説明

位置特定装置、画像再生装置、位置特定方法および位置特定プログラム

【課題】 SAR(Synthetic Aperture Radar、合成開口レーダ)画像における移動する目標物の位置を算出することを目的とする。
【解決手段】 目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を測定して記憶装置に記憶する速度測定部210と、速度測定部210が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部220と、SARにより観測されたSAR再生画像を入力するSAR再生画像入力部222と、シフト量算出部220が算出したシフト量とSAR再生画像入力部222が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を特定して記憶装置に記憶する位置特定部224とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明にかかる実施の形態は、SAR(Synthetic Aperture Radar、合成開口レーダ)により観測された目標物のデータから目標物の正しい位置を算出するレーダ画像処理に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、例えば、航行中の船舶を考えた場合、その真の位置を知るために、ウエーキ(航跡)と船舶とのマッチングを取ることがなされている。
【特許文献1】特開2005−214755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
SAR画像における移動する目標物は、目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフトする。そのため、SAR画像における移動する目標物の位置は、真の目標物の位置とずれが生じるという課題があった。また、従来のウエーキと船舶とのマッチングを取る方法では、ウエーキが少ない船舶や、複数の船舶が存在する場合には機能しないという課題があった。
【0004】
本発明の実施の形態は、上記の課題を解決するためになされたもので、目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフトしてしまった目標物の正しい位置を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施の形態にかかる位置特定装置は、SARにより観測された目標物の位置を特定する位置特定装置において、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定部と、上記速度測定部が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部と、SARにより観測されたSAR再生画像を入力装置により入力するSAR再生画像入力部と、上記シフト量算出部が算出したシフト量と上記SAR再生画像入力部が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の実施の形態にかかる位置特定装置の上記シフト量算出部は、Δx=(v/V)・Rによりシフト量を算出することを特徴とする。ここで、Δxは、アジマス方向へのシフト量、vは、レンジ方向への速度、Vは、SARの速度、Rは、合成開口中心でのSARと目標物との距離である。
【0007】
さらに、本発明の実施の形態にかかる位置特定装置の上記速度測定部は、SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力装置により入力するデータ入力部と、レンジ方向への予測速度とアジマス方向への予測速度とを有する複数の予測移動速度を入力装置により入力する速度入力部と、上記速度入力部が入力した複数の予測移動速度の各予測移動速度と、SARの移動情報と目標物の予測移動情報とに基づいたSARと目標物との距離関係情報とにより複数の参照関数を処理装置により生成して記憶装置に記憶する参照関数生成部と、上記参照関数生成部が生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、上記データ入力部が入力したレンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを処理装置により生成して記憶装置に記憶するアジマス圧縮処理部と、上記アジマス圧縮処理部が生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す画像の鮮明度を処理装置により算出して記憶装置に記憶する鮮明度算出部と、上記鮮明度算出部が算出した鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、距離関係情報に入力した予測移動速度を目標物の移動速度であると処理装置により判定して記憶装置に記憶する速度判定部と、上記速度判定部が判定した移動速度からレンジ方向速度を抽出して記憶装置に記憶する速度抽出部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、さらに、本発明の実施の形態にかかる位置特定装置の上記速度測定部は、速度指定方式ISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar)によりレンジ方向速度を測定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の実施の形態にかかる位置特定装置の上記速度測定部は、取得したレンジマイグレーション曲線と目標物が移動していない場合に得られるレンジマイグレーション曲線とに基づき、目標物のレンジ方向への移動を示す直線を算出して記憶装置に記憶する移動直線算出部と、上記移動直線算出部が算出した直線に基づき、レンジ方向速度を算出して記憶装置に記憶する速度算出部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の実施の形態にかかる画像再生装置は、SARにより観測された画像を再生する画像再生装置において、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を速度指定方式ISARに基づき処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定部と、上記速度測定部が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部と、SARにより観測されたSAR再生画像を入力するSAR再生画像入力部と、上記シフト量算出部が算出したシフト量と上記SAR再生画像入力部が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定部と、速度指定方式ISARにより生成した画像の目標物を、上記位置特定部が特定した位置へ処理装置により補正した補正後画像を生成して記憶装置に記憶する位置補正部と、上記位置補正部が生成した補正後画像を再生する画像再生部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の実施の形態にかかる位置特定装置は、SARにより観測された複数の目標物の位置を特定する位置特定装置において、
複数の目標物の各目標物のレンジ方向への移動速度を処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定部と、上記速度測定部が測定した複数の目標物の各目標物の移動速度に基づき、複数の目標物の各目標物のアジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部と、SARにより観測されたSAR再生画像を入力装置により入力するSAR再生画像入力部と、上記シフト量算出部が算出した複数の目標物の各目標物のシフト量と上記SAR再生画像入力部が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、複数の目標物の各目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の実施の形態にかかる位置特定方法は、SARにより観測された目標物の位置を特定する位置特定装置の位置特定方法において、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を速度測定部が処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定ステップと、上記速度測定ステップで測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量をシフト量算出部が処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出ステップと、SARにより観測されたSAR再生画像をSAR再生画像入力部が入力装置により入力するSAR再生画像入力ステップと、上記シフト量算出ステップで算出したシフト量とSAR再生画像入力ステップで入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を位置特定部が処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の実施の形態にかかる位置特定プログラムは、SARにより観測された目標物の位置を特定する位置特定装置の位置特定プログラムにおいて、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を速度測定部が処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定ステップと、上記速度測定ステップで測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量をシフト量算出部が処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出ステップと、SARにより観測されたSAR再生画像をSAR再生画像入力部が入力装置により入力するSAR再生画像入力ステップと、上記シフト量算出ステップで算出したシフト量とSAR再生画像入力ステップで入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を位置特定部が処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施の形態にかかる位置特定装置によれば、目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を測定する速度測定部と、アジマス方向へのシフト量を算出するシフト量算出部とを備えることにより、目標物のアジマス方向へのシフト量を得ることが可能である。したがって、本発明の実施の形態にかかる位置特定装置によれば、目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフトしてしまった目標物の正しい位置を特定することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
まず、実施の形態にかかる画像鮮明化装置100のハードウェア構成の一例について図1、図2に基づき説明する。
【0016】
図1は、実施の形態にかかる画像鮮明化装置100の外観の一例を示した図である。
図1において、画像鮮明化装置100は、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、コンパクトディスク装置(CDD)905、データベース908、システムユニット909、サーバ910を備え、これらはケーブルで接続されている。
さらに、画像鮮明化装置100は、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
ここで、CRT表示装置901は、表示装置984の一例である。
【0017】
図2は、実施の形態における画像鮮明化装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2において、画像鮮明化装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、FDD(Flexible Disk)904、CDD905、磁気ディスク装置920と接続されている。CPUは、処理装置の一例である。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置982の一例である。
通信ボード915は、LAN942等に接続されている。
また、K/B902、マウス903などは、入力装置980の一例である。
また、CPU911は、処理装置の一例である。
【0018】
ここで、通信ボード915は、LAN942に限らず、直接、インターネット940、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続されている場合、画像鮮明化装置100は、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続され、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0019】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜判定」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0020】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0021】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、また、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD、DVD等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0022】
また、図1、図2は、それぞれ、速度測定装置、画像鮮明度判定装置についての外観およびハードウェア構成の一例でもある。
【0023】
実施の形態1.
次に、実施の形態1について説明する。実施の形態1では、周囲に電波散乱体がある場合や、動揺目標物の輝度が弱い場合などにおいても、目標物の画像を正しく鮮明化することができる画像鮮明化装置100、画像鮮明化方法および画像鮮明化プログラムについて説明する。画像鮮明化装置100、画像鮮明化方法および画像鮮明化プログラムが有する処理を速度指定方式ISARと呼ぶ。
【0024】
まず、図3、図4に基づき孤立散乱点方式ISARによる目標物の鮮明化について説明し、次に、図5、図6に基づき速度指定方式ISARによる目標物の鮮明化について説明する。
【0025】
図3は、移動する目標物が1つのみ存在する場合の孤立散乱点方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。移動する目標物が1つのみ存在するレンジ圧縮後のデータを入力し、孤立散乱点方式ISARにより処理した場合、目標物のみの輝度が強いため正常に孤立散乱点の追尾を行うことができ、目標物の鮮明化に成功する。つまり、この場合、孤立散乱点方式ISARによれば、通常のSAR画像に比べ、目標物は鮮明に再生される。
図4は、移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在する場合の孤立散乱点方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在するレンジ圧縮後のデータを入力し、孤立散乱点方式ISARにより処理した場合、目標物より輝度の強いクラッタにフォーカスされてしまうため、目標物はさらにぼやけてしまう。つまり、この場合、孤立散乱点方式ISARによれば、通常のSAR画像に比べ、目標物はぼやけて再生される。
したがって、孤立散乱点方式ISARでは、画像に異なる速度クラッタが入ると目標物を鮮明に再生することができない。
【0026】
図5は、移動する目標物が1つのみ存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。移動する目標物が1つのみ存在するレンジ圧縮後のデータを入力し、速度指定方式ISARにより処理した場合、目標物の速度を入力すると、目標物の鮮明化に成功する。つまり、この場合、速度指定方式ISARによれば、通常のSAR画像に比べ、目標物は鮮明に再生される。
図6は、移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在するレンジ圧縮後のデータを入力し、速度指定方式ISARにより処理した場合、目標物の速度を入力すると、目標物は鮮明化され、速度の異なるクラッタはぼやける。ここで、クラッタの移動速度が目標物と同じ場合には、速度指定方式ISARにより処理すると目標物が鮮明化されるとともに、クラッタも鮮明化される。
したがって、速度指定方式ISARでは、画像に異なる速度クラッタが入っても目標物を鮮明に再生することができる。
【0027】
次に、速度指定方式ISARの基本となるSARと目標物との相対運動について説明する。
【0028】
まず、図7、図8に基づき、SARと静止体(移動しない目標物)の相対運動について説明する。図7は、SARと静止体とのt秒後の相対関係(距離)を表した図である。図8は、図7における静止体の自転による移動を示す図である。つまり、静止体自身は移動しないが、SARから見た場合静止体は自転により移動する。つまり、ここでは、静止体は自転の影響を受けるものとする。ここでは、自転する座標上に存在する静止体の運動を定義し、その場合のドップラ周波数を導出する。
【0029】
図7、図8より、t秒後のSARと静止体との相対運動(距離)として次式が得られる。
【0030】
【数1】

