説明

付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法

【課題】 運転上の操作性に優れ、かつ、重合活性にも優れる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 下記特定の成分(a)、(b)および(c)を接触させてなる付加重合用触媒成分であって、粒子径が30μm以上である固体状成分の含有量が10体積%以下(ただし、該付加重合用触媒成分中の固体状成分の総量を100体積%とする。)である付加重合用触媒成分。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
BiL1r [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
1s-11H [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
2t-222 [3]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転上の操作性に優れ、かつ、重合活性にも優れる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン重合体は、機械的性質、耐薬品性等に優れ、またそれらの特性と経済性とのバランスが優れていることにより、包装分野をはじめ多くの分野に用いられている。これらのオレフィン重合体の製造に用いられる付加重合用触媒としては、近年、いわゆるシングルサイト触媒が提案され、昨今では、元素周期律表の第13族化合物以外の助触媒成分の検討もなされている。例えば、特許文献1には、高分子量の付加重合体を得ることを目的に、一例としてトリフェニルビスマス、ペンタフルオロフェノールおよび水を接触させてなる付加重合用触媒成分と、該成分と第3〜11族もしくはランタノイド系列金属化合物とを接触させてなる付加重合用触媒が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−217918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の付加重合用触媒を用いた付加重合体の製造方法においても、溶媒を使用する重合の場合に、溶媒の種類や操作条件によっては、該付加重合用触媒成分の重合溶媒に対する溶解度が高くない場合があり、スラリー状の付加重合用触媒を移送する際に系内に堆積するなど、運転上の操作性が必ずしもよいとはいえないことがあり、それゆえに重合活性の点でも必ずしも満足のゆくものとはいえなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、運転上の操作性に優れ、かつ、重合活性にも優れる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一は、下記成分(a)、(b)および(c)を接触させてなる付加重合用触媒成分であって、粒子径が30μm以上である固体状成分の含有量が10体積%以下(ただし、該付加重合用触媒成分中の固体状成分の総量を100体積%とする。)である付加重合用触媒成分にかかるものである。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
BiL1r [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
1s-11H [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
2t-222 [3]
(上記一般式[1]〜[3]において、Biはビスマス原子を表し、rはBiの原子価に相当する数を表し、L1は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基を表し、L1が複数存在する場合、複数のL1は互いに同じであっても異なっていてもよく、T1およびT2はそれぞれ独立に元素周期律表の第15族または第16族の非金属原子を表し、sはT1の原子価に相当する数を表し、tはT2の原子価に相当する数を表し、R1は電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R1が複数存在する場合、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、R2は炭化水素基を表し、R2が複数存在する場合、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。)
本発明の第二は、上記付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒にかかるものである。
本発明の第三は、上記付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法にかかるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、運転上の操作性に優れ、かつ、重合活性にも優れる付加重合用触媒成分、該付加重合用触媒成分を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上記一般式[1]におけるBiは、ビスマス原子である。
上記一般式[1]におけるrはBiの原子価に相当する数を表し、具体的には3または5などが挙げられ、好ましくは3である。
【0008】
上記一般式[1]におけるL1は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基であり、L1が複数存在する場合、複数のL1は互いに同じであっても異なっていてもよい。L1におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。L1における炭化水素基としては、アルキル基、アリール基またはアラルキル基が好ましい。L1における炭化水素オキシ基としては、アルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましい。
【0009】
1に用いられるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
【0010】
1に用いられるアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基等が挙げられる。
また、L1に用いられるアルキル基はいずれも、メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0011】
1に用いられるアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0012】
1に用いられるアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基またはイソプロピル基等のアルキル基;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0013】
1に用いられるアリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくはフェニル基またはトリル基である。
【0014】
1に用いられるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が挙げられる。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0015】
1に用いられるアラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、より好ましくはベンジル基である。
【0016】
1に用いられるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらのアルコキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0017】
1に用いられるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、ネオペンチルオキシ基またはtert−ペンチルオキシ基である。
【0018】
1に用いられるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−トリルオキシ基、3−トリルオキシ基、4−トリルオキシ基、2,3−キシリルオキシ基、2,4−キシリルオキシ基、2,5−キシリルオキシ基、2,6−キシリルオキシ基、3,4−キシリルオキシ基、3,5−キシリルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、ネオペンチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−ドデシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基等が挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0019】
1に用いられるアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が好ましく、より好ましくはフェノキシ基である。
【0020】
1として好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、特に好ましくはアリール基である。
【0021】
前記一般式[2]におけるT1は元素周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の非金属原子である。第15族の非金属原子としては、例えば、窒素原子、リン原子等が挙げられ、第16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。T1として好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
【0022】
前記一般式[2]におけるsはT1の原子価に相当する数であり、T1が第15族原子の場合sは3であり、T1が第16族原子の場合sは2である。
【0023】
前記一般式[2]におけるR1は、電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基であり、R1が複数存在する場合、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、例えば、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
【0024】
電子吸引性基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、フェニル基等が挙げられる。電子吸引性基を含有する基としてはハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基等のハロゲン化炭化水素基;シアノ化アリール基等のシアノ化炭化水素基;ニトロ化アリール基等のニトロ化炭化水素基;アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等の炭化水素オキシカルボニル基、アシロキシ基等が挙げられる。
【0025】
1に用いられるハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基等が挙げられる。
【0026】
1に用いられるハロゲン化アリール基としては、例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタヨードフェニル基等の芳香族環の水素がハロゲンで置換されたアリール基が挙げられる。
【0027】
また、R1に用いられるハロゲン化アリール基としては、例えば、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等のハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基が挙げられる。
【0028】
1に用いられるシアノ化アリール基としては、例えば、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0029】
1に用いられるニトロ化アリール基としては、例えば、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0030】
1に用いられるアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ノルマルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0031】
1に用いられるアラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0032】
1に用いられるアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0033】
1に用いられるアシロキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0034】
1として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくはハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、更に好ましくはフルオロアルキル基、フルオロアリール基、クロロアルキル基またはクロロアリール基であり、更により好ましくは、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、特に好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、4−フルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。
【0035】
前記一般式[3]におけるT2は、元素周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の非金属原子である。第15族の非金属原子としては、例えば、窒素原子、リン原子等が、第16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。T2として好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
