説明

会議室予約システム及び会議室予約方法

【課題】利用者が希望する会議室を簡便に予約することができる会議室予約システム及び会議室予約方法の提供。
【解決手段】会議室の提供者が管理する会議室提供者端末と、前記会議室の利用者が管理する会議室利用者端末と、制御装置と、が通信ネットワークで接続された会議室予約システムであって、前記制御装置は、1又は複数の前記会議室提供者端末から送信される複数の会議室に関する情報に基づいてデータベースを作成するデータベース作成部と、前記データベースを参照して、前記会議室利用者端末から送信される会議室の利用条件に合致する会議室を選別して予約し、予約内容を前記会議室利用者端末に通知すると共に当該予約内容に従って前記データベースを更新する会議室予約実行部と、を少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室予約システム及び会議室予約方法に関し、特に、共有して使用される会議室を予約する会議室予約システム及び会議室予約方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会社等では日常的に会議が行われており、会議のための専用の会議室を自社のフロアに設置している会社が多いが、会議室を設置すると費用(固定費)がかかる。一方、会議室は常時使用されるものではなく、必要な時に必要な場所が確保できれば十分である。このような背景から、近年、会社等のフロアに設置した会議室を共有する考え方が生まれている。
【0003】
上記会議室の共有とは直接関係しないが、一般的な共有スペースの利用に関する技術として、例えば、下記特許文献1には、利用者端末から共用スペースの予約要求を受付けて仮予約テーブルに登録するステップと、各利用者の利用優先度を認識するステップと、利用優先度のうち最も高い利用優先度の利用者に由来する予約要求を選定し、予約テーブルに登録するステップと、利用者端末に、当該予約登録の旨を通知するステップと、利用者による共用スペースの利用状況を、当該共用スペースの利用管理装置より受付けるステップと、利用状況とこれに対応する予約登録の内容とを照合して、その相違点を認識するステップと、前記相違点が認識されたならば、前記優先度テーブルにおける該当利用者IDに対応する利用優先度を当該相違点に応じて低下させるステップと、を実行する共用スペース割当て方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−164319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の方法は、利用者が共有スペースの利用を予約した後の処理であるが、予約に際して、利用者の利用条件に合致した共有スペースを提案するシステムはなく、利用者が簡便に共有スペースを予約することができなかった。
【0006】
特に、会議室の予約の場合、多人数で使用され、メンバーの都合により場所や時間が限定される場合があることから、利用者の希望する場所の空いている会議室を迅速に探し出して予約する必要がある。また、会議室は規模や付帯設備、利用料金等が様々であることから、利用者の希望に合致した会議室を探し出して予約する必要がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、利用者が希望する会議室を簡便に予約することができる会議室予約システム及び会議室予約方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、会議室の提供者が管理する会議室提供者端末と、前記会議室の利用者が管理する会議室利用者端末と、制御装置と、が通信ネットワークで接続された会議室予約システムであって、前記制御装置は、1又は複数の前記会議室提供者端末から送信される複数の会議室に関する情報に基づいてデータベースを作成するデータベース作成部と、前記データベースを参照して、前記会議室利用者端末から送信される会議室の利用条件に合致する会議室を選別して予約し、予約内容を前記会議室利用者端末に通知すると共に当該予約内容に従って前記データベースを更新する会議室予約実行部と、を少なくとも備えるものである。
【0009】
また、本発明は、会議室の提供者が管理する会議室提供者端末と、前記会議室の利用者が管理する会議室利用者端末と、制御装置と、が通信ネットワークで接続されたシステムにおける会議室予約方法であって、1又は複数の前記会議室提供者端末が、前記制御装置に、複数の会議室に関する情報を送信する第1のステップと、前記制御装置が、前記会議室に関する情報に基づいてデータベースを作成する第2のステップと、前記会議室利用者端末が、前記制御装置に、会議室の利用条件を指示する第3のステップと、前記制御装置が、前記データベースを参照して、前記会議室の利用条件に合致する会議室を選別して予約し、予約内容を前記会議室利用者端末に通知すると共に当該予約内容に従って前記データベースを更新する第4のステップと、を少なくとも実行するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の会議室予約システム及び会議室予約方法によれば、利用者が希望する会議室を簡便に予約することができる。
