説明

位相補間器及びクロックデータリカバリ装置

【課題】本発明は、ミキサの数を減らすことで回路面積及び消費電力を縮小し、位相の不整合を抑制することが可能な位相補間器を提供する。
【解決手段】位相差が0度のクロックD0を与えられミキサ2個分の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する2ミキサM11、M12、位相差が0度のクロックD0と位相差が90度のクロックD90とを与えられ位相差が45度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD90+2Dcを出力するミキサM1、M13、クロックD0、D90、D45+2Dcのいずれか2つを用いて位相差が所定角度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックを生成して出力する少なくとも1つのミキサを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相補間器及びクロックデータリカバリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速信号伝送受信機内において使用されるクロックデータリカバリ装置等において、基準クロックに対し任意の位相差を持つクロックを生成するために、位相補間器(Phase Interpolator)が使用される。
【0003】
特に、CMOS回路構成で動作する位相補間器には、後述する非特許文献1に記載されたような単純なミキサを複数個組み合わせて、任意の位相を持つクロックを生成する回路と、ミキサの構成は複雑化するがミキサ単体で任意の位相のクロックを構成する回路とが存在する。
【0004】
前者の位相補間器は後者の位相補間器に対して構成が簡易であり、ミキサ一つあたりの負荷容量が小さいと言う長所がある。しかし、複数個のミキサで構成する際に、必要なクロック数分のミキサのみならず、さらに各ミキサ単体により生じる遅延を考慮し遅延調整のためのミキサが必要となる。このため、回路面積及び消費電力の増加、回路面積の増加に伴い配線領域が増加し配線容量の増大、周波数特性の劣化等の問題を招いていた。
【0005】
以下、従来の位相補間器を開示した文献名を記載する。
【非特許文献1】A Portable Digital DLL for High-Speed CMOS Interface Circuits、IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS、 VOL。 34、 NO。 5、 MAY 1999、p632-p644
【特許文献1】特開2004−282360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ミキサの総数を減少させることにより、回路面積、消費電力を低減させ、かつ周波数特性を向上させることが可能な位相補間器及びクロックデータリカバリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による位相補間器は、基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD0+2Dcを生成して出力する2つのミキサから成る第1のミキサ群と、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD90+2Dcを生成する2つのミキサから成る第2のミキサ群と、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD45+2Dcのうち、いずれか2つを用いて位相差が所定角度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックを生成して出力する少なくとも1つのミキサとを備える。
【0008】
本発明の一態様による位相補間器は、基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+Dcを出力する第1の遅延量調整用ミキサと、前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する第2の遅延量調整用ミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第1のミキサと、前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第3の遅延量調整用ミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3の遅延量調整用ミキサからの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が22.5度の遅延量を有するクロックD22.5+2Dcを出力する第2のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第3の遅延量調整用ミキサからの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が67.5度の遅延量を有するクロックD67.5+2Dcを出力する第3のミキサとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様による位相補間器は、基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+Dcを出力する第1の遅延量調整用ミキサと、前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する第2の遅延量調整用ミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第1のミキサと、前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第3の遅延量調整用ミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が22.5度の遅延量を有するクロックD22.5+2Dcを出力する第2のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が11.25度の遅延量を有するクロックD11.25+2Dcを出力する第3のