の所有者である会社等に対して課金が行われる様にしてもよい。その場合には予め届けて設定しておき、ドライバーIDコードではなく車両IDコード毎に料金収受処理が行われることでよい。
【0077】
以上の処理により有料道路における料金収受が完全に自動で行われることが可能となり、有料道路走行者に対する顧客サービスを向上することが出来る。即ち、料金所やゲート等の設備等を必要としないので、それらの設備が不要な上に走行者は有料道路の入口及び出口では有料道路であることを意識するだけで、手続等何も必要とせずに走行を行うことが可能となる。設備及び人的稼働が大幅に簡素化可能な上に、有料道路の入口出口付近及び料金所付近等における混雑はほとんど解消することが出来る。
【0078】
図19(a)及び図19(b)は、カーナビゲーション機能とは別に単体で機能する型式の車載機の例を示す図である。図(a)は車両のダッシュボードへ固定装着された状況を示し、図(b)は車載機の外観を示す。車載機130の前面には、運転免許証カード50の為のカードリーダー・スロット139が設けられ、前面の上方には「電源」「作動中」「作動エラー」「データ保存中」「データ送信中」「GPS電波受信中」「運転免許証確認」等としての動作状況を示すLEDランプ137が設けられる。また、車載機130の上面にはGPSアンテナ135が設けられ、側面には通信機能部57のアンテナ134が備えられる。車載機130は、カードリーダー・スロット139へセットされた運転免許証カード50からドライバーIDコード及び運転免許に関するデータが読み取られ、GPSアンテナ135で幾つかのGPS衛星から受信された複数の電波信号を基に算出が行われて求めた緯度データ及び経度データ並びに高度データと、時計43から得られた時刻データとがそれぞれ外部記憶装置46へ累積記憶されると共に、通信機能部57を介してシステムデータセンター20へ送信が行われる機能を備えている。なお、車載機におけるIDコードは車載機130を工場での製造段階でROM43へ設定される。従って、車載機130のROM43へ設定されている車載機としてのIDコードが、即ちその車載機130が固定装着された車両7の車両IDコードとなる。
【0079】
車両への装着方法としては固定装着となり取り外し不可とされる。エンジンスタート判定手段の為等の信号ケーブル及び、電源部59は電源ケーブルで車両のバッテリーを電源として接続される。
【0080】
車両種別の登録はカーナビゲーション機能一体型の車載機11と同様、新車購入取付け時或いは車載機130を購入して車両へ固定装着される時に行われることとする。
次に、車両作動状況を示す車両作動状態パラメータの使用に関して説明する。
【0081】
カーナビゲーション機能と一体化されてセンターコンソールパネル12へビルトインされる型式の車載機11は、車両の各作動部から車両作動状態パラメータの収集が行われる車両情報処理部53を備えていて、これらの車両の作動状況を示す車両作動状態データはシステムデータセンター20へ送信が行われて時系列データとして累積記憶されているので、この累積記憶されているデータを用いてドライバー及び車両の所有者に対して次の様なサービスを提供することが可能である。
(1)ハード面として
車両の各箇所の作動状況を示すデータの適正さが診断プログラムによって判定されることにより、車両に異常が生じたかどうかを検知することが出来る。異常が検知された時には車両IDコードで特定される車両所有者に対してメンテナンスが必要になったことの通知が行われることで、車両の安全度を高めることが出来る。
(2)ソフト面として
システムデータセンター20における記憶装置63では、車両から送信されて来た車両の位置データ及び時刻データ並びに車両の各作動個所から得られる車両作動状況データが記憶されている。
【0082】
全国全道路データベース80は、道路地形データとして高度データを伴った三次元データとして作成されているので、データをたどって行くと登り坂であるのか下り坂であるのか或いは急なのかなだらかであるのかが判別可能である。
【0083】
以上の、車両作動状況データと全国全道路データベース80のデータとを合わせて時刻データと共に分析プログラムによって解析が行われることで、そのドライバーの運転技術診断を行うことが可能であると共に、一人一人の運転者の運転技術に合わせたアドバイスが行われることで安全度が高まる。
【0084】
ドライバー診断とは、例えば次の様な情報が記載されたドライバー診断書が提供されることであり、アドバイスが添えられたドライバー診断書は有料道路の走行料金領収書送付の際に送付可能である。
【0085】
1)制限速度を超えて走行を行った場所と日時、或いは程度指数。
2)車線変更禁止場所において車線変更を行った場所と日時及び回数、或いは程度指数。
【0086】
3)右左折時における速度.車線変更.方向指示器操作等の適正さ
4)スピード走行.急加速.急発進の診断及びそれらが抑制された場合の燃費及び環境汚染に対するシミュレーション
5)登り坂におけるギアの選択及び速度、下り坂におけるエンジンブレーキとフットブレーキの適正さ。