【0011】
その理由は、会議室予約システムに配置される制御装置では、会議室の提供者の端末から会議室の登録を受け付けてデータベースを作成し、会議室の利用者の端末から希望する条件を受信すると、データベースを参照して希望する条件に合致する会議室を選別して予約を行い、その結果を利用者の端末に送信する制御を行うからである。
【0012】
これにより、会議室の利用者の利便性を向上させることができる。また、会議室の提供者は会議室を登録するだけで利用料金を得ることができるため、提供者の利便性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施例に係る会議室予約システムの構成例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るデータベースの作成手順を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る会議室予約手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るデータベースの構成例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る会議室提供者端末に表示される画面の構成例(会議室登録画面)の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る会議室利用者端末に表示される画面の構成例(会議室予約画面)の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る会議室利用者端末に表示される画面の他の構成例(会議室予約画面)の構成例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る会議室利用者端末に表示される画面構成例(会議室選択画面)の構成例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係る会議室利用者端末に表示される画面構成例(会議室予約通知画面)の構成例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る会議室予約システムの構成例を模式的に示す図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る会議室利用者端末の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係る会議室予約手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
背景技術で示したように、会議室等のスペースを共有する考え方が普及しているが、共有スペースを予約するシステムは整備されておらず、所望の共有スペースを簡便に予約することができなかった。特に、会議室の場合は、多人数で使用されるために場所や時間の制約が大きく、また、会議の目的によって規模や設備等が制限されるため、所望の会議室を簡便に予約するのが難しいという問題があった。
【0015】
そこで、本発明では、会議室の提供者と利用者の双方の利便性を向上させるために、会議室予約システムに制御装置を設け、制御装置では、会議室の提供者の端末から会議室に関する情報(場所や規模、仕様、設備、利用料金、利用可能日時等)を受信すると、これらを関連付けるデータベースを作成し、会議室の利用者の端末から会議室を利用するための条件(場所や時間、利用人数、利用設備、希望料金、目的等)を受信すると、上記データベースを参照して上記条件に合致する会議室を選別して予約を行い、予約内容を利用者に通知すると共にデータベースを更新するようにする。以下、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0016】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る会議室予約システム及び会議室予約方法について、図1乃至図10を参照して説明する。図1は、本実施例に係る会議室予約システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、制御装置の構成を示すブロック図である。また、図3は、会議室予約で利用するデータベースの作成手順を示すフローチャート図であり、図4は、会議室予約の手順を示すフローチャート図である。また、図5は、データベースの構成例であり、図6は、会議室提供者端末に表示される画面の構成例、図7乃至図10は、会議室利用者端末に表示される画面の構成例を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施例の会議室予約システム10は、会議室などの共有スペースの提供者が管理する1又は複数の会議室提供者端末30と、会議室などの共有スペースの利用者が管理する1又は複数の会議室利用者端末40と、会議室提供者端末30から受信した情報をデータベース化し、会議室利用者端末40から受信した条件に従って会議室を予約する制御装置20と、を備える。これらは、これらはイーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber-Distributed Data Interface)等の規格により定められるLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、電話回線、無線回線等の通信ネットワーク50によって接続されている。
