説明

仮想環境表示システム、仮想環境表示処理方法、仮想環境表示端末装置、管理処理装置、管理処理方法及びプログラム

【課題】操作者が仮想環境を通して時間の流れに関する非現実性を体感することのできる仮想環境表示システムを提供することである。
【解決手段】表示ユニット230bに表示された仮想環境において第1の物を第1の操作ユニットから220aの操作入力に基づいて動かし、第2の物を第2の操作ユニット220bからの操作入力に基づいて動かす表示制御手段(110、211a、211b)と、前記仮想環境内での前記第1の物の基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段215bと、予測動き期間中、該予測動き期間の開始時刻から所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段215bとを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂コンピュータゲーム(ビデオゲーム)等に適用可能な仮想環境表示システムに係り、詳しくは、別々に操作可能な少なくとも2つの操作ユニットからの操作入力に基づいて動く2つの物を含む仮想環境を表示ユニットに表示させるようにした仮想環境表示システム、仮想環境表示処理方法、仮想環境表示端末装置、管理処理装置、管理処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータゲーム(ビデオゲーム)装置では、そのゲームの場として表示ユニットに表示される仮想環境における時間の流れの処理やその表現方法が、従来からゲーム製作者にとって大きな関心ごとのひとつであった。初期のコンピュータゲーム装置においては、リアルタイム性が必須の条件であるアクションゲームを除いて、コマンド入力時にゲームの進行が一時的に停止する非リアルタイム型の時間進行形態にて仮想環境が提示されるものがほとんどであった。
【0003】
しかし、その後、コンピュータの演算処理能力の向上や入出力デバイスの応答性の向上、高機能化、多様化に伴って、プレイヤの体感する実時間の流れに沿ってゲームの進行が切れ目なく続くリアルタイム型の時間進行形態にて仮想環境が提示されるものが、アクションゲームに限らず、ロールプレイングゲーム、アドベンチャーゲーム、戦略ゲーム等、様々なコンピュータゲームにおいて主流となってきた。こうしたリアルタイム性の追求は、グラフィックやサウンドの高精細化や3次元空間の描画技術の発展などとあわせて、コンピュータゲームの内容を「現実(リアリティ)」に近づけるという大きな流れの一部として捉えることができる。そして、ゲームのリアルタイム性を向上させる技術については、従来、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−105959号公報参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、コンピュータゲームはその草創期から、「非現実(空想、イマジネーション)」を体験できる世界を提供する媒体としての性質を有していた。しかし、前述したようなゲーム内容の「現実」への急速な接近の結果、ゲームにおける非現実性は、提示される世界(仮想環境)の設定やストーリー等の部分に限定されるようになってきており、その他の部分(例えば、時間の流れ方、オブジェクトの操作の仕方、情報の知覚、発信方法等)については、真に独自性のあるものが新たに提案されることは極めて少なくなっている。破天荒な非現実性が売りのひとつであるはずのコンピュータゲームの可能性が「リアリティ」なる尺度によって狭められているというのが昨今のコンピュータゲーム業界の一側面である。
【0005】
本発明は、前述したような事情に鑑みてなされたもので、表示ユニットに表示される仮想環境内の物の動きを操作する操作者がその仮想環境を通して時間の流れに関する非現実性を体感することのできる仮想環境表示システム、仮想環境表示処理方法、前記仮想環境表示システムに適用することのできる仮想環境表示装置及びサーバ、及び前記仮想環境表示装置での処理を実行するためのプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る仮想環境表示システムは、表示ユニットと、第1の操作ユニットと、第2の操作ユニットと、仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、該仮想環境において第1の物を前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、第2の物を前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御手段と、前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段と、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記操作入力に基づいた前記第1の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段とを有する構成となる。
【0007】
このような構成により、表示ユニットに表示される仮想環境において第1の物が第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて基準進み速さにて動くと共に、第2の物もまた第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて同様に基準進み速さにて動くようになるので、第2の操作ユニットを操作して第2の物を動かして前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物に対する相対的な動きの関係から前記基準進み速さに応じた違和感のない時間の流れを体感することができる。
【0008】
また、第1の物の動きが予測される場合、その予測動き期間の開始時刻から所定時刻までになされるべき第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより早い第1の進み速さにてなされるので、その間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を前記基準進み速さにて動かして前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物に対する相対的な動きの関係からより速い時間の流れを体感することができるようになる。更に、前記予測動き期間の開始時刻から前記所定時刻までになされるべき第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さに従ってなされることからその予測された動きは本来の動き(基準進み速さにてなされる予測された動き)より早く終了し、それに引き続いて前記所定時刻から終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが前記予測動き期間の終了時刻にて終了するようになされるので、前記予測動き期間の前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予想される残りの動きは、本来の動きより長い時間をかけてなされる。そのため、その間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を前記基準進み速さにて動かして前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物に対する相対的な動きの関係からより遅い時間の流れを体感することができるようになる。
【0009】
また、本発明に係る仮想環境表示システムにおいて、前記予測動き表示制御手段は、前記予測動き期間の前記開始時刻から前記所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記第1の進み速さにてなれるように前記仮想環境の表示制御を行なう前半表示制御手段と、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが前記基準進み速さより遅い第2の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう後半表示制御手段とを有する構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、表示ユニットに表示される仮想環境において第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより早い第1の進み速さにてなされる間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を前記基準進み速さにて動かして前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物との相対的な動きの関係からより速い時間の流れを体感することができるようになる。また、前記表示ユニットに表示される仮想環境において第1の物の予測された残りの動きが前記基準進み速さより遅い第2の進み速さにてなされる間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を前記基準進み速さにて動かして前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物との相対的な動きの関係からより遅い時間の流れを体感することができるようになる。
【0011】
また、本発明に係る仮想環境表示システムにおいて、前記所定時刻は、前記予測動き期間の前記開始時刻より前記終了時刻に近い時刻に設定されている構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、予測動き期間のより長い時間になされるべき第1の物の予測された動きが基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、それに続くより短い時間になされるべき第1の予測された残りの動きが引き延ばされた時間にてなされ得るようになるので、前記予測動き期間中の前記第1の物の動きの進み速さの変化を大きくすることが可能となる。
【0013】
例えば、前記所定時刻を前記予測動き期間の終了時刻に設定することもできる。この場合、前記予測期間の開始時刻から所定時刻までになされるべき第1の予測された動きが第1の進み速さにてなされた後、引き続いてなされるべき第1の物の予測された残りの動きが無いので、前記予測期間中になされるべき第1の予測された動きが基準進み速さより速い第1の速さにてなされた後、実際に前記予測期間の終了時刻まで前記第1の物の動きは停止したものとなり得る。その第1の物が停止している間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を前記基準進み速さにて動かして前記仮想環境を体験する操作者は、前記仮想環境において時間の流れが停止している状態を体感することができるようになる。
【0014】
更に、本発明に係る仮想環境表示システムにおいて、前記動き予測手段による前記操作入力に基づいた前記第1の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるか否かを判定する動き予測可否判定手段と、前記第1の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるとの判定がなされたときに、所定の出力手段に所定の情報を出力させる判定結果情報出力制御手段と、前記出力手段が前記所定の情報を出力している状態で前記第2の操作ユニットによって所定の操作入力がなされたときに、前記動き予測手段に前記第1の物の動きの予測を行なわせる予測処理制御手段とを有する構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、第2の操作ユニットを操作する者の意思に従って、仮想環境内における第1の物の動きを予測されたものにするか、第1の操作ユニットの操作入力に基づいたものにするかを決めることができるようになる。
【0016】
前記出力手段は、操作者が認識可能な情報を出力するものであれば特に限定されず、マークやメッセージ等を表示するもの、音を出力するもの、振動を発生するものであってもよい。また、前記出力手段として、例えば、仮想環境を表示する表示ユニットを利用することもできる。この場合、第1の物の動きが予測可能となったことを操作者に知らせるためのものを別途設ける必要がない。また、表示ユニットに表示される仮想環境を見ながら第2の物を動かすために第2の操作ユニットを操作する操作者は、その操作をしながら容易に第1の物の動きを予測することが可能となったことを知ることができる。
【0017】
本発明に係る仮想環境表示処理方法は、第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第1の物及び第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第2の物を含む仮想環境を表示ユニットに表示させる仮想環境表示処理方法であって、前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の基準進み速さでの動きを予測する動き予測ステップと、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記第2の物が前記基準進み速さにて動き、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップとを有する構成となる。
【0018】
