説明

伝送ラインのループ長・ブリッジタップ長を決定するためのシステムおよび方法

【課題】伝送ライン上のループ長、ブリッジタップ数、およびブリッジタップ長を推定する。
【解決手段】最小二乗最小化法概念の使用により、伝送ライン上のループ長、ブリッジタップの数、およびブリッジタップの長さを、容易に利用可能なモデムデータから決定する。詳細には、ループ長、ブリッジタップの数、およびブリッジタップの長さは、伝送ラインの測定された周波数領域チャンネルインパルス応答を、マルチセクションおよび多数ブリッジタップで構成されるループのモデルと比較することによって推定する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、伝送ライン特性の決定に関する。詳細には、本発明は、伝送ラインのループ長およびブリッジタップ長を決定するのためのシステムおよび方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
電気通信環境においてトランシーバ間の診断および試験情報の収集および交換は、ADSL等の電気通信の展開の重要な一部である。トランシーバ接続が予想どうりに行われない場合、例えば、データレートが低い場合、多くのビットエラーがある場合等、遠隔のトランシーバから診断および試験情報を収集する必要がある。これは、例えば、トラックロール等の遠隔サイトに技術者を派遣して行われているが、これには時間と費用がかかる。
【0003】
DSL技術において、電話局と加入者宅内との間のローカル加入者ループ上での通信は、送信されるデータを多数の離散周波数搬送波上へ変調し、それらを一緒に総合し、次に加入者ループ上を送信することによって完成する。個別的には、搬送波が、限定された帯域幅の離散した重なり合わない通信サブチャンネルを形成する。集合的には、搬送波が実効的にブロードバンド通信チャンネルであるものを形成する。受信機エンドで、搬送波は復調され、データは回復される。
【0004】
DSLシステムは、例えば、ADSL、HDSL、ISDN、T1等の近接した電話線上の他のデータサービスから妨害を受ける。これらの妨害は、被害者のADSLサービスが既に始動された後に始まることがあり、そして、インターネットアクセスのためのDSLは常時接続サービスとして構想されるので、これら妨害の影響は、被害者のADSLトランシーバによって緩和されなくてはならない。
【発明の概要】
【0005】
伝送ラインの状態を識別し、測定し、特性化することは、ADSL展開の主要な要素である。トランシーバ接続が予想通りに行われない、例えば、データレートが低い、多くのビットエラーがある、データリンクが使用できない等の場合、技術者を遠隔モデムサイトへ診断試験を行うために送る必要がなく、ループ長、およびいずれかのブリッジタップの存在、位置、および長さを識別できることが重要である。
【0006】
本発明は、伝送ライン上のループ長、ブリッジタップ数、およびブリッジタップ長を、容易に利用可能なモデムデータから推定するためのシステムおよび方法を説明する。ループ長、ブリッジタップ数、およびブリッジタップ長は、伝送ラインの測定周波数領域チャンネルインパルス応答を、マルチセクションとマルチブリッジタップで構成される伝送ラインのモデルと比較することによって推定できる。次いで、ライン状態を説明する診断および試験情報は、例えば、同封して出願され、その全体を引用して本明細書中に組込む同時係属中のAttorney Docket第081513.00004号で説明されるように、診断リンクモード中の2台のトランシーバによって交換できる。
【0007】
本発明のこれらおよび他の特徴と利点は、以下の実施の形態の詳細な説明に記載され、または、それから明白である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、例示的なマルチブリッジタップのあるマルチセクションループを示し;
【図2】図2は、ダウンストリームデータに対する測定された受信残響信号と理論的モデルのグラフを示し;
【図3】図3は、アップストリームデータに対する測定された受信残響信号と理論的モデルのグラフを示し;
【図4】図4は、本発明による、例示的なループ長・ブリッジタップ長推定システムを示す機能ブロック図であり;
【図5】図5は、本発明による、ループ長・ブリッジタップ長とを決定するための例示的な一般的方法を概説するフローチャートであり;
【図6】図6は、本発明による、アップストリーム方向でのループ長・ブリッジタップ長とを推定するための例示的な方法を概説するフローチャートであり;そして、
【図7】図7は、本発明による、ダウンストリーム方向でのループ長・ブリッジタップ長とを推定するための例示的な方法を概説するフローチャートである。
【詳細な説明】
【0009】
本発明の実施の形態を、以下の図を参照して詳細に説明する。
【0010】
本発明の例示的な実施の形態を、ADSLトランシーバ環境への本発明の適用に関連して説明する。しかし、一般的には本発明のシステムおよび方法は、1個以上ブリッジタップのあるいずれかのマルチセクションループに対しても同等にうまく作用するであろうと理解されるべきである。
【0011】
例えば、ADSLモデムの初期化中に、加入者ループの周波数領域チャンネルインパルス応答は、離散周波数値のセットで測定される。測定される周波数値は、H(f)およびf=iΔfと指定され、i=0,1,...,k−1とし、ここで、ΔAfは隣接サンプル間の周波数間隔である。
【0012】
図1は、NセッションとMブリッジタップのあるループの例示的なモデルを図解する。
【0013】
図1のループに対するチャンネルインパルス応答のための周波数領域モデルは、H(x,f)と書くことができ、ここで、fは周波数であり、ベクトルxはループのNセクション長さ(d,)およびMブリッジタップの長さ(b)を含有する:
【0014】
【数1】