【0018】
上記制御装置20は、図2(a)に示すように、制御部21と、表示部22と、操作部23などを備える。
【0019】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)21a、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ21b、HDD(Hard Disk Drive)21c、通信I/F部21dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。
【0020】
CPU21aは、各部の制御を行う。メモリ21bは、HDD21cや通信I/F部21dから読み込んだ種々のデータを一時的に記憶する部分であり、記憶されたデータはCPU21aによって処理され、必要に応じてHDD21cや通信I/F部21dに転送される。HDD21cは、CPU21aが各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、会議室に関する情報を記述したデータベース、会議室予約システムを利用するユーザ情報などを格納し、CPU21aにより必要に応じて読み出され、メモリ21b上で実行処理される。通信I/F部21dは、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、通信ネットワーク50を介して繋がっている機器との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0021】
また、上記制御部21は、図2(b)に示すように、会議室提供者端末30から会議室に関する情報(管理者(所有者)、所在地、名称、規模、付帯設備、利用料金など)を取得し、会議室に関するデータベースを作成するデータベース作成部、会議室利用者端末40から会議室の予約条件を取得し、データベースを参照して予約条件に合致する会議室を選別して予約を実行する会議室予約実行部としても機能する。このデータベース作成部及び会議室予約実行部はハードウェアとして構成してもよいし、コンピュータを、データベース作成部及び会議室予約実行部として機能させる会議室予約制御プログラムとして構成し、当該会議室予約制御プログラムを制御部21上で動作させる構成としてもよい。
【0022】
表示部22は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、データベースを作成するための画面や会議室の予約状況を確認する画面等を表示する。
【0023】
操作部23は、表示部22上に表示された情報を操作したり、情報を入力したりする部分であり、ポインティングデバイス、キーボード、トラックボール、トラックパッド、タブレット、及びスタイラスペンなどで構成される。
【0024】
なお、会議室提供者端末30及び会議室利用者端末40は、一般的なコンピュータ装置であり、上記制御装置20とハードウェア構成は同じであるため、説明は省略する。
【0025】
次に、会議室に関するデータベースを作成する手順について、図3のフローチャート図を参照して説明する。
【0026】
まず、制御装置20の制御部21は、会議室提供者端末30からのアクセスを監視し(S101)、会議室提供者端末30からアクセスがあったら、ユーザ認証を行う(S102)。具体的には、会議室提供者端末30に画面データを送信し、会議室提供者端末30の表示部にユーザ認証画面を表示させ、会議室提供者端末30からユーザIDやパスワードなどのユーザ情報を受信したら、受信したユーザ情報とHDD21c等に予め記憶したユーザ情報とを比較して一致するか否かを判断する。ユーザ認証の結果がNGの場合は、本実施例の会議室予約システム10を利用することができないため、処理を終了する。
【0027】
ユーザ認証の結果がOKの場合は、制御部21は、会議室提供者端末30に画面データを送信し、会議室提供者端末30の表示部に、例えば、図6のような会議室登録画面70を表示させる(S103)。この会議室登録画面70には、会議室を登録するために必要な情報(例えば、会議室の所在地、名称、規模、付帯設備、利用料金、利用可能な時間帯や曜日など)を入力/選択する欄が設けられており、会議室提供者は必要な情報を入力/選択して登録ボタンを押す。
【0028】
次に、制御部21は、会議提供者端末30から送信された情報を受信し(S104)、制御部21(データベース作成部)は、受信した情報に基づいてデータベースを作成する(S105)。
【0029】