本発明に係る仮想環境表示システムは、第1の表示ユニットと、該第1の表示ユニットと対になる第1の操作ユニットと、第2の表示ユニットと、該第2の表示ユニットと対になる第2の操作ユニットと、仮想環境を前記第1の表示ユニット及び前記第2の表示ユニットのそれぞれに表示させると共に、該仮想環境において第1の物を前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、第2の物を前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御手段と、前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段と、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記操作入力に基づいた前記第1の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段と、前記予測動き期間中、前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境における前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記第2の物の動きに前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻を対応付け、前記基準進み速さに従って刻まれる前記対応付けられた各時刻の進みに応じて前記第2の物の動きがなされるように前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測対応表示制御手段とを有す構成とすることができる。
【0019】
このような構成により、第1の表示ユニット及び第2の表示ユニットに表示される仮想環境において第1の物が第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて基準進み速さにて動くと共に、第2の物もまた第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて同様に基準進み速さにて動くようになるので、第1の操作ユニットを操作して第1の物を動かして第1の表示ユニットに表示された仮想環境を体験する操作者は、前記第2の物の前記第1の物に対する相対的な動きの関係から前記基準進み速さに応じた違和感のない時間の流れを体感することができる。また、同様に、第2の操作ユニットを操作して第2の物を動かして第2の表示ユニットに表示された仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物に対する相対的な動きの関係から前記基準進み速さに応じた違和感のない時間の流れを体感することができる。
【0020】
また、第1の物の動きが予測される場合、その予測動き期間の開始時刻から所定時刻までになされるべき第1の物の予測された動きが第2の表示ユニットに表示される仮想環境において前記基準進み速さより早い第1の進み速さにてなされるので、その間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を動かして前記第2の表示ユニットに表示された前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物に対する相対的な動きの関係からより速い時間の流れを体感することができるようになる。更に、前記予測動き期間の開始時刻から前記所定時刻までになされるべき第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さに従ってなされることからその予測された動きは本来の動き(基準進み速さにてなされる予測された動き)より早く終了し、それに引き続いて前記所定時刻から終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが前記予測動き期間の終了時刻にて終了するようになされるので、前記予測動き期間の前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予想される残りの動きは、第2の表示ユニットに表示された仮想環境において本来の動きより長い時間をかけてなされる。そのため、その間、第2の操作ユニットを操作して第2の物を動かして前記第2の表示ユニットに表示された前記仮想環境を体験する操作者は、前記第1の物の前記第2の物に対する相対的な動きの関係からより遅い時間の流れを体感することができるようになる。
【0021】
また、前記予測動き期間中、第1の表示ユニットに表示された仮想環境においては、第2の物は、前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいた基準進み速さに従った動きに代えて、第2の表示ユニットに表示された前記仮想環境における前記第1の物の予測された動きの進み速さと、前記基準進み速さの相対的な関係に依存する進み速さにて動くようになる。このため、前記第1の操作ユニットを操作して第1の物を前記基準進み速さにて動かして前記第1の表示ユニットに表示された前記仮想環境を体験する操作者は、前記第2の物の前記第1の物に対する相対的な動きの関係から、前記基準進み速さに応じた時間の流れとは異なる時間の流れを体感することとなる。
【0022】
前述したように、予測動き期間中は、第1の表示ユニットに表示された仮想環境における第1の操作ユニットの操作入力に基づいた第1の物の動きと第2の表示ユニットに表示された仮想環境における第1の物の予想された動きとは同等であるにもかかわらずそれらの進みの速さが異なり、また、第1の表示ユニットに表示された仮想環境及び第2の表示ユニットに表示された仮想環境それぞれにおける第2の操作ユニットの操作入力に基づいた第2の物の動きは同じであるにもかかわらずそれらの進みの速さが異なる。このため、予測期間中では、第1の操作ユニットを操作して第1の物を動かして第1の表示ユニットに表示された仮想環境を体験する操作者と、第2の操作ユニットを操作して第2の物を動かして第2の表示ユニットに表示された仮想環境を体験する操作者とは、共有する仮想環境において同時に異なる時間の流れを体感することになる。
【0023】
また、本発明に係る仮想環境表示システムにおいて、前記予測対応表示制御手段は、具体的には、前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻に対応させて前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第2の物の当該動きを表す動き情報を生成する動き情報生成手段と、前記基準進み速さに従って順次刻まれる各時刻に該当する時刻に対応した前記動き情報に基づいて前記第2の物が動くように前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう手段とを有する構成とすることができる。
【0024】
本発明に係る仮想環表示システムにおいて、前記第1の表示ユニット及び前記第1の操作ユニットを備えた第1の入出力処理部と、前記第2の表示ユニット及び前記第2の操作ユニットを備えた第2の入出力処理部と、前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部が接続する管理処理部とを有し、前記表示制御手段は、前記第1の入出力処理部に備えられ、前記第1の操作ユニットからの操作入力を前記管理処理部に送る第1の操作入力送信手段と、前記第2の入出力処理部に備えられ、前記第2の操作ユニットからの操作入力を前記管理処理部に送る第2の操作入力送信手段と、前記管理処理部に備えられ、前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部から送られてくる前記操作入力に基づいて前記第1の物の動きを表す第1の動き情報及び前記第2の物の動きを表す第2の動き情報を生成する動き情報生成手段と、前記管理処理部に備えられ、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報を前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部に送る動き情報送信手段と、前記第1の入手力処理部に備えられ、前記管理処理部からの前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報に基づいて前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境内における前記第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御する第1の動き制御手段と、前記第2の入出力処理部に備えられ、前記管理処理部からの前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報に基づいて前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境内における第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御する第2の動き制御手段とを有し、前記動き予測手段及び前記予測動き表示制御手段は、前記第2の入出力処理部に備えられた構成とすることができる。
【0025】
このような構成により、前記仮想環境表示システムでの処理を第1の入出力処理部、第2の入出力処理部及び管理処理部に分散させることができる。
【0026】
前記第1の入出力処理部、第2の入出力処理部及び管理処理部は単一の筐体内に設けられるもであっても、物理的に別々の装置に含められるものであってもよい。後者の場合、前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部のそれぞれは、仮想環境表示端末装置に含まれ、前記管理処理部は、前記各仮想環境表示端末装置がネットワークを介して接続するサーバに含まれるように構成するようにできる。
【0027】
このような構成により、遠隔にいる者同士がネットワークに接続される仮想環境表示端末装置(パーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機等)によって前述した仮想環境を体験することができるようになる。
【0028】
また、本発明に係る仮想環境表示システムにおいて、前記第1の入出力処理部は、前記第1の操作ユニットから操作入力のなされたタイミングを前記基準進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、前記第1の操作入力送信手段によって前記タイムスタンプ情報の付された前記操作入力が送信されるようにし、前記第2の入出力処理部は、前記第2の操作ユニットから操作入力のなされたタイミングを前記基準進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、前記第2の操作入力送信手段によって前記タイムスタンプ情報の付された前記操作入力が送信されるようにし、前記管理処理部における前記動き情報生成手段は、前記タイムスタンプ情報の付された操作入力に基づいて当該タイムスタンプ情報の付された第1の動き情報及び第2の動き情報を生成し、前記第1の入出力処理部における第1の動き制御手段は、前記基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて前記仮想環境内における前記第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御し、前記第2の入出力処理部における第2の動き制御手段は、前記基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて前記仮想環境内における前記第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御するようにした構成とすることができる。
【0029】
このような構成により、基準進み速さに従って刻まれる時刻を表すタイムスタンプ情報を用いて、第1の表示ユニット及び第2の表示ユニットのそれぞれに表示される仮想環境において第1の物を前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、第2の物を前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記基準進み速さにて動かすことができるようになる。
【0030】
更に、本発明に係る仮想環境表示システムにおいて、前記予測対応表示制御手段は、前記第2の入出力処理部に備えられ、前記予測動き期間中、第2の操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記第1の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、該タイムスタンプ情報の付された前記操作入力を前記管理処理部に送る手段と、前記管理処理手段に備えられ、前記タイムスタンプ情報の付された操作入力に基づいて前記第2の物の動きを表す当該タイムスタンプ情報の付された予測対応動き情報を生成する手段と、前記管理処理手段に備えられ、前記タイムスタンプ情報の付された予測対応動き情報を前記第1の入出力処理部に送る手段と、前記第1の入出力処理部に備えられ、基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された予測対応動き情報を取得し、該予測対応動き情報に基づいて前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境内における前記第2の物の動きを制御する手段を有する構成とすることができる。
【0031】
このような構成により、第2の表示ユニットに表示された仮想環境における第1の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を用いて、予測動き期間中、前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境における前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記第2の物の動きに前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻が対応付けられ、基準進み速さに従って刻まれる前記対応付けられた各時刻の進みに応じて前記第2の物の動きがなされるようにすることができる。
【0032】