【0087】
6)一旦停止個所での一旦停止の適正さ、或いは程度指数。
7)市街地或いは郊外のカーブが多い道路等でのハンドル.アクセル.ギアチェンジ.ブレーキ及びエンジンブレーキ等の操作の適正診断
8)シートベルト非装着記録
9)各道路標識場所での順守度診断
10)総合的な運転技術評価
11)ゴールド免許等の的確な認定が可能
発展すると、精神分析を用いて人格人物評価も出来得る。また、有料道路の領収書と共に同封をして定期的に送付出来るので、それまでのデータと比較するなどによりその時々の精神アドバイザーともなり得ることから、ドライバーの注意を促すことが可能である。
【0088】
その他にも、システムデータセンター20において多数台の車両から送信されて来た各車両の場所と進行方向と車両速度との情報に基づいて総合的に分析が行われることで、リアルタイムでの道路混雑状況が分かる。その分析結果情報が各車両に対して送信が行われることで、各車両では送信されて来たリアルタイムな情報である道路混雑状況データとカーナビゲーション機能として予め記憶されている道路場所データとを合わせて解析が行われることでカーナビゲーション機能として、その時点での道路状況における最適な目的地への走行進行経路を求めることが可能となる。
【0089】
また、各車両から送信されて来たワイパー作動状況データ、つまりワイパーが作動しているか停止しているか及び作動している場合の、後述するワイパー作動パターンデータとに基づいて降雨の有無と降雨強さの分布を把握し、その降雨状況情報を各車両に対して送信を行うことが可能であると共に、天気予報会社等への情報提供を行うことが可能である。
【0090】
次に、車両の各種装備に関する新たな技術を説明する。これらの技術は上述した料金収受システムが適用されている車両に適用出来るものであるが、料金収受システム以外の車両へ適用してもよい。
【0091】
図20へ示す様に、タイヤの劣化損傷状態の検知を行う為に、タイヤ151と近い位置へ取り付けられた2つのカメラ152でタイヤ走行面が撮像されて得られた画像がシステムデータセンター20へ送信される。システムデータセンター20では立体画像パターン認識による劣化損傷状態検知が行われ、必要な時には車両の所有者に対して損傷の通知が行われる他に、タイヤのローテーション時期或いは交換時期の通知が行われる等、的確なタイヤのメンテナンスが可能である。システムデータセンター20への送信を行わず、車両7におけるMPUで劣化損傷状態の検知まで行われ、車載機11の表示部47等により直接車両の所有者に対しての通知が行われてもよい。
【0092】
タイヤ劣化損傷状態の検知が行われる為に必要なタイヤ走行面を撮像して得られた画像データファイルはデータサイズが大きいこともあり、他の車両作動状態パラメータと一緒に頻繁にシステムデータセンター20へ送信を行うことは難しい。そこで、エンジン・スタートとエンジン・ストップを何度か行った時に一度の割合で画像データの送信が行われることとする。 考えられる最良の形態としては、画像パターン認識を用いたタイヤ診断プログラムによる診断までは車両7におけるMPUで行われると、例えば車両が停止する毎にタイヤ走行面各面の診断を行うことが比較的容易となるが、その診断結果を車両作動状態パラメータの内の一つとしてのタイヤ状態検知パラメータと設定をして、異常が検出された時にシステムデータセンター20に対してタイヤ画像データファイルの送信が行われるとするのがよい。
【0093】
図21ないし図23は、ワイパー作動の自動制御に関する技術を説明する為の図である。
降雨時等に作動を行うワイパーの操作はドライバーがフロントガラスの状況に応じて判断し、ハンドルの近くに設けられているレバー型スイッチで操作を行うのが一般的である。しかし雨の強さが頻繁に変わる時、或いは運転に不慣れな人には操作が煩わしいという問題がある。そこで、フロントガラスの状態が撮像されて画像データを得る撮像手段と、撮像手段によって得られた画像データからフロントガラスの状態の検知を行うフロントガラス状況検知手段と、フロントガラス状況検知手段により検出されたフロントガラスの状態に応じてワイパー作動の自動制御が行われる、ワイパー自動制御手段とを備えるワイパー自動制御装置である。具体的には、図21の(a)へ示す様に車両のダッシュボード123へフロントガラス124に向けてカメラ125が設置されフロントガラス124の状態の撮像が行われる。得られた画像データへパターン認識を適用してフロントガラスの状況の検知が行われると共に、状況に応じてワイパーアーム127の作動及び停止或いは作動時における作動速度としてワイパー作動パターンの決定が行われる。なお、カメラの設置位置としては必要な画像データが得られる為の場所であるならダッシュボード以外でもよい。
【0094】
操作方法としては、ウィンカー・レバー型スイッチと違い使用度が低いことと、運転席における誤操作防止の為にも、回転式とスライド式とを合わせた従来のレバー型スイッチより回転ダイヤル型スイッチ129が有用である。
【0095】