このデータベースは、例えば図5(a)のように構成され、会議室毎に、管理者(所有者)、所在地、規模、付帯設備、利用料金等を示す情報が関連付けて登録されている。また、会議室毎に予約状況が記述されたテーブルが対応付けられ、利用可能な時間帯や曜日に基づいて、所定の時間単位で、予約可/予約済み/予約不可を示す情報が記述される。図5(b)は上記テーブルを模式的に示したものであり、ここでは、会議室登録画面70で利用可能時間帯が9〜17時、利用可能日が月〜金に設定されているため、土日に対応する欄は予約不可になっている。また、初期登録段階では上記以外は予約可となっているが、予約が行われる度に対応する欄が予約済みに変更される。
【0030】
なお、ここでは、会議室に関する情報として、会議室の所在地、名称、規模、付帯設備、利用料金、利用可能な時間帯や曜日を示したが、これらは例示であり、会議室が設置されたビルに関する情報(例えば、築年数、エレベータや自動販売機の有無、受付方法、入退室方法)、会議室に関する他の情報(会議室の仕様、レイアウト)などの他の情報を付加してもよい。また、図5(b)では1時間毎に予約できるようにしているが、予約時間の割り当ては任意であり、2時間毎、午前/午後など適宜変更可能である。
【0031】
また、上記フローでは、会議室提供者端末30から受信した情報に基づいてデータベースを作成したが、例えば、会議室提供者が電話やFAX、電子メール等で会議室に関する情報を提供し、制御装置20の管理者がこれらの情報を入力してデータベースを作成してもよい。
【0032】
次に、上記データベースを利用して会議室を予約する手順について、図4のフローチャート図を参照して説明する。
【0033】
まず、制御装置20の制御部21は、会議室利用者端末40からのアクセスを監視し(S201)、会議室利用者端末40からアクセスがあったら、ユーザ認証を行う(S202)。具体的には、会議室利用者端末40に画面データを送信し、会議室利用者端末40の表示部にユーザ認証画面を表示させ、ユーザIDやパスワードなどのユーザ情報を受信したら、受信したユーザ情報とHDD21c等に予め記憶したユーザ情報とを比較する。ユーザ認証の結果がNGの場合は、本実施例の会議室予約システム10を利用することができないため、処理を終了する。
【0034】
ユーザ認証の結果がOKの場合は、制御部21は、会議室利用者端末40に画面データを送信し、会議室利用者端末40の表示部に、例えば、図7のような会議室予約画面71を表示させる(S203)。この会議室予約画面71には、会議室を予約するための条件(例えば、会議室の場所、利用日時など)を入力/選択する欄が設けられており、会議室利用者は上記情報を入力/選択して送信ボタンを押す。
【0035】
なお、図7では、会議室を予約するための条件として場所と利用日時を入力/選択するようにしたが、条件を更に細かく指定できるようにしてもよい。例えば、会議室予約画面71に「更に細かく」ボタンを設け、このボタンを押すと、図8に示すような画面が表示され、他の条件(例えば、利用人数や希望料金、利用設備、目的など)が入力/選択できるようにすることもできる。このように条件を細かく指定可能にすることにより、より会議室利用者の条件に合致した会議室を選別することができる。
【0036】
次に、制御部21は、会議室利用者端末40から送信された情報を受信し(S204)、制御部21(会議室予約実行部)は、予め作成したデータベースを参照して、受信した情報に合致する会議室を選別する(S205)。
【0037】
具体的には、まず、図5(a)のデータベースに記述された所在地と会議室利用者が指定した場所とを比較し、所在地が指定した場所に近い(例えば、半径300m以内の)会議室を選別し、選別した会議室に対応付けられた図5(b)のテーブルを参照して、会議室利用者が指定した日時が予約可能か否かを判断する。また、利用人数や希望料金、使用設備が指定された場合は、所在地や規模、付帯設備、利用料金が合致する会議室を選別し、その会議室が予約可能か否かを判断する。また、目的が指定された場合は、目的に合致する会議室(例えば、社内会議の場合は利用者が向かい合うレイアウト、セミナーや講演、教育実習等の場合は利用者が同じ方向を向くレイアウト、商談の場合は応接仕様等)を更に選別する。なお、会議室の選別に際して、各条件の優先順位は任意に設定可能である。
【0038】
次に、制御部21(会議室予約実行部)は、指定された条件に合致する会議室が選別できたか否かを判断する(S206)。
【0039】
条件に合致する会議室が選別できない場合は、制御部21は、条件に合致する会議室がないことを会議室利用者端末40に通知した後、ステップS203に戻って、会議室利用者端末40に画面データを送信し、会議室利用者端末40の表示部に会議室予約画面71を表示させる。その際、単に条件に合致する会議室がないことを通知するだけはなく、希望する場所からやや遠い(例えば、半径500m以内)会議室や付帯設備が異なる会議室、利用料金が希望料金よりも高い会議室等が予約可能な場合は、それらの会議室を提示してもよい。
【0040】
一方、条件に合致する会議室が選別できた場合は、制御部21は、選別した会議室が1つか複数かを判断し(S207)、複数の場合は、会議室利用者端末40に画面データを送信し、会議室利用者端末40の表示部に、例えば、図9のような会議室選択画面72を表示させる(S208)。この会議室選択画面72には、会議室利用者が設定した条件に合致する複数の会議室が選択可能に表示されており、会議室利用者はその中から所望の会議室を選択して送信ボタンを押す。