【0015】
マルチセクション加入者ループのセクションの数N、およびブリッジタップの数Mが既知であると仮定すると、測定されたチャンネルインパルス応答H(f)を最良に近似する最適パラメータベクトルxの推定は、モデルH(x,f)を与えて決定できる。最適パラメータベクトルセットxは、i=0,1,...,k−1とする離散周波数値f=iΔfにおいて、測定およびモデル周波数応答間の差のノルムを最小化することによって推定できる。この最小化は次の式を使用して計算できる:
【0016】
【数2】

【0017】
ループ上のブリッジタップ数を知らない場合、モデル周波数応答に多数のブリッジタップを採用することによって、最小化がゼロではない長さを持つ、正しい数のブリッジタップである解答へ収束することを想定すると、残りのブリッジタップは長さゼロを有することになる。
【0018】
周波数領域モデルH(x,f)は、負荷とソースインピーダンスの影響を含むことによる、例えば、不完全に整合した伝送ラインの影響を組込むこともできる。
【0019】
より詳細には、ループ特性化アルゴリズムは、モデル準拠の手法を用いてループの長さおよび2個までのブリッジタップの長さを推定する。チャンネル特性化アルゴリズムは、測定されたチャンネルインパルス応答を単一口径ワイヤから成り、2個までのブリッジタップを含有するループモデルのチャンネルインパルス応答と比較する。しかし、基本モデルは多重口径ワイヤおよび多重ブリッジタップを含むよう拡張できると理解されたい。ループ長およびブリッジタップ長は、理論的チャンネルインパルス応答のパラメータである。システムは、理論的モデルのパラメータを変化させ、測定されたチャンネルインパルス応答と理論的チャンネルインパルス応答との間の差を評価する。誤差関数を最小化するループ長/ブリッジタップ長は次いで、推定値として断定される。ブリッジタップ長が100フィート等の所定長より大きい場合、ブリッジタップの存在が断定される。ブリッジタップ検出のためのこの閾値は、実験において設定された。モデル化の不正確さおよび測定システムにおけるノイズのために、たいていのループに対して短い長さを持つ見せ掛けのブリッジタップが検出される可能性があることが判定された。これらの見せ掛けのブリッジタップの長さはほとんど常に100ft未満であったため、例示的な閾値が100ftに設定された。しかし、一般的に、閾値は、特定の動作環境およびモデルの複雑さに依存して改変できる。
【0020】
ダウンストリーム(DS)とアップストリーム(US)データ用のループ特性化を計算する2つの別々のアルゴリズムがある。例えば、モデム初期化中に、データ収集ソフトウエアが、K≧64であるK継続フレームを平均することにより残響信号を収集する。しかし、より多くの平均化が行われれば、それだけ測定のノイズが少なくなると理解されたい。しかし、残響信号が送信される場合の標準モデムトレーニングにおける規定のフレーム数があるため、例示的な平均数は64に設定された。この様にして取得された受信残響信号は、送信および受信モデムのフロントエンド応答を含む全体チャンネルのインパルス応答の推定である。周波数領域受信残響信号は、次の式に従い取得される:
【0021】
【数3】

【0022】
ここで、fは周波数を表すダミー変数であり、n=1,...,Nに対するrx(n)はフレーム内の時間領域受信残響信号のサンプルであり、Nは単一フレームに含まれるサンプルの数である。式(1)は、実際には周波数変数fが連続的でなくむしろ離散的であるので、表記法の僅かな誤用を含有するかもしれず、このため、チャンネルインパルス応答は、Δf=4312.5Hzの倍数である、トーンと呼ばれる離散周波数のセットで利用可能である:
【0023】
【数4】