【0036】
前記一般式[3]におけるtはT2の原子価に相当する数であり、T2が第15族原子の場合、tは3であり、T2が第16族原子の場合、tは2である。
【0037】
上記一般式[3]におけるR2は炭化水素基であり、R2が複数存在する場合、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。R2における炭化水素基としては、アルキル基、アリール基またはアラルキル基が好ましく、上記一般式[1]のL1として説明した炭化水素基、上記一般式[2]のR1として説明したハロゲン化炭化水素を例示することができる。
【0038】
2として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、更に好ましくはフッ化炭化水素基である。
【0039】
成分(a)としては、例えば、ビスマス(III)フルオライド、ビスマス(III)クロライド、ビスマス(III)ブロマイド、ビスマス(III)ヨード等のハロゲン化ビスマス(III);トリメチルビスマス等のトリアルキルビスマス;トリフェニルビスマス等のトリアリールビスマス;トリメトキシビスマス、トリエトキシビスマス、トリイソプロポキシビスマス、トリ(tert−ブトキシ)ビスマス、トリイソブトキシビスマス、トリネオペンチルオキシビスマス、トリ(tert−ペンチルオキシ)ビスマス等のトリアルコキシビスマス;トリフェノキシビスマス、トリ(2−トリルオキシ)ビスマス、トリ(3−トリルオキシ)ビスマス、トリ(4−トリルオキシ)ビスマス、トリ(2,3−キシリルオキシ)ビスマス、トリ(2,4−キシリルオキシ)ビスマス、トリ(2,5−キシリルオキシ)ビスマス、トリ(2,6−キシリルオキシ)ビスマス、トリ(3,4−キシリルオキシ)ビスマス、トリ(3,5−キシリルオキシ)ビスマス、トリ(2,3,4−トリメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(2,3,5−トリメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(2,3,6−トリメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(2,4,6−トリメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(3,4,5−トリメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(ペンタメチルフェノキシ)ビスマス、トリ(エチルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−プロピルフェノキシ)ビスマス、トリ(イソプロピルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−ブチルフェノキシ)ビスマス、トリ(sec−ブチルフェノキシ)ビスマス、トリ(tert−ブチルフェノキシ)ビスマス、トリ(イソブチルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−ペンチルフェノキシ)ビスマス、トリ(ネオペンチルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−ヘキシルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−オクチルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−デシルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−ドデシルフェノキシ)ビスマス、トリ(n−テトラデシルフェノキシ)ビスマス、トリナフチルオキシビスマス、トリアントラセニルオキシビスマス等のトリアリールオキシビスマス;ビスマス(V)フルオライド、ビスマス(V)クロライド、ビスマス(V)ブロマイド、ビスマス(V)ヨード等のハロゲン化ビスマス(V);ペンタメチルビスマス等のペンタアルキルビスマス;ペンタフェニルビスマス等のペンタアリールビスマス;ペンタメトキシビスマス、ペンタエトキシビスマス等のペンタアルコキシビスマス;ペンタフェノキシビスマス等のペンタアリールオキシビスマス等が挙げられる。
【0040】
成分(a)として好ましくは、ハロゲン化ビスマス(III)、トリアルキルビスマス、トリアリールビスマス、トリアルコキシビスマスまたはトリアリールオキシビスマスであり、更に好ましくはハロゲン化ビスマス(III)、トリアリールビスマス、トリアルコキシビスマスまたはトリアリールオキシビスマスであり、特に好ましくはトリフェニルビスマス等のトリアリールビスマスである。
【0041】
成分(b)としてアミン類としては、例えば、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、ビス(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン等が挙げられる。
【0042】
成分(b)としてホスフィン類としては、例えば、上記のアミン類の具体例の窒素原子をリン原子に置き換えた化合物等が挙げられる。
【0043】
成分(b)としてアルコール類としては、例えば、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノール等が挙げられる。
【0044】
成分(b)としてチオール類としては、例えば、上記アルコール類の具体例の酸素原子を硫黄原子に置き換えた化合物等、具体的には、上記アルコール類の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに置き換えた化合物等が挙げられる。
【0045】
成分(b)としてフェノール類としては、例えば、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、ペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタヨードフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。
【0046】
成分(b)としてチオフェノール類としては、例えば、上記フェノール類の具体例の酸素原子を硫黄原子に置き換えた化合物等、具体的には、上記フェノール類の具体例のフェノールをチオフェノールに置き換えた化合物等を挙げることができる。
【0047】
成分(b)としてカルボン酸としては、例えば、2−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ安息香酸、2,3,5−トリフルオロ安息香酸、2,3,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4,6−トリフルオロ安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸、2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロパノイック酸、ヘプタフルオロブタノイック酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノイック酸等が挙げられる。
【0048】
成分(b)としてスルホン酸類としては、例えば、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸等が挙げられる。
【0049】
成分(b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミンまたはビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノールまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、カルボン酸類としては、ペンタフルオロ安息香酸またはトリフルオロ酢酸、スルホン酸類としては、トリフルオロメタンスルホン酸である。
【0050】
成分(b)としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノールまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、更に好ましくは、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
【0051】
成分(c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミンまたはアラルキルアミンであり、更に好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
【0052】
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、
【0053】
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンである。
【0054】
成分(c)としてより好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−キシリルアミン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、最も好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
【0055】
本発明の付加重合用触媒成分は、上記の成分(a)、(b)および(c)を接触させてなる付加重合用触媒成分であって、粒子径が30μm以上である固体状成分の含有量が10体積%以下(ただし、該付加重合用触媒成分中の固体状成分の総量を100体積%とする。)である付加重合用触媒成分(以下、成分(A)と称する。)である。成分(a)、(b)および(c)の接触処理は不活性気体雰囲気にて実施されるのが好ましい。接触温度は通常−100〜200℃であり、好ましくは−80〜150℃、より好ましくは10〜150℃であり、更に好ましくは40〜100℃である。接触時間は通常1分間〜36時間であり、好ましくは10分間〜24時間である。このような接触処理は溶媒中で行ってもよく、溶媒中で行うことなく成分(a)、(b)および(c)を直接接触させてもよいが、溶媒中で接触処理を行うことが好ましい。使用し得る溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等の非極性溶媒;ハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒等の極性溶媒が挙げられる。使用し得る溶媒として、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。好ましくは脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒であり、より好ましくは芳香族炭化水素溶媒であり、更に好ましくはトルエンである。
【0056】
上記の成分(a)、(b)および(c)を接触させる方法としては特に限定されないが、例えば、以下に挙げる方法を採用することができる。
(イ):成分(a)と成分(b)を接触させた後に、成分(c)を接触させる方法。
(ロ):成分(a)と成分(c)を接触させた後に、成分(b)を接触させる方法。
(ハ):成分(b)と成分(c)を接触させた後に、成分(a)を接触させる方法。
好ましくは(イ)または(ロ)の方法であり、より好ましくは、(イ)の方法である。(イ)の方法の中では、成分(a)と成分(b)とを接触させることにより得られる接触物を溶媒に溶解して溶液とした後に、該溶液と成分(c)とを接触させる方法が好ましい。また、上記成分(a)、(b)および(c)を接触させる方法において、成分(a)〜(c)から選ばれる任意の2成分を接触させた後に、該接触物を精製し、該接触物に選択されなかった残りの成分を接触させる方法を行ってもよく、成分(a)、(b)および(c)から選ばれる任意の2成分を接触させた後に、該接触物を精製せずに、該接触物に選択されなかった残りの成分を接触させる方法を行ってもよい。
【0057】
成分(a)、(b)および(c)の接触量比は、重合活性を高める観点から、各成分の接触量のモル比率を成分(a):成分(b):成分(c)=1:y:zとすると、yは、好ましくは0.7×r〜1.3×rであり、より好ましくは0.8×r〜1.2×rであり、更に好ましくは0.9×r〜1.1×rである。ただし、rはBiの原子価に相当する数を表す。zは、好ましくは0.1〜2であり、より好ましくは0.4〜1.8であり、更に好ましくは0.6〜1.6であり、特に好ましくは0.8〜1.4であり、最も好ましくは0.9〜1.3である。
【0058】
本発明の成分(A)においては、上記成分(a)、(b)および(c)の接触処理の結果、原料である成分(a)および/または成分(b)および/または成分(c)が未反応物として成分(A)中に残存してもよい。
【0059】
本発明の成分(A)の製造方法の具体例を、成分(a)がトリフェニルビスマスであり、成分(b)がペンタフルオロフェノールであり、成分(c)が水である場合について更に詳細に以下に示す。トリフェニルビスマスのトルエン溶液に、トリフェニルビスマスに対し3倍モル量となるペンタフルオロフェノールをペンタフルオロフェノールのトルエン溶液として滴下し、還流条件下10分間〜24時間攪拌を行った後、室温まで冷却する。析出した結晶を濾別、乾燥後、該結晶をトルエンに溶解し、該トルエン溶液中のビスマス成分に対して等倍モル量の水を該トルエン溶液に滴下し、80℃で1時間撹袢する。
【0060】
成分(a)、(b)および(c)を接触させることにより得られる接触物は、スラリー状の付加重合用触媒成分を移送する際における運転上の操作性の観点から、粒子径が30μm以上である固体成分の含有量が10体積%以下であることが好ましい。
【0061】
成分(a)、(b)および(c)を接触させることにより得られる接触物を、粒子径が30μm以上である固体状成分の含有量が10体積%以下である成分(A)(ただし、該成分(A)中の固体状成分の総量を100体積%とする)とする方法としては、例えば、成分(a)、(b)および(c)を接触させることにより固体状成分を得た後に粉砕する方法、成分(a)、(b)および(c)を接触させることにより得られた固体状成分を、溶媒に溶解させた溶液から晶析する方法等が挙げられる。
