伸縮継手およびその製造方法
【課題】溶接による継目がなくなり、材質的に均一となって製品の品質が向上すると共に、製作時間が短縮化でき量産が可能な伸縮継手およびその製造方法を提供する。
【解決手段】上下端に開口部2,2を設けた短筒体である。円周方向の外方に断面U宇状の1山ベローズ3を突出する伸縮継手1である。該伸縮継手1は溶接をすることなく、冷間成形により一体成形されている。
【解決手段】上下端に開口部2,2を設けた短筒体である。円周方向の外方に断面U宇状の1山ベローズ3を突出する伸縮継手1である。該伸縮継手1は溶接をすることなく、冷間成形により一体成形されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器、ジャケット付き容器などに使用し、温度変化などによって生じる軸方向の伸縮を吸収するために設ける伸縮継手およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多管式熱交換器は、一般的に円筒形の胴体内に多数の伝熱管を配列し、その伝熱管の内側と外側に温度の異なる流体を流すことで熱交換が行われるため、胴体側と伝熱管の軸方向に温度差が生じ、これによって熱膨張差が発生するために、応力緩和のための伸縮継手が設けられている。この伸縮継手は、円周方向の外方に突出する断面U字状のベローズで熱交換器胴体の軸方向の収縮を吸収するようになっている。
【0003】
このベローズ伸縮継手は、従来から溶接で一体結合したものが種々提案されている。例えば、図11に示すように、上部半割れ体31の下端を円弧面32とし、下部半割れ体33の上端を円弧面34として別々に製作し、下端周縁31aと上端周縁33aを突き合わせ、その突き合わせ部を溶接部35とすることにより、円弧面32と34が一体接合されて外方に突出する断面U字状のベローズ36が形成されて出来上がっている上下溶接方式が知られている。
【0004】
または、図12に示すように、円筒状に丸め両側端部を合わし溶接部41としてパイプ体42を形成し、そのパイプ体42の一端部42aを曲げ機(図示せず)によって凹凸加工を施した後、他端部42bも同様に曲げ機によって凹凸加工を施して外方に突出する断面U字状のベローズ43が形成されて出来上がっている溶接パイプ方式が知られている。
【0005】
さらには、図13に示すように、円弧状に切断した複数個の切断片51……51を突き合わせ溶接部52として1つの接合円形板53を形成した後、ベンディング機(図示せず)で円錐形状54に成形し、プレス(図示せず)に設置するため別個の固定板55を製品の内側縁に固定する設置を行った後、所要の形状及び寸法に合う上下金型56、57で凹凸成形した後、上部半割れ体58の下端縁58aと下部半割れ体59の上端縁59aとを互いに突き合わせて溶接部60とすることにより、外方に突出する断面U字状のベローズ61が形成されて出来上がっている分割溶接方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−105097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図11の上下溶接方式は、上部半割れ体31と下部半割れ体33をそれぞれ別々に製作し、下端周縁31aと上端周縁33aにて接合し溶接するため、円周方向の溶接作業性が悪く、溶接欠陥が生じやすい問題点がある。
【0008】
また、図12の溶接パイプ方式は、予め溶接したパイプ体で形成されることから、溶接部の凹凸加工がし難いという問題点がある。さらに、図13の分割溶接方式は、切断工程、溶接工程、ベンディング工程、組立工程、成形工程、溶接工程を経て製作されることから、工程数が多くなるという問題点がある。
【0009】
上記3方式のいずれの場合においても、溶接が必須の要件になっている。溶接で形成された伸縮継手は、材質の変化、残留応力、溶接欠陥などが生じやすいばかりでなく、溶接コストおよび非破壊検査コストが発生してコスト高になると共に、製作に時間がかかりすぎ大量生産に適していないといった問題点がある。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決することを課題として研究開発されたもので、従来の伸縮継手で必須であった溶接をなくして、冷間成形による一体成形で完成させたもので、溶接をなくすることで材質的に均一となり、製品の品質が向上すると共に、製作時間が短縮化でき量産が可能で安価になる伸縮継手およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明は上下端に開口部を設けた短筒体で、円周方向の外方に断面U字状の1山ベローズを設けた伸縮継手であって、該伸縮継手は溶接をすることなく、冷間成形により一体成形されていることを特徴とする伸縮継手を開発し、採用した。