【0024】
残響信号は、ADSLスペクトル全体の一部分上で送信される。例えば、残響信号は、ダウンストリームチャンネルにおいてf32=32Δfからf255=255Δfまでの224(G.Liteで96)トーンで利用可能であり、アップストリームチャンネルにおいてf=6Δfからf31=31Δfまでの26トーンで利用可能である。ダウンストリーム残響信号は、加入者宅内機器(CPE)で収集され、アップストリーム残響信号は、電話局(CO)で収集される。アップストリームまたはダウンストリーム残響信号に対するデータ収集プロセスに差はないとはいえ、これらの2つのデータセットの特性は全く異なる。特に、ダウンストリーム残響データは、大幅に多い情報を含んでいる。その上、ダウンストリーム方向で利用可能な周波数領域残響信号のより多くのサンプルがあり、これらのサンプルは、インパルス応答上のブリッジタップの影響が容易に検出され得る。周波数領域において広がった範囲をカバーする。しかし、アップストリームとダウンストリームのデータセット間には一つの決定的な差があり、同じ解釈アルゴリズムを両方に対して使用することを困難にする。ダウンストリームチャンネルにおいて、フロントエンドインピーダンスのループインピーダンスへの整合は、アップストリームチャンネルにおけるよりも良い傾向にある。これは、ダウンストリームチャンネルに対して簡素化チャンネルモデルを使用することを可能にする。残念ながら、アップストリームチャンネルにおけるインピーダンスの整合は、一般にダウンストリームチャンネルにおけるほど良くはなく、より複雑なチャンネルインパルス応答が使用されるべきである。
【0025】
チャンネルモデル化におけるこれらの複雑さ、および充分なデータサンプルの不足のために、基本アップストリームチャンネル特性化アルゴリズムは、推定正確度および検出され得るブリッジタップ数という点で限定される。しかし、チャンネルモデルを拡張して変化した口径のマルチセクションおよび/または3つ以上のブリッジタップを含むことによって、3つ以上のブリッジタップの存在が検出でき、ループに沿ってワイヤ口径の変化がある場合ループの個別セクションの長さに対するより正確な結果が決定できる。唯一の交換条件は、モデルパラメータの数が増大するのに従い、パラメータを推定することに必要な演算作業も同様に増大することである。
【0026】
以下は、モデルの周波数領域チャンネルインパルス応答の導出へ導く理論的詳細を説明し、ダウンストリームおよびアップストリームデータ両方に対するチャンネル特性化を詳細に説明する。ダウンストリームおよびアップストリーム解釈アルゴリズムの両方は、実際と理論的なチャンネルインパルス応答間の誤差ノルムの2乗が最小化される同じ最小二乗最小化法概念を用いるが、しかし、使用される理論的チャンネルインパルス応答が異なる。
【0027】
ダウンストリームデータに対するループ特性化のために、例示的な2ワイヤループが、その特性インピーダンスによって特性化される:
【0028】
【数5】

【0029】
そして、その伝搬定数は:
【0030】
【数6】

【0031】
ここで、ω=2πfは角周波数であり、R(抵抗)、L(インダクタンス)、G(アドミタンス)、およびC(静電容量)は、ループの周波数依存定数であり、ワイヤ口径で変化する。長さd、および長さbとbの2つのブリッジタップを持つ、完全に終端したループまたは非常に長いループに対して、ループの伝達関数H(d,b,b,f)は以下の式で与えられる:
【0032】
【数7】

【0033】
対数スケールでは:
【0034】
【数8】

【0035】
ケーブル長に対するループ損失の一次従属に注意されたい。ループの実際の伝達関数は、モデム初期化中に測定できる。次に、ループの測定された伝達関数は、式3で与えられるような2つのブリッジタップを持つ長さdのループの伝達関数と適合される。換言すれば、d、b、およびbを決定することは、以下の最小二乗誤差条件を最小化する:
【0036】
【数9】

【0037】
ここで、Rx(f)はfi=ifでサンプルされた受信残響信号であり、iおよびiは最初および最後のトーンRx(f)である。
【0038】
例示的なループに対するアルゴリズムの操作の例は、図2に図示されている。示されているのは、測定された受信残響信号Rx(f)と、データに最良に適合するモデルパラメータd、b、bを求めることによって得られた理論的モデルH(d,b,b,f)とである。具体的には、例示的な単一1300ftブリッジタップを持つ例示的な6000ftループに対して、観測された(破線)受信残響信号Rx(f)が、理論的チャンネルモデル(実線)H(d,b,b,f)に対して、周波数の関数としてプロットされる。例示的なループは、CPEに近接した26awg.1300ftブリッジタップを持つ26awg.6000ftワイヤから構成される観測データに最良に適合するモデルパラメータは、d=6000ft、b1=1300ft、およびb=0ftであることがわかった。
【0039】
式5から続き、解釈アルゴリズムを基本的に変数d、b1、およびbについて調べ、下に与えるコスト関数を最小化する変数を求める:
【0040】
【数10】