さらに、
【0031】
【数2】

式2を、マクローリン展開を用いて、式3のように二次の項まで展開する。
【0032】
【数3】

式3を用いて、式4のようにドップラ周波数fを表現できる。
【0033】
【数4】

【0034】
次に、図9、図10に基づき、速度指定方式ISARの基本となるレーダと移動体(移動する目標物)との相対運動について説明する。図9は、SARと移動体とのt秒後の相対関係(距離)を表した図である。図10は、図9における移動体の移動を示す図である。ここでは、上記同様、移動体は自転の影響を受けるものとする。ここでは、アジマス方向へとレンジ方向へとの移動体の運動を定義し、その場合のドップラ周波数fを導出する。
【0035】
図9、図10より、t秒後のSARと移動体との相対運動(距離)として次式が得られる。ここでは、目標物は、所定の間の等速直線運動をすると仮定している。
【0036】
【数5】

さらに、
【0037】
【数6】

式6を、マクローリン展開を用いて、式7のように二次の項まで展開する。
【0038】
【数7】

式7を用いて、式8のようにドップラ周波数fを表現できる。
【0039】
【数8】

ここで、
【0040】
【数9】

である。
【0041】
次に、上記の式8により得られたドップラセンタ周波数fdcEとドップラ周波数変化率βより、次のように、目標物の移動を考慮したアジマス圧縮のための参照関数Erefを得ることができる。
【0042】
【数10】

【0043】
ここで、速度指定方式ISARでは、参照関数Erefの式10に対して、目標物のレンジ方向の予測速度とアジマス方向の予測速度とをv,vとして入力し、アジマス圧縮を行う。アジマス圧縮後の画像のぼやけを確認ながら、複数回処理を繰り返し、最も引き締まった(鮮明になった)画像を出力する。これにより、速度指定方式ISARでは、移動する目標物の鮮明な画像を得る。ここで、速度の異なるクラッタが存在していた場合であっても、指定した予測速度に基づき画像を鮮明化しているため、クラッタの影響を受けない。
【0044】
また、ISARに用いる合成開口時間TA_isarは、通常のSARの合成開口時間T以下となる。また、目標物の動揺が大きいほど短い合成開口時間で高分解能を得ることができる。さらに、合成開口時間TA_isarを短くすることで目標物が等速直線運動をしているとみなすことが可能となるそこで、ここでは、合成開口時間TA_isarの開始時刻αstartおよび合成開口時間TA_isarの終了時刻αendを任意に選択できるようにする。例えば、以下式11のようにSAR用の合成開口時間Tを1で正規化し、ISARに用いる合成開口時間TA_isarの開始時刻αstartおよび合成開口時間TA_isarの終了時刻αendを任意に選択できるようにする。合成開口時間TA_isarは、例えば、SAR用の合成開口時間Tが5秒であった場合、開始時刻αstartを1.5秒、終了時刻αendを3.5秒として切り出した2秒間などである。これを、式11ではSAR用の合成開口時間Tを1で正規化し、開始時刻αstartを0.3、終了時刻αendを0.7と選択し、2秒を切り出ししている。
【0045】
【数11】

【0046】
また、目標物のレンジ方向速度に応じたレンジマイグレーション補正もアジマス圧縮の都度実施することで、高分解能化をはかる。補正量Cは、以下に示す式12から求められ、対応する時刻のレンジ方向を1ラインずらすことで、目標物の軌跡がアジマス方向に直線になるようにする。なお、補正量Cは、通常実数で得られ、その整数部が、レンジ方向へのピクセルレベルのシフト量に相当する。また、小数部については、レンジ方向への1ピクセル以下のシフト量に相当し、三次畳み込み内挿法やポリフェイズフィルタなどで補間する。
【0047】
【数12】

【0048】
次に、図11に基づき実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の機能について説明する。図11は、実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0049】
画像鮮明化装置100は、SARにより観測された目標物のデータから目標物の画像を鮮明化する。ここでは、画像鮮明化装置100は、例えば、速度指定方式ISARにより、SARにより観測された目標物のデータから目標物の画像を鮮明化する。画像鮮明化装置100は、入力部110、処理部130、記憶部160、表示部170、入力装置980、記憶装置982、表示装置984を備える。
【0050】
入力部110は、データ入力部112、参照関数情報入力部114、付随情報入力部120、鮮明度判定入力部122を備える。
データ入力部112は、SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力装置980により入力する。ここで、レンジ圧縮後データとは、レンジ方向に対してパルス圧縮処理が施されたレンジ方向にのみ高分解能な画像を指す。
参照関数情報入力部114は、速度入力部116、合成開口時間情報入力部118を備える。速度入力部116は、目標物の移動する予測速度である予測移動速度を入力装置980により入力する。ここで、予測移動速度は、レンジ方向の予測速度vとアジマス方向の予測速度vとを有する。合成開口時間情報入力部118は、合成開口時間の開始時刻αstartと合成開口時間の終了時刻αendとを有する合成開口時間情報を入力装置980により入力する。
付随情報入力部120は、SARの位置やSARの速度などのレンジ方向の予測速度vとアジマス方向の予測速度v以外の画像に付随する画像付随情報を入力装置980により入力する。
鮮明度判定入力部122は、後述するデータ表示部172が表示したIFFT後データが鮮明か否かの判定を入力装置980により入力する。
【0051】
処理部130は、レンジマイグレーション補正部132、ゼロ詰め処理部134、FFT処理部136、アジマス圧縮処理部138、IFFT処理部140、参照関数生成部142を備える。
レンジマイグレーション補正部132は、目標物のレンジ方向速度vに応じて補正量Cを算出し、算出された補正量Cに基づいて、データ入力部112が入力したレンジ圧縮後データについてレンジマイグレーション補正し補正後データを生成する。ここでは、レンジマイグレーション補正部132は、入力されたレンジ方向の予測速度vに応じて補正量Cを算出し、レンジマイグレーション補正を行う。
ゼロ詰め処理部134は、レンジマイグレーション補正部132が生成した補正後データに0を詰めることにより、補正後データの画素数を2のべき乗としたゼロ詰めデータを処理装置により生成する。高速フーリエ変換(FFT)を実施するためには、画素数が2のべき乗にならなければならない。そのため、ゼロ詰め処理部134は、例えば、以下に示す式13のように、切り出したアジマス方向の画素数より大きい最小の2のべき乗の数である高速フーリエ変換のためのアジマス方向の画素数Nfftを算出し、以下に示す式14のように、その数に足りない画素数であるゼロ詰めする画素数Nzero_padだけ0(ゼロ)を詰める。
【0052】
【数13】

