説明

代謝障害を治療するための方法および試薬

本発明は、糖尿病および肥満などの代謝障害を治療するための組成物、方法、およびキットを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は、糖尿病および肥満などの代謝障害の治療、予防、および軽減に関する。
【0002】
血中グルコースレベルが食後に上昇すると、インスリンが分泌され、末梢組織(骨格筋および脂肪)の細胞がエネルギー源として血液からグルコースを活発に取り込むのを促進する。不完全なインスリン分泌または作用の結果としてのグルコース恒常性の低下は、典型的には、肥満と同時に引き起こされ得、または肥満によってさらに悪化し得る糖尿病などの代謝障害をもたらす。これらの状態はしばしば致死的であるため、血流からの適切なグルコースクリアランスを回復させる戦略が必要とされている。
【0003】
糖尿病は、膵臓に広範囲の損傷を引き起こす任意の状態(例えば、膵炎、腫瘍、コルチコステロイドまたはペンタミジンなどある種の薬物の投与、鉄過剰(例えばヘモクロマトーシス)、後天的または遺伝的内分泌障害、および外科的切除)に続発して起こり得るが、糖尿病の最も一般的な型は、典型的にはインスリンシグナル伝達系の原発性障害から起こる。糖尿病には2種の主要なタイプ、すなわち1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM)としても公知である)および2型糖尿病(インスリン非依存性または非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)としても公知である)があり、これらは発病の原因となるメカニズムが異なるにも関わらず、共通の長期合併症を共に有する。
【0004】
原発性糖尿病の全症例の約10%を占める1型糖尿病は、膵臓のインスリン産生β細胞の広範囲の破壊を特徴とする器官特異的な自己免疫疾患である。結果として起こるインスリン産生の低下は、必然的にグルコース代謝の調節解除を招く。インスリン投与はこの状態に罹患している患者に顕著な利益を提供するが、インスリンの短い血清半減期が、正常血糖の維持に対する主要な障害となっている。代替治療は膵島移植であるが、この戦略からは限られた成功しか得られていない。
【0005】
人口のより多くの割合を冒している2型糖尿病は、インスリン分泌の調節解除および/またはインスリンに対する末梢組織の応答低下、すなわちインスリン抵抗性を特徴とする。2型糖尿病の病因は依然として不明であるが、疫学的な研究により、糖尿病のこの型が、それぞれ独自の素因となるリスクを与え、かつ過剰な体重、食餌、不活動、薬物、および過剰なアルコール摂取を含む環境因子によって改変される複数の遺伝的欠陥または多形の集合の結果として生じることが示唆されている。2型糖尿病の管理のために様々な治療的処置が利用可能であるが、それらは衰弱を引き起こす様々な副作用を伴う。したがって、2型糖尿病と診断されたまたは有するリスクがある患者は、しばしば体重の減量、食餌の変更、運動、および適度なアルコール摂取を含む、より健康的な生活様式を採用することを勧められる。しかしながら、このような生活様式の変更は、糖尿病によって引き起こされた血管および器官の損傷を元に戻すには十分ではない。
【0006】
糖尿病を管理するために現在利用可能なこれらの戦略は最適以下であるという状況から、より効果的であり、かつ衰弱を引き起こすこれらの副作用を伴わない治療が切実に必要とされている。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明は、代謝障害を治療、予防、および軽減するための組成物、方法、およびキットを特徴とする。本発明は、例えばインスリンシグナル伝達経路における改変(例えばインスリン産生、インスリンに対する抵抗性、または双方の低減)によって引き起こされ得る高血糖の状態を特徴とする任意の状態を有するまたは有するリスクがある患者を治療するのに特に有用である。本発明による治療が適用できる例示的な障害は、肥満、糖尿病(例えば1型糖尿病、2型糖尿病、若年性成人発症型糖尿病(MODY)、および妊娠糖尿病)、満腹、加齢による内分泌欠陥、ならびにそれらに関連した合併症のうち任意のもの(例えばX症候群、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、末梢血管疾患、高脂血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、および冠動脈性心疾患)である。
【0008】
第1の局面において、本発明は、(a)ベザフィブラートまたはその類似体;および(b)ジフルニサルまたはその類似体を含む組成物であって、ここでベザフィブラートおよびジフルニサルが、患者に投与された場合に代謝障害(例えば糖尿病もしくは肥満)を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する組成物を特徴とする。例示的な組合せは、ベザフィブラートおよびジフルニサル;ベザフィブラートおよび次サリチル酸ビスマス;ベザフィブラートおよびニモスリド(nimosulide);ベザフィブラートおよびオキサプロジン;ベザフィブラートおよびジクロフェナク;ベザフィブラートおよびサンジラク(sundilac);ベザフィブラートおよびイブプロフェン;クロフィブラートおよびジフルニサル;クロフィブラートおよび次サリチル酸ビスマス;クロフィブラートおよびニモスリド;クロフィブラートおよびオキサプロジン;クロフィブラートおよびジクロフェナク;クロフィブラートおよびサンジラク;クロフィブラートおよびイブプロフェン;クロフィブル酸およびジフルニサル;クロフィブル酸および次サリチル酸ビスマス;クロフィブル酸およびニモスリド;クロフィブル酸およびオキサプロジン;クロフィブル酸およびジクロフェナク;クロフィブル酸およびサンジラク;クロフィブル酸およびイブプロフェン;クリノフィブラートおよびジフルニサル;クリノフィブラートおよび次サリチル酸ビスマス;クリノフィブラートおよびニモスリド;クリノフィブラートおよびオキサプロジン;クリノフィブラートおよびジクロフェナク;クリノフィブラートおよびサンジラク;クリノフィブラートおよびイブプロフェン;ゲムフィブロジルおよびジフルニサル;ゲムフィブロジルおよび次サリチル酸ビスマス;ゲムフィブロジルおよびニモスリド;ゲムフィブロジルおよびオキサプロジン;ゲムフィブロジルおよびジクロフェナク;ゲムフィブロジルおよびサンジラク;ならびにゲムフィブロジルおよびイブプロフェンである。
【0009】
第2の局面において、本発明は、(a)ベザフィブラートまたはその類似体;および(b)ケイ皮酸またはその類似体を含む組成物であって、ここで、ベザフィブラートおよびジフルニサルが、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する組成物を特徴とする。
【0010】
例示的なベザフィブラート類似体は、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブル酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、またはゲムフィブロジルである。
【0011】
前述の局面のいずれかにおいて、組成物は、スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、プロテインキナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択される第3の作用物質を含み得る。
【0012】
本発明の組成物は、経口投与または全身投与用に調製され得る。
【0013】
本発明はまた、治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を、(i)ベザフィブラートまたはその類似体;および(ii)ジフルニサルまたはその類似体をその患者に投与することによって治療、予防、または軽減するための方法であって、ここで、ベザフィブラートおよびジフルニサルが、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法も特徴とする。例示的な組合せは、ベザフィブラートおよびジフルニサル;ベザフィブラートおよび次サリチル酸ビスマス;ベザフィブラートおよびニモスリド;ベザフィブラートおよびオキサプロジン;ベザフィブラートおよびジクロフェナク;ベザフィブラートおよびサンジラク;ベザフィブラートおよびイブプロフェン;クロフィブラートおよびジフルニサル;クロフィブラートおよび次サリチル酸ビスマス;クロフィブラートおよびニモスリド;クロフィブラートおよびオキサプロジン;クロフィブラートおよびジクロフェナク;クロフィブラートおよびサンジラク;クロフィブラートおよびイブプロフェン;クロフィブル酸およびジフルニサル;クロフィブル酸および次サリチル酸ビスマス;クロフィブル酸およびニモスリド;クロフィブル酸およびオキサプロジン;クロフィブル酸およびジクロフェナク;クロフィブル酸およびサンジラク;クロフィブル酸およびイブプロフェン;クリノフィブラートおよびジフルニサル;クリノフィブラートおよび次サリチル酸ビスマス;クリノフィブラートおよびニモスリド;クリノフィブラートおよびオキサプロジン;クリノフィブラートおよびジクロフェナク;クリノフィブラートおよびサンジラク;クリノフィブラートおよびイブプロフェン;ゲムフィブロジルおよびジフルニサル;ゲムフィブロジルおよび次サリチル酸ビスマス;ゲムフィブロジルおよびニモスリド;ゲムフィブロジルおよびオキサプロジン;ゲムフィブロジルおよびジクロフェナク;ゲムフィブロジルおよびサンジラク;ならびにゲムフィブロジルおよびイブプロフェンである。
【0014】
本発明はまた、治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を、(i)ベザフィブラートまたはその類似体;および(ii)ケイ皮酸またはその類似体をその患者に投与することによって治療、予防、または軽減するための方法であって、ここで、ベザフィブラートおよびケイ皮酸が、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法も特徴とする。
【0015】
前述の局面のいずれかにおいて、患者には、スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、プロテインキナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択される第3の作用物質も投与され得る。
【0016】
これらの2種の薬物は、経口投与または全身投与用に調製され得る。第1および第2の作用物質は、望ましくは互いの投与から10日以内、互いの投与から7日以内、互いの投与から24時間以内、または互いの投与から1時間以内に投与される。
【0017】
本発明はまた、(i)ベザフィブラートまたはその類似体;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にベザフィブラートおよびケイ皮酸またはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0018】
本発明はまた、(i)ベザフィブラートまたはその類似体;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にベザフィブラートおよびジフルニサルまたはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0019】
本発明はまた、(i)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にジフルニサルおよびベザフィブラートまたはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0020】
本発明はまた、(i)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にケイ皮酸およびベザフィブラートまたはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0021】
本発明はまた、(i)ベザフィブラートまたはその類似体およびケイ皮酸またはその類似体を含む組成物;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にその組成物を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0022】
本発明はまた、(i)ベザフィブラートまたはその類似体およびジフルニサルまたはその類似体を含む組成物;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にその組成物を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0023】
本発明はまた、(i)ベザフィブラートまたはその類似体;(ii)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にベザフィブラートおよびケイ皮酸を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0024】
本発明はまた、(i)ベザフィブラートまたはその類似体;(ii)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にベザフィブラートおよびジフルニサルを投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0025】
本発明はまた、(a)PPARアゴニスト;および(b)ジフルニサルまたはその類似体を含む組成物であって、ここで、PPARアゴニストおよびジフルニサルが、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する組成物も特徴とする。
【0026】
本発明はまた、(a)PPARアゴニスト;および(b)ケイ皮酸またはその類似体を含む組成物であって、ここで、PPARアゴニストおよびジフルニサルが、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する組成物も特徴とする。
【0027】
前述の局面のいずれかにおいて、患者には、スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、プロテインキナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択される第3の作用物質も投与され得る。
【0028】
本発明の組成物は、経口投与または全身投与用に調製され得る。
【0029】
本発明はまた、治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を、(i)PPARアゴニスト;および(ii)ジフルニサルまたはその類似体をその患者に投与することによって治療、予防、または軽減するための方法であって、ここで、PPARγアゴニストおよびジフルニサルが、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法も特徴とする。
【0030】
本発明はまた、治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を、(i)PPARアゴニスト;および(ii)ケイ皮酸またはその類似体をその患者に投与することによって治療、予防、または軽減するための方法であって、ここで、PPARγアゴニストおよびケイ皮酸が、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法も特徴とする。
【0031】
本発明はまた、(i)PPARアゴニスト;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にPPARアゴニストおよびケイ皮酸またはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0032】
本発明は、(i)PPARアゴニスト;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にPPARアゴニストおよびジフルニサルまたはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットを特徴とする。
【0033】
本発明は、(i)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にジフルニサルおよびPPARアゴニストまたはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットを特徴とする。
【0034】
本発明はまた、(i)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にケイ皮酸およびPPARアゴニストまたはその類似体を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0035】
本発明はまた、(i)PPARアゴニストまたはその類似体およびケイ皮酸またはその類似体を含む組成物;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にその組成物を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0036】
本発明はまた、(i)PPARアゴニストまたはその類似体およびジフルニサルまたはその類似体を含む組成物;ならびに(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にその組成物を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0037】
本発明はまた、(i)PPARアゴニストまたはその類似体;(ii)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にPPARアゴニストおよびケイ皮酸を投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0038】
本発明はまた、(i)PPARアゴニストまたはその類似体;(ii)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にPPARアゴニストおよびジフルニサルを投与するための取扱い説明書を含むキットも特徴とする。
【0039】
前述のリスト(lits)の任意のものにおいて、PPARアゴニストは、望ましくはPPARγアゴニスト(例えばバラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、CS-011、GI262570、GW347845、またはFK614)である。
【0040】
本発明はまた、表1に記載される1種または複数種の作用物質を、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で哺乳動物(例えばヒト)に投与することによって代謝障害を治療する方法も特徴とする。
【0041】
例えば、治療される哺乳動物には、表1に記載される2種の作用物質が、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で互いの投与から28日以内に投与され得る。これらの2種の作用物質は、望ましくは互いの投与から14日以内、より望ましくは互いの投与から7日以内、およびさらにより望ましくは互いの投与から24時間以内、またはさらには同時に(すなわち相伴って)投与される。望ましいならば、これらの2種の作用物質のうちのいずれか1種は低用量で投与され得る。
【0042】
治療される哺乳動物は付加的な治療計画を任意で受け得る。治療物質が付加的な治療計画として使用される場合、表1からの1種または複数種の作用物質および付加的物質は、哺乳動物に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で存在する。付加的物質は、スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、プロテインキナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択され得る。
【0043】
望ましいならば、複数の治療物質が、表1に記載される作用物質のうち任意のものと共に使用され得る。
【0044】
(表1)

【0045】
哺乳動物に複数の作用物質が投与される場合には、それらの異なる作用物質は単一の製剤中に共に混合され得る。別々の製剤中で投与される場合、これらの作用物質は、同時にまたは互いの投与から14日以内、7日以内、もしくは1日以内に投与され得る。これらの作用物質は、同じ投与経路(例えば経口、静脈内、筋肉内、眼、局所、皮膚、皮下、および直腸)によって投与されてもされなくてもよい。付加的な治療計画は、低脂肪食もしくは低ナトリウム食の採用、ストレス管理、身体運動、アルコール摂取量の減少、または喫煙量の減少を含む生活様式の変更を任意で伴い得る。
【0046】
別の局面において、本発明は、表1に記載された作用物質のうちの任意の1種、および代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にそれを投与するための取扱い説明書を含むキットを特徴とする。キットは、表1からの2種、3種、4種、または4種以上の作用物質を任意で含み、それらは同じ製剤中に混合されてもされなくてもよい。このキットはまた、表1に記載された第2の作用物質と共にこの作用物質を投与するための取扱い説明書も含み得る。
【0047】
本発明はまた、(a)表1に記載された1種、2種、3種またはそれ以上の作用物質、および(b)以下の作用物質:スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン(thiazalidinedione)、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、または抗酸化薬のうちの1種または複数種を含むキットも特徴とする。このキットはまた、代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にこれらの作用物質を投与するための取扱い説明書も含む。
【0048】
または、本発明のキットは、表1に記載された1種、2種、3種もしくはそれ以上の作用物質、または以下の作用物質:スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬のうち任意のもの、ならびに代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者にこれら2種の作用物質を共に投与するための取扱い説明書を含み得る。
【0049】
本発明はまた、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有用な作用物質の組合せを同定する方法であって、(a)表1に記載された作用物質および候補化合物に細胞を接触させる工程;ならびに(b)作用物質のこの組合せが、表1からの作用物質にのみ接触させたが候補化合物には接触させなかった細胞に比べてグルコースレベルを低下させるかどうかを測定する工程を含む方法も特徴とする。グルコースレベルの低下により、その組合せが代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有用であることが確認される。グルコースレベルは、例えばインスリンシグナル伝達を改変すること(例えばそれにより、細胞中へのグルコース取込みおよびそれに続く貯蔵もしくは代謝を増大させること)、グルコース輸送担体活性を改変すること(例えばGLUT4の発現、移行、もしくは内因活性を増大させること)、インスリン感受性組織の量を増加させること(例えば脂肪細胞もしくは筋細胞の分化を増大させることによる)、または脂肪細胞もしくは筋細胞中の遺伝子転写を改変すること(例えば脂肪細胞由来因子の分泌の変化および代謝経路遺伝子の発現)によって低減され得る。
【0050】
例えば、有用な治療用の組合せを同定するためのスクリーニング方法は、(a)表1に記載された作用物質および候補化合物に細胞を接触させる工程;ならびに(b)作用物質のこの組合せが、表1からの作用物質に接触させたが候補化合物には接触させなかった細胞に比べてグルコースレベルが低下するようにインスリンシグナル伝達を改変するかどうかを測定する工程を含む。グルコースレベルを低下させるインスリンシグナル伝達の改変により、その組合せが代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有用であることが確認される。
【0051】
哺乳動物(例えばヒト)の細胞が、本明細書において記述するスクリーニング方法の任意のものにおいて使用され得る。筋細胞、腸細胞、脂肪細胞、肝細胞、および膵細胞が特に有用である。これらの細胞は、グルコースレベルが高められるようなインスリンシグナル伝達活性の改変を任意で有する。このようなグルコースレベルの低下は、インスリン産生の増加、インスリン分泌の増加、末梢組織によるグルコース取込みの増加、肝臓でのグルコース産生の減少、または腸からの炭水化物吸収の減少の結果として生じ得る。
【0052】
表1に記載された化合物のうち任意のものの類似体が、本発明の方法、キット、および組成物のうち任意のものにおいて使用され得る。このような類似体には、表2に記載されるものと同じ化学的クラス、機構的クラス、または治療的クラスに由来する任意の作用物質が含まれる。
【0053】
(表2)