【0041】
コスト関数E(d,b1,b)はd、b1、およびbの非線形であるので、関数は、多くの極小を含んでいる。従って、ガウス−ニュートン法等の良く知られた多くの最適化アルゴリズムは、これらのアルゴリズムが多数の極小に対処できず、コスト関数の極小へ収束するので、使用されるべきでない。この例示的な実施の形態では、E(d,b,b)の全体の最小が望まれる。この理由のため、力任せの全体最小化アルゴリズムが使用され、ここで、コスト関数は、p=1,...,P、q=1,...,Q、およびr=1,...,Rにおいて、点(d,b1,b)、d=pΔD、b=qΔbおよびb=rΔbでサンプルされる。次に、サンプル値の間で最小コストを生じるパラメータ(d,b,b)が選ばれる。これは、コスト関数をP×Q×R個所で評価することを必要とする。
【0042】
ループの理論的伝達関数をH(d,b,b,f)を決定できるようにするために、数多くのワイヤの異なる口径に対する周波数依存伝搬定数γ(f)を、格納する必要がある。例示的な実施の形態では、24awg.と26awg.ワイヤが使用され、これは、NのADSLトーンに対するγ(f)の実数部と虚数部を格納するために4×N個所を必要とする。加えて、アナログフロントエンド(AFE)補正曲線が格納される必要があり、これはメモリでN個所を占有する。アルゴリズムが実装される場所によって、例えば、アルゴリズムがパーソナルコンピュータまたはワークステーションで実装される場合、ループ伝達関数も式4から直接に決定することができるか、または、(d,b1,b)に対するサンプル化手順によって必要とされるような規則的な間隔でlog[2+tanh(bγ)]項を格納することが必要としてもよい。例えば、log[2+tanh(bγ)]、i=1,2を、b=100ftからb=2000ftまで100ft間隔で予め演算し、格納することが可能である。低いプロセッサ能力を想定すると、log[2+tanh(b1γ)項は予め決定および格納でき、それは実数部だけのために約20×N個所を取る。従って、この例示的な実施の形態では、メモリ合計は、約(20+4+1+3)×N=28×Nであり、ここでは2×256個所がアルゴリズムの実行中に決定される中間変数を格納することに必要である。
【0043】
ここに示してはいないが、12個の乗算と15個の加算だけが必要であるようにコスト関数E(d,b,b,)の演算を簡素化することは可能である。これは、アルゴリズムの合計の演算複雑性が約P×Q×R×(11の乗算+15の加算)に、上記数字と比較して無視できる幾つかの追加の起動時演算を加えたものであることを意味する。
【0044】
ダウンストリーム解釈の場合と違って、アップストリーム解釈では、ラインが完全に終端されないと想定することがより的確である。特に、CPEモデムでの送信機−ライン接続でのインピーダンス不整合と、COモデムでの受信機−ライン接続でのインピーダンス不整合とが、考慮に入れるべき重要なファクターとなる。アップストリームデータに対するチャンネル特性化アルゴリズムの背後にある基本理念は、同じままであり、理論的チャンネル伝達関数を実際の測定伝達関数と適合させることを伴う一方で、理論的チャンネル伝達関数の演算は、より一層関係してくる。ダウンストリーム解釈の場合でのように、チャンネル伝達関数は、この場合も、式1で与えられたような受信残響信号のKフレームを平均することによって測定される。
【0045】
アップストリームの場合でのチャンネル伝達関数に対する理論的モデルは、2つのステップで説明できる。第1のステップは、ABCD行列の適用により、負荷(CO)での電流と電圧、I、V、という点から、ソース(CPE)での電流と電圧、I、V、に対する式を書くことから構成される:
【0046】
【数11】

【0047】
ここで、A、B、FおよびFは2×2行列であり、その要素はN要素の配列である。ここで、Aはループのi番目セクションの周波数領域応答を表す行列であり、Bはブリッジタップの応答を表す行列であり、FとFは、TX(ソース)とRX(負荷)経路用モデム回路のアナログフロントエンド(AFE)ハードウエアの周波数領域応答を表す行列である。式7からチャンネルの伝達関数を導出し、以下によって与えることができる:
【0048】
【数12】

【0049】
ここで、dはブリッジタップ前のセクションの長さであり、dはブリッジタップ後のセクションの長さである。CO解釈アルゴリズムは2セクションの、単一ブリッジタップのモデルを使用することに注意されたい。これは、伝達関数が利用可能であるトーンi=6からi=32への周波数ビン、fi=iΔfの限定された数のためである。
【0050】
上記行列の成分は、下記のとおり与えられる:
【0051】
【数13】

