説明

人間の生理学的情報及びコンテキスト情報の検知装置

【課題】個人の生理学的状態及び種々のコンテキストパラメータに関するデータを収集し保存するための1またはそれ以上のセンサーを備えた装置の提供。
【解決手段】生理学的情報またはコンテキスト情報を検知する装置は、可撓性部分、それに着脱自在に固着されたハウジング805、1またはそれ以上のセンサー及びプロセッサを含む。その装置は調整可能な動作パラメータを有する。別の装置として、熱束を測定するものがあり、それはハウジング805、公知の抵抗率のベース部材、処理ユニット、及び1つは身体と熱的伝送関係にあり、もう一方は周囲環境と熱的伝送関係にある2つの温度測定装置を有する。さらに別の装置として、ハウジング805を身体に固着するための接着剤をその表面上に有するハウジング805を有するものがある。さらに別の装置として、互いに垂直な凹状部及び凸状部を有する内側表面を備えたハウジング805を備えたものがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はまた、個人の生理学的状態及び種々のコンテキストパラメータに関するデータを収集し保存するための1またはそれ以上のセンサーを備えた装置の多数の実施例に係る。
【背景技術】
【0002】
社会における健康問題の多くは、全面的または部分的に不健康なライフスタイルにその原因があることが研究により分かっている。この社会では、人は、ますます早いペースで結果指向のライフスタイルを送ることを余儀なくされるが、その結果、食事の習慣が不健康で、ストレスレベルが高く、運動不足となり、睡眠の習慣が不健康で、精神集中しリラックスする時間を見つけるのが不可能となることが多い。このことを自覚して、人間は、より健康なライフスタイルの確立にますます関心を寄せるようになっている。
【0003】
HMO(健康維持組織)または同様な組織の形態で実現される伝統的医学は、より健康なライフスタイルに関心のある人々のニーズに応えるための時間またはトレーニング若しくは機構を用意していない。フィットネスプログラム及び運動器具、ダイエットプラン、自助努力の本、代替療法の流行、最も最近ではインターネット上の健康情報ウェブサイトの盛況を含む、これらの人々のニーズを満たすいくつかの試みがある。これらの試みはそれぞれ、個人が自律的に健康になるように努力するのを目標としている。しかしながら、これらの試みは、健康なライフスタイルを求める人々のニーズのほんの一部に照準を定めており、大部分の人がより健康なライフスタイルを確立しようとして直面する現実の障害の多くを無視している。これらの障害には、各個人がモチベーションを発見し、より健康なライフスタイルを達成する計画を立て、進捗状況をモニターし、問題が生じた場合、ブレインストーミングにより解決法を発見しようとすれば、通常は、彼または彼女自身が独力で行う以外に方法がないという事実;現存のプログラムは、より健康なライフスタイルのある特定の局面だけに限られており、完全なパッケージとして提供されることはまれであるという事実;また、推奨される案が個人の特異な特性または彼の生活環境に焦点を合わせていないことが多いという事実が含まれる。
【発明の概要】
【0004】
着用者の身体から人間の生理学的情報及びコンテキスト情報のうちの少なくとも1つを検知する装置を開示するが、この装置は、身体の少なくとも一部に係合するように構成された可撓性部分と、可撓性部分に着脱自在に固着されたハウジングとを有する。ハウジングは、生理学的センサー及び/またはコンテキストセンサーと、センサーと電子通信関係にある処理ユニットとを支持する。1つの実施例によると、この装置は、ハウジングに選択的に着脱自在に固定可能な多数の可撓性部分を備えることができる。この装置はまた、特定の時点でハウジングに固着されている特定の可撓性部分に応じて調整可能な動作パラメータを有する。動作パラメータは、例えば、ハウジング上またはその内部に設けたスイッチと各可撓性部分上またはその内部に設けたスイッチ作動手段の相互作用によりを調整できる。舌状部と溝、接着剤、磁石及び弾性バンドを含む(これらに限定されない)ハウジングを可撓性部分に着脱自在に固着する種々の構造が記載されている。この装置はまた、コンピュータ装置との間で情報を送受信する無線トランシーバーを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明に従って電子ネットワークを介して生理学的データ及びライフスタイルをモニターするシステムの実施例を示す。
【図2】図1のセンサー装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図1の中央モニターユニットの一実施例を示すブロック図である。
【図4】図1の中央モニターユニットの別の実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一局面であるヘルスマネジャーのウェブページの好ましい実施例を示す。
【図6】本発明の一局面である栄養ウェブページの好ましい実施例を示す。
【図7】本発明の一局面である活動レベルウェブページの好ましい実施例を示す。
【図8】本発明の一局面である精神集中ウェブページの好ましい実施例を示す。
【図9】本発明の一局面である睡眠ウェブページの好ましい実施例を示す。
【図10】本発明の一局面である毎日の生活ウェブページの好ましい実施例を示す。
【図11】本発明の一局面である健康度ウェブページの好ましい実施例を示す。
【図12】図1に示すセンサー装置の特定実施例の正面図である。
【図13】図1に示すセンサー装置の特定実施例の裏面図である。
【図14】図1に示すセンサー装置の特定実施例の側面図である。
【図15】図1に示すセンサー装置の特定実施例の底面図である。
【図16】図1に示すセンサー装置の特定実施例の正面斜視図である。
【図17】図1に示すセンサー装置の特定実施例の正面斜視図である。
【図18】図1に示すセンサー装置の特定実施例の展開側面斜視図である。
【図19】図12乃至18に示すセンサー装置の側面図である。
【図20】図12乃至18に示すセンサー装置の一部を形成する、プリント回路板に装着されるか結合される全てのコンポーネントのブロック図である。
【図21】本発明の別の実施例による健康及び壮健状態をモニターする装置のブロック図である
【図22】本発明によるセンサー装置の別の実施例を示す正面図である。
【図23】本発明によるセンサー装置の別の実施例を示す裏面図である。
【図24】図22に示すセンサー装置の線A−Aに沿う断面図である。
【図25】図22に示すセンサー装置の線B−Bに沿う断面図である。
【図26】図22に示すセンサー装置の線A−Aに沿う断面図であり、センサー装置のハウジングの内部コンポーネントを示す。
【図27】プリント基板に取り付けられるかそれに結合されて、図22乃至26に示すセンサー装置の実施例の一部を形成するコンポーネントのブロック図である。
【図28】LCDを含む本発明によるセンサー装置の別の実施例を示す正面図である。
【図29】プリント基板に取り付けられるかそれに結合されて、図22乃至26に示すセンサー装置の実施例の一部を形成するコンポーネントのブロック図である。
【図30】ハウジングが可撓性部分に着脱自在に固着された本発明によるセンサー装置の別の実施例を示す等角投影図である。
【図31】ハウジングが可撓性部分に着脱自在に固着された本発明によるセンサー装置の別の実施例を示す等角投影図である。
【図32】ハウジングが可撓性部分に着脱自在に固着された本発明によるセンサー装置の別の実施例を示す等角投影図である。
【図33】本発明の1つの局面による動作パラメータが調節自在のセンサー装置の一実施例を示す等角投影図である。
【図34】ハウジングを身体に着脱自在に固着するためにハウジングの外側表面に接着剤を有する本発明のセンサー装置の別の実施例を示す等角投影図である。
【図35A】従来技術のセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図35B】従来技術のセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図35C】図23の線C−Cに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置の実施例を示す断面図である。
【図35D】図23の線C−Cに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置の実施例を示す断面図である。
【図35E】図23の線C−Cに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置の実施例を示す断面図である。
【図35F】図23の線C−Cに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置の実施例を示す断面図である。
【図35G】図23の線C−Cに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置の実施例を示す断面図である。
【図35H】図23の線C−Cに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置の実施例を示す断面図である。
【図36A】従来技術のセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図36B】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図36C】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図36D】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図36E】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図36F】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図36G】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図36H】図23の線D−Dに沿う本発明の1つの局面によるセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図37】底面または内側表面が1つの方向で凹形であり、別の方向で凸形である本発明によるセンサー装置のハウジングを示す等角投影図である。
【図38A】平坦な上面及び平坦な横方向端部を有するセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図38B】平坦な上面及び平坦な横方向端部を有するセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図38C】平坦な上面及び平坦な横方向端部を有するセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図38D】平坦な上面及び平坦な横方向端部を有するセンサー装置のハウジングを示す断面図である。
【図39A】表面が物体を変形させハウジングの移動を阻止するように設計されたセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図39B】表面が物体を変形させハウジングの移動を阻止するように設計されたセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図39C】表面が物体を変形させハウジングの移動を阻止するように設計されたセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図39D】表面が物体を変形させハウジングの移動を阻止するように設計されたセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図39E】表面が物体を変形させハウジングの移動を阻止するように設計されたセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図39F】表面が物体を変形させハウジングの移動を阻止するように設計されたセンサー装置のハウジングの実施例を示す断面図である。
【図39G】可撓性部分に固着された図39Eに示すハウジングの断面図である。
【実施例】
【0006】
一般的に、本発明では、個人の生理学的状態、ライフスタイル及びある特定のコンテキストパラメータに関するデータを収集し、その後でまたはリアルタイムで、そのデータを
、好ましくは個人から離れたサイトへ、好ましくはインターネットのような電子的ネットワークを介して送った後、処理して受け手に提示するために蓄積する。本明細書中の用語「コンテキストパラメータ」は、空気の質、音の品質、周囲温度、地球上の位置などを含む(それらに限定されない)個人の環境、周囲及び場所に関するパラメータを意味する。図1を参照して、ユーザーの場所5には、身体の少なくとも一部に近接配置されるセンサー装置10がある。センサー装置10は、個人のユーザーが、例えばぴったり体に合うシャツのような衣服の一部またはアームバンドの一部として身に付けるのが好ましい。センサー装置10は、個人の生理学的特性に応答して信号を発生する1またはそれ以上のセンサーと、マイクロプロセッサーとを有する。本明細書中の用語「近接」は、センサー装置10のセンサーと個人の体とが、センサーの能力が妨げられないようにある材料またはある距離だけ離隔された状態を意味する。
【0007】
センサー装置10は、人間の心拍数、脈搏数、拍動間の変異、EKGまたはECG、呼吸数、皮膚温度、中心部体温、体からの熱流、電気皮膚反応またはGSR、EMG、EEG、EOG、血圧、体脂肪、水分補給レベル、活動レベル、酸素消費量、グルコースまたは血糖値、体位、筋肉または骨にかかる圧力、紫外線吸収のような人間の種々の生理学的パラメータを示すデータを発生する。ある特定の場合、種々の生理学的パラメータを示すデータは、1またはそれ以上のセンサーが発生する信号それ自体であり、場合によっては、1またはそれ以上のセンサーが発生する信号に基づきマイクロプロセッサーが計算したデータである。種々の生理学的パラメータを示すデータを発生する方法及び使用センサーは公知である。表1は、かかる周知の方法のいくつかの例について、問題のパラメータ、使用方法、使用センサー装置及び発生される信号を示す。表1はまた、そのデータを発生するためにはセンサーが発生する信号にさらに処理を加える必要があるか否かを示す。
【0008】
表 1
パラメータ 方法 センサー 信号 さらに処理
を要するか
心拍数 EKG 電極2個 直流電圧 Yes
脈搏数 BVP LED及び 抵抗変化 Yes
光センサー
拍動間変異 脈搏数 電極2個 直流電圧 Yes
EKG 皮膚表面電位 電極3−10個 直流電圧 No
呼吸数 胸部体積変化 ひずみ計 抵抗変化 Yes
皮膚温度 表面温度計 サーミスタ 抵抗変化 Yes
中心部体温 食道または サーミスタ 抵抗変化 Yes
直腸プローブ
熱流 熱流束 サーモパイル 直流電圧 Yes
電気皮膚反応 皮膚コンダクタンス 電極2個 抵抗変化 No
EMG 皮膚表面電位 電極3個 直流電圧 No
EEG 皮膚表面電位 電極多数 直流電圧 Yes
EOG 眼球の動き 薄膜圧電センサー 直流電圧 Yes
血圧 非侵襲性 電子血圧計 抵抗変化 Yes
コロトコフ音
体脂肪 体インピーダンス 動作電極2個 インピーダンス変化 Yes
毎分Gショック 体の動き 加速度計 直流電圧 Yes
の活動 容量変化
酸素消費量 酸素摂取 電気化学的センサー 直流電圧変化 Yes
グルコース 非侵襲性 電気化学的センサー 直流電圧変化 Yes
レベル体位(例えば、 水銀スイッチアレイ 直流電圧変化 Yes
横臥、直立、座位)
筋圧 薄膜圧電センサー 直流電圧変化 Yes
紫外線吸収 紫外光セル 直流電圧変化 Yes
【0009】
表1に掲げたデータの種類は、センサー装置10が発生可能なデータの種類を例示するものである。他の種類のデータも、本発明の範囲から逸脱することなくセンサー装置10により発生できることを理解されたい。
【0010】
センサー装置10のマイクロプロセッサーは、データを要約し分析するようにプログラム可能である。例えば、マイクロプロセッサーは、10分のような所定の時間にわたる心拍数または呼吸数の平均値、最小値または最大値を計算するようにプログラム可能である。センサー装置10は、1またはそれ以上の生理学的パラメータを示すデータに基づき個人の生理学的状態に関する情報を導出することができる。センサー装置10のマイクロプロセッサー10は、公知の方法により、1またはそれ以上の生理学的パラメータを示すデータに基づきかかる情報を導出するようにプログラムされている。表2は、導出可能な情報の種類の例と、そのために使用可能なデータの種類の一部を示す。
【0011】
表 2
導出情報 使用データ
排卵 皮膚温度、中心部温度、酸素消費量
入眠/覚醒 拍動間変異、心拍数、脈搏数、呼吸数、皮膚温度、中心部体温
熱流、電気皮膚反応、EMG、EEG、EOG、血圧、
酸素消費量
カロリー消費量 心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、活動、酸素消費量
基礎代謝率 心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、活動、酸素消費量
基礎体温 皮膚温度、中心部体温
活動レベル 心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、活動、酸素消費量
ストレスレベル 拍動間変異、心拍数、脈搏数、呼吸数、皮膚温度、
熱流、電気皮膚反応、EMG、EEG、血圧、活動、
酸素消費量
弛緩レベル 拍動間変異、心拍数、脈搏数、呼吸数、皮膚温度、
熱流、電気皮膚反応、EMG、EEG、血圧、活動、
酸素消費量
最大酸素消費率 EMG、心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、
血圧、活動、酸素消費量
立ち上がり時間または 心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、酸素消費量
休止率から目標最大値
の85%まで上昇する
に要する時間
ゾーンにおける時間 心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、酸素消費量
または心拍数が目標
最大値の85%以上
であった時間
回復時間または心拍数 心拍数、脈搏数、呼吸数、熱流、酸素消費量
が目標最大値の85%
以上になった後休止率
に戻るに要する時間
【0012】
さらに、センサー装置10は、個人を取り巻く環境に関する種々のコンテキストパラメータを示すデータを発生できる。例えば、センサー装置10は、空気の質、音のレベル/
品質、個人の近くの光の質または周囲温度、もしくは個人の地球的位置を示すデータを発生可能である。センサー装置10は、個人を取り巻く環境に関連するコンテキスト特性に応答して信号を発生する1またはそれ以上のセンサーを備えており、これらの信号は最終的に上述した種類のデータの発生に使用される。かかるセンサーは、空気の質、音のレベル/品質、周囲温度及び地球的位置のようなコンテキストパラメータに関するデータを発生させる方法と同様によく知られている。
【0013】
図2は、センサー装置10の一実施例を示すブロック図である。センサー装置10は、少なくとも1つのセンサー12と、マイクロプロセッサー20とを有する。センサー12が発生する信号の性質に依り、その信号は増幅器14、コンディショニング回路16及びアナログ−デジタルコンバーター18のうちの1またはそれ以上のコンポーネントを介してマイクロプロセッサー20へ送られる。例えば、センサー12が増幅及びフィルタリングを必要とするアナログ信号を発生する場合、その信号は増幅器14へ送られた後、例えばバンドパスフィルターのようなコンディショニング回路16へ送られる。増幅及びコンディショニング済みのアナログ信号はアナログ−デジタルコンバーター18へ送られ、そこでデジタル信号へ変換される。デジタル信号はその後、マイクロプロセッサー20へ送られる。センサー12がデジタル信号を発生する場合は、その信号を直接マイクロプロセッサー20へ送ればよい。