【0054】
「代謝障害を治療、軽減、または予防すること」とは、そのような状態をそれが発生する前または後に改善することを意味する。同等の未処理の対照と比較して、このような軽減または予防の程度は、任意の標準技術によって測定されるように、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、または100%である。
【0055】
代謝障害を治療されている患者とは、開業医がそのような状態を有していると診断した人である。診断は、本明細書において記述するものなど任意の適切な手段によって実施され得る。糖尿病または肥満の発症が予防されている患者は、このような診断を受けていることもあれば受けていないこともある。当業者には、本発明の患者は標準の試験に供された可能性があること、または家族歴、肥満、特定の民族性(例えばアフリカ系アメリカ人およびヒスパニック系アメリカ人)、妊娠糖尿病もしくは体重が9ポンドを超える乳児の出産、高血圧、肥満もしくは糖尿病に罹患しやすくする病理学的状態を有すること、高レベルの血中トリグリセリド、高レベルの血中コレステロール、分子マーカーの存在(例えば自己抗体の存在)、ならびに年齢(45歳を超える年齢)など1種もしくは複数種のリスク要因の存在を原因として高リスクにある人として検査せずに特定された可能性があることが理解されよう。ある個体は、その体重が身長に対して望ましい最大重量を20%(女性の場合25%)またはそれ以上超える場合に肥満とみなされる。体重超過が100ポンドを超える成人は、病的に肥満であるとみなされる。肥満はまた、肥満度指数(BMI)が30kg/m2を超える場合としても定義される。
【0056】
「代謝障害」とは、患者の代謝の変化に起因する任意の病理学的状態を意味する。このような障害には、例えば高血糖を招く、グルコース恒常性の変化に起因するものが含まれる。本発明によれば、グルコースレベルの変化は典型的には、健康な個体におけるそれらのレベルに比べて少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはさらに100%のグルコースレベルの上昇である。代謝障害には、肥満および糖尿病(例えばI型糖尿病、II型糖尿病、MODY、および妊娠糖尿病)、満腹、ならびに加齢による内分泌欠陥が含まれる。
【0057】
「グルコースレベルを低下させる」とは、未処理の対照に比べて少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%、グルコースレベルを低下させることを意味する。望ましくは、グルコースレベルは、正常血糖レベル、すなわち150〜60mg/dLの間、140〜70mg/dLの間、130〜70mg/dLの間、125〜80mg/dLの間、および好ましくは120〜80mg/dLの間に低下する。このようなグルコースレベルの低下は、血液からのグルコースクリアランスに関連する生物活性のうちの任意の1種を増大させることによって実現され得る。したがって、グルコースレベルを低下させる能力を有する作用物質は、インスリンの産生、分泌、または作用を増大させ得る。インスリン作用は、例えば末梢組織によるグルコース取込みを増加させること、および/または肝臓のグルコース産生を減少させることによって増大され得る。または、本発明の作用物質は、腸からの炭水化物の吸収を減少させ得、グルコース輸送担体活性を改変し得(例えばGLUT4の発現、内因活性、もしくは移行を増大させることによる)、インスリン感受性組織の量を増加させ得(例えば脂肪細胞もしくは筋細胞の分化を増大させることによる)、または脂肪細胞もしくは筋細胞中の遺伝子転写を改変し得る(例えば脂肪細胞由来因子の分泌の変化および代謝経路遺伝子の発現)。望ましくは、本発明の作用物質は、グルコースクリアランスに関連する活性のうちの複数を増大させる。
【0058】
「グルコースレベルが低下するようにインスリンシグナル伝達経路を改変する」とは、全体的結果が血漿からのグルコースクリアランスの増加となるように、インスリンシグナル伝達に関与する活性のうちの任意の1種を(増大または低減させることによって)改変することを意味する。例えば、本発明の作用物質はインスリンシグナル伝達経路を改変して、インスリンの産生、分泌、もしくは作用の増大、末梢組織によるグルコース取込みの増加、肝臓でのグルコース産生の減少、または腸からの炭水化物吸収の減少を引き起こす。
【0059】
「患者」とは、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ウシ、魚、およびトリを含む任意の動物(例えばヒト)を意味する。
【0060】
「十分な量」とは、単独でまたは他の治療計画と組み合わせて、臨床的に適切な方式で糖尿病などの代謝障害を治療、予防、または軽減するのに必要とされるある化合物の量を意味する。糖尿病によって引き起こされるまたは糖尿病を引き起こすもととなる状態の治療的処置のために本発明を実施するのに使用される活性化合物の十分な量は、投与方式、哺乳動物または患者の年齢、体重、および全体的健康に応じて変動する。最終的には、処方者が適切な量および投与計画を決定することになる。さらに、有効量は、規制当局(米国食品医薬品局など)によって決定および承認されるような、各作用物質単独に関して糖尿病などの代謝障害を有する患者の治療において安全かつ有効である、本発明の組合せ物中の化合物の量でもよい。
【0061】
「より有効な」とは、治療がより高い有効性を示すこと、または比較される別の治療より毒性が低く、安全で、簡便で、もしくは安価であることを意味する。有効性は、所与の徴候に適した任意の標準方法を用いて、熟練した開業医によって測定され得る。
【0062】
「低用量」とは、ヒトの任意の疾患または状態を治療するために所与の投与経路用に調製された特定の化合物の標準推奨用量の最小量より少なくとも5%少ない(例えば少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、またはさらに95%)ことを意味する。例えば、グルコースレベルを低下させ、かつ吸入による投与用に調製される作用物質の低用量は、経口投与用に調製される同じ作用物質の低用量とは異なると考えられる。
【0063】
「高用量」とは、ヒトの任意の疾患または状態を治療するための特定の化合物の標準推奨用量の最大量より少なくとも5%(例えば少なくとも10%、20%、50%、100%、200%、またはさらに300%)多いことを意味する。
【0064】
本発明において有用な化合物には、ジアステレオマーおよびエナンチオマーなどの異性体、塩、エステル、溶媒和物、およびその多形体、ならびに本明細書において記述される化合物のラセミ混合物および純粋な異性体を含む、本明細書において記述される薬学的に許容される任意の形態のものが含まれる。
【0065】
「コルチコステロイド」とは、水素添加されたシクロペンタノペルヒドロフェナントレン環系を特徴とし、かつ免疫抑制および/または抗炎症活性を有する天然に存在するまたは合成の任意の化合物を意味する。天然に存在するコルチコステロイドは一般に副腎皮質によって産生される。合成コルチコステロイドは、ハロゲン化され得る。例示的なコルチコステロイドは、本明細書において提供される。
【0066】
「非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制薬」または「NsIDI」とは、炎症誘発性サイトカインの産生もしくは分泌を減少させ、イムノフィリンに結合し、または炎症誘発性応答の下方制御を引き起こす任意の非ステロイド性作用物質を意味する。NsIDIには、シクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムスなどのカルシニュリン阻害物質、ならびにカルシニュリンのホスファターゼ活性を阻害する他の作用物質(ペプチド、ペプチド断片、化学的に修飾されたペプチド、またはペプチドミメティック)が含まれる。NsIDIにはまた、FK506結合タンパク質FKBP-12に結合し、かつ抗原誘発性の白血球増殖およびサイトカイン分泌を阻止するラパマイシン(シロリムス)およびエベロリムスが含まれる。
【0067】
「低分子免疫調節薬」とは、炎症誘発性サイトカインの産生もしくは分泌を減少させ、炎症誘発性応答の下方制御を引き起こし、またはそうでなければイムノフィリンに依存しない方式で免疫系を調節する非ステロイド性の非NsIDI化合物を意味する。
【0068】
本発明の化合物の一般的説明において、置換基中の特定のタイプの原子の数は、一般に、ある範囲として与えられる。例えば、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基またはC1〜4アルキル。このような範囲への言及は、指定された範囲内の整数個の原子をそれぞれ有する基への個々の言及を含むと意図される。例えば、1〜4個の炭素原子のアルキル基には、C1、C2、C3、およびC4のそれぞれが含まれる。例えば、C1〜12ヘテロアルキルは、1個または複数のヘテロ原子に加えて1〜12個の炭素原子を含む。他の数の原子および他のタイプの原子も同様の方式で示され得る。
【0069】
本明細書において使用される場合、「アルキル」という用語および接頭辞「alk-」は、直鎖および分枝鎖の基の双方ならびに環状基、すなわちシクロアルキルを含む。環状基は、単環式または多環式であり得、かつ好ましくは3〜6個(3と6を含む)の環炭素原子を有する。例示的な環状基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基が含まれる。
【0070】
「C1〜4アルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状の炭化水素基を意味する。C1〜4アルキル基は、置換されていてもまたは置換されていなくてもよい。例示的な置換基には、アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハライド、ヒドロキシル、フルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、2置換アミノ、4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、およびカルボキシル基が含まれる。C1〜4アルキルには、限定されるわけではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、およびシクロブチルが含まれる。
【0071】
「ハロゲン」とは、臭素、塩素、ヨウ素、またはフッ素を意味する。
【0072】
「アルコキシ」とは、式-ORで表される化学置換基(式中、RはC1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10アルクヘテロシクリル(alkheterocyclyl)、またはC1〜7ヘテロアルキルより選択される)を意味する。
【0073】
本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0074】
詳細な説明
本発明者らは、ベザフィブラートを含むいくつかの組合せがインビトロおよびインビボの活性を有する化合物を発見した。これは、これらの組合せが、代謝障害と診断されたまたは有するリスクがある患者を治療するのに有用となり得ることを示唆する。任意で、これらの作用物質の類似体が使用され得る。例えば糖尿病および肥満の場合、このような投与は、グルコースレベルを低下させ得、LDLコレステロールレベルを低下させ得、HDLコレステロールレベルを上昇させ得、LDLコレステロールとHDLコレステロールの間のより好ましい比率をもたらし得、トリグリセリド値を低下させ得、またはCRP(C反応性タンパク質)の血清レベルを低下させ得る。グルコースクリアランスを引き起こす作用物質の能力は、例えばインスリンの産生、分泌、もしくは作用(例えば末梢組織によるグルコース取込みの促進および/もしくは肝臓でのグルコース産生の減少)を増大させる能力、腸からの炭水化物吸収を減少させる能力、グルコース輸送担体活性を改変する能力(例えばGLUT4の発現、内因活性、もしくは移行を増大させることによる)、インスリン感受性組織のレベルを上昇させる能力(例えば脂肪細胞もしくは筋細胞の分化を増大させることによる)、または脂肪細胞もしくは筋細胞中の遺伝子転写を改変する能力(例えば脂肪細胞由来因子の分泌の改変および代謝経路遺伝子の発現)に帰され得る。
【0075】
一つの実施例において、本発明者らは、糖尿病などの代謝障害を有する患者にベザフィブラートおよびケイ皮酸を互いの投与から14日以内に投与することにより、代謝障害が治療、予防、または軽減されると考えられることを提唱する。別の実施例において、ベザフィブラートおよびジフルニサルを互いの投与から14日以内に患者に投与することによっても、代謝障害が治療、予防、または軽減されると考えられる。これらの2種の作用物質は、望ましくは互いの投与から10日以内、より望ましくは互いの投与から7日以内、およびさらにより望ましくは互いの投与から24時間以内、互いの投与から1時間以内、またはさらには同時に(すなわち相伴って)投与される。望ましいならば、これらの2種の作用物質のうちのいずれか1種は低用量で投与され得る。
【0076】
この発見に鑑みて、前述の薬物の組合せは、本明細書において記述されるように、様々な組成物、方法、およびキット中で使用することができる。さらに、望ましいならば、構造的または機能的類似体が、組合せ中のこれらの薬物のうちの1種または複数種の代わりに使用され得る。このような類似体は後述される。
【0077】
本発明者らはまた、単独でまたは組み合わせて、糖尿病および肥満などの代謝障害の治療、軽減、または予防に有効な化合物も発見した。したがって、代謝障害と診断されたまたは有するリスクがある哺乳動物に、表1からの1種、2種、3種またはそれ以上の作用物質が投与される。任意で、これらの作用物質の類似体が使用され得る。例えば糖尿病および肥満の場合、このような投与は、グルコースレベルを低下させ得、LDLコレステロールレベルを低下させ得、HDLコレステロールレベルを上昇させ得、LDLコレステロールとHDLコレステロールの間のより好ましい比率をもたらし得、トリグリセリド値を低下させ得、またはCRP(C反応性タンパク質)の血清レベルを低下させ得る。グルコースクリアランスを引き起こす作用物質の能力は、例えばインスリンの産生、分泌、もしくは作用(例えば末梢組織によるグルコース取込みの促進および/もしくは肝臓でのグルコース産生の減少)を増大させる能力、腸からの炭水化物吸収を減少させる能力、グルコース輸送担体活性を改変する能力(例えばGLUT4の発現、内因活性、もしくは移行を増大させることによる)、インスリン感受性組織のレベルを上昇させる能力(例えば脂肪細胞もしくは筋細胞の分化を増大させることによる)、または脂肪細胞もしくは筋細胞中の遺伝子転写を改変する能力(例えば脂肪細胞由来因子の分泌の改変および代謝経路遺伝子の発現)に帰され得る。任意で、哺乳動物は他の治療計画も受け得る。
【0078】
一つの特定の実施例において、治療される哺乳動物には、表1に記載される2種の作用物質が、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で互いの投与から28日以内に投与される。これらの2種の作用物質は、望ましくは互いの投与から14日以内、より望ましくは互いの投与から7日以内、およびさらにより望ましくは互いの投与から24時間以内、またはさらには同時に(すなわち相伴って)投与される。望ましいならば、これらの2種の作用物質のうちのいずれか1種は低用量で投与され得る。
【0079】
代謝障害の診断
本発明の方法および組成物は、糖尿病などの代謝障害と診断されたまたは有するリスクがある任意の患者を治療するのに有用である。代謝障害(例えば糖尿病または肥満)の発症が予防されている患者は、このような診断を受けることもあれば受けないこともある。当業者には、本発明の患者は標準の試験に供された可能性があること、または1種もしくは複数種のリスク要因の存在を原因として高リスクにある人として検査せずに特定された可能性があることが理解されよう。
【0080】
代謝障害の診断は、本明細書において記述されるものなど当技術分野で公知の任意の標準方法を用いて実施され得る。糖尿病を診断するための方法は、例えば参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,537,806号において記載されている。糖尿病は、例えば、グルコースおよびケトンレベル(脂肪分解の産生物)を測定する尿試験(尿検査);血液中のグルコースレベルを測定する試験;グルコース負荷試験;ならびに哺乳動物から採取された生物試料(例えば血液、血清、または尿)中の代謝障害の特徴である分子マーカーを検出するアッセイ法(例えば糖尿病の場合、ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルの測定)を用いて診断および観察され得る。
【0081】
ランダムな血漿グルコース試験(1日の任意の時間に行われる)が200mg/dLもしくはそれ以上の値を示す場合、空腹時血漿グルコース試験が126mg/dLもしくはそれ以上の値を示す場合(8時間後)、または経口グルコース負荷試験(OGTT)が、水に溶解された75グラムのグルコースを含む飲料をある人が摂取した後2時間目に採取された血液試料において200mg/dLもしくはそれ以上の血漿グルコース値を示す場合には、患者はリスクがあるまたは糖尿病を有すると診断され得る。OGTTは、所定の間隔で3時間にわたって血漿グルコースを測定する。望ましくは、本発明に従って治療された糖尿病患者の血漿グルコースレベルは、160〜60mg/dLの間、150〜70mg/dLの間、140〜70mg/dLの間、135〜80mg/dLの間、および好ましくは120〜80mg/dLの間の範囲である。
【0082】
任意で、その前の2および3ヶ月の間の平均血中グルコースレベルを評価するヘモグロビンA1c(HbA1c)試験が使用され得る。糖尿病に罹患していない人は、典型的には4%〜6%の間の範囲のHbA1c値を有する。HbA1cが1%増加するごとに血中グルコースレベルは約30mg/dL増加し、合併症のリスクが増加する。好ましくは、本発明に従って治療される患者のHbA1c値は、9%未満、7%未満、6%未満、および最も好ましくは約5%に減少する。したがって、治療される患者のHbA1cレベルは、好ましくは治療前のそれらのレベルに比べて10%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上低下する。
【0083】
妊娠糖尿病は、典型的には、OGTTの間に測定される血漿グルコース値に基づいて診断される。グルコースレベルは普通、妊娠期間中は低くなっているため、妊娠時の糖尿病を診断するための閾値は妊娠前の同じ人における値より低い。ある女性が以下の数値のいずれかを満たすまたは超える2種の血漿グルコース測定値を有する場合、その女性は妊娠糖尿病に罹患している:空腹時血漿グルコースレベル95mg/dL、1時間後のレベル180mg/dL、2時間後のレベル155mg/dL、または3時間後のレベル140mg/dL。
【0084】
ケトン試験もまた、1型糖尿病を診断するために使用され得る。ケトンは、十分なインスリンが無い場合に血中で増加するため、それらは最終的に尿中に蓄積する。高レベルの血中ケトンは、ケトアシドーシスと呼ばれる重篤な状態をもたらし得る。
【0085】
上記の試験のうち任意のものまたは当技術分野で公知の他の任意の試験の使用が、本発明の治療の有効性を観察するのに使用され得る。ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルの測定値はその前の2〜3ヶ月の間の平均血中グルコースの指標であるため、この試験は、糖尿病治療に対する患者の応答を観察するのに使用され得る。
【0086】
ベザフィブラート
ベザフィブラート(2-[4-2-[(4-クロロベンゾイル)アミノ]-エチル]フェノジ]-2-メチルプロパン酸)は以下の構造を有する:

ベザフィブラートの合成は、米国特許第3,781,328号に記載されている。
【0087】
ベザフィブラート類似体
ベザフィブラート類似体には、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、およびゲムフィブロジルが含まれる。他のベザフィブラート類似体は、式(I)によって記述される。