FFT処理部136は、ゼロ詰め処理部134が生成したゼロ詰めデータをアジマスラインごとに複素高速フーリエ変換し周波数領域に変換したFFT後データを処理装置により生成する。さらに、FFT処理部136は、後述する参照関数生成部142が生成した参照関数をFFTしFFT後参照関数を処理装置により生成する。
アジマス圧縮処理部138は、後述する参照関数生成部142が生成した参照関数に基づき、データ入力部112が入力したレンジ圧縮後データをアジマス圧縮しアジマス圧縮後データを処理装置により生成する。ここでは、アジマス圧縮処理部138は、FFT後参照関数に基づき、FFT後データをアジマス圧縮する。アジマス圧縮処理部138は、例えば、切り出された画像の1アジマスラインとアジマス圧縮用の参照関数について、周波数領域で掛け合わせることで、アジマス圧縮(相関処理)を行う。これにより、時間領域におけるアジマス方向への高分解能化を図る。
IFFT処理部140は、アジマス圧縮処理部138がアジマス圧縮したアジマス圧縮後データを逆高速フーリエ変換(IFFT)し、IFFT後データを処理装置により生成する。IFFT処理部140は、周波数領域でアジマス圧縮処理されたデータについて、IFFTを行うことで、ISAR処理画像を生成する。
参照関数生成部142は、SARの移動情報と目標物の予測移動情報とに基づいたSARと目標物との距離関係情報に基づき参照関数を処理装置により生成して記憶装置982に記憶する。参照関数生成部142は、例えば、上記式10の参照関数Erefを生成する。予測移動情報とは、速度入力部116が入力した予測移動速度である。例えば、上記式10はレンジドップラー再生方式を対象に生成しているが、再生方式はこれに限定するものではなく、スポットライトなど、それ以外の再生方式でも構わない。他の再生方式の場合であっても、アジマス圧縮を遡って実施することで対応できる。
【0053】
記憶部160は、データ記憶部162を備える。
データ記憶部162は、アジマス圧縮処理部138が生成したアジマス圧縮後データをIFFTしたIFFT後データを記憶装置982に記憶する。ここでは、データ記憶部162は、鮮明度判定入力部122が鮮明であると判定した場合、IFFT後データを記憶装置982に記憶する。データ記憶部162は、例えば、移動する目標物が鮮明化された実部と虚部からなる画像を、記憶装置982に記憶する。
【0054】
表示部170は、データ表示部172を備える。
データ表示部172は、IFFT処理部140が生成したIFFT後データを表示装置984に表示する。データ表示部172は、IFFT後データを、複素数からパワーを計算して表示する。
【0055】
次に、図12に基づき実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の動作について説明する。図12は、実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の動作である速度指定方式ISARによる画像鮮明化方法を示すフローチャートである。
【0056】
まず、データ入力ステップ(S101)では、データ入力部112は、SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力装置980により入力する。次に、レンジマイグレーション補正ステップ(S102)では、レンジマイグレーション補正部132は、目標物のレンジ方向速度vに応じて補正量Cを算出し、算出された補正量Cに基づいて、データ入力部112が入力したレンジ圧縮後データについてレンジマイグレーション補正し補正後データを生成する。ここで、レンジマイグレーション補正部132は、後述する参照関数生成ステップ(S106)で求めたSARと目標物との距離r(t)を受け取り、受け取ったr(t)に基づいてレンジマイグレーション補正量Cを算出する。レンジマイグレーション補正部132は、例えば、式12に基づき補正量Cを算出する。次に、ゼロ詰め処理ステップ(S103)では、ゼロ詰め処理部134は、レンジマイグレーション補正部132が生成した補正後データに0を詰めることにより、補正後データの画素数を2のべき乗としたゼロ詰めデータを処理装置により生成する。ここで、ゼロ詰め処理部134は、例えば、式13、式14に基づきゼロ詰めする画素数を算出する。次に、高速フーリエ変換処理ステップ(S104)では、FFT処理部136は、ゼロ詰め処理部134が生成したゼロ詰めデータをFFTしFFT後データを処理装置により生成する。
【0057】
上記処理と一部並行して、付随情報入力ステップ(S105)では、付随情報入力部120は、SARの位置やSARの速度などの画像に付随する画像付随情報を入力装置980により入力する。また、ここでは、参照関数情報入力部114は、目標物の移動する予測速度である予測移動速度v,vと合成開口時間TA_isarの開始時刻αstartと合成開口時間TA_isarの終了時刻αendとを有する合成開口時間情報を入力装置980により入力する。次に、参照関数生成ステップ(S106)では、参照関数生成部142は、SARの移動情報と目標物の予測移動情報とに基づいたSARと目標物との距離関係情報に基づき参照関数を処理装置により生成して記憶装置982に記憶する。参照関数生成部142は、例えば、上記式10の参照関数Erefを生成する。かつ、参照関数生成部142は、r(t)を(S102)へ出力する。次に、高速フーリエ変換処理ステップ(S107)では、FFT処理部136は、参照関数生成部142が生成した参照関数をFFTしFFT後参照関数を処理装置により生成する。
【0058】
次に、アジマス圧縮処理ステップ(S108)では、アジマス圧縮処理部138は、高速フーリエ変換処理ステップ(S107)でFFT処理部136が生成したFFT後参照関数に基づき、高速フーリエ変換処理ステップ(S104)でFFT処理部136が生成したFFT後データをアジマス圧縮しアジマス圧縮後データを処理装置により生成する。次に、逆高速フーリエ変換処理ステップ(S109)では、IFFT処理部140は、アジマス圧縮処理部138がアジマス圧縮したアジマス圧縮後データを逆高速フーリエ変換(IFFT)し、IFFT後データを処理装置により生成する。次に、データ表示ステップ(S110)では、データ表示部172は、IFFT処理部140が生成したIFFT後データを表示装置984に表示する。次に、鮮明度判定入力ステップ(S111)では、鮮明度判定入力部122は、データ表示部172が表示したIFFT後データが鮮明か否かの判定を入力装置980により入力する。また、鮮明度判定入力部122が鮮明でないと入力した場合(S111でNo)、参照関数情報入力部114は、目標物の移動する予測速度である予測移動速度v,vと合成開口時間TA_isarの開始時刻αstartと合成開口時間TA_isarの終了時刻αendとを有する合成開口時間情報を入力装置980により入力する。そして、参照関数生成ステップ(S106)から、および、レンジマイグレーション補正ステップ(S102)からの処理を改めて行い、画像が鮮明になるまで処理を繰り返す。一方、鮮明度判定入力部122が鮮明であると入力した場合(S111でYes)、データ記憶ステップ(S112)へ進む。データ記憶ステップ(S112)では、データ記憶部162は、アジマス圧縮処理部138が生成したアジマス圧縮後データをIFFTしたIFFT後データを記憶装置982に記憶する。
【0059】
実施の形態1によれば、画像に異なる速度クラッタが入っても目標物を鮮明に再生することができる。また、実施の形態1によれば、陸上など他に輝度の高いものが存在する中に目標物が存在する場合でも、目標物を鮮明化することができる。
【0060】
つまり、実施の形態1によれば、目標物の輝度の強さに依存しないISAR処理を実現することができる。