また、本発明に係る仮想環境表示処理方法は、第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第1の物及び前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第2の物を含む仮想環境を前記第1の操作ユニットと対になる第1の表示ユニット及び前記第2の操作ユニットと対になる第2の表示ユニットに表示させる仮想環境表示処理方法であって、前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の基準進み速さでの前記第1の物の動きを予測する動き予測ステップと、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記第2の物が前記基準進み速さにて動き、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップと、前記予測動き期間中、前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境における前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記第2の物の動きに前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻を対応付け、前記基準進み速さに従って刻まれる前記対応付けられた各時刻の進みに応じて前記第2の物の動きがなされるように前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測対応表示制御ステップとを有する構成となる。
【0033】
本発明に係る仮想環境表示端末装置は、表示ユニット及び操作ユニットを有し、管理処理装置に接続され、前記表示ユニットに表示される仮想環境内において可動となる複数の物のうち所定物の動きを前記操作ユニットからの操作入力によって制御することのできる仮想環境表示端末装置であって、前記操作ユニットからの操作入力を前記管理処理装置に送信する操作入力送信手段と、前記管理処理装置から前記操作入力に基づいた前記仮想環境内における前記所定物の動きを表す主動き情報及び他の物の動きを表す従動き情報を取得する動き情報取得手段と、仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、前記仮想環境において前記所定物を前記主動き情報に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、前記他の物を前記従動き情報に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御手段と、前記従動き情報に基づいた前記仮想環境内での前記他の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段と、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記従動き情報に基づいた前記他の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段とを有する構成となる。
【0034】
このような構成により、表示ユニットに表示される仮想環境において所定物が操作ユニットからの操作入力に基づいた基準進み速さにて動くと共に他の物も同様に基準進み速さにて動くようになるので、操作ユニットを操作して所定物を動かして表示ユニットに表示された仮想環境を体験する操作者は、前記他の物の前記所定物に対する相対的な動きの関係から基準進み速さに応じた違和感のない時間の流れを体感することができる。
【0035】
また、他の物の動きが予測される場合、その予測動き期間の開始時刻から所定時刻までになされるべき他の物の予測された動きが表示ユニットに表示される仮想環境において前記基準進み速さより早い第1の進み速さにてなされるので、その間、操作ユニットを操作して所定物を前記基準進み速さにて動かして表示ユニットに表示された仮想環境を体験する操作者は、前記他の物の前記所定物に対する相対的な動きの関係からより速い時間の流れを体感することができるようになる。更に、前記予測動き期間の開始時刻から前記所定時刻までになされるべき他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さに従ってなされることからその予測された動きは本来の動き(基準進み速さにてなされる予測された動き)より早く終了し、それに引き続いて前記所定時刻から終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが前記予測動き期間の終了時刻にて終了するようになされるので、前記予測動き期間の前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予想される残りの動きは、表示ユニットに表示された仮想環境において本来の動きより長い時間をかけてなされる。そのため、その間、操作ユニットを操作して所定物を前記基準進み速さにて動かして前記表示ユニットに表示された前記仮想環境を体験する操作者は、前記他の物の前記所定物に対する相対的な動きの関係からより遅い時間の流れを体感することができるようになる。
【0036】
また、本発明に係る仮想環境表示端末装置において、前記予測動き期間中、前記操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記他の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、該タイムスタンプ情報の付された前記操作入力を前記管理処理装置に送る手段を有する構成とすることができる。
【0037】
このような構成により、予測動き期間中、前記操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記他の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報が前記操作入力に付され、そのタイムスタンプ情報の付された前記操作入力が前記管理処理装置に送られるようになるので、管理処理装置は、前記操作入力に基づいて生成される所定物の動きを表す動き情報に前記タイムスタンプ情報を付し、前記仮想環境を共有する他の仮想環境表示端末装置に対してそのタイムスタンプ情報の付された動き情報を提供することができるようになる。
【0038】
本発明に係る仮想環境表示処理方法は、表示ユニット及び操作ユニットを有し、管理処理装置に接続され、前記表示ユニットに表示される仮想環境内において可動となる複数の物のうち所定物の動きを前記操作ユニットからの操作入力によって制御することのできる仮想環境表示端末装置での処理方法であって、前記操作ユニットからの操作入力を前記管理処理装置に送信する操作入力送信ステップと、前記管理処理装置から前記操作入力に基づいた前記仮想環境内における前記所定物の動きを表す主動き情報及び他の物の動きを表す従動き情報を取得する動き情報取得ステップと、仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、前記仮想環境において前記所定物を前記主動き情報に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、前記他の物を前記従動き情報に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御ステップと、前記従動き情報に基づいた前記仮想環境内での前記他の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測ステップと、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記従動き情報に基づいた前記他の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップとを有する構成となる。
【0039】
また、本発明に係るプログラムは、表示ユニット及び操作ユニットを有し、管理処理装置に接続され、前記表示ユニットに表示される仮想環境内において可動となる複数の物のうち所定物の動きを前記操作ユニットからの操作入力によって制御することのできる仮想環境表示端末装置のコンピュータにて実行されるプログラムであって、前記操作ユニットからの操作入力を通信ユニットに前記管理処理装置に送信させる操作入力送信制御ステップと、前記管理処理装置から前記操作入力に基づいた前記仮想環境内における前記所定物の動きを表す主動き情報及び他の物の動きを表す従動き情報を取得する動き情報取得ステップと、仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、前記仮想環境において前記所定物を前記主動き情報に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、前記他の物を前記従動き情報に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御ステップと、前記従動き情報に基づいた前記仮想環境内での前記他の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測ステップと、前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記従動き情報に基づいた前記他の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップとを有する構成となる。
【0040】
更に、本発明に係る管理処理装置は、それぞれ表示ユニット及び操作ユニットを有する複数の仮想環境表示端末装置が接続され、前記複数の仮想環境表示端末のそれぞれに対応した物がその対応する仮想環境表示端末装置における操作ユニットからの操作入力に基づいて動くようにした仮想環境を前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれの前記表示ユニットに表示させるための管理処理を行なう管理処理装置であって、前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれから対応する物の動きを指示する前記操作ユニットの操作入力を取得する操作入力取得手段と、前記取得された操作入力に基づいて対応する物の前記仮想環境内での動きを表す動き情報を生成する動き情報生成手段と、前記生成された動き情報を前記表示ユニットに前記仮想環境を表示させる前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれに送信する動き情報送信手段とを有する構成となる。
【0041】
このような構成により、複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれから対応する物の動きを指示する前記操作ユニットの操作入力が取得され、その取得された操作入力に基づいて対応する物の前記仮想環境内での動きを表す動き情報が生成され、その生成された動き情報が前記表示ユニットに前記仮想環境を表示させる前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれに送信されるようになるので、前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれでは、管理処理装置から送られてくる動き情報に基づいて表示ユニットに表示される仮想環境における各物を動かすように制御することができるようになる。
【0042】
また、本発明に係る管理処理装置において、前記操作入力取得手段は、前記操作入力のなされた時刻を表すタイムスタップ情報の付された操作入力を取得し、前記動き情報生成手段は、前記タイムスタンプ情報の付された操作入力に基づいて当該タイムスタンプ情報の付された前記動き情報を生成し、前記動き情報送信手段は、前記複数の仮想環境表示装置のそれぞれに前記タイムスタンプ情報の付された動き情報を送信するように構成することができる。
【0043】
このような構成により、各仮想環境端末表示装置の表示ユニットに表示される仮想環境内の各物の動きを表す動き情報をその動きを指示する操作入力のなされた時刻に対応付けて各仮想環境表示装置に提供することができるようになる。
【0044】
また、本発明に係る管理処理方法は、それぞれ表示ユニット及び操作ユニットを有する複数の仮想環境表示端末装置が接続され、前記複数の仮想環境表示端末のそれぞれに対応した物がその対応する仮想環境表示端末装置における操作ユニットからの操作入力に基づいて動くようにした仮想環境を前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれの前記表示ユニットに表示させるための管理処理を行なう管理処理装置でなされる処理方法であって、前記複数の仮想環境端末装置のそれぞれから対応する物の動きを指示する前記操作ユニットの操作入力を取得する操作入力取得ステップと、前記取得された操作入力に基づいて対応する物の前記仮想環境内での動きを表す動き情報を生成する動き情報生成ステップと、前記生成された動き情報を前記表示ユニットに前記仮想環境を表示させる前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれに送信する動き情報送信ステップとを有する構成となる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、表示ユニットの表示された仮想環境において操作者が操作ユニットによって操作し得る物の動きの進み速さに対して、当該仮想環境における他の物の動きの進み速さを種々制御することができるようになるので、前記表示ユニットに表示される仮想環境の物の動きを操作する操作者は、その仮想環境を通して時間の流れに関する非現実性を体感することができるようになる。
【0046】
また、本発明に係る仮想環境表示システムを所謂コンピュータゲームシステム(ビデオゲームシステム)に適用することによって、現実には操作し得ない「時間」を操作するという全く新しい「非現実性」を実現することが可能となり、そのコンピュータゲームの表現の可能性を更に拡げることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0048】
本発明の実施の形態に係る仮想環境表示システムは、例えば図1に示すようなコンピュータゲームシステム(ビデオゲームシステム)に適用される。このコンピュータゲームシステムでは、ネットワークに接続された2つのゲーム端末装置(ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ等)を用いて2人のプレイヤ(操作者)が例えば対戦型のゲームをプレイすることができる。