この式において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、およびC1〜4アルコキシであり、R3およびR4はそれぞれ独立に水素およびC1〜4アルキルであり、nは、1、2、および3であり、かつZは、ヒドロキシルおよびC1〜4アルキルである。
【0088】
式(I)で表される特定のベザフィブラート類似体は、α-[4-(2-メトキシ-5-クロロベンゾイルアミノエチル)-フェノキシ-]イソ酪酸、α-[4-(4-メチルベンゾイルアミノエチル)-フェノキシ]-イソ酪酸、α-[4-(2-メチルベンゾイルアミノエチル)-フェノキシ]-イソ酪酸、およびα-[4-(4-クロロベンゾイルアミノエチル)-フェノキシ]-プロピオン酸である。
【0089】
ベザフィブラート類似体はまた、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる米国特許第3,262,850号;第3,674,836号;第3,716,583号;第3,723,446号,第3,948,973号;第4,010,279号;第4,026,896号;第4,042,711号;第4,058,552号;第4,151,303号;第4,153,728号;第4238,506号;第4,318,923号;および第4,409,240号においても記載されている。
【0090】
PPARアゴニスト
PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)は、核受容体スーパーファミリーに属するリガンド活性化転写因子である。3種の異なるPPARがこれまでに同定されており(PPARα、PPARβ、およびPPARγ)、それぞれ異なる組織分布パターンを示している。PPARは、脂肪酸およびエイコサノイド(ロイコトリエン、プロスタグランジン)などの天然リガンドによって、かつPPARαに結合するフィブラートおよびPPARγに結合するグリタゴンなど薬理学的アゴニストによって活性化される。リガンドによって活性化されると、PPARはいくつかの遺伝子の転写を調節する。活性化されたPPARは、別の核受容体、すなわちレチノイドX受容体とヘテロ二量体化し、かつ特異的なペルオキシソーム増殖因子応答配列(PPRE)に結合後、標的遺伝子の転写を改変する。
【0091】
ベザフィブラートはフィブラートであり、したがってPPARαアゴニストである。それでもなお、PPARαとPPARγの間に相互作用があるため、PPARγアゴニストが本発明の組成物、方法、およびキットにおいてベザフィブラートの代わりに使用され得る。例えば、チアゾリジンジオンとも呼ばれるグリタゾン(例えばバラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、およびCS-011)を、代謝障害を有する患者を治療するために、ケイ皮酸、ジフルニサル、またはその類似体と組み合わせて使用することができる。同様に、チロシンベースのPPARγ調節物質(例えばGI262570;[(S)-2-(2-ベンゾイルフェニルアミノ)-3-[4-[2-(5-メチル-2-フェニル-2-オキサゾール-4-イル)エトキシ]フェニル]プロピオン酸およびGW347845(Cobb et al., J Med Chem.41:5055-5069, 1998))もまた、他のPPARγアゴニスト(例えば3-(2,4-ジクロロベンジル)-2-メチル-N-(ペンチルスルホニル)-3H-ベンゾイミダゾール-5-カルボキサミド(FK614))が使用できるように、ベザフィブラートの代わりに使用することができる。
【0092】
本発明の組成物、方法、およびキットにおいてベザフィブラートの代わりに使用され得る他のPPARアゴニストは、AA-10090、AD-5075、AMG-131、ARH-049020、AVE-0847、AVE-8134、AY-31637、BAY-549801、ベキサロテン、BM-131246、BM-501050、CLX-0921、CLX-0940、DRF-10945、DRF-4832、E-3030、ファルグリタザル、フェノフィブラート/メトホルミン、GW-0072、GW-1929、GW-2570、GW-409544、GW-409890、GW-501516、GW-5393、GW-590735、GW-7282、GW-9578、KRP-101、KT-6207、L-764406、LF-200337、LG-101506、LR-90、LY-465608、LY-510929、LY-518674、MBX-102、MK-0767、ムラグリタザル、ナベグリタザル(naveglitazar)、NC-2100、NS-220、ONO-5129、オキセグリタザル(oxeglitazar)、PD-72953、R-119702、ラガグリタザル、レグリタザル、SB-219994、テサグリタザル、641597、およびTY-51501である。
【0093】
スタチン
スタチンまたはスタチンを含む薬物組合せが本発明の組成物、方法、およびキットにおいてベザフィブラートの代わりに使用され得る。例示的なスタチンおよびスタチンを含む組合せは、アシテマート、アムロジピン/アトルバスタチン、アトルバスタチン、アトルバスタチン/トルセトラピブ、BAY102987、BAYX2678、BB476、ベルバスタチン、BMY21950、BMY22089、セリバスタチン、コレストロン、CP83101、クリルバスタチン、ダルバスタチン、DMP565、エゼチミブ/シンバスタチン、フルバスタチン、グレンバスタチン、L659699、L669262、メバスタチン、ニコチン酸/ロバスタチン、ニコチン酸/シンバスタチン、P882222、P882284、PD134965、PD135022、ピタバスタチン、ロスバスタチン、RP61969、S2468、SC37111、SC45355、シンバスタチン、SQ33600、SR12813、SR45023A、U20685、およびU88156である。
【0094】
NSAID
NSAIDもまた、本発明の組合せ、方法、およびキットにおいてベザフィブラートの代わりに使用され得る。適切なNSAIDには、A183827、ABT963、アセクロフェナク、アセメタシン、アセチルサリチル酸、AHR10037、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アムトルメチングアシル、アパゾン、アスピリン、アトリプロフェンメチルエステル、AU8001、ベノキサプロフェン、フルフェナム酸ベンジダミン、ベルモプロフェン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、BF388、BF389、BIRL790、BMS347070、ブロムフェナク、ブクロキス酸、ブチブフェン、BW755C、C53、C73、C85、カルプロフェン、CBS1108、セレコキシブ、CHF2003、クロロビフェニル、トリサリチル酸コリンマグネシウム、CHX108、シミコキシブ(cimicoxib)、シンノキシカム、クリダナク、CLX1205、COX-2阻害物質(PharmaVU/Vanderbilt University)、CP331、CS502、CS706、D1367、ダルブフェロン、デラコキシブ、デキシブプロフェン、デキシブプロフェンリジン、デクスケトプロフェン、DFP、DFU、ジクロフェナク(例えばジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム)、ジフルニサル、DP155、DRF4367、E5110、E6087、エルテナク、ER34122、エスフルルビプロフェン、エトリコキシブ、F025、フェルビナクエチル、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンクロジン、フェノプロフェン、フェンチアザク、フェプラゾン、フィレナドール、フロブフェン、フロリフェニン、フロスリド、メタンスルホン酸フルビチン(flubichin)、フルフェナム酸、フルプロフェン、フルルビプロフェン、FPL62064、FR122047、FR123826、FR140423、FR188582、FS205397、フロフェナク、GR253035、GW406381、HAI105、HAI106、HCT2035、HCT6015、HGP12、HN3392、HP977、HX0835.HYAL AT2101、イブフェナック、イブプロフェン、イブプロキサム-β-シクロデキストリン、イコズリナム(icodulinum)、IDEA070、イグラチモド、イムレコキシブ(imrecoxib)、インドメタシン、インドプロフェン、IP751、イソキセパク、イソキシカム、KC764、ケトプロフェン、L652343、L745337、L748731、L752860、L761066、L768277、L776967、L783003、L784520、L791456、L804600、L818571、LAS33815、LAS34475、リコフェロン、LM4108、ロブプロフェン、ロルノキシカム、ルミラコキシブ、マブプロフェン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、メルカプトエチルグアニジン、メソポルフィリン、メトキシブトロパート、ミロプロフェン、モフェブタゾン、モフェゾラク、MX1094、ナブメトン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキセンナトリウム/メトクロプラミド、NCX1101、NCX284、NCX285、NCX4016、NCX4215、NCX530、ニフルム酸、一酸化窒素ベースのCOX-2阻害物質およびNSAID(NitroMed)、ニトロフェナク、ニトロフルルビプロフェン、ニトロナプロキセン、NS398、ホーリーバジル(ocimum sanctum)油、ONO3144、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシンダナク、オキシピナック(oxpinac)、オキシコドン/イブプロフェン、オキシフェンブタゾン、P10294、P54、P8892、パミコグレル、パルセタサール、パレコキシブ、PD138387、PD145246、PD164387、ペルビプロフェン、ペメドラク、フェニルブタゾン、ピラゾラク、ピロキシカム、ピロキシカムβ-シクロデキストリン、ピロキシカムピバラート、ピルプロフェン、プラノプロフェン、レスベラトロール、R-ケトプロフェン、R-ケトロラク、ロフェコキシブ、RP66364、RU43526、RU54808、RWJ63556、S19812、S2474、S33516、サリチルサリチル酸、サチグレル、SC236、SC57666、SC58125、SC58451、SFPP、SKF105809、SKF86002、サリチル酸ナトリウム、スドキシカム、スルファサラジン、スリンダク、スプロフェン、SVT2016、T3788、TA60、タルメタシン、タルニフルマート、タゾフェロン、テブフェロン、テニダプ、テノキシカン、テポキサリン、チアプロフェン酸、チルマコキシブ、チルノプロフェンアルバメル、チノリジン、チオピナク、チオキサプロフェン、トルフェナム酸、トルメチン、トリフルサール、トロペシン、TY10222、TY10246、TY10474、UR8962、ウルソール酸、バルデコキシブ、WAY120739、WY28342、WY41770、キシモプロフェン、YS134、ザルトプロフェン、ジドメタシン、ならびにゾメピラクが含まれる。
【0095】
ケイ皮酸およびその類似体
ケイ皮酸(3-フェニル-2-プロペン酸)は、C6H5CH=CHCOOHの構造を有する。ケイ皮酸類似体は、式(II)によって記述される:


式(II)において、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはC1〜4アルキル基を表し;R3およびR4はそれぞれ水素原子を表し、または相互に結合されて付加的な化学結合を形成し;Xはヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和C1〜4アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和C1〜4アルコキシ基、C1〜4アシルオキシ基、またはC3〜6シクロアルキル基を表し;nは0または1〜3の整数であり、ただし、nが2または3である場合、各Xは同じものまたは異なるものであり得、かつ2つのXが一般にアルキルまたはアルコキシ基である場合、双方のXが相互に結合されて環を形成し得ることを条件とする。
【0096】
式(II)で表される特定のケイ皮酸類似体は、ヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-メチルヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-エチルヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-プロピルヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-メトキシヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-エトキシヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-クロロヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-ブロモヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-フルオロヒドロケイ皮酸、2,4-、2,5-、および3,4-ジメチルヒドロケイ皮酸、2,4-ジエチルヒドロケイ皮酸、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、および3,5-ジヒドロキシヒドロケイ皮酸(dihydroxycimmamic acid)、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、および3,5-ジメトキシヒドロケイ皮酸、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、および3,5-ジエトキシヒドロケイ皮酸、2,3-、2,4-、および3,4-ジプロポキシヒドロケイ皮酸、2-ヒドロキシ-3-メトキシヒドロケイ皮酸、3-ヒドロキシ-4-メトキシヒドロケイ皮酸、4-ヒドロキシ-3-メトキシヒドロケイ皮酸、3-エトキシ-4-メトキシヒドロケイ皮酸、4-ヒドロキシ-3-メトキシヒドロケイ皮酸、2-エトキシ-3-メトキシヒドロケイ皮酸、3-エトキシ-4-メトキシヒドロケイ皮酸、4-エトキシ-3-メトキシヒドロケイ皮酸、3-メトキシ-2-プロポキシヒドロケイ皮酸、3-メトキシ-4-プロポキシヒドロケイ皮酸、3,4-メチレンジオキシヒドロケイ皮酸、2,4-、2,6-、および3,4-ジクロロヒドロケイ皮酸、2,3,4-、2,4,5-、および3,4,5-トリメトキシヒドロケイ皮酸、2-ブロモ-4-ヒドロキシ-5-メトキシヒドロケイ皮酸、4-イソプロピルヒドロケイ皮酸、3-および4-イソプロポキシヒドロケイ皮酸、3-および4-イソブトキシヒドロケイ皮酸、3-および4-sec-ブトキシヒドロケイ皮酸、3-メトキシ-4-イソプロポキシヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-アリルオキシヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-メタリルオキシヒドロケイ皮酸、3-メトキシ-4-アリルオキシヒドロケイ皮酸、3-メトキシ-4-メタリルオキシヒドロケイ皮酸、2-、3-、および4-アセトキシヒドロケイ皮酸、3,4-トリメチレンヒドロケイ皮酸、ならびに上記のヒドロケイ皮酸の場合において言及されたものと同じ置換基を有するα-および/またはβ-アルキル置換ヒドロケイ皮酸;ならびに2-、3-、および4-メチルケイ皮酸、2-、3-および4-エチルケイ皮酸、2-、3-、および4-プロピルケイ皮酸、2-、3-、および4-ヒドロキシケイ皮酸、2-、3-、および4-メトキシケイ皮酸、2-、3-、および4-エトキシケイ皮酸、2-、3-、および4-プロポキシケイ皮酸、2-、3-、および4-ブトキシケイ皮酸、2-、3-、および4-フルオロケイ皮酸、2-、3-、および4-クロロケイ皮酸、2-、3-、および4-ブロモケイ皮酸、2,4-および2,5および3,4-ジメチルケイ皮酸、2,4-ジエチルケイ皮酸、2,3-、2,4-、2,5-2,6-、3,4-、および3,5-ジヒドロキシケイ皮酸、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、および3,5-ジメトキシケイ皮酸、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、および3,5-ジエトキシケイ皮酸、2,3-、2,4-、および3,4-ジプロポキシケイ皮酸、2-ヒドロキシ-3-メトキシケイ皮酸、3-ヒドロキシ-4-メトキシケイ皮酸、4-ヒドロキシ-3-メトキシケイ皮酸、2-エトキシ-3-メトキシケイ皮酸、3-エトキシ-4-メトキシケイ皮酸、4-エトキシ-3-メトキシケイ皮酸、3-メトキシ-2-プロポキシケイ皮酸、3-メトキシ-4-プロポキシケイ皮酸、3,4-メチレンジオキシケイ皮酸、2,4-、2,6-、および3,4-ジクロロケイ皮酸、2,3,4-、2,4,5-、および3,4,5-トリメトキシケイ皮酸、2-ブロモ-4-ヒドロキシ-5-メトキシケイ皮酸、4-イソプロピルケイ皮酸、3-および4-イソプロポキシケイ皮酸、3-および4-イソブトキシケイ皮酸、3-および4-sec-ブトキシケイ皮酸、3-メトキシ-4-イソプロキシケイ皮酸、2-、3-、および4-アリルオキシケイ皮酸、2-、3-、および4-メタリルオキシケイ皮酸、3-メトキシ-4-アリルオキシケイ皮酸、3-メトキシ-4-メタリルオキシケイ皮酸、2-、3-、および4-アセトキシケイ皮酸、3,4-トリメチレンケイ皮酸、ならびに上記のケイ皮酸の場合において言及されたものと同じ置換基を有するα-および/またはβ-アルキル置換ケイ皮酸などの芳香族不飽和カルボン酸である。
【0097】
ジフルニサル
ジフルニサル(2',4'-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸)は、以下の構造を有するNSAIDである:

ジフルニサルを作製する方法は、米国特許第3,714,226号に記載されている。
【0098】
ジフルニサル類似体
ジフルニサル類似体は、式(III)によって記述される:

(式中、各Xは独立にハロゲン原子であり;R1は、ヒドロキシ、フェノキシ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルコキシからなる群より選択され;R2は、水素および(C1〜C4)アルカノイル(アセチル、プロピオニル、およびブチリルなど)からなる群より選択され;かつR3は、水素およびメチルからなる群より選択される)。
【0099】
他のジフルニサル類似体は、フルフェニサール、2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)安息香酸;2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-5-(2'-フルオロフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-5-(3'-フルオロフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-5-ペンタフルオロフェニル安息香酸;2-ヒドロキシ-3-メチル-5-(4'-フルオロフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-5-(4'-クロロフェニル)安息香酸;N,N-ジメチル-5-(4'-フルオロフェニル)サリチルアミド;β-ジエチルアミノエチル-5-(4'-フルオロフェニル)サリチラート;フェニル-5-(4'-フルオロフェニル)サリチラート;アルミニウム-2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-安息香酸塩;アルミニウム-2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-安息香酸塩;コリン-2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-安息香酸塩;コリン-2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-安息香酸塩;ナトリウム-2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-安息香酸塩;ナトリウム-2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-安息香酸塩;2-ヒドロキシ-5-(ペンタフルオロフェニル)-安息香酸;2-アセトキシ-5-(ペンタフルオロフェニル)-安息香酸;β-ジエチルアミノエチル-2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-ベンゾアート;β-ジエチルアミノエチル-2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-ベンゾアート;2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-ベンズアミド;2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-3-メチルベンズアミド;2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-ベンズアミド;2-アセトキシ-5-(4'-フルオロフェニル)-ベンズモルホリド;2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロ-2'-メトキシフェニル)安息香酸;2-アセトキシ-5-(4'-フルオロ-2'-メトキシフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-5-(4'-フルオロ-2'-メチルフェニル)安息香酸;2-アセトキシ-5-(4'-フルオロ-3'-メチルフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-3-アリル-5-(4'-フルオロフェニル)安息香酸;2-ヒドロキシ-3-プロピル-5-(4'-フルオロフェニル)安息香酸;ならびに米国特許第3,674,870号、第3,681,445号、第3,692,821号、第3,714,226号、第4,044,049号、第4,542,158号、および第6,593,365号に記載されている化合物である。
【0100】
望ましいならば、他のNSAIDをジフルニサルの代わりに使用することができる。適切なNSAIDには、A183827、ABT963、アセクロフェナク、アセメタシン、アセチルサリチル酸、AHR10037、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アムトルメチングアシル、アパゾン、アスピリン、アトリプロフェンメチルエステル、AU8001、ベノキサプロフェン、フルフェナム酸ベンジダミン、ベルモプロフェン、ベズピペリロン、BF388、BF389、BIRL790、BMS347070、ブロムフェナク、ブクロキス酸、ブチブフェン、BW755C、C53、C73、C85、カルプロフェン、CBS1108、セレコキシブ、CHF2003、クロロビフェニル、トリサリチル酸コリンマグネシウム、CHX108、シミコキシブ、シンノキシカム、クリダナク、CLX1205、COX-2阻害物質(PharmaVU/Vanderbilt University)、CP331、CS502、CS706、D1367、ダルブフェロン、デラコキシブ、デキシブプロフェン、デキシブプロフェンリジン、デクスケトプロフェン、DFP、DFU、ジクロフェナク(例えばジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム)、ジフルニサル、DP155、DRF4367、E5110、E6087、エルテナク、ER34122、エスフルルビプロフェン、エトリコキシブ、F025、フェルビナクエチル、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンクロジン、フェノプロフェン、フェンチアザク、フェプラゾン、フィレナドール、フロブフェン、フロリフェニン、フロスリド、メタンスルホン酸フルビチン、フルフェナム酸、フルプロフェン、フルルビプロフェン、FPL62064、FR122047、FR123826、FR140423、FR188582、FS205397、フロフェナク、GR253035、GW406381、HAI105、HAI106、HCT2035、HCT6015、HGP12、HN3392、HP977、HX0835.HYAL AT2101、イブフェナック、イブプロフェン、イブプロキサム-β-シクロデキストリン、イコズリナム、IDEA070、イグラチモド、イムレコキシブ、インドメタシン、インドプロフェン、IP751、イソキセパク、イソキシカム、KC764、ケトプロフェン、L652343、L745337、L748731、L752860、L761066、L768277、L776967、L783003、L784520、L791456、L804600、L818571、LAS33815、LAS34475、リコフェロン、LM4108、ロブプロフェン、ロルノキシカム、ルミラコキシブ、マブプロフェン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、メルカプトエチルグアニジン、メソポルフィリン、メトキシブトロパート、ミロプロフェン、モフェブタゾン、モフェゾラク、MX1094、ナブメトン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキセンナトリウム/メトクロプラミド、NCX1101、NCX284、NCX285、NCX4016、NCX4215、NCX530、ニフルム酸、一酸化窒素ベースのCOX-2阻害物質およびNSAID(NitroMed)、ニトロフェナク、ニトロフルルビプロフェン、ニトロナプロキセン、NS398、ホーリーバジル油、ONO3144、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシンダナク、オキシピナック、オキシコドン/イブプロフェン、オキシフェンブタゾン、P10294、P54、P8892、パミコグレル、パルセタサール、パレコキシブ、PD138387、PD145246、PD164387、ペルビプロフェン、ペメドラク、フェニルブタゾン、ピラゾラク、ピロキシカム、ピロキシカムβ-シクロデキストリン、ピロキシカムピバラート、ピルプロフェン、プラノプロフェン、レスベラトロール、R-ケトプロフェン、R-ケトロラク、ロフェコキシブ、RP66364、RU43526、RU54808、RWJ63556、S19812、S2474、S33516、サリチルサリチル酸、サチグレル、SC236、SC57666、SC58125、SC58451、SFPP、SKF105809、SKF86002、サリチル酸ナトリウム、スドキシカム、スルファサラジン、スリンダク、スプロフェン、SVT2016、T3788、TA60、タルメタシン、タルニフルマート、タゾフェロン、テブフェロン、テニダプ、テノキシカン、テポキサリン、チアプロフェン酸、チルマコキシブ、チルノプロフェンアルバメル、チノリジン、チオピナク、チオキサプロフェン、トルフェナム酸、トルメチン、トリフルサール、トロペシン、TY10222、TY10246、TY10474、UR8962、ウルソール酸、バルデコキシブ、WAY120739、WY28342、WY41770、キシモプロフェン、YS134、ザルトプロフェン、ジドメタシン、ならびにゾメピラクが含まれる。
【0101】
付加的な治療物質
本発明は、表1に記載された1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の作用物質の有効量を、代謝障害を有するリスクがあるまたは有する哺乳動物に投与し、それによってそのような障害を治療、予防、および軽減することを含む。
【0102】
糖尿病の場合、本発明の作用物質は、任意のメカニズムによって血漿からのグルコースクリアランスを増加させ、それによってグルコースレベルを正常血糖レベルまで低下させる。例えば、本発明の組合せは、インスリンシグナル伝達経路を改変し得、腸からの炭水化物の吸収を減少させ得、グルコース輸送担体活性を改変し得(例えばGLUT4の発現、内因活性、もしくは移行を増大させることによって)、インスリン感受性組織のレベルを上昇させ得(例えば脂肪細胞もしくは筋細胞の分化を増大させることによって)、または脂肪細胞もしくは筋細胞中の遺伝子転写を改変し得る(例えば脂肪細胞由来因子の分泌の改変および代謝経路遺伝子の発現)。摂食前の血漿グルコースレベルが典型的には80〜120mg/dLの間の範囲であること、および摂食後の血中レベルが100〜140mg/dLの間の範囲であるということから、本発明に従って治療される患者の血漿グルコースレベルは、食事前のグルコースレベルが60〜150mg/dLの間、70〜140mg/dLの間、80〜130mg/dLの間、および好ましくは80〜120mg/dLの間の範囲となり、かつ摂食後2時間目のグルコースレベルが90mg/dL〜160mg/dLの間、90mg/dL〜150mg/dLの間、および好ましくは90〜140mg/dLの間の範囲となるように安定化される。治療の特に望ましい結果は、代謝障害に関連した症状のうち任意のものの軽減である。
【0103】
表1に記載された化合物のうち任意のものの類似体が、本発明の方法、キット、および組成物のうち任意のものにおいて使用され得る。類似体は当技術分野において公知である(例えば本明細書において記述される)。アセメタシン類似体は、ドイツ特許DE2234651および米国特許第3,910952号に記載されている。アセノクマロール類似体は、米国特許第2,648,682号に記載されている。アセトアミノフェン類似体は、米国特許第2,998,450号およびドイツ特許DE453577に記載されている。アセタゾラミド類似体は、米国特許第2,554,816号に記載されている。アセトヘキサミド類似体は、GB912789に記載されている。アセチルジギトキシン類似体は、米国特許第2,776,963号に記載されている。アラクロル類似体は、NL6602564に記載されている。アルブテロール(サルブタモール)類似体は、ZA6705591および米国特許第3,644,353号に記載されている。アルプレノロール類似体は、NL6605692およびNL6612958に記載されている。アメトリン類似体は、CH337019および米国特許第3,558,622号に記載されている。アトラジン類似体は、CH342784、CH342785、HU149189、およびFR1317812に記載されている。アザチオプリン類似体は米国特許第3,056,785号に記載され、かつベンズブロマロン類似体は、BE553621および米国特許第3,012,042号に記載されている。ベザフィブラート類似体は、DE2149070および米国特許第3,781,328号に記載されている。ボピンドロール類似体は、米国特許第4,340,541号およびDE2635209に記載されている。ブリモニジン類似体は、米国特許第3,890,319号およびドイツ特許DE2309160に記載されている。ブロンフェニラミン(例えばマレイン酸塩)類似体は、米国特許第2,567,245号、米国特許第2,676,964号、および米国特許第3,061,517号に記載されている。カンデサルタン(例えばシレキセチル塩)類似体はEP459136および米国特許第5,196,444号に記載されており、カプトプリル類似体はDE2703828、米国特許第4,046,889号、および米国特許第4,105,776号に記載されており、かつカルバマゼピン類似体は米国特許第2,948,718号に記載されている。カルビノキサミン(例えばマレイン酸塩)類似体は、米国特許第2,606,195号、米国特許第2,800,485号、およびGB905993に記載されている。カリソプロドール類似体は、米国特許第2,937,119号に記載されており、セファマンドール(例えばナファート塩)類似体はドイツ特許DE2018600およびDE2312997、ならびに米国特許第3,641,021号および米国特許第3,840,531号に記載されている。セフポドキシムプロキセチル類似体は、EP49118および米国特許第4,486,425号に記載されている。シクロピロクス類似体は、ZA6906039および米国特許第3,883,545号に記載されている。クレンブテロール類似体は、ZA6705692および米国特許第3,536,712号に記載されている。ジアセレイン類似体は、ドイツ特許DE2711493、日本特許公開第83225015号、米国特許第4,244,968号、および米国特許第4,346,103号に記載されている。ジクロフェナク(例えばナトリウム塩)類似体は、米国特許第3,558,690号およびNL6604752に記載されている。ジクロキサシリン(例えばナトリウム塩)類似体は、GB978299および米国特許第3,239,507号に記載されている。ジフルニサル類似体は、ZA6701021、FR1522570、および米国特許第3,714,226号に記載されている。ジメンヒドリナート類似体は、米国特許第2,499,058号および米国特許第2,534,813号に記載されている。メチル硫酸(methylsufate)ジフェマニル類似体は、米国特許第2,739,968号に記載されている。ジフェンヒドラミン(例えば塩酸塩)類似体は、米国特許第2,421,714号、米国特許第2,427,878号、および米国特許第2,397,799号、ならびに日本特許JP64243に記載されている。ジフェニドール(例えば塩酸塩)類似体は、米国特許第2,411,664号およびGB683950に記載されている。ジピベフリン(例えば塩酸塩)類似体は、ドイツ特許DE2152058およびDE2343657、ならびに米国特許第4,085,270号、米国特許第3,809,714号、および米国特許第3,839,584号に記載されている。ジリスロマイシン類似体は、BE840431および米国特許第4,048,306号に記載されている。5-ヒドロキシトリプトファン(例えばDL型)類似体は、CA619472およびGB845034に記載されている。ドキサプラム(例えば塩酸塩)類似体は、BE613734および米国特許第3,192,206号に記載されている。ドキシサイクリン類似体は、米国特許第3,019,260号および米国特許第3,200,149号に記載されている。エナラプリラト類似体は、EP12401および米国特許第4,374,829号に記載されている。エトプロパジン(例えば塩酸塩)類似体は、米国特許第2,607,773号に記載されている。エトポシド類似体は、米国特許第3,524,844号に記載されている。エバンスブルー類似体は、ドイツ特許DE35341、DE38802、DE3949、DE57327、およびDE75469に記載されている。エキセメスタン類似体は、米国特許第4,808,616号およびドイツ特許DE3622841に記載されている。フルニキシン(例えばメグルミン塩)類似体は、BE679271、BE812772、ならびに米国特許第3,337,570号および米国特許第3,839,344号に記載されている。ゲムフィブロジル類似体は、DE1925423ならびに米国特許第3,674,836号および米国特許第4,126,637号に記載されている。インドシアニングリーン類似体は、米国特許第2,895,955号に記載されている。インドメタシン類似体は、米国特許第3,161,654号およびBE679678に記載されている。イオパノ酸類似体は、米国特許第2,705,726号に記載されている。イオフェノキシ酸類似体は、GB726987に記載されている。イオプロミド類似体は、DE2909439および米国特許第4,364,921号に記載されている。イソプロテレノール(例えば硫酸塩)類似体は、ドイツ特許DE723278ならびに米国特許第2,308,232号および第2,715,141号に記載されている。イソトレチノイン類似体は、EP111325および米国特許第4,556,518号に記載されている。ケトコナゾール類似体は、ドイツ特許DE2804096、米国特許第4,144,346号、および米国特許第4,223,036号に記載されている。ケトチフェン(例えばフマル酸塩)類似体は、ドイツ特許DE2111071および米国特許第3,682,930号に記載されている。ラミブジン類似体は、PCT WO91/17159に記載されている。レフルノミド類似体は、ドイツ特許DE2854439および米国特許第4,284,786号に記載されている。レボカバスチン(例えば塩酸塩)類似体は、EP34415および米国特許第4,369,184号に記載されている。ロキサピン(例えば塩酸塩)類似体は、NL6406089ならびに米国特許第3,546,226号および米国特許第3,412,193号に記載されている。メブヒドロリン(例えば1,5-ナフタレンジスルホン酸塩)類似体は、米国特許第2,786,059号に記載されている。メクロフェノキサート類似体は、FRM398に記載されている。メフェナム酸類似体は、BE605302および米国特許第3,138,636号に記載されている。メロキシカム類似体は、米国特許第4,233,299号に記載されている。メルファラン類似体は、米国特許第3,032,584号および米国特許第3,032,585号に記載されている。メルカプトエタノール類似体は、米国特許第2,402,665号および米国特許第3,394,192号に記載されている。メタプロテレノール(例えばヘミ硫酸塩)類似体は、米国特許第3,341,594号およびBE611502に記載されている。メタコリン類似体は、米国特許第2,040,146号に記載されている。メトジラジン類似体は、米国特許第2,945,855号に記載されている。メチルエルゴノビン(例えばマレイン酸塩)類似体は、米国特許第2,265,207号に記載されている。ナテグリニド類似体は、EP196222および米国特許第4,816,484号に記載されている。ネホパム類似体は、NL6606390および米国特許第3,830,803号に記載されている。ニメスリド類似体は、BE801812および米国特許第3,840,597号に記載されている。ノルエピネフリン(例えば酒石酸水素塩)類似体は、米国特許第2,774,789号に記載されている。オランザピン類似体は、EP454436および米国特許第5,229,382号に記載されている。オレアンドマイシン類似体は、米国特許第2,757,123号および米国特許第2,842,481号に記載されている。オルフェナドリン(例えばクエン酸塩)類似体は、米国特許第2,567,351号および米国特許第2,991,225号に記載されている。オキサプロジン類似体は、FR2001036、GB1206403、および米国特許第3,578,671号に記載されている。オキシブチニン(例えば塩化物塩)類似体は、GB940540に記載されている。オキシメタゾリン(例えば塩酸塩)類似体は、ドイツ特許DE1117588に記載されている。ペルゴリド(例えばメシル酸塩)類似体は、米国特許第4,166,182号に記載されている。フェナセミド類似体は、米国特許第2,887,513号に記載されている。フェンスクシミド類似体は、米国特許第2,643,258号に記載されている。フェニルブタゾン類似体は、米国特許第2,562,830号およびGB812449に記載されている。フェニレフリン類似体は、米国特許第1,932,347号および米国特許第1,954,389号に記載されている。フェニトイン類似体は、米国特許第2,409,754号に記載されている。プラゾシン(例えば塩酸塩)類似体は、GB1156973、米国特許第3,511,836号、およびNL7206067に記載されている。プロメタジン(例えば塩酸塩)類似体は、米国特許第2,530,451号および米国特許第2,607,773号に記載されている。プロスタグランジン(例えばプロスタグランジンE)類似体は、GB851827、米国特許第3,598,858号、NL6505799、DE2126127、米国特許第3,657,327号、米国特許第3,069,322号、および米国特許第3,598,858号に記載されている。ピリラミン(例えばマレイン酸塩)類似体は、米国特許第2,502,151号に記載されている。キナクリン類似体は、ドイツ特許DE553072、DE571499、米国特許第2,113,357号、米国特許第1,782,727号、および米国特許第1,889,704号に記載されている。リトドリン(例えば塩酸塩)類似体は、BE660244号および米国特許第3,410,944号に記載されている。ロリプラム類似体は、BE826923および米国特許第4,193,926号に記載されている。スクシニルコリン類似体は、AT171411に記載されている。スルファグアニジン類似体は、米国特許第2,218,490号、米国特許第2,229,784号、米国特許第2,233,569号、およびGB551524に記載されている。スルファメチゾール類似体は、米国特許第2,447,702号に記載されている。スプロフェン類似体は、米国特許第4,035,376号に記載されている。テルミサルタン類似体は、EP502314号に記載されている。テルブタリン(例えば硫酸塩)類似体は、BE704932および米国特許第3,937,838号に記載されている。テトラヒドロゾリン(例えば塩酸塩)類似体は、米国特許第2,731,471号および米国特許第2,842,478号に記載されている。チニダゾール類似体は、米国特許第3,376,311号に記載されている。チオコナゾール類似体は、BE841309および米国特許第4,062,966号に記載されている。トラゾリン(例えば塩酸塩)類似体は、米国特許第2,161,938号に記載されている。トルフェナム酸類似体は、NL6600251および米国特許第3,313,848号に記載されている。トリアムテレン類似体は、米国特許第3,081,230号に記載されている。トリフルプロマジン(例えば塩酸塩)類似体は、GB813861に記載されている。ツロブテロール(例えば塩酸塩)類似体は、ドイツ特許DE2244737に記載されている。ビンカミン類似体は、ドイツ特許DE2115718および米国特許第3,770,724号に記載されている。ワルファリン類似体は、米国特許第2,427,578号、米国特許第2,765,321号、米国特許第2,777,859号、および米国特許第3,239,529号に記載されている。キシラジン(例えば塩酸塩)類似体は、BE634552、DE1173475、および米国特許第3,235,550号に記載されている。これらの参考文献はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
【0104】
望ましいならば、患者は付加的な治療計画も受け得る。例えば、治療物質は、そのような治療物質に対して有効であることが公知の濃度の本明細書において記述される1種または複数の作用物質と共に投与され得る。特に有用な作用物質には、グルコースレベルを低下させるもの、または代謝障害を治療、予防、もしくは軽減するのに使用されるものが含まれる。このような作用物質には、インスリン供給を増加させ、インスリン抵抗性を低下させ、インスリンの有効性を高め、肝グルコース産出を減少させ、血中のグルコースおよびトリグリセリドレベルを調節し、かつ腸からの炭水化物の吸収を減少させる作用物質など、インスリンシグナル伝達経路を改変するものが含まれる。例示的な作用物質は、スルホニル尿素(例えばアセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリド)、非スルホニル尿素系分泌促進物質(例えばナテグリニドおよびレパグリニド)、インスリン、インスリン類似体(例えばインスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギニン(glarginine)、NPH、レンテインスリン、ウルトラレンテインスリン、ヒューマリン、ノボリン)、グルカゴン様ペプチド(例えばGLP-1)、エキセンディン4(例えばAAC2993)、β-3アドレナリン受容体アゴニスト(例えばYM178)、PPARγアゴニスト(例えばFK614)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド(例えばメトホルミンおよびメトホルミン/グリブリド)、チアザリジンジオン(例えばトログリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾン)、αグルコシダーゼ阻害物質(例えばアカルボースおよびミグリトール)、免疫抑制薬または免疫調節薬(例えば糖質コルチコイド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、ラパマイシン、IL-4およびIL-10、OK-432、LZ-8、BCG、ならびにCFAなどのFK506サイトカイン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質(例えばベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトランドラプリル)、アンギオテンシンII受容体遮断薬(例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルテン(irbesarten)、ロサルチン(losartin)、テルミサルタン、およびバルサルタン)、抗酸化薬(例えばニコチンアミド、ビタミンE、プロブコール、MDL29311、およびU78518F)、ならびにそれらの組合せである。
【0105】
コルチコステロイド、NSAID(例えばナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、アスピリン、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸ナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダク、およびトルメチン)、COX-2阻害物質(例えばロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、およびルミラコキシブ)、DMARD、抗サイトカイン物質もしくは細胞接着に影響を及ぼす作用物質など免疫応答を調節して疾患に良い結果をもたらす作用物質、または生物製剤(すなわちIL-6、IL-1、IL-2、IL-12、IL-15もしくはTNFαの作用を妨害する作用物質(例えばエタナーセプト、アデリムマブ(adelimumab)、インフリキシマブ、もしくはCDP-870)などの治療用化合物を患者に投与することが望ましいこともあり得る。
【0106】
複数の作用物質が使用される場合、それらの治療物質は別々に送達されてもよく、または単一の製剤中に混合されてもよい。作用物質が異なる薬学的組成物中に存在する場合、異なる投与経路が使用され得る。様々な態様用の投与経路には、限定されるわけではないが、局所投与、経皮投与、および全身投与(静脈内、筋肉内、皮下、吸入、直腸、口腔内、膣、腹腔内、関節内、眼、または経口投与など)が含まれる。本明細書において使用される場合、「全身投与」とは、すべての非経皮的投与経路を意味し、かつ具体的には局所的および経皮的投与経路を除外する。望ましくは、本発明の作用物質および付加的な治療物質は、少なくとも1時間、2時間、4時間、6時間、10時間、12時間、18時間、24時間、3日、7日、または14日の間隔を空けて投与される。組合せの各成分の投与量および投与頻度は、独立に調節され得る。例えば、1種の化合物が1日3回投与され得る一方で、第2の化合物は1日1回投与され得る。併用療法は、それまでのところ予測できなかった任意の副作用から患者の身体が回復する機会を有するように、休止期間を含む断続的なサイクルで与えられ得る。これらの化合物はまた、1回の投与により双方の化合物が送達されるように合わせて調製され得る。任意で、組合せの作用物質のうち任意のものが、それぞれ本明細書において定義される低用量または高用量で投与され得る。
【0107】
本発明の治療物質は、例えば薬学的に許容される従来の担体中で付加的な活性成分または不活性成分と混合され得る。薬剤用担体は、哺乳動物に本発明の組成物を投与するのに適した任意の適合性の非毒性物質であり得る。薬学的に許容される担体には、例えば水、生理食塩水、緩衝液、および例えばMerck Index, Merck & Co., Rahway, New Jerseyに記載されている他の化合物が含まれる。徐放製剤または徐放装置もまた、持続投与用に使用され得る。
【0108】
治療物質の投与に加えて、第2の治療計画は、インスリンを産生する細胞、組織、もしくは器官(例えば膵細胞、膵臓β細胞、もしくは膵臓)の移植、または治療される患者の生活様式の変更を含み得る。このような生活様式の変化はグルコースレベルを調節するのに役立ち得、これには、体重減少、身体運動、食餌管理、アルコール摂取量の減少、または喫煙量の減少が含まれる。
【0109】
コルチコステロイド
コルチコステロイドは、本発明の組成物中に配合され得、または本発明に従って治療される哺乳動物に投与され得る。適切なコルチコステロイドには、11-α,17-α,21-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-β,16-α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-β,16-α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;11-β,17-α,21-トリヒドロキシ-6-α-メチルプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-デヒドロコルチコステロン;11-デオキシコルチゾール;11-ヒドロキシ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン;11-ケトテストステロン;14-ヒドロキシアンドロスタ-4-エン-3,6,17-トリオン;15,17-ジヒドロキシプロゲステロン;16-メチルヒドロコルチゾン;17,21-ジヒドロキシ-16-α-メチルプレグナ-1,4,9(11)-トリエン-3,20-ジオン;17-α-ヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;17-α-ヒドロキシプレグネノロン;17-ヒドロキシ-16-β-メチル-5-β-プレグナ-9(11)-エン-3,20-ジオン;17-ヒドロキシ-4,6,8(14)-プレグナトリエン-3,20-ジオン;17-ヒドロキシプレグナ-4,9(11)-ジエン-3,20-ジオン;18-ヒドロキシコルチコステロン;18-ヒドロキシコルチゾン;18-オキソコルチゾール;21-デオキシアルドステロン;21-デオキシコルチゾン;2-デオキシエクジソン;2-メチルコルチゾン;3-デヒドロエクジソン;4-プレグネン-17-α,20-β,21-トリオール-3,11-ジオン;6,17,20-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3-オン;6-α-ヒドロキシコルチゾール;6-α-フルオロプレドニゾロン、6-α-メチルプレドニゾロン、6-α-メチルプレドニゾロン21-アセタート、6-α-メチルプレドニゾロン21-ヘミコハク酸ナトリウム塩、6-β-ヒドロキシコルチゾール、6-α,9-α-ジフルオロプレドニゾロン21-アセタート17-ブチラート、6-ヒドロキシコルチコステロン;6-ヒドロキシデキサメタゾン;6-ヒドロキシプレドニゾロン;9-フルオロコルチゾン;ジプロピオン酸アルクロメタゾン;アルドステロン;アルゲストン;アルファデルム(alphaderm);アマジノン;アムシノニド;アナゲストン;アンドロステンジオン;酢酸アネコルタブ;ベクロメタゾン;ジプロピオン酸ベクロメタゾン;ジプロピオン酸ベクロメタゾン一水和物;ベタメタゾン17-バレラート;ベタメタゾン酢酸ナトリウム;リン酸ベタメタゾンナトリウム;吉草酸ベタメタゾン;ボラステロン;ブデソニド;カルステロン;クロルマジノン;クロロプレドニゾン;酢酸クロロプレドニゾン;コレステロール;クロベタゾール;プロピオン酸クロベタゾール;クロベタゾン;クロコルトロン;クロコルトロンピバラート;クロゲストン;クロプレドノール;コルチコステロン;コルチゾール;酢酸コルチゾール;酪酸コルチゾール;シピオン酸コルチゾール;オクタン酸コルチゾール;リン酸コルチゾールナトリウム;コハク酸コルチゾールナトリウム;吉草酸コルチゾール;コルチゾン;酢酸コルチゾン;コルトドキソン;ダツラオロン;デフラザコルト、21-デオキシコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン;デルマジノン;デオキシコルチコステロン;デプロドン;デスシノロン;デソニド;デソキシメタゾン;デキサフェン(dexafen);デキサメタゾン;デキサメタゾン21-アセタート;酢酸デキサメタゾン;リン酸デキサメタゾンナトリウム;ジクロリゾン;ジフロラゾン;ジフロラゾンジアセタート;ジフルコルトロン;ジヒドロエラテリシンa;ドモプレドナート;ドキシベタソール;エクジソン;エクジステロン;エンドリソン;エノキソロン;フルシノロン(flucinolone);フルドロコルチゾン;酢酸フルドロコルチゾン;フルゲストン;フルメタゾン;ピバル酸フルメタゾン;フルモキソニド;フルニソリド;フルオシノロン;フルオシノロンアセトニド;フルオシノニド;9-フルオロコルチゾン;フルオコルトロン;フルオロヒドロキシアンドロステンジオン;フルオロメトロン;酢酸フルオロメトロン;フルオキシメステロン;フルプレドニデン;フルプレドニゾロン;フルランドレノリド;フルチカゾン;プロピオン酸フルチカゾン;ホルメボロン;ホルメスタン;ホルモコルタール;ゲストノロン;グリデリニン(glyderinine);ハルシノニド;ヒルカノシド;ハロメタソン;ハロプレドン;ハロプロゲステロン;シピオン酸ヒドロコルチオゾン(hydrocortiosone);ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾン21-ブチラート;アセポン酸ヒドロコルチゾン;酢酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンブテプラート(buteprate);酪酸ヒドロコルチゾン;シピオン酸ヒドロコルチゾン;ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンプロブタート(probutate);リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム;コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム;吉草酸ヒドロコルチゾン;ヒドロキシプロゲステロン;イノコステロン;イソフルプレドン;酢酸イソフルプレドン;イソプレドニデン;メクロリゾン;メコルトロン;メドロゲストン;メドロキシプロゲステロン;メドリソン;メゲストロール;酢酸メゲストロール;メレンゲストロール;メプレドニゾン;メタンドロステノロン;メチルプレドニゾロン;アセポン酸メチルプレドニゾロン;酢酸メチルプレドニゾロン;ヘミコハク酸メチルプレドニゾロン;コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム;メチルテストステロン;メトリボロン;モメタゾン;フロ酸モメタゾン;フロ酸モメタゾン一水和物;ニソン;ノメゲストロール;ノルゲストメト;ノルビニステロン;オキシメステロン;パラメタゾン;酢酸パラメタゾン;ポナステロン;プレドニゾラマート(prednisolamate);プレドニゾロン;プレドニゾロン21-ヘミスクシナート;酢酸プレドニゾロン;ファルネシル酸プレドニゾロン;ヘミコハク酸プレドニゾロン;プレドニゾロン-21(β-D-グルクロニド);メタスルホ安息香酸プレドニゾロン;リン酸プレドニゾロンナトリウム;プレドニゾロンステアグラート;テブト酸プレドニゾロン;テトラヒドロフタル酸プレドニゾロン;プレドニゾン;プレドニバール;プレドニリデン;プレグネノロン;プロシノニド;トラロニド;プロゲステロン;プロメゲストン;ラポンチステロン(rhapontisterone);リメキソロン;ロキシボロン;ルブロステロン;スチゾフィリン;チキソコルトール;トプテロン;トリアムシノロン;トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンアセトニド21-パルミタート;トリアムシノロンジアセタート;トリアムシノロンヘキサアセトニド;トリメゲストン;ツルケステロン;およびウォルトマンニンが含まれる。
【0110】
コルチコステロイドの推奨される標準投与量は、例えばMerck Manual of Diagnosis & Therapy (17th Ed.MH Beers et al, Merck & Co.)およびPhysicians' Desk Reference 2003 (57th Ed. Medical Economics Staff et al., Medical Economics Co., 2002)において提供される。一つの態様において、投与されるコルチコステロイドの投与量は、本明細書において定義されるように、プレドニゾロン投与量に等しい投与量である。例えば、低用量のコルチコステロイドは、低用量のプレドニゾロンに等しい投与量としてみなされ得る。
【0111】
本発明の方法、組成物、およびキットにおいてコルチコステロイドの代用品としてまたはコルチコステロイドに加えて使用され得る他の化合物は、A-348441(Karo Bio)、副腎皮質抽出物(GlaxoSmithKline)、アルサクチド(alsactide)(Aventis)、アメブコルト(amebucort)(Schering AG)、アメロメタゾン(Taisho)、ATSA(Pfizer)、ビトルテロール(Elan)、CBP-2011(InKine Pharmaceutical)、セバラセタム(Novartis)CGP-13774(Kissei)、シクレソニド(Altana)、シクロメタゾン(Aventis)、酪酸クロベタゾン(GlaxoSmithKline)、クロプレドノール(Hoffmann-La Roche)、コリスマイシンA(Kirin)、ククルビタシンE(NIH)、デフラザコルト(Aventis)、プロピオン酸デプロドン(SSP)、デキサメタゾンアセフラート(acefurate)(Schering-Plough)、リノレン酸デキサメタゾン(GlaxoSmithKline)、吉草酸デキサメタゾン(Abbott)、ジフルプレドナート(Pfizer)、ドモプレドナート(Hoffmann-La Roche)、エビラチド(Aventis)、エチプレドノールジクロアセタート(IVAX)、フルアザコルト(Vicuron)、フルモキソニド(Hoffmann-LaRoche)、フルオコルチンブチル(ScheringAG)、フルオコルトロン一水和物(Schering AG)、GR-250495X(GlaxoSmithKline)、ハロメタゾン(Novartis)、ハロプレドン(Dainippon)、HYC-141(Fidia)、イコメタゾンエンブタート(Hovione)、イトロシノニド(itrocinonide)(AstraZeneca)、L-6485(Vicuron)、Lipocort(Draxis Health)、ロシコルトン(Aventis)、メクロリゾン(Schering-Plough)、ナフロコート(Bristol-Myers Squibb)、NCX-1015(NicOx)、NCX-1020(NicOx)、NCX-1022(NicOx)、ニココルトニド(nicocortonide)(Yamanouchi)、NIK-236(Nikken Chemicals)、NS-126(SSP)、Org-2766(Akzo Nobel)、Org-6632(Akzo Nobel)、P16CM、プロピルメステロロン(Schering AG)、RGH-1113(Gedeon Richter)、ロフレポニド(AstraZeneca)、パルミチン酸ロフレポニド(AstraZeneca)、RPR-106541(Aventis)、RU-26559(Aventis)、Sch-19457(Schering-Plough)、T25(Matrix Therapeutics)、TBI-PAB(Sigma-Tau)、プロピオン酸チカベソン(Hoffmann-La Roche)、チフルアドム(Solvay)、チモベソン(Hoffmann-La Roche)、TSC-5(Takeda)、およびZK-73634(Schering AG)である。
【0112】
非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制薬
本発明はまた、非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制薬(NsIDI)の投与も含み得る。健常な個体において、免疫系は、感染性微生物および異常な細胞型を標的とし、同時に正常細胞を完全なまま維持するために、B細胞およびT細胞などの細胞性エフェクターを使用する。自己免疫障害(例えば糖尿病)を有する個体においては、活性化されたT細胞が健常組織に損傷を与える。カルシニュリン阻害物質(例えばシクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス)、およびラパマイシンは、T細胞を含む多くのタイプの免疫調節細胞を標的とし、自己免疫障害における免疫応答を抑制する。免疫抑制薬は、哺乳動物が器官、組織、または細胞移植も受けている場合に特に有用である。例示的な免疫抑制薬は、以下に提供される。
【0113】
シクロスポリン
シクロスポリンは、免疫抑制薬として作用するあるクラスの環状オリゴペプチドを含む真菌代謝産物である。シクロスポリンA、およびその重水素化類似体ISAtx247は、11個のアミノ酸からなる疎水性環状ポリペプチドである。シクロスポリンAは、細胞内受容体シクロフィリンに結合し複合体を形成する。このシクロスポリン/シクロフィリン複合体は、カルシニュリン、すなわちCa2+-カルモジュリン依存性セリン-トレオニン特異的タンパク質ホスファターゼに結合し、かつ阻害する。カルシニュリンは、T細胞活性化に必要とされるシグナル伝達事象を媒介する(Schreiber et al., Cell 70:365-368, 1991に総説がある)。シクロスポリンならびにそれらの機能的および構造的類似体は、抗原によって誘発されるシグナル伝達を阻害することによってT細胞依存性免疫応答を抑制する。この阻害により、IL-2などの炎症誘発性サイトカインの発現が減少する。
【0114】
多くのシクロスポリン(例えばシクロスポリンA、B、C、D、E、F、G、H、およびI)は、真菌によって産生される。シクロスポリンAは、Novartisから商品名NEORALで市販されている。シクロスポリンAの構造的および機能的類似体には、1つまたは複数のフッ化アミノ酸を有するシクロスポリン(例えば米国特許第5,227,467号に記載されている);改変されたアミノ酸を有するシクロスポリン(例えば米国特許第5,122,511号および第4,798,823号に記載されている);ならびにISAtx247などの重水素化シクロスポリン(米国特許公報20020132763号に記載されている)が含まれる。さらなるシクロスポリン類似体は、米国特許第6,136,357号、第4,384,996号、第5,284,826号、および第5,709,797号に記載されている。シクロスポリン類似体には、Cruzら(Antimicrob. Agents Chemother. 44: 143-149, 2000)に記載されている、D-Sar(α-SMe)3Val2-DH-Cs(209-825)、Allo-Thr-2-Cs、ノルバリン-2-Cs、D-Ala(3-アセチルアミノ)-8-Cs、Thr-2-Cs、ならびにD-MeSer-3-Cs、D-Ser(O-CH2CH2-OH)-8-Cs、およびD-Ser-8-Csが含まれるがこれらに限定されない。
【0115】
シクロスポリンは疎水性が高く、かつ水の存在下で(例えば体液に接触すると)容易に沈殿する。生物学的利用能が改善されたシクロスポリン製剤を提供する方法は、米国特許第4,388,307号、第6,468,968号、第5,051,402号、第5,342,625号、第5,977,066号、および第6,022,852号に記載されている。シクロスポリンマイクロエマルジョン組成物は、米国特許第5,866,159号、第5,916,589号、第5,962,014号、第5,962,017号、第6,007,840号、および第6,024,978号に記載されている。
【0116】
シクロスポリンは、静脈内にまたは経口的に投与され得るが、経口投与が好ましい。シクロスポリンAの疎水性を打ち消すために、静脈内用のシクロスポリンAは通常、投与前に希釈されなければならないエタノール-ポリオキシエチル化ヒマシ油ビヒクル中で提供される。シクロスポリンAは、例えば25mgもしくは100mg錠剤中、または100mg/mlの経口液剤(NEORAL(商標))中のマイクロエマルジョンとして提供され得る。
【0117】
典型的には、経口用シクロスポリンの患者への投与量は患者の状態に応じて変動するが、先行技術の治療計画におけるいくつかの推奨される標準投与量が本明細書において提供される。器官移植(例えば膵島移植)を経験している患者は、典型的には12〜15mg/kg/日の間の量の初回量で経口用シクロスポリンAを与えられる。次いで、7〜12mg/kg/日の維持用量に達するまで、用量は1週間に5%ずつ徐々に減らされる。静脈内投与の場合、大半の患者にとって2〜6mg/kg/日が好ましい。シクロスポリンは、しばしば糖質コルチコイドなど他の免疫抑制剤と組み合わせて投与される。補足的な情報は、表3において提供される。
【0118】
(表3)NsIDI