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が67.5度の遅延量を有するクロックD67.5+2Dcを出力する第4のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が78.75度の遅延量を有するクロックD78.75+2Dcを出力する第5のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が33.75度の遅延量を有するクロックD33.75+2Dcを出力する第6のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が56.25度の遅延量を有するクロックD56.25+2Dcを出力する第7のミキサとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様による位相補間器は、基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+Dcを出力する第1の遅延量調整用ミキサと、前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する第2の遅延量調整用ミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第1のミキサと、前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第3の遅延量調整用ミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が22.5度の遅延量を有するクロックD22.5+2Dcを出力する第2のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が11.25度の遅延量を有するクロックD11.25+2Dcを出力する第3のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が5.625度の遅延量を有するクロックD5.625+2Dcを出力する第4のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が67.5度の遅延量を有するクロックD67.5+2Dcを出力する第5のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が78.75度の遅延量を有するクロックD78.75+2Dcを出力する第6のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第6のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が84.375度の遅延量を有するクロックD84.375+2Dcを出力する第7のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が33.75度の遅延量を有するクロックD33.75+2Dcを出力する第8のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第8のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が16.875度の遅延量を有するクロックD16.875+2Dcを出力する第9のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が56.25度の遅延量を有するクロックD56.25+2Dcを出力する第10のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第10のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が73.125度の遅延量を有するクロックD73.125+2Dcを出力する第11のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第10のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が28.125度の遅延量を有するクロックD28.125+2Dcを出力する第12のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第6のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が39.375度の遅延量を有するクロックD39.375+2Dcを出力する第13のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第8のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が61.875度の遅延量を有するクロックD61.875+2Dcを出力する第14のミキサと、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が50.625度の遅延量を有するクロックD50.625+2Dcを出力する第15のミキサとを備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の一態様によるクロックデータリカバリ装置は、選択されたクロックと、外部から与えられたデータとを用いて、前記クロックに基づいて前記データのサンプリングを行い出力する受信回路と、前記受信回路からの出力を与えられ、前記データの位相情報を抽出し出力する位相検出回路と、前記位相検出回路から出力された前記データの位相情報を用いて、位相制御情報を出力するディジタルフィルタと、前記ディジタルフィルタから出力された前記位相制御情報に基づいて、前記クロックの位相制御に必要な制御信号を出力する制御回路と、前記基準クロックを与えられ、前記制御回路から出力された前記制御信号に基づいて生成した複数の前記クロックのうちいずれかを選択して前記選択されたクロックを前記受信回路に出力する請求項1乃至4のいずれかに記載の前記位相補間器とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の位相補間器及びクロックデータリカバリ装置は、ミキサの総数を減らして回路面積、消費電力を低減させ、周波数特性を向上させることができる位相補間器及びクロックデータリカバリ装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態による位相補間器及びクロックデータリカバリ装置について図面を参照して説明する。