【0061】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1での目標物の画像の鮮明化とともに、目標物の速度を測定する速度測定装置を備えた画像鮮明化装置100について説明する。
【0062】
まず、図13、図14に基づき速度指定方式ISARによる目標物の速度算出について説明する。
図13は、移動する目標物が1つのみ存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の速度算出を示す図である。移動する目標物が1つのみ存在するレンジ圧縮後のデータを入力し、速度指定方式ISARにより処理した場合、目標物の速度を入力すると、目標物の鮮明化に成功する。ここで、目標物が鮮明化された場合に入力した目標物の速度が、正しい目標物の速度である。
図14は、移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の速度算出を示す図である。移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在するレンジ圧縮後のデータを入力し、速度指定方式ISARにより処理した場合、目標物の速度を入力すると、目標物は鮮明化され、速度の異なるクラッタはぼやける。移動する目標物が1つのみ存在する場合と同様に、目標物が鮮明化された場合に入力した目標物の速度が、正しい目標物の速度である。
【0063】
次に、図15に基づき実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100の機能について説明する。図15は、実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。ここでは、実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の機能と異なる部分についてのみ説明する。
【0064】
実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100は、実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100に加え、速度判定部144を備える。
速度判定部144は、鮮明度判定入力部122が鮮明であると入力したアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、参照関数生成部142が使用した予測速度v,vを目標物の速度であると処理装置により判定する。ここで、目標物の速度は、レンジ方向の速度とアジマス方向の速度とを有する。
【0065】
つまり、図12に示すフローチャートにおいて、鮮明度判定入力ステップ(S111)において、鮮明度判定入力部122が鮮明であると入力した場合(S111でYes)、速度判定部144は、参照関数生成部142が使用した予測速度v,vを目標物の速度であると処理装置により判定する。そして、データ記憶ステップ(S112)では、データ記憶部162は、速度判定部144が判定した予測速度v,vを目標物の速度として記憶装置982に記憶する。
【0066】
実施の形態2によれば、目標物の移動する速度を、目標物の画像の鮮明化と合わせて算出することができる。
【0067】
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、目標物の画像の鮮明度を判定する画像鮮明度判定装置を備える画像鮮明化装置100について説明する。上記実施の形態においては、鮮明度判定入力部122が、画像が鮮明か否かの判定を入力することにより、画像の鮮明度が判断されていた。しかし、実施の形態3では、機械的に画像の鮮明度を判定し、最も鮮明な目標物の画像と、目標物の速度とを得る。
【0068】
まず、図16に基づき上記実施の形態での鮮明な目標物の画像を得るための処理について説明する。図16は、画像が鮮明か否かの判定を入力することにより、画像の鮮明度を判断する画像鮮明化装置100の動作を示す図である。
画像が鮮明か否かの判定を入力することにより、画像の鮮明度を判断する画像鮮明化装置100では、まず、レンジ圧縮後の画像と、レンジ方向の予測速度とアジマス方向の予測速度となどを入力する。次に、入力されたデータに基づき、速度指定方式ISARの処理を逆高速フーリエ変換処理ステップ(S109)まで行う。ここで生成された画像を表示し、目視などにより目標物の画像が鮮明であるか否かを判定し、判定を入力する。画像が鮮明でない場合、鮮明な画像が得られるまで上記の処理を繰り返す。
【0069】
次に、図17に基づき実施の形態3での鮮明な目標物の画像を得るための処理について説明する。図17は、機械的に画像の鮮明度を判定する画像鮮明化装置100の動作を示す図である。
機械的に画像の鮮明度を判定する画像鮮明化装置100では、レンジ圧縮後の画像を入力することで、機械的に最も鮮明な目標物の画像を出力する。
したがって、ISAR用の合成開口時間の中で目標物が複雑に移動する場合など、鮮明な画像を得るために多くの時間がかかっていたが、実施の形態3の方法を用いることで解決することができる。
【0070】
次に、図18、図19に基づき実施の形態3における画像鮮明度判定装置の画像鮮明度判定方法の概要について説明する。
図18は、画像が鮮明にならないぼやけを生じる場合の例を示した図である。レンジ圧縮後の画像に対して、マッチングしない参照関数を入力し、アジマス圧縮処理を行うと、アジマス圧縮後の画像はぼやけを生じ鮮明な画像は得られない。つまり、目標物の予測速度が、実際の目標物の速度と異なると参照関数がマッチングしないため、鮮明な画像は得られない。この場合、アジマス圧縮後の画像の目標物の輝度を示す振幅値のピークは低くなる。
図19は、画像が鮮明になる場合の例を示した図である。レンジ圧縮後の画像に対して、マッチングする参照関数を入力し、アジマス圧縮処理を行うと、アジマス圧縮後の画像はぼやけを生じない鮮明な画像が得られる。つまり、目標物の予測速度が、実際の目標物の速度と同等であると参照関数がマッチングし、鮮明な画像が得られる。この場合、アジマス圧縮後の画像の目標物の輝度を示す振幅値のピークは高くなる。
【0071】
次に、図20に基づき実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の機能について説明する。図20は、実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。ここでは、実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100の機能と異なる部分についてのみ説明する。
【0072】
実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100は、実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100に加え、鮮明度算出部146を備える。また、実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100は、鮮明度判定入力部122を備えていなくても構わない。
鮮明度算出部146は、アジマス圧縮処理部138が生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す画像の鮮明度を処理装置により算出する。鮮明度算出部146は、例えば、アジマス圧縮処理部138が生成したアジマス圧縮後データが示す画像の画素の輝度を表す振幅のピーク値を探し、ピーク値の高さが高いものほど画像の鮮明であると判定する。
また、速度入力部116は、例えば、アジマス方向の予測速度vの範囲va_max,va_mixとレンジ方向の予測速度vの範囲vr_max,vr_mixとアジマス圧縮回数Nとを設定し、以下の式15のように入力する速度を算出し、算出した速度を入力する。
【0073】
【数14】