図21の(b)へは、運転者がワイパー自動制御装置の操作を行う為にハンドル元へ設備される回転ダイヤル型スイッチの例を示す。回転式ダイヤル型スイッチ129が回転されることで「OFF」「AUTO」「LOW(間欠1)」「間欠2」「間欠3」〜「HIGH」等が選択される。回転式ダイヤル型スイッチ129の頭部へは、ウォッシャー液用のウォッシャー液スイッチ128が装備される。
【0096】
この様なワイパー自動制御装置の電気的構成を図22へ示す。ワイパー自動制御装置110は、CPU111.ROM113.RAM115. 撮像処理部119へ接続されたカメラ125及びワイパー制御部121へ接続されたワイパーアーム127を備える。
【0097】
次に図23を参照して、ワイパー自動制御装置の動作を説明する。
ステップS410では、カメラ125によってフロントガラス124の撮像が行われることで画像データが得られる。撮像される範囲としては、図21の(a)へ模式的に示す様にワイパー作動が必要かどうか及びワイパー作動パターンを決める為に必要なフロントガラス124の最小範囲である。得られた画像データの解析を行い、ステップS420でフロントガラス状況検知が行われる。
【0098】
フロントガラスの状況を検知する為のデータとして、次の様な実験により種々の環境条件によるフロントガラスの状態を予めデータ化しておく。環境条件としては雨.雪.砂等の他、車速度.風速度.風向.日射.気温.湿度.車内外の温度差等の考えられる環境条件を検討しておく必要がある。
【0099】
この様な環境条件を与えることが可能な環境装置を用いて、種々の環境条件下でのフロントガラスの状態を撮像しておきパターン認識に適したデータへ変換しておく。そして実際に雨が降った時等に撮像されて得られた画像データに対してパターン認識が行われ予め記憶している画像データと比較が行われることでフロントガラス状況検知が行われる。
【0100】
次にステップS430においてワイパーアーム127を作動させる必要があるかどうかが判定される。ワイパーアーム127を作動させる必要がないと判定された場合には、ステップS410へ戻って検出待機する。ステップS430においてワイパーアーム127を作動させる必要があると判定された場合には、ステップS440においてフロントガラスの状況に対して実験により予め求めていた最良なワイパー作動パターンの決定が行われ、ステップS450でワイパーアーム127の作動が行われる。ワイパー自動制御手段とは、例え手動制御へ切り替えたとしても、ワイパー自動制御手段で求められたワイパーアーム作動が結局最良で視界が得られるワイパー作動となるワイパー自動制御手段である。
【0101】
ここで、ワイパー作動パターンについて説明する。図24へ示す様にワイパーアームの作動速度及び作動間隔に対して幾つかの速度と時間を組み合わせて設定された基本パターンを決めておく、あらゆるフロントガラスの状況におけるフロントガラス払拭として最良な視界が得られる為に有用な作動パターンを環境装置による実験で予め求めておき、その内の幾つかが基本パターンとして設定される。
【0102】
作動速度及び作動間隔としての基本パターンは従来の様に一定時間間隔とする必要はなく、速い作動速度と遅い作動速度を互いに繰り返す、或いは速い作動速度1回の次に遅い作動速度2回を繰り返す、或いは速い作動速度と遅い作動速度そして長い時間間隔と短い時間間隔をランダムに組み合わせて設定される等、ワイパーアーム127作動による払拭で最良の視界が得られることを条件とする内で運転者にとってそれほどワイパーアームの動きが気にならないものが、基本ワイパー作動パターンとして設定される。
【0103】
前記構成要素での作動速度及び作動間隔の組み合わせは限りないが、実際作動を行った時に以前に覚えがない作動パターンとすることで、ドライバーの運転時におけるワイパーに対する意識を低く出来ることが考えられる。図24へ示す作動パターンでは、パルスの時間に対して数%の幅を持たせるゆらぎ及びパルスを不特定規則で並び変えるランダムを持たせて組み合わされる。
【0104】
その作動の為には速度及び時間間隔の決定段階において乱数表が用いられることが有用である。はじめに基本作動パターンが決定され、その基本型は守りながら前記構成要素に対してパルス時間ゆらぎ及びパルス並びランダムを持たせた作動を実現させる。或いは、基本作動パターンに対してパルス時間ゆらぎ及びパルス並びランダムを持たせたサブ基本パターンを複数個予め設定しておき、決定された一つの基本作動パターンに従って複数のサブ基本パターンが繰り返されるとしてもよい。いずれにしても、一つのワイパーアーム作動の次にどの作動が来るのか予測不可となる程度のワイパー作動パターン設定が行われる。
【0105】
次にステップS460においてワイパー作動が一定時間停止であるかどうかが判定される。ワイパー作動が一定時間停止状態でなければステップS440へ戻りワイパー作動パターンの決定が行われると共にステップS450においてワイパーアーム127を作動させる。ワイパー作動パターン番号0(停止)の状態が一定時間保持された時、即ちワイパー作動が一定時間停止状態となってワイパーを作動させる必要がなくなったと判定された時には、ステップS470においてワイパー作動パターン番号0(停止)と設定され、ワイパーアームの作動が停止されて動作を終了する。