【0049】
図1において、このコンピュータゲームシステムは、ゲームサーバ100(管理処理装置)及び2つのゲーム端末装置200A、200B(仮想環境表示端末装置)がそれぞれネットワーク300(インターネット等の広域ネットワークであっても、ローカルなLANであってもよい)に接続された構成となっている。ゲームサーバ100は、ゲームの場となる仮想環境に関する情報全般、及びゲームに参加しているプレイヤ(操作者)が操作するキャラクタ(人物、乗物、動物、その他の物)に関する情報全般を保持し、各プレイヤのゲーム端末装置200A、200Bと情報の送受信をしながらゲーム全体の進行を管理する。具体的には、ゲームサーバ100は、高性能プロセッサ110、メモリ120及び外部記憶装置130を有し、ゲーム全体の進行管理に必要となるプログラム、ゲーム全体のルール及びゲームの場となる仮想環境を構成する要素の時間・空間的配置とその性質等の情報が予め外部記憶装置130に格納されている。
【0050】
プロセッサ110は、外部記憶装置130からメモリ120に読み出した前記プログラムに従って各種の処理を実行する。プロセッサ110は、プレイヤが利用するゲーム端末装置200A、200Bから接続要求を受けたときにその都度メモリ120上に専用の領域を確保し、その領域に各プレイヤのキャラクタの空間位置や属性に関する情報を格納する。また、プロセッサ110は、ゲーム端末装置200A、200Bから切断要求を受けたときに前述したメモリ120上に確保した領域に格納された情報を消去し、その領域を開放する。ゲームサーバ100は、ネットワーク300を介して接続される各ゲーム端末装置200A、200Bから各種の操作入力を受信する。ゲームサーバ100のプロセッサ110は、その操作入力に対応したキャラクタの移動や行動についての処理及び複数のキャラクタの衝突判定などの相互作用についての処理等を実行する。そして、ゲームサーバ100は、プロセッサ110にて得られた前記処理の結果を各ゲーム端末装置200A、200Bに送信する。ゲームサーバ100と各ゲーム端末装置200A、200Bとの間で送受信される情報には、後述するようにその情報の表す出来事がゲームの場となる仮想環境内の時間軸上のどの時点で発生したのかを表すタイムスタンプ情報が常に付される。
【0051】
ゲーム端末装置200A、200Bは、端末本体210a、210b、入力装置220a、220b及び出力装置230a、230bを有している。入力装置220a、220bは、コントロールパッド、キーボード、マウス、ジョイスティック等の操作ユニット及び音声入力用のマイク等を含む。出力装置230a、230bは、ディスプレイモニタ等の表示ユニット及び音声出力用のスピーカやヘッドホン等を含む。端末本体210a、210bは、プロセッサ211a、211b、メモリ212a、212b及び外部記憶装置213a、213bを有している。プロセッサ211a、211bは、入力装置220a、220bから送信されてくる入力情報(操作入力)を加工してゲームサーバ100に送信し、その結果をゲームサーバ100から受信し、その結果に対応した出力情報(例えば、キャラクタの位置が移動した後の仮想環境の画像等)を生成して出力装置230a、230bに送る。このようなプロセッサ211a、211bでの処理に必要となるプログラムやデータ(キャラクタや背景などの画像データ、BGMの効果音再生のための音声データ等を含む)は予め外部記憶装置213a、213bに格納されており、必要に応じてメモリ212a、212b上に読み出されて実行、処理される。
【0052】
ゲーム端末装置200A、200Bのプロセッサ211a、211b及びゲームサーバ100のプロセッサ110の前述したような各種処理によって、ゲームの場となる仮想環境が各ゲーム端末装置200A、200Bの表示ユニット(出力装置230a、230b)に表示され、プレイヤが操作する操作ユニット(入力装置220a、220b)からの操作入力に基づいて仮想環境内のそのプレイヤ(ゲーム端末装置)に割当てられたキャラクタが動作する(ゲームが進行する)。
【0053】
ゲーム端末装置200A、200Bのプロセッサ211a、211bは予測エンジン2215a、215bを含む。これらの予測エンジン215a、215bは、ハードウエア的に実装するものであってもソフトウエア的に実装するものであってもよい。各予測エンジン215a、215bは、表示ユニット(出力装置230)に表示される仮想環境内で他方のプレイヤによって操作されるキャラクタ(相手キャラクタ)の今後しばらくの間の挙動が予測可能であるか否かをチェックする。可能である場合に、各予測エンジン215a、215bは、そのキャラクタのしばらくの間の動きをゲームサーバ100に対するキャラクタの動きに関する情報の照会を行うことなく予測(計算)し、後述するようにそのキャラクタのその予測された動きが通常の進みより速い進みにてなされるように(所謂、早送り)、前記仮想環境の表示制御を行う。
【0054】
各予測エンジン215a、215bにてなされる「他のプレイヤに割当てられたキャラクタの挙動が予測可能であるか否か」を判定するための基準は、ゲームの内容やその予測エンジン215a、215bの実装方法に依存する。その判定手法は、予測対象のキャラクタや仮想環境全体等に関する予め定められた条件が満たされる場合に「予測可能」であると決定論的に判定する手法であっても、各キャラクタの過去の動きを人工知能によって学習して予測する適応的、確率論的な手法でもよい。ただし、後者の場合、誤った予測がなされるケースもあるので、その場合は、予測モードから抜け出した段階(予測された動作が終了した時点)で予測結果と実際の操作に基づいた結果とのずれを補正する処理(ごまかし処理)を追加する必要がある。なお、この例では、各予測エンジン215a、215bは、前者の決定論的な手法にて処理を行うものとする。
【0055】
なお、図1においては、ゲームサーバ100及び各ゲーム端末装置200A、200Bに設けられている通信ユニット(送受信ユニット)が省略されているが、実際には、各プロセッサ110、211a、211bの制御のもと、ゲームサーバ100及び各ゲーム端末装置200A、200Bに設けられた通信ユニットがネットワーク300を介して情報の送受信を行うようになっている。しかし、以下では、各プロセッサ110、211a、211bは通信ユニットの機能を含むものとして説明する。
【0056】
各ゲーム端末装置200A、200Bにおけるプロセッサ211a、211b(予測エンジン215a、215bを含む)は図2及び図3に示す手順に従って処理を行い、ゲームサーバ100におけるプロセッサ110は図4に示す手順に従って処理を行う。なお、ゲーム端末装置200Aとゲーム端末装置200Bとでは、基本的に同じ手順にて処理がなされるので、以下では、ゲーム端末装置200Bの処理を中心にして説明する。
【0057】
図2において、ゲーム端末装置200Bのプロセッサ211bは、入力装置220b(操作ユニット)にてゲームサーバ100への接続要求に係る操作がなされると、各種レジスタの内容のリセット、各種パラメータの初期設定等の初期設定処理を行い(S0)、ゲームサーバ100に対して接続要求を送信する(S1)。その後、プロセッサ211bは、ゲームサーバ100との接続が確立されたか否かを判定する(S2)。所定の時間内にゲームサーバ100から所定の応答がない場合、ゲームサーバ100との接続が確立しなかったとして(S2でNO)、プロセッサ211bは、エラー処理を実行して全体の処理を終了させる。
【0058】
プロセッサ211bは、前記接続要求を送信した後、所定の時間内にゲームサーバ100から送信される所定の応答を取得すると、ゲームサーバ100との接続が確立したとして(S2でYES)、自機(ゲーム端末装置200B)での動作モードを通常モードに設定し、その旨をゲームサーバ100に送信する(S3)。ゲーム端末装置200Aでも同様の処理によって通常モードでの動作モードの設定がなされる。
【0059】
一方、図4において、ゲームサーバ100のプロセッサ110は、所定の初期設定に係る処理(S100)を実行した後、システムクロックを参照し、必要であれば仮想環境における時刻をカウントアップする(S101)。なお、仮想環境における時刻は、例えば、1/60秒毎にカウントアップされ、システムクロックはそれより細かい刻み幅で動作している。なお、ゲームサーバ100での仮想環境における時刻の刻み速さ(前記カウントアップの速さ)を基準刻時速さという。プロセッサ110は、更に、各プレイヤに割当てられたキャラクタの動きを表す動き情報を含むプレイヤ情報を生成する処理(詳細は後述する)を行い(S102)、ゲーム端末装置200A、200Bのいずれかからメッセージを受信したか否かを判定する(S103)。
【0060】
ゲームサーバ100のプロセッサ110は、前述したようにゲーム端末装置200Bから送信された接続要求を受信すると(S103でYES・新規接続要求)、ゲーム端末装置200B(プレイヤ)に対応させて情報格納領域をメモリ120に確保し、ゲーム進行上必要となるプレイヤ毎の情報の初期設定を行う(S104)。そして、プロセッサ110は、ゲーム端末装置200Bとの接続を確立させ、前記接続要求に対する所定の応答信号をそのゲーム端末装置200Bに送信する。なお、ゲームサーバ100のプロセッサ110は、ゲーム端末装置200Aからの接続要求に対しても同様の処理を行って、ゲーム端末装置200Aとの接続を確立させる。以後、プロセッサ110は、ゲーム端末装置200A及び200Bのいずれかから次のメッセージを受信するまで前述した処理(S101〜S103)を繰り返し実行する。
【0061】
このようにして、例えば対戦型ゲームを行おうとする2人のプレイヤが操作する2つのゲーム端末装置200A、200Bとゲームサーバ100との接続が確立されると、以後、次のような処理がなされ、そのゲームが進行する。
【0062】
動作モードを通常モードに設定した(図2におけるS3参照)ゲーム端末装置200Bのプロセッサ211bは、ステップS4及びS5(図2参照)、更にステップS6、S7及びS8(図3参照)の処理を繰り返し実行する。その過程で、プロセッサ211bは、常にゲームサーバ100の仮想環境における時刻の刻みに同期させて(基準刻時速さにて)時刻をカウントアップしつつ(図2のS4)、自機の入力装置220bから操作入力がなされたか否かを判定している(図3のS7)。プレイヤが入力装置220bを操作して操作入力がなされると(S7でYES・その他)、プロセッサ211bは、その操作入力に対応した入力情報を生成し、その入力情報をゲームサーバ100に送信する(S8)。この入力情報は、例えば図5(a)に示すように、ゲーム端末装置200Bを特定する端末ID、仮想環境内で操作の対象となるキャラクタを特定するキャラクタID及びどのような操作がなされたかを表す操作入力情報に、前記操作入力のなされたタイミングを前記基準刻時速さにて刻まれる時刻t(ゲームサーバ100にて刻まれる時刻に対応:図2のS4参照)にて表したタイムスタンプ情報が付加された構造となっている。
【0063】
ゲーム端末装置200Aのプロセッサ211aも、通常モードでは、前述したような処理(S4〜S8)を実行しており、入力装置220aからプレイヤによって操作入力がなされる毎に前記基準刻時速さにて刻まれる時刻にて表されるタイムスタンプ情報の付加された入力情報(図5(a)参照)をゲームサーバ100に送信する。ゲームサーバ100のプロセッサ110は、前述した処理(図4のS101〜S103)を繰り返し実行している過程で、ゲーム端末装置200A、200Bのいずれかから送信されるタイムスタンプ情報の付された入力情報(図5(a)参照)を取得する毎に(S103でYES・プレイヤの入力通知)、その受信したタイムスタンプ情報付きの入力情報を対応するプレイヤ(ゲーム端末装置)に割当てられたメモリ120上の入力キューに追加する(S106)。
【0064】
また、プロセッサ110は、前述したように仮想環境の時刻をカウントアップする毎に(図4のS101)、その時刻(現在時刻)までの時刻を表すタイムスタンプ情報の付された入力情報を各プレイヤに割当てられた入力キューから取り出して前記タイムスタンプ情報にて表される時刻の順に処理する(S102)。具体的には、プロセッサ110は、前記操作入力に基づいたキャラクタの仮想環境内での動き(変化)を表す動き情報を含むプレイヤ情報を生成し、対応するプレイヤ(ゲーム端末装置)に割当てられたメモリ120上の情報変更キューに追加する(S102)。前記プレイヤ情報は、例えば図5(b)に示すように、端末ID、キャラクタID及び動き情報に当該プレイヤ情報の基となった前記入力情報に含まれるタイムスタンプ情報を付加した構造となっている。
【0065】
ゲーム端末装置200Bのプロセッサ211bは、前記通常モードでの処理(S4〜S8)の過程で、前述したように仮想環境の時刻を前記基準刻時速さにてカウントアップ(図2のS4)する毎に、その時刻(現在時刻)までの時刻を表すタイムスタンプ情報の付されたプレイヤ情報の照会要求をゲームサーバ100に送信する(S5)。ゲームサーバ100のプロセッサ110は、その要求を受信すると(図4のS103でYES・プレイヤ情報の照会)、各プレイヤに割付けられた情報変更キューから前記指定された時刻までの時刻を表すタイムスタンプ情報の付されたプレイヤ情報を取り出し、要求のあったゲーム端末装置200Bに送信する(S107)。
【0066】
ゲーム端末装置200Bのプロセッサ211bは、ゲームサーバ100から送信される現在時刻までの時刻を表すタイムスタンプ情報の付されたプレイヤ情報を取得すると、そのプレイヤ情報(動き情報を含む)の内容を現在出力装置220b(表示ユニット、スピーカ等)から出力されている仮想環境の画像及び音声に反映させる(S5)。また、ゲーム端末装置200Aのプロセッサ211aも同様の処理を行う。
【0067】