【0052】
行列Bの成分は:
【0053】
【数14】

【0054】
ここで、Zj-1 = tanh(bγ)/Z0であり、最終的には以下を取る:
【0055】
【数15】

【0056】
推定アルゴリズムは、測定と実際の伝達関数間の差を最小化する:
【0057】
【数16】

【0058】
アップストリームループ長およびブリッジタップ長の推定アルゴリズムの計算例を、図3に示す。ここで、測定された受信残響信号Rx(f)と、データに最良に適合するモデルパラメータd、b2を求めることによって得られる理論的モデルH(d,b,b,f)とが表示される。例示的なループは、COから5900ft離れて26awg.600ftのブリッジタップを持つ26awg.7700ftワイヤから構成されている。観測データに最良に適合するモデルパラメータは、d=7900ft、d=0ft、およびb=500ftと求められた。アルゴリズムによって求められたd1およびdパラメータは、それらの実際値とは異なるが、実際値はd1=5900ftおよびd=1800ftであり、d+dの和は実ループ長の200ft以内であることに注意されたい。この例は、ループ長がかなり正確であるとしても、ブリッジタップの位置は確実に推定することが困難であることを示している。
【0059】
理論的チャンネル伝達関数H(d1,d,b,f)をもたらす式から、理論的チャンネル応答の例示的な演算のために、24awg.と26awg.に対するZ、Z、Zおよびγが格納される必要があり、ブリッジタップを特性化するZ(b)がブリッジタップ長に依存することは明瞭である。ブリッジタップ長での例示的な分解能の100ftと例示的な最大検出可能ブリッジタップ長の2000ftを仮定すると、20の異なるZ(b)配列がある。最終的に、行列AとAのsinh(.)とcosh(.)要素が格納される。次に、ループ長での500ft分解能および最大測定可能ループ長20,000ftを仮定すると、Aの成分を格納するために80×46個所があるべきである。これらの変数を格納するための合計では、Rx(f)とH(d,d,b,f)のための格納部を含む、108×46のメモリ個所があるべきであり、別の10×46個所がアルゴリズムの実行中の中間変数を格納するために必要であり、この例示的な実施の形態のために合計約118×46のメモリ個所を与える。
【0060】
図3は、単一600ftブリッジタップを持つ例示的な7700ftループに対し、周波数の関数として理論的チャンネルモデル(実線)H(d,d,f)に対してプロットされた観測済(破線)受信残響信号Rx(f)を示す。
【0061】
検索プロセス中に、dに対するP値、bに対するQ値、およびdに対するR値が選定され、d、d、bの各組合せに対するコスト関数が決定される。このように、チャンネルインパルス応答を決定するために、4×(8×23の複素数乗算+4×26の複素数加算)がある。従って、この例示的な実施の形態では、演算コスト合計は、P×Q×R×(32×26の複素数乗算+4×26の複素数加算)である。
【0062】
図4は、ダウンストリームデータに対する、本発明の実施の形態による、例示的なループ長・ブリッジタップ長推定システムを示している。詳細には、ループ長およびブリッジタップ長推定システム100は、ツイストペア等のリンク10で接続される、ダウンストリームループ長・ブリッジタップ長決定装置200と、アップストリームループ長・ブリッジタップ長決定装置300と、電話局モデム20と、加入者宅内モデム30とを備える。ダウンストリームループ長・ブリッジタップ長決定装置200は、リンク5で接続される、コントローラ210と、I/Oインタフェース220と、記憶装置230と、残響信号決定装置240と、ループ長出力装置250と、ブリッジタップ出力装置260とを備える。アップストリームループ長・ブリッジタップ長決定装置300は、リンク5で接続される、コントローラ310と、I/Oインタフェース320と、記憶装置330と、残響信号決定装置340と、インピーダンス決定装置350と、モデム識別子装置360と、ループ長出力装置370と、ブリッジタップ出力装置380とを備える。
【0063】
図4に示される例示的な実施の形態は、ループ長・ブリッジタップ長推定システムの構成要素と連係する構成要素とを一緒に置かれて示すとはいえ、ループ長・ブリッジタップ長推定システム100の種々の構成要素は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、イントラネットおよび/またはインターネット等の分散型ネットワークの遠隔部分、または専用のループ長・ブリッジタップ長推定システム内部に配置できると理解されたい。このように、ループ長・ブリッジタップ長推定システム100の構成要素は、一つの装置に組合わせるか、または分散型ネットワークの特定ノード上に一緒に置くことができると理解されるべきである。以下の説明から理解されるように、また、演算効率の理由のため、ループ長・ブリッジタップ長推定システム100の構成要素は、システムの操作に悪影響を及ぼすことなく、汎用コンピュータ内または分散型ネットワーク内部等のいずれの場所にも編成することができる。
【0064】
更にリンク5は、有線または無線リンク、または、電子的データを接続された要素へおよびそれから供給できるいずれか他の既知の、またはその後に開発される要素であることができる。
【0065】
操作では、ダウンストリーム方向におけるループ長・ブリッジタップ長の決定のために、コントローラ210は、I/Oインタフェース220と共同して、モデム20の初期化を起動する。残響信号決定装置240は、モデム20、コントローラ210、およびI/Oインタフェース220と共同して、残響信号のK継続的フレームを平均することによって伝達関数を決定する。ループ長、第1ブリッジタップ長、および第2ブリッジタップ長が、コンピュータ、ラップトップ、端末、伝送ライン試験装置等のような入力装置(不図示)から入力されるか、または記憶装置230から検出される。
【0066】
コントローラ210は、記憶装置230と共同して、次いで、規定されたワイヤ口径に対する周波数領域伝搬関数、および周波数領域ループモデルを決定する。周波数領域における較正および補正された残響信号は、記憶装置230に格納され、基準ワイヤ口径が、入力されるか、または記憶装置230から検索される。