【0012】
また、本発明は、板材を打ち抜いた所定寸法の円板を鏡板に加工する工程と、鏡板の底部分を切断除去する工程と、鏡板を曲げ機に仮固着し回転させ、一端側を内ロールと外ロールで凹凸にする工程と、一端側加工後、仮固着を外して反転させ曲げ機に仮固着し、他端側を内ロールと外ロールで曲げ加工する工程により円周方向の外方に断面U字状の1山ベローズを設けた伸縮継手の製造方法を開発し、採用した。
【発明の効果】
【0013】
本発明の伸縮継手によれば、二つの部材を溶接により接合して得られる従来の伸縮継手と異なり、溶接をしないので溶接欠陥などによる溶接後の強度性や漏れに対する憂いがなくなり、伸縮継手の品質が向上して強度性および漏れに対する信頼性を得ることができる。また、溶接コストや非破壊検査コストがいらなくなり安価に提供できる。
【0014】
また、本発明の伸縮継手の製造方法によれば、溶接でない冷間成形による一体成形であるから、材質的に均一となり伸縮継手の品質が向上し、溶接の場合に問題となる残留応力や溶接欠陥などの欠点がなくなる。そして、冷間成形による連続一体成形であるから、見栄えがよくなり製作工期の短縮を図ることができて大量生産にも適する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の伸縮継手の断面図である。
【図2】縦型熱交換器に使用した状態の正面図である。
【図3】横型熱交換器に伸縮継手を2個使用した状態の正面図である。
【図4】本発明の製造工程順を示し円形板の斜視図である。
【図5】円形板を加工して鏡板になった断面図である。
【図6】鏡板の底部を切除した断面図である。
【図7】鏡板を特殊曲げ機に固定した状態の断面図である。
【図8】内ロールと外ロールで一端部を凹凸加工している状態の断面図である。
【図9】一端部を加工後反転して他端部を特殊曲げ機に固定した状態の断面図である。
【図10】内ロールと外ロールで他端部を折り曲げ1山ベローズが形成される状態の断面図である。
【図11】従来の伸縮継手の製造方法を示す斜視図である。
【図12】別な従来の伸縮継手の製造方法を示す斜視図である。
【図13】さらに別な従来の伸縮継手の製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明すれば、1は熱交換器やジャケット付き容器などの胴部に取り付ける短筒状の伸縮継手であり、温度変化などによって生じる軸方向の伸縮を吸収するためのものである。この伸縮継手1は、ステンレス鋼や炭素鋼などからなり、図1に示すように、短筒状の上下端に開口部2,2を設けると共に、短筒状の高さ方向の中間部に、円周方向の外方に突出する断面U字状の1山ベローズ3が冷間成形により一体成形されている。
【0017】
このように構成した伸縮継手1は、例えば、図2に示す縦型熱交換器4の胴体5に取り付けたり、あるいは図3に示す横型熱交換器6の胴体7に2個取り付けることにより、胴体5,7の内部に配列した多数の伝熱管(図示せず)の内側と外側に温度の異なる流体を流すことで熱交換が行われ、胴体側と伝熱管の軸方向に温度差が生じ、これによって熱膨張差が発生するが、伸縮継手1により吸収するものである。
【0018】
つぎに、本発明の伸縮継手の製造方法を工程順に説明すると、図4に示すように、伸縮継手の形状、寸法および鏡板の寸法設定を考慮して基材から円板11を打ち抜きする第1工程、打ち抜かれた円板11をスピニングマシン(図示せず)により鏡板12に加工する第2工程、図6に示すように、鏡板12の底部中央部13を切断除去して開口部14とする第3工程、図7に示すように、開口部14を下にして特殊曲げ機15の上に載せ、開口部14の周縁複数箇所を仮溶接16で固定し、特殊曲げ機15を回転させると共に、一端側12aの外周面に外ロール17を、内面側に内ロール18を配置し、図8に示すように、内ロール18を固定もしくは若干右方向に移動させると共に、外ロール17は上方向もしくは左方向に移動させて谷部19と山部20を形成する第4工程、一端側12aの折り曲げ加工終了後、鏡板12を特殊曲げ機15から取り外し、鏡板12を反転させて他端側12bを前記と同様に特殊曲げ機15に仮溶接して内ロール18と外ロール17とで谷部19を形成する第5工程、加工終了後応力除去のために適切な熱処理をする第6工程を経て伸縮継手が製造されるものである。