【0014】
マイクロプロセッサー20は、個人のある特定の生理学的またはコンテキスト特性を表すデジタル信号を用いて、個人ユーザーの生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータを計算し、発生する。マイクロプロセッサー20は、個人の生理学的状態の少なくとも1つの局面に関する情報を導出するようにプログラムされている。マイクロプロセッサー20はまた、マイクロコントローラーもしくは上述した機能を有するプログラム可能な他の種類のプロセッサーにより構成できることを理解されたい。
【0015】
本発明の一実施例によると、生理学的及び/またはコンテキストパラメータを使用するデータはフラッシュメモリーのようなメモリー22へ送られ、そこで、以下に述べる態様でアップロードされるまで保存される。図2はメモリー22を個別素子として示すが、このメモリーはマイクロプロセッサー20の一部でもよいことを理解されたい。センサー装置10はまた、後述する態様である特定のデータ信号を出力すると共に入力として受ける入出力回路24を有する。従って、時間がたつと、センサー装置10のメモリー22には、個人ユーザーの体及び/または環境に関するデータが増加する。そのデータは、図1に示すように、センサー装置10から、好ましくはローカルネットワークワークまたはインターネットのような地球的規模の電子的ネットワークを介して定期的にアップロードされて遠隔の中央モニターユニット30へ送られ、そこで、データベースに蓄積された後処理してユーザーに提示される。データのアップロードは、センサー装置10によるある特定のレベル以下の心拍数の検知のような事象の発生により、または定期的に、センサー装置10により始動される自動プロセスか、または毎日午後10時のような、好ましくはある定期的なスケジュールに従って個人ユーザーまたはそのユーザーにより許可された第三者により始動されるものでもよい。あるいは、センサー装置10は、メモリー22にデータを蓄積しないでデータをリアルタイムで継続してアップロードしてもよい。
【0016】
センサー装置10から中央モニターユニット30へ保存蓄積のために行うデータのアップロードには、種々の方法がある。一実施例において、センサー装置10が収集するデータは、最初に図1に示すパソコン35へ、例えば、RS232またはUSBポートのようなシリアル接続手段である物理的接続手段40により転送してアップロードされる。この物理的接続は、市販の多くのパーソナルデジタルアシスタントでは普通であるように、センサー装置10を挿入可能なパソコン35に電子的に結合されるクレイドル(図示せず)を用いて行ってもよい。データのアップロードは、その後クレイドルのボタンを押して始
動するかまたはセンサー装置10の挿入と同時に自動的に始動することも可能である。センサー装置10により収集されるデータは、最初に、データを、45で示す赤外線または無線通信のような短距離無線通信方式によりパソコン35へ伝送することによりアップロードしてもよい。
【0017】
そのデータは、パソコン35が受信すると、オプションとして、良く知られた種々の方法の任意のもので圧縮され、暗号化された後、好ましくはローカルネットワークまたはインターネットのような地球的規模の電子的ネットワークにより中央モニターユニット30へ送られる。パソコン35の代わりに、例えばパーソナルデジタルアシスタントのような電子的ネットワークにアクセス可能でそのネットワークに対してデータを送受信できる任意の計算装置を使用できることに注意されたい。
【0018】
別の方法として、センサー装置10が収集したデータを暗号化し、オプションとしてマイクロプロセッサー20により圧縮した後、双方向ペイジャーまたはセルラー電話のような無線装置50へ送って、電子メールまたはASCIIまたはバイナリーデータとして無線プロトコルを利用してローカル無線通信サイト55へ長距離無線通信してもよい。ローカル無線通信サイト55は、無線装置50からの無線通信信号を受けるタワー60とタワーに接続されたコンピュータ65とを有する。好ましい実施例によると、コンピューター65はインターネットのような電子的ネットワークにアクセス可能であり、インターネットを介して中央モニターユニット30へ送られた無線通信信号の形で受信したデータを送信するために使用される。図1は無線装置50をセンサー装置10に結合された個別の装置として示すが、その装置及びそれと同一または類似の機能を有する装置をセンサー装置10の一部として組み込んでもよい。
【0019】
センサー装置10には、就寝時間、起床時間及び食事時間のような事象の時間を記録するためのボタンを備えている。これらの時間記録はセンサー装置10に保存され、上述したようなデータの残部と共に中央モニターユニット30へアップロードされる。この時間記録はデジタル記録されたボイスメッセージを含むことがあるが、このメッセージは、中央モニターユニット30へアップロードされた後、音声認識技術を用いて、中央モニターユニット30が利用可能なテキストまたは他の任意の情報フォーマットへ変換される。
【0020】
センサー装置10による個人ユーザーの生理学的データを自動的に収集するだけでなく、例えば、個人の体重を測定するか、個人の手または体の他の部分を載せるセンサー装置10に類似の感知装置によるか、若しくは、例えばレーザー技術またはiSt血液分析装置を用いて個人の体を走査することにより、データを収集するように、キオスクを構成することができる。キオスクは上述した処理能力及び関連の電子的ネットワークへのアクセス能力を備え、従って、電子的ネットワークを介して中央モニターユニット30へ収集したデータを送るように構成されている。個人の手または体の他の部分を載せることができるセンサー装置10に類似のデスクトップ感知装置を用意してもよい。かかるデスクトップ感知装置の例として、個人の腕を入れる血圧モニターがある。個人が、センサー装置10を組み込んだリングを身に付けるようにしてもよい。このリングに結合するように構成した基部(図示せず)を設けることができる。上述したデスクトップ感知装置または基部を、物理的または短距離無線接続手段によりパソコン35のようなコンピューターに結合して、収集したデータが上述した態様で関連の電子的ネットワークにより中央モニターユニット30へアップロードされるようにしてもよい。例えば、パーソナルデジタルアシスタントのようなモバイル装置に、センサー装置10を組み込んでもよい。かかるセンサー装置10は、例えばその装置を手のひらに保持して体に近接配置すると、データを収集し、収集したデータを上述した任意の方法により中央モニターユニット30へアップロードするように構成することができる。
【0021】
さらに、個人は、上述した態様でかかるデータを自動的に感知することによりデータを収集するだけでなく、最終的に中央モニターユニット30へ送られて保存される種々の生活活動に関するデータを、自動的な手段によらずに、提供することが可能である。個人ユーザーは、中央モニターユニット30により維持されるウェブサイトにアクセス可能であり、テキストを自由に入力するか、ウェブサイトが行う質問に答えるか、またはウェブサイトにより提供されるダイアログボックスをクリックして、生活活動に関する情報を直接入力することが可能である。中央モニターユニット30は、生活活動に関する情報を集めるように企図された質問を含む電子メールメッセージをパソコン35またはパーソナルデジタルアシスタント、ペイジャーまたはセルラー電話のような電子メールを受ける他の任意の装置へ定期的に送るように構成することができる。その個人は、関連のデータの入力により適当な電子メールメッセージに応答して、生活活動に関する情報を中央モニターユニット30へ提供する。中央モニターユニット30は、個人ユーザーへある特定の質問を行うためにそのユーザーに電話をするようにしてもよい。ユーザーは、電話のキーパッドにより情報を入力するかまたは音声により(この場合、従来の音声認識技術を中央モニターユニット30が利用して応答を受け処理する)質問に答えることができる。ユーザーが電話をかけることもあるが、この場合、ユーザーは直接人に話しかけるかまたはキーパッドもしくは音声/音声認識技術より情報を入力することが可能である。中央モニターユニット30は、例えば、自動的に情報を収集できる、ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト社のアウトルックに含まれるようなユーザーの電子カレンダーのような、ユーザーにより制御される情報源にアクセスすることができる。生活活動に関するデータは、食事、睡眠、運動、精神集中または弛緩、毎日の生活習慣、パターン及び/または活動に関連するものである。従って、サンプル質問として、今日は昼食に何を食べましたか、昨晩は何時に就寝しましたか、今朝は何時に起床しましたか、今日はトレッドミル上で何時間走りましたか、が含まれる。
【0022】
ユーザーへのフィードバックは、直接センサー装置10により、例えばLEDまたはLCDを用いて可視的に行うか、センサー装置10の少なくとも一部を熱変色性プラスチックで構成するか、音響信号を用いるか若しくは振動のような触覚フィードバックによって行うことができる。かかるフィードバックは、食事をさせるための、ビタミンのような薬またはサプリメントを摂取させるための、運動または瞑想のような活動を行わせるための、もしくは脱水症状が検知された場合に水を飲ませるための合図または警告となりうる。さらに、合図または警告は排卵のような特定の生理学的パラメータが検知された場合、トレーニング時燃焼されるカロリーがあるレベルに達した場合、または心拍数または呼吸数が高いレベルになった場合に発生することができる。
【0023】
当業者には明らかなように、中央モニターユニット30からセンサー装置10へデータをダウンロードすることも可能である。かかるダウンロードプロセスにおけるデータの流れ方向は、センサー装置からのデータのアップロードに関連して上述した流れとは実質的に反対である。従って、センサー装置10のマイクロプロセッサー20のファームウェアを遠隔操作により更新または変更する、即ち、新しいファームウェアをそのタイミング及びサンプルレートのようなパラメータについて中央モニターユニット30からセンサー装置10へダウンロードすることによりマイクロプロセッサーのプログラムを変更することが可能である。センサー装置10により提供される合図/警告は、ユーザーが中央モニターユニット30により維持されるウェブサイトを介して設定した後、センサー装置10へダウンロードすることが可能である。
【0024】
図3を参照して、該図は、中央モニターユニット30の実施例を示すブロック図である。中央モニターユニット30は、ルーター75に接続されたCSU/DSU70を備えているが、ルーターの主要機能は、データリクエストまたは入出トラフィックをチェックし、中央モニターユニット30により維持されるウェブサイト上で処理し見ることができる
ように経路選択を行うことである。ルーター75には、ファイアーウォール80が接続されている。ファイアーウォール80の主要目的は、中央モニターユニット30の残りの部分を権限のないまたは悪意の侵入から保護することである。ファイアーウォール80に接続されたスイッチ85は、ミドルウェアサーバー95a乃至95cとデータサーバー110との間のデータの流れを制御するために使用される。負荷バランス装置90は、入来リクエストの仕事負荷を同一構成のミドルウェアサーバー95a乃至95cに振り分けるために設けられている。負荷バランス装置90(その適当な例として、カリフォルニア州サンホセのファウンドリーネットワークス社のF5 SeverIronがある)は、各ミドルウェアサーバー95a乃至95cの利用可能性及び各ミドルウェアサーバー95a乃至95cにおいて使用されるシステム資源の大きさを分析して、仕事がそれらの間に適切に振り分けられるようにする。
【0025】
中央モニターユニット30は、データ中央記憶手段として働く記憶エリアネットワークまたはSANのようなネットワーク記憶装置100を有する。さらに詳しく説明すると、ネットワーク記憶装置100は、上述した態様で各個人ユーザーについて収集する全てのデータを蓄積するデータベースよりなる。適当なネットワーク記憶装置100の例として、マサチュセッツ州ホプキンスのイーエムシーコーポレイションにより販売されるSymmetrix製品がある。図3はただ1つのネットワーク記憶装置100を示すが、中央モニターユニット30のデータ蓄積ニーズに応じて種々の容量を有する多数のネットワーク記憶装置を使用できることを理解されたい。中央モニターユニット30は、ネットワーク記憶装置100に結合されたデータベースサーバー110も有する。データベースサーバー110は2つの主要な構成要素、即ち、大型のマルチプロセッサーサーバーと、カリフォルニア州レッドウットのオラクルコーポレイションにより販売される8/8iまたはワシントン州レッドモンドのマイクロソフト社により販売される5067コンポーネントのような企業タイプのソフトウェアサーバーとより成る。データサーバー110の主要機能は、リクエストに応じてネットワーク記憶装置100に蓄積されたデータへアクセスし、ネットワーク記憶装置100に新しいデータを入力することである。ネットワーク記憶装置100にはコントローラー115が結合されるが、このコントローラーは通常、ネットワーク記憶装置に蓄積されたデータを管理するためのデスクトップ型パソコンより成る。
【0026】
ミドルウェアサーバー95a乃至95c(適当な例として、カリフォルニア州パロアルトのマイクロシステムズインコーポレイテッドにより販売される22ORデュアルプロセッサーがある)は、それぞれ、中央モニターユニット30により維持されるウェブサイトの会社またはホームウェブページを作成し維持するためのソフトウェアを含んでいる。当該技術分野で知られているように、ウェブページはワールドワイドウェブ上で利用可能なデータのブロックであり、HTML言語で書かれたファイルより成る。また、ウェブサイトはWWWサーバープロセスを走らせるインターネット上の任意のコンピュータのことである。会社またはホームウェブページは、適当なURLを用いることによりサイトを訪れる一般大衆の全てにアクセス可能な起点となるウェブページである。当該技術分野でよく知られているURLはWWW上で用いるアドレスの形態をとり、インターネット上におけるオブジェクト、通常はウェブページの場所を特定する標準的方法である。ミドルウェアサーバー95a乃至95cはまた、登録して中央モニターユニット30のメンバーになった個人によってのみアクセス可能な中央モニターユニット30のウェブサイトのウェブページを作成し維持するソフトウェアを含む。メンバーであるユーザーは、それらのデータを中央モニターユニット30に蓄積するのを望む個人である。かかるメンバーユーザーは、情報セキュリティーのためにパスワードによりアクセスできる。それらのウェブページの好ましい実施例について以下に説明するが、それらはネットワーク記憶装置100のデータベースに蓄積される収集したデータを用いて作成される。
【0027】
ミドルウェアサーバー95a乃至95cはまた、データベースサーバー110を介して
ネットワーク記憶装置100からのデータのリクエスト及びその装置へのデータの書き込みを行うソフトウェアを含む。個人ユーザーがデータをネットワーク記憶装置のデータベースに書き込み、ネットワーク100のデータベースに蓄積された自分のデータを見る目的で中央モニターユニット30によるセッションを開始したい場合、ユーザーは、ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト社のインターネットエクスプローラのようなブラウザープログラムを用いて中央モニターユニット30のウェブページを訪れ、登録済みユーザーとしてログインする。負荷バランス装置90は、ユーザーを、選択されたミドルウェアサーバーであるミドルウェアサーバー95a乃至95cのうちの1つに割り当てる。ユーザーは、各セッション全体について所定のミドルウェアサーバーを割り当てられるのが望ましい。選択されたミドルウェアサーバーは、よく知られた方法のうちの任意の方法によりユーザー認証を行って、真のユーザーだけがデータベースの情報にアクセスできるようにする。メンバーであるユーザーはまた、ヘルスケアプロバイダーまたは個人的なトレイナーのような第三者に彼または彼女のデータへのアクセス権を与えることができる。アクセス権を付与された第三者にはそれぞれ別個のパスワードが与えられるが、そのパスワードによって従来のブラウザーによりそのメンバーユーザーのデータを見ることができる。従って、ユーザーもその第三者もそのデータの受け手となりうる。
【0028】
ユーザーが認証を受けると、選択されたミドルウェアサーバーは、データベースサーバー110を介して、所定の時間の間、ネットワーク記憶装置100からその個人ユーザーのデータをリクエストする。所定の時間は30日であるのが好ましい。リクエストされたデータをネットワーク記憶装置100から受け取ると、その選択されたミドルウェアサーバーはそのデータをキャッシュメモリー内に一時的に蓄積する。キャッシュされたデータは、再びユーザーのブラウザーを介してそのユーザーへウェブページの形態で情報を提示するために、その選択されたミドルウェアサーバーにより利用される。各ミドルウェアサーバー95a乃至95cは、そのデータを用いて処理及び計算を行うことによりそのデータをユーザーへの提示に好適なフォーマットに変換するためのソフトウェアを含むかかるウェブページ作成のための適当なソフトウェアを備えている。ユーザーがそのセッションを終了すると、データはキャッシュから除去される。ユーザーが新しいセッションを始めると、上述したような、そのユーザーのためにデータを取り出してキャッシュするプロセスが繰り返される。従って、このキャッシュシステムではネットワーク記憶装置100にセッション毎に1回の電話をかければよいのが理想であり、それによりデータベースサーバー110が取り扱う必要のあるトラフィックが減少する。特定セッションの時ユーザーからのリクエストが既に取り出されたキャッシュデータの所定の時間を外れたデータを必要とする場合は、選択されたミドルウェアサーバーがネットワーク記憶装置100に別の電話をかけるようにすればよい。しかしながら、その別の電話を最小限に抑えるように所定の時間を選択する必要がある。キャッシュデータをキャッシュメモリーに保存して、ユーザーが新しいセッションを始める時に使用できるようにすることにより、ネットワーク記憶装置100に新しく電話をする必要を無くすことも可能である。
【0029】
表2に関連して説明したように、センサー装置10のマイクロプロセッサーは、1またはそれ以上の生理学的パラメータを示すデータに基づき個人の生理学的状態に関する情報を導出するようにプログラムすることができる。中央モニターユニット30及び好ましくはミドルウェアサーバー95a乃至95cも、1またはそれ以上の生理学的パラメータを示すデータに基づきかかる情報を導出するように同様にプログラムすることができる。
【0030】
ユーザーが、例えば食事または睡眠の習慣に関する情報のような別の情報をセッションの間入力することが企図されている。この別のデータは、ユーザーのセッションの間選択されたミドルウェアサーバーがキャッシュメモリーに蓄積するのが好ましい。ユーザーがセッションを終了すると、キャッシュメモリーに蓄積されたこの別の新しいデータが、ネットワーク記憶装置100に蓄積するために選択されたミドルウェアサーバーによりデー