このような各ゲーム端末装置200A、200Bのプロセッサ211a、211bの通常モードでの処理(S4〜S8)及びゲームサーバ100のプロセッサ110による処理(S101〜S103、S106、S107)によって、ゲーム端末装置200A、200Bの出力装置230a、230b(表示ユニット)に表示される仮想環境において、ゲーム端末装置200Aのプレイヤに割当てられたキャラクタが入力装置220a(操作ユニット)からの操作入力に基づいて前記基準刻時速さでの時刻の刻みに従った進み速さ(以下、基準進み速さという)にて動くと共に、ゲーム端末装置200Bのプレイヤに割当てられたキャラクタも入力装置220b(操作ユニット)からの操作入力に基づいて同様に前記基準進み速さにて動くようになる。このため、入力装置220aを操作して自キャラクタを動かして出力装置230a(表示ユニット)に表示された仮想環境(ゲーム)を体験するプレイヤ(操作者)は、他方のゲーム端末装置200Bの入力装置220bにて操作される相手キャラクタの前記自キャラクタに対する相対的な動きの関係から前記基準進み速さに応じた違和感のない時間の流れを体感することができる。また、同様に、入力装置220bを操作して自キャラクタを動かして出力装置230b(表示ユニット)に表示された仮想環境(ゲーム)を体験するプレイヤ(操作者)も、他方のゲーム端末装置200Aの入力装置220aにて操作される相手キャラクタの自キャラクタに対する相対的な動きの関係から前記基準進み速さに応じた違和感のない時間の流れを体感することができる。
【0068】
ゲーム端末装置200Bのプロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前述した通常モードでの処理(S4〜S8)がなされている過程で、他方のゲーム端末装置200Aの入力装置220aからの操作入力(動き情報:図5(b)参照)に基づいた相手キャラクタの動きがしばらくの間予測可能であるか否かを判定している(図3のS6)。プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、その予測が可能であるとの判定を行うと(S6でYES)、相手キャラクタの動きの予測が可能であることを表す情報を出力装置230bに出力させる(S10)。例えば、仮想環境を表示する表示ユニット(出力装置230b)の画面の所定位置に所定のマークが表示される。その後、ゲーム端末装置200Bのプレイヤ(操作者)が予測モードを選択することなく自キャラクタを動かすための操作を継続的に行えば(S7でYES・その他)、前述したような通常モードでの処理(S7、S8、S4、S5、S6)が継続してなされる。
【0069】
一方、ゲーム端末装置200Bの入力装置220bにて予測モードの選択操作がなされると(S7でYES・予測モード開始)、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、その動作モードを通常モードから予測モードに切換え、次のような手順に従って処理を行う。
【0070】
この予測モードは、予測モード前半と予測モード後半とに分かれており、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、動作モードを予測モード前半に変更してその旨をゲームサーバ100に送信すると共に、予測モード後半への切換わりタイミング及び通常モードに復帰するタイミングを表す時刻を設定する(S11)。例えば、図6に示すように、仮想環境において前記基準刻時速さにて刻まれる時刻t1から時刻t4までの期間が前記相手キャラクタの予測された動きのなされる予測動き期間となる場合、その予測動き期間の開始時刻t1から終了時刻t4直前の所定時刻(t4−Δ)までになされるべき予測された動きが前記予測モード前半にてなされ、その所定時刻(t4−Δ)から終了時刻t4までの僅かな時間Δになされるべき予測された動きが引き続き予測モード後半にてなされるように、予測モード前半から予測モード後半への切換えタイミングが前記所定時刻(t4−Δ)に設定され、予測モード後半から通常モードへの復帰タイミングが時刻t4(予測動き期間の終了時刻)に設定される。以下、図6に示す時間関係に基づいて処理を説明する。
【0071】
以後、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、ステップS12、S13、S14、S15、S7、S8に従って予測モード前半の処理を実行する。即ち、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、自機(ゲーム端末装置200B)内のシステムクロックを参照して、必要であれば、自機仮想空間における時刻をゲームサーバ100における前記基準刻時速さより大幅に早い刻み速さにてカウントアップする(図2のS12)。なお、前記システムクロックは前記基準刻時速さより大幅に早い前記時刻の刻み幅より更に細かい刻み幅で動作している。
【0072】
このように通常より大幅に早い刻み速さにて時刻のカウントアップがなされている状況において、ゲーム端末装置200Bの入力装置220bにて自キャラクタの操作がなされる毎に(S7でYES・その他)、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、その操作入力情報と自機にて刻まれる前記時刻にて表されるタイムスタンプ情報とを含む入力情報(図5(a)参照)を生成し、その入力情報をゲームサーバ100に送信する(S8)。更に、この予測モードでは、そのタイムスタンプ情報を含む入力情報が自機端末本体210bのメモリ212bに確保された入力キューにも追加格納される。
【0073】
また、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、予測モード前半での前記処理の過程で、前述したように自機仮想環境における時刻を高速にてカウントアップする毎に(S12)、その時点(現在時刻)で表示ユニット(出力装置230b)に表示される仮想環境に自キャラクタの操作入力に基づいた動き及び相手キャラクタの予測された動きを反映させるための処理(S13)を行なう。この処理(S13)では、カウントアップにより得られた前記時刻(現在時刻)までの時刻を表すタイムスタンプ情報の付されたプレイヤ情報の照会要求がゲームサーバ100になされる。この場合、前記高速カウントアップにより得られた各時刻は、ゲームサーバ100にて管理される仮想環境において前記基準刻時速さにて刻まれる時刻より先行しており(未来の時刻)、その先行した時刻を表すタイムスタンプ情報の付された相手キャラクタ及び自キャラクタに関するプレイヤ情報は情報変更キューには格納されていない。その代わりとして、その時刻までの相手キャラクタの動きを表す情報が予測演算され、更に、自機の入力キューに格納されたその時刻までの時刻を表すタイムスタンプ情報の付された入力情報に基づいて自キャラクタの当該時刻までの動きを表す情報が演算される。そして、それら得られた情報に基づいた内容が現在出力装置220b(表示ユニット、スピーカ等)から出力されている仮想環境の画像及び音声に反映される。
【0074】
その後、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前述したように高速にカウントアップされる時刻が次の予測モード後半にモード変更すべき時刻(t4−Δ)に達したか否かを判定し(S14)、その時刻に達していなければ(S14でNO)、前述した処理(S7、S8、S12、S13)を繰り返し実行する。その結果、予測モード前半では、図6に示すように、本来ゲームサーバ100にて管理される仮想環境において予測動き期間の開始時刻t1から所定時刻t4−Δまでになされるべき相手キャラクタの予測された動きが、ゲーム端末装置200Bの出力装置230b(表示ユニット)に表示される仮想環境において、前記ゲームサーバ100にて管理される仮想環境における基準刻時進み速さより大幅に早い速さにて刻まれる時刻t1から時刻t4−Δまでの間になされる。即ち、ゲーム端末装置200Bの仮想環境においては、相手キャラクタの動きが猛烈な速さ(第1の速さ)で進む。
【0075】
プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前述したように大幅に早い速さにて刻まれる時刻が予測モード後半への切換えタイミングとして設定した時刻t4−Δに達したと判定すると(S14でYES)、動作モードを予測モード後半に変更してその旨をゲームサーバ100に送信する(S15)。以後、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、ステップS7、S8、S16、S13、S14に従って予測モード後半の処理を実行する。即ち、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前記所定時刻t4−Δから終了時刻t4までの僅かな時間Δにてなされるべき相手キャラクタの予測された残りの動きが引き続きなされて前記予測動き期間の終了時刻t4(ゲームサーバ100の仮想環境にて刻まれる時刻t4と同じタイミング)にて終了されるようにゲーム端末装置200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示される仮想環境の表示制御を行なう。
【0076】
具体的には、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、自機(ゲーム端末装置200B)内のシステムクロックを参照して、必要であれば、自機仮想空間における時刻をゲームサーバ100における前記基準刻時速さより大幅に遅い刻み速さにてカウントアップする(図2のS16)。このように通常より大幅に遅い刻み速さにて時刻のカウントアップがなされている状況において、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前記予測モード前半と同様に、ゲーム端末装置200Bの入力装置220bにて自キャラクタの操作がなされる毎に(S7でYES・その他)、その操作入力情報と自機にて刻まれる前記時刻にて表されるタイムスタンプ情報とを含む入力情報(図5(a)参照)を生成し、その入力情報をゲームサーバ100に送信する(S8)。更に、そのタイムスタンプ情報を含む入力情報が自機端末本体210bのメモリ212bに確保された入力キューにも追加格納される。
【0077】
また、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、予測モード後半での前記処理の過程で、前述したように自機仮想環境における時刻を低速にてカウントアップする毎に(S16)、その時点(現在時刻)で表示ユニット(出力装置230b)に表示される仮想環境に自キャラクタの操作入力に基づいた動き及び相手キャラクタの予測された動きを反映させるための処理(S13)を前述した予測モード前半の場合と同様に行なう。その後、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前述したように低速にカウントアップされる時刻が通常モードに復帰すべき時刻t4に達したか否かを判定し(S14)、その時刻に達していなければ(S14でNO)、前述した処理(S7、S8、S16、S13)を繰り返し実行する。その結果、予測モード後半では、図6に示すように、本来ゲームサーバ100にて管理される仮想環境において予測動き期間の所定時刻t4−Δから終了時刻t4までの僅かな時間Δにてなされる相手キャラクタの予測された動きが、ゲーム端末装置300Bの出力装置230b(表示ユニット)に表示される仮想環境において、本来のより非常に長い時間をかけてなされるようになる。即ち、ゲーム端末装置200bの仮想端末においては、相手キャラクタの動きが極めて遅い速さ(第2の速さ)にて進む。
【0078】
プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、前述したように大幅に遅い速さにて刻まれる時刻が通常モードへの復帰タイミングとして設定した時刻t4に達したと判定すると(S14でYES)、動作モードを通常モードに変更してその旨をゲームサーバ100に送信する(S15)。以後、プロセッサ211b(予測エンジン215b)は、ステップS7、S8、S4、S5、S6、S10に従って前述した通常モードの処理を実行する。
【0079】
なお、前述した予測モードでは、ゲーム端末装置200Bの入力装置220bによって操作される自キャラクタの動きは、その仮想環境内において通常モードと同様に基準進み速さにてなされる。ただし、その動きの基になる操作情報は、予測モード前半では、前記基準刻時速さより大幅に早い速さにて刻まれる時刻を表すタイムスタンプ情報が付されてゲームサーバ100に提供され、予測モード後半では、前記基準刻時速さより大幅に遅い速さにて刻まれる時刻を表すタイムスタンプ情報が付されてゲームサーバ100に提供される。
【0080】
また、なお、ゲーム端末装置200A及び200Bのいずれかにおいてゲーム終了に係る操作がなされると(S7でYES・ゲーム終了)、そのゲーム端末装置からゲームサーバ100に切断要求がされる(S17)。この切断要求を受信したゲームサーバ100は、当該ゲーム端末装置(プレイヤ)に関する情報をメモリ120から消去し(図4のS105)、前記ゲーム端末装置との接続を切断する。
【0081】
前述した予測モードでのゲーム端末装置200Bでの処理により、予測動き期間の開始時刻t1から所定時刻t4−Δまでになされるべき相手キャラクタの予測された動きが出力装置230b(表示ユニット)に表示される仮想環境において前記基準進み速さより猛烈に早い進み速さ(第1の速さ)にてなされるので、その間、入力装置220bを操作して自キャラクタを動かして出力装置230(表示ユニット)に表示された前記仮想環境(ゲーム)を体験するプレイヤは、前記相手キャラクタの前記自キャラクタに対する相対的な動きの関係からより速い時間の流れを体感することができるようになる。更に、前記予測動き期間の開始時刻t1から前記所定時刻t4−Δまでになされるべき相手キャラクタの予測された動きが前記基準進み速さより猛烈に速い進み速さ(第1の速さ)に従ってなされることからその予測された動きは本来の動き(基準進み速さにてなされる予測された動き)より早く終了し(図6参照)、それに引き続いて前記所定時刻t4−Δから終了時刻t4までになされるべき前記相手キャラクタの予測された残りの動きが前記予測動き期間の終了時刻t4にて終了するようになされるので、前記予測動き期間の前記所定時刻t4−Δから前記終了時刻t4までの僅かな時間Δになされるべき相手キャラクタの予測される残りの動きは、出力装置230b(表示ユニット)に表示された仮想環境において本来の動きより長い時間をかけてなされる。そのため、その間、入力装置220bを操作して自キャラクタを動かして前記出力装置230b(表示ユニット)に表示された前記仮想環境(ゲーム)を体験するプレイヤは、前記相手キャラクタの前記自キャラクタに対する相対的な動きの関係からより遅い時間の流れを体感することができるようになる。