【0067】
コントローラ210は、記憶装置230と共同して、Rx関数における要素の数と実際と測定の伝達関数間の差とを決定する。ループ長出力装置は、I/Oインタフェースと共同して、次いで、推定されたループ長を、例えば、コンピュータ、ラップトップ、端末、伝送ライン試験装置等へ出力する。加えて、ブリッジタップ出力装置は、推定されたブリッジタップ長を、例えば、コンピュータ、ラップトップ、端末、伝送ライン試験装置等へ出力する。
【0068】
計算では、アップストリーム方向におけるループ長およびブリッジタップ長の決定のために、コントローラ310は、I/Oインタフェース320と共同して、モデム30の初期化を起動する。残響信号決定装置340は、モデム30、コントローラ310、およびI/Oインタフェース320と共同して、残響信号のK継続フレームを平均することによって伝達関数を決定する。
【0069】
次に、コントローラ310は、記憶装置230と共同して、規定されたワイヤ口径に対する周波数領域伝搬関数を決定し、ここで、規定されたワイヤ口径が、入力されるか、または記憶装置330から検出される。
【0070】
コントローラ310は、記憶装置330およびインピーダンス決定装置350と共同して、規定されたワイヤ口径の周波数領域インピーダンスを決定する。次いで、コントローラ310は、記憶装置330およびインピーダンス決定装置350と共同して、CPEモデムの送信インピーダンスとCOモデムの受信インピーダンスとを決定する。
【0071】
コントローラ310は、記憶装置330と共同して、ループのi番目セクションの周波数領域応答を表す行列と、ブリッジタップの応答を表す行列と、ソース(TX)と負荷(RX)経路のためのAFE回路を表すFs行列を決定し、それらを記憶装置330へ格納し、そして、伝達関数Hを推定する。周波数領域における較正および補正された残響信号、およびワイヤの基準口径が、入力されるか、または記憶装置330から検索される。
【0072】
モデム識別子決定装置360は、次いで、アップストリーム残響信号を収集するCOモデムの識別子と、アップストリーム残響信号を送信するCPEモデムの識別子とを決定する。Rx関数における要素の数を知ることで、コントローラ310は、実際と測定の伝達関数間の差を最小化し、ループ長出力装置370およびブリッジタップ出力装置380と共同して、推測されたループ長と推測されたブリッジタップ長をそれぞれ出力する。
【0073】
図5は、ループ長およびブリッジタップ長を決定する例示的な方法を示している。詳細には、制御はステップS100で開始し、ステップS110へと続く。ステップS110において、チャンネルインパルス応答は、測定された残響信号に基づき推定される。次に、ステップS120において、ループモデルの理論的チャンネルインパルス応答が、ループ長およびブリッジタップ長を使用して決定される。次いで、ステップS130において、モデルのループ長およびブリッジタップ長が変化される。制御は、次に、S140へと続く。
【0074】
ステップS140において、測定されたチャンネルインパルス応答と理論的チャンネルインパルスとの間の差が監視される。次に、ステップS150において、ループ長およびブリッジタップ長の推定値が、測定されたチャンネルインパルス応答と理論的チャンネルインパルス応答との間の誤差関数を最小化するループ長およびブリッジタップ長に基づいて断定される。制御は、次いで、ここで制御シーケンスが終了するステップS160へと続く。
【0075】
図6は、ダウンストリームデータに対して、ループ長およびブリッジタップ長を決定する例示的な方法を示す。詳細には、制御はステップS200で開始し、ステップS210へと続く。ステップS210において、モデムは初期化される。次に、ステップS220において、伝達関数が、残響信号のK継続フレームを平均することによって決定される。次いで、ステップS230において、ループ長が入力される。制御は、次いで、ステップS240へと続く。
【0076】
ステップS240において、第1のブリッジタップ長が入力される。次に、ステップS250において、第2のブリッジタップ長が入力される。次に、ステップS260において、周波数領域伝搬関数が、規定されたワイヤ口径に対して決定される。制御は、次いで、ステップS270へと続く。
【0077】
ステップS270において、周波数領域ループモデルが決定される。次に、ステップS280において、周波数領域における較正および補正された残響信号が入力される。次いで、ステップS290において、基準ワイヤ口径が入力される。制御は、次いで、ステップS300へと続く。
【0078】
ステップS300において、Rx関数における要素数が入力される。次に、ステップS310において、実際と測定の伝達関数間の差が決定される。次いで、ステップS320において、推定されたループ長が決定される。制御は、次いで、ステップS330へと続く。
【0079】
ステップS330において、推定されたブリッジタップ長が決定される。制御は、次いで、制御シーケンスが終了するステップS340へと続く。
【0080】
図7は、アップストリームデータに対して、ループ長およびブリッジタップ長とを決定する例示的な方法を示している。詳細には、制御はステップS500で開始し、ステップS510へと続く。ステップS510において、モデムが初期化される。次に、S520において、伝達関数が、残響信号のK継続フレームを平均することによって決定される。次いで、ステップS530において、使用されるワイヤ口径に対する周波数領域伝搬関数が決定される。制御は、次いで、ステップS540へと続く。
【0081】
ステップS540において、ワイヤ口径の周波数領域インピーダンスが決定される。次に、ステップS550において、CPEモデムの送信インピーダンスが決定される。次いで、ステップS560において、COモデムの受信インピーダンスが決定される。制御は、次いで、ステップS570へと続く。
【0082】
ステップS570において、ループのi番目セクションの周波数領域応答を表す行列が決定される。次に、ステップS580において、ブリッジタップの応答を表す行列が決定される。次いで、ステップS590において、ソース(TX)と負荷(RX)経路のためのAFE回路を表すFs行列が決定される。制御は、次いで、ステップS600へと続く。