タベースサーバー110へ転送される。あるいは、セッションの間利用する可能性があるため、キャッシュメモリーに蓄積するだけでなく、入力データを当該技術分野でよく知られたライトスルーキャッシュシステムの一部としてネットワーク記憶装置100に蓄積するために直ちにデータベースサーバー110に転送してもよい。
【0031】
図1に示すように、センサー装置10により収集されるデータは、中央モニターユニット30へ定期的にアップロードされる。長距離無線通信によるかまたはパソコン35を介することにより、好ましくはインターネットである電子的ネットワークを通して中央モニターユニット30への接続が行われる。詳説すると、負荷バランス装置90への接続は、CSU/DSU70、ルーター75、ファイアーウォール80及びスイッチ85を介して行われる。負荷バランス装置90はその後、選択されたミドルウェアサーバーと呼ぶ95a乃至95cのうちの1つを選択してデータのアップロードを取り扱う。選択されたミドルウェアサーバーは、よく知られた多くの方法のうちの1つを用いてユーザー認証を行う。認証が成功すれば、データは上述した選択したミドルウェアサーバーへアップロードされ、最終的に、データベースサーバー110へ転送されてネットワーク記憶装置100に蓄積される。
【0032】
図4を参照して、該図は、中央モニターユニット30の別の実施例を示す。図4に示す中央モニターユニット30の実施例は、図3に関連して説明した構成要素だけでなく、ネットワーク記憶装置100の冗長性のあるバックアップであるミラーネットワーク記憶装置120を有する。このミラーネットワーク記憶装置120にはコントローラー122が結合されている。ネットワーク記憶装置100からのデータは、データに冗長性を与える目的でミラーネットワーク記憶装置120へ定期的にコピーされる。
【0033】
保険会社または研究所のような第三者には、おそらく料金を支払うことで、ミラーネットワーク記憶装置120に蓄積されたある特定の情報に対するアクセス権が与えられることがある。中央モニターユニット30にデータを供給する個人ユーザーの秘密を保持するために、これら第三者にはかかるユーザーの個人データベース記録に対するアクセス権は与えられず、ミラーネットワーク記憶装置120に蓄積された一部のデータへのアクセス権だけが与えられるようにするのが好ましい。かかる第三者は、従来のブラウザープログラムを用いてインターネットによるミラーネットワーク記憶装置120に蓄積された情報にアクセスすることができる。第三者からのリクエストは、CSU/DSU70、ルーター75、ファイアーウォール80及びスイッチ85を介して入ってくる。図4に示す実施例では、ミラードライブアレイ120からのデータのアクセス及び提示に関する仕事を同一構成のミドルウェアサーバー135a乃至135cに振り分けるための別個の負荷バランス装置130が設けられている。ミドルウェアサーバー135a乃至135cはそれぞれ、第三者がブラウザーにより別個のデータベースサーバー125を介してミラーネットワーク記憶装置120から情報を得るための照会を行うのを可能にするソフトウェアを含む。ミドルウェアサーバー135a乃至135cはまた、ミラーネットワーク記憶装置120から得られる情報をネットワークを介してウェブページの形で第三者に提示するためのソフトウェアを含む。さらに、第三者は、種々の人口動態統計的カテゴリーのような主題に従って集められる情報を有する一連のレポートから選択を行うことができる。
【0034】
当業者には明らかなように、これら第三者にミラーネットワーク記憶装置120に蓄積されたバックアップデータに対するアクセス権を与える代わりに、第三者にネットワーク記憶装置100に蓄積されたデータに対するアクセス権を与えてもよい。また、負荷バランス装置130及びミドルウェアサーバー135a乃至135cを設ける代わりに、性能は低下するが同じ機能を負荷バランス装置90及びミドルウェアサーバー95a乃至95cにより提供することが可能である。
【0035】
個人ユーザーが初めて登録ユーザーまたはメンバーになる時、そのユーザーは詳細な調査に完全に回答する。この調査の目的は、中央モニターユニット30により推奨される健康なライフスタイルを確立し維持する可能性を最大にするために対処する必要のある各ユーザーの特異な特性/環境を突き止めること;個人ユーザーの最初の目標を設定して健康指数のようなある特定のグラフィックデータ出力の計算及び表示を容易にするために使用するベースラインデータを収集すること;ヘルスマネジャーの日課としてユーザーに提供されるコンテンツの種類を中央モニターユニット30が特別に選択するのを支援する特異なユーザー特性及び環境を明らかにすること;ヘルスマネジャーの問題解決機能により健康なライフスタイルに対する障害としてヘルスマネジャーの支援によりユーザーが対処することができる特異なユーザー特性及び環境を突き止めることである。
【0036】
調査すべき特定の情報としては、活動レベル、食事、睡眠及び排便習慣の規則性、状況に対する最初の応答、適応性、持続性、応答性のしきい値、反応の強さ及び気分の性質を含む個人の重要な性格;ユーザーの自主独立レベル、即ち、自立形成及び自己管理、社交性、記憶力及び学問的成就能力;ユーザーの覚醒レベル、認知速度、注意力疎外要因の回避能力、覚醒状態及び自己監督能力を含むユーザーの注意力及び注意持続能力;現在の体重、身長及び血圧を含むユーザーの現在の健康状態、一般開業医による最も最近の診察、婦人科の診察及び他の適用される医者/健康管理者との接触、現在服用中の薬剤及びサプリメント、アレルギー歴及び現在の症状及び/または健康に関連する挙動の所見;ユーザーの過去の健康歴、即ち、病気/手術、家族歴及び個人による調整を必要とした、離婚または失業のような社会的事象;ユーザーの健康優先度に関する所信、価値感及び意見、振舞いを変える能力、及び生活のストレス原因と考えられるもの及びストレス管理方法;ユーザーの自己意識度、感情移入、権限委譲及び自尊心、ユーザーの食事、運動、睡眠、弛緩及び毎日の活動の現在のルーチン;ユーザーの生活における2つの重要な人物(例えば、配偶者、友人、同僚または上司の性格及びそれらとの関係において健康なライフスタイルを阻害するまたはストレスに寄与する衝突が存在するか否かについてのユーザーの受け止め方が含まれる。
【0037】
各メンバーユーザーは、中央モニターユニット30のホームウェブページを介して、ヘルスマネジャーと呼ぶそのユーザーのために特別に構成された一連のウェブページにアクセスする。図5は、ヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150を示す。ヘルスマネジャーのウェブページは、そのメンバーユーザーの主要な操作エリアである。ヘルスマネジャーのウェブページはユーティリティーを備えており、中央モニターユニット30はこのユーティリティーを介して分析状態データと普通呼ぶ多種多様な種類及び形態のデータをユーザーへ提供する。このデータは、中央モニターユニット30が収集するか発生させるデータ、即ち、センサー装置10が発生する種々の生理学的パラメータを示すデータ;種々の生理学的パラメータを示すデータから導出されるデータ;センサー装置10により発生される種々のコンテキストパラメータを示すデータ及びユーザーが入力するデータのうちの1つまたはそれ以上である。分析状態データは、センサー装置10が発生する種々の生理学的パラメータを示すデータ、種々の生理学的パラメータから導出されるデータ、センサー装置10が発生する種々のコンテキストパラメータを示すデータ及びユーザーが入力するデータのうちの1つまたはそれ以上を、計算により求める健康度、壮健度及びライフスタイル指数に変換するために、ある特定のユーティリティーまたはアルゴリズムを利用する点に特徴がある。例えば、摂取した食料に関連してユーザーが入力するデータに基づきカロリー、たんぱく質、脂肪、炭水化物及びある特定のビタミンの量のようなものを計算することができる。別の例として、皮膚温度、心拍数、呼吸数、熱流及び/またはGSRを用いることにより、所望の時間にわたるストレスレベルの指数をユーザーに提供することができる。さらに別の例として、皮膚温度、熱流、拍動間変異、心拍数、脈搏、呼吸数、中心部体温、電気皮膚反応、EMG、EEG、EOG、血圧、酸素消費量、周囲の音及び加速度計のような装置で検知される体の動きを用いることにより、所望の時間
にわたる睡眠パターンの指数をユーザーに提供することができる。
【0038】
ヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150には、健康指標155がある。この健康指標155は、ユーザーの成績及び中央モニターユニット30により推奨される健康な日課を達成した度合いを測定し、それらをメンバーユーザーにフィードバックするためのグラフィックなユーティリティーである。このように、健康指標155は、メンバーユーザーに対して彼らの進捗状況を示す。健康指標155はユーザーの健康及びライフスタイルに関する6つのカテゴリー、即ち、栄養、活動レベル、精神集中、睡眠、毎日の活動及び感想を含む。栄養カテゴリーは、その人が何を、いつ、そしてどのくらい食べて飲むかに関わる。活動レベルのカテゴリーは、その人がどのくらい動き回るかに関する。精神集中のカテゴリーは、精神が高度に集中した状態で体の深い弛緩状態を可能にするある種の活動の品質及び人間がその活動に集中する時間に関する。睡眠のカテゴリーは、人間の睡眠の質及び量に関する。毎日の活動のカテゴリーは、毎日行わなければならないこと及び人間が遭遇する健康リスクに関する。最後に感想のカテゴリーは、ある特定の日について気分がよいか否かの一般的な受け止め方に関する。各カテゴリーには、好ましくは、「悪い」から「よい」の間で変化するスケールで、ユーザーがそのカテゴリーに関してどのような実績をあげたかを示す関連のレベルまたは棒グラフがある。
【0039】
各メンバーユーザーが上述した最初の調査を終了すると、ユーザーに対して彼または彼女の特性及び生活環境の要約を提供するプロフィールが作成される。推奨の健康的な日課より成る計画及び/または目標が提示される。推奨の健康的な日課には、適当な栄養、運動、精神集中及びユーザーの生活の毎日の所定の活動に関する特定のアドバイスの任意の組み合わせが含まれる。これら推奨される活動をユーザーの生活に如何に取り込むかのガイドとして、典型的なスケジュールを提示してもよい。ユーザーはその調査を定期的に受け、その結果に基づき、上述したような項目をそれに応じて調整する。
【0040】
栄養のカテゴリーは、ユーザーが入力するデータと、センサー装置10が感知するデータとの両方から計算される。ユーザーが入力するデータには、朝食、昼食、夕食及び任意のおやつの時間及び長さ、食料、ビタミンのようなサプリメント及び関連の予め選択した時間の間に飲む水及び他の液体が含まれる。このデータ及び種々の食料の公知の特性に関する蓄積されたデータに基づき、中央モニターユニット30は、消費カロリー、たんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミンなどの量のようなよく知られた栄養学的食物値を計算する。
【0041】
健康指標の栄養を示す棒グラフは、推奨される以下の健康的な日課、即ち、少なくとも3回の食事を摂る;パン、パスタ、シリアル、米が6−11部、フルーツが2−4部、野菜が3−5部、魚、肉、鶏肉、乾燥豆、卵及びナッツが2−3部、ミルク、ヨーグルト、チーズが2−3部より成る多様な食事を摂り、8オンスまたはそれ以上の水を飲む日課について決定するのが好ましい。この日課は、性別、年齢、身長/体重のようなユーザーに関する情報に基づき調整することができる。毎日摂取するカロリー、たんぱく質、繊維、脂肪、炭水化物または水及び全体の摂取量に対する割合に関するある特定の栄養の目標をユーザーがまたはユーザーに代わって設定してもよい。棒グラフの計算に用いるパラメータには、1日の食事回数、水の消費量、毎日食べる食物の種類及び量をユーザーが入力したものが含まれる。
【0042】
栄養学的情報は、図6に示すような栄養ウェブページ160によりユーザーに提示される。好ましい栄養ウェブページ160は、栄養の実際及び目標となる数値をそれぞれ円グラフで示す栄養数値チャート165、170と、実際の栄養摂取総量及び目標となる栄養摂取総量をそれぞれ円形グラフで示す栄養摂取チャート175、180を含む。栄養数値チャート165、170は炭水化物、たんぱく質及び脂肪のような項目を百分比で示すの
が好ましく、栄養摂取チャート175、180はカロリーの合計値及び目標値を、脂肪、炭水化物、たんぱく質及びビタミンのような成分で分けて示すのが好ましい。ウェブページ160は、食物及び水の消費を時間で示す履歴185、ユーザーが栄養に関連するニュース記事、栄養に関する日課を改善するためのアドバイス及びネットワーク上のどこかの関連の広告を直接チェックできるようにするハイパーリンク190、及び可変期間を示す図と選択可能期間を示す図との間で選択可能なカレンダー195も含む。190で示す項目は、調査により個人について知り得た情報及び健康指標により測定された個人の成績に基づいて特別に選択することができる。
【0043】
健康指標155の活動レベルのカテゴリーは、その日にユーザーがどのように、またいつ動き回るかについてユーザーがチェックするのを支援するように設計されており、ユーザーが入力するデータとセンサー装置10が感知するデータとの両方を利用する。ユーザーが入力するデータには、例えば、ユーザーが午前8時から午後5時まで机に向かって仕事をした後、午後6時から午後7時までエアロビクスのクラスをとるという事実のようなユーザーの毎日の活動に関する詳細事項が含まれる。センサー装置10により感知される関連のデータには、心拍数、加速度計のような装置により感知される運動、熱流、呼吸数、消費カロリー量、GSR及び水分補給レベルが含まれ、これらはセンサー装置60または中央モニターユニット30により取り出すことができる。消費カロリー量は、ユーザーが入力する運動の種類とユーザーが入力する運動の持続時間との掛け算、感知する運動と運動の時間及びフィルター定数の掛け算または感知される熱流と時間とフィルター定数との掛け算のような種々の方法で計算することができる。
【0044】
健康指標の活動レベルの棒グラフは、好ましくは20分である所定の期間のエアロビクス運動、または好ましくは1時間である所定の期間の精力的なライフスタイル活動及びエアロビクス及び/または精力的なライフスタイル活動による好ましくは少なくとも最小目標カロリー(205カロリー)の燃焼を含む推奨される健康な日課に関して決定するのが好ましい。最小目標カロリーは、ユーザーの性別、年齢、身長及び/または体重のような情報に基づき設定可能である。関連の棒グラフの計算に用いるパラメータには、エアロビクス運動または精力的なライフスタイル活動に費やす時間であって、ユーザーが入力したものそして/またはセンサー装置10が感知したもの、及び予め計算したエネルギー消費パラメータ以上に燃焼したカロリー数が含まれる。
【0045】
個人ユーザーの動きに関する情報は、図7に示す活動レベルウェブページ200によりユーザーに提示されるが、このウェブページは、ユーザーの活動を3つのカテゴリー、即ち、所定の単位時間に関して「高」、「中」、「低」でモニターする棒グラフの形をした活動度グラフ205を含む。円グラフの形の活動百分比チャートも、ユーザーが各カテゴリーで費やした1日のような所定の期間の百分比を示すために提示することができる。活動レベルウェブページ200はまた、燃焼カロリー総量、毎日の燃焼カロリー目標値、カロリー摂取合計値及びエアロビクス運動時間のような項目を表示するためのカロリー部分215を含む。最後に、活動レベルウェブ200は、ユーザーが、関連のニュース記事、活動レベルに関する日課を改善するためのアドバイス及びネットワーク上の関連広告を直接チェックできるようにする少なくとも1つのハイパーリンク220を含む。活動レベルのウェブページ200は種々のフォーマットで見ることができるが、棒グラフ、円グラフ及びその両方のようなユーザーが選択可能なグラフまたはチャートは、活動レベルチェックボックス225により選択可能である。活動レベルカレンダー230は、可変期間の図と選択可能期間の図との間で選択できるようにするために提供される。220に示す項目は、調査によりその個人から抽出した情報及び健康指標により測定される彼らの成績に基づき特別の選択することができる。
【0046】
健康指標155の精神集中カテゴリーは、ユーザーが、精神を集中しながら深い弛緩状
態に体が到達できるようにする、ある特定の活動を行う時間に関するパラメータをモニターするのを支援するように設計されており、ユーザーが入力するデータとセンサー装置10が感知するデータとの両方に基づくものである。詳説すると、ユーザーはヨガまたは瞑想のような弛緩活動の開始時間及び終了時間を入力することができる。精神集中の深さにより決まるこれらの活動の品質は、センサー装置10により感知される皮膚温度、心拍数、呼吸数及び熱流を含むパラメータをモニターすることにより測定可能である。センサー装置10または中央モニターユニット30の何れかにより得られるGSRの百分比変化を利用することもできる。
【0047】
健康指標の精神集中の棒グラフは、少なくとも15分の間、精神を高度に集中した状態にしながら体を深く弛緩させる活動への毎日の参加を含む推奨の健康な日課に関連して計算するのが好ましい。関連の棒グラフの計算に使用するパラメータには、精神集中活動に費やす時間の長さ及び精神集中活動の深さまたは品質を示すベースラインからの、センサー装置10により感知される皮膚温度、心拍数、呼吸数、熱流またはGSRの百分比変化が含まれる。
【0048】
内省及び弛緩に費やす時間に関する情報は、図8に示す精神集中ウェブページ250によりユーザーに提示される。セッションと呼ぶ精神集中活動について、好ましい精神集中ウェブページ250は、255で示すセッションに費やした時間、260で示す目標時間、精神集中の深さの目標値及び実際の値を示す比較部分265、及び皮膚温度、心拍数、呼吸数、熱流及び/またはGSRのようなものから導出される全体的なストレスレベルを示すヒストグラム270を含む。比較部分265では、目標となる精神集中状態を示す人間の輪郭は実線であり、実際の精神集中状態を示す人間の輪郭は、精神集中のレベルに応じてぼやけた状態と実線の間で変化する。好ましい精神集中ウェブページはまた、275で示す精神集中活動に費やした時間の合計、ユーザーが関連のニュース記事を直接チェックできるようにするハイパーリンク280、精神集中に関する日課の改善に関するアドバイス及び関連の広告と、可変期間と選択可能期間との間での選択を可能にするカレンダー285とを含む。280で示す項目は、調査により個人から知り得た情報及び健康指標により測定される彼らの成績に基づき特別に選択することができる。
【0049】
健康指標155の睡眠カテゴリーは、ユーザーが睡眠パターン及び睡眠の質をモニターするのを支援するように設計されている。このカテゴリーは、ユーザーが健康なライフスタイルにおける睡眠の重要性と、体の機能の毎日の通常の変化である日周期に対する睡眠の関係とについて学習するのを助けるように意図されている。睡眠のカテゴリーは、ユーザーが入力するデータとセンサー装置10が感知するデータとの両方に基づくものである。関連の各時間インターバルの間にユーザーが入力するデータには、ユーザーの入眠時間と起床時間及び睡眠の質のランクが含まれる。表2に示すように、センサー装置10から得られる関連性のあるデータには、皮膚温度、熱流、拍動間変異、心拍数、脈搏数、呼吸数、中心部体温、電気皮膚反応、EMG、EEG、EOG、血圧及び酸素消費量が含まれる。また、周囲の音及び加速度計のような装置により検知される体の動きも関連性を有する。その後、このデータを用いて、入眠時間及び起床時間、睡眠中断及び睡眠の質及び深さを計算するか導出できる。
【0050】