【0074】
次に、図21に基づき実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の動作について説明する。図21は、実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の動作である速度指定方式ISARによる画像鮮明化を自動化する画像鮮明度判定方法を示すフローチャートである。ここでは、実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100の動作と異なる部分についてのみ説明する。
【0075】
まず、S202からS204までと、S206からS211までとを処理群Aとし、後述する速度入力ステップ(S210)で速度入力部116が入力する速度を変えながら、処理群Aを繰り返し実行する。処理群Aは、例えば、上記式15に基づきN回繰り返す。
ここで、S201からS209までは、それぞれ、S101からS109までと同様である。
速度入力ステップ(S210)では、速度入力部116は、目標物の移動する予測速度であるレンジ方向の予測速度vとアジマス方向の予測速度vを入力装置980により入力する。速度入力部116は、例えば、アジマス方向の予測速度vの範囲va_max,va_mixとレンジ方向の予測速度vの範囲vr_max,vr_mixとアジマス圧縮回数Nとを設定し、上記式15のように入力する速度を算出し、算出した速度v,vを入力する。鮮明度算出ステップ(S211)では、鮮明度算出部146は、アジマス圧縮処理部138が生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す画像の鮮明度を処理装置により算出する。次に、速度判定ステップ(S212)では、速度判定部144は、鮮明度算出部146が算出した鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、参照関数生成部142が使用した予測速度v,vを目標物の速度であると処理装置により判定する。次に、データ記憶ステップ(S213)では、データ記憶部162は、複数回実行された処理群Aにおいて、鮮明度算出部146が最も鮮明度が高いと判定したデータを記憶装置982に記憶する。ここで、データ記憶部162は、実施の形態2同様、鮮明度が高いと判定されたデータを算出する場合に入力された予測速度v,vを目標物の速度として記憶する。
【0076】
図21に示す画像鮮明化装置100の動作では、予測速度v,vを変化させながら、最も鮮明度が高いものを探す処理を行った。次に、図22に基づき予測速度v,vに加え、合成開口時間TA_isarについても変化させながら最も鮮明度が高いものを探す処理を行う画像鮮明化装置100の動作について説明する。図22は、予測速度v,vに加え、合成開口時間TA_isarについても変化させながら最も鮮明度が高いものを探す処理を行う画像鮮明化装置100の動作を示すフローチャートである。ここでは、図21に示す画像鮮明化装置100の動作と異なる部分についてのみ説明する。
【0077】
まず、S202からS204までと、S206からS211までと、S213とを処理群Bとし、後述する合成開口時間情報入力ステップ(S213)で合成開口時間情報入力部118が入力する合成開口時間情報を変えながら、処理群Bを繰り返し実行する。処理群Bは、例えば、SARの合成開口時間TをM分割し、M個の各合成開口時間回繰り返す。つまり、M回実行される処理群Bそれぞれに対して、処理群AはN回実行される。すなわち、処理群AはM×N回実行される。
ここで、S201からS212までは、図21に示す画像鮮明化装置100の動作と同様である。
合成開口時間情報入力ステップS213では、合成開口時間情報入力部118は、合成開口時間TA_isarの開始時刻αstartと合成開口時間の終了時刻αendとを有する合成開口時間情報を入力装置980により入力する。合成開口時間情報入力部118は、例えば、SARの合成開口時間TをM分割し、M個の各合成開口時間情報を入力する。
【0078】
実施の形態3によれば、目標物の画像が鮮明であるか否かを機械的に判定することができる。したがって、SAR用合成開口時間内の目標物の移動が複雑な場合などに、高品質なISAR画像を得るまでに相当の時間を要していたが、実施の形態3によれば、その時間を短縮することができ、かつ、高品質なISAR画像を得るための手間が軽減される。
【0079】
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、SAR再生された画像(アジマス圧縮後の画像)に含まれる目標物がぼやけている場合に、目標物の画像を鮮明化する画像鮮明化装置100について説明する。
【0080】
まず、図23、図24に基づきアジマス圧縮後の画像を入力された場合の孤立散乱点方式ISARによる画像再生について説明する。
図23は、速度の異なる複数の目標物が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の孤立散乱点方式ISARによる画像再生を示した図である。この場合、図3において説明したようにアジマス圧縮後の画像から1つの目標物のみ存在する部分を切り出し、孤立散乱点方式ISARによる画像再生を行うことで、切り出した部分に含まれる目標物の画像を鮮明化することができる。しかし、図4において説明したようにアジマス圧縮後の画像から切り出した部分に、鮮明化したい目標物以外に、他の目標物(クラッタ)が含まれてしまうと、孤立散乱点方式ISARによる画像再生を行っても目標物の画像の鮮明化に失敗する。
図24は、陸上の移動目標物が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の孤立散乱点方式ISARによる画像再生を示した図である。この場合、アジマス圧縮後の画像から目標物を含む部分を切り出し、孤立散乱点方式ISARによる画像再生を行っても、速度0の陸地からの反射の影響により目標物の画像の鮮明化に失敗する。
【0081】
次に、図25、図26に基づきアジマス圧縮後の画像を入力された場合の速度指定方式ISARによる画像再生について説明する。
図25は、速度の異なる複数の目標物が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の速度指定方式ISARによる画像再生を示した図である。この場合、図5において説明したようにアジマス圧縮後の画像から1つの目標物のみ存在する部分を切り出し、速度指定方式ISARによる画像再生を行うことで、切り出した部分に含まれる目標物の画像を鮮明化することができる。また、図6において説明したようにアジマス圧縮後の画像から切り出した部分に、鮮明化したい目標物以外に、他の目標物(クラッタ)が含まれていたとしても、速度指定方式ISARによる画像再生を行うことで目標物の画像を鮮明化することができる。
図26は、陸上の移動目標物が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の速度指定方式ISARによる画像再生を示した図である。この場合、アジマス圧縮後の画像から目標物を含む部分を切り出し、速度指定方式ISARによる画像再生を行うことで陸地からの反射の影響を受けずに目標物の画像を鮮明化することができる。
【0082】
次に、図27に基づき実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100によるアジマス圧縮後の画像に含まれる目標物がぼやけている場合に、目標物の画像を鮮明化する方法について説明する。図27は、実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100によるアジマス圧縮後の画像に含まれる目標物がぼやけている場合に、目標物の画像を鮮明化する方法を示す図である。
まず、入力されたアジマス圧縮後の画像から目標物を含む部分を切り出しする。この場合、目標物を含んでいればどの部分でもよく、クラッタを含んでいたとしても構わない。次に、切り出した画像のアジマス圧縮を解凍する。アジマス圧縮を解凍することにより、レンジ圧縮後のデータが生成される。レンジ圧縮後のデータに対して、速度指定方式ISARによる画像再生を行うことで、目標物が鮮明化される。
【0083】
次に、図28に基づき実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100の機能について説明する。図28は、実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。ここでは、実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の機能と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100は、実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100に加え、画像切出部148、アジマス解凍処理部150を備える。
画像切出部148は、データ入力部112が入力したアジマス圧縮後の画像から目標物を含んだ部分画像を切り出す。
アジマス解凍処理部150は、アジマス圧縮後の画像についてアジマス圧縮を解凍する。
【0085】
ここで、アジマス圧縮の解凍とは、アジマス圧縮処理を逆に実施することをいう。ここでいうアジマス圧縮処理とは、入力画像に対してされたアジマス圧縮処理である。したがって、通常は、上述した目標物の移動を考慮した参照関数に基づいたアジマス圧縮処理ではなく、目標物の移動を考慮しない参照関数に基づいたアジマス圧縮処理であることが考えられる。したがって、実施の形態1に示した目標物の移動を考慮した参照関数に基づいたアジマス圧縮処理ではなく、例えば以下のようにして得られた参照関数に基づきアジマス解凍処理を行う。
【0086】
SARでは、その画像化原理により、SARはある速度で移動する。SAR画像には、必ずSARの飛行情報、再生された画像の位置情報、および合成開口時間が付随しており、式16に示すSARと目標物との相対距離関係を計算することができる。これより、実施の形態1に示したのと同様に式17のようにドップラ周波数変化を計算できる。そして、SAR画像再生時に用いたアジマス圧縮の参照関数Erefを式18のように得ることができる。
【0087】
【数15】

