説明

位相反転エマルジョンプロセスへの油成分の組込み

【課題】トナー粒子のラテックスコア中に組み込まれる油成分が含まれるトナー粒子の形成に使用するのに適する樹脂エマルジョンを作成するための方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種のポリエステル樹脂を、樹脂混合物を形成するために、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、少なくとも1種の油成分を樹脂混合物に添加すること、樹脂混合物を、約25℃から約120℃までの温度に加熱すること、樹脂混合物を中和剤で中和すること、および脱イオン水を、樹脂エマルジョンを形成するために、樹脂混合物に導入することを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非常に多くのプロセスが、トナーの調製について、この技術における熟練した者の範囲内にある。エマルジョン凝集(EA)はそのような方法の1種である。エマルジョン凝集トナーを、印刷および/またはゼログラフィー(電子写真)イメージを形成する際に用いることができる。エマルジョン凝集技術は、バッチまたは半連続的なエマルジョン重合を用いて樹脂を加熱することによって、樹脂粒子のエマルジョンラテックスの形成に関係することができる。
【0002】
ポリエステルEAの超低溶融(ULM)トナーは、例えば、米国特許出願公開第2008/0153027号明細書において例示されるように、アモルファスおよび結晶性のポリエステル樹脂を利用して調製された。これらのポリエステル類のトナー中への組込みは一般に、それらが、溶媒を含むバッチプロセス、例えば、溶媒フラッシュ乳化および/または溶媒系(溶媒に基づく)位相反転(phase inversion)乳化(PIE))によって調製されるラテックスエマルジョン中に最初に調剤されることを必要とする。
【0003】
本開示のプロセスには、以下の、少なくとも1種のポリエステル樹脂を、樹脂混合物を形成するために、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、少なくとも1種の油成分を樹脂混合物に添加すること、樹脂混合物を、約25℃から約120℃までの温度に加熱すること、樹脂混合物を中和剤で中和すること、および脱イオン水を、樹脂エマルジョン(乳剤)を形成するために、樹脂混合物に導入することのステップ(工程)が含まれる。
【0004】
別の局面で、次のことを含む方法を提供し、酸基を有する少なくとも1種のポリエステル樹脂を、混合物を形成するために、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、ホホバ油を混合物に添加すること、混合物を約25℃から約120℃までの温度に加熱すること、中和剤を含む水溶液を混合物に添加すること、脱イオン水を、位相反転された混合物を形成するために、位相反転が起こるまで混合物に導入すること、位相反転された混合物から溶媒を除去すること、および樹脂粒子を回収し、油成分は樹脂粒子の疎水性コア中に組み込まれることである。
【0005】
本開示のトナーには、樹脂粒子を含む少なくとも1種のポリエステル樹脂、少なくとも1種の油成分、および随意のトナー添加剤を有する随意の着色剤が含まれ、少なくとも1種の油成分は樹脂粒子の疎水性コアを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本開示に従う略図のプロセスである。
【図2】本開示の例2に従うMultisizer(マルチサイザー)Coultter(クールター)カウンターにおいて採用され、実行された粒径(粒度)測定を描くグラフである。
【図3】慣習的なコントロールトナーと比較した本開示のトナーについて得られる光沢度を描くグラフである。
【図4】慣習的なコントロールトナーと比較した本開示のトナーについて得られる折り曲げ性の値を描くグラフである。
【0007】
前掲の以前の開示には、PIEを有するポリエステル分散を作成するためのプロセスを説明する。しかし、PIEによるこれらの分散の生産は、ポリエステル中に取り込まれる油成分および溶媒混合物と共に、探求されなかった。本開示によれば、ワックス乳化のための高圧および熱均質化の使用を伴わずに、プロセスは、界面活性剤および溶媒の減少した量しか必要とせずに提供され、それは融合の間、フューザーロールからのトナーの放出に役立ち、そして文書オフセットを防ぐ。
【0008】
上で述べたように、本開示は、ポリエステルのより一層効果的な溶媒に基づく位相反転乳化のために、油成分で、時々また、ここでは、炭化水素成分と称するものを含む、位相反転エマルジョンを調製するための方法を明らかにする。具体化において、本開示は、トナー組成物を明らかにし、そこではトナーは、超低溶融ポリエステルEAトナーのために油成分を含む。
【0009】
本開示は、より一層少ないステップ、および溶媒および界面活性剤の減少した量を有するポリエステル分散を形成するためのプロセスを提供し、それによって、より一層短い蒸留時間が許容され、そしてより一層低い光沢値を有するトナーがもたらされる。具体化において、本開示のトナーは、有機溶媒において、少なくとも1種のポリエステル樹脂、少なくとも1種の位相反転剤、少なくとも1種の油成分、中和剤、脱イオン水、およびトナー組成物の1種またはそれよりも多くの追加の原材料を含むことができる。
【0010】