健康指標の棒グラフは、毎晩好ましくは8時間の最小睡眠時間の確保及び予測可能な就寝及び起床時間を含む健康な日課について決定される。この棒グラフの計算を可能にする特定のパラメータには、センサー装置10により感知されるかユーザーが入力する毎日の睡眠時間及び起床時間と、ユーザーが等級をつけるかまたは他のデータから導出される睡眠の質が含まれる。
【0051】
睡眠に関する情報は、図9に示す睡眠ウェブページ290によりユーザーに提示される
。睡眠ウェブページ290は、センサー装置10からのデータまたはユーザーが入力するデータの何れかに基づく睡眠時間表示295と、ユーザーの就寝時間300及び起床時間表示305を含む。ユーザーにより入力される睡眠の質のランク310を利用し、これを表示することも可能である。1日の時間インターバルを超える表示を睡眠ウェブページ290において行う場合、睡眠時間表示295は累計値として表示し、就寝時間表示300、起床時間表示305及び睡眠の質ランク310は平均値として計算し、表示する。睡眠ウェブページ290はまた、所定の時間インターバルにわたって1つの睡眠関連パラメータを計算し表示するユーザーにより選択可能な睡眠グラフ315も含む。図9は1日の期間にわたる熱流を示すが、この熱流は睡眠中は低く、起きている時は高くなる傾向がある。この情報から、その人のバイオリズムを得ることが可能である。睡眠グラフ315はまた、体の動きをモニターするセンサー装置10に組み込んだ加速度計からのデータをグラフ表示する。睡眠ウェブページ290はまた、ユーザーが睡眠に関連するニュース記事、睡眠に関する日課を改善するためのアドバイス及びネットワーク上にある関連の広告を直接チェックできるようにするハイパーリンク320と、関連の時間インターバルを選択するための睡眠カレンダー325とを含むことができる。320で示す項目は、調査において個人から知り得た情報及び健康指標により測定される成績に基づき特別に選択することができる。
【0052】
健康指標155の毎日の生活の活動カテゴリーは、健康及び安全に関連するある特定の活動及びリスクをユーザーがモニターするのを支援するように設計されており、すべてユーザーにより入力されるデータに基づくものである。毎日の生活の活動に関するカテゴリーは、下位概念の4つのカテゴリー、即ち、歯ブラシまたはフロスを用いる歯の手入れ及びシャワーを浴びるような活動をユーザーがモニターするのを可能にする個人的衛生;ユーザーが処方箋通りの薬またはサプリメントを飲んでいるか否かを追跡し、煙草またはアルコールの消費量並びにシートベルトの使用のような自動車の安全性をユーザーがモニターするのを可能にする健康維持;家族または友人と共に過ごす時間、レジャー及び精神集中活動をユーザーがモニターするのを可能にする個人的時間;及び請求書の支払い及び家庭の雑用のようなある特定の仕事及び家計活動をユーザーがモニターするのを可能にする責任に分けられる。
【0053】
健康指標の中の毎日の生活の活動に関する棒グラフは、以下に述べる健康的な日課について決定するのが好ましい。個人の衛生に関する日課は、ユーザーが毎日シャワーを浴びるか入浴し、毎日ブラシとフロスを用いて歯を清潔に保ち、規則的な便通を維持するのを必要とする。健康維持に関する日課は、ユーザーが薬、ビタミン及び/またはサプリメントを飲み、シートベルトを使用し、禁煙し、節酒し、健康マネジャーにより毎日、健康をモニターするのを必要とする。個人的時間に関する日課は、ユーザーが毎日少なくとも1時間家族及び/または友人と良質な時間を過ごし、仕事時間を最大9時間に制限し、毎日レジャーまたは遊びに一部の時間を費やし、頭を使う活動を行うのを必要とする。責任に関する日課は、ユーザーが家の雑事を行い、請求書の支払いをし、仕事に遅れず、約束を守るのを必要とする。棒グラフは、ユーザーが入力する情報により決定される、ユーザーが毎日リストされた活動を完了する度合いに基づき計算される。
【0054】
これらの活動に関する情報は、図10に示す毎日の活動ウェブページ330によりユーザーに提示される。好ましい毎日の活動ウェブページ330において、下位概念のうちの1つまたはそれ以上につき選択可能な活動チャート335は、ユーザーがその日課により必要とされることを実行したか否かを示す。色または影がついたボックスはユーザーが必要とされる活動を実行したことを示し、また、色または影のないボックスはユーザーがその活動を実行していないことを示す。活動チャート335は、選択可能な時間インターバルにおいて作成し、見ることが可能である。説明の目的で、図10は、特定の週における個人的衛生及び個人的時間のカテゴリーを示す。さらに、毎日の活動ウェブページ330
は、ユーザーが関連のあるニュース記事、毎日の生活の活動に関する日課を改善するためのアドバイス及び関連の広告を直接チェックするのを可能にする毎日の活動ハイパーリンク340と、関連の時間インターバルを選択するための毎日の活動のカレンダー345とを含むことができる。340に示す項目は、調査において個人から知り得た情報及び健康指標により決定される彼らの成績に基づき特別に選択することができる。
【0055】
健康指標155の元気度カテゴリーは、特定の日に元気であったか否かの認識をユーザーがモニターするのを可能にするように設計され、ユーザーが直接入力する本質的に主観的な等級である情報に基づくものである。ユーザーは、以下の9つの領域、即ち、精神的鋭敏さ、精神的及び心理的幸福度、エネルギーレベル、人生のストレスへの対処能力、対面を重んじる度合い、物理的幸福度、自己抑制、動機及び他人との関係による慰め、に関して、好ましくは1から5までのスケールを用いてランク付けを行う。これらの度合いを平均して、関連の棒グラフの計算に使用する。
【0056】
図11は、健康度のウェブページ350を示す。健康度のウェブページ350は、連続または不連続の任意の日にちを含むユーザーが選択可能な時間インターバルにわたる健康度をユーザーがチェックするのを可能にする。健康度のセレクタボタン360を用いることにより、ユーザーは、1つのカテゴリーについて健康度の棒グラフをチェックする選択を行うか、または2またはそれ以上のカテゴリーについて健康度の棒グラフを並べて比較することができる。例えば、ユーザーは、彼らが好む株の成績を見るのと丁度同じように、前月に総合的な睡眠の等級が改善されたか否かをチェックするために、睡眠の棒グラフだけを作動状態にしたい場合がある。あるいは、睡眠と活動レベルとを同時に表示することにより、睡眠の等級とそれに対応する活動レベルの等級とを比較評価して、それぞれの日にちの間に何らかの相関関係が存在するか否かをチェックする場合がある。所定の時間インターバルについて栄養の等級と健康度の等級とを表示して、毎日の食事習慣とそのインターバルの間の食事習慣と健康度との間に何らかの相関関係が存在するか否かをチェックする場合がある。説明の目的で、図11は、6月10日から6月16日の週の睡眠と活動レベルの棒グラフによる比較を示す。健康度ウェブページ350はまた、ユーザーがログインしてヘルスマネジャーを利用した日数の合計、ユーザーが入会以来ヘルスマネジャーを利用した日にちの割合及びユーザーがデータを収集するためにセンサー装置10を利用した時間の割合のようなアクセス情報及び統計を表示する追跡計算器365も含む。
【0057】
図5を参照して、ヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150は、それぞれが健康度155のカテゴリーに対応するユーザーにより選択可能な複数のカテゴリーの要約156a乃至156fを含む。各カテゴリーの要約156a乃至156fは、対応するカテゴリーに関して予め選択しフィルターをかけたデータの副集合を提示する。栄養カテゴリーの要約156aは、カロリー摂取量の毎日の目標値と実際値とを示す。活動レベルカテゴリーの要約156bは、燃焼カロリー量の毎日の目標値と実際値とを示す。精神集中の要約156cは、精神集中の深さの目標値及び実際値を示す。睡眠カテゴリーの要約156bは、目標の睡眠時間、実際の睡眠時間及び睡眠の質の等級を示す。毎日の活動カテゴリーの156bは、推奨される毎日の活動に対する完了した活動の割合に基づく目標点数及び実際点数を表示する。元気度のカテゴリーの要約156fは、その日の健康度の目標及び実際の等級を示す。
【0058】
ヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150はまた、ニュース記事へのハイパーリンク、最初の調査によりチェックされる栄養不良のような傾向に基づくユーザーへのコメント及び合図を含む(それらに限定されない)情報を毎日ユーザーに提供する毎日の日課部分157を含むことがある。毎日の日課部分157のコメントとしては、例えば、毎日水をコップ8杯飲むとすい臓ガンの危険性を32%も減らすことができるという記述に付随した、仕事中はあなたのコンピューターのそばまたは机の上に水の入ったコップを置
いておいて随時水分を補給しなさいというアドバイスがある。ヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150はまた、健康度155の各カテゴリーにおけるユーザーの成績を積極的に評価して改善のためのアドバイスを提示する問題解決セクション158を含む。例えば、システムによりユーザーの睡眠レベルが「低」で、ユーザーが不眠症であることを示唆する場合、問題解決セクション158は睡眠を改善するための方法をアドバイスすることができる。問題解決セクション158はまた、成績の改善に関するユーザーの質問を含むことができる。ヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150はまた、入力ダイアログボックスを立ち上げる毎日のデータセクション159を含む。入力ダイアログボックスにより、ユーザーはヘルスマネジャーにより必要とされる種々のデータの入力を容易に行うことができる。当該技術分野において知られているように、データの入力は予め提示されたリストまたは普通の自由テキスト形式の入力かの選択が可能である。最後にヘルスマネジャーの起点となるウェブページ150は、ユーザーの身長、体重、体の測定値、BMI及び心拍数、血圧または任意の生理学的パラメータのような生命兆候に関する情報を与える体の状態セクション161を含むことができる。
【0059】
図12−17を参照して、該図は、肩と肘の間の上腕に着用するアームバンドの形をしたセンサー装置10の特定実施例を示す。図12−17に示すセンサー装置10の特定実施例を、便宜的に、アームバンドセンサー装置400と呼ぶ。アームバンドセンサー装置400は、コンピューターハウジング405、可撓性ウィング本体410と、図17に示すような弾性ストラップ415より成る。コンピューターハウジング405及び可撓性ウィング本体410は、柔軟なウレタン材またはゴム若しくは成型プロセスにより混合されたゴム−シリコンのようなエラストマー材で作るのが好ましい。可撓性ウィング本体410は第1及び第2のウィング418より成り、ウィングはそれぞれ端部425の近くに貫通孔420を有する。第1及び第2のウィング418は、着用者の上腕の一部を包むようになっている。
【0060】
弾性ストラップ415は、アームバンドセンサー装置400を個人の上腕に着脱自在に固定するために使用する。図17からわかるように、弾性ストラップ415の底面426の一部に沿ってベルクロループ416が設けられている。弾性ストラップ415の各端部427の底面426上にはベルクロ係止パッチ428が、また上面430上にはプルタブ429が設けられている。各プルタブ429の一部は、各端部427の端縁部を超えて延びる。
【0061】
アームバンドセンサー装置400を着用するには、ユーザーは、弾性ストラップ415の各端部427を可撓性ウィング本体410の貫通孔420にそれぞれ挿入した後、弾性ストラップ415、可撓性ウィング本体410及びコンピューターハウジング405により形成されるループに腕を通す。各プルタブ429を引き出して、ベルクロ係止パッチ428を弾性ストラップ415の底面426に沿う所望の位置でベルクロループ416に係合することにより、ユーザーは弾性ストラップ415をぴったり合うように調整することができる。ベルクロ係止パッチ428は、底面426のほとんど任意の位置でベルクロループ416に係合できるため、アームバンドセンサー装置400は種々の太さの腕にフィットするように調整できる。また、弾性ストラップ415は広い範囲の腕の太さに適用するように種々の長さにすることができる。当業者には明らかなように、スナップ、ボタンまたはバックルを含む(これらに限定されない)、弾性ストラップを固着しそのサイズを調整する他の手段を用いることができる。また、ベルクロ、スナップ、ボタン、バックルなどを含む幾つかの従来型手段のうちの1つにより締着される2つの弾性ストラップ、またはウィング418に固着された単一の弾性ストラップを用いることも可能である。
【0062】
また、ウィング418に貫通孔420を設ける代わりに、D字形ループ(図示せず)を幾つかの従来型手段の1つによりウィング418の端部425に固着してもよい。例えば
、ピン(図示せず)を端部425に挿入し、ピンがループの各端部と係合するようにしてもよい。この構成によると、D字形ループは、弾性ストラップ415の接続ポイントとして働き、各ウィング418の各端部425と各ループとの間に事実上貫通孔を形成する。
【0063】
アームバンドセンサー装置400の展開図である図18に示すように、コンピューターハウジング405は、上部435と下部440とを有する。コンピューターハウジング405内には、プリント回路板またはPCB445、好ましくはリチウムイオン電池である再充電可能電池450、及びペイジャに用いるような着用者に触覚フィードバックを与える振動モーター455が内臓されている。振動モーター455の適当な例は、英国のMG
Motors, Ltd.のモデル12342及び12343である。
【0064】
コンピューターハウジング405の上部435及び底部440はOリング437が装着される溝436に沿って密封嵌合し、底部440のねじ山438a及び補剛材438bと、PCB445の孔439を貫通して上部435のねじを受ける補剛材451内へ延びるねじ(図示せず)により互いに固着可能である。あるいは、上部435及び底部440をスナップ式に結合するか接着剤により互いに固着してもよい。コンピューターハウジング405は、組み立てを完了後では、アームバンドセンサー装置400を着用して水泳を行ってもその性能に悪影響を与えることのないほど十分な液密性を有する。
【0065】
図13からわかるように、底部440の裏側には隆起したプラットフォーム430がある。隆起したプラットフォーム430には熱流または熱束センサー460が固着されるが、そのセンサーの適当な例として、ニューハムプシャー州ハドソンのRdF Corporationにより販売されるマイクロフォイル熱束センサーがある。熱束センサー460は自生式サーモパイル変換器として働き、ポリアミドフィルムより成るキャリアを備えるのが好ましい。下部440はその上面、即ち、熱束センサー460が固着された側とは反対側に、アルミニウムのような適当な金属で形成された熱シンクを有する。隆起したプラットフォーム430には、好ましくは、導電性炭化ゴム、金またはステンレス鋼のような材料で形成した電極を有するGSRセンサー465が固着されている。図13は2つのGSRセンサー465を示すが、当業者は、個々のGSRセンサー465、即ち電極が互いに電気的に隔離されておれば、隆起したプラットフォーム430上の可変位置に可変数のGSRセンサー465を設けてもよいことがわかるであろう。熱束センサー460及びGSRセンサー465は、隆起したプラットフォーム430に固着されるため、アームバンドセンサー装置400を着用すると、着用者の皮膚と接触することになる。コンピューターハウジング405の底部440の、隆起したプラットフォーム430及びねじ山438aを含まない表面の一部の上には、着脱自在で交換可能な柔らかいフォーム布製パッド(図示せず)を設けてもよい。柔らかいフォーム布は、着用者の皮膚と接触して、アームバンドセンサー装置400の付け心地を良くするために使用するものである。
【0066】
熱束センサー460、GSRセンサー465及びPCB445間の電気的結合は、種々の公知の方法の1つで行うことができる。例えば、適当な配線(図示せず)をコンピューターハウジング405の底部440内に植え込んだ後、PCB445上の適当な入力場所、熱束センサー460及びGSRセンサー465へ半田のような方法で電気的に接続することができる。あるいは、配線を底部440に植え込む代わりに、底部440に貫通孔を設けて適当な配線を通すようにしてもよい。貫通孔は、コンピューターハウジング405の健全性を維持するために液密性密封材を設けるのが好ましい。
【0067】
図13に示すように隆起したプラットフォーム430に固着する代わりに、熱束センサー460及びGSRセンサー465の一方または両方を、アームバンドセンサー装置400を着用すると着用者の皮膚と接触するように、可撓性ウィング本体410の内部466の一方または両方のウィング418に固着してもよい。かかる構成によると、熱束センサ
ー460及びGSRセンサー465の何れかとPCB445との電気的結合を、コンピューターハウジング405の1またはそれ以上の貫通孔を通過し半田付けのような方法によりPCB445上の適当な入力場所に電気的に接続される、可撓性ウィング本体415に植え込まれた適当な配線(図示せず)により行うことができる。再び、貫通孔にはコンピューターハウジング405の健全性を維持するために液密性密封材を設けるのが好ましい。あるいは、配線を通すコンピューターハウジング405に配線を通す貫通孔を設ける代わりに、後述するように、配線がオーバーモーディングプロセスの間コンピューターハウジング405に捕捉されるようにして、最後にPCB445上の適当な入力場所に適当に半田付けしてもよい。
【0068】
図12、16、17、18に示すように、コンピューターハウジング405は、PCB445上のノンラッチスイッチ585に結合され、該スイッチを作動するボタン470を有する。ボタン470は、アームバンドセンサー装置400を作動させ、ある事象が発生する時間を記録するかまたは電池レベル及びメモリー容量のようなシステム状態情報をリクエストするために使用する。ボタン470を押すと、ノンラッチスイッチ585が回路を閉じるため、信号がPCB445上の処理ユニット490へ送られる。ボタン470を押す時間インターバルに応じて、発生する信号が上述した事象のうちの1つを始動させる。コンピューターハウジング405はまた、電池レベルまたはメモリー容量を指示するかもしくは着用者へ可視フィードバックを与えるためのLED475を有する。LED475の代わりに、コンピューターハウジング405は、液晶ディスプレイまたはLCDを用いて、電池レベル、メモリー容量を指示しまたは着用者に可視フィードバック情報を与えることができる。電池レベル、メモリー容量またはフィードバック情報は、触覚により、または音響的方法により着用者に与えることも可能である。
【0069】
アームバンドセンサー装置400は、GSRセンサー465または熱束センサー460の何れかがアームバンドセンサー装置400がユーザーの皮膚との接触状態におかれたことを示す特定状態を感知すると、作動、即ち、データを収集するように構成されている。また、アームバンドセンサー装置400は、熱束センサー460、GSRセンサー465、加速度計495または550、もしくはアームバンドセンサー装置400と通信関係にある他の任意の装置のうちの1つまたはそれ以上が、単独でまたは一緒に、アームバンドセンサー装置が着用者の皮膚と接触する状態に置かれたことを示す特定の状態を感知すると、使用状態に作動されるように構成されている。それ以外の時は、アームバンドセンサー装置400は非作動状態にされるため、電池のパワーが節約される。
【0070】