【0014】
(1)実施の形態1
本実施の形態1によるクロックデータリカバリ(Clock Data Recovery、以下CDRと略す)装置は、図1に示される構成を備えている。
【0015】
このCDR装置は、受信回路11、位相検出回路12、ディジタルフィルタ13、制御回路14、位相補間器15を備えている。
【0016】
位相補間器15から出力されたクロックと、外部から与えられたデータとが受信回路11に入力され、クロックに基づいてデータのサンプリングを行い出力する。
【0017】
受信回路11からクロックに基づいてサンプリングされたデータが位相検出回路12に出力され、データの位相情報を抽出し出力する。
【0018】
ディジタルフィルタ13は与えられた位相情報を用いて、位相制御に必要な情報を演算し出力する。
【0019】
制御回路14は、ディジタルフィルタ13から出力された位相情報に基づいて、使用するクロックの位相を決定し制御信号を出力する。
【0020】
位相補間器15は、外部から与えられた基準クロックRefCLKに対し、後述するようにそれぞれ異なる位相差を有する複数種類のクロックを生成し、制御回路14から出力された制御信号に従っていずれかのクロックを選択して受信回路11に出力する。
【0021】
このような構成を備えたことにより、このCDR装置は、外部から入力されたデータをサンプリングする際に最適なクロックの位相が得られるように位相の調整を行うことができる。
【0022】
ここで、本実施の形態1による位相補間器15について、その構成を示した図2を参照して説明する。本実施の形態1では、基準クロックの1/4象限を4分割して4種類の位相差をそれぞれ有するクロックを出力する場合に相当する。
【0023】
出力される4個のクロックD0、D22.5、D45、D67.5は、基準クロックからの0度、22.5度、45度、67.5度の位相差に相当する遅延を有する。さらに、2個分のミキサの遅延量2Dcが位相差として出力クロックに加算される。
【0024】
本実施の形態1による位相補間器は、1つのミキサに位相差調整機能を持たせるものでなく複数のミキサを組み合わせるものであって、各ミキサの構成が単純化されると共に、位相分割数が多い場合にもミキサ自体が発生させる遅延量を調整するためのミキサの数の増加を抑制することができるものである。
【0025】
先ず、ミキサにクロックを入力した場合に生じる遅延量について検討する。図3(a)に示されたような、基準クロックから遅延量Daを有する波形Aを持つ基準クロックと、図3(b)に示されたような基準クロックから遅延量Dbを有する波形Bを持つ基準クロックとがミキサに入力された場合を考える。
【0026】
理想上のミキサではミキサ自体により遅延が生じない。このため、図3(c)に示されるように、1段目のミキサからの出力波形の基準クロックからの遅延量Do1は、以下の(1)式のようである。
Do1=(Db−Da)/2+Da=(Db+Da)/2 (1)
【0027】
また、2段目のミキサからの出力波形の基準クロックからの遅延量Do2は(2)式のようである。
Do2=((Db+Da)/2−Da)/2+Da
=(Db+3Da)/4 (2)
【0028】
しかし、現実のミキサにはミキサ自体により遅延量Dcが生じる。このため、1段目のミキサからの出力波形の基準クロックからの遅延量Do1は、図3(d)に示されるように(3)式のように表される。
Do1=(Db−Da)/2+Da+Dc
=(Db+Da)/2+Dc (3)
【0029】
また、2段目のミキサからの出力波形の基準クロックからの遅延量Do2は、(4)式のように表される。
Do2=((Db+Da)/2+Dc−Da)/2+Da+Dc
=(Db+3Da)/4+3/4Dc (4)
【0030】
このように、段数を重ねる毎にミキサにより生じる遅延量Dcが原因となって位相がずれていくため、遅延量を調整するためのミキサが必要となる。
【0031】
ここで、ミキサに入力される2つのクロックのうちの一方のクロックDbに予めミキサ2個分の遅延量2Dcを加えた場合について考える。この場合の1段目のミキサからの出力波形の基準クロックからの遅延量Do1は、次のようである。
Do1=(Db+2Dc−Da)/2+Da+Dc
=(Db+Da)/2+2Dc (5)
【0032】
さらに、2段目のミキサからの出力波形の基準クロックからの遅延量Do1は(6)式のようである。
Do2=((Db+Da)/2+2Dc−Da)/2+Da+Dc
=(Db+3Da)/4+2Dc (6)
【0033】
このように、ミキサの出力は常に理想の遅延量に2Dcが加わったものとなる。
【0034】
よって、このクロックを次段のミキサへの一方の入力とすれば、次段の出力にも2Dcが加わり、遅延調整用のミキサが不要となりミキサの総数を減少させることができる。
【0035】
図2に示された本実施の形態1による位相補間器は、ミキサM1〜M3、及びM11〜M13を備えており、ミキサの総数は6個である。ミキサM1〜M3は1/4象限を4分割するために必要なものであり、他のミキサM11〜M13はミキサ自体が有する遅延量の調整のために配置されたものである。
【0036】
遅延量調整用のミキサM11に、基準クロックからの遅延量が0度の位相差に相当するクロックが入力されてクロックD0+Dcが出力され、遅延量調整用のミキサM12に入力される。ミキサM12からクロックD0+2Dcが生成されて出力される。
【0037】
ミキサM1に、基準クロックからの遅延量が0度の位相差に相当するクロックと、90度の位相分だけ遅延されたクロックとがミキサM31に入力され、45度の位相分とミキサM31の遅延量Dcだけ遅延されたクロックD45+Dcが生成されて出力される。このクロックが遅延調整用のミキサM13に入力され、ミキサの遅延量Dcのみが加算されたクロックD45+2Dcが出力される。
【0038】
この45度の位相分の遅延量及び2個のミキサの遅延量を有するクロックD45+2Dcを用いて、所望の分割数だけ分割するようにミキサを配置している。ミキサM2に、基準クロックからの遅延量が0度の位相差に相当するクロックD0とクロックD45+2Dcとが入力され、遅延量が22.5度の位相差に相当するクロックD22.5+2Dcが出力される。ミキサM3に、基準クロックからの遅延量が90度の位相差に相当するクロックD90とクロックD45+2Dcとが入力され、遅延量が67.5度の位相差に相当するクロックD67.5+2Dcが出力される。本実施の形態1では、6個のミキサにより位相補間器が構成される。