【0106】
なお、ドライバー或いは車両所有者固有の好みに応じてワイパー作動パターンが設定される必要がある場合には、手動作動時に対して速度学習機能を設けてワイパー制御装置への学習を行うことで、ドライバーにとっての自動作動時における最適なワイパー作動パターン選択設定が行われるとよい。そこで得られた運転者固有の設定データは運転者特質データとして運転免許証の記憶部へ記憶されて、運転免許証カード50がセットされた車両が、その運転者にとって最適にセッティングされた車両状態となることが好ましい。その他に考えられる設定記憶データとしては、運転者に合わせた座席シートポジションとハンドルポジション等が考えられる。
【0107】
図25ないし図28は、ブレーキランプの点滅点灯制御に関する新たな技術を説明する為の図である。
従来のブレーキランプは、ドライバーがブレーキペダルの作動が行われている時に明点点灯される様になっている。ブレーキペダルに対して何回かに分けて作動を行う所謂ポンピング・ブレーキを用いると、制動距離が短くなると共にブレーキランプが点滅点灯されることにより後続車に対して分かり易い停止の合図となることが知られている。即ち、ブレーキペダル作動間隔を普通の停止時には長い時間間隔とし緊急時には短い間隔とすることにより、後続車は前を走っている車両のブレーキランプが点滅点灯することとその点滅間隔により、前の車両の減速緊急度及び自分の車両の危険予知が可能となるのである。或いは、前の車とその前を走行している車との車間距離の短くなる速さで減速緊急度の予測を行うのであるが、しかし緊急度合いが高い時はドライバーが心理的にそこまでの余裕を持てないことと、此の頃は多くの車両ブレーキ装置に対してABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が装備されて、タイヤがロックし難くなったこともありブレーキペダルを踏み続けてしまう結果、後続車は前の車両の緊急停止に気付くのが遅れ追突してしまうことが起き易い。
【0108】
この様な危険を出来るだけ回避する為に有用なブレーキランプ点滅点灯制御装置を説明する。ブレーキランプ点滅点灯制御装置は車両減速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段により得られた車両減速度に対応付けられた時間間隔でブレーキランプの点滅点灯を行う点滅点灯制御手段とを備える。このブレーキランプ点滅点灯制御装置により、減速時にドライバーがブレーキペダルを作動中でも、減速度が大きくなるに従って点滅時間間隔が短くされて行くことで、後続車に対して減速緊急度合いを知らせることが出来るのである。
【0109】
点滅の時間間隔としては人工的なまでには余り短くせず、人間がペダル操作で行うことが可能な程度の点滅時間間隔とすることが好ましい。
上述の点滅動作を行うブレーキランプは、図25へ示す様に車両中央位置のブレーキランプ205でもよいし、車両左右両サイドのテールランプ201.203でもよい。また、それら全てのランプ201.203.205へ適用されてもよい。車両中央位置のブレーキランプ205へ適用されることが最良と思われる。
【0110】
ブレーキランプ点滅点灯制御装置210は図26で示す様に、CPU211.ROM213.RAM215.加速度算出部217へ接続された加速度記憶部220及びブレーキランプ制御部219へ接続されたブレーキランプ230を備える。
【0111】
次にブレーキランプ制御装置210の動作を、図27へ示すフロー図を参照して説明する。
はじめに、ステップS510で加速度が検出されて、ステップS520で加速度記憶部220へ記憶されている。加速度は常時検出されていて加速度記憶部220へ記憶されるが、この加速度データは前述の車両情報処理部53により加速度記憶部220への記憶動作が行われているものである。次にステップS530においてブレーキペダルの作動が検出されたかどうかが判定される。ブレーキペダルが作動されていなければブレーキペダル作動検出まで待機をする。ブレーキペダルの作動が検出された場合にはステップS540へ進み、その時々の減速度に対応付けられている図28の例で示す点滅パターン番号の決定が行われる。次にステップS550において、決定された点滅パターン番号としての点滅パターンでブレーキランプ230の点滅点灯が行われる。
【0112】
次にステップS560でブレーキペダルのOFFが判定されるが、ブレーキペダルがOFFされていなければステップS540へ戻り、減速度に対応した上述のステップS540ないしステップS550の動作が繰り返される。車両減速時、その時々の減速度に対応付けられている点滅パターンが決定される。
【0113】
図28は、点滅パターンの例を示す図である。規則正しい時間間隔での点灯と消灯を繰返す点滅パターンであり、点滅パターン番号が大きくなるに従って点灯時間間隔が短くなると云う規則性を持った点滅パターンが予め設定されている。