コンピューターハウジング405は、再充電可能電池450を充電するために、図19に示す電池充電ユニット480に結合するように構成されている。コンピューターハウジング405は、再充電可能電池450に結合された図12、15、16、17に示す充電用接点485を有する。充電用接点485は、真鍮、金またはステンレス鋼のような材料で作られており、アームバンドセンサー装置400を電池充電ユニット480内に配置すると、そのユニットに設けた電気接点(図示せず)と電気的に結合されるように構成されている。電池充電ユニット480に設けられた電気接点は、電池充電ユニット480内の充電回路481aに結合されている。この構成では、充電回路481aは、電池充電ユニット480に接続されているか接続可能な適当なプラグを含む配線手段によるなどして壁の差込口に結合される。あるいは、電気接点480は、電池充電ユニット480に接続されているか接続可能な、電池充電ユニット480の外側の充電回路481bに結合される配線に結合可能である。この構成における配線は、従来の壁の差込口に差し込むことのできるプラグ(図示せず)を含む。
【0071】
電池充電ユニット480の内部には、図20に示すように、コンピューターハウジング405に設けたRFトランシーバー565から信号を受け、またそのトランシーバーへ信
号を送るRFトランシーバー483が設けられている。RFトランシーバー483は、例えば、適当なケーブルにより、図1に示すパソコン35のような装置のRF232ポートまたはUSBポートのようなシリアルポートに結合するように構成されている。従って、RFトランシーバー483及びRFトランシーバー565により、アームバンドセンサー装置400からデータをアップロードするか、またはセンサー装置へデータをダウンロードすることができる。図19及び20にはRFトランシーバー483と565とを示すが、赤外線トランシーバーのような他の形式の無線トランシーバーを用いることが可能である。あるいは、コンピューターハウジング405に、アームバンドセンサー装置400を電池充電ユニット480内に配置すると、そのユニット内の別の電気接点(図示せず)と係合して電気的に結合される別の電気接点(図示せず)を設けてもよい。コンピューターハウジング405のこれら別の電気接点は処理ユニット490に結合され、電池充電ユニット480内の別の電気接点は適当なケーブルに結合され、この適当なケーブルはパソコン35のような装置のRF232ポートまたはUSBポートのようなシリアルポートに結合される。この構成は、物理的接続方式によりアームバンドセンサー装置400からデータをアップロードし、またその装置へデータをダウンロードする別の方法を提供する。
【0072】
図20は、アームバンドセンサー装置400のシステムアーキテクチャー、特に、PCB445上かあるいはそれに結合された各コンポーネントを示す概略図である。
【0073】
図17に示すように、PCB445は、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーまたは上述した機能を有する他の任意の処理装置でよい処理ユニット490を有する。処理ユニット490は、図2に示すマイクロプロセッサー20に関連して述べた機能の全てを提供する。処理ユニット490の適当な例として、イリノイ州シャウンバーグのモトローラ社により販売されるDragonball EZがある。PCB445はまた、二軸加速度計495を有し、その適当な例として、マサチュセッツ州ノーウッドのアナログデバイシズインコーポレイテッドにより販売される加速度計モデルADZL210がある。二軸加速度計495は、アームバンドセンサー装置400を着用するとその感知軸がPCB445の縦軸、従って、着用者の腕の縦軸から実質的に45度に等しい角度だけずれるような角度に装着するのが好ましい。着用者の腕の縦軸は、着用者の肩から肘への直線により画定される軸のことである。二軸加速度計495の出力信号は、バッファ500を通過してアナログ−デジタルコンバーター505へ入力された後、処理ユニット490へ結合される。GSRセンサー465は、PCB445上の増幅器510に結合されている。増幅器510は増幅及びローパスフィルター機能を有するが、その適当な例として、マサチュセッツ州ノーウッドのアナログデバイシズインコーポレイテッドにより販売される増幅器モデルAD8544がある。増幅器510により増幅されフィルタリングを施された信号出力は、さらに増幅されてバイアス電圧を取り除くために増幅/オフセット回路515へ入力され、またフィルター/コンディショニング回路520へ入力される。これらの回路515及び520はそれぞれ、アナログ−デジタルコンバーター505に結合されている。熱束センサー460は、アリゾナ州ツーソンのburr-Brown Corporationにより販売される増幅器モデルINAのような差動入力増幅器525に結合され、その結果得られる増幅済み信号はフィルター回路530、バッファ535及び増幅器540を通過した後、アナログ−デジタルコンバーター505へ送られる。増幅器540はさらに増幅し、ローパスフィルタリングを施すように構成されており、その適当な例として、マサチュセッツ州ノーウッドのアナログデバイシズインコーポレイテッドにより販売される増幅器モデルAD8544がある。PCB445は、再充電可能電池450の残りの電力レベルをモニターする電池モニター545を備えている。電池モニター545は、平均電池電圧を与えるローパスフィルターを備えた分圧器より成るのが好ましい。ユーザーがボタン470を電池レベルをリクエストする態様で押すと、処理ユニット490は電池モニター545の出力をチェックし、その指示を、好ましくはLED475を介して、しかしながら振動モーター455またはリンガー575も介して、ユーザーへ提供する。LCDも使用可能である。
【0074】
PCB445は、二軸加速度計495の代わりに、またはそれに加えて、三軸加速度計550を備えてもよい。三軸加速度計の加速度計は、信号を処理ユニット490へ出力する。三軸加速度計の適当な例として、アリゾナ州スコットデイルのI.M. Systems, Inc.により販売されるμPAMがある。三軸加速度計550は、二軸加速度計495に関連して説
明した態様で傾斜しているのが好ましい。
【0075】
PCB445は、処理ユニット490に結合されたRF受信機555も備えている。RF受信機555は、アームバンドセンサー装置400を着用する人が着用するかその近くに位置する、無線装置558として図20に示すような無線通信が可能な別の装置により出力される信号を受信するために使用される。本明細書で「近くに位置する」とは、無線装置558の伝送範囲内という意味である。例えば、無線装置558は、フィンランドのOuluのPolar Electro社により販売される製品Tempoのような胸に装着する心拍数モニターのようなモニターである。かかる心拍数モニターを用いると、着用者の心拍数を示すデータをアームバンドセンサー装置400により収集することが可能である。アンテナ560及びRFトランシーバー565は処理ユニット490に結合され、中央モニターユニット30へデータをアップロードするかまたは中央モニターユニット30からデータをダウンロードするために設けられている。RFトランシーバー565及びRF受信機555は、例えば無線通信プロトコルとしてブルーツース技術を利用するものである。また、赤外線通信のような他の形式の無線通信方式を用いることも可能である。
【0076】
無線でデータをアームバンドセンサー装置400からアップロードしたり該装置へダウンロードしたりするためにRFトランシーバー565を使用できるということは、物理的接続方式では必須条件であるアームバンドセンサー装置400を取り外すことなくこれらの機能を実行できるため有利である。例えば、アームバンドセンサー装置400をユーザーの衣服の下に着用する場合、データのアップロード及び/またはダウンロードを行う前にアームバンドセンサー装置400を取り外す必要があるとすると、ユーザーの不便さが増す。さらに、アームバンドセンサー装置400を着用すると、ユーザーの皮膚及びその下の血管に影響が及んでそれらに関する測定値に何らかの影響が出ることがある。定常状態の、一貫した正確な測定値が得られるようになる前に或る期間、ユーザーがアームバンドセンサー装置400を着用するようにする必要があるであろう。アームバンドセンサー装置400に通信能力を搭載すると、確立された定常平衡状態を乱すことなくデータをアップロード及び/またはダウンロードすることが可能である。例えば、アームバンドセンサー装置400のサンプリング特性を制御する処理ユニット490のプログラミングデータを、定常平衡状態を乱すことなくアームバンドセンサー装置400にダウンロードすることができる。
【0077】
さらに、アンテナ560とRFトランシーバー565とにより、アームバンドセンサー装置400は無線通信能力を有する他の装置との間で無線通信することができる。即ち、かかる装置との間で情報の送受信が可能となる。これらの装置には、例えば、アームバンドセンサー装置400により身体に植え込まれる装置が含まれるが、それらの装置には、植え込み可能な心臓ペースメイカー、例えば、Northridge, CaliforniaのMiniMed Inc.から市販される植え込み型インシュリンポンプMiniMed 2007のようなインシュリン供給装置、アームバンドセンサー装置400を用いる人の身体に着用する装置、または電子スケール、血圧モニター、グルコースモニター、コレステロールモニターまたは他のアームバンドセンサー装置400のような任意特定の時点においてアームバンドセンサー装置400を使用する人の近くに配置される装置が含まれる。この双方向無線通信能力により、アームバンドセンサー装置400は、かかる装置を作動または非作動状態にする情報またはかかる装置を特定の態様で作動させるようにプログラムする情報を送信するように構成可能である。例えば、アームバンドセンサー装置400が、トレッドミルのような運動器具の
一部を作動させ、また、アームバンドセンサー装置400のユーザーが決定するか所望するもしくはオプションとして使用するある特定のパラメータでかかる装置の作動をプログラムすることが可能である。別の例として、アームバンドセンサー装置400は、着用者の検知される皮膚温度に基づき家のコンピュータ制御のサーモスタットを調整するかまたは着用者が眠りに落ちたと判定された時にコンピュータ制御の照明を消したり、テレビジョンまたはステレオを切ったりするように構成することができる。
【0078】
振動モーター455は、振動ドライバー570を介して処理ユニット490に結合され、着用者に触覚フィードバックを与える。同様に、適当な例として、オハイオ州ディトンのProjects Unlimited, Inc.により販売されるモデルSMT916Aのようなリンガー575は、適当な例として、イリノイ州シャアンバーグのモトローラ社により販売されるモデルMMBTA14 CTIのダーリントントランジスタドライバーのようなドライバーを介して処理ユニット490に結合され、可聴フィードバックを着用者に与える。フィードバックは、儀式または警告メッセージ若しくは例えばトレーニング中の着用者の燃焼カロリーがあるレベルに到達する時のような、しきい値もしくは事象により始動されるメッセージが含まれる。
【0079】
PCB445上に設けられ処理ユニット490に結合されるものとして、ノンラッチスイッチ585がある。このノンラッチスイッチ585は、ノンラッチスイッチ585を作動するボタン470に結合されている。着用者へ種々のタイプのフィードバック情報を与えるためのLED475は、LEDラッチ/ドライバー590で処理ユニット490に結合されている。
【0080】
PCB445上の発振器595は、処理ユニット490へシステムクロックを供給する。コンピューターハウジング405の側部のピンホールを介してアクセス可能なリセット回路600は、処理ユニット490に結合され、処理ユニット490を標準の最初の設定にリセットするのを可能にする。
【0081】
アームバンドセンサー装置400の主要電源である再充電可能電池450は、電圧調整器605を介して処理ユニット490に結合されている。最後に、アームバンドセンサー装置400に対してメモリー機能を提供するのは、アームバンドセンサー装置400の着用者に関するデータを記憶するSRAM610と、プログラム及び構成データを記憶するフラッシュメモリー615とであり、これらはPCB445上に設けられている。SRAM610及びフラッシュメモリー615は処理ユニット490に結合され、それぞれが少なくとも512Kの記憶容量を有するのが好ましい。
【0082】
アームバンドセンサー装置400を製造し組み立てるに当たり、コンピューターハウジング405の上部435を最初に通常の成形プロセスのような方法で形成し、次いで、可撓性ウィング本体410を上部435の上にオーバーモールドするのが好ましい。即ち、上部435を、適当な形状の型、即ち、上部435を入れると残りの空洞部が可撓性ウィング本体410の所望の形状になる型に入れ、可撓性ウィング本体410を上部435上で成型する。その結果、可撓性ウィング本体410と上部435とは互いに結合または接合されて、単一のユニットを形成する。あるいは、コンピューターハウジング405の上部435と可撓性ウィング本体410とを単一の型で成型するなどして、単一のユニットを形成するように一緒に形成してもよい。いかなる方法で形成するとしても、単一のユニットをひっくり返して上部435の裏側を上受け向きにし、コンピューターハウジング405の内容物を上部435内に配置して、上部435及び下部440を互いに固着することが可能である。さらに別のやり方として、可撓性ウィング本体410を従来の成型プロセスのような方法で別個に形成し、コンピューターハウジング405、特にその上部435を、接着剤、スナップ結合方式または螺着方式などの幾つかの公知の方法のうちの1つ
で可撓性ウィング本体412に固着することができる。その後、コンピューターハウジング405の残部を上述したように組み立てる。上部435を可撓性ウィング本体412に固着した後コンピューターハウジング405の残りの部分を組み立てるのではなくて、コンピューターハウジング405を最初に組み立て、その後可撓性ウィング本体410に固着してもよいことがわかるであろう。
【0083】
図21は、本発明の別の実施例を示すブロック図である。この別の実施例は、センサー装置10及びセンサー装置400との関連で上述した種々のデータを収集及び/または発生し、中央モニターユニット30のような遠隔の装置と相互作用せずにユーザーへ分析状態データを提供できるという意味で独立の装置として機能するスタンドアロンセンサー装置700を有する。スタンドアロンセンサー装置700は、その装置のメモリーに記憶され必要に応じてアクセスされる、ユーザーの種々の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、そのデータから導出されるデータ及びユーザー入力データに基づき分析状態データを発生するに必要なユーティリティー及びアルゴリズムを含むようにプログラミング及び/または他の態様に構成されたプロセッサを含む。スタンドアロンセンサー装置700は、図1及び2に示すセンサー装置10を備えているが、それにはマイクロプロセッサー20及びメモリー22もしくは図10−12に示すアームバンドセンサー装置400が設けられ、このセンサー装置は処理ユニット490及びSRAM610を有する。
【0084】
図21に略示するように、データは種々の態様でスタンドアロンセンサー装置700に入力される。スタンドアロンセンサー装置700は、ユーザーの種々の生理学的データを示すデータの収集を容易にするための上述した1またはそれ以上の生理学的センサー705を備えている。スタンドアロンセンサー装置700はまた、ユーザーの種々のコンテキストパラメータを示すデータの収集を容易にするための上述した1またはそれ以上のコンテキストセンサー710も備えている。参照番号715で示すように、スタンドアロンセンサー装置700は、ユーザーによるデータの手動入力が可能なように構成されている。例えば、スタンドアロンセンサー装置700はアームバンドセンサー装置400のボタン470のようなデータ入力ボタンを備えているが、ユーザーは、このボタンによりユーザーの上述した種々の生活活動情報または上述した合図または警報の設定のようなスタンドアロンセンサー装置700の作動及び/または制御に関する情報を手動入力することができる。この例では、着用者はボタン470を作動するだけで食事のような事象を記録したりその事象の時刻を表示できるが、その後でデータを入力してその時刻表示に意味を付与する必要がある。あるいは、ボタン470を、1回、連続して2回、連続して3回などのようにある特定のシーケンスで作動させるとそれぞれ異なる特定の意味が付与されるように予めセットすることができる。着用者は、関連のデータを入力するためには、このような予め設定された作動シーケンスのメニューまたはガイドに従わなければならない。あるいは、スタンドアロンセンサー装置700は、キーパッド、タッチスクリーン、マイクロホンまたは遠隔制御装置(例えば、腕時計に組み込まれた遠隔制御装置)のような情報を手動入力するためのより精巧な手段を搭載可能である。マイクロホンの場合、入力音声を利用可能なデータに変換するためのよく知られた音声認識ソフトウェアなどをスタンドアロンセンサー装置700のプロセッサに搭載することになるであろう。
【0085】
参照番号720及び725で示すように、種々の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ及びそれから導出されるデータより成る情報は、他の装置との相互作用によりスタンドアロンセンサー装置700へ入力される。さらに、ハンドシェイクデータまたは種々の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ及びそれらから導出されるデータのような情報は、スタンドアロンセンサー装置700からかかる他の装置へ出力される。一実施例によると、その相互作用は、スタンドアロンセンサー装置700と他の無線通信可能な装置との間における、図20に関連して図示説明したワイヤ
レストランシーバー565のようなスタンドアロンセンサー装置700に設けられるワイヤレストランシーバーを介する無線通信の形をとる。装置間の相互作用は、参照番号720で示すように、スタンドアロンセンサー装置700のユーザーが意図的にその相互作用を始動させるという意味で明示的なものである。例えば、ユーザーはスケール上のボタンを作動してデータをスタンドアロンセンサー装置700へダウンロードすることができる。装置間の相互作用はまた、参照番号725で示すように、スタンドアロンセンサー装置700のユーザーが意図的にではなくその相互作用を始動させるという意味で隠れた見えないものである。例えば、ジムには、ユーザーがジムに入館及び退館する時に感知装置700に信号を無線送信してユーザーがトレーニングを開始または終了するときの時刻を表示するセンサーが設置されている。
【0086】