具体化において、本開示のプロセスには、酸基を有する少なくとも1種のポリエステル樹脂を、樹脂混合物を形成するために、有機溶媒と接触させること、位相反転剤を樹脂混合物に添加すること、油成分を樹脂混合物に添加すること、樹脂混合物を所望の温度に加熱すること、樹脂混合物を中和剤で中和すること、および脱イオン水を、樹脂エマルジョンを形成するために、樹脂混合物に導入することを含むことができる。
【0011】
本開示はまた、トナーを作成する際に用いるためのポリエステル分散を生産するためのプロセスを提供する。具体化において、本開示のプロセスには、少なくとも1種のポリエステル樹脂を、混合物を形成するために、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、油成分を混合物に添加すること、樹脂混合物を、所望の温度に加熱すること、中和剤の水溶液を混合物と混合すること、脱イオン水を、油成分が、位相反転された混合物において形成されるラテックス粒子の疎水性コアにおいて組み込まれるように、位相反転された混合物を形成するように位相反転が起こるまで、混合物に脱イオン水を添加すること、および溶媒を、位相反転された混合物から除去することが含まれる。
【0012】
具体化において、本開示はまたコア-シェルトナー組成物を明らかにし、そこでは、トナーのコア(芯)は、油成分をもつ高分子量のアモルファス樹脂、随意に低分子量のアモルファス樹脂および結晶性のポリエステル樹脂を含み、およびシェルは、高分子量のアモルファス樹脂で、随意に油成分をもつものを、および随意により一層低い分子量のアモルファス樹脂を含む。
【0013】
任意の樹脂は本開示のラテックスエマルジョンを形成する際に利用することができる。具体化において、樹脂はアモルファス樹脂、結晶性樹脂、および/またはそれらの組合せであることができる。更なる具体化において、樹脂は、ポリエステル樹脂であることができ、米国特許第6,593,049号および第6,756,176号明細書で記載される樹脂が含まれる。適切な樹脂にはまた、米国特許第6,830,860号明細書で定めるようなアモルファスポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂の混合物が含まれうる。
【0014】
具体化において、樹脂は随意の触媒の存在下にジオールを二塩基酸と反応させることによって形成されるポリエステル樹脂であることができる。
【0015】
結晶性樹脂は、たとえば、トナー成分の、およそ1から、およそ50重量パーセントまで、具体化においては、トナー成分の、およそ5から、およそ35重量パーセントまでの量で存在することができる。
【0016】
有機二塩基酸またはジエステルは、たとえば、樹脂の、およそ40から、およそ60モルパーセントまで、具体化において、樹脂の、およそ42から、およそ52モルパーセントまで、具体化において、樹脂の、およそ45から、およそ50モルパーセントまでの量で存在することができる。
【0017】
選ばれる有機ジオールの量は異なることができ、たとえば、樹脂の、およそ40から、およそ60モルパーセントまで、具体化において、樹脂の、およそ42から、およそ55モルパーセントまで、具体化において、樹脂の、およそ45から、およそ53モルパーセントまでの量で存在することができる。
【0018】
そのような触媒は、たとえば、ポリエステル樹脂を生成するのに用いられる出発二塩基酸またはジエステルに基づき、およそ0.01モルパーセントから、およそ5モルパーセントまでの量で、利用することができる。
【0019】
具体化において、上で述べたように、不飽和アモルファスポリエステル樹脂を、ラテックス樹脂として利用することができる。
【0020】
具体化において、適切なポリエステル樹脂は、次の式(I)をもつポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコ-フマラート)樹脂のようなアモルファスポリエステルであることができる。
【化1】


(I)
式中、mはおよそ5から、およそ1000までであることができる。
【0021】
具体化において、適切なポリエステル樹脂は、高分子量アモルファス樹脂および/または低分子量アモルファス樹脂であることができる。高分子量アモルファス樹脂は、およそ20,000から、およそ120,000までの、具体化において、およそ50,000から、およそ100,000までの重量平均分子量(Mw)をもつことができる。低分子量アモルファス樹脂は、およそ2,000から、およそ40,000まで、具体化において、およそ8,000から、およそ30,000までの重量平均分子量をもつことができる。利用することができる適切な結晶性樹脂は、随意に上に認められるようにアモルファス樹脂との組合せにおいて、米国特許出願公開第2006/0222991号明細書に明らかにされるものを含む。
【0022】
アモルファス樹脂は、たとえば、トナー成分の、およそ30から、およそ90重量パーセントまで、具体化において、トナー成分の、およそ40から、およそ80重量パーセントまでの量で存在することができる。具体化において、ラテックスにおいて利用されるアモルファス樹脂またはアモルファス樹脂の組合せは、およそ30℃から、およそ80℃まで、具体化において、およそ35℃から、およそ70℃までのガラス転移温度をもつことができる。さらなる具体化において、ラテックスにおいて利用される組合せ(複合)樹脂は、およそ130℃で、およそ10から、およそ1,000,000までのPa*S、具体化において、およそ50から、およそ100,000までのPa*Sの溶融粘度をもつことができる。
【0023】