【0039】
図4に、比較例1による位相補間器の構成を示す。この位相補間器では、上記実施の形態1のようなミキサに入力される2つのクロックのうちの一方のクロックに予めミキサ2個分の遅延量2Dcを加えておくという手法が用いられていない。この結果、比較例1の位相補間器は、1/4象限を4分割するために必要なミキサM21〜M23の他に、遅延量調整用のミキサM31〜M34が配置されており総数が7個となっている。
【0040】
上記実施の形態1の位相補間器はミキサの総数が6個であるため、比較例よりミキサを1個減少させることができる。これにより、回路面積を縮小し消費電力を低減させ、さらに配線容量を減少させることにより周波数特性を向上させることができる。これに伴い、上記実施の形態1のクロックデータリカバリ装置によれば、回路面積の縮小及び消費電力の低減、周波数特性の向上が可能である。
【0041】
(2)実施の形態2
本発明の実施の形態2による位相補間器について説明する。本実施の形態2による位相補間器も上記実施の形態1と同様に、図1に示されたクロックデータリカバリ装置において用いられるものであり、本実施の形態2では1/4象限を16分割する構成を備えている。
【0042】
図5に示された本実施の形態2による位相補間器は、ミキサM41〜M55、M61〜M63を備えており、総数は18個である。ミキサM41〜M55は1/4象限を16分割するために必要なものであり、他のミキサM61〜M63はミキサ自体が有する遅延量の調整のために配置されたものである。
【0043】
遅延量調整用のミキサM61に、基準クロックからの遅延量が0度の位相差に相当するクロックが入力されてクロックD0+Dcが出力され、遅延量調整用のミキサM62に入力される。ミキサM62からクロックD0+2Dcが生成されて出力される。
【0044】
ミキサM41に、基準クロックからの遅延量が0度の位相差に相当するクロックD0と、90度の位相分だけ遅延されたクロックD90とがミキサM31に入力され、45度の位相分だけ遅延されたクロックD45+Dcが生成されて出力される。このクロックが遅延調整用のミキサM63に入力され、ミキサの遅延量Dcのみが加算されたクロックD45+2Dcが出力される。
【0045】
この45度の位相分の遅延量及び2個のミキサの遅延量を有するクロックD45+2Dcを用いて、上記実施の形態1と同様に所望の分割数、ここでは8分割数だけミキサを配置している。
【0046】
ミキサM42に、基準クロックからの遅延量が0度のクロックD0とクロックD45+2Dcとが入力され、クロックD22.5+2Dcが出力される。ミキサM44に、基準クロックからの遅延量が0度のクロックD0とクロックD22.5+2Dcとが入力され、クロックD11.25+2Dcが出力される。ミキサM48に、基準クロックからの遅延量が0度のクロックD0とクロックD11.5+2Dcとが入力され、クロックD5.625+2Dcが出力される。
【0047】
ミキサM43に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90とクロックD45+2Dcとが入力され、クロックD67.5+2Dcが出力される。ミキサM47に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90とクロックD67.5+2Dcとが入力され、クロックD78.75+2Dcが出力される。ミキサMM55に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90とクロックD78.75+2Dcとが入力され、クロックD84.375+2Dcが出力される。
【0048】
ミキサM45に、基準クロックからの遅延量が0度の位相に相当するクロックD0と、ミキサM43から出力されたクロックD67.5+2Dcとが入力され、クロックD33.75+2Dcが出力される。ミキサM49に、基準クロックからの遅延量が0度の位相に相当するクロックD0と、ミキサM45から出力されたクロックD33.75+2Dcとが入力され、クロックD16.875+2Dcが出力される。
【0049】
ミキサM46に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90と、ミキサM42から出力されたクロックD22.5+2Dcとが入力され、クロックD56.25+2Dcが出力される。ミキサM54に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90と、ミキサM46から出力されたクロックD56.25+2Dcとが入力され、クロックD73.125+2Dcが出力される。
【0050】
ミキサM50に、基準クロックからの遅延量が0度の位相に相当するクロックD0と、ミキサM46から出力されたクロックD56.25+2Dcとが入力され、クロックD28.125+2Dcが出力される。ミキサM51に、基準クロックからの遅延量が0度の位相に相当するクロックD0と、ミキサM47から出力されたクロックD78.75+2Dcとが入力され、クロックD39.375+2Dcが出力される。
【0051】
ミキサM52に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90と、ミキサM45から出力されたクロックD11.25+2Dcとが入力され、クロックD50.625+2Dcが出力される。ミキサM53に、基準クロックからの遅延量が90度の位相に相当するクロックD90と、ミキサM44から出力されたクロックD33.75+2Dcとが入力され、クロックD61.875+2Dcが出力される。
【0052】
図6に、比較例2による位相補間器の構成を示す。この位相補間器では、上記実施の形態2のようなミキサに入力される2つのクロックのうちの一方のクロックに予めミキサ2個分の遅延量2Dcを加えておくという手法が用いられていない。このため、比較例2の位相補間器は、1/4象限を16分割するために必要なミキサM71〜M85の他に、遅延量調整用のミキサM91〜M108が配置されており総数が33個となっている。
【0053】
上記実施の形態2の位相補間器は総数が18個であるため、比較例2よりミキサを15個減少させることが可能である。この結果、回路面積を縮小して消費電力を低減させ、さらに配線容量を減少させることにより周波数特性を向上させることができる。