【0119】
タクロリムス
FK506としても公知のタクロリムス(PROGRAF、Fujisawa)は、T細胞の細胞内シグナル伝達経路を標的とする免疫抑制剤である。タクロリムスは、シクロフィリンに構造的には関連していない細胞内タンパク質のFK506結合タンパク質(FKBP-12)に結合する(Harding et al. Nature 341:758-7601, 1989; Siekienka et al. Nature 341:755-757, 1989;およびSoltoff et al., J. Biol. Chem. 267:17472-17477, 1992)。FKBP/FK506複合体は、カルシニュリンに結合し、カルシニュリンのホスファターゼ活性を阻害する。この阻害により、NFAT、すなわちリンフォカイン(例えばIL-2、γインターフェロン)産生およびT細胞活性化に必要とされる遺伝子転写を開始する核成分の脱リン酸化および核移行が妨げられる。したがって、タクロリムスはT細胞活性化を阻害する。
【0120】
タクロリムスは、ストレプトミセス・ツクバエンシス(Streptomyces tsukubaensis)によって産生されるマクロライド抗生物質である。これは、免疫系を抑制し、移植器官の生存を延長する。これは、経口剤および注射剤として現在利用可能である。タクロリムスカプセル剤は、ゼラチンカプセルシェル内に0.5mg、1mg、または5mgの無水タクロリムスを含む。注射剤は、ヒマシ油およびアルコール中に5mgの無水タクロリムスを含み、これは注射前に9%塩化ナトリウムまたは5%デキストロースで希釈される。経口投与が好ましいが、経口カプセル剤を服用できない患者は、タクロリムス注射を受けてよい。初回量は、移植後6時間後以降に持続点滴静注によって投与されるべきである。
【0121】
タクロリムスおよびタクロリムス類似体は、Tanakaら(J. Am. Chem. Soc, 109:5031, 1987)によって、ならびに米国特許第4,894,366号、第4,929,611号、および第4,956,352号に記載されている。FR-900520、FR-900523、およびFR-900525を含むFK506関連化合物は米国特許第5,254,562号に記載されており;O-アリール、O-アルキル、O-アルケニル、およびO-アルキニルマクロライドは米国特許第5,250,678号、第532,248号、第5,693,648号に記載されており;アミノO-アリールマクロライドは米国特許第5,262,533号に記載されており;アルキリデンマクロライドは米国特許第5,284,840号に記載されており;N-ヘテロアリール、N-アルキルヘテロアリール、N-アルケニルヘテロアリール、およびN-アルキニルヘテロアリールマクロライドは米国特許第5,208,241号に記載されており;アミノマクロライドおよびその誘導体は米国特許第5,208,228号に記載されており;フルオロマクロライドは米国特許第5,189,042号に記載されており;アミノO-アルキル、O-アルケニル、およびO-アルキニルマクロライドは米国特許第5,162,334号に記載されており;ならびに、ハロマクロライドは米国特許第5,143,918号に記載されている。
【0122】
提案される投与量は患者の状態と共に変動すると考えられるが、先行技術の治療計画において使用される推奨される標準投与量が以下に提供される。移植器官を有する患者は、典型的には0.1〜0.2mg/kg/日の用量のタクロリムス経口剤を服用する。関節リウマチの治療を受けている患者は、典型的には1〜3mg/日のタクロリムス経口剤を服用する。乾癬の治療の場合、0.01〜0.15mg/kg/日のタクロリムス経口剤が患者に投与される。タクロリムス経口カプセル剤を服用する患者は、典型的には移植後6時間後以降に、またはタクロリムス静脈内注入を中止後8〜12時間後以降に初回投与を受ける。したがって、提案されるタクロリムス投与量には、0.005〜0.01mg/kg/日、0.01〜0.03mg/kg/日、0.03〜0.05mg/kg/日、0.05〜0.07mg/kg/日、0.07〜0.10mg/kg/日、0.10〜0.25mg/kg/日、または0.25〜0.5mg/kg/日が含まれる。
【0123】
タクロリムスは、混合機能オキシダーゼ系、特にシトクロムP-450系によって著しく代謝される。代謝の主要メカニズムは、脱メチル化および水酸化である。様々なタクロリムス代謝産物が免疫抑制性の生物活性を示す可能性があるが、13-デメチル代謝産物がタクロリムスと同じ活性を有することが報告されている。
【0124】
ピメクロリムスおよびアスコマイシン誘導体
アスコマイシンは、FK506の構造的に近い類似体であり、かつ強力な免疫抑制薬である。これは、FKBP-12に結合し、そのプロリンロタマーゼ活性を抑制する。アスコマイシン-FKBP複合体は、カルシニュリン、すなわちホスファターゼ2B型を阻害する。
【0125】
ピメクロリムス(SDZ ASM-981としても公知)は、アスコマイシンの33-エピ-クロロ誘導体である。これは、ストレプトミセス・ヒグロスコピカス・変種アスコミセイツス(Streptomyces hygroscopicus var. ascomyceitus)株によって産生される。タクロリムスと同様に、ピメクロリムス(ELIDEL(商標)、Novartis)はFKBP-12に結合し、カルシニュリンのホスファターゼ活性を阻害し、かつ初期サイトカインの転写を阻止することによってT細胞活性化を阻害する。特に、ピメクロリムスは、IL-2産生および他の炎症誘発性サイトカインの放出を阻害する。
【0126】
ピメクロリムスの構造的および機能的類似体は、米国特許第6,384,073号に記載されている。ピメクロリムスは、アトピー性皮膚炎の治療用に特に有用である。ピメクロリムスは、1%のクリーム剤として現在利用可能である。個々の投薬量は患者の状態と共に変動すると考えられるが、いくつかの推奨される標準投与量が以下に提供される。器官移植を有する患者には、160〜240mg/日のピメクロリムスを投与することができる。したがって、ピメクロリムスの有用な投与量は、0.5〜5mg/日の間、5〜10mg/日の間、10〜30mg/日の間、40〜80mg/日の間、80〜120mg/日の間、またはさらに120〜200mg/日の間の範囲である。
【0127】
ラパマイシン
ラパマイシン(Rapamune(登録商標)シロリムス, Wyeth)は、ストレプトミセス・ヒグロスコピカスによって産生される環状ラクトンである。ラパマイシンは、Tリンパ球の活性化および増殖を阻害する免疫抑制剤である。シクロスポリン、タクロリムス、およびピメクロリムスと同様に、ラパマイシンはイムノフィリンFKBP-12と複合体を形成するが、ラパマイシン-FKBP-12複合体は、カルシニュリンのホスファターゼ活性を阻害しない。ラパマイシン-イムノフィリン複合体は、哺乳動物のラパマイシン標的タンパク質(mTOR)、すなわち細胞周期の進行に必要とされるキナーゼに結合し、かつ阻害する。mTORキナーゼ活性の阻害により、Tリンパ球増殖およびリンフォカイン分泌が阻止される。
【0128】
ラパマイシンの構造的および機能的類似体には、モノおよびジアシル化ラパマイシン誘導体(米国特許第4,316,885号);ラパマイシンの水溶性プロドラッグ(米国特許第4,650,803号);カルボン酸エステル(PCT公開WO92/05179);カルバマート(米国特許第5,118,678号);アミドエステル(米国特許第5,118,678号);ビオチンエステル(米国特許第5,504,091号);フッ化エステル(米国特許第5,100,883号);アセタール(米国特許第5,151,413号);シリルエーテル(米国特許第5,120,842号);二環性誘導体(米国特許第5,120,725号);ラパマイシン二量体(米国特許第5,120,727号);O-アリール、O-アルキル、O-アルキエニル(alkyenyl)、およびO-アルキニル誘導体(米国特許第5,258,389号);ならびに重水素化ラパマイシン(米国特許第6,503,921号)が含まれる。さらなるラパマイシン類似体は、米国特許第5,202,332号および第5,169,851号に記載されている。
【0129】
エベロリムス(40-O-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシン;CERTICAN(商標);Novartis)は、ラパマイシンに構造的に関連した免疫抑制性マクロライドであり、かつシクロスポリンAと組み合わせて与えられた場合に器官移植の急性拒絶を防止するのに特に効果的であることが見出されている。
【0130】
ラパマイシンは、液剤および錠剤として経口投与用に現在利用可能である。RAPAMUNE(商標)液剤は、1mg/mLのラパマイシンを含み、投与前に水またはオレンジジュース中で希釈される。1または2mgのラパマイシンを含む錠剤もまた、利用可能である。ラパマイシンは、好ましくは、移植後できるだけすぐに1日1回与えられる。これは、経口投与後、迅速かつ完全に吸収される。典型的には、ラパマイシンの患者への投与量は患者の状態に応じて変動するが、いくつかの推奨される標準投与量が以下に提供される。ラパマイシンの初回負荷量は6mgである。その後の維持用量は、2mg/日が典型的である。または、3mg、5mg、10mg、15mg、20mg、もしくは25mgの負荷用量を、1日当たり1mg、3mg、5mg、7mg、もしくは10mgの維持用量と共に使用することもできる。体重40kg未満の患者の場合、ラパマイシン投与量は典型的には体表面積に基づいて調整される;一般に3mg/m2/日の負荷用量および1-mg/m2/日の維持用量が使用される。
【0131】
コンジュゲート
望ましいならば、本明細書において記述される組合せのうち任意のものにおいて使用される薬物は、互いに共有結合的に結合して式XXXのコンジュゲートを形成してよい。