1、2、またはそれよりも多くの樹脂を用いることができる。具体化において、2またはそれよりも多くの樹脂を用いる場合、樹脂は、例として、およそ1%(第1の樹脂)/99%(第2の樹脂)から、およそ99%(第1の樹脂)/1%(第2の樹脂)まで、具体化において、およそ10%(第1の樹脂)/90%(第2の樹脂)から、およそ90%(第1の樹脂)/10%(第2の樹脂)までのような任意の適切な比率(例は、重量比)であることができる。
【0024】
具体化において、本開示の適切なトナーは、2つのアモルファスポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含みうる。3つの樹脂の重量比は、およそ29%の第1のアモルファス樹脂/69%の第2のアモルファス樹脂/2%の結晶性樹脂から、およそ60%の第1のアモルファス樹脂/20%の第2のアモルファス樹脂/20%の結晶性樹脂までであることができる。
【0025】
具体化において、樹脂は酸基を有することができ、それは具体化において、樹脂の終端に存在することができる。存在することがある酸基には、カルボン酸基、および同様のたのものが含まれる。カルボン酸基の数は、利用される材料を樹脂および反応条件を形成するために調節することによって制御することができる。
【0026】
具体化において、樹脂は、樹脂のおよそ2mgのKOH/gから、樹脂のおよそ200mgのKOH/gまで、具体化では、樹脂のおよそ5mgのKOH/gから樹脂のおよそ50mgのKOH/gまでの酸価をもつポリエステル樹脂であることができる。酸含有樹脂は、テトラヒドロフラン溶液において溶解することができる。酸価は、指標としてフェノールフタレインを含むKOH/メタノール溶液で、滴定によって検出することができる。酸価は次いで、滴定の終点として識別される樹脂上のすべての酸基を中和するために必要とされるKOH/メタノールの等量に基づいて算出することができる。
【0027】
任意の適切な有機溶媒を、樹脂を溶かすのに用いることができ、たとえば、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アミン類、その他、そしてそれらの組合せを、たとえば、樹脂の、およそ1重量パーセントから、およそ100重量パーセントまで、具体化において、およそ10%から、およそ90%まで、具体化において、およそ25%から、およそ85%までの量の樹脂である。
【0028】
具体化において、有機溶剤は、水において混ざらなくてよく、そしておよそ30℃から、およそ120℃までの沸点をもつことができる。
【0029】
上記に述べた適切な有機溶媒は、相または溶媒反転剤としても用いることができ、そして樹脂の、およそ1重量パーセントから、およそ25重量パーセントまで、具体化において、およそ5重量パーセントから、およそ20重量パーセントまでの量で利用することができる。
【0030】
具体化において、油成分は樹脂および溶媒混合物に添加することができる。具体化において、位相反転プロセスを、油滴をラテックス樹脂のコア中に組み込むために利用することができる。任意の適切な油または炭化水素成分でも、本開示に従って用いることができる。
【0031】
具体化において、天然系の、環境に優しいホホバ油〔Simmondsia chinensis(シモンドシア・チネンシス)か得られる、Sigma Aldrich(シグマ・アルドリッチ社)から商業上入手可能である〕を油成分として利用することができる。ホホバ油は、部分的に、または完全に水素化され(ろう様固体を形成するために)および/または異性化されてよく、そして主にカルボキシ-エステル基が高い親油性鎖内に含まれる40-42個の炭素原子をもつ長鎖エステル類を含むことができる。ホホバ油の一般的な構造は、以下の通りである。
【化2】

【0032】
具体化において、合成によって作成されたホホバ油を利用することができ、そして16-26個の炭素原子をもつ長鎖モノ不飽和酸およびアルコールのエステル類、例は、オレイン酸およびエルカ酸とオレイン酸アルコールまたはエルシルアルコールのエステル類の混合物を含むことができる。ホホバ油はその化学構造のために、酸素および高温に関して安定であり、通例のオレフィンと比較して相対的にあまり反応性でない。その上、アリル基位置での酸化は非常に遅いか、または現存しないので、それはトナー調剤物における放出助剤(release aid)としての良好な候補である。
【0033】
具体化において、油成分は、合計トナー組成のおよそ0.1重量%から、およそ25重量%まで、具体化において、およそ1重量%から、およそ15重量%まで、他の具体化において、およそ2重量%から、およそ14重量%までの量で存在する。
【0034】
具体化において、油成分には、直径でおよそ0.5nmから、およそ500nmまで、具体化において、直径でおよそ10nmから、およそ250nmまで、他の具体化において、直径でおよそ20nmから、およそ60nmまでの大きさをもつ油小滴が含まれる。
【0035】
具体化において、樹脂は、油中水エマルジョン(W/O)からの水中油(O/W)エマルジョンへの位相反転を容易にするために、弱塩基または中和剤を混合することができる。具体化において、中和剤は、樹脂において酸性基を中和させるのに用いることができ、それで中和剤はそこでまた、「塩基性中和剤」とも称されうる。任意の適切な塩基性中和剤を、本開示に従って用いることができる。
【0036】
具体化において、ラテックスエマルジョンを、本開示に従って形成することができ、それはまた水を含むことができ、具体化においては、脱イオン水(DIW)であり、樹脂重量のおよそ1%から、およそ100%まで、具体例において、およそ5%から、およそ95%までの量で、樹脂を溶融または柔らかくする温度にて、およそ0.5%から、およそ5%まで、具体例において、およそ0.7%から、およそ3%までを含むことができる。