【0019】
このように構成した本発明の伸縮継手の製造方法によれば、従来の伸縮継手のような溶接工程を経ることなく、加工は全て冷間加工による一体成形であるから、加工スピードが早くなり、寸法精度が正確であって表面仕上げに優れており、連続生産が可能であるため大量生産に適し、大幅なコストダウンが可能になる。
【0020】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、熱交換器やジャケット付き容器の胴体部に使用される伸縮継手に限らず、その他の加熱器や反応器、蒸発器などの圧力容器の胴体部に用いる伸縮継手としても利用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 伸縮継手
2 開口部
3 1山ベローズ
11 円板
12 鏡板
12a 一端側
12b 他端側
15 曲げ機
16 固着
17 外ロール
18 内ロール
20 1山ベローズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器、ジャケット付き容器などに使用し、温度変化などによって生じる軸方向の伸縮を吸収するために設ける伸縮継手およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多管式熱交換器は、一般的に円筒形の胴体内に多数の伝熱管を配列し、その伝熱管の内側と外側に温度の異なる流体を流すことで熱交換が行われるため、胴体側と伝熱管の軸方向に温度差が生じ、これによって熱膨張差が発生するために、応力緩和のための伸縮継手が設けられている。この伸縮継手は、円周方向の外方に突出する断面U字状のベローズで熱交換器胴体の軸方向の収縮を吸収するようになっている。
【0003】
このベローズ伸縮継手は、従来から溶接で一体結合したものが種々提案されている。例えば、図11に示すように、上部半割れ体31の下端を円弧面32とし、下部半割れ体33の上端を円弧面34として別々に製作し、下端周縁31aと上端周縁33aを突き合わせ、その突き合わせ部を溶接部35とすることにより、円弧面32と34が一体接合されて外方に突出する断面U字状のベローズ36が形成されて出来上がっている上下溶接方式が知られている。
【0004】
または、図12に示すように、円筒状に丸め両側端部を合わし溶接部41としてパイプ体42を形成し、そのパイプ体42の一端部42aを曲げ機(図示せず)によって凹凸加工を施した後、他端部42bも同様に曲げ機によって凹凸加工を施して外方に突出する断面U字状のベローズ43が形成されて出来上がっている溶接パイプ方式が知られている。
【0005】
さらには、図13に示すように、円弧状に切断した複数個の切断片51……51を突き合わせ溶接部52として1つの接合円形板53を形成した後、ベンディング機(図示せず)で円錐形状54に成形し、プレス(図示せず)に設置するため別個の固定板55を製品の内側縁に固定する設置を行った後、所要の形状及び寸法に合う上下金型56、57で凹凸成形した後、上部半割れ体58の下端縁58aと下部半割れ体59の上端縁59aとを互いに突き合わせて溶接部60とすることにより、外方に突出する断面U字状のベローズ61が形成されて出来上がっている分割溶接方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−105097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図11の上下溶接方式は、上部半割れ体31と下部半割れ体33をそれぞれ別々に製作し、下端周縁31aと上端周縁33aにて接合し溶接するため、円周方向の溶接作業性が悪く、溶接欠陥が生じやすい問題点がある。
【0008】
また、図12の溶接パイプ方式は、予め溶接したパイプ体で形成されることから、溶接部の凹凸加工がし難いという問題点がある。さらに、図13の分割溶接方式は、切断工程、溶接工程、ベンディング工程、組立工程、成形工程、溶接工程を経て製作されることから、工程数が多くなるという問題点がある。