【0062】
成分(a)、(b)および(c)を接触させることにより固体状成分を得た後に粉砕する方法としては、固形物を粉砕する一般的な方法を用いることができる。例えば、乳鉢等を用いて人力にて粉砕する方法、粉砕機を用いる方法等が挙げられる。より強力に、また均質に粉砕が可能であるという観点から粉砕機を用いる方法が好ましい。粉砕機としては、例えば、圧縮粉砕型、衝撃圧縮型、せん断粉砕型、摩擦粉砕型等を採用することが可能であり、粉砕対象物に応じて適宜選定すればよいが、摩擦粉砕(摩砕)型が好ましい。粉砕機として具体例には、例えば、ボールミル、遊星ミル、サンドグラインダー、振動ミル、アトライター等の装置を挙げることができ、特にボールミルが好ましく、ボールが小さいマイクロビーズミルが更に好ましい。粉砕の際、固体状成分のみで摩砕する乾式摩砕、液状媒体を加えて摩砕する湿式摩砕のいずれの方法も採用されるが、より粒子径を小さくする観点から湿式摩砕が好ましい。また、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等を摩砕助剤として用いることもできる。
【0063】
湿式摩砕において使用される液状媒体としては、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等の非極性溶媒;ハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒等の極性溶媒が挙げられる。具体例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン、IPソルベント IP−2028(出光興産)、クリストール202(エッソ石油)等のパラフィンオイルといった脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル等が挙げられる。好ましくは脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはエーテルであり、より好ましくは脂肪族炭化水素であり、更に好ましくはパラフィンオイルである。これらの液状媒体は複数種類を混合して用いてもよい。
【0064】
粉砕時の温度は特に限定されないが、0〜200℃の範囲が好ましく、更に好ましくは10〜100℃の範囲であり、特に好ましくは20〜80℃の範囲である。
【0065】
粉砕時間および粉砕強度は、前記固体状成分が十分に粉砕されるように適宜調整すればよい。粉砕時間については10分間以上が好ましく、0.5時間〜24時間がより好ましく、1時間〜10時間が特に好ましい。更に、完全密閉・水平型マイクロビーズミルを用いた粉砕を例に述べると、粉砕時の回転数、ボールの数を上げるほど、そして、ボールの大きさを小さくするほど粉砕効率が上がり、より小さい粒子径の粒子を得られるため、より好ましい。ただし、一般的に粉砕はある程度以上に進行しなくなるので粉砕時間を長く設定しすぎることや粉砕時の回転数を高くしすぎることはエネルギーの浪費であり、現実的な範囲を選べばよい。
【0066】
上記のいずれの粉砕方法を選定する場合においても、窒素等の不活性ガス雰囲気下で粉砕を行うことが好ましい。
【0067】
本発明の付加重合用触媒成分(A)の平均粒子径は特に制限されないが、0.1〜30μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。ここでいう平均粒子径とは、光透過法から得られる体積基準の累積分布曲線におけるメジアン径(累積分布の50%に相当する粒子径)を意味する。
【0068】
本発明の付加重合用触媒成分(A)を用いてなる付加重合用触媒としては、好ましくは、該成分(A)、および第3〜11族もしくはランタノイド系列金属化合物(以下、化合物(B)と称する。)を接触させてなる付加重合用触媒、該成分(A)、化合物(B)および有機アルミニウム化合物(以下、化合物(C)と称する。)を接触させてなる付加重合用触媒である。
【0069】
本発明の化合物(B)としては、化合物(B)に成分(A)、あるいは更に化合物(C)を接触させてなる化合物が付加重合性を示す化合物であれば、特に限定されない。かかる化合物(B)としては、例えば、下記一般式[7]で表される金属化合物や、そのμ−オキソタイプの金属化合物等が挙げられる。
2a68b [7]
(式中、aは0<a≦8を満足する数を表し、bは0<b≦8を満足する数を表す。M6は元素周期律表の第3〜11族またはランタノイド系列の金属原子を表す。L2はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基を表し、L2が複数存在する場合、複数のL2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のL2は直接または炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。X8はハロゲン原子、炭化水素基(ただし、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基を表し、X8が複数存在する場合、複数のX8は互いに同じであっても異なっていてもよい。)
【0070】
一般式[7]において、M6は元素周期律表(IUPAC1989年)の第3〜11族またはランタノイド系列の金属原子である。M6としては、例えば、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子等が挙げられる。M6として好ましくは、元素周期律表の第3〜11族の金属原子であり、特に好ましくはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。
【0071】
2におけるシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基としては、例えば、(置換)シクロペンタジエニル基、(置換)インデニル基、(置換)フルオレニル基等が挙げられる。具体的には、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル基、1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル基、1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル基、1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2−メチルインデニル基、3−メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、5−メチルインデニル基、6−メチルインデニル基、7−メチルインデニル基、2−tert−ブチルインデニル基、3−tert−ブチルインデニル基、4−tert−ブチルインデニル基、5−tert−ブチルインデニル基、6−tert−ブチルインデニル基、7−tert−ブチルインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、2,4,7−トリメチルインデニル基、2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、4,5−ベンズインデニル基、2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、4−フェニルインデニル基、2−メチル−5−フェニルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、2−メチル−4−ナフチルインデニル基、フルオレニル基、2,7−ジメチルフルオレニル基、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、3,6−ジメチルフルオレニル基、3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等が挙げられる。
【0072】
2に用いられるシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基の多座性ηは特に限定されなく、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基のとりうるいずれの値でもよい。例えば、5座、4座、3座、2座、単座が挙げられ、好ましくは5座、3座または単座であり、より好ましくは5座または3座である。
【0073】
2に用いられるヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子等が挙げられ、かかる基としては、例えば、アルコキシ基;アリールオキシ基;チオアルコキシ基;チオアリールオキシ基;アルキルアミノ基;アリールアミノ基;アルキルホスフィノ基;アリールホスフィノ基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子から選ばれる少なくとも一つの原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基;キレート性配位子等が挙げられる。
【0074】
2に用いられるヘテロ原子を含有する基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、4−sec−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−sec−ブチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジメトキシフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−ニトロソフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基、2−アミノフェノキシ基、3−アミノフェノキシ基、4−アミノチオフェノキシ基、2,3,6−トリクロロフェノキシ基、2,4,6−トリフルオロフェノキシ基、チオメトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ピロリル基、ジメチルホスフィノ基、2−(2−オキシ−1−プロピル)フェノキシ基、カテコラート基、2−ヒドロキシフェニル基、レゾルシノラート基、3−ヒドロキシフェニル基、4−イソプロピルカテコラート基、4−イソプロピル−2−ヒドロキシフェニル基、3−メトキシカテコラート基、3−メトキシ−2−ヒドロキシフェニル基、1,8−ジヒドロキシナフチル基、1,2−ジヒドロキシナフチル基、2,2’−ヒフエニルジオール基、1,1’−ビ−2−ナフトール基、2,2’−ジヒドロキシ−6,6’−ジメチルビフェニル基、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’メチレンジフェノキシ基、4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−イソブチリデンジフェノキシ基等が挙げられる。
【0075】
また、前記L2に用いられるヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[8]で表される基も例示することができる。
33P=N− [8]
(式中、R3は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、それら2つ以上が互いに結合していてもよく、環構造を形成していてもよい。)
【0076】
前記一般式[8]におけるR3としては、例えば、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへプチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0077】
更に前記L2に用いられるヘテロ原子を含有する基としては、下記一般式[9]で表される基も例示することができる。

(式中、R61〜R66はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、シリル基またはアミノ基を表し、それら2つ以上が互いに結合していてもよく、環構造を形成していてもよい。)
【0078】
上記一般式[9]におけるR61〜R66としては、例えば、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、tert−ブチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−フルオレニル基、2−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ピリジル基、シクロヘキシル基、2−イソプロピルフェニル基、ベンジル基、メチル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2−クロロフェニル基等挙げられる。
【0079】
2に用いられるキレート性配位子とは、複数の配位部位を有する配位子を指す。キレート性配位子としては、例えば、アセチルアセトナート、ジイミン、オキサゾリン、ビスオキサゾリン、テルピリジン、アシルヒドラゾン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポルフィリン、クラウンエーテル、クリプタート等が挙げられる。
【0080】
2が複数存在する場合、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基またはヘテロ原子を含有する基同士は、それぞれ互いに直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基等の無置換もしくは置換アルキレン基;シリレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基等の無置換もしくは置換シリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子等のヘテロ原子等が挙げられる。
【0081】