【0037】
塩基性薬剤を、樹脂のおよそ0.001重量%から、50重量%まで、具体化において、樹脂のおよそ0.01重量%から、およそ25重量%まで、具体化において、樹脂のおよそ0.1重量%から、5重量%までの量で利用することができる。具体化において、中和剤は、水溶液の形態で加えることができる。
【0038】
上記の塩基性中和剤を、酸基所有樹脂と併用することにより、およそ50%から、およそ300%まで、具体化において、およそ70%から、およそ200%までの中和比を達成することができる。具体化において、中和比は、以下の方程式を用いて計算することができる。
10%のNH3/樹脂(g)/樹脂酸性度指数/0.303*100の等量における中和比率。
【0039】
上で述べたように、塩基性中和剤は酸基所有樹脂に加えることができる。塩基性中和剤の添加は、このように、およそ5から、およそ12まで、具体化において、およそ6から、およそ11まで、酸基所有樹脂を含むエマルジョンのpHを上げることができる。酸基の中和は、具体化において、エマルジョンの形成を高めることができる。
【0040】
上で述べたように、本プロセスは、有機溶媒の存在下に、高められた温度で少なくとも1種の樹脂を混合することを含む。1よりも多くの樹脂を利用することができる。樹脂は、アモルファス樹脂、結晶性樹脂、またはそれらの組合せであることができる。具体化において、樹脂はアモルファス樹脂であることができ、そして高められた温度は樹脂のガラス転移温度よりも高い温度であることができる。他の具体化において、樹脂は結晶性樹脂であることができ、そして高められた温度は樹脂の融点よりも高い温度であることができる。さらなる具体化において、樹脂はアモルファスおよび結晶性の樹脂の混合物であることができ、そしてその温度は混合物のガラス転移温度よりも高いことができる。
【0041】
このように、具体化において、エマルジョンを作成するプロセスは、少なくとも1種の樹脂を、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、樹脂混合物を高められた温度にまで加熱すること、混合物を撹拌すること、そして温度を高められた温度で維持しながら、油成分を樹脂混合物に添加すること、中和剤を、樹脂の酸基を中和するために添加すること、位相反転したラテックスエマルジョンを形成するために、位相反転が起こるまで、水を混合物に添加することを含むことができる。
【0042】
位相反転プロセスにおいて、アモルファスおよび/または結晶性のポリエステル樹脂を、低沸点有機溶媒において溶解することができ、その溶媒は、水中で混ざらずに、酢酸エチル、メチルエチルケトン、またはここで上に述べた他の任意の適切な溶媒のようなものであり、樹脂のおよそ1重量パーセントから、およそ75重量パーセントまで、具体化において、およそ5重量%から、およそ60重量%までの濃度である。次いで、樹脂混合物は、およそ25℃から、およそ90℃まで、具体化において、およそ30℃から、およそ85℃までの温度に加熱される。加熱は一定温度で保持する必要はないが、変動させることができる。たとえば、加熱は、望ましい温度が達成されるまで、加熱の間、緩徐に、または段々に増やすことができる。
【0043】
温度を、前述の範囲において維持する一方、位相反転剤を混合物に添加することができる。位相反転剤で、イソプロパノールのようなアルコール、またはここで上に述べた他の任意の位相反転剤のようなものは、樹脂のおよそ1重量パーセントから、およそ25重量パーセントまで、具体化において、およそ5重量%から、およそ20重量%までの濃度において、加熱された樹脂混合物に添加することができ、次いで油成分の添加が続く。油とともに溶かされた樹脂混合物は、ここで上に記載した中和剤により、例えば、アンモニア溶液のようなものにより中和される。次いで、位相反転が起こる(水中油エマルジョンが形成される)まで、水をそのシステム中にポンプで送ることができる。
【0044】
少なくとも位相反転が達成されるまで、水性アルカリ組成物および/または水を、加熱された混合物中にメーターで測ることができる。他の具体化において、水性アルカリ組成物は、加熱された混合物中にメーターで測ることができ、次いで位相反転が達成されるまで、水溶液、具体化において、脱イオン水の添加が続く。
【0045】
具体化において、連続的な位相反転されたエマルジョンを形成することができる。位相反転は、樹脂組成物の溶融原材料を有する小滴を含む分散相、および水組成物を含む連続相が含まれる位相反転エマルジョンを作り出すために、アルカリ水溶液または塩基性薬剤、および/または水組成物を加え続けることによって成し遂げることができる。
【0046】
重合体の鎖末端は水/油界面に簡単に再配向させることができ、このようにして、コア中に捕捉された油成分を有するラテックス粒子の形成を推進し、安定化させる。ラテックス凝集体の疎水性のコアにおける油成分の組込みは、EAトナー中への著しく簡単な処理を可能にする。図1は、本開示に従って油成分をラテックス樹脂に組み込むことの概要のプロセスを例示する。
【0047】
混合は、溶融混合を含み、ほぼ同質の混合物を作り出すために、押出機、すなわち、2軸押し出し機、Haake(ハーケ)ミキサーのようなニーダー、バッチ(回分)反応機、または粘性物質を密に混ぜることができる任意の他の装置において行うことができる。
【0048】