【0009】
上記3方式のいずれの場合においても、溶接が必須の要件になっている。溶接で形成された伸縮継手は、材質の変化、残留応力、溶接欠陥などが生じやすいばかりでなく、溶接コストおよび非破壊検査コストが発生してコスト高になると共に、製作に時間がかかりすぎ大量生産に適していないといった問題点がある。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決することを課題として研究開発されたもので、従来の伸縮継手で必須であった溶接をなくして、冷間成形による一体成形で完成させたもので、溶接をなくすることで材質的に均一となり、製品の品質が向上すると共に、製作時間が短縮化でき量産が可能で安価になる伸縮継手およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明は上下端に開口部を設けた短筒体で、円周方向の外方に断面U字状の1山ベローズを設けた伸縮継手であって、該伸縮継手は溶接をすることなく、冷間成形により一体成形されていることを特徴とする伸縮継手を開発し、採用した。
【0012】
また、本発明は、板材を打ち抜いた所定寸法の円板を鏡板に加工する工程と、鏡板の底部分を切断除去する工程と、鏡板を曲げ機に仮固着し回転させ、一端側を内ロールと外ロールで凹凸にする工程と、一端側加工後、仮固着を外して反転させ曲げ機に仮固着し、他端側を内ロールと外ロールで曲げ加工する工程により円周方向の外方に断面U字状の1山ベローズを設けた伸縮継手の製造方法を開発し、採用した。
【発明の効果】
【0013】
本発明の伸縮継手によれば、二つの部材を溶接により接合して得られる従来の伸縮継手と異なり、溶接をしないので溶接欠陥などによる溶接後の強度性や漏れに対する憂いがなくなり、伸縮継手の品質が向上して強度性および漏れに対する信頼性を得ることができる。また、溶接コストや非破壊検査コストがいらなくなり安価に提供できる。
【0014】
また、本発明の伸縮継手の製造方法によれば、溶接でない冷間成形による一体成形であるから、材質的に均一となり伸縮継手の品質が向上し、溶接の場合に問題となる残留応力や溶接欠陥などの欠点がなくなる。そして、冷間成形による連続一体成形であるから、見栄えがよくなり製作工期の短縮を図ることができて大量生産にも適する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の伸縮継手の断面図である。
【図2】縦型熱交換器に使用した状態の正面図である。
【図3】横型熱交換器に伸縮継手を2個使用した状態の正面図である。
【図4】本発明の製造工程順を示し円形板の斜視図である。
【図5】円形板を加工して鏡板になった断面図である。
【図6】鏡板の底部を切除した断面図である。
【図7】鏡板を特殊曲げ機に固定した状態の断面図である。
【図8】内ロールと外ロールで一端部を凹凸加工している状態の断面図である。
【図9】一端部を加工後反転して他端部を特殊曲げ機に固定した状態の断面図である。
【図10】内ロールと外ロールで他端部を折り曲げ1山ベローズが形成される状態の断面図である。
【図11】従来の伸縮継手の製造方法を示す斜視図である。
【図12】別な従来の伸縮継手の製造方法を示す斜視図である。
【図13】さらに別な従来の伸縮継手の製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明すれば、1は熱交換器やジャケット付き容器などの胴部に取り付ける短筒状の伸縮継手であり、温度変化などによって生じる軸方向の伸縮を吸収するためのものである。この伸縮継手1は、ステンレス鋼や炭素鋼などからなり、図1に示すように、短筒状の上下端に開口部2,2を設けると共に、短筒状の高さ方向の中間部に、円周方向の外方に突出する断面U字状の1山ベローズ3が冷間成形により一体成形されている。
【0017】
このように構成した伸縮継手1は、例えば、図2に示す縦型熱交換器4の胴体5に取り付けたり、あるいは図3に示す横型熱交換器6の胴体7に2個取り付けることにより、胴体5,7の内部に配列した多数の伝熱管(図示せず)の内側と外側に温度の異なる流体を流すことで熱交換が行われ、胴体側と伝熱管の軸方向に温度差が生じ、これによって熱膨張差が発生するが、伸縮継手1により吸収するものである。