【0083】
ステップS600において、伝達関数Hが推定される。次に、ステップS610において、周波数領域における較正および補正された残響信号が入力される。次いで、ステップS620において、ワイヤの基準口径が入力される。制御は、次いで、ステップS630へと続く。
【0084】
ステップS630において、アップストリーム残響信号を収集するCOモデムの識別子が入力される。次に、ステップS640において、アップストリーム残響を送信するCPEモデムの識別子が入力される。次いで、ステップS650において、Rx関数における要素の数が入力される。制御は、次いで、ステップS660へと続く。
【0085】
ステップS660において、実際と測定の伝達関数間の差が最小化される。次に、ステップS670において、推測されたループ長が決定される。次いで、ステップS680において、推測されたブリッジタップ長が決定される。制御は、次いで、制御シーケンスが終了するステップS690へと続く。
【0086】
図4に示すように、ループ長・ブリッジタップ長推定システムは、単一プログラム汎用コンピュータ、または別個プログラム汎用コンピュータ上に実装できる。しかし、ループ長・ブリッジタップ長推定システムは、特別目的コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路素子、ASICまたは他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、独立素子回路等の配線電子回路またはロジック回路、PLD、PLA、FPGA、PAL等のプログラム可能ロジックデバイス、モデム等にも実装できる。一般的に、図5〜図7に示すフローチャートを順に実装可能な有限状態機械を実装可能ないずれの装置も、本発明によるループ長・ブリッジタップ長推定システムを実装することに使用できる。
【0087】
更に、開示された方法は、種々のコンピュータまたはワークステーションハードウエアプラットフォーム上で使用できる高移植性ソースコードを提供するオブジェクトまたはオブジェクト指向ソフトウエア開発環境を用いるソフトウエアにおいて容易に実装されるであろう。代替として、開示されたループ長・ブリッジタップ長推定システムは、標準のロジック回路またはVLSI設計を使用するハードウエア内で部分的または全面的に実装されてもよい。本発明に従うシステムの実装に、ソフトウエアまたはハードウェアが使用されるのかは、利用されるシステム、特定の機能、および特定のソフトウエアまたはハードウエアのシステム、またはマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータシステムの速度および/または効率要件に依存する。しかし、本明細書中に示すループ長・ブリッジタップ長推定のシステムおよび方法は、本明細書中で提供された機能説明およびコンピュータ技術の一般的基本知識から、当該技術に精通する者によって、いずれか既知またはその後に開発されるシステムまたは構造、装置および/またはソフトウエアを使用して、ハードウエアおよび/またはソフトウエア内で容易に実装できる。
【0088】
更に、開示された方法は、プログラムされた汎用コンピュータ、特別目的コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実行されるソフトウエアとして容易に実装されるであろう。これらの場合において、本発明の方法およびシステムは、Java(商標)またはCGIスクリプト等のパーソナルコンピュータ上に組込まれるプログラムとして、サーバーまたはグラフィックワークステーション上に常駐するリソースとして、専用のループ長・ブリッジタップ長推定システム、モデム、専用のループ長および/またはブリッジタップ長推定システム等に組込まれるルーチンとして実装できる。ループ長・ブリッジタップ長推定システムは、専用のループ長・ブリッジタップ長推定システムまたはモデムのハードウエアおよびソフトウエアシステム等の、ソフトウエアおよび/またはハードウエアシステム中へシステムおよび方法を物理的に組込むことによっても実装できる。
【0089】
従って、本発明に従い、ループ長・ブリッジタップ長推定用のシステムおよび方法が提供されたことは明らかである。本発明をその多くの実施の形態に関連させて説明してきたが、多くの代替案、修正、および変更は、当該技術に精通する者にとって明白であるか、または明白であろうことは明らかである。従って、本発明の精神と適用範囲内である全てのそのような代替案、修正、相当物、および変更を包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ長およびブリッジタップ長推定システムであって、以下を備えたもの:
伝送ラインに対するチャンネルインパルス応答を決定するチャンネルインパルス応答装置と;
理論的チャンネルインパルス応答を決定するモデル化装置と;
前記チャンネルインパルス応答と前記理論的チャンネルインパルス応答との比較に基づきループ長および少なくともひとつのブリッジタップ長を決定するループ長およびブリッジタップ決定装置。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、
前記比較は、エラー最小化関数に基づく。
【請求項3】
請求項2のシステムであって、
前記エラー最小化関数は、最小二乗最小化である。
【請求項4】
請求項1のシステムであって、
更に、CPEモデムの送信インピーダンスおよびCOモデムの受信インピーダンスの少なくとも一つを決定するインピーダンス決定装置を備える。
【請求項5】
請求項1のシステムであって、
更に、CPEモデムの識別子およびCOモデムの識別子の少なくとも一つを決定するモデム識別子決定装置を備える。
【請求項6】
請求項1のシステムであって、
前記理論的チャンネルインパルス応答は、負荷およびソースインピーダンスを表す変数を含む。
【請求項7】
請求項1のシステムであって、
前記チャンネルインパルス応答は、測定された残響信号に基づき推定される。
【請求項8】
請求項1のシステムであって、
前記伝送ラインは、少なくとも一つのワイヤ口径および少なくともひとつのブリッジタップを備える。
【請求項9】
請求項1のシステムであって、