図21に略示するように、情報はスタンドアロンセンサー装置700から多数の態様で出力または送信される。かかる情報には、種々の生理学的パラメータ及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、そのデータから導出されるデータ、ユーザーが手動入力するデータ、分析状態データまたはそれらの任意の組み合わせが含まれる。参照番号730、735及び740で示すように、情報はスピーカーのような装置により一連のトーンまたはビープ音もしくは録音メッセージのような可聴様式で、また1またはそれ以上のLEDのような可視様式で、または振動によるような可触様式で出力または送信することが可能である。例えば、スタンドアロンセンサー装置700は、特定の時点に食事または運動をするための合図として、またはトレーニング中に燃焼カロリー数のような目標に到達したりあるいはその状態が検知されたりした時に、音声を出力したり、LEDを点灯したり、何かを振動させたりする。あるいは、スタンドアロンセンサー装置700に、市販のセルラー電話、ページャー及びパーソナルデジタルアシスタントで見られるようなLCDのような精巧な可視出力手段を設けてもよい。LCDまたは同様な装置と、その拡張可視出力機能により、スタンドアロンセンサー装置700は図5乃至11に関連して説明した情報の一部または全部を同じまたは同様な態様で出力または送信するように構成することができる。例えば、スタンドアロンセンサー装置700は健康指数の形の分析状態データをユーザーに提供することができる。さらに別の例として、スタンドアロンセンサー装置700は、有線接続755または無線接続760により、パソコン、セルラー電話、ページャー、パーソナルデジタルアシスタント、別のスタンドアロンセンサー装置700またはプロセッサを備えた他の任意の装置のようなコンピュータ装置750に結合することができる。例えば、図19に示すバッテリー再充電ユニット480を用いて有線接続755または無線接続760を構成することが可能である。この構成によると、コンピュータ装置のディスプレイによりスタンドアロンセンサー装置700からの情報を可視出力することができる。コンピュータ装置750はLCDのような精巧な出力手段を備えているため、健康指数のような図5乃至11に関連して説明した情報の一部または全部を同じまたは同様なフォーマットでユーザーに出力または送信できることがわかる。
【0087】
また、コンピュータ装置750は、家庭の照明またはサーモスタットのような他の装置を、着用者が眠りに落ちるとか、着用者の皮膚温度がある特定のレベルに到達するというような、スタンドアロンセンサー装置700により出力されるデータに基づき制御することができる。換言すれば、スタンドアロンセンサー装置700、特にそのプロセッサは、スタンドアロンセンサー装置700により1またはそれ以上の生理学的及び/またはコンテキスト状態が検知されるとコンピュータ装置750がある事象を始動するように構成可能である。あるいは、スタンドアロンセンサー装置700は、他のコンピュータ装置750から受信する情報に基づきある事象をコンピュータ装置750が始動するように構成することができる。
【0088】
スタンドアロンセンサー装置700は、ビデオゲームのような対話式電子メディア装置、またはDVDあるいはデジタル記録された映画を再生するディスプレイ装置のような非
対話式電子メディア装置と相互作用し、それに影響を与えるようにすることができる。例えば、スタンドアロンセンサー装置700は、着用者の生理学的状態に関する情報をビデオゲームに送信し、このビデオゲームが困難性レベルのようなそのゲームの特性を調整するようにすることができる。別の例として、スタンドアロンセンサー装置700は、着用者の生理学的状態に関する情報をデジタル記録映画を再生する装置に送り、この装置が映画の結末のような特性を調整するようにできる。
【0089】
さらに、スタンドアロンセンサー装置700は、建物のような空間内の位置のようなスタンドアロンセンサー装置700の地理的位置をコンピュータ装置750が検知可能にする、超音波または無線周波数識別タブのような位置感知装置765を搭載してもよい。一実施例において、位置を指示すると、好ましくは、皮膚温度のような着用者の1またはそれ以上の生理学的状態がスタンドアロンセンサー装置700により検知されると共に、コンピュータ装置750が、指示された場所に相当する部屋の温度を下げるような事象を始動する。別の実施例において、位置を指示すると、着用者の皮膚温度がある特定のレベルを超えるような1またはそれ以上の生理学的状態がスタンドアロンセンサー装置700により検知された時に、コンピュータ装置750が指示された場所に相当する部屋の温度を下げるような事象を始動する。さらに、パソコンのマウス及びキーボード、セルラー電話またはページャーのキーパッドまたはパーソナルデジタルアシスタントのタッチスクリーンのようなコンピュータ装置の入力手段により、スタンドアロンセンサー装置700に情報を手動入力することが可能である。
【0090】
種々のモードの出力を組み合わせて、ユーザーに種々のタイプまたはレベルの情報を提供することができる。例えば、スタンドアロンセンサー装置700を個人が運動中に着用することが可能であり、LEDまたはトーンによりある特定の燃焼カロリー数の目標に到達したことを知らせることができる。その後、ユーザーは、運動終了後にスタンドアロンセンサー装置700からセルラー電話のようなコンピュータ装置750へ別のデータを無線送信することにより、心拍数及び/または呼吸数のようなデータを経時的にチェックすることができる。
【0091】
本発明のさらに別の実施例として、スタンドアロンセンサー装置700に設けたプロセッサを導出データを発生させるように、また分析状態データの作成に必要なユーティリティー及びアルゴリズムを含むようにプログラム及び/または構成するのではなくて、コンピュータ装置750をそのようにプログラムすることができる。この実施例では、スタンドアロンセンサー装置700は、ユーザーの種々の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、ユーザーが手動入力するデータ及び/または720及び725で示す装置間の相互作用により入力されるデータを収集しそして/または発生するが、これら全てのデータはスタンドアロンセンサー装置700に設けたメモリーに記憶される。その後、このデータはコンピュータ装置750へ定期的にアップロードされ、コンピュータ装置は導出データ及び/または分析状態データを発生する。あるいは、スタンドアロンセンサー装置700のプロセッサを導出データを発生するようにプログラムし、コンピュータ装置750を1またはそれ以上の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、それから導出されるデータ、ユーザーにより手動入力されるデータ及び/または720及び725に示す装置間の相互作用により入力されるデータに基づき分析状態データを作成するに必要なユーティリティー及びアルゴリズムを含むようにプログラムすることができる。さらに別の例として、スタンドアロンセンサー装置700のプロセッサを1またはそれ以上の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、それから導出されるデータ、ユーザーにより手動入力されるデータ及び/または720及び725に示す装置間の相互作用により入力されるデータに基づき分析状態データを作成するに必要なユーティリティー及びアルゴリズムを含むようにプログラムまたは他の方法で構成し、コンピュータ装置750を導出データを発生するようにプログラムすることができる。
何れの例でも、ユーザーは、その後、ユーザーの生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、それから導出されるデータ、ユーザーにより手動入力されるデータ、720及び725に示す装置間の相互作用により入力されるデータ及び分析状態データのうち任意のものまたは全てを、プログラムされたコンピュータ装置750またはデータがダウンロードされる別のコンピュータ装置750の出力手段により見ることができる。後者の例では、分析状態データを除く全てのデータが上述したようにスタンドアロンセンサー装置700により出力される。
【0092】
これら変形例のコンピュータ装置750は、中央モニターユニット30等と通信できるようにインターネットのような電子ネットワークに接続することができる。かかる構成により、導出データ及び/または分析状態データの発生を可能にするコンピュータ装置750のプログラムは、電子ネットワークを介して関連のデータをコンピュータ装置750にダウンロードすることにより変更または交換することが可能である。
【0093】
さらに別の例として、コンピュータ装置750に特注のプラグインを設けることにより、よく知られたブラウザープログラムによるデータ表示機能の提供が可能になる。この実施例では、スタンドアロンセンサー装置700は、ユーザーの種々の生理学的及び/またはコンテキストパラメータを示すデータ、導出データ、ユーザーにより入力されるデータ、720及び725に示す装置間の相互作用により入力されるデータ及び/またはそれらに基づく分析状態データを収集し、発生して、このデータをコンピュータ装置750へアップロードする。その後、コンピュータ装置750に設けたプラグインは、ユーザーがコンピュータ装置750に設けたブラウザーにより見ることができるデータに基づき適当な表示ページを発生させる。このプラグインは、インターネットのような電子ネットワークを介して中央モニターユニット30のようなソースから変更/更新することが可能である。
【0094】
図22−26を参照して、該図はセンサー装置800の別の実施例を示す。センサー装置800は、図1−11に関連して説明したセンサー装置10または図21に関連して説明したスタンドアロンセンサー装置700の何れかの特定の実施例でよい。センサー装置800は、図12−17に示す可撓性ウイング本体410に似た、可撓性部分810に固着されたハウジング805を有する。可撓性部分810は、上腕のような身体の少なくとも一部に巻き付けるなどしてそれと係合させ、センサー装置800と可撓性部分810のスロット812に挿入される着脱自在のストラップ811との協働により身体に着用できるように構成されている。可撓性部分810は、デュロメーターが75と85ショアAの間の材料で形成するのが好ましい。可撓性部分810は種々の形状でよく、クロス材料、可撓性プラスチックフィルム、またはバンドエイド社の使い捨て接着剤付き包帯と似た構造の接着剤を有する弾性材料で形成することができる。図22−26に示す実施例において、ハウジング805は、オーバーモールドまたは同時モールドプロセスなどにより、接着剤を使用して、あるいは1またはそれ以上のねじのような締着機構により、可撓性部分810に永続的に固着される。ハウジング805は、例えば、接着剤、ねじ、スナップ装着手段、音波溶接または高温溶接を含む公知任意の方法により底部820に固着された頂部815を有する。好ましい実施例によると、頂部815と底部820との間に水密密封部が形成されている。水密密封部は音波溶接または高温溶接を用いる時に形成される。あるいは、頂部815と底部820の間にOリングを設けて水密密封部を形成してもよい。
【0095】
図23、24及び26から最も分かり易いように、ハウジング805の底部820にはGSRセンサー825が固着されている。GSRセンサー825は皮膚の2点間の導電率を測定するものであり、ステンレス鋼、金または導電性炭化ゴムのような材料で形成された電極を有する。GSRセンサー825は腎臓頭部に形状が似た図23に示す細長く曲がった形状を有し、着用中にセンサー装置800が横揺れしたり他の態様で運動してもGS
Rセンサー825の一部が身体との接触を維持できるようにするのが好ましい。GSRセンサー825の表面に沿って隆起したバンプ830または他の三次元の模様付き表面を形成して、皮膚に動揺を与えヘア間を押圧して、皮膚との間に良好な接触が確保されるようにするのが最も好ましい。さらに、隆起したバンプ830は、センサー装置が身体に対して如何なる方向に向いてもセンサー装置800の下方に汗を捕捉せずその移動を可能にするチャンネルを提供する。底部820にはまた、熱束皮膚インターフェイス部材835と皮膚温度皮膚インターフェイス部材840とが固定されているが、これらはそれぞれステンレス鋼のような熱伝導材料より成るプレートである。熱束皮膚インターフェイス部材835及び皮膚温度皮膚インターフェイス部材845は、304ステンレス鋼のような熱伝導率が少なくとも12.9W/mKの材料で形成するのが好ましい。GSRセンサー825は、相互間で少なくとも0.44インチ、熱束被覆界面コンポーネント835及び皮膚温度皮膚インターフェイス部材845から少なくとも0.09インチ離隔させるのが好ましい。GSRセンサー825、熱束皮膚インターフェイス部材835及び皮膚温度皮膚インターフェイス部材840は、センサー装置800を着用すると着用者の皮膚と接触するように構成されており、GSR、身体からの熱束、皮膚温度データの測定を容易にする。図22、24及び26から最も分かり易いように、ハウジング805の頂部815には熱束周囲インターフェイス部材845と周囲温度インターフェイス部材850とが固着されているが、これらもまた、好ましくは304ステンレス鋼のような熱伝導率が少なくとも12.9W/mKの熱伝導性材料であるステンレス鋼で作るのが好ましい。熱束周囲インターフェイス部材845及び周囲温度インターフェイス部材850は、周囲環境への熱インターフェイスを提供することにより身体からの熱束及び周囲温度の測定をそれぞれ容易にする。これらのパラメータの測定をさらに容易にするために、可撓性部分810には熱束周囲インターフェイス部材845及び周囲温度インターフェイス部材850を周囲の空気にさらすための孔部855が設けられている。これらの孔部855の大きさは、着用者の皮膚からの空気流がこれらの部材を通過できるように熱束周囲インターフェイス部材845及び周囲温度インターフェイス部材850を囲む領域において可撓性部分810ができるだけ少ない皮膚をさえぎるようなものである。
【0096】
GSRセンサー825、熱束皮膚インターフェイス部材835、皮膚温度皮膚インターフェイス部材840、または皮膚に接触する他の任意の感知部材には、とりわけ、皮膚との電気的接触を増加させ、表皮内または表皮下の間質液にリアルタイムでアクセスするための複数の超小型針を設けてもよいが、このアクセスにより電気化学的方法、インピーダンスに基づく方法あるいは他の周知の方法により皮膚のpHレベルのような種々のパラメータを測定することができる。超小型針は、皮膚の角質層を貫通して表皮に到達することにより電気的接触を増加させる。かかる超小型針は当該技術分野で周知であり、金属またはプラスチック材料で形成することができる。従来技術の超小型針は、例えば、プロクターアンドギャンブル社の米国特許第6,312,612号に記載されている。特定の例に応じて、超小型針の数、密度、長さ、先端または基部の幅、分布及び間隔は異なるであろう。
【0097】
図22の線A−Aに沿う断面図である図26を参照して、該図はハウジング805内に収容されるセンサー装置800の内部コンポーネントを示す。ハウジング805の頂部815に固着されたプリント基板またはPCB860は、ハウジング805内の電子コンポーネントを受けてそれらを支持する。接点865は、PCB860の底面に固着されGSRセンサー825に電子結合されている。これらの接点は、Pomona, CaliforniaのEverett Charles Technologies社のPogo接点のような金メッキした接点ピンであるのが好ましい。PCB860の底面には皮膚温度サーミスタ870も固着されるが、その適当な例として、Shrewsbury, MassachusettsのBetaTherm Corporationから市販されているモデル100K6D280サーミスタがある。本発明の好ましい実施例によると、皮膚温度サーミスタ870は熱伝導インターフェイス材料875により皮膚温度皮膚インターフェイス部材
840に熱的結合されている。熱伝導インターフェイス材料875は、例えば、熱伝導性ギャップ充填材、熱伝導性相変化インターフェイス材料、熱伝導性テープ、熱伝導性現場硬化コンパウンドまたはエポキシ、及び耐熱グリースを含む当該技術分野で公知の任意タイプの熱伝導性インターフェイス材料でよい。適当な熱伝導性インターフェイス材料には、W. L. Gore & Associates, Inc.社が商標PolarChip CP8000を付して販売する窒化ホウ素充填発泡ポリテトラフルオロエチレン母材及びWoburn, MassachusettsのParker Chomerics Division of HannefinCorporationから入手できるA574と呼ばれる接着剤が裏塗りされた厚さ5ミル(0.013cm)のアルミニウムフォイルキャリア上の窒化ホウ素及びアルミナ充填シリコンエラストマーが含まれる。PCB860の頂部には身体近接周囲温度サーミスタ808が設けられるが、その適当な例としてMalvern, PennsylvaniaのVishay Intertechnology社により製造されるモデルNTH040ZN01N100KJサーミスタがある。身体近接周囲温度サーミスタ880は、熱伝導性インターフェイス材料875により周囲温度インターフェイス部材850に熱的結合されている。
【0098】
引き続き図26を参照して、好ましい実施例によるセンサー装置800は、全体を本願の一部として引用する、係属中の特許出願09/822,890号に記載された生体と周囲環境との間の熱束を測定する装置の特定の実施例を含む。詳述すると、ハウジング805内には熱導管885が設けられている。本明細書中の用語「熱導管」は、ステンレス鋼でできた導体のような1つの場所から別の場所に熱を単独でまたは協働して転送するように構成された1またはそれ以上の熱導体を意味する。熱導管885は、熱伝導インターフェイス材料875により熱束皮膚インターフェイス部材835に熱的結合されている。PCB860の底面上には第1の熱束サーミスタ890Aがあり、PCB860の頂面上には第2の熱束サーミスタ890Bが設けられている。PCB860はこれらのコンポーネントを支持するベース部材として働く。PCB860とは別個のベース部材を別の構成のものに置き換えられることがわかるであろう。熱束サーミスタ890A及び890Bの両方の適当な例は。熱束サーミスタ890A及び890Bは、PCB860上に設けられたパッドにはんだ付けされている。第2の熱束890サーミスタBは、熱伝導インターフェイス材料875により熱束周囲インターフェイス材料845に熱的結合されている。当該技術分野において周知のように、PCB860は、所定の既知の熱抵抗または抵抗率Kを有する、ガラス繊維のような剛性または可撓性材料で作られている。着用者の身体からの熱束は、熱束サーミスタ890Aで第1の電圧V1を、また熱束サーミスタ890Bで第2の電圧V2を測定することにより求めることができる。その後、これらの電圧間の差を、差動増幅器によるなどして電気的に求めると、当該技術分野で周知のように、PCB860の頂面と底面の間の温度差(T2−T1)を計算するための電圧値が得られる。その後、熱束は下式に従って計算できる。
【0099】
熱束=K(T2−T1)
PCB860と熱束サーミスタ890A、890Bを組み合わせると、1つの形態の熱束センサーが得られる。図26に示す熱束測定装置の構成上の1つの利点は、コンポーネントが垂直方向に向いているため、熱束測定装置、従ってセンサー装置800全体の組み立てが単純化されることである。このように単純化されるだけでなく、一方または両方の面に接着剤の薄い層を含む熱伝導性インターフェイス材料を熱伝導性インターフェイス材料875として用いるため、コンポーネントを互いに接着できる。さらに、サーミスタ890A及び890Bは、Hudson, New HamshireのRdFCorporationにより市販されるもののような一体的な熱束センサーと比べて安価なコンポーネントであるため、センサー装置800のコストが減少する。熱束サーミスタ890A及び890Bを図26の実施例においてPCB860上に設けるとして説明したが、既知の抵抗率Kを有する任意の材料を使用できることがわかるであろう。さらに、熱電対またはサーモパイルのような当該技術分野で知られた他の温度測定装置を熱束サーミスタ890A及び890Bの代わりに用いてもよい。さらに別の方法として、熱導管885を省略して、熱束サーミスタ890Aと熱束
皮膚インターフェイス部材835との間の熱伝送が熱伝導インターフェイス材料875の1またはそれ以上の部分により行われるようにしてもよい。さらに別の方法として、熱束皮膚インターフェイス部材835を省略して、熱束サーミスタ890Aと皮膚との間の熱伝送を熱導管885と熱伝導インターフェイス材料875の1またはそれ以上の部分の何れかまたはその両方で行われるようにしてもよい。本明細書で説明する任意の実施例において、1またはそれ以上の熱導管885、熱伝導インターフェイス材料875の1またはそれ以上の部分及び熱束皮膚インターフェイス部材835の結合体は、熱束サーミスタ890Aをセンサー装置800の着用者の身体と熱伝送関係にする熱エネルギー伝送手段として働く。