一般式[7]におけるX8は、ハロゲン原子、炭化水素基(ただし、ここではシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。)または炭化水素オキシ基である。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、ここでいう炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基またはアルケニル基等が挙げられる。
【0082】
8に用いられるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パーブロモプロピル基等が挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれもメトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0083】
8に用いられるアルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはtert−ペンチル基である。
【0084】
8に用いられるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が挙げられる。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0085】
8に用いられるアラルキル基としては、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、より好ましくはベンジル基である。
【0086】
8に用いられるアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0087】
8に用いられるアリール基としては、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0088】
8に用いられるアルケニル基としては、好ましくは炭素原子数3〜20のアルケニル基であり、例えば、アリル基、メタリル基、クロチル基、1,3−ジフェニル−2−プロペニル基などが挙げられ、より好ましくはアリル基またはメタリル基である。
【0089】
8に用いられる炭化水素オキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基または炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基である。具体的には一般式[1]のL1で例示した炭化水素オキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基またはベンジルオキシ基等を挙げることができる。より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、フェノキシ基、2,6−ジ(tert−ブチル)フェノキシ基またはベンジルオキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、フェノキシ基、2,6−ジ(tert−ブチル)フェノキシ基またはベンジルオキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはフェノキシ基である。
【0090】
8としてより好ましくは塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ベンジル基、アリル基、メタリル基、メトキシ基、エトキシ基またはフェノキシ基である。更に好ましくは、塩素原子、メチル基、メトキシ基またはフェノキシ基である。
【0091】
一般式[7]におけるaは0<a≦8を満足する数であり、bは0<b≦8を満足する数であり、M6の価数に応じて適宜選択される。
【0092】
一般式[7]で表される金属化合物のうち、M6がチタン原子である化合物としては、例えば、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、
【0093】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド等や、上記化合物のジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、ジメトキシシリレンに置き換えた化合物等を挙げることができる。
【0094】
また、M6がチタン原子である化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(インデニル)チタンジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、ビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ビス[2−(ビス−3,5−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−メチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(3,5−ジメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(ペンタフルオロフェニル)インデニル]チタンジクロライド、
【0095】
シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、インデニル(フルオレニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2-フェニルインデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2-フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0096】
エチレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2-フェニルインデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0097】
エチレン(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、エチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(テトラメチルペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0098】
イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2-フェニルインデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0099】
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0100】
シクロペンタジエニル(ジメチルアミド)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フェノキシ)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、インデニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、フルオレニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、
【0101】
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(ベンジルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(フェニルフォスファイド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、
【0102】
(tert−ブチルアミド)インデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニルジメチルシランチタンジクロライド、
【0103】
(ジメチルアミノメチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノプロピル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(N−ピロリジニルエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタンジクロライド、
(B−ジメチルアミノボラベンゼン)シクロペンタジエニルチタンジクロライド、シクロペンタジエニル(9−メシチルボラアントラセニル)チタンジクロライド、
【0104】
2,2’−チオビス[4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4,6−ジメチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−スルフィニルビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−1,1’ビフェノキシ)チタンジクロライド、
【0105】
(ジ−tert−ブチル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、(ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)−1,3−プロパンジジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリイソプロピルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、
【0106】
シクロペンタジエニルチタントリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド、
【0107】
[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド等を挙げることができる。
【0108】
更には、M6がチタン原子である化合物としては、例えば、上記チタン化合物のジクロライドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ−n−プロポキシド、ジイソプロポキシド、ジ−n−ブトキシド、ジイソブトキシド、ジ−tert−ブトキシド、ジフェノキシドまたはジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に置き換えた化合物、上記チタン化合物のトリクロライドをトリフルオライド、トリブロマイド、トリアイオダイド、トリメチル、トリエチル、トリイソプロピル、トリフェニル、トリベンジル、トリメトキシド、トリエトキシド、トリ−n−プロポキシド、トリイソプロポキシド、トリ−n−ブトキシド、トリイソブトキシド、トリ−tert−ブトキシド、トリフェノキシドまたはトリ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に置き換えた化合物等も挙げることができる。
【0109】
一般式[7]で表される金属化合物のうち、M6がジルコニウム原子またはハフニウム原子である化合物としては、例えば、上記チタン化合物において、チタン原子をジルコニウム原子またはハフニウム原子に置き換えた化合物等を挙げることができる。
【0110】
一般式[7]で表される化合物のうち、M6がニッケル原子である化合物としては、例えば、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0111】
メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0112】
メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0113】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0114】
2,2−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0115】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−4−tert−ブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0116】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メチルフェニ)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0117】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、および上記各ニッケル化合物の対掌体やジアスレテオマー等が挙げられる。また、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド等を挙げることができる。
【0118】
更には、M6がニッケル原子である化合物としては、例えば、上記ニッケル化合物のジブロマイドをジフルオライド、ジクロライド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ−n−プロポキシド、ジイソプロポキシド、ジ−n−ブトキシド、ジイソブトキシド、ジ−tert−ブトキシド、ジフェノキシドまたはジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に置き換えた化合物等も挙げることができる。
【0119】
また、M6がニッケル原子である化合物としては、例えば、下記一般式[10]にて表される化合物等も挙げられる。

(式中、R71およびR72はそれぞれ2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、X9、X10、R73およびR74は下記の表1に表わされる置換基の組み合わせのいずれかである。)
【0120】
【表1】

【0121】
また、一般式[7]で表される金属化合物としては、例えば、上記のニッケル化合物において、ニッケルをパラジウム、コバルト、ロジウムまたはルテニウムに置き換えた化合物も同様に挙げることができる。
【0122】
一般式[7]で表される金属化合物のうち、M6が鉄である化合物としては、例えば、2,6−ビス−[1−(2,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2−tert−ブチル−フェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド等を挙げることができる。