上で述べたように、本開示に従って、中和剤を樹脂に、それが溶融混合された後に添加することができる。中和剤の添加は具体化において、有用な場合があり、そこでは利用される樹脂は酸基を有する。中和剤は樹脂の酸性基を中和することができ、それによって、位相反転させたエマルジョンの形成、およびトナー組成物を形成することでの使用に適する粒子の形成を高める。
【0049】
添加に先立ち、中和剤は任意の適切な温度であってよく、およそ20℃から、およそ25℃までの室温、または高められた温度、たとえば、上述の高められた温度を含む。
【0050】
具体化において、中和剤は、およそ0.01%重量パーセントから、およそ10重量パーセントまで、10分おきに、具体化において、およそ0.5重量パーセントから、およそ5重量パーセントまで、10分おきに、他の具体化において、およそ1重量パーセントから、およそ4重量パーセントまで、10分おきの速度で添加することができる。中和剤の添加の率は、一定である必要はないが、変動することができる。
【0051】
具体化において、プロセスがさらに水の添加を、塩基性中和剤の添加後に含む場合、水を混合物中に、およそ0.01重量パーセントから、およそ10重量パーセントまで、10分おきに、具体化において、およそ0.5重量パーセントから、およそ5重量パーセントまで、10分おきに、他の具体化において、およそ1重量パーセントから、およそ4重量パーセントまで、10分おきの速度で、メーターで測ることができる。水添加の率は、一定である必要はないが、変動させることができる。
【0052】
より一層高い水温が分解プロセスを速める一方、ラテックスは室温ほど低い温度で形成することができる。他の具体化において、水温はおよそ40℃から、およそ110℃まで、具体化において、およそ50℃から、およそ100℃までであることができる。
【0053】
水と樹脂混合物との間の接触は、任意の適切な様式においてでも、例えば、容器または連続的コンデット(導管)のようなもの、例えば、パックドベッド(充填床)のようなもので達成することができる。具体化において、押出機またはバッチプロセスを利用することができる。具体化において、樹脂混合物が押出機を下るので、水は注入ポートに添加することができる。具体化において、ポートは予熱された脱イオン水を押出機に、およそ1.0ml/分から、およそ1000ml/分まで、具体化において、およそ5ml/分から、およそ500ml/分までの速度で注入されうる。
【0054】
撹拌は、必ずというわけではないが、ラテックスの形成を高めるために利用することができる。任意の適切な撹拌装置を利用することができる。具体化において、およそ10の毎分回転数(rpm)から、およそ5,000rpmまで、具体化において、およそ20rpmから、およそ2,000rpmまで、他の具体化において、およそ50rpmから、およそ1,000rpmまでであることができる。撹拌は、一定の速度である必要はないが、変動させることができる。たとえば、混合物の加熱がより一層均一になるにつれて、撹拌速度を増加させてよい。具体化において、ホモジナイザー(つまり、高剪断装置)は、位相反転されたエマルジョンを形成するために利用することができ、しかし、他の具体化において、本開示のプロセスはホモジナイザーを使わずに起こすことができる。利用される場合、ホモジナイザーはおよそ3,000のrpmから、およそ10,000rpmまでの率で動作することができる。
【0055】
位相反転の点がエマルジョンの成分、加熱の温度、撹拌速度、および同様の他のものに応じて変動することがあるが、塩基性中和剤および水が添加されたときに、位相反転は起こることができ、その結果、得られる樹脂が、エマルジョンの重さによって、およそ5重量パーセントから、およそ70重量パーセントまで、具体化において、エマルジョンの重さによって、およそ20重量パーセントから、およそ65重量パーセントまで、他の具体化において、エマルジョンの重さによって、およそ30重量パーセントから、およそ60重量パーセントまでの量で存在する。
【0056】
具体化において、有機溶媒の撹拌を伴う蒸留は、平均直径サイズ、具体化において、たとえば、およそ50nmから、およそ250nmまで、他の具体化において、およそ120から、およそ180ナノメートルまでを有する樹脂エマルジョン粒子を提供するために、実行される。
【0057】
位相反転では、樹脂粒子は、水性相内で乳化され、そして分散される。つまり、水性相において樹脂粒子の水中油エマルジョンが形成される。たとえば、位相反転は、この技術における熟練した者(当業者)の範囲内の任意の技術を介した測定によって確かめることができる。
【0058】
位相反転は、エマルジョンの樹脂の早過ぎる架橋を避ける温度で、エマルジョンの形成を許すことができる。
【0059】
具体化において、本開示のポリエステルエマルジョンの調製が、少なくとも1種の有機溶媒において少なくとも1種の樹脂の溶解、高められた温度への混合物の加熱、中和剤を用いる中和、溶媒反転剤および水との混合を通したその反転、樹脂混合物における油成分の導入、およびエマルジョンからの溶媒の最終的な蒸留を含むことができる。このプロセスは、研究所および産業規模の双方でのエマルジョンの形成のための、目下の溶媒に基づくプロセスにわたる種々の利点を提供する。
【0060】
位相反転に次いで、追加の水および/またはアルカリ水溶液を、位相反転されたエマルジョンを希釈するために随意に添加することができるが、しかし、これは必要ではない。位相反転に次いで、位相反転されたエマルジョンは、室温にまで、たとえば、およそ20℃から、およそ25℃までに冷やされうる。
【0061】