なお、ここでは、レンジ−ドップラ再生方式を対象としているが、これに限定するわけではなく、スポットライトなど、それ以外の再生方式でもアジマス圧縮を逆に実施することで対応できる。
【0088】
次に、図29、図30に基づき、実施の形態1にて説明した式により、目標物が周波数領域での移動による影響を以下に示し、アジマス解凍することについての影響について説明する。図29は、目標物が周波数領域でレンジ方向に移動した場合の影響を示す図である。図30は、目標物が周波数領域でアジマス方向に移動した場合の影響を示す図である。
図29に示すように、目標物が周波数領域でレンジ方向に移動した場合、帯域に変化は生じないが、シフトが起こる。また、図30に示すように、目標物が周波数領域でアジマス方向に移動した場合、目標物がSARと逆方向へ移動する場合には帯域に変化が生じる。しかし、それ以外の場合には、移動しない目標物の帯域以内に収まる。
【0089】
周波数領域で畳み込みを行った後のSLC(シングルルックコンプレックス)から、処理を逆進する場合、移動に伴う周波数シフトや帯域伸張で失われたデータについては、再生不可能である。しかし、これは、静止体を想定した参照関数の帯域外の部分が完全に0となった場合のみであるため、一般には課題とはならない。
【0090】
次に、図31に基づき実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100の動作について説明する。図31は、実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100の動作であるSAR再生画像に対する速度指定方式ISAR処理を用いた画像鮮明化方法を示すフローチャートである。
【0091】
データ入力ステップ(S301)では、データ入力部112は、アジマス圧縮後の画像を入力する。次に、画像切出ステップ(S302)では、画像切出部148は、データ入力部112が入力したアジマス圧縮後の画像から目標物を含んだ部分画像を切り出す。次に、ゼロ詰め処理ステップ(S303)では、ゼロ詰め処理部134は、切出した画像に0を詰めることにより、切出した画像の画素数を2のべき乗とする。0詰めの方法については、実施の形態1に示す方法と同様で構わない。次に、高速フーリエ変換処理ステップ(S304)では、FFT処理部136は、ゼロ詰め処理部134が生成したゼロ詰めデータをFFTしFFT後データを処理装置により生成する。
【0092】
上記処理と並行して、付随情報入力ステップ(S305)では、付随情報入力部120は、SARの位置やSARの速度などの画像に付随する画像付随情報を入力装置980により入力する。次に、静止目標物へのアジマス圧縮参照関数生成ステップ(S306)では、参照関数生成部142は、目標物の移動を考慮しない参照関数を処理装置により生成する。次に、高速フーリエ変換処理ステップ(S307)では、FFT処理部136は、参照関数生成部142が生成した参照関数をFFTしFFT後参照関数を処理装置により生成する。
【0093】
次に、アジマス解凍処理ステップ(S308)では、アジマス解凍処理部150は、高速フーリエ変換処理ステップ(S307)でFFT処理部136が生成したFFT後参照関数に基づき、高速フーリエ変換処理ステップ(S304)でFFT処理部136が生成したFFT後データをアジマス解凍しアジマス解凍後データを処理装置により生成する。次に、逆高速フーリエ変換処理ステップ(S309)では、IFFT処理部140は、アジマス解凍処理部150がアジマス解凍したアジマス解凍後データをIFFTし、IFFT後データを処理装置により生成する。そして、速度指定方式ISAR処理による画像鮮明化処理ステップ(S310)では、上記実施の形態に示す速度指定方式ISAR処理による画像再生を実施する。データ記憶ステップ(S311)では、上記実施の形態同様、データ記憶部162は、再生された画像および算出された速度を記憶する。
【0094】
実施の形態4によれば、SAR再生画像やISAR再生画像などを入力データとして、速度指定方式ISAR処理を実施できる。したがって、通常手に入れることのできるSAR再生画像に含まれる移動しているためにぼやけている目標物や陸上に存在するためにぼやけている目標物の鮮明化をすることができる。
【0095】
実施の形態5.
次に、実施の形態5について説明する。実施の形態5では、目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフトしてしまった目標物の正しい位置を特定する位置特定装置200について説明する。
【0096】
まず、図32、図33、図34に基づきウエーキと船舶とのマッチングを取り目標物の正しい位置を特定するマッチング方法について説明する。
【0097】
図32は、SAR再生画像に目標物である船舶が1つのみ存在し、ウエーキが鮮明である場合のマッチング方法について示した図である。この場合、ウエーキと船舶との対応が明確であるため、ウエーキと船舶とのマッチングをすることができる。したがって、船舶をウエーキの位置へずらすことで、船舶の正しい位置を特定することができる。
【0098】
図33は、SAR再生画像に目標物である船舶が1つのみ存在し、ウエーキが存在しない場合、および、ウエーキが不鮮明である場合のマッチング方法について示した図である。この場合、ウエーキを検出することができないため、ウエーキと船舶とのマッチングをすることができない。したがって、船舶の正しい位置を特定することができない。
【0099】
図34は、SAR再生画像に目標物である船舶が複数存在し、ウエーキが鮮明である場合のマッチング方法について示した図である。この場合、SAR再生画像の情報だけでは、ウエーキと船舶との対応が不明確なため、ウエーキと船舶とのマッチングをすることができない。したがって、船舶の正しい位置を特定することができない。
【0100】
次に、図35、図36に基づき孤立散乱点方式ISARを用いた目標物の正しい位置を特定する方法について説明する。
【0101】
図35は、SAR再生画像に目標物である船舶が1つのみ存在し、ウエーキが存在しない場合、および、ウエーキが不鮮明である場合の孤立散乱点方式ISARを用いた方法について示した図である。この場合、ウエーキの有無は影響せず、後述する方法で孤立散乱点方式ISARに基づき目標物のレンジ方向への速度を求めることにより目標物の正しい位置を特定することができる。
【0102】
図36は、SAR再生画像に目標物である船舶が複数存在し、ウエーキが存在しない場合の孤立散乱点方式ISARを用いた方法について示した図である。目標物が複数存在する場合、後述する方法では、孤立散乱点方式ISARに基づき目標物のレンジ方向への速度を求めることができないため、目標物の正しい位置を特定することができない。
【0103】
次に、孤立散乱点方式ISARなどを用いることにより、目標物のレンジ方向への速度を求める方法について説明する。
まず、孤立散乱点方式ISARなどにより、レンジマイグレーション曲線を取得する。また、目標物が移動していない場合に得られるレンジマイグレーション曲線を取得する。この2つのレンジマイグレーション曲線の差を求めることにより、目標物のレンジ方向への移動を示す直線を算出することができる。
図37は、観測により取得したレンジマイグレーション曲線と、目標物が移動しない場合のレンジマイグレーション曲線とから目標物のレンジ方向への速度を求める方法を示した図である。
図37に示すように、2つのレンジマイグレーション曲線の差から得られた目標物のレンジ方向への移動を示す直線の角度αと、SARの移動速度とから、目標物のレンジ方向への速度を算出することができる。つまり、目標物のレンジ方向の速度をv、SARのアジマス方向の速度をvとするとv=vtanαである。
【0104】
次に、上記の方法により求めた目標物のレンジ方向への速度に基づき目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフト量を算出する方法について説明する。
目標物のレンジ方向速度に依存したアジマス方向へのシフト量は、Δx=(v/V)・Rにより算出することができる。ここで、Δxは、アジマス方向へのシフト量、vは、目標物のレンジ方向への速度、Vは、SARの速度、Rは、合成開口中心でのSARと目標物との距離である。この式へ上記の方法により求めた目標物のレンジ方向への速度を代入することにより、目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフト量を算出することができる。
【0105】
したがって、目標物のレンジ方向への速度が求まることで、目標物の正しい位置を特定することができる。
【0106】
次に、図38に基づき速度指定方式ISARを用いた目標物の正しい位置を特定する方法について説明する。図38は、SAR再生画像に目標物である船舶が複数存在し、ウエーキが存在しない場合の速度指定方式ISARを用いた方法について示した図である。この場合、速度指定方式ISARによれば、上記実施の形態で示したように、複数の目標物それぞれのレンジ方向への速度を求めることが可能である。したがって、上記式へ求めたレンジ方向速度を代入することにより目標物のレンジ方向速度に依存してアジマス方向へのシフト量を算出することができる。よって、目標物の正しい位置を特定することができる。
【0107】
次に、図39、図40に基づき目標物を正しい位置に補正し、画像を再生する画像再生装置について説明する。ここでは、目標物の正しい位置を特定する方法として、速度指定方式ISARを用いた方法を用いる。しかし、目標物の正しい位置を特定する方法は、これに限定されるわけではなく、上記の他の方法などでも構わない。
【0108】
図39は、目標物が1つのみ存在する場合における目標物を正しい位置に補正し、画像を再生する方法について示した図である。
まず、移動によるぼやけを伴いアジマス方向へシフトした目標物を含んだSAR再生画像を入力する。この画像に対して速度指定方式ISARを適用し、目標物が鮮明化された画像とレンジ方向への速度とを求める。次に、レンジ方向への速度からアジマス方向へのシフト量を算出する。そして、速度指定方式ISARにより求められた目標物が鮮明化された画像の目標物の位置を、入力されたSAR再生画像の目標物の座標から算出したアジマス方向へのシフト量分位置を補正し、画像を再生する。
【0109】
図40は、目標物が複数存在する場合における目標物を正しい位置に補正し、画像を再生する方法について示した図である。
まず、移動によるぼやけを伴いアジマス方向へシフトした複数の目標物を含んだSAR再生画像を入力する。この画像に対して速度指定方式ISARを適用し、複数の目標物それぞれが鮮明化された画像と複数の目標物それぞれのレンジ方向への速度とを求める。次に、複数の目標物それぞれのレンジ方向への速度から複数の目標物それぞれのアジマス方向へのシフト量を算出する。そして、速度指定方式ISARにより求められた複数の目標物それぞれが鮮明化された画像のそれぞれの目標物の位置を、入力されたSAR再生画像の複数の目標物それぞれの座標から算出したアジマス方向へのシフト量分位置を補正し、画像を再生する。
【0110】
次に、図41に基づき速度指定方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200の機能について説明する。図41は、速度指定方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200の機能を示す機能ブロック図である。位置特定装置200は、画像再生機能を有しており、画像再生装置の一例である。