【0132】
式XXXにおいて、(A)は表1に記載された薬物であり、リンカー(L)を介して(B)、すなわちスルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、抗酸化薬、または表1に記載された第2の薬物に共有結合的に繋がれている。
【0133】
本発明のコンジュゲートは、任意の経路によって、かつ本明細書において記述される任意の疾患の治療のために、被験者に投与することができる。
【0134】
本発明のコンジュゲートは、例えば細胞内および細胞外の酵素(例えばアミダーゼ、エステラーゼ、およびホスファターゼ)によりコンジュゲートが切断されると薬物(A)および薬物(B)を放出するプロドラッグであり得る。本発明のコンジュゲートはまた、大部分がインビボで完全なまま存続し、細胞内および細胞外の酵素による切断に耐えるように設計することもできる。コンジュゲートのインビボでの分解は、リンカー(L)ならびにコンジュゲート合成の進行中に薬物(A)および薬物(B)によって形成される共有結合の設計によって制御することができる。
【0135】
コンジュゲートは、当業者によく知られている技術を用いて調製することができる。例えば、コンジュゲートは、G. Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press, Inc., 1996において開示されている方法を用いて調製することができる。コンジュゲートの合成は、薬物(A)、リンカー、および/または薬物(B)のアルコール、アミン、ケトン、スルフヒドリル、またはカルボキシル官能基の選択的保護および脱保護を含み得る。例えば、一般に使用されるアミン保護基には、tert-ブチル、ベンジル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、9-フルオレニルメチル、アリル、およびm-ニトロフェニルなどのカルバマートが含まれる。他の一般に使用されるアミン保護基には、ホルムアミド、アセトアミド、トリフルオロアセトアミド、スルホンアミド、トリフルオロメタンスルホニルアミド、トリメチルシリルエタンスルホンアミド、およびtert-ブチルスルホニルアミドなどのアミドが含まれる。一般に使用されるカルボキシル保護基の例には、メチル、エチル、tert-ブチル、9-フルオレニルメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジル、ジフェニルメチル、O-ニトロベンジル、オルト-エステル、およびハロ-エステルなどのエステルが含まれる。一般に使用されるアルコール保護基の例には、メチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、テトラヒドロピラニル、エトキシエチル、ベンジル、2-ナプチル(napthyl)メチル、O-ニトロベンジル、P-ニトロベンジル、P-メトキシベンジル、9-フェニルキサンチル、トリチル(メトキシトリチルを含む)、およびシリルエーテルなどのエーテルが含まれる。一般に使用されるスルフヒドリル保護基の例には、ヒドロキシル用に使用されるのと同じ保護基のうちの多くが含まれる。さらに、スルフヒドリルは、還元型(例えばジスルフィド)または酸化型(例えばスルホン酸、スルホン酸エステル、もしくはスルホン酸アミド)で保護され得る。保護基は、分子中の他の保護基を含まずに、それぞれを除去するために選択的条件(例えば酸性条件、塩基性条件、求核剤による触媒作用、ルイス酸による触媒作用、または水素付加)が必要となるように選択することができる。アミン、アルコール、スルフヒドリル、およびカルボキシル官能基に保護基を付加するのに必要とされる条件、ならびにそれらを除去するのに必要とされる条件は、T.W. Green and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis (2nd Ed.), John Wiley & Sons, 1991およびP.J. Kocienski, Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, 1994において詳細に提供されている。合成のさらなる詳細が、以下に提供される。
【0136】
リンカー
本発明のリンカー成分は、最も簡潔には薬物(A)と薬物(B)の間の結合であるが、典型的には、薬物(A)を薬物(B)に共有的に連結するペンダント基を有する、直鎖状、環状、または分枝状の分子骨格を提供する。
【0137】
したがって、薬物(A)の薬物(B)への連結は、薬物(A)および薬物(B)上に位置する1つまたは複数の官能基との結合形成を含む、共有結合的手段によって実現される。この目的のために使用され得る化学的に良く反応する官能基の例には、限定されるわけではないが、アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、カルボキシル、カルボニル、炭水化物基、隣接ジオール、チオエーテル、2-アミノアルコール、2-アミノチオール、グアニジニル、イミダゾリル、およびフェノール基が含まれる。
【0138】
薬物(A)および薬物(B)の共有結合は、薬物(A)および薬物(B)中に存在するこのような官能基と反応できる反応性部分を含むリンカーを用いてもたらされ得る。例えば、薬物(A)のアミン基は、リンカーのカルボキシル基、または活性化されたその誘導体と反応して、それら2種を連結するアミドの形成をもたらし得る。
【0139】
スルフヒドリル基と反応できる部分の例には、Gurd, Methods Enzymol. 11:532 (1967)によって記載されているように、スルフヒドリル基に対して特有の反応性を示すが、イミダゾリル、チオエーテル、フェノール、およびアミノ基を修飾するのにも使用され得るXCH2CO-(X=Br、Cl、またはI)型のα-ハロアセチル化合物が含まれる。N-マレイミド誘導体もまた、スルフヒドリル基に対して選択的であるとみなされるが、さらに、特定の条件下でアミノ基に結合する際にも有用となり得る。アミノ基の変換を介してチオール基を導入する2-イミノチオラン(Traut et al., Biochemistry 12:3266 (1973))などの試薬は、ジスルフィド架橋の形成を通して連結が起こる場合にスルフヒドリル試薬としてみなされ得る。
【0140】
アミノ基と反応できる反応性部分の例には、例えばアルキル化剤およびアシル化剤が含まれる。代表的なアルキル化剤には以下のものが含まれる:
(i)例えばWong Biochemistry 24:5337(1979)によって記載されているような、反応性チオール基の不在下でアミノ基に対して特異性を示し、かつXCH2CO-(X=Cl、Br、またはI)型であるα-ハロアセチル化合物;
(ii)例えばSmyth et al., J.Am. Chem. Soc. 82:4600 (1960)およびBiochem. J. 91:589 (1964)によって記載されているような、マイケル型反応を介してまたは環カルボニル基への付加によるアシル化を介してアミノ基と反応し得るN-マレイミド誘導体;
(iii)反応性ニトロハロ芳香族化合物などのハロゲン化アリール;
(iv)例えばMcKenzie et al., J. Protein Chem. 7:581 (1988)によって記載されているようなハロゲン化アルキル;
(v)アミノ基とシッフ塩基を形成することができるアルデヒドおよびケトン。形成されたこれらの付加体は通常、還元により安定化されて安定なアミンを生じる;
(vi)アミノ、スルフヒドリル、またはフェノール性ヒドロキシル基と反応し得る、エピクロロヒドリンおよびビスオキシランなどのエポキシド誘導体;
(vii)アミノ、スルフヒドリル(sufhydryl)、およびヒドロキシル基などの求核剤に対して反応性が高い、s-トリアジンの塩素含有誘導体;
(viii)開環によってアミノ基などの求核剤と反応する、例えばRoss, J.Adv. Cancer Res. 2:1 (1954)によって記載されているような、上記に詳述したs-トリアジン化合物をべースとするアジリジン;
(ix)Tietze, Chem. Ber. 124: 1215 (1991)によって記載されているようなスクエア酸ジエチルエステル;ならびに
(x)Benneche et al., Eur.J. Med. Chem. 28:463 (1993)によって記載されているような、エーテルの酸素原子によって引き起こされる活性化によって通常のハロゲン化アルキルより高い反応性を有するアルキル化剤である、α-ハロアルキルエーテル。
【0141】
代表的なアミノ反応性アシル化剤には、以下のものが含まれる:
(i)安定な尿素およびチオ尿素誘導体をそれぞれ形成する、イソシアナートおよびイソチオシアナート、特に芳香族誘導体;
(ii)Herzig et al., Biopolymers 2:349 (1964)によって記載されている、塩化スルホニル;
(iii)酸ハロゲン化物;
(iv)ニトロフェニルエステルまたはN-ヒドロキシスクシンイミジルエステルなどの活性エステル;
(v)混合無水物、対称無水物、またはN-カルボキシ無水物などの酸無水物;
(vi)例えばM. Bodansky, Principles of Peptide Synthesis, Springer- Verlag, 1984に記載されているような、アミド結合形成のための他の有用な試薬;
(vii)Wetz et al., Anal. Biochem. 58:347 (1974)に記載されているようなアシルアジド、例えば、前もって形成されたヒドラジド誘導体から亜硝酸ナトリウムによってアジド基が生成されるもの;ならびに
(viii)例えばHunter and Ludwig, J. Am. Chem. Soc. 84:3491 (1962)によって記載されているような、アミノ基と反応して安定なアミジンを形成するイミドエステル。
【0142】
アルデヒドおよびケトンはアミンと反応してシッフ塩基を形成し得、これは、有利には還元的アミノ化によって安定化され得る。例えばWebb et al., in Bioconjugate Chem. 1:96 (1990)によって記載されているように、アルコキシルアミノ部分は、ケトンおよびアルデヒドと容易に反応して安定なアルコキサミン(alkoxamine)を生成する。
【0143】
カルボキシル基と反応することができる反応性部分の例には、例えばHerriot, Adv.Protein Chem. 3:169 (1947)によって記載されているように、高い特異性で反応してエステル基を生成する、ジアゾ酢酸エステルおよびジアゾアセトアミドなどのジアゾ化合物が含まれる。O-アシル尿素形成とそれに続くアミド結合形成を介して反応する、カルボジイミドなどのカルボキシル修飾試薬もまた使用され得る。
【0144】
薬物(A)および/または薬物(B)中の官能基は、望ましいならば、例えば付加的な反応性または選択性を与えるために、反応の前に他の官能基に変換してもよいことが理解されるであろう。この目的のために有用な方法の例には、ジカルボン酸無水物などの試薬を用いた、アミンのカルボキシルへの変換;N-アセチルホモシステインチオラクトン、S-アセチルメルカプトコハク酸無水物、2-イミノチオラン、またはチオール含有スクシンイミジル誘導体などの試薬を用いた、アミンのチオールへの変換;α-ハロ酢酸などの試薬を用いた、チオールのカルボキシルへの変換;エチレンイミンまたは2-ブロモエチルアミンなどの試薬を用いた、チオールのアミンへの変換;カルボジイミドとそれに続くジアミンなどの試薬を用いた、カルボキシルのアミンへの変換;ならびに塩化トシルなどの試薬とそれに続くチオアセタートとのエステル転移反応および酢酸ナトリウムを用いたチオールへの加水分解を用いた、アルコールのチオールへの変換が含まれる。
【0145】
付加的な連結材料の導入を伴わず、薬物(A)の反応性化学基と薬物(B)の反応性化学基の直接共有結合を含む、いわゆる長さゼロのリンカーを、望ましいならば、本発明に従って使用してよい。
【0146】
しかしながら、最も一般にはリンカーは、前述したように、スペーサー要素によって連結された2つまたはそれ以上の反応性部分を含むと考えられる。このようなスペーサーが存在することにより、2官能性リンカーが薬物(A)および薬物(B)内の特異的な官能基と反応して、結果としてこれら2種の間に共有結合を生じることが可能になる。リンカー中の反応性部分は同種(ホモ2官能性リンカー)または別種(ヘテロ2官能性リンカー、もしくはいくつかの異なる反応性部分が存在する場合はヘテロ多官能性リンカー)でよく、薬物(A)と薬物(B)の間の共有結合を実現し得る多様な潜在的試薬が提供される。
【0147】
リンカー中のスペーサー要素は、典型的には直鎖または分枝鎖からなり、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10アルクヘテロシクリル、またはC1〜10ヘテロアルキルが含まれ得る。
【0148】
場合によっては、リンカーは式(XXXI)によって記述される:

【0149】
式(XXXI)において、G1は薬物(A)とリンカーの間の結合であり;G2はリンカーと薬物(B)の間の結合であり;Z1、Z2、Z3、およびZ4は、それぞれ独立にO、S、およびNR31より選択され;R31は、水素、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10アルクヘテロシクリル、またはC1〜7ヘテロアルキルであり;Y1およびY2は、それぞれ独立にカルボニル、チオカルボニル、スルホニル、またはホスホリルより選択され;
o、p、s、t、u、およびvは、それぞれ独立に0または1であり;かつ、R30はC1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルカリル、C3〜10アルクヘテロシクリル、もしくはC1〜10ヘテロアルキル、またはG1-(Z1)O-(Y1)u-(Z2)Sを-(Z3)t-(Y2)v-(Z4)p-G2に連結している化学結合である。
【0150】
本発明のコンジュゲートの調製において有用なホモ2官能性リンカーの例には、限定されるわけではないが、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、およびヘキサメチレンジアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、およびポリカプロラクトンジオールより選択されるジアミンおよびジオールが含まれる。
【0151】
処方
本発明に従って使用される作用物質のうち任意のものは、任意の適切な担体物質中に任意の適切な量で含まれ得、一般に組成物総重量の1〜95重量%の量で存在する。組成物は、経口、非経口(例えば静脈内、筋肉内)、直腸、皮膚(cutaneous)、鼻、膣、吸入、表皮(パッチ)、または眼の投与経路に適した剤形で提供され得る。したがって、組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、液剤、ヒドロゲルを含むゲル剤、パスタ剤、軟膏剤、クリーム剤、硬膏剤、水薬、浸透圧式送達装置、坐剤、浣腸、注射剤、植込錠、スプレー、またはエアロゾルの形態でよい。この薬学的組成物は、従来の薬学的実践に従って調製され得る(例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000, ed. A.R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins, PhiladelphiaおよびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照されたい)。
【0152】
複数の作用物質が使用される場合、各作用物質は、当技術分野において公知である様々な方法で調製され得る。望ましくは、これらの作用物質は、それらの作用物質を同時にまたはほぼ同時に投与するために一緒に配合される。このような同時配合された組成物は、同じ丸剤、カプセル剤、液剤などの中に共に配合された2種の作用物質を含むことができる。このような組合せの調製に言及する場合、使用される調製技術はまた、その組合せの個々の作用物質、ならびに本発明の他の組合せの調製にも有用であることを理解すべきである。異なる作用物質に対して異なる調製戦略を用いることによって、各作用物質の薬物動態学的プロファイルを適切に調和させることができる。
【0153】
個別にまたは別々に調製された作用物質を、キットとして一緒に包装することができる。非限定的な例には、例えば2種の丸剤、すなわち1種の丸剤および1種の散剤、1種の坐剤および1種のバイアル入り液剤、2種の局所用クリーム剤などを含むキットが含まれる。キットは、粉末型を溶解するためのバイアル、注射用のシリンジ、特別仕様のIV送達系、吸入器など、患者に単位用量を投与するのに役立つ任意選択の構成要素を含み得る。さらに、単位用量のキットは、それらの組成物を調製および投与するための取扱い説明書も含み得る。キットは、1名の患者に対する1回使用単位用量、特定の患者に対する複数回使用(一定の用量、もしくは治療が進行するにつれて個々の化合物の効力が変動し得る)として製造され得、またはキットは、複数の患者への投与に適した複数用量を含み得る(大量包装)。キット構成要素は、カートン、ブリスター包装、瓶、管などの中に集められ得る。
【0154】
投与量
一般に、ヒトに投与される場合、本発明の組合せの作用物質のうち任意のものの投与量は、その作用物質の性質に依存すると考えられ、当業者によって容易に決定され得る。典型的には、このような投与量は通常、1日当たり約0.001mg〜2000mg、望ましくは1日当たり約1mg〜1000mg、およびより望ましくは1日当たり約5mg〜500mgである。1日当たり最大200mgの投与量が必要となり得る。
【0155】
組合せ中の各薬物の投与は、それぞれ独立に1日〜1年間、1日1〜4回でよく、かつ患者の生涯を通じてずっとでもよい。長く続く長期投与が、多くの症例において必要とされると考えられる。
【0156】
付加的用途
望ましいならば、本発明の化合物は、本明細書において例が記述される当技術分野において一般に公知のアッセイ法を用いて、他の組合せまたは単一の作用物質が代謝障害(例えば糖尿病またはそれに関連した状態のうち任意のもの)を治療、軽減、または予防することにおいてその組合せと同じくらい効果的であるかを測定するための機械的アッセイ法において使用され得る。例えば、候補化合物が、単独でまたは(例えば、本明細書において記述されるものなどグルコースレベルを低下させる作用物質と)組み合わせて試験され得、インスリンおよびグルコースの存在下で脂肪細胞または筋細胞に適用され得る。適切な時間をおいて、これらの細胞のグルコース取込みを検査する。グルコース取込みの増加により、候補の化合物または作用物質の組合せが、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有効な作用物質として同定される。
【0157】
本発明の作用物質はまた、グルコース輸送およびグルコース利用に関与している生物学的経路に関する機械的情報を解明する際の有用なツールでもある。このような情報は、糖尿病を治療、予防、または軽減するための新しい組合せまたは単一の作用物質の開発につながり得る。生物学的経路を決定するための当技術分野において公知の方法を使用して、本発明の化合物にインスリンおよびグルコースの存在下で細胞(例えば脂肪細胞、筋細胞、もしくはエネルギー源としてグルコースを利用する任意の細胞)を接触させることによって、または膵細胞(インスリンの産生能を有する任意の細胞)を接触させることによって影響を及ぼされる経路または経路網を決定することができる。このような方法には、未処理の陽性もしくは陰性対照化合物、ならびに/または新しい単一の作用物質および組合せと比較して、本発明の化合物との接触後に発現もしくは抑制される細胞構成成分を解析すること、または酵素活性、栄養物取込み、および増殖など細胞のいくつかの他の代謝活性を解析することが含まれる。解析される細胞成分には遺伝子転写物、およびタンパク質発現が含まれ得る。適切な方法には、標準的な生化学技術、本発明の化合物の放射標識(例えば14Cまたは3H標識)、および例えば2Dゲルを用いた、タンパク質に結合する化合物の観察、遺伝子発現プロファイリングが含まれ得る。同定された後、これらの化合物をインビボモデル(例えばNODマウス)で使用して、さらにこのツールを確認し、または代謝障害を治療、予防、もしくは軽減するための新しい作用物質もしくは戦略を開発することができる。
【0158】
上記に示したように、本発明の方法はまた、糖尿病または糖尿病に関連した状態を発症するリスクが高い患者において予防的に使用され得る。リスク要因には、例えば糖尿病もしくは肥満状態の家族歴、栄養の質、身体的活動のレベル、糖尿病の分子マーカーの存在、年齢、人種、または性別が含まれる。他の関係の無い障害に冒された患者もまた、2次性糖尿病に罹患しやすい場合があり得る。
【0159】
例示的な候補化合物
ペプチド部分
ペプチド、ペプチドミメティック、およびペプチド断片(天然、合成、または化学的に改変されたもの)は、本発明を実施する際に使用するのに適している。例示的な阻害物質には、標的タンパク質の量またはRNAレベルを低減させる化合物(例えばアンチセンス化合物、dsRNA、リボザイム)および結合相手を求めて内在性の有糸分裂キネシンまたはタンパク質チロシンホスファターゼと競合する化合物(例えば優性ネガティブタンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチド)が含まれる。
【0160】
アンチセンス化合物
血中グルコース濃度を上昇させる任意の酵素の生物活性は、その標的タンパク質をコードしているRNAを対象とするアンチセンス化合物の使用によって低減させることができる。シグナル伝達分子の発現を低減させるアンチセンス化合物は、標準技術を用いて同定することができる。例えば、MFOLD(RNA Biochemistry and Biotechnology, J. Barciszewski & B. F. C. Clark, eds., NATO ASI Series, Kluwer Academic Publishers, (1999)中のM. Zuker, D. H. Mathews & D. H. Turner, Algorithms and Thermodynamics for RNA Secondary Structure Prediction: A Practical Guide)などのRNA2次構造折り畳みプログラムを用いて、標的酵素の標的mRNAの到達可能な領域を予測することができる。mRNAの予測される最も安定な折り畳みから5%以内の自由エネルギー値を有する準最適折り畳みが、ある残基が塩基対結合を形成するための相補的塩基をその中から発見できる200塩基対のウィンドウを用いて予測される。塩基対を形成しないオープンな領域はそれぞれの準最適折り畳みと共に合計され、かつ、オープンであると予測される領域は、アンチセンス核酸塩基オリゴマーへの結合により到達しやすいとみなされる。アンチセンス設計のための他の方法は、例えば米国特許第6,472,521号、Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 1997 7:439-444、 Nucleic Acids Research 28:2597-2604, 2000、および Nucleic Acids Research 31:4989-4994, 2003において記載されている。
【0161】
RNA干渉
シグナル伝達分子の生物活性は、例えば、問題のシグナル伝達分子を対象とする2本鎖RNA(dsRNA)または低分子干渉RNA(siRNA)を使用するRNA干渉(RNAi)の使用によって減少させることができる(例えばMiyamoto et al., Prog. Cell Cycle Res. 5:349-360, 2003;米国特許出願公開第20030157030号を参照されたい)。このような干渉RNAを設計するための方法は、当技術分野において公知である。例えば、干渉RNAを設計するためのソフトウェアが、Oligoengine (Seattle, WA)から入手可能である。
【0162】
優性ネガティブタンパク質
当業者なら、標的とされるシグナル伝達分子に対して優性ネガティブなタンパク質を作製する方法を知っているはずである。このような優性ネガティブタンパク質は、例えばGupta et al., J. Exp. Med., 186:473-478, 1997; Maegawa et al., J. Biol. Chem. 274:30236-30243, 1999; Woodford-Thomas et al., J. Cell Biol. 117:401-414, 1992に記載されている。
【0163】
実施例1:インビトロにおけるインスリン刺激によるグルコース取込みの増加
分化したマウス脂肪細胞を使用して、放射標識グルコースのシンチレーション計数によって検出されるように(例えばPerkin Elmer 1450 Microbeta JETリーダーを使用)、インスリン刺激時のグルコース取込みを増加させる能力を有する作用物質の組合せを同定した。これらのアッセイ法は以下のようにして実施した。
【0164】
材料および方法
プリーズ(Prees)培地
「プリーズ」培地とも呼ばれる完全培地を以下のようにして調製した。ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に、L-グルタミン、ペニシリンGおよびストレプトマイシン(pen/strep)、ならびに熱失活させたウシ胎児血清(FBS)(65℃で30分間、加熱不活性化した)を添加した。血清は、細胞の増殖、接着、および分化に影響を及ぼし得るため、任意の新しいロットの血清を、使用する前に最初に試験した。指示色素の赤/橙色によって示されるように、pHが適切な範囲内(約7)になるまで、培地をインキュベーター(5%CO2)中で平衡化した。培地が桃色(高pHを示す)になった場合には、塩基性条件は細胞を冒し得、かつ分化培地1(DM1)および分化培地2(DM2)において使用されるインスリンを変性させ得るため、本発明者らは培地を廃棄した。
【0165】
分化培地
10%FBS、L-グルタミン、pen/strep、IBMX(375μM)、インスリン(120nM)、およびデキサメタゾン(188nM)をDMEMに添加することによって、分化培地1(DM1)を調製した。10%FBS、L-グルタミン、pen/strep、およびインスリン(120nM)をDMEMに添加することによって、分化培地2(DM2)を調製した。
【0166】
ゼラチン化プレートの作製
細胞培養プレートを以下のようにしてゼラチン化した。ゼラチン(蒸留水中l%w/v)を高圧滅菌し、かつ室温で保存した。ゼラチン溶液中で各細胞培養ウェルの底面を均一に覆い、泡が形成されないように徹底した。この溶液を除去して、ゼラチンの薄い薄膜を残した。これらのプレートを組織培養フード下で放置して乾燥させた。次にPBSでプレートを洗浄し、その後、0.5%グルタルジアルデヒド溶液(蒸留水中グルタルアルデヒド)を細胞培養ウェルに添加した。10分後、pen-strepを含むDMEMでウェルを2回洗浄した。各洗浄工程は約5分間続けるべきである。
【0167】
細胞培養
3T3-L1前脂肪細胞を、約2〜3日毎に、または約60%の集密度に達した時点で分割した。過度な集密は、これらの細胞が脂肪細胞に分化する能力に影響を及ぼし得る。
【0168】
他の試薬
D-(+)-グルコース(「非放射性の」グルコース、放射標識されていない)をDPBSミックスに添加して最終濃度を10mMにした。
【0169】
溶解緩衝液、すなわち塩基(例えば最終濃度0.5Nの水酸化ナトリウム)および界面活性剤(例えば最終濃度0.1%w/vとなるように希釈されたドデシル硫酸ナトリウム(SDS))の混合物を毎回新しく調製した(使用前1〜2時間以内)。使用前に、緩衝液の沈殿を回避するために約30分間、室温を超える温度まで溶解緩衝液を温めた。
【0170】
グルコース取込みの測定
前脂肪細胞3T3-L1細胞を、約5000細胞/ウェルの密度で(黒色のNUNC96ウェルプレート中に)播種した。これらの細胞を、2つの別々の工程で脂肪細胞に分化させた。最初に、分化培地1(DM1)中で細胞培養を開始し(脂肪細胞分化の1日目)、2〜3日間培養した。DM1は、増殖を妨げ、かつ脂肪細胞に特異的な遺伝子の発現を誘導する。次に細胞を分化培地2(DM2)中で3〜4日間培養し、その後培養培地を新鮮なDM2に交換した。分化の9〜15日目にグルコース取込みアッセイ法を実施した。
【0171】
実験の2日前(分化の7〜13日目)に、DM2を除去して新鮮なプリーズ培地に交換した。この時点で候補化合物を添加し、約48時間のインキュベーション期間を与えた。実験当日に、DPBS、硫酸マグネシウム(0.8mM)、およびpH約7のHepes(10mM)中で3時間、細胞(この時点で分化の9〜15日目)を血清飢餓状態にした。このインキュベーション期間の後、インスリン(10nM)を含む新鮮なDPBSを脂肪細胞に添加した。インスリンを全く含まない新鮮なDPBSを、陰性対照としての機能を果たす細胞に添加した。37℃、25分のインキュベーション期間の後、放射性グルコース(14Cで標識、最終濃度0.04mM、各ウェル中に約0.26μCiの14Cグルコース)を、室温で15分間、培地に添加した。次に培地を除去し、細胞を入念に洗浄し、かつ溶解させた。溶解すると、細胞は、ウェルの底面から分離された小さな濁った塊を形成する。各ウェルに10%氷酢酸を添加して、溶解反応を止めた。次にシンチレーション液をウェルに添加し、Micro Betaプレートリーダーを用いて各ウェル中の放射能量を測定することによって、グルコースの取込みを測定した。
【0172】
このデータを以下の表4および5に示す。
(表4)