【0018】
つぎに、本発明の伸縮継手の製造方法を工程順に説明すると、図4に示すように、伸縮継手の形状、寸法および鏡板の寸法設定を考慮して基材から円板11を打ち抜きする第1工程、打ち抜かれた円板11をスピニングマシン(図示せず)により鏡板12に加工する第2工程、図6に示すように、鏡板12の底部中央部13を切断除去して開口部14とする第3工程、図7に示すように、開口部14を下にして特殊曲げ機15の上に載せ、開口部14の周縁複数箇所を仮溶接16で固定し、特殊曲げ機15を回転させると共に、一端側12aの外周面に外ロール17を、内面側に内ロール18を配置し、図8に示すように、内ロール18を固定もしくは若干右方向に移動させると共に、外ロール17は上方向もしくは左方向に移動させて谷部19と山部20を形成する第4工程、一端側12aの折り曲げ加工終了後、鏡板12を特殊曲げ機15から取り外し、鏡板12を反転させて他端側12bを前記と同様に特殊曲げ機15に仮溶接して内ロール18と外ロール17とで谷部19を形成する第5工程、加工終了後応力除去のために適切な熱処理をする第6工程を経て伸縮継手が製造されるものである。
【0019】
このように構成した本発明の伸縮継手の製造方法によれば、従来の伸縮継手のような溶接工程を経ることなく、加工は全て冷間加工による一体成形であるから、加工スピードが早くなり、寸法精度が正確であって表面仕上げに優れており、連続生産が可能であるため大量生産に適し、大幅なコストダウンが可能になる。
【0020】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、熱交換器やジャケット付き容器の胴体部に使用される伸縮継手に限らず、その他の加熱器や反応器、蒸発器などの圧力容器の胴体部に用いる伸縮継手としても利用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 伸縮継手
2 開口部
3 1山ベローズ
11 円板
12 鏡板
12a 一端側
12b 他端側
15 曲げ機
16 固着
17 外ロール
18 内ロール
20 1山ベローズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下端に開口部を設けた短筒体で、円周方向の外方に断面U宇状の1山ベローズを設けた伸縮継手であって、該伸縮継手は溶接をすることなく、冷間成形により一体成形されていることを特徴とする伸縮継手。
【請求項2】
板材を打ち抜いた所定寸法の円板を鏡板に加工する工程と、鏡板の底部分を切断除去する工程と、鏡板を曲げ機に仮固着して回転させ、一端側を内ロールと外ロールで凹凸にする工程と、一端側加工後、仮固着を外して反転させ曲げ機に仮固着し、他端側を内ロールと外ロールで曲げ加工する工程により円周方向の外方に断面U字状の1山ベローズを設けた伸縮継手の製造方法。
【請求項1】
上下端に開口部を設けた短筒体で、円周方向の外方に断面U宇状の1山ベローズを設けた伸縮継手であって、該伸縮継手は溶接をすることなく、冷間成形により一体成形されていることを特徴とする伸縮継手。
【請求項2】
板材を打ち抜いた所定寸法の円板を鏡板に加工する工程と、鏡板の底部分を切断除去する工程と、鏡板を曲げ機に仮固着して回転させ、一端側を内ロールと外ロールで凹凸にする工程と、一端側加工後、仮固着を外して反転させ曲げ機に仮固着し、他端側を内ロールと外ロールで曲げ加工する工程により円周方向の外方に断面U字状の1山ベローズを設けた伸縮継手の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−255649(P2010−255649A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102932(P2009−102932)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(598038108)日本鏡板工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(598038108)日本鏡板工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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