【0111】
位置特定装置200は、SARにより観測された目標物の位置を特定する。位置特定装置200は、速度測定部210、シフト量算出部220、SAR再生画像入力部222、位置特定部224、位置補正部226、画像再生部228、入力装置980、記憶装置982、表示装置984を備える。
【0112】
速度測定部210は、目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を処理装置により測定して記憶装置982に記憶する。速度測定部210は、上記実施の形態で説明した画像鮮明化装置100、速度抽出部212を備える。速度測定部210が備える画像鮮明化装置100は、速度測定装置の一例である。速度測定部210が備える画像鮮明化装置100は、上記実施の形態で説明したすべての機能を備えている必要はなく、例えば、データ入力部112、速度入力部116、アジマス圧縮処理部138、参照関数生成部142、速度判定部144、鮮明度算出部146を備えている。速度測定部210が備える画像鮮明化装置100はこれに限られるわけではなく、レンジ方向の速度を特定することができればどのような構成であってもよく、速度測定部210は、上記速度指定方式ISARにより速度を測定できる機能を備えているとしても構わない。速度抽出部212は、速度判定部144が判定した移動速度からレンジ方向速度を抽出して記憶装置982に記憶する。
【0113】
シフト量算出部220は、速度測定部210が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置982に記憶する。シフト量算出部220は、上記Δx=(v/V)・Rに基づきアジマス方向へのシフト量を算出する。
SAR再生画像入力部222は、SARにより観測されたSAR再生画像を入力装置980により入力する。
位置特定部224は、シフト量算出部220が算出したシフト量とSAR再生画像入力部222が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置982に記憶する。
位置補正部226は、速度指定方式ISARにより生成した画像の目標物を、位置特定部224が特定した位置へ処理装置により補正した補正後画像を生成して記憶装置982に記憶する。
画像再生部228は、位置補正部226が生成した補正後画像を再生する。
【0114】
次に、図42に基づき位置特定装置200の動作について説明する。図42は、位置特定装置200の動作を示すフローチャートである。
まず、S402からS404までを処理群Cとし、後述するSAR再生画像入力ステップ(S401)で入力された画像に含まれる目標物分繰り返す。
SAR再生画像入力ステップ(S401)では、SAR再生画像入力部222は、SARにより観測されたSAR再生画像を入力装置980により入力する。次に、速度測定ステップ(S402)では、速度測定部210は、目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を処理装置により測定して記憶装置982に記憶する。次に、シフト量算出ステップ(S403)では、シフト量算出部220は、速度測定部210が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置982に記憶する。次に、位置特定ステップ(S404)では、位置特定部224は、シフト量算出部220が算出したシフト量とSAR再生画像入力部222が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置982に記憶する。次に、位置補正ステップ(S405)では、位置補正部226は、速度指定方式ISARにより生成した画像の目標物を、位置特定部224が特定した位置へ処理装置により補正した補正後画像を生成して記憶装置982に記憶する。次に、画像再生ステップ(S406)では、画像再生部228は、位置補正部226が生成した補正後画像を再生する。
【0115】
次に、図43に基づき孤立散乱点方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200の機能について説明する。図43は、孤立散乱点方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200の機能を示す機能ブロック図である。ここでは、速度指定方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200と異なる部分についてのみ説明する。
【0116】
孤立散乱点方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200は、移動直線算出部214、速度算出部216を備える。また、孤立散乱点方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200は、画像鮮明化装置100、速度抽出部212は備えている必要はない。
移動直線算出部214は、取得したレンジマイグレーション曲線と目標物が移動していない場合に得られるレンジマイグレーション曲線とに基づき、目標物のレンジ方向への移動を示す直線を算出して記憶装置982に記憶する。
速度算出部216は、移動直線算出部214が算出した直線に基づき、レンジ方向速度を算出して記憶装置982に記憶する。
【0117】
実施の形態5によれば、目標物が密集している場合や陸上にある場合などであっても、目標物が移動することによりアジマス方向へのシフトしてしまった目標物の正しい位置を特定することができる。また、正しい位置の情報と合わせて、速度指定方式ISARにより鮮明化された画像を得られるため、目標物の視覚化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】実施の形態にかかる画像鮮明化装置100の外観の一例を示した図である。
【図2】実施の形態における画像鮮明化装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】移動する目標物が1つのみが存在する場合の孤立散乱点方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。
【図4】移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在する場合の孤立散乱点方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。
【図5】移動する目標物が1つのみが存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。
【図6】移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の鮮明化を示す図である。
【図7】SARと静止体とのt秒後の相対関係(距離)を表した図である。
【図8】図7における静止体の自転による移動を示す図である。
【図9】SARと移動体とのt秒後の相対関係(距離)を表した図である。
【図10】図9における移動体の移動を示す図である。
【図11】実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【図12】実施の形態1にかかる画像鮮明化装置100の動作である速度指定方式ISARによる動揺目標鮮明化方法を示すフローチャートである。
【図13】移動する目標物が1つのみが存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の速度算出を示す図である。
【図14】移動する目標物と、目標物と異なる速度を持ち輝度が強いクラッタとが存在する場合の速度指定方式ISARによる目標物の速度算出を示す図である。
【図15】実施の形態2にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【図16】画像が鮮明か否かの判定を入力することにより、画像の鮮明度が判断する画像鮮明化装置100の動作を示す図である。
【図17】機械的に画像の鮮明度を判定する画像鮮明化装置100の動作を示す図である。
【図18】画像が鮮明にならないぼやけを生じる場合の例を示した図である。
【図19】画像が鮮明になる場合の例を示した図である。
【図20】実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【図21】実施の形態3にかかる画像鮮明化装置100の動作である速度指定方式ISARによる画像鮮明化の自動化方法を示すフローチャートである。
【図22】予測速度に加え、合成開口時間についても変化させながら最も鮮明度が高いものを探す処理を行う画像鮮明化装置100の動作を示すフローチャートである。
【図23】速度の異なる複数の目標物が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の孤立散乱点方式ISARによる画像再生を示した図である。
【図24】陸上の移動目標が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の孤立散乱点方式ISARによる画像再生を示した図である。
【図25】速度の異なる複数の目標物が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の速度指定方式ISARによる画像再生を示した図である。
【図26】陸上の移動目標が存在するアジマス圧縮後の画像を入力された場合の速度指定方式ISARによる画像再生を示した図である。
【図27】実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100によるアジマス圧縮後の画像に含まれる目標物がぼやけている場合に、目標物の画像を鮮明化する方法を示す図である。
【図28】実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【図29】目標物が周波数領域でレンジ方向に移動した場合の影響を示す図である。
【図30】目標物が周波数領域でアジマス方向に移動した場合の影響を示す図である。
【図31】実施の形態4にかかる画像鮮明化装置100の動作であるSAR再生画像に対する速度指定方式ISAR処理を用いた動揺目標鮮明化方法を示すフローチャートである。
【図32】SAR再生画像に目標物である船舶が1つのみ存在し、ウエーキが鮮明である場合のマッチング方法について示した図である。
【図33】SAR再生画像に目標物である船舶が1つのみ存在し、ウエーキが存在しない場合、および、ウエーキが不鮮明である場合のマッチング方法について示した図である。
【図34】SAR再生画像に目標物である船舶が複数存在し、ウエーキが鮮明である場合のマッチング方法について示した図である。
【図35】SAR再生画像に目標物である船舶が1つのみ存在し、ウエーキが存在しない場合、および、ウエーキが不鮮明である場合の孤立散乱点方式ISARを用いた方法について示した図である。
【図36】SAR再生画像に目標物である船舶が複数存在し、ウエーキが存在しない場合の孤立散乱点方式ISARを用いた方法について示した図である。