【0123】
更には、一般式[7]で表される金属化合物のうち、M6が鉄である化合物としては、例えば、上記鉄化合物のジクロライドをジブロマイド、ジフルオライド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ−n−プロポキシド、ジイソプロポキシド、ジ−n−ブトキシド、ジイソブトキシド、ジ−tert−ブトキシド、ジフェノキシドまたはジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)に置き換えた化合物等を挙げることができる。
【0124】
また、一般式[7]で表される金属化合物として、上記の鉄化合物において、鉄をコバルトまたはニッケルに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0125】
一般式[7]で表される金属化合物のμ−オキソタイプの金属化合物としては、例えば、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、
【0126】
μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンメトキシド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンメトキシド]、
【0127】
ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタン]、ジ−μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタン]等が挙げられる。
【0128】
成分(B)において、金属原子がニッケル原子である他の化合物としては、例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸ニッケル、トリフルオロ酢酸ニッケル、シアン化ニッケル、シュウ酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス(アリル)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロビス(アセトニトリル)ニッケル、ジクロロビス(ベンゾニトリル)ニッケル、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)ニッケル、ジアセトビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、ビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、テトラアミンニッケルナイトレート、テトラキス(アセトニトリル)ニッケルテトラフルオロボレート、ニッケルフタロシアニン等が挙げられる。
【0129】
化合物(B)において、金属原子がバナジウム原子である化合物としては、例えば、バナジウムアセチルアセトナート、バナジウムテトラクロライド、バナジウムオキシトリクロライド等が挙げられ、金属原子がサマリウム原子である化合物としては、例えば、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムメチルテトラヒドロフラン等が挙げられ、金属原子がイッテルビウム原子である化合物としては、例えば、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イッテルビウムメチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0130】
これらの化合物(B)は一種類のみを用いてもよく、二種類以上を組み合わせてもよい。以上に例示した金属化合物のうち、本発明で用いる化合物(B)として、好ましくは前記の一般式[7]で表される金属化合物である。なかでも、前記一般式[7]におけるM6が元素周期律表第3〜11族の金属原子である金属化合物が好ましく、一般式[7]におけるL2の少なくとも一つがシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である金属化合物が更に好ましい。化合物(B)として、特に好ましくは下記一般式[4]〜[6]で表される金属化合物である。

(上記一般式[4]〜[6]において、M1〜M5は元素周期律表の第4族の原子を表し、A1〜A5は元素周期律表の第16族の原子を表し、J1〜J5は元素周期律表の第14族の原子を表す。Cp1〜Cp5はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。X1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基で置換された置換シリル基、炭化水素オキシ基、炭化水素基またはシリル基で置換された2置換アミノ基、炭化水素チオ基、炭化水素セレノ基を表し、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56はそれぞれ結合して単環構造または多環構造を形成してもよい。該単環または多環は、芳香族環であってもよく非芳香族環であってもよい。X5〜X7は元素周期律表の第16族の原子を表す。)
【0131】
上記一般式[4]〜[6]において、M1〜M5で表される金属原子とは、元素周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第4族の原子であり、例えば、チタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子等が挙げられる。好ましくは、チタニウム原子またはジルコニウム原子である。
【0132】
一般式[4]〜[6]において、Cp1〜Cp5として表されるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えば、無置換シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、無置換インデニル基、置換インデニル基、無置換フルオレニル基、置換フルオレニル基等である。Cp1〜Cp5としては、例えば、シクロぺンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロぺンタジエニル基、n−プロピルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、sec−ブチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロぺンタジエニル基、フェニルシクロぺンタジエニル基、トリメチルシリルシクロぺンタジエニル基、tert−ブチルジメチルシリルシクロぺンタジエニル基、インデニル基、メチルインデニル基、ジメチルインデニル基、n−プロピルインデニル基、イソプロピルインデニル基、n−ブチルインデニル基、tert−ブチルインデニル基、フェニルインデニル基、メチルフェニルインデニル基、ナフチルインデニル基、トリメチルシリルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、メチルフルオレニル基、ジメチルフルオレニル基、tert−ブチルフルオレニル基、ジ−tert−ブチルフルオレニル基、フェニルフルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基、トリメチルシリルフルオレニル基、ビストリメチルシリルフルオレニル基等が挙げられ、好ましくはシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基またはジ−tert−ブチルフルオレニル基等が挙げられる。
【0133】
Cp1〜Cp5の多座性ηは特に限定されなく、Cp1〜Cp5のとりうるいずれの値でもよい。例えば、5座、4座、3座、2座、単座が挙げられ、好ましくは5座、3座または単座であり、より好ましくは5座または3座である。
【0134】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは塩素原子である。
【0135】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基等を挙げることができる。
【0136】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基またはn−エイコシル基等が挙げられる。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基またはパーブロモプロピル基等が挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0137】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはtert−ペンチル基である。
【0138】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が挙げられる。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0139】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、より好ましくはベンジル基である。
【0140】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0141】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリール基としては、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0142】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基で置換された置換シリル基における炭化水素基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。該炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基またはシクロヘキシル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基またはフェニル基等のアリール基等が好ましく挙げられる。
【0143】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素で置換された置換シリル基としては、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基またはフェニルシリル基等の炭素原子数1〜20の1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基またはジフェニルシリル基等の炭素原子数2〜20の2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基またはトリフェニルシリル基等の炭素原子数3〜20の3置換シリル基等が好ましく挙げられ、更に好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基またはトリフェニルシリル基である。
【0144】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素オキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
【0145】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、 n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらのアルコキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、またはトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0146】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基またはtert−ブトキシ基である。
【0147】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基等が挙げられる。
これらのアラルキルオキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0148】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルオキシ基としては、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基が好ましく、より好ましくはベンジルオキシ基である。
【0149】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2、3−ジメチルフェノキシ基、2、4−ジメチルフェノキシ基、2、5−ジメチルフェノキシ基、2、6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、 n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、 n−デシルフェノキシ基、 n−テトラデシルフェノキシ基、 ナフトキシ基、アントラセノキシ基等が挙げられる。
これらのアリールオキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0150】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が好ましい。
【0151】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素基またはシリル基で置換された2置換アミノ基とは2つの炭化水素基で置換されたアミノ基または2つのシリル基で置換されたアミノ基であって、該炭化水素基または該シリル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基またはシクロヘキシル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基;フェニル基等の炭素原子数6〜20のアリール基;ベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基等が好ましく挙げられ、シリル基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。かかる2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基またはビストリメチルシリルアミノ基である。