【0100】
図27は、センサー装置800のシステムアーキテクチャーの一実施例、特にPCB860上に設けられるかそれに結合される各コンポーネントを示す概略図である。
【0101】
図27に示すようにPCB860は、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーまたは本明細書で説明する機能、特に図2に示すマイクロプロセッサー20、図20に示す処理ユニット490または図21に示すスタンドアロンセンサー装置700との関連で説明した機能を実行するように構成可能な他の任意の処理装置でよい処理ユニット900を有する。処理ユニット900の適当な例として、Schaumburg, IllinoisのMotorola社により市販されるDragonball EZがある。また、PCB860上には、二軸または三軸の加速度計でよい加速度計905が設けられている。二軸加速度計の適当な例として、Norwood, MassachusettsのAnalog Devices社により市販されるモデルADXL202加速度計があり、三軸加速度計の適当な例として、Norristown, PennsylvaniaのMeasurement Specialities Incorporatedにより市販されるモデルACH−04−08−05加速度計がある。加速度計905の出力信号はバッファ910及び入力アナログ−デジタルコンバーター915を通過するが、このコンバーターは処理ユニット900に結合されている。GSRセンサー825は、電流ループ920、ローバスフィルター925及び増幅器930を介してA−Dコンバーター915に結合されている。電流ループ920は、演算増幅器及び複数の抵抗より成り、2つのGSRセンサー825の間に小さな固定電流を加えてそれらの間の電圧を測定する。測定される電圧は電極と接触する皮膚の抵抗に正比例する。同様に、熱束サーミスタ890A及び890BはA/Dコンバーター915及び処理ユニット900に結合されており、そこでローパスフィルター935及び増幅器940による熱束の計算が行われる。
【0102】
好ましくは平均バッテリー電圧を与えるためにローパスフィルターを有する分圧器より成るバッテリーモニター945は、充電可能なバッテリー950の残りの電力レベルをモニターする。充電可能なバッテリー950は3.7ボルトのリチュウムイオン/リチウムポリマー電池であるのが好ましい。センサー装置800の主電源である充電可能なバッテリー950は、電圧調整器955を介して処理ユニット900に結合されている。充電可能なバッテリー950は、充電器960またはUSBケーブル965の何れかにより充電可能であるが、これらは共にUSBインターフェイス970を介してセンサー装置800に結合可能である。USBインターフェイス970は、使用中でない時そのインターフェイスの接点を保護するために着脱自在のプラスチックまたはゴム製プラグで気密封止可能にするのが好ましい。
【0103】
PCB860はさらに、センサー装置800の着用者の皮膚温度を感知する皮膚温度サーミスタ870と、センサー装置800の着用者の身体に近接する領域の周囲温度を感知する身体近接周囲温度サーミスタ880とを有する。これらのコンポーネントはそれぞれバイアスされており、A/Dコンバーター915を介して処理ユニット900に結合されている。
【0104】
センサー装置800の特定の実施例によると、PCB860には、A/Dコンバーター915により結合された図27において975で示す周囲光センサー及び周囲音センサーの一方または両方が設けられている。周囲光センサー及び周囲音センサーは、周囲の光または音の存否と、周囲の光または音のレベルがしきい値を超える状態であるか否かを感知するか、または周囲の光または音の実レベルを反映する読みを与えるように構成可能である。周囲音センサーの適当な例として、Secaucus, New JerseyのMatsushita Corporation
of Americaにより販売されるWM−60Aコンデンサーマイクロフォンカートリッジがあり、周囲光センサーの適当な例としてCarrollton, TexasのOptek Technology, Inc.により販売されるOPR5500フォトトランジスタ及びOPR5910フォトダイオードがある。さらに、PCB860は、着用者の心拍数を測定する2またはそれ以上の電極より成るECGセンサー980と、着用者の皮膚のインピーダンスを測定する複数の電極を有するインピーダンスセンサー985を備えることができる。インピーダンスセンサー985は、着用者の筋肉活動の指示を与えるEMGセンサーでもよい。ECGセンサー980またはインピーダンスセンサー985の一部を形成する電極はかかるセンサー専用の電極であるか、あるいは適当な測定を行うために多重化されたGSRセンサー825の電極でもよい。ECGセンサー980及びインピーダンスセンサー985はそれぞれA/Dコンバーター915に結合されている。
【0105】
PCB860はさらに、処理ユニット900に結合されたRFトランシーバー990と、センサー装置800の近くの無線装置との間でデータを無線で受信するアンテナ995を有する。RFトランシーバー990及びアンテナ995は、センサー装置800の着用者が使用中のトレッドミルのような装置またはセンサー装置800の着用者が着用する心拍数モニターとの間でデータを送受信するかまたはPDAまたはPCのようなコンピュータ装置との間でデータをアップロードまたはダウンロードするために使用可能である。さらに、RFトランシーバー990及びアンテナ995を用いて、水分補給レベルまたは疲労レベルのような消防士の安全を脅かす状態をセンサー装置800が感知したか否かをその消防士に知らせるために消防士が着用する骨伝導マイクロフォンのようなフィードバック装置に情報を送ることができる。図21に関連して詳述したように、スタンドアロンセンサー装置700をコンピュータ装置750に結合してデータをそれらの間で交換することができる。かくして、さらに別の方法として、RFトランシーバー990及びアンテナ995を用いて、センサー装置800を図21に示すコンピュータ750のようなコンピュータ装置に結合することができる。かかる構成により、センサー装置800はコンピュータ装置750、例えば、手首に着用するコンピュータ装置との間でデータを送受信することができる。そのコンピュータ装置によりユーザーはデータを入力し、そのデータをその後保存するかまたはセンサー装置800に送り、センサー800から送られるデータを含むデータを表示することができる。また、この構成により、センサー装置800とコンピュータ装置750との間で、図21に詳述したような共用コンピューティングと呼ぶコンピュータによる仕事の分割を行うことができる。
【0106】
図27に示すように、PCB860は、センサー装置800は、処理ユニット900に結合され、身体に着用中であるか否かを感知する近接センサー1000を備えることができる。近接センサー1000はまた、センサー装置800の電源を自動的に開閉するものとして使用可能である。近接センサーは、センサー装置800が身体に接近するにつれて電気容量が変化するキャパシタより成るのが好ましい。PCB860はまた、ドライバー1010を介して処理ユニット900に結合された呼出し器のような音トランスジューサー1005を備えることができる。
【0107】
センサー装置800には、図27に示すセンサーとは別に、本願の一部として引用する米国特許第5,853,005号に記載されたもののようなセンサーを設けてもよい。この‘005特許は、音響伝達材料を含むパッドに結合された音トランスジューサーを教示
している。そのパッド及び音トランスジューサーは、身体が発する音響信号の感知に使用されるが、これらの音響信号は心拍数または呼吸数のような生理学的パラメータを表す信号に変換可能である。さらに、ハウジング805、可撓性部分810またはストラップ811のうちの1またはそれ以上の部分として、センサー装置800に一体化せずに、‘005特許に示すようなセンサーをセンサー装置800とは別個に設けて、このセンサー装置800に結合するか、有線で接続するか、または無線で接続することができる。この‘005特許によると、音または音響トランスジューサーは、海軍のソナーに用いられるものに似た圧電式エレクトレットまたはコンデンサータイプの水中聴音器であるのが好ましい。
【0108】
‘005特許に教示されるセンサー装置は、非ECG心臓パラメータセンサーと呼ぶものの一例であり、これは、以下に述べる2つの性質を有する、即ち、(1)ある距離だけ離れた少なくとも2つの接点を用いて胴回りの測定を行う必要がない、(2)心臓の電気的活動を測定しない、ことを意味する。‘005特許により教示されるようなセンサー装置は、主として、心臓への装置の近接度、周囲ノイズレベル、身体の運動による運動関連音アーチファクトを含むファクタに依存して、ある特定の状況下における心拍数情報及び心臓の個々の拍動に関連する情報を検知できることが判明している。その結果、‘005特許により教示されるようなセンサー装置は、周囲ノイズレベルが低い周囲環境で着用する時そして身体が運動中でない時に信頼度が最も高い。
【0109】
センサー装置800のある特定の特性、センサー及び感知能力は、その装置に組み込まれるかまたはそれに結合される‘005特許に教示されたセンサー装置のような音響式非ECG心臓パラメータセンサー1012の信頼性及び精度を改善することができる。例えば、1つの特定実施例において、センサー装置800は上腕への着用に特に適している。上腕は、心臓に近く、目立たないように、また心地よくセンサー装置を着用できる空間を提供するため、音響式非ECG心臓パラメータセンサー1012を備えたセンサー装置800にとって格好の場所である。さらに、図27において975で示す周囲音センサーを用いて、音響式非ECG心臓パラメータセンサー1012により検知される信号から周囲ノイズをフィルタリングにより除去することにより、身体から発する音信号を隔離することができる。’005特許により教示されるセンサー装置のような音響式非ECG心臓パラメータセンサー1012が発生する信号のこのようにして行うフィルタリングは、かかる装置がセンサー装置800に組み込まれている場合だけでなく、上述したようにセンサー装置800から分離しているがそれに結合されている場合においても実施可能である。さらに、心臓により発せられたものでない身体運動による音は、図27及び29に示す加速度計905または表1に示す身体の姿勢または筋圧センサーのような、身体運動の結果として生じる音を検知するか識別するためセンサーを用いることにより補償または調整することができる。例えば、足音は、音響式非ECG心臓パラメータセンサー1012のS/N比を低下させて誤った正または負の心拍表示を与える音を体内に発生させる。当該技術分野で周知のように、加速度計905は足音インジケーターとして機能できる。従って、加速度計905を用いて、音響式非ECG心臓パラメータセンサー1012により検知される信号から足音のような身体運動により生じる信号関連音アーチファクトをフィルタリングにより除去するか減算することができる。
【0110】
上述した信号のフィルタリングまたは減算を行う幾つかの方法は当業者に知られている。一部がノイズキャンセレーション用として、そして一部は直接測定用として使用される、まったく異なる信号のモニターに関連して使用され信号のかかるフィルタリングまたは減算は、データインテグレーションとしても知られている。
【0111】
センサー装置800は、不正確な読みを識別し補償することができるように、パラメータを検証し、非ECG心臓パラメータセンサー1012による読みのコンテキストを与え
るように使用することができる。例えば、センサー装置800を用いて、着用者のエネルギー消費をリアルタイムで検知するだけでなく、ランニングまたは自転車に乗るような着用者が従事している活動タイプを検知することができる。かくして、データインテグレーションにより非ECG心臓パラメータセンサー1012の信頼性及び精度を増加させるためにはセンサー装置800のセンサー及び感知能力を如何に利用するかのもう1つの例として、エネルギー消費及び活動タイプに関する情報から、非ECG心臓パラメータセンサー1012により検知される心臓関連パラメータを評価し、恐らくはフィルタリングするコンテキストを提供することができる。例えば、センサー装置800により人が毎分13カロリーのエネルギーを燃やしており、自転車に乗っていることが検知され、非ECG心臓パラメータセンサー1012が着用者の心拍数が毎分60回であることを示している場合、非ECG心臓パラメータセンサー1012からの信号にさらにフィルタリングをかける必要がある可能性が高い。
【0112】
他の周知の非ECG心臓パラメータセンサーには、例えば、微小消費電力のインパルスレーダー技術に基づく装置、圧電式ひずみ計を用いたもの、及び身体部分の血液循環により変化するその部分の大きさの変化を測定する体積変動記録法に基づく装置が含まれる。これらの装置の性能を上述したデータインテグレーションにより改善できることがわかるであろう。センサー装置800に組み込める別のセンサーとして、センサー装置800を着用者の身体に押圧保持した時の圧力を測定するものがある。かかるセンサーは容量型または抵抗型でありうる。1つのかかる例として、印加する力を増加させてプラスチックの小さな変形を測定するために圧電ひずみ計を包囲体の背面に配置したものがある。かかるセンサーから収集されるデータを用いて、かかるセンサーの読みに応じてセンサー装置800の他のセンサーの読みを補償することができる。
【0113】
スイッチ1015は、PCB860上に設けられ、処理ユニット900に結合されている。スイッチ1015はハウジング805上のボタン1020にも結合されている。ボタン1020は、スイッチ1015を作動することにより、薬を飲むような事象の発生を示す時間表示スタンプのような情報をセンサー装置800に入力するために使用できる。ボタン1020は、押すと触覚による正のフィードバックを与え、意図しない作動を防止するために凹形形状であるのが好ましい。また、図22−26に示す実施例において、可撓性部分810はボタン1020を覆って封止する膜1022を有する。図30−32に示す実施例では、同様な膜1022を可撓性部分810の上に設けることが可能であり、好ましくはハウジング805の上にも設けて、ハウジング805を可撓性部分810から取り外すとボタン1020が封止されるようにするのが好ましい。あるいは、可撓性部分810に孔部を設けて、ハウジング805を可撓性部分810に固着するとボタン1020と膜1022が露出されるようにしてもよい。さらに、PCB860上の処理ユニット900には、情報を着用者に出力するためのLCD及び/またはLED1025が結合されている。図28は、LCD1025をハウジング805の上面に設けたセンサー装置800の別の実施例を示す。LCDまたはLED1025の代わりに、センサー装置800は、電力の供給が途絶えた時でも情報を表示する能力を保持する従来技術の電気化学的ディスプレイを備えることができる。かかるディスプレイは、本願の一部として引用する米国特許第6,368,287号に記載されており、小型の加熱素子及び感熱材料の被覆より成る複数のマーカーを含む。電流が加熱素子の一つを流れると、その加熱素子は加熱されて被覆材料の色を変化させる。色の変化は加熱素子が冷却した後も永続的である。かかるディスプレイは比較的安価であるため、使い捨ての、恐らくは1回だけ使用するものとして設計されるセンサー装置800の実施例への使用に好適である。
【0114】
発振器1030は、PCB860上に設けられて、システムクロックを処理ユニット900に供給する。リセット回路1035は、処理ユニット900に結合されて、処理ユニットの標準の初期設定へのリセットを可能にする。
【0115】
最後に、フラッシュメモリチップのような非揮発性データ記憶デバイス1040が、センサー装置800が収集しそして/または発生する情報の保存を行うために設けられている。データ記憶デバイス1040は少なくとも128Kのメモリーを含むのが好ましい。フラッシュROMチップのような非揮発性プログラム記憶デバイスは、センサー装置800の作動に必要なプログラムを記憶するために設けられている。
【0116】
あるいは、一体的なA/Dコンバーター、データ及びプログラム保存手段を有するマイクロプロセッサーを、処理ユニット900、A/Dコンバーター915、データ記憶装置1040及び非揮発性メモリー1045の代わりに用いてもよい。かかるセンサーの適当な例としてテキストインスルツメンツ社のモデルMSP430プロセッサーがある。
【0117】
着用者の皮膚に接触するセンサー装置800の一部を形成する任意のコンポーネントは、好ましい実施例において、皮膚の油、汗、脱臭剤、日焼け止めオイルまたはローション、皮膚保湿剤、香水またはイソプロピルアルコールにさらされた時にデロメーター、弾性、色または他の物理的または化学的性質が劣化するものであってはならない。
【0118】
図29は、充電可能なバッテリー950、電圧調整器955、充電器960及びUSBケーブル965を使い捨てのAAAバッテリー1050及び昇圧コンバーター1055により置き換えたPCB860の別の実施例を示す。昇圧コンバーター1055は、インダクターによりAAAバッテリー1050の電圧をPCB860上の電子装置の作動に必要な3.0−3.3ボルトに昇圧させる。適当な昇圧コンバーター1055として、Sunnydale, CaliforniaのMaxim Integrated Products, Inc.により販売されるモデルMAX1724がある。
【0119】
図30及び31を参照して、該図は、ハウジング805が可撓性部分810に着脱自在に固着されるセンサー装置810の別の実施例を示す。図30及び31に示すように、ハウジング805には、その外側端縁部に沿って溝1060が設けられており、この溝は、可撓性部分810の底面に設けられた舌状部1065を受容して、ハウジング805を可撓性部分810にしっかりと、しかしながら着脱自在に固着するように構成されている。溝1060と舌状部1065の相互作用により、ハウジング805は可撓性部分810に対して容易に着脱できる。かかる構成により、ハウジング805は、可撓性部分が舌状部1065と同様な舌状部を備えている限り可撓性部分810とは異なるサイズ及び形状の多数の可撓性部分に容易に固着することができる。かかる別の可撓性部分は、それらの大きさ及び形状を、ふくらはぎや大腿部のような身体の特定部分にぴったり合うように調整することが可能であり、また、上腕又は胸の左上部のような特定の場所に舌状部を有するシャツのような衣服によりかかる別の可撓性部分を構成して、ハウジング805を着用者の心臓の上に配置させることができる。本願の出願人が所有する米国特許出願第09/419,600号(本願の一部として引用する)は、身体の運動または柔軟性に対する妨げとならないように特定のサイズ及び形状のセンサー装置の装着に特に適した身体の幾つかの場所を指定している。当業者であればわかるように、溝1060と舌状部1065とを逆にして、溝1060を可撓性部分810に、また舌状部1065をハウジング805に設けてもよい。当業者であればわかるように、ハウジング805を可撓性部分810にしっかりと、しかしながら着脱自在に固着するための多数の択一的構成が存在する。これらの択一的構成には、一時的な接着剤、ねじ、ハウジング805と可撓性部分810の間を摩擦により保持する緊密な嵌合、ハウジング805及び可撓性部分810の各々に設けた磁石、周知のスナップ及びスナップ機構、可撓性部分810の螺設部に嵌合するハウジング805に設けた螺設部、可撓性部分810をハウジング805の上に配置すると可撓性部分810の一部の周りに嵌合しハウジング805に設けた溝と係合するOリングまたは同様な弾性バンド、またはハウジング805を身体の上に配置し、可撓性部分810をそ