【0114】
ステップS560においてブレーキペダルのOFFが検出された場合は、ステップS570でブレーキランプ230が滅点とされて動作を終了する。
以上、本発明の幾つかの実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく諸条件で実施出来る。例えば車両の位置を求める為の人工衛星等としてGPS衛星と限定する必要はなく、車両の位置である緯度及び経度並びに高度を検出できる機能を有している人工衛星等であるなら用いることが出来る。
【0115】
なお、上述した本発明の実施例の構成要素と次に掲載する請求範囲の構成要素との対応関係は次の通りである。
実施例の運転免許証カード50は請求の範囲の運転免許証カードに対応する。実施例のカード機能処理部51は請求の範囲の読取手段に対応する。実施例のGPS情報処理部55は請求の範囲における情報出力手段の内、緯度データ及び経度データ並びに高度データを出力する部分に対応する。実施例の時計42は請求の範囲の情報出力手段の内、時刻データを出力する部分に対応する。実施例の外部記憶装置46及び記憶装置63における車両データテーブル70の車両IDコード記憶エリア71.ドライバーIDコード記憶エリア72.時刻データ記憶エリア73.車両通過点緯度データ記憶エリア75.車両通過点経度データ記憶エリア77.車両通過点高度データ記憶エリア78は請求の範囲の車両走行位置データ記憶手段に対応する。記憶装置63における全国全道路データベース80は請求の範囲の道路データ記憶手段に対応する。実施例における主制御部61のステップS210ないしステップS280の処理及びステップS310ないしステップS340の処理が請求の範囲における車両が走行を行った有料道路の走行区間が決定され走行料金の算出が行われる料金算出手段の処理に対応する。実施例における主制御部61のステップS350及びステップS360の処理が請求の範囲における料金収受処理手段に対応する。
【0116】
実施例の通信機能部57は請求の範囲における車両の通信手段に対応し、実施例の通信処理部65は請求の範囲におけるシステムデータセンター20の通信手段に対応する。
実施例の車両情報処理部53は請求の範囲における車両作動状態パラメータ収集手段に対応する。実施例の記憶装置63における車両データテーブル70の車両作動状態データ記憶エリア79は請求の範囲の車両作動状況記憶手段に対応する。実施例における主制御部61及び記憶装置63の車両作動状態データ記憶エリア79及び通信処理部65は請求の範囲における車両診断結果通知手段及びドライバー運転技術診断手段に対応する。
【0117】
実施例におけるステップS140の処理が請求の範囲におけるエンジンスタート許可を判定されるエンジンスタート判定手段の処理に対応する。
実施例における運転免許証カード50.カード処理部51.CPU41.ROM43及びRAM45は請求の範囲における、車両をその運転者にとって最適にセッティングされた車両状態とする車両状態設定手段に対応する。
【0118】
実施例における主制御部61及び通信機能部57並びに通信処理部65は請求の範囲の道路混雑状況解析手段に対応する。
実施例におけるカメラ127が請求の範囲におけるフロントガラスの状態を検知する検知手段に対応する。CPU111.ROM113.RAM115及び撮像処理部119によるステップS420の処理が、請求の範囲におけるフロントガラス状況検知手段の処理に対応する。実施例におけるステップS440のワイパー作動パターン決定処理が請求の範囲におけるワイパー自動制御手段の処理に対応する。実施例における主制御部61は、請求の範囲における降雨分布把握手段に対応する。
【0119】
実施例におけるカメラ152は請求の範囲におけるタイヤ走行面を撮像して立体画像を得る撮像手段に対応する。CPU41.ROM43.RAM45及び車両情報処理部53はタイヤの劣化損傷状態の検知が行われる、タイヤ劣化損傷検出手段に対応する。
【0120】
実施例における加速度算出部217.加速度記憶部220.CPU211.ROM213及びRAM215は請求の範囲における加速度検出手段に対応し、実施例におけるステップS510の処理が請求の範囲における加速度検出の処理に対応する。
【0121】
実施例におけるステップS530ないしステップS570の処理が請求の範囲におけるブレーキランプの点滅点灯の制御が行われる、ブレーキランプ点滅点灯制御手段に対応する。

産業上の利用可能性
有料道路における料金収受業務の完全自動化が可能となり、有料道路走行者に対する顧客サービスを向上することが出来る。入口及び出口ゲート並びに料金所等の設備を必要としないので設備の簡素化が可能で、設備費の削減及び人的稼働の削減につながると共に、有料道路入口出口付近及び料金所付近における道路混雑はほとんど解消されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施例としての有料道路料金収受システム全体の構成を示す図である。