【0041】
次に、制御部21(会議室予約実行部)は、ステップS205で選別又はステップS208で選択された会議室の予約を行い、データベースを更新する(S209)。例えば、東京都千代田区大手町…の第1会議室を予約する場合は、その会議室に対応付けられたテーブルの指定された日時(2/9の10〜12時)に対応する欄(図5(b)のハッチング箇所)を予約済みに設定する。
【0042】
次に、制御部21は、会議室利用者端末40に画面データを送信し、会議室利用者端末40の表示部に、例えば、図10のような会議室予約通知画面73を表示させる(S210)。この会議室予約通知画面73は、予約が完了した会議室に関する詳細情報(例えば、場所、日時、名称、規模、付帯設備、利用料金など)が記載されており、会議室利用者は上記情報に基づいて会議室を利用する。
【0043】
なお、会議室の場所を理解しやすくするために、地図ボタンを押すとその周辺の地図が表示されるようにすることもできる。また、予約した後に会議が変更/取消になる場合もあることから、予約変更/予約取消ボタンを設け、予約内容(例えば、場所や日時)を変更できるようにしたり、予約日時までの期間に応じて有償/無償で予約を取り消しできるようにすることもできる。また、会議室を予約したことを通知する情報は、会議室利用者端末40のみに送信してもよいし、会議室利用者端末40及び会議室提供者端末30の双方に送信してもよい。
【0044】
その後、予約が成立した段階、予約日時の前、若しくは、会議室を利用した後に、会議室利用者は、予め定めた手続きに従って制御装置20を運営する会社若しくは会議室提供者に利用料金を支払う。その際、予約を行った日時と会議室を実際に利用する日時との間隔に基づいて利用料金を変更してもよい。例えば、利用日から3日以内の予約であれば20%オフ、利用日の前日の予約ならば40%オフのように利用料金を減額することにより、会議室の利用促進を図ることができる。
【0045】
このように、本実施例によれば、会議室提供者端末30から受信した情報に基づいてデータベースを作成し、このデータベースを参照して、会議室利用者端末40から受信した条件に基づいて会議室を選別して予約し、会議室利用者端末40に予約通知を行うと共にデータベースを更新することにより、会議室利用者は希望する会議室を簡便に予約することができる。また、会議室提供者は、自ら会議室の斡旋や宣伝、管理を行うことなく、会議室をデータベースに登録するだけで会議室の利用料金を得ることができるため、会議室提供者の利便性も向上させることができる。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の第2の実施例に係る会議室予約システム及び会議室予約方法について、図11乃至図13を参照して説明する。図11は、本実施例に係る会議室予約システムの構成を模式的に示す図であり、図12は、会議室利用者端末の構成を示すブロック図である。また、図13は、会議室予約の手順を示すフローチャート図である。
【0047】
前記した第1の実施例では、会議室利用者はコンピュータ端末などからなる会議室利用者端末40を用いて会議室の予約を行ったが、近年、GPS(Global Positioning System)機能やRFID(Radio Frequency Identification)機能を備えた携帯端末が普及しており、これらの機能を備えた携帯端末を用いれば、会議室の予約をより簡便に行うことが可能である。そこで、本実施例では、図11に示すように、このような携帯端末を会議室利用者端末60として利用し、会議室利用者端末60が無線基地局装置51を介して通信ネットワーク50に接続されるシステムについて説明する。
【0048】
上記会議室利用者端末60は、図12に示すように、制御部61と、表示部62と、操作部63と、GPS部64と、RFID部65などで構成される。
【0049】
制御部61は、CPU61a、ROMやRAMなどのメモリ61b、HDD61c、通信I/F部61dなどを備え、これらはバスを介して接続されている。
【0050】
表示部62は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、会議室予約画面や会議室選択画面、会議室予約通知画面等を表示する。
【0051】
操作部63は、数字キーや十字キー、特殊キーなどの各種キーで構成され、予約条件の入力や会議室の選択などの操作を行う。
【0052】
GPS部64は、地球周回軌道に配置された人工衛星が発信する電波を利用し、会議室利用者端末60の位置を特定する。
【0053】
RFID部65は、共振回路を構成するアンテナとICチップなどで構成され、電磁誘導又は電磁結合を利用して、リーダとデータ通信を行う。
【0054】
なお、制御装置20及び会議室提供者端末30の構成は第1の実施例と同じであるため、説明は省略する。
【0055】
次に、上記データベースを利用して、会議室を予約する手順について、図13のフローチャート図を参照して説明する。