の上に配置してストラップ811などにより身体に固着する単なる圧力が含まれるが、それらに限定されない。図32を参照して、該図は可撓性部分810がハウジング805に設けた溝1065に嵌合する弾性または同様なバンドより成る、可撓性部分810をハウジング805に着脱自在に固定するさらに別の構造を示す。ハウジング805及び可撓性部分810を身体の上に配置して、ハウジング805と可撓性部分810との間のギャップ1064に挿入したストラップ811などにより定位置に保持することができる。
【0120】
図33は、ハウジング805が固着される特定の可撓性部分に応じて、その機能、設定または能力のようなセンサー装置800の動作パラメータを自動的に調整または変更するように構成されたセンサー装置800の別の実施例を示す。例えば、エネルギー消費のような1つのパラメータの計算は、年齢、身長、体重及び性別のような各個人に特有な情報により異なる。個人がそれぞれ装置を着用したい時にセンサー装置800に情報を入力するのではなくて、装置を着用しようとする各個人が情報を一度入力すると、その可撓性部分がセンサー装置をして特定の情報に基づき測定を行わせることができる。あるいは、ユーザーデータを保存するためのセンサー装置800のメモリーを、ユーザーデータが混じり合うのを回避するために、ユーザー毎に1つだけの、幾つかの区分に分割することができる。センサー装置800は、使用中の特定の可撓性部分に応じて収集したデータを保存する場所を変更するように構成することができる。さらに、センサー装置800は、特定の着用者及びその習癖、人口統計情報及び/または活動について知ると、ハウジング805が固着される特定の可撓性部分に応じて、異なる態様で較正及び再較正することができる。
【0121】
本発明の特定の実施例によると、ハウジング805には、それぞれがPCB860上にある第1の磁気スイッチ1070及び第2の磁気スイッチ1075が設けられている。可撓性部分810の上、またはその内部には、インサート成形法によるなどして磁石1080が設けられている。磁石1080は、ハウジング805が可撓性部分810に固着されると第1の磁気スイッチ1080及び第2の磁気スイッチ1075のうちの一方と整列してそれを作動するように可撓性部分810上、またはその内側に配置されている。図33に示す実施例では、第2の磁気スイッチ1075が作動される。図33に示す可撓性部分810に類似の第2の可撓性部分810も提供されるが、その違いは、ハウジング805が、図33に示す同じハウジング805が第2の可撓性部分810に固着されると第1の磁気スイッチ1070が作動されるように磁石1080が配置されていることである。ハウジング805、特に処理ユニット900は、第1の磁気スイッチ1070及び第2の磁気スイッチ1075のうち何れが作動されるか、即ち、何れの可撓性部分810が使用中であるかに応じて、その機能、設定または能力を変更するようにプログラムすることができる。従って、夫と妻が単一のハウジング805を共有できるが、それぞれの可撓性ウイング810は磁石1080が場所が異なるため同一ではない。かかる場合、ハウジング805を、第1の磁気スイッチ1070が作動されると夫に特有の機能、設定または能力で作動されるように、また、第2の磁気スイッチ1075が作動されると妻に特有の機能、設定または能力で作動されるようにプログラムすることができる。図33にはただ2つの磁気スイッチを示すに過ぎないが、家族全員のように家族の各構成員がそれ自身の可撓性部分を持つようにして、多数の磁気スイッチ及び多数の可撓性部分の使用によりセンサー装置800を多数の着用者のためにプログラムできることがわかるであろう。さらに別の方法として、各々が異なる場所に磁石を有する、身体のそれぞれ異なる部分に着用するための多数の可撓性部分を提供するようにしてもよい。その場合、ハウジング805を、身体の種々の部分に対して行うべき感知対象に特有の機能、設定または能力を有するように、また、ハウジング805が適当な可撓性部分に固着されるとその部分が作動されるようにプログラムすることができる。従って、この実施例のセンサー装置800は「スマート」な装置である。当業者であればわかるように、第1及び第2の磁気スイッチ1070及び1075並びに磁石1080の代替物により図33に関連して説明した機能を与えるよ
うにしてもよい。かかる代替物には、可撓性部分810上の特定場所に設けたピンのような突出部により作動されるハウジング805内の機械的スイッチ、可撓性部分810の特定場所に選択的に設けた、1またはそれ以上の半透明部分及び単一の不透明、反射性またはフィルタリング部分により周囲光がブロックされ、反射されまたはフィルタリングされると作動されるハウジング805内の光センサーアレイより成る光スイッチ(半透明部分は対応の光スイッチを作動せず、不透明、反射性またはフィルタリング部分は対応の光スイッチを作動する)、可撓性部分810の特定場所に設けた導体により作動されるハウジング805内の電子スイッチが含まれるが、これらに限定されない。さらに別の方法として、ハウジング805に複数のスイッチを設け、各可撓性部分810に或る特定の選択されたスイッチを作動するように配置された1またはそれ以上のスイッチ作動手段を設けてもよい。ハウジング805の動作パラメータは、この実施例では、1またはそれ以上のスイッチのうち作動される特定セットのスイッチに応じて変化するように構成されるであろう。従って、この実施例は、何れの可撓性部分810を使用するかに応じてハウジング805の動作パラメータを変更する符号化方式を用いる。さらに別の方法として、ハウジング805に、スイッチ作動手段の特性によるなどして、作動される態様または状態に応じてハウジング805の動作パラメータを変更するように構成された単一のスイッチを設けてもよい。例えば、そのスイッチを、各可撓性部分810に設けられた磁石の磁気レベルまたは強度に応じて複数の異なる態様で作動される磁気スイッチにしてもよい。その場合、各々が異なる強さの磁石を有する複数の可撓性部分810を提供することができる。さらに、任意特定の可撓性部分810に、各々がハウジング805内のスイッチを異なる態様で作動できる異なる強さの複数の磁石を設けてもよい。かかる可撓性部分810は、可撓性ウイング805の一部を回転させるなどして特定の磁石をスイッチに整列させると、ハウジング805の種々の動作パラメータを選択的にトリガーすることができる。別の方法として、スイッチとして電気スイッチを、また、スイッチ作動手段として異なる抵抗を有する導体を用いてもよい。この実施例において、スイッチは回路を閉じるスイッチ作動手段の測定された抵抗に応じて種々の態様で作動される。
【0122】
図34を参照して、さらに別の実施例のセンサー装置800として、ハウジング805の背面に接着剤1085を設けることにより、可撓性部分810なしに、ハウジング805を心臓の上方の胸の左上部のような身体の選択された部分に着脱自在に固着することができる。接着剤1085としては、ハウジング805を身体にしっかりと固定するため、ある期間ハウジングを着用できるが、使用後は身体から容易に取り外せるようにする、よく知られた任意の接着剤でよい。接着剤1085は、例えば、ハウジング805を身体に心地よく装着できるようにする両面接着性の発泡裏材より成る。さらに、ハウジング805は、低コストのためセンサー装置800を使い捨てできるようにする、本願の一部として引用する米国特許第6,368,278号に記載されたような周知の可撓性プラスチックフィルムなどで形成してもよい。かかる使い捨てのセンサー装置はその使い捨て性を改善するために電気化学式ディスプレイを含むものでよい。心臓関連のパラメータを検知するために胸の左上部または他の任意の適当な領域上に配置される実施例において、センサー装置800は心拍数、拍動または拍動のばらつき、ECGまたはEKG、脈拍酸素飽和度、マイクロホンで検知されるような心音、超音波または微小パルスレーダー装置で検知されるような心臓の機械的作用のような心臓関連パラメータを感知するための上述した1またはそれ以上のセンサーを含む。
【0123】
図35A−H及び36A−Hは、センサー装置800の人間工学的設計に関する本発明の局面を示す。図35A及び35Bを参照して、該図は、従来技術のセンサー装置の着用者の身体1110上に配置された断面が矩形の装置のハウジング1100を示す。図35Bからわかるように、特定の活動時において種々の身体部分の位置に応じて毎分何度もまたは長い期間の間起こるように身体1110が撓曲して凹部を形成すると、ハウジング1100のかなりの部分が身体1110から離脱する。ハウジング1100がこのように離
脱すると、従来技術のセンサー装置の正確な測定を行いデータを収集する能力が、特に図35Dの矢印で示す断面の中心近くで読みをとる場合に毀損することになる。
【0124】
図35C−Hは、本発明の種々の局面に従って図23の線C−Cに沿う装置800のハウジング805を示す断面図である。図35C−Hに示す断面は、GSRセンサー825間の図23のハウジング805の中間部分近くでとったものである。図35Cからわかるように、ハウジング805の底面1115は、身体1110が撓曲し凹部を形成してもハウジング805の底面1115の実質的な部分がその凹部に密着して身体1110と接触関係を保つように、一般的に凹形になっている。図35Bからわかるように、本体1110が凸部を形成するように反対方向に撓曲すると、図35Dの矢印で示すようにハウジング805の中心部分は身体1110と接触関係を保つ。図35Dで示すように、ハウジング805が身体1110に形成された凹部内で揺れ動いても同じである。図35Fを参照して、身体1110は時として極限まで、即ち、設計された予想の最大値以上に撓曲して、底面1115を凸状にしても、依然として底面1115が身体1110から離脱することがある。この問題に対する解決法は、ハウジング805の横方向端部1120A及び1120Bの、底面1115の横方向両端部にそれぞれ隣接しそれを含む所に、丸み付け部分1125A及び1125Bを設けた図35Gに示されている。丸み付け部分1125A及び1125Bにより、ハウジング805は、身体1110が極限まで撓曲しても、その時生じる凹部内に密着することができる。さらに、丸み付け部分1125A及び1125Bは身体1110と接触する図35Fに示す鋭い端縁部1138A及び1138Bがないため、より良い着け心地を与える。図35Hは、身体1110が弛緩した状態にある時、少なくとも一部は皮膚の粘性により身体1110がハウジング805の形状に如何に合致するかを示す。
【0125】
図36Aは、図35A及び35Bに示す断面をとった線に垂直な線に沿う従来技術のセンサー装置のハウジング1100を示す。図36Aからわかるように、ハウジング1100が身体1110の凸状部分に配置されると、ハウジング1100のかなりの部分、特に図36Aの矢印で示すその横方向端部は身体1110と接触しなくなる。図36B−Hは、図23に示す線D−Dに沿う本発明の種々の局面に従うハウジング805の断面を示す。図36Bからわかるように、ハウジング805の底面1115は、身体1110の凸状部分を受けるほぼ凹形部分を有する。図36Cを参照して、横方向端部1130A及び1130Bの、底面1215の両方の横方向端部に隣接しそれを含む所に丸み付け部分1135A及び1135Bを設け、これにより、たとえ身体1110が極限まで、即ち設計された予想最大値よりも大きく撓曲してもハウジング805が身体1110と密着状態を保つことができ、また、図36Bに示す鋭い端縁部1140A及び1140Bがないため着け心地がよい。図36Dに示すように、身体1110は弛緩した状態の時はハウジング805の形状に合致する傾向がある。図36E及び36Fに示すように、身体1110が凸形度を減少させるか凸形形状を生じさせるように撓曲すると、矢印で示すような点で身体1110との良好な接触が維持される。かくして、矢印に示す点は身体1110と接触関係を維持する傾向があるため、これらの点にセンサーまたは感知素子を配置すると有利であることがわかるであろう。例えば、矢印の点に配置された熱束皮膚インターフェイス部材835及び皮膚温度皮膚インターフェイス部材840示す図36H及び36Gは、この点を示している。図36G及び36Hからわかるように、身体1110と皮膚温度皮膚インターフェイス部材840との間には点接触以上のものがある。
【0126】
図37は、底面1115が図35C−35Hに示すほぼ凸形形状と、図36B−Hに示すほぼ凹形形状を有する本発明の実施例によるハウジング805の等角投影図である。詳述すると、着用者の身体に隣接して取り付けるハウジング805の内側表面である底面1115は、縦方向軸1141と横方向軸1142とを有する。底面1115は、縦方向軸1141と一致する凹軸1143においてほぼ凹形の形状を有するが、これは、この面が
内側表面1115の第1の横方向端部1144から内側表面1115の第2の横方向端部1145への第1の方向に延びることを意味する。底面1115は、横方向軸1141と一致する凸軸1146においてほぼ凸形形状を有するが、これは、この面が内側表面1115の第3の横方向端部1147から内側表面1115の第4の横方向端部1148への第2の方向に延びることを意味する。図37からわかるように、第1及び第2の方向並びに縦方向軸1141及び横方向軸1142は互いにほぼ垂直である。
【0127】
図38A−Dを参照すると、平坦な頂面1150及び平坦な横方向端部1130A及び1130Bを有するハウジング805は、かかる平坦な表面が壁、ドアまたは引き出し、キャビネットもしくは机のコーナーまたは端縁部のような物体1155を変形させるようになっていないため、それらの物体に突き当たる傾向があることがわかるであろう。身体1110の上でハウジング805が動くと、正確な測定を行いデータを収集するセンサー装置800の能力に悪影響がでる。図39A−Gは、物体1155を変形させて身体1110上のハウジング805の移動を実質的に阻止するように構成された本発明の種々の局面を示す。さらに、図39A−Gに示す実施例は、センサー装置800の耐久性を増加させ、センサー装置800の上にウェットスーツのような衣服などを容易に着用できるようにする。図39Aからわかるように、ハウジング805はその幅が底面1115から頂面1150への方向において減少するようにテイパー付き側部1160A及び1160Bを有するようにしてもよい。あるいは、図39Bを参照して、ハウジング805の頂面1150を凸形形状にしてもよい。さらに別の方法として、図39Cからわかるように、ハウジング805に、その横方向端部が実質的に半円形状となるように丸み付け部分1135A及び1135Bと出会う丸み付け部分1165A及び1165Bを設けてもよい。図39Dに示すように、ハウジング805はテイパー付き側部1160A及び1160B並びに凸状頂面1150の両方を備えるようにしてもよい。図39Eは、丸み付け部分1135A及び1135Bがそれぞれテイパー付き側部1160A及び1160Bと出会う点1170A及び1170Bがそれ自体丸み付けされた、図39Eのハウジング805の変形例を示す。図39Fは、細長いテイパー付き側部1160A及び1160Bを有する、図39Bのハウジング805の変形例である。図39Gは、図39Eに示す実施例のようなハウジング805の物体1155を変形させる能力が、ほぼ凸状の外側表面を有する可撓性部分810を付加することにより如何に増加するかを示す。さらに、熱が身体1110から離れる方向に流れるように可撓性部分810と身体1110との間に空気チャンネルが設けられる。
【0128】
本明細書に用いた用語及び表現は、説明の目的のためであって限定の意図はない。かかる用語及び表現の使用に当たり、本願に示す特徴部分の均等物を除外する意図はなく、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形例及び設計変更が可能であることを理解されたい。本発明の特定の実施例を説明したが、本発明は図示説明した実施例だけに限定されず、多数の変形及び設計変更が可能であることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の身体から人間の生理学的情報及びコンテキスト情報のうちの少なくとも1つを検知する装置であって、
着用者の身体への着脱自在な固着を可能にする接着剤を有するハウジングと、
着用者の1またはそれ以上の生理学的パラメータを示すデータの発生を容易にするように構成された生理学的センサー及び着用者の1またはそれ以上のコンテキストパラメータを示すデータの発生を容易にするように構成されたコンテキストセンサーより成る群から選択され、ハウジング内に支持された少なくとも2つのセンサーと、
ハウジング内に支持され、センサーと電気通信関係にあり、生理学的パラメータを示すデータ及びコンテキスト情報を示すデータのうちの少なくとも1つから導出データを発生する処理ユニットと、
ハウジング内に支持され、生理学的パラメータを示すデータ、コンテキスト情報を示すデータ及び導出データを送受信するトランシーバとより成る装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図35E】
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【図35F】
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【図35G】
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【図35H】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図36D】
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【図36E】
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【図36F】
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【図36G】
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【図36H】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図38D】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図39D】
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【図39E】
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【図39F】
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【図39G】
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【公開番号】特開2011−120917(P2011−120917A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54(P2011−54)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【分割の表示】特願2004−529813(P2004−529813)の分割
【原出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(501058168)ボディーメディア インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】