【0152】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素チオ基としては、例えば、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。
【0153】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、 n−ヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−エイコシルチオ基等が挙げられる。
これらのアルキルチオ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0154】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルチオ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基が好ましく、より好ましくはメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基またはtert−ブチルチオ基である。
【0155】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基、(2−メチルフェニル)メチルチオ基、(3−メチルフェニル)メチルチオ基、(4−メチルフェニル)メチルチオ基、(2,3−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2,5−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2,6−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(3,4−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(3,5−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(ペンタメチルフェニル)メチルチオ基、(エチルフェニル)メチルチオ基、(n−プロピルフェニル)メチルチオ基、(イソプロピルフェニル)メチルチオ基、(n−ブチルフェニル)メチルチオ基、(sec−ブチルフェニル)メチルチオ基、(tert−ブチルフェニル)メチルチオ基、(n−ヘキシルフェニル)メチルチオ基、(n−オクチルフェニル)メチルチオ基、(n−デシルフェニル)メチルチオ基、ナフチルメチルチオ基、アントラセニルメチルチオ基等が挙げられる。
これらのアラルキルチオ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0156】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルチオ基としては、炭素原子数7〜20のアラルキルチオ基が好ましく、より好ましくはベンジルチオ基である。
【0157】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2、3−ジメチルフェニルチオ基、2、4−ジメチルフェニルチオ基、2、5−ジメチルフェニルチオ基、2、6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルチオ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルチオ基、ペンタメチルフェニルチオ基、エチルフェニルチオ基、n−プロピルフェニルチオ基、イソプロピルフェニルチオ基、n−ブチルフェニルチオ基、sec−ブチルフェニルチオ基、tert−ブチルフェニルチオ基、n−ヘキシルフェニルチオ基、n−オクチルフェニルチオ基、n−デシルフェニルチオ基、n−テトラデシルフェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラセニルチオ基等が挙げられる。
これらのアリールチオ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0158】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールチオ基としては、炭素原子数6〜20のアリールチオ基が好ましい。
【0159】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56における炭化水素セレノ基としては、例えば、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基等が挙げられる。
【0160】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルセレノ基としては、例えば、メチルセレノ基、エチルセレノ基、n−プロピルセレノ基、イソプロピルセレノ基、n−ブチルセレノ基、sec−ブチルセレノ基、tert−ブチルセレノ基、n−ペンチルセレノ基、ネオペンチルセレノ基、n−ヘキシルセレノ基、n−オクチルセレノ基、n−ドデシルセレノ基、n−ペンタデシルセレノ基、n−エイコシルセレノ基等が挙げられる。
これらのアルキルセレノ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0161】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアルキルセレノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルセレノ基が好ましく、より好ましくはメチルセレノ基、エチルセレノ基、イソプロピルセレノ基またはtert−ブチルセレノ基である。
【0162】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルセレノ基としては、例えば、ベンジルセレノ基、(2−メチルフェニル)メチルセレノ基、(3−メチルフェニル)メチルセレノ基、(4−メチルフェニル)メチルセレノ基、(2、3−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、4−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、5−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、6−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,4−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,5−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(ペンタメチルフェニル)メチルセレノ基、(エチルフェニル)メチルセレノ基、(n−プロピルフェニル)メチルセレノ基、(イソプロピルフェニル)メチルセレノ基、(n−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(sec−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(tert−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(n−ヘキシルフェニル)メチルセレノ基、(n−オクチルフェニル)メチルセレノ基、(n−デシルフェニル)メチルセレノ基、ナフチルメチルセレノ基、アントラセニルメチルセレノ基等が挙げられる。
これらのアラルキルセレノ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0163】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアラルキルセレノ基としては、炭素原子数7〜20のアラルキルセレノ基が好ましく、より好ましくはベンジルセレノ基である。
【0164】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールセレノ基としては、例えば、フェニルセレノ基、2−メチルフェニルセレノ基、3−メチルフェニルセレノ基、4−メチルフェニルセレノ基、2、3−ジメチルフェニルセレノ基、2、4−ジメチルフェニルセレノ基、2、5−ジメチルフェニルセレノ基、2、6−ジメチルフェニルセレノ基、3,4−ジメチルフェニルセレノ基、3,5−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェニルセレノ基、2,3,4−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,4,6−トリメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルセレノ基、3,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルセレノ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルセレノ基、ペンタメチルフェニルセレノ基、エチルフェニルセレノ基、 n−プロピルフェニルセレノ基、イソプロピルフェニルセレノ基、n−ブチルフェニルセレノ基、sec−ブチルフェニルセレノ基、tert−ブチルフェニルセレノ基、n−ヘキシルフェニルセレノ基、n−オクチルフェニルセレノ基、n−デシルフェニルセレノ基、n−テトラデシルフェニルセレノ基、ナフチルセレノ基、アントラセニルセレノ基等が挙げられる。
これらのアリールセレノ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。
【0165】
一般式[4]〜[6]のX1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56におけるアリールセレノ基としては、炭素原子数6〜20のアリールセレノ基が好ましい。
【0166】
一般式[4]〜[6]において好ましくは、X1〜X4はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基または炭化水素またはシリル基で置換された2置換アミノ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基である。
【0167】
一般式[4]〜[6]において好ましくは、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44およびR51〜R54は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基で置換された置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基であり、特にR11、R21、R31、R41およびR51は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基で置換された置換シリル基であることが好ましい。
【0168】
また、一般式[4]〜[6]におけるR15、R16、R25、R26、R35、R36、R45、R46、R55およびR56は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基で置換された置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基であることが好ましい。
【0169】
上記一般式[5]および[6]におけるX5〜X7は、元素周期律表の第16族の原子を示す。X5〜X7としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、セレン原子が挙げられ、好ましくは酸素原子または硫黄原子であり、更に好ましくは酸素原子である。
【0170】
一般式[4]〜[6]において、A1〜A5で表される元素周期律表の第16族の原子としては、例えば、原子、硫黄原子またはセレン原子等が挙げられ、好ましくは、酸素原子である。
【0171】
一般式[4]〜[6]において、J1〜J5で表される元素周期律表の第14族の原子としては、例えば、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子等が挙げられ、好ましくは、炭素原子、ケイ素原子である。
【0172】
上記一般式[4]で表される金属化合物としては、例えば、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0173】
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0174】
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド等や上記化合物のシクロペンタジエニルをメチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、フェニルインデニル、フルオレニルまたはジ−tert−ブチル−フルオレニルに置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物のジクロライドをジメチル、ジベンジル、ジメトキシド、ジフェノキシド、ビス(ジメチルアミノ)またはビス(ジエチルアミノ)に置き換えた化合物等を挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることができる。
【0175】