【0082】
更に、ゲーム端末装置200Bが前記予測モードにて処理を実行している間、他方のゲーム端末200Aは、通常モードにて処理を実行している。即ち、ゲーム端末装置200Aのプロセッサ211aは、S4、S5、S6、S7、S8の手順に従って処理を実行する。これにより、ゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示される仮想環境において、当該ゲーム端末装置200Aに割当てられた自キャラクタの動き(他方のゲーム端末装置300Bでの前述した相手キャラクタの予測された動きと実質的に同じ)は、前述したのと同様(通常モード)に、入力装置230a(操作ユニット)からの操作入力に基づいて前記基準進み速さにてなされる。また、ゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示された仮想環境における他方のゲーム端末200Bに割当てられた相手キャラクタの動きは次のようになる。
【0083】
図6に示すように、前記予測モード前半では、ゲーム端末装置200Bにおける基準刻時速さより大幅に早い速さにて刻まれる時刻t1から時刻t4−Δまでの間になされる入力装置220bの操作に基づいたキャラクタの動きが、ゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示される仮想環境において前記基準刻時速さにて刻まれる時刻t1から時刻t4−Δまでの間にてなされるようになるので、ゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示された仮想環境における相手キャラクタの動きは、前記基準刻時速さ(通常モードでのキャラクタの動きの進み速さに対応)とそれより大幅に早い前記時刻の刻み速さ(前述した予測モード前半におけるキャラクタの予測された動きの速さに対応)との相対的な関係に依存した、比較的ゆっくりとした進みにてなされる。また、前記予測モード後半では、ゲーム端末装置200Bにおける基準刻時速さより大幅に遅い早さにて刻まれる時刻t4−Δから時刻t4までの間になされる入力装置220bの操作に基づいたキャラクタの動きが、ゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示される仮想環境において前記基準刻時速さにて刻まれる時刻t4−Δから時刻t4までの僅かなΔの間にてなされるようになるので、ゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示された仮想環境における相手キャラクタの動きは、前記基準刻時速さとそれより大幅に遅い前記時刻の刻み速さ(前述した予測モード後半における相手キャラクタの予測された残り動きの速さに対応)との相対的な関係に依存した、急激な進みにてなされる。
【0084】
このようにゲーム端末装置200Bが予測モードで動作する際、他方のゲーム端末装置200Aの出力装置230a(表示ユニット)に表示された仮想環境においては、相手キャラクタ(ゲーム端末装置200Bによって操作されるキャラクタ)は、ゲーム端末装置200Bにおける時刻刻み速さと基準刻時速さとの相対的な関係に依存する進み速さにて動くようになる。このため、入力装置220a(操作ユニット)を操作して自キャラクタを前記基準刻時速さに対応した前記基準進み速さにて動かしてゲーム端末装置200Aにて表示された仮想環境を体感するプレイヤは、相手キャラクタの自キャラクタに対する相対的な動きの関係から、通常モード時と異なる時間の流れを体感することとなる。
【0085】
ゲームサーバ100と共に前述したような処理のなされる2つのゲーム端末装置に表示される各仮想環境の時間経過に伴う変化の具体的な状態例を図7に示す。この例では、2人のプレイヤが対戦型格闘ゲームをプレイしている状況を想定している。
【0086】
ゲーム端末装置200AのプレイヤAがキャラクタCAの後ろ宙返りの操作を行なうと、ゲーム端末装置200Bは、キャラクタCAが放物線運動することを予測し、表示ユニット(出力装置230b)に予測可能マークMを点灯させる(b1)。この状態で、ゲーム端末装置200BのプレイヤBが予測開始操作をすると、ゲーム端末200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示される仮想環境において、本来時刻t1から時刻t4−Δまでの時間必要なキャラクタCAの予測された後ろ宙返りの動きが時間を早回しすることによってなされる(b2)。その結果、ゲーム端末装置200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示される仮想環境においてキャラクタCAが瞬時に後ろ宙返りの動作を行って静止する。
【0087】
その後、プレイヤBは、ゲーム端末装置200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示される仮想環境において静止状態を維持するキャラクタCAに対してキャラクタCBが攻撃するような操作を行なう。そして、時刻t4において時間の流れが元に戻る(b4)。
【0088】
ゲーム端末装置200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示された仮想環境が前述したように変化(b1→b2→b3→b4)する際に、ゲーム端末装置200Aの表示ユニット(出力装置230a)に表示された仮想環境においては、プレイヤAの操作に基づいてキャラクタCAが本来の時間t1〜(t4−Δ)をかけて後ろ宙返りの動きを行なう(a1,a2,a3)。この間、キャラクタCBは、あまり動かない。そして、キャラクタCAが着地したとたん、キャラクタCBが移動してキャラクタCAを瞬時に攻撃する(a4)。
【0089】
このように、予測動き期間中では、ゲーム端末装置200Aの表示ユニット(出力装置230a)に表示された仮想環境における操作ユニット(入力装置220a)の操作入力に基づいたキャラクタの動きと、ゲーム端末装置200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示された仮想環境における前記キャラクタの予測された動きは実質的に同じであるにもかかわらず、それらの進みの速さが異なり、また、ゲーム端末装置200Aの表示ユニット(出力装置230a)に表示された仮想環境及びゲーム端末装置200Bの表示ユニット(出力装置230b)に表示された仮想環境それぞれにおけるゲーム端末装置200Bの操作ユニット(入力装置220b)の操作入力に基づいた各キャラクタの動きは同じであるにもかかわらずそれらの進みの速さが異なる。このため、予測動き期間中では、ゲーム端末装置200Aの操作ユニットを操作して自キャラクタを動かして表示ユニットに表示された仮想環境を体験するプレイヤと、ゲーム端末装置200Bの操作ユニットを操作して自キャラクタを動かして表示ユニットに表示された仮想環境を体験するプレイヤとは、共有する仮想環境において同時に異なる時間の流れを体感することになる。
【0090】
従って、本発明の実施の一形態に係る仮想環境表示システムを所謂コンピュータゲームシステム(ビデオゲームシステム)に適用することによって、現実には操作し得ない「時間」を操作するという全く新しい「非現実性」を実現することが可能となり、そのコンピュータゲームの表現の可能性を更に拡げることができるようになる。
【0091】
前述した例では、相手キャラクタの動きが予測可能となったときに、そのことを表す情報を出力装置から出力するようにして相手キャラクタの動きが予測可能となったことをプレイヤに知らせ、プレイヤが実際に所定の選択操作を行なった場合に、相手キャラクタの予想モードでの処理がなされるようにしたが、そのようなプレイヤへの確認ステップをふまずに、相手キャラクタの動きが予測可能となったときに即座に予測モードでの処理に移行するようにすることもできる。
【0092】
前述した例では、プレイヤが2人であることを想定したが、3人以上のプレイヤが同時同じ場面(仮想環境)を共有するような場合(例えば、インターネットを介した多人数参加型ロールプレイングゲームなど)であっても、ある一部のプレイヤが操作するキャラクタ(物)の集合がその他のプレイヤの操作するキャラクタ(物)の集合の挙動全体を予測できるような状況が仮に生ずるのであれば、全く同じ手法に従って、2つのキャラクタ群の間で時間の流れる速さをずらすことが可能である。ただし、プレイヤが操作するキャラクタの数が増えるにつれて、そのような状況が生じる可能性は非常に少なくなることが予想される。
【0093】
前述した例では、複数のプレイヤが同じゲーム端末装置を用いて同様のキャラクタを操作する対称的なゲーム設定を想定しているが、プレイヤ同士の関係性が非対称的であってもかまわない。例えば、プレイヤの一方が通常のキャラクタを操作し、他方がロールプレイングゲームにおけるゲームマスターのように環境全体を操作するなどのように構成することもできる。
【0094】
また、前述した例では、他のキャラクタの挙動が完全に予測可能な場合にのみ予測モードが開始できることを想定しているが、他のキャラクタの挙動が部分的にしか予測できない場合でも、可能な部分だけについて予測を行い、その結果を部分的に前倒しで描画するという処理を許しても(ゲームによっては)かまわない。例えば、図8に示すように,スクロール型のシューティングゲームにおいて,プレイヤPAが自機キャラクタを操作し、プレイヤPBが画面250の端から次々に敵機を登場させてプレイヤPAに挑むという非対称型の対戦ゲームの場合、今後数秒の間にプレイヤPBがどこからどのような敵機を登場させるかはプレイヤPAにはわからないが、いずれにせよその影響は画面250の端から自機のいる場所まで敵機が移動する時間を経過しないと自機には及ばない。したがってその時間の間は,現在までに登場している敵機の挙動という部分に限って、部分的に予測を行うことができる。この場合、プレイヤが予測モードで動作している間、予測不可能な部分Enについては画面上でも描画がなされないことになる。
【0095】
更に、動き予測の対象となるキャラクタ(物)は、ゲーム端末装置において直接的に操作可能なものでなくても、間接的に操作可能なものであってもよい。例えば、サッカーゲームやテニスゲームにおいて、直接操作可能な選手の動きに基づいたボールを動き予測の対象物とすることもできる。
【0096】
また、前述した例では、それぞれネットワークに接続された2つのゲーム端末装置200A、200B及びゲームサーバ100にてコンピュータゲームシステムが構成されていたが、本発明は、このような構成に限られず、例えば、対戦型のアーケードゲーム筐体に2組のモニタと入出力装置が設けられた構成とすることができる。この場合、2つのゲーム端末装置200A、200Bに相当する2つの入出力処理部と、ゲームサーバ100に相当する管理処理部がアーケードゲーム筐体内に設けられることになる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上、説明したように、本発明に係る仮想環境表示システムは、表示ユニットに表示される仮想環境内の物の動きを操作する操作者がその仮想環境を通して非現実的な時間の流れを体感することができるという効果を有し、コンピュータゲーム等に適用される仮想環境表示ステムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態に係る仮想環境表示システムが適用されるコンピュータゲームシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すシステムにおけるゲーム端末装置のプロセッサが行なう処理の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図3】図1に示すシステムにおけるゲーム端末装置のプロセッサが行なう処理の手順を示すフローチャート(その2)である。
【図4】図1に示すシステムにおけるゲームサーバのプロセッサが行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】各ゲーム端末装置とゲームサーバとの間で送受信される情報の基本的なフォーマットを示す図である。
【図6】2つのゲーム端末装置に表示される各仮想環境内での時間の流れの状態例を示す図である。
【図7】2つのゲーム端末装置に表示される各仮想環境の時間経過に伴う変化の状態例を示す図である。
【図8】本発明の実施の他の形態に係る仮想環境表示システムが適用されるゲーム装置を概括的に示す図である。
【符号の説明】
【0099】
100 サーバ
110 プロセッサ
120 メモリ
130 外部記憶装置
200A、200B ゲーム端末
210a、210b 端末本体
211a、211b プロセッサ
212a、212b メモリ
213a、213b 外部記憶装置
215a、215b 予測エンジン
220a、220b 入力装置(操作ユニット含む)
230a、230b 出力装置(表示ユニット含む)
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示ユニットと、
第1の操作ユニットと、
第2の操作ユニットと、
仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、該仮想環境において第1の物を前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、第2の物を前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御手段と、
前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段と、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記操作入力に基づいた前記第1の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段とを有することを特徴とする仮想環境表示システム。
【請求項2】
前記予測動き表示制御手段は、