【0056】
第1の実施例と同様に、制御装置20の制御部21は、会議室利用者端末60からのアクセスを監視し(S301)、会議室利用者端末60からアクセスがあったら、ユーザ認証を行う(S302)。ユーザ認証の結果がNGの場合は、本実施例の会議室予約システム10を利用することができないため、処理を終了する。
【0057】
ユーザ認証の結果がOKの場合は、制御部21は、会議室利用者端末60に画面データを送信し、会議室利用者端末60の表示部に、図7又は図8のような会議室予約画面71を表示させ(S303)、会議室利用者は、会議室を予約するための条件を入力/選択して送信ボタンを押す。
【0058】
その際、本実施例の会議室利用者端末60はGPS部64を備えており、GPS部64で取得した位置情報を送信することにより、制御装置20は会議室利用者端末60の位置を特定できる。従って、会議室利用者端末60近傍の会議室を予約する場合は、会議室予約画面71で場所を指定する必要がなく、会議室利用者の操作性を向上させることができる。
【0059】
また、携帯電話機では、通信ネットワーク50に接続するために近くの無線基地局装置51とデータ通信を行うことから、無線基地局装置51から取得した基地局情報(エリアコード)を送信することにより、制御装置20は会議室利用者端末60の位置を特定することもできる。この場合、無線基地局装置51の設置間隔に応じて位置精度は変化するが、この方法を利用すれば、GPS部64を備えていない会議室利用者端末60でも場所を指定する手間を省くことができる。
【0060】
次に、制御部21は、会議室利用者端末60から送信された情報を受信すると共に、GPSの位置情報や基地局情報(エリアコード)から会議室利用者端末60の場所を特定し(S304)、制御部21(会議室予約実行部)は、予め作成したデータベースを参照して、指定された条件に合致する会議室を選別する(S305)。
【0061】
次に、制御部21(会議室予約実行部)は、指定された条件に合致する会議室が選別できたか否かを判断する(S306)。
【0062】
条件に合致する会議室が選別できない場合は、制御部21は、条件に合致する会議室がないことを会議室利用者端末60に通知した後、ステップS303に戻って、会議室利用者端末60に画面データを送信し、会議室利用者端末60の表示部に会議室予約画面71を表示させる。
【0063】
一方、条件に合致する会議室が選別できた場合は、制御部21は、選別した会議室が1つか複数かを判断し(S307)、複数の場合は、会議室利用者端末60に画面データを送信し、会議室利用者端末60の表示部に会議室選択画面72を表示させ(S308)、会議室利用者は所望の会議室を選択して送信ボタンを押す。
【0064】
次に、制御部21(会議室予約実行部)は、ステップS305で選別又はステップS308で選択された会議室の予約を行い、データベースを更新する(S309)。
【0065】
次に、制御部21は、会議室利用者端末60に画面データを送信し、会議室利用者端末60の表示部に会議室予約通知画面73を表示させる(S310)。
【0066】
ここで、会議室の中にはセキュリティを確保するために入退室の際に認証が必要な場合がある。一方、本実施例では会議室利用者端末60として携帯端末を利用しており、会議室利用者は会議室利用者端末60を常時携帯している。
【0067】
そこで、本実施例では、会議室提供者は会議室を登録する際に認証情報を制御装置20に通知し、制御装置20の制御部(データベース作成部)は、会議室に関連付けて認証情報を登録しておく。そして、制御部21は、予約した会議室に認証情報が関連付けられている場合は、会議室利用者端末60にその認証情報を通知する(S311)。
【0068】
なお、この認証情報の通知方法は任意であり、会議室予約通知画面73に記載してもよいし、会議室予約通知画面73とは別に電子メール等で通知してもよい。また、RFID機能を用いて入退室の認証を実行する場合は、会議室利用者端末60の制御部61は、取得した認証情報をRFID部65のICチップに書き込み、会議室の入り口等に設置されたリーダに会議室利用者端末60をかざして認証を行うようにすることもでき、この方法を利用することにより、会議室利用者の利便性を更に向上させることができる。
【0069】
その後、予約が成立した段階、予約日時の前、若しくは、会議室を利用した後に、会議室利用者は、予め定めた手続きに従って制御装置20を運営する会社若しくは会議室提供者に利用料金を支払う。その際、第1の実施例と同様に、予約を行った日時と会議室を実際に利用する日時との間隔に基づいて利用料金を変更してもよい。
【0070】
このように、本実施例によれば、第1の実施例の効果に加えて、会議室利用者端末60のGPS部64で取得した位置情報や無線基地局51から取得した基地局情報を利用することにより、会議室の予約に際して場所を指定する手間を省くことができ、会議室利用者の利便性を更に向上させることができる。また、入退室に際して認証が必要な場合は、常時携帯する会議室利用者端末60に認証情報を送信したり、会議室利用者端末60のRFID部65に認証情報を登録することにより、会議室利用者の利便性を更に向上させることができる。