【0173】
溶媒処理された対照と比較した、インスリン刺激によるグルコース取込みの平均増加率を測定した。4つの生物学的レプリケートの平均を示す。すべての組合せ用量で、単一の作用物質と比較するとグルコース取り込みが増加している。
(表5)

【0174】
溶媒処理された対照と比較した、インスリン刺激によるグルコース取込みの平均増加率を測定した。3つの生物学的レプリケートの平均を示す。すべての組合せ用量で、単一の作用物質と比較するとグルコース取り込みが増加している。
【0175】
実施例2:ベザフィブラートおよびジフルニサルの組合せはラットモデルにおいてインスリン感受性を低下させる
4週間の高脂肪食給餌(カロリーの60%が脂肪に由来)によって雄のスプラーグドーリーラットにインスリン抵抗性を誘導した。高脂肪食の開始後1週目に薬物治療を開始した。経口胃管栄養法によって、薬物を3週間毎日投与した。
【0176】
3週間治療した後、動物を5時間絶食させ、かつ麻酔し、血清中のグルコースおよびインスリンレベルを測定するために下大静脈から血液を採取した。恒常性モデル評価(HOMA)を用いてインスリン感受性を測定した。

【0177】
結果を図1〜3に示す。
【0178】
実施例3:スクリーニングアッセイ法により、脂肪細胞によるグルコース取込みを増加させるさらなる作用物質を同定する
分化したマウス脂肪細胞を使用して、放射標識グルコースのシンチレーション計数によって検出されるように(例えばPerkin Elmer 1450 Microbeta JETリーダーを使用)、インスリン刺激時のグルコース取込みを増加させる能力を有する作用物質の組合せを同定した。これらのアッセイ法は以下のようにして実施した。
【0179】
材料および方法
プリーズ培地
「プリーズ」培地とも呼ばれる完全培地を以下のようにして調製した。ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に、L-グルタミン、ペニシリン-Gおよびストレプトマイシン(pen/strep)、ならびに熱失活させたウシ胎児血清(FBS)(65℃で30分間、加熱不活性化した)を添加した。血清は、細胞の増殖、接着、および分化に影響を及ぼし得るため、任意の新しいロットの血清を、使用する前に最初に試験した。指示色素の赤/橙色によって示されるように、pHが適切な範囲内(約7)になるまで、培地をインキュベーター(5%CO2)中で平衡化した。培地が桃色(高pHを示す)になった場合には、塩基性条件は細胞を冒し得、かつ分化培地1(DM1)および分化培地2(DM2)において使用されるインスリンを変性させ得るため、本発明者らは培地を廃棄した。
【0180】
分化培地
10%FBS、L-グルタミン、pen/strep、IBMX(375μM)、インスリン(120nM)、およびデキサメタゾン(188nM)をDMEMに添加することによって、分化培地1(DM1)を調製した。10%FBS、L-グルタミン、pen/strep、およびインスリン(120nM)をDMEMに添加することによって、分化培地2(DM2)を調製した。
【0181】
ゼラチン化プレートの作製
細胞培養プレートを以下のようにしてゼラチン化した。ゼラチン(蒸留水中l%w/v)を高圧滅菌し、かつ室温で保存した。ゼラチン溶液中で各細胞培養ウェルの底面を均一に覆い、泡が形成されないように徹底した。この溶液を除去して、ゼラチンの薄い薄膜を残した。これらのプレートを組織培養フード下で放置して乾燥させた。次にPBSでプレートを洗浄し、その後、0.5%グルタルジアルデヒド溶液(蒸留水中グルタルアルデヒド)を細胞培養ウェルに添加した。10分後、pen-strepを含むDMEMでウェルを2回洗浄した。各洗浄工程は約5分間続けるべきである。
【0182】
細胞培養
3T3-L1前脂肪細胞を、約2〜3日毎に、または約60%の集密度に達した時点で分割した。過度な集密は、これらの細胞が脂肪細胞に分化する能力に影響を及ぼし得る。
【0183】
他の試薬
D-(+)-グルコース(「非放射性の」グルコース、放射標識されていない)をDPBSミックスに添加して最終濃度を10mMにした。
【0184】
溶解緩衝液、すなわち塩基(例えば最終濃度0.5Nの水酸化ナトリウム)および界面活性剤(例えば最終濃度0.1%w/vとなるように希釈されたドデシル硫酸ナトリウム(SDS))の混合物を毎回新しく調製した(使用前1〜2時間以内)。使用前に、緩衝液の沈殿を回避するために約30分間、室温を超える温度まで溶解緩衝液を温めた。
【0185】
グルコース取込みの測定
前脂肪細胞3T3-L1細胞を、約5000細胞/ウェルの密度で(黒色のNUNC96ウェルプレート中に)播種した。これらの細胞を、2つの別々の工程で脂肪細胞に分化させた。最初に、分化培地1(DM1)中で細胞培養を開始し(脂肪細胞分化の1日目)、2〜3日間培養した。DM1は、増殖を妨げ、かつ脂肪細胞に特異的な遺伝子の発現を誘導する。次に細胞を分化培地2(DM2)中で3〜4日間培養し、その後培養培地を新鮮なDM2に交換した。分化の9〜15日目にグルコース取込みアッセイ法を実施した。
【0186】
実験の2日前(分化の7〜13日目)に、DM2を除去して新鮮なプリーズ培地に交換した。この時点で候補化合物を添加し、約48時間のインキュベーション期間を与えた。実験当日に、DPBS、硫酸マグネシウム(0.8mM)、およびpH約7のHepes(10mM)中で3時間、細胞(この時点で分化の9〜15日目)を血清飢餓状態にした。このインキュベーション期間の後、インスリン(10nM)を含む新鮮なDPBSを脂肪細胞に添加した。インスリンを全く含まない新鮮なDPBSを、陰性対照としての機能を果たす細胞に添加した。37℃、25分のインキュベーション期間の後、放射性グルコース(14Cで標識、最終濃度0.04mM、各ウェル中に約0.26μCiの14Cグルコース)を、室温で15分間、培地に添加した。次に培地を除去し、細胞を入念に洗浄し、かつ溶解させた。溶解すると、細胞は、ウェルの底面から分離された小さな濁った塊を形成する。各ウェルに10%氷酢酸を添加して、溶解反応を止めた。次にシンチレーション液をウェルに添加し、Micro Betaプレートリーダーを用いて各ウェル中の放射能量を測定することによって、グルコースの取込みを測定した。グルコース取込み活性を示した化合物を表4に示す。表4は、様々な濃度の各化合物のグルコース取込み活性(標準偏差(sF)と共にF(基準に対する倍率)として示す)を示す。S/Nは、ノイズ比を超えるシグナルを示す。
【0187】
別の一連の実験において、非糖尿病被験者に由来する細胞の条件的不死化によって得られるヒト骨格筋芽細胞を使用して、グリコーゲン合成に対する多数の化合物の影響をスクリーニングした。各化合物に対して、2種の用量をトリプリケートで試験した。溶媒を陰性対照として使用し、インスリンを陽性対照として使用した。処理前に、Ham's F10培地中で12〜18時間、細胞を血清飢餓状態にした。次に、放射標識グルコースを含む無血清培地中で2時間、試験化合物または対照と共に細胞をインキュベートし、その後、グリコーゲン合成を測定した。これらの実験の結果を表4に示す(Xlsyzとして示す)。
【0188】
(表6)



【0189】
他の態様
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、および特許は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0190】
記述された本発明の方法および系の様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。特定の望ましい態様に関して本発明を記述したが、特許請求の範囲の本発明は、そのような特定の態様に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、医学、免疫学、薬理学、内分泌学の分野または関連分野の当業者には明白である、本発明を実施するための記述された方法の様々な修正は、本発明の範囲内にあると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0191】
(図1)恒常性モデル評価(HOMA)を用いて測定された、雄のスプラーグドーリー(SpragueDawley)ラットのインスリン感受性を示すグラフである。4週間の高脂肪食給餌(カロリーの60%が脂肪に由来)によってインスリン抵抗性を誘導した。高脂肪食の開始後1週目に薬物治療を開始した。経口胃管栄養法によって、薬物を3週間毎日投与した。3週間治療した後、動物を5時間絶食させ、かつ麻酔し、血清中のグルコースおよびインスリンレベルを測定するために下大静脈から血液を採取した。HOMAを用いてインスリン感受性を測定した。