前記予測動き期間の前記開始時刻から前記所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記第1の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう前半表示制御手段と、
前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが前記基準進み速さより遅い第2の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう後半表示制御手段とを有することを特徴とする請求項1記載の仮想環境表示システム。
【請求項3】
前記所定時刻は、前記予測動き期間の前記開始時刻より前記終了時刻に近い時刻に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の仮想環境表示システム。
【請求項4】
前記動き予測手段による前記操作入力に基づいた前記第1の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるか否かを判定する動き予測可否判定手段と、
前記第1の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるとの判定がなされたときに、所定の出力手段に所定の情報を出力させる判定結果情報出力制御手段と、
前記出力手段が前記所定の情報を出力している状態で前記第2の操作ユニットによって所定の操作入力がなされたときに、前記動き予測手段に前記第1の物の動きの予測を行なわせる予測処理制御手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の仮想環境表示システム。
【請求項5】
第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第1の物及び第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第2の物を含む仮想環境を表示ユニットに表示させる仮想環境表示処理方法であって、
前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の基準進み速さでの動きを予測する動き予測ステップと、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記第2の物が前記基準進み速さにて動き、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップとを有することを特徴とする仮想環境表示処理方法。
【請求項6】
第1の表示ユニットと、該第1の表示ユニットと対になる第1の操作ユニットと、
第2の表示ユニットと、該第2の表示ユニットと対になる第2の操作ユニットと、
仮想環境を前記第1の表示ユニット及び前記第2の表示ユニットのそれぞれに表示させると共に、該仮想環境において第1の物を前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、第2の物を前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御手段と、
前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段と、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記操作入力に基づいた前記第1の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段と、
前記予測動き期間中、前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境における前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記第2の物の動きに前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻を対応付け、前記基準進み速さに従って刻まれる前記対応付けられた各時刻の進みに応じて前記第2の物の動きがなされるように前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測対応表示制御手段とを有することを特徴とする仮想環境表示システム。
【請求項7】
前記予測対応表示制御手段は、
前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻に対応させて前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第2の物の当該動きを表す動き情報を生成する動き情報生成手段と、
前記基準進み速さに従って順次刻まれる各時刻に該当する時刻に対応した前記動き情報に基づいて前記第2の物が動くように前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう手段とを有することを特徴とする請求項6記載の仮想環境表示システム。
【請求項8】
前記予測動き表示制御手段は、
前記予測動き期間の前記開始時刻から前記所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記第1の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう前半表示制御手段と、
前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが前記基準進み速さより遅い第2の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう後半表示制御手段とを有することを特徴とする請求項6または7記載の仮想環境表示システム。
【請求項9】
前記所定時刻は、前記予測動き期間の前記開始時刻より前記終了時刻に近い時刻に設定されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の仮想環境表示システム。
【請求項10】
前記動き予測手段による前記操作入力に基づいた前記第1の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるか否かを判定する動き予測可否判定手段と、
前記第1の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるとの判定がなされたときに、所定の出力手段に所定の情報を出力させる判定結果情報出力制御手段と、
前記出力手段が前記所定の情報を出力している状態で前記第2の操作ユニットによって所定の操作入力がなされたときに、前記動き予測手段に前記第1の物の動きの予測を行なわせる予測処理制御手段とを有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の仮想環境表示システム。
【請求項11】
前記第1の表示ユニット及び前記第1の操作ユニットを備えた第1の入出力処理部と、
前記第2の表示ユニット及び前記第2の操作ユニットを備えた第2の入出力処理部と、
前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部が接続する管理処理部とを有し、
前記表示制御手段は、
前記第1の入出力処理部に備えられ、前記第1の操作ユニットからの操作入力を前記管理処理部に送る第1の操作入力送信手段と、
前記第2の入出力処理部に備えられ、前記第2の操作ユニットからの操作入力を前記管理処理部に送る第2の操作入力送信手段と、
前記管理処理部に備えられ、前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部から送られてくる前記操作入力に基づいて前記第1の物の動きを表す第1の動き情報及び前記第2の物の動きを表す第2の動き情報を生成する動き情報生成手段と、
前記管理処理部に備えられ、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報を前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部に送る動き情報送信手段と、
前記第1の入手力処理部に備えられ、前記管理処理部からの前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報に基づいて前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境内における前記第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御する第1の動き制御手段と、
前記第2の入出力処理部に備えられ、前記管理処理部からの前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報に基づいて前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境内における第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御する第2の動き制御手段とを有し、
前記動き予測手段及び前記予測動き表示制御手段は、前記第2の入出力処理部に備えられたことを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の仮想環境表示システム。
【請求項12】
前記第1の入出力処理部及び前記第2の入出力処理部のそれぞれは、仮想環境表示端末装置に含まれ、
前記管理処理部は、前記各仮想環境表示端末装置がネットワークを介して接続するサーバに含まれることを特徴とする請求項11記載の仮想環境表示システム。
【請求項13】
前記第1の入出力処理部は、前記第1の操作ユニットから操作入力のなされたタイミングを前記基準進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、前記第1の操作入力送信手段によって前記タイムスタンプ情報の付された前記操作入力が送信されるようにし、
前記第2の入出力処理部は、前記第2の操作ユニットから操作入力のなされたタイミングを前記基準進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、前記第2の操作入力送信手段によって前記タイムスタンプ情報の付された前記操作入力が送信されるようにし、
前記管理処理部における前記動き情報生成手段は、前記タイムスタンプ情報の付された操作入力に基づいて当該タイムスタンプ情報の付された第1の動き情報及び第2の動き情報を生成し、
前記第1の入出力処理部における第1の動き制御手段は、前記基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて前記仮想環境内における前記第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御し、
前記第2の入出力処理部における第2の動き制御手段は、前記基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて前記仮想環境内における前記第1の物の動き及び前記第2の物の動きを制御するようにしたことを特徴とする請求項11または12記載の仮想環境表示システム。
【請求項14】
前記予測対応表示制御手段は、
前記第2の入出力処理部に備えられ、前記予測動き期間中、第2の操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記第1の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、該タイムスタンプ情報の付された前記操作入力を前記管理処理部に送る手段と、
前記管理処理手段に備えられ、前記タイムスタンプ情報の付された操作入力に基づいて前記第2の物の動きを表す当該タイムスタンプ情報の付された予測対応動き情報を生成する手段と、
前記管理処理手段に備えられ、前記タイムスタンプ情報の付された予測対応動き情報を前記第1の入出力処理部に送る手段と、
前記第1の入出力処理部に備えられ、基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された予測対応動き情報を取得し、該予測対応動き情報に基づいて前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境内における前記第2の物の動きを制御する手段を有することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の仮想環境表示システム。
【請求項15】
第1の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第1の物及び前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて動く第2の物を含む仮想環境を前記第1の操作ユニットと対になる第1の表示ユニット及び前記第2の操作ユニットと対になる第2の表示ユニットに表示させる仮想環境表示処理方法であって、
前記第1の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記仮想環境内での前記第1の物の基準進み速さでの前記第1の物の動きを予測する動き予測ステップと、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいて前記第2の物が前記基準進み速さにて動き、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記第1の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記第1の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップと、
前記予測動き期間中、前記第2の表示ユニットに表示される前記仮想環境における前記第2の操作ユニットからの操作入力に基づいた前記第2の物の動きに前記第1の物の予測された動きの進み速さに従って刻まれる各時刻を対応付け、前記基準進み速さに従って刻まれる前記対応付けられた各時刻の進みに応じて前記第2の物の動きがなされるように前記第1の表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測対応表示制御ステップとを有することを特徴とする仮想環境表示処理方法。