【0054】
尚、1/4象限を8分割する場合は、上記実施の形態1、2と同様の手法を用いることにより、10個のミキサで位相補間器を構成することができる。しかし、上記比較例1、2と同様な手法により位相補間器を構成した場合には16個のミキサが必要となり、本発明の適用により6個減少させることができる。
【0055】
さらに、1/4象限を32分割する場合は、本発明の適用により34個のミキサで位相補間器の構成が可能であるが、上記比較例1、2と同様な手法で構成した場合は66個のミキサが必要となる。このため、本発明の適用により32個減少させることができる。このように、分割数の増加と共にミキサを減少させる効果をより大きく得ることができる。
【0056】
上記比較例1、2の手法によれば、分割数の約2倍のミキサ(4分割の時7(=4×2−1)個、8分割の時16(=8×2)個、16分割のとき33(16×2+1)個、32分割のとき66(32×2+2)個)が必要であるが、本発明を適用することにより分割数+2個のミキサで位相補間器を構成することが可能である。
【0057】
上記実施の形態はいずれも一例であって、本発明の技術的範囲内において様々に変形することが可能である。例えば、上記実施の形態2では、図5に示されたように1/4象限を16分割する構成を備えている。ここで、ミキサM61〜M63、ミキサM41〜M47を備えることにより、1/4象限を8分割するために必要な構成を備えることができる。同様の手法を用いることで、1/4象限を32分割、64分割、128分割、…というように2のN乗(Nは3以上の整数)分割することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1によるクロックデータリカバリ装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態1による位相補間器の構成を示す回路図。
【図3】同位相補間器で用いられるミキサの出力を示す説明図。
【図4】比較例1による位相補間器の構成を示す回路図。
【図5】本発明の実施の形態2による位相補間器の構成を示す回路図。
【図6】比較例2による位相補間器の構成を示す回路図。
【符号の説明】
【0059】
11 受信回路
12 位相検出回路
13 ディジタルフィルタ
14 制御回路
15 位相補間器
M1〜M3、M11〜M13、M41〜M55、M61〜M63 ミキサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD0+2Dcを生成して出力する2つのミキサから成る第1のミキサ群と、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD90+2Dcを生成する2つのミキサから成る第2のミキサ群と、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0、前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックD45+2Dcのうち、いずれか2つを用いて位相差が所定角度の遅延量とミキサ2個分の遅延量とを有するクロックを生成して出力する少なくとも1つのミキサと、
を備えることを特徴とする位相補間器。
【請求項2】
基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+Dcを出力する第1の遅延量調整用ミキサと、
前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する第2の遅延量調整用ミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第1のミキサと、
前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第3の遅延量調整用ミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3の遅延量調整用ミキサからの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が22.5度の遅延量を有するクロックD22.5+2Dcを出力する第2のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第3の遅延量調整用ミキサからの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が67.5度の遅延量を有するクロックD67.5+2Dcを出力する第3のミキサと、
を備えることを特徴とする位相補間器。
【請求項3】
基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+Dcを出力する第1の遅延量調整用ミキサと、
前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する第2の遅延量調整用ミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第1のミキサと、
前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第3の遅延量調整用ミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が22.5度の遅延量を有するクロックD22.5+2Dcを出力する第2のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が11.25度の遅延量を有するクロックD11.25+2Dcを出力する第3のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が67.5度の遅延量を有するクロックD67.5+2Dcを出力する第4のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が78.75度の遅延量を有するクロックD78.75+2Dcを出力する第5のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が33.75度の遅延量を有するクロックD33.75+2Dcを出力する第6のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が56.25度の遅延量を有するクロックD56.25+2Dcを出力する第7のミキサと、