前記伝送ラインは、多数搬送波変調通信のために使用される。
【請求項10】
伝送ラインに対するループ長および少なくともひとつのブリッジタップを決定するための方法であって、以下を含む:
チャンネルインパルス応答を推定するステップと;
理論的チャンネルインパルス応答を決定するステップと;
前記理論的チャンネルインパルス応答と前記推定チャンネルインパルス応答との間の差を監視するステップと;
エラー最小化関数に基づき前記ループ長および少なくともひとつのブリッジタップを決定するステップ。
【請求項11】
請求項10の方法であって、
更に、残響信号に基づき前記伝送ラインの伝達関数を決定するステップを含む。
【請求項12】
請求項11の方法であって、
前記伝達関数は、前記残響信号の所定数の継続フレームを平均することに基づき決定される。
【請求項13】
請求項10の方法であって、
更に、少なくとも一つのワイヤ口径に対して周波数領域伝搬関数を決定するステップを含む。
【請求項14】
請求項10の方法であって、
更に、周波数領域における少なくとも一つの較正および補正された残響信号を決定するステップを含む。
【請求項15】
請求項10の方法であって、
更に、少なくとも一つのワイヤ口径の周波数領域インピーダンスを決定するステップを含む。
【請求項16】
請求項10の方法であって、
更に、CPEモデムの送信インピーダンスを決定するステップを含む。
【請求項17】
請求項10の方法であって、
更に、COモデムの受信インピーダンスを決定するステップを含む。
【請求項18】
請求項10の方法であって、
更に、前記伝送ラインの所定部分に対する周波数領域応答を表す行列を決定するステップを含む。
【請求項19】
請求項10の方法であって、
更に、前記少なくともひとつのブリッジタップの応答を表す行列を決定するステップを含む。
【請求項20】
請求項10の方法であって、
更に、ソースおよび負荷経路のためのアナログフロントエンド回路を表す行列を決定するステップを含む。
【請求項21】
請求項10の方法であって、
更に、COモデムおよびCPEモデムの少なくとも一つの識別子を決定するステップを含む。
【請求項22】
請求項10の方法であって、
更に、前記伝送ラインの推定ループ長を出力するステップを含む。
【請求項23】
請求項10の方法であって、
更に、前記伝送ラインに対する推定ブリッジタップ長を出力するステップを含む。
【請求項24】
伝送ラインに対するループ長および少なくともひとつのブリッジタップを決定する情報を備える情報記録媒体であって、以下を備える:
チャンネルインパルス応答を推定する情報と;
理論的チャンネルインパルス応答を決定する情報と;
前記理論的チャンネルインパルス応答と前記推定チャンネルインパルス応答との間の差を監視する情報と;
エラー最小化関数に基づき前記ループ長および少なくともひとつのブリッジタップを決定する情報。
【請求項25】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、残響信号に基づき前記伝送ラインの伝達関数を決定する情報を含む。
【請求項26】
請求項25の情報記憶媒体であって、
前記伝達関数は、前記残響信号の所定数の継続フレームを平均することに基づき決定される。
【請求項27】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、少なくとも一つのワイヤ口径に対して周波数領域伝搬関数を決定する情報を含む。
【請求項28】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、周波数領域における少なくとも一つの較正および補正された残響信号を決定する情報を含む。
【請求項29】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、少なくとも一つのワイヤ口径の周波数領域インピーダンスを決定する情報を含む。
【請求項30】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、CPEモデムの送信インピーダンスを決定する情報を含む。
【請求項31】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、COモデムの受信インピーダンスを決定する情報を含む。
【請求項32】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、前記伝送ラインの所定部分に対する周波数領域応答を表す行列を決定する情報を含む。
【請求項33】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、前記少なくとも一個のブリッジタップの応答を表す行列を決定する情報を含む。
【請求項34】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、ソースおよび負荷経路のためのアナログフロントエンド回路を表す行列を決定する情報を含む。
【請求項35】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、COモデムおよびCPEモデムの少なくとも一つの識別子を決定する情報を含む。
【請求項36】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、前記伝送ラインの推定ループ長を出力する情報を含む。
【請求項37】
請求項24の情報記憶媒体であって、
更に、前記伝送ラインに対する推定ブリッジタップ長を出力する情報を含む。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−148120(P2010−148120A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204(P2010−204)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【分割の表示】特願2008−191009(P2008−191009)の分割
【原出願日】平成13年1月8日(2001.1.8)
【出願人】(500167917)アウェア, インコーポレイテッド (39)
【Fターム(参考)】