また、上記一般式[4]で表される金属化合物としては、例えば、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタニウムジクロライド等や上記化合物のシクロペンタジエニルをメチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、フェニルインデニル、フルオレニルまたはジ−tert−ブチル−フルオレニルに置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物の2−フェノキシを3−フェニル−2−フェノキシ、3−トリメチルシリル−2−フェノキシまたは3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシに置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物のジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレンまたはジメトキシシリレンに置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物のジクロライドをジメチル、ジベンジル、ジメトキシド、ジフェノキシド、ビス(ジメチルアミノ)またはビス(ジエチルアミノ)に置き換えた化合物等を挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物等も挙げることができる。
【0176】
一般式[5]で表される金属化合物としては、例えば、μ−オキソビス{イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、
【0177】
μ−オキソビス{ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムクロライド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}、μ−オキソビス{ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムクロライド}またはμ−オキソビス{ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムメトキシド}等や上記化合物のシクロペンタジエニルをジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、フェニルインデニル、フルオレニルまたはジ−tert−ブチル−フルオレニルに置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物の(2−フェノキシ)を(3−メチル−2−フェノキシ)、(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)、(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)、(3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシ)または(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)に置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物のクロライドをメチル、ベンジル、フェノキシド、ジメチルアミノまたはジエチルアミノに置き換えた化合物等を挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物等も挙げることができる。
【0178】
一般式[6]で表される金属化合物としては、例えば、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、
【0179】
ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}、ジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウム}またはジ−μ−オキソビス{ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウム}等や上記化合物のシクロペンタジエニルをジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、フェニルインデニル、フルオレニルまたはジ−tert−ブチル−フルオレニルに置き換えた化合物等を挙げることができる。また、上記化合物の2−フェノキシを3−メチル−2−フェノキシ、3,5−ジメチル−2−フェノキシ、3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ、3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシまたは3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシに置き換えた化合物等を挙げることができる。更には、上記化合物のチタニウムをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物等も挙げることができる。
【0180】
本発明の一般式[4]〜[6]で表される化合物の製造方法は、例えば、特開平9-87313に記載の製造方法にしたがって製造することができる。
【0181】
本発明の付加重合用触媒に用いられる化合物(C)としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。好ましくは、下記一般式[12]で表される有機アルミニウム化合物である。
18dAlY3-d [12]
(式中、dは0<d≦3を満足する数を表す。R18は炭化水素基を表し、R18が複数存在する場合、複数のR18は互いに同じであっても異なっていてもよい。Yは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素オキシ基を表し、Yが複数存在する場合、複数のYは互いに同じであっても異なっていてもよい。)
【0182】
一般式[12]におけるR18として好ましくは、炭素原子数1〜24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜24のアルキル基である。炭素原子数1〜24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、ノルマルオクチル基等が挙げられ、好ましくはエチル基、ノルマルブチル基、イソブチル基またはn−ヘキシル基である。
【0183】
一般式[12]のYにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
【0184】
一般式[12]のYにおける炭化水素オキシ基としては、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基が好ましい。
【0185】
一般式[12]のYにおけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。これらのアルコキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基等で置換されていてもよい。
【0186】
一般式[12]のYにおけるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜24のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基である。
【0187】
一般式[12]のYにおけるアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基等が挙げられる。
これらのアラルキルオキシル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基等で置換されていてもよい。
【0188】
一般式[12]のYにおけるアラルキルオキシ基としては炭素原子数7〜24のアラルキルオキシ基が好ましく、より好ましくはベンジルオキシ基である。
【0189】
一般式[12]のYにおけるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基等が挙げられる。
これらのアリールオキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基等で置換されていてもよい。
【0190】
一般式[12]のYにおけるアリールオキシ基としては炭素原子数6〜24のアリールオキシ基が好ましい。
【0191】
一般式[12]で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジノルマルプロピルアルミニウムクロライド、ジノルマルブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジノルマルヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ノルマルプロピルアルミニウムジクロライド、ノルマルブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ノルマルヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルプロピルアルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ(t−ブトキシ)アルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−t−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、ジメチル(t−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;トリフェノキシアルミニウム、トリス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のトリアリールオキシアルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム、ジメチル(フェノキシ)アルミニウム;ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等が挙げられる。
【0192】
これらの中で、好ましくはトリアルキルアルミニウムであり、更に好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムまたはトリノルマルヘキシルアルミニウムであり、特に好ましくはトリイソブチルアルミニウムまたはトリノルマルヘキシルアルミニウムである。
上記の有機アルミニウム化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0193】
本発明の付加重合用触媒において、成分(A)と化合物(B)の使用量比(モル比率)は、特に限定されないが、成分(A)と化合物(B)のモル比率は通常成分(A):化合物(B)=1:1〜10000:1であり、好ましくは成分(A):化合物(B)=1:1〜5000:1であり、更に好ましくは成分(A):化合物(B)=1:1〜1000:1である。化合物(C)を使用する場合の化合物(B)と化合物(C)の使用量比(モル比率)は通常化合物(B):化合物(C)=1:1〜1:10000であり、好ましくは化合物(B):化合物(C)=1:1〜1:1000である。
【0194】
本発明の付加重合用触媒としては、成分(A)および化合物(B)、場合によっては更に化合物(C)を予め接触させることにより得られた反応物を用いてもよく、重合反応装置中に別々に投入して用いてもよい。これらの中の任意の2つの成分または化合物を予め接触させて、その後もう一つの成分または化合物を接触させてもよい。
【0195】
本発明の付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造において使用できる付加重合性単量体としては、炭素原子数2〜100からなるオレフィン、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、極性モノマーのいずれをも用いることができ、同時に2種以上の付加重合性単量体を用いることもできる。
付加重合性単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、ビニルシクロヘキサン等のオレフィン;1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;アルケニルベンゼン(スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等)、アルキルスチレン(p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−sec−ブチルスチレン等)、ビスアルケニルベンゼン(ジビニルベンゼン等)、アルケニルナフタレン(1−ビニルナフタレン等)等のアルケニル芳香族炭化水素;α,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等)およびその金属塩(該金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等)、α,β−不飽和カルボン酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等)、不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、イタコン酸等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等)、不飽和カルボン酸グリシジルエステル類(アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等)、環状エーテル(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ヘキセンオキシド、シクロへキセンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等)等の極性モノマー等が挙げられる。
【0196】
本発明の付加重合用触媒は、これらの付加重合性単量体の単独重合または共重合に適用できる。共重合体を構成する付加重合性単量体の組み合わせとしては、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、プロピレンと1−ブテン、プロピレンと1−ヘキセン、エチレンとビニルシクロヘキサン、プロピレンとビニルシクロヘキサン等、およびそれらに更に5−エチリデン−2−ノルボルネンを使用する組み合わせが挙げられるが、本発明は、上記付加重合性単量体の組み合わせに限定されない。