を備えることを特徴とする位相補間器。
【請求項4】
基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0を与えられ、所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+Dcを出力する第1の遅延量調整用ミキサと、
前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0+2Dcを出力する第2の遅延量調整用ミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90とを与えられ、前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第1のミキサと、
前記第1のミキサからの出力を与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が45度の遅延量を有するクロックD45+2Dcを出力する第3の遅延量調整用ミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が22.5度の遅延量を有するクロックD22.5+2Dcを出力する第2のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が11.25度の遅延量を有するクロックD11.25+2Dcを出力する第3のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が5.625度の遅延量を有するクロックD5.625+2Dcを出力する第4のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第3の遅延量調整用ミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が67.5度の遅延量を有するクロックD67.5+2Dcを出力する第5のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が78.75度の遅延量を有するクロックD78.75+2Dcを出力する第6のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第6のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が84.375度の遅延量を有するクロックD84.375+2Dcを出力する第7のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第5のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が33.75度の遅延量を有するクロックD33.75+2Dcを出力する第8のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第8のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が16.875度の遅延量を有するクロックD16.875+2Dcを出力する第9のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第2のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が56.25度の遅延量を有するクロックD56.25+2Dcを出力する第10のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第10のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が73.125度の遅延量を有するクロックD73.125+2Dcを出力する第11のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第10のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が28.125度の遅延量を有するクロックD28.125+2Dcを出力する第12のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が0度の遅延量を有するクロックD0と、前記第6のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が39.375度の遅延量を有するクロックD39.375+2Dcを出力する第13のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD90と、前記第8のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が61.875度の遅延量を有するクロックD61.875+2Dcを出力する第14のミキサと、
前記基準クロックに対して位相差が90度の遅延量を有するクロックD0と、前記第3のミキサの出力とを与えられ、2倍の前記所定の遅延量Dcを伴い、前記基準クロックに対して位相差が50.625度の遅延量を有するクロックD50.625+2Dcを出力する第15のミキサと、
を備えることを特徴とする位相補間器。
【請求項5】
選択されたクロックと、外部から与えられたデータとを用いて、前記クロックに基づいて前記データのサンプリングを行い出力する受信回路と、
前記受信回路からの出力を与えられ、前記データの位相情報を抽出し出力する位相検出回路と、
前記位相検出回路から出力された前記データの位相情報を用いて、位相制御情報を出力するディジタルフィルタと、
前記ディジタルフィルタから出力された前記位相制御情報に基づいて、前記クロックの位相制御に必要な制御信号を出力する制御回路と、
前記基準クロックを与えられ、前記制御回路から出力された前記制御信号に基づいて生成した複数の前記クロックのうちいずれかを選択して前記選択されたクロックを前記受信回路に出力する請求項1乃至4のいずれかに記載の前記位相補間器と、
を備えることを特徴とするクロックデータリカバリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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