本開示のプロセスは、ポリエステルラテックスエマルジョンの生産のためにPIEを用いて、高生産性の実験的なスクリーニング、高生産性の生産率を許容し、廃棄物を排除、または最小にし、ラテックス生産のための市場までの時間を大いに減少させ、減少した文書オフセット損傷およびより一層低い光沢を有するラテックスを生産する。その上、そのようなラテックスをもつ本開示に従って生産されるトナーは、慣習的なトナーと比較してフューザーロールからのより一層良好な放出をする。
【0062】
本開示に従って、ここでプロセスが、出発樹脂の同じ分子量特性を、等価な荷電および融合性能を含め、保持する乳化された樹脂粒子を生産することができる。
【0063】
用いる溶媒および界面活性剤の量を減らすことは、高い製品収量をもつポリエステルエマルジョンを生産することができる。したがって、より一層少ない残留溶媒しか伴わない清浄なポリエステル分散が生産される。
【0064】
水性媒体における乳化された樹脂粒子は、サブミクロンのサイズ、たとえば、およそ1μmまたはそれよりも小さい、具体化において、およそ10nmから、およそ500nmまでのような、500nmまたはそれよりも小さい、具体化において、およそ50nmから、およそ400nmまで、他の具体化において、およそ100nmから、およそ300nmまで、若干の具体化ではおよそ200nmをもつことができる。粒径における調整は、水対樹脂の流量、中和比率、溶媒濃度、および溶媒組成の比率を修飾することによって行うことができる。
【0065】
ラテックスの固体濃度は、樹脂混合物対水の比によって制御されうる。
【0066】
本開示のラテックス粒子の粒径分布は、およそ30nmから、およそ400nmまで、具体化において、およそ125nmから、およそ300nmまでであることができる。
【0067】
本開示のラテックスエマルジョンは、結晶性のポリエステル樹脂およびアモルファスのものの組合せを用い、エマルジョン凝集プロセスにとって適した粒径を生産するために利用することができる。
【0068】
このようにして、上記したように形成されるエマルジョンは、当業者の範囲内の任意の方法によってトナー組成物を形成するために利用することができる。ラテックスエマルジョンは、着色剤と、随意に分散において、および適切なプロセス、具体化において、エマルジョン凝集および一体化プロセスによって、トナーを形成するために、他の添加剤と接触させることができる。
【0069】
具体化において、ラテックスを形成するために樹脂を溶融混合する前、その間またはその後に、着色剤および他の添加剤を含むトナー組成物の随意の追加の原材料を添加することができる。ラテックスエマルジョンの形成の前、その間またはその後に、追加の原材料を添加することができ、そこでは、中和された樹脂が水と接触される。さらなる具体化において、着色剤を、油成分の添加前に加えることができる。
【0070】
加えられる着色剤として、種々の既知の適切な着色剤、たとえば、染料、顔料、染料の混合物、顔料の混合物、染料および顔料の混合物、および同様の他のものが、トナーに含まれうる。具体化において、たとえば、着色剤を、トナーにおいて、たとえば、トナーのおよそ0.1から、およそ35重量%まで、またはトナーのおよそ1から、およそ15重量%まで、またはトナーのおよそ3から、およそ10重量%までの量で含まれうる。
【0071】
具体化において、顔料または着色剤を、固体の基礎上でのトナー粒子のおよそ1重量%から、およそ35重量%までの、他の具体化において、およそ5重量%から、およそ25重量%までの量において採用することができる。
【0072】
トナー粒子は、当業者の範囲内の任意の方法によって調製することができる。トナー粒子生産に関する具体化を、エマルジョン凝集プロセスに関して以下に説明するが、トナー粒子を調製する任意の適切な方法でも、米国特許第5,290,654号および第5,302,486号明細書で明らかにされる懸濁およびカプセル化(封入)プロセスのような化学プロセスを含め、用いることができる。具体化において、トナー組成物およびトナー粒子は、小さいサイズの樹脂粒子が適切なトナー粒子サイズに凝集し、そして次いで最終的なトナー粒子の形状および形態学を達成するために一体化する、凝集および一体化のプロセスによって調製されうる。
【0073】
具体化において、トナー組成物は、随意の着色剤、および任意の他の望ましいか、または必要な添加剤、および上記の樹脂を含むエマルジョンの混合物を凝集すること、そして次いで凝集した混合物を一体化することを含むプロセスのような、エマルジョン凝集プロセスによって調製することができる。混合物は着色剤または他の材料で、それは随意に界面活性剤をエマルジョンに対して含む分散であってよく、それは樹脂を含む2またはそれよりも多くのエマルジョンの混合物であることができるものの添加によって調製することができる。結果として生じる混合物のpHは、酸で、たとえば、酢酸、硝酸または同種の他のもののようなものによって調節することができる。具体化において、混合物のpHは、およそ2から、およそ5まで調整することができる。その上、具体化において、混合物は均質化することができる。混合物が均質化されるならば、均質化はおよそ600から、およそ6,000までの毎分回転数にて混合することによって成し遂げることができる。均質化はたとえば、IKA ULTRA TURRAX(イカ・ウルトラ・タレックス)T50のプローブホモジナイザーを含む、任意の適切な手段によっても成し遂げうる。
【0074】
上記混合物の調製に次いで、凝集剤を混合物に添加することができる。任意の適切な凝集剤でも、トナーを形成するために利用されうる。適切な凝集剤には、たとえば、二価陽イオンまたは多価陽イオンの物質の水溶液が含まれる。具体化において、凝集剤は、樹脂のガラス転移温度(Tg)より下の温度で混合物に加えられうる。