【請求項16】
表示ユニット及び操作ユニットを有し、管理処理装置に接続され、前記表示ユニットに表示される仮想環境内において可動となる複数の物のうち所定物の動きを前記操作ユニットからの操作入力によって制御することのできる仮想環境表示端末装置であって、
前記操作ユニットからの操作入力を前記管理処理装置に送信する操作入力送信手段と、
前記管理処理装置から前記操作入力に基づいた前記仮想環境内における前記所定物の動きを表す主動き情報及び他の物の動きを表す従動き情報を取得する動き情報取得手段と、
仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、前記仮想環境において前記所定物を前記主動き情報に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、前記他の物を前記従動き情報に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御手段と、
前記従動き情報に基づいた前記仮想環境内での前記他の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測手段と、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記従動き情報に基づいた前記他の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御手段とを有することを特徴とする仮想環境表示端末装置。
【請求項17】
前記予測動き表示制御手段は、
前記予測動き期間の前記開始時刻から前記所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記第1の進み速さにてなれるように前記仮想環境の表示制御を行なう前半表示制御手段と、
前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが前記基準進み速さより遅い第2の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう後半表示制御手段とを有することを特徴とする請求項16記載の仮想環境表示端末装置。
【請求項18】
前記所定時刻は、前記予測動き期間の前記開始時刻より前記終了時刻に近い時刻に設定されていることを特徴とする請求項16または17記載の仮想環境表示端末装置。
【請求項19】
前記従動き情報に基づいた前記他の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるか否かを判定する動き予測可否判定手段と、
前記他の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるとの判定がなされたときに、所定の出力手段に所定の情報を出力させる定結果情報出力制御手段と、
前記所定の出力手段が前記所定の情報を出力している状態で前記操作ユニットによって所定の操作入力がなされたときに、前記動き予測手段に前記他の物の動きの予測を行なわせる予測処理制御手段とを有することを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の仮想環境表示端末装置。
【請求項20】
操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記基準進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付して、前記操作入力送信手段によって前記タイムスタンプ情報の付された前記操作入力が送信されるようにし、
前記動き情報取得手段は、前記操作入力に付されたタイムスタンプ情報の付された前記主動き情報及びタイムスタンプ情報の付された前記従動き情報を前記管理処理装置から取得し、
前記表示制御手段は、前記基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された前記主動き情報及び従動き情報に基づいて前記所定物及び前記他の物が動くように前記表示ユニットに表示される仮想環境を制御するものとしたことを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の仮想環境表示端末装置。
【請求項21】
前記予測動き期間中、前記操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記他の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、該タイムスタンプ情報の付された前記操作入力を前記管理処理装置に送る手段を有することを特徴とする請求項16乃至20のいずれかに記載の仮想環境表示端末装置。
【請求項22】
表示ユニット及び操作ユニットを有し、管理処理装置に接続され、前記表示ユニットに表示される仮想環境内において可動となる複数の物のうち所定物の動きを前記操作ユニットからの操作入力によって制御することのできる仮想環境表示端末装置での処理方法であって、
前記操作ユニットからの操作入力を前記管理処理装置に送信する操作入力送信ステップと、
前記管理処理装置から前記操作入力に基づいた前記仮想環境内における前記所定物の動きを表す主動き情報及び他の物の動きを表す従動き情報を取得する動き情報取得ステップと、
仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、前記仮想環境において前記所定物を前記主動き情報に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、前記他の物を前記従動き情報に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御ステップと、
前記従動き情報に基づいた前記仮想環境内での前記他の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測ステップと、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記従動き情報に基づいた前記他の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップとを有することを特徴とする仮想環境表示処理方法。
【請求項23】
表示ユニット及び操作ユニットを有し、管理処理装置に接続され、前記表示ユニットに表示される仮想環境内において可動となる複数の物のうち所定物の動きを前記操作ユニットからの操作入力によって制御することのできる仮想環境表示端末装置のコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記操作ユニットからの操作入力を通信ユニットに前記管理処理装置に送信させる操作入力送信制御ステップと、
前記管理処理装置から前記操作入力に基づいた前記仮想環境内における前記所定物の動きを表す主動き情報及び他の物の動きを表す従動き情報を取得する動き情報取得ステップと、
仮想環境を前記表示ユニットに表示させると共に、前記仮想環境において前記所定物を前記主動き情報に基づいて所定の基準進み速さにて動かし、前記他の物を前記従動き情報に基づいて前記基準進み速さにて動かす表示制御ステップと、
前記従動き情報に基づいた前記仮想環境内での前記他の物の前記基準進み速さでの動きを予測する動き予測ステップと、
前記基準進み速さにて前記予測された動きがなされるべき予測動き期間中、前記従動き情報に基づいた前記他の物の動きに代えて、前記予測動き期間の開始時刻から終了時刻より以前の所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記基準進み速さより速い第1の進み速さにてなされ、前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが引き続きなされて前記終了時刻にて終了するように前記表示ユニットに表示される前記仮想環境の表示制御を行なう予測動き表示制御ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項24】
前記予測動き表示制御ステップは、
前記予測動き期間の前記開始時刻から前記所定時刻までになされるべき前記他の物の予測された動きが前記第1の進み速さにてなれるように前記仮想環境の表示制御を行なう前半表示制御ステップと、
前記所定時刻から前記終了時刻までになされるべき前記他の物の予測された残りの動きが前記基準進み速さより遅い第2の進み速さにてなされるように前記仮想環境の表示制御を行なう後半表示制御ステップとを有することを特徴とする請求項23記載のプログラム。
【請求項25】
前記所定時刻は、前記予測動き期間の前記開始時刻より前記終了時刻に近い時刻に設定されていることを特徴とする請求項23または24記載のプログラム。
【請求項26】
前記従動き情報基づいた前記他の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるか否かを判定する動き予測可否判定ステップと、
前記他の物の前記仮想環境内での動きの予測が可能であるとの判定がなされたときに、所定の出力手段に所定の情報を出力させる判定結果情報出力制御ステップと、
前記出力手段が前記所定の情報を出力している状態で前記操作ユニットによって所定の操作入力がなされたときに、前記動き予測手段に前記他の物の動きの予測を行なわせる予測処理制御ステップとを有することを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載のプログラム。
【請求項27】
操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記基準進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付するステップを有し、
前記操作入力送信制御ステップは、前記タイムスタンプ情報の付された前記操作入力を前記通信ユニットに前記管理処理装置に送信させ、
前記動き情報取得ステップは、前記操作入力に付されたタイムスタンプ情報の付された前記主動き情報及びタイムスタンプ情報の付された前記従動き情報を前記管理処理装置から取得し、
前記表示制御ステップは、前記基準進み速さに応じて刻まれる各時刻において当該時刻を表すタイムスタンプ情報の付された前記主動き情報及び従動き情報に基づいて前記所定物及び前記他の物が動くように前記表示ユニットに表示される仮想環境を制御することを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載のプログラム。
【請求項28】
前記予測動き期間中、前記操作ユニットから操作入力がなされたタイミングを前記表示ユニットに表示される前記仮想環境内での前記他の物の予測された動きの進み速さに応じて刻まれる時刻にて表すタイムスタンプ情報を前記操作入力に付し、該タイムスタンプ情報の付された前記操作入力を前記サーバに送るステップを有することを特徴とする請求項23乃至27のいずれかに記載のプログラム。
【請求項29】
請求項23乃至28のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータの読み取り可能な記録媒体。
【請求項30】
それぞれ表示ユニット及び操作ユニットを有する複数の仮想環境表示端末装置が接続され、前記複数の仮想環境表示端末のそれぞれに対応した物がその対応する仮想環境表示端末装置における操作ユニットからの操作入力に基づいて動くようにした仮想環境を前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれの前記表示ユニットに表示させるための管理処理を行なう管理処理装置であって、
前記複数の仮想環境端末装置のそれぞれから対応する物の動きを指示する前記操作ユニットの操作入力を取得する操作入力取得手段と、
前記取得された操作入力に基づいて対応する物の前記仮想環境内での動きを表す動き情報を生成する動き情報生成手段と、
前記生成された動き情報を前記表示ユニットに前記仮想環境を表示させる前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれに送信する動き情報送信手段とを有することを特徴とする管理処理装置。
【請求項31】
前記操作入力取得手段は、前記操作入力のなされた時刻を表すタイムスタップ情報の付された操作入力を取得し、
前記動き情報生成手段は、前記タイムスタンプ情報の付された操作入力に基づいて当該タイムスタンプ情報の付された前記動き情報を生成し、
前記動き情報送信手段は、前記複数の仮想環境表示装置のそれぞれに前記タイムスタンプ情報の付された動き情報を送信するようにしたことを特徴とする請求項30記載の管理処理装置。
【請求項32】
それぞれ表示ユニット及び操作ユニットを有する複数の仮想環境表示端末装置が接続され、前記複数の仮想環境表示端末のそれぞれに対応した物がその対応する仮想環境表示端末装置における操作ユニットからの操作入力に基づいて動くようにした仮想環境を前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれの前記表示ユニットに表示させるための管理処理を行なう管理処理装置でなされる処理方法であって、
前記複数の仮想環境端末装置のそれぞれから対応する物の動きを指示する前記操作ユニットの操作入力を取得する操作入力取得ステップと、
前記取得された操作入力に基づいて対応する物の前記仮想環境内での動きを表す動き情報を生成する動き情報生成ステップと、
前記生成された動き情報を前記表示ユニットに前記仮想環境を表示させる前記複数の仮想環境表示端末装置のそれぞれに送信する動き情報送信ステップとを有することを特徴とする管理処理方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−215669(P2007−215669A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38166(P2006−38166)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(504133110)国立大学法人 電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】