【図2】実施例としての有料道路料金収受システムが適用された車両へ装着される、カーナビゲーション機能と一体型の型式としての車載機装着状況を示す図である。
【図3】実施例としての有料道路料金収受システムを構成する内の、車載機の電気的構成を示すブロック構成図である。
【図4】実施例としての有料道路料金収受システムを構成する内の、システムデータセンターの電気的構成を示すブロック構成図である。
【図5】システムデータセンターへ設けられる記憶装置へ記憶される、車両データテーブルを示す図である。
【図6】車両作動各個所に対して設定が行われた車両作動状態番号設定を示す車両作動状態番号設定一覧表の例である。
【図7】前記、車両作動状態番号設定で設定が行われた車両作動状態番号の具体的な数値データを示す車両作動状態設定データ一覧表の例である。
【図8】図5で示す車両データテーブルの車両作動状態データ記憶エリアへ記憶される、車両作動状態データの具体例である。
【図9】システムデータセンターへ設備される記憶装置において、予め作成されて記憶されている全国全道路データベースを示す図である。
【図10】システムデータセンターへ設備される記憶装置へ記憶される、有料道路走行区間番号データ記憶テーブルを示す図である。
【図11】システムデータセンターへ設備される記憶装置へ記憶される、一般道路走行車両位置データ記憶テーブルを示す図である。
【図12】システムデータセンターへ設備される記憶装置へ記憶される、料金収受データテーブルを示す図である。
【図13】有料道路各インターチェンジ間に対してユニークな番号が対応付けられた、有料道路区間番号の下りの例を示す一覧表である。
【図14】有料道路各インターチェンジ間に対してユニークな番号が対応付けられた、有料道路区間番号の上りの例を示す一覧表である。
【図15】有料道路各インターチェンジそれぞれに対してユニークな番号が対応付けられた、有料道路インターチェンジ番号の例を示す一覧表である。
【図16】車載機における動作を説明する為のフロー図である。
【図17】システムデータセンターで、走行有料道路区間番号或いは走行一般道路路線名の決定が行われる動作を説明する為のフロー図である。
【図18】システムデータセンターで、図17で示された走行有料道路区間番号の決定に伴って行われる、料金算出及び料金収受処理の動作を説明する為のフロー図である。
【図19】カーナビゲーション機能とは別に単体で機能する型式の車載機を示す図であり、(a)は車載機が車両のダッシュボードへ装着された状態を示し、(b)は車載機の外観を示す。
【図20】タイヤの劣化損傷状態の検知を行う為に車両へ取り付けられる、タイヤ劣化損傷検出手段におけるカメラ装着状況を示す図である。
【図21】ワイパーの作動が自動制御されるワイパー自動制御手段を説明する為の図である。(a)はフロントガラスの状況が検知される為に車両のダッシュボードへ取り付けられる、フロントガラス状況検知手段におけるカメラ装着状況を示しており、(b)はワイパー自動制御手段における、ハンドル元へ設備されるダイヤル型操作スイッチの例を示す図である。
【図22】フロントガラスの状況に応じてワイパーの作動が自動制御される、ワイパー自動制御手段の電気的構成を示すブロック構成図である。
【図23】フロントガラスの状況に応じてワイパーの作動が自動制御される、ワイパー自動制御手段の説明を行う為のフロー図である。
【図24】ワイパーの作動が自動制御されるワイパー自動制御手段における、ワイパーの作動パターンを説明する為の具体例である。
【図25】車両におけるブレーキランプ位置を示す図である。
【図26】ブレーキランプ点滅点灯制御が行われる、ブレーキランプ点滅点灯制御手段における電気的構成を示すブロック構成図である。
【図27】ブレーキランプ点滅点灯制御手段の動作を説明する為のフロー図である。
【図28】ブレーキランプ点滅点灯制御手段における、ブレーキランプ点滅パターンを説明する為の具体例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者識別コードと共に運転免許に関するデータ等を予め記憶可能な運転免許証カードと、
前記運転免許証カードから記憶データを読取る読取手段と、
人工衛星等を使って得られた車両の位置を示す緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時計から得られた時刻データを出力する情報出力手段と、
前記情報出力手段から出力された緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データに基づき、車両の走行車両位置履歴を示す車両走行位置データが記憶される車両走行位置履歴データ記憶手段と、
道路の名称と場所及び高度及び有料道路走行料金を求める為に必要なデータが予め記憶された道路データ記憶手段と、
前記車両走行位置履歴データ記憶手段の記憶内容と前記道路データ記憶手段の記憶内容とに基づき、車両が走行を行った有料道路における走行区間が決定され走行料金が算出される料金算出手段と、