Pio=ピオグリタゾン;Bez-ベザフィブラート;DF=ジフルニサル;HF=高脂肪
(図2)雄のスプラーグドーリーラットの血中グルコースレベルを示すグラフである。4週間の高脂肪食給餌(カロリーの60%が脂肪に由来)によってインスリン抵抗性を誘導した。高脂肪食の開始後1週目に薬物治療を開始した。経口胃管栄養法によって、薬物を3週間毎日投与した。3週間治療した後、動物を5時間絶食させ、かつ麻酔し、下大静脈から血液を採取した。
(図3)雄のスプラーグドーリーラットの血清インスリンレベルを示すグラフである。4週間の高脂肪食給餌(カロリーの60%が脂肪に由来)によってインスリン抵抗性を誘導した。高脂肪食の開始後1週目に薬物治療を開始した。経口胃管栄養法によって、薬物を3週間毎日投与した。3週間治療した後、動物を5時間絶食させ、かつ麻酔し、下大静脈から血液を採取した。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む組成物:
(a)ベザフィブラートまたはその類似体;および
(b)ジフルニサルまたはその類似体、
ここで、該ベザフィブラートおよびジフルニサルは、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する。
【請求項2】
以下を含む組成物:
(a)ベザフィブラートまたはその類似体;および
(b)ケイ皮酸またはその類似体、
ここで、該ベザフィブラートおよびジフルニサルは、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する。
【請求項3】
ベザフィブラート類似体が、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、およびゲムフィブロジルからなる群より選択される、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、タンパク質キナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択される第3の作用物質をさらに含む、請求項1または2記載の組成物。
【請求項5】
スルホニル尿素が、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリドからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
非スルホニル尿素系分泌促進物質がナテグリニドまたはレパグリニドである、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
インスリン類似体が、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギニン、NPH、レンテインスリン、ウルトラレンテインスリン、ヒューマリン、およびノボリンからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項8】
PPARγアゴニストが、バラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、CS-011、GI262570、GW347845、およびFK614からなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項9】
ビグアナイドがメトホルミンまたはメトホルミン/グリブリドである、請求項4記載の組成物。
【請求項10】
αグルコシダーゼ阻害物質がアカルボースまたはミグリトールである、請求項4記載の組成物。
【請求項11】
免疫調節薬がコルチコステロイド、シクロホスファミド、またはNsIDIである、請求項4記載の組成物。
【請求項12】
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質が、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトランドラプリルからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項13】
アンギオテンシンII受容体遮断薬が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルテン(irbesarten)、ロサルチン(losartin)、テルミサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項14】
抗酸化薬が、ニコチンアミド、ビタミンE、プロブコール、MDL29311、およびU78518Fからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項15】
エキセンディン4がAC2993である、請求項4記載の組成物。
【請求項16】
グルカゴン様ペプチドがGLP-1である、請求項4記載の組成物。
【請求項17】
組成物が経口投与用に調製される、請求項1〜16のいずれか一項記載の組成物。
【請求項18】
組成物が全身投与用に調製される、請求項1〜16のいずれか一項記載の組成物。
【請求項19】
治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、
(i)ベザフィブラートまたはその類似体;および
(ii)ジフルニサルまたはその類似体
を該患者に投与する工程を含み、
ここで、該ベザフィブラートおよびジフルニサルが、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法。
【請求項20】
治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、
(i)ベザフィブラートまたはその類似体;および
(ii)ケイ皮酸またはその類似体
を該患者に投与する工程を含み、
ここで、該ベザフィブラートおよびケイ皮酸が、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法。
【請求項21】
ベザフィブラート類似体が、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、およびゲムフィブロジルからなる群より選択される、請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、タンパク質キナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択される第3の作用物質を患者に投与する工程をさらに含む、請求項19または20記載の方法。
【請求項23】
スルホニル尿素が、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリドからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
非スルホニル尿素系分泌促進物質がナテグリニドまたはレパグリニドである、請求項22記載の方法。
【請求項25】
インスリン類似体が、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギニン、NPH、レンテインスリン、ウルトラレンテインスリン、ヒューマリン、およびノボリンからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項26】
PPARγアゴニストが、バラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、CS-011、GI262570、GW347845、およびFK614からなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項27】
ビグアナイドがメトホルミンまたはメトホルミン/グリブリドである、請求項22記載の方法。
【請求項28】
αグルコシダーゼ阻害物質がアカルボースまたはミグリトールである、請求項22記載の方法。
【請求項29】
免疫調節薬がコルチコステロイド、シクロホスファミド、またはNsIDIである、請求項22記載の方法。
【請求項30】
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質が、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトランドラプリルからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項31】
アンギオテンシンII受容体遮断薬が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルテン、ロサルチン、テルミサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項32】
抗酸化薬が、ニコチンアミド、ビタミンE、プロブコール、MDL29311、およびU78518Fからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項33】
エキセンディン4がAC2993である、請求項22記載の方法。
【請求項34】
グルカゴン様ペプチドがGLP-1である、請求項22記載の方法。
【請求項35】
組成物が経口投与用に調製される、請求項19〜34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
組成物が全身投与用に調製される、請求項19〜34のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から10日以内に投与される、請求項19〜36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から7日以内に投与される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から24時間以内に投与される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から1時間以内に投与される、請求項38記載の方法。
【請求項41】
代謝障害が糖尿病または肥満である、請求項19〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
以下を含むキット:
(i)ベザフィブラートまたはその類似体;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ベザフィブラートおよびケイ皮酸またはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項43】
以下を含むキット:
(i)ベザフィブラートまたはその類似体;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ベザフィブラートおよびジフルニサルまたはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項44】
以下を含むキット:
(i)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ジフルニサルおよびベザフィブラートまたはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項45】
以下を含むキット:
(i)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ケイ皮酸およびベザフィブラートまたはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項46】
以下を含むキット:
(i)ベザフィブラートまたはその類似体およびケイ皮酸またはその類似体を含む組成物;および
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該組成物を投与するための取扱い説明書。
【請求項47】
以下を含むキット:
(i)ベザフィブラートまたはその類似体およびジフルニサルまたはその類似体を含む組成物;および
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該組成物を投与するための取扱い説明書。
【請求項48】
以下を含むキット:
(i)ベザフィブラートまたはその類似体;
(ii)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに
(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ベザフィブラートおよび該ケイ皮酸を投与するための取扱い説明書。
【請求項49】
以下を含むキット:
(i)ベザフィブラートまたはその類似体;
(ii)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに
(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ベザフィブラートおよび該ジフルニサルを投与するための取扱い説明書。
【請求項50】
ベザフィブラート類似体が、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、およびゲムフィブロジルからなる群より選択される、請求項42〜49のいずれか一項記載のキット。
【請求項51】
以下を含む組成物:
(a)PPARアゴニスト;および
(b)ジフルニサルまたはその類似体、
ここで、該PPARアゴニストおよびジフルニサルは、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する。
【請求項52】
以下を含む組成物:
(a)PPARアゴニスト;および
(b)ケイ皮酸またはその類似体、
ここで、該PPARアゴニストおよびジフルニサルは、患者に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する。
【請求項53】
PPARアゴニストがPPARγアゴニストである、請求項51または52記載の組成物。
【請求項54】
PPARγアゴニストが、バラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、CS-011、GI262570、GW347845、およびFK614からなる群より選択される、請求項53記載の組成物。
【請求項55】
スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4ポリペプチド、β3アドレナリン受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫調節薬、スタチンおよびスタチンを含む組合せ、アンギオテンシン変換酵素阻害物質、アデノシンA1受容体アゴニスト、アデノシンA2受容体アゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、α1アドレナリン受容体アンタゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、α2アドレナリン受容体アゴニスト、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、抗酸化薬、ATPアーゼ阻害物質、心房ペプチドアゴニスト、βアドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルアゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、利尿薬、ドーパミンD1受容体アゴニスト、エンドペプチダーゼ阻害物質、エンドセリン受容体アンタゴニスト、グアニル酸シクラーゼ刺激物質、ホスホジエステラーゼV阻害物質、タンパク質キナーゼ阻害物質、Cdc2キナーゼ阻害物質、レニン阻害物質、トロンボキサン合成酵素阻害物質、バソペプチダーゼ阻害物質、バソプレシンIアンタゴニスト、バソプレシン2アンタゴニスト、血管新生阻害物質、終末糖化産物阻害物質、胆汁酸結合物質、胆汁酸輸送阻害物質、骨形成刺激物質、アポリポタンパク質A1アゴニスト、DNAトポイソメラーゼ阻害物質、コレステロール吸収阻害物質、コレステロールアンタゴニスト、コレステリルエステル転送タンパク質アンタゴニスト、サイトカイン合成阻害物質、DNAポリメラーゼ阻害物質、ドーパミンD2受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、成長ホルモンアンタゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、脂質過酸化阻害物質、リポタンパク質Aアンタゴニスト、ミクロソームの輸送タンパク質阻害物質、ミクロソームのトリグリセリド転送タンパク質阻害物質、一酸化窒素合成酵素阻害物質、酸化剤、ホスホリパーゼA2阻害物質、ラジカル形成アゴニスト、血小板凝集アンタゴニスト、プロスタグランジン合成酵素刺激物質、コレステロール逆輸送活性化因子、rhoキナーゼ阻害物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、スクアレンエポキシダーゼ阻害物質、スクアレン合成酵素阻害物質、トロンボキサンA2アンタゴニスト、アミリンアゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ドーパミン取込み阻害物質、Gタンパク質共役受容体調節物質、グルタミン酸アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト、インスリン感受性改善薬、リパーゼ阻害物質、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、神経成長因子アゴニスト、ニューロペプチドYアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、SNRI、プロテインチロシンホスファターゼ阻害物質、ならびにセロトニン2C受容体アゴニストからなる群より選択される第3の作用物質をさらに含む、請求項51〜54のいずれか一項記載の組成物。
【請求項56】
スルホニル尿素が、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリドからなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項57】
非スルホニル尿素系分泌促進物質がナテグリニドまたはレパグリニドである、請求項55記載の組成物。
【請求項58】
インスリン類似体が、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギニン、NPH、レンテインスリン、ウルトラレンテインスリン、ヒューマリン、およびノボリンからなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項59】
ビグアナイドがメトホルミンまたはメトホルミン/グリブリドである、請求項55記載の組成物。
【請求項60】
αグルコシダーゼ阻害物質がアカルボースまたはミグリトールである、請求項55記載の組成物。
【請求項61】
免疫調節薬がコルチコステロイド、シクロホスファミド、またはNsIDIである、請求項55記載の組成物。
【請求項62】
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質が、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトランドラプリルからなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項63】
アンギオテンシンII受容体遮断薬が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルテン、ロサルチン、テルミサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項64】
抗酸化薬が、ニコチンアミド、ビタミンE、プロブコール、MDL29311、およびU78518Fからなる群より選択される、請求項55記載の組成物。
【請求項65】
エキセンディン4がAC2993である、請求項55記載の組成物。
【請求項66】
グルカゴン様ペプチドがGLP-1である、請求項55記載の組成物。
【請求項67】
組成物が経口投与用に調製される、請求項51〜66のいずれか一項記載の組成物。
【請求項68】
組成物が全身投与用に調製される、請求項51〜66のいずれか一項記載の組成物。
【請求項69】
治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、
(i)PPARアゴニスト;および
(ii)ジフルニサルまたはその類似体
を該患者に投与する工程を含み、
ここで、該PPARγアゴニストおよびジフルニサルが、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法。
【請求項70】
治療、予防、または軽減を必要とする患者の代謝障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、
(i)PPARアゴニスト;および
(ii)ケイ皮酸またはその類似体
を該患者に投与する工程を含み、
ここで、該PPARγアゴニストおよびケイ皮酸が、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で投与される方法。
【請求項71】
PPARアゴニストがPPARγアゴニストである、請求項69または70記載の方法。
【請求項72】
PPARγアゴニストが、バラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、CS-011、GI262570、GW347845、およびFK614からなる群より選択される、請求項71記載の方法。
【請求項73】
以下を含むキット:
(i)PPARアゴニスト;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該PPARアゴニストおよびケイ皮酸またはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項74】
以下を含むキット:
(i)PPARアゴニスト;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該PPARアゴニストおよびジフルニサルまたはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項75】
以下を含むキット:
(i)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ジフルニサルおよびPPARアゴニストまたはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項76】
以下を含むキット:
(i)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該ケイ皮酸およびPPARアゴニストまたはその類似体を投与するための取扱い説明書。
【請求項77】
以下を含むキット:
(i)PPARアゴニストまたはその類似体およびケイ皮酸またはその類似体を含む組成物;および
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該組成物を投与するための取扱い説明書。
【請求項78】
以下を含むキット:
(i)PPARアゴニストまたはその類似体およびジフルニサルまたはその類似体を含む組成物;および
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該組成物を投与するための取扱い説明書。
【請求項79】
以下を含むキット:
(i)PPARアゴニストまたはその類似体;
(ii)ケイ皮酸またはその類似体;ならびに
(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該PPARアゴニストおよび該ケイ皮酸を投与するための取扱い説明書。
【請求項80】
以下を含むキット:
(i)PPARアゴニストまたはその類似体;
(ii)ジフルニサルまたはその類似体;ならびに
(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該PPARアゴニストおよび該ジフルニサルを投与するための取扱い説明書。
【請求項81】
PPARアゴニストがPPARγアゴニストである、請求項73〜80のいずれか一項記載のキット。
【請求項82】
PPARγアゴニストが、バラグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン、KRP-297、JTT-501、NC-2100、NIP-223、MCC-555、L-764486、CS-011、GI262570、GW347845、およびFK614からなる群より選択される、請求項81記載のキット。
【請求項83】
以下を含む組成物:
(a)表1の作用物質のいずれか1つより選択される第1の作用物質;ならびに
(b)スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン(thiazalidinedione)、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される第2の作用物質、
ここで、該第1の作用物質および該第2の作用物質は、哺乳動物に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する。
【請求項84】
表1より選択される1種または複数種の付加的な作用物質をさらに含む、請求項83記載の組成物。
【請求項85】
スルホニル尿素が、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリドからなる群より選択される、請求項83記載の組成物。
【請求項86】
非スルホニル尿素系分泌促進物質がナテグリニドまたはレパグリニドである、請求項83記載の組成物。
【請求項87】
インスリン類似体が、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギニン、NPH、レンテインスリン、ウルトラレンテインスリン、ヒューマリン、およびノボリンからなる群より選択される、請求項83記載の組成物。
【請求項88】
ビグアナイドがメトホルミンまたはメトホルミン/グリブリドである、請求項83記載の組成物。
【請求項89】
チアザリジンジオンが、トログリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾンからなる群より選択される、請求項83記載の組成物。
【請求項90】
αグルコシダーゼ阻害物質がアカルボースまたはミグリトールである、請求項83記載の組成物。
【請求項91】
免疫調節薬が糖質コルチコイド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、ラパマイシン、またはFK506サイトカインである、請求項83記載の組成物。
【請求項92】
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質が、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトランドラプリルからなる群より選択される、請求項83記載の組成物。
【請求項93】
アンギオテンシンII受容体遮断薬が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルテン、ロサルチン、テルミサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択される、請求項83記載の組成物。
【請求項94】
抗酸化薬が、ニコチンアミド、ビタミンE、プロブコール、MDL29311、およびU78518Fからなる群より選択される、請求項83記載の組成物。
【請求項95】
エキセンディン4がAC2993である、請求項83記載の組成物。
【請求項96】
グルカゴン様ペプチドがGLP-1である、請求項83記載の組成物。
【請求項97】
スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される少なくとも1種の作用物質をさらに含む、請求項83記載の組成物。
【請求項98】
組成物が経口投与用に調製される、請求項83〜97のいずれか一項記載の組成物。
【請求項99】
組成物が全身投与用に調製される、請求項83〜97のいずれか一項記載の組成物。
【請求項100】
代謝障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、表1の作用物質のいずれか1つより選択される1種または複数種の作用物質を、該代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で哺乳動物に投与する工程を含む方法。
【請求項101】
代謝障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、表1からの少なくとも2種の異なる作用物質を哺乳動物に投与する工程を含み、ここで、第1および第2の作用物質が、該代謝障害を治療、予防、または軽減するのに共に十分な量で、同時にまたは互いの投与から28日以内に投与される方法。
【請求項102】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から14日以内に投与される、請求項101記載の方法。
【請求項103】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から7日以内に投与される、請求項102記載の方法。
【請求項104】
第1および第2の作用物質が、互いの投与から24時間以内に投与される、請求項103記載の方法。
【請求項105】
代謝障害が糖尿病または肥満である、請求項100または101記載の方法。
【請求項106】
作用物質が、対照のグルコースレベルに比べて哺乳動物のグルコースレベルを低下させる、請求項100または101記載の方法。
【請求項107】
哺乳動物がヒトである、請求項100または101記載の方法。
【請求項108】
付加的な治療計画をさらに含む、請求項100または101記載の方法。
【請求項109】
付加的な治療計画が、哺乳動物に付加的な治療物質を投与する工程を含み、ここで、表1からの1種または複数種の作用物質および該付加的な治療物質が、哺乳動物に投与された場合に代謝障害を治療、予防、または軽減するのに十分な量で存在する、請求項108記載の方法。
【請求項110】
付加的な治療物質が、スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される、請求項109記載の方法。
【請求項111】
スルホニル尿素が、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリドからなる群より選択される、請求項110記載の方法。
【請求項112】
非スルホニル尿素系分泌促進物質がナテグリニドまたはレパグリニドである、請求項110記載の方法。
【請求項113】
インスリン類似体が、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギニン、NPH、レンテインスリン、ウルトラレンテインスリン、ヒューマリン、およびノボリンからなる群より選択される、請求項110記載の方法。
【請求項114】
ビグアナイドがメトホルミンまたはメトホルミン/グリブリドである、請求項110記載の方法。
【請求項115】
チアザリジンジオンが、トログリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾンからなる群より選択される、請求項110記載の方法。
【請求項116】
αグルコシダーゼ阻害物質がアカルボースまたはミグリトールである、請求項110記載の方法。
【請求項117】
免疫調節薬が糖質コルチコイド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、ラパマイシン、またはFK506サイトカインである、請求項110記載の方法。
【請求項118】
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質が、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトランドラプリルからなる群より選択される、請求項110記載の方法。
【請求項119】
アンギオテンシンII受容体遮断薬が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルテン、ロサルチン、テルミサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択される、請求項110記載の方法。
【請求項120】
抗酸化薬が、ニコチンアミド、ビタミンE、プロブコール、MDL29311、およびU78518Fからなる群より選択される、請求項110記載の方法。
【請求項121】
エキセンディン4がAC2993である、請求項110記載の方法。
【請求項122】
グルカゴン様ペプチドがGLP-である、請求項110記載の方法。
【請求項123】
表1からの1種または複数種の作用物質および付加的な作用物質が、互いの投与から14日以内に投与される、請求項100〜122記載の方法。
【請求項124】
表1からの1種または複数種の作用物質および付加的な作用物質が、互いの投与から7日以内に投与される、請求項123記載の方法。
【請求項125】
表1からの1種または複数種の作用物質および付加的な作用物質が、互いの投与から1日以内に投与される、請求項124記載の方法。
【請求項126】
表1からの作用物質、付加的な作用物質、または双方が、経口投与または全身投与される、請求項100〜122のいずれか一項記載の方法。
【請求項127】
以下を含むキット:
(i)表1の作用物質のいずれか1つより選択される作用物質;および
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該作用物質を投与するための取扱い説明書。
【請求項128】
以下を含むキット:
(i)表1の作用物質のいずれか1つより選択される2種の作用物質を含む組成物;および
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該組成物を投与するための取扱い説明書。
【請求項129】
以下を含むキット:
(i)表1の作用物質のいずれか1つより選択される第1の作用物質;
(ii)表1の作用物質のいずれか1つより選択される第2の作用物質;ならびに
(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該該第1および該第2のの作用物質を投与するための取扱い説明書。
【請求項130】
以下を含むキット:
(i)表1の作用物質のいずれか1つより選択される作用物質;および
(ii)該作用物質を代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に、表1の作用物質のいずれか1つより選択される第2の作用物質と共に投与するための取扱い説明書、
ここで、該第2の作用物質は、(i)における作用物質ではない。
【請求項131】
以下を含むキット:
(i)以下を含む組成物、
(a)表1の作用物質のいずれか1つより選択される第1の作用物質;ならびに
(b)スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される第2の作用物質;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該組成物を投与するための取扱い説明書。
【請求項132】
以下を含むキット:
(i)表1の作用物質のいずれか1つより選択される第1の作用物質;ならびに
(ii)スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される第2の作用物質;ならびに
(iii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該第1および該第2の作用物質を投与するための取扱い説明書。
【請求項133】
以下を含むキット:
(i)表1の作用物質のいずれか1つより選択される作用物質;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に該作用物質および第2の作用物質を投与するための取扱い説明書、ここで、該第2の作用物質は、スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される。
【請求項134】
以下を含むキット:
(i)スルホニル尿素、非スルホニル尿素系分泌促進物質、インスリン、インスリン類似体、グルカゴン様ペプチド、エキセンディン4、YM178、FK614、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質、ビグアナイド、チアザリジンジオン、αグルコシダーゼ阻害物質、免疫抑制薬、免疫調節薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害物質、アンギオテンシンII受容体遮断薬、および抗酸化薬からなる群より選択される作用物質;ならびに
(ii)代謝障害を有するまたは有するリスクがある患者に、表1の作用物質のいずれか1つより選択される任意の作用物質と共に(i)からの該作用物質を投与するための取扱い説明書。
【請求項135】
代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有用となり得る組合せを同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)表1の作用物質のいずれか1つより選択される作用物質および候補化合物に細胞を接触させる工程;ならびに
(b)該作用物質および該候補化合物の組合せが、該作用物質に接触させたが候補化合物には接触させなかった細胞に比べてグルコースレベルを低下させるかどうかを測定する工程、
ここで、その組合せがグルコースレベルの低下により、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有用な組合せとして同定される。
【請求項136】
グルコースレベルの低下が、インスリンシグナル伝達を改変すること、グルコース輸送担体活性を改変すること、または脂肪細胞もしくは筋細胞の分化を増大させること、または脂肪細胞もしくは筋細胞中の遺伝子転写を改変することの結果である、請求項135記載の方法。
【請求項137】
代謝障害を治療、軽減、または予防するのに有用となり得る組合せを同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)表1の作用物質のいずれか1つより選択される作用物質および候補化合物に細胞を接触させる工程;ならびに
(b)該作用物質および該候補化合物の組合せが、該作用物質に接触させたが該候補化合物には接触させなかった細胞に比べてグルコースレベルが低下するようにインスリンシグナル伝達を改変するかどうかを測定する工程、
ここで、その組合せがグルコース減少の増大をもたらす改変により、代謝障害を治療、予防、または軽減するのに有用な組合せとして同定される。
【請求項138】
細胞が哺乳動物細胞である、請求項135または137記載の方法。
【請求項139】
細胞がヒト細胞である、請求項138記載の方法。
【請求項140】
細胞が筋肉細胞、腸細胞、脂肪細胞、肝細胞、または膵細胞である、請求項139記載の方法。
【請求項141】
細胞が、グルコースレベルが増大するようなインスリンシグナル伝達活性の改変を有する、請求項135または137記載の方法。
【請求項142】
グルコースレベルの低下が、インスリン産生の増加、インスリン分泌の増加、末梢組織によるグルコース取込みの増加、肝臓でのグルコース産生の減少、または腸からの炭水化物吸収の減少の結果である、請求項135または137記載の方法。

【公表番号】特表2008−505176(P2008−505176A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520357(P2007−520357)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023030
【国際公開番号】WO2006/004803
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(501273808)コンビナトアールエックス インコーポレーティッド (21)
【Fターム(参考)】