【0075】
凝集剤は、トナーを形成するために、利用される混合物に、たとえば、混合物における樹脂の、およそ0%から、およそ10重量%まで、具体化において、およそ0.2%から、およそ8重量%まで、他の具体化において、およそ0.5%から、およそ5重量%までの量で添加することができる。これは、凝集のための薬剤の十分な量を提供するべきである。
【0076】
予め定められた望ましい粒径が得られるまで、粒子は凝集することが許されうる。予め定められた望ましいサイズは、形成に先立って定められるように、得られるべき望ましい粒径に、そしてそのような粒径が達せられるまで、成長プロセスの間に監視される粒径に言及される。平均粒径のために、試料を成長プロセスの間に採取し、そしてたとえば、クールター・カウンターを用いて分析されうる。このようにして、凝集は、高められた温度を維持すること、または緩徐に温度を上げ、たとえば、およそ40℃から、およそ100℃までにすること、そして、混合物をこの温度で、およそ0.5の時間から、およそ6時間まで、具体化において、1時間から、およそ5時間までの時間の間保持することにより処理され、撹拌を維持しながら、凝集粒子を提供する。一旦予め定められた望ましい粒径に達したなら、その後成長プロセスが停止される。
【0077】
粒子の成長および成形に次いで凝集剤の添加は、任意の適切な条件下に成し遂げることができる。たとえば、成長および成形は、凝集が一体化とは別に起こる状況の下で行うことができる。別々の凝集および一体化の段階のために、凝集プロセスが、高められた温度での剪断条件下で、およそ40℃から、およそ90℃まで、具体化において、およそ45℃からおよそ80℃までで行うことができ、それは上で議論したように樹脂のガラス転移温度より下でありうる。
【0078】
一旦トナー粒子の望ましい最終的なサイズが達成されたなら、混合物のpHを、およそ3から、およそ10まで、そして具体化において、およそ5から、およそ9までの値に、塩基を用いて調節することができる。pHの調整は凍結させるために、つまり、トナー成長を停止させるために利用されうる。トナー成長を停止させるために利用される塩基には、任意の適切な塩基、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、それらの組合せ、などのような、アルカリ金属水酸化物が含まれる。具体化において、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、pHを上で述べた望ましい値に調整するのに役立つよう添加することができる。
【0079】
具体化において、凝集後であるが、一体化に先立って、樹脂コーティング(被膜)を、凝集された粒子に、その上にシェルが形成されるように適用することができる。具体化において、このように、コアは高分子量および/または低分子量のアモルファス樹脂および油成分、そして随意に結晶性の樹脂を含むことができる。上述のように任意の樹脂は、シェルとして利用することができる。具体化において、ポリエステルアモルファス樹脂ラテックスは、上記のように、シェルにおいて含まれうる。具体化において、上記のようにポリエステルアモルファス樹脂ラテックスは、異なる樹脂および/または油成分と組合せることができ、そして次いで、シェルを形成するように樹脂コーティングとして粒子に添加されうる。
【0080】
具体化において、シェルを形成するために利用することができる樹脂には、制限されないが、上記したアモルファス樹脂が含まれる。具体化において、本開示に従ってシェルを形成するために利用することができるアモルファス樹脂には、高分子量アモルファスポリエステル、随意に上記した低分子量のアモルファスポリエステルとの組合せを含む。マルチプル(複数)樹脂は、任意の適切な量ででも利用することができる。具体化において、第1のアモルファスポリエステル樹脂、たとえば、上記の式Iのアモルファス樹脂は、合計シェル樹脂の、およそ20重量パーセントから、およそ100重量パーセントまで、具体化において、合計シェル樹脂の、およそ30重量パーセントから、およそ90重量パーセントまでの量で存在することができる。このように、具体化において、第2の樹脂は、合計シェル樹脂の、およそ0重量パーセントから、およそ80重量パーセントまで、具体化において、シェル樹脂の、およそ10重量パーセントから、およそ70重量パーセントまでの量で存在することができる。
【0081】
シェル樹脂は、当業者の範囲内の任意の方法によっても凝集した粒子に適用することができる。具体化において、シェルを形成するために利用される樹脂は、上記したエマルジョン中にあることができる。樹脂を、随意に上記した油成分を伴って所有するエマルジョンは、上記した凝集された粒子と組み合わせることができ、その結果、シェルが凝集された粒子上に形成される。
【0082】
凝集した粒子上でのシェルの形成は、30℃から、およそ80℃まで、具体化において、およそ35℃から、およそ70℃までの温度に加熱する間に起こりうる。シェルの形成は、およそ5分から、およそ10時間まで、具体化において、およそ10分から、およそ5時間までの時間の間に起こりうる。
【0083】
シェルは、トナー粒子の、およそ10重量パーセントから、およそ50重量パーセントまで、具体化において、トナー粒子の、およそ15重量パーセントから、およそ35重量パーセントまでの量で存在することができる。
【0084】