前記読取手段によって読み取られた運転者識別コードに基づき、有料道路走行者が予め設定しておいた金融機関口座からの自動支払いによって、前記算出手段により算出された有料道路走行料金の収受処理が行われる料金収受処理手段と、
を備えた有料道路料金収受システム。
【請求項2】
有料道路料金収受システムが、多数台の車両と幾つかの人工衛星等とシステムデータセンターとから構成され、前記読取手段、車両作動状況記憶手段、前記情報出力手段及び通信を行う為の通信手段が前記車両に設けられ、前記車両走行位置履歴データ記憶手段、前記道路データ記憶手段、前記料金算出手段及び前記料金収受処理手段と、通信を行う為の通信手段とが前記システムデータセンターに設けられた、請求項1記載の有料道路料金収受システム。
【請求項3】
前記車両は、正規の運転免許証カードがセットされた時にエンジンのスタートが許可されるエンジンスタート判定手段を更に備える、請求項1記載の有料道路料金収受システム。
【請求項4】
前記運転免許証カードはICカードである、請求項1記載の有料道路料金収受システム。
【請求項5】
前記ICカードには、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータが予め記憶されると共に、その運転者の運転特質に関するデータが車両のMPUから読み出されて記憶されている。車両では前記読取手段により前記ICカードから運転者の運転特質に関するデータが車両におけるMPUへ読み込まれることに応じて、その運転者にとって車両が最適にセッティングされた状態に設定される車両状態設定手段が設けられていることを特徴とする、請求項4記載の有料道路料金収受システム。
【請求項6】
車両の各作動個所における車両作動状況が数値で示される他に、作動個所が取り得る状態が数値への対応付けを行われて示されたデータを、時刻データと共に料金収受処理等が行われるシステムデータセンターへ、車両作動状態パラメータとして送信が行われる機能を備えることを特徴とする、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項7】
前記車両は、車両の各作動個所における作動状態を示すパラメータを収集する車両作動状態パラメータ収集手段を備え、
前記システムデータセンターは、車両毎に前記車両作動状態パラメータ収集手段により収集された車両作動状況の記憶を行う車両作動状況記憶手段と、前記車両作動状態パラメータ記憶手段に記憶された記憶内容に基づいて車両作動状況の適正が判定される車両診断手段と、メンテナンスが必要と判定された場合には前記車両識別コードで特定される車両の所有者に対して通知が行われる車両診断結果通知手段と、を更に備えた、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項8】
全国の全ての有料道路路線におけるインターチェンジと次のインターチェンジとの間のそれぞれの区間一つ一つに対してユニークな番号付与が行われ、有料道路区間番号データとして有料道路データが取り扱われ、前記システムデータセンターで車両が走行を行った走行車両位置履歴の内の有料道路認識時に前記有料道路区間番号を用いることを特徴とする、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項9】
前記システムデータセンターは、前記車両作動状態パラメータを車両の位置データである緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データと車両作動状況データとを、緯度データ及び経度データ並びに高度データを伴った全国全道路データベースと合わせて時刻データと共に解析が行われることで、ドライバーの運転技術診断が行われるドライバー運転技術診断手段を更に備えた、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項10】
前記システムデータセンターは、多数台の車両から送信されて来た車両の場所を示す情報と進行方向と車両速度との情報に基づいて、道路の混雑状況が解析される道路混雑状況解析手段を更に備え、その分析結果情報が各車両に対して送信が行われることで、各車両では送信されて来たリアルタイムな情報である道路混雑状況データとカーナビゲーション機能として予め記憶されている道路場所データとを合わせて解析が行われることでカーナビゲーション機能として、その時点での道路状況における最適な目的地への走行進行経路を求めることが可能となる、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項11】
前記車両は、フロントガラスの状態が撮像される撮像手段と、前記撮像手段により得られた画像データからフロントガラスの状況が検知されるフロントガラス状況検知手段と、前記フロントガラス状況検知手段により検出されたフロントガラスの状態に応じて決定されたワイパー作動パターンとして、ワイパー作動パターンにおけるパルスの時間幅に対してパルス時間ゆらぎ及びパルス並びランダムを持たせ、操作方法としてダイヤル回転型スイッチとして、ワイパーの作動が自動制御されるワイパー自動制御手段とを更に備えた、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項12】