【0071】
なお、上記実施例では、本発明を会議室の予約に適用する場合を示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、駐車場や催事場などの共有可能なスペースの予約に対して同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、共有スペースの利用予約を行うシステム及び方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 会議室予約システム
20 制御装置
21 制御部
21a CPU
21b メモリ
21c HDD
21d 通信I/F部
22 表示部
23 操作部
30 会議室提供者端末
40 会議室利用者端末(コンピュータ端末)
50 通信ネットワーク
60 会議室利用者端末(携帯端末)
61 制御部
61a CPU
61b メモリ
61c HDD
61d 通信I/F部
62 表示部
63 操作部
64 GPS部
65 RFID部
70 会議室登録画面
71 会議室予約画面
72 会議室選択画面
73 会議室予約通知画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議室の提供者が管理する会議室提供者端末と、前記会議室の利用者が管理する会議室利用者端末と、制御装置と、が通信ネットワークで接続された会議室予約システムであって、
前記制御装置は、
1又は複数の前記会議室提供者端末から送信される複数の会議室に関する情報に基づいてデータベースを作成するデータベース作成部と、
前記データベースを参照して、前記会議室利用者端末から送信される会議室の利用条件に合致する会議室を選別して予約し、予約内容を前記会議室利用者端末に通知すると共に当該予約内容に従って前記データベースを更新する会議室予約実行部と、を少なくとも備えることを特徴とする会議室予約システム。
【請求項2】
前記会議室に関する情報は、会議室の所在地、規模、仕様、付帯設備、利用料金、利用可能日時、会議室が設置された建物の仕様の中から選択される1以上の情報を含み、
前記会議室の利用条件は、希望場所、希望日時、使用人数、使用設備、希望料金、会議の目的の中から選択される1以上の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の会議室予約システム。
【請求項3】
前記会議室利用者端末は携帯端末であり、GPS機能により特定される位置情報又は無線基地局から取得した基地局情報を前記制御装置に送信する機能を備え、
前記制御装置の会議室予約実行部は、前記位置情報又は前記基地局情報に基づいて前記会議室利用者端末の位置を特定し、特定した位置に基づいて会議室を選別することを特徴とする請求項1又は2に記載の会議室予約システム。
【請求項4】
会議室の提供者が管理する会議室提供者端末と、前記会議室の利用者が管理する会議室利用者端末と、制御装置と、が通信ネットワークで接続されたシステムにおける会議室予約方法であって、
1又は複数の前記会議室提供者端末が、前記制御装置に、会議室に関する情報を送信する第1のステップと、
前記制御装置が、複数の会議室に関する情報に基づいてデータベースを作成する第2のステップと、
前記会議室利用者端末が、前記制御装置に、会議室の利用条件を指示する第3のステップと、
前記制御装置が、前記データベースを参照して、前記会議室の利用条件に合致する会議室を選別して予約し、予約内容を前記会議室利用者端末に通知すると共に当該予約内容に従って前記データベースを更新する第4のステップと、を少なくとも実行することを特徴とする会議室予約方法。
【請求項5】
前記会議室に関する情報は、会議室の所在地、規模、仕様、付帯設備、利用料金、利用可能日時、会議室が設置された建物の仕様の中から選択される1以上の情報を含み、
前記会議室の利用条件は、希望場所、希望日時、使用人数、使用設備、希望料金、会議の目的の中から選択される1以上の情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の会議室予約方法。
【請求項6】
前記会議室利用者端末は携帯端末であり、
前記第3のステップでは、前記会議室利用者端末は、前記制御装置に、GPS機能により特定される位置情報又は無線基地局から取得した基地局情報を送信し、
前記第4のステップでは、前記制御装置は、前記位置情報又は前記基地局情報に基づいて前記会議室利用者端末の位置を特定し、特定した位置に基づいて会議室を選別することを特徴とする請求項4又は5に記載の会議室予約方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−186384(P2010−186384A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31096(P2009−31096)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(306017704)株式会社アットオフィス (5)
【Fターム(参考)】