望ましい粒径への凝集および任意の随意のシェルの適用に次いで、粒子は次に、望ましい最終的な形状にまで一体化することができ、一体化は、たとえば、混合物を、およそ45℃から、およそ100℃まで、具体化において、およそ55℃から、およそ99℃までの温度に加熱することによって達成され、それは、トナー粒子を形成するために利用される樹脂のガラス転移温度にて、またはそれよりも高いことができ、および/または撹拌が、たとえば、およそ100rpmから、およそ1,000rpmまで、具体化において、およそ200rpmから、およそ800rpmまでに減らされうる。一体化は、およそ0.01から、およそ9時間まで、具体化において、およそ0.1から、およそ4時間までの期間にわたって達成されうる。
【0085】
凝集および/または一体化の後、混合物は、およそ20℃から、およそ25℃までのような室温に冷やされうる。要望どおりに、冷却は迅速または緩徐であることができる。適切な冷却法には、反応器のまわりのジャケットに冷水を導入することが含まれる。冷却後、トナー粒子は随意に、水で洗浄され、そして次いで乾燥されうる。乾燥は、たとえば、凍結乾燥を含む、乾燥のための任意の適切な方法によっても成し遂げることができる。
【0086】
具体化において、トナー粒子はまた、望まれるか、または必要とされる他の随意の添加剤も含むことができる。たとえば、トナーには、正または負電荷制御因子を、たとえば、トナーの、およそ0.1から、およそ10重量%まで、具体化において、トナーの、およそ1から、およそ3重量%までの量において含むことができる。
【0087】
また、形成後のトナー粒子の外部添加剤粒子で、流れ補助添加剤を含むものを配合することができ、その添加剤は、トナー粒子の表面上で存在することができる。
【0088】
概して、シリカ(二酸化ケイ素)は、トナー流、摩擦(tribo)増強、混ぜ物制御、改善された現像および転写安定性、およびより一層高いトナーブロッキング温度のためにトナーの表面に適用することができる。TiO2は改善された相対湿度(RH)安定性、摩擦制御および改善された現像および転写安定性のために適用することができる。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよび/またはステアリン酸マグネシウムはまた、随意に、潤滑性、現像剤伝導性、摩擦増強を提供し、トナーおよびキャリヤー粒子の間の接点の数を増加させることによってより一層高いトナー電荷および電荷安定性を可能にするために、外部の添加剤として用いることができる。
【0089】
これらの外部の添加剤の各々は、トナーの、およそ0.1重量%から、およそ5重量%まで、具体化において、トナーの、およそ0.25重量%から、およそ3重量%までの量で存在することができる。具体化において、トナーには、たとえば、チタニアの、およそ0.1重量%から、およそ5重量%、シリカの、およそ0.1重量%から、およそ8重量%までの、およびステアリン酸亜鉛の、およそ0.1重量%から、およそ4重量%までを含むことができる。
【0090】
本開示のプロセスは、過剰な界面活性剤および溶媒の使用を除き、それによってコストを下げ、ワックスエマルジョン工程を除くことによって、より一層少ない時間しかかけないでよく、そして光沢値を低下させることができ、そして一貫したトナー生産物をもたらすことができる。
【0091】
油成分を用いるトナー調剤物の最適化は、遭遇する融合性の問題の若干を改善するのを助けることができ、つまり、光沢および文書オフセット損傷を低下させる。油成分の追加は、試料が一緒に固着するのを防ぐのに役立てることができ、そして融合した後にトナー性能を改善するのを助けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリエステル樹脂を、樹脂混合物を形成するために、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、
少なくとも1種の油成分を樹脂混合物に添加すること、
樹脂混合物を、約25℃から約120℃までの温度に加熱すること、
樹脂混合物を中和剤で中和すること、および
脱イオン水を、樹脂エマルジョンを形成するために、樹脂混合物に導入すること
を含む、方法。
【請求項2】
ポリエステル樹脂は、アモルファス樹脂、結晶性樹脂、およびそれらの組合せからなる群より選ばれ、中和剤は、水溶液の形態において添加され、そして樹脂混合物のpHを約5から約12にまで上昇させ、および油成分は約0.1重量%から約25重量%までの量で存在する、請求項1に従う方法。
【請求項3】
酸基を有する少なくとも1種のポリエステル樹脂を、混合物を形成するために、有機溶媒および位相反転剤と接触させること、
ホホバ油を混合物に添加すること、
混合物を、約25℃から約120℃までの温度に加熱すること、
中和剤を含む水溶液を混合物に添加すること、
脱イオン水を、位相反転された混合物を形成するために、位相反転が起こるまで混合物に導入すること、
位相反転された混合物から溶媒を除去すること、および
樹脂粒子を回収し、油成分は樹脂粒子の疎水性コア中に組み込まれること
を含む、方法。
【請求項4】
樹脂粒子を含む少なくとも1種のポリエステル樹脂、
少なくとも1種の油成分、および
随意のトナー添加剤を有する随意の着色剤
を含み、少なくとも1種の油成分は樹脂粒子の疎水性コアを形成する、トナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−116982(P2011−116982A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262386(P2010−262386)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】