前記システムデータセンターは、多数台から送信されて来たワイパー作動状況データが分析されることで、降雨分布の把握が行われる降雨分布把握手段を更に備えた、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項13】
前記車両は、タイヤの走行面等の状態が撮像される撮像手段と、前記撮像手段で得られたタイヤの走行面の立体画像からタイヤの劣化損傷状態が判定されるタイヤ劣化損傷検出手段を更に備えた、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項14】
前記車両は、車両の加速度の検出を行う加速度検出手段と、前記加速度検出手段により検出された減速度に対応付けられた時間間隔でブレーキランプの点滅点灯が行われ、減速度が大きくなるに従って点滅時間間隔が短くなるという点滅点灯制御が行われるブレーキランプ点滅点灯制御手段とを更に備えた、請求項2記載の有料道路料金収受システム。
【請求項15】
人工衛星から受信をした電波信号を基に算出して求められ、緯度データ及び経度データ並びに高度データが出力される位置情報出力手段を有し、車両進行経路決定が行われるナビゲーション機能を持つ料金収受機及び車両におけるMPU等へ、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータ等が記憶された運転免許証カードからデータを読取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた運転者識別コードと前記位置情報出力手段から出力された車両の緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データをシステムデータセンターへ送信を行う通信手段と、前記位置情報出力手段からの位置情報と目的地までの車両進行経路に基づくカーナビゲーション機能での情報と、前記道路混雑状況解析手段によって得られた道路混雑状況情報とを合わせて解析が行われることで、その時々で最適な車両進行経路の決定が行われるナビゲーション機能を設けたことを特徴とする料金収受機。
【請求項16】
車両へ取り付けられる料金収受機であって、運転者識別コードと共に運転免許に関するデータが予め記憶された運転免許証カードと、前記運転免許証カードから記憶データが読取られる読取手段と、人工衛星等を用いて車両の位置を示す緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時計から得られた時刻データとが出力される情報出力手段と、 前記読取手段により読み取られたデータ及び前記情報出力手段からのデータを時系列累積記憶データとして有料道路の料金収受処理等を行うシステムデータセンターへ送信が行われる送信手段とが備えられた料金収受機。
【請求項17】
運転者識別コードと共に運転免許に関するデータ等を予め記憶した運転免許証カードから記憶データ読出されるステップと、
人工衛星等を使って求められた車両の位置を示す緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時計から得られた時刻データが出力されるステップと、
前記出力された緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データに基づき、車両走行位置履歴を示す車両走行位置履歴データが記憶されるステップと、
前記記憶された緯度データ及び経度データ及び高度データ並びに時刻データと、有料道路の場所を示す緯度データ及び経度データ及び高度データを持ち合わせた三次元データとして作成された全国全道路データベースとに基づき、有料道路を走行したかどうかが判定される、
有料道路の走行を行ったことが判定された有料道路区間及び予め登録されていた車両種別に応じた有料道路の走行料金に関するデータを基に走行料金が決定され、前記読取手段により読取られた運転者識別コードと共に料金収受データとして金融機関への送信が為され、金融機関口座での自動支払い処理により有料道路走行料金の収受処理が行われるステップと、を備えた有料道路料金収受方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2005−25777(P2005−25777A)
【公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235937(P2004−235937)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【分割の表示】特願2004−546378(P2004−546378)の分割
【原出願日】平成14年10月25日(2002.10.25)
【出願人】(504292853)
【Fターム(参考)】