【0197】
本発明の付加重合用触媒はオレフィン重合用触媒として特に好適であり、オレフィン重合体の製造方法に好適に用いられる。かかるオレフィン重合体として好ましくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、特に好ましくはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、なかでも直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびプラストマーが好ましい。
【0198】
本発明の付加重合体の製造における付加重合性単量体の重合方法は、特に限定されなく、例えば、脂肪族炭化水素(ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン等)またはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド等)を重合溶媒として用いる溶媒重合もしくはスラリー重合;液状単量体中で重合を実施するバルク重合;ガス状の単量体中で重合を実施する気相重合;高温高圧下に超臨界状態で重合を実施する高圧法等が挙げられる。重合形式としてはバッチ式、連続式いずれでも可能である。
【0199】
成分(A)、化合物(B)および化合物(C)を反応器に供給する方法としては、特に限定されない。各成分を固体状態で供給する方法、水分や酸素等の触媒を失活させる成分を十分に取り除いた溶媒に溶解させた溶液、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する方法等が挙げられる。
【0200】
重合温度は通常−100℃〜350℃であり、好ましくは−20℃〜300℃であり、より好ましくは160℃〜300℃である。重合圧力は通常0.1〜350MPaであり、好ましくは0.1〜300MPaであり、より好ましくは0.1〜200MPaである。重合時間は一般的に、目的とする付加重合体の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲をとることができる。また、付加重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【実施例】
【0201】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0202】
実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
【0203】
固体状成分の粒度分布
(株)堀場製作所製 超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700を用いて測定した。
【0204】
[実施例1]
窒素置換した5L四つ口フラスコに、成分(a)としてトリフェニルビスマス306g(695mmol)およびトルエン2Lを入れた。これに室温で、成分(b)として濃度2.79mol/Lのペンタフルオロフェノールのトルエン溶液245mLおよび濃度3.00mol/Lのペンタフルオロフェノールのトルエン溶液484mL(即ち、ペンタフルオロフェノール2136mmol)を滴下した。還流条件下、12時間攪拌を行った。室温で13時間静置し、その後、氷浴中にて5時間静置することにより析出した黄色結晶を濾別し、減圧下乾燥することにより、黄色結晶433gを得た。
[実施例2]
窒素置換した5L四つ口フラスコに、上記実施例1で得られた黄色結晶414g、トルエン2Lを入れた。該混合物を80℃の湯浴中で加熱撹拌することにより、内温を75℃とした。その後、成分(c)として水9.8mL(544mmol)を15分かけて滴下し、その温度を維持して1時間撹拌を行った。一晩静置し、上澄みを抜き取り、トルエン500mLで1回、ヘキサン400mLで2回洗浄した後、減圧下乾燥することにより黄白色パウダー233gを得た。
【0205】
[実施例3]
成分(a)としてトリフェニルビスマス304g(690mmol)、成分(b)として濃度2.88mol/Lのペンタフルオロフェノールのトルエン溶液755mL(即ち、ペンタフルオロフェノール2174mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、黄色結晶467gを得た。
【0206】
[実施例4]
実施例3で得られた黄色結晶345g、トルエン1.5L、成分(c)として水8.2mL(455mmol)を用いる以外は実施例2と同様にして、白色パウダー206gを得た。白色パウダーの粒度分布を測定した結果、粒子径が4.00μm以下である固体状成分の含有量は4.3体積%であり、粒子径が4.00μmを超え8.00μm以下である固体状成分の含有量は9.9体積%であり、粒子径が8.00μmを超え12.0μm以下である固体状成分の含有量は6.3体積%であり、粒子径が12.0μmを超え16.0μm以下である固体状成分の含有量は6.4体積%であり、粒子径が16.0μmを超え20.0μm以下である固体状成分の含有量は7.3体積%であり、粒子径が20.0μmを超え24.0μm以下である固体状成分の含有量は4.0体積%であり、粒子径が24.0μmを超え28.0μm以下である固体状成分の含有量は6.6体積%であり、粒子径が28.0μmを超え32.0μm以下である固体状成分の含有量は10.2体積%であり、粒子径が32.0μmを超える固体状成分は45.0体積%であった。平均粒子径は30.0μmであり、標準偏差は19.78μmであり、比表面積は0.147m2/gであった。
【0207】
[実施例5]
実施例2および実施例4で得られた固体状成分を併せた合計379gの固体状成分に、出光石油化学製 IPソルベント IP−2028を2001g加え、懸濁液とした。(株)シンマルエンタープライズ製 DYNO−MILL TYPE KDL 連続式 容量0.6Lに直径0.65mmのジルコニア製ボールを充填して固体状成分を粉砕することにより付加重合用触媒成分(A)を得た。粉砕時間は30分、15分、1時間の3回に分け、計1時間45分実施した。粉砕された固体状成分の粒度分布を測定した結果、粒子径が4.00μm以下である固体状成分の含有量が25.2体積%であり、粒子径が4.00μmを超え8.00μm以下である固体状成分の含有量が69.0体積%であり、粒子径が8.00μmを超え12.0μm以下である固体状成分の含有量が5.8体積%であり、粒子径が12.0μmを超える固体状成分は検出されなかった。平均粒子径は5.44μmであり、標準偏差は2.10μmであり、比表面積は0.514m2/gであった。
【0208】
[実施例6]
<化合物(B)(ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジメトキシド)の合成>
シュレンク管中、無水エーテル10mLにメタノール0.131g(4.1mmol)を溶解させ、−78℃で濃度1.05mol/Lのメチルリチウムのエーテル溶液3.9mL(メチルリチウム4.1mmol)を滴下した。20℃に昇温し、ガスの発生の終了を確認することにより、リチウムメトキシドの生成を確認し、再度−78℃に冷却した。もう一つのシュレンク管に予め用意したジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.919g(2.0mmol)の無水エーテル20mL懸濁液を、先の反応液に移送し、その後、徐々に室温まで昇温させた。反応液を濃縮後、トルエン20mLを加え、不溶物をろ別した。ろ液を濃縮し、下記構造式のジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジメトキシド(以下、化合物(B1)と称する。)を黄色結晶として取得した。(0.86g、収率95%)
1H−NMR(270MHz,C66) δ7.26(m,2H),4.13(s,6H),2.33(s,3H),1.97(s,6H),1.89(s,6H),1.59(s,9H),0.55(s,6H)

【0209】
[実施例7]
<付加重合体の製造>
内容積400mLの撹拌機付きオートクレーブを真空乾燥してアルゴンで置換後、溶媒としてトルエン185mL、第1の付加重合性単量体として1−ヘキセン15mLを仕込み、反応器を180℃まで昇温した。昇温後、第2の付加重合性単量体としてエチレンを分圧が2.5MPaになるように調整しながらフィードし、系内が安定した後、化合物(C)として濃度1mol/Lのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液1.0mL(トリイソブチルアルミニウム1.0mmol)を投入し、化合物(B1)とトリイソブチルアルミニウムが混合されたヘプタン溶液(化合物(B1)の濃度は1μmol/mL、トリイソブチルアルミニウムの濃度は50μmol/mLで、アルミニウム原子とチタン原子のモル比率(アルミニウム原子/チタン原子)を50に調整した。)を0.5mL(即ち、化合物(B1)を0.5μmol、トリイソブチルアルミニウムを25μmol)投入し、成分(A)として実施例5で得られたスラリーに出光石油化学製IPソルベント IP−2028を加えて0.14g−固体状成分/mLの濃度に希釈した成分(A)のスラリー1.6mLを投入して重合を開始した。2分間重合を行った。重合の結果2.0gのエチレン/1−ヘキセン共重合体が得られた。重合活性は4.0×106g/mol−Ti/2分であった。
【0210】
[比較例1]
実施例5における成分(A)のスラリーの代わりに実施例4で得られた白色パウダー664mgに出光石油化学製 IPソルベント IP−2028を14.6mL加えて調整した懸濁液を5.0mL使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。痕跡量のポリマーが得られたのみであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(a)、(b)および(c)を接触させてなる付加重合用触媒成分であって、粒子径が30μm以上である固体状成分の含有量が10体積%以下(ただし、該付加重合用触媒成分中の固体状成分の総量を100体積%とする。)である付加重合用触媒成分。
(a)下記一般式[1]で表される化合物
BiL1r [1]
(b)下記一般式[2]で表される化合物
1s-11H [2]
(c)下記一般式[3]で表される化合物
2t-222 [3]
(上記一般式[1]〜[3]において、Biはビスマス原子を表し、rはBiの原子価に相当する数を表し、L1は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基または炭化水素オキシ基を表し、L1が複数存在する場合、複数のL1は互いに同じであっても異なっていてもよく、T1およびT2はそれぞれ独立に元素周期律表の第15族または第16族の非金属原子を表し、sはT1の原子価に相当する数を表し、tはT2の原子価に相当する数を表し、R1は電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R1が複数存在する場合、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、R2は炭化水素基を表し、R2が複数存在する場合、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。)
【請求項2】
請求項1に記載の付加重合用触媒成分(A)および元素周期律表の第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させてなる付加重合用触媒。
【請求項3】
請求項1に記載の付加重合用触媒成分(A)、元素周期律表の第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)および有機アルミニウム化合物(C)を接触させてなる付加重合用触媒。
【請求項4】
元素周期律表の第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)が、メタロセン化合物またはハーフメタロセン化合物である請求項2または3に記載の付加重合用触媒。
【請求項5】
元素周期律表の第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)が、ハーフメタロセン化合物である請求項4に記載の付加重合用触媒。
【請求項6】
ハーフメタロセン化合物が、下記一般式[4]〜[6]のいずれかで表される請求項5に記載の付加重合用触媒。

(上記一般式[4]〜[6]において、M1〜M5は元素周期律表の第4族の原子を表し、A1〜A5は元素周期律表の第16族の原子を表し、J1〜J5は元素周期律表の第14族の原子を表す。Cp1〜Cp5はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。X1〜X4、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基で置換された置換シリル基、炭化水素オキシ基、炭化水素基またはシリル基で置換された2置換アミノ基、炭化水素チオ基、炭化水素セレノ基を表し、R11〜R16、R21〜R26、R31〜R36、R41〜R46およびR51〜R56はそれぞれ結合して単環構造または多環構造を形成してもよい。該単環構造または多環構造は、芳香族環であってもよく非芳香族環であってもよい。X5〜X7は元素周期律表の第16族の原子を表す。)
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法。
【請求項8】
付加重合体の重合温度が160〜300℃である請求項7に記載の付加重合体の製造方法。
【請求項9】
付加重合体がオレフィン重合体である請求項7または8に記載の付加重合体の製造方法。
【請求項10】
オレフィン重合体がエチレンとα−オレフィンとの共重合体である請求項9に記載の付加重合体の製造方法。




【公開番号】特開2006−233114(P2006−233114A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52868(P2005−52868)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】