【図37】観測により取得したレンジマイグレーション曲線と、目標物が移動しない場合のレンジマイグレーション曲線とから目標物のレンジ方向への速度を求める方法を示した図である。
【図38】SAR再生画像に目標物である船舶が複数存在し、ウエーキが存在しない場合の速度指定方式ISARを用いた方法について示した図である。
【図39】目標物が1つのみ存在する場合における目標物を正しい位置に補正し、画像を再生する方法について示した図である。
【図40】目標物が複数存在する場合における目標物を正しい位置に補正し、画像を再生する方法について示した図である。
【図41】速度指定方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200の機能を示す機能ブロック図である。
【図42】位置特定装置200の動作を示すフローチャートである。
【図43】孤立散乱点方式ISARにより目標物の位置を特定する位置特定装置200の機能を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0119】
100 画像鮮明化装置、110 入力部、112 データ入力部、114 参照関数情報入力部、116 速度入力部、118 合成開口時間情報入力部、120 付随情報入力部、122 鮮明度判定入力部、130 処理部、132 レンジマイグレーション補正部、134 ゼロ詰め処理部、136 FFT処理部、138 アジマス圧縮処理部、140 IFFT処理部、142 参照関数生成部、144 速度判定部、146 鮮明度算出部、148 画像切出部、150 アジマス解凍処理部、160 記憶部、162 データ記憶部、170 表示部、172 データ表示部、200 位置特定装置、210 速度測定部、212 速度抽出部、214 移動直線算出部、216 速度算出部、220 シフト量算出部、222 SAR再生画像入力部、224 位置特定部、226 位置補正部、228 画像再生部、901 CRT表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、908 データベース、909 システムユニット、910 サーバ、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 FAX機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN、980 入力装置、982 記憶装置、984 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の位置を特定する位置特定装置において、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定部と、
上記速度測定部が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部と、
SARにより観測されたSAR再生画像を入力装置により入力するSAR再生画像入力部と、
上記シフト量算出部が算出したシフト量と上記SAR再生画像入力部が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定部と
を備えることを特徴とする位置特定装置。
【請求項2】
上記シフト量算出部は、Δx=(v/V)・Rによりシフト量を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の位置特定装置。
Δx:アジマス方向へのシフト量,
:レンジ方向への速度,
:自機の速度,
:合成開口中心でのSARと目標物との距離
【請求項3】
上記速度測定部は、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力装置により入力するデータ入力部と、
レンジ方向への予測速度とアジマス方向への予測速度とを有する複数の予測移動速度を入力装置により入力する速度入力部と、
上記速度入力部が入力した複数の予測移動速度の各予測移動速度と、SARの移動情報と目標物の予測移動情報とに基づいたSARと目標物との距離関係情報とにより複数の参照関数を処理装置により生成して記憶装置に記憶する参照関数生成部と、
上記参照関数生成部が生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、上記データ入力部が入力したレンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを処理装置により生成して記憶装置に記憶するアジマス圧縮処理部と、
上記アジマス圧縮処理部が生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す画像の鮮明度を処理装置により算出して記憶装置に記憶する鮮明度算出部と、
上記鮮明度算出部が算出した鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、距離関係情報に入力した予測移動速度を目標物の移動速度であると処理装置により判定して記憶装置に記憶する速度判定部と、
上記速度判定部が判定した移動速度からレンジ方向速度を抽出して記憶装置に記憶する速度抽出部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の位置特定装置。
【請求項4】
上記速度測定部は、速度指定方式ISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar)によりレンジ方向速度を測定する
ことを特徴とする請求項1記載の位置特定装置。
【請求項5】
上記速度測定部は、
取得したレンジマイグレーション曲線と目標物が移動していない場合に得られるレンジマイグレーション曲線とに基づき、目標物のレンジ方向への移動を示す直線を算出して記憶装置に記憶する移動直線算出部と、
上記移動直線算出部が算出した直線に基づき、レンジ方向速度を算出して記憶装置に記憶する速度算出部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の位置特定装置。
【請求項6】
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された画像を再生する画像再生装置において、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を速度指定方式ISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar)に基づき処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定部と、
上記速度測定部が測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部と、
SARにより観測されたSAR再生画像を入力するSAR再生画像入力部と、
上記シフト量算出部が算出したシフト量と上記SAR再生画像入力部が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定部と、
速度指定方式ISARにより生成した画像の目標物を、上記位置特定部が特定した位置へ処理装置により補正した補正後画像を生成して記憶装置に記憶する位置補正部と、
上記位置補正部が生成した補正後画像を再生する画像再生部と
を備えることを特徴とする画像再生装置。
【請求項7】
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された複数の目標物の位置を特定する位置特定装置において、
複数の目標物の各目標物のレンジ方向への移動速度を処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定部と、
上記速度測定部が測定した複数の目標物の各目標物の移動速度に基づき、複数の目標物の各目標物のアジマス方向へのシフト量を処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出部と、
SARにより観測されたSAR再生画像を入力装置により入力するSAR再生画像入力部と、
上記シフト量算出部が算出した複数の目標物の各目標物のシフト量と上記SAR再生画像入力部が入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、複数の目標物の各目標物の位置を処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定部と
を備えることを特徴とする位置特定装置。
【請求項8】
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の位置を特定する位置特定装置の位置特定方法において、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を速度測定部が処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定ステップと、
上記速度測定ステップで測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量をシフト量算出部が処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出ステップと、
SARにより観測されたSAR再生画像をSAR再生画像入力部が入力装置により入力するSAR再生画像入力ステップと、
上記シフト量算出ステップで算出したシフト量とSAR再生画像入力ステップで入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を位置特定部が処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定ステップと
を備えることを特徴とする位置特定方法。
【請求項9】
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の位置を特定する位置特定装置の位置特定プログラムにおいて、
目標物のレンジ方向への移動速度であるレンジ方向速度を速度測定部が処理装置により測定して記憶装置に記憶する速度測定ステップと、
上記速度測定ステップで測定したレンジ方向速度に基づき、アジマス方向へのシフト量をシフト量算出部が処理装置により算出して記憶装置に記憶するシフト量算出ステップと、
SARにより観測されたSAR再生画像をSAR再生画像入力部が入力装置により入力するSAR再生画像入力ステップと、
上記シフト量算出ステップで算出したシフト量とSAR再生画像入力ステップで入力したSAR再生画像の目標物の座標とに基づき、目標物の位置を位置特定部が処理装置により特定して記憶装置に記憶する位置特定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする位置特定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2007−114098(P2007−114098A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307071(P2005−307071)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】